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技術 軽石を含む逸泥処置流体および関連する方法

出願人 ハリバートンエナジーサヴィシーズインコーポレイテッド
発明者 アイヴァーソンベンジャミンジョンピスクラクトーマスジェイソンモルガンロニーグレンアガピオウキリアコスブラザーズランスエヴァレット
出願日 2015年3月10日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2016-542688
公開日 2017年3月23日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-508028
状態 特許登録済
技術分野 地中削孔 さく井用組成物
主要キーワード 補修処置 電気機械式装置 スライディングスリーブ 海上プラットフォーム コンシスト 流体処理ユニット 混合ホッパー 粒径大
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

逸泥処置流体および逸泥ゾーン封止する方法を開示する。実施態様は、逸泥ゾーンを封止する方法を含む。該方法は、軽石消石灰凝結抑制剤、および水からなる逸泥処置流体を坑井循環させること、および該逸泥処置流体が逸泥ゾーンで凝結して逸泥ゾーンを封止することを可能にすることから成る。

概要

背景

セメント組成物は、様々な地下作業に用いることができる。例えば地下の坑井施工において、パイプストリング(例えば、ケーシングライナー拡張可能管状物など)は、坑井中に降入され、所定の位置にセメンチングされることができる。パイプ・ストリングを所定の位置にセメンチングする方法は、一般に「一次セメンチング」と呼ばれる。典型的な一次セメンチング法において、セメント組成物は、坑壁坑井内に降入されたパイプ・ストリングの外表面との間のアニュラスに、ポンプ注入される。セメント組成物はアニュラースペース凝結し、それにより、硬質の実質的に不浸透性セメントの環状の(すなわち、セメントシース)を形成し、それはパイプ・ストリングを坑井内に支持し及び位置ずけ、及びパイプ・ストリングの外表面を地下の組成物に結合したりする。とりわけ、パイプ・ストリングを囲んでいるセメントシースは、アニュラス内の流体移行を防止、ならびにパイプ・ストリングを腐食から保護するように機能する。セメント組成物はまた、補修的なセメンチング法において、例えば、パイプ・ストリングまたはセメントシースのひびまたは穴を封止したり、高浸透性地層域や割れ目を封止したり、セメントプラグなどを配置するためにも用いられることが可能である。

広範囲のセメント組成物が、地下のセメンチング作業において用いられてきた。いくつかの事例では、凝結遅延セメント組成物が用いられてきた。凝結遅延セメント組成物は、長期間(例えば、少なくとも約1日〜約2週以上)ポンプ移送できる流体状態を維持することによって特徴づけられる。凝結遅延セメント組成物は、使用が望まれたときに活性化されることができ、それによって、合理的な圧縮強さ発現される。例えば、セメント凝結活性剤が凝結遅延セメント組成物に添加される場合があり、それにより組成物は硬化マスに凝結する。凝結遅延セメント組成物はとりわけ、坑井への応用における使用、例えば、セメント組成物を前もって調製することが望ましい場合に適している。これにより、例えば、セメント組成物は使用に先だって保管しておくことができる。加えて、これにより、例えば、セメント組成物は手近な場所で調製され、それから作業現場輸送されることができる。それに応じて、現場でのバル貯蔵および混合器材の必要が低減されることにより、資本支出を削減することができる。これは特に、上のスペースが限られている場合がある合セメンチング作業に有用である。

掘削には、掘削流体(または掘削泥としても知られる)の使用を必要とする。掘削に関連した一つの課題は、 掘削流体の地層への望ましくない損失である。この損失流体は、例えば、過剰な圧により誘発された割れ目、既存の裂け目、または、地層中構造強度を有する大きな開口部に流入する。この問題は「逸泥」と呼ばれる場合があり、損失した掘削流体が流入した部分の地層は「逸泥ゾーン」と呼ばれる場合がある。逸泥の問題はまた、掘削流体に加えて、 他の処置流体、例えば、スペーサ流体、仕上げ流体(例えば、仕上げ塩水)、破砕流体、および、井孔に導入されるセメント組成物にも見られる場合がある。

地層への処置流体の損失は、とりわけ、地層へ損失した処置流体に関連した出費、時間の損失、極端な状況では廃坑のため、望ましくない。処置流体の補充は、単に作業の中断時間が生じるだけでなく、また、余分な流体の貯蔵、人的資源、および器材を必要とする。流体の補充は、作業費の増加に加えて、更なる作業現場にまつわる問題、例えば、より高い環境負荷、および、流体や材料を作業が完了した後で再利用することがなどを引き起こす場合がある。

これらの図面は、本発明の実施態様のいくつかの特定の態様を例示しており、発明を制限するかまたは定めるために使用されるべきではない。

概要

逸泥処置流体および逸泥ゾーンを封止する方法を開示する。実施態様は、逸泥ゾーンを封止する方法を含む。該方法は、軽石消石灰凝結抑制剤、および水からなる逸泥処置流体を坑井に循環させること、および該逸泥処置流体が逸泥ゾーンで凝結して逸泥ゾーンを封止することを可能にすることから成る。

目的

これらの方法および組成物の多くの潜在的利点のうちの一つは、それらが逸泥制御に効果的であるために充分な静的ゲル強度を発現することにより、直ちに逸泥ゾーンをプラグを抜くもしくはブリッジすることにある

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

逸泥ゾーン封止する方法であって、以下の工程、坑井中に逸泥処置流体循環させる工程であって、前記逸泥処置流体が、軽石消石灰凝結抑制剤及び水を含む、工程、並びに前記逸泥処置流体を逸泥ゾーンで凝結させて前記逸泥ゾーンを封止する工程、を含む、前記方法。

請求項2

前記逸泥処置流体の、Herschel−Bulkleyモデルにより算出されるずり減粘インデックスが1未満である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記逸泥処置流体が、硫酸アルミニウムを更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記凝結抑制剤が、ホスホン酸ホスホン酸誘導体リグノスルホン酸塩、塩、有機酸カルボキシメチル化ヒドロキシエチルセルローススルホン酸塩およびカルボン酸基を含む合成コポリマーまたはターポリマーホウ酸塩化合物、および、それらの任意の混合物から成る群から選択される少なくとも一つの抑制剤を含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記逸泥処置流体が、スルホン化ホルムアルデヒドベース分散剤ポリカルボキシル化エーテル分散剤、および、それらの任意の組み合わせから成る群から選択される分散剤を更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記凝結抑制剤がホスホン酸誘導体を含み、凝結遅延セメント組成物がポリカルボキシル化エーテル分散剤を更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記逸泥処置流体を循環させる工程の前に、前記逸泥処置流体を少なくとも約7日間貯蔵する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記逸泥処置流体が、セメント硬化活性剤を更に含み、前記セメント硬化活性剤が、塩化カルシウムトリエタノールアミンケイ酸ナトリウムギ酸亜鉛酢酸カルシウム水酸化ナトリウム硫酸ナトリウムナノシリカヘキサメタリン酸ナトリウム、および、それらの任意の組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つのセメント硬化活性剤を含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

掘削流体置換流体、および仕上げ流体からなる少なくとも一つの他の処置流体が坑井中に存在している間に、前記逸泥処置流体を坑井中に循環させる、請求項1に記載の方法。

請求項10

ドリルストリング坑井内に配置されている間に、前記逸泥処置流体を坑井中に循環させる、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記逸泥処置流体が、約0.96g/cm3〜約2.04g/cm3(約8lb/gal〜約17lb/gal)の範囲の密度を有する、請求項1に記載の方法。

請求項12

軽石、消石灰、凝結抑制剤及び水を含む、逸泥処置流体。

請求項13

前記逸泥処置流体の、Herschel−Bulkleyモデルにより算出されるずり減粘インデックスが1未満である、請求項12に記載の流体。

請求項14

硫酸アルミニウムを更に含む、請求項12に記載の流体。

請求項15

前記凝結抑制剤が、ホスホン酸、ホスホン酸誘導体、リグノスルホン酸塩、塩、有機酸、カルボキシメチル化ヒドロキシエチル化セルロース、スルホン酸塩およびカルボン酸基を含む合成コポリマーまたはターポリマー、ホウ酸塩化合物、および、それらの任意の混合物から成る群から選択される少なくとも一つの抑制剤を含む、請求項12に記載の流体。

請求項16

スルホン化ホルムアルデヒドベース分散剤、ポリカルボキシル化エーテル分散剤、および、それらの任意の組み合わせから成る群から選択される分散剤を更に含む、請求項12に記載の流体。

請求項17

前記凝結抑制剤がホスホン酸誘導体を含み、凝結遅延セメント組成物がポリカルボキシル化エーテル分散剤を更に含む、請求項12に記載の流体。

請求項18

セメント硬化活性剤を更に含み、前記セメント硬化活性剤が塩化カルシウム、トリエタノールアミン、ケイ酸ナトリウム、ギ酸亜鉛、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ナノシリカ、ヘキサメタリン酸ナトリウム、および、それらの任意の組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つのセメント硬化活性剤を含む、請求項12に記載の流体。

請求項19

地下層中の逸泥ゾーンを封入するシステムであって、水、軽石、消石灰及び凝結抑制剤を含む、逸泥ゾーンに配置するための逸泥処置流体、前記逸泥処置流体を混合することが可能な混合装置、並びに前記逸泥処置流体を逸泥ゾーンにポンプ輸送することが可能なポンプ輸送装置、を含む、前記システム。

請求項20

地下層を貫く坑井中に配置されるドリルストリングを更に含む、請求項19に記載のシステム。

背景技術

0001

セメント組成物は、様々な地下作業に用いることができる。例えば地下の坑井施工において、パイプストリング(例えば、ケーシングライナー拡張可能管状物など)は、坑井中に降入され、所定の位置にセメンチングされることができる。パイプ・ストリングを所定の位置にセメンチングする方法は、一般に「一次セメンチング」と呼ばれる。典型的な一次セメンチング法において、セメント組成物は、坑壁坑井内に降入されたパイプ・ストリングの外表面との間のアニュラスに、ポンプ注入される。セメント組成物はアニュラースペース凝結し、それにより、硬質の実質的に不浸透性セメントの環状の(すなわち、セメントシース)を形成し、それはパイプ・ストリングを坑井内に支持し及び位置ずけ、及びパイプ・ストリングの外表面を地下の組成物に結合したりする。とりわけ、パイプ・ストリングを囲んでいるセメントシースは、アニュラス内の流体移行を防止、ならびにパイプ・ストリングを腐食から保護するように機能する。セメント組成物はまた、補修的なセメンチング法において、例えば、パイプ・ストリングまたはセメントシースのひびまたは穴を封止したり、高浸透性地層域や割れ目を封止したり、セメントプラグなどを配置するためにも用いられることが可能である。

0002

広範囲のセメント組成物が、地下のセメンチング作業において用いられてきた。いくつかの事例では、凝結遅延セメント組成物が用いられてきた。凝結遅延セメント組成物は、長期間(例えば、少なくとも約1日〜約2週以上)ポンプ移送できる流体状態を維持することによって特徴づけられる。凝結遅延セメント組成物は、使用が望まれたときに活性化されることができ、それによって、合理的な圧縮強さ発現される。例えば、セメント凝結活性剤が凝結遅延セメント組成物に添加される場合があり、それにより組成物は硬化マスに凝結する。凝結遅延セメント組成物はとりわけ、坑井への応用における使用、例えば、セメント組成物を前もって調製することが望ましい場合に適している。これにより、例えば、セメント組成物は使用に先だって保管しておくことができる。加えて、これにより、例えば、セメント組成物は手近な場所で調製され、それから作業現場輸送されることができる。それに応じて、現場でのバル貯蔵および混合器材の必要が低減されることにより、資本支出を削減することができる。これは特に、上のスペースが限られている場合がある合セメンチング作業に有用である。

0003

掘削には、掘削流体(または掘削泥としても知られる)の使用を必要とする。掘削に関連した一つの課題は、 掘削流体の地層への望ましくない損失である。この損失流体は、例えば、過剰な圧により誘発された割れ目、既存の裂け目、または、地層中構造強度を有する大きな開口部に流入する。この問題は「逸泥」と呼ばれる場合があり、損失した掘削流体が流入した部分の地層は「逸泥ゾーン」と呼ばれる場合がある。逸泥の問題はまた、掘削流体に加えて、 他の処置流体、例えば、スペーサ流体、仕上げ流体(例えば、仕上げ塩水)、破砕流体、および、井孔に導入されるセメント組成物にも見られる場合がある。

0004

地層への処置流体の損失は、とりわけ、地層へ損失した処置流体に関連した出費、時間の損失、極端な状況では廃坑のため、望ましくない。処置流体の補充は、単に作業の中断時間が生じるだけでなく、また、余分な流体の貯蔵、人的資源、および器材を必要とする。流体の補充は、作業費の増加に加えて、更なる作業現場にまつわる問題、例えば、より高い環境負荷、および、流体や材料を作業が完了した後で再利用することがなどを引き起こす場合がある。

0005

これらの図面は、本発明の実施態様のいくつかの特定の態様を例示しており、発明を制限するかまたは定めるために使用されるべきではない。

図面の簡単な説明

0006

図1は、特定の実施態様に従って掘削装置が坑井中に存在する時に、逸泥処置流体を使用するシステムを例示する。

0007

図2は、特定の実施態様に従って逸泥処置流体を坑井中の逸泥ゾーンに送入することに使用することができる、地上器材を例示する。

0008

図3は、特定の実施態様に従って逸泥処置流体の坑井中の逸泥ゾーンへの送入を例示する。

0009

本発明の実施態様は、地下作業に、より詳しくは、特定の実施態様において、凝結遅延セメント組成物、および地下層において凝結遅延セメント組成物を使用する方法に関する。凝結遅延セメント組成物を含む逸泥流体は、様々な処置流体の損失を防止するために用いることができる。これらの方法および組成物の多くの潜在的利点のうちの一つは、それらが逸泥制御に効果的であるために充分な静的ゲル強度を発現することにより、直ちに逸泥ゾーンをプラグを抜くもしくはブリッジすることにあるかも知れない。他の利点は、それらが凝結して充分な圧縮強度を有する硬化マスを形成して構造体を支持するか、それらが地下ゾーンを隔離するか、もしくはそれらがチキソトロピック(例えば、ずり減粘またはずり感受性)であり、それによって流体は送入するために十分長い間ポンプ移送できる状態に留まるが、いったん制止した時に速やかにゲル強度を発現することにあるかも知れない。

0010

凝結遅延セメント組成物の実施態様は、一般に水、軽石消石灰、および凝結抑制剤を含むことができる。任意選択で、凝結遅延セメント組成物はさらに、分散剤を含むことができる。有利には、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、長期間ポンプ移送できる流体状態にとどまることができる。例えば、凝結遅延セメント組成物は、少なくとも約1日間もしくはそれ以上の間、ポンプ移送できる流体状態のままであり得る。有利には、凝結遅延セメント組成物は、活性化後に適切な圧縮強度を発現できる。凝結遅延セメント組成物は、 約100°Fから約450°Fもしくはそれ以上の範囲の静温度を有する地層におけるものを含む、多くの地下セメンチング作業に適している。いくつかの実施形態では、凝結遅延セメント組成物は、比較的低い坑底静温度(例えば、約200°F未満)有する地層において使用することができる。

0011

凝結遅延セメント組成物の実施態様において使用される水は、それが凝結遅延セメント組成物の他の成分に望ましくなく悪影響を及ぼすかもしれない化合物の過剰量を含まない場合には、いかなる起源から得られたものであってよい。例えば、凝結遅延セメント組成物は、清水または塩水を含んでいてよい。塩水は広く、一つまたはそれ以上の溶解した塩を含んでいてよく、また飽和でも、または、特定の応用例において望まれるように不飽和でもよい。海水または塩水は、特定の実施態様における使用に適している。水は更に、ポンプ移送できるスラリーを形成するのに十分な量だけ含まれていてよい。ある実施形態では、水は凝結遅延セメント組成物中に、軽石の約33〜約200重量%の範囲で存在してよい。ある実施形態では、水は凝結遅延セメント組成物中に、軽石の約35〜約70重量%の範囲で存在してよい。本開示の利益を有する当業者には、選択した応用例において適切な水量が分かるであろう。

0012

凝結遅延セメント組成物の実施態様は、軽石を含むことができる。一般に軽石は、消石灰および水の存在下で凝結し硬化することができるという点で、セメント質特性を呈することができる火山岩である。軽石はまた、例えば、挽かれていてもよい。一般に軽石は、特定の応用例において望まれるように、いかなる粒径分布を有していてよい。ある実施形態では、軽石は、約1ミクロンから約200ミクロンの範囲のd50粒径分布を有することができる。d50粒径分布は、例えばMalvern Instruments(Worcestershire、United Kingdom)製の粒径分析計で測定されたd50値に対応する。特定の実施態様において、軽石は、約1ミクロンから約200ミクロン、約5ミクロンから約100ミクロン、または、約10ミクロンから約50ミクロンの範囲のd50粒径分布を有することができる。一つの特定の実施態様では、軽石は、約15ミクロン以下のd50粒径分布を有することができる。約15ミクロン以下のd50粒径分布を有する適切な軽石の例は、DS−325 lightweight aggregateとして、 Hess Pumice Products,Inc.(Malad、Idaho)から入手可能である。粒径が小さすぎると混合性の問題がある場合があり、粒径大きすぎると組成物中に効果的に分散しないかも知れないことが理解されるべきである。本開示の利益を有する当業者は、選択した応用例における使用に適した軽石の粒径を選択することができなければならない。

0013

凝結遅延セメント組成物の実施態様は、消石灰を含むことができる。本明細書において、「消石灰」という用語は、水酸化カルシウムを意味すると理解される。消石灰は、例えば、軽石を有する水圧組成物を作成するために、凝結遅延セメント組成物の実施態様に含まれていてよい 。例えば、消石灰は、軽石対消石灰の重量比にして、約10:1〜約1:1、もしくは約3:1〜約5:1含まれていてよい 。存在する場合、 消石灰は例えば、軽石の約10から約100重量%の範囲で凝結遅延セメント組成物に含まれることができる。いくつかの実施形態では、消石灰は軽石の約10重量%、約20重量%、約40重量%、約60重量%、約80重量%または約100重量%のいずれかの量の間の範囲内の量、および/またはこれらのいずれかの量で存在することができる。いくつかの実施形態では、凝結遅延セメント組成物中に存在するセメント質成分は、本質的に軽石および消石灰から成り得る。例えば、セメント質成分は、いかなる追加成分も伴わずに、主に軽石および消石灰から成ることができ(例えば、ポートランドセメントフライアッシュスラグセメント)、それは水の存在下、水圧で凝結する。本開示の利益を有する当業者には、選択した応用例のために含む消石灰の適切な量が分かるであろう。

0014

凝結遅延セメント組成物の実施態様は、凝結抑制剤を含むことができる。広い種類の凝結抑制剤が、凝結遅延セメント組成物の実施態様での使用に適し得る。例えば、凝結抑制剤は、ホスホン酸ホスホン酸誘導体リグノスルホン酸塩類有機酸カルボキシメチル化されたヒドロキシエチルセルローススルホン酸基およびカルボン酸基ホウ酸化合物、それらの誘導体またはそれらの混合物を含む合成コポリマーもしくはターポリマーを含んでよい。好適な凝結抑制剤の実施態様は、数ある中で、Halliburton Energy Services(Houston、TX)から、Micro Matrix(登録商標)セメント抑制剤として入手可能なホスホン酸誘導体を含む。一般的に、凝結抑制剤は、凝結を所望の時間だけ遅延させるのに十分な量だけ凝結遅延セメント組成物に含まれていてよい。いくつかの実施形態では、凝結抑制剤は、凝結遅延セメント組成物に軽石の約0.01%〜約10重量%の範囲で含まれ得る。特定の実施態様においては、凝結抑制剤は軽石の約0.01重量%、約0.1重量%、約1重量%、約2重量%、約4重量%、約6重量%、約8重量%または約10重量%のいずれかの量の間の範囲内の量、および/またはこれらのいずれかの量で存在することができる。本開示の利益を有する当業者には、選択した応用例のために含む凝結抑制剤の適切な量が分かるだろう。

0015

前述のように、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、分散剤を任意に含んでよい。適切な分散剤の実施態様は、これらに限定されるものではなく、スルホン化ホルムアルデヒドベースの分散剤、およびポリカルボキシエーテル系分散剤を含む。適切なスルホン化ホルムアルデヒドベースの分散剤の一例は、Halliburton Energy Services(Houston、TX)からCFRTM−3分散剤として入手可能な、スルホン化アセトンホルムアルデヒド縮合物である。適切なポリカルボキシルエーテル系分散剤の一例は、BASF社(Houston、Texas)から入手可能な、ポリカルボキシルエーテルを水中に36重量%含む、Liquiment(登録商標)514L分散剤である。特定の実施態様によれば、様々な分散剤を使用することができる一方、いつかの実施態様においては、ポリカルボキシルエーテル系分散剤の使用が特に適している場合がある。理論により制限されずに、ポリカルボキシルエーテル系分散剤は、凝結遅延セメント組成物の他の成分と相乗的に相互作用する場合があると考えられる。例えば、ポリカルボキシルエーテル系分散剤は、特定の凝結抑制剤(例えば、ホスホン酸誘導体)と反応し、軽石および消石灰を長時間組成物中に分散するようなゲルを形成する場合があると考えられる。

0016

いくつかの実施形態では、分散剤は凝結遅延セメント中に、軽石の約0.01重量%から約5重量%の範囲で含まれることができる。特定の実施態様では、分散剤は軽石の約0.01重量%、約0.1重量%、0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%または約5重量%のいずれかの量の間の範囲内の量、および/またはこれらのいずれかの量で存在することができる。本開示の利益を有する当業者には、選択した応用例のために含む分散剤の適切な量が分かるだろう。

0017

また、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、地下のセメンチング作業における使用に適している他の添加剤も含むことができる。この種の添加剤の例は、増量剤、軽量添加剤、ガス発生添加剤機械物性増強添加剤、逸泥材、濾過制御添加剤、流体損失制御添加剤消泡剤起泡剤チキソトロピック添加剤、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。実施態様において、一つもしくはそれ以上のこれらの添加剤を、貯蔵後の、しかし地下層への送入前の凝結遅延セメント組成物に添加することが可能である。本開示の利益を有する当業者は、特定の応用例および所望の結果のために有用な添加物の種類および量を、容易に決定することができるであろう。

0018

任意に、起泡添加剤が、例えば、起泡を容易にするか、および/またはそれとともに形成される結果として生じるフォームを安定させるために、凝結遅延セメント組成物に含まれてよい。特に、セメント組成物は、起泡添加剤およびガスによって起泡される場合がある。起泡添加剤は、水の表面張力を減少させる界面活性剤、または界面活性剤の組合せを含むことができる。例えば、起泡剤は、アニオン性非イオン性両性双性イオン界面活性剤を含む)、カチオン性の界面活性剤またはそれらの混合物から成り得る。適切な発泡添加剤の例は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:ベタイン加水分解ケラチンなどのアニオン性界面活性剤アルキルもしくはアルケンジメチルアミンオキシドなどのアミンオキシドココアミドプロピルジメチルアミンオキシド、スルホン酸メチルエステル、ココアミドプロピルベタインのようなアルキルまたはアルケンアミドベタインα−オレフィンスルホン酸塩、trimethyltallowammonium chloride、およびtrimethylcocoammonium chlorideのような四級界面活性剤、C8からC22のアルキルエトキシレート硫酸塩、およびそれらの組み合わせ。適切な起泡添加剤の具体例は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:アルキルエーテル硫酸塩アンモニウム塩、ココアミドプロピルベタイン界面活性剤、ココアミドプロピルジメチルアミンオキシド面活性剤、塩化ナトリウム、および水の混合物;アルキルエーテル硫酸塩界面活性剤のアンモニウム塩、cocoamidepropyl hydroxysultaine界面活性剤、ココアミドプロピルジメチルアミンオキシド面活性剤、塩化ナトリウム、および水の混合物;加水分解ケラチン;アルコールエトキシレート硫酸塩面活性剤、アルキルまたはアルケンアミドプロピルベタイン界面活性剤、およびアルキルまたはアルケンジメチルアミンオキシド界面活性剤の混合物;α−オレフィンスルホン酸塩界面活性剤、およびベタイン界面活性剤水溶液;およびそれらの組み合わせ。適切な起泡添加物の一例は、Halliburton Energy Services Inc.から入手可能な、ZONESEALANTTM2000剤である。

0019

任意に、強度逆行添加剤が、例えば、セメント組成物が圧縮強度を発現した後に、セメント組成物が高温にさらされるとき、強度の逆行を防止するために、凝結遅延セメント組成物に含まれていてよい。これらの添加剤は、セメント組成物が意図したように形成することを可能にし、セメント質組成物ひび割れおよび早期破壊を防止する。適切な強度逆行添加剤の例は、非晶質シリカ粗粒結晶性シリカ微粒結晶性シリカ、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。

0020

任意に、軽量添加剤が、例えば、セメント組成物の密度を低下させるために、凝結遅延セメント組成物に含まれてよい。適切な軽量添加剤の例は、ベントナイト石炭珪藻土膨張パーライト、フライアッシュ、ギルソナイト中空微小球体低比重ゴムビーズ窒素ポゾラン−ベントナイト、ケイ酸ナトリウム、それらの組み合わせ、または他の周知の軽量添加剤を含むが、これに限定されるものではない。

0021

任意に、ガス発生添加剤が、所定時間にガスを放出させるために、凝結遅延セメント組成物に含まれてよく、それは、ガスが地層から凝結前のセメント組成物中にガスの移動が生成するのを妨げるのに有益である場合がある。発生したガスは、地層ガスと組み合わさるか、もしくは、地層ガスによるセメント組成物の浸透阻害できる。適切なガス発生添加剤の例は、アルカリ性溶液と反応してガスを生成する金属粒子(例えば、アルミニウム粉)を含むが、これに限定されるものではない。

0022

任意に、機械物性増強添加剤が、例えば、十分な圧縮強度および長期の構造保全保証するために、凝結遅延セメント組成物に含まれてよい。これらの特性は、張力応力、温度、圧力、および地下環境からの衝撃効果に影響を受ける。機械物性増強添加剤の例は、炭素繊維ガラス繊維金属繊維鉱物繊維シリカ繊維重合エラストマラテックス、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。

0023

任意に、逸泥剤が、例えば、流体循環の地層への損失を防ぐ助けになるように、凝結遅延セメント組成物に含まれてよい。逸泥剤の例は、スギ樹皮、材料が含むが、これに限定されるものではない 細かく刻んだサトウキビ、鉱物繊維、雲母剥片セロハン炭酸カルシウム、挽いたゴム、重合物質プラスチック片、挽いた大理石、木、木の実の殻、メラミン樹脂積層板(例えば、フォーマイカ(登録商標)積層体)、トウモロコシ穂軸、綿の殻、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。

0024

任意に、流体損失制御添加剤が、例えば、地層に損失する流体量を減らすために、凝結遅延セメント組成物に含まれてよい。セメント組成物の特性は、それらの含水量によって著しく影響される。流体の損失は、セメント組成物を設計特性の低下もしくは完全な失敗にさらす場合がある。適切な流体損失制御添加剤の例は、特定のポリマー、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸とアクリルアミド、またはN,N−ジメチルアクリルアミドとの共重合体、および、リグニンもしくはリグイトの主鎖、および、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリロニトリル、およびN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも一つから成るペンダント基から成るグラフト共重合体を含むが、これらに限定されるものではない。

0025

任意に、消泡添加剤が、例えば、セメント組成物が混合中およびポンプによる移送中に発泡する傾向を緩和するために、凝結遅延セメントに含まれてよい。適切な消泡添加剤の例は、ポリオールシリコーン化合物を含むが、これに限定されるものではない。適切な消泡添加剤の例は、Halliburton Energy Services,Inc.から、商品名D−AIRTM消泡剤として入手可能である。

0026

任意に、チキソトロピック添加剤が、例えば、薄いまたは低粘性流体としてポンプ移送できるが、静止状態では比較的高い粘度を示すセメント組成物を提供するために、凝結遅延セメントに含まれてよい。数ある中で、チキソトロピック添加剤は、自由水を制御し、スラリーがセットするにつれて急速なゲル化を生じ、逸泥に対抗し、アニュラー・カラムにおける「後退」を防止し、およびガスの遊走を最小化することを助けるために使用する場合がある。適切なチキソトロピック添加剤の例は、石膏水溶性カルボキシアルキルヒドロキシアルキル、混合カルボキシアルキル−ヒドロキシアルキルセルロースのどれか、多価の金属塩、ヒドロキシエチルセルロースを伴うオキシ塩化ジルコニウム、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。

0027

当業者は、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、一般に特定の応用例に適した密度を有しなければならないということを認めるであろう。例えば、凝結遅延セメント組成物は、 まで、約4ポンドガロン(「lb/gal」)から約20lb/galの範囲の密度を有することができる。ある実施形態では、凝結遅延セメント組成物は、約8lb/galから約17lb/galの範囲の密度を有することができる。凝結遅延セメント組成物の実施態様は、発泡か非発泡であり得るか、もしくは、中空微小球体、低比重ゴムビーズ、あるいはその他の周知の密度減少添加剤などの、密度を減らすための他の手段を含み得る。実施態様において、密度は組成物を貯蔵した後、しかし地層への送入前に減少させる。本開示の利益を有する当業者には、 特定の応用例のための適切な密度が分かるだろう。

0028

前述のように、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、静的ゲル強度を速やかに発現できる。例えば、凝結遅延セメント組成物は、約50から約200°Fで、少なくとも約100lb/100ft2から約500lb/100ft2の静的ゲル強度により特徴づけられることが可能である。更なる実施態様として、凝結遅延セメント組成物は、約50〜約200°Fで、少なくとも約200lb/100ft2から約350lb/100ft2の静的ゲル強度により特徴づけられることが可能である。

0029

前述のように、凝結遅延セメント組成物は、それらが長期間ポンプ移送できる流体状態のままであるという、凝結遅延性を有する場合がある。例えば、凝結遅延セメント組成物は、ポンプ移送できる流体状態を、約1日から約7日間もしくはそれ以上の期間、例えば約100°Fで、保持する場合がある。いくつかの実施形態では、凝結遅延セメント組成物は、ポンプ移送できる流体状態を、少なくとも約1日、約7日、約10日、約20日、約30日、約40日、約50日、約60日間もしくはそれ以上の期間、例えば約100°Fで、保持する場合がある。流体は、API RP Practice 10B−2,Recommended Practice for Testing Well Cements,First Edition,July 2005に規定されている、セメント増粘時間測定法に従い、室温(例えば80°F)で、高温高圧コンシストメータにより測定したときに、70未満のBeardenユニットコンシステンシー(「Bc」)を有する場合に、 ポンプ移送できる流体状態にあると見なされる。

0030

使用のための必要に応じて、凝結遅延セメント組成物の実施態様は活性化され(例えばセメント硬化活性剤との混合により)、このことにより硬化マスに凝結され得る。例えば、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、約2時間から約12時間の範囲の時間内で、硬化マスに凝結されるように活性化される場合がある。例えば、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、または約12時間のいずれかの時間の範囲内の時間、および/またはこれらのいずれかの時間で硬化マスを形成するように凝結される場合がある。活性化の後、凝結遅延セメント組成物は、約50psiから約5000psi、あるいは、約100psiから約4500psi、または、約500psiから約4000psiの範囲の24時間圧縮強度を発現し得る。いくつかの実施形態では、凝結遅延セメント組成物は、少なくとも約50psi、少なくとも約100psi、少なくとも約500psi、もしくはそれ以上の24時間圧縮強度を発現し得る。圧縮強度は、API RP 10B−2,Recommended Practice for Testing Well Cements,First Edition,July 2005に従い、140°F、3000psiにおいてUCAを用いて測定できる。

0031

実施態様は、凝結遅延セメント組成物へのセメント硬化活性剤の添加を含む場合がある。適切なセメント硬化活性剤の例は、塩化カルシウムトリエタノールアミン、ケイ酸ナトリウム、ギ酸亜鉛酢酸カルシウム水酸化ナトリウム一価の塩、ナノシリカ(すなわち、約100ナノメートル以下の粒径を有するシリカ)、ポリリン酸エステル、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、ポリリン酸エステルおよび一価の塩の組合せが、活性化のために使用し得る。使用される一価の塩は、解離して一価のカチオンを形成するいかなる塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)であり得る。適切な一価の塩類の具体例は、硫酸カリウム、塩化カルシウム、および硫酸ナトリウムを含む。 様々な異なるポリリン酸塩、例えば、ポリメタリン酸塩リン酸塩、およびそれらの組み合わせが、一価の塩と共に、凝結遅延セメント組成物の活性化のために使用し得る。使用され得るポリメタリン酸塩の具体例は、ヘキサメタリン酸ナトリウムトリメタリン酸ナトリウムテトラメタリン酸塩ナトリウム、ペンタメタリン酸ナトリウムヘプタメタリン酸ナトリウム、オクタメタリン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせを含む。適切なセメント硬化活性剤の具体例は、硫酸ナトリウムとヘキサメタリン酸ナトリウムの組み合わせから成る。特定の実施例において、活性化剤液体添加物として、例えば、一価の塩、ポリリン酸エステル、および任意に分散剤から成る液体添加物として提供され、凝結遅延セメント組成物に添加することができる。

0032

セメント硬化活性剤は、凝結遅延セメント組成物の実施態様に、広範な硬化可能な組成物を活性化して硬化マスに凝結するのに十分な量だけ加えられなければならない。ある実施形態では、セメント硬化活性剤は、軽石の約1重量%から約20重量%の範囲で、凝結遅延セメント組成物に加えられる場合がある。特定の実施態様において、セメント硬化活性剤は、軽石の約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、または約20重量%のいずれかの量の間の範囲内の量、および/またはこれらのいずれかの量で存在してもよい。本開示の利益を有する当業者には、応用例のために含まれるべきセメント硬化活性剤の適切な量が分かるだろう。

0033

当業者ならば周知のように、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、掘削、流体置換、および一次および改修セメンチングを含む様々な地下作業において使うことができる。あわせて、この種の作業では、「処置流体」として凝結遅延セメント組成物を使用する場合がある。本明細書において「処置」または「処置する」流体という用語は、望ましい機能に関連して、および/または望ましい効果ために流体を使用するいかなる地下の作業に関連する。「処置」または「処置する」流体という用語は、流体による何か特定の作用を暗示するものではない。

0034

いくつかの実施形態では、水、軽石、消石灰、凝結抑制剤、および任意に分散剤から成る、凝結遅延セメント組成物が提供される場合がある。凝結遅延セメント組成物は、例えば、容器または他の適切な入れ物に保存されることができる。凝結遅延セメント組成物は、所望の期間貯蔵したままであることが可能である場合がある。例えば、凝結遅延セメント組成物は、約1日間もしくはそれ以上貯蔵したままであり得る。例えば、凝結遅延セメント組成物は、約1日、約2日、約5日、約7日、約10日、約20日、約30日、約40日、約50日、約60日、もしくはそれ以上の期間、貯蔵したままであり得る。いくつかの実施形態では、凝結遅延セメント組成物は、約1日から約7日もしくはそれ以上の範囲の期間、貯蔵したままであり得る。その後、凝結遅延セメント組成物は、例えば、セメント硬化活性剤の添加により活性化され、地下の地層に送入され、そこにおいて凝結することが可能である。

0035

凝結遅延セメント組成物は、逸泥処置流体として有益である特性を含む場合がある。例えば、逸泥組成物は短時間で静的ゲル強度を発現し、該組成物を逸泥制御に効果的たりしめる場合がある。更なる実施態様としては、凝結遅延セメント組成物は、井構造体を支持するために充分な圧縮強度を有する硬化マスに凝結する場合がある。さらに、凝結遅延セメント組成物は、チキソトロピック(例えば、ずり減粘またはずり感受性)である場合があり、それによって流体は送入するために十分長い間ポンプ移送できる状態に留まるが、いったん制止した時に速やかにゲル強度を発現する。

0036

したがって、実施態様は、凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体を提供する。逸泥処置流体は、地下層における坑井の掘削中に用いられる場合がある。逸泥処置流体は、水、軽石、消石灰、凝結抑制剤、および任意に分散剤から成る場合がある凝結遅延セメント組成物を含む場合がある。逸泥処置流体は更に、セメント硬化活性剤を含む場合がある。逸泥処置流体は、地下層の逸泥ゾーンへの掘削流体の損失を減少するために用いることができる。更なる実施態様において、逸泥処置流体は、いつでも、そして、いかなる坑井作業中に用いることができる。逸泥流体は、いかなる地層地形へのいかなる処置流体の損失をも減少するために用いることができる。

0037

逸泥処置流体は、チキソトロピックなずり減粘流体である場合がある。チキソトロピック流体は一般に、流れ止まるときにより粘稠性になる流体として説明される。チキソトロピック流体はしばしば、流れ始めるために、この静的ゲル化現象打ち勝つのに充分なずり応力を必要とするようなゲル状を呈する場合がある。一旦流れ始まると、ずり減粘または擬塑性流体は、ずり速度が増加するにつれて見掛け粘度(見掛け粘度はずり速度に対するずり応力の比として定義される)が減少する流体となる。ダイラタント(ずり増粘)流体とは、ずり速度が増加するにつれて、見掛け粘度が増加する流体のことである。Herschel−Bulkley(HB)流体モデルが、流体をずり減粘(擬塑性流体)もしくはずり増粘(ダイラタント)として、粘度測定的に分類するために使用できる。HBモデルは次のように表される:
τ=μ∞γn +τ0
ここで、τはずり応力、μ∞は流体のコンシステンシー係数、γはずり速度、nはずり減粘インデックス、そして、τ0は降伏応力である。1未満のずり減粘インデックスは流体がずり減粘であることを示す一方、1より大きいn値は流体がずり増粘であることを示す。従ってずり減粘流体は、Herschel−Bulkleyモデルに従って測定されるときに、1未満のずり減粘インデックスを有しなければならない。従って、チキソトロピックおよびずり減粘の二重の性質を有する逸泥処置流体は、ポンプ輸送撹拌(または他のいかなる撹拌)に曝された時は流動的なままであるが、該逸泥処置流体が逸泥ゾーン内に流入し、撹拌の供給源から離れた時、流体は増粘して逸泥ゾーンを封止し、封止された逸泥ゾーンに隣接して流れるいかなる流体の、逸泥ゾーンへの流体遊走を防止する 。

0038

逸泥処置流体実施態様において、凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体が用いられる場合がある。例えば、逸泥処置流体実施態様は、本願明細書において記載される、開示された凝結遅延セメント組成物製剤を含む。実施態様において、逸泥処置流体は、完全に凝結遅延セメント組成物から成る場合がある。従って、具体例において、開示された凝結遅延セメント組成物は、地下層における処置流体の損失を、例えば、坑井を掘削している時に凝結遅延セメント組成物を循環させることにより減らすために用いることができ、逸泥処置流体は、地下層の逸泥ゾーンへの掘削流体の損失を減らすことができる。実施態様は、地下層に坑井を掘削する方法を提供でき、該方法は、坑井を掘削している時に、坑井に凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体を循環させることから成り、該凝結遅延セメント組成物は、軽石、消石灰、凝結抑制剤、および水から成る。更なる実施態様において、凝結遅延セメント組成物の全体または一部は、地下層の逸泥ゾーンにおいて凝結可能である。

0039

任意の逸泥処置流体実施態様において、硫酸アルミニウム(すなわちAl2(SO4)3)が、逸泥処置流体のレオロジーを改良するために用いられる場合がある。この改良は前述のHerschel−Bulkleyモデルの応用例により測定でき、そこにおいて、硫酸アルミニウムの添加はずり減粘インデックスの値の純減少を誘導する。逸泥処置流体は、軽石の約0.1重量%〜約10重量%の硫酸アルミニウムを含んでよい。特定の実施態様において、硫酸アルミニウムは、軽石の約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約5重量%、約7重量%または約10重量%のいずれかの量の間の範囲内の量、および/またはこれらのいずれかの量で存在する場合がある。本開示の利益を有する当業者には、選択した応用例のために含む硫酸アルミニウムの適切な量が分かるであろう。硫酸アルミニウムは、逸泥処置流体中におけるettringiteの形成を誘発する。理論により制限されるものではないが、ettringiteは針状結晶を形成し、それらがずり場では整列配置し、静止状態ではランダム化されるので、その流動特性チキソトロピーを誘導すると考えられる。従って、具体例において、ettringiteの形成を誘導する他のいかなる材料も、硫酸アルミニウムと類似の方法で用いられることが可能である。

0040

前述のように、そこに掘削流体が失われるかもしれない逸泥ゾーンはしばしば遭遇する。その結果、掘削作業は通常、例えば補修処置を実行して終了されなければならない。実施態様によれば、逸泥処置流体が、逸泥ゾーンを封止して、処置流体の逸泥ゾーンへの、もしくは逸泥ゾーンからの制御できない流れ(例えば、損失掘削流体の循環、クロスフロー、地下暴噴など)を防止するために用いることができる。ある実施態様において、凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体が調製される場合がある。調製の後、逸泥処置流体は逸泥ゾーンに送入されてよい。ある実施態様において、逸泥処置流体は、掘削パイプ・ストリングの一つもしくはそれ以上の開口端を通してポンプ輸送される。例えば、逸泥処置流体は掘削ビットを通してポンプ輸送される場合がある。一旦逸泥処置流体中に配置されると、逸泥処置流体は凝結し、逸泥ゾーン内で硬化マスを形成しなければならない。この硬化マスは、ゾーンを封止し、掘削の継続を可能にするよう、後にポンプ輸送された掘削流体の損失を制御しなければならない。逸泥処置流体の実施態様は、掘削流体に加えて、他の処置流体、例えば、スペーサ流体、仕上げ流体(例えば、仕上げ塩水)、破壊流体、および坑井に配置することが可能であるセメント組成物(凝結遅延その他)が遭遇する逸泥課題を制御するために用いられる場合がある。

0041

逸泥ゾーンを封止する方法が提供される場合がある。該方法は、逸泥処置流体を坑井中で循環させること(そこにおいて、該逸泥処置流体は軽石、消石灰、凝結抑制剤、および水から成る)、そして、該逸泥処置流体を逸泥ゾーンで凝結させ、逸泥ゾーンを封止することから成り得る。この逸泥を封止する方法で使用される逸泥処置流体は、本願明細書に記載される逸泥処置流体の実施態様の様々な特徴を有することができる。

0042

逸泥処置流体が提供される場合がある。該逸泥処置流体は、軽石、消石灰、凝結抑制剤、および水から成ってよい。該逸泥処置流体は、本願明細書に記載される逸泥処置流体の実施態様の様々な特徴を有することができる。

0043

地下層中の逸泥ゾーンを封止するシステムが提供される場合がある。該システムは、逸泥処置流体を逸泥ゾーンに配置することから成る場合がある。該逸泥処置流体は、軽石、消石灰、および凝結抑制剤から成ってよい。該逸泥処置流体は、逸泥処置流体を混合することができる混合機材、および逸泥処置流体を逸泥ゾーンにポンプ輸送できるポンプ輸送機材を更に含む場合がある 。

0044

図1に、掘削機材が坑井116に存在しているときに、本願明細書において開示される凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体122を逸泥ゾーン125に送入する技術例を示す。この種の実施態様は、例えば、逸泥ゾーン125への掘削流体の損失を減らすことが望ましい時に用いられる場合がある。従って、本願明細書において開示される凝結遅延セメント組成物を含む例示的な逸泥処置流体は、直接または間接的に、開示された凝結遅延セメント組成物の調製、輸送、回収リサイクル、再利用、および/または廃棄に関連した機材の一つもしくはそれ以上の部品または部分に影響を及ぼす場合がある。例えば、そして図1を参照すると、一つもしくはそれ以上の実施態様によれば、逸泥処置流体122は、直接または間接的に、例示的な坑井掘削アセンブリ100に関連した機材の一つもしくはそれ以上の部品または部分に影響を及ぼす場合がある。図1は一般的に地上掘削アセンブリを描写しているが、本願明細書において記載される原則は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、浮動式あるいは海上プラットフォームおよびリグを使用する海底掘削作業に等しく適用できることを、当業者は容易に認識することになる点に留意する必要がある。

0045

図示されているように、掘削アセンブリ100は掘削プラットフォーム102を含んでよく、該プラットフォームはデリック104をサポートし、該デリックはドリルストリング108を上下させるためのトラベリングブロック106を有している。当業者に広く公知の様に、ドリルストリング108はドリルパイプおよびらせん状パイプを含むが、これらに限定されるものではない。ケリー110はドリルストリング108を、それがロータリーテーブル112を通して降下される時にサポートする。ビット114はドリルストリング108の遠位末端に取り付けられ、ダウンホールモーターにより、および/または井坑表面からドリルストリング108を回転させることにより駆動される。ビット114は、回転するにつれて、様々な地下層118を貫く坑井116をつくる。

0046

ポンプ120(例えば、マッドポンプ)は、供給管124を通して、そしてケリー110に逸泥処置流体122を循環させ、ケリーは逸泥処置流体122をダウンホールに、ドリルストリング108の内部、および、ドリルビット114の一つもしくはそれ以上の開口部を通して運搬する。逸泥処置流体122は、掘削流体もしくは他の処置流体(図示せず)の送入に先立って、並行して、もしくはその後に坑井に送入される場合がある。そして、逸泥処置流体122は、逸泥ゾーン125に接触し得る。逸泥ゾーン125に接触する逸泥処置流体122は、もはや流動的なままであるために充分な剪断力にさらされることはなく、そして一旦静的すると、逸泥処置流体122は増粘して逸泥ゾーン125を封止し、最終的には凝結し、硬化マスを形成し得る。そして、逸泥ゾーン125に接触しない逸泥処置流体122は、他の流体(例えば、掘削流体)の存在の有無に関わらず、ドリルストリング108と坑井116の壁の間に定義されるアニュラス126を通して、地上に循環して戻って来てよい。地上において、再循環するか使用済みの逸泥処置流体122は、アニュラス126を出て、相互接続されたフローライン130を通して、一つもしくはそれ以上の流体処理ユニット128に運搬されることができる。流体処理ユニット128を通過した後、「きれいにされた」逸泥処置流体122は、近接する貯留ピット132(すなわち、泥ピット)に堆積され得る。アニュラス126を介して坑井116の放出口に配置されるものとして図示されているが、流体処理ユニット128は、開示の範囲の要旨を逸脱しない範囲で、その適切な機能を促進するよう、掘削アセンブリ100の他のいかなる位置にも配置され得ることを、当業者は容易に認識するだろう。

0047

実施態様において、本願明細書で開示される凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体122は、貯留ピット132と伝送可能な方法により連結されるか、もしくは流体連通にある混合ホッパー134に添加される場合がある。混合ホッパー134は、ミキサーおよび当業者に公知の関連した混合器材を含み得るが、これらに限定されるものではない。しかしながら、別の実施態様において、逸泥処置流体122は混合ホッパーに加えられないかもしれない。例えば少なくとも一つの実施態様において、一つ以上の貯留ピット132が(例えば複数の貯留ピット132が直列で)ある場合がある。さらに、貯留ピット132は、開示された凝結遅延セメント組成物を、例えば逸泥処置流体122としての使用が所望されるまで、そこにおいて貯蔵、再生、および/または調整するかもしれない一つもしくはそれ以上の流体貯蔵設備および/またはユニットの代表例である場合がある。

0048

上記のように、本願明細書で開示される凝結遅延セメント組成物を含む開示された逸泥処置流体122は、直接または間接的に掘削アセンブリ100の部品および器材に影響を及ぼす場合がある。例えば、開示された逸泥処置流体122は、振盪機(例えば、シェール振盪機)、遠心機液体サイクロン分離器磁気および電気分離器を含む)、デシルター、デサンダー、分離器、フィルター(例えば、珪藻土フィルター)、熱交換器、いかなる流体再生装置を含むがこれらに限定されない一つまたはそれ以上流処理ユニット128に、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。流体処理ユニット128は更に、例示的な逸泥処置流体122を貯蔵、モニター、調整、および/または再生するために使用される、一つもしくはそれ以上のセンサーゲージ、ポンプ、圧縮器を含む場合がある。

0049

逸泥処置流体122は、逸泥処置流体122をダウンホール内に流体工学的に輸送するいかなる導管パイプライントラック、管状物、および/またはパイプ、逸泥処置流体122を動き出させるために用いるいかなるポンプ、圧縮器、あるいはモーター(例えば、トップサイドまたはダウンホール)、逸泥処置流体122の圧力または流速を調整するために用いるいかなるバルブもしくは関連した連結部、および、いかなるセンサー(すなわち、圧力、温度、流速など)、ゲージ、および/またはそれらの組み合わせなどを代表的に含むポンプ120に、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。また、開示された逸泥処置流体122は、混合ホッパー134および貯留ピット132、およびそれらの様々なバリエーションに、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。

0050

開示された逸泥処置流体122はまた、該逸泥処置流体122と接触するかもしれない様々なダウンホール機材および工具に、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。そのような機材および工具には、以下に挙げるものが含まれるが、これらに限定されるものではない:ドリルストリング108、いかなるフロートドリルカラー、マッドモーター、ダウンホールモーター、および/またはドリルストリング108に関連したポンプ、およびドリルストリング108に関連したいかなるMWD/LWDツールおよび関連した遠隔測定装置、センサーまたは分散型センサー。開示された逸泥処置流体122はまた、坑井116に関連するいかなるダウンホール内の熱交換器、バルブ、および対応する作動装置、工具シール包装装置、およびその他の坑井隔離装置または部品に、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。開示された凝結遅延セメント組成物はまた、ローラー円錐ビット、PDCビット、天然ダイヤモンドビット、いかなる拡掘機、リーマコアビットなどを含むが、これに限定されるものではないドリルビット114に、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。

0051

本願明細書において特に例示されないが、開示された逸泥処置流体122はまた、それを掘削アセンブリ100に輸送するために用いられるいかなる輸送または送達装置、例えば、逸泥処置流体122を一つの位置からもう一方の位置まで流体工学的に移動するために用いられるいかなる輸送容器、導管、パイプライン、トラック、管状物、および/またはパイプ、逸泥処置流体122を動き出させるために用いられるいかなるポンプ、圧縮機、あるいはモーター、逸泥処置流体122の圧力または流速を調整するために用いるいかなるバルブもしくは関連した連結部、および、いかなるセンサー(すなわち、圧力、温度、流速など)、ゲージ、および/またはそれらの組み合わせなどに対しても、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。

0052

図2および3に、本願明細書で開示される凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体214を、セメンチング機材およびケーシングが坑井222中に存在している状態で逸泥ゾーン225に配置する技術例を示す。この種の実施態様は例えば、逸泥ゾーン225への置換流体の損失を減らすこと使うことが望ましいときに使用される場合がある。図2は、特定の実施態様によって、逸泥処置流体214を配置することに用いられる場合がある地表装置210を例示する。図2は一般的に地上掘削アセンブリを描写しているが、本願明細書において記載される原則は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、浮動式あるいは海上プラットフォームおよびリグを使用する海底掘削作業に等しく適用できることを、当業者は容易に認識することになる点に留意する必要がある。さらに、逸泥処置流体214は、他のいかなる処置流体(例えば、後押し (displacement) 流体、仕上げ流体など)の坑井222への送入に先立って、並行して、もしくはその後に坑井に222に送入される場合があることに留意する必要がある。図2に示すように、地表装置210は、一台もしくはそれ以上のセメントトラックを含む場合があるセメンチングユニット212を含む場合がある。セメンチングユニット212は、当業者にとって明らかであるように、混合機材204およびポンプ輸送機材206を含む場合がある。セメンチングユニット212は、逸泥処置流体214を、供給管216を通してセメンチングヘッド218にポンプ輸送でき、そのセメンチングヘッドが逸泥処置流体214をダウンホール内に運搬する。

0053

図3を参照すると、本願明細書で開示される凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体214は、例示の実施態様に従って地下層220に配置されることができる。図示するように、坑井222は地下層220に掘削されてよい。坑井222は一般に地下層220中を垂直方向に延びているように示されるが、本願明細書に記載される原則は、地下層220中を傾斜して延びている坑井(例えば、水平および傾斜坑井)にも適用できる。図示するように、坑井222は、逸泥ゾーン225を有する壁224から成る。図示された態様において、サーフェイスケーシング226が坑井222に嵌入された。サーフェイスケーシング226は、セメントシース228により、坑井222の壁224にセメンチングされることができる。図示された態様において、一つもしくはそれ以上の、ケーシング230として図示されている追加の導管(例えば、中間ケーシングプロダクションケーシング、ライナーなど)も坑井222に配置される場合がある。図示するように、そこにはケーシング230と坑井222の壁224、および/またはサーフェイスケーシング226との間に、坑井アニュラス232がある。一つもしくはそれ以上のセントラライザー234が、例えば、セメンチング作業に先立って、またその最中にケーシング230を坑井222の中心に配置するために、ケーシング230に取り付けられる場合がある。

0054

引き続き図3を参照すると、逸泥処置流体214は、ケーシング230内部にポンプ輸送されることができる。逸泥処置流体214は、ケーシング230内を流れ下り、ケーシング230底部のケーシングシュー242を通過して、ケーシング230の周りを流れ上り、坑井アニュラス232に流れ込んでよい。逸泥処置流体214が坑井アニュラス232中を上方へ流れるにつれて、逸泥処置流体214は逸泥ゾーン225に接触し得る。逸泥処置流体214が逸泥ゾーン225に接触すると、逸泥処置流体214は逸泥ゾーン225内に流入する場合があり、もし剪断力から十分に引き離された場合、静止状態に成り得る。静止している場合、逸泥処置流体214はゲル強度を急速に発現し得る。そして一旦十分にゲル化されると、逸泥処置流体214は逸泥ゾーン225を封止し、その後に逸泥ゾーン225に近接して流れるいかなる処置流体(図示せず)の損失を防止できる。時間が経つにつれて、逸泥処置流体214は逸泥ゾーン225で凝結硬化してよく、例えば、ケーシング230を坑井222内でサポートして位置決めをするセメントシースを形成する。図示されてはいないが、逸泥処置流体214を送入のために、他の技術もまた利用できる。例えば、逆循環技術、すなわち、逸泥処置流体214を、ケーシング230を通す代わりに坑井アニュラス232経由で逸泥ゾーン225に挿入する技術が用いられる場合がある。

0055

図2に示されるように、逸泥ゾーン225に接触しない逸泥処置流体214のいずれかは、フローライン238を通して坑井アニュラス232から流出し、例えば、一つもしくはそれ以上の貯留ピット240(例えば、マッドピット)に堆積されることができる。

0056

当業者ならば周知のように、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、一次および改修セメンチングを含む様々なセメンチング作業に使用される場合がある。いくつかの実施形態では、水、軽石、消石灰、凝結抑制剤、および任意に分散剤から成る凝結遅延セメント組成物が提供される場合がある。凝結遅延セメント組成物は地下層に送入されることができて、そこにおいて凝結してよい。本明細書において、凝結遅延セメント組成物を地下層に送入することは、地下層に掘削された坑井への送入、坑井を取り囲む近接坑井領域への送入、あるいはそれら両方への送入を含むが、これらに限定されるものではない地下層のあらゆる部分への送入を含む。実施態様は更に、凝結遅延セメント組成物の活性化を含む場合がある。凝結遅延セメント組成物の活性化は、例えば、凝結遅延セメント組成物にセメント硬化活性剤を添加することから成り得る。

0057

一次セメンチングの実施態様において、例えば、凝結遅延セメント組成物の実施態様は、坑井の壁と、地下層を貫く坑井中に配置された導管(例えば、管路支線ライナ)との間の隙間に送入される場合がある。凝結遅延セメント組成物は、凝結し、坑井壁と導管の間の隙間に、凝結したセメントのアニュラーシースを形成してよい。とりわけ、凝結セメント組成物はバリアを形成することができ、坑井における掘削流体の移行を防止する。凝結セメント組成物はまた、例えば、坑井で導管を支持できる。

0058

改修セメンチングの実施態様において、凝結遅延セメント組成物が、例えば、スクイズセメンチング (squeeze cementing) 作業、または、セメントプラグの配置において使われる場合がある。例えば、凝結遅延組成物は、隙間あるいは割れ目などの開口部を塞ぐために坑井に、地層に、グラベルパックに、導管に、セメントシースに、および/またはセメントシースと導管の間のマイクロアニュラスに配置される場合がある。

0059

実施態様において、凝結遅延セメント組成物は、異なる地下作業のために使うことができる。実施態様において、凝結遅延セメント組成物は、ある特定の作業場において、一つもしくはそれ以上の地下作業のために使うことができる。上記のように、凝結遅延セメント組成物は、これらの異なる地下作業のための処置流体として役立つ場合がある。実施態様において、凝結遅延セメント組成物は、逸泥処置流体として使用される場合があり、そして、セメンチング組成物として凝結する時は、坑井中でケーシングをサポートし、位置決めをすることができる。実施態様において、凝結遅延セメント組成物は、坑井において、同一または異なる作業用に再利用もしくは再循環される場合がある。凝結遅延セメント組成物のリユーザビリティは、凝結遅延セメント組成物の再利用を可能にする。さらにまたこのプロセスは、作業、流体の取り扱い、および流体の貯蔵との間を移行することに関する作業間に必要とされる機材および人的資源の量を減らす。

0060

本願明細書で開示される例示的な凝結遅延セメント組成物は、直接または間接的に、開示された凝結遅延セメント組成物の調製、輸送、回収、リサイクル、再利用、および/または廃棄に関連した機材の一つもしくはそれ以上の部品または部分に影響を及ぼす場合がある。例えば、開示された凝結遅延セメント組成物は、例示的な凝結遅延セメント組成物を生成、貯蔵、モニター、調整、および/または再生するために用いられる、一つもしくはそれ以上のミキサー、関連した混合機材、マッドピット、貯蔵施設またはユニット、組成物セパレータ、熱交換器、センサー、ゲージ、ポンプ、圧縮器などに直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。開示された凝結遅延セメント組成物はまた、それを井用地またはダウンホールに輸送するために用いられるいかなる輸送または送達装置、例えば、凝結遅延セメント組成物を一つの位置からもう一方の位置まで組成的(compositionally) に移動するために用いられるいかなる輸送容器、導管、パイプライン、トラック、管状物、および/またはパイプ、凝結遅延セメント組成物を動き出させるために用いるいかなるポンプ、圧縮器、あるいはモーター(例えば、トップサイドまたはダウンホール)、凝結遅延セメント組成物の圧力または流速を調整するために用いるいかなるバルブもしくは関連した連結部、および、いかなるセンサー(すなわち、圧力および温度)、ゲージ、および/またはそれらの組み合わせなどにも、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。開示された凝結遅延セメント組成物はまた、該凝結遅延セメント組成物と接触するかもしれない様々なダウンホール機材および工具に、直接または間接的に影響を及ぼす場合がある。そのような機材および工具には、以下に挙げるものが含まれるが、これらに限定されるものではない:坑井ケーシング、坑井ライナー、仕上げストリング、挿入ストリング、ドリルストリング、らせん状の管、slickline、wireline、ドリルパイプ、ドリルカラー、マッドモーター、ダウンホールモーターおよび/またはポンプ、セメントポンプ表面実装型モーターおよび/またはポンプ、セントラライザー、turbolizer、スクラッチャー、フロート(例えば、シューカラー、バルブなど)、記録ツールおよび関連した遠隔測定装置、アクチュエーター(例えば、電気機械式装置機械液圧式装置など)、スライディングスリーブ(sliding sleeve)、プロダクションスリーブ(production sleeve)、プラグ、スクリーン、フィルター、流量調整装置(例えば、流入量制御デバイス自律流入量制御デバイス、流出量制御デバイスなど)、カプラ(例えば、電気油圧式ウェットコネクタードライコネクター、誘導型カプラ)、コントロール回線(例えば、電気光ファイバー、液圧式など)、監視回線、ドリルビットおよびリーマ、センサーまたは分散型センサー、ダウンホール熱交換器、バルブおよび対応する作動装置、工具シール、包装装置、セメントプラグ、ブリッジプラグ、および他の坑井隔離装置または部品、など。

0061

本実施態様のより良好な理解を容易にするために、いくつかの実施態様の特定の態様の以下の実施例を提供する。いかなる場合も、以下の実施例は、実施態様の全ての範囲を制限するか、またはそれを定めるために読み込まれてはならない。

0062

凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体試料を調製した。試料は、軽石(DS−325軽量骨材)、消石灰、Micro Matrix(登録商標)セメント抑制剤、および水から成った。試料の組成構造を下記表1に示す:
表1
逸泥処置流体実施例1の組成構造

*bwoP=対軽石重量比

0063

試料は室温でエージングされ、API RP Practice 10B−2,Recommended Practice for Testing Well Cementsに記載されている手順に従って、Fann Yield Stress Adapter(FYSA)およびNo.1ばねを備えた、Model 35A Fann Viscometerにより、レオロジー測定を行った。上述のようにHerschel−Bulkley流体モデルを用いてエージングしたので、測定は試料のずり減粘インデックス(n)を算出するために用いられた。この試験の結果を下記表2に示す。
表2
逸泥処置流体実施例1のずり減粘インデックス

*軽石重量に対して0.1%の分散剤を添加

0064

さらに、三つの別々の試料を取り出し、付加的なテストパラメータ、セメント硬化活性剤の添加または温度の増加、を各試料に施した。これらのテスト結果を表3に示す。
表3
逸泥処置流体実施例1のずり減粘インデックス

0065

この結果は、逸泥処置流体サンプルが12日間に渡りずり減粘挙動を呈することを示す。さらにまた、試料は、セメント硬化活性剤がある場合や高温でさえ、ずり減粘のままである。

0066

元の試料を三つの部分に分け、圧縮強度を測定するために、三種の異なるセメント硬化活性剤がテストされた。三種の異なるセメント硬化活性剤は、ヘキサメタリン酸ナトリウム−1(SHMP−1)、ヘキサメタリン酸ナトリウム−2(SHMP−2)、および10%塩化カルシウム溶液であった。SHMP活性化剤の製剤形態を下記表4に記載する。そして試料を、2インチ×4インチのプラスチックシリンダーに注入し、24時間、140°Fの水浴中で硬化させた。試料が硬化したあと、機械プレスを用いて試料を粉砕し、API RP Practice 10B−2,Recommended Practice for Testing Well Cementsに記載されている手順に従って破壊圧縮強度を測定した。結果を下記表5に示す。
表4
SHMPセメント硬化活性剤製剤

表5
逸泥処置流体実施例1の圧縮強度(CS)値(psi)

0067

この結果は、逸泥処置流体サンプルが、特にSHMPセメント硬化活性剤を有する場合に良好な圧縮強度値を呈し、よって逸泥を止めることに加えて井構造をサポートする目的にかなうかもしれないことを示す。

0068

凝結遅延セメント組成物を含む逸泥処置流体試料を調製した。試料は、軽石(DS−325軽量骨材)、消石灰、Micro Matrix(登録商標)セメント抑制剤、および水から成った。試料の組成構造を下記表6に示す:
表6
逸泥処置流体実施例2の組成構造

*bwoP=対軽石重量比

0069

試料は室温でエージングされ、API RP Practice 10B−2,Recommended Practice for Testing Well Cementsに記載されている手順に従って、Fann Yield Stress Adapter(FYSA)およびNo.1ばねを備えた、Model 35A Fann Viscometerにより、レオロジー測定を行った。上述のようにHerschel−Bulkley流体モデルを用いてエージングしたので、測定は試料のずり減粘インデックス(n)を算出するために用いられた。この試験の結果を下記表7に示す。
表7
逸泥処置流体実施例2のずり減粘インデックス

0070

さらに、三つの別々の試料を取り出し、付加的なテストパラメータ、セメント硬化活性剤の添加または温度の増加、を各試料に施した。これらのテスト結果を表8に示す。
表8
逸泥処置流体実施例2のずり減粘インデックス

0071

この結果は、逸泥処置流体サンプルが21日間に渡りずり減粘挙動を呈することを示す。さらにまた、試料は、セメント硬化活性剤がある場合や高温でさえ、ずり減粘のままである。

0072

その後試料を35日間エージングし、CaCl2またはSHMP/NaSO4セメント硬化活性剤を導入した。試料の一部を定期的にサンプリングし、それらの圧縮強度を測定した。そして試料を、2インチ×4インチの真鍮シリンダーに注入し、24時間、134°Fの水浴中で硬化させた。試料が硬化したあと、機械プレスを用いて試料を粉砕し、API RP Practice 10B−2,Recommended Practice for Testing Well Cementsに記載されている手順に従って破壊圧縮強度を測定した。結果を下記表9に示す。
表9
逸泥処置流体実施例2の圧縮強度値(psi)

*bwoP=対軽石重量比

0073

この結果は、逸泥処置流体サンプルが、特にSHMP/NaSO4セメント硬化活性剤を有する場合に良好な圧縮強度値を呈し、よって逸泥を止めることに加えて井構造をサポートする目的にかなうかもしれないことを示す。

0074

凝結遅延セメント組成物を含む、二種類の逸泥処置流体試料を調製した。試料は、軽石(DS−325軽量骨材)、消石灰、Micro Matrix(登録商標)セメント抑制剤、および水から成った。実験的な試料には、33%硫酸アルミニウム溶液を加えた。コントロール試料は、いかなる硫酸アルミニウム溶液も含まなかった。試料の組成構造を下記表10に示す:
表10
逸泥処置流体実施例3の組成構造

*bwoP=対軽石重量比、**Al2(SO4)3は、実験的サンプルのみに添加

0075

試料は室温で72時間エージングされた。レオロジー測定は、API RP Practice 10B−2,Recommended Practice for Testing Well Cementsに記載されている手順に従って、Fann Yield Stress Adapter(FYSA)およびNo.1ばねを備えた、Model 35A Fann Viscometerにより行った。結果を下記表11に示す。
表11
レオロジー測定

0076

試料はHerschel−Bulkley流体モデルを用いてエージングしたので、この測定値は試料のずり減粘インデックス(n)を算出するために用いられた。この試験の結果を下記表12に示す。
表12
逸泥処置流体実施例3のずり減粘インデックス

0077

これらの結果は、アルミン酸塩溶液が、流体がずり減粘挙動を呈する期間を大いに増加させることを示す。

0078

ここで、組成物および方法は、さまざまな要素あるいはステップ「から成る」か、「を含む (containing)」かまたは、「含む (including)」観点から記載されること、組成物および方法はまた、さまざまな要素あるいはステップから「基本的に成る」か、または「成る」場合があることを理解されなければならない。さらに、請求項において用いられている不定詞「a」あるいは「an」は、本願明細書において、それが導く要素うちの一つもしくは一つ以上を意味するものと定義する。

0079

簡潔のために、特定の範囲のみ本願明細書において明確に開示される。しかしながら、あらゆる下限からの範囲はあらゆる上限と組み合わせ、明確に列挙されていない範囲を列挙することができ、ならびに、あらゆる下限からの範囲はあらゆる他の下限と組み合わせ、明確に列挙されていない範囲を列挙することができ、同様に、あらゆる上限からの範囲はあらゆる他の上限と組み合わせ、明確に列挙されていない範囲を列挙することができる。加えて、下限および上限を有する数値的な範囲が開示されるときはいつでも、範囲内に収まるあらゆる数および範囲が詳細に開示される。特に、本願明細書において(「約aから約b」、または同様に、「おおよそaからb」、または同様に、「おおよそa〜bから」の形式で)開示される数値のすべての範囲は、明確に詳述されない場合であっても、より幅広い値の範囲の中に含まれるあらゆる数および範囲を説明しているものと理解される。しかるに、すべての点または個々の値は、他のあらゆる点または個々の値、もしくはあらゆる他の下限または上限と組み合わせ、それ自身の下限または上限として使用される場合があり、明確に詳述されない範囲を列挙する。

実施例

0080

従って、本発明は、本来の並びに記載の目的および利益を達成するのに良好に適している。本発明は修正されることができ、また、本願明細書における教示の利点を共有する当業者にとって明らかな、異なるが等価な方法で実践されることができるので、上記に開示された具体例は本発明をただ例示するだけのものである。特有の実施態様が検討されているが、本発明はそれらすべての実施態様のすべての組合せをカバーする。更に、ここに示した構成あるいは設計の詳細について、請求の範囲に記載したものを除いて、限定するものではない。また、明確にそして明らかに特許権所有者により定義されない限り、請求項の条件はそれらの明白な通常の意味を有する。従って、上記の特定の実施態様は変更もしくは修正することができ、すべてのこの種の変形は本発明の範囲および趣旨内にあると見なされることは明白である。もし本明細書および一つもしくはそれ以上の特許または参照により本願明細書に組み込まれた他の文書において、単語または用語の用法になんらかの矛盾がある場合は、本明細書と整合性のある定義が採用されるべきである。

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