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図面 (17)

課題・解決手段

電極を保護するためのイオン伝導性材料の使用が、概して記載されている。上記イオン伝導性材料は、複合体を形成するために、多孔性セパレータなどのポリマー層に隣接する層の形であってもよい。上記ポリマー層の細孔の少なくとも一部分が、上記イオン伝導性材料で充填されていても、または充填されていなくてもよい。いくつかの態様において、上記イオン伝導性材料は上記ポリマー層に十分に接合されて、電気化学電池サイクル時の上記層の層間剥離を防止する。

概要

背景

再充電式一次電気化電池は、しばしば電気化学的表面を保護するために、1以上の保護層を含む。特定保護層に依存して、保護層は、電気化学電池内の電解質および/または他の構成要素との相互作用から、下にある電気活性表面を分離する。下地電極の好適な保護を提供するために、保護層が連続的に下地電極をカバーし、最小数欠陥を示すことが望ましい。保護層を形成するための技術は存在するが、電気化学電池の性能を改善する保護層の形成を可能にする方法が有益である。

電極を保護するために使用するイオン伝導性材料、並びに関連するシステムおよび方法が、概して記載されている。いくらかの態様において、上記イオン伝導性材料は、保護された電極および電解質の間の相互作用を抑制することができる。

上記イオン伝導性材料は、いくらかの態様によれば、セパレータによって少なくとも部分的に覆われたイオン伝導性材料の複数のビアの形であってもよい。いくつかの態様において、上記イオン伝導性材料は不規則であってもよい。

他の態様において、上記イオン伝導性材料は、セパレータに隣接して配置されたフィルムの形であってもよい。上記イオン伝導性材料は、任意に上記セパレータに接合していてもよい。

いくつかの態様は、リチウム系電極の保護に関する。本発明の要件には、場合によっては、相互に関係のある製品、特定の課題の代替解決方法および/または1以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用を含む。

いくらかの態様において、電気化学電池が提供される。いくつかの態様において、上記電気化学電池は、第1電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および電解質をその中に含むことができる細孔を含み、電解質の上記第1電気活性材料との相互作用を抑制する無機イオン伝導体で、上記細孔が実質的に充填されている上記第1電極に隣接する領域を含む、上記第1電極および第2電極の間に配置されたセパレータ;を含む。

1組の態様において、電気化学電池は、電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および上記第1電極および第2電極の間に配置された複合体を含む。上記複合体は、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータを含み、上記セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバル電気抵抗率を有し;上記無機イオン伝導体層は上記セパレータに接合し、上記無機イオン伝導体層の厚さの、上記セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1である。

いくらかの態様において、電気化学電池は、電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および上記第1電極および第2電極の間に配置された複合体を含む。上記複合体は、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータを含み、上記セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する。上記複合体はまた、上記セパレータに隣接する無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層が、1.5μm以下の厚さを有する。上記複合体は、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠した、少なくとも20,000[Gurley‐秒]の透気時間を有する。

いくらの態様において、電気化学電池は、電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および上記第1電極および第2電極の間に配置された複合体を含む。上記複合体は、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータを含み、上記セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する。上記複合体はまた、上記セパレータに接合した無機イオン伝導体層を含む。上記無機イオン伝導体層は、共有結合によって上記セパレータに接合され、少なくとも10−7[S/cm]のイオン伝導率を有する。

いくらかの態様において、電気化学電池の構成要素を形成する方法が提供される。上記方法には、平均細孔径を有する細孔および第1表面エネルギーを有する表面を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを提供する工程を含む。上記方法は、前処理工程において、該セパレータの表面の表面エネルギーを第2表面エネルギーまで増加する工程であって、上記第2表面エネルギーが、少なくとも60[dynes]である工程を含む。上記方法は、上記セパレータの表面上に無機イオン伝導体層を付着させる工程を含む。上記無機イオン伝導体層は、少なくとも10−6[S/cm]のイオン伝導率および2μm以下の厚さを有してもよい。

いくらかの態様において、電気化学電池の構成要素を形成する方法には、平均細孔径を有する細孔および第1表面エネルギーを有する表面を含み、少なくとも約104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを提供する工程、前処理工程において、上記セパレータの表面にプラズマ処理を行う工程、および上記セパレータの表面上に無機イオン伝導体層を付着させる工程を含む。上記無機イオン伝導体層は、少なくとも10−6[S/cm]のイオン伝導率および2μm以下の厚さを有してもよい。

いくつかの態様において、1組の電気化学電池の構成要素を提供する。1組の態様において、構成要素には、平均細孔径を有する細孔を有するセパレータ、および上記セパレータに接合した無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層の厚さの、上記セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1である。

別の組の態様において、構成要素には、平均細孔径を有する細孔を有するセパレータ、および上記セパレータに接合した無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層は、共有結合によって上記セパレータに接合されている。

別の組の態様において、構成要素には、平均細孔径を有する細孔、および少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを含む。上記複合体にはまた、上記セパレータに隣接する無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層は、1.5μm以下の厚さを有する。上記複合体は、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠した、少なくとも20,000[Gurley‐秒]の透気時間を有する。

別の態様において、上記複合体には、電解質をその中に含むことができる細孔を含み、電解質の第1電気活性材料との相互作用を抑制する無機イオン伝導体で、上記細孔が実質的に充填されている第1電極に隣接する領域を含む、第1電極および第2電極の間に配置されたセパレータを含む。

明細書中に記載された複合体は、電気化学電池の第1電極および第2電極の間に構成されてもよく、またはそれらの間に位置させることができる。

電気化学電池(例えば、リチウム硫黄電池)の第1電極および第2電極を分離するため、および電気化学電池中に存在する電解質の、電気化学電池の上記電極の内の1つとの相互作用を抑制するための、前述したおよび本明細書中に記載された複合体の使用もまた提供する。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は、1以上のイオン伝導体層を含む多層構造体の一部である。場合によっては、上記多層構造体の少なくとも2つの層は異なる材料から形成される。他の例では、上記多層構造体の少なくとも2つの層は同一材料から形成される。上記イオン伝導体層は、第1電極およびセパレータのそれぞれと直接接触してもよい。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータは、5μm〜40μmの厚さを有する。上記セパレータは、少なくとも1010[Ω・m]、例えば1010[Ω・m]〜1015[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有してもよい。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータは固体ポリマーセパレータである。場合によっては、上記セパレータは、ポリマーバインダーおよびセラミックまたはガラス/セラミックを含む充填剤の混合物を含む固体である。いくらかの態様において、上記セパレータは、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレンポリテトラフルオロエチレンポリアミド(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド(例えば、ポリニトリル、およびポリ(ピロリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton;登録商標、NOMEX;登録商標、KEVLAR;登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびそれらの混合物の1つ以上を含む。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータの表面上に上記無機イオン伝導体層を付着させる前に、上記セパレータの表面にプラズマ処理を行うことによって、上記複合体を形成する。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記複合体は自立型構造体であってもよい。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は、上記イオン伝導体層の0〜30重量%のガラス形成添加剤を含む。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は1つ以上のリチウム塩を含む。リチウム塩には、例えばLiI、LiBr、LiCl、Li2CO3および/またはLi2SO4が挙げられる。1つ以上のリチウム塩を、例えば0〜50モル%の範囲で、上記無機イオン伝導体材料に加える。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータは、5μm以下、1μm以下、0.5μm以下、0.05〜5μmまたは0.1〜0.3μmの平均細孔径を有する。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は、2μm以下、1.5μm以下、1μm以下、800nm以下、600nm以下、400〜600nm、または1nm〜7μmの厚さを有する。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記複合体は、25℃でのリチウムイオン伝導率少なくとも10−5[S/cm]、少なくとも10−4[S/cm]または少なくとも10−3[S/cm]を有する。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記無機イオン伝導体層の厚さの、上記セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1または少なくとも5:1である。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータおよび無機イオン伝導体層の間の接着強度が、少なくとも350N/mまたは500N/mである。場合によっては、上記セパレータおよび無機イオン伝導体層の間の接着強度は、ASTMD3359‐02規格に準拠するテープ試験合格する。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記第1電気活性材料はリチウムを含み;例えば、上記第1電気活性材料は、リチウム金属および/またはリチウム合金を含んでもよい。場合によっては、上記第2電極は、第2電気活性材料としての硫黄を含む。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記無機イオン伝導体を、電子ビーム蒸着またはスパッタリングによって、上記セパレータ上に付着させる。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記固体イオン伝導体を、上記第1電極および第2電極の一方に接触して設置する。上記固体イオン伝導体を、接触して設置される上記電極と、上記電気化学電池に存在する電解質との相互作用を抑制するために、位置させてもよい。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記固体イオン伝導体は、非晶質リチウムイオン伝導性オキシスルフィド結晶性リチウムイオン伝導性オキシスルフィドまたは非晶質リチウムイオン伝導性オキシスルフィドと結晶性リチウムイオン伝導性オキシスルフィドとの混合物、例えば非晶質リチウムオキシスルフィド、結晶性リチウムオキシスルフィド、または非晶質リチウムオキシスルフィドと結晶性リチウムオキシスルフィドとの混合物を含む。

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、本発明は、電気化学電池、例えば、リチウム‐硫黄電池の第1電極および第2電極を分離するための、第1電極および第2電極の間に構成されるか、または位置させることができる複合体の使用に関し、上記複合体はセパレータおよび上記セパレータに接触するおよび/または接合された固体イオン伝導体を含む。上記固体イオン伝導体は、電気化学電池中に存在する電解質の、上記電気化学電池の上記電極の内の1つとの相互作用を抑制するため、構成および位置させてもよい。

添付の図面と併せて考慮するとき本発明の他の利点および新規な特徴は、本発明の種々の非限定的な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書および参照により組み込まれた文書相反するおよび/または矛盾する開示を含む場合には、本明細書が支配する。

概要

電極を保護するためのイオン伝導性材料の使用が、概して記載されている。上記イオン伝導性材料は、複合体を形成するために、多孔性セパレータなどのポリマー層に隣接する層の形であってもよい。上記ポリマー層の細孔の少なくとも一部分が、上記イオン伝導性材料で充填されていても、または充填されていなくてもよい。いくつかの態様において、上記イオン伝導性材料は上記ポリマー層に十分に接合されて、電気化学電池のサイクル時の上記層の層間剥離を防止する。

目的

上記方法には、平均細孔径を有する細孔および第1表面エネルギーを有する表面を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを提供する

効果

実績

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請求項1

電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および該第1電極および第2電極の間に配置された複合体;を含み、該複合体が、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータ;および該セパレータに接合した無機イオン伝導体層;を含み、該セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバル電気抵抗率を有し、該無機イオン伝導体層の厚さの、該セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1である、電気化学電池

請求項2

電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および該第1電極および第2電極の間に配置された複合体;を含み、該複合体が、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータ;および該セパレータに隣接する無機イオン伝導体層;を含み、該セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有し、該無機イオン伝導体層が、1.5μm以下の厚さを有し、該複合体が、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠して、少なくとも20,000[Gurley‐秒]の透気時間を有する、電気化学電池。

請求項3

電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および該第1電極および第2電極の間に配置された複合体;を含み、該複合体が、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータ;および該セパレータに接合した無機イオン伝導体層;を含み、該セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有し、該無機イオン伝導体層が、共有結合によって該セパレータに接合され、該無機イオン伝導体層が、少なくとも10−7[S/cm]のイオン伝導率を有する、電気化学電池。

請求項4

平均細孔径を有する細孔および第1表面エネルギーを有する表面を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを提供する工程;前処理工程において、該セパレータの表面の表面エネルギーを第2表面エネルギーまで増加する工程;および該セパレータの表面上に無機イオン伝導体層を付着させる工程を含み、該第2表面エネルギーが、少なくとも60[dynes]であり、該無機イオン伝導体層が、少なくとも10−6[S/cm]のイオン伝導率を有し、該無機イオン伝導体層が、2μm以下の厚さを有する、電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項5

平均細孔径を有する細孔および第1表面エネルギーを有する表面を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを提供する工程;前処理工程において、該セパレータの表面にプラズマ処理を行う工程;および該セパレータの表面上に無機イオン伝導体層を付着させる工程を含み、該無機イオン伝導体層が、少なくとも10−6[S/cm]のイオン伝導率を有し、該無機イオン伝導体層が、2μm以下の厚さを有する、電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項6

第1電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および電解質をその中に含むことができる細孔を含み、電解質の該第1電気活性材料との相互作用を抑制するイオン伝導体で、該細孔が実質的に充填されている該第1電極に隣接する領域を含む、該第1電極および第2電極の間に配置されたセパレータ;を含む、電気化学電池。

請求項7

前記無機イオン伝導体層を前記セパレータに接合する、請求項1〜6のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項8

前記無機イオン伝導体層を前記セパレータに共有結合によって接合する、請求項1〜7のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項9

前記複合体が、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠して、少なくとも40,000[Gurley‐秒]、少なくとも60,000[Gurley‐秒]、少なくとも80,000[Gurley‐秒]、少なくとも100,000[Gurley‐秒]、少なくとも120,000[Gurley‐秒]の透気時間を有し;任意に、前記複合体が、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠して、300,000[Gurley‐秒]以下の透気時間を有する、請求項1〜8のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項10

前記セパレータの表面上に前記無機イオン伝導体層を付着させる前に、前記セパレータの表面にプラズマ処理を行うことによって、前記複合体を形成する、請求項1〜9のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項11

前記セパレータが5〜40μmの厚さを有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項12

前記セパレータが、少なくとも1010[Ω・m]および/または1015[Ω・m]以下のバルク電気抵抗率を有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項13

前記セパレータが、固体ポリマーセパレータである、請求項1〜12のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項14

前記セパレータが、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレンポリテトラフルオロエチレンポリアミド(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド(例えば、ポリニトリル、およびポリ(ピロリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton;登録商標、NOMEX;登録商標、KEVLAR;登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびそれらの混合物の1つ以上を含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項15

前記セパレータの細孔が、前記無機イオン伝導体で実質的に充填されていない、請求項1〜14のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項16

前記セパレータの細孔の少なくとも一部分が、前記無機イオン伝導体で充填されている、請求項1〜15のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項17

前記セパレータが、5μm以下、1μm以下、0.5μm以下、0.05〜5μmまたは0.1〜0.3μmの平均細孔径を有する、請求項1〜16のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項18

前記無機イオン伝導体層が、2μm以下、1.5μm以下、1.3μm以下、1μm以下、800nm以下、600nm以下または400〜600nmの厚さを有する、請求項1〜17のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項19

前記無機イオン伝導体層が、セラミックガラスまたはガラス‐セラミックを含む、請求項1〜18のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項20

前記複合体が、少なくとも10−6[S/cm]、10−5[S/cm]、10−4[S/cm]または10−3[S/cm]の25℃でのリチウムイオン伝導率を有する、請求項1〜19のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項21

前記無機イオン伝導体層の厚さの、前記セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1または少なくとも5:1である、請求項1〜20のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項22

前記セパレータおよび無機イオン伝導体層の間の接着強度が、少なくとも350N/mまたは500N/mである、請求項1〜21のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項23

前記セパレータおよび無機イオン伝導体層の間の接着強度が、ASTMD3359‐02規格に準拠するテープ試験合格する、請求項1〜22のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項24

前記第1電気活性材料がリチウムを含む、請求項1〜23のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項25

前記第1電気活性材料が、リチウム金属および/またはリチウム合金を含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項26

前記第2電極が、第2電気活性材料としての硫黄を含む、請求項1〜25のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項27

前記無機イオン伝導体を、電子ビーム蒸着またはスパッタリングによって付着させる、請求項4、5、7〜26のいずれか1項記載の電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項28

空気、酸素、オゾン、二酸化炭素硫化カルボニル二酸化硫黄亜酸化窒素一酸化窒素二酸化窒素窒素アンモニア水素フロン類シラン類および/またはアルゴンの存在下で、前記セパレータの表面にプラズマ処理を行う工程を含む、請求項4、5、7〜27のいずれか1項記載の電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項29

前記セパレータの表面に、少なくとも1分間、少なくとも5分間、または少なくとも10分間、プラズマ処理を行う工程を含む、請求項4、5、7〜28のいずれか1項記載の電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項30

前記イオン伝導体がセラミック材料を含む、請求項1〜29のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項31

前記イオン伝導体が単一イオン伝導性材料である、請求項1〜30のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項32

前記イオン伝導体が、前記セパレータの細孔を通って、前記第1電極に面する前記セパレータ側から、前記第2電極に向かって、平均で少なくとも約5%拡張する、請求項1〜31のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項33

前記イオン伝導体が、前記セパレータの細孔を通って、前記第1電極に面する前記セパレータ側から、前記第2電極に向かって、平均で少なくとも約10%拡張する、請求項1〜32のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項34

前記イオン伝導体が、前記セパレータの細孔を通って、前記第1電極に面する前記セパレータ側から、前記第2電極に向かって、平均で少なくとも約25%拡張する、請求項1〜33のいずれか1項記載の電気化学電池または電気化学電池の構成要素を形成する方法。

請求項35

(a)平均細孔径を有する細孔を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータ;および該セパレータに接合した無機イオン伝導体層であって、該無機イオン伝導体層の厚さの、該セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1である、セパレータおよび無機イオン伝導体層;または(b)平均細孔径を有する細孔を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータ;および該セパレータに隣接する無機イオン伝導体層であって、該無機イオン伝導体層が、1.5μm以下の厚さを有し、複合体が、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠した、少なくとも20,000[Gurley‐秒]の透気時間を有する、セパレータおよび無機イオン伝導体層;または(c)平均細孔径を有する細孔を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータ;および共有結合によって該セパレータに接合され、少なくとも10−7[S/cm]のイオン伝導率を有する、該セパレータに接合した無機イオン伝導体層;または(d)電解質をその中に含むことができる細孔を含み、電解質の第1電気活性材料との相互作用を抑制する無機イオン伝導体で、該細孔が実質的に充填されている第1電極に隣接する領域を含む、第1電極および第2電極の間に配置されたセパレータ;を含む、第1電極および第2電極の間に位置させることができる複合体。

請求項36

電気化学電池(例えば、リチウム‐硫黄電池)の第1電極および第2電極を分離するため、および電気化学電池中に存在する電解質の、電気化学電池の該電極の内の1つとの相互作用を抑制するための、請求項1〜3、7〜26および30〜35のいずれか1項記載の複合体の使用。

技術分野

0001

電極を保護するためのイオン伝導性材料の使用が、概して記載されている。

背景技術

0002

再充電式一次電気化電池は、しばしば電気化学的表面を保護するために、1以上の保護層を含む。特定保護層に依存して、保護層は、電気化学電池内の電解質および/または他の構成要素との相互作用から、下にある電気活性表面を分離する。下地電極の好適な保護を提供するために、保護層が連続的に下地電極をカバーし、最小数欠陥を示すことが望ましい。保護層を形成するための技術は存在するが、電気化学電池の性能を改善する保護層の形成を可能にする方法が有益である。

0003

電極を保護するために使用するイオン伝導性材料、並びに関連するシステムおよび方法が、概して記載されている。いくらかの態様において、上記イオン伝導性材料は、保護された電極および電解質の間の相互作用を抑制することができる。

0004

上記イオン伝導性材料は、いくらかの態様によれば、セパレータによって少なくとも部分的に覆われたイオン伝導性材料の複数のビアの形であってもよい。いくつかの態様において、上記イオン伝導性材料は不規則であってもよい。

0005

他の態様において、上記イオン伝導性材料は、セパレータに隣接して配置されたフィルムの形であってもよい。上記イオン伝導性材料は、任意に上記セパレータに接合していてもよい。

0006

いくつかの態様は、リチウム系電極の保護に関する。本発明の要件には、場合によっては、相互に関係のある製品、特定の課題の代替解決方法および/または1以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用を含む。

0007

いくらかの態様において、電気化学電池が提供される。いくつかの態様において、上記電気化学電池は、第1電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および電解質をその中に含むことができる細孔を含み、電解質の上記第1電気活性材料との相互作用を抑制する無機イオン伝導体で、上記細孔が実質的に充填されている上記第1電極に隣接する領域を含む、上記第1電極および第2電極の間に配置されたセパレータ;を含む。

0008

1組の態様において、電気化学電池は、電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および上記第1電極および第2電極の間に配置された複合体を含む。上記複合体は、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータを含み、上記セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバル電気抵抗率を有し;上記無機イオン伝導体層は上記セパレータに接合し、上記無機イオン伝導体層の厚さの、上記セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1である。

0009

いくらかの態様において、電気化学電池は、電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および上記第1電極および第2電極の間に配置された複合体を含む。上記複合体は、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータを含み、上記セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する。上記複合体はまた、上記セパレータに隣接する無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層が、1.5μm以下の厚さを有する。上記複合体は、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠した、少なくとも20,000[Gurley‐秒]の透気時間を有する。

0010

いくらの態様において、電気化学電池は、電気活性材料を含む第1電極;第2電極;および上記第1電極および第2電極の間に配置された複合体を含む。上記複合体は、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータを含み、上記セパレータが、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する。上記複合体はまた、上記セパレータに接合した無機イオン伝導体層を含む。上記無機イオン伝導体層は、共有結合によって上記セパレータに接合され、少なくとも10−7[S/cm]のイオン伝導率を有する。

0011

いくらかの態様において、電気化学電池の構成要素を形成する方法が提供される。上記方法には、平均細孔径を有する細孔および第1表面エネルギーを有する表面を含み、少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを提供する工程を含む。上記方法は、前処理工程において、該セパレータの表面の表面エネルギーを第2表面エネルギーまで増加する工程であって、上記第2表面エネルギーが、少なくとも60[dynes]である工程を含む。上記方法は、上記セパレータの表面上に無機イオン伝導体層を付着させる工程を含む。上記無機イオン伝導体層は、少なくとも10−6[S/cm]のイオン伝導率および2μm以下の厚さを有してもよい。

0012

いくらかの態様において、電気化学電池の構成要素を形成する方法には、平均細孔径を有する細孔および第1表面エネルギーを有する表面を含み、少なくとも約104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを提供する工程、前処理工程において、上記セパレータの表面にプラズマ処理を行う工程、および上記セパレータの表面上に無機イオン伝導体層を付着させる工程を含む。上記無機イオン伝導体層は、少なくとも10−6[S/cm]のイオン伝導率および2μm以下の厚さを有してもよい。

0013

いくつかの態様において、1組の電気化学電池の構成要素を提供する。1組の態様において、構成要素には、平均細孔径を有する細孔を有するセパレータ、および上記セパレータに接合した無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層の厚さの、上記セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1である。

0014

別の組の態様において、構成要素には、平均細孔径を有する細孔を有するセパレータ、および上記セパレータに接合した無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層は、共有結合によって上記セパレータに接合されている。

0015

別の組の態様において、構成要素には、平均細孔径を有する細孔、および少なくとも104[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有するセパレータを含む。上記複合体にはまた、上記セパレータに隣接する無機イオン伝導体層を含み、上記無機イオン伝導体層は、1.5μm以下の厚さを有する。上記複合体は、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠した、少なくとも20,000[Gurley‐秒]の透気時間を有する。

0016

別の態様において、上記複合体には、電解質をその中に含むことができる細孔を含み、電解質の第1電気活性材料との相互作用を抑制する無機イオン伝導体で、上記細孔が実質的に充填されている第1電極に隣接する領域を含む、第1電極および第2電極の間に配置されたセパレータを含む。

0017

明細書中に記載された複合体は、電気化学電池の第1電極および第2電極の間に構成されてもよく、またはそれらの間に位置させることができる。

0018

電気化学電池(例えば、リチウム硫黄電池)の第1電極および第2電極を分離するため、および電気化学電池中に存在する電解質の、電気化学電池の上記電極の内の1つとの相互作用を抑制するための、前述したおよび本明細書中に記載された複合体の使用もまた提供する。

0019

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は、1以上のイオン伝導体層を含む多層構造体の一部である。場合によっては、上記多層構造体の少なくとも2つの層は異なる材料から形成される。他の例では、上記多層構造体の少なくとも2つの層は同一材料から形成される。上記イオン伝導体層は、第1電極およびセパレータのそれぞれと直接接触してもよい。

0020

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータは、5μm〜40μmの厚さを有する。上記セパレータは、少なくとも1010[Ω・m]、例えば1010[Ω・m]〜1015[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有してもよい。

0021

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータは固体ポリマーセパレータである。場合によっては、上記セパレータは、ポリマーバインダーおよびセラミックまたはガラス/セラミックを含む充填剤の混合物を含む固体である。いくらかの態様において、上記セパレータは、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレンポリテトラフルオロエチレンポリアミド(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド(例えば、ポリニトリル、およびポリ(ピロリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton;登録商標、NOMEX;登録商標、KEVLAR;登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびそれらの混合物の1つ以上を含む。

0022

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータの表面上に上記無機イオン伝導体層を付着させる前に、上記セパレータの表面にプラズマ処理を行うことによって、上記複合体を形成する。

0023

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記複合体は自立型構造体であってもよい。

0024

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は、上記イオン伝導体層の0〜30重量%のガラス形成添加剤を含む。

0025

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は1つ以上のリチウム塩を含む。リチウム塩には、例えばLiI、LiBr、LiCl、Li2CO3および/またはLi2SO4が挙げられる。1つ以上のリチウム塩を、例えば0〜50モル%の範囲で、上記無機イオン伝導体材料に加える。

0026

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータは、5μm以下、1μm以下、0.5μm以下、0.05〜5μmまたは0.1〜0.3μmの平均細孔径を有する。

0027

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記イオン伝導体層は、2μm以下、1.5μm以下、1μm以下、800nm以下、600nm以下、400〜600nm、または1nm〜7μmの厚さを有する。

0028

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記複合体は、25℃でのリチウムイオン伝導率少なくとも10−5[S/cm]、少なくとも10−4[S/cm]または少なくとも10−3[S/cm]を有する。

0029

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記無機イオン伝導体層の厚さの、上記セパレータの平均細孔径に対する比(無機イオン伝導体層の厚さ:セパレータの平均細孔径)が、少なくとも1.1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1または少なくとも5:1である。

0030

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記セパレータおよび無機イオン伝導体層の間の接着強度が、少なくとも350N/mまたは500N/mである。場合によっては、上記セパレータおよび無機イオン伝導体層の間の接着強度は、ASTMD3359‐02規格に準拠するテープ試験合格する。

0031

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記第1電気活性材料はリチウムを含み;例えば、上記第1電気活性材料は、リチウム金属および/またはリチウム合金を含んでもよい。場合によっては、上記第2電極は、第2電気活性材料としての硫黄を含む。

0032

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記無機イオン伝導体を、電子ビーム蒸着またはスパッタリングによって、上記セパレータ上に付着させる。

0033

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記固体イオン伝導体を、上記第1電極および第2電極の一方に接触して設置する。上記固体イオン伝導体を、接触して設置される上記電極と、上記電気化学電池に存在する電解質との相互作用を抑制するために、位置させてもよい。

0034

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、上記固体イオン伝導体は、非晶質リチウムイオン伝導性オキシスルフィド結晶性リチウムイオン伝導性オキシスルフィドまたは非晶質リチウムイオン伝導性オキシスルフィドと結晶性リチウムイオン伝導性オキシスルフィドとの混合物、例えば非晶質リチウムオキシスルフィド、結晶性リチウムオキシスルフィド、または非晶質リチウムオキシスルフィドと結晶性リチウムオキシスルフィドとの混合物を含む。

0035

前述したおよび本明細書中に記載された電気化学電池を含むいくつかの態様において、本発明は、電気化学電池、例えば、リチウム‐硫黄電池の第1電極および第2電極を分離するための、第1電極および第2電極の間に構成されるか、または位置させることができる複合体の使用に関し、上記複合体はセパレータおよび上記セパレータに接触するおよび/または接合された固体イオン伝導体を含む。上記固体イオン伝導体は、電気化学電池中に存在する電解質の、上記電気化学電池の上記電極の内の1つとの相互作用を抑制するため、構成および位置させてもよい。

0036

添付の図面と併せて考慮するとき本発明の他の利点および新規な特徴は、本発明の種々の非限定的な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書および参照により組み込まれた文書相反するおよび/または矛盾する開示を含む場合には、本明細書が支配する。

図面の簡単な説明

0037

本発明の非限定的な態様は、概略的であり、一定の縮尺で描かれることを意図されていない添付の図面を参照して一例として説明する。図面において、図示の同一またはほぼ同一の各構成要素は、通常、単一の数字で表される。明瞭にするために、必ずしもすべての構成要素は、すべての図においてラベル付け、また図は、当業者が本発明を理解できるようにする必要がない場合に示された本発明の各態様の全ての構成要素である。図面において:
1組の態様にしたがった、イオン伝導体層およびポリマー層(例えば、セパレータ)を含む複合構造体を含む電気化学電池の例示的な概略図である。
いくらかの態様にしたがった、不規則構造体の例の例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、ポリマー層(例えば、ポリマーコーティング表層)をイオン伝導体(例えば、上記セパレータ層下のセラミック)の上に付着させた保護構造体の例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、イオン伝導体層の隆起部分露出していることを示す、プラズマエッチング後の保護構造体の一部を示す、図3に示した保護構造体の切取内部図の例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、キャリア基材上にコーティングされた剥離層を含む構造体上に付着させた非導電性ポリマーコーティングに塞いで覆われたイオン伝導体層(例えば、セラミック層)を示す加工した保護構造体の切取内部図の例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、イオン伝導体層(例えば、セラミック層)の隆起部分を露出するためのプラズマエッチング後の保護構造体の切取内部図の例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、保護構造体上に付着させた電気活性材料および電流分布層を示す例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、キャリア基材の層間剥離前の種々の層を示す不規則な保護構造体の切取内部図の例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、曲がりくねった孔路を含む自立型セパレータフィルムの例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、イオン伝導体層でコーティングされ、部分的に充填された細孔を有する多孔性セパレータの例示的な概略図である。
いくつかの態様にしたがった、上部に電流分布層を示し、未充填細孔を有するイオン伝導体層でコーティングした多孔性ポリマーの例示的な概略図である。
市販のセパレータ上に付着させたセラミックコーティングの例示的な走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
種々の無機イオン伝導体‐セパレータ複合体に関する、無機イオン伝導体厚さに対する透気時間のプロットである。

0038

電極を保護するために使用されるイオン伝導性材料、並びに関連するシステムおよび方法を、一般的に記載する。

0039

セラミックまたは他の無機保護材料(例えば、ガラス、ガラス質‐セラミック)の層は、電気化学電池の動作中に電解質材料との有害な相互作用から、電極(例えば、リチウムアノード)を保護するために使用されてきた。例えば、イオン伝導性セラミックとイオン伝導性ポリマー連続層を交互に含む、保護されたリチウムアノード(PLA)構造体が、使用されてきた。いくらかの場合において、このような保護電極構造体は効果的でない可能性がある。例えば、セラミックの脆さ、セラミックの欠陥、および/または電解質への曝露によりポリマーが示す膨潤は、保護電極構造体が割れたりそうでなければ不良となる可能性がある。これらの層のカスケード障害は、取り扱いおよび/または加工による、セラミック初期欠陥由来する可能性がある。これにより、次々に電解質を浸透させ、ポリマー層を膨潤させる。この層の膨潤は下のセラミック層を破壊し、電解質がさらに浸透して、更にポリマー層を膨潤させる可能性がある。これにより、電気化学電池の故障につながる可能性がある、すべての保護層を最終的に破壊する可能性がある。

0040

このような問題に対処するために使用することができる本明細書中に記載された1つの方法は、セパレータ中の細孔を実質的に充填するためのイオン伝導体を使用することである。上記イオン伝導体は、電極(例えば、リチウム層、または他の電極)から、上記イオン伝導体が上記電極と接触する領域まで貫通するように構成されていてもよい。

0041

効果的でない電極保護構造体に関して前述のように概説された問題に対処するために使用することができる本明細書中に記載された別の方法は、セパレータの表面上にイオン伝導体を配置することを含む。そのような態様において、上記セパレータは、平滑な薄いイオン伝導体層を付着させることができる、平滑な基材として機能することができる。上記イオン伝導体層の付着前に、上記セパレータの表面は、その表面エネルギーを高めるために処理されてもよい。上記セパレータの増加した表面エネルギーは、以下に説明するように、セパレータの表面が処理されていない場合に比べて、イオン伝導体層とセパレータとの間の改良された接着(例えば、接合)を可能にすることができる。上記層の間の増大した接着性の結果として、上記層の層間剥離の可能性を低減することができ、上記イオン伝導体層の機械的安定性を、上記電池のサイクル中に改善することができる。更に、上記セパレータとイオン伝導体層の両方は、電気化学電池中に含めることができるため、上記イオン伝導体層を基材から剥離する必要はない。イオン伝導体層を剥離することを回避することによって、場合によっては、イオン伝導体層の機械的完全性を向上させることができる。いくらかの態様において、得られるイオン伝導体層‐セパレータ複合体は、平滑でないカソードに対して加圧された電池内に配置されているときに遭遇する機械的応力に対するイオン伝導体層の耐性を向上することができる。

0042

本明細書中で使用されるように、別の層「の上に」、「の上面に」または「に隣接して」あると言及されるとき、上記層の上に、上記層の上面に、または上記層に隣接して直接存在することができる、或いは介在層が存在してもよい。別の層「の直接上にある」、別の層「に直接隣接する」または別の層「に接触している」層は、介在層が存在しないことを意味する。同様に、2つの層「の間に」置かれた層は、介在層が存在せずに上記2つの層の間に直接存在してもよく、または介在層が存在してもよい。

0043

上記セパレータの細孔のすべてまたは一部を充填することを含む方法を、以下に説明する。

0044

いくつかの態様において、上記イオン伝導体は、上記セパレータ内まで延びる突出部を含む。いくつかのそのような態様において、上記突出部は、上記突出部中のイオン伝導体材料と同一または異なる材料から形成されてもよいイオン伝導体材料と接触していてもよい。いくつかの態様において、上記イオン伝導体は、複数の不連続領域の形(例えば、粒子の形)で存在してもよい。上記イオン伝導体がそのような形で存在する、いくらかの態様においては、1つのイオン伝導性要素の機能の損失により、全体の構造体に大きな悪影響を与えることはない。

0045

いくらかの態様において、上記イオン伝導体領域は、セパレータ材料(例えば、ポリマーセパレータ)と接触していてもよい。上記セパレータ材料は、いくらかの態様において、可撓性を有してもよく、上記構造体に寸法変化が生じる場合に(例えば、膨潤によって)、それにより他の有害な機械的衝撃(例えば、塑性変形)の機械的破損を抑制(および/または防止)することができる。上記セパレータ材料は、多種多様なセパレータ材料の使用を考慮して、イオン伝導性であっても、またはイオン伝導性でなくてもよい(例えば、電解質への暴露時に膨潤するか、または膨潤しないポリマー)。上記イオン伝導体およびセパレータのそのような空間定位を有する設計を採用することによって、いくらかの態様にしたがって、使用される材料における制約を取り除くことができ、既存の材料の使用を可能にすることができる。

0046

図1Aおよび図1Bは、1組の態様にしたがった、イオン伝導体とセパレータを含む電気化学電池の例示的な概略断面図である。図1Aには、上記セパレータの細孔の少なくとも一部がイオン伝導体で充填されていることが示され、図1Bには、上記セパレータの細孔がイオン伝導体によって実質的に未充填であることが示されている。図1Aおよび図1Bにおいては、電気化学電池100および101は、第1電極102および第2電極104を含む。いくつかの態様にしたがって、第1電極102(および/または第2電極104)は電気活性材料を含む。いくらかの態様において、第1電極102における電気活性材料は、リチウムを含む。いくつかの態様において、第1電極102は負極であり、第2電極104は正極である。

0047

図1Aおよび図1Bの例示的な態様において、電気化学電池100および101は、第1電極102および第2電極104の間にセパレータ106を含む。いくつかの態様において、セパレータ106は、電解質が存在してもよい細孔108を含む。図1Aに例示的に示されているように、セパレータ106は、いくらかの態様において、細孔108がイオン伝導体112で実質的に充填されている、第1電極102に隣接する領域110を含んでいてもよい。そのような充填は、図1Bのセパレータの細孔には示されていない。

0048

イオン伝導体112は、電解質の、電極102内の電気活性材料との相互作用を抑制することができる。いくらかの態様において、イオン伝導体112は、電解質の、電極102内の電気活性材料との相互作用を実質的に防止することができる。いくつかの態様において、電解質の、電極102内の電気活性材料との相互作用を抑制または防止することによって、電解質により電極102が劣化するか、さもなければ動作不能になる程度を減少させるかまたは排除することができる。従って、このように、イオン伝導体112は、電気化学電池内の保護構造体として機能することができる。

0049

いくらかの態様において、イオン伝導体112およびセパレータ106の上記配置によって、以前の電極保護構造体を超える1以上の優位性を提供することができる。例えば、複数のイオン伝導体構造体の存在によって、上記保護構造体の片面から反対面への(即ち、上記保護構造体および電解質の間の)複数のイオン性経路を提供することができる。セラミックセルまたはセラミック層は、上記セルまたは層全体に伝播することが可能であるピンホール、亀裂および/または粒界欠陥を含むけれども、複数のイオン性経路の存在により、いずれか1つのイオン性経路中の欠陥の作用を低減することができる。更に、ポリマーマトリックス(例えば、セパレータ)中のイオン伝導体の位置調整により、上記イオン伝導体の亀裂または他の欠陥メカニズムに対する感受性を低減することができる。ポリマーマトリックスの存在により、上記複合構造体を、例えば、連続セラミック層より、可撓性および堅牢することを可能とする、可撓性および強度を提供することができる。更に、上記保護構造体を通る複数のイオン性経路が存在するので、上記セパレータがイオン伝導性である必要はなく、それによって、セパレータ材料を選択することができる範囲を広げることができる。

0050

いくらかの態様において、上記イオン伝導体が上記セパレータの細孔内まで延びるように、上記イオン伝導体およびセパレータを位置させてもよい。いくつかの態様において、上記イオン伝導体は、上記セパレータの細孔を通って、上記第1電極に面する上記セパレータ側から、上記第2電極に向かって、平均で少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、または少なくとも約80%(および/または、いくらかの態様において、約90%以下および/または実質的に100%以下)拡張する。図1Aに関して、例えば、イオン伝導体112は、上記セパレータ106の細孔を通って、上記第1電極102に面する上記セパレータ106の側から、上記第2電極104に向かって、平均で少なくとも約50%拡張する。

0051

いくらかの態様において、イオン伝導体112は、上記セパレータ106内まで延びる複数の突出部を含んでもよい。いくつかのそのような態様において、上記突出部は、不連続であってもよい。いくつかの態様において、上記突出部は、上記イオン伝導性突出部が形成されるイオン伝導体材料と同一または異なってもよいイオン伝導体材料によって、連結されてもよい。例えば、図1Aに関して、イオン伝導体材料112の突出部は、上記突出部を形成するのに用いられたイオン伝導体材料と同一であるイオン伝導性材料のベース層とすべて連結している。他の態様において、上記イオン伝導体材料の突出部は、上記突出部を形成するのに用いられたイオン伝導体材料と異なるイオン伝導性材料のベース層と連結している。更に他の態様において、そのようなベース層は存在せず、かつ突出部は互いから物理的に分離されている。

0052

イオン伝導性材料の突出部は、どのような好適な方法で空間的に位置させてもよい。いくつかの態様において、イオン伝導性材料の突出部は、空間的に不規則であってもよい。例えば、図1Aに示すように、イオン伝導体材料112の突起間横方向距離は、突起から突起へ実質的に変化する。

0053

いくらかの態様において、イオン伝導体材料の突起部の平均断面寸法は不規則である。例えば、図2においては、構造体120におけるイオン伝導体材料112の各突出部は、イオン伝導体材料の実質的にランダム空間分布をもたらす、異なるサイズおよび形状を有するものである。

0054

いくつかの態様において、イオン伝導体材料が少なくとも部分的にセパレータの細孔を充填するように、イオン伝導体112をセパレータ106上に付着または形成することにより、イオン伝導体112をセパレータ106の細孔内に位置させてもよい。図1Aおよび1Bにおける細孔108は実質的に直線状であるが、他の態様において、細孔108は蛇行していてもよい。いくつかのこのような態様において、上記セパレータ内の細孔のシャドウイングおよび捩れ性質によって、イオン伝導体の蒸着蒸気が、壁と接触し、凝縮する前に、細孔内をどれだけ移動するかを決定することができる。いくつかのこのような態様において、いくらかの蒸気のより深い浸透が存在するが、ある特定の時点で、穴を充填するのに十分な速度で成長し、充填された地点よりも深い部分的にコーティングされた壁が未充填のままである。

0055

他の態様において、イオン伝導体材料の層からイオン伝導体材料の一部を除去して突起部を残し、続いてイオン伝導体材料の上にセパレータ材料を形成することによって、イオン伝導体112をセパレータ106の細孔内に位置させてもよい。

0056

図1Aおよび図1Bには電気化学電池が示されているが、いくつかの態様において、図には示されていないすべての構成要素が存在する必要があると解されるべきである。例えば、本明細書中に記載の物品および方法は、電気化学電池の構成要素のみを包含してもよい(例えば、アノードおよび/またはカソードの一方を含まないセパレータおよびイオン伝導体)。また、図1Aおよび図1Bには示されていない他の構成要素が、いくつかの態様において、電気化学電池に含まれてもよいとも解されるべきである。一例として、イオン伝導体層(例えば、無機層のイオン伝導体層)は、複数のイオン伝導体層を含む多層構造体の一部であってもよい。多層構造体の少なくとも2つの層(例えば、2つのイオン伝導体層)は、異なる材料または同一材料から形成されてもよい。以下でより詳細に説明するように、いくつかの場合、多層構造体の層の少なくとも1つは、リチウムオキシスルフィド材料を含んでもよい。他の構成も可能である。

0057

セパレータ層(例えば、ポリマーマトリックス層)によって囲まれたイオン伝導性材料(例えば、セラミックビア)を含む構造体(例えば、不規則構造体)を有する保護構造体(例えば、保護されたリチウムアノード(PLA))を含むシステムの一例を、以下に示す。リチウムが電気活性材料として記載されている場合には、(本明細書中の他の箇所に記載された他の材料を含む)他の好適な電気活性材料が置換可能であると解されるべきである。また、どこにでもするセラミックスがイオン伝導体として記載されている場合には、(本明細書の他の箇所に記載された他の材料を含む)、他のイオン伝導体の材料を用いてもよい。

0058

本明細書中に記載のように、従来のシステムは、電気化学電池の動作時に電解質材料との有害な相互作用から、リチウムアノードを保護するために、セラミックまたは他の材料の層(例えば、セラミックとポリマーの連続的な交互層)を採用していた。セラミック層が脆性であれば、この構成を有するいくらかの構造体が問題となる可能性がある。保護構造体として好適なセラミック層の機能を有するために、一般的には、亀裂や欠陥をほとんど有さないままであるべきである。セラミック層の連続性中断によって、電解質を浸透させる可能性があり、それによりセラミック層を通る局所化された高電流経路を形成する可能性がある。この経路は、下のリチウム金属の保護体としての層の有効性における最終的な崩壊につながる可能性がある。電解質が、ポリマー層に達し、ポリマー層を膨潤させる場合、別の問題が生じる可能性がある。このような膨潤は比較的大きくなる可能性がある(例えば、場合によっては数百%)。ポリマーの膨潤は、上記ポリマーのいずれかの側のセラミック層に亀裂を生じる可能性があり、それにより、次々に、電解質をさらに保護構造体に浸透させる可能性がある。いくらかの場合、次のポリマー層が電解質に曝され膨潤するので、カスケード効果を観察することができる。すべての層が損なわれ、リチウムの保護が損なわれるまで、これによって、更にセラミック層が破壊される。

0059

前述の問題に対処する1つの方法は、実質的に膨潤または破壊しない材料および/または構造体を開発することである。しかし、このような方法は、チャレンジされているところである可能性がある。例えば、イオン伝導性である多くの既知のポリマーは、種々の電気化学電池の電解質中においてかなり膨潤する。また、セラミック材料が欠陥を含まないように上記セラミック材料を加工することは困難である可能性があり、欠陥(例えば、亀裂)をもたらすことなしに、そのような材料を取り扱うことは困難である。

0060

代替案には、電解質の電極との相互作用を抑制するセグメント化されたイオン伝導体(例えば、セラミック)と組み合わせて、(多くの場合可撓性を有するが、多くの電解質中において低膨潤性である)非イオン伝導性ポリマーの使用を可能にする構造体を使用することを含む。セグメント化されたイオン伝導体を使用することによって、保護構造体全体の小さな部分内に、亀裂または欠陥が含まれる可能性を増加させる。このように、亀裂または他の欠陥が形成される場合、保護構造体のほんの小さな区画が、全体の層の代わりに、失われる。これらのセグメントは、上記層全体に亀裂を入らせることなく、互いに対する移動をも可能にする。

0061

従って、前述のようなこれらの要素を組み込む、上記提案された構造体の取り替えは、リチウムに対する保護を提供し、更にイオンを通過させる、イオン伝導性セラミック「ポスト」または「ビア」の行列を形成するためである。ビアのこの配列は、電解質に曝露されると膨潤量を抑制(または除去)しながら、機械的可撓性を示すことができる、ポリマーマトリックス(例えば、非イオン伝導性ポリマーマトリックス)によって相互に接続することができる。本明細書中に記載されるように、いくつかの態様において、ポリマーマトリックスまたはポリマー層は、セパレータ(例えば、市販のセパレータ)の形態であってもよい。

0062

図2の態様は、電気活性材料102(例えば、リチウム)、ポリマー層106(例えば、セパレータ)および電極104を有する構造体120を示しており、その中では、イオン伝導体112(例えば、セラミック)が、蒸着法によって、不規則な多孔性のまたは円柱の形で蒸着されている。その間の領域は、次いで、不規則な保護構造体を形成するためにポリマーで充填されてもよい。

0063

このような不規則な構造体のPLAなどの保護構造体の形成のために可能である、異なる方法がある。最初の加工方法は、ポリマーが充填される前にセラミックを付着させる工程を含む。これは、2つの構成で行うことができる。1つの構成においては、電気活性材料(例えば、リチウム)を、剥離層および集電体、続いて保護構造体(例えば、PLA構成体)を上部に含む基材上に付着する。次いで、これをキャリア基材から剥離することができる。第2の方法では、アノードは、保護構造体がキャリア基材に取り付けられた剥離層上に付着された状態で、逆さまに組み込まれる。電気活性材料は、その後、最後に付着され、構造体全体を剥離する。別の方法では、剥離層は必要なく、保護構造体は、電気化学電池に含まれる基材(例えば、セパレータまたはポリマーマトリックスなどの他のマトリックス)上に直接形成することができる。例えば、第2の方法でキャリア基材を使用する代わりに、保護構造体をセパレータ上に付着させ、続いて上記保護構造体上にリチウムを付着させてもよい。

0064

上記イオン伝導体(例えば、セラミック)が、ポリマーの付着の前に付着される構成を形成するための工程を、以下のように行うことができる。図3中の構造体200に示すように、一方が剥離層210でコーティングされたキャリア基材205で始まってもよい。次いで、上記剥離層を、集電体215(例えば、銅集電体)を用いて金属化してもよい。いくつかの態様において、電気活性材料220(例えば、25μm厚のリチウム)の層は、イオン伝導体材料225(例えば、セラミック)の添加前に、集電体の上部に付着させてもよい。次の工程には、多孔性または円柱状イオン伝導体(例えば、厚さ1〜2μm)の層を変換するために、またはプラズマで変換しながら、上記層を付着するために、プラズマ装置を使用することを含む。最終の付着層は、イオン伝導体列間の領域の少なくとも一部(または全て)を充填することができるポリマー層230(例えば、非膨潤性非導電性ポリマー層)に対応することができる。このポリマーは、図3に示されるように、このような上部構造体を完全にコーティングしてもよい。

0065

多くの用途に対して、上記ポリマーが導電性阻害するので、上記ポリマーをコーティングした構造体は現在の形では使用可能ではない。これを修正するために、ポリマーおよびセラミックの表層を除去して、その下のビアを露出させるために、この構造体全体をプラズマエッチングステーションの前に配置してもよい。これは、図4中の構造体202に示されている。いくらかの態様においては、上記構造体全体をキャリア基材から剥離する。上記剥離層は、いくつかの態様において、上記キャリアと共に剥離されてもよいが、場合によっては、上記集電体に付着したままであってもよい。このような態様において、上記剥離層は、上記集電体にリード線を取り付けるために容易に入り込むことができる。図4に示すように、(電解質にさらされるように構成してもよい)上面は、電流導体としてのビアの上面(不連続領域)だけを有する。しかし、電気活性材料に面する側は、電気活性材料全体に電流を均等に分配する、単一の均一なイオン伝導体層225を含む。これは、いくらかの場合には望ましく、それで、充放電時に電気活性材料の除去および再メッキが均一となる。ビアに接続されている限り、区画全体がまだ機能するので、この層は、多層の連続的な構造体とは異なり、亀裂を生じる可能性がある。

0066

図5に例示的に示すように、保護構造体がキャリア基材に取り付けられた剥離層上に付着される構成を形成する工程は、以下のように行うことができる。この構成では、構造体300は、キャリア基材305上に、剥離層310、イオン伝導体層315(例えば、セラミック)、次いでポリマー320、続いてリチウム層を付着させることによって逆さまに形成され、次いで構造体全体を剥離する。上記形成は、剥離層でコーティングされたキャリア基材から始まる。多孔性または円柱状のイオン伝導体層(例えば、セラミック)を、(例えば、物理的蒸着技術によって)剥離層の上部に付着させてもよく、場合によっては、プラズマまたはイオン源を用いて変性してもよい。多孔性または円柱状のイオン伝導体層は、次いで、図5に示されるような可撓性非導電性、非膨潤性ポリマーでコーティングすることができる。第1の構成と同様に、完全にコーティングされた構造体は、プラズマエッチングして、ポリマーマトリックス中にセラミックのビアを露出してもよい(図6、構造体302)。第1の構成において記載したように、連続的なイオン伝導体層325(図7)、次いで集電体(例えば、図示せず)および/または電気活性材料層330を、必要に応じて、図6の構造体302の上に追加して、構造体304を得てもよい。

0067

追加のイオン伝導体層(本明細書中で電流分配層CDL)とも呼ぶ)は、様々な機能の内の1つ以上を提供するように構成してもよい。まず、真空蒸着した電気活性材料(例えば、リチウム)のための界面を提供するようにCDLを構成してもよい。第2に、CDLは、その表面全体にわたって均一に電気活性材料のイオン電流拡散する傾向があるように構成してもよい。これにより、電気活性材料が取り除かれ、再度めっきされる充放電時の電流の不均一性を排除することができる。CDLが含まれていないいくらかの例においては、電気活性材料はセラミックを有さない領域内に空隙を残すビアの周りだけを再メッキする可能性がある。最後に、CDLは、イオン伝導性材料と電気活性材料層との間の界面インピーダンスを克服するためのバッファとして作用する異なる材料を用いて作製してもよい。また、以前にも観察されたように、CDLは亀裂を生じる可能性があるが、ビアと接触している限りまだ有効である可能性がある。

0068

いくつかの態様において、キャリア基材は、保護構造体から除去してもよい。剥離層は、上記基材に残っても、またはポリマー上に付着されたイオン伝導体層に付着してもよい。場合によっては、完成した構造体は、キャリア基材から除去してもよい。いくらかの態様において、上記剥離層は、電解質に溶解するように構成される。いくつかのこのような態様において、上記剥離層は、上記セルを傷つけることなく、電解質中に溶解するように構成することができる。

0069

保護構造体(例えば、不規則なPLAの構造体または他の構造体)を作成するための別の方法は、多孔性ポリマー構造体(例えば、セパレータ)から、次いでセラミックなどのイオン伝導体材料の付着から始まる。図1Aに前もって示したように、上記イオン伝導性材料の付着は、いくつかの態様において、上記多孔性ポリマー構造体の細孔の少なくとも一部を充填してもよい。しかしながら、本明細書中により詳細に記載したように、場合によっては、ポリマー構造体の細孔は、図1Bに例示的に示されているように、固体イオン伝導体材料(例えば、無機イオン伝導体材料)で実質的に充填されていない。いくつかのこのような態様において、セパレータの細孔は、電気化学電池中の液体(例えば、イオン伝導性電解質溶媒)で充填されてもよい。

0070

多孔性ポリマー構造体(例えば、セパレータ)で始め、次いでは、上記ポリマー構造体上にイオン伝導体材料を付着させることを含むいくらかの工程において(ポリマー構造体の細孔がイオン伝導体で充填されているか、または充填されていないかに関係なく)、平滑な表面(即ち、低い二乗平均(RMS)表面粗さを有する表面)を有する多孔性ポリマー構造体を使用することが望ましい。下層の上に形成された層の平滑性は、下層の平滑性に依存する可能性があるので、粗い層の上へのそれに続く保護構造体の形成は、粗面を有する保護構造体をもたらす可能性がある。場合によっては、上記保護構造体の粗面は、電気化学電池の使用時に、電解質または電解質の成分を、それを横切って通過させる欠陥につながる可能性があり、電解質および/または電解質の成分と、保護層が保護しようとする電気活性層との間の反応をもたらす可能性がある。

0071

電気活性層の上に保護層を形成することを含むいくらかの既存の方法において、保護構造体の層の付着には、電気活性層に対して好適であるが、欠陥のない構造体の形成に対してはより好適でない条件(例えば、温度、圧力、および形成速度)を含む(例えば、電気活性層の溶融または変形を起こさないような低温)可能性があるので、保護構造体中に欠陥をも形成する可能性がある。加えて、いくつかの態様において、保護構造体を付着させるための平滑な電気活性層の表面を形成することは困難である。本明細書中に記載のように、セパレータの平滑な表面上に保護構造体を形成することによって、いくつかの態様において、保護層中の欠陥を最小化することができる。平滑な保護層を製造する能力はまた、より厚い保護層を有する同様のセルと比較して、より高い比エネルギーを有する電気化学電池をもたらす、(保護層の機能を維持しながら)電解質を妨げるための保護層の厚さの要求値を低減する可能性がある。

0072

多孔性ポリマー構造体(例えば、セパレータ)をコーティングすることで始まる方法の例示的な説明は以下の通りである。

0073

1組の態様において、構造体400の製造は、図8に例示的に示されるように、必要に応じて上に剥離コーティング410を有するキャリア基材405で開始することができる。次に、多孔性ポリマーコーティング415を、剥離層の上に配置してもよい。この種の多孔性ポリマーの付着は、もちろん特定のポリマーを付着および硬化することによって生じることができ、および/または、上記材料に添加剤を導入することおよび/またはプラズマまたはイオンビーム処理を用いて上記付着を妨害することにより、強制的に行うことができる。いくらかの態様において、穴は、それらが、上記ポリマーを完全に貫通するように構成されている。さらに他の態様において、市販のポリマー層(例えば、市販のセパレータ)を用いてもよい。更に、いくらかの態様において、以下に詳細に説明するように、キャリア基材および/または剥離層は必要としない。

0074

次いで、セラミック層などのイオン伝導体層420を、上記ポリマー上に付着させることができる。例えば、真空技術(例えば、電子ビーム蒸着、熱蒸着、またはスパッタリングなど)を、イオン伝導体(例えば、セラミック)を付着させるために使用してもよい。いくつかの態様において、ポリマーコーティングを細孔内に引き入れて、固化(例えば、硬化)することによって、イオン伝導体(例えば、セラミック)を付着させてもよい。いくらかの態様において、上記コーティングを、ポリマーコーティング内の穴または空隙がイオン伝導体(例えば、セラミック)で充填されるように付着させるが;他の態様において、ポリマーコーティング内の穴またはボイドは実質的に充填されない。いくつかの態様において、イオン伝導体(例えば、セラミック)の実質的に連続的な層は、上記ポリマー層上に形成される。いくつかの理由で穴が充填された後でさえもイオン伝導体シート(例えば、セラミックシート)を形成することができる。例えば、上記シートは、その上にリチウムが付着される層を形成することができる。別の例として、上記シートは、多孔性ポリマー層を貫通するイオン伝導体(例えば、セラミック)のビアを横切るイオン電流を分配するように作用することができる。いくらかの態様において、上記区画がビアと接触したままである限り、(電気化学電池における十分な性能をまだ保持しながら)シートが破断することは容認できる。イオン伝導性チャネル(例えば、セラミック、連続的な下層に接続された円形の構造体)は、可撓性の非導電性ポリマー層を通って延びることが分かる。

0075

いくらかの態様において、最終的な付着工程は、イオン伝導体(例えば、ASL)を電気活性材料425(例えば、リチウム25μm、または本明細書中に記載された他の量)でコーティングすることである。完成した構造体は、次いで剥離層の存在のために、いくつかの態様において、キャリア基材から分離してもよい。上記剥離層は、積層体で剥離することができるが、ポリマーから剥離する層を使用することができ、剥離層はキャリアと共に残る。この方法は、プラズマエッチングを必要としない。プラズマエッチングは、時間がかかる可能性があるので、このような工程の排除は、時間を節約するために好ましい。

0076

上記の1つの変形は、ポリマーマトリックスとして自立型の、多孔性ポリマー層(例えば、自立型セパレータ)を使用することである。いくつかのこのような場合には、いかなる剥離コーティングまたはキャリア基材も必要としない。1つの例示的な製造プロセスによれば、図9に示すように、多孔性ポリマー層500が設けられている。前記多孔性ポリマー層は、イオンに対して伝導性または非伝導性であってもよい。好適なフィルムの一例は、電池用セパレータに使用されるもの(および本明細書中の他の箇所に記載のものを含む)などの市販の多孔性ポリマー層である。このフィルムは、成形されたままのポリマーマトリックスとして使用することができる。上記フィルムを貫通する細孔経路は、いくつかの態様において、かなり曲がりくねっていてもよい。いくらかの態様において、上記フィルムを貫通する細孔経路は、上記フィルムを完全に通過する。この自立型フィルムは、次いで、イオン伝導体(例えば、セラミック)でコーティングしてもよい。

0077

自立型ポリマー層(例えば、セパレータ)をイオン伝導体材料でコーティングする方法は、他の保護構造体の製造方法よりも多くの優位性を提供する。これらの内の1つ目は、得られる構造体はキャリア基材から剥離されなくてもよいという事実である。これは、コスト節約および材料の低減をもたらすだけでなく、剥離工程時に脆弱なイオン伝導体コーティングを損傷する可能性を回避する。第2に、セパレータの表面へのイオン伝導体材料の接合により、粗いカソードに対して加圧されたセル内に設置された時に遭遇する機械的応力に耐えるコーティングの能力を大きく強化する、薄いイオン伝導体(例えば、セラミック)コーティングのための機械的に安定したプラットフォームを形成する。第3に、このような方法は、単一のチャンバポンプダウンにより達成することができる。付着工程中に、真空チャンバを開く必要がないことは、汚染の機会を減少させるだけでなく、材料の取り扱いを最小限に低減する。

0078

本明細書中に記載されるように、いくつかの態様において、イオン伝導性材料は、真空蒸着法(例えば、スパッタリング法CVD法、熱蒸着または電子ビーム蒸着)を用いて、セパレータなどのポリマー層上に付着させることができる。真空蒸着法は、滑らかで高密度の、および均一な薄層の付着を可能にすることができる。いくつかの態様において、厚い層は、電池のレート特性およびエネルギー密度を低下させる、上記電池の内部抵抗を増大させる可能性があるので、無機イオン伝導体材料の薄い層を付着することが望ましい。図10Aの構造体502に例示的に示すように、ポリマー層500(例えば、セパレータ)の細孔は、電気活性材料(例えば、リチウム)のイオンに対して伝導性であってもよいイオン伝導体505(例えば、セラミック)で部分的に充填することができる。しかしながら、他の態様において、ポリマー層の細孔は、図10Bに示されているように、実質的にイオン伝導体で充填されていない。上記ポリマー層の細孔の全てまたは一部が無機イオン伝導体(例えば、セラミック)で充填されていない態様において、これらの部分は、電気化学電池内に配置される時、電解質溶媒で充填されてもよい。いくつかの態様において、イオン伝導体は、電気活性材料510(例えば、リチウム)の最終層でコーティングしてもよい。

0079

上記イオン伝導体層は、いくつかの態様において連続的であってもよく、または他の態様において不連続であってもよい。上記ポリマー層の細孔が少なくとも部分的にイオン伝導体で充填されている態様において、上記イオン伝導体層は、破損部分がまだビアに取り付けられている限り、上記構造体の機能を損なうことなく、屈曲し、亀裂を生じてもよい。上記ポリマー層の細孔が実質的にイオン伝導体で充填されていない態様において、上記細孔の充填されていない側が、電解質(例えば、電解質溶媒)中にある限り、上記イオン伝導体は亀裂の存在下で依然として機能することができる。いくつかのこのような態様において、イオン伝導体の電解質への接続は、上記セルを機能させることができる。

0080

電極を形成するために、リチウムなどの電気活性材料は、ポリマー層‐イオン伝導体の複合体上に付着させてもよい。図10Aには、部分的に充填された細孔を有するイオン伝導体でコーティングされたポリマー層上に付着されたリチウムを有する上記保護構造体の最終的な形が示されている。図10Bには、細孔が充填されていないセラミックコーティングされたポリマー層上に付着されたリチウムを有する上記保護構造体の最終的な形が示されている。上記リチウムは、以下により詳細に記載されるように、イオン伝導性層に接着するように構成してもよい。この方法のいくらかの態様において、エッチング工程は含まれず、上記方法を非常に迅速かつ効率的に行うことができる。

0081

また、本明細書中に示されるいくつかの図面は、単一イオン伝導体層を表示しているが、いくつかの態様において、多層構造体を形成するためには、保護構造体が複数のイオン伝導体層(例えば、少なくとも2、3、4、5、または6のイオン伝導体層)を含むと解されるべきである。一例として、イオン伝導体層(例えば、無機層のイオン伝導体層)は複数のイオン伝導体層を含む多層構造体の一部であってもよく、上記多層構造体の少なくとも2つの層(例えば、2つのイオン伝導体層)は、異なる材料で形成される。他の例では、多層構造体の少なくとも2つの層(例えば、2つのイオン伝導体層)は、同じ材料で形成される。場合によっては、上記多層構造体の層の少なくとも1つは、リチウムオキシスルフィド材料を含んでもよい。上記多層構造体は、必要に応じて、ポリマー層(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、または6のポリマー層)を含んでもよい。いくつかの態様において、上記ポリマー層は、2つ以上のイオン伝導体層の間に散在している。上記多層構造体の層のそれぞれは、独立して、イオン伝導体層および/またはポリマー層に関して本明細書中に一般的に記載された特徴(例えば、厚さ、伝導率、バルク電気抵抗率)を有してもよい。

0082

単一イオン伝導体層を含む構造体では、(いくつかの態様において、リチウムオキシスルフィドを含んでいてもよい)イオン伝導体層は、第1の電極の電気活性材料およびセパレータ/ポリマー層それぞれと直接接触してもよい。

0083

本明細書中に記載されるように、ポリマー層(例えば、セパレータ)の表面にイオン伝導体を配置することによる保護構造体の形成を含むいくつかの態様において、例えば、図1〜11に関して記載された態様のいくつかにおいて、上記イオン伝導体とポリマー層との間の結合または接着強度を増大させることが望ましい。上記層間の増大した接着性の結果として、上記セルのサイクル中に、上記層の層間剥離の可能性を低減することができ、上記イオン伝導体層の機械的安定性を改善することができる。例えば、得られるイオン伝導体層‐ポリマー複合体は、それが粗いカソードに対して加圧されたセル内に配置される時に遭遇する機械的応力に耐えるイオン伝導体層の能力を高めることができる。従って、いくつかの態様において、上記イオン伝導体層の付着の前に、ポリマー層の表面エネルギーを向上させるために、ポリマー層(例えば、セパレータ)の表面を処理してもよい(例えば、前処理工程において)。ポリマー層(例えば、セパレータ)の増加した表面エネルギーは、上記セパレータの表面が処理されていない場合に比べて、イオン伝導体層とセパレータとの間の接着性を改善することができる。

0084

いくらかの態様において、イオン伝導体層の厚さのポリマー層(例えば、セパレータ)の平均細孔径に対する比が一定範囲内に存在する場合、以下に更に詳細に説明するように接着性が向上する。

0085

ポリマー層の表面エネルギーを増加させる(即ち、ポリマー層の表面を活性化する)ために、種々の方法を用いてもよい。上記方法は、例えば、イオン伝導体材料の付着前に、ポリマー層(例えば、セパレータ)の表面を処理する前処理工程を含んでもよい。いくらかの態様において、活性化または前処理工程は、ポリマー層(例えば、セパレータ)をプラズマ源に暴露することを含む。例えば、アノード層イオン源(ALS)を、プラズマを生成するために用いてもよい。一般に、アノード層イオン源は、作動ガスの存在下で、印加電位によって電子を発生させることを含む。得られる生成プラズマは、基材のイオン衝撃を提供する、ターゲット基材(例えば、ポリマー層)に向かって加速する更なるイオンおよび電子を形成する。上記ポリマー層基材のこの衝撃は、ポリマー層の表面エネルギーを増加させ、上記セパレータおよび次のイオン伝導体材料との間の接着を促進する。

0086

種々の作動ガスを、プラズマ処理等の表面活性化処理時に、使用することができる。一般的に、表面活性化は、空気、酸素、オゾン、二酸化炭素硫化カルボニル二酸化硫黄亜酸化窒素一酸化窒素二酸化窒素窒素アンモニア水素フロン類(例えば、CF4、CF2Cl2、CF3Cl)、シラン類(例えば、SiH4、SiH2(CH3)2、SiH3CH3)および/またはアルゴンなどの1以上のガスの存在下で起こってもよい。

0087

一般的に、プラズマ処理は、作動ガスおよび/または表面をイオン化し、いくつかの例では、表面上に活性化された化学官能基を形成または付着させることにより、ポリマー層(例えば、セパレータ)の表面を変性する。いくらかの態様において、ポリマー層の表面上のいくらかの官能基の活性化により、ポリマー層とイオン伝導体材料との間の結合を促進してもよい。いくらかの態様において、活性化された官能基には、以下の1つ以上を含んでもよい:カルボキシレート(例えば、‐COOH)、チオール(例えば、‐SH)、アルコール(例えば、‐OH)、アシル(例えば、‐CO)、スルホン酸(sulfonics)および/またはスルホン酸(sulfonic acid;例えば、‐SOOHまたは‐SO3H)、アミン(例えば、‐NH2)、窒素酸化物(例えば、‐NO)、二酸化窒素(例えば、‐NO2)、塩化物(例えば、‐Cl)、ハロアルキル基(例えば、CF3)、シラン(例えば、SiH3)、および/または有機シラン(SiH2CH3)を挙げることができる。他の官能基も可能である。

0088

いくらかの態様において、例えば、ALS処理などのプラズマ処理は、例えば、10−2〜10−8トルの範囲の圧力で、チャンバ内で行われる。例えば、上記圧力は、10−8トル以上、10−7トル以上、10−6トル以上、10−5トル以上、10−4トル以上、または10−3トル以上であってもよい。上記圧力は、10−2トル以下、10−3トル以下、10−4トル以下、10−5トル以下、または10−6トル以下であってもよい。前述の範囲の組み合わせも可能である。

0089

プラズマ処理は、一般に、例えば、5〜200Wの間の範囲のイオン源の電力を用いて行ってもよい。例えば、上記電力は、5W以上、10W以上、20W以上、50W以上、100W以上、または200W以上であってもよい。上記電力は、200W以下、100W以下、50W以下、20W以下、または5W以下であってもよい。前述の電力範囲の組み合わせも可能である。

0090

実際の高表面エネルギー化は、熱損傷を引き起こす可能性がある材料を暴露過度にならないように注意した状態で、圧力、電力、および暴露時間関数である。例えば、暴露時間(即ち、ポリマー層をプラズマ処理している時間)は、1秒以上、10秒以上、30秒以上、1分以上、2分以上、5分以上、10分以上、20分以上、30分以上、1時間以上、または5時間以上であってもよい。上記暴露時間は、10時間以下、1時間以下、30分以下、10分以下、5分以下、1分以下、10秒分以下、または1秒以下であってもよい。前述の暴露時間の組み合わせも可能である。

0091

なお、設定条件は、プラズマシステムの効率、電力供給の効率、RFマッチング問題、ガス分布およびガス選択、ターゲット基材からの距離、プラズマ暴露時間に依存して変化し得ることは、当業者には十分理解される。従って、プラズマ源が作動される電力、作動圧力、ガスの選択、およびプラズマ源への曝露時間の長さの種々の組み合わせも可能である。

0092

プラズマ処理は、主に、基材(例えば、セパレータなどのポリマー層)の表面エネルギーを増加させるために記載されているが、基材の表面エネルギーを増加させるための他の方法も可能である。例えば、いくらかの態様において、火炎表面処理コロナ処理化学処理表面酸化、表面への官能基の導入、および/または表面グラフト化を、基材の表面エネルギーを増加させるために使用してもよい。

0093

ポリマー層(例えば、セパレータ)の表面エネルギーは、任意の好適な値に増加させてもよい。いくつかの態様において、処理前のポリマー層(例えば、セパレータ)の表面エネルギーは、例えば、0〜50dyneの間であってもよい。例えば、表面エネルギーは、少なくとも0dyne、少なくとも10dyne、少なくとも20dyne、少なくとも30dyne、少なくとも40dyne、または少なくとも50dyneであってもよい。表面エネルギーは、50dyne未満、40dyne未満、30dyne未満、20dyne未満、または10dyne未満であってもよい。上記範囲の組み合わせも可能である。

0094

いくつかの態様において、処理後のポリマー層(例えば、セパレータ)の表面エネルギーは、例えば、30〜100dyne(1dyne=1g・cm/秒2=10-5kg・m/秒2=10-5N)の範囲であってもよい。いくらかの態様において、処理後のポリマー層の表面エネルギーは、少なくとも30dyne、少なくとも40dyne、少なくとも50dyne、少なくとも60dyne、少なくとも70dyne、少なくとも80dyne、少なくとも90dyneであってもよい。処理後の上記表面エネルギーは、例えば、100dyne未満、90dyne未満、80dyne未満、70dyne未満、60dyne未満、または50dyne未満であってもよい。上記範囲の組み合わせも可能である。他の表面エネルギーも可能である。

0095

いくらかの態様において、処理前のポリマー表面の表面エネルギーは、少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも70倍、少なくとも100倍に増加させてもよい。場合によっては、上記表面処理は、処理後に500倍まで増加させてもよい。他の表面エネルギーの増加も可能である。

0096

本明細書中に記載のように、いくつかの態様において、表面の処理により、イオン伝導体とポリマー層(例えば、セパレータ)との間の化学的および/または物理的結合が形成される。いくつかの態様において、上記結合には共有結合を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、非共有結合性相互作用(例えば、疎水性および/または親水性相互作用静電的相互作用ファンデルワールス相互作用)が形成されてもよい。一般に、結合の形成をもたらす表面の処理(例えば、前処理)は、そのような処理なしの場合と比較して、2つの層の間の接着性の程度を増加させる。

0097

2つの層の間の相対的な接着強度を決定するために、テープ試験を行ってもよい。簡単に言うと、テープ試験は、定性的に第1の層(例えば、ポリマー層)と第2の層(例えば、イオン伝導性層)との接着性を定性的に評価するために、感圧テープを利用する。このような試験では、Xカットを、第1の層(例えば、ポリマー層/セパレータ)を介して、第2の層(例えば、イオン伝導性層)に行ってもよい。感圧テープを、切断領域上に塗布し、除去してもよい。ポリマー層がイオン伝導体層上に存在するままである場合、接着性が良好である。ポリマー層がテープ片から剥離する場合、接着性が悪くなる。テープ試験は、ASTM規格D3359‐02に従って行ってもよい。いくつかの態様において、セパレータと無機イオン伝導体層との接着強度は、ASTM規格D3359‐02に従ったテープ試験に合格し、これはイオン伝導体層が試験中にポリマー層から剥離しないことを意味する。いくつかの態様において、上記テープ試験は、2つの層(例えば、イオン伝導性層などの第2の層に対する、ポリマー層/セパレータなどの第1の層)がリチウム‐硫黄電池または本明細書中に記載の任意の他の好適な電池などの電池中に含まれ、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも15回、少なくとも20回、少なくとも50回、または少なくとも100回サイクルした後に行われ、上記2つの層は、上記電池から除去された後のテープ試験を合格する(例えば、第1の層が試験中に第2の層から剥離しない)。

0098

剥離試験には、[N/m]単位で、引張試験装置または他の好適な装置を用いて測定することができ、第2の層(例えば、イオン伝導性層)の表面の単位面積から第1の層(例えば、ポリマー層)を除去するのに必要な接着性または力を測定することを含む。このような実験は、溶媒および/または他の成分の接着性への影響を決定するために、必要に応じて溶媒(例えば、電解質)、または他の成分の存在下で行ってもよい。

0099

いくつかの態様において、2つの層(例えば、ポリマー層などの第1の層およびイオン伝導体層などの第2の層)の間の接着強度は、本明細書中に記載された処理(例えば、前処理)工程の結果として増加することができる。処理後の接着強度は、例えば、100〜2000N/mの範囲であってもよい。いくらかの態様において、接着強度は、少なくとも50N/m、少なくとも100N/m、少なくとも200N/m、少なくとも350N/m、少なくとも500N/m、少なくとも700N/m、少なくとも900N/m、少なくとも1000N/m、少なくとも1200N/m、少なくとも1400N/m、少なくとも1600N/m、または少なくとも1800N/mであってもよい。いくらかの態様において、接着強度は、2000N/m以下、1500N/m以下、1000N/m以下、900N/m以下、700N/m以下、500N/m以下、350N/m以下、200N/m以下、100N/m以下、または50N/m以下である。他の接着強度も可能である。

0100

本明細書中に記載されるように、ポリマー層(例えば、セパレータ)の平均細孔径に対するイオン伝導体層の相対厚さは、複合体中の2つの層の間の接着強度や接着の程度に影響を及ぼす可能性がある。例えば、いくつかの場合において、イオン伝導体層の厚さは、ポリマー層からの層間剥離に耐える、平滑で、高密度の、均一なイオン伝導体層の形成をもたらすポリマー層(例えば、セパレータ)の平均細孔径(または最大細孔径)より大きくてもよい。

0101

本明細書中に記載されるように、電気化学電池において、イオン伝導体層は、液体電解質の電気活性材料(例えば、リチウム金属)と相互作用する可能性を防止または減少するように作用する溶媒バリアとして提供されてもよい。いくつかの態様において、バリアとして作用する複合イオン伝導体層‐ポリマー層(例えば、セパレータ層)の能力は、透気度試験(例えば、Gurley試験)によって、部分的に測定することができる。Gurley試験は、特定体積の空気が材料の標準面積を通過して流れるのに必要な時間を測定する。このように、より大きな透気時間(Gurley‐秒)は、一般的により良好なバリア特性に対応する。

0102

より厚い層は、流体が層を横切って浸透することがより困難であるので、当業者は、改良されたバリア特性(例えば、より高い透気時間)を、比較的厚い無機イオン伝導体層を使用することによって達成されることを予測することが可能であった。しかしながら、以下により詳細に説明するように、本発明者らは、Gurley試験を用いる透気時間の増加により測定されるように、比較的厚い無機イオン伝導体層を有する無機イオン伝導体層‐セパレータ複合体と比較して、無機イオン伝導体層‐セパレータ複合体におけるイオン伝導体層の低減された厚さが、バリア特性の改善をもたらしたことを観察した(実施例3および図12を参照)。更に、プラズマ処理されたセパレータが含まれない複合体または比較的厚い無機イオン伝導体層を有した複合体と比較して、薄い無機イオン伝導体層とプラズマ処理されたセパレータの組み合わせが最も高い透気時間(および、それによる強化されたバリア特性)を示した。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、本発明者らは、高い透気時間、およびそれによる良好なバリア特性は、上記2つの層間の良好な接着強度および上記層の亀裂の可能性を低減するようなイオン伝導体層の良好な機械的可撓性(即ち、より低いフィルム応力)が寄与していると考える。層間剥離と同様に、イオン伝導体層の亀裂により、一般的に劣るバリア特性をもたらす。

0103

いくつかの態様において、本明細書中に記載の複合体(例えば、イオン伝導体層‐ポリマー層/セパレータ層複合体)の透気時間は、少なくとも1,000[Gurley‐秒]、少なくとも5,000[Gurley‐秒]、少なくとも10,000[Gurley‐秒]、少なくとも20,000[Gurley‐秒]、少なくとも40,000[Gurley‐秒]、少なくとも60,000[Gurley‐秒]、少なくとも80,000[Gurley‐秒]、少なくとも100,000[Gurley‐秒]、少なくとも120,000[Gurley‐秒]、少なくとも140,000[Gurley‐秒]、少なくとも160,000[Gurley‐秒]、少なくとも180,000[Gurley‐秒]、少なくとも200,000[Gurley‐秒]、少なくとも500,000[Gurley‐秒]、または少なくとも106[Gurley‐秒]であってもよい。いくつかの態様において、複合体は、実質的に不透過性である。いくつかの態様において、透気時間が106[Gurley‐秒]以下、500,000[Gurley‐秒]以下、200,000[Gurley‐秒]以下、150,000[Gurley‐秒]以下、120,000[Gurley‐秒]以下、80,000[Gurley‐秒]以下、40,000[Gurley‐秒]以下、20,000[Gurley‐秒]以下、10,000[Gurley‐秒]以下、または5,000[Gurley‐秒]以下であってもよい。本明細書中に記載の透気時間およびGurley試験は、3kPaの圧力差および1平方インチサンプルサイズを含む、TAPPI Standard T 536 om−12に準拠して行われるものを言う。

0104

本明細書中に記載のイオン伝導体またはイオン伝導体層は、様々な種類の材料から形成されてもよい。いくらかの態様において、イオン(例えば、リチウムイオンなどの電気化学的に活性なイオン)を、イオン伝導体を通過させるが、電子がイオン伝導体を横切って通過することを実質的に妨害するように、イオン伝導体が形成される材料を選択してもよい。本明細書中において、「実質的に妨害する」とは、この態様において、上記材料は、電子通路よりも少なくとも10倍大きいリチウムイオン流れ(flux)を可能にすることを意味する。

0105

いくつかの態様において、イオン伝導体層に用いられる材料は、第1の非晶質状態において十分に高い伝導性(例えば、少なくとも10−6[S/cm]、または本明細書中に記載の別の伝導率値)を有する。材料はまた、特にセパレータなどのポリマー層上に、平滑で高密度で均質薄フィルムを形成することができるように選択されてもよい。リチウムオキシスルフィドは、特に、これらの特性を含むことができる。

0106

いくらかの態様において、イオン伝導体が電気化学電池の短絡を引き起こす程度を抑制することができる、実質的に電子的に非伝導性であるように、イオン伝導体を構成することができる。いくらかの態様において、イオン伝導体の全部または一部は、少なくとも約104[Ω・m]、少なくとも約105[Ω・m]、少なくとも約1010[Ω・m]、少なくとも約1015[Ω・m]、または少なくとも約1020[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する材料から形成してもよい。バルク電気抵抗率は、いくつかの態様において、約1020[Ω・m]以下、または約1015[Ω・m]以下であってもよい。上記範囲の組み合わせも可能である。他のバルク電気抵抗率の値も可能である。

0107

いくつかの態様において、イオン伝導体材料の平均イオン伝導率(例えば、リチウムイオン伝導性)は、少なくとも約10−7[S/cm]、少なくとも約10−6[S/cm]、少なくとも約10−5[S/cm]、少なくとも約10−4[S/cm]、少なくとも約10−3[S/cm]、少なくとも約10−2[S/cm]、少なくとも約10−1[S/cm]、少なくとも約1[S/cm]、または少なくとも約10[S/cm]であってもよい。上記伝導率は、室温(例えば、25℃)で測定してもよい。

0108

いくつかの態様において、イオン伝導体は、固体であってもよい。いくつかの態様において、イオン伝導体は、非ポリマー材料を含むか、または実質的に非ポリマー材料から形成されてもよい。例えば、イオン伝導体は、無機材料を含むか、または実質的に無機材料から形成されてもよい。

0109

種々の材料をイオン伝導性層として用いることができるが、1組の態様において、イオン伝導体層は、無機イオン伝導性層である。例えば、無機イオン伝導体層は、セラミック、ガラス、またはガラス質‐セラミックであってもよい。好適なガラスには、それらに限定されないが、当該技術分野において知られているように、「モディファイア」部分と「ネットワーク」部分を含むものとして特徴付けることができるものが挙げられる。上記モディファイアは、上記ガラス中で伝導性の金属イオン金属酸化物を含んでもよい。上記ネットワーク部分は、例えば、金属酸化物や金属硫化物などの金属カルコゲン化物を含んでいてもよい。イオン伝導体は、窒化リチウムケイ酸リチウムホウ酸リチウムアルミン酸リチウムリン酸リチウム窒化リン酸リチウム、リチウムシリコスルフィド(lithium silicosulfides)、リチウムゲルマノスルフィド(lithium germanosulfide)、リチウム酸化物(例えば、Li2O、LiO、LiO2、LiRO2、ここでRは希土類金属である)、リチウムランタン酸化物リチウムチタン酸化物、リチウムボロスルフィド(lithium borosulfides)、リチウムアルミノスルフィド(lithium aluminosulfides)およびリチウムホスホスルフィド(lithium phosphosulfides)の1つ以上から選択されたガラス状材料、並びにこれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、イオン伝導体は、リチウムオキシスルフィド等のオキシスルフィドを含む。1つの態様において、イオン伝導体は、電解質の形の窒化リン酸リチウムを含む。

0110

本明細書中に記載された無機イオン伝導体材料がリチウムオキシスルフィドを含むいくらかの態様において、上記リチウムオキシスルフィド(またはリチウムオキシスルフィドを含むイオン伝導体層)は0.1〜20重量%の酸化物含有量を有してもよい。上記酸化物含有量は、リチウムオキシスルフィド材料の全重量に対して、またはリチウムオキシスルフィド材料を含むイオン伝導体層の総重量に対して、測定することができる。例えば、酸化物の含有量は、少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%であってもよい。いくつかの態様において、酸化物の含有量は、リチウムオキシスルフィドの20重量%以下、15重量%以下、10重量以下、5重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下であってもよい。上記範囲の組合せも可能である。層の酸化物含有量を含む元素組成は、エネルギー分散型X線分光法などの方法によって決定することができる。

0111

本明細書中に記載された無機イオン伝導体材料がリチウムオキシスルフィドを含むいくつかの態様において、リチウムオキシスルフィド材料(またはリチウムオキシスルフィドを含むイオン伝導体層)は、例えば、0.5:1から1000:1の間の酸素原子に対する硫黄原子原子比(S:O)を有する。例えば、リチウムオキシスルフィド材料(またはリチウムオキシスルフィドを含むイオン伝導体層)中の酸素原子に対する硫黄原子の原子比(S:O)は、少なくとも0.5:1、少なくとも0.667:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも20:1少なくとも50:1、少なくとも70:1、少なくとも90:1、少なくとも100:1、少なくとも200:1、少なくとも500:1、または少なくとも1000:1であってもよい。リチウムオキシスルフィド材料(またはリチウムオキシスルフィドを含むイオン伝導体層)中の酸素原子に対する硫黄原子の原子比(S:O)は、1000:1以下、500:1以下、200:1以下、100:1以下、90:1以下、70:1以下、50:1以下、20:1以下、10:1以下、5:1以下、3:1以下、または2:1以下であってもよい。上記範囲も可能である(例えば、S:Oの原子比0.67:1〜1000:1、または4:1〜100:1)。他の範囲も可能である。層の元素組成は、エネルギー分散型X線分光法などの方法によって決定することができる。

0112

いくつかの態様において、本明細書中に記載のリチウムオキシスルフィド材料は、
化学式:x(yLi2S+zLi2O)+MS2
(式中、Mは、Si、Ge、またはSnであり、y+z=1であり、xは0.5〜3の範囲であってもよい)
を有してもよい。いくらかの態様において、xは、少なくとも0.5、少なくとも1.0、少なくとも1.5、少なくとも2.0、または少なくとも2.5である。他の態様において、xは、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、または0.5以下である。上記範囲の組合せも可能である。xの他の値も可能である。

0113

イオン伝導体は、いくつかの態様において、非晶質のリチウムイオン伝導性オキシスルフィド、結晶性のリチウムイオン伝導性オキシスルフィドまたは非晶質のリチウムイオン伝導性オキシスルフィドと結晶性リチウムイオン伝導性オキシスルフィドとの混合物、例えば、非晶質のリチウムオキシスルフィド、結晶性リチウムオキシスルフィド、または非晶質リチウムオキシスルフィドと結晶性リチウムオキシスルフィドとの混合物を含んでもよい。

0114

いくつかの態様において、前述したリチウムオキシスルフィド等の無機イオン伝導体は、無機イオン伝導体材料の0〜30重量%の範囲のガラス形成添加剤を含む。ガラス形成添加剤の例としては、例えば、SiO2、Li2SiO3、Li4SiO4、Li3PO4、LiPO3、Li3PS4、LiPS3、B2O3、B2S3が挙げられる。他のガラス形成添加剤も可能である。いくらかの態様において、ガラス形成添加剤は、無機イオン伝導体材料の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、または少なくとも30重量%であってもよい。いくらかの態様において、ガラス形成添加剤は、無機イオン伝導体材料の30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、または10重量%以下であってもよい。上記範囲の組合せも可能である。ガラス形成添加剤の他の値も可能である。

0115

いくつかの態様において、1つまたは複数の更なる塩(例えば、LiI、LiBr、LiCl、Li2CO3および/またはLi2SO4)を、例えば、0〜50モル%の範囲で、無機イオン伝導体材料に添加してもよい。他の塩もまた可能である。いくらかの態様において、更なる塩は、少なくとも0モル%、少なくとも10モル%、少なくとも20モル%、少なくとも30モル%、少なくとも40モル%、あるいは少なくとも50モル%である。いくらかの態様において、更なる塩は、50モル%以下、40モル%以下、30モル%以下、20モル%以下、または10モル%以下である。上記範囲の組合せも可能である。モル%の他の値も可能である。

0116

イオン伝導体の更なる例は、窒化リチウム、ケイ酸リチウム、ホウ酸リチウム、アルミン酸リチウム、リン酸リチウム、窒化リン酸リチウム、リチウムシリコスルフィド(lithium silicosulfides)、リチウムゲルマノスルフィド(lithium germanosulfide)、リチウム酸化物(例えば、Li2O、LiO、LiO2、LiRO2、ここでRは希土類金属である)、リチウムランタン酸化物、リチウムチタン酸化物、リチウムボロスルフィド(lithium borosulfides)、リチウムアルミノスルフィド(lithium aluminosulfides)およびリチウムホスホスルフィド(lithium phosphosulfides)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。

0117

いくらかの態様において、イオン伝導体は、単一イオン伝導性材料(例えば、単一イオン伝導性セラミック材料)から形成される。

0118

イオン伝導体の全てまたは一部を形成するために使用され得る他の好適な材料は、発明の名称「Electrode Protection in Both Aqueous and Non−Aqueous Electrochemical Cells, including Rechargeable Lithium Batteries」の、2010年7月1日に出願し、2010年12月30日に公開された、米国特許出願公開第2010/0327811号明細書に記載のイオン伝導性材料が挙げられ、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0119

本開示を与えられた当業者は、イオン伝導体として使用するための好適な材料を選択することができる。そのような選択を行う際に考慮されるかもしれない関連要因は、イオン伝導体材料のイオン伝導性;電気化学電池内の他の材料の上に、または他の材料と共にイオン伝導体材料をエッチング、付着、または他の方法で形成する能力;イオン伝導体材料の脆弱性;ポリマーまたはセパレータ材料とイオン伝導材料適合性;電気化学電池の電解質とイオン伝導体材料の適合性;上記材料のイオン伝導率(例えば、リチウムイオン伝導率);および/またはセパレータ材料にイオン伝導体を接着する能力;を含む。

0120

イオン伝導材料は、スパッタリング、電子ビーム蒸着、真空熱蒸着レーザアブレーション化学蒸着CVD)、熱蒸着、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、レーザ強化化学蒸着、およびジェット蒸着などの任意の好適な方法によって付着させることができる。使用される技術は、付着される材料の種類、層の厚さなどに依存してもよい。いくらかの態様において、セパレータ材料(例えば、ポリマー性セパレータ材料)イオン伝導性材料の上に形成した後、イオン伝導体材料の少なくとも一部をエッチングまたは他の方法で除去してもよい。

0121

本明細書中に記載されるように、いくらかの好ましい態様において、イオン伝導体材料を、真空蒸着法(例えば、スパッタリング法、CVD法、熱蒸着法または電子ビーム蒸着法)を用いて、セパレータ上に付着させてもよい。真空蒸着法により、平滑で、高密度で、均一な薄層の付着を可能にすることができる。他の態様において、イオン伝導体(例えば、セラミック)は、スラリーまたはゲルからのイオン伝導体を延伸し、成形することによってコーティングすることができる。

0122

イオン伝導体が層(例えば、ポリマー層(例えば、セパレータ)に隣接および/または取り付けされた層)の形である態様において、イオン伝導体層の厚さは変化してもよい。イオン伝導体層の厚さは、例えば1nm〜7μmの範囲にわたって変化してもよい。例えば、イオン伝導体層の厚さは、1〜10nm、10〜100nm、10〜50nm、30〜70nm、100〜1000nm、または1〜7μmであってもよい。イオン伝導体層の厚さは、例えば、7μm以下、5μm以下、2μm以下、1000nm以下、600nm以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、70nm以下、50nm以下、25nm以下、または10nm以下であってもよい。いくつかの態様において、イオン伝導体層の厚さは、少なくとも10nm、少なくとも20nm、少なくとも30nm、少なくとも100nm、少なくとも400nm、少なくとも1μm、少なくとも2.5μm、または少なくとも5μmである。他の厚さも可能である。上記範囲の組合せも可能である。

0123

本明細書中に記載のように、本明細書中に記載の方法および物品は、平滑な表面の形成を可能にすることができる。いくつかの態様において、保護構造体のイオン伝導体層のRMS表面粗さは、例えば、1未満μmであってもよい。いくらかの態様において、このような表面のためのRMS表面粗さは、例えば、0.5nm〜1μm(例えば、0.5〜10nm、10〜50nm、10〜100nm、50〜200nm、10〜500nm)であってもよい。いくつかの態様において、RMS表面粗さは、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、0.3μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、75nm以下、50nm以下、25nm以下、10nm以下、5nm以下、2nm以下、1nm以下であってもよい。いくつかの態様において、RMS表面粗さは1nmより大きく、5nmより大きく、10nmより大きく、50nmより大きく、100nmより大きく、200nmより大きく、500nmより大きく、または700nmより大きくてもよい。他の値も可能である。上記範囲の組合せも可能である(例えば、0.5μm以下およびが10nmより大きいRMS表面粗さ)。保護構造体のポリマー層は、上記範囲の1つ以上のRMS表面粗さを有してもよい。

0124

ポリマー層を基材(例えば、イオン伝導体層)上に配置する態様においては、ポリマー層を硬化するかまたは他の方法で基材上に直接作製するか、或いは他の態様においてポリマーを別々に添加してもよい(例えば、市販のセパレータ)と理解されるべきである。細孔径などの特定の特性のために設計されたポリマー構造体または電池用セパレータ材料などの市販のポリマー構造体のいずれかを、本明細書中に記載されるような次の工程のコーティングのための自立型基材として使用してもよい。いくらかの態様において、ポリマー層を通過する孔路が曲がりくねっていてもよく、ポリマー層を完全に通過する連続的な経路を形成してもよい。このような孔路は、電気活性種(例えば、リチウム)のための流体バリアおよびイオン伝導体として作用することができるセラミックコーティングへの電解質を浸透させる。

0125

本明細書中に記載のポリマー層は、様々な材料から形成されてもよい。いくつかの態様において、ポリマー層は、固体であってもよい。場合によっては、ポリマー層は、通過しても、またはポリマー層の細孔内に存在してもよい溶媒を除いて、実質的に(ゲル中のような)溶媒を含まない。いくつかの態様において、ポリマー層は多孔性である。ポリマー層は、いくつかの態様にしたがって、電気化学電池の短絡をもたらす可能性がある、第1電極と第2電極との間の物理的接触を阻止する(例えば、防止する)ように構成してもよい。ポリマー層は、いくらかの態様において、実質的に電子的に非伝導性であるように構成してもよく、それによりポリマー層が電気化学電池の短絡を引き起こす程度を抑制することができる。いくらかの態様において、ポリマー層の全てまたは一部は、少なくとも約104[Ω・m]、少なくとも約105[Ω・m]、少なくとも約1010[Ω・m]、少なくとも約1015[Ω・m]、または少なくとも約1020[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する材料から形成してもよい。

0126

他の態様において、上記ポリマーが実質的にイオン非伝導性であるのに対して、いくつかの態様において、上記ポリマーは、イオン伝導性であってもよい。いくつかの態様において、上記ポリマーの平均イオン伝導率は、少なくとも約10−7[S/cm]、少なくとも約10−6[S/cm]、少なくとも約10−5[S/cm]、少なくとも約10−4[S/cm]、少なくとも約10−2[S/cm]、少なくとも約10−1[S/cm]である。いくらかの態様において、上記ポリマーの平均イオン伝導率は、約1[S/cm]以下、約10−1[S/cm]以下、約10−2[S/cm]以下、約10−3[S/cm]以下、約10−4[S/cm]以下、約10−5[S/cm]以下、約10−6[S/cm]以下、約10−7[S/cm]以下、または約10−8[S/cm]以下であってもよい。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、少なくとも約10−8[S/cm]および約10−1[S/cm]以下の平均イオン伝導率)。上記伝導率は、室温(例えば、25℃)で測定してもよい。

0127

好適なポリマー材料の例には、それらに限定されないが、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)およびガラス繊維濾紙が挙げられる。使用するのに好適なポリマーおよびポリマー材料の更なる例には、発明の名称「Separators for electrochemical cells」の、1997年12月19日に出願された、米国特許第6,153,337号明細書および1998年12月17日提出された、発明の名称「Separators for electrochemical cells」の、米国特許第6,306,545号明細書に記載されているように、自立膜として提供されても、または電極の1つ上への直接コーティング塗布によって提供されてもよい、微孔性キセロゲル層、例えば微孔擬ベーマイト層を含むものである。固体電解質およびゲル電解質は、それらの電解質機能に加えて、ポリマー層として機能してもよい。有用なゲルポリマー電解質の例には、それらに限定されないが、ポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドポリアクリロニトリルポリシロキサン、ポリイミド、ポリホスファゼンポリエーテルスルホン化ポリイミド、全フッ素化膜(NAFION樹脂)、ポリジビニルポリエチレングリコールポリエチレングリコールジアクリレートポリエチレングリコールジメタクリレート、それらの誘導体、それらの共重合体、それらの架橋構造体および網目状構造体、およびそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のポリマー、並びに任意に1つ以上の可塑剤を含むものが挙げられる。

0128

上記ポリマー層に用いるのに好適である他のクラスのポリマーには、それらに限定されないが、ポリアミン(例えば、ポリ(エチレンイミン)およびポリプロピレンイミンPPI));ポリアミド類(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド(例えば、ポリイミド、ポリニトリル、およびポリ(ピロメリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton));ビニルポリマー(例えば、ポリアクリルアミド、ポリ(2‐ビニルピリジン)、ポリ(N‐ビニルピロリドン)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(2‐ビニルピリジン)、ビニルポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびポリ(イソヘキシルシアノアクリレート));ポリアセタール;ポリオレフィン(例えば、ポリ(ブテン‐1)、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン);ポリエステル(例えば、ポリカーボネートポリブチレンテレフタレートポリヒドロキシブチレート);ポリエーテル(ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)、ポリ(テトラメチレンオキシド)(PTMO));ビニリデンポリマー(例えば、ポリイソブチレン、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(塩化ビニリデン)、およびポリ(フッ化ビニリデン));ポリアラミド(例えば、ポリ(イミノ‐1,3‐フェニレンイミノイソフタロイル)およびポリ(イミノ‐1,4‐フェニレンイミノテレフタロイル));ポリヘテロ芳香族化合物(例えば、ポリベンズイミダゾールPBI)、ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)および
ポリベンゾビスチアゾール(PBT));多複素環化合物(例えば、ポリピロール);ポリウレタンフェノール系ポリマー(例えば、フェノールホルムアルデヒド);ポリアルキン(例えば、ポリアセチレン);ポリジエン(例えば、1,2‐ポリブタジエン、シスまたはトランス‐1,4‐ポリブタジエン);ポリシロキサン(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、ポリ(ジエチルシロキサン)(PDES)、ポリジフェニルシロキサン(PDPS)、およびポリメチルフェニルシロキサン(PMPS));並びに無機ポリマー(例えば、ポリホスファゼン、ポリホスホネートポリシランポリシラザン)が挙げられる。いくつかの態様において、上記ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリイソブチレン、エポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択してもよい。これらのポリマーの機械的および電子的特性(例えば、伝導率、抵抗率)は既知である。従って、当業者は、それらの機械的および/または電子的特性(例えば、イオン伝導性および/または電子伝導性)に基づいて、好適なポリマーを選択することができ、および/または本明細書中の記載と組み合わせて、当該技術分野の知識に基づいて、このようなポリマーをイオン伝導性(例えば、単一のイオンに対して伝導性)および/または電子伝導性に変性することができる。例えば、前述のポリマー材料は、イオン伝導性を向上させるために、更に塩、例えば、リチウム塩(例えば、LiSCN、LiBr、LiI、LiClO4、LiAsF6、LiSO3CF3、LiSO3CH3、LiBF4、またはLiB(Ph)4、LiPF6、LiC(SO2CF3)3、およびLiN(SO2CF3)2)を含んでもよい。

0129

ポリマー層の全てまたは一部を形成するために使用され得る他の好適な材料には、発明の名称「Electrode Protection in Both Aqueous and Non−Aqueous Electromechanical Cells, Including Rechargeable Lithium Batteries」の、2010年7月1日出願、2010年12月30日公開の米国特許出願公開第2010/0327811号明細書に記載されたポリマー材料が挙げられ、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0130

本開示を与えられた当業者は、ポリマー層として使用するための好適な材料を選択することができるであろう。そのような選択を行う際に考慮されるかもしれない関連要因は、ポリマー材料のイオン伝導性;電気化学電池内の他の材料の上に、または他の材料と共にポリマー材料を付着させるか、または他の方法でポリマー材料を形成する能力;ポリマー材料の可撓性;ポリマー材料の多孔性(例えば、全体的な気孔率細孔径分布、および/または屈曲度);電気化学電池を形成するために使用される製造プロセスとのポリマー材料の適合性;電気化学電池の電解質とポリマー材料との相溶性;および/またはポリマー材料をイオン伝導材料に接着する能力;を含む。いくらかの態様において、ポリマー材料は、機械的欠陥なしに、イオン伝導体付着プロセスを継続する能力に基づいて選択することができる。例えば、比較的高い温度や高い圧力を用いてイオン伝導体材料(例えば、セラミックイオン伝導体材料)を形成する態様において、ポリマー材料は、このような高い温度および圧力に耐えるように選択または構成してもよい。

0131

当業者は、候補材料から好適なポリマー材料を選択するための簡単なスクリーニング試験を用いることができる。1つの簡単なスクリーニング試験は、電子の分離を維持しながら、機能するために、材料を横切って(例えば、材料の細孔を通って)イオン種の通過を必要とする電気化学電池におけるポリマー層としての材料を配置することを含む。これは、採用する簡単なテストである。上記材料が、この試験において、実質的にイオン伝導性である場合、電気化学電池の放電時に電流を発生する。別の簡単なスクリーニング試験は、本明細書中に記載の種々の方法によって、ポリマーの表面エネルギーを増加させる能力を含む。スクリーニング試験は、本明細書中に記載のようにポリマーとイオン伝導体層との接着性を試験することを含んでもよい。別のスクリーニング試験は、電気化学電池に使用される電解質の存在下で膨潤しないセパレータの能力を試験することを含んでもよい。当業者によって、他の簡単な試験を行うことができる。

0132

ポリマー層の厚さは変化してもよい。ポリマー層の厚さは、例えば、40μm以下、30μm以下、25μm以下、10μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、0.5μm以下、0.1μm以下、0.05μm以下であってもよい。いくつかの態様において、ポリマー層の厚さは、少なくとも0.01μm、少なくとも0.05μm、少なくとも0.1μm、少なくとも0.5μm、少なくとも1μm、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、少なくとも25μm、少なくとも30μm、または少なくとも40μmである。他の厚さも可能である。上記範囲の組合せも可能である。

0133

本明細書中に記載されるように、ポリマー層は、平滑な表面を有していてもよい。いくつかの態様において、ポリマー層のRMS表面粗さは、例えば、1μm未満であってもよい。いくらかの態様において、そのような表面に対するRMS表面粗さは、例えば、0.5nm〜1μm(例えば、0.5〜10nm、10〜50nm、10〜100nm、50〜200nm、10〜500nm)であってもよい。いくつかの態様において、RMS表面粗さは、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、0.3μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、75nm以下、50nm以下、25nm以下、10nm以下、5nm以下、2nm以下、1nm以下であってもよい。いくつかの態様において、RMS表面粗さは、1nmより大きく、5nmより大きく、10nmより大きく、50nmより大きく、100nmより大きく、200nmより大きく、500nmより大きく、または700nmより大きくてもよい。他の値も可能である。上記範囲の組合せも可能である(例えば、0.5μm以下および10nmより大きいRMS表面粗さ)。

0134

本明細書中に記載されるように、ポリマー層は多孔性であってもよい。いくつかの態様において、ポリマーの細孔径は、例えば、5μm未満であってもよい。いくらかの態様において、ポリマーの細孔径は、50nm〜5μm、50〜500nm、100〜300nm、300nm〜1μm、500nm〜5μmであってもよい。いくつかの態様において、細孔径は、5μm以下、1μm以下、500nm以下、300nm以下、100nm以下、または、50nm以下であってもよい。いくつかの態様において、上記細孔径は、50nmより大きく、100nmより大きく、300nmより大きく、500nmより大きく、または1μmより大きくてもよい。他の値も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、300nm未満および100nmより大きい細孔径)。

0135

本明細書中に記載されるように、ポリマー層の平均細孔径に対するイオン伝導体層の相対的厚さが、上記2つの層の接着強度の程度に影響を与えてもよい。例えば、イオン伝導体層の厚さは、ポリマー層の平均細孔径(または最大細孔径)より大きくてもよい。いくらかの態様において、イオン伝導体層の平均厚さは、ポリマー層に隣接するイオン伝導体層の平均細孔径(または最大細孔径)の少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.7倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.2倍、少なくとも3.5倍、少なくとも3.8倍、少なくとも4.0倍、少なくとも5.0倍、少なくとも7.0倍、少なくとも10.0倍、少なくとも20.0倍である。いくらかの態様において、イオン伝導体層の平均厚さは、イオン伝導体層に隣接するポリマー層の平均細孔径(または最大細孔径)の20.0倍以下、10.0倍以下、7.0倍以下、5.0倍以下、4.0倍以下、3.8倍以下、3.5倍以下、3.2倍以下、3.0倍以下、2.8倍以下、2.5倍以下、または2.0倍であってもよい。平均細孔径とイオン伝導体層の厚さの他の組合せも可能である。

0136

ポリマー層の平均細孔径に対するイオン伝導体層の厚さの比(上記厚さ:上記細孔径)は、例えば、少なくとも1:1(例えば、1.1:1)、少なくとも2:1、少なくとも3:2、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、または少なくとも10:1であってもよい。ポリマー層の平均細孔径に対するイオン伝導体層の厚さの比は、10:1以下、5:1以下、3:1以下、2:1以下(例えば、1.1:1)、または1:1以下であってもよい。他の比も可能である。上記範囲の組合せも可能である。

0137

セパレータは、いくつかの態様にしたがって、電気化学電池の短絡をもたらす可能性がある、第1電極と第2電極との間の物理的接触を阻止する(例えば、防止する)ように構成してもよい。セパレータは、いくらかの態様において、実質的に電子的に非伝導性であるように構成してもよく、それによりセパレータが電気化学電池の短絡を引き起こす程度を抑制することができる。いくらかの態様において、セパレータの全てまたは一部は、少なくとも約104[Ω・m]、少なくとも約105[Ω・m]、少なくとも約1010[Ω・m]、少なくとも約1015[Ω・m]、または少なくとも約1020[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する材料から形成してもよい。バルク電気抵抗率は、室温(例えば、25℃)で測定してもよい。

0138

他の態様において、上記セパレータが実質的にイオン非伝導性であるのに対して、いくつかの態様において、上記セパレータは、イオン伝導性であってもよい。いくつかの態様において、上記セパレータの平均イオン伝導率は、少なくとも約10−7[S/cm]、少なくとも約10−6[S/cm]、少なくとも約10−5[S/cm]、少なくとも約10−4[S/cm]、少なくとも約10−2[S/cm]、少なくとも約10−1[S/cm]である。いくらかの態様において、上記セパレータの平均イオン伝導率は、約1[S/cm]以下、約10−1[S/cm]以下、約10−2[S/cm]以下、約10−3[S/cm]以下、約10−4[S/cm]以下、約10−5[S/cm]以下、約10−6[S/cm]以下、約10−7[S/cm]以下、または約10−8[S/cm]以下であってもよい。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、少なくとも約10−8[S/cm]および約10−1[S/cm]以下の平均イオン伝導率)。

0139

いくつかの態様において、セパレータは、固体であってもよい。セパレータは、電解質溶媒が通過することを可能にするために多孔性であってもよい。場合によっては、セパレータは、通過しても、またはセパレータの細孔内に存在してもよい溶媒を除いて、実質的に(ゲル中のような)溶媒を含まない。他の態様において、セパレータは、ゲルの形態であってもよい。

0140

いくらかの態様において、セパレータは、本明細書中に記載される1つ以上のポリマー材料(例えば、以下に示したセパレータ用のポリマー)を含んでもよいポリマーバインダーの混合物、およびイオン伝導体層用として本明細書中に記載の材料などのセラミックまたはガラス質/セラミック材料を含む充填剤を含んでもよい。

0141

本明細書中に記載されるセパレータは、様々な材料から形成してもよい。セパレータは、いくつかの場合において、ポリマー、または他の場合には、無機材料(例えば、ガラス繊維濾紙)から形成されてもよい。好適なセパレータ材料の例には、それらに限定されないが、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリ(ブテン‐1)、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン)、ポリアミン(例えば、ポリ(エチレンイミン)およびポリプロピレンイミン(PPI));ポリアミド類(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド類(例えば、ポリイミド、ポリニトリル、およびポリ(ピロメリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton;登録商標)(NOMEX;登録商標)(KEVLAR;登録商標));ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ビニルポリマー(例えば、ポリアクリルアミド、ポリ(2‐ビニルピリジン)、ポリ(N‐ビニルピロリドン)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(2‐ビニルピリジン)、ビニルポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびポリ(イソヘキシルシアノアクリレート));ポリアセタール;ポリエステル(例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヒドロキシブチレート);ポリエーテル(ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)、ポリ(テトラメチレンオキシド)(PTMO));ビニリデンポリマー(例えば、ポリイソブチレン、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニリデン));ポリアラミド(例えば、ポリ(イミノ‐1,3‐フェニレンイミノイソフタロイル)およびポリ(イミノ‐1,4‐フェニレンイミノテレフタロイル));ポリヘテロ芳香族化合物(例えば、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)およびポリベンゾビスチアゾール(PBT));多複素環化合物(例えば、ポリピロール);ポリウレタン;フェノール系ポリマー(例えば、フェノール‐ホルムアルデヒド);ポリアルキン(例えば、ポリアセチレン);ポリジエン(例えば、1,2‐ポリブタジエン、シスまたはトランス‐1,4‐ポリブタジエン);ポリシロキサン(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、ポリ(ジエチルシロキサン)(PDES)、ポリジフェニルシロキサン(PDPS)、およびポリメチルフェニルシロキサン(PMPS));並びに無機ポリマー(例えば、ポリホスファゼン、ポリホスホネート、ポリシラン、ポリシラザン)が挙げられる。いくつかの態様において、ポリマーは、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド類(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド類(例えば、ポリイミド、ポリニトリル、およびポリ(ピロメリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton;登録商標)(NOMEX;登録商標)(KEVLAR;登録商標));ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。

0142

これらのポリマーの機械的および電子的特性(例えば、伝導率、抵抗率)は既知である。従って、当業者は、それらの機械的および/または電子的特性(例えば、イオン伝導性および/または電子伝導性/抵抗率)に基づいて、好適な材料を選択することができ、および/または本明細書中の記載と組み合わせて、当該技術分野の知識に基づいて、このようなポリマーをイオン伝導性(例えば、単一のイオンに対して伝導性)および/または電子伝導性に変性することができる。例えば、前述の、および明細書中に記載されたポリマー材料は、必要であれば、イオン伝導性を向上させるために、更に塩、例えば、リチウム塩(例えば、LiSCN、LiBr、LiI、LiClO4、LiAsF6、LiSO3CF3、LiSO3CH3、LiBF4、またはLiB(Ph)4、LiPF6、LiC(SO2CF3)3、およびLiN(SO2CF3)2)を含んでもよい。

0143

使用するのに好適なセパレータおよびセパレータ材料の更なる例には、発明の名称「Separators for electrochemical cells」の、1997年12月19日に出願された、米国特許第6,153,337号明細書および1998年12月17日提出された、発明の名称「Separators for electrochemical cells」の、米国特許第6,306,545号明細書に記載されているように、自立膜として提供されても、または電極の1つ上への直接コーティング塗布によって提供されてもよい、微孔性キセロゲル層、例えば微孔擬ベーマイト層を含むものである。固体電解質およびゲル電解質は、それらの電解質機能に加えて、セパレータとして機能してもよい。有用なゲルポリマー電解質の例には、それらに限定されないが、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリホスファゼン、ポリエーテル、スルホン化ポリイミド、全フッ素化膜(NAFION樹脂)、ポリジビニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、それらの誘導体、それらの共重合体、それらの架橋構造体および網目状構造体、およびそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のポリマー、並びに任意に1つ以上の可塑剤を含むものが挙げられる。

0144

セパレータの全てまたは一部を形成するために使用され得る他の好適な材料は、発明の名称「Electrode Protection in Both Aqueous and Non−Aqueous Electrochemical Cells, including Rechargeable Lithium Batteries」の、2010年7月1日に出願し、2010年12月30日に公開された、米国特許出願公開第2010/0327811号明細書に記載のセパレータ材料が挙げられ、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0145

本開示を与えられた当業者は、セパレータとして使用するための好適な材料を選択することができる。そのような選択を行う際に考慮される可能性がある関連要因は、セパレータ材料のイオン伝導性;電気化学電池内の他の材料の上に、または他の材料と共にセパレータ材料を付着させるか、他の方法でセパレータ材料を形成する能力;セパレータ材料の可撓性;セパレータ材料の多孔性(例えば、全体の気孔率、平均細孔径、細孔径分布、および/または屈曲度);電気化学電池を形成するために使用される製造プロセスとのセパレータ材料の適合性;電気化学電池の電解質とセパレータ材料との相溶性;および/またはセパレータ材料をイオン伝導材料に接着する能力;を含む。いくらかの態様において、セパレータ材料は、機械的欠陥なしに、イオン伝導体付着プロセスを継続する能力に基づいて選択することができる。例えば、比較的高い温度や高い圧力を用いてイオン伝導体材料(例えば、セラミックイオン伝導体材料)を形成する態様において、セパレータ材料は、このような高い温度および圧力に耐えるように選択または構成してもよい。

0146

当業者は、候補物質から好適なセパレータ材料を選択するための簡単なスクリーニング試験を用いることができる。1つの簡単なスクリーニング試験は、電子の分離を維持しながら、機能するために、材料を横切って(例えば、材料の細孔を通って)イオン種の通過を必要とする電気化学電池におけるセパレータとしての材料を配置することを含む。上記材料が、この試験において、実質的にイオン伝導性である場合、電気化学電池の放電時に電流を発生する。別の簡単なスクリーニング試験は、本明細書中に記載の種々の方法によって、セパレータの表面エネルギーを増加させる能力を含む。スクリーニング試験は、本明細書中に記載のようにポリマー層/セパレータとイオン伝導体層との接着性を試験することを含んでもよい。別のスクリーニング試験は、電気化学電池に使用される電解質の存在下で膨潤しないポリマー層/セパレータの能力を試験することを含んでもよい。当業者によって、他の簡単な試験を行うことができる。

0147

セパレータの厚さは変化してもよい。セパレータの厚さは、例えば、5〜40μmの範囲にわたって変化してもよい。例えば、セパレータの厚さは、10〜20μm、20〜30μm、または20〜40μmであってもよい。セパレータの厚さは、例えば、40μm以下、30μm以下、25μm以下、10μm以下、または9μm以下であってもよい。いくつかの態様において、セパレータの厚さは、少なくとも9μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、少なくとも25μm、少なくとも30μm、または少なくとも40μmである。他の厚さも可能である。上記範囲の組合せも可能である。

0148

本明細書中に記載されるように、セパレータは、平滑な表面を有していてもよい。いくつかの態様において、セパレータのRMS表面粗さは、例えば、1μm未満であってもよい。いくらかの態様において、そのような表面に対するRMS表面粗さは、例えば、0.5nm〜1μm(例えば、0.5〜10nm、10〜50nm、10〜100nm、50〜200nm、10〜500nm)であってもよい。いくつかの態様において、上記RMS表面粗さは、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、0.3μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、75nm以下、50nm以下、25nm以下、10nm以下、5nm以下、2nm以下、1nm以下であってもよい。いくつかの態様において、上記RMS表面粗さは、1nmより大きく、5nmより大きく、10nmより大きく、50nmより大きく、100nmより大きく、200nmより大きく、500nmより大きく、または700nmより大きくてもよい。他の値も可能である。上記範囲の組合せも可能である(例えば、0.5μm以下および10nmより大きいRMS表面粗さ)。

0149

本明細書中に記載されるように、セパレータは、多孔性であってもよい。いくつかの態様において、セパレータの細孔径は、例えば、5μm未満であってもよい。いくらかの態様において、セパレータの細孔径は、50nm〜5μm、50〜500nm、100〜300nm、300nm〜1μm、500nm〜5μmであってもよい。いくつかの態様において、細孔径は、5μm以下、1μm以下、500nm以下、300nm以下、100nm以下、または、50nm以下であってもよい。いくつかの態様において、上記細孔径は、50nmより大きく、100nmより大きく、300nmより大きく、500nmより大きく、または1μmより大きくてもよい。他の値も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、300nm未満および100nmより大きい細孔径)。

0150

本明細書中に記載されるように、イオン伝導体層に隣接して配置されるセパレータの平均細孔径に対するイオン伝導体層の相対的厚さは、上記2つの層の接着強度の程度に影響を与えてもよい。例えば、イオン伝導体層の厚さは、セパレータの平均細孔径(または最大細孔径)より大きくてもよい。いくらかの態様において、イオン伝導体層の平均厚さは、セパレータに隣接するイオン伝導体層の平均細孔径(または最大細孔径)の少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.7倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.7倍、である2.8倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.2倍、少なくとも3.5倍、少なくとも3.8倍、少なくとも4.0倍、少なくとも5.0倍、少なくとも7.0倍、少なくとも10.0倍、少なくとも20.0倍である。いくらかの態様において、イオン伝導体層の平均厚さは、イオン伝導体層に隣接するセパレータの平均細孔径(または最大細孔直径)の20.0倍以下、10.0倍以下、7.0倍以下、5.0倍以下、4.0倍以下、3.8倍以下、3.5倍以下、3.2倍以下、3.0倍以下、2.8倍以下、2.5倍以下、または2倍であってもよい。平均細孔径とイオン伝導体層の厚さの他の組合せも可能である。平均細孔径とイオン伝導体層の厚さの他の組合せも可能である。

0151

セパレータの平均細孔径に対するイオン伝導体層の厚さの比は、例えば、少なくとも1:1(例えば、1.1:1)、少なくとも2:1、少なくとも3:2、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、または少なくとも10:1であってもよい。セパレータの平均細孔径に対するイオン伝導体層の厚さの比は、10:1以下、5:1以下、3:1以下、少なく以上、または2:1以下(例えば、1.1:1)、または1:1以下であってもよい。他の比も可能である。上記範囲の組合せも可能である。

0152

本明細書中に記載されるように、種々の方法を、イオン伝導体/ポリマー(例えば、イオン伝導体/セパレータ)複合体を形成するために使用してもよい。複合体がセパレータの形でポリマー層を含むいくらかの態様において、複合イオン伝導体/ポリマー層の厚さは、例えば、5〜40μmの範囲にわたって変化してもよい。例えば、上記複合体の厚さは、10〜20μm、20〜30μm、または20〜40μmであってもよい。上記複合体の厚さは、例えば、40μm以下、30μm以下、25μm以下、10μm以下、9μm以下、または7μm以下であってもよい。いくつかの態様において、上記複合体の厚さは、少なくとも5μm、少なくとも7μm、少なくとも9μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、少なくとも25μm、少なくとも30μmであるか、または少なくとも40μmである。他の厚さも可能である。上記範囲の組合せも可能である。

0153

本明細書中に記載されるように、いくつかの態様において、イオン伝導体/ポリマー複合体の細孔は、実質的にイオン伝導材料で充填されていなくてもよい。いくつかのこのような態様において、化学蒸着、電子ビーム、スパッタリング、または熱セラミック蒸着などの真空コーティング法を、イオン伝導体層を形成するために用いてもよい。本明細書中に記載のものなどの他の方法を用いることもできる。

0154

他の例において、細孔のすべてまたは少なくとも一部を、イオン伝導体材料で充填してもよい。いくつかのこのような態様において、イオン伝導体層は、真空スパッタリング法によって蒸着させてもよい。他の態様において、スラリーまたはゲルによる浸潤などの非真空法もまた、好適である。非真空法は、ポリマーの細孔径に対するイオン伝導体の厚さの比較的高い比率が存在する場合において特に用いることができる。本明細書中に記載のものなどの他の方法を用いてもよい。

0155

ポリマー層(例えば、セパレータ)の細孔径に対する細孔深さの相対アスペクト比は、ポリマー層の細孔が少なくとも部分的にイオン伝導体材料で充填されるかどうかに影響する可能性がある。いくつかの態様において、ポリマー層(例えば、セパレータ)の細孔径に対する細孔深さの上記アスペクト比(細孔深さ/細孔径)は、例えば、0.1〜10.0の範囲であってもよい。いくらかの態様において、細孔径に対する細孔深さの上記アスペクト比は、少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.5、少なくとも1.0、少なくとも2.0、少なくとも5.0、または少なくとも10.0であってもよい。細孔径に対する細孔深さの上記アスペクト比は、例えば、10.0以下、5.0以下、2.0以下、1.0以下、0.5以下、0.3以下、0.2以下、または0.1以下であってもよい。上記範囲の組み合わせも可能である。他のアスペクト比も可能である。

0156

いくらかの態様において、電子ビーム蒸着法を用いることによって、細孔をイオン伝導性材料で少なくとも部分的に充填するために、細孔径に対する細孔深さの上記アスペクト比は、0.3よりも大きい。スパッタリング等の他の方法も、より高いアスペクト比の充填細孔に好適である可能性がある。

0157

いくつかの態様において、上記複合体の平均イオン伝導率(例えば、リチウムイオン伝導性)は、少なくとも約10−7[S/cm]、少なくとも約10−6[S/cm]、少なくとも約10−5[S/cm]、少なくとも約10−4[S/cm]、少なくとも約10−2[S/cm]、少なくとも約10−1[S/cm]、少なくとも約1[S/cm]、少なくとも約10[S/cm]である。伝導率は、室温(例えば、25℃)で測定してもよい。

0158

イオン伝導体層およびセパレータ/ポリマー層を含む本明細書中に記載された複合構造体は、単独で包装しても(必要に応じて取り扱いのための基材などの好適な要素を有する)、または保護された電極を形成するために電気活性材料と共に包装してもよい自立型構造体であっても、或いは、組み立てて電気化学電池としてもよい。

0159

いくらかの態様において、電気化学電池は、電気活性材料を含む第1の電極、第2電極、並びに第1および第2の電極との間に配置された複合体を含む。上記複合体は、平均細孔径を有する細孔を含むセパレータ、および上記セパレータに接合した無機イオン伝導体層を含む。上記セパレータは、少なくとも104[Ω・m]、少なくとも約1010[Ω・m]、または少なくとも約1015[Ω・m]、例えば1010〜1015[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有してもよい。

0160

無機イオン伝導体層は、25℃で少なくとも約10−6[S/cm]のイオン(例えば、リチウムイオン)伝導率を有してもよい。いくらかの態様において、無機イオン伝導体層は、25℃で少なくとも約10−5[S/cm]、少なくとも約10−4[S/cm]、または少なくとも約10−3[S/cm]のイオン(例えば、リチウムイオン)伝導率を有する。

0161

上記無機イオン伝導体層は、セラミック、ガラス、またはガラス‐セラミックを含んでもよい。1組の態様において、上記無機イオン伝導体層は、リチウムオキシスルフィドを含む。

0162

上記セパレータと無機イオン伝導体層との接着強度は、場合によっては、ASTMD3359-02規格に準拠するテープ試験に合格するのに十分に強いものであってもよい。上記セパレータと無機イオン伝導体層との接着強度が、ある場合には、少なくとも350N/mまたは少なくとも500N/mであってもよい。いくつかの態様において、上記無機イオン伝導体層は、共有結合によってセパレータに接合されている。共有結合は、本明細書中に記載の好適な方法によって達成されてもよく、1つの態様には、セパレータを加える前または無機イオン伝導体層およびセパレータの接合前の、セパレータのプラズマ処理を含む。

0163

いくつかの態様において、セパレータの平均細孔径に対する無機イオン伝導体層の厚さの比は、少なくとも1.1:1(例えば、少なくとも2:1、少なくとも3:1、または少なくとも5:1)である。

0164

いくつかの態様において、無機イオン伝導体層は、2.0μm以下、1.5μm以下、1.3μm以下、1μm以下、800nm以下、600nm以下、または400〜600nmの厚さを有する。

0165

いくつかの態様において、5〜40μmの厚さを有するセパレータが含まれる。いくらかの態様において、上記セパレータは、固体ポリマーセパレータである。例えば、上記セパレータは、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド(例えば、ポリニトリル、およびポリ(ピロメリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton;登録商標、NOMEX;登録商標、KEVLAR;登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびそれらの混合物の1つ以上を含むか、またはそれらから形成されてもよい。

0166

いくらかの態様において、セパレータは、ポリマーバインダーと、イオン伝導体層のための本明細書中に記載された材料などのセラミックまたはガラス質/セラミック材料を含む充填剤との混合物を含んでもよい。

0167

上記セパレータは、5μm以下、1μm以下、0.5μm以下、0.05〜5μm、または0.1〜0.3μmの平均細孔径を有してもよい。

0168

上記複合体は、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠して、少なくとも20,000[Gurley‐秒]、少なくとも40,000[Gurley‐秒]、少なくとも60,000[Gurley‐秒]、少なくとも80,000[Gurley‐秒]、少なくとも100,000[Gurley‐秒]、または少なくとも120,000[Gurley‐秒]の透気時間を有してもよい。上記複合体は、Gurley test TAPPI Standard T 536 om−12に準拠して、300,000[Gurley‐秒]以下の透気時間を有してもよい。

0169

上記複合体は、例えば、電子ビーム蒸着法などの真空蒸着法により、またはスパッタリング法により、セパレータ上に無機イオン伝導体層を付着させることによって形成してもよい。

0170

本明細書中に記載される複合体は、様々な電気化学電池に用いてもよいが、1組の態様において、上記複合体は、リチウム硫黄電池などのリチウム電池に含まれる。従って、第1の電極は、第1電気活性材料として、リチウム金属および/またはリチウム合金などのリチウムを含んでもよく、第2の電極は、第2の電気活性材料として硫黄を含む。

0171

1組の態様において、電気化学電池は、リチウムを含む第1の電極、硫黄を含む第2の電極、上記第1の電極および第2の電極の間に位置されるセパレータ、および上記セパレータに接触および/または接合した固体イオン伝導体を含むリチウム‐硫黄電池である。

0172

いくつかの態様において、上記固体イオン伝導体は、セパレータの平均細孔径に対する無機イオン伝導体層の厚さの比が少なくとも1.1:1である、セパレータに接合した無機イオン伝導体層である。

0173

ポリマー層が、基材(例えば、イオン伝導体層)上に配置される態様において、例えば、多層保護構造体の一部として、上記ポリマー層を硬化するかまたは他の方法で基材上に直接作製するか、或いはポリマーを別々に基材に加えてもよい(例えば、市販のセパレータ)と理解されるべきである。

0174

上記ポリマー層は、(例えば、ゲルとは対照的に)固体であってもよい。ポリマー層は、いくらかの態様において、電子非伝導性であるように構成されてもよく、少なくとも約104[Ω・m]、少なくとも約105[Ω・m]、少なくとも約1010[Ω・m]、少なくとも約1015[Ω・m]、または少なくとも約1020[Ω・m]のバルク電気抵抗率を有する材料から形成されてもよい。

0175

いくつかの態様において、上記ポリマーは、イオン伝導性であってもよい。いくつかの態様において、上記ポリマーの平均イオン伝導率は、少なくとも約10−7[S/cm]、少なくとも約10−6[S/cm]、少なくとも約10−5[S/cm]、少なくとも約10−4[S/cm]、少なくとも約10−2[S/cm]、少なくとも約10−1[S/cm]である。いくらかの態様において、上記ポリマーの平均イオン伝導率は、約1[S/cm]以下、約10−1[S/cm]以下、約10−2[S/cm]以下、約10−3[S/cm]以下、約10−4[S/cm]以下、約10−5[S/cm]以下、約10−6[S/cm]以下、約10−7[S/cm]以下、または約10−8[S/cm]以下であってもよい。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、少なくとも約10−8[S/cm]および約10−1[S/cm]以下の平均イオン伝導率)。伝導率は、室温(例えば、25℃)で測定してもよい。

0176

本明細書中に記載されたポリマー層は、様々な材料から形成してもよい。上記ポリマー層に用いるのに好適である材料の例には、それらに限定されないが、ポリアミン(例えば、ポリ(エチレンイミン)およびポリプロピレンイミン(PPI));ポリアミド類(例えば、ポリアミド(Nylon)、ポリ(ε-カプロラクタム)(Nylon 6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(Nylon 66))、ポリイミド類(例えば、ポリイミド、ポリニトリル、およびポリ(ピロメリットイミド‐1,4‐ジフェニルエーテル)(Kapton);ビニルポリマー(例えば、ポリアクリルアミド、ポリ(2‐ビニルピリジン)、ポリ(N‐ビニルピロリドン)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(2‐ビニルピリジン)、ビニルポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびポリ(イソヘキシルシアノアクリレート));ポリアセタール;ポリオレフィン(例えば、ポリ(ブテン‐1)、ポリ(n‐ペンテン‐2)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン);ポリエステル(例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヒドロキシブチレート);ポリエーテル(ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)、ポリ(テトラメチレンオキシド)(PTMO));ビニリデンポリマー(例えば、ポリイソブチレン、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(塩化ビニリデン)、およびポリ(フッ化ビニリデン));ポリアラミド(例えば、ポリ(イミノ‐1,3‐フェニレンイミノイソフタロイル)およびポリ(イミノ‐1,4‐フェニレンイミノテレフタロイル));ポリヘテロ芳香族化合物(例えば、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)およびポリベンゾビスチアゾール(PBT));多複素環化合物(例えば、ポリピロール);ポリウレタン;フェノール系ポリマー(例えば、フェノール‐ホルムアルデヒド);ポリアルキン(例えば、ポリアセチレン);ポリジエン(例えば、1,2‐ポリブタジエン、シスまたはトランス‐1,4‐ポリブタジエン);ポリシロキサン(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、ポリ(ジエチルシロキサン)(PDES)、ポリジフェニルシロキサン(PDPS)、およびポリメチルフェニルシロキサン(PMPS));並びに無機ポリマー(例えば、ポリホスファゼン、ポリホスホネート、ポリシラン、ポリシラザン)が挙げられる。いくつかの態様において、上記ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリイソブチレン、エポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択してもよい。これらのポリマーの機械的および電子的特性(例えば、伝導率、抵抗率)は既知である。従って、当業者は、それらの機械的および/または電子的特性(例えば、イオン伝導性および/または電子伝導性)に基づいて、好適なポリマーを選択することができ、および/または本明細書中の記載と組み合わせて、当該技術分野の知識に基づいて、このようなポリマーをイオン伝導性(例えば、単一のイオンに対して伝導性)および/または電子伝導性に変性することができる。例えば、前述のポリマー材料は、イオン伝導性を向上させるために、更に塩、例えば、リチウム塩(例えば、LiSCN、LiBr、LiI、LiClO4、LiAsF6、LiSO3CF3、LiSO3CH3、LiBF4、またはLiB(Ph)4、LiPF6、LiC(SO2CF3)3、およびLiN(SO2CF3)2)を含んでもよい。

0177

本開示を与えられた当業者は、ポリマー層として使用するための好適な材料を選択することができる。そのような選択を行う際に考慮される可能性がある関連要因は、ポリマー材料のイオン伝導性;電気化学電池内の他の材料の上に、または他の材料と共にポリマー材料を付着させるか、他の方法でポリマー材料を形成する能力;ポリマー材料の可撓性;ポリマー材料の多孔性(例えば、全体の気孔率、平均細孔径、細孔径分布、および/または屈曲度);電気化学電池を形成するために使用される製造プロセスとのポリマー材料の適合性;電気化学電池の電解質とセパレータ材料との相溶性;および/またはポリマー材料をイオン伝導材料に接着する能力;を含む。

0178

ポリマー層の厚さは変化してもよい。上記ポリマー層の厚さは、例えば、40μm以下、30μm以下、25μm以下、10μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、0.5μm以下、0.1μm以下、0.05μm以下であってもよい。いくつかの態様において、上記ポリマー層の厚さは、少なくとも0.01μm、少なくとも0.05μm、少なくとも0.1μm、少なくとも0.5μm、少なくとも1μm、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、少なくとも25μm、少なくとも30μm、または少なくとも40μmである。他の厚さも可能である。上記範囲の組合せも可能である。

0179

いくつかの態様において、第1の電極(例えば、図1Aおよび図1B中の電極102)などの電極は、リチウムを含む好適な電気活性材料には、それらに限定されないが、リチウム金属(例えば、リチウム箔および/または導電性基材上に付着させたリチウムなど)およびリチウム合金(例えば、リチウム‐アルミニウム合金およびリチウム‐錫合金)を含む。いくつかの態様において、電極の電気活性リチウム含有材料は、50重量%を超えるリチウムを含む。場合によっては、電極の電気活性リチウム含有材料は、75重量%を超えるリチウムを含む。更に他の態様において、電極の電気活性リチウム含有材料は、90重量%を超えるリチウムを含む。(例えば、負極とすることができる第1の電極に)使用することができる電気活性材料の他の例としては、これらに限定されないが、他のアルカリ金属(例えば、ナトリウムカリウムルビジウムセシウムフランシウム)、アルカリ土類金属(例えば、ベリリウムマグネシウムカルシウムストロンチウムバリウムラジウム)などが挙げられる。いくつかの態様において、第1の電極は、リチウムイオン電気化学電池用の電極である。場合によっては、第1の電極はアノードまたは負極である。

0180

第2の電極(例えば、図1Aおよび図1B中の電極104)は、様々な好適な電気活性材料を含んでもよい。場合によっては、第2の電極はカソードまたは正極である。

0181

いくつかの態様において、電極内(例えば、正極内)の電気活性材料は、LiCoO2、LiCoxNi(1−x)O2、LiCoxNiyMn(l−x−y)(例えば、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)、LiMn2O4などの金属酸化物、およびこれらの組み合わせ含んでもよい。いくつかの態様において、例えば、電極内(例えば、正極内)の電極活性材料は、リチウム遷移金属リン酸塩(例えば、LiFePO4)を含んでもよく、いくらかの態様において、それらはホウ酸塩および/またはケイ酸塩で置換することができる。

0182

いくらかの態様において、電極内(例えば、正極内)の電気活性材料は、電気活性遷移金属カルコゲン化物電気導電性ポリマー、および/または電気活性硫黄含有材料、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書中で使用される用語「カルコゲン化物」は、酸素、硫黄、およびセレン元素の一つ以上を含む化合物に関する。好適な遷移金属カルコゲン化物の例としては、それらに限定されないが、Mn、V、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、およびIrからなる群から選択される遷移金属の電気活性酸化物、硫化物、およびセレン化物が挙げられる。1つの態様において、遷移金属カルコゲン化物は、ニッケルマンガンコバルト、およびバナジウムの電気活性酸化物、および鉄の電気活性硫化物からなる群から選択される。1つの態様において、電極(例えば、正極)は、電気活性導電性ポリマーを含んでもよい。好適な電気活性導電性ポリマーの例には、それらに限定されないが、ポリピロール、ポリアニリンポリフェニレンポリチオフェン、およびポリアセチレンからなる群から選択される電気活性および電子伝導性ポリマーが挙げられる。

0183

いくらかの態様において、電極内(例えば、正極内)の電極活性材料には、硫黄を含んでもよい。いくつかの態様において、電極内の電気活性材料は、電気活性硫黄含有材料を含んでもよい。本明細書中で使用される「電気活性硫黄含有材料」の語は、電気化学的活性は、硫黄原子または部分の酸化または還元関与する任意の形態での元素硫黄を含む電極活性材料を意味する。1つの例として、上記電気活性硫黄含有材料は、元素硫黄(例えば、S8)を含んでもよい。いくつかの態様において、電気活性硫黄含有材料は、元素硫黄および硫黄含有ポリマーの混合物を含んでもよい。従って、好適な電気活性硫黄含有材料には、これらに限定されないが、元素硫黄;有機または無機であってもよい(アルカリ金属の)硫化物または多硫化物;並びにポリマーであってもなくてもよい、硫黄原子および炭素原子を含む有機材料;が挙げられる。好適な有機材料には、それらに限定されないが、ヘテロ原子、導電性ポリマーセグメント、複合材、および導電性ポリマーを更に含むものが挙げられる。いくつかの態様において、電極(例えば、正極)内の電気活性硫黄含有材料は、少なくとも約40重量%の硫黄を含む。場合によっては、電気活性硫黄含有材料は、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、または少なくとも約90重量%の硫黄を含む。

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