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技術 無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆物質

出願人 コリアリサーチインスティチュートオブケミカルテクノロジー
発明者 ソクサンイルノージュンホンジョンナムジュン
出願日 2014年12月23日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2016-538008
公開日 2017年2月9日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2017-504960
状態 特許登録済
技術分野 第4族元素を含む化合物及びその製造 光起電力装置
主要キーワード 前駆物質層 沈殿粉 前駆物質粉末 特定ピーク 吸収モード 溶解度範囲 温度区間 工程変数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月9日)のものです。
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図面 (6)

本発明は、無機有機ハイブリッドペロブスカイト化合物前駆物質に関し、本発明の一態様による無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆物質は、有機カチオン金属カチオンハロゲンアニオン、およびゲスト分子(guest molecule、GM)を含有する。

代表図

図3

概要

背景

有機金属ハライドペロブスカイト化合物(Organometal halide perovskite compound)とも呼ばれる無機有機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、有機カチオン(A)、金属カチオン(M)、およびハロゲンアニオン(X)からなり、ペロブスカイト構造を有する化学式AMX3で表される物質である。より詳細に、化学式AMX3で表される無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、MX6八面体(octahedron)が頂点共有(corner-sharing)した三次元ネットワークに、A有機カチオンが中間に位置した形態である。かかる無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、自己組織化(self‐assembling)して結晶化される特徴を有し、低温溶液工程が可能であるという利点がある。しかし、結晶化速度が非常に速く、自己組織化特性を制御し難いため、実際に、平らな表面を有する緻密な薄膜を製造することが困難であるという問題点がある。

かかる問題点を解決するために、金属ハロゲン化物(MX2)溶液を塗布して金属ハロゲン化物膜を形成し、金属ハロゲン化物膜上に有機ハロゲン化物(AX)溶液を塗布することで、MX2およびAXが積層された膜を形成した後、この2つの膜を反応させて無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜を形成する、順次積層方法(sequential deposition method)が提案されている(Chem.Mater.13,3283(2001))。しかし、かかる順次積層方法は、第一に、PbI2で代表されるMX2の溶解度が十分に高くないため、厚い金属ハロゲン化物膜の製造において問題がある。また、第二に、高温にMX2溶液を維持して塗布することで200nm以上の厚い膜が得られたとしても、AXとの反応段階で、その厚さによって反応が十分になされないという問題がある。さらに、第三に、従来の順次積層方法により製作された膜は、2つの膜の反応時に大きい体積変化が引き起こされ、最終に得られる無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の膜表面の粗さが非常に大きいという問題点がある。特に、膜表面の粗さは、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜が光吸収層として備えられる太陽電池において、電池性能指数を低下させる決定的な要因となり得る。

概要

本発明は、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆物質に関し、本発明の一態様による無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆物質は、有機カチオン、金属カチオン、ハロゲンアニオン、およびゲスト分子(guest molecule、GM)を含有する。3

目的

本発明の目的は、反応により無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜を製造することができる無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆体およびその膜を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項2

Cu‐Kα線を用いたX‐線回折測定において、6.2〜6.8°、7〜7.5°、および8.9〜9.5°の回折角2θで回折ピークが検出される、請求項1に記載の前駆物質。

請求項3

ゲスト分子が、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物を溶解する溶媒である、請求項1に記載の前駆物質。

請求項4

無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物と溶媒との溶媒和物(solvate)である、請求項3に記載の前駆物質。

請求項5

ゲスト分子は、酸素窒素フッ素塩素臭素、およびヨウ素から選択される1つ以上の元素を含有する溶媒である、請求項3に記載の前駆物質。

請求項6

ゲスト分子は、N,N‐ジメチルアセトアミド(Dimethylacetamid)、1,4‐ジオキサン(dioxane)、ジエチルアミン(diethylamine)、エチルアセテート(ethylacetate)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ピリジン(pyridine)、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、ジクロロベンゼン(dichlorobenzene)、グリセリン(glycerin)、ジメチルスルホキシドDMSO;dimethylsulfoxide)、およびN,N‐ジメチルホルムアミドDMF;dimethylformamide)から選択される1つまたは2つ以上である、請求項3に記載の前駆物質。

請求項7

下記化学式1を満たす、請求項3に記載の前駆物質。[化1]AM(GM)nX3(Aは、有機アンモニウムイオンアミジニウム系(amidiniumgroup)イオン、または有機アンモニウムイオンとアミジニウム系イオンの両方であり、Mは2価の金属イオンであり、Xはハロゲンイオンであり、nは0<n<3の実数である。)

請求項8

化学式1中、XはXa(1−y)Xbyであり、Xは、ヨウ素イオン(I−)、塩素イオン(Cl−)、および臭素イオン(Br−)から選択される、互いに異なるハロゲンイオンであり、yは0<y<1の実数である、請求項7に記載の前駆物質。

請求項9

太陽電池光吸収体用である、請求項1に記載の前駆物質。

請求項10

請求項1乃至9の何れか一項に記載の前駆物質を含有する分散液。

請求項11

請求項1乃至9の何れか一項に記載の前駆物質を用いた太陽電池の光吸収体の製造方法。

請求項12

基材上に前駆物質を塗布または蒸着して前駆物質層を形成するステップと、前記前駆物質層にエネルギー印加して、ゲスト分子を揮発除去するステップと、を含む、請求項11に記載の太陽電池の光吸収体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、無機有機ハイブリッドペロブスカイト化合物前駆物質に関し、より詳細には、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物を光吸収体として備える太陽電池の光吸収体用前駆物質に関する。

背景技術

0002

有機金属ハライドペロブスカイト化合物(Organometal halide perovskite compound)とも呼ばれる無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、有機カチオン(A)、金属カチオン(M)、およびハロゲンアニオン(X)からなり、ペロブスカイト構造を有する化学式AMX3で表される物質である。より詳細に、化学式AMX3で表される無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、MX6八面体(octahedron)が頂点共有(corner-sharing)した三次元ネットワークに、A有機カチオンが中間に位置した形態である。かかる無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、自己組織化(self‐assembling)して結晶化される特徴を有し、低温溶液工程が可能であるという利点がある。しかし、結晶化速度が非常に速く、自己組織化特性を制御し難いため、実際に、平らな表面を有する緻密な薄膜を製造することが困難であるという問題点がある。

0003

かかる問題点を解決するために、金属ハロゲン化物(MX2)溶液を塗布して金属ハロゲン化物膜を形成し、金属ハロゲン化物膜上に有機ハロゲン化物(AX)溶液を塗布することで、MX2およびAXが積層された膜を形成した後、この2つの膜を反応させて無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜を形成する、順次積層方法(sequential deposition method)が提案されている(Chem.Mater.13,3283(2001))。しかし、かかる順次積層方法は、第一に、PbI2で代表されるMX2の溶解度が十分に高くないため、厚い金属ハロゲン化物膜の製造において問題がある。また、第二に、高温にMX2溶液を維持して塗布することで200nm以上の厚い膜が得られたとしても、AXとの反応段階で、その厚さによって反応が十分になされないという問題がある。さらに、第三に、従来の順次積層方法により製作された膜は、2つの膜の反応時に大きい体積変化が引き起こされ、最終に得られる無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の膜表面の粗さが非常に大きいという問題点がある。特に、膜表面の粗さは、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜が光吸収層として備えられる太陽電池において、電池性能指数を低下させる決定的な要因となり得る。

先行技術

0004

Chem.Mater.13,3283(2001)

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、反応により無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜を製造することができる無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆体およびその膜を提供することにある。

0006

詳細に、本発明の目的は、厚い無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜の製造が可能であり、粗大な結晶粒の膜の製造が可能であるとともに、緻密で且つ滑らかな表面を有する膜の製造が可能な、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆体を提供することにある。

0007

本発明の他の目的は、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆体を用いて無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜を製造する製造方法を提供することにある。

0008

本発明のさらに他の目的は、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆体を用いて製造された無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜を光吸収層として含む太陽電池およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明による無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆物質は、有機カチオン、金属カチオン、ハロゲンアニオン、およびゲスト分子(guest molecule、GM)を含有する。

0010

本発明の一態様による前駆物質は、Cu‐Kα線を用いたX‐線回折測定において、6.2〜6.8°、7〜7.5°、および8.9〜9.5°の回折角2θで回折ピークが検出されることができる。

0011

本発明の一態様による前駆物質において、ゲスト分子は、前記無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物を溶解する溶媒であることができる。

0012

本発明の一態様による前駆物質は、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物と溶媒との溶媒和物(solvate)であることができる。

0013

本発明の一態様による前駆物質において、ゲスト分子は、酸素窒素フッ素塩素臭素、およびヨウ素から選択される1つ以上の元素を含有する溶媒であることができる。

0014

本発明の一態様による前駆物質において、前記ゲスト分子は、N,N‐ジメチルアセトアミド(Dimethylacetamid)、1,4‐ジオキサン(dioxane)、ジエチルアミン(diethylamine)、エチルアセテート(ethylacetate)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ピリジン(pyridine)、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、ジクロロベンゼン(dichlorobenzene)、グリセリン(glycerin)、ジメチルスルホキシドDMSO;dimethyl sulfoxide)、およびN,N‐ジメチルホルムアミドDMF;dimethylformamide)から選択される1つまたは2つ以上であることができる。

0015

本発明の一態様による前駆物質は、下記化学式1を満たすことができる。

0016

[化1]
AM(GM)nX3

0017

Aは、有機アンモニウムイオンアミジニウム系(amidinium group)イオン、または有機アンモニウムイオンとアミジニウム系イオンの両方であり、Mは2価の金属イオンであり、Xはハロゲンイオンであり、nは0<n<3の実数である。

0018

本発明の一態様による前駆物質において、化学式1中、XはXa(1−y)Xbyであり、XaおよびXbは、ヨウ素イオン(I−)、塩素イオン(Cl−)、および臭素イオン(Br−)から選択される、互いに異なるハロゲンイオンであり、yは0<y<1の実数であることができる。

0019

本発明の一態様による前駆物質は、太陽電池光吸収体用であることができる。

0020

本発明は、上述の前駆物質を含有する分散液または上述の前駆物質を含有するインクを含む。

0021

本発明は、上述の前駆物質を用いた太陽電池の光吸収体の製造方法を含む。

0022

本発明の一態様による光吸収体の製造方法は、基材上に前記前駆物質を塗布または蒸着して前駆物質層を形成するステップと、前記前駆物質層にエネルギー印加して、ゲスト分子を揮発除去するステップと、を含むことができる。

発明の効果

0023

本発明による前駆物質は、単一前駆物質で無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物を製造することができ、ゲスト分子の除去により無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物に変換されることができるため、緻密で且つ優れた結晶性を有する無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜の製造が可能である。

0024

また、ゲスト分子を除去するという極めて単純な工程で無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の緻密膜を製造することができるため、安価の工程で高品質の無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の緻密膜を製造できるだけでなく、工程変数の変化によって膜質が敏感に変化することがないため、品質の維持が非常に容易であり、大面積の無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の緻密膜の製造が可能である。

0025

また、本発明による前駆物質を用いる場合、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物からなる光吸収体の完璧な膜を形成することができるため、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の薄膜を形成するにあたり制御が容易であって、薄膜トランジスタ(Thin film transistor)、発光素子(Light emitting diode)、センサ、太陽電池(Solar cells)などの様々な適用分野に活用されることができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明の一態様により製造された前駆物質粉末のX‐線回折結果を図示した図面である。
本発明の一態様により製造された前駆物質粉末のFTIR透過スペクトルである。
本発明の一態様により製造された前駆物質粉末の温度毎のX‐線回折結果を図示した図面である。
本発明の一態様により製造された前駆物質薄膜のX‐線回折結果を図示した図面である。
本発明の一態様により製造された前駆物質薄膜で製造されたペロスカイト化合物薄膜を観察した走査型電子顕微鏡写真である。

実施例

0027

以下、添付図面を参照して本発明の前駆物質について詳細に説明する。以下で紹介される図面は当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために例として提供されるものである。従って、本発明は以下に提示される図面に限定されず、他の形態に具体化されることもでき、以下に提示される図面は、本発明の思想を明確にするために誇張されて図示され得る。この際、ここで用いられる技術用語及び科学用語は、特に定義されない限り、この発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常に理解している意味を有するものであり、下記の説明及び添付図面において本発明の要旨を不明瞭にする可能性のある公知機能及び構成についての説明は省略する。

0028

本発明は、韓国特許出願第2013‐0110020号および韓国特許出願第2013‐0110025号の全ての内容を含む。

0029

本出願人は、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物を光吸収体として含むペロブスカイト系太陽電池の効率を向上させるために多くの研究を行った結果、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物が、多孔性電子伝達体の気孔を満たし、且つ多孔性電子伝達体を覆う滑らかな表面の緻密膜形態を有する場合、太陽電池の光電変換効率が極めて著しく向上することを見出した。

0030

無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の主な利点の一つは、溶液塗布法を用いることができる点である。しかし、溶液塗布法を用いる場合、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物への結晶化速度が非常に速く、自己組織化特性を制御し難いため、実際には、平らな表面を有する緻密膜に製造することが非常に困難である。

0031

上述の見出しに基づいて、溶液塗布法を用いた無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜の膜質の向上における限界を解決するために鋭意検討した結果、従来の無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の工程上の利点をそのまま有しながらも、高品質の緻密膜形態に無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物膜を製造することができる前駆体を見出し、本発明を出願するに至った。

0032

本発明を詳述するにあたり、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物とは、1価の有機カチオン(A)、2価の金属カチオン(M)、およびハロゲンアニオン(X)を含有し、ペロブスカイト構造を有する化合物を意味する。

0033

詳細に、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、Mがペロブスカイト構造において単位セル(unit cell)の中心に位置し、Xが単位セルの各面の中心に位置して、Mを中心として八面体(octahedron)構造を形成し、Aが単位セルの各コーナー(corner)に位置することができる。換言すれば、MX6八面体(octahedron)が頂点を共有(corner‐sharing)した3次元のネットワークに、A有機カチオンが中間に位置した形態であることができる。

0034

以下の説明において、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物をペロブスカイト化合物と通称する。また、無機・有機ハイブリッドペロブスカイト化合物の前駆物質を前駆物質と通称する。

0035

ペロブスカイト化合物は、下記化学式1を満たすことができる。

0036

[化1]
AMX3

0037

化学式1中、Aは1価のカチオンであって、Aは、有機アンモニウムイオン、アミジニウム系(amidinium group)イオン、または有機アンモニウムイオンとアミジニウム系イオンの両方であり、Mは2価の金属イオンであり、Xはハロゲンイオンである。この際、ハロゲンイオンは、I−、Br−、F−、およびCl−から選択される1つまたは2つ以上であることができる。

0038

化学式1中、有機アンモニウムイオンは、下記化学式1‐1乃至1‐2を満たすことができる。

0039

[化1‐1]
R1−NH3+

0040

化学式1‐1中、R1は、C1‐C24のアルキル、C3‐C20のシクロアルキル、またはC6‐C20のアリールである。

0041

[化1‐2]
R2−C3H3N2+−R3

0042

化学式1‐2中、R2は、C1‐C24のアルキル、C3‐C20のシクロアルキル、またはC6‐C20のアリールであり、R3は、水素またはC1‐C24のアルキルである。

0043

化学式1中、アミジニウム系イオンは、下記化学式1‐3を満たすことができる。

0044

[化1‐3]

0045

化学式1‐3中、R4〜R8は、互いに独立して、水素、C1‐C24のアルキル、C3‐C20のシクロアルキル、またはC6‐C20のアリールである。

0046

化学式1中、Aは、有機アンモニウムイオン、アミジニウム系(amidinium group)イオン、または有機アンモニウムイオンとアミジニウム系イオンの両方であることができる。有機アンモニウムイオンとアミジニウム系イオンの両方を含有する場合、ペロブスカイト化合物の電荷移動度を著しく向上させることができる。

0047

Aが有機アンモニウムイオンとアミジニウム系イオンの両方を含有する場合、1価の有機カチオンの総モル数を1として、0.7〜0.95のアミジニウム系イオンと0.3〜0.05の有機アンモニウムイオンを含有することができる。すなわち、化学式1中、AはAa(1−x)Abxであって、Aaはアミジニウム系イオンであり、Abは有機アンモニウムイオンであり、xは0.3〜0.05の実数であることができる。アミジニウム系イオンと有機アンモニウムイオンとのモル比、すなわち、0.7〜0.95モルのアミジニウム系イオン:0.3〜0.05モルの有機アンモニウムイオンのモル比は、非常に広い波長帯の光を吸収することができ、且つより速いエキシトン(exciton)の移動および分離、より速い光電子および光正孔の移動がなされ得る範囲である。

0048

化学式1‐1のR1、化学式1‐2のR2〜R3、および/または化学式1‐3のR4〜R8は、ペロブスカイト化合物の用途、すなわち、太陽電池の光吸収層等の用途に応じて適宜選択されることができる。

0049

詳細に、ペロブスカイト化合物の単位セルの大きさはバンドギャップに関連しており、小さい単位セルの大きさで、太陽電池として活用するのに適切な1.5〜1.1eVのバンドギャップエネルギーを有することができる。したがって、太陽電池として活用するのに適切な1.5〜1.1eVのバンドギャップエネルギーを考慮すれば、化学式1‐1中、R1は、C1‐C24のアルキル、具体的にC1‐C7のアルキル、より具体的にメチルであることができる。また、化学式1‐2中、R2はC1‐C24のアルキル、R3は水素またはC1‐C24のアルキルであり、具体的にR2はC1‐C7のアルキル、R3は水素またはC1‐C7のアルキルであり、より具体的に、R2はメチル、R3は水素であることができる。また、化学式1‐3中、R4〜R8は、互いに独立して、水素、アミノ、またはC1‐C24のアルキルであり、具体的に、水素、アミノ、またはC1‐C7のアルキルであり、より具体的に、水素、アミノ、またはメチルであり、さらに具体的に、R4が水素、アミノ、またはメチルであり、R5〜R8が水素であることができる。具体的で且つ非限定的な一例として、アミジニウム系イオンとしては、ホルムアミジニウム(formamidinium、NH2CH=NH2+)イオン、アセトアミジニウム(acetamidinium、NH2C(CH3)=NH2+)イオン、またはグアミジニウム(Guamidinium、NH2C(NH2)=NH2+)イオン等が挙げられる。

0050

上述のような、有機カチオン(A)の具体的な例は、ペロブスカイト化合物膜の用途、すなわち、太陽光の光吸収層としての用途を考慮した一例であり、吸収しようとする光の波長帯の設計、発光素子の発光層として用いる場合における発光波長帯の設計、トランジスタ半導体素子として用いる場合におけるエネルギーバンドギャップおよび閾値電圧(threshold voltage)などを考慮して、化学式1‐1のR1、化学式1‐2のR2〜R3、および/または化学式1‐3のR4〜R8が適宜選択されることができる。

0051

化学式1中、Mは2価の金属イオンであることができる。具体例として、Mは、Cu2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、Cr2+、Pd2+、Cd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+、およびYb2+から選択される1つまたは2つ以上の金属イオンであることができる。

0052

化学式1中、Xはハロゲンアニオンである。ハロゲンアニオンは、I−、Br−、F−、およびCl−から選択される1つまたは2つ以上であることができる。具体的に、ハロゲンアニオンは、ヨウ素イオン(I−)、塩素イオン(Cl−)、および臭素イオン(Br−)から選択される1つまたは2つ以上のイオンを含むことができる。より具体的に、ハロゲンアニオンは、ヨウ素イオンおよび臭素イオンを含有することができる。ハロゲンアニオンがヨウ素イオンおよび臭素イオンの両方を含有する場合、ペロブスカイト化合物の結晶性および耐湿性が向上することができる。

0053

具体例として、化学式1中、XはXa(1−y)Xbyであって、XaおよびXbは、互いに異なるハロゲンイオン(ヨウ素イオン(I−)、塩素イオン(Cl−)および臭素イオン(Br−)から選択される互いに異なるハロゲンイオン)であり、yは0<y<1の実数であることができる。より具体的に、化学式1中、XはXa(1−y)Xbyであって、Xaはヨウ素イオンであり、Xbは臭素イオンであり、yは0.05≦y≦0.3の実数、具体的に0.1≦x≦0.15の実数であることができる。これにより、水分による劣化が著しく防止され、ペロブスカイト化合物の結晶性が向上することができる。

0054

上述の内容に基づいて、MがPb2+である、具体的で且つ非限定的なペロブスカイト化合物の一例としては、CH3NH3PbIxCly(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、CH3NH3PbIxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、CH3NH3PbClxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、CH3NH3PbIxFy(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2CH=NH2PbIxCly(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2CH=NH2PbIxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2CH=NH2PbClxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2CH=NH2PbIxFy(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2CH=NH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−y)Bry)3(xは0<x<1の実数、yは0<y<1の実数である)、NH2CH=NH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−y)Bry)3(xは0.05≦x≦0.3の実数、yは0.05≦y≦0.3の実数である)、NH2CH=CH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−x)Brx)3(xは0.05≦x≦0.3の実数である)、NH2C(CH3)=NH2PbIxCly(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(CH3)=NH2PbIxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(CH3)=NH2PbClxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(CH3)=NH2PbIxFy(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(CH3)=NH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−y)Bry)3(xは0<x<1の実数、yは0<y<1の実数である)、NH2C(CH3)=NH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−y)Bry)3(xは0.05≦x≦0.3の実数、yは0.05≦y≦0.3の実数である)、NH2C(CH3)=CH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−x)Brx)3(xは0.05≦x≦0.3の実数である)、NH2C(NH2)=NH2PbIxCly(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(NH2)=NH2PbIxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(NH2)=NH2PbClxBry(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(NH2)=NH2PbIxFy(xは0≦x≦3の実数、yは0≦y≦3の実数、且つx+y=3である)、NH2C(NH2)=NH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−y)Bry)3(xは0<x<1の実数、yは0<y<1の実数である)、NH2C(NH2)=NH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−y)Bry)3(xは0.05≦x≦0.3の実数、yは0.05≦y≦0.3の実数である)、またはNH2C(NH2)=CH2(1−x)CH3NH3xPb(I(1−x)Brx)3(xは0.05≦x≦0.3の実数である)が挙げられる。

0055

本発明による一態様による前駆物質は、上述のペロブスカイト化合物の前駆物質であり、有機カチオン、金属カチオン、ハロゲンアニオン(X)、およびゲスト分子(guest molecule、以下GM)を含有する。本発明の一態様による前駆物質において、前駆物質に含有される有機カチオン、金属イオン、およびハロゲンアニオンは、上述のペロブスカイト化合物における1価の有機カチオン(A)、2価の金属イオン(M)、およびハロゲンアニオン(X)と同様であるため、これについての詳細な説明は省略する。

0056

結晶構造において、前駆物質は、非晶質、結晶質、または非晶質と結晶質が混在する物質であることができる。具体的に、前駆物質は結晶質であることができる。

0057

詳細に、本発明の一態様による前駆物質は、Cu‐Kα線を用いたX‐線回折測定において、6.2〜6.8°、7〜7.5°、および8.9〜9.5°の回折角2θで回折ピークが検出されることができる。この際、回折角5°≦2θ≦40°の範囲に存在するピークのうち、8.9〜9.5°または7〜7.5°のピークの強度が最も高いことができる。

0058

本発明の一態様による前駆物質は、ペロブスカイト相への急激な転換を防止することができる、GMがA有機カチオン、M金属カチオン、Xハロゲンアニオンと共存して形成されたコンプレックス(Complex)形態であることができる。すなわち、前駆物質は、GMが、A有機カチオン、M金属カチオン、およびXハロゲンアニオンを含有するペロブスカイト化合物(AMX3)と結合して形成されたコンプレックス(Complex)形態であることができる。

0059

具体的に、ペロブスカイト化合物とGMの結合は非共有結合であることができ、GMは、1価の有機カチオン(A)および2価の金属カチオン(M)から選択される1つまたは2つ以上のカチオンと非共有結合された状態であることができる。

0060

本発明の一態様による前駆物質において、ゲスト分子は、ペロブスカイト化合物を溶解する溶媒であることができる。これにより、前駆物質は、ペロブスカイト化合物とこれを溶解する溶媒との溶媒和物(solvate)であることができる。溶媒和物とは、溶質(ペロブスカイト化合物)の分子またはイオンと、溶媒の分子またはイオンとにより形成される高次の化合物を意味する。

0061

この際、ペロブスカイト化合物を溶解する溶媒は、極性有機溶媒を意味し、20℃、1気圧下で、ペロブスカイト化合物の溶解度が0.5M以上、具体的に0.8M以上である有機溶媒を意味する。

0062

前駆物質が、ペロブスカイト化合物とこれを溶解する溶媒との溶媒和物である場合、低い温度で均質に且つ速くGMが除去されてペロブスカイト化合物に変換されることができる。詳細に、前駆物質は、ペロブスカイト化合物と溶媒であるGMとが非共有結合した溶媒和物であり、GMは、非共有電子対を含む酸素、窒素、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から選択される1つ以上の元素を含有する溶媒であることができる。

0063

酸素、窒素、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から選択される1つ以上の元素を含有し、且つペロブスカイト化合物を溶解する溶媒の一例として、N,N‐ジメチルアセトアミド(Dimethylacetamid)、1,4‐ジオキサン(dioxane)、ジエチルアミン(diethylamine)、エチルアセテート(ethylacetate)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ピリジン(pyridine)、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、ジクロロベンゼン(dichlorobenzene)、グリセリン(glycerin)、ジメチルスルホキシド(DMSO;dimethyl sulfoxide)、N,N‐ジメチルホルムアミド(DMF;dimethylformamide)、およびこれらの混合物が挙げられる。すなわち、ゲスト分子は、N,N‐ジメチルアセトアミド(Dimethylacetamid)、1,4‐ジオキサン(dioxane)、ジエチルアミン(diethylamine)、エチルアセテート(ethylacetate)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ピリジン(pyridine)、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、ジクロロベンゼン(dichlorobenzene)、グリセリン(glycerin)、ジメチルスルホキシド(DMSO;dimethyl sulfoxide)、およびN,N‐ジメチルホルムアミド(DMF;dimethylformamide)から選択される1つまたは2つ以上であることができる。この際、GMの除去によりペロブスカイト化合物へ転換される時に、体積変化による膜質の損傷を防止する点で、ゲスト分子がジメチルスルホキシド(DMSO;dimethyl sulfoxide)であることが好ましい。

0064

本発明の一態様による前駆物質は、下記化学式2を満たすことができる。

0065

[化2]
AM(GM)nX3

0066

化学式2中、Aは、有機アンモニウムイオン、アミジニウム系(amidinium group)イオン、または有機アンモニウムイオンとアミジニウム系イオンの両方であり、Mは2価の金属イオンであり、Xはハロゲンイオンであり、nは0<n<3の実数である。この際、化学式2中、A、MおよびXは、上述の化学式1におけるA、MおよびXと同様である。

0067

すなわち、化学式2による前駆物質は、外部エネルギーによってGMが除去されて、化学式1によるペロブスカイト化合物に転換されることができる。

0068

この際、ペロブスカイト化合物において上述したように、化学式2中、AはAa(1−x)Abxであって、Aaはアミジニウム系イオンであり、Abは有機アンモニウムイオンであり、xは0<x<1の実数、具体的に、0.05≦x≦0.3の実数であることができる。

0069

これと独立して、化学式2中、XはXa(1−y)Xbyであって、Xa及びXbは、ヨウ素イオン(I−)、塩素イオン(Cl−)、および臭素イオン(Br−)から選択される、互いに異なるハロゲンイオンであり、yは0<y<1の実数であることができる。好ましくは、化学式2中、XはXa(1−y)Xbyであって、Xaはヨウ素イオンであり、Xbは臭素イオンであり、yは0<y<1の実数、具体的に0.05≦y≦0.3の実数、より具体的に0.1≦y≦0.15の実数であることができる。

0070

本発明の一態様によるペロブスカイト化合物の前駆物質において、ペロブスカイト化合物の前駆物質に印加されるエネルギーにより、ゲスト分子が除去されて結晶質のペロブスカイト化合物に変化されることができる。

0071

すなわち、前駆物質が、ペロブスカイト化合物とGMとのコンプレックス化合物であるため、エネルギーの印加によりGMが除去されることで、純粋なペロブスカイト化合物に転換されることができる。

0072

本発明の一態様による前駆物質は、太陽電池の光吸収体用であることができる。

0073

本発明は、上述の前駆物質を含有する分散液または上述の前駆物質を含有するインクを含む。分散液またはインクは、上述の前駆物質および分散媒とともに、塗布や印刷方法に適した特性を有するように、公知の添加剤をさらに含有し得ることはいうまでもない。

0074

前駆物質は、有機カチオン、金属カチオン、ハロゲンイオン、およびゲスト分子をペロブスカイト化合物の化学量論比に従って含有する第1の溶液を非溶媒に滴下するステップと、滴下により得られた固相回収して乾燥するステップと、により製造されることができる。前駆物質がペロブスカイト化合物とGMとのコンプレックスであるため、前駆物質は、有機溶媒に対して、ペロブスカイト化合物と類似または同一の特性(溶解度等)を有することができる。これにより、通常のペロブスカイト化合物を溶解する溶媒が第1の溶液の溶媒として使用できる。前駆物質を溶解する溶媒は、ペロブスカイト化合物を溶解し、且つ容易に揮発除去可能な溶媒であれば使用可能である。具体例として、ガンマブチロラクトン(Gamma‐butyrolactone、GBL)、1‐メチル‐2‐ピロリドン(1‐Methyl‐2‐pyrolidinone)などが挙げられるが、本発明がこれに限定されるものではない。

0075

前駆物質が溶媒和物である場合、第1の溶液の溶媒がゲスト分子であることができる。すなわち、第1の溶液は、有機カチオン、金属カチオン、およびハロゲンイオンを、ゲスト分子の溶媒に溶解することで製造されることができる。

0076

この際、前駆物質が、有機溶媒に対してペロブスカイト化合物と類似または同一の特性(溶解度等)を有するため、非溶媒は、ペロブスカイト化合物を溶解しない有機溶媒を意味する。この際、ペロブスカイト化合物を溶解しない有機溶媒とは、20℃、1気圧下で、ペロブスカイト化合物の溶解度が0.1M未満、具体的に0.01M未満、より具体的に0.001M未満である有機溶媒を意味する。

0077

第1の溶液が滴下される非溶媒の一例として非極性有機溶媒が挙げられ、非極性有機溶媒としては、ペンチンヘキサン英文ではヘキサンになっています。)、シクロヘキセン、1,4‐ジオセンベンゼントルエントリエチルアミンクロロベンゼンエチルアミンエチルエーテルクロロホルム、エチルアセテート、酢酸、1,2‐ジクロロベンゼン、tert‐ブチルアルコール2‐ブタノールイソプロパノール、およびメチルエチルケトンから選択される1つまたは2つ以上の有機溶媒が挙げられるが、本発明が非溶媒によって限定されるものではない。この際、第1の溶液中の溶質の濃度を高めることで生産性を向上させることができるが、第1の溶液の濃度は、各溶質の溶解度範囲内で化学量論比を満たすかぎり、如何なる濃度であってもよい。

0078

固相の回収には、通常の固液分離時に用いられる方法であれば、如何なる方法を用いてもよい。一例として、フィルタリング遠心分離等が挙げられるが、これに限定されるものではない。乾燥時の温度は、前駆物質が熱的に損傷されない安全な範囲であればよい。一例として、乾燥は、常温〜50℃で行われることができる。

0079

本発明は、上述の前駆物質を用いた太陽電池の光吸収体の製造方法を含む。

0080

本発明の一態様による光吸収体の製造方法は、基材上に前記前駆物質を塗布または蒸着して前駆物質層を形成するステップと、前記前駆物質層にエネルギーを印加して、ゲスト分子を揮発除去するステップと、を含むことができる。

0081

一例として、前駆物質が溶解された溶液またはペロブスカイト化合物の前駆物質が分散された分散液やインクを基材上に塗布した後、乾燥して前駆層を形成した後、前駆層からGMを除去することで、前駆層をペロブスカイト化合物層に転換させることができる。

0082

他の一例として、前駆物質が溶媒和物である場合、ペロブスカイト化合物またはペロブスカイト化合物の化学量論比に従った有機カチオン、金属カチオン、およびハロゲンイオンを、ゲスト分子(GM)である溶媒に溶解して溶液を製造した後、製造された溶液を基材上に塗布し、塗布膜に非溶媒を再塗布することで、前駆物質を含有する前駆層を製造することができる。

0083

この際、溶液、分散液、またはインクの塗布は、スクリーン印刷(screen printing)、スピンコーティング(Spin coating)、バーコーティング(Bar coating)、グラビアコーティング(Gravure coating)、ブレードコーティング(Blade coating)、およびロールコーティング(Roll coating)から選択される1つ以上の方法で行われることができるが、短時間内に大面積を処理する優れた商業性を考慮すると、スピンコーティングにより行われることが好ましい。

0084

前駆層に印加されるエネルギーとしては、熱エネルギー光エネルギー振動エネルギー等が挙げられる。印加されるエネルギーの大きさは、ペロブスカイト化合物とGMとの結合が壊れ、GMが揮発除去されることができる程度であればよい。一例として、前駆物質を100℃以上に加熱することで、ペロブスカイト化合物の前駆物質をペロブスカイト化合物に転換させることができ、さらには、130℃以上に前駆層を加熱する場合、極めて短時間内にペロブスカイト化合物に転換させることができる。この際、前駆物質をペロブスカイト化合物に変換させるための熱処理の上限は、ペロブスカイト化合物を形成しようとする基材が熱的に損傷されない範囲であればよい。一例として、熱処理は100〜200℃で行われることができる。熱処理時間は、熱処理温度を考慮して、前駆物質がペロブスカイト化合物に十分に転換されることができる時間であればよい。非限定的な一例として、熱処理時間は1分〜30分であることができるが、本発明が熱処理時間により限定されないことはいうまでもない。

0085

これを反応関係として表すれば次のとおりである。

0086

反応関係:A+M+3X+n(GM)→AM(GM)nX3(nは0<n<3の実数)→AMX3

0087

液相のA、M、Xが溶媒の揮発除去により、A+M+3X→AMX3に結晶化される場合、結晶形成キネティクス(kinetics)が制御し難いため、緻密なペロブスカイト化合物膜を形成することが困難であるという問題がある。本発明の一態様による前駆物質の反応関係では、ペロブスカイト直接形成されるのではなく、先ずペロブスカイトの前駆物質(AM(GM)nX3)が生成された後、GMの除去によりペロブスカイトが形成されるため、ペロブスカイト形成のキネティクス(kinetics)が制御し易く、緻密で且つ表面の粗さが低いペロブスカイト膜を形成することができる。

0088

前駆層が形成される基材は、その用途に応じて、電子素子光学素子、太陽電池、またはセンサ等が駆動するための必須基本構造において、ペロブスカイト化合物膜以外の他の構成(構造)が既に形成されている基材であることができる。

0089

以下、太陽電池の一例を挙げて、詳細構造および製造方法について詳述する。

0090

基材は、支持体としての基板と、基板上に位置する第1の電極と、第1の電極上に位置する電子伝達体と、を含むことができる。

0091

すなわち、前駆層が形成される基材は、基板、第1の電極、および電子伝達体が順に積層された積層体を含むことができる。

0092

基板は、硬い基板またはフレキシブル基板であることができる。具体例として、基板は、ガラス基板を含む硬い(rigid)基板、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルスルホン(PES)などを含むフレキシブルな(flexible)基板であることができる。しかし、本発明が基板の種類により限定されないことはいうまでもない。

0093

第1の電極は、電子伝達体とオーミック接合される伝導性電極であればよく、太陽電池において前面電極または後面電極電極物質として通常的に使用される物質であれば使用可能である。非限定的な一例として、第1の電極が後面電極の電極物質である場合、金、銀、白金パラジウム、銅、アルミニウム炭素硫化コバルト硫化銅酸化ニッケル、およびこれらの複合物から選択される1つ以上の物質であることができる。非限定的な一例として、第1の電極が透明電極である場合、フッ素含有酸化スズ(FTO;Fluorine doped Tin Oxide)、インジウム含有酸化スズ(ITO;Indium doped Tin Oxide)、ZnO、CNTカーボンナノチューブ)、グラフェン(Graphene)等の無機系伝導性電極であってもよく、PEDOT:PSS等の有機系伝導性電極であってもよい。透明太陽電池を提供しようとする場合には、第1の電極が透明電極であることが好ましく、第1の電極が有機系伝導性電極である場合、フレキシブル太陽電池や透明太陽電池を提供しようとする際により好ましい。

0094

第1の電極は、基板上に電極物質を蒸着または塗布することで形成されることができる。蒸着は、物理的蒸着(physical vapor deposition)または化学的蒸着(chemical vapor deposition)により行われてもよく、熱蒸着(thermal evaporation)により行われてもよい。塗布は、電極物質の溶解液または電極物質の分散液を基板に塗布した後に乾燥したり、選択的に、乾燥した膜を熱処理したりすることで行われることができる。しかし、第1の電極が、通常の太陽電池における前面電極または後面電極を形成する際に用いられる方法により形成され得ることはいうまでもない。

0095

第1の電極の上部に位置する電子伝達体は、電子伝導性有機物層または無機物層であることができる。電子伝導性有機物は、通常の有機太陽電池において、n型半導体として用いられる有機物であることができる。具体的で且つ非限定的な一例として、電子伝導性有機物は、フラーレン(C60、C70、C74、C76、C78、C82、C95)、PCBM([6,6]‐phenyl‐C61butyric acid methyl ester))、C71‐PCBM、C84‐PCBM、PC70BM([6,6]‐phenyl C70‐butyric acid methyl ester)を含むフラーレン‐誘導体(Fullerene‐derivative)、PBI(polybenzimidazole)、PTCBI(3,4,9,10‐perylenetetracarboxylic bisbenzimidazole)、F4‐TCNQ(tetra uorotetracyanoquinodimethane)、またはこれらの混合物を含むことができる。電子伝導性無機物は、通常の量子ドットベースの太陽電池または色素増感型太陽電池において、電子伝達のために用いられる電子伝導性金属酸化物であることができる。具体例として、電子伝導性金属酸化物は、n‐型金属酸化物半導体であることができる。n‐型金属酸化物半導体の非限定的な一例として、Ti酸化物、Zn酸化物In酸化物Sn酸化物、W酸化物、Nb酸化物Mo酸化物Mg酸化物、Ba酸化物、Zr酸化物、Sr酸化物、Yr酸化物、La酸化物、V酸化物、Al酸化物、Y酸化物、Sc酸化物、Sm酸化物、Ga酸化物、In酸化物、およびSrTi酸化物から選択される1つまたは2つ以上の物質が挙げられ、これらの混合物またはこれらの複合体(composite)が挙げられる。

0096

その構造において、電子伝達体は、多孔性層または緻密層であることができる。緻密な電子伝達体としては、上述の電子伝導性有機物の膜または電子伝導性無機物の緻密膜(film)が挙げられる。多孔性電子伝達体としては、上述の電子伝導性無機物の粒子からなる多孔膜が挙げられる。電子伝達体の厚さは、50nm〜10μm、具体的には50nm〜1000nmであることができる。電子伝達体が多孔性である場合、その比表面積は10〜100m2/gであり、電子伝達体をなす金属酸化物粒子平均粒径(diameter)は5〜500nmであることができる。多孔性電子伝達体の気孔率見かけ気孔率)は、30%〜65%、具体的には40%〜60%であることができる。

0097

電子伝達体が多孔性構造を有する場合、第1の電極と電子伝達体との間には電子伝達膜がさらに備えられることができる。電子伝達膜は、光吸収体と第1の電極とが直接接触することを予め防止する役割をするとともに、電子を伝達する役割をすることができる。電子伝達膜は、エネルギーバンドダイヤグラムにおいて、多孔性金属酸化物から電子伝達膜を介して第1の電極へ電子が自発的に移動できる物質であればよい。非限定的で且つ具体的な一例として、電子伝達膜は金属酸化物薄膜であることができ、金属酸化物薄膜の金属酸化物は、多孔性金属酸化物の金属酸化物と同一または異なる物質であることができる。詳細に、金属酸化物薄膜の物質は、Ti酸化物、Zn酸化物、In酸化物、Sn酸化物、W酸化物、Nb酸化物、Mo酸化物、Mg酸化物、Ba酸化物、Zr酸化物、Sr酸化物、Yr酸化物、La酸化物、V酸化物、Al酸化物、Y酸化物、Sc酸化物、Sm酸化物、Ga酸化物、In酸化物、SrTi酸化物、これらの混合物、およびこれらの複合物から選択される1つ以上の物質であることができる。電子伝達膜の厚さは、実質的に10nm以上、より実質的に10nm〜100nm、さらに実質的に50nm〜100nmであることができる。

0098

電子伝達体は、塗布または蒸着により形成されることができる。具体的に、電子伝達体物質が溶解された溶液または電子伝達体物質が分散された分散液(またはスラリー)を塗布して乾燥したり、選択的に、乾燥により得たものを熱処理したりして製造することができる。蒸着は、物理的蒸着(physical vapor deposition)または化学的蒸着(chemical vapor deposition)により行われることができる。

0099

多孔性電子伝達体を例としてより具体的に詳述すれば、電子伝達体は、第1の電極の上部に金属酸化物粒子を含有するスラリーを塗布および乾燥し、熱処理することで製造されることができる。スラリーの塗布は、スクリーン印刷(screen printing)、スピンコーティング(Spin coating)、バーコーティング(Bar coating)、グラビアコーティング(Gravure coating)、ブレードコーティング(Blade coating)、およびロールコーティング(Roll coating)から選択される1つ以上の方法で行われることができる。

0100

しかし、電子伝達体が、通常の色素増感型太陽電池または有機太陽電池における、公知の金属酸化物の多孔性電子伝達体の形成方法により形成されることができることはいうまでもない。

0101

次いで、基材の多孔性電子伝達体の上部に、上述のように前駆層を形成し、エネルギーを印加することで、前駆層をペロブスカイト化合物の光吸収層に変換させるステップが行われることができる。

0102

多孔性電子伝達体の気孔を満たし、且つ多孔性電子伝達体を覆う膜の形態に前駆層を形成し、これをペロブスカイト化合物に変換させることで、多孔性電子伝達体の気孔を満たし、且つ多孔性電子伝達体の表面全体を覆う緻密膜の構造を有する光吸収層が製造されることができる。この際、緻密膜の厚さは1nm〜10μmであることができる。

0103

その後、光吸収層の緻密膜の上部に、正孔伝達層および第2の電極を順に形成するステップが行われることができる。

0104

正孔伝達層は、有機正孔伝達物質、具体的に、単分子乃至高分子有機正孔伝達物質(正孔伝導性有機物)を含むことができる。有機正孔伝達物質は、無機半導体量子ドットを色素として使用する通常の無機半導体ベースの太陽電池で用いられる有機正孔伝達物質であれば使用可能である。しかし、ペロブスカイト化合物である光吸収体とのエネルギーマッチングおよび安定性の点で、高分子有機正孔伝達物質が好ましい。

0105

単分子乃至低分子有機正孔伝達物質の非限定的な一例として、ペンタセン(pentacene)、クマリン6(coumarin 6,3‐(2‐benzothiazolyl)‐7‐(diethylamino)coumarin)、ZnPC(zinc phthalocyanine)、CuPC(copper phthalocyanine)、TiOPC(titanium oxide phthalocyanine)、Spiro‐MeOTAD(2,2´,7,7´‐tetrakis(N,N‐p‐dimethoxyphenylamino)‐9,9´‐spirobifluorene)、F16CuPC(copper(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25‐hexadecafluoro‐29H,31H‐phthalocyanine)、SubPc(boron subphthalocyanine chloride)、およびN3(cis‐di(thiocyanato)‐bis(2,2´‐bipyridyl‐4,4´‐dicarboxylic acid)‐ruthenium(II))から選択される1つまたは2つ以上の物質が挙げられるが、これに限定されるものではない。

0106

有機正孔伝達物質は高分子(正孔伝導性高分子)であることが好ましく、これにより、太陽電池の安定した駆動が担保され、且つ光吸収体とのエネルギーマッチングにより、さらに向上した発電効率を有することになる。具体的に、正孔伝導性高分子として、チオフェン系、パラフェニレンビニレン系、カルバゾール系、およびトリフェニルアミン系から選択される1つまたは2つ以上の物質が挙げられ、チオフェン系およびトリフェニルアミン系から選択される1つまたは2つ以上が好ましく、トリフェニルアミン系がより好ましい。高分子有機正孔伝達物質の非限定的な一例として、P3HT(poly[3‐hexylthiophene])、MDMO‐PPV(poly[2‐methoxy‐5‐(3´,7´‐dimethyloctyloxyl)]‐1,4‐phenylene vinylene)、MEH‐PPV(poly[2‐methoxy‐5‐(2´´‐ethylhexyloxy)‐p‐phenylene vinylene])、P3OT(poly(3‐octyl thiophene))、POT(poly(octyl thiophene))、P3DT(poly(3‐decyl thiophene))、P3DDT(poly(3‐dodecyl thiophene)、PPV(poly(p‐phenylene vinylene))、TFB(poly(9,9´‐dioctylfluorene‐co‐N‐(4‐butylphenyl)diphenyl amine)、ポリアニリン(Polyaniline)、Spiro‐MeOTAD([2,22´,7,77´‐tetrkis(N,N‐di‐p‐methoxyphenyl amine)‐9,9,9´‐spirobi fluorine])、PCPDTBT(Poly[2,1,3‐benzothiadiazole‐4,7‐diyl[4,4‐bis(2‐ethylhexyl‐4H‐cyclopenta[2,1‐b:3,4‐b´]dithiophene‐2,6‐diyl]]、Si‐PCPDTBT(poly[(4,4´‐bis(2‐ethylhexyl)dithieno[3,2‐b:2´,3´‐d]silole)‐2,6‐diyl‐alt‐(2,1,3‐benzothiadiazole)‐4,7‐diyl])、PBDTTPD(poly((4,8‐diethylhexyloxyl)benzo([1,2‐b:4,5‐b´]dithiophene)‐2,6‐diyl)‐alt‐((5‐octylthieno[3,4‐c]pyrrole‐4,6‐dione)‐1,3‐diyl))、PFDTBT(poly[2,7‐(9‐(2‐ethylhexyl)‐9‐hexyl‐fluorene)‐alt‐5,5‐(4´,7,‐di‐2‐thienyl‐2´,1´,3´‐benzothiadiazole)])、PFO‐DBT(poly[2,7‐.9,9‐(dioctyl‐fluorene)‐alt‐5,5‐(4´,7´‐di‐2‐.thienyl‐2´,1´,3´‐benzothiadiazole)])、PSiFDTBT(poly[(2,7‐dioctylsilafluorene)‐2,7‐diyl‐alt‐(4,7‐bis(2‐thienyl)‐2,1,3‐benzothiadiazole)‐5,5´‐diyl])、PSBTBT(poly[(4,4´‐bis(2‐ethylhexyl)dithieno[3,2‐b:2´,3´‐d]silole)‐2,6‐diyl‐alt‐(2,1,3‐benzothiadiazole)‐4,7‐diyl])、PCDTBT(Poly[[9‐(1‐octylnonyl)‐9H‐carbazole‐2,7‐diyl]‐2,5‐thiophenediyl‐2,1,3‐benzothiadiazole‐4,7‐diyl‐2,5‐thiophenediyl])、PFB(poly(9,9´‐dioctylfluorene‐co‐bis(N,N´‐(4,butylphenyl))bis(N,N´‐phenyl‐1,4‐phenylene)diamine)、F8BT(poly(9,9´‐dioctylfluorene‐co‐benzothiadiazole)、PEDOT(poly(3,4‐ethylenedioxythiophene))、PEDOT:PSS(poly(3,4‐ethylenedioxythiophene)poly(styrenesulfonate))、PTAA(poly(triarylamine))、Poly(4‐butylphenyl‐diphenyl‐amine)、およびこれらの共重合体から選択される1つまたは2つ以上の物質が挙げられる。

0107

非限定的で且つ具体的な例として、正孔伝達層の厚さは10nm〜500nmであることができる。

0108

正孔伝達層は、通常の無機半導体量子ドットを色素として使用する無機半導体ベースの太陽電池または有機太陽電池において、有機物ベースのホール伝導層伝導度等の特性を向上させるために通常的に使用される添加剤をさらに含んでもよいことはいうまでもない。非限定的な一例として、正孔伝達体は、TBP(tertiary butyl pyridine)、LiTFSI(Lithium Bis(Trifluoro methanesulfonyl)Imide)、およびTris(2‐(1H‐pyrazol‐1‐yl)pyridine)cobalt(III)から選択される1つまたは2つ以上の添加剤をさらに含有することができ、有機正孔伝達物質1g当たり、0.05mg〜100mgの添加剤を含有することができる。しかし、本発明が、正孔伝達層の添加剤の有無、添加剤の種類および添加剤の含量により限定されないことはいうまでもない。

0109

第2の電極は、太陽電池において前面電極または後面電極の電極物質として通常的に使用される物質であれば使用可能である。非限定的な一例として、第2の電極が後面電極の電極物質である場合、第2の電極は、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、炭素、硫化コバルト、硫化銅、酸化ニッケル、およびこれらの複合物から選択される1つ以上の物質であることができる。非限定的な一例として、第2の電極が透明電極である場合、第2の電極は、フッ素含有酸化スズ(FTO;Fluorine doped Tin Oxide)、インジウム含有酸化スズ(ITO;Indium doped Tin Oxide)、ZnO、CNT(カーボンナノチューブ)、グラフェン(Graphene)等の無機系伝導性電極であってもよく、PEDOT:PSS等の有機系伝導性電極であってもよい。透明太陽電池を提供しようとする場合には、第2の電極が透明電極であることが好ましく、第2の電極が有機系伝導性電極である場合、フレキシブル太陽電池や透明太陽電池を提供しようとする際により好ましい。

0110

第2の電極は、蒸着または塗布により形成されることができる。蒸着は、物理的蒸着(physical vapor deposition)または化学的蒸着(chemical vapor deposition)により行われてもよく、熱蒸着(thermal evaporation)により行われてもよい。塗布は、電極物質の溶解液または電極物質の分散液を基板に塗布した後に乾燥したり、選択的に、乾燥された膜を熱処理したりすることで行われることができる。しかし、通常の太陽電池における前面電極または後面電極を形成する際に用いる方法により第2の電極が形成され得ることはいうまでもない。

0111

本発明は、上述の製造方法により製造された太陽電池を含む。

0112

本発明の一態様による太陽電池は、基板と、基板上に位置する第1の電極と、第1の電極上に位置する多孔性電子伝達体と、多孔性電子伝達体の気孔を満たし、且つ多孔性電子伝達体を覆う緻密膜である、ペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、光吸収層上に位置する正孔伝達層と、正孔伝達層上に位置する第2の電極と、を含み、ペロブスカイト化合物は、前駆物質のGMが除去されて生成されたものであることができる。

0113

光吸収層のペロブスカイト化合物緻密膜の厚さは1nm〜10μmであることができる。

0114

太陽電池について説明するにあたり、ペロブスカイト化合物、正孔伝達体、電子伝達体、第1の電極、第2の電極、第1の基板、および第2の基板等は上述の製造方法において説明したことと類似乃至同一であるため、その詳細な説明は省略する。

0115

(比較例1)
PbI2粉末をジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒に投入し、60℃で2時間撹拌することで、0.8MのPbI2‐DMSO溶液を製造した。この溶液をトルエンに滴下(drop‐wise)した後、沈殿粉末を濾紙分離回収し、常温で1時間乾燥した。

0116

(実施例1)
ペロブスカイト前駆物質の製造
CH3NH3I(以下、MAI)とPbI2粉末を1:1の化学量論比でジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒に投入し、60℃で2時間撹拌することで、0.8MのCH3NH3I‐PbI2‐DMSO溶液を製造した。この溶液をトルエンに滴下した後、沈殿粉末を濾紙で分離回収し、常温で1時間乾燥した。

0117

比較例1で製造された粉末、前駆体であるMAI、PbI2、および実施例1で得られた粉末に対して、Cu Kα線を用いたX‐線回折分析を行い、その結果を図1に図示した。

0118

図1に示すように、実施例1で製造された粉末(図1において、PbI2(MAI)(DMSO)と示す)には、前駆体であるMAIとPbI2物質の相が含まれていないことが分かる。また、比較例1で製造した粉末は、PbI2(DMSO)2としてH.Miyamaeにより報告された物質である(Chemistry Lett.,9,663,1980)。このPbI2(DMSO)2相のXRD結果と、実施例1で製造された粉末のXRD結果とを比較分析すれば、実施例1で得られた粉末はPbI2(DMSO)2相ではないことが分かる。すなわち、実施例1で得られた粉末は、6.2〜6.8°、7〜7.5°、および8.9〜9.5°の回折角2θで強い回折ピークが表れることが分かる。また、実施例1で得られた粉末は、5〜40°の2θの領域で、7〜7.5°に位置するピークの回折強度が最も大きいことが分かる。かかるXRD結果は、実施例1で製造された粉末が、MAI、PbI2、PbI2(DMSO)2相と全く異なる、新しい化合物であることが分かる。

0119

図2は、実施例1で製造された粉末のFTIR(Fourier transform Infrared spectroscopy)結果である。図2に各吸収モードを表示し、このIRの透過スペクトルを参照すれば、S‐O結合、C‐H結合、およびN‐H結合の吸収があることが分かる。これは、実施例1で製造された粉末がMAIおよびDMSOの両方を含んでいることの証拠であると言える。また、図2を参照すれば、C=C結合による吸収が発生しなかったことが分かり、このことから、トルエンが粉末に含まれていないことが分かる。XRDとFTIRの結果から、実施例1で得られた粉末がMAI‐PbI2‐DMSO混合結晶体であることが分かる。

0120

正確な組成分析のために、元素分析(Elemental analysis)を行った。分析結果、各元素の質量比率がH=1.6%、C=4.6%、N=2.0%、O=2.2%、S=3.7%と測定され、これに基づいて、残りの元素の質量比率が85.9%と推定された。CH3NH3I、PbI2、C2H6SO(DMSO)の混合結晶を仮定して、これらを1:1:1で反応させたとすると、H=1.7%、C=5.2%、N=2.0%、O=2.3%、S=4.6%、Pb=29.7%、I=54.5%であるため、元素分析の測定結果近似した値を示すことが分かる。

0121

このようなことから、実施例1で製造された粉末が、MAI‐PbI2‐DMSOが1:1:1で反応して形成された結晶であって、MAPb(C2H6SO)I3(=C3H12NSOPbI3)であることが分かる。これは、化学式2で提示したAM(GM)nX3中、AがMA、MがPb、GMがDMSO、XがI、nが1である一例であるといえる。

0122

このMAPb(DMSO)I3ペロブスカイト前駆物質の純粋ペロブスカイト相への転移を調べるために、熱処理温度毎のXRD分析を行い、その結果を図3に図示した。XRD分析はリアルタイム(in‐situ)で行い、図示された温度区間毎に1分間維持してから分析を行った。図3を参照すれば、常温(room temperature、RT)では、図1の結果と同様に、純粋なMAPb(DMSO)I3ペロブスカイト前駆物質相が維持されることが分かる。しかし、熱処理温度が上昇するに伴って、前駆物質がペロブスカイト相に転換されることが分かる。100℃でのXRDスペクトルをみれば、前駆物質の特徴的ピークである10°以下のピークの強度が弱くなるとともに、ペロブスカイトの特徴的ピークである14°付近のピークが表れることが分かる。これは、100℃に至る熱エネルギーによりGMが除去され、ペロブスカイト前駆物質が純粋なペロブスカイトに転換されていることを示す結果である。また、130℃では、純粋なペロブスカイトの回折ピークのみが観察され、これは、前駆物質から純粋なペロブスカイトが形成されたことを示す。すなわち、GMとして存在していたDMSOが完全に除去され、純粋なペロブスカイトが形成されたことが分かる。

0123

(実施例2)
前駆物質薄膜の製造
実施例1で提示された方法を用い、ガンマブチロラクトン(GBL)を追加混合溶媒として使用してMAI‐PbI2‐DMSO溶液を製造した。すなわち、GBL:DMSOの体積比率を7:3とし、MAPbI3をベースとして濃度0.8Mの溶液を製造した。

0124

溶融シリカ(Fused silica)基板上に、製造されたMAI‐PbI2‐DMSO溶液(総1ml)を回転中心に一度に塗布(注入)し、5000rpmでスピンコーティングを開始した。スピンコーティング時間が50秒を経過した時点で、スピン中の多孔性電極の回転中心に、さらに非溶媒のトルエン(toluene)1mLを一度に塗布(注入)した後、スピンコーティングをさらに5秒間行った。スピンコーティングを完了した後、常温で1時間乾燥した。その後、100℃の温度および常圧条件で30分間熱処理することで、ペロブスカイト化合物薄膜である光吸収体を形成した。光吸収体薄膜の製造時における周辺環境は、25℃の温度および25%の相対湿度を維持した。

0125

(比較例2)
実施例1と同様に薄膜を製造するにあたり、溶液を製造する時に、DMSOを除いて100%ガンマ‐ブチロラクトン(以下、GBL)のみを溶媒として使用した(MAI‐PbI2‐GBL溶液)。

0126

図4は、実施例2(図4(a))と比較例2(図4(b))において、100℃で熱処理する前の、製造された薄膜のXRDスペクトルである。この結果を参照すれば、実施例2では、製造された薄膜で前駆物質の特定ピークが観察されるが、純粋なGBLを使用した場合には、かかるピークが観察されないことが分かる。すなわち、実施例2では、MAPb(DMSO)I3ペロブスカイト前駆物質の膜が形成されたことが分かる。

0127

図5は実施例2(図5(a))と比較例2(図5(b))において、熱処理後のペロブスカイト膜を観察した走査型電子顕微鏡写真である。実施例2は、上述の反応関係により、前駆物質段階を経てペロブスカイト化合物が形成された場合であり、比較例2は、溶液から直接ペロブスカイト化合物が形成された場合である。図5から分かるように、前駆物質薄膜からペロブスカイト膜に変化される場合、緻密で且つ完璧な膜の形態にペロブスカイト化合物が形成される。

0128

(実施例3)
多孔性TiO2薄膜基板の製造
フッ素含有酸化スズがコーティングされたガラス基板(FTO;F‐doped SnO2、8ohms/cm2、Pilkington、以下FTO基板(第1の電極))を25x25mmのサイズに切断した後、端部をエッチングしてFTOを部分的に除去した。

0129

切断および部分エッチングされたFTO基板上に、金属酸化物薄膜として厚さ50nmのTiO2緻密膜を噴霧熱分解法により製造した。噴霧熱分解は、TAA(Titanium acetylacetonate):EtOH(1:9v/v%)溶液を使用して行い、450℃に維持されている熱板上に載せられたFTO基板上に3秒間噴霧し、10秒間停止することを繰り返す方法で厚さを調節した。

0130

平均粒子サイズ(直径)50nmのTiO2粉末(TiO2を基準として、1重量%が溶解されたTitanium peroxocomplex水溶液を250℃で12時間水熱処理して製造)に、エチルセルロース(ethyl cellulose)がエチルアルコールに10重量%で溶解されたエチルセルロース溶液を、TiO2粉末1g当たり5ml添加し、テルピノール(terpinol)をTiO2粉末1g当たり5g添加して混合した後、エチルアルコールを減圧蒸留法により除去して、TiO2ペーストを製造した。

0131

製造されたTiO2粉末ペーストにエタノールを添加(1(TiO2粉末ペースト):3(エタノール)の重量比)して、スピンコーティング用TiO2スラリーを製造した。FTO基板のTiO2薄膜上に、スピンコーティング用TiO2スラリーを用いて1000rpmでスピンコーティングした。次いで、500℃で60分間熱処理した後、60℃の、30mMのTiCl4水溶液に熱処理された基板を浸し、30分間放置した後、脱イオン水とエタノールで洗浄および乾燥し、さらに500℃で30分間熱処理することで、厚さ300nmの多孔性TiO2薄膜(多孔性電子伝達体)を製造した。製造された多孔性電子伝達体の比表面積は33m2/gであり、気孔率(見かけ気孔率)は50%であった。

0132

実施例2における溶融シリカを、製造された多孔性電子伝達体に替え、多孔性電子伝達体上に実施例2と同様の方法でペロブスカイト化合物の光吸収層を製造した。その後、光吸収層上に、PTAA(poly(triarylamine)、EMindex、Mw=17,500g/mol)が溶解されたトルエン溶液[15mg(PTAA)/1mL]を3000rpmで60秒間スピンコーティングすることで、正孔伝達層を形成した。この際、PTAA溶液に、2.31mgのLiTFSI(Lithium Bis(Trifluoro methanesulfonyl)Imide)および6.28mgのTBP(tertiary butyl pyridine)を添加した。次いで、正孔伝達層の上部に、高真空(5x10−6torr以下)の熱蒸着器(thermal evaporator)を用いてAuを真空蒸着することで、厚さ70nmのAu電極(第2の電極)を形成して太陽電池を製造した。

0133

(比較例3)
実施例3と同様に太陽電池を製造するにあたり、比較例2における溶融シリカを、製造された多孔性電子伝達体に替え、多孔性電子伝達体上に、比較例2と同様の方法でペロブスカイト化合物の光吸収層を製造した。

0134

実施例3と比較例3で製造した太陽電池の光電変換特性を、AM1.5(100mA/cm2)の条件下で測定し、その結果を表1に示す。実施例3で製造したペロブスカイト化合物膜は、電子伝達体の上部表面を100%覆う緻密な薄膜の形態を示すが、比較例3は、電子伝達体の上部表面を100%覆わない、不完全な形態の膜であった。したがって、実施例3の場合で、より優れたJsc、Voc、FF値を示し、優れた光電変換効率を示すことが分かる。

0135

[表1]実施例3と比較例3で製造した太陽電池の性能指数

0136

以上、本発明を特定事項と限定された実施例および図面を挙げて説明したが、これは本発明のより全体的な理解のために提供されたものにすぎず、本発明が上記の実施例に限定されるものではない。本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、かかる記載から様々な修正および変形が可能である。

0137

したがって、本発明の思想は上述の実施例に限定して決まってはならず、添付の特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的変形のある全てのものなどが、本発明の思想の範疇に属するといえる。

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