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技術 組織治癒のためのシステム及び方法

出願人 アトミックメディカルイノベーションズ,インコーポレイティド
発明者 ジェイセクストン
出願日 2015年2月13日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-569568
公開日 2017年3月9日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-506570
状態 未査定
技術分野 媒体導出入付与装置
主要キーワード 飛行機翼 陰電気 閉塞シール 気密材料 休止サイクル 外部体 物的障壁 垂直分布
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題・解決手段

患者創傷処置するための陰圧創傷部治療システムで使用するためのシステム、方法、及びデバイスを提供する。種々の態様は、ドレッシング交換中に、実質的に創傷部組織に対して損傷を与えることなく、平滑筋瘻孔などの創傷部に直接適用されるように適合させたエステル系材料を含み得る。該エステル系材料は、創傷床表面及び/又は創傷液に対する親和性を有し得る。加えて、様々な態様は、平滑筋瘻孔などの創傷部を閉じることに適合させたデバイスを含み得る。

概要

背景

陰圧創傷治療は、人体の様々なタイプの急性又は慢性創傷治癒及び閉鎖を促進するために使用される治療技術である。陰圧創傷治療は、創傷部の体液吸い出すために創傷床(wound bed)上に大気圧より低い環境を作り出す創傷床管理技術である。大気圧より低い環境の効果は、炎症を軽減し、かつ、創傷内血流量を増大して、創傷部により酸素豊富な環境を提供し、そして、創傷治癒白血球タンパク質炭水化物、及び増殖因子送達を改善することである。

一般に、創傷部は、生理的食塩水及び/又は抗生物質洗浄され、そして、創傷部の輪郭に合わせた非接着性材料で覆われ得る。吸収性ドレッシングが非接着性材料の上を覆って適用され、そして、閉塞材料包帯された創傷部の上を覆って適用されて気密シールを形成する。真空チューブが閉塞材料の開口部に接続される。真空チューブに適用された真空ポンプが、収集及び除去のために創傷部を通った体液を吸い出すのに必要な陰圧を提供する。非接着性材料及び/又は吸収性ドレッシングは、創傷部から排出される体液量患者年齢、臨床目的などの様々な因子に従って変更されてもよい。

吸収性ドレッシングは、創傷部のタイプ、臨床目的、及び患者の快適さの目的で選ばれる多くの材料のうちの任意の1つを含み得る。例えば、皮膚の褥瘡又は糖尿病性潰瘍などの浅い創傷部のために、吸収性ドレッシングはコットンガーゼを含んでもよい。吸収性ドレッシングは、射創下腿潰瘍手術によって形成された空洞などの開腔創傷部のために、フォーム材料を含んでもよい。これらの創傷部は、フォーム材料の高い吸収容量の恩恵を受ける可能性がある軽度、中程度、又重度浸出創傷部であり得る。フォーム材料は、開腔創傷部の縁に合わせて切られ、そして、創傷部の内側に配置されてもよい。従来のフォーム材料は、一般に、約100μm〜600μmの範囲内の細孔直径を有し、そして常に、瘻孔、神経又は敏感な組織を含む創傷部においてフォーム材料と創傷床との間の保護層、一般的にワセリンガーゼと共に使用される。

概要

患者の創傷を処置するための陰圧創傷部治療システムで使用するためのシステム、方法、及びデバイスを提供する。種々の態様は、ドレッシングの交換中に、実質的に創傷部組織に対して損傷を与えることなく、平滑筋瘻孔などの創傷部に直接適用されるように適合させたエステル系材料を含み得る。該エステル系材料は、創傷床表面及び/又は創傷液に対する親和性を有し得る。加えて、様々な態様は、平滑筋瘻孔などの創傷部を閉じることに適合させたデバイスを含み得る。

目的

大気圧より低い環境の効果は、炎症を軽減し、かつ、創傷内の血流量を増大して、創傷部により酸素が豊富な環境を提供し、そして、創傷治癒白血球、タンパク質、炭水化物、及び増殖因子の送達を改善することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

陰圧処置システムにおける、平滑筋瘻孔を含む創傷床処置のための吸収性ドレッシングであって:約0.1μm〜約50μmの幅を有する細孔を含む第1の構造的特徴;及び創傷床からの創傷液の流れを方向づけるように構成される第2の構造的特徴、を備えたエステル系フォームを含む吸収性ドレッシング。

請求項2

前記エステル系フォームが第一層であり、そして、第2の構造的特徴が、第一層の平均細孔サイズより小さい平均細孔サイズを有する細孔を有するエステル系フォームの第二層を含む、請求項1に記載の吸収性ドレッシング。

請求項3

前記第2の構造的特徴が、エステル系フォーム内に1又は複数のあらかじめ形成された流路を含み、かつ、エステル系フォームの平均細孔サイズより大きな平均細孔サイズを有する、請求項1に記載の吸収性ドレッシング。

請求項4

前記1又は複数のあらかじめ形成された流路が、砂時計様形状に配置される、請求項3に記載の吸収性ドレッシング。

請求項5

前記第2の構造的特徴が、エステル系フォーム内に1又は複数の様形状の障壁を含む、請求項1に記載の吸収性ドレッシング。

請求項6

前記1又は複数の翼様形状の障壁が、概して円形に配置される、請求項5に記載の吸収性ドレッシング。

請求項7

前記第2の構造的特徴が、複数の注入ポートを通じて創傷床の上方の領域に液体送達するように構成された送達チューブを含む放射ハウジングを含む、請求項1に記載の吸収性ドレッシング。

請求項8

前記放射状ハウジングが砂時計様形状を有する、請求項7に記載の吸収性ドレッシング。

請求項9

前記細孔の幅が約0.2μm〜約2μmである、請求項1に記載の吸収性ドレッシング。

請求項10

前記細孔が、創傷液が細孔間で拡散できるようなオープンセル構造を有する、請求項1に記載の吸収性ドレッシング。

請求項11

前記細孔の幅が、細胞の幅又は滲出液の材料と相関するように構成される、請求項1に記載の吸収性ドレッシング。

請求項12

平滑筋瘻孔を含む創傷床を処置する方法であって:約0.1μm〜約80μmの幅を有する細孔を持つエステル系フォームを含む吸収性ドレッシングを、平滑筋瘻孔を含む創傷床に直接適用し;そして、該吸収性ドレッシングに陰圧をかけ、それによって、該創傷床から創傷液を吸い出すこと、を含む方法。

請求項13

前記吸収性ドレッシングの上を覆う閉塞材料を適用し、創傷床においてシールを形成することを更に含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記吸収性ドレッシングが、エステル系フォーム内に存在しかつ創傷床から吸い出される創傷液に流動パターンを示すのに適合させた第2の構造的特徴を含む、請求項12に記載の方法。

請求項15

前記エステル系フォームが、少なくとも2つの層を含み、そして、第一層が、第二層の平均細孔サイズより大きな平均細孔サイズを有する、請求項12に記載の方法。

請求項16

平滑筋瘻孔を含む創傷床の処置のための陰圧処置システムであって:約0.1μm〜約50μmの幅を有する細孔を含む第1の構造的特徴及び創傷床からの創傷液の流れを方向づけるように構成される第2の構造的特徴を備えたエステル系フォームを含む吸収性ドレッシング;及び該吸収性ドレッシングに陰圧をかけ、それによって、創傷床から創傷液を吸い出すように構成された真空ポンプ、を含む陰圧処置システム。

請求項17

前記吸収性ドレッシング上に適用され、創傷床においてシールを形成し、かつ、該吸収性ドレッシングに対する真空ポンプに接続するための開口部を有するように構成された閉塞材料を更に含む、請求項16に記載の陰圧処置システム。

請求項18

前記エステル系フォームが第一層であり、かつ、第2の構造的特徴が、第一層の平均細孔サイズより小さい平均細孔サイズを有する細孔を有するエステル系フォームの第二層を含む、請求項16に記載の陰圧処置システム。

請求項19

前記吸収性ドレッシングと前記創傷床との間に配置されるように適合させた界面層を更に含む、請求項16に記載の陰圧処置システム。

請求項20

前記界面層がエステル系材料を含む、請求項19に記載の陰圧処置システム。

請求項21

前記界面層が、約0.1μm〜約50μmの幅を有する細孔を有するフィルムを含む、請求項20に記載の陰圧処置システム。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本開示は、2014年2月14日に出願された米国仮特許出願第61/940,245号の利益を主張するものであり、その内容を全体として参照によって本明細書中に援用する。

背景技術

0002

陰圧創傷治療は、人体の様々なタイプの急性又は慢性創傷治癒及び閉鎖を促進するために使用される治療技術である。陰圧創傷治療は、創傷部の体液吸い出すために創傷床(wound bed)上に大気圧より低い環境を作り出す創傷床管理技術である。大気圧より低い環境の効果は、炎症を軽減し、かつ、創傷内血流量を増大して、創傷部により酸素豊富な環境を提供し、そして、創傷治癒白血球タンパク質炭水化物、及び増殖因子送達を改善することである。

0003

一般に、創傷部は、生理的食塩水及び/又は抗生物質洗浄され、そして、創傷部の輪郭に合わせた非接着性材料で覆われ得る。吸収性ドレッシングが非接着性材料の上を覆って適用され、そして、閉塞材料包帯された創傷部の上を覆って適用されて気密シールを形成する。真空チューブが閉塞材料の開口部に接続される。真空チューブに適用された真空ポンプが、収集及び除去のために創傷部を通った体液を吸い出すのに必要な陰圧を提供する。非接着性材料及び/又は吸収性ドレッシングは、創傷部から排出される体液量患者年齢、臨床目的などの様々な因子に従って変更されてもよい。

0004

吸収性ドレッシングは、創傷部のタイプ、臨床目的、及び患者の快適さの目的で選ばれる多くの材料のうちの任意の1つを含み得る。例えば、皮膚の褥瘡又は糖尿病性潰瘍などの浅い創傷部のために、吸収性ドレッシングはコットンガーゼを含んでもよい。吸収性ドレッシングは、射創下腿潰瘍手術によって形成された空洞などの開腔創傷部のために、フォーム材料を含んでもよい。これらの創傷部は、フォーム材料の高い吸収容量の恩恵を受ける可能性がある軽度、中程度、又重度浸出創傷部であり得る。フォーム材料は、開腔創傷部の縁に合わせて切られ、そして、創傷部の内側に配置されてもよい。従来のフォーム材料は、一般に、約100μm〜600μmの範囲内の細孔直径を有し、そして常に、瘻孔、神経又は敏感な組織を含む創傷部においてフォーム材料と創傷床との間の保護層、一般的にワセリンガーゼと共に使用される。

課題を解決するための手段

0005

本発明の様々な実施形態は、患者の創傷を治療するための陰圧創傷部治療システム用のドレッシング、システム及び方法を提供する。本発明の種々の態様によるドレッシング、システム及び方法は、包帯の交換中に創傷部組織に対して損害を実質的に与えることなく、平滑筋瘻孔などの創傷部に直接適用されるように適合させたエステル系材料を含んでもよい。エステル系材料は、創傷床表面及び/又は創傷液(wound fluid)に対する親和性を有していてもよい。圧力下において、エステル系材料は、創傷部及びドレッシングを通じた創傷液の移動の均一性を促進し、そして、創傷部内の温度を調整することができる。

0006

加えて、本発明の種々の態様によるシステム及び方法は、平滑筋瘻孔などの創傷部を閉じることに適合させたデバイスを含み得る。

0007

以下の説明に役立つ図面に関連して考えた場合、本発明のより完全な理解は詳細な説明を参照することによって得られる。以下の図面では、近い数字は、図面を通じて類似した要素及びステップを指す。

0008

図中の要素及びステップは、簡単かつ明確にするために例示されているのであって、必ずしもいずれか特定の順序又は大きさに従うわけではない。例えば、並行して又は異なった順番で実施されてもよいステップが、本発明の実施形態の理解を改善する助けとなるように図面で例示されている。加えて、構造的特徴の図示的表示は、図解を目的として簡略化された。

0009

記載した図面は例示目的だけのために存在するものであり、どのような形であっても本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の種々の態様は、詳細な説明及び付随する図面からより完全に理解され得る。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の一実施形態による吸収性ドレッシングを含んでいる陰圧創傷部治療処理システムの簡略化した横断面図を図式的に例示する。
図2は、本発明の別の実施形態による不可欠な真空を含んでいる陰圧創傷部治療処理システムの簡略化した横断面図を図式的に例示する。
図3Aは、従来の吸収性ドレッシングの細孔サイズに対する細胞犠牲を図式的に例示する。
図3Bは、図1及び2の実施形態の吸収性ドレッシングの細孔サイズに対する細胞犠牲を図式的に例示する。
図4は、図1及び2の実施形態の吸収性ドレッシングの詳細な細孔構造を図式的に例示する。
図5A〜5Cは、図1及び2の吸収性ドレッシングの更なる実施形態による様々な細孔サイズ及び/又は多層を伴った吸収性ドレッシングの簡略化した横断面図を図式的に例示する。
図5Aの説明に同じ。
図5Aの説明に同じ。
図6は、創傷液の流れを指示するための流路をあらかじめ形成した吸収性ドレッシングを含んでいる陰圧創傷部治療処理システムの別の実施形態の簡略化した横断面図を図式的に例示する。
図7Aは、創傷液の流れを指示するための障壁を有する吸収性ドレッシングを含んでいる陰圧創傷部治療処理システムの更なる実施形態の簡略化した横断面図を図式的に例示する。
図7Bは、図7Aの障壁の簡略化した横断面図を典型的に例示する。
図8Aは、創傷液の流れを指示するために放射ハウジングを有する吸収性ドレッシングを含んでいる陰圧創傷部治療処理システムの更なる実施形態の簡略化した横断面図を図式的に例示する。
図8Bは、図8Aの放射状ハウジングの簡略化した透視図を典型的に例示する。
図8Cは、図8Bの放射状ハウジングの簡略化した横断面図を典型的に例示する。
図8Dは、直線I−I’と平行して図8Cの放射状ハウジングの簡略化した横断面図を典型的に例示する。
図9は、陰圧創傷部治療処理システムの実施形態に組み込み得る治癒層を含んでいる陰圧創傷部治療処理システムの簡略化した横断面図を図式的に例示する。

0011

詳細な説明
本発明は、機能的ブロック成分と様々な処理ステップの観点から記載し得る。斯かる機能的ブロックは指定された機能を実施し、様々な結果を得るように構成されたいろいろな成分によって実現され得る。例えば、本発明は、様々な処理ステップ、装置、システム、方法などを利用し得る。加えて、本発明は、開放創を治療するためのいろいろなシステムや方法に関連して実施され得る。更に、本発明は、創傷部の処置、創傷床の準備、創感染の治療又は予防、炎症の軽減、創傷部からの体液抽出創傷ドレッシングの変更、及び創縁前進予防のためのいろいろな従来の手法を利用し得る。

0012

示された及び記載された特定の実施は本発明とそのベストモードを例示するものであるので、どのような形であっても本発明の範囲を違った形で限定することを意図するものではない。実際には、簡潔にするために、システムの従来の製造、接続、調製、及び他の機能的態様は、詳細に記載されないかもしれない。更に、様々な図面に示されている接続線は、様々な要素間の機能的関係及び/又はステップに関する例を表すことを意図する。多くの代替又は追加の機能的関係又は物理的結合が実用システムに存在し得る。

0013

「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」又は「含んでいる(including)」という用語、或いはそのあらゆる変化形は、一覧の要素を含む処理、方法、物品組成物、システム、又は装置が列挙した要素だけを含まないが、明白に列挙されていないか又は斯かる処理、方法、物品、組成物、システム、又は装置に固有の他の要素も含み得るような非排他的包含を言及することを意図している。

0014

「少なくとも1つ」といった表現が、要素の一覧に先行するとき、該要素の一覧全体を修飾するが、その一覧の個々の要素を修飾しない。更に、「してよい(may)」の使用は、本発明の実施形態を説明するとき、「本発明の1又は複数の実施形態」を指す。

0015

第一の要素が第二の要素に「連結され(coupled)」又は「接続され(connected)」ていると記述される場合、第一の要素が第二の要素に直接「連結され」ていても又は「接続され」ていても、或いは他の1又は複数の介入要素が第一の要素と第二の要素の間に位置していてもよい。

0016

空間的な相対的用語である「下に(beneath)」、「下方に(below)」、「下側に(lower)」、「下向き(downward)」、「上に(above)」、「上方に(upper)」などは、図面で例示される1つの要素又は特徴の(単数若しくは複数の)別の要素又は特徴に対する関係を説明するための記述を容易にするために本明細書中に用いられる場合がある。空間的な相対的用語は、当然のことながら、図面に示される配向に加えて、使用又は操作されるデバイスの異なる配向も包含することを意図する場合がある。例えば、図面のデバイスがひっくり返される場合、他の要素又は特徴に対して「下方に」又は「下に」と記載される要素は、その場合、他の要素又は特徴に対して「上に」配向されることになる。従って、例として挙げた「下方に」は、上に及び下にの両方の配向を包含し得る。デバイスは、それ以外に配向される場合もあり(90度回転又は他の配向)、本明細書中で使用される空間的な相対的記述は、それに応じて解釈される。

0017

「第一」、「第二」、「第三」などの用語は、様々な要素、成分、領域、層、及び/又は部分を記載するために本明細書中に使用され得るが、当然のことながら、これらの要素、成分、領域、層、及び/又は部分はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、単に、1つの要素、成分、領域、層又は部分を、別の要素、成分、領域、層又は部分と区別するために使用されるだけである。従って、以下で考察される第一の要素、成分、領域、層又は部分は、本発明の概念の要旨及び範囲から逸脱することなく、第二の要素、成分、領域、層又は部分と呼ばれる可能性がある。

0018

本明細書中に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、本発明の概念を限定することを意図するものではない。本明細書中に使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈からそれ以外が明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。

0019

本明細書中に使用される場合、「実質的に(substantially)」、「約(about)」という用語、及び類似の用語は、近似の用語として使用されるため、程度の用語としては使用されず、当業者によって認識される計測値又は計算値の固有のずれを考慮することが意図される。

0020

本発明の様々な代表的な実施は、ヒト又は動物の体の創傷部組織の任意の領域に適用され得る。いくつかの実施形態において、損傷組織としては、創閉鎖が所望される下層組織露出され得る貫通創を挙げることができる。一実施形態において、本発明は切開傷に適用されてもよい。貫通創としてはまた、外科手術及び/又は外傷性傷害によって生じた創傷部、平滑筋瘻孔を含めた瘻孔、裂創、例えばやけど化学的創傷、電気的創傷などの熱傷を挙げることができる。例えば、損傷組織は1又は複数の瘻孔を含んでいてもよい。瘻孔は、射創、帝王切開クローン病、及び他の様々な疾患、傷害又は外科手術を含めた様々な外傷性傷害から生じ得る。瘻孔は、例えば血管、皮膚、腸又は他の中腔臓器などの2つの上皮表面の間に起こり得る。通常起こる瘻孔の1つのタイプは、腸皮フィステルであり、それは腸と皮膚表面との間に起こる。しかしながら、本発明は、それに限定されることなく、消化器系の他の瘻孔又は身体の他の系に位置する瘻孔を含めた様々なタイプの瘻孔に適用され得る。

0021

いくつかの実施形態において、本発明の様々な代表的な実施は、平滑筋組織を含めた創傷床の治癒を促進するために任意の系に適用され得る。特定の代表的な実施は、例えば、陰圧創傷部治療を使用した平滑筋組織の瘻孔の処置及び治癒のために少なくとも部分的に又は完全に閉塞する創傷ドレッシングを提供するために好適なシステム又は方法を含み得る。一実施形態において、陰圧創傷部治療システムは、創傷液を吸収するために創傷床に接触するように直接適用される吸収性ドレッシングを含み得る。いくつかの実施形態において、1又は複数の治癒層が、吸収性ドレッシング下で平滑筋組織を含む創傷床に適宜適用され得、そして、創閉鎖及び治癒を更に促進し得る。治癒層には、創傷床からの創傷液を吸収するための吸収性ドレッシングで覆われていてもよい。閉塞シールが、吸収性ドレッシング及び創縁を覆っていてもよい。真空ポンプは、創傷床に対して吸収性ドレッシングを通じて陰圧を伝達しながら、閉塞シールに接続され得る真空チューブに連結され得る。真空ポンプの起動は、ドレッシング交換による除去のための創傷床から吸収性ドレッシング中への創傷液の引抜きを引き起こし得る。

0022

平滑筋瘻孔は、露出した平滑筋組織を含む開腔創傷部であり得る。堅くかつ比較的粗い組織を含んでいる心筋骨格筋と異なり、平滑筋は、異物が触れると、壊れやすく、脆く、そして容易に損傷するか又は剥がれてしまう。フォーム(foam)又はガーゼなどの従来の吸収性ドレッシングを使用する陰圧創傷部治療は、例えば、心臓組織神経組織、腱、露出した血管、及び平滑筋組織の壊れやすい性質に起因して特定の瘻孔の処置において禁忌である。特に、臨床の標準的実施では、平滑筋を含むあらゆる創傷部へのフォーム又はガーゼ、或いは従来の吸収性ドレッシングの直接的な接触は許されないが、斯かる直接接触が平滑筋組織に損傷を与え、創傷を悪化させ、そして、治癒を妨げることが知られているからである。理論によって拘束されるものではないが、斯かるシステムは瘻孔から不均一に創傷液を不適切に吸い出し、創傷部における組織の増殖抑制を増強し、そして、ドレッシング交換中に望ましくない細胞犠牲を引き起こすと考えられる。少なくともこれらの理由で、一般に、瘻孔は閉鎖した瘻孔を縫合する、接着する、及び/又はホッチキスでとめるなどの方法によって創傷部を閉じる機械的な試みを用いて治療される。斯かる機械的創閉鎖は、瘻孔の治癒を促進する際のわずかにしか成功しない。

0023

図1を参照すると、陰圧処置システム100は吸収性ドレッシング101を含み得る。一実施形態において、吸収性ドレッシング101は、創傷床120と直接接触する状態で配置されてもよい。創傷床120は、平滑筋瘻孔122を囲む平滑筋組織121を含み得る。吸収性ドレッシング101はまた、骨格筋組織及び平滑筋組織、骨(未掲載)、及び他の組織を含めた瘻孔122に隣接した及び創傷床120内の様々な組織123とも接触し得る。閉塞材料130は、吸収性ドレッシング101を覆い、創傷床120の縁部125に隣接する皮膚124に接着し得る。閉塞材料130の適用は創傷床120の上を覆う気密シールを提供し得る。閉塞材料130はプラスチックなどの好適な任意の気密材料を含み得る。一実施形態において、アダプター131は閉塞材料130に連結されて、気体又は創傷液の継代のために閉塞材料130を通じてアクセスポイントを提供すると同時に、創傷床120の上を覆っている閉塞材料130の気密シールを維持し得る。従来の真空チューブコネクタ132がアダプター131に連結されてもよい。真空チューブ133は、真空チューブコネクタ132及び真空ポンプ134に連結され得る。真空ポンプ134は、圧電性ポンプ音波ポンプ、及び/又は機械式ポンプなどの陰圧治療システムと共に使用される任意の好適な従来の真空ポンプを含み得る。斯かる従来の真空ポンプは、0〜200mmHgの量で陰圧を適用できる。真空ポンプ134の起動は、創傷床120全体に減圧環境を提供し得る。

0024

使用に際し、医師などの医療関係者は、吸収性ドレッシング101を(平滑筋瘻孔122を含む)創傷床に直接適用し得る。創傷液が吸収性ドレッシング101中に吸収され始めてもよい。閉塞材料130は、創傷床120の縁部125を完全に覆うように吸収性ドレッシング101を覆ってもよい。次に、医療関係者は、閉塞材料130に対して、それが皮膚124に接着し、創傷床120の上を覆う気密シールを作り出すまで圧力をかけ得る。アダプター131は陰圧の供給源、例えば真空ポンプ134に接続され得る。真空ポンプ134は、アダプター131に接続するための真空チューブコネクタ132と真空チューブ133で構築され得る。アダプター131はまた、閉塞材料130のアクセスポイントに接続されて、真空ポンプ134から吸収性ドレッシング101に陰圧を送ることもできる。真空ポンプ134を起動することにより、陰圧が吸収性ドレッシング101に適用され、それによって、吸収性ドレッシング101及び創傷床120から創傷液を吸い出し得る。

0025

図2の代替の実施形態において、陰圧処置システム200は、吸収性ドレッシング101中に組み込まれた真空ポンプ234を含み得る。この実施形態において、真空チューブ133又は真空チューブコネクタ132を必要とすることはできない。不可欠な真空ポンプ234は、平滑筋瘻孔122に罹患している患者が改善された移動の自由度を有することを可能にし得るか、又は陰圧処置システム100を使用しながら患者が完全に歩行可能にし得る。斯かる移動は、図1に示されているように真空チューブ133が外部真空ポンプ134に接続されるときには、制限される可能性がある。この実施形態は、図1の実施形態と同様に機能するが、しかしながら、医療関係者が吸収性ドレッシング101に陰圧を適用するために別個に真空チューブコネクタ、真空チューブ又はアダプターを組み立てる必要がない。

0026

本発明の様々な実施形態において、吸収性ドレッシング101は、平滑筋を含んでいる創傷部などの創傷部との直接的な接触に好適な任意の生体適合性吸収材を含み得る。一実施形態において、生体適合性吸収材は、生きている組織及び/又は創傷液に親和性を有し得る。創傷液は、滲出液漏出液細胞外マトリックス、血液、及び/又は様々な粘性を有する創傷部から出てくるその他のタイプの体液を含み得る。いくつかの実施形態において、生体適合性吸収材は、様々な粘性を有する創傷液を吸収すること及び/又は保留することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、生体適合材は、減圧環境及び/又はドレッシング交換中に細胞破損又は損傷を実質的に引き起こすことなく平滑筋121との接触に適合させ得る。いくつかの実施形態において、吸収性ドレッシング101はエステル系材料を含み得る。

0027

エステル系材料は、縁部125に合わせることなど創傷床120の境界に合わせることための切り取りに好適なフォームに形成されてもよい。エステル系材料は、平滑筋121の表面に露出される及び/又は直接接触し得るエステル官能基を含み得る。エステル官能基は、一般化学式

0028

0029

を有するカルボン酸誘導体である。エステルは、少なくとも1つの−OH(ヒドロキシル)が−Oアルキルアルコキシ)基によって置換されている無機酸又は有機酸から誘導され得る。エステル官能基のカルボニル酸素は、脱局在化したカルボカチオンによる部分的な負の電荷を有し得る。エステル官能基は少なくとも3回の化学反応が可能であり得る。まず最初に、親電子的なカルボカチオンが水酸化物などの別の分子による求核攻撃被害を受け易く、カルボカチオンへの求核試薬の添加をもたらし得る。斯かる求核攻撃はエステルの加水分解をもたらし得る。2番目に、求電子試薬が高度に陰電気を帯びたカルボニル酸素によって受け入れられ得る。求電子試薬は水素イオンであってもよい。従って、カルボニル酸素は分子間水素結合形成に関与し得る。3番目に、カルボカチオンに隣接した炭素が、塩基による脱プロトン反応を受け、隣接している炭素又は共鳴構造によって安定化されている場合には、カルボニル酸素上に負の電荷を残し得る。

0030

様々な実施形態において、任意の1又は複数のこれらのエステル官能基の反応性は、特に平滑筋組織121に直接適用されるときには、生きている組織及び/又は創傷液に対するエステル系材料の親和性に関与し得る。エステル官能基は、細胞膜リン脂質二重層などの創傷床120内の細胞上の極性基や、創傷床120によって産生される創傷液の水成分や、腸液などの平滑筋瘻孔122を通過して出てくる体液の水成分を含めた創傷床120における様々な分子に対して親和性を有し得る。

0031

先に記載したように、エステル官能基は、水素結合形成、加水分解を含めた求核付加、及び/又は塩基脱プロトン反応を通じて平滑筋組織121と相互作用し得る。理論によって拘束されるものではないが、これらの化学的相互作用は、吸収性ドレッシング101と平滑筋組織121との間の接触面に沿って形成され、平滑筋組織121の露出面上に陰圧のリフティング力を均一に広げ、上向きの一貫した一定の牽引力を生じ得ると考えられる。

0032

吸収性ドレッシング101及び/又は界面層902(以下の図8A〜8Bに関して考察される)のエステル官能と創傷床120内の組織との少なくとも1又は複数の化学的相互作用の存在、並びに真空ポンプからの陰圧は、創傷床120の一定の上向きの及び/又は内部の牽引を促進し得る。上向き及び/又は内部のこの一定の牽引の結果として、エステル系材料は、創傷床120の幾何学的環境にわずかか全く有害な変化又は損傷を生じ得ない、創傷床120を通じた創傷液の一定の移動を促進し得る、及び創傷床120からの創傷液の流量を低減し得る。体液及び/又は内部組織の牽引の低下は、創傷床120の閉鎖と治癒に通じ得る。

0033

真空ポンプ134によって提供された陰圧環境と組み合わせた平滑筋組織122とエステル官能基の反応性は、創傷床120に対して様々な効果を有し得る。理論に拘束されるものではないが、エステル官能基は:創傷部の最適な幾何学的環境、肉芽組織の形成、体温制御、組織の下方増殖の少なくとも部分的な回復、最適な流体管理、及び細胞増殖の誘導、の少なくとも1つを促進し得ると考えられる。

0034

創傷床120の幾何学的環境は、上皮細胞増殖や毛細管内皮細胞遊走などの細胞の遊走、及び創傷担持増殖因子、栄養物、及びタンパク質を通じた滲出液の動きを含めて特定の生理現象に影響を与える。更に考察されるとおり、理論に拘束されるものではないが、創傷液の不均一な移動が創傷床における創傷液の貯留に通じ得る。この貯留は、細胞間の相互作用を乱し得る、及び細胞の歪み又は損傷に通じ得る。エステル系材料は斯かる細胞の歪みを限定し、そして、創傷治癒と閉鎖のために最適な又は改善された幾何学的環境を維持すると考えられ得る。これは、創傷床120の組織とエステル官能基との化学的相互作用に起因し得る。

0035

肉芽組織は、治癒過程を容易にする、創傷床120の表面上の新しい結合組織新生血管の形成を含み得る。肉芽組織の増殖は、創傷床120を充填し、そして、創傷部の閉鎖及び/又は滲出液の排出量の低下を助け得る。平滑筋瘻孔122を含んでいる創傷床120へのエステル系材料の適用は組織の肉芽形成刺激し得る。

0036

創傷床120で正常体温を維持することは、血管収縮及び低酸素を予防し得る、及び感染の危険を低下させ得る。吸収性ドレッシング101を通した滲出液の均一な分布及び移動を提供するエステル系材料の小さな細孔直径111は、エステル系材料を通じた蒸発の低下及び/又は不均一な気流によって創傷床120において正常体温を効果的に調整し得る。エーテル系材料によって呈されたものなどの蒸発及び/又は不均一な気流が、組織代謝を増強し、及びpHの低下させ得る創傷温度の低下を引き起こし得る。創傷組織代謝及びpHにおけるこれらの変化は、出血肉芽組織形成の破損、及び患者の疼痛を引き起こし得る。

0037

連続した又は間欠の陰圧と組み合わせたエステル系材料を含んでいる吸収性ドレッシング101は、創傷床120の強化された体温制御を提供し得る。本発明の様々な実施形態において、エステル系材料は、該エステル系材料上の1又は複数の位置における体温制御を提供し得る。まず最初に、エステル官能基が直接接触をし、そして組織と反応する、エステル系材料の表面と創傷床120の組織との間の接触面が、実質的に正常体温を一貫して維持し得る。2番目に、滲出液がエステル系材料を通過して陰圧の供給源に向かって移動するので、エステル系材料の残存部分が、創傷床120から吸い出された滲出液を均一に分配し、かつ、相互作用し、そして滲出液と水素結合などの化学結合を形成し得る。エステル系材料中の滲出液は、体温より低くなり得る温度の平衡状態確立することができ、かつ、組織界面にエステル系材料の上を覆う断熱材の層を提供し得る。先に記載したように、創傷床の温度の効果的な規制は、治癒に有利に影響し、そして、細胞代謝に至適な温度及びpH維持を提供し得る。更に、エステル系材料は、創傷部への抗生物質の添加といった陰圧処置システム100に適用され得る、かつ、創傷床120に対する低温ショックを予防又は低減し得る、生理的食塩水などの流入する点滴液の温度を高める温度緩衝を提供し得る。

0038

創傷床120の組織とエステル系材料中のエステル官能基との化学的相互作用は、非エステル系材料と比較して、改善された流体管理をもたらし得る。組織及び滲出液に対するエステル官能基の均一に分散された親和性は、陰圧に対応した創傷床120表面の微小ひずみの歪みの影響にもかかわらず、陰圧の供給源に向けて均一かつ規則的な様式で創傷部を通じた滲出液の移動を許容し得る。この親和性は、創傷床120のひだ及び輪郭線における浸出液の一貫した収集を促進し得る。滲出液の一定の移動の効果は、滲出液、体液、及び材料の効果的な除去を提供し、創傷床120表面全体にわたる細胞増殖の一定の方向性を促進する。理論に拘束されるものではないが、エステル官能基の一定の親和性はまた、組織とエステル系材料との間のより緊密な接続に起因する腔又は穿掘性組織の形成を予防又は削減し得る。更に、組織に対するエステル官能基の一定の親和性は、患者の物的移動及び陰圧処置システム100の変更中指向性及び再指向性のある細胞の働きをより少なくすることを必要とし得る。従って、外部体液の点滴浸透、真空休止サイクル、及び/又はドレッシング交換など、体液貯留の問題を軽減させるために産業で使用されるシステムは、必要でない可能性があるか、又は、エステル系材料と共に使用されて、より一層更に改善された結果につながり得る。

0039

創傷床120表面の組織とエステル官能基の相互作用によって引き起こされた上向きの牽引は、創傷床120内への天然に生じる組織の下方増殖を低減する及び/又は少なくとも部分的に逆転し得る。創傷床120内への表皮組織及び深部組織の下方増殖は切開及び創傷によって自然に生じ得る。しかしながら、創傷床120に対してエステル系材料によって提供された上向きの牽引は、創傷床120表面全体にわたって圧力を均一に分配し、創傷床120表面に向かう移動を移動細胞に引き起こし得る。

0040

一実施形態において、エステル系材料はポリウレタン高分子、具体的にはポリエステルであってもよい。従来のエーテル系フォームと比較して、エステル系フォームは、より堅く、より小さい開放網状セル構造を有し、かつ、より高い引張り強度を有する。エステル系フォームはまた、実質的に均一に湿気を保留し、そして、その小さなセル構造及び/又は湿気に対する化学親和力によりフォーム全体にわたって体液を均一に流すことができる。

0041

従来のフォームは一般的に、ポリエーテルトリオール重合体を含めたエーテル系フォームであり、より大きい細孔直径を有する。理論に拘束されるものではないが、該フォーム材料がそれらと共に使用される、平滑筋細胞などの個別の細胞サイズと比較して、これらの比較的大きい細孔サイズが、従来のフォーム材料が創傷部と直接接触した状態で配置されたときに、創傷床に引き起こされる損傷に関与したと考えられる。図3Aは、平滑筋細胞321と比較した、従来のフォーム材料301の細孔直径311の例を典型的に例示する。

0042

加えて、理論に拘束されるものではないが、エーテル系フォームの大きな細孔直径が湿気に保留し、そして湿気が容易にフォームを通り抜けることを許容するフォームの能力を低減すると考えられる。エーテル系フォームを通り抜ける湿気の移動の容易さは、最も低重心なフォーム部分において体液収集を促進する実際の結果があり、エーテル系フォーム中での湿気の偏在に通じる。エーテル系フォームの湿度を保つ能力の低さが、エーテル系フォームが創傷床に対して不十分な体温制御を提供し、創傷床に抗生物質などの添加剤のわずかな送達を提供し、及び患者が動くと気密システム内の湿気の不均一な分散及び貯留に起因して患者の歩行を制限するので、それらが陰圧治療適用において使用されることを不適切にしている。

0043

更に、エーテル系ポリウレタンフォームにおけるエーテル結合の基本的な化学構造はR−O−R’である。中央の酸素は、エステル官能基の酸素より実質的に不活性であり、かなりの水素結合形成が不可能であり、そして、極性を著しく欠いている。理論に拘束されるものではないが、エーテル結合の安定性が、加水分解、並びに酸、酸化剤、還元剤、塩基、及び活性金属種との反応を含めた、エステル系フォームと同じタイプの化学的相互作用又は反応を形成することを不可能にしていると考えられる。エーテル系フォームとエステル系フォームの間の化学的構造及び得られた構造の違いは、異なった適用におけるこれらの材料の性能に影響を与える。陰圧治療システムを使用した治癒適用では、記載したエステル系材料の様々な実施形態によって提供される体温制御と均一な湿気の分布が創傷治癒及び閉鎖を最適化し得る。

0044

エステル系材料を含んでいる吸収性ドレッシング101は、任意の所望の物理特性を得るために製造され得る、及び/又は更に処理され得る。いくつかの実施形態において、所望の物理特性は、体液、乾燥引張り強度、及び/又は湿式引張り強度に対して、例えば細孔密度細孔形状、細孔網目、細孔の透過性などの細孔サイズ及び構造を最適化し得る。エステル系材料の処理は、保留された体液の飽和体積を維持するエステル系材料の能力を更に最適化し得る。例えば、創傷床120に適用された吸収性ドレッシング101のエステル系材料は、最終的に、平滑筋瘻孔122を通り抜けて出てきた創傷液で飽和されるようになってもよい。創傷液は真空チューブ133を通じて吸収性ドレッシング101から絶えず取り除かれ得るので、同時に、創傷液は平滑筋瘻孔122から吸収性ドレッシング101に絶えず入ってゆくことができる。エステル系材料の創傷液に対する親和性の結果として、飽和した吸収性ドレッシング101は、真空チューブ133を通過するエステル系材料から出てゆくのと、実質的に等しい体積の創傷液、及び/又は分子数の創傷液をエステル系材料中に許容し得る。従って、創傷液の除去は、0〜200mmHgの臨床上の相対的陰圧下で吸収性ドレッシング101によって保持される創傷液の飽和体積は実質的に影響しないかもしれない。理論に拘束されるものではないが、実質的に飽和した吸収性ドレッシング101によって提供されるように、入ってくる体積が出てゆく体積と実質的に等しいこの環境(単純に「1分子入って/1分子出る」環境とも呼ばれる)は、例えば有効な温度規制、陰圧の均一な分布、及び患者の動きにもかかわらず均一な創傷液の分布を維持するなど創傷治癒に対する多くの利益を促進すると考えられる。

0045

他の適用では、吸収性ドレッシング101の細孔の外形は、丸形など細孔110内部の表面積を増大させるために提供される形状を含み得る。斯かる増大した表面積は、創傷床120とエステル官能基との接触を増強することができるので、平滑筋瘻孔122の治癒に有益であり得る。増大した表面積は、腸瘻孔などの高い創傷液流量を有する創傷にとって特に有益であり得る。他の実施形態において、図3Bに示す吸収性ドレッシング101の細孔110の外形は、例えば上皮細胞、骨格筋細胞及び/又は平滑筋細胞などの創傷床120内の主要な細胞型の一般的な形状と相関するように構成され得る。加えて、細孔は、任意の細胞又は創傷床からの滲出液の他の物質のサイズ及び/又は直径と相関するように構成され得る。例えば、細孔110は、骨格筋細胞又は平滑筋細胞の細長いサイズと相関する細長い形状を有し得る。創傷床内に存在し得る細胞型のサイズ及び形状の例が表1に示されている。細孔110は、創傷床120内の他の細胞型の直径、形状及び/又は長さに加えて、以下の任意の細胞型の直径、形状及び/又は長さと相関するように構成されてもよい。しかしながら、細孔110は、八角形六角形ダイヤモンド形又は三方形を含めた様々な形状を有することができる。

0046

0047

いくつかの適用において、吸収性ドレッシング101の細孔直径及び/又はサイズは、創傷床120内の細胞と細孔支柱との相互作用を促進するように特注されてもよい。例えば、細孔直径及び/又はサイズは、創傷床120内の主要な細胞型の直径及び/又はサイズと実質的に同等であってよい。いくつかの実施形態において、細孔幅は、平滑筋細胞のサイズと相関するように約0.1μm〜約100μmであってよい。他の実施形態において、細孔幅は、約0.1μm〜約50μmであってもよい。

0048

理論に拘束されるものではないが、平滑筋細胞の直径に実質的に相当するように細孔110のサイズを縮小することは、図3A〜3Bで典型的に例示されるように、細胞犠牲の減少をもたらすと考えられる。従来のエーテル系フォーム301の細孔310の例は図3Aに例示されている。細孔310は、約400μm〜約600μmの直径311を有し得る。概して、創傷床320の一部の例示に示されている細孔310に隣接する平滑筋細胞321は、ドレッシング交換中に除去され得る(例えば犠牲にされ得る)。

0049

理論に拘束されるものではないが、細胞321の犠牲は、創傷床120を充填するために損傷した組織が再生するときに形成される細胞間結合などの弱い細胞間接触の形成に起因し得ると考えられる。従来のエーテル系フォームの細孔310の支柱又は縁部が、いくらかの平滑筋細胞321と接触し、そして創傷治癒の一部として平滑筋細胞321が分裂するときに形成された弱い細胞間結合を破壊し得る。本発明のある実施形態のエステル系フォームの細孔110が図3Bで例示され得る。いくつかの実施形態において、細孔110は、約30μm以下の直径を有するので、平滑筋細胞の直径とほとんど同じくなり得る。それによって、細孔110はそれぞれの平滑筋細胞121の全長に沿って多く接触し得る。このようにして、細孔110は、平滑筋細胞121が分裂するときの細胞間結合をより近くで、より強く支え足場として機能し得ると考えられる。平滑筋細胞121は、そのため、創傷治癒を妨げ得るフォーム−組織界面における平滑筋細胞121のいかなる損失もなしに、ドレッシング交換中に完全な状態を維持し得る。

0050

図4を参照すると、本発明の様々な実施形態において、エステル系材料を含んでいる吸収性ドレッシング101の細孔110サイズは、平滑筋組織121の犠牲を低減するように適合させ得る。一実施形態において、細孔110のサイズは、約100μm〜600μmの従来のエステル系フォームの細孔サイズより小さい任意の細孔サイズに縮小され得る。いくつかの実施形態において、細孔直径111は、平滑筋細胞の直径と実質的に同等であってもよい。平滑筋細胞は、直径が約0.2μm〜20μmであり、長さが約20μm〜200μmであり得る、短い、細長い、及び紡錘形の形状を含む。一実施形態において、平均細孔直径111は約30μm以下であり得る。例えば、平均細孔直径111は、約0.2〜30μm、又は0.2〜2μmであり得る。

0051

更に、エステル系材料の細孔110は網状細孔であり得る。網目とは、細孔110の管腔112がチャンネル113を通じるなどして隣接している細孔110とつながっているような細孔110の開口特性を指す。隣接している細孔110と接触する細孔110の支柱又は縁部は、網状フォームにおいて元の状態で維持される。理論に拘束されるものではないが、網状吸収性ドレッシング101のオープンセル及び実質的に一定の細孔サイズが、栄養物、酸素、生理活性物質の実質的に均一な拡散を容易にし得るので、創傷床120全体に及ぶ陰圧の適用、及び陰圧創傷治療の適用による滲出液の効果的な除去を可能にする。

0052

本発明の様々な実施形態において、エステル系材料を含んでいる吸収性ドレッシング101の細孔110のサイズは、従来のエステルフォームの細孔サイズより小さい、及び/又は平滑筋細胞121の直径と実質的に同様であり得る。一実施形態において、細孔110は、例えばエステル系材料の光ファイバー鋳型を含めた鋳型、プレス加工法イオンビーム又は超音波衝撃などの衝撃法、化学的エッチング化学薬品浴、及び/又はレーザ照射などを使用した、任意の好適な処理を使用してエステル系材料で作製され得る。

0053

一実施形態において、従来のエステルフォームの細孔は、縮充などの任意の好適な処理により所望のサイズに縮小され得る。縮充処理は、エステル系材料の熱圧縮機械的圧縮、又は化学的圧縮を含み、細孔110の持続的な圧縮をもたらし得る。縮充処理は、ポリウレタンエステルフォームの製造処理中にエステル系材料を加熱し、続いて、所望の細孔密度、該フォーム中の所望の流体動態、及び/又は引張り強度の増大を生じさせる程度の圧縮を適用することを含み得る。様々な実施形態において、生体適合性フォームは、任意の所望の細孔サイズ、多孔度密度、細孔の網目、透過性、及び/又は引張り強度などの任意の所望の物理特性を獲得するように処理され得る。

0054

様々な実施形態において、エステル系材料は、創傷液に対する親和性、陰圧下における吸収性ドレッシング101の収縮を許容するようなエステル系材料の伸縮度、エステル系材料内への均一な創傷液の保持及び/又は吸収、及び/又は添加剤の滞留及び/又は送達などの所望の任意の化学特性を獲得するように製造されてもよい及び/又は更に処理されてもよい。いくつかの実施形態において、エステル系材料は、特定のタイプの創傷床120の治癒を促進するように特注されてもよい。例えば、胆嚢などの非常に酸性性質の平滑筋瘻孔122を含んでいる創傷床120は、重炭酸塩などの中和組成物を用いた含浸などの変性化学物質を伴った吸収性ドレッシング101の恩恵を受けることができる。別の実施形態において、エステル系材料は、アルコール、抗生物質、医薬として活性な化合物などを含んでもよい。従って、吸収性ドレッシング101内の化学物質、細孔サイズ、及び/又は細孔形状は、任意の特定のタイプの創傷床120に対して最大の治療的利益を提供するために最適化及び/又は特注されてもよい。更に、いくつかの実施形態において、エステル系材料は、連結されて1つの粘着性フォーム片を形成する所望の物理特性を有する複数の水平に配列された層を含み得る。

0055

更なる実施形態において、図5A〜5Bで例示されるように、吸収性ドレッシングは各層が各層内に実質的に一定の細孔サイズ及び/又は細孔形状を含んでいるが、隣接している(単数若しくは複数の)層に対して異なった細孔サイズ及び/又は細孔形状を有する2以上のフォーム層を含み得る。例えば、図5Aを参照すると、吸収性ドレッシング501aは、第二層550の細孔551より大きくてもよい直径を有する細孔541を含む第一層540を有してよい。図5Bを参照すると、吸収性ドレッシング501bは、第一層540で覆われた第二層550を含み得る、そして第一層540は追加の第二層550によって覆われ得る。吸収性ドレッシング501bは、所望するのと同じくらい多くの交互に並ぶ層540/550を含み得る。様々な実施形態において、細孔541及び551は、吸収性ドレッシング501a、501bが使用される細胞のおよそのサイズ及び/又は直径であり得る。例えば、細孔551は、約0.1μm〜約10μmであり得、かつ、細孔541は、約10μm〜約100μm、又は約20μm〜約100μmであり得る。従って、多くの細孔541及び/又は細孔551は、創傷床120内の任意の平滑筋細胞の長さを伸長し得る。しかしながら、細孔541及び551はまた、先に考察した任意の様々な形状、サイズ、直径又は網目を含めた先に考察した細孔110の任意の特徴も有し得る。

0056

理論に拘束されるものではないが、540及び550の斯かる交互に並ぶ層を有することは、創傷床120により小さい細孔551を介したより良好なシールを作製すると同時に、より大きい細孔541で(患者による蠕動及び他の動きを補う)より高レベルの吸収及び圧縮性を更に可能にすると考えられる。加えて、第一層540の上部と下部の両方に第二層551を有する吸収性ドレッシング501bでは、吸収性ドレッシング501bが可逆的であることを許容し、医療関係者がそれを使用するのを容易にする。斯かるある実施形態において、細孔541は、約10μm〜約300μmであり、細孔551は、約0.1μm〜約50μmであり得る。いくつかの実施形態において、第一層540は、約0.1mm〜約2mmの厚さを有し、第二層550は、2mm〜8mmの厚みを有し得る。

0057

吸収性ドレッシングの別の実施形態を記載する図5Cを参照すると、吸収性ドレッシング501cでは、細孔541及び細孔551が層560などの同じ層内で組み合わせられてもよい。例えば、より小さい細孔551はより大きい細孔541の間に散在し、ここでは、各細孔551がより大きい細孔541によって囲まれ得る。更に、吸収性ドレッシング501cは、吸収性ドレッシング501cを通した創傷液の流れの体積及び/又は速度を低下するために限定された網目を有する細孔を含み得る。層501cの細孔はまた、任意の先に考察した様々な形状、サイズ、直径又は網目を含め、任意の先に考察した細孔110特徴を有し得る。例えば、層560の細孔は、約0.1μm〜約300μmのサイズを有し得る。

0058

理論に拘束されるものではないが、別々のサイズの細孔を散在させることによって、創傷液がより大きな細孔541とより小さい細孔551を含んでいる経路を通過して移動するので、流体流への抵抗が増大することが考えられる。いくつかの実施形態において、大細孔541を伴った小細孔551の散在は、創傷液に対する吸収層501cの抵抗を増大し、一定の又はより大きい細孔541構造物を有する吸収層と比較して、創傷床120の上を覆うより緊密なシールを作製し得る。この気密シール又は層の圧力抵抗性は、創傷床120からの創傷液産生及び排出の低下、及び/又は腸などの瘻孔の供給源を通した創傷液の逆流の増大につながり得る。更に、理論に拘束されるものではないが、小細孔551及び/又は、大細孔541のサイズの選択は、創傷液からあらかじめ選択された粒子状物の除去を容易にするための濾過機能を提供すると同時に、創傷液産生低下及び/又は流量の方向転換を促進し得る。例えば、小細孔551及び/又は大細孔541のサイズは、様々な細胞破片及び/又は細菌サイズと同様であり得、そしてそれは一般に、真核細胞より実質的に小さい。

0059

層560は、吸収性ドレッシング501c全体を含んでも、或いは、散在させた大細孔及び小細孔を有する追加の層と積層されても、又は第一層及び第二層501a及び501bなどの一定の細孔を有する追加の層と積層されてもよい。更なる実施形態において、任意の吸収性ドレッシング501a、501b、及び501cが、細孔サイズ100μm〜600μmを有する従来のフォームなどの、より大きい細孔サイズを有するフォームと積層されてもよい。加えて、任意の吸収性ドレッシング501a、501b、及び501cは、例えば、本明細書中で考察した吸収性ドレッシング、例えば吸収性ドレッシング101、の様々な実施形態の物理的及び化学的特性を有し得る。

0060

様々な実施形態において、層540、550、及び560などの水平に積み重ねられた層を含んでいる吸収性ドレッシングは、図5Aに示されているように、2つの隣接している層の間の接合部545を含み得る。接合部545は、任意の好適な添加剤によって処理されて、吸収層501a、501b、501cの所望の物理的及び/又は化学的特性を提供し得るか又は改善し得る。例えば、1又は複数の添加剤を含んでいる溶液が、接合部545に塗装されても、スプレーされても、擦りつけられても、吸い取らせても、又は別の方法で適用されてもよい。添加剤は、抗菌物質、医薬的に活性な作用物質ビタミン、半閉鎖物質、皮膚軟化剤保湿剤、薬物などの生体適合材を含み得る。吸収性ドレッシング501a、501b、501cは、創傷床120にその適用前又はその適用時に添加剤中に浸され得る及び/又は飽和状態にされ得る。

0061

吸収性ドレッシング501a、501b、及び501cの使用方法は、図1の実施形態の利用方法と同じである。しかしながら、吸収性ドレッシング501a、501b、及び501cが可逆的でない、すなわち、吸収性ドレッシング501a、501b、及び501cの最外層が異なった細孔サイズを有する実施形態において、最も小さい細孔サイズを有する最外層は、創傷床120の上を覆うより緊密なシールを作製するために創傷床に面して配置され得る。

0062

更なる実施形態において、追加の構造特徴(第2の構造的特徴と呼ばれることもある一方で、吸収性ドレッシングの細孔は第1の構造的特徴とも呼ばれ得る)は、吸収性ドレッシングを通した方向性のある創傷液の流れによって創閉鎖を促進するように吸収性ドレッシングに導入され得る。斯かる構造特徴は、瘻孔122の正中部に向けた組織の牽引を促進するために、創傷床120の縁部125から、特に瘻孔122の縁部626から瘻孔122上の中央領域に向かって創傷液の流れを向かわせ得る。エーテル系フォームなどの従来の吸収性ドレッシングは、吸収性ドレッシングを通過する創傷液の方向性に影響を及ぼす又は誘導する構造特徴を個別に又は意図して利用することはない。方向性のある流体流を引き起こすための任意の適切な方法が吸収性ドレッシング内に実装されてもよい。

0063

その例が図6に例示されている一実施形態において、構造特徴は、瘻孔122の正中部に向けた組織の牽引を促進するために、創傷床120の縁部125、特に瘻孔122の縁部626から吸収性ドレッシング601の中心に向かって創傷液の流れを向かわせ得る。吸収性ドレッシング601は、本明細書中で考察された吸収性ドレッシング、例えば吸収性ドレッシング101、501a、501b、及び501cの様々な実施形態の物理的及び化学的特性を有し得る。吸収性ドレッシング601はまた、創傷液があらかじめ形成された流路614を通過して主に移動するように促するための、小口径細孔の足場615を貫通するあらかじめ形成された大口径細孔の流路614も含み得る。あらかじめ形成された流路614は、足場615の(単数若しくは複数の)細孔サイズと異なった1又は複数の直径を有する細孔(例えば、足場の細孔より大きいサイズ)を含んでいても、又は例えば、創傷床120に最も近い吸収性ドレッシング601の側面から創傷床120から最も遠い反対側への、空洞経路を含んでいてもよい。あらかじめ形成された流路614は、図6に示されているような上部が大きな砂時計の形状などの砂時計様形状に配置され得るか、又はあらかじめ形成された流路614は、対称的な又は下部が大きな砂時計様形状を有してもよい。砂時計様形状とは、横断面を得た砂時計様形状の高さによって、水平方向の吸収性ドレッシング601の横断面が異なったサイズの円としてあらかじめ形成された流路614を示し得るような、三次元の形状であり得る。更なる実施形態において、あらかじめ形成された流路614は、円錐形状の大きい方の開口部が瘻孔122に面している、円錐形状を有し得る。斯かる実施形態において、円錐形状の小さい方の開口部又は頂点は、その上に位置する真空ポンプ134に面していてもよい。

0064

いくつかの実施形態において、2以上の真空ポンプ134、例えば、2〜5個の真空ポンプ134が、あらかじめ形成された流路614の上端616に含まれ得る。あるいは、あらかじめ形成された流路614の上端616の上で円形の陰圧流を作り出すことができる真空ポンプを使用できる。あらかじめ形成された流路614の下端617は、真空ポンプ134の陰圧が、瘻孔122の閉鎖の助けとなるように流体流と瘻孔122の縁部626の内部に向けられるように、瘻孔122の縁部626の間に配置され得る。使用前に、吸収性ドレッシング601は、瘻孔122の縁部626の間に正しく収まるあらかじめ形成された流路614の下端617を有するように切断され得る。理論に拘束されるものではないが、使用に際し、真空ポンプ134によって作り出された陰圧は、創傷液及び瘻孔122の縁部626の両方が上向きに牽引されることができ、そして、あらかじめ形成された流路614の低い圧力のため、創傷液及び縁部626はあらかじめ形成された流路614に向かって牽引されると考えられる。縁部626の動きの有向性は瘻孔122の閉鎖の助けとなる。更に、瘻孔122の縁部626がより密にまとまる場合、吸収性ドレッシング601の更なる実施形態は、あらかじめ形成された流路614の下端が、瘻孔122の縁部626が真空ポンプ134の使用中にまだ内部に向けられるように、先に使用した吸収性ドレッシング601より密にまとめて配置される。この処理は、瘻孔が閉じられ得るか、又は内部への牽引を作り出すには瘻孔の縁部があらかじめ形成された流路に接近しすぎるまで反復され得る。

0065

使用に際し、あらかじめ形成された流路614を含んでいる吸収性ドレッシング601は、平滑筋瘻孔122を含んでいる創傷床120に適用されてもよい。吸収性ドレッシング601は、あらかじめ形成された流路614の下端617が瘻孔122の縁部626の間に存在するように配置され得る。閉塞材料130は、それが創傷床120の縁部125を完全に覆うように、吸収性ドレッシング601の上にかぶせられてもよい。医療関係者は、それが皮膚124に接着し、そして、創傷床120の上を覆う気密シールを作り出すまで閉塞材料130に対して圧力をかけ得る。アダプター131は、陰圧の供給源、例えば真空ポンプ134に接続され得る。真空ポンプ134は、アダプター131に接続するために真空チューブコネクタ132及び真空チューブ133を用いて組み立てられ得る。しかしながら、真図6に示されているように、真空ポンプ134、真空チューブコネクタ132、真空チューブ133、及びアダプター131から成る2セット以上が組み立てられてもよい。アダプター131は、閉塞材料130のアクセスポイントに接続されて、真空ポンプ134から吸収性ドレッシング601に陰圧を流すことを可能にし得る。2以上の真空ポンプ134が使用される場合、各真空ポンプ134と結合した各アダプター131は、閉塞材料130にそれ自身のアクセスポイントを有し得る。真空ポンプ134を起動することによって、陰圧が吸収性ドレッシング601に適用され、それによって、吸収性ドレッシング601及び創傷床120から創傷液が引き抜かれ得る。理論に拘束されるものではないが、真空ポンプによって作り出された陰圧又は真空ポンプ134は、創傷液及び瘻孔122の縁部626の両方を上向きに及びあらかじめ形成された流路614に向かって牽引し得る。

0066

他の実施形態は、図7A〜7Bに示されているように、流体流を方向づけるために圧力勾配及び/又は物的障壁を作り出す構造特徴を含み得る。斯かる構造特徴は、プラスチック、金属又は生体適合材などのその他の材料で構成された障壁770を含み得る。しかしながら、障壁770は吸収層701内に組み込まれ得るので、組織と直接接触した状態にないため、非生体適合材もまた使用され得る。吸収性ドレッシング701は、本明細書中で考察された吸収性ドレッシング、例えば吸収性ドレッシング101、501a、501b、及び501cについて様々な実施形態の物理的及び化学的特性を有し得る。

0067

障壁770は、飛行機翼の形状などの様の形状を有し得る。例えば、図9Cに示されているように、障壁770は、障壁770の前縁772と後縁773を結んだ翼弦線771に沿って非対称であって、障壁770の内側部774の厚さt1が、障壁770の外側部775の厚さt2より厚くなるキャンバを生じ得る。内側部774は、瘻孔122の中心の上の吸収性ドレッシング701の領域に向けられ、そして、外側部775は、瘻孔122の中心の上の吸収性ドレッシング701の領域から外に向けられる。前縁772はまた、瘻孔122からの流体流776の向きに対して迎え角αを有し得る。理論に拘束されるものではないが、翼様の形状の障壁770及び迎え角αは、障壁770の内側部774の間の圧力が障壁770の外側部775を囲む圧力より低い圧力勾配を作り出すためのベルヌーイの法則の利益を得ると考えられる。真空ポンプ134からの陰圧の適用で、瘻孔122の縁部626に沿って瘻孔122から流れる創傷液は、内側部774の間の低圧力の領域に向けられ、瘻孔の開口部を締めつけ、創閉鎖を助ける。

0068

障壁770は、1ピースの構造物又は複数のピースであり得る。例えば、障壁770は、上から見ると、単一の及び/又は一体型ドーナツ形をしている構造物であり得るか、又は障壁770は、瘻孔122の上の領域の周りに円形に配置された複数の重なった翼であり得る。更なる実施形態において、障壁770はサイズが違ってもよい。理論に拘束されるものではないが、障壁770のサイズを変えることによって、例えば、障壁770の円周の周囲を小から大に拡大的に変えることによって、流体流の方向性を制御できと考えられる。

0069

障壁770は、約5mm〜約40mmの前縁772から後縁773までの高さを有し得る。いくつかの実施形態において、障壁770は、約10mm〜約30mmの前縁772から後縁773までの高さを有し得る。障壁770は、約1mm〜約10mmの、内側部774の厚さt1と外側部775の厚さt2を含めた幅を有し得る。いくつかの実施形態において、障壁770は、約1mm〜約3mmの、内側部774の厚さt1と外側部775の厚さt2を含めた幅を有し得る。

0070

使用に際し、障壁770を含んでいる吸収性ドレッシング701は、平滑筋瘻孔122を含んでいる創傷床120に適用されてもよい。吸収性ドレッシング701は、障壁770の前縁772が瘻孔122の縁部626の上又は間に存在するように配置され得る。閉塞材料130は、それが創傷床120の縁部125を完全に覆うように、吸収性ドレッシング701の上にかぶせられてもよい。医療関係者は、それが皮膚124に接着し、そして、創傷床120の上を覆う気密シールを作り出すまで閉塞材料130に対して圧力をかけ得る。アダプター131は、陰圧の供給源、例えば真空ポンプ134に接続され得る。真空ポンプ134は、アダプター131に接続するために真空チューブコネクタ132及び真空チューブ133を用いて組み立てられ得る。アダプター131はまた、閉塞材料130のアクセスポイントに接続されて、真空ポンプ134から吸収性ドレッシング701に陰圧を流すことを可能にし得る。真空ポンプ134を起動することによって、陰圧が吸収性ドレッシング701に適用され、それによって、吸収性ドレッシング701及び創傷床120から創傷液が引き抜かれ得る。理論に拘束されるものではないが、真空ポンプ134によって作り出された陰圧は、創傷液及び瘻孔122の縁部626の両方を上向きに及び障壁770の内側部774の間の領域に向かって牽引し得る。

0071

それに関する例が図8A〜8Dに示されている更なる実施形態は、創傷床120内の組織の持ち上げと同時に緩やかなねじりを促進し得る上向き、かつ、螺旋状のパターンで創傷床120からの創傷液の吸い出しに好適なデバイスを含んでいる構造特徴を含み得る。創傷液がデバイスを通過して吸い出されるときの持ち上げ及びねじる組織の動きは、創傷床120の正中部に向かって創傷縁が共に引かれるのを更に促進し、そして、究極の創閉鎖を促進し得る。図8Aで示されているように、構造特徴は、吸収性ドレッシング801内に組み込まれ得る放射状ハウジング880を含み得る。収性ドレッシング801は、本明細書中で考察された吸収性ドレッシング、例えば吸収性ドレッシング101、501a、501b、及び501c、の様々な実施形態の物理的及び化学的特性を有し得る。放射状ハウジング880は、瘻孔122の中心の上に放射状ハウジング880の中心軸Cがあるように、配置され得る。放射状ハウジング880は、実質的に砂時計の形状をした中空構造を含み得る。あるいは、放射状ハウジング880は、円錐形状の大きい方の開口部が瘻孔122に面している円錐形状構造物を形成する螺旋状に曲げられた1又は複数のチューブを含み得る。理論に拘束されるものではないが、その形状及び構造の長所によって、放射状ハウジング880は、好適な圧力にて放射状ハウジング880を通過して移動する液体を回転させることができると考えられる。液体は、気体、液体又はその両方の組み合わせを含み得る。例えば、液体は、濾過した空気及び/又は生理的食塩水を含み得る。

0072

いくつかの実施形態において、液体は、例えばエアーコンプレッサーによるか、又は放射状ハウジング880の中央領域886を通過して移動する創傷液が真空加圧によって送達チューブ885を通過した気体を引き込むツイストヴェンチュリ効果を生み出すことによるなどして、送達チューブ885を通過した圧力下で放射状ハウジング880内に送達され得る。放射状ハウジング880は、隣接している送達チューブ885から液体を受けることができる放射状チューブ881を含み得る。次に、液体は、放射状チューブ881から注入ポート887を介して放射状ハウジング880の中央領域886に送達され得る。中央領域886は、放射状ハウジング880の放射状チューブ881によって規定され得る。注入ポート887は、創傷液及び組織の得られたトロイダルツイストの回転及び押し上げ力を助長するために放射状ハウジング880の長さ及び/又は高さに沿って直径を変え得る。例えば、注入ポート887は、下にある開口部882ではより大きく、そして、流れ圧縮ゾーン883ではより小さくてもよい。あるいは、注入ポート887は、下にある開口部882でより小さく、そして、流れ圧縮ゾーン883ではより大きくてもよい。加えて、注入ポート887の壁888は、液体の流れを方向づけるように傾けられてもよい。注入ポート887の壁888は、液体が中央領域886の中心に向かうように傾けられてもよい。

0073

いくつかの実施形態において、放射状ハウジング880は、図8Bに示されているように、1本の連続した放射状チューブ881を含み得るか、又は1つに連結された複数の放射状チューブを含み得る。放射状チューブ881は、柔軟性、生体適合性、及び/又は生分解性材料を含み得る。例えば、放射状チューブ881は、放射状チューブ881のそれぞれの層が隣接している層に対してフレキシブルであり得る、及び/又は患者の歩行に備えるために創傷床120との接触に関連してフレキシブルであり得る高分子材料を含み得る。一実施形態において、砂時計の形状を実現するために放射状チューブ881が昇るとき、放射状チューブ881の各層はオフセットされ得る。従って、放射状ハウジング880は、そのそれぞれ異なった直径を有し得る少なくとも3つの混成ゾーンを含んでもよい。例えば、3つの混成ゾーンは、少なくとも下にある開口部882、上にある開口部884、及び流れ圧縮ゾーン883を含み得る。

0074

いくつかの実施形態において、創傷液は、(平滑筋瘻孔122を含んでいる)創傷床120から下にある開口部882を通過して放射状ハウジング880の中央領域886に入ってもよく、そして、真空ポンプ134に向けて上にある開口部884を出ることができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、放射状ハウジング880は、下にある開口部882又は上にある開口部884のどちらかが液体入口又は出口として機能し得るように、対称であり得る。従って、放射状ハウジング880のいずれかの末端が創傷床120に適用されてもよい。斯かる実施形態において、図8Cに示されているように、下方に面し、かつ、創傷床120に触れている放射状ハウジング880の側面は下にある開口部882として機能し得る、そして、上方に面し、真空チューブ133を含めた真空供給源に向いている側面は、上にある開口部884として機能し得る。

0075

いくつかの実施形態において、送達チューブ885は、流れの逆流を予防するための弁、例えば、バタフライ弁、又は機能及び/又は構造が回転ドアと類似している弁などの一方向弁を有してもよい。他の実施形態において、真空ポンプ134がオフにされた後に、真空チューブ133又は真空ポンプ134の中に創傷液がにじみ出るのを予防するために、放射状ハウジング880は、送達チューブ885に一方向性弁を有してもよい。

0076

図8Cに示されてもいるように、いくつかの実施形態において、液体が流れ圧縮ゾーン883の中心に向けられるように、注入ポート887の壁888が傾けられていてもよい。しかしながら、下にある開口部882に最も近い注入ポート887に関して、注入ポート887は、放射状ハウジング880の中心軸Cに向かって液体を押して、結果として瘻孔122の縁部626を押してより密にまとめるために、放射状ハウジング880の中心軸Cに垂直な状態に傾けられてもよい。

0077

いくつかの実施形態において、図8Dに示されているように、注入ポート887の壁888が円周方向に傾けられてもよい。理論に拘束されるものではないが、注入ポート887が円周方向に傾けられることによって、液体は、放射状ハウジングを上に向かって螺旋状のパターンで回転し、そして、液体及び瘻孔122の縁部626のトロイダルツイストをもたらして、瘻孔122の閉鎖を容易にすると考えられる。

0078

本発明の様々な実施形態において、放射状ハウジング880は、真空ポンプ134によって提供された陰圧下で圧縮され得る柔軟で生分解性の材料を含み得る。例えば、放射状ハウジング880は、糖結晶及び/又はクロムガット高分子(a chromic gut polymer)などの溶解し得る組成物で作製されてもよい。いくつかの実施形態において、1又は複数の添加剤は、下にある開口部882を通過して入ってくる創傷液と相互作用するように放射状ハウジング880の内側に適宜適用され得る。例えば、添加剤は、創傷液が放射状ハウジング880をを通過して移動するときに、創傷液の接着又は結合のうちの少なくとも1つを最適化し得る、又は創傷液のトロイダルツイストを促進し得る。いくつかの実施形態において、添加剤は、瘻孔112の特徴を考慮した結果として生じる要求に依存して、放射状ハウジング880の溶解速度を促進するか又は遅くするために添加されてもよい。例えば、糖結晶で作製された放射状ハウジング880に関して、溶解速度を遅くするために添加剤が加えられ得るので、放射状ハウジング880の溶解は創傷治癒速度と相関する。

0079

いくつかの実施形態において、放射状チューブ881は、直径が流れ圧縮ゾーン883に向かって次第に細くなっていてもよい。他の実施形態において、放射状チューブ881の直径は、一定に保たれていても又は流れ圧縮ゾーン883に向かって太くなっていてもよい。放射状チューブ881は、約0.5mm〜約5mmの直径を有し得る。注入ポート887は、丸い形であり、約0.1mm〜約0.7mmの直径を有し得る。しかしながら、注入ポート887は、円形である必要はないので、その他の幾何学的形状を有していてもよい。

0080

放射状ハウジングは、下にある開口部882において、瘻孔122を完全に包囲するのに十分な直径を有し得る。ストマタイズド瘻孔(a stomatized fistula)に関しては、放射状ハウジングは、下にある開口部において、瘻孔を囲むストマタイズド壁(stomatized walls)を含めた瘻孔122は完全に包囲するのに十分な直径を有し得る。例えば、放射状ハウジング880は、約10mm〜約40mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態において、放射状ハウジング880は、約15mm〜約25mmの直径を有し得る。

0081

更なる実施形態において、放射状ハウジング880の放射状チューブ881は、単一の砂時計形状の構造物であり得る。例えば、放射状チューブ881は、送達チューブ885から液体を受ける二重壁構造を含んでもよく、かつ、液体が中央領域886に入るように二重壁構造の内部区画に注入ポートを有し得る。

0082

送達チューブ885は、放射状ハウジング880の片側上の単一管であっても、又は図8C〜8Dに例として示されているように、それは、放射状ハウジング880の向かい合っている側面上の複数のチューブであってもよい。送達チューブ885は、放射状ハウジング880の外縁周辺に配置された2以上のチューブを含み得る。あるいは、放射状ハウジング880は、放射状ハウジング880を囲む二重壁で囲まれた空洞円筒構造であってもよいので、下にある開口部882にて放射状ハウジング880の全周囲の周囲に液体を送達できる。送達チューブ885は、放射状ハウジング880の放射状チューブ881に類似した直径を有し得る。例えば、送達チューブ885は約0.5mm〜約5mmの直径を有し得る。

0083

使用に際し、放射状ハウジング880を含んでいる吸収性ドレッシング801は、平滑筋瘻孔122を含んでいる創傷床120に適用されてもよい。吸収性ドレッシング801は、放射状ハウジング880の下にある開口部882が瘻孔122の縁部626の上又は間に存在するように配置され得る。閉塞材料130は、それが創傷床120の縁部125を完全に覆うように、吸収性ドレッシング801の上にかぶせられてもよい。医療関係者は、それが皮膚124に接着し、そして、創傷床120の上を覆う気密シールを作り出すまで閉塞材料130に対して圧力をかけ得る。アダプター131は、陰圧の供給源、例えば真空ポンプ134に接続され得る。真空ポンプ134は、アダプター131に接続するために真空チューブコネクタ132及び真空チューブ133を用いて組み立てられ得る。アダプター131はまた、閉塞材料130のアクセスポイントに接続されて、真空ポンプ134から吸収性ドレッシング801に陰圧を流すことを可能にし得る。真空ポンプ134を起動することによって、陰圧が吸収性ドレッシング801に適用され、それによって、吸収性ドレッシング801及び創傷床120から創傷液が引き抜かれ得る。理論に拘束されるものではないが、真空ポンプ134によって作り出された陰圧は、創傷液及び瘻孔122の縁部626の両方を上向きに及び中央領域886に向かって牽引し得る。

0084

図9を参照すると、本発明のいくつかの実施形態において、陰圧処置システム900は更に吸収性ドレッシング101と創傷床120の間の創傷床界面層902を含み得る。界面層902は、先に記載した吸収性ドレッシング101、501a、501b、501c、601、701、及び801の任意の実施形態と共にも使用されてもよい。創傷床界面層902は、生きている組織及び/又は創傷部で産生される創傷液に親和性を有する治癒層であってもよい。界面層902は、界面層902と創傷床120との界面にて創傷床120内の組織と、化学結合及び/又は引力などの化学的相互作用を形成し得る。一実施形態において、界面層902は、化学的相互作用が創傷床120の閉鎖を効果的に促進する「化学シール」を形成し得る。創傷床120の閉鎖は、創傷床120からの創傷液の流量を低減し得るか又は排除し得る。創傷床120が平滑筋瘻孔122として腸瘻を含んでいる例に関して、創傷床120からの腸材料の流れは化学シールによって遅らせることができるか又は究極的には止めることができる。

0085

いくつかの実施形態において、界面層902は創傷床120にて陰圧の標準化を提供し得る。閉塞材料130における真空圧の供給源と、創傷床120又は界面層902が接触する吸収性ドレッシング101下部との間の吸収性ドレッシング101を通した陰圧の垂直分布は、吸収性ドレッシング101の厚さによって変化し得る。吸収性ドレッシング101と創傷床120との間への界面層902の適用は、創傷床120に陰圧が一定の層を作り出すことによって創傷床120からの滲出液の流体管理を高め得る。界面層902によって提供された圧力の均一性は、創傷部の内壁が厚くなることがあり閉鎖を妨げることがあるストマタイズド創傷などの閉鎖が難しい創傷部の閉鎖を改善し得る。

0086

様々な実施形態において、界面層902は、創傷床120内の平滑筋瘻孔122の上を覆って配置されてもよい。次に、吸収性ドレッシング101は、界面層902の上を覆って配置されてもよい。様々な実施形態において、界面層902は、吸収性ドレッシング101と少なくとも部分的に連結されてもよい。いくつかの実施形態において、界面層902は、エステル系材料、例えば、吸収性ドレッシング101に関して先に考察した物理的及び化学的特性を有するエステル系材料、を含み得る。一実施形態において、界面層902は生体吸収性材料を含み得る。生体吸収性材料は、平滑筋瘻孔122の組織に対して親和性を有する可能性のある親水性物質を含み得る。一実施形態において、生体吸収性材料は、易吸収性外科手術用プレーンガット縫合糸など縫合材料を含み得る。プレーンガット縫合糸は、精製された結合組織で構成され、異物に対する体の応答の一部として酵素溶解によって数日以内に吸収され得る。いくつかの実施形態において、生体吸収性材料は、クロムガット縫合糸やVicryl(商標)などのプレーンガット縫合よりゆっくり溶解されるより長持ちする易吸収性材料を含み得る。エステル系材料及び/又は生体吸収性材料は、平滑筋瘻孔122からの組織の内部増殖を妨げる可能性がある。

0087

別の実施形態において、界面層902は、疎水性非吸収性材料を含み得る。例えば、疎水性材料は、Adaptic(登録商標)などの鉱油乳剤又はMepitel(登録商標)などのシリコーン創傷ドレッシングを含み得る。斯かる疎水性材料もまた、平滑筋瘻孔122からの組織の内部増殖を妨げる可能性がある。

0088

いくつかの実施形態において、界面層902は、厚みを有する薄板であり得る。一実施形態において、厚さは、約100μmなどのプリンター用紙ほどの厚さであり得る。界面層902は、創傷床120によって産生される創傷液が界面層902を通過して吸収性ドレッシング101の中に流れるのを可能にするために複数の細孔を含み得る。細孔の直径は、約1μm〜約20μmなど、平滑筋細胞の幅/直径と同様であってもよい。一実施形態において、界面層902は単層の細孔を含み得る。いくつかの実施形態において、界面層902は、各層が各層内に実質的に一定の細孔サイズ及び/又は細孔形状を含んでいるが、隣接する(単数若しくは複数の)層と異なった細孔サイズ及び/又は細孔形状を含んでいる、2以上の細孔の層を含み得る。例えば、界面層902は、吸収性ドレッシング501a、501b、501c、及び先の図5A〜5Cに関して記載した層構造及び/又は細孔構造を含み得る。例えば、界面層902は、層間の層が、図5A〜5Bに関して考察したものなどの、より小さい細孔サイズ及びより大きい細孔サイズから成る複数の交互に並ぶ層を含み得る。様々な実施形態において、小さい細孔が約1μm〜約10μmであってよく、かつ、大きい細孔が約10μm〜約20μmであってよい。いくつかの実施形態において、界面層902は、図5Cに関して記載したように、2つのより小さい細孔の層の間に挟まれているより大きい細孔の層を含み得る。この立体配置は、医療スタッフによる使用を容易にし得る可逆的な界面層902を提供する。界面層902はまた、先に図5Cに関して記載したようにより大きい細孔の間に散在しているより小さい細孔を有していてもよい。更に、この実施形態の界面層902は、界面層902を通過する創傷液の流れの体積及び/又は速度を低下させるために制限された網目を有する細孔を含み得る。界面層902が複数の層を有する実施形態において、組み合わせた界面層902のすべての層の全幅は、約100μmであり得る。いくつかの実施形態において、界面層902は、厚みのある薄いフィルム又はシートであり得る。

0089

使用に際し、界面層902は、先に記載した吸収性ドレッシング101、501a、501b、501c、601、701、及び801の任意の実施形態の適用前に、平滑筋瘻孔122を含んでいる創傷床120に適用されてもよい。

0090

実施例1
胆管接合部に3つの腸皮瘻孔を有しているクローン病と診断された女性患者入院させた。様々な在来治療法を試みたが、1日あたり1000〜2000mlの液体漏出速度を有する彼の瘻孔は残った。患者に彼女の体ではこの瘻孔が自然治癒しないことを説明し、そして末期であることを宣告した。患者は、エステル系フォームを直接瘻孔に配置する実験手順同意した。エステル系フォームを、V.A.C.VeraFlo Cleanse(商標)Dressingという商品名でKinetic Concepts, Inc.から販売されている133〜600μmの細孔サイズを有する網状ポリウレタンエステルフォームで構成した。細孔のサイズがフォーム内で方向性をもって変化するように、エステル系フォームをフェルト状にしたが、ここで、細孔サイズは、フェルト形成の方向(すなわち、厚さ)に沿ってよりもフォームの全長に沿った方が大きかった。図1で例示したように、瘻孔に対して垂直なエステル系フォームの幅及び瘻孔と直接接触状態にあるエステルフォーム平面を有するフォームを瘻孔に直接配置し、閉塞材料で覆い、そして真空チューブを介して真空ポンプに取り付けた。第二の真空チューブ及びポンプを、瘻孔と反対側の創傷端部に配置して、第一の真空ポンプによって回収されなかった排出排液を回収した。エステル系フォームを3日間毎に交換した。実験手順の約12時間以内に、液体排出は約500ml/日の速度まで低下した。日が進むにつれ、液体排出は約200ml/日まで低下した。加えて、創傷部の全体的な色合い、質感、及び臭いが3日以内に改善した。創傷床の組織が、黄色がかった壊死塊で覆われた組織から赤色の肉のような肉芽組織に改善された。加えて、液体排出の減少よると思われるが、創傷部位胆汁の臭いが実験手順の初めの3日以内に減少した。

0091

上記の説明では、本発明を特異的な実施形態に関して記載した。しかしながら、様々な修飾及び変更を、記載した本発明の範囲から逸脱することなく実施することができる。明細書及び図面は、限定の手法よりむしろ例示の手法と見なされるべきなので、斯かる修飾はすべて本発明の範囲内に含まれるものとする。従って、本発明の範囲は、単なる先に記載した具体例によるよりむしろ、記載した包括的な実施形態とそれらの法的な同等物によって決定されるべきである。例えば、任意の方法又は処理の実施形態で挙げられたステップは、任意の適切な順序で実施され得るので、具体例に提示された厳密な順序に限定されるものではない。更に、任意のシステムの実施形態で挙げられた成分及び/又は要素は、本発明と実質的に同じ結果を生じる様々な順列で組み合わせられるため、具体例で挙げられた特定の形態に限定されない。

0092

例えば、先に記載した方法及びシステムの特定の実施形態は、治癒を促進するためにその他の液体を導入することなく体液の吸い出しを開示するが、同時に、斯かる実施形態は、所望の体液の流れを促進するために、空気、水、生理的食塩水、又は他の溶液若しくは液体などの分散媒を創傷部に適宜導入し、それによって、促進治癒を促進するように修飾され得る。

0093

特定の実施形態に関して利益、他の利点、及び問題の解決策を先に記載した。しかしながら、任意の利益、利点、問題の解決策又は任意の特定の利益、利点若しくは解決策が生じる又はより顕著となる原因となる任意の要素は、重要な、必要な若しくは不可欠な特徴又は成分と理解されるべきではない。

0094

具体的に記載されていないものに加えて、本発明の実施の際に使用される先に記載した構造物、配置構成、適用、割合、要素、材料又は成分の他の組み合わせ及び/又は修飾は、その一般原理から逸脱することなく、変更され得るか、或いは特定環境製造仕様設計パラメータ又は他の操作要件に他のやり方で個別に適合させることができる。

実施例

0095

本発明を具体的な実施形態に関して先に記載した。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に変更及び修飾を加えることができる。これら及び他の変更又は修飾は、本発明の範囲内に含まれるものとする。

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