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課題・解決手段

関節リウマチクローン病および潰瘍性大腸炎のような自己免疫疾患診断および治療するための方法、キットおよび組成物

概要

背景

血漿カリクレイン(pKal)は、循環系における主要なブラジキニン産生酵素であり、かつ血漿カリクレイン−キニン系(KKS)の構成要素である(Colman,R.W.およびSchmaier,A.H.(1997)Blood90、3819−3843)。pKalの活性化は、接触系を介して起こり、このことは遺伝性血管浮腫HAE)に関連する疾患病理の原因であることが実証されている(Zuraw,B.L.およびChristiansen,S.C.(2008)Expert Opin Investig Drugs17、697−706)。ブラジキニンは、疼痛、炎症、浮腫および血管新生の重要な媒介因子である(Maurer,M.ら(2011)Allergy66、1397−1406;Colman,R.W.(2006)Curr Pharm Des12、2599−2607)。

概要

関節リウマチクローン病および潰瘍性大腸炎のような自己免疫疾患診断および治療するための方法、キットおよび組成物

目的

一態様において、本開示は対象における自己免疫疾患(例えばRA、CDもしくはUC)の診断方法を提供し、ここで方法は、(i)自己免疫疾患を有することが疑われる対象の生物学的試料(例えば、血清試料もしくは血漿試料)を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

対象において自己免疫疾患診断する方法であって、前記方法が、自己免疫疾患を有することが疑われる対象の生物学的試料を提供するステップ;前記生物学的試料中切断型高分子量キニノーゲン(HMWK)の濃度を測定するステップ;および前記生物学的試料中の切断型HMWKの濃度が対照試料と比較して上昇している場合に、対象が自己免疫疾患を有しているかまたは自己免疫疾患の危険性があると識別するステップ;を含む、方法。

請求項2

前記自己免疫疾患が、関節リウマチクローン病、もしくは潰瘍性大腸炎である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記生物学的試料が血清試料もしくは血漿試料である、請求項1もしくは2に記載の方法。

請求項4

前記生物学的試料が、その採取後に前記生物学的試料へと添加される一つもしくはそれ以上のプロテアーゼ阻害剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

切断型HMWKの濃度が、切断型HMWKに特異的な結合剤を含むアッセイによって測定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記結合剤が抗体である、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記アッセイが、酵素結合免疫吸着測定法ELISA)もしくはイムノブロットアッセイである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記アッセイがLiCor検出を含むウェスタンブロットアッセイである、請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記対象に自己免疫疾患の治療を施すことをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

前記対象が、有効量の血漿カリクレイン(pKal)阻害剤投与される、請求項9に記載の方法。

請求項11

対象における自己免疫疾患の進行を監視する方法であって、前記方法が、第一の時点において、自己免疫疾患を有することが疑われる対象の第一の生物学的試料を提供するステップ;前記第一の生物学的試料中の切断型高分子量キニノーゲン(HMWK)の第一の濃度を測定するステップ;前記第一の時点に続く第二の時点における前記対象の第二の生物学的試料を提供するステップ;前記第二の生物学的試料中の切断型HMWKの第二の濃度を測定するステップ;および前記第一のおよび第二の生物学的試料中の切断型HMWKの濃度変化に基づいて対象における自己免疫疾患の進行を判定するステップを含み、ここで切断型HMWKの第二の濃度が切断型HMWKの第一の濃度よりも高いことが、自己免疫疾患が対象において進行していること、または対象が自己免疫疾患を発症したこともしくは自己免疫疾患を発症する危険性があることを示す、方法。

請求項12

前記自己免疫疾患が、関節リウマチ、クローン病、もしくは潰瘍性大腸炎である、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記第一のおよび第二の生物学的試料が血清試料もしくは血漿試料である、請求項11もしくは12に記載の方法。

請求項14

前記第一の生物学的試料、前記第二の生物学的試料またはその両方が、その採取後に前記生物学的試料に添加される一つもしくはそれ以上のプロテアーゼ阻害剤を含む、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

切断型HMWKの前記第一のもしくは第二の濃度が、切断型HMWKに特異的な結合剤を含むアッセイによって測定される、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

前記結合剤が抗体である、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記アッセイが、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)もしくはイムノブロットアッセイである、請求項15もしくは16に記載の方法。

請求項18

前記アッセイがLiCor検出を含むウェスタンブロットアッセイである、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

前記対象に自己免疫疾患の治療を施すことをさらに含む、請求項11〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

前記対象が、有効量の血漿カリクレイン(pKal)阻害剤を投与される、請求項19に記載の方法。

請求項21

患者における自己免疫疾患の治療効果を判定する方法であって、前記方法が、治療の過程において自己免疫疾患の治療を施される患者の複数の生物学的試料を提供するステップ;前記複数の生物学的試料中の高分子量キニノーゲン(HMWK)の濃度を測定するステップ;ならびに治療の過程における、切断型HMWKの濃度の変化に基づいて、前記患者における治療効果を判定するステップを含み、治療の過程において切断型HMWKの濃度が減少する場合、患者において治療が有効であることを示す、方法。

請求項22

前記自己免疫疾患が、関節リウマチ、クローン病、もしくは潰瘍性大腸炎である、請求項19に記載の方法。

請求項23

前記治療が少なくとも一つの血漿カリクレイン阻害剤を含む、請求項21もしくは22に記載の方法。

請求項24

前記複数の生物学的試料の少なくとも一つが血清試料もしくは血漿試料である、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。

請求項25

前記複数の生物学的試料の少なくとも一つが、その回収後に前記試料へと添加される一つもしくはそれ以上のプロテアーゼ阻害剤を含む、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。

請求項26

前記複数の生物学的試料中の切断型HMWKの濃度が、切断型HMWKに特異的な結合剤を含むアッセイによって測定される、請求項21〜25のいずれか1項に記載の方法。

請求項27

前記結合剤が抗体である、請求項26に記載の方法。

請求項28

前記アッセイが、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)もしくはイムノブロットアッセイである、請求項26もしくは27に記載の方法。

請求項29

前記アッセイがLiCor検出を含むウェスタンブロットアッセイである、請求項26〜28のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本願は、2013年10月21日に出願された米国仮特許出願第61/893,542号の出願日の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

血漿カリクレイン(pKal)は、循環系における主要なブラジキニン産生酵素であり、かつ血漿カリクレイン−キニン系(KKS)の構成要素である(Colman,R.W.およびSchmaier,A.H.(1997)Blood90、3819−3843)。pKalの活性化は、接触系を介して起こり、このことは遺伝性血管浮腫HAE)に関連する疾患病理の原因であることが実証されている(Zuraw,B.L.およびChristiansen,S.C.(2008)Expert Opin Investig Drugs17、697−706)。ブラジキニンは、疼痛、炎症、浮腫および血管新生の重要な媒介因子である(Maurer,M.ら(2011)Allergy66、1397−1406;Colman,R.W.(2006)Curr Pharm Des12、2599−2607)。

発明が解決しようとする課題

0003

要約
本開示は、切断型高分子量キニノーゲン(HMWK)の濃度が、関節リウマチ(RA)、クローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)のような自己免疫疾患を有する患者で上昇するという知見に基づく。したがって、本明細書において、切断型HMWKの濃度に基づく、RA、CDもしくはUCのような自己免疫疾患の診断、自己免疫疾患の進行の監視、または自己免疫疾患の治療効果の判定のための方法が開示される。

課題を解決するための手段

0004

一態様において、本開示は対象における自己免疫疾患(例えばRA、CDもしくはUC)の診断方法を提供し、ここで方法は、(i)自己免疫疾患を有することが疑われる対象の生物学的試料(例えば、血清試料もしくは血漿試料)を提供するステップ;(ii)該生物学的試料中の切断型高分子量キニノーゲン(HMWK)の濃度を測定するステップ;ならびに(iii)該生物学的試料中の切断型HMWKの濃度が対照試料と比較して上昇している場合に、対象が自己免疫疾患を有しているかまたは自己免疫疾患の危険性があると識別するステップを含む。

0005

ある実施態様において、切断型HMWKの濃度は、切断型HMWKに特異的である結合剤(例えば抗体)を含むアッセイによって測定される。アッセイは、酵素結合免疫吸着測定法ELISA)、もしくは、例えばLiCor検出を含むウェスタンブロットアッセイのようなイムノブロットアッセイであり得る。

0006

方法は、対象に自己免疫疾患の治療を施すことをさらに含み得る。ある実施態様において、対象は、例えば本明細書に記載されるもののような血漿カリクレイン(pKal)阻害剤の有効量を投与される。

0007

別の態様において、本開示は、対象における自己免疫疾患(例えばRA、CDもしくはUC)の進行を監視する方法を提供し、方法は、(i)第一の時点において、自己免疫疾患を有していることが疑われる対象の第一の生物学的試料を提供するステップ;(ii)該第一の生物学的試料中の高分子量キニノーゲン(HMWK)の第一の濃度を測定するステップ;(iii)該第一の時点に続く第二の時点における該対象の第二の生物学的試料を提供するステップ;(iv)該第二の生物学的試料中の切断型HMWKの第二の濃度を測定するステップ;ならびに(v)該第一のおよび第二の生物学的試料中の切断型HMWKの濃度変化に基づいて対象中の自己免疫疾患の進行を判定するステップを含む。切断型HMWKの第二の濃度が切断型HMWKの第一の濃度よりも高い場合、自己免疫疾患が対象において進行していること、または対象が自己免疫疾患を発症したこともしくは自己免疫疾患を発症する危険性を持つということを示す。

0008

ある実施態様において、第一の生物学的試料、第二の生物学的試料、もしくはその両方は、血清試料もしくは血漿試料である。他の実施態様において、切断型HMWKの第一のもしくは第二の濃度は、切断型HMWKに特異的な結合剤(例えば抗体)を含むアッセイによって測定される。ある例において、アッセイは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、もしくは、例えばLiCor検出を含むウェスタンブロットアッセイのようなイムノブロットアッセイであってよい。

0009

方法は、対象に自己免疫疾患の治療を施すことをさらに含み得る。ある実施態様において、対象は、本明細書に記載されるもののような血漿カリクレイン(pKal)阻害剤の有効量を投与される。

0010

さらに、本開示は、患者における自己免疫疾患(例えばRA、CDもしくはUC)の治療効果を判定する方法を提供し、方法は、(i)治療の過程において自己免疫疾患の治療を施される患者の複数の生物学的試料(例えば、血清試料もしくは血漿試料)を提供するステップ;(ii)該複数の生物学的試料中の高分子量キニノーゲン(HMWK)の濃度を測定するステップ;ならびに(iii)治療の過程における切断型HMWKの濃度の変化に基づいて、患者における治療効果を判定するステップを含む。治療の過程において、切断型HMWKの濃度が減少する場合、患者において治療が有効であることを示す。

0011

ある実施態様において、治療は例えば本明細書に記載されるもののような血漿カリクレイン阻害剤の少なくとも一つを含む。他の実施態様において、複数の生物学的試料中の切断型HMWKの濃度は、切断型HMWKに特異的な結合剤(例えば抗体)を含むアッセイによって測定される。ある例において、アッセイは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、もしくは、例えばLiCor検出を含むウェスタンブロットアッセイのようなイムノブロットアッセイである。本明細書に記載される任意の方法において、そこで使用される生物学的試料は、採取の後に生物学的試料に添加されるプロテアーゼ阻害剤もしくはプロテアーゼ阻害剤カクテルを含み得る。

0012

該方法において有用なカリクレイン阻害剤は、例えば血漿カリクレイン(pKal)阻害剤であり得る。ある実施態様において、阻害剤は血漿カリクレイン阻害剤である。

0013

該方法において有用なカリクレイン阻害剤は、当技術分野に公知であるかもしくは本明細書に記載されるKunitzドメインポリペプチド、そのような任意のKunitzドメインを含むより大きなポリペプチド(カリクレイン阻害剤ポリペプチドが、標準的なアッセイでの測定により、カリクレインに結合し、かつカリクレインを阻害することを条件として)、カリクレイン結合タンパク質(例えば、例えば抗血漿カリクレイン抗体のような抗体)、または本明細書に記載される他のカリクレイン阻害剤のいずれかであり得る。

0014

pKal活性を阻害できる例示的なKunitzドメインペプチドは:Glu Ala Met His Ser Phe Cys Ala Phe Lys Ala Asp Asp Gly Pro Cys Arg Ala Ala His Pro Arg Trp Phe Phe Asn Ile Phe Thr Arg Gln Cys Glu Glu Phe Ile Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Gln Asn Arg Phe Glu Ser Leu Glu Glu Cys Lys Lys Met Cys Thr Arg Asp(配列識別番号2;SX−88)、もしくは配列識別番号2のアミノ酸3〜60のようなそれらの断片を含む。

0015

ある実施態様において、カリクレイン阻害剤は、Kunitzドメインのフレームワーク領域ならびにDX−88ポリペプチドの第一のおよび第二の結合ループ領域を含むかまたはそれらからなる。

0016

ある実施態様において、カリクレイン阻害剤は、配列識別番号2のアミノ酸3〜60の約58アミノ酸配列もしくは配列識別番号2の60アミノ酸配列を持つDX−88ポリペプチドを含むかまたはそれらからなる。

0017

ある実施態様において、カリクレイン阻害剤は、血漿カリクレイン結合タンパク質(例えば、例えば本明細書に記載される抗血漿カリクレイン抗体のような抗体)を含む。

0018

ある実施態様において、結合タンパク質(例えば、例えばヒト抗体のような抗体)は、本明細書に記載されるタンパク質と同じエピトープに結合するか、もしくは本明細書に記載されるタンパク質と結合に関して競合する。

0019

ある実施態様において、本明細書に記載されるタンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる群より選択される。そのような結合タンパク質は、例えばPCT公開WO2012/094587および米国特許出願公開US2010183625に記載され、その両方とも参照によって本明細書にその全ての内容が組み込まれる。

0020

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、X81−B01、X67−D03、X101−A01、M162−A04、X115−F02、X124−G01もしくはX63−G06と競合するか、またはそれらと同じエピトープを持つ。

0021

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、プレカリクレイン(例えばヒトプレカリクレイン)には結合しないが、血漿カリクレイン(例えばヒト血漿カリクレイン)の活性型には結合する。

0022

ある実施態様において、該タンパク質は、血漿カリクレインもしくはその断片の触媒ドメイン活性部位もしくはその近傍に結合するか、または血漿カリクレインの活性部位と重なるエピトープに結合する。

0023

ある実施態様において、該タンパク質は、血漿カリクレインの触媒三残基:His434、Asp483および/もしくはSer578(番号はヒトの配列に基づく)を形成する一つもしくはそれ以上のアミノ酸に結合する。他の実施態様において、該タンパク質は、Ser479、Tyr563および/もしくはAsp58(番号はヒトの配列に基づく)の一つもしくはそれ以上のアミノ酸に結合する。さらに他の実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、Arg551、Gln553、Tyr555および/もしくはArg560(アミノ酸の位置の番号はヒトカリクレイン配列に基づく)の一つもしくはそれ以上のアミノ酸に結合する。さらに他の実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、Ser478、Asn481、Ser525および/もしくはLys526(アミノ酸の位置の番号はヒトカリクレイン配列に基づく)の一つもしくはそれ以上のアミノ酸に結合する。

0024

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、第XIIa因子および/もしくはブラジキニンの産生を、例えば、タンパク質の非存在下での同じ条件下での標準的な、例えば第XIIa因子および/もしくはブラジキニンの産生と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%もしくは約95%よりも大きく減少させる。

0025

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、1000nM、500nM、100nMもしくは10nM未満の見かけ阻害定数(Ki,app)を持つ。

0026

ある実施態様において、HCおよびLC可変ドメイン配列は、同じポリペプチド鎖の構成要素である。

0027

他の実施態様において、HCおよびLC可変ドメイン配列は、異なるポリペプチド鎖の構成要素である。例えば、血漿カリクレイン結合タンパク質は、例えばIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4のようなIgGである。血漿カリクレイン結合タンパク質は、可溶性Fab(sFab)であり得る。

0028

他の実施において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、Fab2'、scFv、ミニボディー(minibody)、scFv::Fc融合体、Fab::HSA融合体、HSA::Fab融合体、Fab::HSA::Fab融合体、もしくは本明細書における結合タンパク質の一つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらのFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2'、scFv、ペグ化Fab、ペグ化scFv、ペグ化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1、もしくは他の適切な構造として提供され得る。

0029

一実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、ヒト抗体もしくはヒト化抗体であるか、またはヒトにおいて非免疫原性である。例えば、該タンパク質は、例えばすべてのヒトフレームワーク領域のようなヒト抗体フレームワーク領域の一つもしくはそれ以上を含む。

0030

一実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、ヒトFcドメイン、またはヒトFcドメインと少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるFcドメインを含む。

0031

一実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、霊長類抗体もしくは霊長類化抗体であるか、またはヒトにおいて非免疫原性である。例えば、タンパク質は、例えばすべての霊長類フレームワーク領域のような霊長類抗体フレームワーク領域の一つもしくはそれ以上を含む。

0032

一実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、霊長類Fcドメイン、または霊長類Fcドメインと少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザルサルキツネザルアイアイ(Daubentonia madagascariensis)ならびにメガネザルを含む。

0033

一実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、ヒトフレームワーク領域、またはヒトフレームワーク領域と少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるフレームワーク領域を含む。

0034

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、マウスもしくはウサギからの配列を一切含まない(例えばマウスもしくはウサギ抗体ではない)。

0035

ある実施態様において、結合タンパク質(例えば、ヒト抗体のような抗体)は、重鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列および軽鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列を含み、ここで重鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、本明細書に記載されるタンパク質の重鎖可変ドメインからの1個、2個もしくは3個(例えば3個)のCDR領域を含み、ならびに/または、軽鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、本明細書に記載されるタンパク質の軽鎖可変ドメインからの1個、2個もしくは3個(例えば3個)のCDR領域を含み、そしてここで、該タンパク質は血漿カリクレインと結合(例えば、結合して阻害)する。

0036

ある実施態様において、重鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04の重鎖可変ドメインからの1個、2個もしくは3個(例えば3個)のCDR領域を含み、ならびに/または軽鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04の軽鎖可変ドメインからの1個、2個もしくは3個(例えば3個)のCDR領域を含む(それぞれ)。

0037

ある実施態様において、重鎖可変ドメインからの1個、2個もしくは3個(例えば3個)のCDR領域は、X81−B01由来であり、ならびに/または、軽鎖可変領域からの1個、2個もしくは3個(例えば3個)のCDR領域は、X81−B01由来もしくはX67−D03由来である。

0038

ある実施態様において、重鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、本明細書に記載されるタンパク質の重鎖可変ドメインを含み、ならびに/または軽鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、本明細書に記載されるタンパク質の軽鎖可変ドメインを含む。

0039

ある実施態様において、重鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04の重鎖可変ドメインを含み、ならびに/または、軽鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)。

0040

ある実施態様において、重鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、X81−B01の重鎖可変ドメインを含み、ならびに/または軽鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、X81−B01の軽鎖可変ドメインを含む。

0041

ある実施態様において、重鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、X67−D03、X101−A01、M162−A04、X115−F02、X124−G01もしくはX63−G06の重鎖可変ドメインを含み、ならびに/または軽鎖イムノグロブリン可変ドメイン配列は、X67−D03、X101−A01、M162−A04、X115−F02、X124−G01もしくはX63−G06の軽鎖可変ドメインを含む(それぞれ)。

0042

ある実施態様において、該タンパク質は、本明細書に記載されるタンパク質の重鎖および/もしくは本明細書に記載されるタンパク質の軽鎖を含む。

0043

ある実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04の重鎖を含む(それぞれ)。

0044

ある実施態様において、該タンパク質は、X81−B01の重鎖および/もしくはX81−B01の軽鎖を含む。

0045

ある実施態様において、該タンパク質は、X67−D03、X101−A01、M162−A04、X115−F02、X124−G01もしくはX63−G06の重鎖ならびに/またはX67−D03、X101−A01、M162−A04、X115−F02、X124−G01もしくはX63−G06の軽鎖を含む(それぞれ)。

0046

ある実施態様において、該タンパク質は、以下の:(a)ヒトCDRもしくはヒトフレームワーク領域;(b)HCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDRと少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるCDRの一つもしくはそれ以上(例えば1、2もしくは3個)を含む;(c)LCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDRと少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるCDRの1個もしくはそれ以上(例えば1個、2個もしくは3個)を含む;(d)LCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるLC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域もしくはCDR)と少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一である;(e)HCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるHC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域もしくはCDR)と少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一である;(f)該タンパク質が、本明細書に記載されるタンパク質が結合するエピトープに結合するか、または、結合に関して本明細書に記載されるタンパク質と競合する;(g)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域;(h)HCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDR1から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個もしくは3個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR1を含む;(i)HCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDR2から、少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個、6個、7個もしくは8個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR2を含む;(j)HCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDR3から、少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個もしくは6個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR3を含む;(k)LCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDR1から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個もしくは5個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR1を含む;(l)LCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDR2から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個もしくは4個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR2を含む;(m)LCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDR3から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個もしくは5個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR3を含む;(n)LCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるLC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域もしくはCDR)から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個を超えるアミノ酸が異なることのない;ならびに(o)HCイムノグロブリン可変ドメイン配列が、本明細書に記載されるHC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域もしくはCDR)から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個を超えるアミノ酸が異なることのない、という特徴の一つもしくはそれ以上を含む。

0047

ある実施態様において、該タンパク質は、1000nM、500nM、100nMもしくは10nM未満の見かけの阻害定数(Ki,app)を持つ。

0048

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる群より選択される抗体の軽鎖および重鎖を持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0049

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる群より選択される抗体の重鎖を持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0050

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる群より選択される抗体の軽鎖を持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0051

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる群より選択される抗体の軽鎖および/もしくは重鎖の抗体可変領域を持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0052

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、プレカリクレイン(例えばヒトプレカリクレイン)には結合しないが、血漿カリクレイン(例えばヒト血漿カリクレイン)の活性型に結合する。

0053

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、第XIIa因子および/もしくはブラジキニンの産生を、タンパク質の非存在下での同じ条件下での標準的な、例えば第XIIa因子および/もしくはブラジキニンの産生と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%もしくは約95%よりも大きく減少させる。

0054

ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、1000nM、500nM、100nMもしくは10nM未満の見かけの阻害定数(Ki,app)を持つ。

0055

ある実施態様において、HCおよびLC可変ドメイン配列は、同じポリペプチド鎖の構成要素である。

0056

本開示の一つもしくはそれ以上の実施態様の詳細は、付随する図表および以下の記載において説明される。本開示の他の特徴、目標および利点は、記載および図表、ならびに請求項より明らかであろう。

0057

本出願全体において引用されるすべての参考文献、係属中の特許出願および公開された特許の内容は、参照により本明細書において、明示的に組み込まれる。

図面の簡単な説明

0058

図1は、切断型HMWKと関節リウマチ、クローン病および潰瘍性大腸炎との相関を示す表である。

実施例

0059

本開示は、RA、CDもしくはUCを有する患者において切断型HMWKの上昇した濃度が観察されたという、予期せぬ発見に基づく。特に、切断型HMWKの高濃度がRA患者において観察され、切断型HMWKの中程度の濃度がCDおよびUCの患者の両方において観察された。したがって、対象の生物学的試料中の切断型HMWKの濃度に基づく、RA、UCもしくはCDのような自己免疫疾患を有しているかまたはそれらを発症する危険性のある対象を識別するため、自己免疫疾患の進行を監視するため、ならびに対象における自己免疫疾患の治療効果を判定するための新規の診断および予後判定の方法が本明細書において開示される。本明細書に記載されるもののようなpKal阻害剤を用いて、そのような自己免疫疾患および血漿カリクレイン(pKal)系に関連する他の疾患の治療のための方法もまた本明細書において開示される。

0060

定義
便宜のため、本開示のさらなる説明の前に、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲において使用される特定の用語をここで定義する。

0061

単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数への言及を含む。

0062

用語「抗体」は、少なくとも一つのイムノグロブリン可変ドメインもしくはイムノグロブリン可変ドメイン配列を含むタンパク質を指す。例えば、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書においてVHと略される)、および軽(L)鎖可変領域(本明細書においてVLと略される)を含み得る。他の例において、抗体は、2個の重(H)鎖可変領域と2個の軽(L)鎖可変領域を含む。用語「抗体」は、抗体の抗原結合断片(例えば、一本鎖抗体、FabおよびsFab断片、F(ab')2、Fd断片、Fv断片、scFv、およびドメイン抗体(dAb)断片(de Wildtら、Eur J Immunol.1996、26(3)、629〜639))ならびに完全な抗体を包含する。抗体は、IgA、IgG、IgEIgDIgM(ならびにそれらのサブタイプ)の構造的特徴を持ち得る。抗体は任意の起源由来であってよいが、霊長類(ヒトおよび非ヒトの霊長類)および霊長類化のものが好ましい。

0063

VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(「FR」)と呼ばれるより保存された領域が介在する「相補性決定領域(「CDR」)」と呼ばれる超可変領域へとさらに細分され得る。フレームワーク領域およびCDRの範囲は正確に定義されている(Kabat,E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、Fifth Edition、U.S. Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91−3242およびChothia,C.ら(1987)J. Mol. Biol.196:901−917を参照。www.hgmp.mrc.ac.ukもまた参照できる。)。Kabatの定義を本明細書において使用する。それぞれのVHおよびVLは、典型的には3個のCDRと4個のFRからなり、アミノ末端からカルボキシ末端へと以下の、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順番で配置される。

0064

抗体のVH鎖もしくはVL鎖はそれぞれ、重鎖定常領域もしくは軽鎖定常領域のすべてもしくは部分をさらに含んでもよく、それによってイムノグロブリン重鎖もしくはイムノグロブリン軽鎖をそれぞれ形成する。一実施態様において、抗体は2個のイムノグロブリン重鎖と2個のイムノグロブリン軽鎖とのテトラマーであり、ここで、イムノグロブリン重鎖とイムノグロブリン軽鎖とは、例えばジスルフィド結合によって相互結合されている。IgGにおいて、重鎖定常領域は、3個のイムノグロブリンドメインCH1、CH2およびCH3を含む。軽鎖定常領域はCLドメインを含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、典型的には、免疫系のさまざまな細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的補体系の第一成分(C1q)を含む宿主組織もしくは因子への抗体の結合を媒介する。イムノグロブリンの軽鎖は、κもしくはλのタイプであってよい。一実施態様において、抗体はグリコシル化されている。抗体は、抗体依存性細胞傷害性および/もしくは補体依存性細胞障害性に関して機能的であり得る。

0065

抗体の一つもしくはそれ以上の領域はヒトもしくは事実上ヒトのものであってよい。例えば、可変領域の一つもしくはそれ以上は、ヒトもしくは事実上ヒトのものであってよい。例えば、CDRの一つもしくはそれ以上はヒトの、例えばHC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3であってよい。軽鎖CDRのそれぞれはヒトのものであってよい。HC CDR3はヒトのものであってよい。フレームワーク領域の一つもしくはそれ以上は、ヒトの、例えばHCもしくはLCのFR1、FR2、FR3およびFR4であってよい。例えば、Fc領域はヒトのものであってよい。一実施態様において、フレームワーク領域の全てはヒトのものであり、例えばイムノグロブリンを産生する造血細胞もしくは非造血細胞のような、例えばヒトの体細胞で産生された抗体のフレームワークの配列を持つ。一実施態様において、ヒトの配列は、例えば生殖細胞系列核酸によってコードされる、生殖細胞系列の配列である。一実施態様において、選択されたFabのフレームワーク(FR)の残基を、最も類似する霊長類の生殖細胞系列の遺伝子、特にヒトの生殖細胞系列の遺伝子における対応する残基のアミノ酸タイプに変換することができる。定常領域の一つもしくはそれ以上は、ヒトもしくは事実上ヒトのものであってよい。例えば、イムノグロブリン可変ドメイン、定常領域、定常ドメイン(CH1、CH2、CH3、CL1)もしくは抗体全体の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、98%もしくは100%は、ヒトもしくは事実上ヒトのものであってよい。

0066

抗体のすべてもしくは部分は、イムノグロブリン遺伝子もしくはそのセグメントによってコードされ得る。例示的なヒトイムノグロブリン遺伝子は、κ、λ、α(IgA1およびIgA2)、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ、εおよびμの定常領域遺伝子ならびに多くのイムノグロブリン可変領域遺伝子を含む。全長のイムノグロブリン「軽鎖」(約25kDaもしくはアミノ酸約214個)は、NH2末端における可変領域遺伝子(アミノ酸約110個)、ならびに、COOH末端におけるκもしくはλ定常領域遺伝子によってコードされる。全長のイムノグロブリン「重鎖」(約50kDaもしくはアミノ酸約446個)は、同様に、可変領域遺伝子(アミノ酸約116個)および例えば(アミノ酸約330個をコードする)γのような他の上述の定常領域遺伝子の一つによってコードされる。ヒトHCの長さは、HCCDR3がアミノ酸残基約3個からアミノ酸残基35個超まで変化するために、大幅に変化する。

0067

全長抗体の「抗原結合断片」という用語は、関心対象の標的に特異的に結合する能力を保持する全長抗体の一つもしくはそれ以上の断片を指す。全長抗体の「抗原結合断片」という用語に包含される結合断片の例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片である、Fab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって結合する2個のFab断片を含む二価の断片であるF(ab')2断片、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単腕のVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら(1989)Nature341:544−546)、ならびに(vi)機能性を保持する、単離された相補性決定領域(CDR)を含む。さらに、VLおよびVHであるFv断片の2個のドメインは、別個の遺伝子によってコードされるが、それらを、組換え法を用いて、合成リンカーによって結合して、VLおよびVH領域が対を形成して一本鎖Fv(scFv)として知られる一価の分子を形成する単一のタンパク質鎖として作製することができる(例えば米国特許第5,260,203号、米国特許第4,946,778号および米国特許第4,881,175号、Birdら(1988)Science242:423−426および Hustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:5879−5883を参照)。

0068

抗体断片は、当業者に公知の従来技術を含む任意の好適な技術を用いて取得できる。用語「単一特異的抗体」は、例えばエピトープのような特定の標的に対する単一の結合特異性および結合親和性を示す抗体を指す。この用語は「モノクローナル抗体」もしくは「モノクローナル抗体組成物」を含み、それらは、本明細書において、抗体がどのように生成されたかに関わらず、単一の分子組成の抗体もしくはその断片の調製物を指すのに用いられる。

0069

阻害定数(Ki)は、阻害剤の効力尺度を提供し、それは、酵素活性半減させるのに必要な阻害剤の濃度であり、酵素もしくは基質の濃度に依存しない。見かけのKi(Ki,app)を、異なる濃度の阻害剤(例えば阻害的結合タンパク質)が反応の度合い(例えば酵素活性)に及ぼす阻害効果を測定することによって、異なる基質濃度で得て、阻害剤の濃度の関数としての擬1次速度定数の変化をモリソン式(式1)に適合させることで見かけのKi値の推定値を得る。Kiは、Ki,app対基質濃度のプロット線形回帰分析から得られるY切片から得られる。

0070

本明細書で用いられるとき、「結合親和性」は、見かけの会合定数もしくはKaを指す。Kaは、解離定数(Kd)の逆数である。結合タンパク質は、特定の標的分子に対して、例えば、少なくとも105M−1、106M−1、107M−1、108M−1、109M−1、1010M−1および1011M−1の結合親和性を持つ。第二の標的と比べて第一の標的に対する結合タンパク質の結合の親和性が高いことは、第一の標的との結合に対するKaが第二の標的との結合に対するKa(もしくは数値Kd)よりも高いこと(もしくはより小さい数値Kd)によって示され得る。そのような場合、結合タンパク質は、、第二の標的(例えば、第二の立体構造での同じタンパク質もしくはそれらの模倣体、または第二のタンパク質)と比較して、第一の標的(例えば、第一の立体構造でのタンパク質もしくはそれらの模倣体)に対して特異性を有する。結合親和性の差(例えば特異性もしくは他の比較)は、少なくとも、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、37.5倍、50倍、70倍、80倍、91倍、100倍、500倍、1000倍、もしくは105倍であり得る。

0071

結合親和性は、平衡透析平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴もしくは(例えば、蛍光アッセイを用いる)分光法を含むさまざまな方法によって測定できる。結合親和性を評価するための例示的な条件は、TRI緩衝液(50mMのTRIS、150mMのNaCl、5mMのCaCl2、pH7.5)中である。これらの技術を使用して、結合タンパク質(もしくは標的)の濃度の関数として、結合しているおよび遊離の結合タンパク質の濃度を測定することができる。結合している結合タンパク質の濃度([結合])は、遊離の結合タンパク質の濃度([遊離])および標的上の結合タンパク質に対する結合部位の濃度と、以下の式
[結合]=N [遊離]/((1/Ka)+[遊離])
で表される関係を有し、式中(N)は、標的分子当たりの結合部位の数である。

0072

しかし、Kaを正確に決定することは必ずしも必要ではなく、その理由は、時に、例えばELISAもしくはFACS分析のような方法を用いて決定され、Kaに比例し、したがって、より高い親和性が、例えば2倍高いか否かを決定することなどの比較のために使用できる親和性の定量的測定を得ること、親和性の定性的測定を得ること、または、例えばインビトロもしくはインビボのアッセイのような、例えば機能性アッセイの活性によって親和性の推定値を得ることで十分であるためである。

0073

用語「結合タンパク質」は、標的分子と相互作用できるタンパク質を指す。この用語は、「リガンド」と相互交換可能に使用される。「血漿カリクレイン結合タンパク質」は、血漿カリクレインと相互作用(例えば結合)できるタンパク質を指し、特に、選択的もしくは特異的に、血漿カリクレインと相互作用および/もしくは血漿カリクレインを阻害するタンパク質を含む。タンパク質は、該タンパク質の非存在下での同じ条件における血漿カリクレインの活性と比較して、血漿カリクレインの活性の低減を引き起こす場合、血漿カリクレインを阻害する。ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は抗体である。

0074

用語「カリクレイン阻害剤」は、カリクレインを阻害する任意の剤もしくは分子を指す。

0075

用語「併用」は、剤もしくは治療の使用もしくは作用の時間が重なる、同じ患者を治療するために二つ以上の剤もしくは治療を使用することを指す。剤もしくは治療は、同時に(例えば、患者に投与される1つの製剤として、もしくは同時に投与される2個別々の製剤として)もしくは任意の順番で連続的に投与され得る。

0076

保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を持つアミノ酸残基と置換されているものである。類似の側鎖を持つアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えばリジンアルギニンヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシンアスパラギングルタミンセリントレオニンチロシンシステイン)、非極性側鎖(例えばアラニンバリンロイシンイソロイシンプロリンフェニルアラニンメチオニントリプトファン)、β分岐側鎖(例えばトレオニン、バリン、イソロイシン)、ならびに芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。

0077

結合タンパク質のフレームワークおよび/もしくはCDRアミノ酸残基(または結合ループアミノ酸残基)の一つもしくはそれ以上が、本明細書に記載される結合タンパクと比べて一つもしくはそれ以上の変異(例えば置換(例えば保存的置換もしくは必須でないアミノ酸の置換)、挿入または欠失)を含むことができる。血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載される結合タンパク質と比べて変異(例えば置換(例えば保存的置換もしくは非必須アミノ酸の置換)(例えば少なくとも1個、2個、3個もしくは4個ならびに/または15個、12個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個もしくは2個未満)持っていてもよく、例えばタンパク質の機能に実質的に影響を与えない変異を持っていてもよい。変異は、フレームワーク領域、CDR(もしくは結合ループ)および/もしくは定常領域に存在してよい。ある実施態様において、変異はフレームワーク領域に存在する。ある実施態様において、変異はCDRに存在する。ある実施態様において、変異は定常領域に存在する。特定の置換が認容されるか否か、すなわち、例えば結合活性のような生物学的特性に悪い影響を与えないことは、例えば、変異が保存的かを評価することによって、またはBowieら(1990)Science247、1306〜1310の方法によって、予測できる。

0078

「事実上ヒト」のイムノグロブリン可変領域は、イムノグロブリン可変領域が正常なヒトにおいて免疫原性応答を引き起こさないのに十分な数のヒトのフレームワークアミノ酸位置を含むイムノグロブリン可変領域である。「事実上ヒト」の抗体は、抗体が正常ヒトにおいて免疫原性応答を引き起こさないのに十分な数のヒトアミノ酸位置を含む抗体である。

0079

「エピトープ」は、結合タンパク質(例えば、Fabもしくは全長抗体のような抗体)によって結合される標的化合物上の部位を指す。標的化合物がタンパク質である場合、部位はすべてアミノ酸構成要素からなることができるか、もしくは部位がすべてタンパク質のアミノ酸の化学修飾(例えばグリコシル部分)からなることができるか、またはそれらの組み合わせからなることができる。重なるエピトープは、少なくとも一つの共通の、アミノ酸残基、グリコシル基リン酸基硫酸基、もしくは他の分子特徴を含む。

0080

標的化合物上で第二の結合タンパク質が結合する部位と同じ部位に第一の結合タンパク質が結合する場合、または第二の結合タンパク質が結合する部位と重なる(例えば、アミノ酸配列もしくは他の分子特徴(例えばグリコシル基、リン酸基もしくは硫酸基)に関して、例えば50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%重なる)部位に第一の結合タンパク質が結合する場合、第一の結合タンパク質(例えば抗体)が、第二の結合タンパク質(例えば抗体)と「同じエピトープに結合する」。

0081

第一の結合タンパク質のそのエピトープへの結合が、そのエピトープへと結合する第二の結合タンパク質の量を減少させる(例えば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%もしくはそれ以上)場合、第一の結合タンパク質(例えば抗体)が、第二の結合タンパク質(例えば抗体)と「結合に関して競合する」。競合は、直接的(例えば、第一の結合タンパク質が第二の結合タンパク質の結合するエピトープと同じエピトープに結合するかまたは、第一の結合タンパク質が第二の結合タンパク質の結合するエピトープと重なるエピトープに結合する)であっても間接的(例えば、第一の結合タンパク質のエピトープに対する結合が標的化合物の立体構造変化を引き起こし、それによって第二の結合タンパク質によるそのエピトープへの結合能が低減する)であってもよい。

0082

2個の配列の間の「相同性」もしくは「配列同一性」(これらの用語は本明細書において相互交換可能に使用される)の計算は、以下のように実施される。配列を、最適比較の目的のために整列させる(例えば最適アラインメントのために、第一のおよび第二のアミノ酸もしくは核酸の配列の一方もしくは両方にギャップを導入でき、非相同性配列は、比較の目的のために度外視できる)。最適アラインメントを、12のギャップペナルティ、4のギャップ拡張ペナルティ、および5のフレームシフトギャップペナルティでBlossum62スコアリングマトリックスによるGCソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを用いた最良スコアとして決定する。次に、対応するアミノ酸位置もしくはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを比較する。第一の配列中の位置が、第二の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基もしくはヌクレオチドによって占められているとき、それら分子は、その位置において同一である(本明細書において使用されるとき、アミノ酸もしくは核酸の「同一性」は、アミノ酸もしくは核酸の「相同性」と等価である)。2個の配列の間のパーセント同一性は、それらの配列によって共有される同一の位置の数の関数である。

0083

好ましい実施態様において、比較目的で整列させる参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、そしてさらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、92%、95%、97%、98%もしくは100%である。例えば、参照配列は、イムノグロブリン可変ドメイン配列の長さであってよい。

0084

ヒト化」イムノグロブリン可変領域は、イムノグロブリン可変領域が正常なヒトにおいて免疫原性応答を引き起こさないのに十分な数のヒトフレームワークアミノ酸位置を含むように改変されたイムノグロブリン可変領域である。「ヒト化」イムノグロブリンの記載は、例えば、米国特許第6,407,213号および米国特許第5,693,762号を含む。

0085

本明細書で使用されるとき、用語「低ストリンジェント、中ストリンジェント、高ストリンジェントもしくは非常に高いストリンジェントな条件下でのハイブリダイズ」は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための条件を記載する。ハイブリダイゼーション反応を実施するためのガイダンスは、「Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、N.Y.(1989)、6.3.1〜6.3.6.」に見出すことができる。水性および非水性の方法がその参考文献に記載され、いずれも使用することができる。本明細書に言及される具体的なハイブリダイゼーションの条件は、以下の:(1)約45℃で6×塩化ナトリウムクエン酸ナトリウムSSC)中の後に、少なくとも50℃(低ストリンジェント条件において、洗浄温度は55℃まで上昇させることができる)で0.2×SSC、0.1%SDS中での2回の洗浄を行う低ストリンジェントハイブリダイゼーション条件、(2)約45℃で6×SSC中の後に、60℃での0.2×SSC、0.1%SDS中での1回もしくはそれ以上の洗浄を行う中ストリンジェントハイブリダイゼーション条件、(3)約45℃で6×SSC中の後に、65℃で0.2×SSC、0.1%SDS中での1回もしくはそれ以上の洗浄を行う高ストリンジェントハイブリダイゼーション条件であり、そして(4)非常に高いストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、65℃で0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDSの後に、65℃で0.2×SSC、1%SDS中での1回もしくはそれ以上の洗浄を行う。非常に高いストリンジェント条件(4)は、好ましい条件であり、他に特定されない限り、使用されるべきものである。本開示は、例えば本明細書に記載される結合タンパク質をコードする核酸のような、本明細書に記載される核酸もしくはその相補体に、低、中、高もしくは非常に高いストリンジェントでハイブリダイズする核酸を含む。該核酸は、参照核酸の長さと同じであるか、またはその30%、20%もしくは10%の範囲の長さであってよい。該核酸は、本明細書に記載されるイムノグロブリン可変ドメインをコードする領域に対応してもよい。

0086

「単離した組成物」は、単離した組成物を取得することのできた天然試料の少なくとも一つの成分の少なくとも90%が除去された組成物を指す。人工的にもしくは天然で産生された組成物は、関心対象の種もしくは種の集合が、少なくとも5、10、25、50、75、80%、90%、92%、95%、98%もしくは99重量%純粋である場合、「少なくとも」特定の度合いで純粋である「組成物」であり得る。

0087

「単離した」タンパク質は、単離したタンパク質を取得することのできた天然試料の少なくとも一つの成分の少なくとも90%から除去されたタンパク質を指す。タンパク質は、関心対象の種もしくは種の集合が、少なくとも5、10、25、50、75、80、90、92、95、98もしくは99重量%純粋である場合、「少なくとも」特定の度合いで純粋であり得る。

0088

非必須」アミノ酸残基は、例えば抗体のような結合剤の野生型配列から生物学的活性消失させることなく、もしくはより好ましくは実質的に変化させることなく変更できる残基であり、一方で「必須」アミノ酸残基を変化させると、活性の大幅な損失を生じる。

0089

該方法によって治療されるべき「患者」、「対象」もしくは「宿主」(これらの用語は相互交換可能に使用される)は、ヒトもしくは非ヒトの動物のいずれかを意味し得る。

0090

「それを必要とする対象」は、例えば、本明細書に記載される疾患もしくは障害を有する対象、または、本明細書に記載される疾患もしくは障害を発症する危険性のある対象を含む。

0091

用語「カリクレイン」(例えば血漿カリクレイン)は、セリンプロテアーゼファミリーのサブグループであるペプチダーゼ(タンパク質のペプチド結合を切断する酵素)を指す。血漿カリクレインは、キニノーゲンを切断して強力な炎症誘発性ペプチドであるキニンを産生する。DX−88(本明細書において「PEP−1」とも呼ばれる)は、血漿カリクレイン(NP_000883)の強力(Ki<1nM)かつ特異的な阻害剤である(例えばWO95/21601もしくはWO2003/103475を参照)。

0092

KLKb1(血漿カリクレイン)のアミノ酸配列は、
KLKb1
>gi|78191798|ref|NP_000883.2| 血漿カリクレインB1前駆体[Homo sapiens]
MILFKQATYFISLFATVSCGLTQLYENAFFRGGDVASMTPNAQYCQMRCTFHPRCLLFSFLPSSIDMEKRFGCFLKDSVTGTLPKVHRTGAVSGHSLKQCGHQISACHRDIYKGVDMRGVNFNSKVSSVEECQKRCTSNIRCQFFSYATQTFHKAEYRNNCLLKYSPGGTPAIKVLSNVESGFSLKPCALSEIGCHMNIFQHLAFSDVDVARVLTPDAFVCRICTYHPNCLFFTFYTNVWKIESQRNVCLLKTSESGTPSSSTPQENTISGYSLLTCKRTLPEPCHSKIYPGVDFGGEELNVTFVKGVNVCQETCTKMIRCQFFTYSLLPEDCKEEKCKCFLRLSMDGSPTRIAGTQGSSGYSLRLCNTGDNSVCTTKTSTRIVGGTNSSWGEWPWQVSLQVKLTAQRHLCGGSLIGHQWVLTAAHFDGLPLQDVWRIYSGINLSDITKDTPFSQIKEIIIHQNYKVSEGNHDIALIKLQAPLNYTEFQKPICLPSKGDTSTIYTNCWVTGWGFSKEKGEIQNILQKVNIPLVTNEECQKRYQDYKITQRMVCAGYKEGGKDACKGDSGGPLVCKHNGMWRLVGITSWGGCARREQPGVYTKVAEYMDWILEKTQSSDGKAQMQSPA(配列識別番号3)である。

0093

本明細書において使用されるとき、用語「DX−2922」は、用語「X101−A01」と交換可能に使用される。この抗体の他の変異型は以下に記載される。

0094

本明細書において使用されるとき、用語「DX−2930」は、用語「X124−G01」と交換可能に使用される。この抗体の他の変異型は以下に記載される。

0095

KLK1
>gi|13529059|gb|AAH05313.1|カリクレイン1 [Homo sapiens]
MWFLVLCLALSLGGTGAAPIQSRIVGGWECEQHSQPWQAALYHFSTFQCGGILVHRQWVLTAAHCISDNYQLWLGRHNLFDDENTAQFVHVSESFPHPGFNMSLLENHTRQADEDYSHDLMLLRLTEPADTITDAVKVVELPTQEPEVSTCLASGWGSIEPENFSFPDDLQCVDLKILPNDECKKVHVQKVTDFMLCVGHLEGGKDTCVGDSGGPLMCDGVLQGVTSWGYVPCGTPNKPSVAVRVLSYVKWIEDTIAENS(配列識別番号4)

0096

本明細書で使用されるとき、語句非経口投与」および「非経口で投与される」は、経腸および局所表面の投与以外の投与の様式を意味し、通常注射によるものであり、そして、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内眼窩内心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内硬膜外および胸骨内の注射および注入を非限定的に含む。

0097

対象における疾患を「予防する」という用語は、対象に例えば薬剤の投与のような薬品治療を施して、疾患の少なくとも一つの症状が予防されるようにすることを指し、すなわち、宿主が望ましくない状態になることを防ぐために、望ましくない状態(例えば疾患もしくは宿主動物の他の望ましくない状態)の臨床症状発現より前に施される。疾患を「予防する」は、「予防」もしくは「予防的治療」とも呼ばれる。

0098

「予防的有効量」は、用量においておよび必要な期間において、所望の予防の結果を達成するのに有効な量を指す。典型的には、疾患の前、もしくは疾患の初期段階において予防的な用量が対象に用いられるため、予防的有効量は、治療的有効量よりも少なくなり得るが、必ずしもそうであることはない。

0099

本明細書において使用されるとき、用語「実質的に同一」(もしくは「実質的に相同」)は、第一および第二のアミノ酸もしくは核酸配列が類似の活性、例えば結合活性、結合選択性、もしくは生物活性を有する(もしくは有するタンパク質をコードする)ように、第一のアミノ酸もしくは核酸配列が、第二のアミノ酸もしくは核酸配列に対し、十分な数の同一もしくは同等の(例えば、例えば保存的アミノ酸置換のような類似の側鎖を持つ)アミノ酸残基もしくは核酸を含むことを指すものとして本明細書において使用される。抗体の場合、第二の抗体は、同じ抗原に対して、同じ特異性を持ち、かつ同じ抗原に対して少なくとも50%、少なくとも25%もしくは少なくとも10%の親和性を持つ。

0100

本明細書に開示される配列と類似もしくは相同(例えば、少なくとも約85%の配列同一性)の配列は、本願の部分でもある。ある実施態様において、配列の同一性は、約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上であってよい。ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の、本明細書に記載される結合タンパク質に対する配列同一性を持っていてよい。ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載される結合タンパク質に対して、HCおよび/もしくはLCフレームワーク領域(例えばHCおよび/もしくはLC FR1、2、3および/もしくは4)において約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を持っていてよい。ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載される結合タンパク質に対して、HCおよび/もしくはLCCDR(例えばHCおよび/もしくはLC CDR1、2および/もしくは3)において約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を持っていてよい。ある実施態様において、血漿カリクレイン結合タンパク質は、本明細書に記載される結合タンパク質に対して、定常領域(例えばCH1、CH2、CH3および/もしくはCL1)において約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を持っていてよい。

0101

さらに、核酸セグメントが選択的なハイブリダイゼーション条件(例えば、高ストリンジェントハイブリダイゼーション条件)において相補鎖に結合するとき、実質的な同一性が存在する。核酸は、全細胞に、細胞溶解物に、または部分精製型もしくは実質的に純粋型で存在し得る。

0102

バイオポリマーモチーフ配列は、変異アミノ酸であり得る位置を含み得る。例えば、そのような文脈における記号「X」は他に特定されない限り任意のアミノ酸(例えば20種の天然アミノ酸の任意のもの)を指し、例えば、任意の非システインアミノ酸を指す。他の許容されるアミノ酸はまた、例えば括弧およびスラッシュを用いて表記することができる。例えば、「A/W/F/N/Q」は、アラニン、トリプトファン、フェニルアラニン、アスパラギンおよびグルタミンがその特定の位置において許容されることを意味する。

0103

統計学有意性は、任意の当技術分野に公知の方法によって決定され得る。例示的な統計学的な検定は、スチューデントt検定マンホイットニーのUノンパラメトリック検定およびウィルコクソンのノンパラメトリック検定を含む。ある統計学的に有意な関係は、0.05もしくは0.02未満のP値を持つ。特定の結合タンパク質は、例えば特異性もしくは結合において、統計的に有意(例えばP値<0.05もしくは0.02)である差を示し得る。用語「誘導する」、「阻害する」、「増強する」、「上昇する」、「増加する」、「減少する」などは、例えば二つの状態の間の、区別可能定性的もしくは定量的な差を示し、そして二つの状態の間の差、例えば統計学的に有意な差を指し得る。

0104

「治療的に有効な量」は、用量においておよび必要な期間において、所望の治療の結果を達成するのに十分な量を指す。組成物の治療的有効量は、個人の疾患の状態、年齢性別および体重のような要因、ならびに個体において所望の応答を誘発するタンパク質の能力に従って変動し得る。治療的有効量はまた、治療的に有益な効果が組成物の任意の毒性効果もしくは有害な効果を上回る量である。

0105

「治療的に有効な用量」は、好ましくは疾患もしくは障害の測定可能パラメータを調節する。例えば、治療的に有効な用量は、疾患もしくは障害の症状の度合いを、治療前の症状と比較して少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、そしてさらにより好ましくは約80%低減できる。例えば疾患に関連するパラメータのような測定可能なパラメータを調節できる化合物の能力は、ヒトの障害および状態における有効性を予測する動物モデル系において評価できる。代替的に、組成物のこの性質は、インビトロのパラメータを調節する化合物の能力を試験することによって評価できる。

0106

対象における疾患もしくは障害の「治療」(例えば疾患もしくは障害を持つかもしくは疾患もしくは障害を発症する危険性のある対象の「治療」を含む)は、例えば薬物投与のような薬品治療を対象に施して、疾患の少なくとも一つの症状が予防、治癒緩和、減少することなどを指す。

0107

「タンパク質のミスフォールディングもしくは凝集に関連する疾患」は、少なくとも部分的にはタンパク質の折りたたみプロセスにおける変化、もしくはタンパク質の折りたたみ構造の安定性の変化に起因して起こる疾患である。折りたたみプロセスにおける障害、凝集の増加、および天然タンパク質構造の脱安定化は、機能喪失型もしくは機能獲得型の病態を引き起こし得る。タンパク質のミスフォールディングもしくは凝集に関連する疾患は、全身性アミロイドーシスクリオグロブリン血症、および鎌状赤血球症を含むがそれらには限定されない。タンパク質のミスフォールディングもしくは凝集に関連する神経性疾患は、ヤコブクロイツフェルト病(プリオンタンパク質に関連する)、アルツハイマー病家族性アミロイド多発ニューロパシーFAP)のような他のアミロイド疾患を含む。

0108

I.自己免疫疾患の診断および予後判定のアッセイにおけるバイオマーカーとしての切断型高分子量キニノーゲン(HMWK)の使用
予期せずに、関節リウマチ(RA)、クローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)のような自己免疫疾患において切断型HMWKの上昇した濃度が見出された。以下の実施例1を参照できる。したがって、切断型HMWKは、自己免疫疾患(例えばRA、UCおよびCD)の診断、そのような自己免疫疾患の進行の監視、および疾患の治療効果の判定のための信頼できるバイオマーカーとしての役割を果たし得る。

0109

したがって、患者の候補から取得された生物学的試料(例えば血漿試料)中の切断型HMWKの濃度に基づく自己免疫疾患(例えばRA、UCおよびCD)の診断および予後判定の方法が本明細書に記載される。

0110

高分子量キニノーゲン(HMWK)は、ウィリアムズ−フィッツジェラルド−Flaujeac因子、フィッツジェラルド因子、HMWK−カリクレイン因子としてもまた知られ、血液凝固系ならびにキニン−カリクレイン系由来のタンパク質である。それは、インビボで血液と接触する生体材料表面に吸着するタンパク質である。高分子量キニノーゲン(HMWK)は、血漿中で、およそ110kDaの分子量を持つ単一のポリペプチド(1本鎖)のマルチドメイン(ドメイン1〜6個)タンパク質として存在する。HMWKは、ドメイン4中でpKalによって切断され、アミノ酸9個の炎症誘発性ペプチドであるブラジキニンと2本鎖型のHMWK(切断型キニノーゲン)とを放出する。HMWKの2つの鎖は、HMWKのドメイン1〜3を含む重鎖、ならびにHMWKのドメイン5および6を持つ軽鎖である。重鎖および軽鎖は、それぞれ、およそ56および46キロダルトンの分子量を持つ。

0111

HMWKをコードするヒトの遺伝子は、キニノーゲン1(KNG1)である。KNG1は、転写され、そして選択的にスプライシングされて、HMWKもしくは低分子量キニノーゲン(LMWK)のいずれかをコードするmRNAを形成する。HMWKの例示的なタンパク質配列は以下に提供される:
>gi|156231037|ref|NP_001095886.1| キニノーゲン−1アイソフォーム1前駆体[Homo sapiens]
MKLITILFLCSRLLLSLTQESQSEEIDCNDKDLFKAVDAALKKYNSQNQSNNQFVLYRITEATKTVGSDTFSFKYEIKEGDCPVQSGKTWQDCEYKDAAKAATGECTATVGKRSSTKFSVATQTCQITPAEGPVVTAQYDCLGCVHPISTQSPDLEPILRHGIQYFNNNTQHSSLFMLNEVKRAQRQVVAGLNFRITYSIVQTNCSKENFLFLTPDCKSLWNGDTGECTDNAYIDIQLRIASFSQNCDIYPGKDFVQPPTKICVGCPDIPTNSPELEETLTHTITKLNAENNATFYFKIDNVKKARVQVVAGKKYFIDFVARETTCSKESNEELTESCETKKLGQSLDCNAEVYVVPWEKKIYPTVNCQPLGMISLMKRPPGFSPFRSSRIGEIKEETTVSPPHTSMAPAQDEERDSGKEQGHTRRHDWGHEKQRKHNLGHGHKHEDQGHGHQRGHGLGHGHEQQHGLGHGHKFKLDDDLEHQGGHVLDHGHKHKHGHGHGKHKNKGKKNGKHNGWKTEHLASSSEDSTTPSAQTQEKTEGPTPIPSLAKPGVTVTFSDFQDSDLATMPPIPAPIQSDDDWIPDIQIDPNGLSFNPISDFPDTTSPKCPGRPWKSVSEINPTTQMKESYYFDLTDGLS(配列識別番号5)

0112

無傷の高分子量キニノーゲン(HMWK)は、例えば、凝集法もしくは例えばラジオイムノアッセイのような免疫学的方法を用いてアッセイできる(例えばKerbiriou−Nabias,D.M.、Br J Haematol、1984、56(2):2734〜2786を参照できる)。ヒトHMWKの軽鎖に対するモノクローナル抗体は公知である(例えば、Reddigari,S.R.およびKaplan,A.P.、Blood、1999、74:695〜702を参照できる)。発色基質に基づいたHMWKのアッセイもまた使用できる(例えば、Scott,C.F.ら、Thromb Res、1987、48(6):685〜700;Gallimore,M.J.らThromb Res、2004、114(2):91−96を参照できる)。

0113

切断型高分子量キニノーゲン(HMWK)は、本明細書において「切断型キニノーゲン」とも呼ばれ、例えば、例えばウェスタンブロットのような実施例1に記載される方法を用いてアッセイできる。例えばマウスmAbクローン11H05のような、切断型HMWKに特異的に結合する抗体を使用できる。さらに、切断型HMWKは、質量分析を用いて評価してもよい。切断型HMWKの濃度を評価するためのイムノブロット技術は、当技術分野に公知である(例えば、Buhler R.ら、Blood Coagul Fibrinolysis、1995、6(3):223〜232を参照できる)。

0114

切断型キニノーゲンの重鎖および軽鎖の例示的な配列は以下に提供される。
> 切断型キニノーゲン−1重鎖
QESQSEEIDCNDKDLFKAVDAALKKYNSQNQSNNQFVLYRITEATKTVGSDTFYSFKYEIKEGDCPVQSGKTWQDCEYKDAAKAATGECTATVGKRSSTKFSVATQTCQITPAEGPVVTAQYDCLGCVHPISTQSPDLEPILRHGIQYFNNNTQHSSLFMLNEVKRAQRQVVAGLNFRITYSIVQTNCSKENFLFLTPDCKSLWNGDTGECTDNAYIDIQLRIASFSQNCDIYPGKDFVQPPTKICVGCPRDIPTNSPELEETLTHTITKLNAENNATFYFKIDNVKKARVQVVAGKKYFIDFVARETTCSKESNEELTESCETKKLGQSLDCNAEVYVVPWEKKIYPTVNCQPLGMISLMK (配列識別番号6)
> 切断型キニノーゲン−1軽鎖
SSRIGEIKEETTVSPPHTSMAPAQDEERDSGKEQGHTRRHDWGHEKQRKHNLGHGHKHERDQGHGHQRGHGLGHGHEQQHGLGHGHKFKLDDDLEHQGGHVLDHGHKHKHGHGHGKHKNKGKKNGKHNGWKTEHLASSSEDSTTPSAQTQEKTEGPTPIPSLAKPGVTVTFSDFQDSDLIATMMPPISPAPIQSDDDWIPDIQIDPNGLSFNPISDFPDTTSPKCPGRPWKSVSEINPTTQMKESYYFDLTDGLS (配列識別番号7)

0115

ある例において、無傷のHMWKおよび切断型HMWKの濃度は、例えば、Simple Western(商標)Protein Simple(登録商標)ウェスタンブロット解析のようなウェスタンブロット解析によって測定される。Simple Western(商標)アッセイは、当技術分野において公知である(例えば、Rustandiら、「Qualitative and quantitative evaluation of Simon(商標), a new CE−based automated Western blot system as applied to vaccine development.」、Electrophoresis、2012、9月;33(17):2790〜2797を参照できる)。Simple Western(商標)製品はまた、市販されている(例えば、カリフォルニア州のSanta ClaraのProteinSimple(登録商標)を参照できる)。

0116

本明細書に記載される診断および/もしくは予後判定の方法の任意のものを実施するために、切断型HMWKの濃度を測定するための生物学的試料(例えば、血漿試料もしくは血清試料のような体液)が対象の候補(例えばヒトの患者の候補)より取得できる。対象は哺乳類であってよく、より好ましくはヒトであってよい。非ヒトの哺乳類は、家畜競技用動物、ペット、霊長類、ウマイヌネコ、マウスおよびラットを含むがそれらに限定されない。ヒトの対象は、例えばRA、CDもしくはUCのような本明細書に記載されるもののような自己免疫疾患を有する疑いのあるヒト患者であってよい。

0117

対象より取得される生物学的試料は、組織もしくは流体の試料であってよい。流体試料の例は、唾液、血液、血漿、血清および尿を含むがそれらには限定されない。ある実施態様において、対象からの生物学的試料は、例えば血液試料のような白血球を含む。生物学的試料は、例えば静脈穿刺生検もしくはスワッブのような当技術分野に公知の任意の方法を用いて取得できる。分析前に、インビトロでのHMWKの切断を阻害するためのプロテアーゼ阻害剤もしくはプロテアーゼ阻害剤カクテルを生物学的試料に添加できる。当技術分野に公知の任意のプロテアーゼ阻害剤が、本明細書に記載される方法において使用できる。

0118

切断型HMWKの濃度は、当技術分野に公知の任意の好適なアッセイによって測定できる(例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、J.Sambrookら編、Third Edition、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、2001、Current Protocols in Molecular Biology、F.M.Ausubelら編、John Wiley & Sons, Inc.、ニューヨークを参照でき、マイクロアレイ技術はMicroarray Methodsand Protocols、R.Matson、CRCPress、2009、もしくはCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M.Ausubelら編、John Wiley & Sons, Inc.、ニューヨークに記載される)。

0119

ある実施態様において、試料中の切断型HMWKタンパク質の濃度が測定される。切断型HMWKタンパク質濃度を測定するアッセイは、イムノアッセイ(例えば、本明細書においてウェスタンブロット、免疫組織化学およびELISAアッセイのような免疫ベースのもしくはイムノベースのアッセイと呼ばれる)、質量分析、およびマルチプレックスビーズベースのアッセイを含むがそれらに限定されない。そのようなタンパク質濃度検出のためのアッセイは、当技術分野において公知である。

0120

ある例において、切断型HMWKの濃度は、本明細書に記載されるように、LiCor検出を含み得るウェスタンブロットアッセイによって測定される。他の例において、切断型HMWKタンパク質の濃度は、切断型HMWKに特異的に結合するか、または切断型HMWKおよび非切断型HMWKに特異的に結合する抗体のような結合パートナーを含み得る、免疫組織化学アッセイによって測定される。

0121

タンパク質検出の結合パートナーは、当技術分野に公知の方法および本明細書に記載される方法を用いて設計され得る。ある実施態様において、例えば抗切断型HMWK抗体のような切断型HMWKタンパク質結合パートナーは、HMWKタンパク質のアミノ酸配列の一部分もしくはその全体に結合する。タンパク質の検出および定量方法の他の例は、例えば、米国特許第6,939,720号および米国特許第8,148,171号、ならびに米国特許出願公開第2008/0255766号に記載されるマルチプレックスイムノアッセイ、ならびに、例えば米国特許出願公開第2009/0088329号に記載されるようなタンパク質マイクロアレイを含む。切断型HMWK濃度を検出するために切断型HMWKに対する任意の好適な結合パートナーが意図されている。ある実施態様において、結合パートナーは、HMWKタンパク質もしくは切断型HMWKタンパク質に特異的に結合する任意の分子である。そのような結合パートナーは、HMWKの切断型(例えば切断型HMWK)に対して、非切断型HMWKに対するその結合と比較してさらに高い親和性で結合することができる。ある例において、抗体のような結合パートナーは、HMWKの切断型に対してのみ結合し得る。

0122

本明細書に記載される方法において使用すべき抗体は、全長抗体、または、Fab、F(ab)2、Fv、一本鎖抗体、FabおよびsFab断片、F(ab')2、Fd断片、scFvもしくはdAb断片のような、その抗原結合断片を含むがそれらに限定されない任意の形態であってよい。抗体の作成方法は当技術分野に周知である(例えば、Sambrookら、“Molecular Cloning: A Laboratory Manual”(第二版)、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)、Lewin“Genes IV”, Oxford University Press、ニューヨーク(1990)およびRoittら“Immunology”(第二版)、Gower Medical Publishing、ロンドン、ニューヨーク(1989)、WO2006/040153、WO2006/122786およびWO2003/002609を参照できる。また本明細書の記載を参照できる)。

0123

他の実施態様において、切断型HMWKの濃度を測定するのに使用される結合パートナーは、切断型HMWKへと特異的に結合する、非抗体のペプチド分子もしくはアプタマーであってよい。ペプチド分子およびアプタマーを作成する方法はまた、当技術分野に公知である(例えば米国特許出願公開第2009/0075834号、米国特許第7435542号、米国特許第7807351号および米国特許第7239742号を参照できる)。

0124

候補の対象から取得された生物学的試料中の切断型HMWKの濃度が決定されると、対象が、RA、CDもしくはUCのような自己免疫疾患を有するか、それらの危険性を持つかまたはそれらを有する疑いがあるかを決定するために、それを対照の濃度と比較することができる。

0125

ある実施態様において、対照の濃度は、好ましくは候補の対象と同じ種である健康な対象もしくは健康な対象の集団から取得された細胞、組織もしくは流体のような対照の試料中の切断型HMWKの濃度である。本明細書において使用されるとき、健康な対象は、HMWKの濃度が測定されたときに標的の疾患(例えばRA、CDもしくはUC)を明らかに有しないか、または疾患の病歴を有しない対象である。

0126

ある実施態様において、対照の濃度は、標準的な検出方法(例えばウェスタンブロットもしくは免疫組織化学)を用いて検出不能であるか、または標準的な検出方法を用いて得られたバックグランドノイズレベルより低い切断型HMWKの濃度である。好ましくは、標準的な検出方法は、候補対象の試料中の切断型HMWKの濃度を測定するのに用いられたのと同じ方法である。

0127

対照の濃度は、既定の濃度であってもよい。そのような既定の濃度は、本明細書に記載されるような自己免疫疾患を持たないか、その危険性を持たない対象の集団における切断型HMWKの濃度を表し得る。既定の濃度は、さまざまな形態をとり得る。例えば、それは、中央値または平均値などの単一のカットオフ値とすることができる。ある実施態様において、そのような既定の濃度は、標的の自己免疫疾患(例えばRA、UCもしくはCD)を持つことが知られている一つの定義された群と標的の自己免疫疾患を持たないことが知られている他の定義された群のような比較群に基づいて設定できる。代替的に、既定の濃度は、範囲、例えば、既定のパーセンタイル内の対照集団における切断型HMWKの濃度を表す範囲であってよい。

0128

既定の濃度は、選択された特定の集団によって決まり得る。例えば、明らかに健康である人(検出可能な疾患を持たない、またはRA、CDもしくはUCのような標的の自己免疫疾患の病歴を持たない)は、その構成員が標的の自己免疫疾患を持つかもしくはその危険性があるか、または寛解期であり得る集団とは異なる切断型HMWKの「正常」範囲を持つであろう。したがって、選択される既定の濃度は、対象が入るカテゴリーを考慮に入れてもよい。当業者は、単なるルーチン実験作業で適切な範囲およびカテゴリーを選択することができる。

0129

本明細書に記載される対照の濃度は、通常の技術によって決定され得る。ある例において、対照の濃度は、本明細書に記載されるような対照の試料について従来の方法(例えば、本明細書に記載されるような試験試料中の切断型HMWKの濃度を得るのと同じアッセイ)を行うことによって得ることができる。他の例において、切断型HMWKの濃度を、対照集団の構成員から得ることができ、そして結果を、例えばコンピュータープログラムによって分析することで、対照集団における切断型HMWKの濃度を表す対照の濃度(既定の濃度)を得ることができる。

0130

候補の対象から得られる試料の切断型HMWKの濃度を、本明細書に記載される対照の濃度と比較することによって、候補の対象が、標的の自己免疫疾患を有するかまたはその危険性があるかについて決定することができる。例えば、候補の対象の切断型HMWKの濃度が対照の濃度から外れる場合(例えば対照の濃度と比べて上昇するかまたは減少する)、候補の対象は標的の自己免疫疾患を有するかもしくはその危険性があると同定され得る。

0131

本明細書で使用されるとき、「上昇した濃度、もしくは対照を超える濃度」は、切断型HMWKの濃度が、既定の閾値もしくは対照試料における切断型HMWK濃度のような対照の濃度よりも高いことを意味する。対照の濃度は、より詳細に本明細書に記載される。切断型HMWKの上昇した濃度は、例えば、対照の濃度を1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%もしくはそれ以上超える切断型HMWKの濃度を含む。切断型HMWKの上昇した濃度はまた、ゼロの状態(例えば、対照中に切断型HMWKが存在しないかもしくは検出不能)から非ゼロの状態(例えば、試料中にいくつか切断型HMWKがあるかもしくは検出可能な切断型HMWKがある)へと現象を増加させることを含む。

0132

本明細書で使用されるとき、「減少した濃度もしくは対照を下回る濃度」は、切断型HMWKの濃度が、既定の閾値もしくは対照試料における切断型HMWKの濃度のような対照の濃度よりも低いことを意味する。対照の濃度は、より詳細に本明細書に記載される。切断型HMWKの減少した濃度は、例えば、対照の濃度を1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%もしくはそれ以上下回る切断型HMWKの濃度を含む。切断型HMWKの減少した濃度はまた、ある現象が、非ゼロの状態(例えば、試料中にいくつか切断型HMWKがあるかもしくは検出可能な切断型HMWKがある)からゼロの状態(例えば、対照中に切断型HMWKが存在しないかもしくは検出不能)に減少することを含む。

0133

ある実施態様において、高濃度(例えば、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%)の切断型HMWKが、RA候補の患者から得た生物学的試料に観察される場合、その候補は、RA炎症を有するかもしくはその危険性があると診断される。中程度の濃度(例えば約10〜30%)の切断型HMWKが、UCもしくはCD候補の患者から得た生物学的試料に観察される場合、その候補は、UCもしくはCDを有するかもしくはその危険性があると診断される。

0134

さらに、切断型HMWKの濃度は、RA、UCおよびCDのような自己免疫疾患の進行を監視するためのバイオマーカーとして使用できる。例えば、少なくとも二つの生物学的試料(例えば血清試料もしくは血漿試料)を、RA、UCもしくはCDのような標的の自己免疫疾患を有するか、発症する危険性のあるヒトの対象より、異なる時点で取得できる。ある例において、第二の生物学的試料は、第一の生物学的試料が取得された後、少なくとも1ヶ月(例えば3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月もしくは12ヶ月)目に取得できる。切断型HMWKの濃度は少なくとも二つの生物学的試料において測定できる。切断型HMWKの濃度が、時間と共に上昇する場合(例えば、後に取得された生物学的試料における切断型HMWKの濃度が、先に取得された生物学的試料における濃度よりも、少なくとも20%、50%、70%、90%、1倍、5倍、10倍、20倍、50倍もしくは100倍高い)、対象において疾患が進行していること(例えば、対象において自己免疫疾患を発症する危険性がより高いこともしくは自己免疫疾患が悪化すること)を示す。

0135

その上、切断型HMWKの濃度は、例えば本明細書に記載されるもののような自己免疫疾患の治療に対する対象の応答性を判定するためのバイオマーカーとして使用できる。例えば、治療を施されているヒト患者から複数の生物学的試料を治療期間中に取得でき、そして本明細書に記載されるようなルーチン技術に従って切断型HMWKの濃度を測定できる。治療を施されているヒト患者における切断型HMWKの濃度が、治療期間にわたって、減少したままである場合(例えば、後に取得された生物学的試料中の切断型HMWKの濃度が、先に取得された生物学的試料中の濃度よりも、例えば少なくとも20%、50%、70%、80%、90%、100%、2倍、5倍、10倍、50倍もしくは100倍低い場合)、ヒト患者が治療に応答性であることを示す。一方で、切断型HMWKの濃度が、治療期間にわたって実質的に同じままである場合(例えば、後に取得された生物学的試料中の切断型HMWKの濃度が、先に取得された生物学的試料中の濃度と実質的に同一であるか、またはそれと比べて20%未満、例えば15%、10%もしくは5%未満減少している場合)、ヒト患者が治療に応答性でないことを示す。

0136

本明細書に記載される方法のいずれかによって、対象が、自己免疫疾患(例えばRA、UCもしくはCD)を有するか、もしくはその危険性があると同定されるとき、疾患を治療するために好適な治療を実施できる。ある例において、対象は一つもしくはそれ以上の、本明細書に記載されるpKal阻害剤によって治療され得る。対象が、本明細書に記載される任意の方法によって治療に応答性でないと決定されるとき、より高用量および/もしくは投与回数の治療(例えばpKal阻害剤)を対象に投与することができる。代替的に、対象を、異なる治療に切り替えることができる。一方で、治療に応答性であるかまたはさらなる治療を必要としないと同定された対象では、治療剤の用量もしくは投与回数を、維持、低減もしくは停止する。

0137

II.自己免疫疾患の治療
本明細書にはまた、糖尿病性黄斑浮腫網膜増殖、脳外傷急性脊髄損傷局所性アミロイド症乾癬多発性硬化症炎症性大腸炎、関節リウマチ、脈管炎全身性エリテマトーデス腎炎などの自己免疫疾患、全身性肥満細胞症重症熱傷、および神経因性疼痛(糖尿病性およびヘルペス後神経痛)を含むがそれらには限定されない、血漿カリクレイン(pKal)系に関連する疾患を治療するための方法が記載される。そのような方法は、治療の必要のある対象(例えば、該疾患を有するかまたは該疾患の危険性があるヒト患者)に、有効量の一つもしくはそれ以上のカリクレイン阻害剤を好適な経路で投与することを含む。

0138

(A)血漿カリクレイン
それに対する血漿カリクレイン結合タンパク質が開発され得る例示的な血漿カリクレインの配列は、ヒト、マウスもしくはラットの血漿カリクレインアミノ酸配列、それらの配列の一つと、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%同一である配列、もしくはそれらの断片、例えば以下に提供される配列の断片を含み得る。

0139

結合タンパク質の選択およびその後のスクリーニングにおいて使用したヒト血漿カリクレインの配列を、以下に示す(受託番号NP_000883.2)。使用したヒト血漿カリクレイン(86kDa)は、商用ベンダーがヒトの血漿から精製して、第XIIa因子によって活性化したものである。第XIIa因子は、単一の部位(Arg371−Ile372の間、以下の配列中で「/」で示される切断部位)においてポリペプチド配列を切断することによってプレカリクレインを活性化して、およそ52kDaの重鎖とおよそ34kDaの触媒ドメインのジスルフィド結合された2個のポリペプチドからなる活性な血漿カリクレインを産生する(ColmanおよびSchmaier(1997)“Contact System:A Vascular Biology Modulator With Anticoagulant, Profibrinolytic, Antiadhesive, and Proinflammatory Attributes”Blood、90、3819〜3843)。

0140

ヒト、マウスおよびラットのプレカリクレインアミノ酸配列、それをコードするmRNA配列を、以下に説明する。プレカリクレインの配列は、活性な血漿カリクレイン(pKal)が単一の位置(「/」で示される)で切断されて2個の鎖を産生する単一のポリペプチド鎖を持つことを除いて血漿カリクレインと同一である。以下に提供される配列は、シグナル配列を含む完全な配列である。発現している細胞からの分泌の際、シグナル配列が除去されると予測される。

0141

さまざまな種由来の例示的な血漿カリクレインタンパク質は、NP_000883.2(ヒトpKalタンパク質)、NM_000892(ヒトpKalmRNA)、NP_032481.1(マウスpKalタンパク質)、NM_008455.2(マウスpKal mRNA)、NP_036857.2(ラットpKalタンパク質)およびNM_012725(ラットpKal mRNA)のアクセッション番号でGeneBankにおいて見いだされ得る。

0142

(B)カリクレイン阻害剤
Kunitzドメイン阻害剤。組織および/もしくは血漿のカリクレインのいずれのカリクレインにも有用な多数の阻害剤が、Kunitzドメインを含む。例示的なKunitzドメイン阻害剤は、米国特許出願公開US20100183625に記載され、本明細書での参照により本明細書に組み入れられる。

0143

本明細書において使用されるとき、「Kunitzドメイン」は、アミノ酸少なくとも51個を持ち、少なくとも2個の、好ましくは3個のジスルフィドを含む、ポリペプチドドメインである。ドメインは、1番目と6番目のシステイン、2番目と4番目の、および3番目と5番目のシステインがジスルフィド結合を形成するように折りたたまれるか(例えば、アミノ酸58個を持つKunitzドメインにおいて、システインは、以下に提供されるBPTI相同配列付番に従って、5、14、30、38、51および55番目のアミノ酸に対応する位置に存在することができ、そしてジスルフィドは、5番目と55番目、14番目と38番目、および30番目と51番目の位置のシステイン間で形成できる。)、または2個のジスルフィド結合が存在する場合には、それらのシステインの対応するサブセット間でジスルフィド結合を形成することができるように、折りたたまれる。それぞれのシステイン間の間隔は、以下に提供されるBPTI配列の付番に従って、5番目から55番目、14番目から38番目および30番目から51番目に対応する位置の間隔のアミノ酸7、5、4、3、2、1もしくは0個内であり得る。BPTI配列は、任意の一般的なKunitzドメイン中の具体的な位置を参照するための参照として使用できる。関心対象であるKunitzドメインとBPTIとの比較は、整列させたシステインの数が最大となる最適アラインメントを同定することによって実施される。

0144

BPTIのKunitzドメインの3D構造(高解像度)は公知である。X線構造の一つは、Brookhaven Protein Data Bankに「6PTI」として寄託されている。いくつかのBPTI相同体の3D構造(Eigenbrotら(1990)Protein Engineering、3(7):591〜598;Hynesら(1990)Biochemistry、29:10018〜10022)が公知である。少なくとも81個のKunitzドメイン配列が公知である。公知であるヒトの相同体は、組織因子経路阻害因子(TFPI)としても知られるLACIの3個のKunitzドメイン(Wunら(1988)J.Biol.Chem.263(13):6001〜6004;Girardら(1989)Nature、338:518〜520;Novotnyら(1989)J.Biol.Chem.、264(31):18832〜18837)、インターαトリプシンヒビターの2個のKunitzドメイン、APP−I(Kidoら(1988)J.Biol.Chem.、263(34):18104〜18107)、コラーゲン由来のKunitzドメイン、TFPI−2の3個のKunitzドメイン(Sprecherら(1994)PNAS USA、91:3353−3357)、肝細胞増殖因子活性化因子阻害剤タイプIのKunitzドメイン、肝細胞増殖因子活性化因子阻害剤タイプIIのKunitzドメイン、米国特許公開第2004−0152633に記載されるKunitzドメインを含む。LACIは、3個のKunitzドメインを含む分子量39kDaのヒト血清ホスホグリコタンパク質である。

0145

上述のKunitzドメインは、LACI−K1(50〜107番目の残基)、LACI−K2(121〜178番目の残基)、およびLACI−K3(213〜270番目の残基)と呼ばれる。LACIのcDNA配列は、Wunら(J.Biol.Chem.、1988、263(13):6001〜6004)により報告される。Girardら(Nature、1989、338:518〜520)は3個のKunitzドメインのそれぞれのP1残基が改変された変異研究を報告する。LACI−K1は、第VIIa因子(F.VIIa)が組織因子と複合体を形成するとき、第VIIa因子(F.VIIa)を阻害し、LACI−K2は第Xa因子を阻害する。

0146

例示的なKunitzドメインを含むタンパク質は、以下を含み、SWISS−PROTアクセッション番号を括弧内に示す。
A4_HUMAN(P05067)、A4_MACFA(P53601)、A4_MACMU(P29216)、A4_MOUSE(P12023)、A4_RAT(P08592)、A4_SAISC(Q95241)、AMBP_PLEPL(P36992)、APP2_HUMAN(Q06481)、APP2_RAT(P15943)、AXP1_ANTAF(P81547)、AXP2_ANTAF(P81548)、BPT1_BOVIN(P00974)、BPT2_BOVIN(P04815)、CA17_HUMAN(Q02388)、CA36_CHICK(P15989)、CA36_HUMAN(P12111)、CRPT_BOOMI(P81162)、ELAC_MACEU(O62845)、ELAC_TRIVU(Q29143)、EPPI_HUMAN(O95925)、EPPI_MOUSE(Q9DA01)、HTIB_MANSE(P26227)、IBP_CARCR(P00993)、IBPC_BOVIN(P00976)、IBPI_TACTR(P16044)、IBPS_BOVIN(P00975)、ICS3_BOMMO(P07481)、IMAP_DROFU(P11424)、IP52_ANESU(P10280)、ISC1_BOMMO(P10831)、ISC2_BOMMO(P10832)、ISH1_STOHE(P31713)、ISH2_STOHE(P81129)、ISIK_HELPO(P00994)、ISP2_GALME(P81906)、IVB1_BUNFA(P25660)、IVB1_BUNMU(P00987)、IVB1_VIPAA(P00991)、IVB2_BUNMU(P00989)、IVB2_DABRU(P00990)、IVB2_HEMHA(P00985)、IVB2_NAJNI(P00986)、IVB3_VIPAA(P00992)、IVBB_DENPO(P00983)、IVBC_NAJNA(P19859)、IVBC_OPHHA(P82966)、IVBE_DENPO(P00984)、IVBI_DENAN(P00980)、IVBI_DENPO(P00979)、IVBK_DENAN(P00982)、IVBK_DENPO(P00981)、IVBT_ERIMA(P24541)、IVBT_NAJNA(P20229)、MCPI_MELCP(P82968)、SBPI_SARBU(P26228)、SPT3_HUMAN(P49223)、TKD1_BOVIN(Q28201)、TKD1_SHEEP(Q29428)、TXCA_DENAN(P81658)、UPTI_PIG(Q29100)、AMBP_BOVIN(P00978)、AMBP_HUMAN(P02760)、AMBP_MERUN(Q62577)、AMBP_MESAU(Q60559)、AMBP_MOUSE(Q07456)、AMBP_PIG(P04366)、AMBP_RAT(Q64240)、IATR_HORSE(P04365)、IATR_SHEEP(P13371)、SPT1_HUMAN(O43278)、SPT1_MOUSE(Q9R097)、SPT2_HUMAN(O43291)、SPT2_MOUSE(Q9WU03)、TFP2_HUMAN(P48307)、TFP2_MOUSE(O35536)、TFPI_HUMAN(P10646)、TFPI_MACMU(Q28864)、TFPI_MOUSE(O54819)、TFPI_RABIT(P19761)、TFPI_RAT(Q02445)、YN81_CAEEL(Q03610)

0147

配列データベースからKunitzドメインを同定するためにさまざまな方法が使用できる。例えば、Kunitzドメインの公知のアミノ酸配列、コンセンサス配列もしくはモチーフ(例えばProSiteモチーフ)を、GenBank配列データベース(National Center for Biotechnology Information, National Institutes of Health、ベテスダ、MD)に対して、例えばBLASTを用いて;HMM(隠れマルコフモデル)のPfamデータベースに対して、例えばPfam検索に関するデフォルトパラメータを用いて;SMARTデータベースに対して;もしくはProDomデータベースに対して、検索できる。例えば、Pfamリリース9のPfamアクセッション番号PF00014は、数多くのKunitzドメインおよびKunitzドメイン同定のためのHMMを提供する。Pfamデータベースの説明は、Sonhammerら(1997)Proteins 28(3):405〜420に見出すことができ、HMMの詳細な説明は、例えば、Gribskovら(1990)Meth. Enzymol.183:146〜159;Gribskovら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA84:4355〜4358;Kroghら(1994)J.Mol.Biol.235:1501〜1531;およびStultzら(1993)Protein Sci.2:305〜314に見出すことができる。HMMのSMARTデータベース(Simple Modular Architecture Research Tool、EMBLハイデルベルク、DE)は、Schultzら(1998)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA95:5857およびSchultzら(2000)Nucl.AcidsRes28:231に記載される通りである。SMARTデータベースは、HMMer2検索プログラム(R.Durbinら(1998)Biological sequence analysis:probabilistic models of proteins and nucleic acids. Cambridge University Press)の隠れマルコフモデルによるプロファイリングによって同定されるドメインを含む。データベースはまた、アノテートされ、モニターされる。ProDomタンパク質ドメインデータベースは、相同なドメインの自動編集物からなる(Corpetら(1999)、Nucl.Acids Res.27:263〜267)。ProDomの現在のバージョンは、SWISS−PROT38およびTREMBLタンパク質データベース再帰的PSI−BLAST検索(Altschulら(1997)Nucleic Acids Res.25:3389〜3402;Gouzyら(1999)Computers and Chemistry23:333〜340)を用いて構築される。データベースはそれぞれのドメインのコンセンサス配列を自動的に生成する。Prositeは、モチーフとしてKunitzドメインを列挙し、Kunitzドメインを含むタンパク質を同定する。例えばFalquetらNucleic Acids Res.30:235〜238(2002)を参照できる。

0148

Kunitzドメインは、主として2個のループ領域(「結合ループ」)中のアミノ酸を用いて目標のプロテアーゼと相互作用する。第一のループ領域は、BPTIの13〜20番目のアミノ酸に対応するおよその残基の間にある。第二のループ領域は、BPTIの31〜39番目のアミノ酸に対応するおよその残基の間にある。Kunitzドメインの例示的なライブラリは、第一および/もしくは第二のループ領域中の一つもしくはそれ以上のアミノ酸の位置が変化する。カリクレインと相互作用するKunitzドメインに関してスクリーニングするとき、もしくは親和性が改善された変異体に関して選択するとき、変化するのに特に有用な位置は、BPTIの配列に関して13、15、16、17、18、19、31、32、34および39番目の位置を含む。これらの位置の少なくともいくつかは、標的のプロテアーゼに近接すると予測される。同様に他の位置、例えば、三次元構造において上述の位置に隣接する位置を変化させることも有用である。

0149

Kunitzドメインの「フレームワーク領域」は、Kunitzドメインの一部であるが、第一および第二の結合ループ領域中の残基、すなわち、BPTIの13〜20番目およびBPTIの31〜39番目のアミノ酸に対応するおよその残基、を明確に除く残基として定義される。逆に、結合ループ中に存在しない残基は、広範囲アミノ酸置換を許容し得る(例えば、保存的および/もしくは非保存的置換)。

0150

一実施態様において、これらのKunitzドメインは、ヒトリポタンパク質関連凝固阻害因子(LACI)タンパク質のKunitzドメイン1を含むループ構造の変異体である。LACIは、3個の内部の明確なペプチドループ構造を含み、これは典型的なKunitzドメインである(Girard,T.ら、1989.Nature、338:518〜520)。本明細書に記載される、LACIのKunitzドメイン1の変異体は、スクリーンされ、単離されており、そして改善された親和性と特異性をもってカリクレインに結合する(例えば、米国特許第5,795,865号および米国特許第6,057,287号を参照できる)。これらの方法をまた、他のKunitzドメインフレームワークにも適用して、例えば血漿カリクレインのようなカリクレインと相互作用する他のKunitzドメインを得ることができる。カリクレインの機能の有用な調節剤は、カリクレイン結合および阻害アッセイを用いて決定した場合に、典型的にカリクレインに結合および/もしくはカリクレインを阻害する。

0151

血漿カリクレインを阻害するKunitzドメインを含む例示的なポリペプチドは、配列識別番号2の3〜60番目のアミノ酸によって定義されるアミノ酸配列を持つかもしくは含む。血漿カリクレインを阻害するKunitzドメインを含む他の例示的なポリペプチドは、配列識別番号2のアミノ酸配列を持つかもしくは含む。

0152

例示的なポリペプチドは、アミノ酸配列:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Cys Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Gly Xaa13 Cys Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Cys Xaa31 Xaa32 Phe Xaa34 Xaa35 Gly Gly Cys Xaa39 Xaa40 Xaa41 Xaa42 Xaa43 Xaa44 Xaa45 Xaa46 Xaa47 Xaa48 Xaa49 Xaa50 Cys Xaa52 Xaa53 Xaa54 Cys Xaa56 Xaa57 Xaa58 (配列識別番号1)
を含む。

0153

「Xaa」は、数多くの異なるアミノ酸の任意のものであり得る、ペプチド鎖における位置をさす。第一の例において、Xaaは、システイン以外の任意のアミノ酸であり得る。他の例において、一つもしくはそれ以上の以下のものが適用される:Xaa10はAspもしくはGluであり得る;Xaa11は、Asp、Gly、Ser、Val、Asn、Ile、AlaもしくはThrであり得る;Xaa13は、Pro、Arg、His、Asn、Ser、Thr、Ala、Gly、LysもしくはGlnであり得る;Xaa15は、Arg、Lys、Ala、Ser、Gly、Met、AsnもしくはGlnであり得る;Xaa16は、Ala、Gly、Ser、AspもしくはAsnであり得る;Xaa17は、Ala、Asn、Ser、Ile、Gly、Val、Gln、もしくはThrであり得る;Xaa18は、His、Leu、GlnもしくはAlaであり得る;Xaa19は、Pro、Gln、Leu、AsnもしくはIleであり得る;Xaa21は、Trp、Phe、Tyr、HisもしくはIleであり得る;Xaa31は、Glu、Asp、Gln、Asn、Ser、Ala、Val、Leu、IleもしくはThrであり得る;Xaa32は、Glu、Gln、Asp、Asn、Pro、Thr、Leu、Ser、Ala、GlyもしくはValであり得る;Xaa34は、Ile、Thr、Ser、Val、Ala、Asn、GlyもしくはLeuであり得る;Xaa35は、Tyr、TrpもしくはPheであり得る;Xaa39は、Glu、Gly、Ala、SerもしくはAspであり得る。アミノ酸Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、Xaa20、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27、Xaa28、Xaa29、Xaa41、Xaa42、Xaa44、Xaa46、Xaa47、Xaa48、Xaa49、Xaa50、Xaa52、Xaa53およびXaa54は任意のアミノ酸であり得る。

0154

さらに、配列識別番号1のアミノ酸の最初の4個(Xaa1、Xaa2、Xaa3、Xaa4)および最後の3個(Xaa56、Xaa57もしくはXaa58)の各々は、任意で存在してもしていなくてもよく、存在する場合には、任意のアミノ酸、例えば任意の非システインアミノ酸であり得る。

0155

一実施態様において、ポリペプチドは、以下の性質の一つもしくはそれ以上を有する配列を持つ:
Xaa11は、Asp、Gly、SerもしくはValであり得る;Xaa13は、Pro、Arg、HisもしくはAsnであり得る;Xaa15は、ArgもしくはLysであり得る;Xaa16は、AlaもしくはGlyであり得る;Xaa17は、Ala、Asn、SerもしくはIleであり得る;Xaa18は、His、LeuもしくはGlnであり得る;Xaa19は、Pro、GlnもしくはLeuであり得る;Xaa21は、TrpもしくはPheであり得る;Xaa31はGluである;Xaa32は、GluもしくはGlnであり得る;Xaa34は、Ile、ThrもしくはSerであり得る;Xaa35はTyrである;ならびにXaa39は、Glu、GlyもしくはAlaであり得る。

0156

例示的なポリペプチドは、以下のアミノ酸を含み得る:
Xaa10は、Aspである;Xaa11は、Aspである; Xaa13は、ProもしくはArgであり得る;Xaa15は、Argである;Xaa16は、AlaもしくはGlyであり得る;Xaa17は、Alaである;Xaa18は、Hisである;Xaa19は、Proである;Xaa21は、Trpである;Xaa31は、Gluである;Xaa32は、Gluである;Xaa34は、IleもしくはSerであり得る;Xaa35は、Tyrである;ならびにXaa39は、Glyである。

0157

本明細書に記載されるポリペプチドの部分を使用することもまた可能である。例えば、ポリペプチドは、特異的カリクレインエピトープの結合ドメインを含み得る。例えば、Kunitzドメインの結合ループを環化して単独で使用することができるか、または例えば他のKunitzドメインのフレームワークのような他のドメイン上に移植することができる。本明細書に記載されるアミノ酸配列のN末端から1個、2個、3個もしくは4個のアミノ酸を除去することもまた可能であり、ならびに/または本明細書に記載されるアミノ酸配列のC末端から1個、2個、3個4個もしくは5個のアミノ酸を除去することもまた可能である。

0158

配列のさらなる例は、例えば上記に提供されるアミノ酸配列のような本明細書に記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも1個であるが、7個、6個、5個、4個、3個もしくは2個未満のアミノ酸が異なる配列を含む。一実施態様において、3個、2個もしくは1個未満の差異は、結合ループの一つに存在する。例えば、第一の結合ループは、例えば上記に提供されるアミノ酸配列のような本明細書に記載されるアミノ酸配列に対して差異を持たないものであり得る。他の実施態様において、第一および第二の結合ループのいずれも、例えば上に提供されるアミノ酸配列のような本明細書に記載されるアミノ酸配列と差異がない。

0159

血漿カリクレインを阻害するさらに他のポリペプチドは、配列識別番号2の3〜60番目のアミノ酸のアミノ酸約58個の配列もしくは配列識別番号2のアミノ酸60個の配列を持つPEP−1ポリペプチドを含む。本明細書において使用されるとき、用語「PEP−1」および「DX−88」の両方は、配列識別番号2のアミノ酸60個の配列を指す。一実施態様において、該ポリペプチドは、アプロチニン以外であり、例えば、少なくとも1個、2個、3個、5個、10個もしくは15個のアミノ酸がアプロチニンと異なる。

0160

本明細書において記載されるポリペプチドは、任意の標準的なポリペプチド合成プロトコールおよび機器を用いて合成により作製できる。例えば、ポリペプチドの段階的合成は、最初の(すなわちカルボキシ末端の)アミノ酸からのアミノ(N)末端保護基の除去、およびそこへの該ポリペプチドの配列の次のアミノ酸のカルボキシル末端カップリングによって実施できる。アミノ酸はまた、好適に保護される。生じるアミノ酸のカルボキシル基を活性化させて、カルボジイミド対称型酸無水物、または、ヒドロキシベンゾトリアゾールもしくはペンタフルオロフェニルエステルのような「活性エステル」基の形成のような反応基の形成によって、結合アミノ基のN−末端と反応させることができる。好ましい固相ペプチド合成法は、I−アミノ保護基としてtert−ブチルオキシカルボニルを用いるBOC法、ならびにアミノ酸残基のアルファ−アミノを保護するために9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を用いるFMOC法を含む。いずれの方法も、当業者に周知である(Stewart,J.およびYoung,J.、Solid−Phase Peptide Synthesis(W.H.Freeman Co.、サンフランシスコ1989);Merrifield,J.、1963.Am.Chem.Soc.、85:2149〜2154;Bodanszky,M.およびBodanszky,A.、The Practice of Peptide Synthesis(Springer−Verlag、ニューヨーク1984))。所望なら、追加のアミノ−および/もしくはカルボキシ末端アミノ酸を、該アミノ酸配列に含むよう設計し、ポリペプチド合成の際に追加できる。

0161

ポリペプチドはまた、組換え技術を用いて産生できる。組換え法は、多くの細胞の任意のもの、ならびに細菌発現ベクター酵母発現ベクターバキュロウイルス発現ベクター、哺乳動物ウイルス発現ベクターなどを含むがそれらに限定されない対応する発現ベクターの任意のものを利用できる。本明細書に記載されるポリペプチドは、トランスジェニック動物によって、例えばトランスジェニック動物の乳腺中で産生できる。ある場合には、宿主細胞において容易に発現される融合ポリペプチドを形成するために、カリクレインを阻害するポリペプチド(例えばKunitzドメインを含むポリペプチド)をコードする配列と、発現ベクター中の他のコード配列とを融合する必要があるか、または融合することが有益であり得る。追加の配列の部分もしくは全ては、例えばプロテアーゼ消化によって除去できる。

0162

カリクレインを阻害するポリペプチド(例えばKunitzドメインを含むポリペプチド)を産生する例示的な組換え発現システムは、阻害剤ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列が、Saccharomyces cerevisiaeのMATαプレプロリーダーペプチド配列をコードするヌクレオチド配列と同じリーディングフレームで結合することができ、それにより機能的な酵母プロモーターの制御下となる酵母発現ベクターである。生じる組換え酵母発現プラスミドにより、適切な適合性酵母宿主の細胞内を標準的な方法によって形質転換でき、該細胞は組換え酵母発現ベクターからの組換えタンパク質を発現することができる。好ましくは、そのような組換え発現ベクターによって形質転換される宿主酵母細胞はまた、融合タンパク質を処理して活性のある阻害剤ポリペプチドを提供できる。組換えポリペプチドを産生するための他の例示的な酵母宿主はPichia pastorisである。

0163

上述されるように、カリクレインを阻害するポリペプチドは、本明細書に記載されるKunitzドメインを含み得る。いくつかのポリペプチドは、好ましくは長さがアミノ酸1〜6個の追加の隣接配列を、アミノおよび/もしくはカルボキシの末端に含むことができるが、ただしそのような追加のアミノ酸は、本明細書に記載される方法および組成物において使用できなくなるほど、カリクレイン結合親和性もしくはカリクレイン阻害活性を著しく減少させない。そのような追加のアミノ酸は、特定の組換え宿主細胞においてポリペプチドを発現させるために意図的に追加できるか、または、追加の機能を提供するために、例えば他の分子とのリンカーを提供するためもしくはポリペプチドの精製を促進するための親和性部分を提供するために追加できる。好ましくは、追加のアミノ酸は、Kunitzドメインのジスルフィド結合と干渉し得るシステインを含まない。

0164

例示的なKunitzドメインポリペプチドは、配列識別番号2の3〜60番目の残基のアミノ酸配列を含む。酵母融合タンパク質発現システムにおいて発現され、そしてプロセシングを受ける際に(例えば組み込む発現プラスミドpHIL−D2に基づいて)、そのようなKunitzドメインポリペプチドは、S. cerevisiaeのMATα−プレプロリーダーペプチド配列との融合に由来する追加のアミノ末端Glu−Ala2ペプチドを保持する。酵母宿主細胞から分泌されるとき、リーダーペプチドのほとんどが融合タンパク質からプロセシングされて、配列識別番号2のアミノ酸配列を持つ機能的なポリペプチド(本明細書において「PEP−1」と呼ぶ)を得る。

0165

例えば配列識別番号1を含む典型的なKunitzドメインは、多くの不変の位置、例えば、BPTIの付番規定で、5、14、30、33、38、45、51および55番目の位置に対応する位置はシステインである。これらの位置の間の間隔は、例えば、3個のジスルフィド結合が形成されるように、Kunitzドメインの折りたたみの中で許容できる範囲で変化し得る。例えば、6、7、8、9、20、24、25、26、27、28、29、41、42、44、46、47、48、49、50、52、53および54番目、または、これらの位置に対応する位置のような他の位置は、任意のアミノ酸(遺伝的にコードされて生じるものでないアミノ酸を含む)であり得る。特に好ましい実施態様において、一つもしくはそれ以上のアミノ酸は、天然の配列のものに対応する。他の実施態様において、少なくとも一つの可変の位置は、天然の配列のものとは異なる。さらに他の好ましい実施態様において、該アミノ酸はそれぞれ、保存的もしくは非保存的アミノ酸置換によって個別にもしくは集合的に置換され得る。

0166

保存的アミノ酸置換は、アミノ酸を類似の化学的性質の他のアミノ酸と置換し、そしてタンパク質の機能に影響を与えないことができる。非保存的アミノ酸置換は、アミノ酸を非類似の化学的性質の他のアミノ酸と置換する。保存的アミノ酸の例は、例えば、Asn→Gln、Arg→LysおよびSer→Thrを含む。好ましい実施態様において、これらのアミノ酸の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、および/もしくは21個を、個別にもしくは集合的に、任意の組み合わせにおいて、配列識別番号2の対応する位置に対応するよう選択することができる。

0167

例えば、10、11、13、15、16、17、18、19、21、22、23、31、32、34、35、39、40、43および45番目の位置、もしくはそれらの位置に対応する位置のような他の位置は、アミノ酸の選択されたセットの任意のものであり得る。例えば、配列識別番号1は、可能性のある配列のセットを規定する。このセットのそれぞれの構成要素は、例えば、5、14、30、51および55番目の位置のシステイン、ならびに10、11、13、15、16、17、18、19、21、22、23、31、32、34、35、39、40、43および45番目の位置またはこれらの位置に対応する位置のアミノ酸の特定のセットの任意のものを含む。好ましい実施態様において、これらのアミノ酸の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個および/もしくは19個を、個別にもしくは集合的に、任意の組み合わせにおいて、配列識別番号2の対応する位置に対応するように選択することができる。該ポリペプチドは好ましくは、配列識別番号2と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%もしくは99%の同一性を持つ。

0168

2つの配列の間の配列の比較および相同性パーセントの決定は、数学アルゴリズムを用いて達成され得る。好ましい実施態様において、2個のアミノ酸配列の相同性パーセントは、Blossum62マトリクスもしくはPAM250マトリクスのいずれか、ならびに16、14、12、10、8、6もしくは4のギャップ重みおよび1、2、3、4、5もしくは6の長さ重みを用いる、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム中に組み込まれたアルゴリズムであるNeedlemanおよびWunsch(1970)、J.Mol.Biol.48:444〜453を用いて決定される。さらに他の好ましい実施態様において、2個の核酸配列の間の相同性パーセントは、NWSgapdna.CMPマトリクスならびに40、50、60、70もしくは80のギャップ重みおよび1、2、3、4、5もしくは6の長さ重みを用いる、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを用いて決定される。特に好ましいパラメータのセット(および分子が相同性の限定範囲内にあるかを決定するために、どのパラメータを適用すべきかを実施者がわからない場合に使用すべきもの)は、12のギャップペナルティ、4のギャップ伸長ペナルティおよび5のフレームシフトギャップペナルティでのBlossum62スコアリングマトリクスである。

0169

結合タンパク質阻害剤
他の実施態様において、カリクレインの阻害剤は、抗体のような結合タンパク質である。抗体のような例示的な結合タンパク質は、例えば、PCT公開WO2012/094587および米国特許出願公開US20100183625に記載され、それらはいずれも、参照によりそのすべての内容において本明細書に組み入れられる。

0170

一態様において、本開示は、血漿カリクレイン(例えば、ヒト血漿カリクレイン)に結合し、少なくとも一つのイムノグロブリン可変領域を含むタンパク質(例えば単離したタンパク質)を特徴とする。例えば、該タンパク質は、重鎖(HC)イムノグロブリン可変ドメイン配列および/もしくは軽鎖(LC)イムノグロブリン可変ドメイン配列を含む。該タンパク質は例えばヒト血漿カリクレインのような血漿カリクレインに結合して阻害することができる。

0171

該タンパク質は、一つもしくはそれ以上の以下の性質を含み得る:(a)ヒトCDRもしくはヒトフレームワーク領域、(b)本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDRと、少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるCDRを一つもしくはそれ以上(例えば1個、2個もしくは3個)含む、HCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(c)本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDRと、少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるCDRを一つもしくはそれ以上(例えば1個、2個もしくは3個)含む、LCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(d)本明細書に記載されるLC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域中もしくはCDR中)と、少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるLCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(e)本明細書に記載されるHC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域中もしくはCDR中)と、少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるHCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(f)本明細書に記載されるタンパク質が結合するエピトープに結合するか、または本明細書に記載されるタンパク質と結合に関して競合する、タンパク質、(g)霊長類CDRもしくは霊長類フレームワーク領域、(h)本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDR1と少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個もしくは3個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR1を含むHCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(i)本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDR2から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個、6個、7個もしくは8個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR2を含むHCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(j)本明細書に記載されるHC可変ドメインのCDR3から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個もしくは6個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR3を含むHCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(k)本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDR1から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個もしくは5個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR1を含むLCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(l)本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDR2から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個もしくは4個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR2を含むLCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(m)本明細書に記載されるLC可変ドメインのCDR3から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個もしくは5個を超えるアミノ酸が異なることのないCDR3を含むLCイムノグロブリン可変ドメイン配列、(n)本明細書に記載されるLC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域中もしくはCDR中)から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個を超えるアミノ酸が異なることのないLCイムノグロブリン可変ドメイン配列、ならびに(o)本明細書に記載されるHC可変ドメイン(例えば、全体またはフレームワーク領域中もしくはCDR中)から少なくとも1個のアミノ酸が異なるが、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個を超えるアミノ酸が異なることのないHCイムノグロブリン可変ドメイン配列。

0172

血漿カリクレイン結合タンパク質は、単離したタンパク質(例えば他のタンパク質を少なくとも70%、80%、90%、95%もしくは99%不含である)であってよい。血漿カリクレイン結合タンパク質は、例えばヒト血漿カリクレインのような血漿カリクレインを阻害できる。ある実施態様において、血漿カリクレインはプレカリクレイン(例えばヒトプレカリクレイン)には結合しないが、活性型の血漿カリクレイン(例えばヒト血漿カリクレイン)に結合する。

0173

ある実施態様において、タンパク質は、血漿カリクレインもしくはその断片の触媒ドメインの活性部位もしくはその近辺に結合するか、または血漿カリクレインの活性部位と重なるエピトープに結合する。ある態様において、該タンパク質は、本明細書に記載されるタンパク質と同じエピトープと結合するかまたは結合に関して競合する。

0174

ある実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04と競合するかまたはそれらと同じエピトープと結合する。PCT公開WO2010/094587および米国特許出願公開US20100183625を参照できる。

0175

ある実施態様において、該タンパク質は血漿カリクレインの触媒三残基:His434、Asp483および/もしくはSer578(付番はヒトの配列に基づく)からの一つもしくはそれ以上のアミノ酸と結合する。

0176

ある実施態様において、該タンパク質は、Ser479、Tyr563および/もしくはAsp585の一つもしくはそれ以上に結合する(付番はヒトの配列に基づく)。

0177

タンパク質は例えばヒト血漿カリクレインのような血漿カリクレインと、105 M−1、106 M−1、107 M−1、108 M−1、109 M−1、1010 M−1および1011 M−1の結合親和性で結合できる。ある実施態様において、該タンパク質は、ヒト血漿カリクレインと1×10−3 s−1、5×10−4 s−1もしくは1×10−4 s−1より遅いKoffで結合する。ある実施態様において、該タンパク質は血漿カリクレインに結合するが、組織カリクレインおよび/もしくは血漿プレカリクレインには結合しない(例えば、該タンパク質は、血漿カリクレインに結合するよりも低い効率で組織カリクレインおよび/もしくは血漿プレカリクレインに結合する(例えば、陰性対照と比較して5倍、10倍、50倍、100倍もしくは1000倍低い効率で結合するかまたはまったく結合しない))。

0178

ある実施態様において、該タンパク質はヒト血漿カリクレイン活性を、10−5 M、10−6 M、10−7 M、10−8 M、10−9 M、および10−10 Mより低いKiで阻害する。該タンパク質は、例えば、100 nM、10 nMもしくは1 nMより低いIC50を持ち得る。例えば、該タンパク質は、血漿カリクレイン活性、ならびに(例えば第XII因子からの)活性化第XII因子の産生および/もしくは(例えば高分子量キニノーゲン(HMWK)からの)ブラジキニンの産生を調節できる。該タンパク質は、血漿カリクレイン活性、ならびに/または(例えば第XII因子からの)活性化第XII因子の産生および/もしくは(例えば高分子量キニノーゲン(HMWK)からの)ブラジキニンの産生を阻害できる。ヒト血漿カリクレインに対する該タンパク質の親和性は、100nM未満、10nM未満、もしくは1nM未満のKdを特徴とすることができる。ある実施態様において、該タンパク質は血漿カリクレインを阻害するが組織カリクレインを阻害しない(例えば、該タンパク質は、血漿カリクレインを阻害するよりも低い効率で組織カリクレインを阻害する(例えば、陰性対照と比較して5倍、10倍、50倍、100倍もしくは1000倍低い効率で阻害するかまたはまったく阻害しない))。

0179

ある実施態様において、該タンパク質は、1000nM、500nM、100nMもしくは10nM未満の見かけの阻害定数(Ki,app)を持つ。

0180

血漿カリクレイン結合タンパク質は抗体であってよい。血漿カリクレイン結合抗体では、単一のポリペプチド中(例えばscFv)もしくは異なるポリペプチド上(例えばIgGもしくはFab)にそのHCおよびLC可変ドメイン配列が含まれ得る。

0181

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる群より選択される抗体の軽鎖および/もしくは重鎖を持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0182

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる重鎖の群の対応するCDRより選択される重鎖CDRを一つもしくはそれ以上(例えば1個、2個もしくは3個)持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0183

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる軽鎖の群の対応するCDRより選択される軽鎖CDRを一つもしくはそれ以上(例えば1個、2個もしくは3個)持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0184

好ましい実施態様において、該タンパク質は、M162−A04、M160−G12、M142−H08、X63−G06、X101−A01(本明細書においてDX−2922とも呼ばれる)、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X81−B01、X67−D03、X67−G04、X115−B07、X115−D05、X115−E09、X115−H06、X115−A03、X115−D01、X115−F02、X124−G01(本明細書においてDX−2930とも呼ばれる)、X115−G04、M29−D09、M145−D11、M06−D09およびM35−G04からなる軽鎖の群の対応するCDRより選択される重鎖CDRを一つもしくはそれ以上(例えば1個、2個もしくは3個)ならびに軽鎖CDRを一つもしくはそれ以上(例えば1個、2個もしくは3個)持つ抗体(例えばヒト抗体)である。

0185

ある実施態様において、HCおよびLC可変ドメイン配列は、同じポリペプチド鎖の構成要素である。他の実施態様において、HCおよびLC可変ドメイン配列は、異なるポリペプチド鎖の構成要素である。例えば、該タンパク質は、例えばIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4のようなIgGである。該タンパク質は可溶性Fabであり得る。他の実施において、該タンパク質はFab2'、scFv、ミニボディー、scFv::Fc融合体、Fab::HSA融合体、HSA::Fab融合体、Fab::HSA::Fab融合体、もしくは、本明細書に記載される結合タンパク質の一つの抗原結合部位を含む他の分子を含む。これらのFabのVHおよびVL領域は、IgG、Fab、Fab2、Fab2'、scFv、ペグ化Fab、ペグ化scFv、ペグ化Fab2、VH::CH1::HSA+LC、HSA::VH::CH1+LC、LC::HSA+VH::CH1、HSA::LC+VH::CH1もしくは他の適切な構造として提供され得る。

0186

一実施態様において、該タンパク質は、ヒトもしくはヒト化抗体であるか、またはヒトにおいて非免疫原性である。例えば、該タンパク質は、一つもしくはそれ以上のヒト抗体フレームワーク領域、例えば全てのヒトフレームワーク領域、またはヒトフレームワーク領域と少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるフレームワーク領域を含む。一実施態様において、該タンパク質は、ヒトFcドメイン、またはヒトFcドメインと少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるFcドメインを含む。

0187

一実施態様において、該タンパク質は霊長類もしくは霊長類化抗体であるか、またはヒトにおいて非免疫原性である。例えば、該タンパク質は、一つもしくはそれ以上の霊長類の抗体フレームワーク領域、例えば全ての霊長類のフレームワーク領域、または霊長類のフレームワーク領域と少なくとも85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるフレームワーク領域を含む。一実施態様において、該タンパク質は、霊長類のFcドメイン、または霊長類のFcドメインと少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるFcドメインを含む。「霊長類」は、ヒト(Homo sapiens)、チンパンジー(Pan troglodytesおよびPan paniscus(ボノボ))、ゴリラ(Gorilla gorilla)、テナガザル、サル、キツネザル、アイアイ(Daubentonia madagascariensis)ならびにメガネザルを含む。

0188

ある実施態様において、ヒト血漿カリクレインに対する霊長類の抗体の親和性は、1000nM、500nM、100nMもしくは10nM未満、例えば10nM未満もしくは1nM未満のKDを特徴とする。

0189

一実施態様において、該タンパク質は、ヒトフレームワーク領域、またはヒトフレームワーク領域と少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるフレームワーク領域を含む。ある実施態様において、該タンパク質は、マウスもしくはウサギ由来の配列をまったく含まない(例えば、マウスもしくはウサギの抗体ではない)。

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