図面 (/)

技術 VAR2CSA−薬物コンジュゲート

出願人 ザイムワークスインコーポレイティドベーアーエル2ファーマシューティカルズアンパーツゼルスカブ
発明者 ジェイムズアール.リッチジョンバブクックアリエル-サランティマッズドガードマドレーヌダールバックブラッドリージョンヘッドバーグジョフリーシー.ウィンターズアレクサンダーエル.マンデルエリスマリージョゼブールクトムハンシャオシエ
出願日 2014年12月29日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2016-561041
公開日 2017年2月16日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-505335
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 空間的方向性 すくい入れ 結合パネル 多環式置換基 粘着性残留物 常用電圧 磁性撹拌子 フライズ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

生物学的活性を有するVAR2CSA−薬物コンジュゲートを開示する。調製に関連する方法およびかかるコンジュゲートの使用に加えて、かかるコンジュゲートを含む医薬組成物を開示する。

概要

背景

VAR2CSAタンパク質
プロテオグリカングリコサミノグリカン(GAG)鎖へコンジュゲートされたタンパク質である。これらのタンパク質は、細胞内部、細胞膜上、及び細胞外マトリックス中に分布し、多様な機能(軟骨基質形成;組織構造的構成;基底膜の構成;分泌小胞役割の調整;サイトカインケモカイン増殖因子及びモルフォゲンの結合;プロテアーゼ受容体及びプロテアーゼ阻害因子共受容体チロシンキナーゼタイプ増殖因子受容体エンドサイトーシス受容体として;細胞付着、細胞−細胞相互作用、及び細胞運動性に加えて、細胞移動の促進)を供する。

マラリア原虫Plasmodium falciparumは、その複雑な生活環のほとんどすべてのステージにおいて宿主細胞のプロテオグリカンを利用する。スポロゾイトは、高度に硫酸化されたヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)と相互作用する表面発現スポロゾイト周囲タンパク質を介して肝臓中の肝細胞に感染する。赤血球メロゾイト感染はグリコフォリンA上のシアル酸へ結合するEBA−175によって媒介される。加えて、多数のPlasmodium falciparum赤血球膜タンパク質1(PfEMP1)タンパク質(宿主内皮接着を媒介する)は、グリカンを結合すると記載されている。これらのうちの1つはVAR2CSAであり、それはPfEMP1タンパク質ファミリーユニークなメンバーである。VAR2CSAは、胎盤柔毛間腔中のコンドロイチン硫酸A(CSA)の別の形状(プロテオグリカンへ付着された、いわゆるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG))へ高親和性で結合する。このタイプのCSAは胎盤様CSA(plCSA)と称される。VAR2CSAは、P.falciparum感染赤血球IE)の表面上で発現される大きなマルチドメインタンパク質(350kDa)であり、VAR2CSA−plCSA相互作用は胎盤マラリア(PM)における胎盤特異的なゼクエストレーションの原因である。重要なことには、FCR3タイプ及び3D7タイプの寄生生物からの組換え全長VAR2CSA外部ドメインは、低ナノモル範囲のplCSAへの親和性を示した。

CSAは、プロテオグリカンへ付着されるグリコサミノグリカン(GAG)のファミリーに属し、アミノ糖及びヘキスロン酸残基が交互にある直線状ポリマーである。複数のタイプのGAGがあり、それらには、コンドロイチン硫酸(CS)、デルマタン硫酸(DSまたはCSB)、ヘパラン硫酸(HS)及びヘパリンが含まれる。これらのGAGの多糖主鎖は単純であるが、かなりの多様性は修飾(硫酸化及びウロン酸エピマー化等)で生じる。これは、異なるGAGのドメイン構造及び生物学的活性における幅広い多様性の根拠である。

CSは多くの重要な因子成長ホルモン、サイトカイン、ケモカイン及び接着分子等)と相互作用し、構造的安定化、細胞質分裂細胞増殖分化、細胞移動、組織形態形成、器官形成、感染及び創傷修復関与すると考えられる。CS鎖は、N−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)及びグルクロン酸残基の単位が交互になって構成される。グルクロン酸はC2位で硫酸化される場合があり、GalNAcはC4及び/またはC6で硫酸化される場合があり、様々な二糖単位を生じる。糖主鎖の修飾の変動は、CS鎖の構造的及び機能的な不均一性を可能にする。

コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)(高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)または黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MSCP)としても公知である)は、黒色腫細胞によって発現されることが示された細胞表面プロテオグリカンである。CSPG4/MSCP/HMW−MAAは、タンパク質主鎖上にCS鎖を有することによって特徴づけられる大きなプロテオグリカンである。

VAR2CSAは、ポリペプチド配列の最小の構造要素により、特定のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンへ高親和性及び高特異性で結合する能力を保持する。コアplCSA−結合部位は、隣接ドメイン間領域の小さな一部を含むDBL2Xドメイン内に位置する。結合は、以前に示唆されたように、ID2b領域またはDBL1X隣接ドメインもしくはDBL3X隣接ドメインに依存しない。最小の結合領域はID1−DBL2Xbであり、それは全長VAR2CSAのものに匹敵する特徴でCSPGを結合する。ID1−DBL2Xb最小結合領域は全長VAR2CSAよりもはるかに小さく、わずか62kDaの分子量を有する。このVAR2CSA断片及び他のVAR2CSAポリペプチドは、高く特異的な親和性で癌細胞及び組織へ結合し、その結合は、癌細胞の表面上または周囲の細胞外マトリックス中で発現されるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとの特異的相互作用を介することが示唆される(Salanti et al.,WO2013/117705)。したがって、この特異的な高親和性結合は、高発現または他の発現(この特定のタイプのコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの不適切な発現等)をともなう癌細胞または他の組織もしくは細胞の標的化のために使用することができる。

医療分野において、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの高発現またはそうでなければ不適切な発現を有する所望される標的位置で、生物学的に活性のある化合物を選択的に放出することができる安定的なタンパク質−薬物コンジュゲートの必要性がある。本開示はこれらの必要性を満たし、更に関連する利点を提供する。

概要

生物学的活性を有するVAR2CSA−薬物コンジュゲートを開示する。調製に関連する方法およびかかるコンジュゲートの使用に加えて、かかるコンジュゲートを含む医薬組成物を開示する。

目的

特に、本開示は、効果的な量の式Iの化合物、または式Iの化合物及び薬学的に許容される担体希釈剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物をそれを必要とする哺乳類投与することを含む、哺乳類の癌を治療する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

式Iの化合物T−L−PIであって、式中、Tが、VAR2CSAポリペプチドを含む標的化部分であり;L−Pが、L1−P1またはL2−P2から選択され;L1がリンカーであるか、またはL1が存在せず;P1が式XIVの化合物の一価ラジカルであり、式中、R16及びR17が、H、及び1〜10の炭素原子を含有する、直鎖骨格分岐骨格、または非芳香環骨格を有する、飽和部分または不飽和部分からなる群から独立して選択され、炭素原子が、−OH、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CHO、−COSHまたは−NO2により随意置換されるか;またはR17及びR20が縮合され、環を形成し;R18及びR19が、H、R25及びArR25−からなる群から独立して選択されるか、またはR18及びR19が繋がれて環を形成し;R20が、H、R25、ArR25−、及びArからなる群から選択されるか;またはR20及びR17が縮合され、環を形成し;R21が、H、R25及びArR25−からなる群から選択され;R22及びR23が、H、R25及びArR25−からなる群から独立して選択され;R24が、−Y−(CO)NHSO2−R26でありR25が、1〜10の炭素原子、0〜4の窒素原子、0〜4の酸素原子、及び0〜4の硫黄原子を含有する、直鎖骨格、分岐骨格、非芳香環骨格を有する、飽和部分または不飽和部分として定義され、炭素原子が、=O、=S、OH、−OR28、−O2CR28、−SH、−SR28、−SOCR28、−NH2、−NHR28、−N(R28)2、−NHCOR28、−NR28COR28、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R28、−CHO、−COR28、−CONH2、−CONHR28、−CON(R28)2、−COSH、−COSR28、−NO2、−SO3H、−SOR28、−SO2R28により随意に置換され、R28が、直鎖状分岐状、または環式の、1〜10の炭素飽和アルキル基または不飽和アルキル基であり;R18及びR19を繋ぐことによって形成された環が、R25の定義内の3〜7員の非芳香環骨格であり、Yが、R25、ArR25−、またはXにより随意に置換された、直鎖状の、飽和、または不飽和の1〜6の炭素のアルキル基からなる群から選択される部分として定義され;Xが、−OH、−OR25、=O、=S、−O2CR25、−SH、−SR25、−SOCR25、−NH2、−NHR25、−N(R25)2、−NHCOR25、−NRCOR25、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R25、−CHO、−COR25、−CONH2、−CONHR25、−CON(R25)2、−COSH、−COSR25、−NO2、−SO3H、−SOR25、及び−SO2R25からなる群から選択される部分として定義され;R26が、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル及び随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27が、独立して、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールであり;ならびにL2がリンカーであり;P2が生物学的に活性のある化合物であり;L2−P2が以下の構造(III)を有し、式中、Rが、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27が、独立して、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル及び随意に置換されたヘテロアリールであるか、またはRが存在せず;P3が化合物P2の残りの部分であり;L3が随意にリンカーL2の残りの部分である、該化合物。

請求項2

前記VAR2CSAポリペプチドが、a.ID1;b.DBL2Xb;及び随意にc.ID2aの連続的なアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の化合物。

請求項3

前記VAR2CSAポリペプチドが、プロテオグリカン(CSPG)上のコンドロイチン硫酸A(CSA)を100nM未満、50nM未満、10nM未満または5nM未満のKDと測定されるような親和性で結合する、請求項1に記載の化合物。

請求項4

前記VAR2CSAポリペプチドが、配列番号:1の1〜577;配列番号:3の1〜592;配列番号:4の1〜579;配列番号:5の1〜576;配列番号:10の1〜586;配列番号:11の1〜579;配列番号:29の1〜565;配列番号:34の1〜584;配列番号:36の1〜569;配列番号:37の1〜575;配列番号:38の1〜592;配列番号:41の1〜603;配列番号:43の1〜588;配列番号:44の1〜565;配列番号:45の1〜589;配列番号:48の1〜573;配列番号:53の1〜583;配列番号:54の1〜569;配列番号:1の578〜640;配列番号:3の593〜656;配列番号:4の580〜643;配列番号:5の577〜640;配列番号:10の587〜650;配列番号:11の580〜643;配列番号:29の566〜628;配列番号:34の585〜647;配列番号:36の570〜632;配列番号:37の576〜639;配列番号:38の593〜655;配列番号:41の604〜667;配列番号:43の589〜652;配列番号:44の30566〜628;配列番号:45の590〜653;配列番号:48の574〜637;配列番号:53の584〜646;配列番号:54の570〜632;配列番号:2;配列番号:6;配列番号:8;配列番号:9;配列番号:12;配列番号:13;配列番号:14;配列番号:15;配列番号:16;配列番号:17;配列番号:18;配列番号:19;配列番号:20;配列番号:21;配列番号:22;配列番号:23;配列番号:24;配列番号:25;配列番号:26;配列番号:27;配列番号:28;配列番号:30;配列番号:31;配列番号:32;配列番号:33;配列番号:35;配列番号:39;配列番号:40;配列番号:42;配列番号:46;配列番号:47;配列番号:49;配列番号:50;配列番号:51;及び配列番号:52から選択されるアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。

請求項5

前記VAR2CSAポリペプチドが、配列番号:1の1〜577;配列番号:3の1〜592;配列番号:4の1〜579;配列番号:5の1〜576;配列番号:10の1〜586;配列番号:11の1〜579;配列番号:29の1〜565;配列番号:34の1〜584;配列番号:36の1〜569;配列番号:37の1〜575;配列番号:38の1〜592;配列番号:41の1〜603;配列番号:43の1〜588;配列番号:44の1〜565;配列番号:45の1〜589;配列番号:48の1〜573;配列番号:53の1〜583;配列番号:54の1〜569;配列番号:1;配列番号:3;配列番号:4;配列番号:5;配列番号:10;配列番号:11;配列番号:29;配列番号:34;配列番号:36;配列番号:37;配列番号:38;配列番号:41;配列番号:43;配列番号:44;配列番号:45;配列番号:48;配列番号:53;及び配列番号:54から選択されるアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。

請求項6

前記VAR2CSAポリペプチドが、700アミノ酸未満、650アミノ酸未満、600アミノ酸未満、570アミノ酸未満の長さを有するアミノ酸配列からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。

請求項7

前記VAR2CSAポリペプチドがSDS−PAGE上の非還元条件下で約100kDa未満の分子量を有し、及び/または前記VAR2CSAポリペプチドが組換えタンパク質であり、及び/または前記VAR2CSAポリペプチドが糖鎖付加されない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。

請求項8

L−PがL2−P2である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。

請求項9

P2が式Vの化合物であり、L2−Tが以下の構造(VI)を有し、式中、P4が化合物P2の残りの部分であり、式V中のRへ結合する−NH−基が、式VI中のAA1とペプチド結合(JPB)を形成し、該JPBが酵素的に切断可能であり、Rが、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27が、独立して、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールであり、各々のAAが独立してアミノ酸であり、nが0〜25の整数であり、L4が随意にリンカーL2の残りの部分であり、Tが該標的化部分であり、AA1−(AA)nが、該JPBの酵素的切断を促進することができるアミノ酸配列を一緒になって含む、請求項8に記載の化合物。

請求項10

AA1−(AA)nが、Phe−Lys、Val−Lys、Ala−Lys、Val−Cit、Phe−Cit、Leu−Cit、Ile−Cit、Trp−Cit、及びPhe−Argから選択される、請求項9に記載の化合物。

請求項11

P2が細胞毒性化合物である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の化合物。

請求項12

前記細胞毒性化合物が微小管破壊ペプチド毒素である、請求項11に記載の化合物。

請求項13

前記細胞毒性化合物が、ヘミアスリンまたはその類似体ツブリシンまたはその類似体;及びオーリスタチンまたはその類似体から選択される、請求項11に記載の化合物。

請求項14

前記細胞毒性化合物が、カリケアマイシン、オーリスタチン、ドキソルビシンメイタンシノイドタキソルトラベクテジンゲルダナマイシンメトトレキサート緑膿菌外毒素A、ジフテリア毒素リシン毒素、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質サポリンゲロニンピロロベンゾジアゼピン(PBD)、ならびにその機能的バリアント、断片及び組み合わせから選択される、請求項11に記載の化合物。

請求項15

前記細胞毒性ペイロードが、天然に存在する化合物に由来しない合成ケモトキシンである、請求項11に記載の化合物。

請求項16

L−PがL1−P1である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。

請求項17

L1が、SPDPSMCC、vcPABC、MCvcPABC、MTvc、ADvc、マレイミド、NHS、ビオチンストレプトアビジン、NeutrAvidin、グリコシド、またはその組み合わせを含む、請求項16に記載の化合物。

請求項18

L1がMTvc及びADvcから選択されるか;またはL1が存在しない、請求項16に記載の化合物。

請求項19

P1が、式XVの化合物の一価ラジカルであって、式中、R26が、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27が、独立して、ハロゲン、−OHまたは−SHにより随意に置換されたアルキルであり;R29が、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され;R30が、H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;R31が、H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;R32及びR38が、H、C1-6アルキル及び−SHからなる群から独立して選択され、但し、R32及びR38は両方ともHではあり得ず;R33、R34、R35及びR36が独立してH及びC1-6アルキルであり、R33及びR34のうちの少なくとも1つがHであるか;またはR34及びR35が二重結合を形成し、R33がHであり、R36がHまたはC1-6アルキルであり;R37が、H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;各々の随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル及び随意に置換されたヘテロアリールが、独立して、=O、=S、−OH、−OR27、−O2CR27、−SH、−SR27、−SOCR27、−NH2、−N3、−NHR27、−N(R27)2、−NHCOR27、−NR27COR27、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R27、−CHO、−COR27、−CONH2、−CONHR27、−CON(R27)2、−COSH、−COSR27、−NO2、−SO3H、−SOR27または−SO2R27により随意に置換され、各々のR27が、独立して、ハロゲン、−OHまたは−SHにより随意に置換されたアルキルである、該一価ラジカル;またはその立体異性体プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩である、請求項16〜18のいずれか一項に記載の化合物。

請求項20

各々の随意に置換されたアリール及び随意に置換されたヘテロアリールが、随意に置換されたフェニル、随意に置換されたナフチル、随意に置換されたアントラシル、随意に置換されたフェナントリル、随意に置換されたフリル、随意に置換されたピロリル、随意に置換されたチオフェニル、随意に置換されたベンゾフラニル、随意に置換されたベンゾチオフェニル、随意に置換されたキノリニル、随意に置換されたイソキノリニル、随意に置換されたイミダゾリル、随意に置換されたチアゾリル、随意に置換されたオキサゾリル、及び随意に置換されたピリジニルからなる群から独立して選択される、請求項19に記載の化合物。

請求項21

R29が、以下の構造XVI、XVII、XVIII及びXIXのうちの1つから選択され、式中、Qが、CR39またはNであり;Zが、C(R39)2、NR39、SまたはOであり;各々のR39が、H、−OH、−R27、−OR27、−O2CR27、−SH、−SR27、−SOCR27、−NH2、−N3、−NHR27、−N(R27)2、−NHCOR27、−NR27COR27、−R27NH2、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R27、−CHO、−COR27、−CONH2、−CONHR27、−CON(R27)2、−COSH、−COSR27、−NO2、−SO3H、−SOR27及び−SO2R27からなる群から独立して選択され、各々のR27が、独立して、ハロゲン、−OHまたは−SHにより随意に置換されたアルキルである、請求項19に記載の化合物。

請求項22

R29が、からなる群から選択され、式中、各々のR39が、H、−OH、−R27、−OR27、−O2CR27、−SH、−SR27、−SOCR27、−NH2、−N3、−NHR27、−N(R27)2、−NHCOR27、−NR27COR27、−R27NH2、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R27、−CHO、−COR27、−CONH2、−CONHR27、−CON(R27)2、−COSH、−COSR27、−NO2、−SO3H、−SOR27及び−SO2R27からなる群から独立して選択され、各々のR27が、独立して、ハロゲン、−OHまたは−SHにより随意に置換されたアルキルである、請求項19に記載の化合物。

請求項23

R29が、からなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。

請求項24

R30がHまたはメチルであり、R31、R32及びR38が各々メチルである、請求項19〜23のいずれか一項に記載の化合物。

請求項25

P1が、式XXの化合物の一価ラジカルであって、式中、R40が、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され;R41が、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され;R30が、H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;R31が、H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;R32が、C1-6アルキル及び−SHからなる群から選択され;各々の随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールが、独立して、=O、=S、−OH、−OR42、−O2CR42、−SH、−SR42、−SOCR42、−NH2、−N3、−NHR42、−N(R42)2、−NHCOR42、−NR42COR42、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R42、−CHO、−COR42、−CONH2、−CONHR42、−CON(R42)2、−COSH、−COSR42、−NO2、−SO3H、−SOR42または−SO2R42により随意に置換され、各々のR42が、独立して、ハロゲン、−OHまたは−SHにより随意に置換されたアルキルである、該一価ラジカル;またはその立体異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩である、請求項16〜18のいずれか一項に記載の化合物。

請求項26

各々の随意に置換されたアリール及び随意に置換されたヘテロアリールが、随意に置換されたフェニル、随意に置換されたナフチル、随意に置換されたアントラシル、随意に置換されたフェナントリル、随意に置換されたフリル、随意に置換されたピロリル、随意に置換されたチオフェニル、随意に置換されたベンゾフラニル、随意に置換されたベンゾチオフェニル、随意に置換されたキノリニル、随意に置換されたイソキノリニル、随意に置換されたイミダゾリル、随意に置換されたチアゾリル、随意に置換されたオキサゾリル、及び随意に置換されたピリジニルからなる群から独立して選択される、請求項25に記載の化合物。

請求項27

R41が、以下の構造XVI、XVII、XVIII及びXIXのうちの1つから選択され、式中、Qが、CR43またはNであり;Zが、C(R43)2、NR43、SまたはOであり;各々のR43が、H、−OH、−OR42、−O2CR42、−SH、−SR42、−SOCR42、−NH2、−N3、−NHR42、−N(R42)2、−NHCOR42、−NR42COR42、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R42、−CHO、−COR42、−CONH2、−CONHR42、−CON(R42)2、−COSH、−COSR42、−NO2、−SO3H、−SOR42及び−SO2R42からなる群から独立して選択され、各々のR42が、独立して、ハロゲン、−OHまたは−SHにより随意に置換されたアルキルである、請求項25に記載の化合物。

請求項28

R41が、からなる群から選択される、請求項25に記載の化合物。

請求項29

R30がHまたはメチルであり、R31及びR32が各々メチルである、請求項25に記載の化合物。

請求項30

P1が、式IIの化合物の一価ラジカルであり、式中、R1がアリール、C3−C7シクロアルキル及びヘテロアリールから選択され、その各々が、C1−C4アシルチオ、C2−C4アルケニル、C1−C4アルキル、C1−C4アルキルアミノ、C1−C4アルコキシアミノ、アミノ−C1−C4アルキル、ハロ、C1−C4ハロアルキルヒドロキシルヒドロキシ−C1−C4アルキル及びチオから選択される1つまたは複数の置換基により随意に置換され、C2−C4アルケニル、C1−C4アルキルアミノ及びC1−C4アルコキシが、C1−C4アルキルアリール、ヒドロキシル及びチオから選択される1つの置換基により更に随意に置換され;R2及びR3が、各々H及びC1−C6アルキルから独立して選択され;R4が、C1−C6アルキル及びチオからなる群から選択され;R5が、C1−C6アルキル、アリール、アリールC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、ヘテロアリール及びヘテロシクリルから選択され、各々が、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルコキシカルボニル、C1−C6アルキル、C1−C6アルキルアミノ、アミノ、アミノ−C1−C6アルキル、アミノ−アリール、アミノC3−C7シクロアルキル、アリール、カルボキサミドカルボキシル、C3−C7シクロアルキル、シアノ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、チオ及びチオ−C1−C6アルキルから選択された1つまたは複数の置換基により随意に置換される、請求項16〜18のいずれか一項に記載の化合物。

請求項31

R1がH、アリール、C3−C7シクロアルキル及びヘテロアリールから選択され、その各々が、C1−C4アシルチオ、C2−C4アルケニル、C1−C4アルキル、C1−C4アルキルアミノ、C1−C4アルコキシ、アミノ、アミノ−C1−C4アルキル、ハロ、C1−C4ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシ−C1−C4アルキル及びチオから選択される1つまたは複数の置換基により随意に置換され、C2−C4アルケニル、C1−C4アルキルアミノ及びC1−C4アルコキシが、p−トリル、ヒドロキシル及びチオから選択される1つの置換基により更に随意に置換される、請求項30に記載の化合物。

請求項32

R1が、H、1H−インドール−3−イル、1−メチル−1H−インドール−3−イル、2−メトキシフェニル、3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル、3−((2−メルカプトエチル)アミノ)フェニル、3−(2−(アセチルチオエトキシ)フェニル、3−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル、3−(2−メルカプトエトキシ)フェニル、3−(4−メチルスチリル)フェニル、3−(アミノメチル)フェニル、3−(ヒドロキシメチル)フェニル、3−ヒドロキシフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3−アミノフェニル、3−クロロフェニル、3つのメルカプトフェニル、3−メトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル、4−((2−メルカプトエチル)アミノ)フェニル、4−(2−(アセチルチオ)エトキシ)フェニル、4−(2−アミノエトキシ)フェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル、4−(2−メルカプトエトキシ)フェニル、4−(アミノメチル)フェニル、4−(ヒドロキシメチル)フェニル、4−アミノフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メルカプトフェニル、4−メトキシフェニル、シクロヘキシルチエン−2−イル、m−トリル、及びフェニルから選択される、請求項30に記載の化合物。

請求項33

R2がHまたはメチルである、請求項30〜32のいずれか一項に記載の化合物。

請求項34

R3がメチルである、請求項30〜33のいずれか一項に記載の化合物。

請求項35

R4がメチルである、請求項30〜34のいずれか一項に記載の化合物。

請求項36

R5が、C1−C6アルキル、アリール、アリールC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、ヘテロアリール及びヘテロシクリルから選択され、各々が、1−アミノシクロプロピル、4−アミノフェニル、アミノ、アミノメチル、ブロモ、tert−ブチル、カルボキサミド、カルボキシル、クロロ、シアノ、シクロペンチルエチルフルオロ、ヒドロキシ、イソプロピルメトキシ、メチル、ニトロ、フェニル、ピリジン−3−イル、チオ、チオメチルトリフルオロメトキシ及びトリフルオロメチルから選択される1つまたは複数の置換基により随意に置換される、請求項30〜35のいずれか一項に記載の化合物。

請求項37

R5が、4−アミノベンジル、4−(アミノメチル)ベンジル、4−(アミノメチル)フェニル、4−アミノフェニル、ベンジル、3−メルカプトプロピル、2−メルカプトエチル、4−(メルカプトメチル)フェニル、p−トリル、メチル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−クロロフェニル、3−シアノフェニル、2−ニトロフェニル、4−メトキシ−2−ニトロフェニル、4−アミノカルボニル−2−ニトロフェニル、4−メトキシフェニル、4−アミノフェニル、フェニル、2−フルオロベンジルピペリジン−1−イル、o−トリル、4−ブロモフェニルナフタレン−2−イル、4−メトキシカルボニルフェニル、2−(トリフルオロメチル)ベンジル、ヘキサン−2−イル、2−メトキシエチルシクロペンチルメチル、シクロヘキシル、ピリジン−3−イルメチル、4−カルボキシフェニル、3−アミノフェニル、ピリジン−3−イル、チエン−2−イル、4−ヒドロキシフェニル、4−(1−アミノシクロプロピル)ベンジル、4−(1−アミノシクロプロピル)フェニル、2−メチルベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジルフェネチル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジル、3−ニトロベンジル、4−tert−ブチルベンジル、2−ニトロベンジル、4−ニトロフェネチル、2−クロロ−3−メトキシカルボニルフェニル、2−アミノフェニル,[1,1’−ビフェニル]−4−イル、4’−アミノ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル、4−フルオロベンジル、3−(トリフルオロメチル)ベンジル、3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル、3,4−ジクロロベンジル、2−シアノベンジル、3−クロロベンジル、4−アミノ−2−エチルフェニル、4−アミノ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル、4−アミノ−2,3−ジメチルフェニル、4−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、4−アミノ−3−メチルフェニル、4−アミノ−3−フルオロフェニル、4−アミノ−3−エチルフェニル、及び4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニルから選択される、請求項30〜35のいずれか一項に記載の化合物。

請求項38

請求項1〜37のいずれか一項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物

請求項39

効果的な量の請求項1〜37のいずれか一項に記載の化合物または請求項38に記載の医薬組成物をそれを必要とする哺乳類投与することを含む、哺乳類の癌を治療するか、または癌を有する哺乳類の生存を増加させるか、または哺乳類の腫瘍増殖阻害する方法。

請求項40

前記癌が、癌腫肉腫造血器癌、及び神経上皮組織腫瘍から選択される、請求項39に記載の方法。

請求項41

治療法によるヒトまたは動物の身体の治療の方法における使用のための、請求項1〜37のいずれか一項に記載の化合物または請求項38に記載の医薬組成物。

請求項42

哺乳類の癌を治療することにおける使用、または癌を有する哺乳類の生存を増加させることにおける使用、または哺乳類の腫瘍増殖を阻害することにおける使用のための、請求項1〜37のいずれか一項に記載の化合物または請求項38に記載の医薬組成物。

請求項43

前記癌が、癌腫、肉腫、造血器癌、及び神経上皮組織の腫瘍から選択される、請求項42に記載の化合物または医薬組成物。

請求項44

哺乳類の癌を治療するための、または癌を有する哺乳類の生存を増加させるための、または哺乳類の腫瘍増殖の阻害のための医薬品の製造における、請求項1〜37のいずれか一項に記載の化合物の使用。

請求項45

前記癌が、癌腫、肉腫、造血器癌、及び神経上皮組織の腫瘍から選択される、請求項44に記載の使用。

請求項46

請求項8〜10のいずれか一項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。

請求項47

効果的な量の請求項8〜10のいずれか一項に記載の化合物または請求項46に記載の医薬組成物をそれを必要とする哺乳類へ投与することを含む、哺乳類における、癌、関節炎関節症多発性硬化症神経損傷軟骨損傷及び乾癬から選択される徴候を治療する方法。

請求項48

治療法によるヒトまたは動物の身体の治療の方法における使用のための、請求項8〜10のいずれか一項に記載の化合物または請求項46に記載の医薬組成物。

請求項49

癌、関節炎、関節症、多発性硬化症、神経損傷、軟骨損傷及び乾癬から選択される徴候の治療の方法における使用のための、請求項8〜10のいずれか一項に記載の化合物または請求項46に記載の医薬組成物。

請求項50

癌、関節炎、関節症、多発性硬化症、神経損傷、軟骨損傷及び乾癬から選択される徴候の治療のための医薬品の製造における、請求項8〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。

技術分野

0001

本出願は、米国特許法119条(e)の下で、2013年12月27日に出願された米国仮特許出願第61/921,242号、2014年9月17日に出願された米国仮特許出願第62/051,886、及び2014年9月17日に出願された米国仮特許出願第62/051,899号の利益を請求し、それら出願の全体は参照により本明細書に援用される。

0002

本発明は、薬物コンジュゲート、それを含む組成物、ならびにかかる薬物コンジュゲート及び組成物を癌及び他の疾患の治療のために使用する方法に関する。

背景技術

0003

VAR2CSAタンパク質
プロテオグリカングリコサミノグリカン(GAG)鎖へコンジュゲートされたタンパク質である。これらのタンパク質は、細胞内部、細胞膜上、及び細胞外マトリックス中に分布し、多様な機能(軟骨基質形成;組織構造的構成;基底膜の構成;分泌小胞役割の調整;サイトカインケモカイン増殖因子及びモルフォゲンの結合;プロテアーゼ受容体及びプロテアーゼ阻害因子共受容体チロシンキナーゼタイプ増殖因子受容体エンドサイトーシス受容体として;細胞付着、細胞−細胞相互作用、及び細胞運動性に加えて、細胞移動の促進)を供する。

0004

マラリア原虫Plasmodium falciparumは、その複雑な生活環のほとんどすべてのステージにおいて宿主細胞のプロテオグリカンを利用する。スポロゾイトは、高度に硫酸化されたヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)と相互作用する表面発現スポロゾイト周囲タンパク質を介して肝臓中の肝細胞に感染する。赤血球メロゾイト感染はグリコフォリンA上のシアル酸へ結合するEBA−175によって媒介される。加えて、多数のPlasmodium falciparum赤血球膜タンパク質1(PfEMP1)タンパク質(宿主内皮接着を媒介する)は、グリカンを結合すると記載されている。これらのうちの1つはVAR2CSAであり、それはPfEMP1タンパク質ファミリーユニークなメンバーである。VAR2CSAは、胎盤柔毛間腔中のコンドロイチン硫酸A(CSA)の別の形状(プロテオグリカンへ付着された、いわゆるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG))へ高親和性で結合する。このタイプのCSAは胎盤様CSA(plCSA)と称される。VAR2CSAは、P.falciparum感染赤血球IE)の表面上で発現される大きなマルチドメインタンパク質(350kDa)であり、VAR2CSA−plCSA相互作用は胎盤マラリア(PM)における胎盤特異的なゼクエストレーションの原因である。重要なことには、FCR3タイプ及び3D7タイプの寄生生物からの組換え全長VAR2CSA外部ドメインは、低ナノモル範囲のplCSAへの親和性を示した。

0005

CSAは、プロテオグリカンへ付着されるグリコサミノグリカン(GAG)のファミリーに属し、アミノ糖及びヘキスロン酸残基が交互にある直線状ポリマーである。複数のタイプのGAGがあり、それらには、コンドロイチン硫酸(CS)、デルマタン硫酸(DSまたはCSB)、ヘパラン硫酸(HS)及びヘパリンが含まれる。これらのGAGの多糖主鎖は単純であるが、かなりの多様性は修飾(硫酸化及びウロン酸エピマー化等)で生じる。これは、異なるGAGのドメイン構造及び生物学的活性における幅広い多様性の根拠である。

0006

CSは多くの重要な因子成長ホルモン、サイトカイン、ケモカイン及び接着分子等)と相互作用し、構造的安定化、細胞質分裂細胞増殖分化、細胞移動、組織形態形成、器官形成、感染及び創傷修復関与すると考えられる。CS鎖は、N−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)及びグルクロン酸残基の単位が交互になって構成される。グルクロン酸はC2位で硫酸化される場合があり、GalNAcはC4及び/またはC6で硫酸化される場合があり、様々な二糖単位を生じる。糖主鎖の修飾の変動は、CS鎖の構造的及び機能的な不均一性を可能にする。

0007

コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)(高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)または黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MSCP)としても公知である)は、黒色腫細胞によって発現されることが示された細胞表面プロテオグリカンである。CSPG4/MSCP/HMW−MAAは、タンパク質主鎖上にCS鎖を有することによって特徴づけられる大きなプロテオグリカンである。

0008

VAR2CSAは、ポリペプチド配列の最小の構造要素により、特定のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンへ高親和性及び高特異性で結合する能力を保持する。コアplCSA−結合部位は、隣接ドメイン間領域の小さな一部を含むDBL2Xドメイン内に位置する。結合は、以前に示唆されたように、ID2b領域またはDBL1X隣接ドメインもしくはDBL3X隣接ドメインに依存しない。最小の結合領域はID1−DBL2Xbであり、それは全長VAR2CSAのものに匹敵する特徴でCSPGを結合する。ID1−DBL2Xb最小結合領域は全長VAR2CSAよりもはるかに小さく、わずか62kDaの分子量を有する。このVAR2CSA断片及び他のVAR2CSAポリペプチドは、高く特異的な親和性で癌細胞及び組織へ結合し、その結合は、癌細胞の表面上または周囲の細胞外マトリックス中で発現されるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとの特異的相互作用を介することが示唆される(Salanti et al.,WO2013/117705)。したがって、この特異的な高親和性結合は、高発現または他の発現(この特定のタイプのコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの不適切な発現等)をともなう癌細胞または他の組織もしくは細胞の標的化のために使用することができる。

0009

医療分野において、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの高発現またはそうでなければ不適切な発現を有する所望される標的位置で、生物学的に活性のある化合物を選択的に放出することができる安定的なタンパク質−薬物コンジュゲートの必要性がある。本開示はこれらの必要性を満たし、更に関連する利点を提供する。

0010

簡潔には、本開示は、生物学的に活性のあるタンパク質−薬物コンジュゲート及びかかるタンパク質−薬物コンジュゲートを使用する方法に関する。式Iの化合物であるタンパク質−薬物コンジュゲート
T−L−P

であって、
式中、
Tは、VAR2CSAポリペプチドを含む標的化部分であり;
L−Pは、L1−P1またはL2−P2から選択され;
L1はリンカーであるか、またはL1は存在せず;
P1は式XIVの化合物の一価ラジカル

0011

0012

であり、
式中、
R16及びR17は、H、及び1〜10の炭素原子を含有する、直鎖骨格分岐骨格、または非芳香環骨格を有する、飽和部分または不飽和部分からなる群から独立して選択され、炭素原子は、−OH、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CHO、−COSHまたは−NO2により随意置換されるか;またはR17及びR20は縮合され、環を形成し;
R18及びR19は、H、R25及びArR25−からなる群から独立して選択されるか、またはR18及びR19は繋がれて環を形成し;
R20は、H、R25、ArR25−、及びArからなる群から選択されるか;またはR20及びR17は縮合され、環を形成し;
R21は、H、R25及びArR25−からなる群から選択され;
R22及びR23は、H、R25及びArR25−からなる群から独立して選択され;
R24は、−Y−(CO)NHSO2−R26であり
R25は、1〜10の炭素原子、0〜4の窒素原子、0〜4の酸素原子、及び0〜4の硫黄原子を含有する、直鎖骨格、分岐骨格、非芳香環骨格を有する、飽和部分または不飽和部分として定義され、炭素原子は、=O、=S、OH、−OR28、−O2CR28、−SH、−SR28、−SOCR28、−NH2、−NHR28、−N(R28)2、−NHCOR28、−NR28COR28、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R28、−CHO、−COR28、−CONH2、−CONHR28、−CON(R28)2、−COSH、−COSR28、−NO2、−SO3H、−SOR28、−SO2R28により随意に置換され、R28は、直鎖状分岐状、または環式の、1〜10の炭素飽和アルキル基または不飽和アルキル基であり;
R18及びR19を繋ぐことによって形成された環は、R25の定義内の3〜7員の非芳香環骨格であり、
Yは、R25、ArR25、またはXにより随意に置換された、直鎖状の、飽和、または不飽和の1〜6の炭素のアルキル基からなる群から選択される部分として定義され;
Xは、−OH、−OR25、=O、=S、−O2CR25、−SH、−SR25、−SOCR25、−NH2、−NHR25、−N(R25)2、−NHCOR25、−NRCOR25、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R25、−CHO、−COR25、−CONH2、−CONHR25、−CON(R25)2、−COSH、−COSR25、−NO2、−SO3H、−SOR25、及び−SO2R25からなる群から選択される部分として定義され;
R26は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27は、独立して、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたヘテロアリールであり;ならびに
L2はリンカーであるか、またはL2は存在せず;
P2は生物学的に活性のある化合物であり;
L2−P2は以下の構造(III)

0013

0014

を有し、
式中、
Rは、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27は、独立して、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、もしくは随意に置換されたヘテロアリールであるか、またはRは存在せず;
P3は化合物P2の残りの部分であり;
L2が存在する場合、L3は随意にリンカーL2の
残りの部分である、
該タンパク質−薬物コンジュゲートが提供される。

0015

好ましい実施形態において、Rは、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか、またはRは存在しない。

0016

別の実施形態において、治療法において式Iの化合物を使用する方法が提供される。特に、本開示は、効果的な量の式Iの化合物、または式Iの化合物及び薬学的に許容される担体希釈剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物をそれを必要とする哺乳類投与することを含む、哺乳類の癌を治療する方法を提供する。

0017

別の実施形態において、本開示は、効果的な量の式Iの化合物、または式Iの化合物及び薬学的に許容される担体希釈剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物をそれを必要とする哺乳類へ投与することを含む、哺乳類の腫瘍増殖阻害する方法を提供する。

0018

別の実施形態において、本開示は、コンストラクトの化合物を使用して癌細胞をインビトロ死滅させる方法を提供する。別の実施形態において、本開示は、効果的な量の式Iの化合物、または式Iの化合物及び薬学的に許容される担体希釈剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物をそれを必要とする哺乳類へ投与することを含む、哺乳類の癌細胞をインビボで死滅させる方法を提供する。

0019

本開示のこれら及び他の態様は、以下の詳細な記述への参照に際して明らかになる。

図面の簡単な説明

0020

2つの細胞株(HCC1954及びJurkat)に対する化合物A〜Eの各々についての要約された細胞毒性データ(EC50)を示す。
2つの細胞株(HCC1954及びJurkat)に対する化合物Aについての細胞毒性データのプロットを示す。
2つの細胞株(HCC1954及びJurkat)に対する化合物Bについての細胞毒性データのプロットを示す。
2つの細胞株(HCC1954及びJurkat)に対する化合物Cについての細胞毒性データのプロットを示す。
2つの細胞株(HCC1954及びJurkat)に対する化合物Dについての細胞毒性データのプロットを示す。
2つの細胞株(HCC1954及びJurkat)に対する化合物Eについての細胞毒性データのプロットを示す。
確立された腫瘍を持つメス無胸腺ヌードマウスにおいて腫瘍体積に対する化合物F、化合物14、または化合物23の投与のインビボの結果を示す。
VAR2−化合物OのSEC−UPLC−QTof−MS MaxEnt1でプロセスしたインタクトな質量を示す。115323Da、117662Da及び119999DaでのMSのシグナルは、1、3及び5の毒素コンジュゲーションと一致し、1タンパク質あたりの平均コンジュゲーションレベルは約4毒素である。
VAR2−化合物KKのSEC−UPLC−QTof−MS MaxEnt1でプロセスしたインタクトな質量を示す。デコンボリューションされたMSのデータのプロファイルは、最大5つの毒素のコンジュゲーションと一致する(化合物KK)が、約2.5薬物の平均薬物ロードである。
VAR2CSA薬物コンジュゲートの調製における、遊離のコンジュゲートされていない毒素−リンカーの分析を示す。X軸:時間。Y軸:強度。線(頂点の高さの減少に基づく)は、20nMの薬物−リンカー、10nMの薬物−リンカー、1nMの薬物−リンカー、0.5nMの薬物−リンカー、及び検体に対応する。
CSA(Sigma C9819)の存在及び非存在下における、非修飾DBL1−ID2a(MP1255)のMyla2059細胞株への結合の特異性を示す。
CSA(Sigma C9819)の存在及び非存在下における、VAR2−化合物O(システインコンジュゲート)のMyla2059細胞株への結合の特異性を示す。
CSA(Sigma C9819)の存在及び非存在下における、VAR2−化合物KK(リジンコンジュゲート)のMyla2059細胞株への結合の特異性を示す。
Colo205細胞に対するVAR2CSA薬物コンジュゲートの細胞毒性を示す。使用されたVAR2タンパク質はDBL1−ID2aであった。VAR2−化合物O − 円。添加されたCSA(Sigma C9819)とVAR2−化合物O −菱形。CSA単独 −正方形
Colo205細胞に対するVAR2CSA薬物コンジュゲートの細胞毒性を示す。システインコンジュゲーションによって調製されたVAR2−化合物O −三角形。リジンコンジュゲーションによって調製されたVAR2化合物KK − 円。
Colo205細胞に対するVAR2CSA薬物コンジュゲートの細胞毒性を示す。VAR2−化合物O − 円。毒素−リンカー単独 − 正方形。
UM−UC 3細胞に対するVAR2CSA薬物コンジュゲートの細胞毒性を示す。VAR2−化合物O − 円。VAR2CSA単独 − 菱形。
U138 MG細胞に対するVAR2CSA薬物コンジュゲートの細胞毒性を示す。VAR2−化合物O − 円。VAR2CSA単独 − 菱形。
VCAR−3細胞に対するVAR2CSA薬物コンジュゲートの細胞毒性を示す。VAR2−化合物O − 円。VAR2CSA単独 − 菱形。
VAR2化合物Oによる耐容性研究におけるマウスの体重を示す。
Karpas 299異種移植に続く試験品の3回の静注用量の有効性研究におけるマウスの体重を示す。
Karpas 299異種移植に続く試験品の3回の静注用量の有効性研究におけるマウスの腫瘍体積を示す。
PC3前立腺癌有効性研究におけるマウスの体重を示す。
PC3前立腺癌有効性研究におけるマウスの腫瘍体積を示す。

0021

以下の記述において、特定の具体的な詳細は本開示の様々な実施形態の充分な理解を提供するように説明される。しかしながら、当業者は、本開示がこれらの詳細なしに実践され得ることを理解するだろう。
定義

0022

特別に明記されない限り、以下の用語及び語句は、本明細書において使用される時、以下の意味を有することが意図される。商標名が本明細書において使用される場合、出願人は、商標名製品製剤、ジェネリック医薬品、及び商標名製品の医薬品活性成分複数可)が独立して含まれることを意図する。

0023

文脈が特別に要求しない限り、本明細書及び請求項を通して、「含む(comprise)」という単語及びその変化形(「含む(comprises)」及び「含むこと(comprising)」等)は、オープン包括的な意味で、すなわち「を含み、これらに限定されない」と解釈される。

0024

「一実施形態」または「実施形態」への本明細書を通じての参照は、本開示の少なくとも1つの実施形態における実施形態に関連して記述される特定の特色、構造または特徴が含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じての様々な場所における「一実施形態において」または「実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指していない。本明細書において記述される特定の特色(それは明確にするために、分離した実施形態の文脈中で記述されている)を組み合わせて単一の実施形態において提供できることが、更に認識される。反対に、簡潔性のために、単一の実施形態の文脈中で記述される本明細書における記述の様々な特色は、分離してまたは任意の適切な小組み合わせで提供することもできる。
化学基

0025

本明細書において記述される一般的な化学式(例えばII、XIV、XV及びXX)内に含有される可変基(例えばR1〜R50、Q、X、Y及びZ)によって表わされる化学基に関する実施形態のすべての組み合わせは、あたかも単に各々及びすべての組み合わせが個別に明瞭に列挙されるかのように、かかる組み合わせが、安定的な化合物(すなわち生物学的活性について単離、特徴づけ、及び試験され得る化合物)をもたらす化合物を包含する程度まで、本発明によって具体的に包含される。その上、かかる可変基を記述する実施形態においてリストされた化学基のすべての小組み合わせに加えて、本明細書において記述される使用及び医学的指標のすべての小組み合わせも、あたかも単に化学基の各々及びすべての小組み合わせならびに使用及び医学的指標の小組み合わせが、本明細書において個別に明瞭に列挙されるかのように、本発明によって具体的に包含される。加えて、置換基のリストが、特定の実施形態及び/または請求項における任意の特定の可変基(例えばR1〜R50、Q、X、Y及びZ)についてリストされる場合には、個別の置換基が特定の実施形態及び/または請求項から欠失され、置換基の残りのリストが、本開示の範囲内であると判断されるであろうことが理解される。

0026

アシルオキシ」という用語には、本明細書において使用される時、−OC(O)−アルキル(式中、アルキルは本明細書において定義される通りである)が含まれる。アシルオキシの例には、ホルミルオキシアセトキシプロピオニルオキシイソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0027

アシチオ」という用語は、本明細書において使用される時、−SC(O)−アルキル(式中、アルキルは本明細書において定義される通りである)を指す。アシルチオの例には、ホルミルチオ、アセチルチオプロピオニルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0028

アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書において使用される時、−C(O)O−アルキルを指す。アルコキシカルボニルの例には、メトキシカルボニルエトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニルイソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチロキシカルボニル、イソペンチロキシカルボニル、t−ペンチロキシカルボニル、neo−ペンチロキシカルボニル、1−メチルブトキシカルボニル、2−メチルブトキシカルボニル、n−ヘキシロキシカルボニル、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0029

「アルキル」は、もっぱら炭素原子及び水素原子からなり、飽和または不飽和であり(すなわち1つまたは複数の二重結合及び/または三重結合を含有し)、1〜12の炭素原子(C1−C12アルキル)、好ましくは1〜8の炭素原子(C1−C8アルキル)または1〜6の炭素原子(C1−C6アルキル)を有し、単結合によって分子の残りへ添付される、直鎖炭化水素鎖置換基または分岐炭化水素鎖置換基を指し、例えば、メチルエチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニルプロプ−1−エニルブト−1−エニル、ペント−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルエチニルプロピニルブチニルペンチニルヘキシニル、及び同種のものである。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキル基は随意に置換され得る。

0030

アルキレン」または「アルキレン鎖」または「アルキルジイル」は、もっぱら炭素及び水素からなり、飽和または不飽和であり(すなわち1つまたは複数の二重結合及び/または三重結合を含有し)、1〜12の炭素原子を有する、分子の残りを置換基へ連結する直鎖二価炭化水素鎖または分岐二価炭化水素鎖を指し、例えばメチレンエチレンプロピレン、n−ブチレンエテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニルエン、n−ブチニルエン及び同種のものである。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残りへ及び単結合または二重結合を介して置換基へ添付される。分子の残りへ及び置換基へのアルキレン鎖の付加点は、鎖内の1つの炭素または任意の2つの炭素を介することができる。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキレン鎖は随意に置換され得る。

0031

アルケニルジイル」という用語は、本明細書において使用される時、規定された数の炭素原子、及び1つまたは複数の炭素−炭素二重結合(例えばC2−C6アルケニルジイル、C2−C4アルケニルジイルまたはC2アルケニルジイル)を含有する直鎖または分岐の不飽和炭化水素ジラジカルを指す。アルケニルジイルの例には、エテニルジイル、n−プロペニルジイル、イソプロペニルジイル、n−ブテニルジイル、sec−ブテニルジイル、イソブテニルジイル、t−ブテニルジイル、ペンテニルジイル、イソペンテニルジイル、t−ペンテニルジイル、neo−ペンテニルジイル、1−メチルブテニルジイル、2−メチルブテニルジイル、n−ヘキセニルジイル、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0032

アルコキシ」は、式−ORaの置換基(式中、Raは1〜12の炭素原子を含有する上で定義されるようなアルキル置換基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルコキシ基は随意に置換され得る。

0033

「アルキルアミノ」は、式−NHRaまたは−NRaRaの置換基(式中、各々のRaは独立して1〜12の炭素原子を含有する、上で定義されるようなアルキル置換基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アルキルアミノ基は随意に置換され得る。

0034

アミノ」は−NH2置換基を指す。

0035

「アミノ−シクロアルキル」という用語は、本明細書において使用される時、それらの用語が本明細書において定義されるように、1つのアミノ置換基により置換されたシクロアルキル基を指す。アミノ−シクロアルキルの例には、アミノシクロプロピル、アミノシクロブチルアミノシクロペンチルアミノシクロヘキシル、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0036

「アミノ−アルキル」という用語は、本明細書において使用される時、それらの用語が本明細書において定義されるように、1つのアミノ置換基により置換されたアルキル基を指す。アミノ−アルキルの例には、アミノメチルアミノエチル、アミノ−n−プロピル、アミノ−イソプロピル、アミノ−n−ブチル、アミノ−sec−ブチル、アミノ−イソブチル、アミノ−t−ブチル、アミノ−ペンチル、アミノ−イソペンチル、アミノ−t−ペンチル、アミノ−neo−ペンチル、アミノ−1−メチルブチル、アミノ−2−メチルブチル、アミノ−n−ヘキシル、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0037

「アミノ−アリール」という用語は、本明細書において使用される時、それらの用語が本明細書において定義されるように、1つのアミノ置換基により置換されたアリール基を指す。アミノ−アリールの例には、アミノ−フェニル、アミノ−ナフタレニル、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0038

「アリール」は、水素、6〜18の炭素原子及び少なくとも1つの芳香環を含む炭化水素環系置換基を指す。本開示の目的のために、アリール置換基は、単環式二環式三環式、または四環式の環系であり得、それには縮合環系または架橋環系が含まれ得る。アリール置換基には、アセアントリレンアセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセンアズレンベンゼンクリセンフルオランテンフルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダンインデンナフタレンフェナレンフェナントレンプレイアデン、ピレン及びトリフェニレン由来するアリール置換基が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、「アリール」という用語または「アル−(ar−)」という接頭語(「アラルキル」等中で)は、随意に置換されるアリール置換基を含むことを意味する。

0039

「アラルキル」は、式−Rb−Rc(式中、Rbは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、Rcは上で定義されるような1つまたは複数のアリール置換基、例えばベンジルジフェニルメチル及び同種のものである)の置換基を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、アラルキル基は随意に置換され得る。

0040

カルボキサミド」という用語は、本明細書において使用される時、−C(O)NH2を指す。

0041

カルボキシル」という用語は、本明細書において使用される時、−C(O)OHを指す。

0042

シアノ」は−CN置換基を指す。

0043

「シクロアルキル」または「炭素環」は、もっぱら炭素及び水素原子からなり、縮合環系または架橋環系を含んでもよく、3〜15の炭素原子を有し、好ましくは3〜10の炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残りへ添付される、安定的な非芳香族の単環式または多環式炭化水素置換基を指す。単環式置換基には、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。多環式置換基には、例えばアダマンチルノルボルニルデカリニル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル及び同種のものが含まれる。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、シクロアルキル基は随意に置換され得る。

0044

シクロアルキルアルキル」は、式−RbRdの置換基(式中、Rdは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、Rgが上で定義されるようなシクロアルキル置換基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、シクロアルキルアルキル基は随意に置換され得る。

0045

「縮合された」は、本開示の化合物中の既存の環構造へ縮合された本明細書において記述される任意の環構造を指す。縮合環ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合に、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部になる既存の環構造上の任意の炭素原子は、窒素原子により置き換えられ得る。

0046

ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモクロロ、フルオロまたはヨードを指す。

0047

ハロアルキル」は、上で定義されるような1つまたは複数のハロ置換基によって置換された、上で定義されるようなアルキル置換基を指し、例えばトリフルオロメチルジフルオロメチルトリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1,2−ジブロモエチル及び同種のものである。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ハロアルキル基は随意に置換され得る。

0048

ハロアルコキシ」という用語は、本明細書において使用される時、−O−ハロアルキル(式中、ハロアルキルは本明細書において定義される通りである)を指す。ハロアルコキシの例には、ジフルオロメトキシトリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシペンタフルオロエトキシ、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0049

「ヘテロアリール」は、水素原子、1〜13の炭素原子、そして窒素酸素及び硫黄からなる群から選択される1〜6のヘテロ原子、ならびに少なくとも1つの芳香環を含む、5〜14員の環系置換基を指す。本開示の目的のために、ヘテロアリール置換基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり得、それには縮合環系または架橋環系が含まれ得て;ヘテロアリール置換基中の窒素原子、炭素原子または硫黄原子は随意に酸化させることができ;窒素原子は随意に四級化させることができる。例には、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリルベンゾチアゾリルベンズインドリルベンゾジオキソリルベンゾフラニルベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニルカルバゾリルシンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリルイミダゾリルインダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリルナフチリジニルオキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリルオキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1Hピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニルプリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニルキノキサリニルキノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニルテトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルトリアジニル、及びチオフェニル(すなわちチエニル)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロアリール基は随意に置換され得る。

0050

「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含有し、ヘテロアリール置換基が分子の残りへ付加される点がヘテロアリール置換基中の窒素原子を介する、上で定義されるようなヘテロアリール置換基を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、N−ヘテロアリール基は随意に置換され得る。

0051

ヘテロアリールアルキル」は、式−RbRfの置換基(式中、Rbは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、Rfが上で定義されるようなヘテロアリール置換基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロアリールアルキル基は随意に置換され得る。

0052

「ヘテロアリールジイル」という用語は、本明細書において使用される時、少なくとも1つの環原子がヘテロ原子であり、少なくとも1つの環が芳香族である、6〜12員の単環式または二環式の環系に由来する二価ラジカルを指す。ヘテロ原子の例には、O、S、N及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリールジイルの例には、チアゾリルジイル、2,4−チアゾリルジイル、トリアゾリルジイル、1,2,3−トリアゾリル−1,4−ジイル、ピリジルジイル、ベンゾフラニルジイル、ピラジニルジイル、ピリダジニルジイル、ピリミジニルジイル、トリアジニルジイル、キノリニルジイル、ベンズオキサゾリルジイル、ベンゾチアゾリルジイル、1H−ベンズイミダゾリルジイル、イソキノリニルジイル、キナゾリニルジイル、キノキサリニルジイル、ピロリルジイル、インドリルジイル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イルジイル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルジイル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−イルジイル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフルン(benzofurn)−7−イルジイル、2,3−ジヒドロ−インドール−1−イルジイル、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。例には、同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0053

「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式の環」は、2〜12の炭素原子、ならびに窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1〜6のヘテロ原子からからなる、安定的な3〜18員の非芳香族環置換基を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロシクリル置換基は、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり得、それには縮合環系または架橋環系が含まれ得て;ヘテロシクリル置換基中の窒素原子、炭素原子または硫黄原子は随意に酸化させることができ;窒素原子は随意に四級化させることができ;ヘテロシクリル置換基は部分的または完全に飽和させることができる。かかるヘテロシクリル置換基の例には、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニルモルホリニルオクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル及び1,1ジオキソ−チオモルホリニルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロシクリル基は随意に置換され得る。

0054

「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含有し、ヘテロシクリル置換基が分子の残りへ付加される点がヘテロシクリル置換基中の窒素原子を介する、上で定義されるようなヘテロシクリル置換基を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、N−ヘテロシクリル基は随意に置換され得る。

0055

ヘテロシクリルアルキル」は、式−RbReの置換基(式中、Rbは上で定義されるようなアルキレン鎖であり、Reは上で定義されるようなヘテロシクリル置換基であり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルであるならば、ヘテロシクリルは窒素原子でアルキル置換基へ添付され得る)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、ヘテロシクリルアルキル基は随意に置換され得る。

0056

「ヘテロシクリルジイル」という用語は、本明細書において使用される時、少なくとも1つの環原子がヘテロ原子である、3〜12員の単環式または二環式の非芳香環系に由来する二価ラジカルを指す。ヘテロ原子の例には、O、S、N及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロシクリルジイル置換基は、その利用可能な環原子(例えば環炭素または環窒素)のうちの任意の2つを介して付加することができる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルジイルは、3員、4員、5員、6員または7員を含有する環である。ヘテロシクリルジイル基の例には、アジリジン−1−イルジイル、アジリジン−2−イルジイル、アゼチジン−1−イルジイル、アゼチジン−2−イルジイル、アゼチジン−3−イルジイル、ピペリジン−1−イルジイル、ピペリジン−2−イルジイル、ピペリジン−3−イルジイル、ピペリジン−4−イルジイル、モルホリン−2−イルジイル、モルホリン−3−イルジイル、モルホリン−4−イルジイル、ピペラジン−1−イルジイル、ピペラジン−2−イルジイル、ピペラジン−3−イルジイル、ピペラジン−4−イルジイル、ピロリジン−1−イルジイル、ピロリジン−2−イルジイル、ピロリジン−3−イルジイル、[1,3]−ジオキソラン−2−イルジイル、チオモルホリン−4−イルジイル、[1,4]オキサゼパン−4−イルジイル、1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルジイル、アゼパン−1−イルジイル、アゼパン−2−イルジイル、アゼパン−3−イルジイル及びアゼパン−4−イルジイル及びオクタヒドロ−キノリン−1−イルジイル及びオクタヒドロ−イソキノリン−2−イルジイル及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0057

ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は−OH置換基を指す。

0058

「ヒドロキシ−アルキル」という用語は、本明細書において使用される時、それらの用語が本明細書において定義されるように、1つのヒドロキシ置換基により置換されたアルキル基を指す。ヒドロキシ−アルキルの例には、ヒドロキシメチルヒドロキシエチル、ヒドロキシ−n−プロピル、ヒドロキシ−イソプロピル、ヒドロキシ−n−ブチル、ヒドロキシ−sec−ブチル、ヒドロキシ−イソブチル、ヒドロキシ−t−ブチル、ヒドロキシ−ペンチル、ヒドロキシ−イソペンチル、ヒドロキシ−t−ペンチル、ヒドロキシ−neo−ペンチル、ヒドロキシ−1−メチルブチル、ヒドロキシ−2−メチルブチル、ヒドロキシ−n−ヘキシル、及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0059

イミノ」は=NH置換基を指す。

0060

チオアルキル」は、式−SRaの置換基(式中、Raは1〜12の炭素原子を含有する上で定義されるようなアルキル置換基である)を指す。本明細書において特別に具体的に明記されない限り、チオアルキル基は随意に置換され得る。

0061

ニトロ」は−NO2置換基を指す。

0062

「オキソ」は=O置換基を指す。

0063

チオール」は−SH置換基を指す。

0064

チオキソ」は=S置換基を指す。

0065

本明細書において使用される「置換された」という用語は、上述の基のうちの任意もの(すなわちアルキル、アルキレン、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール及び/またはヘテロアリールアルキル)の中で、少なくとも1つの水素原子が、非水素原子ハロゲン原子(F、Cl、Br及びI等);ヒドロキシル基、アルコキシ基及びエステル基等の基中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基スルホニル基及びスルホキシド基等の基中の硫黄原子;アジドアミンアミドアルキルアミンジアルキルアミンアリルアミンアルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド及びエナミン等の基中の窒素原子;トリアルキルシリル基ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基及びトリアリールシリル基等の基中のシリコン原子;ならびに様々な他の基中の他のヘテロ原子等であるが、これらに限定されない)への結合によって、置き換えられることを意味する。「置換される」は、上述の基の任意のものの中で1つまたは複数の水素原子が、ヘテロ原子(オキソ、カルボニル、カルボキシル及びエステル基中の酸素等);及びイミンオキシムヒドラゾン及びニトリル等の基中の窒素への高次結合(例えば二重結合または三重結合)によって、置き換えられることも意味する。例えば、「置換された」には、−NRgRh、−NRgC(=O)Rh、−NRgC(=O)NRgRh、−NRgC(=O)ORh、−NRgC(=NRg)NRgRh、−NRgSO2Rh、−OC(=O)NRgRh、−ORg、−SRg、−SORg、−SO2Rg、−OSO2Rg、−SO2ORg、=NSO2Rg及び−SO2NRgRhにより1つまたは複数の水素原子が置き換えられた上述の基のうちの任意のものが含まれる。「置換された」は、−C(=O)Rg、−C(=O)ORg、−C(=O)NRgRh、−CH2SO2Rg、−CH2SO2NRgRhにより1つまたは複数の水素原子が置き換えられる上述の基のうちの任意のものも意味する。前述のものにおいて、Rg及びRhは同じかまたは異なり、独立して水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール及び/またはヘテロアリールアルキルである。「置換された」は、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基、イミノ基ニトロ基オキソ基、チオキソ基、ハロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、チオアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ハロアルキル基、ヘテロシクリル基、N−ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリール基、N−ヘテロアリール基及び/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって、1つまたは複数の水素原子が置き換えられる上述の基のうちの任意のものを更に意味する。加えて、前述の置換基の各々は、上述の置換基のうちの1つまたは複数によっても随意に置換することができる。

0066

本開示は、異なる原子質量または質量数を有する原子によって1つまたは複数の原子を置き換えることによって同位体標識された、式Iのすべての薬学的に許容される化合物も包含することが意図される。開示される化合物の中へ取り込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リンフッ素塩素及びヨウ素の同位体(それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I及び125I等)が含まれる。これらの放射性同位元素で標識された化合物は、例えば作用の部位もしくはモードまたは薬理学的に重要な作用部位への結合親和性特徴づけることによって化合物の有効性を決定または測定することを支援するのに有用である。本明細書において記述される特定の同位体標識化合物(例えば放射性同位体を取り込むもの)は、薬物及び/または基質組織分布研究において有用である。放射性同位体トリチウム(すなわち3H)及び炭素14(すなわち14C)は、それらの取り込みの容易性及び検出の即時手段を考慮してこの目的のために特に有用である。

0067

より重い同位体(重水素、すなわち2H等)による置換は、より高い代謝安定性(例えばインビボの半減期の増加または投薬量要求性低減)からもたらされる特定の治療法上の利点を与え、したがっていくつかの状況において好ましいだろう。

0068

陽電子放射同位体(11C、18F、15O及び13N等)による置換は、基質受容体占有検査のための陽電子放射断層撮影法(PET)研究において有用であり得る。本明細書において記述される同位体標識化合物は、一般的には、当業者へ公知の従来の技法によって、または以前に用いられた標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用する、以下で設定されるような調製及び実施例中で記述されるものに類似したプロセスによって、調製することができる。

0069

本開示は、開示された化合物のインビボの代謝産物も包含することが意図される。かかる産物は、例えば主として酵素的プロセスに起因する投与された化合物の酸化、還元加水分解アミド化エステル化、及び同種のものから生じ得る。したがって、本開示は、その代謝産物をもたらすのに十分な一定の期間の間、この開示の化合物を哺乳類へ投与することを含むプロセスによって産生された化合物を含む。かかる産物は、典型的には、動物ラット、マウス、モルモットサル等)またはヒトへ検出可能な用量で放射性同位元素で標識された本開示の化合物を投与し、代謝が起こるのに十分な時間を放置して、尿、血液または他の生物学的サンプルからその転換産物を単離することによって同定される。

0070

本開示の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の不斉中心を含有することができ、したがって、絶対立化学に関して(R)−もしくは(S)−としてまたはアミノ酸については(D)−もしくは(L)−として定義され得る、鏡像異性体ジアステレオ異性体及び他の立体異性形状を生じさせることができる。本開示には、かかる可能性のあるすべての異性体に加えて、それらのラセミ形状及び光学的に純粋な形状が含まれることが意図される。光学活性の(+)及び(−)、(R)−及び(S)−、または(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製することができるか、または従来の技法(例えばクロマトグラフィー及び分別結晶)を使用して分割することができる。個別の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技法には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えばキラル高圧液体クロマトグラフィーHPLC)を使用するラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分割が含まれる。本明細書において記述される化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的非対称中心を含有する場合、そして特別の定めのない限り、化合物にはE及びZの幾何異性体の両方が含まれることが意図される。同様に、すべての互変異性形状も含まれることが意図される。

0071

他の定義
「アミノ酸」または「アミノ酸残基」という用語には、本明細書において使用される時、20の天然に存在するアミノ酸のうちの任意の1つ、天然に存在するアミノ酸のうちの任意の1つのD型、天然に存在しないアミノ酸、ならびにその誘導体、類似体及び模倣物が含まれる。天然に存在するアミノ酸が含まれる任意のアミノ酸は、商業的に購入されるかまたは当技術分野において公知の方法によって合成することができる。天然に存在しないアミノ酸の例には、シトルリン(「Cit」)、ノルロイシン(「Nle」)、ノルバリン(「Nva」)、p−アラニン、L−またはD−ナフトアラニン(naphthalanine)、オルニチン(「Orn」)、ホモアルギニン(homoArg)及びペプチド技術分野において周知の他のもの(M.Bodanzsky、「Principles of Peptide Synthesis」、第1版及び改訂第2版、Springer−Verlag、New York、N.Y.、1984年及び1993年、ならびにStewart and Young、「Solid Phase Peptide Synthesis」、第2版、Pierce Chemical Co.、Rockford、Ill.、1984年中で記述されるものが含まれる)が含まれる。一般的なアミノ酸は、それらの完全な名称標準的な1文字表記または標準的な3文字表記によって参照されることができ、それらは例えば、A、Ala、アラニン;C、Cys、システイン;D、Asp、アスパラギン酸;E、Glu、グルタミン酸;F、Phe、フェニルアラニン;G、Gly、グリシン;H、His、ヒスチジン;I、Ile、イソロイシン;K、Lys、リジン;L、Leu、ロイシン;M、Met、メチオニン;N、Asn、アスパラギン;P、Pro、プロリン;Q、Gln、グルタミン;R、Arg、アルギニン;S、Ser、セリン;T、Thr、スレオニン;V、Val、バリン;W、Trp、トリプトファン;X、Hyp、ヒドロキシプロリン;Y、Tyr、チロシンである。本明細書における組成物中のアミノ酸の任意のもの及びすべては、天然に存在するもの、合成物、及びその誘導体または模倣物であり得る。アミノ酸残基が1つまたは複数のキラル中心を含有する場合、D、L、メソトレオまたはエリトロ(必要に応じて)のラセミ化合物のうちの任意のものまたはその混合物は、本発明の範囲内である。

0072

「別のアミノ酸」という用語は、本明細書において使用される時、その位置で天然に存在するそのアミノ酸とは異なる1つのアミノ酸を意味する。これにはポリヌクレオチドによってコードすることができるアミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、異なるアミノ酸は天然のL型であり、ポリヌクレオチドによってコードされ得る。

0073

「コンストラクト」という用語は、対象となるポリペプチドをコードする完全または部分的な天然に存在するヌクレオチド配列に基づき得るポリヌクレオチドセグメントを示すことが意図される。コンストラクトは随意に他のポリヌクレオチドセグメントを含有し得る。類似の手法において、「ポリヌクレオチドコンストラクトによってコードできるアミノ酸」という用語は、上で定義されたポリヌクレオチドコンストラクトによってコードできるアミノ酸(すなわちAla、Val、Leu、Ile、Met、Phe、Trp、Pro、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Glu、Lys、Arg、His、Asp及びGln等のアミノ酸)を包含する。

0074

「DBL2Xb」という用語は、本明細書において使用される時、配列番号:1の153〜577によって同定されるアミノ酸配列へ少なくとも70%の配列同一性を備えたアミノ酸配列を有することによって特徴づけられるVAR2CSAのドメインを指す。

0075

「誘導体」という用語は、本明細書において使用される時、配列番号:55または配列番号:56によって同定された野生型VAR2CSAまたはその断片と比較して実質的に同じであるかまたは改善された生物学的活性を示し、親ペプチドのアミノ酸のうちの1つまたは複数が、例えばアルキル化、PEG化、アシル化エステル形成もしくはアミド形成または同種のものによって化学的に修飾された、VAR2CSAポリペプチドを表記することが意図される。

0076

「対象となる疾患または病態」には、癌、関節炎関節症多発性硬化症神経損傷後の治癒軟骨修復創傷治癒および乾癬等におけるCSAの不適切な発現等の、発現に関する疾患および病態が含まれる。

0077

「効果的な量」または「治療法上効果的な量」は、哺乳類、好ましくはヒトへ投与された場合に、以下に定義されるような特定の徴候(例えば哺乳類、好ましくはヒトにおける癌または腫瘍細胞)の治療を達成するのに十分な、本明細書において記述される化合物のその量を指す。本明細書において記述される「治療法上効果的な量」を構成する量の化合物は、化合物、病態及びその重症度、投与の様式、ならびに処理される哺乳類の年齢に依存して、変動するだろうが、自身の知識及びこの開示を配慮する当業者によってルーチンに決定することができる。

0078

機能的バリアント」、「機能的断片」及び「機能的誘導体」という語句は、本明細書において使用される時、配列番号:55または配列番号:56のバリアント、断片、短縮型バージョンに加えて誘導体(配列番号:1、3〜5、10、11、29、34、36〜38、41、43〜45、48、53〜56のうちの任意の1つ等)を指し、そのポリペプチドは、配列番号:55または配列番号:56の必須結合配列の一部を含み、少なくともplCSAを結合する能力を保持する。したがって、本明細書において使用される時、かかるポリペプチドはVAR2CSAポリペプチドである。VAR2CSAの機能的バリアントまたは機能的断片は、バリアント、ならびに/または断片及び/もしくは誘導体の両方であることから選択される2または3の特色を有し得ることが理解される。本明細書またはWO2013/117705中で記述されるようなアッセイにおいて試験された場合、VAR2CSAポリペプチドの機能的バリアントまたは断片は、同じ細胞タイプで産生された野生型VAR2CSAポリペプチドの結合親和性の少なくとも約25%(少なくとも約50%等、少なくとも約75%等、少なくとも約90%等)を示すものを包含する。

0079

免疫学的断片」という用語は、本明細書において使用される時、本質的に同じ機能的活性及び標的化部分によって認識される同じ空間的方向性を保持するアミノ酸配列の断片を指す。従って、特異的な標的化部分はポリペプチド及びその免疫学的断片の両方を結合するだろう。

0080

細胞内代謝物」という用語は、本明細書において記述される化合物(例えばVAR2CSA薬物−コンジュゲート)に関して細胞内部の代謝プロセスまたは反応からもたらされる化合物を指す。代謝プロセスまたは反応は、酵素的プロセス(被験化合物ペプチドリンカータンパク質分解による切断等)、被験化合物内の官能基(ヒドラゾン、エステルまたはアミド等)の加水分解、または標的化部分の部分もしくはすべての分解であり得る。コンジュゲートの文脈において、細胞内代謝物には、細胞内で、すなわち細胞の中への侵入拡散、取り込みまたは輸送後に(例えば細胞内酵素によるコンジュゲートの酵素的切断、またはVAR2CSAポリペプチドの分解によって)、分離され得る、VAR2CSAポリペプチドおよび遊離薬物が含まれ得るが、これらに限定されない。

0081

コンジュゲートの文脈において、「細胞内で切断された」及び「細胞内切断」という用語は、本明細書において記述される化合物に関する細胞内部の代謝プロセスまたは反応を指し、それによって共有結合による付加(例えばペイロードと標的化部分との間のリンカー)は破壊され、細胞内部で標的化部分から分離された遊離薬物をもたらす。いくつかの実施形態において、被験化合物の切断された部分は細胞内代謝物である。したがって、一実施形態において、本発明は、式Iの化合物の分解産物である化合物(その分解産物には式IIの化合物が含まれる)を提供する。あるいは、薬物は、VAR2CSAポリペプチドの分解またはタンパク質溶解を介して遊離され得る。

0082

細胞外切断」という用語は、本明細書において記述される化合物に関する細胞外部の代謝プロセスまたは反応を指し、それによって共有結合による付加(例えばペイロードと標的化部分との間のリンカー)は破壊され、細胞外部で標的化部分から分離された遊離薬物をもたらす。いくつかの実施形態において、被験化合物の切断された部分は最初は細胞外代謝物であり、それは拡散及び細胞透過性または輸送によって細胞内に移動され得る。

0083

「単離されたポリペプチド」という用語は、天然に会合する(翻訳後修飾は含まれない)ポリヌクレオチド、脂質、炭水化物または他の材料(すなわち混入物)の少なくとも約50パーセントから分離された、本明細書において記述されるポリペプチドを指す。好ましくは、単離されたポリペプチドは、その天然環境において見出される他の混入ポリペプチドまたは他の混入物(それはその治療法使用、診断使用、予防使用または研究使用を妨害するだろう)が実質的にない。

0084

「ID1」という用語は、本明細書において使用される時、配列番号:1の1〜152によって同定されるアミノ酸配列へ少なくとも70%の配列同一性を備えたアミノ酸配列を有することによって特徴づけられるVAR2CSAのドメインを指す。

0085

「ID2a」という用語は、本明細書において使用される時、配列番号:1のアミノ酸578〜640のN末端から、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも51、少なくとも52、少なくとも53、少なくとも54、少なくとも55、少なくとも56、少なくとも57、少なくとも58、少なくとも59、少なくとも60、少なくとも61、または少なくとも62(63等)の連続アミノ酸のアミノ酸配列を有し、連続アミノ酸のかかる配列へ少なくとも70%の配列同一性を備えることによって特徴づけられるVAR2CSAのドメインを指す。いくつかの実施形態において、本明細書において、配列番号:1〜57またはその断片によって同定される1つの任意の配列を参照するアミノ酸配列の少なくとも70%の同一性は、この配列へ少なくとも71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、8、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の配列同一性を備えた配列を指す。

0086

「哺乳類」には、ヒトならびに飼育動物実験動物及び家庭ペット(例えばネコイヌブタウシヒツジヤギウマウサギ)等)及び非飼育動物(野生生物及び同種のもの等)の両方が含まれる。

0087

微生物」という用語は、本明細書において使用される時、細菌、菌類古細菌原生生物緑藻類及びプランクトン等)、プラナリア及びアメーバを指す。病原微生物はこの定義内に含まれる。

0088

「天然の配列」のポリペプチドは、天然に由来するポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するものである。かかる天然の配列ポリペプチドは、天然から単離されるかまたは組換え手段もしくは合成手段によって産生することができる。したがって、天然の配列ポリペプチドは、天然に存在するヒトポリペプチド、マウスポリペプチドまたは他の哺乳類種からのポリペプチドのアミノ酸配列を有することができる。

0089

「随意の」または「随意に」は、後続して記述される状況の事象が起こり得るかまたは起こり得ないこと、ならびに記述には該事象または状況が起こる事例及びそれが起こらない事例が含まれることを意味する。例えば、「随意に置換されたアリール」は、アリール置換基が置換され得るかまたは置換され得ないこと、記述には置換されたアリール置換基及び置換がないアリール置換基の両方が含まれることを意味する。

0090

「医薬組成物」は、本開示の化合物、及び哺乳類(例えばヒト)へ生物学的に活性のある化合物の送達のための当技術分野において一般的に許容される媒質の製剤を指す。かかる媒質には、そのためのすべての薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤が含まれる。

0091

「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」には、ヒトまたは飼育動物における使用のために許容されるとして米国食品医薬品局によって承認される、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤甘味剤、希釈剤、防腐剤色素着色剤調味料界面活性剤湿潤剤分散剤懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が限定されずに含まれる。

0092

「薬学的に許容される塩」には酸付加塩及び塩基付加塩の両方が含まれる。「薬学的に許容される酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にまたは他の点で所望されないものでない塩を指し、それらは、無機酸(塩酸臭化水素酸硫酸硝酸リン酸、及び同種のもの等であるが、これらに限定されない)、及び有機酸酢酸、2,2−ジクロロ酢酸アジピン酸アルギン酸アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、樟脳酸カンファー−10−スルホン酸カプリン酸カプロン酸カプリル酸炭酸桂皮酸クエン酸シクラミン酸ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸エタンスルホン酸2−ヒドロキシエタンスルホン酸蟻酸フマル酸ガラクタル酸ゲンチシン酸グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸グリコール酸馬尿酸イソ酪酸乳酸ラクトビオン酸ラウリン酸マレイン酸リンゴ酸マロン酸マンデル酸メタンスルホン酸粘液酸ナフタリン−1,5−ジスルホン酸、ナフタリン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ニコチン酸オレイン酸オロチン酸シュウ酸パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸ピログルタミン酸ピルビン酸サリチル酸、4−アミノサルチル酸セバシン酸ステアリン酸コハク酸酒石酸チオシアン酸p−トルエンスルホン酸トリフルオロ酢酸ウンデシレン酸、及び同種のもの等であるが、これらに限定されない)により形成される。「薬学的に許容される塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にまたは他の点で所望されないものでない塩を指す。これらの塩は、無機塩基または有機塩基の遊離酸への付加から調製される。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム塩カリウム塩リチウム塩アンモニウム塩カルシウム塩マグネシウム塩鉄塩亜鉛塩銅塩マンガン塩アルミニウム塩及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウムナトリウムカリウムカルシウム、及びマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩には、第一級アミン第二級アミン及び第三級アミン置換アミン(天然に存在する置換アミンが含まれる)、環式アミン及び塩基イオン交換樹脂アンモニア等)、イソプロピルアミントリメチルアミンジエチルアミントリエチルアミン、トリプロピルアミンジエタノールアミンエタノールアミンデアノール2−ジメチルアミノエタノール2−ジエチルアミノエタノールジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェインプロカインヒドラバミン、コリンベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミングルコサミンメチルグルカミンテオブロミントリエタノールアミントロメタミンプリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジンポリアミン樹脂、ならびび同種のものの塩が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。

0093

プロドラッグ」は、生理的条件下でまたは加溶媒分解によって、本開示の生物学的に活性のある化合物へ転換され得る化合物を示すことが意図される。したがって、「プロドラッグ」という用語は、薬学的に許容される本開示の化合物の代謝前駆体を指す。それを必要とする被験体へ投与された場合にプロドラッグは不活性であり得るが、インビボで本開示の活性化合物へ転換される。プロドラッグは典型的には例えば血液中での加水分解によって迅速にインビボで転換されて、本開示の親化合物をもたらす。プロドラッグ化合物は、多くの場合、哺乳類生物中での可溶性組織適合性または放出遅延という利点を供する(Bundgard,H.、Design of Prodrugs(1985)、pp.7−9、21−24(Elsevier、Amsterdam)を参照)。プロドラッグの考察は、Higuchi,T.,et al.、A.C.S.Symposium Series、14巻、及びBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年中で提供される。本開示の化合物のプロドラッグは、修飾がルーチンの操作またはインビボでのいずれかで本開示の親化合物へ切断されるような手法で、本開示の化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。プロドラッグには、ヒドロキシ基、アミノ基またはメルカプト基は、本開示の化合物のプロドラッグが哺乳類被験体へ投与される場合に切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシ基遊離アミノ基または遊離メルカプト基を形成する任意の基へ結合される本開示の化合物が含まれる。プロドラッグの例には、本開示の化合物中のアルコールアセテート誘導体ホルメート誘導体及びベンゾエート誘導体、またはアミン官能基アミド誘導体、ならびに同種のものが含まれるが、これらに限定されない。

0094

保護基」という用語は、本明細書において使用される時、合成手順の間の所望されない反応に対して、反応基(ヒドロキシル基及びアミノ基が限定されずに含まれる)を保護することが当技術分野において公知である不安定化学的部分を指す。保護基により保護されたヒドロキシル基及びアミノ基は、それぞれ「保護されたヒドロキシル基」及び「保護されたアミノ基」と本明細書において称される。保護基は、典型的には、他の反応点での反応の間に部位を選択的に及び/または直交して保護するように使用され、次いで除去して非保護基をそのまま残すか、または更なる反応のために利用可能であり得る。当技術分野において公知であるような保護基は、一般的には、Greene and Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley&Sons、New York(1999)中で記述される。基は、前駆体として本開示の化合物の中へ選択的に取り込むことができる。例えば、アミノ基は、合成中の所望される点で化学的にアミノ基に転換することができるアジド基として本開示の化合物の中へ配置することができる。一般的に、基は、適切な時間にそれらの最終的な基への転換のために親分子の他の領域を修飾する反応へ不活性であろう前駆体として保護されるかまたは存在する。更なる代表的な保護基または前駆体基は、Agrawal,et al.、Protocols for Oligonucleotide Conjugates、Humana Press編;New Jersey、1994年;26巻、pp.1−72中で論じられる。「ヒドロキシル保護基」の例には、t−ブチル、t−ブトキシメチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、2−トリメチルシリルエチル、p−クロロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、ジフェニルメチル、p−ニトロベンジルトリフェニルメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリフェニルシリル、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、ピバロエート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾアート、9−フルオレニルメチルカルボネートメシレート及びトシレートが含まれる、が、これらに限定されない。「アミノ保護基」の例には、カルバメート保護基(2−トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル(Bpoc)、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)及びベンジルオキシカルボニルCbz)等);アミド保護基(ホルミル、アセチル、トリハロアセチル、ベンゾイル及びニトロフェニルアセチル等);スルホンアミド保護基(2−ニトロベンゼンスルホニル等);及びイミン及び環式イミド保護基(フタルイミド及びジチアスクシノイル等)が含まれるが、これらに限定されない。

0095

多くの場合、結晶は本開示の化合物の溶媒和物を産生する。本明細書において使用される時、「溶媒和物」という用語は、溶媒の1つまたは複数の分子を備えた本開示の化合物の1つまたは複数の分子を含む凝集物を指す。溶媒は水であり得、その場合には溶媒和物は水和物であり得る。あるいは、溶媒は有機溶媒であり得る。したがって、本開示の化合物は、水和物(一水和物二水和物半水和物セスキ水和物三水和物四水和物及び同種のものが含まれる)に加えて、対応する溶媒和形状として存在し得る。本開示の化合物は真の溶媒和物であり得る一方で、他の事例において、本開示の化合物は、外来性の水を単に保持するか、または水といくつかの外来性の溶媒の混合物であり得る。

0096

「安定的な化合物」及び「安定的な構造」は、反応混合物から有用な純度への単離及び有効な治療用薬剤への製剤を耐えるのに十分に頑強な化合物を示すことを意味する。

0097

当技術分野において公知であるような「配列同一性」という用語は、配列の比較によって決定されるような、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の配列の間の関係性を指す。当技術分野において、「同一性」は、2つ以上のヌクレオチド残基または2つ以上のアミノ酸残基の文字列の間でのマッチ数によって決定されるような、核酸分子またはポリペプチドの間の配列相関性の程度も、場合に応じて意味する。「同一性」は、特定の数学モデルまたはコンピュータープログラム(すなわち「アルゴリズム」)によって、ギャップアライメント(もしあれば)を用いて扱われる、2つ以上の配列のより小さなものとの間の同一のマッチのパーセントを測定する。「類似性」という用語は関連する概念であるが、「同一性」とは対照的に、同一のマッチ及び保存的置換のマッチの両方を含む配列関係性を指す。したがって、保存的置換がある事例において、2つのポリペプチドの間の類似性の程度はそれらの2つのポリペプチドの間のパーセント同一性よりも高くなる。

0098

立体異性体」は、同じ結合によって結合する同じ原子から構成されるが、交換可能ではない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本開示は様々な立体異性体及びその混合物を企図し、その分子が重ね合わせ可能でない互いの鏡像である2つの立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。

0099

互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動を指す。本開示は任意の前記化合物の互変異性体を含む。

0100

「治療すること」または「治療」は、本明細書において使用される時、対象となる疾患または病態を有する哺乳類、好ましくはヒトにおける対象となる疾患または病態の治療を包含し、それらには、
(i)哺乳類において起こっている疾患または病態を、特にかかる哺乳類が病態への素因があるが、それを有するとまだ診断されていない場合に、阻止すること;
(ii)疾患または病態を阻害すること、すなわちその発生を停止すること;
(iii)疾患または病態を軽減すること、すなわち疾患または病態の退縮を引き起こすこと;
または
(iv)疾患または病態からもたらされる症状を軽減すること、すなわち原因となる疾患または病態に取り組まずに疼痛を軽減すること
が含まれる。

0101

一実施形態において、「VAR2CSAポリペプチド」という用語は、本明細書において使用される時、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)と相互作用し、配列番号:55もしくは配列番号:56またはその断片もしくはバリアントもしくは誘導体の配列を有することによって特徴づけられ、プロテオグリカン(CSPG)上で提示され得るplCSAを結合する能力を備えた、Plasmodium falciparumによって発現される特異的な赤血球膜タンパク質1(PfEMP1)のタンパク質の細胞外の一部を指す。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは少なくともVAR2CSAのタンパク質断片を含み、その断片はa)ID1の連続的なアミノ酸配列及びb)DBL2Xbからなる。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは少なくともVAR2CSAのタンパク質断片を含み、その断片はa)ID1の連続的なアミノ酸配列及びb)DBL2Xb及びc)ID2aからなる。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは、a)ID1及びb)DBL2Xbの連続的なアミノ酸配列からなるVAR2CSAポリペプチドとplCSAへの結合を競合する。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは、a)ID1、b)DBL2Xb及びc)ID2aの連続的なアミノ酸配列からなるVAR2CSAポリペプチドとplCSAへの結合を競合する。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは、配列番号:55または配列番号:56中のアミノ酸配列を含むVAR2CSAポリペプチドとplCSAへの結合を競合する。Salanti A.et al.Mol.Micro 2003 Jul;49(1):179−91、Khunrae P.et al.,J Mol Biol.2010 Apr 2;397(3):826−34、Srivastava A.et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2010 Mar 16;107(11):4884−9、Dahlback M.et al,J Biol Chem.2011 May 6;286(18):15908−17、及びSrivastava A.et al.,PLoS One.2011;6(5):e20270中で記述されるポリペプチドは、VAR2CSAポリペプチドの定義内に含まれる。

0102

「バリアント(複数可)」という用語は、本明細書において使用される時、配列番号:55もしくは配列番号:56のアミノ酸配列または配列番号:1〜54のアミノ酸配列を含むVAR2CSAポリペプチドの断片を有し、その断片またはバリアントはプロテオグリカン(CSPG)上のplCSAを結合する能力を保持し、1つもしくは複数のアミノ酸は別のアミノ酸によって置換されており、及び/または1つもしくは複数のアミノ酸は欠失されており、及び/または1つもしくは複数のアミノ酸はポリペプチド中に挿入されており、及び/または1つもしくは複数のアミノ酸はポリペプチドへ添加されている、VAR2CSAポリペプチドを指す。かかる添加は、N末端部もしくはC末端部または両方で起こり得る。この定義内の「バリアント(複数可)」は、まだplCSAを結合できるという点で機能的活性を有する。したがって、本明細書において使用される時、かかるポリペプチドはVAR2CSAポリペプチドである。いくつかの実施形態において、バリアントは、配列番号:1〜57の配列(配列番号:1、3〜5、10、11、29、34、36〜38、41、43〜45、48、53〜56、60〜70、72〜75の配列等)と、少なくとも70%(少なくとも71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、8、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%等)の配列同一性を有する。

0103

ベクター」という用語は、本明細書において使用される時、宿主細胞中で増幅が可能な任意の核酸実体を意味する。したがって、ベクターは、自律的に複製するベクター(すなわち染色体外の実体として存在するベクター)であり得、その複製は染色体複製非依存性である(例えばプラスミド)。あるいは、ベクターは、宿主細胞の中へ導入された場合、宿主細胞ゲノムの中へ組み込まれ、それが組み込まれた染色体(複数可)と一緒に複製されるものであり得る。ベクターの選択は、多くの場合それが導入されることになっている宿主細胞に依存するだろう。ベクターには、プラスミドベクターファージベクターウイルスまたはコスミドベクターが含まれるが、これらに限定されない。ベクターは、通常、複製起点及び少なくとも1つの選択可能遺伝子(すなわち容易に検出可能である産物またはその存在が細胞増殖のために不可欠である産物をコードする遺伝子)を含有する。

0104

化合物
式Iの化合物であるタンパク質−薬物コンジュゲート
T−L−P

であって、
式中、
Tは、VAR2CSAポリペプチドを含む標的化部分であり;
L−Pは、L1−P1またはL2−P2から選択され;
L1はリンカーであるか、またはL1は存在せず;
P1は式XIVの化合物の一価ラジカル

0105

0106

であり、
式中、
R16及びR17は、H、及び1〜10の炭素原子を含有する、直鎖骨格、分岐骨格、または非芳香環骨格を有する、飽和部分または不飽和部分からなる群から独立して選択され、炭素原子は、−OH、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CHO、−COSHまたは−NO2により随意に置換されるか;またはR17及びR20は縮合され、環を形成し;
R18及びR19は、H、R25及びArR25−からなる群から独立して選択されるか、またはR18及びR19は繋がれて環を形成し;
R20は、H、R25、ArR25−、及びArからなる群から選択されるか;またはR20及びR17は縮合され、環を形成し;
R21は、H、R25及びArR25−からなる群から選択され;
R22及びR23は、H、R25及びArR25−からなる群から独立して選択され;
R24は、−Y−(CO)NHSO2−R26であり
R25は、1〜10の炭素原子、0〜4の窒素原子、0〜4の酸素原子、及び0〜4の硫黄原子を含有する、直鎖骨格、分岐骨格、非芳香環骨格を有する、飽和部分または不飽和部分として定義され、炭素原子は、=O、=S、OH、−OR28、−O2CR28、−SH、−SR28、−SOCR28、−NH2、−NHR28、−N(R28)2、−NHCOR28、−NR28COR28、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R28、−CHO、−COR28、−CONH2、−CONHR28、−CON(R28)2、−COSH、−COSR28、−NO2、−SO3H、−SOR28、−SO2R28により随意に置換され、R28は、直鎖状、分岐状、または環式の、1〜10の炭素の飽和アルキル基または不飽和アルキル基であり;
R18及びR19を繋ぐことによって形成された環は、R25の定義内の3〜7員の非芳香環骨格であり、
Yは、R25、ArR25、またはXにより随意に置換された、直鎖状の、飽和、または不飽和の1〜6の炭素のアルキル基からなる群から選択される部分として定義され;
Xは、−OH、−OR25、=O、=S、−O2CR25、−SH、−SR25、−SOCR25、−NH2、−NHR25、−N(R25)2、−NHCOR25、−NRCOR25、−I、−Br、−Cl、−F、−CN、−CO2H、−CO2R25、−CHO、−COR25、−CONH2、−CONHR25、−CON(R25)2、−COSH、−COSR25、−NO2、−SO3H、−SOR25、及び−SO2R25からなる群から選択される部分として定義され;
R26は、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27は、独立して、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたヘテロアリールであり;ならびに
L2はリンカーであるか、またはL2は存在せず;
P2は生物学的に活性のある化合物であり;
L2−P2は以下の構造(III)

0107

0108

を有し、
式中、
Rは、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリール、−COR27、−CSR27、−OR27、及び−NHR27からなる群から選択され、各々のR27は、独立して、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロアリールであるか、またはRは存在せず;
P3は化合物P2の残りの部分であり;
L2が存在する場合、L3は随意にリンカーL2の残りの部分である、
該タンパク質−薬物コンジュゲートが提供される。

0109

好ましい実施形態において、Rは、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルキルアミノ、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、及び随意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択されるか、またはRは存在しない。

0110

いくつかの実施形態において、L2は存在し、T及びL2はペプチド結合を介して連結される。いくつかの実施形態において、Rは存在し、L2は存在し、L2及びP2はペプチド結合を介して連結される。いくつかの実施形態において、L2は存在せず、Rは存在し、T及びP2はペプチド結合を介して連結される。

0111

特定の実施形態において、1つのペイロード分子は1つのリンカー分子へ連結される。特定の実施形態において、複数のペイロード分子は同じリンカー分子へ連結される。特定の実施形態において、1つのリンカー分子は1つの標的化部分へ連結される。特定の実施形態において、複数のリンカー分子は同じ標的化部分へ連結される。「薬物−抗体比」または「DAR」は、コンジュゲートされた薬物部分対標的化部分(抗体)の数を示すことを意味する。
標的化部分(T)

0112

標的化部分は、リンカー単位(L)またはペイロード化合物(P)への結合を形成することができる。標的化部分は、標的化部分のヘテロ原子を介してリンカー部分またはペイロード化合物への結合を形成することができる。標的化部分上に存在し得るヘテロ原子には、硫黄(一実施形態において、Tのスルフヒドリル基から)、酸素(一実施形態において、Tのカルボニル基カルボキシル基またはヒドロキシル基から)、及び窒素(一実施形態において、Tの第一級アミノ基または第二級アミノ基から)が含まれる。例えば、これらのヘテロ原子は、標的化部分の天然状態で標的化部分上に存在することができるか、または化学修飾もしくは組換え手段によって標的化部分の中へ導入することができる。

0113

いくつかの実施形態において、標的化部分はスルフヒドリル基を有しており、スルフヒドリル基の硫黄原子を介してリンカー部分へ結合する。別の実施形態において、標的化部分は、1つまたは複数のスルフヒドリル基を導入するために、化学的に修飾され得る1つまたは複数のリジン残基を有する。標的化部分はスルフヒドリル基を介してリンカー部分へ結合する。リジンの修飾に使用することができる試薬には、N−スクシンイミジルS−アセチルチオ酢酸(SATA)及び2−イミノチオラン塩酸塩(Traut試薬)が含まれるが、これらに限定されない。

0114

別の実施形態において、リンカー部分は、1つまたは複数のスルフヒドリル基を有するように化学的に修飾され得る1つまたは複数の炭水化物基を有することができる。標的化部分はスルフヒドリル基の硫黄原子を介してリンカー部分へ結合する。さらに別の実施形態において、標的化部分は、アルデヒド(−CHO)基を提供するように酸化され得る1つまたは複数の炭水化物基を有することができる(例えばLaguzza et al.,1989,J.Med.Chem.32(3):548−55を参照)。対応するアルデヒドは、リンカー部分の一部分上の反応部位との結合を形成することができる。標的化部分上のカルボニル基と反応することができる反応部位には、ヒドラジン及びヒドロキシルアミンが含まれるが、これらに限定されない。ペイロード化合物の付加または会合のためのタンパク質の修飾についての他のプロトコルは、Coligan et al.、Current Protocols in Protein Science、2巻、John Wiley&Sons(2002)中で記述される。

0115

式Iの化合物
T−L−P

(式中、TはVAR2CSAポリペプチドを含む標的化部分である)が提供される。

0116

本明細書において記述される標的化部分には、その範囲内に本明細書において定義されるようなVAR2CSAポリペプチドを含む任意の分子が含まれる。好ましい実施形態において、標的化部分はVAR2CSAポリペプチドを含むタンパク質である。別の好ましい実施形態において、標的化部分は、本質的にVAR2CSAポリペプチドからなる。別の好ましい実施形態において、標的化部分はVAR2CSAポリペプチドからなる。好ましい実施形態において、VAR2CSAポリペプチドはWO2013/117705中で開示されるVAR2CSAポリペプチドである。

0117

VAR2CSAタンパク質は、当業者によって認識されるように任意の数の宿主細胞タイプから組換えにより産生され得る。一実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは哺乳類細胞系を使用して組換えにより産生される。別の実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは哺乳類以外の細胞系を使用して産生される。一実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは昆虫細胞系を使用して産生される。当業者によって認識されるように、異種細胞タイプによって産生された組換えVAR2CSAポリペプチドの糖鎖付加パターンは変動し得る。

0118

いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは最小結合断片ではない。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは最小結合断片である。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドは、a)ID1及びb)DBL2Xb及び随意にc)ID2aの連続的なアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態において、VAR2CSAポリペプチドはID2aを含む。

0119

VAR2CSA(マラリアタンパク質の一部)は、非常に高い特異性及び非常に高い結合強度で、癌特異的抗原及び細胞外CSPGへ結合することができる。VAR2CSAは、もっぱら妊婦の胎盤中のプロテオグリカン(CSPG)へ付着されたCSAへの寄生生物感染細胞の接着を媒介する。組換えタンパク質は、かつてない高親和性及び特異性でplCSAへ結合することが示された。これは、荷電した硫酸塩だけではなくCS主鎖にも依存するplCSAとの相互作用に起因するだろう。胎盤中に存在するCSは、様々な癌細胞(癌幹細胞が含まれる)上で提示されるCSに非常に類似すると考えられる(Salanti et al.,WO2013/117705)。これは、VAR2CSAを発現する寄生生物感染細胞が、C32黒色腫細胞上のplCSA及びヒト脳腫瘍細胞へ特異的に接着するという事実によって実証される。アポトーシス性または細胞毒性のペイロードへVAR2CSAをカップリングすることによって、本明細書において記述される化合物を使用して、癌細胞及び癌幹細胞を特異的に標的化し消失させることができる。plCSAは、多数のタンパク質主鎖(例えば、CSPG4、CD44、バイグリカンデコリンバーシカンアグリカン軟骨中の主要CSPG)、パールカンシンデカン、及び表1中でリストされる他のもの)上に存在し得る。

0120

0121

VAR2CSAは、10nM未満の親和性で胎盤の柔毛間腔中のplCSAへ結合する。全長及び天然のVAR2CSAタンパク質のものに類似する特徴でplCSAを結合する、VAR2CSAのより小さな組換えの一部が産生された。表2は、バイオセンサー技術を使用する特定のVAR2CSAポリペプチドのplCSA親和性をリストする。親和性は、水晶振動子マイクロバランスバイオセンサー(Attana A100)を使用して速度論実験において決定されたKD(nM)値として与えられる。N/A:plCSAへの結合の欠如に起因して、KD値を決定することができないタンパク質。

0122

0123

組換えVAR2CSAタンパク質は、他のCS(コンドロイチン硫酸C(C6S)等)または高度に硫酸化されたGAG(ヘパラン硫酸(HS)等)を結合しない。組換えタンパク質は、高親和性でplCSAへ結合するように、様々な発現システム(例えばS2細胞、T.ni細胞、CHO細胞、及び大腸菌株(BL21及びSHuffleが含まれる))中で産生することができる。

0124

全長VAR2CSAよりも小さく、plCSAに非常に高い親和性(nM)で高い特異性で結合する多数のVAR2CSAポリペプチドが同定された(Salanti et al.、WO2013/117705)。本明細書において示されるように、かかる代表的なVAR2CSAポリペプチド(75kDa)は、皮膚メラノーマ(C32、MeWo)、肺癌(A549)、乳癌(HCC1395)、骨肉腫(U205(MNNG/HOS))、横紋筋肉腫(RH30)及び皮膚T細胞性リンパ腫が含まれる広範囲癌細胞株低濃度で強く結合する(表3及び4)。対照分子として別のVAR2CSAタンパク質を使用し、それは分子のC末端の一部中の151アミノ酸の短縮以外は最小結合VAR2CSAコンストラクトと同一である。この短縮はplCSA結合を取り除く。組換えVAR2CSAは、すべてのCSPG4発現細胞株及びplCSA鎖を有する他のCSPG分子を発現する癌細胞株(例えばT細胞リンパ腫)を結合する。組換えVAR2CSAタンパク質は、ヒト赤血球及び末梢血単核細胞(PBMC)と相互作用しない(表3)。

0125

0126

0127

マラリア原虫が感染した細胞は、恐らくCSPG4とVAR2CSAとの間の特異的な相互作用を介してC32黒色腫細胞へ接着する。したがって、本明細書において記述される化合物は、様々な癌細胞上のplCSAを標的化する治療法用の化合物として使用できることが想定される。開発中の他の現在の治療法を上回る、VAR2CSAポリペプチドによる癌細胞上のplCSAの標的化の利点は多数あり、それらは、1)VAR2CSAとplCSAとの間の相互作用はかつてない高親和性及び高特異性であり;2)VAR2CSAは進化的洗練されたマラリアタンパク質であり、したがって治療法が寛容を破壊し、患者において自己免疫反応を引き起こすことは起こりそうもなく;3)VAR2CSAは、十分に特徴づけられ、大スケールタンパク質生産適合性のある生物体において高発現させることができる安定的なタンパク質であり;4)VAR2CSAは多数のセロバリアントのある多型タンパク質であり、中和抗体による問題を避けるために異なるセロバリアントによって反復治療法を提供することができ;5)VAR2CSAはP.falciparum感染赤血球上に天然で細胞外に露出され、したがって性質としてヒト血清中で安定的なタンパク質であり、高度にプロテアーゼ耐性であることが示されたということである。

0128

本明細書において記述される化合物は、VAR2CSAポリペプチドとplCSAとの間の相互作用を利用する。この相互作用は高親和性相互作用であり、かかる化合物の1つの使用はplCSAを発現する癌細胞及び癌幹細胞を標的化することである。したがって、本明細書において記述される化合物は、plCSA陰性組織への最小の有害毒性による癌細胞の標的化に使用することができる。

0129

plCSAは、例えば関節炎、関節症、多発性硬化症及び神経損傷後の治癒、軟骨修復、創傷治癒のような他の疾患及び病理学的状態、ならびに乾癬にも関与する。したがって、本明細書において記述される化合物は任意のかかる疾患または病態の治療において有用である。例えば、本明細書において記述される化合物は、関節炎及び関節症の間のアグリカンのプロテアーゼ媒介性分解をブロックする薬物の標的化のために有用である。本明細書において記述される化合物は、影響を受けた組織への抗炎症薬の標的化及び阻害剤(ADAMTS4及びADAMTS−5の阻害剤等)の送達にも使用することができる。本明細書において記述される化合物は、軟骨細胞によるアグリカンの産生を刺激する薬物を標的化するために使用することができる。

0130

本明細書において記述される化合物は、影響を受けた神経組織中のCSPGを分解するかまたはCSPG産生を阻害する薬物(コンドロイチナーゼABC(CSPG分子のタンパク質コア糖鎖を切断する);キシロシド(CSPG産生を低減させる);及びCSPG産生のために重要な酵素コンドロイチンシンターゼまたはコンドロイチン重合因子等)を阻害する薬物等)の標的化に使用することができる。かかる薬物の例には、4−フルオロ−グルコサミン、p−ニトロフェニル−β−D−キシロキシド(xyloxide)、及び4−メチル−ウンベリフェリル−β−D−キシロピラノシドが含まれる。

0131

本明細書において記述される化合物は、サイトカイン(IL1α等であり、それはADAMTS4の産生を刺激し、続いてCSPGを切断する)の標的化及び維持にも使用することができる。

0132

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、a)ID1及びb)DBL2Xb及び随意にc)ID2aの連続的なアミノ酸配列からなる。

0133

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドはID2aを含む。

0134

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドはID2aを含まない。

0135

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、VAR2CSAのタンパク質断片のN末端もしくはC末端中にまたは配列内に、アミノ酸配列を更に含み、それは、本明細書において定義されるようなVAR2CSAポリペプチドの任意の一部に由来する100アミノ酸以下(90アミノ酸以下等、80アミノ酸以下等、70アミノ酸以下等、60アミノ酸以下等、50アミノ酸以下等、40アミノ酸以下等、30アミノ酸以下等、20アミノ酸以下等、18アミノ酸以下等、16アミノ酸以下等、14アミノ酸以下等、12アミノ酸以下等、10アミノ酸以下等、8アミノ酸以下等、6アミノ酸以下等、4アミノ酸以下等、2アミノ酸以下等)であり、それはID1、DBL2XbまたはID2aの一部でない。

0136

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、VAR2CSAのタンパク質断片のN末端もしくはC末端中にまたは配列内に、アミノ酸配列を更に含み、それは、100アミノ酸以下(90アミノ酸以下等、80アミノ酸以下等、70アミノ酸以下等、60アミノ酸以下等、50アミノ酸以下等、40アミノ酸以下等、30アミノ酸以下等、20アミノ酸以下等、18アミノ酸以下等、16アミノ酸以下等、14アミノ酸以下等、12アミノ酸以下等、10アミノ酸以下等、8アミノ酸以下等、6アミノ酸以下等、4アミノ酸以下等、2アミノ酸以下等)であり、そのアミノ酸配列は、本明細書において定義されるようなVAR2CSAポリペプチドの任意の一部に由来しない。

0137

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、プロテオグリカン(CSPG)上のコンドロイチン硫酸A(CSA)を、100nM未満(80nM未満等、70nM未満等、60nM未満等、50nM未満等、40nM未満等、30nM未満等、26nM未満等、24nM未満等、22nM未満等、20nM未満等、18nM未満等、16nM未満等、14nM未満等、12nM未満等、10nM未満等、9nM未満等、8nM未満等、7nM未満等、6nM未満、または4nM未満等)のKDと測定されるような親和性で結合する。

0138

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、プロテオグリカン(CSPG)上のplCSAを、100nM未満(80nM未満等、70nM未満等、60nM未満等、50nM未満等、40nM未満等、30nM未満等、26nM未満等、24nM未満等、22nM未満等、20nM未満等、18nM未満等、16nM未満等、14nM未満等、12nM未満等、10nM未満等、9nM未満等、8nM未満等、7nM未満等、6nM未満、または4nM未満等)のKDと測定されるような親和性で結合する。

0139

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、配列番号:1の1〜577、配列番号:3の1〜592、配列番号:4の1〜579、配列番号:5の1〜576、配列番号:10の1〜586、配列番号:11の1〜579、配列番号:29の1〜565、配列番号:34の1〜584、配列番号:36の1〜569、配列番号:37の1〜575、配列番号:38の1〜592、配列番号:41の1〜603、配列番号:43の1〜588、配列番号:44の1〜565、配列番号:45の1〜589、配列番号:48の1〜573、配列番号:53の1〜583、または配列番号:54の1〜569のうちの任意の1つのアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0140

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、配列番号:1の578〜640、配列番号:3の593〜656、配列番号:4の580〜643、配列番号:5の577〜640、配列番号:10の587〜650、配列番号:11の580〜643、配列番号:29の566〜628、配列番号:34の585〜647、配列番号:36の570〜632、配列番号:37の576〜639、配列番号:38の593〜655、配列番号:41の604〜667、配列番号:43の589〜652、配列番号:44の566〜628、配列番号:45の590〜653、配列番号:48の574〜637、配列番号:53の584〜646、または配列番号:54の570〜632のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0141

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、配列番号:2、6、8、9、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、30、31、32、33、35、39、40、42、46、47、49、50、51、または52のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0142

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、配列番号:1の1〜577、配列番号:3の1〜592、配列番号:4の1〜579、配列番号:5の1〜576、配列番号:10の1〜586、配列番号:11の1〜579、配列番号:29の1〜565、配列番号:34の1〜584、配列番号:36の1〜569、配列番号:37の1〜575、配列番号:38の1〜592、配列番号:41の1〜603、配列番号:43の1〜588、配列番号:44の1〜565、配列番号:45の1〜589、配列番号:48の1〜573、配列番号:53の1〜583、または配列番号:54の1〜569のうちの任意の1つのアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有する、30アミノ酸配列からなる。

0143

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、配列番号:1、3〜5、10、11、29、34、36〜38、41、43〜45、48、53及び54からなるリストから選択されるアミノ酸配列からなる。

0144

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、700アミノ酸未満(690アミノ酸未満等、680アミノ酸未満等、670アミノ酸未満等、660アミノ酸未満等、650アミノ酸未満等、640アミノ酸未満等、630アミノ酸未満等、620アミノ酸未満等、610アミノ酸未満等、600アミノ酸未満等、590アミノ酸未満等、580アミノ酸未満等、570アミノ酸未満等)の長さを有するアミノ酸配列からなる。

0145

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、SDS−PAGE上の非還元条件下で約100kDa未満の分子量を有する。

0146

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは組換えタンパク質である。

0147

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは糖鎖付加されていない。

0148

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは糖鎖付加されている。

0149

本発明のいくつかの態様において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、配列番号:57から選択される1つまたは複数の配列によって定義されるような配列またはその機能的バリアントもしくは断片を含む。

0150

いくつかの実施形態において、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、タンパク質配列(配列番号:57によって定義された配列等)の末端(N末端等)においてプロテアーゼ阻害因子(塩基性膵臓トリプシンインヒビター(BPTI)等)を含む。
VAR2CSAポリペプチド修飾

0151

配列番号:1〜56のアミノ酸配列への保存的修飾(及びコードヌクレオチドへの対応する修飾)は、天然に存在するVAR2CSAポリペプチドのものに類似する機能的特性及び化学的特性を有するVAR2CSAポリペプチドを産生するだろう。これとは対照的に、VAR2CSAポリペプチドの機能的特性及び/または化学的特性における実質的な修飾は、(a)置換の領域中の分子主鎖の構造(例えばシート立体配座またはらせん立体配座のような)、(b)標的部位での分子の荷電または疎水性、または(c)側鎖のかさを維持することに対するそれらの効果が有意に異なる、配列番号:1〜56のアミノ酸配列中の置換の選択によって遂行することができる。例えば、「保存的アミノ酸置換」は、その位置でアミノ酸残基の極性または荷電に対する効果がほとんどないように、元のものではない残基により元のアミノ酸残基を置換することを含み得る。更に、「アラニンスキャニング変異導入」について以前に記述されたように、ポリペプチド中の任意の元の残基はアラニンにより置換され得る(例えば、MacLennan et al.,1998,Acta Physiol.Scand.Suppl.643:55−67;Sasaki et al.,1998,Adv.Biophys.35:1−24を参照、これらはアラニンスキャニング変異導入について論じている)。当業者は、所望されるアミノ酸置換(保存的または非保存的に関わらず)を、かかる置換が所望される時に決定することができる。例えば、アミノ酸置換は、VAR2CSAポリペプチドの重要な残基の同定、または本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドの親和性の増加もしくは減少に使用することができる。

0152

天然に存在する残基は、一般的な側鎖特性に基づいたクラス、1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;2)親水性中性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;3)酸性:Asp、Glu;4)塩基性:His、Lys、Arg;5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;及び6)芳香族:Trp、Tyr、Pheへと分類することができる。非保存的置換は、例えば、これらのクラスのうちの1つのメンバーを、別のクラスからのメンバーで交換することを含み得る。かかる置換された残基は、非Plasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドと相同なPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドの領域の中へ、または分子の相同でない領域の中へ導入することができる。かかる変化を行うことにおいて、アミノ酸の疎水性インデックスが考慮され得る。

0153

各々のアミノ酸はその疎水性及び荷電の特徴に基づいて疎水性インデックスを割り当てられ、これらは、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸塩(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸塩(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);及びアルギニン(−4.5)である。タンパク質への相互作用的生物学的機能の付与における疎水性アミノ酸インデックスの重要性は、当技術分野において理解される。Kyte et al.,J.Mol.Biol.,157:105−131(1982)。特定のアミノ酸を類似の疎水性インデックスまたはスコアを有する他のアミノ酸で置換し、それでもなお類似の生物学的活性を保持し得ることが公知である。疎水性インデックスに基づいた変化を行うことにおいて、その疎水性インデックスが±2内であるアミノ酸の置換は好ましく、±1内であるものは特に好ましく、±0.5内のものはさらにより特に好ましい。

0154

類似のアミノ酸の置換を親水性に基づいて効果的に行えることも当技術分野において理解され、特に、生物学的機能的に同等なタンパク質またはペプチドがそれによって生成される場合は、免疫学的実施形態における使用が意図される。タンパク質の最も大きな局所的平均親水性は、その隣接するアミノ酸の親水性によって支配されるので、その免疫原性及び抗原性と(すなわちタンパク質の生物学的特性と)相関する。以下の親水性値がアミノ酸残基へ割り当てられた。アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸塩(+3.0±1);グルタミン酸塩(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4)。類似する親水性値に基づいた変化を行うことにおいて、その親水性値が±2内であるアミノ酸の置換は好ましく、±1内であるものは特に好ましく、±0.5内のものはさらにより特に好ましい。親水性に基づいて、一次アミノ酸配列からエピトープを同定することもできる。これらの領域は「エピトープコア領域」とも称される。

0155

当業者は、周知の技法を使用して、配列番号:1〜57において示されるようなポリペプチドの適切なバリアントを決定することができる。活性の破壊なしに変化させることができる分子の適切な領域の同定のために、当業者は活性のために重要であると考えられない領域を標的化することができる。例えば、同じ種または他の種からの類似の活性を備えた類似のポリペプチドが公知である場合、当業者は、かかる類似のポリペプチドへVAR2CSAポリペプチドのアミノ酸配列を比較することができる。かかる比較により、類似のポリペプチドの中で保存される分子の残基及び小部分を同定することができる。かかる類似のポリペプチドと比べて保存されないVAR2CSAポリペプチドの領域中の変化は、VAR2CSAポリペプチドの生物学的活性及び/または構造に悪影響を与える可能性が低いだろうことが認識されるだろう。当業者は、活性を保持しながら、比較的保存された領域中でさえ、天然に存在する残基を化学的に類似のアミノ酸で置き換え得ることも熟知しているだろう(保存的アミノ酸残基置換)。したがって、生物学的活性または構造のために重要であり得る領域でさえ、生物学的活性を破壊せずに、またはポリペプチド構造を悪影響を与えずに、保存的アミノ酸置換を生じることができる。

0156

加えて、当業者は、活性または構造のために重要な類似のポリペプチド中の残基を同定する構造機能研究を精査することができる。かかる比較を考慮して、類似のポリペプチド中の活性または構造のために重要なアミノ酸残基へ対応する、VAR2CSAポリペプチド中のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者は、本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドのかかる予測された重要なアミノ酸残基について化学的に類似するアミノ酸置換を選ぶことができる。当業者は、類似するポリペプチドにおける三次元構造及びその構造に関するアミノ酸配列も分析することができる。その情報を考慮して、当業者は、その三次元構造に関するVAR2CSAポリペプチドのアミノ酸残基のアライメントを予測することができる。

0157

当業者は、タンパク質の表面上にあると予測されるアミノ酸残基へ根本的な変更を行わないことを選択することができ、それはかかる残基が他の分子との重要な相互作用に関与し得るからである。さらに、当業者は、各々の所望されるアミノ酸残基で単一のアミノ酸置換を含有する試験バリアントを生成することができる。次いで、バリアントは本明細書において記述されるように活性アッセイを使用してスクリーニングすることができる。かかるバリアントを使用して適切なバリアントに関する情報を集めることができる。例えば、もし特定のアミノ酸残基への変化が、活性の破壊、所望されない活性の低減、または不適切な活性をもたらしたことが見出されるならば、かかる変化を備えたバリアントは避けられるだろう。言いかえれば、かかるルーチンの実験から集められた情報に基づいて、単独または他の変異と組み合わせてのいずれかで更なる置換を避けるべきアミノ酸を、当業者は容易に決定することができる。

0158

多数の科学的出版物は、二次構造の予測へ向けられている。Moult J.,Curr.Op.in Biotech.,7(4):422−427(1996)、Chou et al.,Biochemistry,13(2):222−245(1974);Chou et al.,Biochemistry,113(2):211−222(1974);Chou et al.,Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol,47:45−148(1978);Chou et al.,Ann.Rev.Biochem.,47:251−276及びChou et al.,Biophys.J.,26:367−384(1979)を参照されたい。さらに、コンピュータープログラムは二次構造の予測の支援に現在利用可能である。二次構造を予測する1つの方法は、ホモロジーモデリングに基づく。例えば、30%を超える配列同一性または40%を超える類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は、多くの場合類似する構造的トポロジーを有する。タンパク質構造データベース(PDB)は最近増加しており、二次構造(ポリペプチドまたはタンパク質の構造内の折り畳みの可能な数が含まれる)の予測性の促進が提供された。Holm et al.,Nucl.Acid.Res.,27(1):244−247(1999)を参照されたい。限られた数の折り畳みが与えられたポリペプチドまたはタンパク質中にあり、一旦構造の重要な数が決定されたならば、構造予測の正確性が劇的に上がるであろうことが示唆された(Brenner et al.,Curr.Op.Struct.Biol.,7(3):369−376(1997))。

0159

二次構造を予測する追加の方法には、「スレッディング」(Jones,D.,Curr.Opin.Struct.Biol.,7(3):377−87(1997);Sippl et al.,Structure,4(1):15−9(1996))、「プロファイル分析」(Bowie et al.,Science,253:164−170(1991);Gribskov et al.,Meth.Enzymol.,183:146−159(1990);Gribskov et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,84(13):4355−4358(1987))、及び「進化的連関」(Home、上記及びBrenner、上記を参照)が含まれる。

0160

関連するポリペプチドの同一性及び類似性は、公知の方法によって容易に計算することができる。かかる方法には、Computational Molecular Biology、Lesk, A.M.編、Oxford University Press、New York(1988年);Biocomputing:Informatics and Genome Projects、Smith,D.W.編、Academic Press、New York(1993年);Computer Analysis of Sequence Data、パート1、Griffin,A.M.及びGriffin,H.G.編、Humana Press、New Jersey(1994年);Sequence Analysis in Molecular Biology、von Heinje,G.、Academic Press(1987年);Sequence Analysis Primer、Gribskov,M.及びDevereux,J.編、M.Stockton Press、New York(1991年);ならびにCarillo et al.,SIAM J.Applied Math.,48:1073(1988)中に記述されるものが含まれるが、これらに限定されない。

0161

同一性及び/または類似性を決定する好ましい方法は、試験された配列の間で最大のマッチを与えるようにデザインされる。同一性及び類似性を決定する方法は、公に利用可能なコンピュータープログラム中に記述される。2つの配列の間の同一性(及び類似性)を決定する好ましいコンピュータープログラム方法には、GCプログラムパッケージ(GAP(Devereux et al.,Nucl.Acid.Res.,12:387(1984);Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison、Wis.)、BLASTP、BLASTN及びFASTA(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,215:403−410(1990))を含む)が含まれるが、これらに限定されない。BLASTXプログラムは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)及び他の供給源(BLAST Manual、Altschul et al.NCB/NLM/NIH Bethesda,Md.20894;Altschul et al.、上記)から公に利用可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性の決定に使用することができる。

0162

2つのアミノ酸配列をアライメントさせるための特定のアライメントスキームは、2つの配列の短い領域のみのマッチングをもたらし、たとえ2つの全長配列の間の有意な関係性がなくても、この小さなアライメントさせた領域は非常に高い配列同一性を有し得る。したがって、好ましい実施形態において、選択されたアライメント方法(GAPプログラム)は、標的ポリペプチドの少なくとも50の連続したアミノ酸をわたるアライメントをもたらすだろう。

0163

例えば、コンピューターアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison、WI)を使用して、パーセント配列同一性が決定される2つのポリペプチドを、それぞれのアミノ酸の最適なマッチングのためにアライメントさせる(アルゴリズムによって決定される「マッチさせたスパン」)。ギャップ開始ペナルティ(3回の平均ダイアゴナルとして計算され;「平均ダイアゴナル」は使用された比較マトリックスのダイアゴナルの平均であり;「ダイアゴナル」は、特定の比較マトリックスによって各々の完全なアミノ酸マッチに割り当てられたスコアまたは数である)及びギャップ伸長ペナルティ(通常ギャップ開始ペナルティの10分の1である)に加えて、比較マトリックス(PAM 250)またはBLOSUM 62が、アルゴリズムと併用して使用される。標準的な比較マトリックス(PAM 250比較マトリックスについてはDayhoff et al.,Atlas of Protein Sequence and Structure,vol.5,supp.3(1978)を参照;BLOSUM 62比較マトリックスについてはHenikoff et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA,89:10915−10919(1992))も、アルゴリズムによって使用される。

0164

ポリペプチド配列比較についての好ましいパラメーターは以下のものを含む。アルゴリズム:Needleman et al.,J.Mol.Biol,48:443−453(1970);比較マトリックス:Henikoff et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:10915−10919(1992)からのBLOSUM 62;ギャップペナルティ:12、ギャップ長ペナルティ:4、類似性の閾値:0。GAPプログラムは上述のパラメーターと共に有用である。前述のパラメーターは、GAPアルゴリズムを使用するポリペプチド比較(エンドギャップについてのペナルティなしで)についてのデフォルトパラメーターである。核酸分子配列比較についての好ましいパラメーターは以下のものを含む。アルゴリズム:Needleman et al.,J.Mol Biol.,48:443−453(1970);比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0、ギャップペナルティ:50、ギャップ長ペナルティ:3。GAPプログラムも上述のパラメーターと共に有用である。前述のパラメーターは核酸分子比較についてのデフォルトパラメーターである。

0165

他の例示的なアルゴリズム、ギャップ開始ペナルティ、ギャップ伸長ペナルティ、比較マトリックス、類似性の閾値などを使用することができ、それらには、Program Manual,Wisconsin Package、1997年9月9日バージョン中で説明されるものが含まれる。行われる特定の選択は当業者へ明らかであり、行われる具体的な比較(DNA対DNA、タンパク質対タンパク質、タンパク質対DNA等);及び加えて、比較が、与えられた配列のペア(その場合にはGAPまたはBestFitが一般的に好ましい)、または1つの配列と配列の大きなデータベースとの間(その場合にはFASTAまたはBLASTAが好ましい)であるかどうかに依存するだろう。

0166

アミノ酸配列の変更は多様な技法によって遂行することができる。核酸配列の修飾は部位特異的変異誘発によるものであり得る。部位特異的変異誘発のための技法は当技術分野において周知であり、例えばZoller and Smith(DNA 3:479−488,1984)または「Splicing by extension overlap」(Horton et al.,Gene 77,1989,pp.61−68)中で記述される。したがって、VAR2CSAのヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を使用して、選択した変更(複数可)を導入することができる。同様に、特異的なプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応を使用して、DNAコンストラクトを調製するための手順は、当業者に周知である(PCRProtocols、1990年、Academic Press、San Diego、CA、米国参照)。

0167

本明細書において記述されるポリペプチドは天然に存在しないアミノ酸残基も含むことができる。天然に存在しないアミノ酸には、β−アラニン、デスアミノヒスチジン、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタノプロリン、cis−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシンアロ−スレオニン、メチルスレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミンピペコリン酸チアゾリジンカルボン酸デヒドロプロリン、3−メチルプロリン及び4−メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、ならびに4−フルオロフェニルアラニンが限定されずに含まれる。ポリペプチドの中へ天然に存在しないアミノ酸残基を取り込むために、複数の方法が当技術分野において公知である。例えば、ナンセンス変異が化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを使用して抑制される、インビトロ系を用いることができる。アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化する方法は当技術分野において公知である。ナンセンス変異を含有するプラスミドの転写及び翻訳は、大腸菌S30抽出物ならびに商業的に入手可能な酵素及び他の試薬を含む無細胞系中で実行される。ポリペプチドはクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertson et al.,J.Am.Chem.Soc.113:2722,1991;Ellman et al.,MethodsEnzymol.202:301,1991;Chung et al.,Science 259:806−9,1993;及びChung et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10145−9,1993を参照されたい。第2の方法において、翻訳は、変異させたmRNA及び化学的にアミノアシル化されたサプレッサtRNAの顕微注入によってアフリカツメガエル卵母細胞中で実行される(Turcatti et al.,J.Biol.Chem.271:19991−8,1996)。第3の方法内で、大腸菌細胞は、置き換えられることになっている天然のアミノ酸(例えばフェニルアラニン)の非存在下において及び所望される天然に存在しないアミノ酸(複数可)(例えば2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニンまたは4−フルオロフェニルアラニン)の存在下において培養される。天然に存在しないアミノ酸はその天然のカウンターパートの代わりにポリペプチドの中へ取り込まれる。Koide et al.,Biochem.33:7470−6,1994を参照されたい。天然に存在するアミノ酸残基はインビトロ化学修飾によって天然に存在しない種に転換することができる。化学修飾は、部位特異的変異誘発と組み合わせて置換の範囲を更に拡張することができる(Wynn and Richards,Protein Sci.2:395−403,1993)。
VAR2CSA核酸コンストラクト

0168

本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドは、組換え核酸技法を用いて産生することができる。一般に、クローン化された野生型VAR2CSA核酸配列は、所望されるタンパク質をコードするように修飾される。次いでこの修飾された配列は発現ベクターの中へ挿入され、次にそれは宿主細胞に形質転換またはトランスフェクションされる。高等真核細胞(特に培養された哺乳類細胞)は宿主細胞として使用することができる。原核細胞(乳酸連鎖球菌または大腸菌等)も、これらの原核生物ジスルフィド結合を産生できるか、またはタンパク質が正確に再び折り畳まれ得るかもしくは再び折り畳まれ得る限り、ポリペプチドの発現に使用することができる。加えて、酵母株もタンパク質の発現に使用することができる(本明細書においてSaccharomyces cerevisiae及びP.Pichiaの中で)。

0169

本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドをコードする核酸コンストラクトは、好適には、例えば標準的な技法(Sambrook et al.、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、New York、1989年を参照)に従って、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーを調製すること、及び合成のオリゴヌクレオチドプローブを使用するハイブリダイゼーションによってポリペプチドのすべてまたは一部をコードするDNA配列についてスクリーニングすることによって得られる、ゲノム起源またはcDNA起源のものであり得る。

0170

VAR2CSAポリペプチドをコードする核酸コンストラクトは、確立された標準的な方法(例えばBeaucage and Caruthers,Tetrahedron Letters 22(1981),1859−1869によって記述されるホスホアミダイト法、またはMatthes et al.,EMBO Journal 3(1984),801−805によって記述される方法)によって合成的に調製することもできる。ホスホアミダイト法に従って、オリゴヌクレオチドは、例えば自動DNAシンセサイザー中で合成され、アニールされ、精製され、ライゲーションされ、適切なベクター中にクローン化される。本明細書において記述されるPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドをコードするDNA配列は、例えばUS4,683,202、Saiki et al.,Science 239(1988),487−491、またはSambrook et al.、上記中で記述されるように、特異的なプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応によって調製することもできる。

0171

更に、核酸コンストラクトは、標準的な技法に従って、合成起源、ゲノム起源、またはcDNA起源の断片のライゲーションによって調製された(必要に応じて)、合成及びゲノムの混合起源、合成及びcDNAの混合起源またはゲノム及びcDNAの混合起源であり得、断片は核酸コンストラクト全体の様々な一部へ対応する。

0172

核酸コンストラクトは好ましくはDNAコンストラクトである。本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドの産生における使用のためのDNA配列は、典型的にはVAR2CSAのアミノ末端プレプロポリペプチドをコードして、適切な翻訳後プロセッシング及び宿主細胞からの分泌を得ることができる。

0173

本明細書において記述されるPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドをコードするDNA配列は、任意のベクターであり得る組換えベクターの中へ通常挿入され、それは好都合組み換えDNA手順を行うことができ、ベクターの選択は、多くの場合それが導入されることになっている宿主細胞に依存するだろう。したがって、ベクターは、自律的に複製するベクター(すなわち染色体外の実体として存在するベクター)であり得、その複製は染色体複製に非依存性である(例えばプラスミド)。あるいは、ベクターは、宿主細胞の中へ導入された場合、宿主細胞ゲノムの中へ組み込まれ、それが組み込まれた染色体(複数可)と一緒に複製されるものであり得る。

0174

ベクターは、好ましくは、本明細書において記述されるPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドをコードするDNA配列が、DNAの転写のために要求される追加のセグメントへ、作動可能に連結される発現ベクターである。一般に、発現ベクターはプラスミドDNAもしくはウイルス性DNAに由来するか、または両方の要素を含有し得る。「作動可能に連結される」という用語は、それらが意図された目的のために協力して機能する(例えば、転写はプロモーター中で開始され、ポリペプチドについてのDNA配列コーディングを介して進む)ようにセグメントがアレンジされることを示す。

0175

本明細書において記述されるVAR2CSAポリペプチドの発現で使用される発現ベクターは、クローン化された遺伝子またはcDNAの転写を指令することができるプロモーターを含むだろう。プロモーターは任意のDNA配列であり得、それは選択した宿主細胞中で転写活性を示し、宿主細胞へ同種または異種であるタンパク質をコードする遺伝子に由来し得る。

0176

哺乳類細胞においてPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドをコードするDNAの転写の指令のために適切なプロモーターの例には、SV40プロモーター(Subramani et al.,Mol.Cell Biol.1(1981),854−864)、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter et al.,Science 222(1983),809−814)、CMVプロモーター(Boshart et al.,Cell 41:521−530,1985)及びアデノウイルス2主要後期プロモーター(Kaufman and Sharp,Mol.Cell.Biol,2:1304−1319,1982)が含まれる。

0177

昆虫細胞で使用される適切なプロモーターの例には、ポリドリンプロモーター(US4,745,051;Vasuvedan et al.,FEBSLett.311,(1992)7−11)、P10プロモーター(J.M.Vlak et al.,J.Gen.Virology 69,1988,pp.765−776)、Autographa californicaの多角体病ウイルス塩基性タンパク質プロモーター(EP397485)、バキュロウイルス前初期遺伝子1プロモーター(US5,155,037;US5,162,222)及びバキュロウイルス39K遅延性初期遺伝子プロモーター(US5,155,037;US5,162,222)が含まれる。

0178

酵母宿主細胞で使用される適切なプロモーターの例には、酵母解糖系遺伝子(Hitzeman et al.,J.Biol.Chem.255(1980),12073−12080;Alber and Kawasaki,J.Mol.Appl.Gen.1(1982),419−434)及びアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals(Hollaender et al編)、Plenum Press、New York、1982年中のYoung et al.)からのプロモーター、ならびにTPI1(US4,599,311)及びADH2−4c(Russell et al.,Nature 304(1983),652−654)のプロモーターが含まれる。

0179

糸状菌宿主細胞で使用される適切なプロモーターの例には、例えばADH3プロモーター(McKnight et al.,TheEMBO J.4(1985),2093−2099)及びtpiAプロモーターが含まれる。他の有用なプロモーターの例は、A.oryzaeのTAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、A.nigerの中性αアミラーゼ、A.nigerの酸安定性αアミラーゼ、A.nigerもしくはA.awamoriのグルコアミラーゼ(gluA)、Rhizomucor mieheiのリパーゼ、A.oryzaeのアルカリプロテアーゼ、A.oryzaeのトリオースリン酸イソメラーゼまたはA.nidulansのアセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。好ましいものはTAKAアミラーゼプロモーター及びgluAプロモーターである。適切なプロモーターは例えばEP238023及びEP383779中で言及される。

0180

本明細書において記述されるPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドをコードするDNA配列は、必要であるならば、適切なターミネーターヒト成長ホルモンターミネーター(Palmiter et al.,Science 222,1983,pp.809−814)、またはTPI1(Alber and Kawasaki,J.Mol.Appl.Gen.1,1982,pp.419−434)もしくはADH3(McKnight et al.,TheEMBO J.4,1985,pp.2093−2099)のターミネーター等)へも作動可能に接続することができる。発現ベクターは、プロモーターから下流及びVAR2CSA配列それ自体についての挿入部位から上流に位置する1セットのRNAスプライス部位も含有し得る。好ましいRNAスプライス部位は、アデノウイルス及び/または免疫グロブリン遺伝子から得ることができる。挿入部位の下流に位置するポリアデニル化シグナルも発現ベクター中に含有される。特に好ましいポリアデニル化シグナルには、SV40からの初期または後期のポリアデニル化シグナル(Kaufman and Sharp、同書)、アデノウイルスElb領域からのポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーター(DeNoto et al.Nucl.AcidsRes.9:3719−3730,1981)及びPlasmodium falciparum遺伝子、ヒト遺伝子またはウシ遺伝子からのポリアデニル化シグナルが含まれる。発現ベクターは、非コーディングウイルスリーダー配列(プロモーターとRNAスプライス部位との間に位置する、アデノウイルス2三部分からなるリーダー等);及びエンハンサー配列(SV40エンハンサー等)も含み得る。

0181

本明細書において記述されるPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドを宿主細胞の分泌経路の中へ方向付けるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列またはプレ配列としても公知である)は、組換えベクター中で提供され得る。分泌シグナル配列は、適正なリーディングフレームにおいて本明細書において記述されるPlasmodium falciparumのVAR2CSAポリペプチドをコードするDNA配列へ繋がれる。分泌シグナル配列は一般的にはペプチドをコードするDNA配列に対して5’に配置される。分泌シグナル配列は、通常タンパク質に結び付けられているもの、または別の分泌タンパク質をコードする遺伝子からのものであり得る。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ