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技術 S−アセチル グルタチオンの結晶形、その調製、および、医薬ならびに機能性食品製剤における使用

出願人 ニョシスソシエタペルアチオニ
発明者 ビアンキ、ダヴィドヴァレッティ、マルコバッツァ、パオラ
出願日 2014年11月6日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-551047
公開日 2017年1月12日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-501208
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード セル種類 GAパターン 伸縮バンド 評定値 粉末密度 質量損失 グルタチオン合成酵素 ディフラクトグラム
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図面 (14)

課題・解決手段

制御された条件下、水−アセトン、水−エタノールまたは水−メタノールの混合物、好ましくは、アセトンから、S−アセチルグルタチオン(SAG)を結晶化することで得られる、形態Aならびに形態Bと称される、S−アセチル グルタチオン(SAG)の二種の結晶形を開示する。該結晶形は、粉末X線回折IRスペクトル、ならびに、示差走査熱量測定により特徴付けられる。形態Aならびに形態Bは、医薬製剤あるいは機能性食品製剤の成分として、有利に使用することができる。

概要

背景

グルタチオン(GSH)は、その還元型形状では、優れた抗酸化剤となり、従って、高等生物に対する、フリーラジカルにより引き起こされる障害に対する防御を担う化合物である。S−アセチルグルタチオン(SAG)(図1参照)は、酸化に対して、GSHを保護し、そして、同時に、加水分解により、容易に、GSHを放出する、合成誘導体である。

GSHまたはγ−L−グルタミル−L−システニルグリシンは、グルタミン酸システインならびにグルシンを含んでなるトリペプチドであり、非典型的ペプチド結合、すなわち、γ−グルタミン酸中のカルボキシルと、システインの窒素とを繋ぐ結合により特徴付けられる。それは、動物ならびに植物細胞のいずれにも存在している、最も低い分子量を有する、主要なチオール化合物(総和の約95%)である。その役目は、その酸化(分子内ならびに分子間のS−Sジスルフィド架橋の形成を伴う)は、大半の場合、酵素あるいはタンパク質不活性化、あるいは、生物学的機能消失を引き起こす、多くの酵素ならびにタンパク質の−SH基を、還元状態に維持することである。

GSHは、人体により本来産生される、最も重要な細胞内抗酸化剤の一つであると考えられる。しかし、慢性性な酸化ストレスは、GSHの細胞内濃度を低減させ、そして、栄養補助食品の助けを借りて、その濃度を補充することは、しばしば、適当である。

食餌から、あるいは、栄養補助食品を使用して、得られる、GSHの摂取は、容易に、組織により利用されると、一般には、信じられているが、しかし、現実は、それは、「そのまま」では吸収されず、腸内に存在する、γ−グルタミルペプチド転移酵素によって、三つの構成アミノ酸へと加水分解される。吸収され、そして、血流中に導入された後、前記アミノ酸は、様々な組織に分配され、そして、アミノ酸の溜りを構成し、それを用いて、体細胞は、内因性のGSHを合成する。そのため、著しい吸収を保証するためには、高い経口用量を使用する必要がある。7名の健康なボランティアに、GSHを経口投与した後、グルタチオン、システインならびにグルタミン酸の血中濃度の増加を、Witschiらが評価した際、単回投与当たり、3gの用量までは、有意な増加は観測されなかった(Witschi A. at al., J. Clin. Pharmacol. 43(6), 667 1992)。

GSHの経口投与に対する、代替手段として、より良好なバイオアベイラビリティーを保証する、舌下投与を使用することが可能である。

最後に、医薬分野においては、例えば、シスプラチンまたはその類似体を用いた化学療法による、神経障害に対する予防として、GSHに基づく予防を、幾つかの症例では、非経口的投与筋肉内投与、あるいは、静脈内点滴投与によって、使用されている。

前駆体としても、SAGの利用は、体内の低減したGSH濃度を補充するための優れた代替手段である。実際、イオウ原子アセチル化は、GSHの変質を防止し、また、腸管壁を経由する吸収を容易にし、従って、細胞内への該分子の広範な透過を可能とする。

組織により吸収された、SAGは、細胞内のチオエステラーゼにより加水分解され、そして、アセチル基の加水分解によって、それを要求する生物学的機能の全てに利用可能な、還元型GSHを生成する。

先天性グルタチオン合成酵素欠損を患っている個人由来する線維芽細胞の培養へのSAGの添加は、GSHの細胞内濃度を効率的に補充することが可能であると証明されている(Okum J.G. et al., J. Inherit. Metab. Dis. 27(6)、783 2004)。

また、SAGは、血漿中ではより安定であり、そして、ウイルス感染によって低下された、GSHの細胞内濃度の補充において、GSHよりも効果的であることが証明されている(Vogel J.U. et al., Med. Microbiol. Immunol. 194, 55 2005)(Fraternale A. et al., Antiviral Res. 77, 120 2008)。最後に、SAGは、インヴィトロでは、いくつかのヒト癌細胞株において、アポトシス誘導する、興味深い非GSH依存活性を発揮する(Locigno R. et al., Int. J. Oncol. 20, 69 2002)。

概要

制御された条件下、水−アセトン、水−エタノールまたは水−メタノールの混合物、好ましくは、アセトンから、S−アセチルグルタチオン(SAG)を結晶化することで得られる、形態Aならびに形態Bと称される、S−アセチル グルタチオン(SAG)の二種の結晶形を開示する。該結晶形は、粉末X線回折IRスペクトル、ならびに、示差走査熱量測定により特徴付けられる。形態Aならびに形態Bは、医薬製剤あるいは機能性食品製剤の成分として、有利に使用することができる。

目的

その役目は、その酸化(分子内ならびに分子間のS−Sジスルフィド架橋の形成を伴う)は、大半の場合、酵素あるいはタンパク質の不活性化、あるいは、生物学的機能の消失を引き起こす、多くの酵素ならびにタンパク質の−SH基を、還元状態に維持することである

効果

実績

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請求項1

2θの値(°)として表記される、5.2、10.3、15.4、18.6、19.7、35.3、36.3±0.2の特有ピークを有する、それぞれ、1.54060Åならびに1.54439ÅのCuのKα1とKα2放射を使用して得られる、粉末X線回折ベクトルにより、特徴付けられる、形態Aと称される、S−アセチルグルタチオン(SAG)の結晶形

請求項2

2θの値(°)として表記される、20.4、21.1、25.1、25.7、27.0、27.6、27.9、32.7±0.2の特有なピークをも有する、粉末X線回折スベクトルにより、さらに特徴付けられることを特徴とする、請求項1に記載のSAGの結晶形。

請求項3

臭化カリウム基質中で得られる、特に、3344、1726、1687ならびに1663cm−1の特有な吸収バンドを具える、IRスペクトルにより特徴付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のSAGの結晶形態A。

請求項4

10.00℃/分の加熱速度において得られる、190℃〜210℃の間の吸熱融解ピークを有する、DSCダイヤグラムにより特徴付けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態A。

請求項5

208.2℃の吸熱的融解ピークを有する、DSCダイヤグラムにより特徴付けられることを特徴とする、請求項4に記載のSAGの結晶形態A。

請求項6

2θの値(°)として表記される、4.2、12.7、13.0、17.3、17.7、30.2±0.2の特有なピークを有する、それぞれ、1.54060Åならびに1.54439ÅのCuのKα1とKα2放射を使用して得られる、粉末X線回折スベクトルにより、特徴付けられる、形態Bと称される、S−アセチルグルタチオン(SAG)の結晶形。

請求項7

2θの値(°)として表記される、14.9、21.0、21.3、21.9、22.5、24.7、25.1、32.6±0.2の特有なピークをも有する、粉末X線回折スベクトルにより、さらに特徴付けられることを特徴とする、請求項6に記載のSAGの結晶形態B。

請求項8

臭化カリウム基質中で得られる、3370、3355、1701、1677ならびに1648cm−1の特有な吸収バンドを具える、IRスペクトルにより特徴付けられることを特徴とする、請求項6または7に記載のSAGの結晶形態B。

請求項9

10.00℃/分の加熱速度において得られる、180℃〜200℃の間の吸熱的融解ピークならびに約135℃の特徴的な吸熱ピークを有する、DSCダイヤグラムにより特徴付けられることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態B。

請求項10

191.4℃の吸熱的融解ピークを有する、DSCダイヤグラムにより特徴付けられることを特徴とする、請求項9に記載のSAGの結晶形態B。

請求項11

請求項1〜5のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態Aを得るための方法であって、下記のステップを含む:a)75℃〜80℃の範囲の温度で、水中に、SAGを溶解する;b)ステップa)で得られる溶液を、55℃より低い温度、好ましくは、45℃〜55℃の範囲の温度まで、急速に冷却し、引き続き初期結晶化が起こるまで、さらに冷却する;c)ステップb)中に得られる、塊を、60〜120rpmの速度の攪拌の存在下、20〜25℃まで冷却し、引き続き、2〜12時間の範囲の時間、該塊を、さらに攪拌する;d)ステップc)で得られる、懸濁液に、アセトンエタノールメタノールからなる群より選択される溶媒、好ましくは、アセトンを、ゆっくりと加え、引き続き、得られる懸濁液を、3℃〜7℃の範囲の温度に冷却する;e)ステップd)中に晶出する固形物回収することで、SAGの結晶形態Aが得られることを特徴とする、方法。

請求項12

請求項6〜10のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態Bを得るための方法であって、下記のステップを含む:a)75℃〜80℃の範囲の温度で、水中に、SAGを溶解する;b)ステップa)で得られる溶液を、55℃の温度に急速に冷却し、引き続き、アセトン、エタノール、メタノールからなる群より選択される溶媒、好ましくは、アセトンを、加える;c)ステップb)中に得られる、塊を、60〜120rpmの速度の攪拌の存在下、20〜25℃まで放冷し、引き続き、20〜25℃で、2〜12時間の範囲の時間、該塊を、さらに攪拌する;d)ステップc)で得られる、懸濁液を、3℃〜7℃の範囲の温度まで冷却する;e)ステップd)中に晶出する固形物を回収することで、SAGの結晶形態Bが得られることを特徴とする、方法。

請求項13

請求項1〜5のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態Aを含有する、機能性食品または医薬組成物

請求項14

請求項6〜10のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態Bを含有する、機能性食品または医薬組成物。

請求項15

機能性食品または医薬組成物の調製のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態Aの使用。

請求項16

機能性食品または医薬組成物の調製のための、請求項6〜10のいずれか一項に記載のSAGの結晶形態Bの使用。

技術分野

0001

本発明は、機能性食品組成物あるいは医薬組成物の調製のために有用である、S−アセチルグルタチオン新規結晶形に関する。

背景技術

0002

グルタチオン(GSH)は、その還元型形状では、優れた抗酸化剤となり、従って、高等生物に対する、フリーラジカルにより引き起こされる障害に対する防御を担う化合物である。S−アセチルグルタチオン(SAG)(図1参照)は、酸化に対して、GSHを保護し、そして、同時に、加水分解により、容易に、GSHを放出する、合成誘導体である。

0003

GSHまたはγ−L−グルタミル−L−システニルグリシンは、グルタミン酸システインならびにグルシンを含んでなるトリペプチドであり、非典型的ペプチド結合、すなわち、γ−グルタミン酸中のカルボキシルと、システインの窒素とを繋ぐ結合により特徴付けられる。それは、動物ならびに植物細胞のいずれにも存在している、最も低い分子量を有する、主要なチオール化合物(総和の約95%)である。その役目は、その酸化(分子内ならびに分子間のS−Sジスルフィド架橋の形成を伴う)は、大半の場合、酵素あるいはタンパク質不活性化、あるいは、生物学的機能消失を引き起こす、多くの酵素ならびにタンパク質の−SH基を、還元状態に維持することである。

0004

GSHは、人体により本来産生される、最も重要な細胞内抗酸化剤の一つであると考えられる。しかし、慢性性な酸化ストレスは、GSHの細胞内濃度を低減させ、そして、栄養補助食品の助けを借りて、その濃度を補充することは、しばしば、適当である。

0005

食餌から、あるいは、栄養補助食品を使用して、得られる、GSHの摂取は、容易に、組織により利用されると、一般には、信じられているが、しかし、現実は、それは、「そのまま」では吸収されず、腸内に存在する、γ−グルタミルペプチド転移酵素によって、三つの構成アミノ酸へと加水分解される。吸収され、そして、血流中に導入された後、前記アミノ酸は、様々な組織に分配され、そして、アミノ酸の溜りを構成し、それを用いて、体細胞は、内因性のGSHを合成する。そのため、著しい吸収を保証するためには、高い経口用量を使用する必要がある。7名の健康なボランティアに、GSHを経口投与した後、グルタチオン、システインならびにグルタミン酸の血中濃度の増加を、Witschiらが評価した際、単回投与当たり、3gの用量までは、有意な増加は観測されなかった(Witschi A. at al., J. Clin. Pharmacol. 43(6), 667 1992)。

0006

GSHの経口投与に対する、代替手段として、より良好なバイオアベイラビリティーを保証する、舌下投与を使用することが可能である。

0007

最後に、医薬分野においては、例えば、シスプラチンまたはその類似体を用いた化学療法による、神経障害に対する予防として、GSHに基づく予防を、幾つかの症例では、非経口的投与筋肉内投与、あるいは、静脈内点滴投与によって、使用されている。

0008

前駆体としても、SAGの利用は、体内の低減したGSH濃度を補充するための優れた代替手段である。実際、イオウ原子アセチル化は、GSHの変質を防止し、また、腸管壁を経由する吸収を容易にし、従って、細胞内への該分子の広範な透過を可能とする。

0009

組織により吸収された、SAGは、細胞内のチオエステラーゼにより加水分解され、そして、アセチル基の加水分解によって、それを要求する生物学的機能の全てに利用可能な、還元型GSHを生成する。

0010

先天性グルタチオン合成酵素欠損を患っている個人由来する線維芽細胞の培養へのSAGの添加は、GSHの細胞内濃度を効率的に補充することが可能であると証明されている(Okum J.G. et al., J. Inherit. Metab. Dis. 27(6)、783 2004)。

0011

また、SAGは、血漿中ではより安定であり、そして、ウイルス感染によって低下された、GSHの細胞内濃度の補充において、GSHよりも効果的であることが証明されている(Vogel J.U. et al., Med. Microbiol. Immunol. 194, 55 2005)(Fraternale A. et al., Antiviral Res. 77, 120 2008)。最後に、SAGは、インヴィトロでは、いくつかのヒト癌細胞株において、アポトシス誘導する、興味深い非GSH依存活性を発揮する(Locigno R. et al., Int. J. Oncol. 20, 69 2002)。

発明が解決しようとする課題

0012

多形形態の同定と特徴付け、ならびに、それを取得するための実験的条件の同定と特徴付けは、機能性食品および/または医薬用途のために設計される化合物においては、非常に重要な指標である。

0013

SAGの合成は、既に、日本国特許(Chemical Abstract 97-7222755s 参照)中、ならびに、WO92/00320A1中において、特許請求されている。しかし、それらの発明者らは、多形形態の存在に関しては、全く研究することなく、それを取得するための一般的手法を開示するのみである。

0014

上で述べたように、GSHの吸収には、多数の困難が関与しており、SAG誘導体の使用によって、それらは部分的に解決されている。しかし、様々な製剤を調製する際における、粉末の異なる挙動に言及するまでもなく、溶解速度、溶解性、従って、バイオアベイラビリティーにも影響する、異なる物理化学的特徴を有する、多形形態の存在は、前記化合物の吸収に対して、逆に、悪影響を及ぼす可能性がある。

0015

SAGの多形形態の存在を示唆する、結晶化ならびに乾燥化に関する、なんらかの実験的条件あるいは予備的な示唆は、いずれも特許ならびに特許出願中には、開示されていない。

図面の簡単な説明

0016

グルタチオン(GSH)とS−アセチルグルタチオン(SAG)の構造。
SAGの形態Aの1H−NMRスペクトル
SAGの形態Aの1H−NMRスペクトルの1.8〜5 ppmの範囲を拡大図。
SAGの形態Bの1H−NMRスペクトル。
SAGの形態Bの1H−NMRスペクトルの1.8〜5 ppmの範囲を拡大図。
SAGの形態AのXRDディフラクトグラム
SAGの形態BのXRDディフラクトグラム。
SAGの形態AのFT−IRスペクトル
SAGの形態BのFT−IRスペクトル。
SAGの形態Aの熱重量分析(TGA)。
SAGの形態Bの熱重量分析(TGA)。
SAGの形態AのDSCサーモグラム
SAGの形態BのDSCサーモグラム。
SAGの形態BのDSC冷却時サーモグラム

0017

本発明者らは、驚いたことには、SAGが、アモロファス形状のみでなく、機能性食品組成物あるいは医薬組成物の調製のために有用である、異なる物理化学的特性により特徴付けられる、少なくとも二つの多形形態でも存在することを、ここに見出した。

0018

本発明では、形態Aならびに形態Bと表記する、前記二つの多形形態が存在することの実験的な証拠は、溶液中、まらびに、固相状態で実施された、後述の解析により、提供される。

0019

1H−NMR分析にかけた該二つの多形形態の試料は、表記される化合物の化学式と非常に一致するスペクトルを示し(図2、2A、ならびに図3、3A)、溶液中において、両者の間にスペクトル上の差異は無いことを示している。

0020

逆に、固相状態の物質に対して、直接実施する分析は、明確に、多形形態の存在を実証している。

0021

XRD:
X線回折装置を用いて実施した分析は、二つの試料の結晶学的性質における有意な相違を示した(図4ならびに図5)。20以上の強度の回折ピーク個数は、それらは二つの異なるセル種類を有していることを明確に示しており、従って、同じ化学物質の二つの個別的な結晶形状が存在することを示している。

0022

表1ならびに表2は、それぞれ、多形形態Aならびに多形形態Bに関係する、最も分離されている、回折ピークを示す。太字で示される値は、二つの形態を特徴付けるピークに相当している。

0023

0024

0025

IR:
同様に、固相状態の物質について、FTIRにより測定されたスペクトルは、異なるスペクトル・バンドを示し(図6ならびに図7)、明確に、二つの異なる結晶形状の存在を明確に示している。形態Aは、(特に)3344cm−1の特徴的なNH伸縮バンドおよび1726、1687および1663cm−1の特徴的なカルボニル伸縮バンドを呈している。形態Aは、(特に)3370ならびに3355cm−1の特徴的なNH伸縮バンドおよび1701、1677および1638cm−1の特徴的なカルボニル伸縮バンドを呈している。

0026

1H−NMRスペクトルは、溶媒の存在を排除しているが、該サンプルを、熱分析、すなわち、TGAならびにDSCにもかけた。

0027

TGA:
二つのサンプルに対して実施された、熱重量分析は、無条件に、「溶媒和物」の存在を排除し、そして、150℃より遥かに高い温度において、分解に起因する、明確な質量損失を示している(図8ならびに図9)。

0028

DSC:
サーモグラムは、両多形形態において、200℃付近での分解を確認しており、そして、該吸熱的ピークは、形態Aでは、208.2℃、形態Bでは、191.4℃であるものの、融解を示すと誤解を生じさせる可能性がある、非常に鮮明な立ち上がりを呈しており、質量損失を伴う分解に関係している(図10ならびに図11)。

0029

しかし、形態Bでは、約135℃の弱い吸熱的現象の存在の点で、二つのサーモグラムは、相違している。完全に可逆的である、前記現象は、該化合物の冷却時サーモグラム中において、わずかに低い温度での、相同的な発熱的な現象として、見出すことができる(図12)。

0030

従って、これらのデータに基づき、SAGは、異なる物理化学的特性により特徴付けられる、少なくとも二つの多形形態、形態Aならびに形態Bで存在すると結論することが可能である。

0031

従って、本発明の一つの対象は、CuのKα1(λ=1.54060Å)とKα2(λ=1.54439Å)放射を使用して得られる、図4に示され、また、2θの値(°)として表記される、5.2、10.3、15.4、18.6、19.7、35.3、36.3±0.2の特有なピークを有する、粉末X線回折ベクトルにより、特徴付けられる、形態Aと称される、S−アセチルグルタチオン(SAG)の結晶形である。

0032

該XRDディフラクトグラム中、2θの値(°)として表記される、付加的な一群の特有の回折ピークは、20.4、21.1、25.1、25.7、27.0、27.6、27.9、32.7±0.2のピークで代表される。

0033

結晶形態Aは、臭化カリウム基質中で得られる、図6に示され、また、(特に、)3344、1726、1687ならびに1663cm−1の特有な吸収バンドを具える、IRスペクトルにより特徴付けられる。

0034

また、結晶形態Aは、10.00℃/分の加熱速度において得られる、図10に示され、また、該化合物の融解と結び付けられる、190℃〜210℃の間の吸熱的ピークを有し、引き続き、その他の無秩序な吸熱的事象を伴う、DSCパターンにより特徴付けられる。

0035

本発明の他の一つの対象は、CuのKα1(λ=1.54060Å)とKα2(λ=1.54439Å)放射を使用して得られる、図5に示され、また、2θの値(°)として表記される、4.2、12.7、13.0、17.3、17.7、30.2±0.2の特有なピークを有する、粉末X線回折スベクトルにより、特徴付けられる、形態Bと称される、SAGの結晶形である。該XRDディフラクトグラム中、2θの値(°)として表記される、付加的な一群の特有の回折ピークは、14.9、21.0、21.3、21.9、22.5、24.7、25.1、32.6±0.2のピークで代表される。

0036

結晶形態Bは、臭化カリウム基質中で得られる、図7に示され、また、(特に、)3370、3355、1701、1677ならびに1648cm−1の特有な吸収バンドを具える、IRスペクトルにより特徴付けられる。

0037

また、結晶形態Bは、10.00℃/分の加熱速度において得られる、図11に示され、また、該化合物の融解と結び付けられる、180℃〜200℃の間の吸熱的ピークを有し、引き続き、その他の無秩序な吸熱的事象を伴い、および、約135℃の特徴的な吸熱ピークを有する、DSCパターンにより特徴付けられる。

0038

本発明のさらなる対象は、SAGの結晶形態AならびにBを、高い収率化学的純度で作製する方法である。

0039

結晶形態AならびにBは、水−アセトン、水−エタノールならびに水−メタノール等の溶媒混合物、好ましくは、水−アセトンを用いて、SAGを結晶化することで得られる。

0040

特には、当業者であっても、容易に推定することができない、最も驚く知見は、前記の溶媒の混合物のいずれもが、多形形態Aならびに多形形態Bのいずれをも提供でき、そして、両者を区分する因子は、結晶化を引き起こす条件であることである。

0041

実際、水により結晶化が引き起こされる前に、晶出溶媒貧溶媒)を添加すると、多形形態Bが引き起こされるが、水のみで結晶化が引き起こされ、そして、貧溶媒を収率を増加させる(晶出を完了させる)ために添加する場合には、多形形態Aが得られる。この挙動は、水による結晶化の誘起許容されるが、産物の晶出が完了する前に、該溶媒(貧溶媒)を添加する場合における、多形形態Aならびに多形形態Bの双方の晶出によって、確認される。

0042

SAGの結晶形態Aは、下記のステップを含む方法により、調製することができる:
a)75℃〜80℃の範囲の温度で、水中に、SAGを溶解する;
b)ステップa)で得られる溶液を、55℃より低い温度、好ましくは、45℃〜55℃の範囲の温度まで、急速に冷却し、引き続き、初期の結晶化が起こるまで、さらに冷却する;
c)ステップb)中に得られる、塊を、(60〜120 rpmの)最小限の攪拌の存在下、20〜25℃まで冷却し、引き続き、2〜12時間の範囲の時間、該塊を、さらに攪拌する;
d)ステップc)で得られる、懸濁液に、アセトン、エタノール、メタノールからなる群より選択される溶媒、好ましくは、アセトンを、ゆっくりと加え、引き続き、得られる懸濁液を、3℃〜7℃の範囲の温度に冷却する;
e)ステップd)中に晶出する固形物回収することで、SAGの結晶形態Aが得られる。

0043

SAGの結晶形態Bは、下記のステップを含む方法により、調製することができる:
a)75℃〜80℃の範囲の温度で、水中に、SAGを溶解する;
b)ステップa)で得られる溶液を、55℃の温度に急速に冷却し、引き続き、アセトン、エタノール、メタノールからなる群より選択される溶媒、好ましくは、アセトンを、加える;
c)ステップb)中に得られる、塊を、(60〜120 rpmの)最小限の攪拌の存在下、20〜25℃まで放冷し、引き続き、20〜25℃で、2〜12時間の範囲の時間、該塊を、さらに攪拌する;
d)ステップc)で得られる、懸濁液を、3℃〜7℃の範囲の温度まで冷却する;
e)ステップd)中に晶出する固形物を回収することで、SAGの結晶形態Bが得られる。

0044

反対に、アモルファス形態は、該生産物水溶液を、噴霧乾燥することで得ることができる。

0045

該二つの多形形態Aならびに多形形態B、およびアモルファス形態は、特には、生産物の品質、安定性、水中での溶解速度、ならびに、紛体密度および流動性に関して、相違する物理化学的特性を呈する。

0046

様々な形態の品質、評価値、安定性
多形形態Aの結晶化は、GSSGの増加(約1%以上)を引き起こすため、多形形態Aならびに多形形態Bは、異なる量の酸化型GSH(GSSG)の存在によって、相違している。このGSSGは、反応環境に存在する、残留GSHの酸化のみでなく、最小限の量ではあるものの、結晶化の間のSAGの加水分解に起因するGSHの酸化にも由来している。加水分解ならびに対応する酸化を増加させる、乾燥条件に起因して、アモルファス形態において、GSSGの割合は、ずっと高い。SAGと同様に、GSSGも、吸収された後、GSHを補充することができるため、これは、製品の品質に悪影響を及ぼすことはない。

0047

多形形態Aならびに多形形態Bの試料に、熱ならびに機械的負荷曝す際、使用される条件下、一方の多形形態から他の多形形態への変換の可能性は見出されなかった。

0048

欧州薬局方(European pharmacopoeia:EP)の記載されるように、50℃、6か月間の加速安定性試験を実施することで、種々の固体形態の安定性を検証した。内部標準法(成分の面積%)ならびにSAGの評価値として、結果を表3中に示す。

0049

0050

表3中のデータにより判るように、アモルファス形態は、結晶性形態より、安定性はずっと劣り、そして、結晶性形態のうち、多形形態Bは、より高い純度と評価値により特徴付けられる。

0051

溶出速度
二つの結晶性形態のうち、形態Bは、最も速やかな溶出速度を有しており、従って、その溶出速度が吸収速度に影響する、経口用製剤に最も適している。アモルファス形態は、より速やかに溶出するのみで、しかし、生産物の品質と安定性は、該用途に適合していない。

0052

粉末密度
この観点に関しては、二つの結晶性形態の検討により、多形形態A(0.2〜0.25g/mL)よりも、多形形態Bは、より高い密度(0.4g/mL)を有することが実証される。この指標は、粉末の流動性と圧縮性に影響しており、従って、固体製剤、特には、錠剤調製用の用途に影響する。従って、多形形態Aの粉末は、より良好な流動性を呈する。

0053

SAGの多形形態Aならびに多形形態Bを、従来の手法と賦形剤を使用して、経口投与あるいは非経口投与に適合する医薬組成物または機能性食品組成物へと、製剤化することができる。

0054

従って、本発明の更なる対象は、SAGの多形形態Aならびに多形形態Bを含有する、医薬組成物または機能性食品組成物である。

0055

更なる対象は、医薬品または栄養補助食品の調製のための、SAGの多形形態Aならびに多形形態Bの使用である。

0056

更なる対象は、注入可能な非経口投与用の粉末化SAGを含有するバイアルの調製のための、SAGの多形形態Aならびに多形形態Bの使用である。

0057

下記の実施例は、本発明をより詳しく説明する。

0058


XRDスペクトルは、RIGAKU−MINIFLEX回折装置を用いて取得された。使用される放射線は、CuのKα1とKα2放射(それぞれ、λ=1.54060Åとλ=1.54439Å)であった。

0059

FTIRスペクトルは、Perkin−Elmer FTIR Spectrum−one 装置を用いて取得された。試料を、1:100希釈の、臭化カリウム錠剤として、真空排気せず、分析した。

0060

GAパターンは、Universal V2.6D TA装置を用いて取得された。調べた温度範囲は、10℃/分の走査速度で、0℃→300℃であった。

0061

DSCサーモグラムは、Perkin−ElmerDSC6 装置を用いて取得された。調べた温度範囲は、10℃/分の走査速度で、30℃→350℃であった。図12の場合、10℃/分の速度で、30℃から145℃まで加熱し、その後、試料を145℃で5分間保持し、そして、最終的に、10℃/分の速度で、145℃から30℃まで冷却することで、DSCサーモグラムは、取得された。

0062

1H−NMRスペクトルは、200MHzで動作する、Varian Gemini 200装置を用い、溶媒として、D2Oを使用して、取得された。

0063

例1
結晶形態AのSAGの調製
粗SAG5gを、攪拌下、40mLの脱イオン水中で、75℃まで加熱する。反応産物を、75℃〜80℃まで加熱する。溶解後、溶液を、55℃以下、好ましくは、45℃〜55℃の間の温度まで速やかに冷却する。結晶化が開始するまで、冷却を継続する。攪拌を最小限として、溶液を、20℃〜25℃まで冷却し、その温度で、晶出が完了するまで、攪拌下、2〜12時間保持する。引き続いて、最小限の攪拌下、さらに、40mLのアセトンを、約30〜50分間をかけて、添加する。添加は、多形形態Bの僅かな結晶の生成を防止するため、ゆっくりとする。その後、得られた縣濁液を、5℃±2℃とし、そして、緩やかな攪拌下(60〜120 rpm)、約1時間維持する。その時間の終了時、反応産物を濾過し、白色固形物を取得し、無水アセトン(2×10mL)で洗浄する。8.4gの湿った固形物が得られ、50℃、5mbarの減圧下、14〜18時間保持して、乾燥する。乾燥後、結晶形態Aに相当する、白色の結晶性固形物4.3g(86%)が取得される。

0064

取得される生産物の分析プロファイルは、下記の通りである:
評定値:98.6%(現品で)
不純物:合計: 1.0%;
個別の既知不純物:GSH (0.1%)、GSSG(2.2%);
水 :1.4%
残留アセトン: <500ppm
残留酢酸: 0.4%
嵩密度: 0.15〜0.25g/mL
取得された生産物は、図2ならびに図2Aに示す1H−NMRスペクトル、図4に示すXRDディフラクトグラム、図6に示すFTIRスペクトル、図8に示すTGAパターン、ならびに、図10に示すDSCサーモグラムを呈する。最も分離されている、回折ピーク、ならびに、その相対強度は、表1に示されている。

0065

例2
結晶形態BのSAGの調製
35mLの脱イオン水を75℃まで加熱する。前記温度に達したら、粗SAG5gを、ホッパーを用いて、一度に添加し、そして、最高温度が80℃を超えることなく。反応産物を、75℃まで戻す。産物が溶解したら、攪拌下、サンプルを採取して確認し、溶液を、55℃まで速やかに冷却し、そして、同じ温度で、40mLのアセトンを、約10分間をかけて、添加する。最小限の攪拌下(60〜120 rpm)、溶液を、20℃〜25℃まで放冷させる。攪拌下、混合物を同一温度で2〜12時間保持する。その後、5℃に冷却し、攪拌下、約1時間、同一温度で保持する。

0066

反応産物を濾過し、白色固形物を取得し、無水アセトン(2×10mL)で洗浄する。8.4gの湿った固形物が得られ、50℃、5mbarの減圧下、14〜18時間乾燥後、結晶形態Bに相当する、白色の結晶性固形物3.8gが取得される(収率76%)。

0067

取得される生産物の分析プロファイルは、下記の通りである:
評定値:99.3%(現品で)
不純物:合計: 0.8%;
個別の既知不純物:GSH (0.1%)、GSSG(1.1%);
水 :1.2%
残留アセトン: <0.1%
嵩密度: 0.25〜0.40g/mL
取得された生産物は、図3ならびに図3Aに示す1H−NMRスペクトル、図5に示すXRDディフラクトグラム、図7に示すFTIRスペクトル、図9に示すTGAパターン、ならびに、図11ならびに図12に示すDSCサーモグラムを呈する。最も分離されている、回折ピーク、ならびに、その相対強度は、表2に示されている。

0068

例3
結晶形態AならびにBのSAGの調製
35mLの脱イオン水を75℃まで加熱し、その後、粗SAG5gを、ホッパーを用いて、一度に添加する。そして、最高温度が80℃を超えることなく。反応産物を、75℃まで加熱する。産物が溶解したら、攪拌下、サンプルを採取して確認し、溶液を、35℃と45℃の範囲の温度まで冷却する。最小限の攪拌下(60〜120 rpm)、同じ温度で、40mLのアセトンを、約10分間をかけて、添加する。温度を、20℃〜25℃まで放冷させる。添加の完了時、溶液は混濁を示す。攪拌下、溶液を同一温度で2〜12時間保持し、その後、5℃に冷却し、攪拌下、約1時間、同一温度で保持する。

0069

反応産物を濾過し、無水アセトン(2×10mL)で洗浄する。50℃、5mbarの減圧下、14〜18時間乾燥後、同類の結晶形態Aならびに結晶形態Bに相当する、白色の結晶性固形物4.0gが取得される。

実施例

0070

嵩密度: 0.35g/mL

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