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図面 (7)

課題・解決手段

メタボリックシンドローム、より詳細には脂肪性肝疾患治療における使用のための、ザクロ皮抽出物の利用。さらに詳細には、ザクロの皮抽出物は、哺乳動物における脂肪性肝疾患の予防及び/又は治療において体重増加の抑制に用いられる。

概要

背景

概要

メタボリックシンドローム、より詳細には脂肪性肝疾患治療における使用のための、ザクロ皮抽出物の利用。さらに詳細には、ザクロの皮抽出物は、哺乳動物における脂肪性肝疾患の予防及び/又は治療において体重増加の抑制に用いられる。なし

目的

本発明の目的は、特にメタボリックシンドローム治療の分野における、ザクロの皮の有用な適用を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

哺乳動物における脂肪性肝疾患の予防及び/又は治療の方法における体重増加の抑制における使用のための、ザクロ皮抽出物

請求項2

少なくとも30%のプニカラギンを含有する、請求項1に記載のザクロの皮抽出物。

請求項3

脂肪症を抑制するための、請求項1又は2に記載のザクロの皮抽出物。

請求項4

肝機能マーカーALT及びAST発現レベルを減少させるための、請求項1〜3のいずれか一項に記載のザクロの皮抽出物。

請求項5

前記哺乳動物がヒトである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のザクロの皮抽出物。

請求項6

前記哺乳動物は高脂肪食を摂取している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のザクロの皮抽出物。

請求項7

前記哺乳動物は25以上のボディマス指数を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のザクロの皮抽出物。

請求項8

前記ヒトは、非アルコール性脂肪性肝疾患罹患した患者である、請求項5に記載のザクロの皮抽出物。

請求項9

前記抽出物経口投与される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のザクロの皮抽出物。

請求項10

前記経口投与は、食品、飲料、栄養補助食品、又は医薬組成物を介して行われる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のザクロの皮抽出物。

請求項11

抽出物が1〜50mg/kg/日の用量で投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のザクロの皮抽出物。

技術分野

0001

本発明は、メタボリックシンドローム、より詳細には脂肪性肝疾患治療における使用のための、ザクロ皮抽出物の利用に関する。

発明の背景

0002

ザクロ(Punica granatum L.)は、地中海地方全域はヒマラヤに至るまで、東アジア、並びにアメリカ合衆国ではカリフォルニア及びアリゾナ栽培される小さな長命の木に実る、古くからの神秘的独特果実である。古来の歴史的な利用に加えて、ザクロは様々な疾患に対するいくつかの薬の体系で利用されている。ザクロの成分は相乗的に作用するように見える。この10年間に、がん心臓血管疾患、歯の状態、細菌感染及び抗生物質耐性、並びに紫外線誘発性の皮膚障害の、治療及び予防に主眼をおいた、ザクロの成分の抗酸化物質抗がん、及び抗炎症の特性について多数の研究が公表されている。加えて、ザクロについてのほとんどの研究は、葉、花及び種子に集中している。しかし、西洋諸国でザクロジュース製品がますます普及するようになって以来いまだに、ジュース廃棄物であるザクロの皮は興味を持たれていない。

0003

したがって、本発明の目的は、特にメタボリックシンドローム治療の分野における、ザクロの皮の有用な適用を提供することである。

0004

本発明の1つの態様では、哺乳動物の脂肪性肝疾患の予防及び/又は治療における使用のためのザクロの皮抽出物が提供される。

0005

本発明の好ましい実施形態では、ザクロの皮抽出物は少なくとも30%のプニカラギンを含有する。

0006

本発明のこれら及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図と共に本発明の実施形態の詳細な記載から当業者にさらに明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0007

図1ラット肝臓重量並びに肝機能マーカーであるアラニンアミノ基転移酵素ALT)及びアスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)についての、ザクロ抽出物(PE)補助食品及び高脂肪食(HFD)に関する図を示す。HFD及びPE処理の2か月後に、ラットの体重を測定し、屠殺後直ちに肝臓を採取し重量を測定した。結果を、(A)肝臓重量及び(B)全体重に対する割合として示した。ラット血清は屠殺後に採取し、血清中のALT及びASTを測定した。(C)相対的なALT活性;(D)相対的なAST活性。値は、N=15の平均±SEMである。正常対照に対する*p<0.05、**p<0.01、HFD対照に対する^p<0.05、^^p<0.01。
図2新鮮な肝組織写真を示す。肝組織はラットの屠殺後に採取した。新鮮な組織の写真(B)を撮影した後、HE染色(A)のためにパラホルムアルデヒドで固定した。
図3。肝臓における脂質生成に関する遺伝子の発現レベルについての図を示す。肝臓のmRNAを抽出し、脂質生成に関する遺伝子をリアルタイムPCRにより解析し、タンパク質を抽出してSREBP1をウェスタンブロットにより分析した。SREBP1、FAS、ACC1、SCD1のリアルタイムPCR結果を示す。値は、N=15の平均±SEMである。正常対照に対する*p<0.05、**p<0.01、HFD対照に対する^p<0.05、^^p<0.01。
図4。ラット肝臓の酸化状態におけるPE補助食品及びHFDの影響に関連する。肝臓のタンパク質を抽出し、カルボニル化タンパク質をタンパク質の酸化状態のマーカーとして測定した。肝臓のホモジネートを用いて、GSHを測定した。(A)カルボニル化タンパク質についての像;(B)相対的なGSH量。値は、N=15の平均±SEMである。正常対照に対する*p<0.05、**p<0.01、HFD対照に対する^p<0.05、^^p<0.01。
図5。ラット肝臓のミトコンドリア複合体の活性におけるPE補助食品及びHFDの影響に関連する。肝臓のミトコンドリアを単離し、ミトコンドリア複合体の活性を分析した。(A)相対的な複合体I、II、IVの活性;(B)複合体I〜Vのウェスタンブロット像。値は、N=15の平均±SEMである。正常対照に対する*p<0.05、**p<0.01、HFD対照に対する^p<0.05、^^p<0.01。
図6。ラット肝臓のミトコンドリアの動的な活性におけるPE補助食品及びHFDの影響に関連する。肝臓のmRNAを抽出し、ミトコンドリアの動態に関する遺伝子をリアルタイムPCRにより解析し、タンパク質を抽出してウェスタンブロットにより分析した。(A)Mfn1、Mfn2、OPA1、Drp1、Fis1のリアルタイムPCR;(B)Mfn1、Mfn2、OPA1、Drp1のウェスタンブロット像値は、N=15の平均±SEMである。正常対照に対する*p<0.05、**p<0.01、HFD対照に対する^p<0.05、^^p<0.01。
図7。免疫系及び腎臓におけるザクロの皮抽出物の毒性に関する。(A)血液中リンパ球(LYM)、(B)白血球(WBC)の数及び腎機能マーカーである(C)血中尿素窒素(BUN)及び(D)クレアチニン(CREA)における影響を評価した。値は、N=15の平均±SEMである。*p<0.05、**p<0.01。

0008

本発明は、哺乳動物の脂肪性肝疾患の予防及び/又は治療における使用のためのザクロの皮抽出物に関する。

0009

「ザクロの皮抽出物」とは、ザクロの皮(ザクロの外皮又はザクロの実皮とも言われる。)から得られる抽出物を表す。

0010

好ましくは、この抽出物は、少なくとも30%、好ましくは40%、より好ましくは50%、さらに好ましくは60%のプニカラギンを含有する。

0011

明細書中で使用する場合、単語「含む」、「含んでいる」、及び類似の単語は、限定的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「…を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。

0012

本発明によるザクロの皮抽出物は、エタノール水溶液のような水−アルコール溶液でザクロの皮を抽出することにより得ることができる。好ましくは、そのような溶液は0〜35体積%のエタノールを含む。

0013

例として、抽出物は以下により調製され得る:
原材料(ザクロの皮)を破砕する;
−エタノール水溶液を用いて、40〜80℃の温度で原材料を抽出する;
濃縮、ろ過し、得られた抽出物をカラムクロマトグラフィーを用いて分離する。

0014

「脂肪性肝疾患」とは、肝細胞トリグリセリド脂肪の大きな空胞蓄積している可逆的な状態を意味する(図2参照)。この疾患は、過度アルコール摂取又は肥満インスリン抵抗性の影響を伴う場合又は伴わない場合)などの複数の原因による場合がある。より特徴的には、体重増加が脂肪性肝疾患の1つの症状となり得る。

0015

本発明によるザクロの皮抽出物は、脂肪性肝疾患の予防及び/又は治療の方法における体重増加の抑制において使用される。

0016

このように本発明によるザクロの皮抽出物は、脂肪性肝疾患に罹患した患者の予防及び/又は治療のために用いられ得る。

0017

脂肪性肝疾患に罹患した患者、特に非アルコール性脂肪性肝疾患の患者に対しては、体重の漸減がしばしば唯一推奨となる。

0018

哺乳動物における体重増加の抑制は以下により計測され得る:
−ザクロ抽出物の投与前に哺乳動物を計量する;
− 哺乳動物の食餌を変更せずにザクロ抽出物を投与する;
− ザクロ抽出物の投与後に哺乳動物を計量する。

0019

好ましくは、ザクロ抽出物の投与は、1〜50mg/kg/日の用量で、好ましくは5〜30mg/kg/日の用量で毎日なされる。加えて、2回の計量の期間は、好ましくは1週間、より好ましくは1か月である。好ましくは、計量は毎週又は毎月など定期的に実施される。

0020

有利なことに、本発明によるザクロの皮抽出物は、高脂肪食を摂取している哺乳動物の体重増加及び肝臓重の増加を抑制することが示されている。

0021

より特徴的には、本発明によるザクロの皮抽出物は以下のことが可能である:
脂肪症を抑止する、及び/又は
肝機能マーカーALT及びASTの発現レベルを減ずる。

0022

脂肪症とは細胞内の脂質の異常な貯留を表す。

0023

ザクロの皮抽出物は、哺乳動物に、好ましくはヒトに投与される。そのような投与は、ヒトが高脂肪食を摂取している場合、及び/又は25以上のボディマス指数を有する場合に特に有利である。

0024

そのような投与は、非アルコール性脂肪性肝疾患に罹患した患者、特に脂肪症だけを示し炎症が見られない非アルコール性脂肪性肝疾患の患者に対しても、とりわけ意義がある。実際、PE補助食品が、食物摂取量が減らされない場合においても、体重増加を有意に抑制することが示されてきている。ザクロの皮抽出物は、特にSREBP1量及び脂質生成に関連する遺伝子の発現を抑制することによって、顕著に脂質生成を抑制することも見出された。そのような遺伝子は、例えば脂肪酸合成酵素(Fas)、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC1)、ステアロイルCoAデサチュラーゼ−1(SCD1)である。

0025

好ましくは、ザクロの皮抽出物は経口投与される。そのような投与は、食品、飲料、栄養補助食品、又は医薬組成物を介して行われ得る。特に、ザクロの皮抽出物は、粉ミルク、栄養/タンパク質粉末コーヒーミックスメイトチョコレートココア粉末粉チーズ砂糖甘味料のような粉末の製品に添加され得る。

0026

有利なことに、ザクロの皮抽出物は、1〜50mg/kg/日の用量で、好ましくは5〜30mg/kg/日の用量で投与される。

0027

本発明は、以下の実施例を参考としてさらに記載される。請求された本発明がこれらの実施例により限定されることが意図されていないことは理解されるであろう。

0028

実施例:脂肪肝の形成におけるザクロ抽出物(PE)の影響
本実施例は、PE処理が脂肪肝の形成に対してどの程度防御効果を示したかを記載する。したがって、肝組織を採取、計量した。その後、脂肪肝に対するPEの防御効果を調査するために種々の試験を用いた。特に、肝機能マーカー(ALT及びAST)を測定した。酸化状態及びミトコンドリア機能、脂肪肝形成の指標となり得るパラメータもまた解析された。そして、本研究で観察されたHFD食及びPE処理による脂質代謝及びミトコンドリア活性相違に関する、可能性のある作用機序について、SREBP1(ステロール調節因子結合タンパク質1)に媒介される脂質生成経路を分析した。

0029

1. 材料及び方法
1.1ザクロ抽出物(PE)の調製
ザクロ抽出物(PE)の粉末は、TianJing JF−Naturalによりザクロの皮から製造された。ザクロ抽出物は40%プニカラギン(乾燥重)となるよう規格化された。水とエタノールのみが全抽出工程で用いられた。

0030

1.2動物
180〜200gの30日齢の雄のスプラーグドーリーラットを商業ブリーダー(SLAC,Shanghai)から購入し、12時間の明暗サイクル、22℃のSPF特定病原体除去)環境に収容した。すべてのラットには7日間固形飼料を与え、環境と食餌に順応させた。過体重モデルは、高脂肪(HF)食(15%飽和脂肪、1%コレステロール、84%固形飼料)を与えることにより作製した。高脂肪を与えたラットを、HF対照群、HF+低ザクロ抽出物群(プニカラギン20mg/kg体重の用量となるPE50mg/kg体重)、及びHF+高ザクロ抽出物群(プニカラギン60mg/kg体重の用量となるPE150mg/kg体重)に無作為割付けた。対照群には固形飼料を与えた。各群は15頭とした。ザクロ抽出物は、HF食(HFD)と同時に投与した。ラットの体重及び食物消費量は週2回記録した。ラットはザクロ抽出物及びHF食を与えた2か月後に屠殺し、血液、肝臓、筋肉及び脂肪組織を採取し、−75℃で凍結した。ラットの体重が、ザクロ抽出物の効果を評価するための最も重要な指標として用いられた。

0031

1.3ALT/ASTの分析
ラットを屠殺した後、心臓穿刺により血液試料を採取し、遠心分離(3,000rpm、10分間)により血清を分離した。自動生化学分析装置(Hitachi Ltd.,Tokyo,Japan)を用いて、アラニンアミノ基転移酵素(ALT)、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)の量を分析した。

0032

1.4 GSHの分析
GSH量は、公表されている方法[8]により、2,3−ナフタレンジカルボキシアルデヒド(NDA)を用いて測定した。20μLの試料及び180μLのNDA誘導体化溶液(50mM Tris(pH10)、0.5N NaOH、及び10mM NDAのMe2SO溶液,v/v/v 1.4/0.2/0.2)を、96ウェルプレートの各ウェルに入れた。室内灯からウェルを防護するためにプレートカバーをして、室温で30分間保持した。NDA−GSHの蛍光強度は、蛍光プレートリーダー(Wallac 1420;PerkinElmer Life Sciences,Wellesley,MA)を用いて測定した(励起波長472/放出波長528)。

0033

1.5リアルタイムPCR
全RNAは、製造元の手順に従って、Trizol reagent(Invitrogen)を用いて肝臓試料から抽出した。逆転写は、PrimeScriptRT−PCR Kit(TaKaRa,DaLian,China)を用いて行い、続いて特異的プライマを用いた半定量リアルタイムPCRを実施した。mRNA量は、ハウスキーピング遺伝子である18S RNAのmRNAに対して標準化し、2−ΔΔCT法を用いて相対値として表した。

0034

1.6カルボニル化タンパク質の測定
肝臓試料は、Western andIP細胞溶解液(Beyotime,Jiangsu,China)を用いて溶解した。溶解物均質化し、BCA Protein Assay kitによりタンパク質濃度を測定した。肝臓の可溶性タンパク質中のタンパク質カルボニルは、Oxyblot protein oxidation detection kit(Chemicon International,Temecula,CA)により測定した。タンパク質カルボニルは、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンDNPH)により標識し、ウェスタンブロットにより検出した。

0035

1.7ミトコンドリア複合体の活性測定
NADH−CoQオキシドレダクターゼ(複合体I)活性は、測定緩衝液(0.5M Tris−HCl(pH8.1)、1%BSA、10μMアンチマイシンA、2mM NaN3、0.5mMコエンザイムQ1を含む10×緩衝液)に600nMとなるよう添加した2,6−ジクロロインドフェノール−インドフェノール(DCPIP)の還元モニタリングすることにより測定した[1]。ミトコンドリアタンパク質の終濃度を25μg/mLとした。200μMのNADHの添加により反応を開始し、600nmで2分間スキャンした。対照ブランクとしてロテノン(3μM)を反応系に添加した[2]。

0036

コハク酸−CoQオキシドレダクターゼ(複合体II)、CoQ−シトクロムCレダクターゼ(複合体III)、及びシトクロムCオキシダーゼ(複合体IV)の測定は[3−5]に記載のとおり実施した。簡潔には、複合体IIは、ミトコンドリア(終濃度25μg/mL)を含む測定緩衝液(0.5Mリン酸緩衝液(pH8.1)、1%BSA、10μMアンチマイシンA、2mM NaN3、0.5mMコエンザイムQ1を含む10×緩衝液)中で測定した。10mMのコハク酸で反応を開始し、30℃、600nmで2分間スキャンした。複合体IIIは、ミトコンドリア(終濃度10μg/mL)及び40μMのシトクロムCを測定緩衝液(1M Tris−HCl(pH7.8)、2mM NaN3、0.8% tween−20、1% BSA、2mMデシルユビキノールを含む10×緩衝液)に添加し、シトクロムCの還元を550nmでモニタリングすることにより測定した。1×測定緩衝液で反応を開始し、550nmで2分間スキャンした。複合体IVの解析には、50mMリン酸緩衝液(pH 7.0)、0.1% BSA、0.2% tween−20、及び40μM還元シトクロムCを含む測定緩衝液を用いた。3μg/mLのミトコンドリアの添加により反応を開始し、550nmで2分間スキャンした。

0037

複合体Vの活性は、オリゴマイシン感受性Mg2+−ATP加水分解酵素の活性として測定された[6]。この工程は、10mMHEES(pH8.0)、20mMコハク酸、20mMグルコース、3mM MgCl2、11mMAMP、0.75mMNADP+、10mMリン酸水素二カリウム、4u/mLヘキソキナーゼ、2u/mLグルコース−6−リン酸脱水素酵素及び60μg/mLミトコンドリアとなるよう添加し、340nmでNADPHの増加を測定することにより実施した[7]。1mMのADPの添加により反応を開始した。すべての測定は30℃で行われた。

0038

1.8統計解析
データは、平均±S.E.M.(平均の標準誤差)として表わされる。統計的有意性は、一元配置分散分析とそれに続くLSD事後解析により評価した。すべての比較において有意水準はp<0.05に設定した。

0039

2. 結果
2.1ラットの過体重及び脂肪蓄積におけるPE補助食品及びHFD
PE及びHFD処理の2か月後、ラットを計量し、食物摂取量を計測した。HFDは有意に体重増加を誘起することが可能であり、ラットは約13%の過体重であった。そして高用量のPE補助食品が、食物摂取量を減らさずともHFDによる体重増加を有意に減じることが明らかとなった(下記表1参照)。

0040

表1 体重及び食物摂取量

0041

2.2ラットの肝臓重量におけるPE補助食品及びHFD
HFD処理により、体重に対する肝臓重量の割合は有意な影響を受けることはなかったが、肝臓重量が増加することが明らかとなった。低及び高用量のPE補助食品はいずれも、肝臓重量及び体重に対する肝臓重量の割合を有意に減少することが可能であった(図1A、B)。

0042

2.3ラットの肝機能マーカーALT及びASTにおけるPE補助食品及びHFD
ALT及びASTは、肝細胞障害診断評価の一部として肝臓の健康状態を把握するためによく測定される。HFDが血清中のALT及びAST量を有意に増加することが可能であることをデータは示した(図1C、D)。低用量のPE処理は明瞭な効果を示さなかったが、高用量のPEにより血清ALT及びAST量が効果的に減少することが明らかとなった(図1C、D)。

0043

2.4ラット肝臓の脂質生成におけるPE補助食品及びHFD
主要制御因子であるSREBP1のmRNAはHFDにより有意に増加したが、他の研究と異なり、脂肪酸合成酵素(Fas)、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC1)、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1(SCD1)のような脂質生成に関連する遺伝子のHFDによる誘導は見られなかった(図4)。そこでSREBP1タンパク質の量を調べた。SREBP1の前駆体はHFDにより増加したが、成熟SREBP1は影響されなかった(図3)。この結果は、HFD誘導性の脂肪肝形成に脂質生成は関連しないということを示唆した。いずれにせよ、高用量のPE処理は、SREBP1及びその標的遺伝子であるFAS、ACC1及びSCD1を減少することによって、顕著に脂質生成を抑制することが可能であった(図3)。

0044

2.5ラット肝臓の酸化状態におけるPE補助食品及びHFDの影響
次に我々は肝組織の酸化状態を調査した。HFDがカルボニル化タンパク質の量を増加し、これらの量は高用量のPE補助食品により効果的に減じられることを、データは示した(図4A)。GSH量はHFDにより減じるどころか有意に増加し、これもまたPE処理により回復した(図4B)。

0045

2.6ラット肝臓のミトコンドリア複合体の活性におけるPE補助食品及びHFDの影響
ミトコンドリアがPEによる防護に関与するか否かを検証するために、我々はまず肝臓のミトコンドリアを単離し、ミトコンドリア複合体の活性を分析した。HFDが、他の3つの複合体の活性に何の影響も与えることなく、有意に複合体Iの活性を減ずること(図5A)及び複合体IIIの活性を増加すること(図5B)が明らかとなった。PE補助食品は、ミトコンドリア複合体Iの活性をHFD群に比べて改善することが可能であった(図5A)。さらに、PEは複合体II及びIVの活性も増加することが可能であった(図5A)。HFD及びPE処理のいずれも複合体Vの活性には影響を与えなかった(図5B)。

0046

2.7ラット肝臓ミトコンドリアの動的な活性におけるPE補助食品及びHFD
ミトコンドリアの動的な活性はミトコンドリア複合体の活性と密接に関連する。リアルタイムPCRの結果は、PE処理によりミトコンドリアの融合及び分裂タンパク質(Mfn1、Mfn2、OPA1、Drp1、Fis1)のmRNA量が有意に増加することを示した(図6A)。しかし、ウェスタンブロットの結果は、Drp1及びOPA1タンパク質の量はHFD又はPEにより影響されないこと、並びにMfn1及びMfn2タンパク質の量がHFDにより減少しPEにより明瞭に増加することを示した(図6B)。

0047

2.8ラットの免疫系及び腎臓におけるPE補助食品の毒性
HFD及びPE処理のいずれも、血液中のリンパ球(図7A)及び白血球(図7B)に影響を与えることはなかった。さらに、HFDは腎機能マーカーBUN(C)及びCREA(D)に影響しなかったが、低及び高用量のPEにより有意に血清中のBUN量が減少した。

0048

結論
HFD処理8週後のラットの体重と脂肪蓄積は通常食に比べて有意に高かった。本研究では、低PE用量(50mg/kg/日)及び高PE用量(150mg/kg/日)が用いられる。高用量のPEにより、HFDにより誘導された体重増加が有意に減少することが明らかとなった。

0049

一方、PEがいかなる毒性をも現さないことを確認するために、我々は血液細胞を分析し、腎機能マーカーを調査した。データは、PE補助食品が血液細胞に影響を与えないことを示した。毒性がある代わりに、むしろPEが腎機能を改善することが見出された。

0050

高用量のPE処理が、肝臓重量及び体重に対する肝臓重量の割合を効果的に減少できることも見出された。したがって、肝臓重量の減少は、HFDにより誘導された体重増加がPE処理により減少するという作用の機序の1つである可能性があると考えることができる。形態についての写真及びHE染色は、高用量のPEが脂肪肝形成を顕著に抑制するということを示した。高用量PEにより肝臓のトリグリセリド及びコレステロールが減少した。肝機能マーカーALT及びASTは、高用量PEにより正常へ回復した。すべてのデータは、PEがHFDにより誘導された脂肪肝形成を効果的に抑制し、肝機能を正常の水準に回復することができることを示唆した。

0051

PEがどの程度防護効果を有するのかをより深く理解するために、まず古典的なSREBP1経路が調査された。Fas、SCD1、Acc1のような脂質生成に関する遺伝子は、成熟SREBP1により活性化され、脂肪肝形成に関与する。これまでの研究と異なり、SREBP1の前駆体はHFDにより有意に増加するが、成熟SREBP1はHFDにより影響されないということをこれらの結果は示した。したがって、HFDにより脂質生成は活性化されなかった。にもかかわらず、PE処理はSREBP1の前駆体量及び脂質生成に関する遺伝子の発現を、HFD群に比較して有意に抑制することが明らかとなった。

0052

そして、肝臓における酸化ストレスの状態及びミトコンドリア機能が分析された。PE処理は、HFDにより誘導されたカルボニル化タンパク質の量及びGSH量の変化を効果的に回復することが可能であった。PE処理は、HFDにより誘導された複合体Iの活性減少を抑制することも可能であった。PE処理は複合体II及びIVの活性を、HFD群に比較して有意に増加することが可能であった。ここまですべてのデータは、PEがHFDにより誘導された脂肪肝形成を効果的に抑制することが可能であるということを示唆した。

0053

本発明は例を用いて記載されてきたが、請求項に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、変形形態及び変更形態がなされ得ることが理解されるべきである。さらに、既知の均等物が特定の特徴に存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に表されるかのように組み込まれる。

0054

参考文献:
[1] Trounce,I.A.;Kim,Y.L.;Jun,A.S.;Wallace,D.C. Assessment of mitochondrial oxidative phosphorylation in patient muscle biopsies,lymphoblasts,and transmitochondrial cell lines. MethodsEnzymol 264:484−509;1996.
[2] Sun,L.;Luo,C.;Long,J.;Wei,D.;Liu,J. Acrolein is a mitochondrial toxin:Effects on respiratory function and enzyme activities in isolated rat liver mitochondria. Mitochondrion 6:136〜142;2006.
[3] Humphries,K.M.;Szweda,L.I. Selective inactivation of alpha−ketoglutarate dehydrogenase and pyruvate dehydrogenase:reaction of lipoic acid with 4−hydroxy−2−nonenal. Biochemistry 37:15835〜15841;1998.
[4] Picklo,M.J.;Amarnath,V.;McIntyre,J.O.;Graham,D.G.;Montine,T.J. 4−Hydroxy−2(E)−nonenal inhibitsCNSmitochondrial respiration at multiple sites. J Neurochem 72:1617〜1624;1999.
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実施例

0055

本明細書内の先行技術文献を参照することはいずれも、かかる先行技術が周知であるか、又は当分野で共通の一般的な認識の一部を形成しているということを認めたものであるとみなされるべきではない。

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  • 国立大学法人金沢大学の「 ヌクレオチド除去修復阻害剤、それを含有する腫瘍治療の増強剤及び抗腫瘍剤」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】大量に入手し易く、簡素な化学構造であって、損傷を受けたヌクレオチドの除去修復を阻害する活性が強くて、毒性が低く安全性が高いヌクレオチド除去修復阻害剤、それを含有し原発巣の癌細胞のような腫瘍細胞... 詳細

  • 株式会社マンダムの「 口臭抑制剤」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】安全性が高く、経口摂取することが可能な口臭抑制剤を提供する。【解決手段】 ジュンサイ抽出物を含むことを特徴とする口臭抑制剤を提供する。前記の口臭抑制剤は、さらに、ルイボス抽出物及びリンゴンベ... 詳細

  • 阿万恵理の「 モリンガ発酵食品」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】モリンガを発酵させるのに最適な食品を選択し、モリンガの有効成分を強化させたモリンガ発酵食品を提供すること。【解決手段】モリンガに大豆乾燥粉砕物を混合し、当該モリンガを発酵させる。また、使用する... 詳細

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