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技術 少なくとも1つの光学コンポーネントを変位させる方法

出願人 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
発明者 ステファンクローネラースバージャー
出願日 2015年2月10日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2016-551153
公開日 2017年3月9日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-506766
状態 特許登録済
技術分野 機械的光制御・光スイッチ ホトレジスト感材への露光・位置合せ
主要キーワード 変位軌道 システム寿命 相互接続配置 物理変数 電圧誘起 総電力損失 作動機械 変位対象
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

コンポーネント変位させる際の最大所要電力が、変位に用いられる少なくとも2つのアクチュエータ最大電力の和未満である、光学コンポーネントを変位させる方法。

概要

背景

特許文献1は、アクチュエータ変位可能な個別ミラーを有するマルチミラーアレイを有する投影露光装置を開示している。

概要

コンポーネントを変位させる際の最大所要電力が、変位に用いられる少なくとも2つのアクチュエータの最大電力の和未満である、光学コンポーネントを変位させる方法。

目的

本発明の目的である

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

少なくとも2つの変位自由度を有する光学コンポーネントの形態の少なくとも1つの機械デバイス(23)を変位させる方法であって、少なくとも2つの電気アクチュエータ(47;57;58)により第1変位位置(34)から第2変位位置(35)に変位可能な少なくとも1つの機械デバイス(23)を有するメカトロニクスシステムを用意するステップと、前記機械デバイス(23)の変位中の任意の時点で全ての前記アクチュエータ(47;57;58)により消費されることが許される最大電力(Pmax)を事前定義するステップであり、前記最大電力(Pmax)は、個々の前記アクチュエータ(47;57;58)全ての最大電力(Pimax)の和(S)未満であるステップと、前記事前定義された最大電力(Pmax)に従いつつ少なくとも1つの機械デバイス(23)を変位軌跡(33)に沿って前記第1変位位置(34)から前記第2変位位置(35)に変位させるための駆動プロトコル確定するステップと、前記駆動プロトコルに従って前記アクチュエータ(47;57;58)の駆動により前記機械デバイス(23)を変位させるステップとを含む方法。

請求項2

請求項1に記載の方法において、前記駆動プロトコルを確定するステップは、2.1.前記メカトロニクスシステムの前記機械デバイス全ての前記変位軌跡(33)を事前定義するステップと、2.2.各前記変位軌跡(33)に応じて前記機械デバイス(23)のそれぞれに関する駆動方式を事前定義又は確定するステップと、2.3.個々の前記機械デバイス(23)の変位の時系列を確定するステップとを含むことを特徴とする方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の方法において、前記変位軌跡(33)は、変位プロセスの初めに所定の方向(37)を向くことを特徴とする方法。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法において、前記変位軌跡(33)は、少なくとも2つの点で異なる方向を向くことを特徴とする方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法において、前記変位軌跡(33)は、前記機械デバイス(23)のゼロ位置(36)を通過することを特徴とする方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法において、異なるアクチュエータデバイス(24)を少なくとも部分的に逐次起動することを特徴とする方法。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法において、前記駆動プロトコルを確定するステップとして、少なくとも1つのアクチュエータドライバ増幅器(30)の供給電圧適応的に適合させる起動方式を確定することを特徴とする方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法において、前記駆動プロトコルを決定するステップは、ローカル蓄積部での電気エネルギー蓄積可能量及び/又は少なくとも2つの機械デバイス(23)のアクチュエータデバイス(24)間の電磁的クロストークを考慮することを含むことを特徴とする方法。

請求項9

光学アセンブリ(25)であって、9.1.メカトロニクスシステムであり、9.1.1.少なくとも2つの変位自由度を有する光学コンポーネントの形態の少なくとも1つの機械デバイス(23)、及び9.1.2.前記少なくとも1つの機械デバイス(23)を変位軌跡(33)に沿って前記第1変位位置(34)から前記第2変位位置(35)に変位させる少なくとも2つの電気アクチュエータデバイス(45)を有するメカトロニクスシステムと、9.2.前記アクチュエータデバイス(45)による前記機械デバイス(23)の変位を制御する制御デバイス(29)とを備え、9.3.前記機械デバイス(23)は、前記アクチュエータデバイス(45)の制御起動により、既定の変位位置セットに且つ/又は既定の変位軌跡セットに沿って変位させることができる光学アセンブリ(25)において、9.4.前記機械デバイス(23)を前記既定の変位位置に且つ/又は前記既定の変位軌跡に沿って変位させる際の、前記アクチュエータデバイス(45)の最大総消費電力の大きさが、既定の最大電力(Pmax)以下であるような、前記メカトロニクスシステムの設計を特徴とし、前記最大電力(Pmax)は、個々の前記アクチュエータデバイス全ての最大電力(Pimax)の和(S)未満である光学アセンブリ。

請求項10

請求項9に記載の光学アセンブリ(25)において、前記機械デバイス(23)は少なくとも2つの回転軸(A、B)を有し、前記アクチュエータデバイス(45)は少なくとも2つの作動軸(X、Y)を有し、前記回転軸(A、B)は、前記作動軸(X、Y)に対して角度φ>0°だけ回転していることを特徴とする光学アセンブリ。

請求項11

請求項10に記載の光学アセンブリ(25)において、前記回転軸(A、B)が前記作動軸(X、Y)に対して回転している前記角度φは、最大の機械有効電力を必要とする変位位置の設定に必要な電力が最小化されるように選択されることを特徴とする光学アセンブリ。

請求項12

請求項9〜11のいずれか1項に記載の光学アセンブリ(25)において、前記機械デバイス(23)は、該機械デバイス(23)の全ての前記既定の変位位置の設定に必要なピーク電力が最小化されるように選択されることを特徴とする光学アセンブリ。

請求項13

請求項9〜12のいずれか1項に記載の光学アセンブリ(25)において、電気エネルギーをローカルに蓄積する蓄積デバイス(56)が設けられることを特徴とする光学アセンブリ。

請求項14

少なくとも2つの回転軸(A、B)を有する少なくとも1つの変位可能な光学コンポーネントと、該光学コンポーネントを変位させるための作動軸(X、Y)を有する少なくとも2つのアクチュエータを有するアクチュエータデバイス(45)とを有する光学アセンブリ(25)を設計する方法であって、前記光学コンポーネントを変位させるための可能な変位位置及び/又は変位軌道を事前定義するステップと、前記変位位置及び/又は変位起動の全ての設定に必要なピーク総電力を求めるステップと、前記回転軸(A、B)が前記作動軸(X、Y)に対して回転している角度φに応じて、前記ピーク総電力の最小値を求めるステップと、前記回転軸(A、B)が前記作動軸(X、Y)に対して角度φだけ回転しているように、前記光学コンポーネントに対して前記アクチュエータデバイス(45)を方向決めするステップとを含む方法。

請求項15

照明光学ユニット(4)であって、請求項9〜13のいずれか1項に記載の少なくとも1つの光学アセンブリ(25)を有する第1ファセットミラー(13)を備えた照明光学ユニット。

請求項16

照明系(2)であって、a.請求項15に記載の照明光学ユニット(4)と、b.放射源(3)とを備えた照明系。

請求項17

マイクロリソグラフィ用の投影露光装置(1)であって、c.請求項16に記載の照明系(2)と、d.投影光学ユニット(7)とを備えたマイクロリソグラフィ用の投影露光装置。

請求項18

微細構造又はナノ構造コンポーネントを製造する方法であって、感光材料からなる層を少なくとも部分的に施した基板を用意するステップと、結像対象構造を有するレチクルを用意するステップと、請求項17に記載の投影露光装置(1)を用意するステップと、前記投影露光装置(1)を用いて前記レチクルの少なくとも一部を前記基板の前記感光層の領域に投影するステップとを含む方法。

請求項19

請求項18に記載の方法により製造されたコンポーネント

技術分野

0001

優先権出願独国特許第10 2014 202 755.1号の内容を、参照により援用する。

0002

本発明は、少なくとも1つの光学コンポーネント変位させる方法に関する。本発明はさらに、光学アセンブリ及び光学アセンブリを設計する方法に関する。さらに、本発明は、投影露光装置照明光学ユニット及び照明系、及び投影露光装置に関する。最後に、本発明は、微細構造又はナノ構造コンポーネントを製造する方法及び対応して製造されたコンポーネントに関する。

背景技術

0003

特許文献1は、アクチュエータ変位可能な個別ミラーを有するマルチミラーアレイを有する投影露光装置を開示している。

先行技術

0004

独国特許出願公開第10 2011 006 100号明細書

発明が解決しようとする課題

0005

少なくとも1つの光学コンポーネントを変位させる方法を改良することが本発明の目的である。

課題を解決するための手段

0006

この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。本発明の核心は、少なくとも2つの変位自由度を有する1つ又は複数の光学コンポーネントを変位させる目的で、変位中に全てのアクチュエータにより全体的に消費されることが許される最大総電力事前定義し、1つ又は複数の光学コンポーネントを変位させるための対応する駆動プロトコル確定し(ascertaining)、且つ駆動プロトコルに従って1つ又は複数の光学コンポーネントを変位させることにある。

0007

変位中の最大消費電力を事前定義することで、最大供給電力が制限される。これは、光学コンポーネントを有するアセンブリの設計に有利である。最大消費電力の制限は、特に、光学アセンブリのサーマルバジェットの改善、特に放熱手段の設計の単純化につながる。

0008

駆動プロトコルの確定、特に1つ又は複数の変位軌跡の確定は、特に、既定最大電力Pmaxに従って実行される。換言すれば、既定の最大電力Pmaxは、駆動プロトコルの確定時の、特に変位軌跡の確定時の境界条件を形成する。

0009

以下において、別段の明示がない限り、電力は、光学コンポーネントの位置決め又は変位中にアクチュエータデバイスの1つにより消費されるその消費電力を指すものとする。この場合、アクチュエータデバイスは、個々の光学コンポーネントの位置決め又は変位のためのアクチュエータの総体を指す。アクチュエータデバイスは、特に少なくとも2つのアクチュエータを含む。総電力は、これに対応して、光学コンポーネントを変位させる役割を果たす全てのアクチュエータデバイスの消費電力の和を意味すると理解されたい。多数の変位対象コンポーネント、特に独立した、すなわち完全に電気的に遮蔽されたコンポーネントの場合、各総電力の和を総システム電力とも称する。総電力を低減するという概念は、総システム電力を低減するために、変位対象の個別コンポーネントを有するアセンブリから変位対象の多数のコンポーネントを有するシステム流用することができる。

0010

最大消費電力の制限は、光学アセンブリにおける電力供給のための配線及び回路に関する支出の削減にもつながる。

0011

1つ又は複数の光学コンポーネントを変位させるための駆動プロトコルは、特に、光学アセンブリの光学コンポーネントを変位させるための全てのアクチュエータデバイスの制御起動時間プロファイルを意味すると理解されたい。上記時間プロファイルにより、アセンブリの総消費電力の時間プロファイルが決まる。

0012

概して、光学アセンブリは、メカトロニクスシステム又はその一部を形成する。メカトロニクスシステムは、特に光学コンポーネントの形態の、特にミラーの形態の少なくとも1つの機械コンポーネントを特に備える。さらに、メカトロニクスシステムは、電子コンポーネント及び特に機械コンポーネントを変位させる少なくとも2つのアクチュエータを備える。

0013

システムの被作動機械コンポーネント毎に、各変位軌跡は、作動によりもたらされた空間内の開始位置から目標位置への位置変化幾何学的経路を指す。一方では、変位軌跡は、空間座標連続関数として完全に定義することができる。しかしながら、これは、位置変化の過程で既定の順番で採用しなければならない選択支点、すなわち離散的な空間座標によってのみ定義することもできる。いずれにせよ、各変位軌跡が開始位置及び目標位置の離散的な空間座標を含む。

0014

システムの複数の被作動機械素子の空間位置変化中に生じる幾何学的経路の総体を、被作動機械素子の変位軌跡の集合(ensemble)と称する。

0015

本発明の一態様によれば、駆動プロトコルの確定時に変位軌跡の進路に関する既定の境界条件を考慮することができる。特に、変位軌跡のそれぞれについて、変位軌跡の進行が許される許可領域及び/又は変位軌跡の進行が許されない禁止領域を事前定義することが可能である。このような領域は、例えば、可能な変位位置に関するアクチュエータの所要消費電力を再現する区域に基づいて確定することができる。これは、高次元区域であり得る。特に、(K・n)次元区域を含むことができ、Kは個々の機械デバイスのアクチュエータの数を指し、nは変位対象の機械デバイスの数を指す。換言すれば、許可及び/又は禁止領域は、個々の変位軌跡だけでなく集合変位軌跡に関しても事前定義することができる。

0016

変位軌跡の実現に必要な、電気信号、特に一連の電気信号によるシステムの機械素子の作動を、それぞれ作動される機械素子の駆動と称する。

0017

この場合、個々の機械素子の駆動とシステムの全ての被作動機械素子の集合の駆動とは区別される。制御された、特に調節された駆動の電気信号を、ドライブ信号又は駆動信号(drive signals or driving signals)と称する。(少なくとも1つの)被作動機械素子の駆動のためにシステムで用いられる電子回路の総体を、ドライブ電子回路又は駆動電子回路(drive electronics or driving electronics)と称する。システムの動作中にドライブ電子回路を再構成できるような場合、ドライブ信号は、ドライブ電子回路の可能な再構成のための信号を付随的に含む。

0018

特定の変位軌跡を実現するために機械素子に対して設定すべき駆動信号の値の順番を、上記機械素子のドライブ方式又は駆動方式(drive scheme or driving scheme)と称する。

0019

システムの被作動機械素子の変位軌跡の集合を実現するのに必要な全てのドライブ信号の値の時系列を、被作動機械素子のドライブプロトコル又は駆動プロトコル(drive protocol or driving protocol)と称する。したがって、駆動プロトコルは、全ての駆動方式の総体を含む。

0020

本発明の核心は、特に、作動中のシステム全体のピーク電力ワーストケース設計と比べて低減、特に最小化されるように、特にEUV又はDUVリソグラフィ装置の特に多次元作動ミラーのために、メカトロニクスシステム全体の複数のアクチュエータを複合的に電子駆動することにある。アクチュエータは、作動中のシステム全体の電力損失がワーストケース設計と比べて低減、特に最小化されるように駆動することもできる。システム全体の電力損失の、特に平均電力損失の低減、特に最小化は、システム全体のピーク電力の低減、特に最小化における2次条件として考慮することもできる。

0021

この場合、機械素子の、特に多次元作動可能ミラーの機械的向きは、特に特定且つ既定の駆動プロトコルの場合の作動中のピーク電力及び/又は電力損失が最小化されるように適合、特に最適化され得る。この場合も、電力損失の低減、特に最小化をピーク電力の低減、特に最小化における2次条件として考慮することができる。この場合、既定の駆動プロトコルは、特に、ミラーの特定且つ既定の設定を達成するために必要な全てのアクチュエータの駆動信号を指定し、設定は、全てのミラーの変位位置の総体を指定する。

0022

本発明は、概して、少なくとも1つの機械素子、特に複数の機械素子の位置の電子的な設定及び調節に用いられる複数のアクチュエータを備えたメカトロニクスシステムに有利である。機械素子は、特にミラー、特に視野ファセットミラーの個別ミラー、特にマルチミラーアレイ(MMA)の個別ミラーであり得る。特に、マイクロミラー関与し得る。機械素子は、システム全体に連結され、機械素子が作動されると電気エネルギー運動エネルギー及び/又は位置エネルギーに変換される。

0023

メカトロニクスシステムは、電気コンポーネント、特に電子コンポーネントを備える。特に、メカトロニクスシステムは電気ドライバ増幅器を備える。メカトロニクスシステムは、デジタル論理コンポーネントを備えることができる。メカトロニクスシステムは、作動対象の機械素子を制御又は調節するためのさらに他の電子コンポーネント、例えば位置センサを有することができる。

0024

以下では、簡単のために、最初に光学コンポーネントのそれぞれの変位に言及する。しかしながら、提示する態様は、特に複数のコンポーネントの変位に、特にコンポーネント群の変位に、特に相互接続配置の複数の光学コンポーネントの変位、すなわち相互接続配置に関して対応する方法での複数の光学コンポーネントの変位に有利である。

0025

駆動プロトコルは、特に既定の最大電力(Pmax)に応じて確定することができる。既定の最大電力(Pmax)は、特に、光学コンポーネントの個々のアクチュエータデバイスが消費し得る最大電力(Pimax)の和(S)未満である。特に、Pmax:S<1、特にPmax:S<0.8、特にPmax:S<0.6が当てはまる

0026

駆動プロトコルは、特にPmaxに応じて決定される。駆動プロトコルは、特にPmaxに適合される。駆動プロトコルは、Pmaxの事前定義に従って最適化することができる。駆動プロトコルは、特に最適化法により、特に反復法により最適化することができる。駆動プロトコルは、複数の異なるプロトコルから選択することもできる。

0027

駆動プロトコルは、変位経路を事前定義し、これは、第1変位位置から第2変位位置への変位に関する光学コンポーネントの変位軌跡とも称する。本発明によれば、アクチュエータデバイスの消費電力、特に光学コンポーネントを変位させるための全てのアクチュエータデバイスの総消費電力が、変位軌跡に応じて、特にその始点及び終点に応じて変わることが認識されている。特に、全てのアクチュエータデバイスの総消費電力のピーク値は、変位軌跡、特に変位軌跡の集合に応じて変わる。上記ピーク値は、変位軌跡を狙い通りに選択することにより低減、特に最小化することができる。特に、アクチュエータデバイスの消費電力は、位置及び/又は経路に依存する。したがって、本発明によれば、少なくとも2つのアクチュエータデバイスを有するシステムの場合、変位軌跡の選択及び/又は適合により、且つ/又は個々のアクチュエータデバイスの駆動方式及び/又は特に光学コンポーネントに対するその構造的向き、特にその機械的取付けの狙い通りの適合により、光学コンポーネントの変位における消費電力を最適化することが可能であることが認識されている。

0028

特定の変位軌跡を実現するための、駆動方式の、すなわち所与の機械素子毎に設定すべき駆動信号の制御の、特に順番の適切な選択により、このコンポーネントのアクチュエータデバイスの消費電力に影響を与える、特にこれを低減、特に最小化することができる。

0029

駆動方式の適切な選択により、さらに、変位軌跡及び/又は変位位置に関する既定の境界条件を確実に考慮することが可能である。特に、そこへの移動が許されない変位位置を確実に回避することが可能である。これにより、機械素子及び/又はそのアクチュエータデバイスの損傷を確実に防止することが可能である。

0030

特にメカトロニクスシステムが変位対象の複数の素子を有する場合、駆動プロトコル、すなわち被作動機械素子の変位軌跡の集合を実現するのに必要な全ての駆動信号の値の時系列により、総消費電力に影響を及ぼす、特にこれを最適化することもできる。

0031

光学コンポーネントは、特にミラー、特にマルチミラーアレイの個別ミラーである。特に、マイクロリソグラフィ用の、特にEUV又はDUVリソグラフィ用の投影露光装置の照明光学ユニットのファセットミラーの個別ミラーが関与し得る。特に、マルチミラーアレイ(MMA)の微小機械電気システムMEMS)のマイクロミラーが関与し得る。光学コンポーネントは、投影露光装置の、特にEUVリソグラフィ装置の他の何らかのメカトロニクス的に作動された光学コンポーネントでもあり得る。特に、視野ファセットミラー又は瞳ファセットミラーの個別ミラーも関与し得る。アクチュエータ原理概説については、本明細書の一部であることを意図した独国特許出願公開第10 2011 007 917号明細書を参照されたい。

0032

本発明による解決手段、特に異なる変形実施態様は、特に以下の利点をもたらす。

0033

ピーク電力及び/又は平均電力損失が、ワーストケース設計、特に個々のアクチュエータの電力損失が最適化されていない独立駆動と比べて低減される。

0034

機械的及び/又は熱的システム設計が単純化される。特に冷却費用が削減される。

0035

システム寿命が延びる。これは、電力損失が少ない、したがって発熱が小さいことに特に起因する。

0036

アクチュエータのダイナミックレンジが大きくなる。これにより、ワーストケース設計と比べて同じ消費電力での機械素子の作動可能な偏向(deflection)の範囲を大きくすることが可能である。

0037

位置調節が単純化される。特に、ヒステリシスを有するシステムの位置調節が単純化される。

0038

本発明の一態様によれば、駆動プロトコルを確定するために、変位軌跡、特に変位軌跡の集合、及び/又はアクチュエータデバイスの起動方式を確定し、特にリストからのその選択及び/又は適合を行い、上記変位軌跡又は上記変位軌跡の集合及び/又は上記起動方式に応じて駆動プロトコル及び/又は駆動プロトコル(the driving protocol and/or driving protocol)を確定する。本発明によれば、有利な駆動プロトコルを確定するために、第1に光学コンポーネントの移動経路、すなわち変位軌跡を適合させる、特に最適化することができ、第2にアクチュエータデバイスの駆動を最適化することができることが認識されている。この場合、アクチュエータデバイスの起動方式は、第1にアクチュエータデバイスの駆動信号のシーケンス、すなわち時間的要素を含み得る。起動方式は、駆動信号の、特に個々のアクチュエータの増幅段供給電圧振幅、特に最大振幅プロファイルも含み得る。

0039

本発明の一態様によれば、変位プロセスの初めに所定の方向を向くように変位軌跡を選択及び/又は決定する。この場合、少なくとも2つの変位自由度を有する光学コンポーネントが方向に依存した機械的剛性を有すること、すなわちコンポーネントの取付けの機械的剛性が方向依存性を有することを特に利用することが可能である。変位軌跡は、特に変位プロセスの初めに剛性が最も小さい方向を向くように選択される。

0040

光学コンポーネントの静止摩擦の方向依存性の場合、変位プロセスの初めに静止摩擦が最も小さい方向を向くように変位軌跡を選択することもできる。この方向は、第1変位位置から第2変位位置への直行方向に必ずしも対応する必要はない。

0041

本発明のさらに別の態様によれば、変位軌跡は、少なくとも2つの点で異なる方向を向く。換言すれば、光学コンポーネントは、第1変位位置から第2変位位置へ直線軌跡に沿って変位しない。変位軌跡は、部分的に直線として具現することができる。変位軌跡は、特に2つ以上の直線部を有することができる。直線部は、特定の好ましい方向と平行に延びることができる。直線部は、特にアクチュエータにより定義される好ましい方向と平行に延びることができる。直線部は、光学コンポーネントの機械的取付けにより定義される好ましい方向と平行に延びることもできる。

0042

変位軌跡は、曲線として具現することもできる。変位軌跡は、特に一定の曲率半径を有することができる。

0043

部分的に直線状である変位軌跡と曲線状の変位軌跡との組合せも同様に可能である。

0044

本発明のさらに別の態様によれば、変位軌跡は、第1変位位置から最初にゼロ位置へ、続いてそこから第2変位位置へ進む。この場合、ゼロ位置は、光学コンポーネントの最小総電力を必要とする位置を意味すると理解されたい。ゼロ位置は、特に、関連のアクチュエータデバイスがいずれも起動されない場合、すなわち光学コンポーネントの変位のための総電力がゼロに等しい場合に光学コンポーネントにより採用される位置である。特に、光学コンポーネントの中立位置が関与し得る。これは特に、アクチュエータがいずれも起動されない場合に光学コンポーネントにより自然に採用される位置であり得る。

0045

ゼロ位置に短い滞留時間を設けることも可能である。この場合、特に、ゼロ位置でヒステリシスを補償及び/又は補正することができる。これにより、常にヒステリシスのない再現可能な基準位置から第2変位位置、すなわち目標位置へ向かうことが可能である。その結果として、安定位置調節を大幅に単純化することができる。

0046

再現可能なゼロ位置での滞留は、光学コンポーネントの位置調節に用いられるセンサ較正、特に再較正のために同時に用いることもできる。

0047

本発明のさらに別の態様によれば、アクチュエータデバイスの駆動、特にその起動方式が改良、特に最適化される。

0048

本発明の一態様によれば、異なるアクチュエータデバイスを非同期起動するか又はその起動を制御する。特に、異なるアクチュエータデバイスを少なくとも部分的に逐次起動するか又はその起動を制御する。アクチュエータデバイスの起動は重複させることができる。換言すれば、2つ以上のアクチュエータデバイスの起動又はその起動の制御を同時に行うことが可能である。アクチュエータの起動又はその制御は、厳密に逐次的とする、すなわち重ならないようにすることもできる。この場合、常に最大で1つのアクチュエータが起動されるか又はその起動が制御される。アクチュエータデバイスの起動は、時間的にインタリーブさせることができる。特に、同じコンポーネントのアクチュエータデバイスを時間的にインタリーブさせて起動することも可能である。異なるコンポーネントのアクチュエータデバイスを時間的にインタリーブさせて起動することも可能である。その結果として、総システム電力を減らすことができる。同じコンポーネントのアクチュエータデバイスの起動又はその起動の制御を、いずれの場合も既定の順番で行うことが可能である。アクチュエータデバイスのそれぞれの起動又はその起動の制御を、いずれの場合も制御デバイスにより事前定義されたクロックサイクルの既定の間隔で行うことも可能である。

0049

本発明のさらに別の態様によれば、駆動プロトコルを確定するために、少なくとも1つのアクチュエータドライバ増幅器の供給電圧を適応的に適合させる(adaptively adapted)起動方式が確定される。供給電圧の適応的な適合は、特に複数のアクチュエータを、特に異なるコンポーネントのアクチュエータを群別に同時に行うこともできる。

0050

本発明のさらに別の態様によれば、駆動プロトコルの決定は、ローカル蓄積部(local store)での電気エネルギー蓄積可能量及び/又は少なくとも2つの機械デバイスのアクチュエータデバイス間の電磁的クロストークを考慮することを伴う。本発明によれば、コンポーネントの1つ又は変位中に、ローカルに蓄積できる電気エネルギーが放出される可能性があることが認識されている。これは特に、高い電気エネルギー又は電力を必要とする設定の位置からより低い絶対値の電気エネルギー又は電力を必要とする設定の位置へコンポーネントが変位する場合に当てはまる。ローカルに蓄積された電気エネルギーは、同じコンポーネントの変位及び/又は異なるコンポーネントの変位に用いることができる。

0051

異なるアクチュエータ間の、特に異なるコンポーネントの異なるアクチュエータデバイス間の電磁的クロストークが起こり得ることがさらに認識されている。このような電磁的クロストークを建設的に利用することができる。

0052

駆動プロトコルの確定時の最適化にはさまざまな可能性がある。例として、最初に変位軌跡又は変位軌跡の集合を決定又は事前定義し、続いて個々の機械素子のアクチュエータデバイスの駆動方式を決定又は事前定義し、最後に駆動プロトコル、すなわち変位軌跡の集合を実現するための全ての駆動信号の値の時系列を決定することが可能である。この場合、変位軌跡の可能な進路の種々の事前定義及び/又は特定の駆動方式の事前定義又は排除を、境界条件として考慮することができる。これらの概念の種々の変形形態及び詳細については、例示的な実施形態の説明を参照されたい。本明細書に例として提示する変形形態は、実質的に任意に相互に組み合わせることができる。

0053

本発明のさらに他の目的は、光学アセンブリを改良することである。

0054

この目的は、少なくとも2つの変位自由度を有する光学コンポーネントの形態の少なくとも1つの機械デバイスと、少なくとも1つの機械デバイスを変位させる少なくとも2つの電気アクチュエータデバイスと、変位を制御する制御デバイスとを有する光学アセンブリにより達成される。本発明の核心は、上記変位軌跡に沿った機械デバイスの変位中のアクチュエータデバイスの最大総消費電力の大きさが既定の最大値(Pmax)以下であるように、デバイスの少なくとも1つが少なくとも1つの変位軌跡に適合されることにある。この場合、最大値Pmaxは、個々のアクチュエータデバイスが消費し得る最大電力Pimaxの和S未満である。特に、Pmax:S≦0.9、特にPmax:S≦0.8、特にPmax:S≦0.7、特にPmax:S≦0.6、特にPmax:S≦0.5が当てはまる。

0055

好ましくは、光学アセンブリは、このように適合された多数のアクチュエータ変位可能な機械デバイスを備える。

0056

本発明の一態様によれば、機械デバイス、特に光学コンポーネントは少なくとも2つの回転軸を有し、アクチュエータデバイスは少なくとも2つの作動軸を有し、回転軸は作動軸に対して角度φ>0°だけ回転している。換言すれば、作動軸は、変位対象のコンポーネントの回転軸と一致しない。概して、これには、個々のアクチュエータデバイスの起動が、2つの回転軸に関する2つの枢動の組合せであるコンポーネントの枢動をもたらすという効果がある。

0057

枢動対象のコンポーネントの回転軸は、その構造細部、特にその機械的取付けによって通常は事前定義される。機械デバイスの回転軸に対する作動軸の回転又は枢動は、例えば光学コンポーネントに対するアクチュエータの狙い通りの配置により可能である。特に光学アセンブリのシステム設計、すなわちシステムの設計において、特にその始動前に、これを考慮することができる。

0058

本発明の一態様によれば、光学コンポーネントの回転軸が作動軸に対して回転する角度φは、光学コンポーネントの全ての既定の変位位置を設定するのに必要なピーク電力が低減、特に最小化されるように選択される。

0059

この選択は、複合最小−最大最適化タスクに関して行うことができる。この場合、最初に、既定の変位位置及び/又は変位軌跡セットに関して、そこでの設定に必要な最大総電力が決定される。本発明によれば、この最大値は、概して角度φに応じて、すなわち回転軸に対する作動軸の相対的な位置決めに応じて変わることが認識されている。好ましい角度φは、この最大値の最小化につながるものである。

0060

単純化された代替形態によれば、単に、最大の機械的有効電力(mechanical active power)を必要とする変位位置を確定し、且つ特に作動時の使用不可能電力損失を付随的に含むこの目的で照会された(interrogated)総電力が低減、特に最小化されるように角度φを選択することができる。この場合、作動軸の相互に対する相対的な向きは、固定的に事前定義される。

0061

本発明のさらに別の態様によれば、機械デバイスは、機械デバイスの全ての既定の変位位置の設定に必要なピーク電力が最小化されるように選択されたゼロ位置を有するように配置される。

0062

この場合、ゼロ位置は、アクチュエータの起動がない場合に機械デバイス、すなわち光学コンポーネントがとる位置を指す。ゼロ位置は、光学コンポーネントの好ましい変位位置、特に特定の光学設定に対応する変位位置に対応することが有利であり得る。ゼロ位置は、特に、光学コンポーネントの異なる、特に全ての設けられた変位位置の平均値、特に重み付き平均値にも対応する。この場合、重み付けは、所与の変位値を設定するための周波数に応じて、且つ/又はそのために必要な総電力需要に応じて決定することができる。

0063

本発明のさらに別の態様によれば、光学アセンブリは、電気エネルギーをローカルに蓄積するための蓄積デバイスを備える。蓄積デバイスは、特に1つの蓄積コンデンサ又は複数の蓄積コンデンサを含み得る。特に、アクチュエータデバイスのそれぞれに対応する蓄積コンデンサを設けることが可能である。複数のアクチュエータデバイスに、特に複数の光学コンポーネントに共通の蓄積コンデンサを設けることも可能である。特に、いずれの場合も変位対象のコンポーネントの所定の群に専用の蓄積コンデンサを設けることが有利であり得る。

0064

本発明のさらに別の目的は、光学アセンブリを設計する方法を提供することである。この目的は、すでに上述した最小−最大最適化法により達成される。

0065

本発明のさらに他の目的は、投影露光装置の照明光学ユニット及び照明系、並びに投影露光装置を改良することである。これらの目的は、上記説明による光学アセンブリを有する照明光学ユニット、照明系、及び投影露光装置により達成される。

0066

利点は、光学アセンブリの利点から明らかである。

0067

本発明のさらに他の目的は、微細構造又はナノ構造コンポーネントを製造する方法及びこのように製造されたコンポーネントを改良することである。

0068

これらの目的は、上記説明による光学コンポーネントを有する投影露光装置を提供することにより達成される。

0069

利点は、アセンブリの利点から明らかである。

0070

本発明のさらなる利点及び詳細は、図面を参照した例示的な実施形態の説明から明らかである。

図面の簡単な説明

0071

マイクロリソグラフィ用の投影露光装置の概略図を子午断面で示す。
アクチュエータ変位可能なミラーを有する光学アセンブリからの抜粋の概略断面を示す。
電磁アクチュエータを有する変位可能ミラーの場合のアクチュエータ原理を説明する概略図を示す。
図3に示す図をミラーの回転軸に対して作動軸が回転したアクチュエータの配置で示す。
図4に示す図を静電アクチュエータを有するコンポーネントに関して示す。
図4又は図5に示すものの変形形態の一般図を示す。
機械的及び電磁的結合機構を概略的に示したアクチュエータ原理の一般図を示す。
第1位置から第2位置へのミラーの変位に関する、アクチュエータ増幅器の位置依存性の消費電力及び可能な変位軌跡の図を示す。
代替的な変位軌跡を有する図8に対応する図を示す。
ヒステリシス補正を行わないシステムにおける変位位置の変化の場合の、電力偏向(power-deflection)図を概略的に示す。
ヒステリシス補正を行うシステムの場合の図10に対応する図を示す。
変位可能ミラーのアクチュエータの消費電力の概略図を示す。
変位対象のミラーの機械的特性への変位軌跡の適合を説明する概略図を示す。
アクチュエータドライバ増幅器の供給電圧を適応的に制限するための増幅器回路の概略図を示す。
適応的調節の場合の図14に示す2つのアクチュエータドライバ増幅器群の供給電圧の時間プロファイルの概略図を示す。
ピーク電力を最小化するためのシステム構成及び実現概念の概略図を示す。
システムの動作中のピーク電力低減アルゴリズム実施の概略図を示す。
位置変化中の2つのアクチュエータのエネルギー需要と、この位置変化中の蓄積コンデンサに蓄積可能なエネルギー及びこの位置変化中に外部から供給される全体的エネルギーを示す概略図を示す。
2つのアクチュエータ間の電磁的クロストークを利用する効果を説明する概略図を示す。
第1スイッチ位置でのパルス幅変調アクチュエータ駆動が行われる変形実施形態の回路実現の概略図を示す。
第2スイッチ位置での図20に示す回路の概略図を示す。
増幅段の供給電圧用のマルチプレクサを有する増幅器回路の概略図を示す。

実施例

0072

最初に、投影露光装置1の基本構造を、図面を参照して以下で説明する。本発明は、特にかかる投影露光装置1に関して説明される。しかしながら、本発明は、一定の間隔で変位位置を変える機械素子を有するメカトロニクスシステムに概して適用される。本発明は、特に相互接続配置で変位位置を変えることが意図される機械素子を有するメカトロニクスシステムに重要である。この場合、機械素子は、特にマイクロミラーを有する特にミラー素子、例えばマルチミラーアレイ(MMA)であり得る。

0073

図1は、マイクロリソグラフィ用の投影露光装置1を子午断面で概略的に示す。投影露光装置1の照明系2は、放射源3のほかに、物体平面6の物体視野5の露光のための照明光学ユニット4を有する。物体視野5は、例えばx/yアスペクト比を13/1とした矩形又は弧状として構成することができる。この場合、物体視野5に配置されているが図1には示していない反射レチクルが露光され、上記レチクルは、微細構造又はナノ構造半導体コンポーネントの製造のために投影露光装置1によって投影される構造を有する。投影光学ユニット7が、物体視野5を像平面9の像視野8に結像する役割を果たす。レチクル上の構造は、像平面9の像視野8の領域に配置されたウェーハ感光層に結像されるが、上記ウェーハは図示されていない。

0074

レチクルホルダ(図示せず)によって保持されたレチクルと、ウェーハホルダ(図示せず)によって保持されたウェーハとは、投影露光装置1の動作中にy方向に同期走査される。投影光学ユニット7の結像スケールに応じて、レチクルをウェーハに対して逆方向に走査することも可能である。

0075

微細構造又はナノ構造コンポーネント、特に半導体コンポーネント、例えばマイクロチップをリソグラフィで製造するために、投影露光装置1を用いて、レチクルの少なくとも一部がウェーハ上の感光層の領域に結像される。スキャナ又はステッパとしての投影露光装置1の実施形態に応じて、レチクル及びウェーハを、スキャナ動作でy方向に連続して、又はステッパ動作で段階的に、時間的に同期して移動させる。

0076

放射源3は、5nm〜30nmの範囲の使用放射線を発するEUV放射源である。この場合、ここではプラズマ源、例えばGDPP(ガス放電生成プラズマ)源又はLPP(レーザ生成プラズマ)源が関与し得る。他のEUV放射源、例えばシンクロトロン又は自由電子レーザ(FEL)に基づくものも可能である。放射源3は、DUV放射源又は概して異なる波長域照明放射線を発生させる放射源とすることもできる。

0077

本発明は、特にEUV及びDUVリソグラフィでの用途に有利であることが分かっている。

0078

放射源3から出るEUV放射線10は、コレクタ11によって集束される。対応のコレクタが、例えば欧州特許出願公開第1 225 481号明細書から既知である。コレクタ11の下流で、EUV放射線10は、中間焦点面12を伝播した後に多数の視野ファセット13aを有する視野ファセットミラー13に入射する。視野ファセットミラー13は、物体平面6に対して光学的に共役である照明光学ユニット4の平面に配置される。

0079

EUV放射線10は、以下では使用放射線、照明光、又は結像光とも称する。

0080

視野ファセットミラー13の下流で、EUV放射線10は多数の瞳ファセット14aを有する瞳ファセットミラー14によって反射される。瞳ファセットミラー14は、照明光学ユニット7の入射瞳平面又はこれに対して光学的に共役な平面にある。視野ファセットミラー13及び瞳ファセットミラー14は、以下でさらにより詳細に説明する多数の個別ミラー23から構成される。この場合、個別ミラー23への視野ファセットミラー13の細分は、それ自体が物体視野5の全体を照明する視野ファセット13aのそれぞれが、厳密に1つの個別ミラー23によって表されるようなものであり得る。代替的に、複数のかかる個別ミラー23を用いて視野ファセット13aの少なくとも一部又は全部を構成することが可能である。視野ファセット13aにそれぞれ割り当てられ、且ついずれの場合も単一の個別ミラー23又は複数のこのような個別ミラー23によって形成され得る瞳ファセットミラー14の瞳ファセットの14a構成にも、同じことが対応して当てはまる。

0081

EUV放射線10は、ミラー表面に対して垂直に測定した場合、2つのファセットミラー13、14に25°以下の入射角で入射する。したがって、EUV放射線10は、垂直入射動作の範囲で2つのファセットミラー13、14に入射する。斜入射での照射も可能である。瞳ファセットミラー14は、投影光学ユニット7の瞳平面を構成するか又は投影光学ユニット7の瞳平面に対して光学的に共役な照明光学ユニット4の平面に配置される。瞳ファセットミラー14と、EUV放射線10のビーム経路の順に示すミラー16、17、及び18を有する伝達光学ユニット15の形態の結像光学アセンブリとを用いて、視野ファセットミラー13の視野ファセット13aは、相互に重畳して物体視野5に結像される。伝達光学ユニット15の最終ミラー18は、斜入射用のミラー(「斜入射ミラー」)である。伝達光学ユニット15は、瞳ファセットミラー14と共に、視野ファセットミラー13からのEUV放射線10を物体視野5へ伝達する連続光ユニットとも称する。照明光10は、複数の照明チャネルを介して放射源3から物体視野5へ誘導される。これらの照明チャネルのそれぞれに、視野ファセットミラー13の視野ファセット13a及び上記視野ファセットの下流に配置された瞳ファセットミラー14の瞳ファセット14aが割り当てられる。視野ファセットミラー13及び瞳ファセットミラー14の個別ミラー23は、アクチュエータシステムによって傾斜可能とすることができ、視野ファセット13aへの瞳ファセット14aの割り当ての変化と、それに対応した照明チャネルの構成の変化とを達成することができる。

0082

照明光学ユニット4のミラー素子23は、減圧可能なチャンバに配置されることが好ましい。これらは、振動の結果としての外乱に非常に敏感に反応するように、最大限まで機械的に減衰されない。

0083

視野ファセットミラー13の、特にその個別ミラー23の構造を、以下でより詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。概して、個別ミラー23は光学アセンブリ25の一部である。

0084

個別ミラー23は、以下ではミラー素子23とも称する。これらは、以下で説明するようにアクチュエータシステムによって傾斜可能であるように設計される。概して、視野ファセットミラー13は、少なくとも300個、特に少なくとも1,000個、特に少なくとも10,000個、特に少なくとも約100,000個の個別ミラー23を有する。

0085

ミラー素子23は、特にいわゆるマイクロミラーであり得る。これらは、特に10−8m2〜10−4m2の範囲の、特に10−7m2〜10−5m2の範囲の寸法を有する。原理上、より大きな寸法を有する巨視的ミラーも関与し得る。

0086

図2に示す原理の場合、ミラー素子23は、第1担持構造19上に配置される。第1担持構造19は、熱伝導部を介してミラー素子23の1つのミラー本体20に機械的に接続される。熱伝導部の一部は、ミラー本体20を第1担持構造19に対して傾斜させることを可能にする関節体21である。関節体21は、ミラー本体20を、既定の傾斜軸に関して、例えば特に相互に対して垂直に配置された1つ又は2つの傾斜軸に関して傾斜させることを可能にするフレクシャとして設計することができる。ミラー素子23の傾斜可能な配置、特に第1担持構造19におけるその配置の詳細に関しては、完全に本願の一部であることを意図した独国特許出願公開第10 2011 006 100号明細書及び国際公開第2010/049076号を参照されたい。

0087

ミラー素子23は、いずれの場合もアクチュエータピン22に機械的に接続される。アクチュエータピン22は、ミラーに機械的に接続される電極を形成し、これを以下ではミラー電極とも称する。

0088

第1担持構造19は、いずれの場合もアクチュエータピン22を囲むスリーブを形成する。アクチュエータ電極24が、いずれの場合もスリーブに組み込まれる。1傾斜自由度につきそれぞれ少なくとも1つのアクチュエータ電極24が設けられる。好ましくは、1傾斜自由度につきそれぞれ2つのアクチュエータ電極24が設けられる。2つの傾斜自由度でミラー素子23を傾斜させるために、3つのアクチュエータ電極24を設けることも可能である。3つのアクチュエータ電極24は、周方向に相互に対してそれぞれ120°ずれて配置されることが好ましい。ここから逸脱した配置も同様に可能である。

0089

1つ又は複数のアクチュエータ電極24とアクチュエータピン22との間に電位差を発生させることにより、ミラー素子23の傾斜をもたらし得るアクチュエータピン22に対する静電力を発生させることが可能である。概して、ミラー素子23の傾斜のために、アクチュエータ電圧VActがアクチュエータ電極24に印加される。

0090

ミラー素子23の傾斜のために、図2に示す原理に従って用いられる静電又は容量型アクチュエータの代わりに、電磁アクチュエータ、特にローレンツアクチュエータ又はリラクタンスアクチュエータを設けることもできる。詳細に関しては、例えば国際公開第2010/049076号を参照されたい。

0091

アクチュエータ電圧VActをアクチュエータ電極24に印加するために、増幅段30が設けられ、上記増幅段は、制御デバイス29によって駆動される。

0092

図2はさらに、第2担持構造26を概略的に示す。第2担持構造26は、さらに他の機能部品、特に電気部品を配置及び/又は収容する役割を特に果たす。第2担持構造26は、特に特定用途向け集積回路ASIC)27を収容する役割を果たす。特に、アクチュエータ電極24は、ASIC27によって駆動することができる。個別ミラー23の変位位置を検出するためのセンサ28を、ASIC27上に配置することができる。光学アセンブリ25の構造設計(structural construction)のさらなる詳細に関しては、同じく完全に本願の一部であることを意図した独国特許出願公開第10 2011 006 100号明細書及び国際公開第2010/049076号並びに国際公開第2013/120926号及び独国特許出願公開第10 2012 218 219.5号明細書を特に参照されたい。

0093

すでに述べたように、ミラー素子23を作動させるための本発明による概念は、静電アクチュエータに限定されない。上記概念は特に、電磁アクチュエータを有する、特にローレンツアクチュエータ又はリラクタンスアクチュエータを有する光学アセンブリ25にも適用可能である。例示的な変形実施態様を、図3図7を参照して以下で説明する。本明細書に記載の原理はさらに、アクチュエータの他の実施態様に適用することができる。別段の指示のない限り、特定のタイプのアクチュエータへの言及が制限的効果を有することは意図されない。図示の例示的な実施形態のアクチュエータデバイス45は、特に静電アクチュエータ又は電磁アクチュエータ、特にローレンツアクチュエータ又はリラクタンスアクチュエータを備えることができる。アクチュエータの向き、設計、及び駆動に関する図示の概念は、特定のタイプのアクチュエータに束縛されるのではなく、他のタイプに適用することができる。

0094

図3図6には、簡単のために、光学アセンブリ25の、特に個別ミラー23の機械的細部を詳細に示していない。かかる細部に関しては、上記引用文献を参照されたい。

0095

図3及び図4に示す変形形態によれば、アクチュエータデバイス45は、特にローレンツアクチュエータ又はリラクタンスアクチュエータの形態の電磁アクチュエータ47を備える。

0096

個別ミラー23は、回転軸A、Bを有する。個別ミラー23は、回転軸A、Bに関して枢動可能である。

0097

アクチュエータ47は作動軸X、Yを規定する。図3に示す例示的な実施形態では、作動軸X、Yは個別ミラー23の回転軸A、Bと同一である。作動軸Xは回転軸Aと一致する。作動軸Yは回転軸Bと一致する。

0098

アクチュエータ47は、それぞれ別個の増幅段30によって駆動可能である。増幅段30は、それに対応してXドライバ増幅器及びYドライバ増幅器とも称する。これらの各消費電力は、図3図7においてそれぞれPV_X及びPV_Yとして概略的に示す。個別ミラー23の変位位置又は変位経路を事前定義する個別ミラー23のアクチュエータ48のドライバ増幅器30の総消費電力Ptotは、個々のドライバ増幅器30の消費電力PV_X及びPV_Yの和から得られ、Ptot=PV_X+PV_Yである。

0099

アクチュエータ47の作動用に供給される制御可能な電流がIX及びIYとして、またそれに対応する電圧がUX及びUYとしてそれぞれ概略的に示されている。

0100

ドライバ増幅器は、入力側が制御デバイス29に接続される。ドライバ増幅器は、特に、作動方向X及びYそれぞれに関して制御又はドライバ信号SX及びSYを受け取る。

0101

制御デバイス29には、入力側で第1信号入力52を介して個別ミラー23の変位位置の設定値を供給することができる。

0102

制御デバイス29には、入力側で第2信号入力53を介して個別ミラー23の変位位置の設定値を供給することができる。したがって、特に、制御デバイスは調節デバイスであり得る。

0103

電流IX及び電圧UXをXアクチュエータに印加すると、x方向に力FXを介してモーメントMXが生じ、これが作動軸Xに関する個別ミラー23の回転RXをもたらす。

0104

電流IY及び電圧UYをYアクチュエータに印加すると、y方向に力FYを介してモーメントMYが生じ、これが作動軸Yに関する個別ミラー23の回転RYをもたらす。

0105

図4に示す例示的な実施形態の場合、作動軸X、Yは、個別ミラー23の回転軸A、BBに対応しなくなっている。アクチュエータ47は、作動軸X、Yが個別ミラー23の回転軸A、Bに対して角度φ>0だけ回転しているような向きである。図示の例示的な実施形態の場合、作動軸Xと回転軸Aとの間の角度φが示されている。角度φの絶対値は、特に0°〜90°の範囲、特に1°〜45°の範囲、特に5°〜30°の範囲である。これは、特に10°よりも大きく、特に20°よりも大きくすることができる。

0106

個別ミラー23の回転軸A、Bに対する作動軸X、Yの枢動及び/又は相互に対する作動軸X、Yの枢動によって、個別ミラー23を特定の変位位置に変位させるのに必要な総電力需要Ptotに影響を及ぼすことが可能である。

0107

作動軸X、Yは、相互に対して垂直な向きであり得る。これらは、鋭角を形成することもできる。個別ミラー23を変位させるために、2つ以上のアクチュエータを設けることもできる。アクチュエータは、特に共通の平面に配置された作動軸を有する。アクチュエータの作動軸は、特に一点で交差する。

0108

回転軸A、Bに対する作動軸X、Yの向きの結果として、特に、個別ミラー23の作動中の個別ミラー23の、特にシステム全体のシフト中の、所要ピーク電力及び/又は電力損失、特に平均電力損失を低減、特に最小化することができる。この目的で、以下でさらにより詳細に説明する最適化法が提供され得る。

0109

図5に概略的に示す実施形態は、図4に示すものに対応するが、電磁アクチュエータ47の代わりに静電アクチュエータ57が設けられている。

0110

図6に概略的に示す実施形態は、図4に示すものに対応するが、電磁アクチュエータ47の代わりにより詳細には明記しないアクチュエータ58が設けられている。アクチュエータ58は、任意の電気作動可能なアクチュエータ58であり得る。

0111

換言すれば、図4及び図5に示す変形形態は、図6に示す一般的な実施形態の特例である。

0112

アクチュエータ原理の一般図を、機械的及び電磁的結合機構の図とともに図7に概略的に示す。個別ミラー23に作用するモーメントMX、MYは、それぞれ、ドライバ増幅器30が供給する電流IX、IY及び電圧UX、UYの、また適切な場合はさらに他の物理変数関数GX及びGYである。電磁結合は、関数式Gにおいて考慮することができる。

0113

個別ミラー23の回転軸A及びBそれぞれに対する回転RA、RBにおいて考慮すべき機械的結合は、関数FA及びFBそれぞれでマップされる。関数FA、FBはそれぞれ、特に角度φに応じて変わり得る。

0114

システム全体の電力損失を低減、特に最小化する、又は使用可能な機械的動力を増加又は最大化させるさらに他の可能性は、個別ミラー23及び/又はそのアクチュエータデバイス45を方向決めすること及び/又は相互に対するそれらの向きを狙い通りに適合させることにある。特に、最大の機械的動力が必要な方向が(当該最大の機械的動力に対する)関連の駆動増幅器30の集合の最小相総電力損失と一致するように、個別ミラー23のアクチュエータ58を方向決めすることができる。これは特に、各個別ミラー23に対するアクチュエータ58の適切な配置によって達成することができる。

0115

(所要有効電力に対する)ドライバ増幅器30の集合の最小相対総電力損失が個別ミラー23の最高頻度の移動方向と一致するように、アクチュエータを方向決めすることもできる。この場合、作動方向は、少なくとも2つのアクチュエータ58によって事前定義される。アクチュエータ58に対する個別ミラー23の空間的向きによって、アクチュエータ58の駆動中のその移動方向が得られる。光学コンポーネントに関して設定される変位位置の選択に応じて、特定の移動方向が生じるか又は他の移動方向よりも高頻度で必要とされる場合がある。

0116

さらに別の可能性は、アクチュエータ58の最小剛性、特に関連の増幅段30の最小総電力需要が個別ミラー23の最頻移動方向と一致するように、アクチュエータ58を方向決めすることにある。

0117

個別ミラー23を変位させる方法のさまざまな態様を以下で説明する。概して、個別ミラー23は、いずれの場合も光学コンポーネントの形態の機械デバイスを形成する。これらは、いずれの場合も少なくとも2つの変位自由度、特に少なくとも2つの傾斜自由度を有する。これらは、アクチュエータデバイス45によって、特に少なくとも2つのアクチュエータ58によって異なる変位位置に変位可能である。アクチュエータデバイス45は、さらに他の部品を含み得る。アクチュエータデバイス45は、特に制御又は調節回路を含み得る。アクチュエータデバイス45は、特にさらに他の電気部品を含み得る。概して、機械コンポーネントとしての個別ミラー23が、電子コンポーネントとしての関連のアクチュエータデバイス45と共にメカトロニクスシステムを形成する。

0118

個別ミラー23の1つを特定の変位位置に変位させるか又は位置決めするために、上記個別ミラー23に関連するアクチュエータ58が関連の増幅段30によって起動される。増幅段30は、制御デバイス29に信号伝送可能に接続される。増幅段30は、アクチュエータデバイス45の一部を形成し得る。

0119

個別ミラー23の変位のさらなる詳細に関しては、本願の一部として本願に援用される独国特許出願公開第10 2011 007 917号明細書を参照されたい。

0120

増幅段30は、特にASIC27の一部として具現することができる。増幅段30は、ASIC27とは別個に具現することもできる。

0121

制御デバイス29は、ASIC27とは別個に具現されることが好ましい。制御デバイス29は、特に光学アセンブリ25に対して別個に具現することができる。制御デバイス29は、特にインタフェース31を介して光学アセンブリ25に接続される。

0122

制御デバイス29は、ASIC27に少なくとも部分的に組み込むこともできる。

0123

個別ミラー23を特定の変位位置に変位させるために、特定の電力Piが、上記個別ミラー23に関連する増幅段30にそれぞれ供給される。個別ミラー23に関連する増幅段30の電力Piの和に相当する、供給すべき総電力Ptotは、個別ミラー23の変位位置に応じて変わる。換言すれば、個別ミラー23には、関連の増幅段30の消費電力Piの和Ptotが相互に異なる少なくとも2つの異なる変位位置がある。換言すれば、システム全体の消費電力が他の位置よりも大きい少なくとも1つの位置がある。変位位置及び方向は、増幅段30が出力した電流及び/又は電圧の符号によっても決まるので、電流及び電圧の符号が異なることにより異なる変位位置が成立したとしても、異なる電流/電圧構成でも同じ総電力Ptotになり得る。換言すれば、異なる変位位置は、システム全体の同一の消費電力Ptotに関連し得る。

0124

システム全体の同一の消費電力に関連する異なる変位位置が、閉曲線上に、又は2つ以上のアクチュエータの場合は閉区域上にあることが認識されている。変位軌跡、特に変位軌跡の集合は、上記変位軌跡が可能な限りこのような等値線又は等値面に沿って延びるように選択され得ることが好ましい。変位軌跡は、特に、これらが変位軌跡の終点により事前定義される2つの等値曲線又は等値面により画定された領域内に延びるように選択することができる。変位軌跡がこの概して高次元の領域から分離されることを許す最大値を指定することも可能である。

0125

最小総電力Pminを必要とする個別ミラーの変位位置を、以下ではゼロ位置36とも称する。ゼロ位置36は、個別ミラー23の、特に関節体21の取付けの機械的特性によって特に与えられる。ゼロ位置36は、特にアクチュエータ58がいずれも作動されない場合、すなわち増幅段30の総消費電力Ptotが0に等しく、Ptot=0である場合に採用される。

0126

個別ミラー23を特定の変位位置に変位させるのに必要な総電力Ptotは、特に変位位置とゼロ位置36との間の距離に応じて、特に傾斜角の絶対値に応じて、且つ/又は変位、特に傾斜の方向に応じて変わる。

0127

個別ミラー23の位置決め又は変位のために、関連のアクチュエータデバイス45、特に関連のアクチュエータ58が制御下で起動される。個々のアクチュエータデバイス45を駆動するために、電流強度Ii及び電圧Uiが上記アクチュエータデバイスのそれぞれ、特にその増幅段30に印加される。瞬時照会電力(instantaneously interrogated electrical power)Piが、上記電流強度Iiと上記電圧Uiとの積から得られ、Pi=Ii×Uiとなる。したがって、照会電力Piは、電流Ii及び電圧Uiの設定値の結果である。続いて、個別ミラー23の1つの位置決め又は変位のために照会された総電力Ptotが、上記個別ミラーの全てのアクチュエータ58の電力Piの和として得られる。特に、アクチュエータデバイス45のピーク電力Pimax、特に総ピーク電力Ptot maxと、平均電力損失、特に時間平均電力損失とが、メカトロニクスシステムの設計に関連する。この場合、電力損失は、アクチュエータデバイス45により照会された電力と機械的有効電力との差を示す。

0128

最大電力Pmaxが、個別ミラー23の位置決め又は変位に利用可能である。最大利用可能電力Pmaxは、特に、アクチュエータデバイス45までの給電線32の数及び/又は具体的厚さ(embodiment thickness)により制限される。

0129

本発明によれば、全てのアクチュエータデバイス45、特にその増幅段30が最大電力Pimaxを同時に求め得るような、利用可能な電力に関するいわゆるワーストケース設計、すなわちメカトロニクスシステムの、特に給電線の数及び/又は具体的厚さの設計が必要とは限らず、メカトロニクスシステムの、特に給電線の数及び/又は具体的厚さが大きくなりすぎること、すなわち空間が浪費されることにつながることが認識されている。本発明は、給電線の数及び/又は具体的な厚さの低減を可能にする。これは、機械システム設計の単純化につながる。さらに、それにより減圧システム内の純度の改善が可能である。

0130

以下でより詳細に説明する、個別ミラー23の少なくとも1つを変位させる、特に光学アセンブリ25の全ての個別ミラー23を変位させる方法の1つを適用することにより、全てのアクチュエータデバイス45の、特にその増幅段30の最大消費電力の大きさが、全てのアクチュエータデバイス45の最大電力Pimaxの和S未満の、つまりPmax<Sの既定の最大電力Pmax以下であるように、メカトロニクスシステムを設計すれば十分である。光学アセンブリ25は、特に以下が当てはまるように設計される。Pmax:S≦0.9、特にPmax:S≦0.8、特にPmax:S≦0.7、特にPmax:S≦0.6、特にPmax:S≦0.5

0131

個々のアクチュエータデバイス45の消費電力を低減するために、増幅段30をいずれの場合も少なくとも70%、特に少なくとも80%、特に少なくとも90%の効率を有する増幅器として具現することができる。増幅段30は、特にスイッチング又はD級増幅器として具現することができる。

0132

さらに、所要電力は、機械的概念により、特に個別ミラー23の適切な取付けにより低減することができる。

0133

アクチュエータデバイス45の電力供給の本発明による設計の結果として、特に、電力損失に関する放熱の設計を単純化することもできる。

0134

以下で説明する例示的な実施形態は、いずれの場合も単独で又は相互に組み合わせて実現することができる。

0135

個別ミラー23の少なくとも1つを変位させる方法の例示的な一実施形態を、図8及び図9を参照して以下で説明する。図8及び図9に例として示すように、個別ミラー23の1つの位置決めにはアクチュエータデバイス45の位置依存の起動が必要である。したがって、これには特に各アクチュエータデバイス45の位置依存の消費電力が必要である。

0136

図8及び図9は、例として、個別ミラー23の1つの位置決めに必要なアクチュエータデバイス45の総消費電力Ptotをそれぞれが示し、2つの軸は、それぞれが各作動軸x、yに関する個別ミラー23の回転Rx、Ryの尺度を示し、この回転は、アクチュエータ58の起動によりもたらされる。明確化のために、総消費電力が大きい範囲ほど、濃いハッチングで示す。図8及び図9は、例として理解すべきである。個別ミラー23の異なる変位位置に関連する総消費電力の概して多次元的な状況は、図8及び図9に示すものとは異なる形態もとることができる。

0137

簡単のために、図8及び図9は、個別ミラー23の1つのxy平面での位置決めを示し、各アクチュエータがx方向及びy方向への偏向のために用いられる。総電力Ptotは、x軸とy軸との間の対角線における位置に関する作動原理に起因して特に大きい。

0138

例として図8及び図9に示すように、個別ミラー23は、異なる変位経路331、332に沿って第1変位位置34から第2変位位置35に変位させることができる。変位軌跡331は、特に、第1変位位置34と第2変位位置35との間の直接接続を表す。本発明では、変位軌跡331、に沿ってではなく異なる変位軌跡、特に変位軌跡332に沿って個別ミラー23を変位させる。

0139

概して、個別ミラー23の変位のために2つ以上のアクチュエータ58を設けることも可能である。変位軌跡33は、概してアクチュエータデバイスの総消費電力を表す少なくとも2次元の空間に延びる。上記空間はより高次元とすることもできる。特に複数の個別ミラー23の変位中、変位軌跡33は全ての個別ミラー23の変位を表すことができる。上記態様はこの場合にも同様に適用可能である。

0140

本発明では、大きな総電力Ptotでしか到達できない領域をできる限り回避するように変位軌跡33を選択する。特に、第1位置34から第2位置35への個別ミラー23の変位中に、個々のアクチュエータデバイス45がもたらした作動方向、すなわち個々のアクチュエータデバイス45がもたらした変位経路が相互に独立して選択されるのではなく相互に協調させられて、位置変化中に使用アクチュエータデバイス45の共通の消費電力が低減、特に最小化されるように、アクチュエータデバイス45、特にアクチュエータ58を駆動する。変位軌跡33は、特に総消費電力の所定の最大値Pmaxに適合される。説明的な言い方をすると、最大値Pmaxの事前定義により、アクチュエータ58の総消費電力を表す抽象空間において変位軌跡33が通過してはならない領域が定義される。変位軌跡33は、特に供給される総電力Ptotに関して最適化することができる。

0141

変位軌跡33を適合させる際、特に、変位対象の素子の、特に個別ミラー23の取付けの機械的細部を考慮することも可能である。変位軌跡33は、特に、第1変位位置34から第2変位位置35までの経路上で適用する必要がある力又は電力ができる限り小さいように選択され得る。

0142

図9に示すように、第1変位位置34から第2変位位置35への変位中にゼロ位置36を通過することが特に有利であり得る。ゼロ位置36は、最小の消費電力を必要とする。換言すれば、変位軌跡33は、ゼロ位置36を通過するように選択することができる。

0143

ゼロ位置36に短時間滞留する、すなわち変位を一時的に中断することができる。これを用いて、ヒステリシスを補償又は補正することができる。結果として、安定位置調節を大幅に単純化することができる。

0144

アクチュエータデバイス45の電力偏向特性(P−R特性曲線)がヒステリシスを有する場合、P=0Wが当てはまるゼロ位置36でのヒステリシスの補償がなければ、第2変位位置35への偏向のために発生させる電流は、上記第2変位位置35だけでなくその前の第1変位位置34及び各アクチュエータデバイス45のアクチュエータ58の所要消費電力にも応じて変わる。これを図10に例として概略的に示し、図10中、R1a、R1bは2つの異なる開始位置を示し、P1a、P1bは上記開始位置の設定にそれぞれ必要な電力を示す一方で、R2a、R2b及びP2a、P2bは、同一の目標位置及び上記目標位置の設定に必要な電力を示す。

0145

特にシステム全体のピーク電力を最適化された作動により低減させることを意図する場合、消費電力が第1変位位置34(=R1)に上記のように依存していることで、アクチュエータ58の静的及び動的偏向の複雑な調節が必要である。この場合、動的偏向は、静的偏向間の変化を意味するとみなすべきである。

0146

ゼロ位置36でヒステリシスを補償することにより、アクチュエータ58において目標位置R2a、すなわち第2変位位置35に関して設定される電力P2がその前の変位位置34とは無関係であることを確実にすることで、アクチュエータ58の静的及び動的偏向の調節をかなり単純化することが可能である。2つの静的偏向それぞれの間の、すなわち2つの変位位置34、35間の変化中に、各アクチュエータがR=0且つP=0Wであるセロ位置36に常に最初に調節し戻された後に、固定的に定義された電力Pが目標位置R2に対して設定されることにより、これを達成することができる。この場合、ゼロ位置36へ戻る調節は、R=0を調整し、続いて電力をP=0Wに低減させることにより行うことができる。これを、図10に示す例に関して図11に概略的に示す。

0147

図10及び図11から定性的に明らかなように、ゼロ位置36でのヒステリシスの補正により目標位置R2に対して設定される電力Pは、ヒステリシス補正なしの場合よりも小さい。換言すれば、ヒステリシス補正はさらに、システム全体のピーク電力及び電力損失をさらに低減するという利点をもたらす。ヒステリシス補償は、特に所要ピーク電力の低減につながる。これは、特にシステム全体の電力損失の低減につながる。

0148

さらに、特に明白且つ/又は再現可能であるゼロ位置36において、個別ミラー23の位置調節に用いられるセンサ28を較正、特に再較正することも特に可能である。

0149

供給される総電力Ptotを低減するさらに別の可能性を図12に示す。図12は、2つのアクチュエータ58の個々の消費電力Piと、関連の総消費電力Ptot=P1+P2とを示す。さらに、変位プロセスの開始時間t1及び終了時間t2を、いずれも図12に例として示す。

0150

図12の左側に示すように、アクチュエータ58の時間的に並列の、すなわち同期した起動は、特に大きな総電力Ptotをもたらす。したがって、図12の右側に示す例示的な実施形態によれば、個別ミラー23を変位させるためにアクチュエータ58を時間的にインタリーブさせて、例えば完全に逐次的にも駆動させる。結果として、総電力Ptotのピーク値を同時作動と比べて低減することができる。この可能性は、作動された個別ミラー23の変位軌跡33を複数の部分区間に細分する手続きも含む。部分区間は、その場合、総電力Ptotのピーク値を低減するために適切に組み合わせることができる。

0151

この例示的な実施形態は、前述の例示的な実施形態と組み合わせることが特に有利であり得る。アクチュエータ58の逐次駆動が特に有利であり得るのは、変位軌跡332が、変位の時間的最大事前定義に起因してゼロ位置36を通過することができずにより短い経路を辿らなければならない場合である。

0152

さらに別の例示的な実施形態を、図13を参照して以下で説明する。個別ミラー23が第1変位位置34に少なくとも短時間静止したままとなる場合、変位プロセスの初めに静止摩擦が生じ得る。このような静止摩擦効果は方向依存性を有し得る。したがって、図13に示す方法によれば、変位プロセスの初めに、すなわち第1変位位置34で、最小静止摩擦の方向37に向くように変位軌跡332を選択する。この場合、個別ミラー23の取付けの方向依存の剛性を利用することもできる。結果として、それによってこの場合も所要電力が特に変位プロセスの初めに低減、特に最小化される。

0153

静止摩擦の方向依存性は、実験又は測定により事前に求めることができる。これを例えばシステム内部メモリに記憶することができる。メモリには、特に測定方向測定値及び/又はその微分(derivations)又は測定値から確定された数値モデルを記憶することが可能であり、数値モデルは、作動の任意の開始方向に関してシステムの動作中の静止摩擦の計算を可能にする。

0154

変位軌跡332は、特に第1変位位置34においてゼロ位置36の方向を向き得る。これは特に、最大復元力が常にゼロ位置36の方向を向くように個別ミラー23及び/又は関連のアクチュエータ電極24の向きが定められる場合に有利である。この場合、最小静止摩擦の方向37もゼロ位置36の方向を向く。

0155

図13に例として示すように、変位軌跡332を曲線として具現することができる。特に、これは一定の曲率半径を有することができる。

0156

個別ミラー23の変位中の総電力Ptotを低減するさらに別の可能性は、少なくとも1つのアクチュエータ58における電気エネルギー及び/又は運動エネルギーのローカルな蓄積にある。このエネルギーは、作動された機械素子の、特に個別ミラー23の位置変化中に回復、特に再使用することができる。これは、特にシステムの同じ且つ/又は他のアクチュエータ58で再使用することができる。

0157

ストレージデバイス59が電気エネルギーを蓄積する役割を果たす。ストレージデバイス59は、例えば1つ又は複数のローカルコンデンサ56を備える。

0158

上記エネルギーの回復は、例えばコンデンサ放電及び/又は特にコイルでの電圧誘起により達成することができる。電気エネルギーのローカル蓄積を所要ピーク電力の低減に用いる実施形態を、図20及び図21に示す。この変形形態の場合、パルス幅変調(PWM)アクチュエータ駆動が行われる。このような駆動の場合、アクチュエータ58の平均消費電力がエネルギーの周期的な供給及び除去により実現される。平均電力は、供給周期及び除去周期の制御により制御することができる。この供給及び除去が外部電源54だけで実現される場合、給電線55における電力損失に起因して、得られるピーク電力はローカルに蓄積されたエネルギーを作動に再使用できる場合よりも大きい。したがって、本発明では、ピーク電力の低減を目的として、作動用のエネルギーの一部をローカルに蓄積させる。エネルギーの蓄積は、例えば、作動間隔ta1(図20に示す)で外部電源54によりアクチュエータに供給されたエネルギーが、電圧源54に戻されるのではなくローカル蓄積コンデンサ56に除去されることにより行われる。これは、図21に示すスイッチ位置の場合である。コンデンサ56に蓄積されたエネルギーは、続いて後続の作動間隔ta2で同じアクチュエータ58に、又はスイッチングネットワークを介して他のアクチュエータ58に利用可能とすることができる。

0159

複数の上記アクチュエータ58及び関連のスイッチを給電線55上に並列接続し、共通の蓄積コンデンサ56を用いる結果として、図18において以下で説明する少なくとも2つのアクチュエータ58間での電力の上記再使用を実現することができる。

0160

少なくとも2つのアクチュエータ58のエネルギーの取込み及び放出を建設的に重ね合わせることにより、最大限のエネルギーをシステムに保つことができ、これが給電線での電力損失の低減を可能にする。位置変化前、位置変化中、及び位置片化後の、個別ミラー23を変位させるための2つのアクチュエータEA1、EA2のエネルギー需要の一例を、図18の最上段に例として示す。

0161

図18の最上段は、位置変化前、位置変化中、及び位置片化後の任意のユニットにおける2つのアクチュエータEA1、EA2のエネルギー需要を概略的に示す。

0162

この場合、変位対象の個別ミラー23は、時点T1まで第1変位位置34に位置し、それから間隔[T1、T2]で変位軌跡33に沿って第2変位位置に変位し、その後に上記第2変位位置に保持される。

0163

図18中段は、位置変化中に蓄積コンデンサ56に蓄積されたエネルギーESKを概略的に示す。

0164

図18最下段は、蓄積コンデンサがないシステムの場合に外部から供給されるエネルギーを曲線Oとして、蓄積コンデンサ56があるシステムの場合の対応するエネルギー量を曲線Mとして示す。この場合、簡単のために、蓄積コンデンサ56に蓄積された全エネルギー(図18の中段参照)が再使用可能であると仮定する。

0165

電力損失をさらに最小化するために、この場合、例えばアクチュエータ58における電流方向及び/又は電圧極性を適切に変え且つ/又は組み合わせることも可能である。

0166

この概念の1つの可能な実施態様は、少なくとも2つの異なる変位位置で異なる総エネルギーが利用可能となる、すなわち供給される一群のアクチュエータ58に対して、蓄積コンデンサ56をそれぞれ用いることにある。位置変化の場合、供給されるエネルギーは、上記群のうちの1つのアクチュエータ58から別のアクチュエータ58へ移動させることができる。この変形形態は、2つのアクチュエータ58を有するシステムに関して図18に概略的に示されている。

0167

さらに別の変形形態によれば、システムのアクチュエータ58が、図18の上段に例として示す図とは対照的に、逐次ではなくできる限り同時に駆動される。この場合、エネルギーを一方のアクチュエータから他方のアクチュエータへ直接移動させることができる。

0168

個別ミラー23の変位中の総電力Ptotを低減するさらに別の可能性は、少なくとも2つのアクチュエータ間の電磁的クロストークを建設的に利用することにある。この場合、建設的にとは、「非破壊的に(non-destructively)」、すなわち利益を伴うという意味で理解されたい。これは、特に磁気誘導性、及び容量型アクチュエータの場合に可能である。クロストークは、特に静止位置が保たれると、且つ/又は時間的に並列の位置変化の場合に利用可能である。

0169

特に、位相整合されたパルス幅変調ドライバ増幅器信号の電気的クロストークを建設的に利用することが可能である。

0170

行われる調節は、いわゆる「マルチ入力・マルチ出力調節」(MIO調節)とすることができ、アクチュエータ間のクロストークが低減されるとは限らず、所要総電力Ptotが最小化される。この目的で、寄生的な電力損失、例えば電磁アクチュエータシールドで変換された熱出力を有効電力として用いることができる。

0171

この変形形態では、例えば、異なるアクチュエータ間の電磁遮蔽を意図的になくすことが得策であり得る。

0172

クロストークの影響は、モデルベースで、特に結合係数を有する行列を用いて求めることができる。

0173

この変形形態の利点を図19に概略的に示す。左側列はそれぞれ、アクチュエータ58間のクロストークを利用しない状況を示し、図19の右側列は、2つのアクチュエータ58間のクロストークを利用する状況を示す。図19の上段は、PA1を有する第1アクチュエータ58の有効電力を示す。左側列はさらに、寄生的な電力損失PV1及びアクチュエータ1の所要電力PB1を示す。右側列は、アクチュエータ2からアクチュエータ1へのクロストーク電力PU21を例として示す。さらに、右側列は、アクチュエータ1の全体的な所要電力PB1も示す。これは、クロストークを利用しない場合の所要電力PB1よりも小さい。

0174

中段は、アクチュエータ1からのクロストークを利用しない場合及び利用した場合のアクチュエータ2に関する対応関係を示す。

0175

図19下段は、いずれの場合も総所要電力Ptot=PB1+PB2を示す。総電力Ptotを異なるアクチュエータ58間のクロストークの建設的利用により低減できることを示すことができた。

0176

位置変化の場合、建設的クロストークの場合にはアクチュエータ58を時間的に並列に、破壊的クロストークの場合には時間的に逐次駆動することにより、ピーク電力Pmaxを低減、特に最小化することも得策であり得る。

0177

アクチュエータ58間のクロストークは、電磁遮蔽を省くか又はかかる遮蔽を減衰させることにより達成することができる。クロストークを利用した場合の所要ピーク電力Pmaxが、利用しない場合の大きさ以下(maximally equal)であることを示すことができた。最大所要ピーク電力は、特にクロストークの利用により低減することができる。低減は、クロストークを利用しない場合に必要なピーク電力Pmaxの特に少なくとも1%、特に少なくとも3%、特に少なくとも5%であり得る。

0178

個別ミラー23の変位中の総電力Ptotを低減するさらに別の可能性は、増幅段30の供給電圧の適応的制限を含む。増幅段30の2つの群401、402の実際の供給需要38iと、時間間隔t1〜t2における個別ミラー23の第1群の変位中及び変位間隔t3〜t4における個別ミラー23のさらに別の群の変位中の、上記群の関連の適合させた供給9iとの対応する時間プロファイルを、図15に示す。第1群401及び第2群402のアクチュエータ58を駆動するという関連の回路概念を、図14に示す。

0179

群401及び402はそれぞれ少なくとも1つのアクチュエータ58を含む。群401及び402のそれぞれについて、供給電圧の適応的制限が別々に行われる。群401及び402の供給電圧は、例えば調節可能なDC/DCコンバータ421、422により適応的に設定することができる。

0180

個別ミラー23及び/又は関連のアクチュエータ58の総体を、供給電圧の適合的制限が別々に行われる3つ以上の群401、402に細分することもできる。

0181

供給電圧の適応的制限は、変位対象の個別ミラー23の第1変位位置34及び/又は第2変位位置35に応じて、すなわち変位対象の個別ミラー23の開始位置及び/又は目標位置、及び/又はそのために設けられた変位軌跡332に応じて、最大所要供給電圧を最初に確定することを含む。

0182

さらに、図14は、制御デバイス29を概略的に示す。制御デバイス29は、データ伝送供給線41を介して増幅段30に増幅すべき信号を供給する。

0183

さらに、増幅段30の供給電圧を制御するための供給電圧源43及びデバイス44が設けられる。以下ではこれらを合わせて供給電圧調節部(regulation)46と称する。

0184

増幅段30の供給電圧は、供給電圧調節部46により調節される。

0185

出力側で、増幅段30は、アクチュエータデバイス45の1つ、特にアクチュエータ58にそれぞれ接続される。

0186

DC/DC変換器42iは、高い効率及び低い大信号帯域幅を有する。DC/DC変換器42iの効率は、特に90%〜95%の範囲であり得る。DC/DC42iの大信号帯域幅は、全電力動揺(full power swing)での対応する周波数範囲を意味するとここでは理解されたい。これは特に10Hz未満である。増幅段30は、それぞれがDC/DC変換器よりも低い効率及び高い大信号帯域幅を有する。DC/DC変換器42iがない場合の増幅段30の効率は、50%〜95%の範囲であり得る。

0187

特に、増幅段30の入力電力を調節することができる。増幅段30の供給電圧は、特に増幅段30の出力電力に適合するように制御、特に調節することができる。結果として、増幅段30の効率を高めることができる。このように、特に増幅段30の変調を改善することができる。特に、増幅段30の変調を最大化することが可能である。本発明によれば、特に、入力電力対出力電力の比が0.1〜10の範囲、特に0.3〜3の範囲、特に0.5〜2の範囲であるように増幅段30の供給電圧を、ひいては入力電力を調節することができる。

0188

増幅段30の周波数帯域幅は、少なくとも10Hz、特に少なくとも50Hz、特に少なくとも100Hz、特に少なくとも500Hz、特に少なくとも1,000Hzであり得る。

0189

制御デバイス29は、データ伝送可能に供給電圧調節部46に接続することもできる。供給電圧調節部46により、特に制御デバイス29により、群401及び402の増幅段30に対する供給電圧、特に最適供給電圧を確定及び設定することが可能である。供給電圧は、特に既定の移動設定、すなわち既定の変位軌跡33iに応じて確定される。

0190

図22に概略的に示す特に有利な一実施形態によれば、増幅段30を駆動するための多重法が提供され得る。それにより、特に、移動設定に応じて、すなわち所望の変位軌跡33iに応じて、最大供給電圧に関して同一又は同様の要件を有する増幅段30を組み合わせて群を形成することが可能である。この場合、群40iを形成するための増幅段30の群分けは、システム設計において統計的に行われるのではなく適応的に行われる。これは、特にシステムの動作中に行われる。これは、増幅器電子回路(amplifier electronics)の構成により、特に供給電圧用のマルチプレクサ50による増幅段で発生する供給電圧の切換え可能な供給により行われる。供給電圧の選択のために、マルチプレクサ50は、制御デバイス51により制御信号で制御することができる。制御デバイス51は、制御デバイス29に組み込まれてもよく、又はその一部であってもよい。

0191

上述したさまざまな変形実施態様及び例示的な実施形態は、光学アセンブリ25において相互接続配置で用いられるアクチュエータ58及び増幅段30の任意の組合せで可能である。これは特に、異なるアクチュエータ58及び/又は増幅段30の同時使用も含む。この場合、上述した変形形態の1つ又は複数に従ってアクチュエータ58及び/又は増幅段30の一部のみを適合させる、特に最適化することが可能である。上述したものの中からの異なる可能性に従って、異なるアクチュエータ58及び/又は増幅段30を具現することも可能である。

0192

アクチュエータを相互接続配置にして、最適な変位軌跡332及び/又は静止維持すべき変位位置34、35の最適な位置補正を確定するために、多次元最適化問題の分野からのさまざまな数値法を用いることが可能である。例えば、モデルベースの閉鎖解により、例えば疑似逆法(pseudo-inverse method)又はラグランジュ最適化により、方法を確定することができる。疑似逆法が適しているのは、特に最大電力の等価条件の場合である。ラグランジュ最適化が適しているのは、特に最大電力の条件以下の場合である。

0193

全ての可能な代替案試験すること(いわゆる力まかせ探索)により、最適な変位軌跡332及び/又は最適な位置補正を確定することも可能である。

0194

最適な変位軌跡332及び/又は最適な位置補正を確定するのに適した数値法の例として、いわゆる最急降下アルゴリズムシンプレックスアルゴリズム、又は切除平面アルゴリズムが挙げられる。代替的なアルゴリズムも同様に可能である。

0195

最適化パラメータの決定のためには、特に2段階法を行うことができる。この場合、単調関数により変位軌跡33iをモデリングする。変位軌跡33iは、基底関数の重ね合わせ、特に例えばこのような関数の和による異なる周波数の多項式又は正弦波振動により表すことができる単調関数によって特にモデリングされる。運動軌跡33iをモデリングするための関数は、特に変位軌跡33iのあらゆる点で必要な電力の計算を可能にする。

0196

第2ステップにおいて、基底関数の係数が続いて求められる。閉ループ(closed)又は数値最適化がこの目的で行われる。

0197

変位軌跡変位軌跡332及び/又は位置補正の適応的最適化のために、これらの方法を外部の別個の制御ユニットで、特に外部計算ユニットで実現及び実施することができる。これらの方法は、アクチュエータ近傍論理(near-actuator logic)で実現及び実施することもできる。部分的に外部での実現と部分的にアクチュエータ近傍論理との組合せも同様に可能である。同じことが、アクチュエータ58の電子駆動の実現に当てはまる。

0198

本発明による概念を、図16及び図17を参照して言い方を変えて以下で一般に再度説明する。図16は、少なくとも2つのアクチュエータ58を用いて、メカトロニクスシステム62の機械コンポーネント、特に光学コンポーネント61の変位中のピーク電力を最小化するためのシステム構成及び実現疑念を概略的に示す。

0199

図16の左側は、システム設計及びシステム最適化を表す方法ステップ64を概略的に示す。この方法ステップは、本発明によれば、概略的に示す以下の部分概念からの選択に関する:機械システム設計65、電子システム設計66、及びアルゴリズムシステム設計67。

0200

これは、機械及び電子システムコンポーネントの設計を特に意味するとみなされる。この場合、電子コンポーネントの設計は、システムで求められる電気機能を達成するためのその選択及び相互接続を意味する。

0201

一連の異なる要件及び境界条件68iが、システム設計及びシステム最適化で考慮される。境界条件681は、例えばコンポーネント61の全ての可能な変位位置のセットを表すことができる。境界条件682は、最大許容ピーク電力を表すことができる。

0202

本発明に従って提供される変形形態は、メカトロニクスシステム62の始動前のアルゴリズムシステム設計67、電子システム設計66、及び機械システム設計65からの選択に、またシステムの動作中の最適な作動軌跡に関する関連の適応システム構成及び実現にも対処する。さまざまな可能性を相互に組み合わせることが有利であり得る。

0203

作動軌跡、特に最適な作動軌跡、駆動方式、及び/又は関連の駆動プロトコルは、システムの動作前に確定することができ、メモリ69に記憶することができる。メモリ69は、増幅段30及び変位軌跡33の可能な構成を記憶するための異なる部分領域70、71を有することができる。

0204

変位軌跡33は、対応のアルゴリズム手段を用いて制御デバイス29によりシステム動作時間中に求めることもできる。

0205

メモリ69は、データ伝送可能に制御デバイス29に接続される。制御デバイス29は、コンポーネント61の作動中のピーク電力Pmaxを最小化するためのアルゴリズム手段を含む。制御デバイス29は、1つ又は複数の制御及び/又は調節ユニット72を介して増幅段30に接続される。制御ユニット29は、特に1つ又は複数のデータ伝送素子73を介して制御及び/又は調節ユニット72に設定位置を送ることができる。

0206

制御デバイス29は、目標変位位置を事前定義する役割を果たすデータ入力74を有する。

0207

制御デバイス29は、さらに別のデータ伝送素子75を介して増幅段30、特にその構成電子回路76に直接データ伝送可能に接続される。

0208

さらに、メカトロニクスシステム62は、1つ又は複数のセンサ素子77を備える。センサ素子77は、変位対象のコンポーネント61の変位位置を確定する役割を果たす。確定された位置は、1つ又は複数のデータ伝送接続78を介して制御デバイス29及び/又は制御及び/又は調節ユニット72に送られる。

0209

構成電子回路76を有する増幅段30は、変位対象のコンポーネント61及びセンサ素子77と共にアクチュエータ近傍コンポーネント79を形成する。

0210

メモリ69、制御デバイス29、及び制御及び/又は調節ユニット72は、1つ又は複数の別アセンブリ80として具現することができる。別アセンブリ80は、アクチュエータ近傍アセンブリ80として実現することができる。これらは、外部アセンブリ80として、特に外部デジタル論理アセンブリとして実現することもできる。

0211

図17は、メカトロニクスシステム62の動作中のピーク電力低減のアルゴリズム実施を概略的に示す。第1ステップ81において、目標位置、特に新たな目標位置が事前定義される。これは、第2変位位置35を含み得る。

0212

測定ステップ82において、コンポーネント61の作動位置が続いて測定される。実際の位置は、第1変位位置34であり得る。

0213

実際の位置を求めるための測定ステップ82に続いて、一方では、実際の位置及び目標位置に関連する変位軌跡33を決定する決定ステップ83がある。これは、メモリ69、特に部分領域71から対応の変位軌跡33を読み出すことにより、又はシステムの動作中に変位軌跡33を最適化することにより行うことができる。これら2つの可能性の組合せも同様に可能である。

0214

他方では、変位軌跡33を決定するために、実際の位置及び目標位置に関連するドライバ増幅器構成を決定するための決定ステップ84もさらに提供することができる。上記構成も同様に、メモリ69から、特にその部分領域70からの読出しにより、又はシステムの動作中の最適化により決定することができる。これら2つの可能性の組合せも同様に可能である。決定ステップ84に続いて、増幅段30を構成するための構成ステップ85がある。

0215

最後に、事前定義ステップ86が、変位軌跡33に従ってドライバ増幅器を介して作動されたアクチュエータ58による機械素子の作動の設定値を事前定義することを含む。

0216

投影露光装置1のための本発明による上記コンポーネント及び方法の使用時には、レチクル及びウェーハが用意され、当該ウェーハは、照明光11に対して感光性のコーティング担持する。その後、レチクルの少なくとも一部が投影露光装置1を用いてウェーハに投影される。ウェーハへのレチクルの投影中、レチクルホルダ及び/又はウェーハホルダを物体平面6と平行且つ/又は像平面9と平行な方向に変位させることができる。レチクル及びウェーハは、相互に同期して変位できることが好ましい。最後に、照明光10に曝されたウェーハ上の感光層が現像される。微細構造又はナノ構造コンポーネント、特に半導体チップが、このようにして製造される。

0217

本発明を投影露光装置1に基づいて説明したが、本発明による概念の用途はそれに限定されない。原理上、少なくとも1つの機械素子の位置を少なくとも2つのアクチュエータ58の電子駆動により設定及び/又は調節する他のメカトロニクスシステムにもこれを適用可能である。これが特に有利なのは、群別に又は相互接続配置で変位させることが意図される機械素子を有するメカトロニクスシステムである。特に、繰り返し、特に既定の時点で、例えば周期的に変位させることが意図される機械素子を有するシステムにこれは重要である。

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