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技術 音響共振流体ポンプ

出願人 ティーティーピーパブリックリミティドカンパニー
発明者 バックランド,ジャスティンロークハットフィールド,スチュアートアンドリューウェイチェルト,ステファニーエイプリルプーリー,デビッドマーティン
出願日 2014年12月12日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2016-539068
公開日 2017年2月9日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-504748
状態 特許登録済
技術分野 往復動ポンプ(3)
主要キーワード 空洞軸 開放域 導電性軌道 充填空洞 取り付け条件 サポートコンポーネント 空洞圧力 アクチュエータ運動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

流体ポンプは、上方パーツ及び下方パーツを有するポンプ本体と、実質的に開かれたアクチュエータサポート構造と、ポンプ本体の壁に開いた少なくとも2つの開口とを含み、上記上方パーツ及び下方パーツは、それぞれ、実質的に円形端壁によって一方の端を閉じられ端壁に実質的に平行な端壁の間の面内に配置されたアクチュエータによってもう一方の端を部分的に閉じられた、実質的に円筒状の側壁を含み、それによって、上方部分と下方部分とを有する1つの空洞を形成しており、この1つの空洞は、アクチュエータを取り囲み、ポンプ本体の端壁及び側壁と、アクチュエータの表面とによって境界仕切られ、上記アクチュエータサポート構造は、アクチュエータをポンプ本体に接続し、上方空洞部分と下方空洞部分との間で流体が自由に流れることを可能にし、上記少なくとも2つの開口のうちの少なくとも1つは、弁調整式の開口であり、端壁の実質的に中心に位置付けられた開口は、全て、弁調整式の開口であり、使用時において、アクチュエータは、端壁の面に実質的に垂直な方向に振動し、空洞内に巻き付き音響定在波を存在させ、それによって、開口を通る流体の流れを引き起こす。

概要

背景

広範囲に及ぶ市場が、サイズを小さくされて高度に統合された、コンパクトで且つ便利な製品目指す傾向にあるゆえに、高いポンプ性能を提供することができる一段と小サイズの個別流体ポンプが、強く求められている。

既知の分野における小型の流体ポンプは、その大多数が、容積型ポンプ、すなわち、ポンプ室容積が、流体圧縮して出口弁から排出させるために縮小され、入口弁から流体を引き入れるために拡大されるポンプである。このようなポンプの一例は、DE4422743(「Gerlach」)に記載されており、容積型ポンプの更なる例は、US2004000843、WO2005001287、DE19539020、及びUS6203291に見出せる。圧電駆動式の容積型ポンプの使用は、機器の小型化を可能にしたが、圧電ダイヤフラムによって実現される正の変位が小さいこと、及び使用される運転周波数が低いことによって、ポンプ性能は制限される。

流体ポンプ機能を実現するために使用することができる代替の方法は、音響共振の使用である。これは、長い円筒状の空洞を使用し、その一方の端にある音響ドライバが縦の音響定在波を駆動することによって、実現することができる。このような円筒空洞内では、音響圧力振動振幅に限りがある。より高振幅圧力振動を実現し、それによってポンプ効果を大幅に高めるために、円錐、角円錐、及び球などの、様々な断面の空洞が使用されてきた。このような、より高振幅の波では、空洞を注意深く設計することによって、エネルギ散逸をもたらす非線形メカニズムが抑制される。最近まで、半径方向の圧力振動が励起される円盤状の空洞内では、高振幅の音響共振は用いられてこなかった。WO2006/111775として公開された国際特許出願第PCT/GB2006/001487号(‘487出願)は、高アスペクト比の、すなわち、空洞の半径対空洞の高さの比が高い、実質的に円盤状の空洞を有するポンプを開示している。

‘487出願に記載されたポンプは、関連の特許出願PCT/GB2009/050245、PCT/GB2009/050613、PCT/GB2009/050614、PCT/GB2009/050615、PCT/GB2011/050141で更に発展されている。これらの出願及び‘487出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。

‘487出願及び前掲の関連出願に記載された音響共振ポンプは、関連技術における容積型ポンプとは異なる物理原理に基づいて動作する。音響共振ポンプでは、その運転時に、ポンプ空洞内における或る部分では流体が圧縮される一方で、それと同時にポンプ空洞内における別の部分では流体が膨張されるように、ポンプ空洞内に音響定在波が存在する。より従来の容積型ポンプとは対照的に、音響共振ポンプは、ポンプの運転を実現するために空洞容積の変化を必要としない。その代わりに、その設計は、空洞内に音響圧力振動を効率的に形成し、維持し、修正するように構成される。

その設計及び運転については、‘487出願は、1つ以上が駆動端壁である端壁によって各端を閉じられた実質的に円筒状の側壁を含む実質的に円筒状のポンプ本体を有する音響共振ポンプについて記載している。駆動端壁は、端壁に実質的に垂直な(すなわち、円
筒空洞の縦軸に実質的に平行な)方向に端壁の振動運動(「変位振動」)を引き起こすアクチュエータ関係付けられ、このような運動は、これ以降、駆動端壁の「軸方向振動」と称される。駆動端壁の軸方向振動は、‘487出願に記載されるように、実質的に比例する流体圧力振動を空洞内に発生させて、第1種ベッセル関数近似する半径方向の圧力分布を形成する。このような圧力振動は、これ以降、空洞内における「音響定在波」と称される。

‘487出願で開示されたポンプは、ポンプを通る流体の流れを制御するための1つ以上の弁、より具体的には、人間の聴覚範囲を超える周波数でポンプを運転することが好ましいゆえに、高い周波数で動作することができる弁を含む。このような弁は、国際特許出願第PCT/GB2009/050614号に記載されている。音響共振ポンプによって提供される高振幅の圧力振動と、高運転周波数の(1つ又は複数の)弁との組み合わせは、小さい機器サイズで高いポンプ性能を可能にする。

しかしながら、この関連技術には、幾つかの制約的特色がある。

第1に、‘487出願によって教示されるように、音響定在波の半径方向の圧力分布は、ベッセル関数のそれに近似し、振動周波数(f)と空洞半径(a)とが、次式によって関係付けられる。

ここで、k0は、ベッセル関数定数(≒3.8)であり、cは、音速である。これは、通
常はポンプの最大長さ寸法である空洞半径が、ポンプの運転周波数によって決定されることを示している。したがって、‘487出願及び関連技術に記載された音響共振ポンプのサイズを大幅に小さくするためには、反比例して運転周波数を増加させなければならない。

しかしながら、‘614出願によって教示されるように、フラップ弁によって圧力振動を効果的に修正するためには、弁フラップが、圧力振動の周期の4分の1未満の時間で開位置と閉位置との間で動く必要がある。この要件は、‘614出願に記載された弁設計に、下記の不等式の関係で要約されるような制約を課す。この不等式では、弁フラップの厚さ(δflap)、弁フラップの密度(ρflap)、及び開位置と閉位置との間の距離(dgap
)が、圧力振動周波数f及び振幅Pに関係付けられる。

不等式の右辺が不等式の左辺よりも大幅に大きいときに、速い弁応答、及びそれゆえに高いポンプ効率が実現される。したがって、所定の弁設計において、ポンプの運転周波数の増加は、結果としてポンプ効率を大幅に低下させることがある。

まとめると、関連技術に記載された音響共振ポンプの場合は、空洞半径を減少させることによるポンプの小型化が、結果として運転周波数を高くし、それゆえに弁効率の減少及びポンプ性能の低下を招く。

第2に、関連技術は、2つの圧力腹を有する音響定在波について一般的に説明している。例えば、‘487出願では、第1の腹が空洞の中心に位置し、第2の腹が空洞の外周に位置し、その間に半径方向の節が位置する。

中心の圧力腹では、圧力の振幅が最も高いのが普通であり、したがって、弁調整式の開口にとって最適な場所は、ポンプ本体の端壁の中心に位置する。空洞の外周における圧力腹は、中心の腹と比べて振幅が低く、空間的に分散されており、したがって、実際問題として、ポンプ流の供給のために効率良く弁調整することが、一段と困難である。しかしながら、この外周領域における流体の圧縮及び膨張は、それにもかかわらず、流体の熱損失及び粘性損失を招く。端的に言うと、外周における腹の存在は、有用なポンプ流の供給に寄与する利点が限られ、しかしながら、損失の導入によってポンプ効率を低下させる。

最後に、‘487出願に記載された音響共振ポンプの一実施形態では、2つの音響ポンプ空洞が1つのアクチュエータによって駆動される。これは、より高圧力の又はより高流量のいずれかの運転を提供するために空洞の出力が直列に又は並列に組み合わされる様々な構成を可能にする。このように空洞を組み合わせることによる混乱は、圧力分布における半径方向のおおよその節に、すなわち、ポンプ軸からおおよそ0.63aのところに、非弁調整式の入口又は出口を配置しなければならないことである。このような入口及び/又は出口を空洞の端壁内に提供及び分散配置すると、このようなポンプの機械的複雑性増し、そのコンポーネントのサイズ及びコストを増加させる可能性があり、これは、いずれも、商業的に望ましくない結末である。

したがって、これらの限界を克服することができる流体ポンプが必要とされている。

概要

流体ポンプは、上方パーツ及び下方パーツを有するポンプ本体と、実質的に開かれたアクチュエータサポート構造と、ポンプ本体の壁に開いた少なくとも2つの開口とを含み、上記上方パーツ及び下方パーツは、それぞれ、実質的に円形の端壁によって一方の端を閉じられ端壁に実質的に平行な端壁の間の面内に配置されたアクチュエータによってもう一方の端を部分的に閉じられた、実質的に円筒状の側壁を含み、それによって、上方部分と下方部分とを有する1つの空洞を形成しており、この1つの空洞は、アクチュエータを取り囲み、ポンプ本体の端壁及び側壁と、アクチュエータの表面とによって境界仕切られ、上記アクチュエータサポート構造は、アクチュエータをポンプ本体に接続し、上方空洞部分と下方空洞部分との間で流体が自由に流れることを可能にし、上記少なくとも2つの開口のうちの少なくとも1つは、弁調整式の開口であり、端壁の実質的に中心に位置付けられた開口は、全て、弁調整式の開口であり、使用時において、アクチュエータは、端壁の面に実質的に垂直な方向に振動し、空洞内に巻き付き音響定在波を存在させ、それによって、開口を通る流体の流れを引き起こす。

目的

広範囲に及ぶ市場が、サイズを小さくされて高度に統合された、コンパクトで且つ便利な製品を目指す傾向にあるゆえに、高いポンプ性能を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

流体ポンプであって、上方パーツ及び下方パーツを有するポンプ本体であって、各パーツは、実質的に円形端壁によって一方の端を閉じられ前記端壁に実質的に平行である前記端壁の間の面内に配置されたアクチュエータによってもう一方の端を部分的に閉じられた、実質的に円筒状の側壁を含み、それによって、上方部分と下方部分とを有する1つの空洞を形成しており、前記1つの空洞は、前記アクチュエータを取り囲み、前記ポンプ本体の前記端壁及び前記側壁と、前記アクチュエータの表面とによって境界仕切られる、ポンプ本体と、前記アクチュエータを前記ポンプ本体に接続し、前記上方空洞部分と前記下方空洞部分との間で流体が自由に流れることを可能にする、実質的に開かれたアクチュエータサポート構造と、前記ポンプ本体の壁に開いた少なくとも2つの開口であって、そのうちの少なくとも1つは、弁調整式の開口である、開口と、を備え、前記端壁の実質的に中心に位置付けられた開口は、全て、弁調整式の開口であり、使用時において、前記アクチュエータは、前記端壁の面に実質的に垂直な方向に振動し、前記空洞内に巻き付き音響定在波を存在させ、それによって、前記開口を通る流体の流れを引き起こす、ポンプ。

請求項2

請求項1に記載のポンプであって、前記空洞の前記側壁内に、又は前記側壁に隣接して前記空洞の前記端壁内に、任意の非弁調整式の開口が位置付けられる、ポンプ。

請求項3

請求項1又は2のいずれかに記載のポンプであって、前記弁又は複数の弁は、フラップ弁である、ポンプ。

請求項4

請求項3に記載のポンプであって、前記弁の弁フラップは、厚さが1ミクロンから20ミクロンの間であるポリマシートで形成される、ポンプ。

請求項5

請求項3又は4のいずれかに記載のポンプであって、前記弁の弁フラップは、11以上の開口を含み、これらの開口は、前記弁が開位置にあるときに、前記弁フラップを通って空気が流れることを可能にする、ポンプ。

請求項6

請求項1ないし5のいずれか一項に記載のポンプであって、前記下方の端壁の実質的に中心に位置付けられた弁調整式の入口開口と、前記上方の端壁の実質的に中心に位置付けられた弁調整式の出口開口とを有し、非調整式の開口を有さないポンプ。

請求項7

請求項1ないし6のいずれか一項に記載のポンプであって、前記上方の端壁及び前記下方の端壁の両方の実質的に中心に位置付けられた弁調整式の入口開口と、前記ポンプ本体の前記側壁内に又は前記ポンプ本体の前記側壁に隣接して位置付けられた1つ以上の非弁調整式の出口開口とを有するポンプ。

請求項8

請求項1ないし6のいずれか一項に記載のポンプであって、前記上方の端壁及び前記下方の端壁の両方の実質的に中心に位置付けられた弁調整式の出口開口と、前記ポンプ本体の前記側壁内に又は前記ポンプ本体の前記側壁に隣接して位置付けられた1つ以上の非弁調整式の入口開口とを有するポンプ。

請求項9

請求項1ないし8のいずれか一項に記載のポンプであって、前記アクチュエータの半径(aA)の、前記側壁において測定された前記空洞部分のそれぞれの高さ(d)に対する比は、約1.2よりも大きい、ポンプ。

請求項10

請求項1ないし9のいずれか一項に記載のポンプであって、前記上方空洞部分及び前記下方空洞部分のそれぞれの半径(aC)の、前記アクチュエータの半径(aA)に対する比は、約1.7よりも小さい、ポンプ。

請求項11

請求項1ないし10のいずれか一項に記載のポンプであって、前記空洞容積は、約1cm3未満である、ポンプ。

請求項12

請求項1ないし11のいずれか一項に記載のポンプであって、前記ポンプの動作周波数は、約18kHzから約25kHzの間である、ポンプ。

請求項13

請求項1ないし12のいずれか一項に記載のポンプであって、前記側壁において測定された前記空洞部分の高さ(d)の2倍の、前記アクチュエータの半径(aA)に対する比は、10〜9mよりも大きい、すなわち、2d/aA>10〜9mである、ポンプ。

請求項14

請求項1ないし13のいずれか一項に記載のポンプであって、前記アクチュエータの半径(aA)と、前記空洞内における流体の共振周波数(f)との積は、44<aA×f<754m/sの範囲内である、ポンプ。

請求項15

請求項1ないし14のいずれか一項に記載のポンプであって、前記アクチュエータの半径(aA)の、前記側壁において測定された前記空洞部分のそれぞれの高さ(d)に対する比は、約5よりも大きい、ポンプ。

請求項16

請求項1ないし15のいずれか一項に記載のポンプであって、前記上方空洞部分と前記下方空洞部分との間で前記アクチュエータサポート構造を流れが通り抜けるために利用可能な開放域(A0)は、前記空洞の面積と前記アクチュエータの面積との差の2分の1よりも大きい、すなわち、である、ポンプ。

請求項17

請求項1ないし16のいずれか一項に記載のポンプであって、前記上方空洞部分と前記下方空洞部分との間で前記アクチュエータサポート構造を流れが通り抜けるために利用可能な開放域(A0)は、前記空洞の面積と前記アクチュエータの面積との差の90%よりも大きい、すなわち、である、ポンプ。

請求項18

請求項1ないし17のいずれか一項に記載のポンプであって、前記側壁において測定された前記空洞部分のそれぞれの高さ(d)は、の範囲内である、ポンプ。

請求項19

請求項1ないし18のいずれか一項に記載のポンプであって、前記側壁において測定された前記空洞部分のそれぞれの高さ(d)は、の範囲内である、ポンプ。

請求項20

請求項1ないし19のいずれか一項に記載のポンプであって、前記アクチュエータサポート構造は、前記アクチュエータの外周の軸方向運動を実質的に制約する、ポンプ。

請求項21

請求項1ないし20のいずれか一項に記載のポンプであって、前記アクチュエータサポート構造は、前記アクチュエータがその外周においてヒンジ式に動作することを可能にする、ポンプ。

請求項22

請求項1ないし21のいずれか一項に記載のポンプであって、前記アクチュエータサポート構造は、前記アクチュエータのアセンブリの一部を又は前記ポンプ本体の前記上方パーツ及び/若しくは下方パーツの一部を形成する、ポンプ。

請求項23

請求項1ないし22のいずれか一項に記載のポンプであって、前記サポート構造は、エッチングされた1つのコンポーネントで形成され、このコンポーネントは、前記アクチュエータ基板随意として含んでいてよい、ポンプ。

請求項24

請求項1ないし23のいずれか一項に記載のポンプであって、前記サポート構造は、前記アクチュエータの動きを促す部分的にエッチングされた特徴を含む、ポンプ。

請求項25

請求項1ないし24のいずれか一項に記載のポンプであって、前記サポート構造は、前記アクチュエータへの電気接続を提供するために使用される、ポンプ。

請求項26

請求項1ないし25のいずれか一項に記載のポンプであって、前記ポンプ本体の、前記空洞の前記側壁と前記端壁との間における内角は、前記空洞の外周における音響波反射を低減するために湾曲されている、ポンプ。

技術分野

0001

本発明の例示的な実施形態は、流体ポンプに関し、特に、サイズ、効率、及び組み立ての面においてこれまでの設計に勝る利益をもたらし、関連技術における限界を克服する、新規音響共振流体ポンプに関する。

背景技術

0002

広範囲に及ぶ市場が、サイズを小さくされて高度に統合された、コンパクトで且つ便利な製品目指す傾向にあるゆえに、高いポンプ性能を提供することができる一段と小サイズの個別流体ポンプが、強く求められている。

0003

既知の分野における小型の流体ポンプは、その大多数が、容積型ポンプ、すなわち、ポンプ室容積が、流体圧縮して出口弁から排出させるために縮小され、入口弁から流体を引き入れるために拡大されるポンプである。このようなポンプの一例は、DE4422743(「Gerlach」)に記載されており、容積型ポンプの更なる例は、US2004000843、WO2005001287、DE19539020、及びUS6203291に見出せる。圧電駆動式の容積型ポンプの使用は、機器の小型化を可能にしたが、圧電ダイヤフラムによって実現される正の変位が小さいこと、及び使用される運転周波数が低いことによって、ポンプ性能は制限される。

0004

流体ポンプ機能を実現するために使用することができる代替の方法は、音響共振の使用である。これは、長い円筒状の空洞を使用し、その一方の端にある音響ドライバが縦の音響定在波を駆動することによって、実現することができる。このような円筒空洞内では、音響圧力振動振幅に限りがある。より高振幅圧力振動を実現し、それによってポンプ効果を大幅に高めるために、円錐、角円錐、及び球などの、様々な断面の空洞が使用されてきた。このような、より高振幅の波では、空洞を注意深く設計することによって、エネルギ散逸をもたらす非線形メカニズムが抑制される。最近まで、半径方向の圧力振動が励起される円盤状の空洞内では、高振幅の音響共振は用いられてこなかった。WO2006/111775として公開された国際特許出願第PCT/GB2006/001487号(‘487出願)は、高アスペクト比の、すなわち、空洞の半径対空洞の高さの比が高い、実質的に円盤状の空洞を有するポンプを開示している。

0005

‘487出願に記載されたポンプは、関連の特許出願PCT/GB2009/050245、PCT/GB2009/050613、PCT/GB2009/050614、PCT/GB2009/050615、PCT/GB2011/050141で更に発展されている。これらの出願及び‘487出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。

0006

‘487出願及び前掲の関連出願に記載された音響共振ポンプは、関連技術における容積型ポンプとは異なる物理原理に基づいて動作する。音響共振ポンプでは、その運転時に、ポンプ空洞内における或る部分では流体が圧縮される一方で、それと同時にポンプ空洞内における別の部分では流体が膨張されるように、ポンプ空洞内に音響定在波が存在する。より従来の容積型ポンプとは対照的に、音響共振ポンプは、ポンプの運転を実現するために空洞容積の変化を必要としない。その代わりに、その設計は、空洞内に音響圧力振動を効率的に形成し、維持し、修正するように構成される。

0007

その設計及び運転については、‘487出願は、1つ以上が駆動端壁である端壁によって各端を閉じられた実質的に円筒状の側壁を含む実質的に円筒状のポンプ本体を有する音響共振ポンプについて記載している。駆動端壁は、端壁に実質的に垂直な(すなわち、円
筒空洞の縦軸に実質的に平行な)方向に端壁の振動運動(「変位振動」)を引き起こすアクチュエータ関係付けられ、このような運動は、これ以降、駆動端壁の「軸方向振動」と称される。駆動端壁の軸方向振動は、‘487出願に記載されるように、実質的に比例する流体圧力振動を空洞内に発生させて、第1種ベッセル関数近似する半径方向の圧力分布を形成する。このような圧力振動は、これ以降、空洞内における「音響定在波」と称される。

0008

‘487出願で開示されたポンプは、ポンプを通る流体の流れを制御するための1つ以上の弁、より具体的には、人間の聴覚範囲を超える周波数でポンプを運転することが好ましいゆえに、高い周波数で動作することができる弁を含む。このような弁は、国際特許出願第PCT/GB2009/050614号に記載されている。音響共振ポンプによって提供される高振幅の圧力振動と、高運転周波数の(1つ又は複数の)弁との組み合わせは、小さい機器サイズで高いポンプ性能を可能にする。

0009

しかしながら、この関連技術には、幾つかの制約的特色がある。

0010

第1に、‘487出願によって教示されるように、音響定在波の半径方向の圧力分布は、ベッセル関数のそれに近似し、振動周波数(f)と空洞半径(a)とが、次式によって関係付けられる。

ここで、k0は、ベッセル関数定数(≒3.8)であり、cは、音速である。これは、通
常はポンプの最大長さ寸法である空洞半径が、ポンプの運転周波数によって決定されることを示している。したがって、‘487出願及び関連技術に記載された音響共振ポンプのサイズを大幅に小さくするためには、反比例して運転周波数を増加させなければならない。

0011

しかしながら、‘614出願によって教示されるように、フラップ弁によって圧力振動を効果的に修正するためには、弁フラップが、圧力振動の周期の4分の1未満の時間で開位置と閉位置との間で動く必要がある。この要件は、‘614出願に記載された弁設計に、下記の不等式の関係で要約されるような制約を課す。この不等式では、弁フラップの厚さ(δflap)、弁フラップの密度(ρflap)、及び開位置と閉位置との間の距離(dgap
)が、圧力振動周波数f及び振幅Pに関係付けられる。

不等式の右辺が不等式の左辺よりも大幅に大きいときに、速い弁応答、及びそれゆえに高いポンプ効率が実現される。したがって、所定の弁設計において、ポンプの運転周波数の増加は、結果としてポンプ効率を大幅に低下させることがある。

0012

まとめると、関連技術に記載された音響共振ポンプの場合は、空洞半径を減少させることによるポンプの小型化が、結果として運転周波数を高くし、それゆえに弁効率の減少及びポンプ性能の低下を招く。

0013

第2に、関連技術は、2つの圧力腹を有する音響定在波について一般的に説明している。例えば、‘487出願では、第1の腹が空洞の中心に位置し、第2の腹が空洞の外周に位置し、その間に半径方向の節が位置する。

0014

中心の圧力腹では、圧力の振幅が最も高いのが普通であり、したがって、弁調整式の開口にとって最適な場所は、ポンプ本体の端壁の中心に位置する。空洞の外周における圧力腹は、中心の腹と比べて振幅が低く、空間的に分散されており、したがって、実際問題として、ポンプ流の供給のために効率良く弁調整することが、一段と困難である。しかしながら、この外周領域における流体の圧縮及び膨張は、それにもかかわらず、流体の熱損失及び粘性損失を招く。端的に言うと、外周における腹の存在は、有用なポンプ流の供給に寄与する利点が限られ、しかしながら、損失の導入によってポンプ効率を低下させる。

0015

最後に、‘487出願に記載された音響共振ポンプの一実施形態では、2つの音響ポンプ空洞が1つのアクチュエータによって駆動される。これは、より高圧力の又はより高流量のいずれかの運転を提供するために空洞の出力が直列に又は並列に組み合わされる様々な構成を可能にする。このように空洞を組み合わせることによる混乱は、圧力分布における半径方向のおおよその節に、すなわち、ポンプ軸からおおよそ0.63aのところに、非弁調整式の入口又は出口を配置しなければならないことである。このような入口及び/又は出口を空洞の端壁内に提供及び分散配置すると、このようなポンプの機械的複雑性増し、そのコンポーネントのサイズ及びコストを増加させる可能性があり、これは、いずれも、商業的に望ましくない結末である。

0016

したがって、これらの限界を克服することができる流体ポンプが必要とされている。

課題を解決するための手段

0017

新規の音響共振ポンプの設計が開示される。この新規の設計は、関連技術に記載されているポンプのサイズ、性能、及び複雑性に関連する前述の限界を克服する。例示的な実施形態のその他の目的、特徴、及び利点が、本明細書で開示され、これ以降に続く図面及び詳細な説明を参照にして明らかになる。

0018

本発明は、アクチュエータ及びサポート構造の周囲に作成されて、アクチュエータを取り囲む1つの流体充填空洞を形成するポンプ本体を含む、ポンプを提供する。サポート構造は、アクチュエータを空洞の側壁又は端壁に接続するものであり、好ましくは、アクチュエータの外周の周辺で空気が概ね遮られることなく流れることを可能にする実質的に開かれた構造を有しつつ、アクチュエータの外周の軸方向運動を実質的に制約又は制限するように設計される。使用時において、駆動アクチュエータの軸方向振動は、空洞内に流体の圧力振動を引き起こし、アクチュエータに「巻き付く」音響定在波を空洞内に発生させる。ポンプ本体の壁には、弁調整式の開口が提供される。使用時において、これらの弁調整式の開口内の弁は、空洞内における圧力振動を修正し、ポンプ効果を提供する。

図面の簡単な説明

0019

関連技術の概略断面図であり、アクチュエータの変位形態(図1A及び図1B)、並びに空洞内における定在波モード構造(図1C及び図1D)を示している。
現発明の実施形態の概略断面図であり、アクチュエータの変位形態(図2A及び図2B)、並びに空洞内における定在波モード構造(図2C及び図2D)を示している。
本発明の一実施形態(図3A)と、関連技術(図3B)とで、アクチュエータの変位形態及び相対的な空洞サイズを比較した概略断面図である。
本発明の3つの実施形態における端壁の概略断面図であり、矢印は、これらの実施形態を通る流体の直接的な流れを示している。
本発明の一実施形態の概略断面図である。
本発明の一実施形態の概略平面図である。
端壁の概略断面図であり、本発明のサポート構造実施形態の例を示している。
アクチュエータ面の概略平面図であり、本発明のサポート構造実施形態の更なる例を示している。
現発明の実施形態の概略断面図であり、圧電アクチュエータへの電気接続を作成する3つの方法を示している。
本発明での使用に適しているだろう高周波数弁の一実施形態の概略断面図である。

実施例

0020

図1A〜1Dは、関連技術(‘487出願)に記載された実質的に円筒状のポンプ(100)の概略断面図であり、側壁(102)と、端壁(103)と、遮断体(105)上に取り付けられたアクチュエータ(104)とによって、空洞(101)が画定されている。

0021

図1Aは、考えられる1つの駆動アクチュエータ変位形態を示しており、ここでは、アクチュエータの中心が、空洞(101)外へ変位している。湾曲した破線(111)は、アクチュエータ振動の或る時点におけるアクチュエータ変位を示している。図1Bは、考えられる別の駆動アクチュエータ変位形態を示しており、ここでは、アクチュエータの中心が、空洞(101)内へ変位している。湾曲した破線(112)は、図1Aに示されたアクチュエータ変位形態(111)の半サイクル後におけるアクチュエータ変位を示している。図1A及び図1Bに示されたアクチュエータ変位は、誇張されている。アクチュエータ(104)は、実質的にそのおおよその重心を中心として振動し、結果として、アクチュエータの中心(113)及び外周(114)に変位の腹が存在することになる。遮断体(105)は、アクチュエータ(104)の外周が実質的な制約を受けることなく軸方向に移動可能であることを保証するように設計される。

0022

図1C及び図1Dは、結果として生じた音響定在波の、周囲空洞圧力に相対的な圧力振幅の符号を示しており、圧力が正である空洞(101)領域(斜線部、115)又は負である空洞(101)領域(空白部、116)を示している。中心の圧力腹(121)及び外周の圧力腹(122)の、おおよその位置が示されている。圧力分布は、実質的に円対称性である。正の圧力領域(115)と、負の圧力領域(116)との間の境界には、円形圧力節(117)がある。このような圧力領域及び節が概略的に描かれたものを、ここでは、「モード構造」と名付けることにする。図1Cは、或る時点におけるモード構造を示しており、図1Dは、その半サイクル後におけるモード構造を示している。上述された音響定在波は、半径方向外向きに進行する音響波と、反射が生じる側壁(102)から半径方向内向きに進行する反射波とを重ね合わせた結果として生じる。半径方向の最大流体速度は、圧力節(117)においてであり、腹(121)及び(122)における半径方向の流体速度は、ゼロである。

0023

円筒空洞の場合は、空洞(101)内における圧力振動の振幅の、半径方向における依存性u(r)は、以下の等式によって記述されるように、第1種のベッセル関数によって近似されえる。

ここで、uは、圧力振幅であり、J0は、ベッセル関数であり、k0は、ベッセル関数定数であり、rは、半径方向の位置であり、aは、固有半径である。

0024

図1に示された空洞の場合は、圧力分布は、ベッセル関数定数k0≒3.8に依存し、
固有半径aは、空洞半径によって定められる。

0025

着目すべきは、アクチュエータ変位のモード形状は、空洞内における音響定在波の圧力分布に実質的に一致するように選択されているが、これらの二者間における位相関係は、固定されず、特定の位相関係が推測されるべきでないことである。

0026

図2A〜2Dは、本発明の一実施形態を示した実質的に円筒状のポンプ(200)の概略断面図であり、側壁(203)と、2つの側壁(204)及び(205)とによって、1つの空洞(209)が画定されている。空洞(209)は、アクチュエータ(206)を完全に取り囲み、アクチュエータ(206)は、2つの空洞領域、すなわち、上方空洞部分(201)と名付けられるアクチュエータ(206)の上方の領域と、下方空洞部分(202)と名付けられるアクチュエータ(206)の下方の領域とを画定する。重要なのは、アクチュエータは、空洞の中心の近くでは上方空洞部分と下方空洞部分とを分けているが、これらの両空洞部分は、アクチュエータを包み込む1つの連続した空洞を形成するように、外周では流体的に(流体を連通させる形で)接合されていることである。図2A〜2Dには、空洞内における音響共振を著しく妨害することなく空洞の中心でアクチュエータを保持するために必要とされる機械的なサポート構造が、示されていない。この機械的なサポート構造は、図4A〜4Dで説明される。

0027

図2Aは、アクチュエータ(206)が上方空洞部分(201)内へ変位されているときの、考えられる1つの駆動アクチュエータ変位形態を示している。湾曲した破線(211)は、アクチュエータ振動の或る時点におけるアクチュエータ変位を示している。図2Bは、アクチュエータ(206)が下方空洞部分(202)内へ変位しているときの、考えられる別の駆動アクチュエータ変位形態を示している。湾曲した破線(212)は、図2Aに示されたアクチュエータ変位形態(211)の半サイクル後におけるアクチュエータ変位を示している。この場合(図2A及び図2B)は、アクチュエータ変位は、アクチュエータの中心(213)に腹を、及びアクチュエータの端(214)に節を有する。図に示されたアクチュエータ変位は、誇張されている。アクチュエータは、空洞(209)によって完全に取り囲まれているので、アクチュエータのいかなる動きも、結果として、上方空洞部分(201)内及び下方空洞部分(201)内に等しく尚且つ反対の容積変化をもたらし、空洞(209)の全体容積は、一定にとどまる。図2C及び図2Dは、図2A及び図2Bによって説明されるアクチュエータ振動の結果として生じる音響定在波モード構造を示している。モード構造は、圧力が周囲空洞圧力に相対的に正である空洞(209)領域(斜線部、215)又は負である空洞(209)領域(空白部、216)を示している。2つの圧力腹(221)及び(222)のおおよその位置が示されている。正の圧力領域(215)と、負の圧力領域(216)との間の境界には、圧力節(217)がある。着目すべきは、節(217)が、実質的にアクチュエータの面内にあり、アクチュエータの外周から空洞の外周に広がっていることである。図2Cは、或る時点におけるモード構造を示しており、図2Dは、その半サイクル後におけるモード構造を示している。上述された音響定在波は、音響波が一方の空洞部分内の1つの圧力腹から半径方向外向きに進行し、アクチュエータの外周の周辺で進行し、次いで、もう一方の空洞部分内の第2の腹に向かって半径方向内向きに進行し、逆向きに伝搬している等価な進行波と組み合わさった結果として生じる。2つの圧力腹における、逆向きに伝搬している進行波どうしの重ね合わせは、結果として、アクチュエータに「巻き付く」定在波を形成し、これは、ここでは、「巻き付き定在波」と名付けられる。着目すべきは、これが、理想として1つの振動モードを形成することであり、空洞は、例えばその端における反射を最小限に抑えるように設計されるべきである。関連技術に記載されているポンプ(100)と異なり、ポンプ(200)の理想的な一実施形態では、音響波が空洞内で方々に進行するのに伴う側壁(203)からの音響波の反射がない。

0028

巻き付き定在波では、駆動アクチュエータの影響を受ける流体速度は、アクチュエータの端の周辺を通過する際の圧力節において最大であり、腹(222)及び(221)にお
いてゼロである。

0029

図2に示された空洞の場合は、上方空洞部分(201)内及び下方空洞部分(202)内における圧力振動の振幅の、半径方向における依存性u(r)は、次式によって記述されるように、第1種のベッセル関数によって近似されえる。

この場合は、固有半径aは、主にaAによって影響されるが、空洞半径aC及びアクチュエータアセンブリの厚さによっても影響され、これらは、それぞれ、巻き付き空洞腹間で進行する音響波の有効経路長に影響する。同様に、ベッセル関数定数k0は、主に空洞の設
計及び幾何学的形状に影響されるが、アクチュエータアセンブリの厚さ、及びaC−aAによって定められる外周の隔たりによっても影響される。これらの要素次第で、ベッセル関数定数k0には、おおよそ1.5<k0<2.5の幅がある。上方空洞部分と下方空洞部分との間における定在波の結合に影響する幾何学的特徴が、図5に関連して説明される。

0030

図3は、本発明(図3A)にしたがったポンプ(200)と、関連技術(図3B)にしたがったポンプ(100)とで、駆動アクチュエータの変位形態及び空洞の直径を示した概略断面図を比較している。これらの図面は、空洞の直径、及びアクチュエータの外周における取り付け条件の、相違を示している。前述のように、2つのポンプ(100)及び(200)における半径方向の圧力分布は、ベッセル関数定数k0及び固有半径aによっ
特徴付けられるベッセル関数によって記述される。したがって、同じ周波数で動作しているときの関連技術(100)と比べた本発明(200)の半径の減少は、k0及びaの
値を単位として定量化することができ、半径は、最大で40%減少する結果となる。

0031

いずれのポンプにおいても、アクチュエータの取り付けは、アクチュエータのモード形状が空洞内における圧力振動のモード形状に実質的に一致するように選択され、これは、関連技術において「モード形状一致」として説明されている条件である。これは、空洞内でアクチュエータが流体に対してなす働きが、流体の圧力振動に対して建設的に寄与し、それによってポンプの効率を向上させることを保証するものである。

0032

関連技術にしたがったポンプ(100)では、遮断体(105)は、アクチュエータの軸方向運動を可能にするように特別に設計され、結果として、アクチュエータの外周に変位の腹が位置し、アクチュエータの半径をaAとしてアクチュエータの外周以内における
半径がおおよそ0.63aAのところに節(118)が位置する。

0033

本発明のこの実施形態では、アクチュエータ及び関連のサポート構造は、空洞との著しいモード形状一致を提供するために、好ましくは、アクチュエータの軸方向運動がアクチュエータ全体にわたって実質的に同相であることを保証するように設計される。より好ましい一実施形態では、サポート構造は、アクチュエータ(206)の軸方向運動をその外周に実質的に制約し、結果として、変位の節(214)はアクチュエータの外周にくる。このような運動を可能にするための構造は、アクチュエータにその外周の近くで接触し、軸方向におけるアクチュエータの外周の運動を最小限に抑え、サポート構造に対してアクチュエータを小さく回転可能にすることが望ましい。サポート構造の一実施形態が、図7Dに関連して示されており、ここでは、アクチュエータの上方及び下方の軸方向ピンが、アクチュエータをその外周で締め付け、これは、ピン軸方向剛性ゆえに、軸方向におけるアクチュエータの外周の運動に対する抵抗を高くするとともに、ピンの先端とアクチュエータとの間の接触面積の小ささゆえに、アクチュエータの回転に対する抵抗を低くする。その他のサポート構造は、図7に関連して説明される。

0034

関連技術に記載されているポンプ(100)では、中心の腹(121)のみが、弁調整
式の開口によって便利にアクセス可能であり、圧力の節には、非弁調整式の開口がなければならず、したがって、これらの非弁調整式の開口は、アクチュエータ(104)又は端壁(103)に開ける必要がある。反対に、本発明にしたがったポンプ(200)では、音響定在波の腹(221)及び(222)が、ともに、端壁(204)及び(205)の中心にある弁調整式の開口によって便利にアクセス可能であり、非弁調整式の開口は、側壁(203)に開口を形成することによって、圧力の節(217)に便利に配置することができる。この構成は、性能、並びに設計及び組み立ての容易さの両方にとって有益である。

0035

図4A〜4Cは、本発明にしたがった幾つかの更なる実施形態のポンプ(400)の概略断面図である。ポンプ(400)は、アクチュエータ(406)を取り囲む、上方ポンプ本体(413)と下方ポンプ本体(408)とで形成される。アクチュエータ(408)は、アクチュエータの外周の周辺で流体が流れることを可能にするために実質的に開かれた構造を有するサポート構造(407)によって、ポンプ本体(413)及び(408)に取り付けられる。側壁(403)と、2枚の端壁(404)及び(405)とによって、1つの空洞(409)が画定される。空洞(409)は、アクチュエータ(406)を取り囲み、このアクチュエータ(406)は、空洞(409)を2つの領域、すなわち、上方空洞部分(401)と下方空洞部分(402)とに分ける。上方空洞部分及び下方空洞部分は、サポート構造(407)を通して流体的にリンクされている。2つの弁調整式の開口(410)及び(411)が、端壁(404)及び(405)の中心に位置付けられる。

0036

図4A〜4Cにおける矢印は、これらの実施形態のポンプを通る流体の流れの時間平均を示しており、これは、様々な配置をとる弁調整式及び非弁調整式の開口を通って空洞(409)に流体が出入りする結果として生じる。図4Aは、下方の端壁(405)の中心に位置付けられた弁調整式の開口から入り、サポート構造(407)の開放域を通り抜け、上方の端壁(404)の中心にある弁調整式の開口(400)から出ていく流体の流れの時間平均を示している。通常は、端壁の中心に弁調整式の開口を配置することによって、最適なポンプ流が実現されるが、弁調整式の開口は、端壁の中心の近くの随所に配置することができる。このように、「中心に」という表現は、「中心の近く」も意味することを意図している。

0037

図4Bは、側壁(403)にある非弁調整式の開口(412’)から空洞に入り、下方の端壁(405)の中心にある弁調整式の開口(411’)及び上方の端壁(404)の中心に位置付けられた第2の弁調整式の開口(410’)から出ていく流体を示している。或いは、非弁調整式の開口は、側壁(403)の近くでいずれかの端壁(404又は405)に開けられることもありえる。図に示された非弁調整式の開口は(412’)は、ポンプ(400)の外周の周辺に位置付けられてよい1つ以上の非弁調整式の開口を表している。最後に、図4Cは、弁調整式の開口(410”)及び(411”)から入り、側壁(403)における非弁調整式の開口(412”)から出ていく流体を示している。繰り返し述べるが、複数の非弁調整式の開口(412”)が存在していてよく、これらの非弁調整式の開口(412”)は、側壁(403)の近くでいずれかの端壁(404又は405)に開けられることもありえる。

0038

図5は、本発明にしたがったポンプ(500)の概略断面図であり、幾つかの重要な寸法を定めている。ポンプ(500)は、実質的に開かれたサポート構造(507)及びアクチュエータ(506)のあたりで上方ポンプ本体(513)と下方ポンプ本体(508)とを接合することによって形成される。上方ポンプ本体(513)は、高さがhUであ
る実質的に円筒状の側壁(503)と、実質的に円形の端壁(504)とを含み、これらは、サポート構造(507)及びアクチュエータ(506)に接合されたときに、上方空
洞部分(501)を画定する。下方ポンプ本体(508)は、高さがhLである実質的に
円筒状の側壁(503’)と、実質的に円形の端壁(505)とを含み、これらは、サポート構造(507)及びアクチュエータ(506)に接合されたときに、下方空洞部分(502)を画定する。上方ポンプ本体及び下方ポンプ本体は、接合されたときに、実質的に開かれたサポート構造(507)を通して流体的に接合される上方空洞部分(501)と下方空洞部分(509)とで形成される実質的に円筒状の空洞(502)を画定する。楕円形の空洞部分及びその他の実質円形の形状が使用されてもよい。空洞(509)は、端壁(505)の実質的に中心に位置付けられた弁調整式の流体入口(511)と、端壁(504)の実質的に中心に位置付けられた弁調整式の流体出口(510)とを提供される。

0039

アクチュエータ(506)は、端壁(504)及び(505)に実質的に平行な端壁(504)と端壁(505)との間の面内に設けられ、上方空洞部分(501)と下方空洞部分(509)との間にある。半径がaAであるアクチュエータ(506)は、実質的に
円筒状の金属ディスク(523)に取り付けられた実質的に円筒状の圧電ディスク(522)を含む。圧電ディスク及び金属ディスクは、組み立てを容易にするために、異なる直径であってよい。アクチュエータの合計厚さは、tAである。圧電ディスク(522)は
圧電材料で形成される必要はないが、例えば電歪材料又は磁歪材料などの、任意の電気的活性材料で形成されてよい。このように、「圧電ディスク」という用語は、電歪ディスク又は磁歪ディスクも範囲に含むことを意図している。

0040

アクチュエータ(520)の上面から上方の端壁(504)までの距離は、dUであり
、アクチュエータ(521)の底面から下方の端壁(505)までの距離は、dLである
空洞軸の半径aA以内の空洞及び端壁の領域は、これ以降、「内側領域」と称され、空
洞軸の半径aAよりも外側の空洞及び端壁の領域は、これ以降、「外側領域」と称される
。駆動されるときに、アクチュエータは、アクチュエータの面に実質的に垂直な方向に揺り動かされ(「軸方向振動」)、それによって、図2に関連して論じられたように、空洞内に定在波を発生させる。

0041

アクチュエータ(506)は、サポート構造(507)によって上方ポンプ本体(513)及び/又は下方ポンプ本体(508)に接続される。サポート構造(507)は、一方の空洞部分からもう一方の空洞部分へ流れる流体に対する流れ抵抗を最小限に抑えるために、上方空洞部分(501)の外側領域と下方空洞部分(502)の外側領域との間で実質的に開かれている。サポート構造(507)は、この例では、上方ポンプ本体(513)と下方ポンプ本体(508)との間で固定されているが、側壁(503)及び(503’)、並びに端壁(504)及び(505)の1つ以上に接続することもありえる。

0042

サポート構造(507)は、空洞内における半径方向の圧力分布、すなわちベッセル関数に一致するために、好ましくは、所望のアクチュエータ運動(211)及び(212)を促すべきである。図2A〜2Bに示された変位形態(211)及び(212)は、サポート構造(507)がアクチュエータの外周(514)の軸方向運動を著しく制約するがこの地点における「ヒンジ式」動作は可能にすることによって可能にされる。サポート構造(507)の更なる実施形態は、図6〜8を参照にして更に説明される。

0043

アクチュエータは、図2C〜2Dに関連して論じられた巻き付き定在波モードと矛盾しない、空洞内における流体の共振周波数と同様な周波数で駆動されることが好ましい。巻き付き定在波では、流体は、上方空洞部分及び下方空洞部分のそれぞれの内側領域では半径方向に振動し、これら2つの空洞部分の外側領域ではアクチュエータの外周に振動が「巻き付く」。(軸方向モードではなく)半径方向モードは、空洞半径が空洞高さの1.2倍を超えるときの、円筒空洞の最低周波数モードである。2つの空洞部分内における軸方
向モードの生成は、非効率性を招くだろうゆえに、望ましくないと考えられ、したがって、次のようであることが好ましいとされる。

0044

業者ならば、より高次の半径方向モードを空洞内に励起させることが可能であることがわかる。関連技術に記載されたように及び図1を参照にして説明されたように、音響波の反射ゆえに外周に圧力の腹(122)がくる半径方向モードを空洞内に励起させることが可能である。条件:

は、空洞内に励起される最低周波数モードが、側壁における反射を伴う純粋な半径方向モードではなく「巻き付き半径方向モード」であることを保証する。

0045

アクチュエータ半径は、次式によって、空洞内における流体の共振周波数fに関係付けられる。

ここで、cは、作動流体内における音の速度である。大半の流体では、115<c<1970m/sであり、これは、44<aA×f<754m/sであることに相当する。

0046

空洞内における定在圧力波の振幅は、アクチュエータ速度vと、流体の密度ρと、流体内における音速cとの積に、更に、空洞の幾何学的増幅係数α及び空洞の共振品質係数Qを乗じたものであると見なされてよい。

0047

幾何学的増幅係数αは、α=aA/2dで近似される。空洞のアスペクト比(その半径
対高さの比)を増加させることによって、アクチュエータの運動によって生成される音響圧力振動が大幅に増加する。好ましい一例では、増幅係数は、5よりも大きい。したがって、アクチュエータの半径対端壁までの距離の比は、上方空洞部分内及び下方空洞部分内に形成される内側領域が硬貨などと同様な円盤状であるように、aA/d>10であるこ
とが優先される。

0048

アスペクト比の限界は、粘性境界層厚さによって提供される。境界層は、境界表面のすぐ近くの、粘度による効果が重要である低運動量流体の領域を言う。境界層厚さ(δ)は、境界表面に垂直に測定され、次式によって与えられる。

ここで、μは、流体の粘度である。実際には、粘性境界層は、アクチュエータアセンブリと端壁との間における最短距離dの2分の1未満であることが好ましい。

多くの用途は、小さいポンプを、及びそれゆえに小さい空洞容積Vを必要とする。

実際には、ポンプの好ましい空洞容積は、V<1cm3である。

0049

前述のように、巻き付き定在波周波数は、主にアクチュエータ半径aAによって決まり
、アクチュエータアセンブリの厚さ及び空洞の半径から副次的な影響を受ける。好ましい一実施形態では、ポンプの運転周波数は、それが不可聴であるように18〜25kHzの範囲内であり、フラップ弁によって効果的に修正することができる範囲内である。この周波数範囲踏まえて、アクチュエータの半径を決定することができる。ポンプ容積を最小にするためには、空洞の半径を可能な限り小さくするべきであるが、これは、上方空洞部分(401)と下方空洞部分(402)とがあたかも1つの包み込まれた空洞として振る舞うように、これらの空洞部分間における流体の流れを比較的無制限にするための要件と、釣り合いをとる必要がある。

0050

空洞の幾何学的形状の設計は、空洞内の圧力波が上方空洞部分(501)と下方空洞部分(502)との間で進行するにつれてどのように反射又は伝搬するかに影響を及ぼす。好ましい一実施形態では、上方空洞部分と下方空洞部分との間で進行する圧力波は、最小限の波反射で効率的に伝搬する。音響波の反射は、波の道筋固体との境界がある結果として、又は進行波が上方空洞部分から下方空洞部分に及びその逆に進行するにつれて音響インピーダンスの変化することが原因で生じえる。

0051

サポート構造(507)は、音響波にとって避けられない障害として立ちはだかる。サポート構造(507)を流体が通り抜けるために利用可能な開放域A0は、空洞部分間に
おける流れ抵抗を最小限に抑えるために、及び音響波に立ちはだかって反射を招く恐れがある障害を最低限にするために、最大にされるべきである。理想を言うと、開放域A0は
、アクチュエータの外周と、空洞の側壁(503)及び(503’)との間における、サポート構造による障害なく利用可能な全域である。

実際には、サポート構造は、利用可能な開放域の最大半分を遮ることがありえる。

0052

好ましい一実施形態では、利用可能な開放域の10%未満が、サポート構造によって遮られる。

流体が上方空洞部分(501)から下方空洞部分(502)に流れるにつれて音響インピーダンスが大幅に変化することを回避するためには、アクチュエータ(506)と、空洞の壁(504)、(503)、(503’)、及び(505)との間に画定される流路の高さは、音響波がアクチュエータの周辺で進行する際に比較的一定にとどまるべきである。理想を言うと、流路の高さに変化がないことが望ましい。

0053

実際には、コンポーネント及びアセンブリ許容差によって、流路の高さが10の倍数で変化することが要求されるかもしれない。

0054

好ましい一実施形態では、流路の高さは、2の倍数で変化するかもしれない。

0055

アクチュエータ(506)の外周の周辺における流路を滑らかにすることによって、反
射音響波の更なる低減が実現されてよい。これは、側壁(503)及び(503’)と端壁(504)及び(505)との交点に半径を含めて流路の角(かど)を滑らかにすることによって実現されてよい。反射音響波の低減は、アクチュエータの角を滑らかにすることによっても実現されるだろう。

0056

図6は、本発明の一実施形態にしたがったポンプ(600)のアクチュエータ面の概略断面図である。図に示されたサポート構造(610)は、アクチュエータ(601)を側壁(603)に接続する8本の脚で形成されており、図2A〜2Bに示されるように、アクチュエータ(601)が軸方向振動に見舞われるときにアクチュエータの外周(604)が実質的に軸方向変位形態における節になるように、アクチュエータの運動をその外周(604)に制約している。サポート構造(610)は、流体が上方空洞部分と下方空洞部分との間で自由に流れることを可能にするために、8つの開口部(605)を提供する。音響波が上方空洞部分と下方空洞部分との間を通るときの音響波の反射を最小限に抑えるために、サポート構造は、開放域と比べて小さい。サポート構造は、3本以上の脚を有していてよい。サポート構造としては、多くの構成が考えられ、そのうちの1つが、図7及び図8に関連して説明される。

0057

図7A〜7Fは、更なる実施形態のサポート構造の例を示した概略断面図である。図7Aは、側壁(503)及び(503’)から伸びるサポート構造の一実施形態(701)を示しており、ここでは、適切なアクチュエータ運動を可能にするために、すなわち、図2で説明されたように、著しい軸方向運動を伴うことなく外周におけるアクチュエータの「ヒンジ式動作」を可能にするために、サポート構造の厚さは、アクチュエータの外周に近づくにつれて減少する。

0058

図7B及び図7Cは、2つのサポート構造(702)及び(703)がアクチュエータ(506)をその外周で捕捉する実施形態を示している。サポート構造は、アクチュエータのごく一部のみを捕捉することによって、アクチュエータがその外周を起点に回転することを可能にし、ただし、軸方向運動は阻止している。図7Bは、側壁(503)及び(503’)から伸びるサポート構造(702)を示している。図7Cは、側壁(503)及び(503’)並びに端壁(504)及び(505)から伸びるサポート構造(703)を示している。

0059

図7Dは、アクチュエータ(506)が2本の「ピン」サポート構造(704)及び(705)の間に捕捉される一実施形態を示している。これらのサポート構造は、アクチュエータにその外周近くでピン接触を提供することによって、アクチュエータの回転を可能にし、ただし、軸方向運動は阻止している。この場合は、サポート構造(704)及び(705)と、アクチュエータ(506)との間に、接着はなくてよい。

0060

図7Eは、アクチュエータが2つのサポート構造(706)及び(707)に接合される一実施形態を示しており、これらのサポート構造は、アクチュエータがポンプ本体(508)及び(513)の中に配置されるときに、アクチュエータに接合されてアクチュエータを位置決めしてよい。この場合は、サポート構造と、ポンプ本体(508)及び(513)との間に、接着はなくてよい。

0061

図7Fは、基板(708)及びサポート構造がともに同じコンポーネントで形成される一実施形態を示している。この実施形態では、圧電ディスク(522)が基板(708)に接合され、基板(708)は、円盤状の中心領域と、圧電ディスク(522)の外周よりも外側のサポート特徴とを有する。この場合は、サポート構造は、アクチュエータの「ヒンジ式」運動を提供するために、圧電ディスク(522)の外周の近くに薄くなった区域(710)を伴うものとして示されている。この特徴は、機械加工放電加工化学的
エッチング、又はその他の既知の技術によって実現されてよい。

0062

図7A〜7Fに示された実施形態では、サポート構造は、1つの単独構造、又はアクチュエータ(506)の外周に分布された複数の構造からなっていてよい。サポート構造は、ポンプ本体(513)及び(508)の一部として成形されてよい、又は別々のコンポーネントとして提供されてよい。又はアクチュエータアセンブリ(506)の一部を形成してよい。材料特性及び剛性は、構造全体で均一であってよい、又は均一でなくてよい。一実施形態では、サポート構造と基板(523)とが、同じコンポーネントであってよい。サポート構造と、アクチュエータと、ポンプ本体との間の接合は、接着、超音波溶接、締め付け、圧力嵌め、又は機械的、化学的、非機械的、若しくは非化学的でありえるその他の既知の方法によって実現されてよい。

0063

上述されたいずれの場合も、サポート構造は、著しい流れ制限を回避することはもちろん、構造を通り抜ける音響進行波の著しい反射も回避するべきである。

0064

図8A〜8Bは、上方空洞部分と下方空洞部分との間に開放域を伴う実施形態のサポート構造の例を示した概略平面図である。図8Aは、幾つかの個別のコネクタ要素、又は穿孔(802)を含む1枚のシートのいずれかである、サポート構造(801)の一例を示している。この実施形態は、サポート構造の幅を変化させることによって、空隙の外周(802)の近くには剛性を提供し、アクチュエータアセンブリ(601)の外周(804)の付近には更に柔軟性を持たせている。図8Bは、サポート構造を抜ける開放域を提供するために穿孔(802’)を伴う1つのコンポーネントで構成されたサポート構造(801’)を示している。この実施形態では、穿孔(802’)のサイズ及び形状は、例示的にすぎず、広範囲のサイズ及び形状が可能である。アクチュエータアセンブリ(601)の外周(804)の近くにおける柔軟性を可能にするために、シート構造は、1つ以上のパーツで構成されてよい。シート構造は、アクチュエータ基板を形成してもよい。

0065

図9A〜9Cは、アクチュエータ内の圧電ディスクへの電気接続を提供する3通りの方法を示した概略平面図である。図9Aは、導電性の基板(904)に圧電ディスク(902)が接着されたアクチュエータを示している。圧電ディスク(902)は、上方電極(901)と、下方電極(903)とを有する。これらの電極は、電極に電圧印可することによってアクチュエータが作動されることを可能にする。アクチュエータは、サポート構造(905)によって保持され、サポート構造(905)は、基板への及びそれゆえに下方電極(903)への電気接続も提供する。上方電極(901)への接続は、別個の接続(906)によって提供され、これは、ワイヤばね接点フレキシブルプリント回路、又はその他の電気接続形成方法であってよい。好ましい一実施形態では、接続(906)は、アクチュエータ運動の減衰を最小限に抑える。

0066

図9Bは、基板(914)に圧電ディスク(912)が接着されたアクチュエータを示している。圧電ディスク(912)は、上方電極(911)と、下方電極(913)とを有する。上方電極(911)は、上方電極を、下方電極(913)から隔離された圧電ディスクの下面の一部に電気的に接続する「巻き込み」電極(917)を有する。アクチュエータは、サポート構造(915)及び(916)によって保持され、これらのサポート構造は、「巻き込み」電極(912)を通じて上方電極(911)への、及び下方電極(913)への、2つの隔離された電気接続を提供する。

0067

一実施形態では、基板(914)、並びにサポート構造(915)及び(916)は、1つのコンポーネントであってよい。この実施形態では、基板/サポートコンポーネントは、2つの電極に選択的に接続するために表面上に一連導電性軌道が作成された絶縁材料で形成されてよい。代替の一実施形態では、基板/サポートは、絶縁層によって基板か
ら隔離された一連の導電性軌道が表面上に形成された金属材料であってよい。絶縁層は、金属コンポーネントの表面の陽極酸化絶縁被覆、又はその他の既知の方法によって実現されてよい。

0068

図9Cは、基板(924)に圧電ディスク(922)が接着されたアクチュエータを示している。圧電ディスク(922)は、上方電極(921)と、下方電極(923)とを有する。アクチュエータは、アクチュエータの上方及び下方に接触する2本の「ピン」サポート構造(927)及び(928)によって捕捉される。上部サポート(927)は、上方電極(921)への電気接続を提供し、下部サポート(928)は、導電性の基板(924)への及びしたがって下方電極(923)への電気接続を提供する。これらのサポート構造も、図7Dに関連して説明されたような、所望のアクチュエータ運動を提供しえる。

0069

図10は、関連技術(PCT/GB2009/050614出願)に記載されたフラップ弁の概略断面図を示しており、これは、高周波数圧力振動の修正を可能にするために使用されてよい。弁(1000)は、保持板(1014)と、封止板(1016)との間に拘束される弁フラップ(1017)を含む。保持板(1014)と、封止板(1016)との間のギャップ(「弁ギャップ」dgap)は、やはり弁フラップ(1017)を締め
ける環状のスペーサ層(1012)によって画定される。弁フラップ内の穴(1022)と、保持板内の穴(1018)とは、弁フラップ(1017)が上向きに付勢されて保持板(1014)に押し付けられるときに流体が流れることを可能にするために、位置を揃えられる(「開」位置)。弁フラップ内の穴(1022)と、封止板内の穴(1020)とは、弁フラップ(1017)が付勢されて封止板(1016)に押し付けられるときに流体を封止するために、位置をずらされる(「閉」位置)。使用時において、弁フラップ(1017)は、ポンプ空洞内における流体圧力を振動させて、弁にかかる圧力を交互させることによって、「開」位置と「閉」位置との間で動かされる。

0070

本発明の一実施形態では、18kHzから25kHzの間で動作する音響共振ポンプは、以下のような上方ポンプ本体及び下方ポンプ本体と、アクチュエータと、フラップ弁とを含む。

0071

上記の上方ポンプ本体及び下方ポンプ本体は、成形された又は機械加工された、プラスチック又は金属であってよく、それぞれ、2mmから90mmの間の空洞半径aCと、0
.1mmから5mmの間の側壁高さhと、各端壁の中心にある弁調整式の開口とを有する。より好ましくは、ポンプ本体は、空洞半径が約10mmで側壁高さが約0.5mmである成形プラスチックである。上方空洞及び下方空洞の端壁は、平坦であってよい、又は空洞の中心における圧力を強める形状であってよい。これを実現するための方法は、1つには、端壁を切頭円筒形にすることである。その結果、アクチュエータと端壁との間の隔たりは、空洞の中心では小さめであり、空洞の外周では大きめである。上記のアクチュエータは、サポート構造としても機能する基板に接着された、2mmから90mmの間の半径aAと、0.1mmから1mmの間の厚さとを有する圧電ディスクを含む。基板は、厚さ
が0.1mmから2mmの間であるシート状の鋼又はアルミニウムで作成され、半径がaAである中心のディスクが、内径がaCである外環に3本以上の「脚」によって接続されて形成される。これらの脚は、サポート構造におけるアクチュエータの「ヒンジ式動作」を可能にするために、幅又は厚さが可変であってよい。下方電極及び上方電極に電気接続が提供され、下方電極への電気接続は基板を介し、上方電極への電気接続は別個の電気接続であり、軽量ワイヤ又はばね接点であってよい。

0072

上記フラップ弁は、その中に、厚さが1μmから20μmの間である薄いポリマシートで弁フラップが形成されてよく、弁ギャップは、5μmから150μmの間であってよく
、保持板内、封止板内、及び弁フラップ内の穴は、直径が約20μmから500μmの間である。より好ましくは、保持板及び封止板は、厚さが約100μmであるシート状の鋼で形成され、化学的にエッチングされた穴は、直径が約150μmである。弁フラップは、ポリエチレンテレフタレート(PET)で形成され、厚さが約2μmである。弁ギャップ「dgap」は、20μm程度である。

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