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技術 金属結晶質基板上での、パルスレーザーを用いた大面積のグラフェンの合成方法

出願人 ナショナルユニバーシティオブシンガポール
発明者 オズィルマスバルバロススティアーアンドレアスフォルカートウチータットカストロネトアントニオエリオ
出願日 2015年2月4日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-549778
公開日 2017年3月23日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2017-507886
状態 特許登録済
技術分野 炭素・炭素化合物 CVD アニール 再結晶化技術
主要キーワード 二種類目 一種類目 ウェットエッチングステップ 気化アルコール 単結晶ドメイン ドットアレイ状 平均ドメインサイズ 浮遊帯
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

グラフェン作成方法であって、金属基板の存在下にシードガスを供給する工程、パルス状の紫外レーザー光線を供給する工程、及び前記基板又は前記レーザー光線の一方を他方に対して移動させることにより、グラフェンの結晶化前端を前進させて規則的なグラフェン構造を形成する工程を含む。一例において、基板は二回転対称面を有してもよい。グラフェンの再結晶化方法であって、多結晶グラフェンシートにパルス状の紫外レーザー光線を供給する工程を含む。

概要

背景

銅ベース化学気相成長法(chemical vapor deposition;CVD)によるグラフェンの大規模合成法は、グラフェンの商業化にとって将来性のある手段と考えられている。しかしながら、CVDグラフェンフィルムは、多くの小さなグラフェン結晶ドメイン繋ぎ合わせから構成される。これにより得られるグラフェンは、欠陥となるドメイン境界を有しており、平均ドメインサイズは、10〜100マイクロメートルサイズの範囲にとどまる。

多結晶材料の特性は、多くの場合、単結晶ドメインの特性よりもむしろ、ドメイン境界の原子構造に支配される。このような多結晶グラフェンシートは、グレイン境界によって、抵抗が増加しまた均一性ランダムに変化する可能性があるため、単ドメインのグラフェンよりも劣ったものとなる。多結晶グラフェンのマルチドメイン構造は、その電気伝導性及び熱伝導性、並びに機械的特性及び化学的特性を、非常に低下させてしまう。このようなフィルム張力を受けると、グレイン境界によって電気抵抗が増加し、また、このフィルムをもろく穴だらけにしてしまう。このような特性のため、フレキシブルタッチパネル及び/又はガスバリアフィルム(例えばフレキシブルガスバリアフィルム)への応用の可能性が、非常に制限されている。

上記の欠陥を有するグラフェンを製造してしまうことから、グラフェンを製造するための現在のCVDプロセスは、適切なものではない。例えば、CVD技術は、グラフェンの結晶化及び成長をランダムにしてしまう可能性がある。すなわち、グラフェン結晶のサイズ及び位置を制御することができない。加えて、CVDプロセスは非常に時間がかかる可能性がある(例えば、1cm2のグラフェン結晶には、略(approximately)1日かかる)。CVDチャンバ高温にすることを必要とする高スループットの製造技術を取り入れるという、CVD技術における別の試みが行われている。典型的には、CVDチャンバ全体が、高温に(略1000℃まで)熱せられる。可燃性ガス環境では、試料の取り付け(loading)及び取り外し(unloading)の際に装置が空気に触れると、装置がダメージを受ける可能性があり、このため大がかりな環境制御システム高真空ポンプなど)が必要となって処理に時間がかかってしまう。加えて、大きな基板で不均一に温度を低下させていくと基板がゆがむ可能性があるため、基板をゆっくりと冷却する必要がある。基板の端の部分は中央部よりも早く冷えるため、温度差が大きすぎる環境では、基板の温度が不均一になる可能性がある。したがって、基板をすぐに低温環境に移動させることはできず、このため生産速度が遅くなり、商業規模での生産を制限する要因となる可能性がある。加えて、グラフェンを損傷することなく、成長システム内で基板を巻いたり重ねたりすることはできない。

したがって、より結晶質で、結晶の境界をより予測可能なグラフェンを作成し、商業規模での生産を可能とするための、改善されたプロセスが必要である。

概要

グラフェンの作成方法であって、金属基板の存在下にシードガスを供給する工程、パルス状の紫外レーザー光線を供給する工程、及び前記基板又は前記レーザー光線の一方を他方に対して移動させることにより、グラフェンの結晶化前端を前進させて規則的なグラフェン構造を形成する工程を含む。一例において、基板は二回転対称面を有してもよい。グラフェンの再結晶化方法であって、多結晶グラフェンシートにパルス状の紫外レーザー光線を供給する工程を含む。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

金属基板の存在下にシードガスを供給する工程、パルス状の紫外レーザー光線を供給する工程、及び前記基板又は前記レーザー光線を他方に対して移動させることにより、グラフェン結晶化前端を前進させて規則的なグラフェン構造を形成する工程を含むグラフェンの作成方法

請求項2

前記レーザー光線は、前記シードガスを光解離させる請求項1記載の方法。

請求項3

前記レーザー光線のパルス継続時間は、約10ナノ秒である請求項1記載の方法。

請求項4

前記レーザー光線は、前記基板の前記表面と実質的に平行で、前記基板の表面の近くにある請求項1記載の方法。

請求項5

前記レーザー光線は、前記基板から約5センチメートル以下にある請求項4記載の方法。

請求項6

前記レーザー光線は、前記基板に約30度以下の角度で当たる請求項1記載の方法。

請求項7

前記シードガスは、メタン又はアセチレンである請求項1記載の方法。

請求項8

前記レーザー波長は、略193nm、248nm、又は308nmである請求項1記載の方法。

請求項9

前記金属基板は、ニッケル、銅、スカンジウムチタンバナジウムマンガン、鉄、コバルトルテニウム白金ゲルマニウム炭化ケイ素ケイ素、又は銅ニッケル合金である請求項1記載の方法。

請求項10

前記基板は、二回転対称原子面を有する請求項9記載の方法。

請求項11

前記基板は、ゲルマニウムの[110]面を有する請求項10記載の方法。

請求項12

前記ゲルマニウムの[110]面をピラニア溶液(H2O2:H2SO4)及びフッ酸のうちの一方又は両方にさらすことによって、前記ゲルマニウムの[110]面を調整する工程をさらに含む請求項11記載の方法。

請求項13

前記基板はシリコンの[110]面を有する請求項10記載の方法。

請求項14

前記規則的なグラフェン構造を前記レーザーでアニーリングする工程をさらに含む請求項1記載の方法。

請求項15

a)多結晶グラフェンシートにパルス状の紫外レーザー光線を供給する工程、及びb)基板又はレーザー光線の一方を他方に対して移動させることにより、グラフェンをより結晶質とする工程を含むグラフェンを再結晶化させる方法。

請求項16

前記レーザー光線のパルス継続時間は、約10ナノ秒である請求項15記載の方法。

請求項17

前記レーザーの波長は、略193nm、248nm、又は308nmである請求項15記載の方法。

関連出願

0001

本願は、2014年2月4日に出願された米国仮出願61/935,535の利益を主張するものである。また本願は、2014年7月3日に出願された米国仮出願62/020,527の利益を主張するものである。これらの出願の全教示内容は、参照することによりここに組み込まれる。

背景技術

0002

銅ベース化学気相成長法(chemical vapor deposition;CVD)によるグラフェンの大規模合成法は、グラフェンの商業化にとって将来性のある手段と考えられている。しかしながら、CVDグラフェンフィルムは、多くの小さなグラフェン結晶ドメイン繋ぎ合わせから構成される。これにより得られるグラフェンは、欠陥となるドメイン境界を有しており、平均ドメインサイズは、10〜100マイクロメートルサイズの範囲にとどまる。

0003

多結晶材料の特性は、多くの場合、単結晶ドメインの特性よりもむしろ、ドメイン境界の原子構造に支配される。このような多結晶グラフェンシートは、グレイン境界によって、抵抗が増加しまた均一性ランダムに変化する可能性があるため、単ドメインのグラフェンよりも劣ったものとなる。多結晶グラフェンのマルチドメイン構造は、その電気伝導性及び熱伝導性、並びに機械的特性及び化学的特性を、非常に低下させてしまう。このようなフィルム張力を受けると、グレイン境界によって電気抵抗が増加し、また、このフィルムをもろく穴だらけにしてしまう。このような特性のため、フレキシブルタッチパネル及び/又はガスバリアフィルム(例えばフレキシブルガスバリアフィルム)への応用の可能性が、非常に制限されている。

0004

上記の欠陥を有するグラフェンを製造してしまうことから、グラフェンを製造するための現在のCVDプロセスは、適切なものではない。例えば、CVD技術は、グラフェンの結晶化及び成長をランダムにしてしまう可能性がある。すなわち、グラフェン結晶のサイズ及び位置を制御することができない。加えて、CVDプロセスは非常に時間がかかる可能性がある(例えば、1cm2のグラフェン結晶には、略(approximately)1日かかる)。CVDチャンバ高温にすることを必要とする高スループットの製造技術を取り入れるという、CVD技術における別の試みが行われている。典型的には、CVDチャンバ全体が、高温に(略1000℃まで)熱せられる。可燃性ガス環境では、試料の取り付け(loading)及び取り外し(unloading)の際に装置が空気に触れると、装置がダメージを受ける可能性があり、このため大がかりな環境制御システム高真空ポンプなど)が必要となって処理に時間がかかってしまう。加えて、大きな基板で不均一に温度を低下させていくと基板がゆがむ可能性があるため、基板をゆっくりと冷却する必要がある。基板の端の部分は中央部よりも早く冷えるため、温度差が大きすぎる環境では、基板の温度が不均一になる可能性がある。したがって、基板をすぐに低温環境に移動させることはできず、このため生産速度が遅くなり、商業規模での生産を制限する要因となる可能性がある。加えて、グラフェンを損傷することなく、成長システム内で基板を巻いたり重ねたりすることはできない。

0005

したがって、より結晶質で、結晶の境界をより予測可能なグラフェンを作成し、商業規模での生産を可能とするための、改善されたプロセスが必要である。

0006

ここでは、グラフェンの作成方法が開示される。この方法は、金属基板の存在下にシードガスを供給する工程、パルス状の紫外レーザー光線を供給する工程、及び前記基板又は前記レーザー光線を他方に対して移動させることにより、グラフェンの結晶化前端を前進させて規則的なグラフェン構造を形成する工程を含む。前記レーザー光線は、前記シードガスを光解離させてもよい。前記レーザー光線のパルス継続時間は、10ナノ秒〜約(about)100ナノ秒であってもよい。好ましくは、前記レーザー光線のパルス継続時間は、約10ナノ秒であってもよい。前記レーザー光線は、前記基板の表面と実質的に(substantially)平行で、前記基板の前記表面の近く、例えば前記基板から約5センチメートル以下にあってもよい。前記レーザー光線は、前記基板に約30度以下、好ましくは約10度以下の角度で当たってもよい。前記シードガスは、メタン又はアセチレンであってもよい。前記レーザー波長は、略193nm、248nm、又は308nmであってもよい。前記金属基板は、ニッケル、銅、スカンジウムチタンバナジウムマンガン、鉄、コバルトルテニウム白金ゲルマニウム炭化ケイ素、又は銅ニッケル合金であってもよい。前記基板は、二回転対称原子面、例えばゲルマニウムの[110]面又はシリコンの[110]面を有してもよい。この方法は、前記ゲルマニウムの[110]面をピラニア溶液(H2O2:H2SO4)及びフッ酸のうちの一方又は両方にさらすことによって、前記ゲルマニウムの[110]面を調整する工程をさらに含んでもよい。前記基板はシリコンの[110]面を有してもよい。この方法は、前記規則的なグラフェン構造を前記レーザーでアニーリングする工程をさらに含んでもよい。

0007

ここではまた、グラフェンを再結晶化させる方法が開示され、これは、多結晶グラフェンシートにパルス状の紫外レーザー光線を供給する工程、及び、基板又はレーザー光線を他方に対して移動させることにより、グラフェンをより結晶質とする工程を含む。前記レーザー光線のパルス継続時間は、約10ナノ秒〜約100ナノ秒、好ましくは約10ナノ秒、であってもよい。前記レーザーの波長は、略193nm、248nm、又は308nmであってもよい。

0008

パルス状のレーザーを用いてグラフェンを作成する方法は、グラフェンを作成する他の方法に比べて有利である。レーザー光線の光子エネルギーは、波長に反比例するため、レーザーの波長が小さくなれば各光子のエネルギーが増加する。したがって、パルス状のレーザー光線であれば、シードガスを光解離させるのに十分なエネルギーを供給することができる。特に、レーザーがパルス状であるので、レーザー光線が基板の温度を過度に上昇させることがない。これに対し、他の方法では、基板を融点(例えば、銅であれば略1085℃)近くまで加熱する必要がある。このように高温にする場合、この高温に耐えうる装置を用いる必要があり、グラフェン作成のコストに大きな影響を及ぼしてしまう。また、取り扱い可能な適切な温度まで基板を冷却するのにさらに時間が掛かり、さらなるコストが発生してしまう。基板からグラフェンを取り外した後、不純物を取り除かなくても基板を再利用することができる。

図面の簡単な説明

0009

上述の事項は、以下の、添付の図面に示された本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明から、明らかとなるであろう。異なる図面を通して、同様の符号は同一の部分を指す。本発明の実施形態の説明を重視するため、図面は必ずしも縮尺通りではない。
図1は、金属基板の結晶化のプロセスを示す概略図である。
図2Aは、基板のレーザー照射を示す概略図である。図2Bは、レーザーを用いてグラフェンを成長させる方法を示す概略図である。図2Cは、レーザーを用いてグラフェンをパターニングする方法を示す概略図である。図2Dは、レーザーを用いてグラフェンをアニーリングする方法を示す概略図である。
図3は、基板の表面と実質的に平行なレーザー光線を示す概略図である。
図4は、垂直レーザ光線を用いてグラフェンをアニーリングして、グレインサイズを小さな多結晶から大きな結晶グラフェンへと成長させる方法を示す概略図である。
図5Aは、二回転対称のGe[110]面上でのグラフェンの成長を示す概略図である。図5Bは、三回転対称のGe[111]面上でのグラフェンの成長を示す概略図である。

実施例

0010

本発明の例示的な実施形態を以下に説明する。

0011

グラフェンは、細胞組織再生及び医療機器の用途に非常に適した物性を有する、炭素二次元シートである。グラフェンは、知られている最も強い材料であって、そのヤング率(Young's modulus)は0.5−1Tpaであり、その一方非常に柔軟で壊れにくい。グラフェンは、平坦又は凸凹な如何なる表面上にも転写することができ、グラフェンで覆われた、柔軟な支持基板は、必要に応じて任意の形状に容易に曲げることができる。完全に一続きであるにもかかわらず、一原子分の厚さしかないため、他の非生物物質の場合に見られるような炎症又はその他の免疫反応が抑えられ最少量の生物分解が不可能な物質が供給される。グラフェンは、ガスを通さない障壁としても機能し、基板又はインプラント材料を気密に封止して、外的要因に起因する如何なる劣化からも守ることができる。結果的に、グラフェンは、細胞組織の再生及び/又は修繕のための基質として機能するのに加えて、骨構造又は恒久的なインプラントを顕著に補強することができる。

0012

ここに記載の方法で生産されたグラフェンは、水素アルゴン(H2-Ar)混合ガス環境下において、単にグラフェンを加熱したり、レーザーを用いたりすることによって、アニーリングすることができる。グラフェンをアニーリングすれば、隣り合うグラフェン結晶の境界で凸凹が低減され、グラフェン基板品質を向上することができる。グラフェン基板のパターニング及びアニーリングに、同じレーザーを用いることができる。アニーリングプロセスに必要なレーザー強度は、パターニングプロセスに必要なレーザー強度よりも小さい。

0013

二回転対称面は、その面の法線周りに180度回転させれば同じ結晶構造とすることができる。

0014

ここでは、「略(approximately)」は、その値から25%の範囲の値を指すものとする。別実施形態において、「略(approximately)」は、その値から15%の範囲の値を指す。別実施形態において、「略(approximately)」は、その値から10%の範囲の値を指す。別実施形態において、「略(approximately)」は、その値から5%の範囲の値を指す。別実施形態において、「略(approximately)」は、その値から1%の範囲の値を指す。

0015

その上にグラフェンを形成することができる基板の例は、特に限定されないが、ニッケル、銅、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、白金、ゲルマニウム、炭化ケイ素(SiC)、及び銅ニッケル合金を含む。基板の例はまた、非金属又は非酸化物基板、例えばゲルマニウム及び他の半導体材料を含んでもよい。基板は、箔(foil)又はウェハ(wafer)のように、独立(freestanding)であってもよいし、スパッタリングコーティングがされた支援(supportive)基板(例えば、伝導性絶縁性酸化物、又は結晶質ウェハの支持(supporting)基板)であってもよい。すなわち、炭素原子をグラフェン格子に変換するための触媒表面を提供できる限りにおいて、幅広い種類の基板を用いることができる。さらに、基板が、単結晶銅ナノワイヤ又は分散されたナノ粒子のような、マイクロ又はナノパターン金属触媒を含有してもよい。

0016

グラフェン成長の前に、基板内の不純物が取り除かれていることが好ましい。まず、基板が適切なプラズマ処理予備洗浄(pre-cleaned)及び/又は補完(supplemented)されてもよい。次に、レーザー光線を用いて基板を局所的に加熱することにより、不純物が減らされ、核形成部位が生成されてもよい。レーザーの流速量が増加するとレーザースポットのサイズが増加し、これにより基板の局所融解度合いが増加する。レーザー光線が基板に当たっているスポットの、境界側ほど温度が減少し、これにより、基板のより高温の領域側への不純物(化学的な不純物及び/又は結晶欠陥)の拡散的なマイグレーションが起こる。大面積の基板の結晶化のために、基板表面にわたって適切な速度でレーザーを走査してもよい。適切な走査パターンと組み合わせて、溶融基板結晶化プロセスが最適化されるように一つのスポットにわたる流速量の勾配が形成されるよう、レーザースポットを制御してもよい。基板の調整プロセスの間の、基板環境の圧力及び化学的なガス組成を変化させることによって、基板の結晶化を最適化することができる。図1は、レーザーを用いた基板の調整方法を示す。多結晶基板、例えば多結晶銅基板、にわたってレーザー光線をスイープし、これにより局所融解を起こさせ、より結晶質の銅が成長する。

0017

あるいは、基板の結晶化よりも低く(below the substrate crystallization)グラフェンのアブレーション閾値よりも低い流速量で、結晶化された基板上に核形成部位が生成されてもよい。基板の動き及び/又は試料上のレーザースポットの形状/サイズにより制限するような方法で、核形成部位がパターニングされてもよい。特に、縞模様形状、ドットアレイ状単核形成部位(dot arrays single nucleation sites)、又はその組み合わせが形成されてもよい。

0018

シードガスの存在下で、パルス状のレーザーによりグラフェンを成長させてもよい。レーザーを、3つの異なる方向に、向けることが可能である。

0019

第一実施形態では、レーザー光線が直接基板に当たって所定の核形成部位からの成長がもたらされる。適切な濃度の炭素シードガスを含有する環境において、レーザースポットが核形成部位に集光される。レーザースポットの流速量は、グラフェンのアブレーション閾値よりも低くなるよう調整される。グラフェン結晶は、核形成部位から径方向の外方へ成長する。レーザースポットを適切に走査すれば、基板にわたるように結晶成長ガイドされる。あるいは、適切にレーザースポットの移動を行うことで、多数の核形成部位からの小さな結晶の融合が、誘起される。グレインサイズが増加することで、系は、自然と支配的な結晶グレインへと崩れ込む(collapse)。直接集光モードでは、レーザーは、局所加熱源であると同時に光解離源として用いられる。

0020

第二実施形態では、レーザー光線は基板の近く、かつ実質的に平行に向けられる。レーザーは基板には作用せず、したがってこの成長プロセスは、レーザー光線近傍でのシードガスの光アシスト分解(photo-assisted cracking)、及びそれに引き続く基板への熱化学的気相成長に基づくものである。成長チャンバ内のシードガスの濃度、レーザー光線の流速量、レーザー光線のサイズ及び形状、及び基板からのレーザー光線の距離を調整することで、グラフェンの成長を制御することができる。レーザー光線をできるだけ基板に近づけるべきであり、典型的には約5cm以下である。

0021

第三実施形態、これは「視射角法(glacing angle)」とも呼ばれる、では、レーザー光線が約30度以下、好ましくは10度以下の角度で基板に当たる。

0022

シードガスは炭素を含有するガスでもよい。一般的なシードガスの例は、特に限定されないが、メタン、アセチレン、軽質炭化水素、及び気化アルコールを含む。

0023

3つの方向に向けられるレーザー光線の各々において、パルス状のレーザーが駆動される。典型的には、レーザーパルス継続時間は約10ナノ秒〜約100ナノ秒である。理論によって限定されることを意図するものではないが、レーザーパルスがシードガスを光解離させる。シードガスが光解離すれば、シードガスの炭素原子が基板上にグラフェン結晶を形成する。

0024

グラフェンの成長後、好ましくはこのグラフェンが再結晶化される及び/又は多層化されたグラフェンが除去される。部分的に結晶化された、又は完全にアモルファス炭素層が基板を覆い、これが炭素層の下の他の物質との積層構造の一部をなす。炭素層は、アモルファス質の炭素、又は厚さが10ナノメートル〜10マイクロメートルの炭素ベース高分子材料の層であってもよい。レーザースポットは、真空条件において基板に集光され、再結晶化の際には、流速量はグラフェンのアブレーション閾値よりも低くなるように制御される。基板にわたってレーザースポットを走査すれば、炭素が局所加熱されて炭素フィルムが再結晶化される。あるいは、流速量をアブレーション閾値よりも大きくすれば、炭素の選択的なアブレーション及び/又は局所的な再結晶化が引き起こされて炭素が結晶質となる。適切な流速量のレーザーを時間的に制御して印加すれば、選択的に炭素が除去され、最終的に原子的に薄い層ができる。レーザー光線の印加角度は、基板表面に垂直でも、視射角でも、他の如何なる角度でもよい。レーザー光線はエネルギーを与えてグラフェンの結合を切断し、グラフェンを再結晶化させる。一般的に、グラフェンにレーザーを暴露する継続時間を増加することにより、より多結晶質でなくなってグラフェンの品質が向上する。

0025

別の実施形態において、図5Aに模式的に示すように、二回転対称の原子面を有する基板上でグラフェンを成長させてもよい。特に、図5Aに、二回転対称のGe[110]面上でのグラフェンの成長を示す。二回転対称面は、その面の法線の周りに180度回転させれば同じ結晶構造とすることができる。比較のために、図5Bに、三回転対称のGe[111]面を示す。これは、その法線の周りに120度(例えば、360度/3)回転させれば同じ結晶構造となる。図5A及び5Bの結晶面では、グラフェンの成長メカニズムが明確に異なることになる。グラフェン結晶の核形成に続いて、核形成部位から外側への成長が起こる。大規模なグラフェン結晶の方位は、元の核形成部位の方位に従う。グラフェン結晶は、種々のグレイン境界及び触媒基板結晶方位にわたって巨視的なスケールで成長するが、核形成部位の結晶方位を踏襲(adhere)する。二回転対称基板の場合、グラフェンは、一つの結晶方位にのみ成長することになる。すべての単核形成部位は同一の結晶方位を有しており、したがって基板を覆うフィルムの成長において2つのグラフェン結晶が出会って接合するとき、これらの境界が同じ結晶方位を持つことになって、図5Aに示すように、継ぎ目なく適合することになる。一方、図5Bに示すような高次対称性を持つ基板では、異なる結晶方位を持つ2つのグラフェン結晶は継ぎ目なく接合することができず、したがってグラフェンフィルムにグレイン境界ができる。これらのグレイン境界は、本質的に低品質のグラフェンに関連付けられる全ての欠陥の源となる。

0026

多結晶金属基板上での成長)
2つの異なる種類の基板上に、大面積で高い結晶品質のグラフェンを合成することができる。一種類目の基板は、多結晶金属基板である。このような基板では、選択的な核形成、シードガスの熱及び光解離、又はその組み合わせの源としてパルス状のレーザーが用いられる。当業者であれば、できる限り品質の高いグラフェンは下記のプロセスの様々な組み合わせで達成できることが理解されるであろう。第一に、真空下又は水素環境下で、レーザーによる融解によって不純物を取り除き結晶化させることにより、基板が調整される。第二に、パルス状のレーザーによって、基板のうちの複数の選択された領域に核形成部位が誘起される。第三に、レーザーの流速量を制御することにより後者(触媒基板)の温度を局所的に制御して、グラフェンが触媒基板上に成長される。第四に、平面への入射光線とこの面との間の角である、視射角入射光線経路を用いた光解離プロセスを通して、基板上でグラフェンが成長される。典型的には、この角度は30度未満であり、したがって視射角である。第五に、第三ステップと第四ステップとを組み合わせてグラフェンが成長される。すなわち、グラフェンの成長の最適化とグラフェンへのレーザーによるダメージの最少化をバランスさせるため、最適な局所加熱が基板で得られるように視斜角が選択される。第六に、レーザーで試料をアニーリングすることによりグラフェンが再結晶化される。第七に、アブレーションプロセスを用いてグラフェンがパターニングされる。

0027

その上にグラフェンを形成することができる基板の例は、特に限定されないが、ニッケル、銅、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、白金、ゲルマニウム、炭化ケイ素(SiC)、及び銅ニッケル合金を含む。基板の例はまた、非金属又は非酸化物基板、例えばゲルマニウム及び他の半導体材料を含んでもよい。基板は、箔又はウェハのように、独立であってもよいし、スパッタリングやコーティングがされた支援基板(例えば、伝導性、絶縁性、酸化物、又は結晶質ウェハの支持基板)であってもよい。すなわち、レーザーで処理されてより結晶質となり、炭素原子をグラフェン格子に変換するための触媒表面を提供できる限りにおいて、幅広い種類の基板を用いることができる。

0028

(基板の調整:レーザー精製及び触媒基板の浮遊帯結晶成長)
レーザースポットの境界において大きな温度勾配が生じることにより、触媒金属基板の浮遊帯結晶成長が開始される。レーザースポットの中心で、基板が局所的に溶解するように流速量が制御される。レーザースポットの境界に向かうほど温度が急激に低下し、これにより、基板のより高温の領域側への不純物(化学的な不純物及び/又は結晶欠陥)の拡散的なマイグレーションが起こる。当業者であれば、適切なプラズマ処理により基板を予備洗浄及び/又は補完してもよいことが理解されるであろう。大面積の基板の結晶化のために、基板表面にわたって適切な速度でレーザーが走査される。当業者であれば、適切な走査パターンと組み合わせて、溶融/基板結晶化プロセスが最適化されるようにスポットにわたる流速量の勾配が形成されるよう、レーザースポットを制御してもよいことが理解されるであろう。当業者であれば、基板の調整プロセスの間の、基板環境の圧力及び化学的なガス組成を変化させることによって、基板の結晶化を最適化することができることが理解されるであろう。

0029

(レーザーアシスト核形成)
基板環境内に適切な圧力/濃度の炭素シードガスが存在する条件で金属基板を選択的に結晶化することにより、核形成部位が生成される。このために、レーザーの流速量制御による基板の局所加熱が用いられる。あるいは、基板の結晶化よりも低くグラフェンのアブレーション閾値よりも低い流速量で、結晶化された基板に核形成部位が生成されてもよい。基板材料は、銅、ニッケル、又は銅ニッケル合金であってもよく、又はグラフェン成長の触媒とみなされる他のいかなる基板であってもよい。さらに、基板が、単結晶銅ナノワイヤ又は分散されたナノ粒子のような、マイクロ又はナノパターンの金属触媒を含有してもよい。

0030

基板の動き及び/又は試料上のレーザースポットの形状/サイズにより制限するような方法で、核形成部位がパターニングされてもよい。特に、縞模様形状、ドットアレイ状の単核形成部位、又はその組み合わせが形成されてもよい。核形成部位のパターニングは、引き続くグラフェン成長プロセスステップに特有のものであり、当業者であれば、グラフェンの結晶成長ごとに、核形成部位の生成を最適化する必要があることが理解されるであろう。

0031

(グラフェン成長方法
3つの異なるグラフェン結晶の成長方法を開示する。当業者であれば、最適な結果のために、両成長方法の適切な組み合わせを判断するであろう。当業者であれば、基板の外部からの加熱及び/又はプラズマアシスト成長によって各成長方法を補完してもよいことが理解されるであろう。

0032

1.基板へのレーザーの直接集光法:選択された核形成部位からの成長。銅結晶成長と類似したグラフェン結晶成長。適切な濃度の炭素シードガスを含有する環境において、レーザースポットが核形成部位に集光される。レーザースポットの流速量は、グラフェンのアブレーション閾値よりも低くなるよう調整される。グラフェン結晶は、核形成部位から径方向の外方へ成長する。レーザースポットを適切に走査すれば、基板にわたるように結晶成長がガイドされる。あるいは、適切にレーザースポットの移動を行うことで、多数の核形成部位からの小さな結晶の融合が、誘起される。グレインサイズが増加することで、系は、自然と支配的な結晶グレインへと崩れ込む。直接集光モードでは、レーザーは、局所加熱源であると同時に光解離源として用いられる。

0033

2.間接レーザーアシスト成長法:レーザー光線は、触媒基板と平行にガイドされる。レーザーは基板には作用せず、したがってこの成長プロセスは、レーザー光線近傍でのシードガスの光アシスト分解、及びそれに引き続く基板への熱化学的気相成長に基づくものである。当業者であれば、成長チャンバ内のシードガスの濃度、レーザー光線の流速量、サイズ及び形状、並びに基板からのレーザー光線の距離でグラフェン結晶の成長が制御されることが理解されるであろう。特定の成長における結果を最適化するために、これらのパラメータを最適化する必要がある。レーザーの流速量が、光解離量を増加させ、基板上においてグラフェン成長に利用され得る炭素量が増加する。同様に、レーザー光線のサイズ、形状、及び基板からの距離が基板上の炭素の分布に影響を与え、したがってグラフェン成長に影響を与える。単層の結晶化グラフェンが最速で成長するように、これらのパラメータが最適化されてもよい。

0034

3.上記の1.及び2.で開示した成長方法の組み合わせによるグラフェン成長法。直接及び間接成長法を組み合わせる及び/又は連続させることで、グラフェンの結晶性、層組成、フィルム均一性、及び成長速度が改善される。

0035

4.アモルファスカーボンの再結晶化
アモルファスカーボンの再結晶化及び/又は多層グラフェンのアブレーションにより、グラフェンの結晶性が制御される。部分的に結晶化された、又は完全にアモルファスの炭素層が基板を覆う。この炭素層は、炭素層の下の他の物質との積層構造の一部をなす。炭素層は、アモルファス質の炭素、又は厚さが0.1ナノメートル〜1マイクロメートルの炭素ベースの高分子材料の層であってもよい。レーザースポットは真空条件において基板に集光され、再結晶化の際には、流速量はグラフェンのアブレーション閾値よりも低くなるように制御される。基板にわたってレーザースポットを走査すれば、炭素が局所加熱されて炭素フィルムが再結晶化される。あるいは、流速量をアブレーション閾値よりも大きくすれば、炭素の選択的なアブレーション及び/又は局所的な再結晶化が引き起こされて炭素が結晶質となる。適切な流速量のレーザーを時間的に制御して印加すれば、選択的に炭素が除去され、最終的に原子的に薄い層ができる。

0036

水素終端ゲルマニウム及びシリコン[110]面上での成長)
本発明の開示の二種類目の基板は、水素終端ゲルマニウム及びシリコン[110]表面上での単結晶グラフェンの急速成長に関するものであるが、ここで開示されるコンセプトは、エピタキシャル成長を可能とするように、殊に、格子定数表面平滑度(surface smoothness)、表面化学性(surface chemistry)、炭素溶融性(carbon solubility)などを適当な条件とすることで、いかなる二回転対称面に対しても適用することができる。格子定数の適当な条件は、基板の格子定数がグラフェンの格子定数と同様、又は整数倍であることである。基板の表面は、自動的に平滑となるであろう。基板の表面は水素終端化されている。基板の炭素溶融性は、無視できるまで小さくなるであろう。

0037

(基板の調整:ゲルマニウム[110]面の水素終端化)
成長プロセスの第1ステップとして、ゲルマニウム[110]面の調整を開示する。原理的には、元素面心立方結晶の[110]面と同様のすべての[110]面が、本発明の開示に記載の成長プロセスに適している(例えばシリコン)。当業者であれば、表面を水素で終端化する適切なプロセスが理解されるであろう。このようなプロセスの例は、適当な濃度及びプロセスパラメータのピラニア溶液(H2O2:H2SO4)及びフッ酸(HF)溶液でのウェットエッチングステップ、又は水素プラズマでの表面処理を含む。理論によって限定されることを意図するものではないが、ピラニア溶液により有機物が除去されて表面が水素で終端化され、一方、フッ酸により酸化物が除去されて表面が水素で終端化される。ピラニア溶液及びフッ酸のうちの一方又は両方で表面が処理される。

0038

(グラフェン成長の核形成)
基板調整プロセスステップ、又はレーザー流速量の制御による選択的基板加熱解離により、グラフェン成長のための核形成部位が生成される。これは、真空又は不活性ガス環境で行われる。基板の動き及び/又は試料上のレーザースポットの形状/サイズにより制限するような方法で、核形成部位がレーザーでパターニングされてもよい。特に、縞模様形状、ドットアレイ状の単核形成部位、又はその組み合わせである。核形成部位のパターニングは、引き続くグラフェン成長及び転写プロセスステップに特有のものであり、当業者であれば、グラフェンの結晶成長ごとに、核形成部位の生成を最適化する必要があることが理解されるであろう。

0039

(グラフェンの成長方法)
2つの異なるグラフェン結晶の成長方法を開示する。当業者であれば、最適な結果のために、両成長方法の適切な組み合わせを判断するであろう。当業者であれば、基板の外部からの加熱及び/又はプラズマアシスト成長によって各成長方法を補完してもよいことが理解されるであろう。

0040

1.基板へのレーザーの直接集光法(図2参照):選択された核形成部位からの成長。銅結晶成長と類似したグラフェン結晶成長。適切な濃度の炭素シードガスを含有する環境において、レーザースポットが核形成部位に集光される。レーザースポットの流速量は、グラフェンのアブレーション閾値よりも低くなるよう調整される。グラフェン結晶は、核形成部位から径方向の外方へ成長する。レーザースポットを適切に走査すれば、基板にわたるように結晶成長がガイドされる。あるいは、適切にレーザースポットの移動を行うことで、多数の核形成部位からの小さな結晶の融合が、誘起される。直接集光モードでは、レーザーは、局所加熱源であると同時に光解離源として用いられる。

0041

また、当業者であれば、適切なレーザーの集光スポットサイズ、及び/又はレーザースポットに対する基板の移動によって、面上のグラフェンフィルムの直接パターニングが可能であることが理解されるであろう。パターニングされたグラフェンフィルムの最少サイズは、レーザーの集光スポットサイズ及び形状によって決まるであろう。

0042

2.間接レーザーアシスト成長法(図3参照):レーザー光線は、触媒基板と平行にガイドされる。レーザーは基板には作用せず、したがってこの成長プロセスは、レーザー光線近傍でのシードガスの光アシスト分解、及びそれに引き続く基板への熱化学的気相成長に基づくものである。当業者であれば、成長チャンバ内のシードガスの濃度、レーザー光線の流速量、サイズ及び形状、並びに基板からのレーザー光線の距離でグラフェン結晶の成長が制御されることが理解されるであろう。特定の成長における結果を最適化するために、これらのパラメータを最適化する必要があり、パラメータの組み合わせ及び効果が予期されない効果を生むかもしれない。図3に示すように、レーザー光線100が、シードガス120の存在下で、基板110と実質的に平行に向けられる。レーザー光線100の各パルスが、シードガス130の光解離を生じさせ、これが基板110上に堆積してグラフェン140を形成する。レーザー光線100又は基板110が、他方に対して移動されて、グラフェンの結晶化前端150を形成して前進する。

0043

3.上記の1.及び2.で開示した成長方法の組み合わせによるグラフェン成長法。直接及び間接成長法を組み合わせる及び/又は連続させることで、グラフェンの結晶性、層組成、フィルム均一性、及び成長速度が改善される。

0044

4.アモルファスカーボンの再結晶化。アモルファスカーボンの再結晶化及び/又は多層グラフェンのアブレーションにより、グラフェンの結晶性が制御される。部分的に結晶化された、又は完全にアモルファスの炭素層が基板を覆い、これが炭素層の下の他の物質との積層構造の一部をなす。炭素層は、アモルファス質の炭素、又は厚さが10ナノメートル〜10マイクロメートルの炭素ベースの高分子材料の層であってもよい。レーザースポットは真空条件において基板に集光され、再結晶化の際には、流速量はグラフェンのアブレーション閾値よりも低くなるように制御される。基板にわたってレーザースポットを走査すれば、炭素が局所加熱されて炭素フィルムが再結晶化される。あるいは、流速量をアブレーション閾値よりも大きくすれば、炭素の選択的なアブレーション及び/又は局所的な再結晶化が引き起こされて炭素が結晶質となる。適切な流速量のレーザーを時間的に制御して印加すれば、選択的に炭素が除去され、最終的に原子的に薄い層ができる。

0045

図5は、より高次の対称性を有する面と比べたときの、特定の面上での成長での主な利点を、概略的に示す。図5Aは、元素結晶の二回転対称Ge[110]面を示す。二回転対称は、元と同じ結晶構造を得るために、その面の法線の周りに構造を180度のみ回転させることができることを意味する。図5Bに、三回転対称Ge[111]面を示す。同じ結晶方位を再び得るためには、法線の周りに系を120度=360度/3回転させればよい。図5A,図5Bに示すように、これによって全く異なるグラフェン成長メカニズムとなる。グラフェン結晶の核形成に続いて、核形成部位から外方へ成長する。大規模なグラフェン結晶の方位は、元の核形成部位の方位に従う。グラフェン結晶は、種々のグレイン境界及び触媒基板の結晶方位にわたって巨視的なスケールで成長するが、核形成部位の結晶方位を踏襲する。二回転対称基板の場合、グラフェンは、一つの結晶方位にのみ成長することになる。すべての核形成部位は同一の結晶方位を有しており、したがって基板を覆うフィルムの成長において2つのグラフェン結晶が出会って接合するとき、これらの境界が同じ結晶方位を持つことになって、継ぎ目なく適合することになる。これは図5Aに示されている。一方、図5Bに示すような高次の対称性を持つ基板では、異なる結晶方位を持つ2つのグラフェン結晶は継ぎ目なく接合することができず、したがってグラフェンフィルムにグレイン境界ができる。これらのグレイン境界は、本質的に低品質のグラフェンに関連付けられる全ての欠陥の源となる。

0046

ここに引用する特許、公開公報、及び参考文献は全て、参照によりその全てが組み込まれる。

0047

本発明を例示的な実施形態を参照して図示し説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、形式及び詳細において種々変更され得ると理解されるであろう。

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