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技術 グルコサミノグリカンのカルボキシル化誘導体、及び薬物としての使用

出願人 ノバヘルスバイオシステムズエルエルシー
発明者 トッリ,ジャンジアコモナッジ,アンナマリア
出願日 2014年10月22日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2016-550977
公開日 2017年3月30日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2017-508836
状態 特許登録済
技術分野 多糖類及びその誘導体 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 酵素・酵素の調製 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード フラクシング 先駆者 ピーク体積 伝導度滴定 ウロン酸単位 還元性二糖類 BBO サンダーソン
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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、ヘパラナーゼ阻害活性及び抗腫瘍活性を有し、グルコサミノグリカン残基の少なくとも一部の2位置及び3位置にカルボキシレート基を持つグルコサミノグリカン誘導体、並びにそれを調製する方法に関する。本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、場合により二段階酸化により2−O−及び2N−脱硫酸化された天然又は合成のグルコサミノグリカン、好ましくはヘパリン又は低分子量ヘパリンから出発して生成される。第一の酸化により、グルコサミノグリカン残基の隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2がアルデヒドに変換され、第二の酸化により、前記ジアルデヒドがカルボキシレート基に変換される。第一の酸化は、好ましくは酸化可能残基の環のC2−C3結合の開裂を引き起こすものである。本発明は更に、前記グルコサミノグリカン誘導体を調製する方法に関し、更には、薬剤活性原材料としてのその使用に関する。更には、本発明は、活性剤としてのジ/トリカルボキシル化ヘパリン誘導体を含む医薬組成物に関する。

概要

背景

多発性骨髄腫は、二番目に多く見られる血液悪性腫瘍であり、米国における血液がん全体の10%以上を占めている。毎年約20,000件の新たな症例が出ており、致死率は50%を超えている(Graham−Rowe D.、2011、多発性骨髄腫の見通し(Multiple myeloma outlook)、Nature 480、s34〜s35)。

最近の数年間に、有望な治療法、例えばプロテアソーム阻害剤ベルケイド)、ビスホスフォネートサリドマイドなどの投与が開発されている。これらの薬剤の有効性は、少なくとも部分的には、骨髄腫腫瘍微環境に及ぼすその影響によるものである。

骨髄腫に対する前記薬剤の有効性は実証されたものの、骨髄腫及び他の腫瘍の治療のための新規の改良された薬物に対する必要性は依然として存在する。

ヘパラナーゼは、シンデカン−1などのHS−プロテオグリカンヘパラン硫酸(HS)を開裂し、それによりHS結合型増殖因子を放出する、エンドβ−グルクロニダーゼである。

人体には、HSを開裂可能な単一の優勢な機能性ヘパラナーゼ酵素が存在するように見受けられる。ヘパラナーゼは、ほとんどのヒトの腫瘍に発現し、その場合、腫瘍細胞血管形成能及び転移能を大幅に増大させる。ヘパラナーゼレベルの上昇は、実際に多くの腫瘍型の進行及び転移相関関係があった。例えば、高レベルのヘパラナーゼは、患者の術後生存期間の短縮と関連している。腫瘍転移におけるヘパラナーゼの直接的な役割は、Vlodavsky及びSandersonの研究室で実証され、そこで我々の新規な阻害剤テストされてきた。

HS結合型増殖因子の放出及び侵入性細胞による細胞外基質(ECM)の分解を含む酵素機能に加え、ヘパラナーゼは、腫瘍挙動及びその微環境に影響を及ぼし得る非酵素機能も有する。Sandersonのグループは、骨髄腫におけるヘパラナーゼ及びシンデカン−1を対象とした研究の先駆者であり、ヘパラナーゼが骨髄腫において浸潤性腫瘍表現型の主要調節因子として作用することを立証した。これは、VEGF及びMMP−9の上方調節を促進することによって起こり、同時に腫瘍増殖転移性及び溶骨性骨破壊増進する。実際、in vivoでは、ヘパラナーゼが骨髄腫腫瘍の成長及び骨への自然転移を促進すること、ならびに腫瘍細胞によるヘパラナーゼの発現が、少なくとも部分的にはRANKL発現の上方調節による、著しい骨溶解を助長することが実証されている。ヘパラナーゼの骨溶解促進効果は、骨が劣化すると骨結合型増殖因子が放出されることから、非常に重要となり得る。加えて、破骨細胞は、HGFなどの腫瘍増殖促進因子を放出する可能性がある。同時に、これらの因子は、腫瘍細胞のホーミングとその後の増殖を助けるニッシェ骨髄内における形成を助長し得る(Fux,L.他、2009、「ヘパラナーゼ:細胞表面で活発(Heparanase: busy at the cell surface)」TrendsBiochem Sci、34(10):511〜519;Sanderson R.D.及びYang Y.、2008、「シンデカン−1:骨髄腫微環境の動的な調節因子(Syndecan-1: a dynamic regulator of the myeloma microenvironment)」Clin Exp Metastasis 25:149〜59;Ilan N.他、2006、「がん転移及び血管形成におけるヘパラナーゼの制御、機能及び臨床的意義(Regulation, function and clinical significance of heparanase in cancer metastasis and angiogenesis)」Int J Biochem Cell Biol、38:2018〜2039)。従って、ヘパラナーゼの阻害は、骨髄腫治療の実現可能な目標であり、人体には酵素的活性な単一のヘパラナーゼが存在するという事実、及び通常の組織においてその発現はまれであるという事実によって裏付けられる。更には、ヘパラナーゼノックアウトマウス生存可能であって観察可能障害を何ら示さないことが証明されている。このことは、ヘパラナーゼ阻害方策からは副作用がほとんどあるいは全く生じないことを示している(Casu B.、他 2008、非抗凝固ヘパリン及びがんの阻害(Non-anticoagulant heparins and inhibition of cancer)、Pathophysiol Haemost Thromb.36:195〜203;Vlodavsky I.、他、2007、ヘパラナーゼ:構造、生物学的機能、及びヘパラン硫酸のヘパリン由来模倣薬による阻害(Heparanase: structure, biological functions, and inhibition by heparin-derived mimetics of heparan sulfate)、Curr Pharm Des.13:2057〜2073;Naggi A.、他 2005、選択的脱硫酸化、段階的N−アセチル化、及びグリコール分割によるヘパリンのヘパラナーゼ阻害活性の調節(Modulation of the Heparanase-inhibiting Activity of Heparin through Selective Desulfation, Graded N- Acetylation, and Glycol Splitting)、J.Biol.Chem.280:12103〜12113)。

ヘパリンは、グルコサミノグリカンファミリーの線状多分散硫酸化多糖類であり、抗凝固活性及び抗血栓活性を有する。ヘパリンの単糖鎖は、交互に並んだウロン酸とD−グルコサミンからなる。主要な繰り返し単位は、2−O−硫酸化L−イズロン酸(IdoA2S)α(1→4)とN−、6−O−脱硫酸化D−グルコサミン(GlcN6S)である。微量成分は、非硫酸化L−イズロン酸及びD−グルクロン酸であり、更にN−アセチルD−グルコサミン及びN−、3−O−、6−O−三硫酸化D−グルコサミンである(Casu B.、2005、ヘパリンの構造及び活性ドメイン(Structure and active domains of heparin)、出典:ヘパリン及びヘパラン硫酸の化学及び生物学(Chemistry and Biology of Heparin and Heparan Sulfate)、Amsterdam:Elsevier.1〜28;Casu B.及びLindahl U、2001、ヘパリン及びヘパラン硫酸の構造及び生物相互作用(Structure and biological interactions of heparin and heparan sulfate)、Adv Carbohydr Chem Biochem、57:159〜206)。ヘパリンは、構造的にHSに類似しており、効率的にヘパラナーゼを阻害できるが、ヘパラナーゼ阻害方策における高用量でのヘパリンの使用は、その抗凝固活性のために不可能である。

興味深いことに、低分子量ヘパリン(LMWH)は、ヘパリンよりも生物学的有用性が高く(more bioavailable)て抗凝固性が低く、おそらくは腫瘍の増殖及び転移に直接的に作用してがん患者を延命するようにみえる。それは、少なくともある程度は、ヘパラナーゼ酵素活性の阻害によると考えられる(Zacharski L.R.、及びLee,A.Y.2008、抗がん治療としてのヘパリン(Heparin as an anticancer therapeutic)、Expert Opin Investig Drugs 17:1029〜1037)。

ヘパラナーゼの酵素活性の効果的な阻害剤は、先行技術においては、非抗凝固性ヘパリンによるヘパラナーゼ阻害を研究することによって選ばれており、そのほとんどは、グルコサミノグリカン残基の炭素2と3との間の結合の開裂(グリコール分割)によるグルコシド環の開環によって改質された非硫酸化ウロン酸残基を含んでいる。前記阻害剤は、元々存在する非硫酸化ウロン酸残基と段階的2−O−脱硫酸化によって生成される非硫酸化ウロン酸残基の両方のO−硫酸化パターン、N−アセチル化度、及びグリコール分割の点で異なっている(Naggi A.、2005、「ヘパリン及びヘパリン誘導体による増殖因子の阻害及びヘパラナーゼ阻害を調節するための手段としてのグリコール分割(Glycol-splitting as a device for modulating inhibition of growth factors and heparanase inhibition by heparin and heparin derivative)」出典:ヘパリン及びヘパラン硫酸の化学及び生物学(Chemistry and Biology of Heparin and Heparan Sulfate)、Amsterdam:Elsevier 461〜481;Yang Y.他、2007、「シンデカン−1ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、骨髄腫治療のための実行可能な目標である(The syndecan-1 heparan sulfate proteoglycan is a viable target for myeloma therapy)」Blood、110:2041〜2048)。

特に、「グリコール分割(gs)」という用語は、従来は、それぞれヒドロキシル基を持つ2つの隣接する炭素間の1つの結合の切断(グリコール分割)によって一部の単糖類残基の開環を生じる多糖類を意味している。第一世代のグリコール分割ヘパリン、すなわち、いわゆる「還元オキシヘパリン」(ROヘパリン)は、時にはグリコール分割残基によって遮断される未改質多硫酸化ブロックからなり、これは、元の鎖に沿って存在し、まずジアルデヒド酸化され次いでアルコールに還元された非硫酸化グルクロン酸/イズロン酸残基に対応していた(Naggi A.、2005、「ヘパリン及びヘパリン誘導体による増殖因子の阻害及びヘパラナーゼ阻害を調節するための手段としてのグリコール分割(Glycol-splitting as a device for modulating inhibition of growth factors and heparanase inhibition by heparin and heparin derivative)」出典:ヘパリン及びヘパラン硫酸の化学及び生物学(Chemistry and Biology of Heparin and Heparan Sulfate)、Amsterdam:Elsevier 461〜481)

WO01/55221は2−O−脱硫酸化度が全ウロン酸単位の60%以下のグルコサミノグリカンを開示している。前記グルコサミノグリカンは抗凝固活性を持たず、FGFの阻害に基づく抗血管形成活性を示す。ヘパラナーゼの阻害については、活性は予測されていなかった。

US2008/0051567は、抗凝固活性又は細胞外基からの増殖因子の放出をほとんどあるいは全くもたらさない、100%N−アセチル化され25%グリコール分割されたヘパリンに対応する化合物を開示している。前記化合物は、骨髄腫のサンダーソンモデルを含む実験動物モデルにおいて、ヘパラナーゼ、腫瘍増殖、血管形成及び炎症を阻害することが判明した;Yang Y.他、2007、「シンデカン−1ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、骨髄腫治療のための実行可能な目標である(The syndecan-1 heparan sulfate proteoglycan is a viable target for myeloma therapy)」Blood 110:2041〜2048)。

概要

本発明は、ヘパラナーゼ阻害活性及び抗腫瘍活性を有し、グルコサミノグリカン残基の少なくとも一部の2位置及び3位置にカルボキシレート基を持つグルコサミノグリカン誘導体、並びにそれを調製する方法に関する。本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、場合により二段階の酸化により2−O−及び2N−脱硫酸化された天然又は合成のグルコサミノグリカン、好ましくはヘパリン又は低分子量ヘパリンから出発して生成される。第一の酸化により、グルコサミノグリカン残基の隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2がアルデヒドに変換され、第二の酸化により、前記ジアルデヒドがカルボキシレート基に変換される。第一の酸化は、好ましくは酸化可能残基の環のC2−C3結合の開裂を引き起こすものである。本発明は更に、前記グルコサミノグリカン誘導体を調製する方法に関し、更には、薬剤の活性原材料としてのその使用に関する。更には、本発明は、活性剤としてのジ/トリカルボキシル化ヘパリン誘導体を含む医薬組成物に関する。

目的

それにも関わらず、ヘパラナーゼ親和性がより高く、選択性がより高く、生物学的有用性が改善され、骨髄腫及び他の腫瘍などのヘパラナーゼ関連病変の治療に適した改良された化合物を提供する

効果

実績

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請求項1

ヘパラナーゼ阻害するグルコサミノグリカン誘導体を調製する方法であって、a)隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2をジアルデヒドに変換するのに効果的な条件下で、グルコサミノグリカンの2−O−、及び場合により2N−、3−O−非硫酸化残基の10%〜100%を酸化する工程;b)前記酸化されたグルコサミノグリカンを、前記ジアルデヒドをカルボキシレート基に変換するのに効果的な条件下で酸化する工程;を含む、グルコサミノグリカン誘導体を調製する方法。

請求項2

前記グルコサミノグリカンが天然又は合成のグルコサミノグリカンであり、好ましくはヘパリン低分子量ヘパリンヘパラン硫酸から選択され、場合により2−O−及び/又は2−N−脱硫酸化されており、より好ましくは非分画ヘパリン又はLMWHから選択され、場合により2−O−及び/又は2−N−脱硫酸化されている、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記グルコサミノグリカンの本明細書において定義する伝導度滴定によって判定される硫酸化度(SO3−/COO−)が0.8〜2.8である、請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

前記グリコサミノグリカンの本明細書において定義する伝導度滴定によって判定される硫酸化度(SO3−/COO−)が0.9〜2.5である、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記グルコサミノグリカン誘導体の本明細書において定義するカルボキシル増分が1.2〜2.2である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

テップa)において、過ヨウ素酸塩によって酸化が行われる、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

ステップa)において、グリコサミノグリカンの2−O−及び場合により2N−、3−O−非硫酸化残基の25%〜100%を酸化する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる、化合物

請求項9

分子量が、3,000から20,000Daである、請求項8に記載の誘導体化合物

請求項10

分子量が、3,500から12,000Daである、請求項8に記載の誘導体化合物。

請求項11

請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の前記化合物の酵素的又は化学的解重合により得ることができる、オリゴ糖化合物。

請求項12

薬剤として用いる、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の化合物。

請求項13

転移または抗腫瘍薬として用いる、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の化合物。

請求項14

骨髄腫薬として用いる、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の化合物。

技術分野

0001

本発明は、ヘパラナーゼ阻害活性及び抗腫瘍活性を有し、グルコサミノグリカン残基の少なくとも一部の2位置及び3位置にカルボキシレート基を持つグルコサミノグリカン誘導体並びにそれを調製する方法に関する。

0002

本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、場合により化学的又は酵素的改質された、天然又は合成のグルコサミノグリカンから出発して生成される。特に、前記グルコサミノグリカン誘導体は、グルコサミノグリカンの二段階酸化によって得ることができる。好ましくは過ヨウ素酸塩による、第一の酸化(a)によって、グルコサミノグリカン残基の隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2がアルデヒドに変換され、第二の酸化(b)により、前記ジアルデヒドがカルボキシレート基に変換される。本発明によると、第一の酸化ステップ(a)において、隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2をアルデヒドに変換するのに効果的な条件下で、グルコサミノグリカンの2−O−非硫酸化残基及び場合により2N−、3−O−非硫酸化残基の好ましくは10%〜100%、より好ましくは25%〜100%が酸化される。

0003

第一の酸化は、好ましくは酸化可能残基の環のC2−C3結合の開裂を引き起こすものである。好ましくは、グルコサミノグリカンは天然又は合成のグルコサミノグリカンであり、場合により2−O−及び/又は2−N−脱硫酸化されており、硫酸化度(SO3−/COO−モル比)が0.8〜2.8、好ましくは0.9〜2.5である。本明細書において硫酸化度(SO3−/COO−モル比)は、Casu B.及びGennaro U.が著した、Carbohydr Res39(1975年)の168〜176ページによる伝導度滴定によって判定したものが意図されている。上記に開示する本発明の方法によって得ることができるジ/トリカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体が示すカルボキシル増分(carboxyl increment)は1.2〜2.2である。ただし、カルボキシル増分は、本明細書において定義する伝導度滴定によって判定されるジ/トリカルボキシル化誘導体の硫酸化度(SO3−/COO−モル比)に対する出発物質の硫酸化度(SO3−/COO−モル比)の比として計算される。より具体的には、出発物質のグルコサミノグリカンの硫酸化度は、第一の酸化ステップ(a)によって得られるグルコサミノグリカン中間体サンプルに対して、NaBH4による還元後に判定される。

0004

好ましくは、本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、場合により化学的又は酵素的に改質された、任意の動物及び臓器提供者由来の天然ヘパリン、又は合成ヘパリンから出発して得られる。より好ましくは、出発物質は、非分画ヘパリン低分子量ヘパリン(LMWH、分子量は3,500〜8,000Da)、ヘパラン硫酸(HS)、又はこれらの誘導体である。最も好ましくは、場合により2−O−及び/又は2−N−脱硫酸化された非分画ヘパリン又はLMWHから得ることができるグルコサミノグリカン誘導体である。

0005

本発明は更に、前記グルコサミノグリカン誘導体を調製する方法に関し、更には、場合により公知の確立された薬物又は治療と組み合わせた薬剤活性原材料としてのその使用に関する。特に、本発明は、多発性骨髄腫及び他の新生組織形成(即ち、非上皮性悪性腫瘍、上皮性悪性腫瘍、血液悪性腫瘍)などであって、その転移型も含む病態治療用薬剤として用いるための前記グルコサミノグリカン誘導体を対象とする。

0006

更には、本発明は、ヘパラナーゼ阻害から恩恵を受ける任意の治療指標(即ち、糖尿病性腎症炎症性腸疾患大腸炎関節炎乾癬敗血症アテローム性動脈硬化症)における前記グルコサミノグリカン誘導体の使用に関する。本発明は更に、前記ジ/トリカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体を含む医薬組成物に関し、特に、ジ/トリカルボキシル化ヘパリン及び低分子量ヘパリン(LMWH)の誘導体を活性剤として含む医薬組成物に関する。場合により、前記医薬組成物は、少なくとも1種の別の活性剤、好ましくは少なくとも1種の別の抗がん剤を更に含む。

背景技術

0007

多発性骨髄腫は、二番目に多く見られる血液悪性腫瘍であり、米国における血液がん全体の10%以上を占めている。毎年約20,000件の新たな症例が出ており、致死率は50%を超えている(Graham−Rowe D.、2011、多発性骨髄腫の見通し(Multiple myeloma outlook)、Nature 480、s34〜s35)。

0008

最近の数年間に、有望な治療法、例えばプロテアソーム阻害剤ベルケイド)、ビスホスフォネートサリドマイドなどの投与が開発されている。これらの薬剤の有効性は、少なくとも部分的には、骨髄腫腫瘍微環境に及ぼすその影響によるものである。

0009

骨髄腫に対する前記薬剤の有効性は実証されたものの、骨髄腫及び他の腫瘍の治療のための新規の改良された薬物に対する必要性は依然として存在する。

0010

ヘパラナーゼは、シンデカン−1などのHS−プロテオグリカンのヘパラン硫酸(HS)を開裂し、それによりHS結合型増殖因子を放出する、エンドβ−グルクロニダーゼである。

0011

人体には、HSを開裂可能な単一の優勢な機能性ヘパラナーゼ酵素が存在するように見受けられる。ヘパラナーゼは、ほとんどのヒトの腫瘍に発現し、その場合、腫瘍細胞血管形成能及び転移能を大幅に増大させる。ヘパラナーゼレベルの上昇は、実際に多くの腫瘍型の進行及び転移と相関関係があった。例えば、高レベルのヘパラナーゼは、患者の術後生存期間の短縮と関連している。腫瘍転移におけるヘパラナーゼの直接的な役割は、Vlodavsky及びSandersonの研究室で実証され、そこで我々の新規な阻害剤テストされてきた。

0012

HS結合型増殖因子の放出及び侵入性細胞による細胞外基質(ECM)の分解を含む酵素機能に加え、ヘパラナーゼは、腫瘍挙動及びその微環境に影響を及ぼし得る非酵素機能も有する。Sandersonのグループは、骨髄腫におけるヘパラナーゼ及びシンデカン−1を対象とした研究の先駆者であり、ヘパラナーゼが骨髄腫において浸潤性腫瘍表現型の主要調節因子として作用することを立証した。これは、VEGF及びMMP−9の上方調節を促進することによって起こり、同時に腫瘍増殖転移性及び溶骨性骨破壊増進する。実際、in vivoでは、ヘパラナーゼが骨髄腫腫瘍の成長及び骨への自然転移を促進すること、ならびに腫瘍細胞によるヘパラナーゼの発現が、少なくとも部分的にはRANKL発現の上方調節による、著しい骨溶解を助長することが実証されている。ヘパラナーゼの骨溶解促進効果は、骨が劣化すると骨結合型増殖因子が放出されることから、非常に重要となり得る。加えて、破骨細胞は、HGFなどの腫瘍増殖促進因子を放出する可能性がある。同時に、これらの因子は、腫瘍細胞のホーミングとその後の増殖を助けるニッシェ骨髄内における形成を助長し得る(Fux,L.他、2009、「ヘパラナーゼ:細胞表面で活発(Heparanase: busy at the cell surface)」TrendsBiochem Sci、34(10):511〜519;Sanderson R.D.及びYang Y.、2008、「シンデカン−1:骨髄腫微環境の動的な調節因子(Syndecan-1: a dynamic regulator of the myeloma microenvironment)」Clin Exp Metastasis 25:149〜59;Ilan N.他、2006、「がん転移及び血管形成におけるヘパラナーゼの制御、機能及び臨床的意義(Regulation, function and clinical significance of heparanase in cancer metastasis and angiogenesis)」Int J Biochem Cell Biol、38:2018〜2039)。従って、ヘパラナーゼの阻害は、骨髄腫治療の実現可能な目標であり、人体には酵素的に活性な単一のヘパラナーゼが存在するという事実、及び通常の組織においてその発現はまれであるという事実によって裏付けられる。更には、ヘパラナーゼノックアウトマウス生存可能であって観察可能障害を何ら示さないことが証明されている。このことは、ヘパラナーゼ阻害方策からは副作用がほとんどあるいは全く生じないことを示している(Casu B.、他 2008、非抗凝固性ヘパリン及びがんの阻害(Non-anticoagulant heparins and inhibition of cancer)、Pathophysiol Haemost Thromb.36:195〜203;Vlodavsky I.、他、2007、ヘパラナーゼ:構造、生物学的機能、及びヘパラン硫酸のヘパリン由来模倣薬による阻害(Heparanase: structure, biological functions, and inhibition by heparin-derived mimetics of heparan sulfate)、Curr Pharm Des.13:2057〜2073;Naggi A.、他 2005、選択的脱硫酸化、段階的N−アセチル化、及びグリコール分割によるヘパリンのヘパラナーゼ阻害活性の調節(Modulation of the Heparanase-inhibiting Activity of Heparin through Selective Desulfation, Graded N- Acetylation, and Glycol Splitting)、J.Biol.Chem.280:12103〜12113)。

0013

ヘパリンは、グルコサミノグリカンファミリーの線状多分散硫酸化多糖類であり、抗凝固活性及び抗血栓活性を有する。ヘパリンの単糖鎖は、交互に並んだウロン酸とD−グルコサミンからなる。主要な繰り返し単位は、2−O−硫酸化L−イズロン酸(IdoA2S)α(1→4)とN−、6−O−脱硫酸化D−グルコサミン(GlcN6S)である。微量成分は、非硫酸化L−イズロン酸及びD−グルクロン酸であり、更にN−アセチルD−グルコサミン及びN−、3−O−、6−O−三硫酸化D−グルコサミンである(Casu B.、2005、ヘパリンの構造及び活性ドメイン(Structure and active domains of heparin)、出典:ヘパリン及びヘパラン硫酸の化学及び生物学(Chemistry and Biology of Heparin and Heparan Sulfate)、Amsterdam:Elsevier.1〜28;Casu B.及びLindahl U、2001、ヘパリン及びヘパラン硫酸の構造及び生物相互作用(Structure and biological interactions of heparin and heparan sulfate)、Adv Carbohydr Chem Biochem、57:159〜206)。ヘパリンは、構造的にHSに類似しており、効率的にヘパラナーゼを阻害できるが、ヘパラナーゼ阻害方策における高用量でのヘパリンの使用は、その抗凝固活性のために不可能である。

0014

興味深いことに、低分子量ヘパリン(LMWH)は、ヘパリンよりも生物学的有用性が高く(more bioavailable)て抗凝固性が低く、おそらくは腫瘍の増殖及び転移に直接的に作用してがん患者を延命するようにみえる。それは、少なくともある程度は、ヘパラナーゼ酵素活性の阻害によると考えられる(Zacharski L.R.、及びLee,A.Y.2008、抗がん治療としてのヘパリン(Heparin as an anticancer therapeutic)、Expert Opin Investig Drugs 17:1029〜1037)。

0015

ヘパラナーゼの酵素活性の効果的な阻害剤は、先行技術においては、非抗凝固性ヘパリンによるヘパラナーゼ阻害を研究することによって選ばれており、そのほとんどは、グルコサミノグリカン残基の炭素2と3との間の結合の開裂(グリコール分割)によるグルコシド環の開環によって改質された非硫酸化ウロン酸残基を含んでいる。前記阻害剤は、元々存在する非硫酸化ウロン酸残基と段階的2−O−脱硫酸化によって生成される非硫酸化ウロン酸残基の両方のO−硫酸化パターン、N−アセチル化度、及びグリコール分割の点で異なっている(Naggi A.、2005、「ヘパリン及びヘパリン誘導体による増殖因子の阻害及びヘパラナーゼ阻害を調節するための手段としてのグリコール分割(Glycol-splitting as a device for modulating inhibition of growth factors and heparanase inhibition by heparin and heparin derivative)」出典:ヘパリン及びヘパラン硫酸の化学及び生物学(Chemistry and Biology of Heparin and Heparan Sulfate)、Amsterdam:Elsevier 461〜481;Yang Y.他、2007、「シンデカン−1ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、骨髄腫治療のための実行可能な目標である(The syndecan-1 heparan sulfate proteoglycan is a viable target for myeloma therapy)」Blood、110:2041〜2048)。

0016

特に、「グリコール分割(gs)」という用語は、従来は、それぞれヒドロキシル基を持つ2つの隣接する炭素間の1つの結合の切断(グリコール分割)によって一部の単糖類残基の開環を生じる多糖類を意味している。第一世代のグリコール分割ヘパリン、すなわち、いわゆる「還元オキシヘパリン」(ROヘパリン)は、時にはグリコール分割残基によって遮断される未改質多硫酸化ブロックからなり、これは、元の鎖に沿って存在し、まずジアルデヒドに酸化され次いでアルコールに還元された非硫酸化グルクロン酸/イズロン酸残基に対応していた(Naggi A.、2005、「ヘパリン及びヘパリン誘導体による増殖因子の阻害及びヘパラナーゼ阻害を調節するための手段としてのグリコール分割(Glycol-splitting as a device for modulating inhibition of growth factors and heparanase inhibition by heparin and heparin derivative)」出典:ヘパリン及びヘパラン硫酸の化学及び生物学(Chemistry and Biology of Heparin and Heparan Sulfate)、Amsterdam:Elsevier 461〜481)

0017

WO01/55221は2−O−脱硫酸化度が全ウロン酸単位の60%以下のグルコサミノグリカンを開示している。前記グルコサミノグリカンは抗凝固活性を持たず、FGFの阻害に基づく抗血管形成活性を示す。ヘパラナーゼの阻害については、活性は予測されていなかった。

0018

US2008/0051567は、抗凝固活性又は細胞外基からの増殖因子の放出をほとんどあるいは全くもたらさない、100%N−アセチル化され25%グリコール分割されたヘパリンに対応する化合物を開示している。前記化合物は、骨髄腫のサンダーソンモデルを含む実験動物モデルにおいて、ヘパラナーゼ、腫瘍増殖、血管形成及び炎症を阻害することが判明した;Yang Y.他、2007、「シンデカン−1ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、骨髄腫治療のための実行可能な目標である(The syndecan-1 heparan sulfate proteoglycan is a viable target for myeloma therapy)」Blood 110:2041〜2048)。

0019

それにも関わらず、ヘパラナーゼ親和性がより高く、選択性がより高く、生物学的有用性が改善され、骨髄腫及び他の腫瘍などのヘパラナーゼ関連病変の治療に適した改良された化合物を提供する必要性は依然として存在する。

図面の簡単な説明

0020

図1:本発明の方法によって生成される優勢な構造である。(1)1つのウロン酸(イズロン酸及び/又はグルクロン酸)と1つのグルコサミン(2−N−アセチル化、2−N−非置換、及び/又は2−N−硫酸化)とを含むグルコサミノグリカンポリマー二糖類単位であり、ヒドロキシル基(R3及びR4)はそれぞれ又は両方を硫酸基で置換(substituted)又は非置換(non-substituted)とすることができる。(2、3、4)2−非硫酸化ヘパリン残基の環の酸化的開裂とその後のトリ又はジカルボキシル化残基への更なる酸化によって生成される代表的構造(新規物質)である。

0021

図2:MS検出によって得られるクロマトグラムの一例である。ウロン酸ジ又はトリカルボン酸塩残基を含有するオリゴ糖に対応するピークの存在は、分子量の測定値に起因し、グラフにおいてはそれぞれ符号「+carbox2」又は「+carbox3」で示してある。

0022

図3:MS検出によって得られるクロマトグラムの一例である。ウロン酸ジ又はトリカルボン酸塩残基を含有するオリゴ糖に対応するピークの存在は、分子量の測定値に起因し、グラフにおいてはそれぞれ符号「+carbox2」又は「+carbox3」で示してある。

0023

本発明は、ヘパラナーゼ阻害活性を有する、化学的に改質されたグルコサミノグリカン誘導体の新規クラスに関する。特に、本発明は、残基の少なくとも一部が3つ(又は分割残基がグルコサミンの場合は2つ)のカルボキシレート基を持つ分割残基であるカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体に関する。

0024

本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、好ましくは「ジ/トリカルボキシル化ヘパリン」として設計された、ヘパラナーゼのヘパラン硫酸分解活性を強力に阻害するヘパリン誘導体である。ヘパリンに対してなされる化学的改質ATIIIの結合部位に含まれるグルクロン酸の残基を改質し、ヘパリン抗凝固活性を無効にして高用量の使用を可能とする。

0025

本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、グルコサミノグリカンの隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2をアルデヒドに変換する効果的な条件下で、好ましくは過ヨウ素酸塩によりグルコサミノグリカンの2−非硫酸化残基を酸化し、続いて酸化されたグルコサミノグリカンを、前記ジアルデヒドをカルボキシレート基に変換する条件下で酸化することによって得ることができる。特に、本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、好ましくは硫酸化度(SO3−/COO−モル比)が0.8〜2.8、好ましくは0.9〜2.5のグルコサミノグリカンから出発して得ることができる。本明細書において硫酸化度(SO3−/COO−モル比)は、Casu B.及びGennaro U.、1975、Carbohydr Res 39、168〜176による伝導度滴定によって判定したものが意図されている。
上記に開示する本発明の方法によって得ることができるジ/トリカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体が示すカルボキシル増分は、1.2〜2.2である。ただし、前記カルボキシル増分は、本明細書において定義する伝導度滴定によって判定されるジ/トリカルボキシル化誘導体の硫酸化度(SO3−/COO−モル比)に対する第一の酸化ステップ後の出発物質の硫酸化度(SO3−/COO−モル比)の比として計算される。より具体的には、第一の酸化ステップ後の出発物質の硫酸化度は、第一の酸化ステップ(a)によって得られるグルコサミノグリカン中間体のサンプルに対して、NaBH4による還元後に判定される。

0026

好ましくは、本発明のグルコサミノグリカン誘導体は、天然又は合成の(化学的又は酵素的に得られた)グルコサミノグリカン、より好ましくは2−O−及び/又は2−N−脱硫酸化グルコサミノグリカンに由来する。好適な実施の形態において、前記天然又は合成のグルコサミノグリカンは、非分画ヘパリン、LMWH、又はヘパラン硫酸であって、場合により2−O−及び/又は2−N−脱硫酸化されている。

0027

より好ましくは、グルコサミノグリカン誘導体は、2−O−及び場合により2−N−脱硫酸化された天然又は合成のヘパリン又はLMWHに由来する。

0028

一例として、ヘパリン鎖は本来、約5%〜35%の2−O−非硫酸化ウロン酸残基、0%〜50%のN−アセチル化グルコサミン残基、及び約0%〜6%のN−非置換(N−硫酸化もN−アセチル化もされていない)グルコサミン残基を含むことができる。硫酸化度の違いはヘパリン源(動物種、臓器提供者)及び抽出手順の違いによる。グルコサミノグリカンの2−O−又は2N−非硫酸化残基はいずれも、3−O−硫酸置換基を持たず、開環(分割)を伴う酸化並びに隣接ジオール及びOH/NH2のアルデヒドへの変換が可能である。場合により、出発物質であるグルコサミノグリカンの段階的な2−O−脱硫酸化によってグルコサミン/ウロン酸分割残基の比を調節できる。

0029

本発明は更に、前記カルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体を調製する方法に関し、更には、単一の活性原材料として、又は他の薬剤との組み合わせで、病態を治療するための薬剤の活性原材料としてのその使用に関する。前記病態としては、多発性骨髄腫及び他の腫瘍性疾患が挙げられ、その転移型も含まれる。更には、本発明は、ヘパラナーゼの阻害から恩恵を受ける任意の治療指標において用いるための前記カルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体に関する。本発明は更に、前記カルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体を、場合により少なくとも1種の更なる活性原材料と組み合わせて含有する医薬組成物に関する。

0030

本発明のカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体を調製する方法は、好ましくは過ヨウ素酸塩により(又は同様の反応性を有する酸化試薬を用いて)、隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2をアルデヒドに変換するのに効果的な条件下で感受性の高いグルコサミノグリカンの非硫酸化残基を酸化すること、及び、それに続く、第一の酸化で得られたグルコサミノグリカンを、対応するアルデヒド基から2つの新しいカルボキシレート基を得るための条件下で酸化することを含む。

0031

従って、本発明の方法は、隣接ジオール及び場合により隣接OH/NH2をアルデヒドに変換するのに効果的な条件下で、好ましくは過ヨウ素酸塩により、グルコサミノグリカンの2−O−及び場合により2−N−、3−O−非硫酸化残基の10%〜100%、好ましくは25%〜100%を酸化することを含み、次いで、酸化されたグルコサミノグリカンを、前記ジアルデヒドをカルボキシレート基に変換するのに効果的な条件下で酸化することを含む。

0032

好ましくは、出発物質であるグルコサミノグリカンは、天然又は合成のグルコサミノグリカンであり、より好ましくは、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又はヘパラン硫酸から選択され、最も好ましくは、2−O−及び場合により2−N−脱硫酸化されたヘパリン及びLMWHから選択される。

0033

好ましくは、出発物質であるグルコサミノグリカンは、本明細書に定義する伝導度滴定による硫酸化度(SO3−/COO−)が0.8〜2.8、より好ましくは0.9〜2.5である。

0034

本発明の方法の第一の酸化は、pHが、好ましくは3〜10、より好ましくは4.5〜8で実施される。好適な実施の形態において、本発明の方法の第一の酸化は、非硫酸化ウロン酸残基のC2−C3結合のみを開裂し、副反応を回避するために、3〜5のpHで実施される。別の好適な実施の形態では、本発明の方法の第一の酸化は、2−O−非硫酸化ウロン酸とN−非硫酸化グルコサミン残基の両方のC2−C3結合を開裂するために、5.5〜10のpHで実施される。

0035

好適な実施の形態において、第一の酸化は、2−O−非硫酸化ウロン酸と2−N−、3−O−非硫酸化グルコサミンの両方のC2とC3の間の結合を開裂する条件下で実行される。

0036

場合により、本発明の方法は、解重合を低減させるために用いるキレート剤金属イオン封鎖剤であるNTA(ニトリロ三酢酸)の存在下で、反応液アルカリ化するためのNaHCO3もしくはピリジンの存在下で、又はNTAと共にMnCl2の存在下またはNTAなしでMnCl2の存在下で実行される。更なるジアルデヒド酸化は、NaClO2を用いて、又はTEMPO(2,2,6,6テトラメチル−1−ピペリジニル−オキシ)などの同等の酸化作用を有する薬剤を用いて選択的に実行される。

0037

好ましくは、本発明のグルコサミノグリカン誘導体中のカルボキシル化ウロン酸残基は、グルコサミノグリカンの全カルボキシル化残基の全残基の25%〜100%、より好ましくは50%〜100%、最も好ましくは60%〜90%である。

0038

上記方法によって得ることができるカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体は、方法条件及び採用された出発物質であるグルコサミノグリカンにもよるが、好ましくは分子量が8000〜30,000Daである。好適な実施の形態においては、より好ましくは、非分画ヘパリンを出発物質であるグルコサミノグリカンとして採用した場合、上記方法によって得ることができるカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体は、好ましくは分子量が3,000〜20,000Da、好ましくは3,500〜12,000Daである。

0039

本発明の方法によって得ることができる新規なグルコサミノグリカン誘導体は、それぞれが2つの追加カルボキシレート基を持つ分割残基の存在を特徴とするヘパリン様多糖類の新規クラスに相当する。ここで留意すべきは、天然のカルボキシレート基1つを持つ残基は、本発明の方法によってトリカルボキシル化残基に変換されることである。前記新規なジ/トリカルボキシル化グルコサミノグリカン誘導体は、意外にもin vitroでは強力なヘパラナーゼ阻害剤であって、動物モデルでは骨髄腫を阻害することが証明されている。

0040

2つ又は3つのカルボキシレート基を持つ残基を含むグルコサミノグリカン誘導体は、元のグルコサミノグリカンより硫酸化度も低く、それよりも少数カルボキシル基を持つ類似体よりも好ましい薬物動態を示す。

0041

本発明は更に、薬剤として用いるための上記方法によって得ることができる化合物に関する。

0042

特に、本発明は、単独で、又は少なくとも1種の更なる活性原材料と組み合わせて抗腫瘍薬剤として、好ましくは抗骨髄腫薬剤として用いるための、上記方法によって得ることができる化合物に関する。

0043

本発明に従って調製されるヘパリン及び低分子量ヘパリン誘導体は、多発性骨髄腫実験モデルでは、in vitro、in vivoの両方においてヘパラナーゼ活性の効果的な阻害を示している。

0044

[化合物の調製]
伝導度滴定による硫酸化度(SO3−/COO−)が異なる非分画又は分画ヘパリンのサンプルを、公知の方法を修正して実行した過ヨウ素酸酸化(分割ジアルデヒド単位を生じる)に付した。公知の方法(Jaseja M.他、1989、「アルカリ性溶液におけるヘパリンの新規な位置及び立体選択的な改質−核磁気共鳴分光学証拠(Novel regio- and stereo-selective modifications of heparin in alkaline solution. Nuclear magnetic resonance spectroscopic evidence)」Canad J Chem、67、1449〜1455;R.N.Rej及びA.S.Perlin、1990、「ヘパリンのα−L−イズロン酸2−硫酸単位のα−L−ガラクチュロン酸単位への塩基触媒変換及び関連反応(Base-catalyzed conversion of the α-L-iduronic acid 2-sulfate unit of heparin into a unit of α-L-galacturonic acid and related reactions)」Carbohydr.Res.200、25、437〜447;Casu B.他、2004、「抗血管形成活性を有する低硫酸化グリコール分割ヘパリン(Undersulfated and Glycol-Split Heparins Endowed with Antiangiogenic Activity)」J.Med.Chem.、47、838〜848)を修正したものに従い、非分画ヘパリン(UFH)の段階的な2−O−脱硫酸化を実行した。塩基性条件下では、2−O−脱硫酸化(天然又は化学的に誘発)L−イズロン酸単位は2,3−エポキシ誘導体に変換され、最終的にはL−ガラクチュロン酸単位に変換される。ウロン酸単位及び場合によりグルコサミンに由来するジアルデヒドは、好ましくは短時間のうちに更にジカルボン酸塩へと酸化させる。

0045

[In vitro試験
Bisio他の以前の研究(Bisio A.他、2007「ヘパラナーゼによる開裂に対するヘパリン種の感受性に関する高性能液体クロマトグラフィー/質量分光研究(High-performance liquid chromatographic/mass spectrometric studies on the susceptibility of heparin specie to cleavage by heparanase)」Sem Thromb hemost 33 488〜495)に基づき、イスラエルハイファ大学のVlodavsky教授のグループによってヘパラナーゼ阻害活性が、Hammond他が記載する方法(Hammond他、2010「動態解析及び阻害剤スクリーニングに適するヘパラナーゼ活性に関する比色分析の開発(Development of a colorimetric assay for heparanase activity suitable for kinetic analysis and inhibitor screening)」Anal Biochem、396、112〜6)に従いin vitroで判定された。端的に言えば、ヘパラナーゼは、ヘパリンの抗トロンビン結合部位に構造的に対応する抗血栓剤である合成五糖フォンダパリヌクスを開裂することができる。ヘパラナーゼの開裂の結果、三糖類還元性二糖類が得られる。後者は、ヘパラナーゼ活性を評価するために容易に定量化できる。本実施例においては、分析溶液(100μl)は、40mM酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0と、100mMフォンダパリヌクス(GlaxoSmithKline)とを含み、阻害剤試料は含む場合と含まない場合がある。分析を開始するためヘパラナーゼを最終濃度140pMまで添加した。容器粘着テープ封止し、37℃で2から24時間培養した。1.69mMの4−[3−(4−ヨードフェニル)−1H−5テトラゾリオ]−l,3−ベンゼンジスルホナート(WST−1,Aspep、オーストラリアメルボルン)の0.1M NaOH溶液100μlの添加によって分析を停止した。容器を粘着テープで再度封止し、60℃で60分間生育させた。吸光度を584nm(Fluostar、BMG、Labtech)で測定した。各容器において、D−ガラクトース還元糖標準として、同じ緩衝液と体積で2〜100μMの濃度範囲構築した標準曲線を用意した。この分析は単一の開裂点を持つ均質基質を有するため、酵素の反応速度及び生化学的パラメーターを確実に特徴付けることができる。IC50値を判定した。上記の比色分析を用いて得られた結果を、硫酸塩で標識した細胞外基質(ECM)を基質として用いて検証した。端的に言えば、ECM基質は、培養した角膜内皮細胞によって堆積されるため、組成、生物学的機能、及びバリア性内皮基底膜に酷似している。硫酸塩標識ECMの調製とヘパラナーゼ分析のためのその使用についての詳細な情報は、Vlodavsky,I.、細胞生物学における現在のプロトコル(Current Protocols in Cell Biology)、Chapter 10:Unit 10.4、2001に記載されている。分析は感度が高く、in vivo条件によく似ているが、その生物学的性状のため、生化学的パラメーターの観点からは半定量的であり、限界がある。

0046

[In vivo試験]
in vivoでの抗骨髄腫活性を、Yang Y他(Yang Y.他、2007、「シンデカン−1ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、骨髄腫治療のため実現可能な目標である(The syndecan-1 heparan sulfate proteoglycan is a viable target for myeloma therapy)」Blood 110:2041〜2048)に記載の手順に実質的に従いテストした。端的に言えば、5から6週齢のCB17scid/scidマウスをArlan(インディアナ州インディアナポリス)又はCharles River Laboratories(米国)から得た。マウスをバーミンガムアラバマ大学の動物施設に収容して監視した。実験手順及びプロトコルは全て、動物実験委員会承認を得た。1×106ヘパラナーゼ発現CAG骨髄腫細胞(高発現及び低発現)を各マウスの左脇腹に皮下注射した。腫瘍細胞の注射10日後、Alzet浸透圧ポンプ(Durect Corporation、カリフォルニア州クパチーノ)をマウスの右脇腹に埋め込んだ。ポンプには、テスト化合物(新しいヘパリン誘導体)の溶液又は対照としてのリン酸緩衝液PBS)が入れてあった。溶液は、14日間連続して供給した。14日後、動物を殺し、皮下腫瘍湿重量と平均血清Κレベルを分析してログランク検定によって実験群内で比較した(p<0.05が統計的に有意であると考えられる)。

0047

一週間のルシフェラーゼ生物発光画像化が原発腫瘍に関する定量的なデータを提供し、軟質組織だけでなく骨内の転移も追跡する。とりわけ、SCID−huモデルは、SCIDマウスの皮下に移植したヒト胎児骨の小片ヒト腫瘍細胞が直接注射されるため、ヒト骨髄腫を綿密に再現するという点で独特である。

0048

NMR分析一般的手順
スペクトルを25℃にて、5−mm TCI凍結探針又は10mmBBOプローブを備えるBruker Avance 500分光計(ドイツカールスルーエ)で記録した。スペクトルにおけるピーク体積の積分は、標準的なBruker TopSpin2.0ソフトウエアを用いて行った。ジカルボキシル化ウロン酸残基の構造を、トリカルボン酸塩残基の存在を確認しその化学シフトの同定を可能とする二次元異核実験によって判定した。下記の表には、グルコサミン及び2−O−硫酸化イズロン酸のジカルボキシル化残基の1、4、5位置におけるプロトン及び炭素の特定された化学シフトが報告されている。

0049

[カルボキシル基増分の計算のための基本手順
ジカルボキシル化ヘパリン誘導体のウロン酸残基におけるカルボキシル基の増加を、伝導度滴定(Casu B.and Gennaro U.、1975、Carbohydr Res 39、168〜176)によって評価した、出発物質(非分画ヘパリン又は少なくとも部分的に脱硫酸化されたヘパリン及びLMWH)及びジカルボキシル化誘導体のモル比SO3−/COO−のそれぞれの値から出発して計算した。特に、出発物質の硫酸化度は、第一の酸化ステップ後にグルコサミノグリカン酸化中間体の還元されたサンプルに対して判定を行い(実施例4〜7参照)、一方、最終グルコサミノグリカンカルボキシル化誘導体の硫酸化度は、第二の酸化ステップ後に判定する(実施例8〜11、13〜14参照)。

SO3-/CO2-=A(出発物質における比) SO3-=A/CO2-
SO3-/CO2-=B(ジカルボキシル化誘導体における比) SO3-=B/CO2-

硫酸基の数は二段階の酸化中に変化しないことを考えると、カルボキシル基の増加(CO2−(ジカルボキシル化誘導体)/CO2−(出発物質))は、個々のモル比A及びBの比に等しいと結論付けられる。

カルボキシル増分(C.I.)=A/B=CO2-(ジカルボキシル化誘導体)/CO2-(出発物質)

0050

「ヘパリン及びそのカルボキシル化誘導体の酵素的開裂、並びにHPLCMS分析
基質(2〜3mg)を100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)と10mM酢酸カルシウムの1:1(v/v)混合物に溶解し、7.7mg/ml溶液を得た。酵素的開裂を実施するため、100mM酢酸ナトリウムと10mM酢酸カルシウム(1:1)の混合物144μl、及びヘパリナーゼ混合物(ヘパリンリアーゼI、II及びIII)(各リアーゼ1μl、2mU/μl酵素溶液)3μlをヘパリン溶液13μlに添加した。反応混合物を37℃(Thermo−Shaker TS−100、Biosan)で24時間撹拌した。3%HCOOH 3μlを添加して反応を停止させた。各サンプルを水で2倍に希釈し、IPRP−HPLC/ESI−TOF(micrOTOF−Q、Bruker)で分析した。10mM DBA−CH3COOHを用いたフェーズA(pH6.25)及びB(pH7.95)を用いるC18 kinetex及びグラジエント(0’−17%B、15’−20%B、55’−40%B、100’50%B、115’90%B)を流量100μL/minで使用した。

0051

[実施例1(G7669)]
1M NaOH(32ml)に入れたUFH(ロット番号G5842の2.5g)のサンプルを60℃で30分間加熱した。室温での冷却及び2N HClでの中和後に、溶液を薄膜カットオフ:3500Da)に包んで室温で3日間、蒸留水に対して透析した。減圧下での濃縮凍結乾燥により、13C−NMRによって判定されるエポキシド基を持つ全ウロン酸残基13%を有する中間体2.15g(収率=80%w/w)が得られた。次いで、サンプルを水(32ml)に溶解し、エポキシ基加水分解するために70℃で2日間撹拌下に置いた。濃縮と凍結乾燥の結果、G7669が得られた。

0052

[実施例2(G8661)]
1N NaOH27mlに入れたUFH(ロット番号G3378の2.11g)のサンプルを60℃で30分間撹拌した。中和、室温での冷却及び透析、濃縮、並びに凍結乾燥(実施例1に記載の通り)により、中間体G8637(1.5g)が得られた。その13C−NMRスペクトルがエポキシ基の存在を示していることから、エポキシ基を加水分解するために、G8637(1.5g)を水(32ml)に溶解し、70℃で2日間撹拌下に置いた。濃縮と凍結乾燥の結果、G8661が得られた(1.5g)。

0053

[実施例3(G8699)]
UFH(ロット番号G3378の2.01g)のサンプルを実施例2に記載の通りに処理して中間エポキシ含有誘導体G8638を得た。G8638(1.4g)のサンプルを水(32ml)に溶解し、撹拌下に70℃で24時間加熱し、濃縮と凍結乾燥の結果、1.3gのG8699が得られた。

[非分画ヘパリン及び2−O−脱硫酸化誘導体の過ヨウ素酸酸化]

0054

[実施例4(G7731)]
水(52ml)に入れた実施例1のサンプルG7669(1.8g、13%2−O−脱硫酸化)から出発し、溶液を4℃で冷却し、暗闇で撹拌し、0.2M NaIO4を52ml添加した。16時間後、エチレングリコール(5.2ml)を添加して過剰の過ヨウ素酸塩をクエンチし、4℃で1時間置いた後、反応混合物を4℃で16時間、透析によって脱塩した。減圧下での濃縮と凍結乾燥の結果、ジアルデヒドを持つG7731、収率=83%が得られた(1.5g)。サンプルの少量をNaBH4で還元し、伝導度滴定によりMW=8,242Da及びSO3−/COO−=2.46が計測された。

0055

[実施例5(G8425)]
UFH(0.25g、ロット番号G3378)のサンプルから出発して実施例4に記載の手順と同じ手順を踏み、ジアルデヒドを持つG8425(0.24g)、収率=96%w/wを得た。

0056

[実施例6(G8678)]
実施例2のG8661のサンプル(1.5g)から出発して実施例4に記載の手順と同じ手順を実行し、ジアルデヒドを持つG8678(1.5g)を得た。サンプルの少量をNaBH4で還元し、伝導度滴定によりSO3−/COO−=1.96が計測された。

0057

[実施例7(G8710)]
実施例3のG8699のサンプル(0.56g)から出発して実施例4に記載の手順と同じ手順を踏み、ジアルデヒドを持つG8710(0.56g)を得た。サンプルの少量をNaBH4で還元し、伝導度滴定によりSO3−/COO−=1.51が計測された。

[ジアルデヒドウロン酸中間体の対応するジカルボン酸塩への酸化]

0058

[実施例8(G7927)]
実施例4のG7731のサンプル(0.3g)を水(29ml)に溶解し、二口丸底フラスコにて0℃で冷却し、窒素雰囲気中で撹拌下にNaClO2(0.362g)を含有する水溶液(6ml)で処理した。pH4.0に到達するまで氷酢酸(0.118ml)を滴加した後、反応混合物を室温で24時間撹拌した。室温で更に3時間撹拌下に置いた後、N2をフラクシングすることにより無色の溶液を得た。反応混合物を0.5N NaOHで中和し、実施例4に記載するように透析によって脱塩した。濃縮と凍結乾燥により、
MW=6,450Da;
SO3−/COO−=1.23;
カルボキシル増分(C.I.)=2を有する、
G7927(0.228g)、収率=76%w/w、が得られた。
in vitroのヘパラナーゼ阻害分析では、IC50=10ng/mlが得られた。

0059

[実施例9(G8437)]
実施例8に記載の手順と同じ手順を踏んで本来ヘパリンの鎖(18%)に存在する非硫酸化ウロン酸のみを酸化した実施例5のG8425のサンプル(0.25g)から出発し、反応混合物の中和前のN2フラクシングを1.5時間に短縮することで、
MW=12,100Da;
SO3−/COO−=1.62;
カルボキシル増分(C.I.):1.43を有する、
G8437(0.21g)を得た。
in vitroのヘパラナーゼ阻害分析では、IC50=10ng/mlが得られた。

0060

[実施例10(G8767)]
実施例6のG8678のサンプル(1g)から出発して実施例8に記載の手順を踏み、
MW=8,800Da;
SO3−/COO−=1.27;
カルボキシル増分(C.I.)=1.55を有する、
G8767(1.05g)を得た。
in vivoの抗骨髄腫活性分析(60mg/kg/日、14日間)では、52%の腫瘍阻害と20%の血清K阻害が得られた。

0061

[実施例11(G8733)]
実施例7のG8710のサンプル(0.56g)から出発して実施例8に記載の手順と同じ手順を踏み、
MW=5,540Da;
SO3−/COO−=0.97;
カルボキシル増分(C.I.)=1.56.を有する、
G8733(0.453g)、収率=80%w/w、を得た。
in vivoの抗骨髄腫活性分析(60mg/kg/日、14日間)では、53%の腫瘍阻害が得られた。

0062

[実施例12(G9685)]
UFH(ロット番号G3378)のサンプルから出発して実施例4に記載の手順を踏み、ジアルデヒド誘導体を得た。ジアルデヒド誘導体を亜塩素酸ナトリウムの存在下で更に酸化させ、実施例8の手順を踏み、カルボキシル化誘導体G9685、MW=11,700Daを得た。
in vitroのヘパラナーゼ阻害分析では、IC50=10ng/mlが得られた。
in vivoの抗骨髄腫活性分析(60mg/kg/日、14日間)では、68%の腫瘍阻害が得られた。

0063

[実施例13(G7897)]
実施例4のG7731のサンプル(0.3g)を水(3ml)に溶解し、1.36mlのNaClO2でpH8.2〜8.5まで処理しHCl 4%で処理した。次いで、1mgのTEMPOを添加し、pHをNaOH 1Mで24時間7〜7.5に維持した。反応混合物を透析によって脱塩し、濃縮し、凍結乾燥すると、
SO3−/COO−=1.92;
カルボキシル増分(C.I.)=1.28を有する、
G7897(0.190g)、収率=63%w/w、が得られた。

実施例

0064

[実施例14(G9585)]
2−O−脱硫酸化ヘパリン(G9416、SO3−/COO−=1.39)のサンプルから出発して実施例4に記載の手順を踏み、ジアルデヒド誘導体G9577を得た。水(21ml)に溶解したG9577のサンプル(0.242g)を二口丸底フラスコにて0℃で冷却し、窒素雰囲気中での撹拌下でNaClO2(0.128g)を含有する水溶液(1ml)で処理した。pH4.0に達するまで氷酢酸(0.084ml)を滴加した後、反応混合物を室温で24時間撹拌した。室温で更に3時間撹拌下に置いた後、N2のフラクシングにより無色の溶液が得られた。反応混合物を0.5N NaOHで中和し、実施例4に記載するように透析によって脱塩した。濃縮と凍結乾燥により、
MW=4,700Da;
SO3−/COO−=0.82;
カルボキシル増分(C.I.)=1.69を有する、
G9585(0.148g)、収率=61%w/w、が得られた。
in vitroのヘパラナーゼ阻害分析では、IC50=44ng/mlが得られた。

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