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技術 水性混合物からのジカルボン酸の分離方法

出願人 ノバモントソチエタペルアツィオニ
発明者 アントニオベルドリバ
出願日 2014年12月19日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2016-541619
公開日 2017年1月5日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2017-500346
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 分離ストリーム 分離フェーズ キャリアガスフロー マイクロろ過 開始原料 中間フラクション アニオン性不純物 アルカリ融解
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課題・解決手段

本発明は、C8〜C24モノ及びジカルボン酸水性混合物からジカルボン酸の分離方法に関する。特に、本発明は、限外ろ過段階を使用する前記混合物の分離及び精製の方法に関する。

概要

背景

C8〜C24ジカルボン酸(「長鎖ジカルボン酸」として本件において個々に又は集合的にも示される)は、主に香料潤滑剤、接着剤の製造における中間体として、並びに例えば二酸‐ジオール型の脂肪族及び脂肪族‐芳香族ポリエステル、及び二酸‐ジアミン型のポリアミド等の種々の種類のポリマー製造用のコノマーとして幅広く用いられるよく知られた化学中間体である。

現在のところ、これらのジカルボン酸は、化石及び再生可能起源両方の種々の原料から従来の化学プロセスにより得られる。化石起源の原料から開始する合成のプロセスに関する限り、典型的な例は、例えばトリデカン等の鎖状炭化水素末端酸化反応である。再生可能エネルギーの原料から開始する合成プロセスに関する限り、例としてアゼライン酸及びペラルゴン酸を得るオレイン酸オゾン分解リシノール酸アルカリ融解又は単不飽和脂肪酸メタセシス反応によるセバシン酸の合成に言及してよい。より小さい環境影響を有する新たな技術に関する増え続ける研究は、対応する炭化水素又は鎖状モノカルボン酸から発酵プロセスを用いてこれらの長鎖二酸を得るプロセスに関する研究へのインセンティブも近年与えてきた。

全てのこれらのプロセスにおいて、従来の化学の種類のものであろうと発酵の種類のものであろうと、ジカルボン酸は、概して開始原料の残量に由来する場合があり、又は所望の生成物合成反応における中間体として製造される場合があるモノカルボン酸を含む混合物中で得られる。

例えば結晶化、蒸留液体/液体抽出又は沈降を与える、そのように製造されたジカルボン酸の分離及び精製のための種々の方法が提案されている。

例えばWO01/04337は、カルボン酸回収に関して発酵もろみ液の精製に関するプロセスを記載する。精製プロセスは、発酵もろみ液のpHを2以下の値に調節する第一の工程と、このpHにおいてもろみ液を約60〜105℃の温度に加熱する第二の工程とを与える。これらの条件下において、3相系が形成する(わずかな細胞残留物を含む水相、カルボン酸を含む有機相、及び細胞残留物を含む固相)。

GB2016453は、そうしない発酵もろみ液の精製に関するプロセスを記載し、そこではもろみ液は塩基性にされ、ジカルボン酸を含む液相が分離される。その後、溶液はpH<4にて酸性化され、ジカルボン酸の沈殿が生じる。

US6143532は、カルボン酸の回収に関し、発酵もろみ液の精製に関するプロセスを記載する。精製プロセスは、発酵もろみ液のpHを少なくとも6の値に調節する第一の工程と、このpHにおいてもろみ液を約60〜75℃の温度に加熱する第二の工程とを与える。これらの条件下において、3相系が形成する(上側の透明な水相、カルボン酸を含む中間の有機相、及び細胞残留物を含む下側の水相)。

CN102476987は、発酵もろみ液からのドデカン二酸の分離に関するプロセスを開示する。10%のドデカン二酸のナトリウム塩を含む発酵もろみ液は、タンパク質及び色素を除去する限外ろ過デバイスに供給される。十分な純度でドデカン二酸を得ることに関し、ジカルボン酸を含む透過液を次いで有機溶媒で抽出し、加熱し、酸性化し、次いで有機相から結晶化により回収する。

US2011/028759は、塩形態有機酸を含む発酵もろみ液からの酪酸等の有機酸の回収及び精製に関するプロセスを開示し、それは、第一の透過液から限外ろ過及びマイクロろ過の1つに発酵もろみ液を供する工程と、第一の透過液を濃縮して濃縮されたもろみ液を形成する工程と、抽出された溶液を含む分離ストリーム中への酪酸の抽出に関し、支持された液体メンブレンに濃縮されたもろみ液を供する工程と、色素除去のための活性炭素脱塩のためのカチオン交換樹脂、及びアニオン性不純物の除去のためのアニオン交換樹脂に抽出された溶液を供する工程と、を含む。

概要

本発明は、C8〜C24モノ及びジカルボン酸の水性混合物からジカルボン酸の分離方法に関する。特に、本発明は、限外ろ過段階を使用する前記混合物の分離及び精製の方法に関する。なし

目的

効果

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請求項1

C8〜C24ジカルボン酸に加えてC8〜C24モノカルボン酸を含む水性混合物からの限外ろ過による前記ジカルボン酸の分離方法であって、前記方法が、前記限外ろ過中に、水性混合物中のC8〜C24モノ及びジカルボン酸が塩化形態であることを特徴とし、i.前記水性混合物を8以上のpHにし、前記水性混合物中のC8〜C24モノ及びジカルボン酸を塩化形態にする工程と、ii.フェーズ(i)由来の塩化されているC8〜C24モノ及びジカルボン酸を含む前記水性混合物を限外ろ過する工程と、を含む、方法。

請求項2

C8〜C24モノ及びジカルボン酸が、アルカリ水酸化物アルカリ土類水酸化物又はこれらの混合物から選択される塩基の添加により塩化形態にされる、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記塩基が、固体形態又は水溶液の形態で添加される、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記水性混合物が、フェーズ(i)において8〜13のpHにされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

フェーズ(i)が、15〜70℃の温度にて実施される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

フェーズ(i)とフェーズ(ii)との間で、水性混合物が1種又はそれより多くの固液分離処理に供される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記限外ろ過が、15〜70℃の温度にて実施される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記限外ろ過が、透析ろ過により実施される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

限外ろ過の後に、C8〜C24ジカルボン酸が透過液から回収される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

限外ろ過の後かつ回収の前に、透過液が酸性化される、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記C8〜C24長鎖ジカルボン酸が、沈殿処理により回収される、請求項9又は10に記載の方法。

請求項12

C8〜C24ジカルボン酸に加えてC8〜C24モノカルボン酸を含む水性混合物から前記ジカルボン酸を分離する限外ろ過の使用であって、前記方法が、前記限外ろ過中に、水性混合物中のC8〜C24モノ及びジカルボン酸が塩化形態であることにより特徴づけられる、限外ろ過の使用。

技術分野

0001

本発明は、長鎖モノ及びジカルボン酸水性混合物からのジカルボン酸の分離方法に関する。特に、本発明は、限外ろ過段階を含む、前記酸を分離し、精製する方法に関する。

背景技術

0002

C8〜C24ジカルボン酸(「長鎖ジカルボン酸」として本件において個々に又は集合的にも示される)は、主に香料潤滑剤、接着剤の製造における中間体として、並びに例えば二酸‐ジオール型の脂肪族及び脂肪族‐芳香族ポリエステル、及び二酸‐ジアミン型のポリアミド等の種々の種類のポリマー製造用のコノマーとして幅広く用いられるよく知られた化学中間体である。

0003

現在のところ、これらのジカルボン酸は、化石及び再生可能起源両方の種々の原料から従来の化学プロセスにより得られる。化石起源の原料から開始する合成のプロセスに関する限り、典型的な例は、例えばトリデカン等の鎖状炭化水素末端酸化反応である。再生可能エネルギーの原料から開始する合成プロセスに関する限り、例としてアゼライン酸及びペラルゴン酸を得るオレイン酸オゾン分解リシノール酸アルカリ融解又は単不飽和脂肪酸メタセシス反応によるセバシン酸の合成に言及してよい。より小さい環境影響を有する新たな技術に関する増え続ける研究は、対応する炭化水素又は鎖状モノカルボン酸から発酵プロセスを用いてこれらの長鎖二酸を得るプロセスに関する研究へのインセンティブも近年与えてきた。

0004

全てのこれらのプロセスにおいて、従来の化学の種類のものであろうと発酵の種類のものであろうと、ジカルボン酸は、概して開始原料の残量に由来する場合があり、又は所望の生成物合成反応における中間体として製造される場合があるモノカルボン酸を含む混合物中で得られる。

0005

例えば結晶化、蒸留液体/液体抽出又は沈降を与える、そのように製造されたジカルボン酸の分離及び精製のための種々の方法が提案されている。

0006

例えばWO01/04337は、カルボン酸回収に関して発酵もろみ液の精製に関するプロセスを記載する。精製プロセスは、発酵もろみ液のpHを2以下の値に調節する第一の工程と、このpHにおいてもろみ液を約60〜105℃の温度に加熱する第二の工程とを与える。これらの条件下において、3相系が形成する(わずかな細胞残留物を含む水相、カルボン酸を含む有機相、及び細胞残留物を含む固相)。

0007

GB2016453は、そうしない発酵もろみ液の精製に関するプロセスを記載し、そこではもろみ液は塩基性にされ、ジカルボン酸を含む液相が分離される。その後、溶液はpH<4にて酸性化され、ジカルボン酸の沈殿が生じる。

0008

US6143532は、カルボン酸の回収に関し、発酵もろみ液の精製に関するプロセスを記載する。精製プロセスは、発酵もろみ液のpHを少なくとも6の値に調節する第一の工程と、このpHにおいてもろみ液を約60〜75℃の温度に加熱する第二の工程とを与える。これらの条件下において、3相系が形成する(上側の透明な水相、カルボン酸を含む中間の有機相、及び細胞残留物を含む下側の水相)。

0009

CN102476987は、発酵もろみ液からのドデカン二酸の分離に関するプロセスを開示する。10%のドデカン二酸のナトリウム塩を含む発酵もろみ液は、タンパク質及び色素を除去する限外ろ過デバイスに供給される。十分な純度でドデカン二酸を得ることに関し、ジカルボン酸を含む透過液を次いで有機溶媒で抽出し、加熱し、酸性化し、次いで有機相から結晶化により回収する。

0010

US2011/028759は、塩形態有機酸を含む発酵もろみ液からの酪酸等の有機酸の回収及び精製に関するプロセスを開示し、それは、第一の透過液から限外ろ過及びマイクロろ過の1つに発酵もろみ液を供する工程と、第一の透過液を濃縮して濃縮されたもろみ液を形成する工程と、抽出された溶液を含む分離ストリーム中への酪酸の抽出に関し、支持された液体メンブレンに濃縮されたもろみ液を供する工程と、色素除去のための活性炭素脱塩のためのカチオン交換樹脂、及びアニオン性不純物の除去のためのアニオン交換樹脂に抽出された溶液を供する工程と、を含む。

0011

しかし、上記に記載されたもの等の方法は、経済的な方法で、高い純度で前記酸を得ることを可能にしない。したがって、十分に効率的かつ選択的であり、同時に経済的に不都合でない、新しいより簡易で改善された長鎖ジカルボン酸の分離及び精製方法を開発する必要がある。

0012

本発明の目的は、したがって、上記の知られたプロセスと比較して、相当の明白な利点を有する、新しい改善されたC8〜C24ジカルボン酸の分離及び精製方法の提供にある。

0013

特に、本発明は、C8〜C24ジカルボン酸に加えてC8〜C24モノカルボン酸を含む水性混合物からの限外ろ過による前記ジカルボン酸の分離方法であって、前記限外ろ過中に、前記C8〜C24モノ及びジカルボン酸が塩の形態で水性混合物中にあることを特徴とする、方法に関する。

0014

別の側面において、本発明は、C8〜C24ジカルボン酸に加えてC8〜C24モノカルボン酸を含む水性混合物から前記ジカルボン酸を分離する限外ろ過の使用に関し、前記方法は、前記限外ろ過中にC8〜C24モノ及びジカルボン酸が塩化形態で水性混合物中にあることを特徴とする。

0015

本発明によるC8〜C24モノカルボン酸(長鎖モノカルボン酸)を含む水性混合物からのC8〜C24ジカルボン酸(長鎖ジカルボン酸)の分離方法は、
i.前記水性混合物を8以上のpHにし、前記水性混合物中のC8〜C24モノ及びジカルボン酸を塩形態に転化する段階と、
ii.段階i由来の塩形態のC8〜C24モノ及びジカルボン酸を含む水性混合物を限外ろ過する段階と、を含む。

実施例

0016

本発明の意味において、「長鎖」は、主鎖中に8〜24の炭素原子を有する化合物を特定する。これらの長鎖ジカルボン酸の典型的な例は、シス9‐オクタデセン二酸、オクタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、テトラデカン二酸、及びブラシル酸である。長鎖モノカルボン酸の典型的な例は、代わりにオレイン酸、ステアリン酸パルミチン酸ミリスチン酸、及びトリデカン酸である。

0017

本方法において、水性混合物の限外ろ過は、長鎖ジカルボン酸からの長鎖モノカルボン酸の分離を可能にする。実際、限外ろ過段階中に、モノカルボン酸が残余液中に選択的に残される一方で、代わりにジカルボン酸が透過液に移行し、次いでそこからジカルボン酸を容易に回収することができることが見出された。好ましい実施態様において、本方法は、限外ろ過段階から得られた透過液からのジカルボン酸の回収(段階(iii))を与える。

0018

本発明による方法は、特に発酵プロセスから下流への適用に好適であるが、例えばこの適用の始まりにおいて、記載された種類の従来の化学的プロセス等の任意の他の種類のプロセス由来の長鎖モノ及びジカルボン酸を含む水性混合物を本方法に供給することも可能であることが理解されている。

0019

さらに、本発明による方法は、モノカルボン酸と共にそれを含む水性混合物から異なる長さの炭素原子の鎖を有する長鎖ジカルボン酸の混合物を分離するのに用いてもよい。

0020

水性混合物の由来に応じて、これらはろ過、滅菌、培養又は蒸発等の前処理の1つ又はそれより多くの予備段階に供されてよい。例えば、発酵プロセス由来の水性混合物の場合において、発酵中に存在する微生物不活性化するために、水性混合物は始めに処理されてよい。この処理は、当業者に知られる任意の物理的又は化学的プロセス、例えば高温にて混合物を培養し、UV若しくはガンマ放射線若しくはマイクロ波によりそれを照射し、又は例えばグルタルアルデヒド若しくは過酢酸等の好適な化学薬品によりそれを処理することにより適用されてよい。不活性化処理の種類及びその条件の選択は、発酵に用いられる微生物の種類に主に依存し、したがって当業者は係る不活性化を実施する適切な条件を特定することができる。

0021

水性混合物中のモノ及びジカルボン酸を塩へ転化する段階(i)は、典型的に任意の種類、例えばアルカリ又はアルカリ土類水酸化物又はこれらの混合物であってよい塩基の添加により実施される。例として、本発明による方法の段階(i)での使用に好適な塩基は、KOH及びNaOHである。塩基は、固体形態又は水溶液として添加されてよく、後者の場合、十分に濃縮された溶液を添加して、長鎖ジカルボン酸を含む混合物の過度希釈を防ぐ。NaOHの場合において、例えば8N水溶液がこの目的に関して好適である。

0022

混合物中に存在するモノ及びジカルボン酸の塩が形成する正確なpH条件は、酸自体の性質及び水性混合物中に存在してよい他の成分に依存するが、モノ及びジカルボン酸の塩の形成が、pHが増加するにつれて有利であることはよく知られている。したがって、当業者は混合物中に存在する酸を塩に転化するのに最も適切である塩基の量と種類を選択することができる。

0023

本方法における段階(i)は、好ましくはモノ及びジカルボン酸が実質的に全体的に塩の形態であるpH条件に水性混合物を調節することにより実施される。分離の効率は、本件で以下に示される理由のために、この方法で改善される。本発明の方法において、段階(i)は、水性混合物をpH8以上、好ましくは10以上、及びより好ましくは12以上に調節することにより実施される。そうはいっても、この段階において塩基の過剰な使用を防止するため、また、方法において不必要に面倒後の段階を与えないために、方法の段階(i)において、水性混合物のpHは、そうはいっても13以下、好ましくは12.5以下のpH値に調節されてよい。本発明による方法のよりいっそう好ましい実施態様において、段階(i)はしたがって8〜13、好ましくは10〜12.5、及びよりいっそう好ましくは12〜12.5のpHにて実施される。

0024

本発明による方法における塩形性段階(i)は、15〜70℃の範囲の広範な温度範囲に亘って実施されてよい。知られているように、温度は、酸の酸解離定数に対する影響も有し、したがって方法の段階(i)は、概して有利には、25℃以上、好ましくは30℃以上、及びより好ましくは35〜55℃の範囲の温度にて実施される。

0025

種々の分離要件及び分離されるべき酸の性質に応じて、当業者はしたがって本発明による方法の段階(i)へのpHと温度の効果のバランスをとるであろう。例えば、シス9‐オクタデセン二酸をオレイン酸と共にそれを含む水性混合物から分離するために、方法の段階(i)は、有利には9〜12.5のpH、及び35〜55℃の温度に混合物を調節することにより実施される。

0026

好ましくは、塩形成段階(i)は、撹拌しつつ実施され、したがって塩基と水性混合物の種々の成分との迅速かつ均一な混合を促進する。有利には、塩基の添加が完了すると、水性混合物の撹拌は、一定温度にて10〜30分の時間の間続けられる。

0027

段階(i)の終わりにおいて、モノ及びジカルボン酸は、塩形態で混合物中に存在する。水性混合物のpHの増加は、固体懸濁液(存在する場合には、限外ろ過の後の段階を助けるために便宜的に分離される)の形成をもたらす場合がある。ろ過ユニットのメンブレンへの堆積により、実際に、任意の固体懸濁液は、結果として性能の低下を伴う作動圧力の増加をもたらす可能性がある。発酵プロセス由来の水性混合物の場合において、この分離フェーズは、水性混合物中に存在する任意の細胞残留物を除去することも可能にする。本発明の意味において、「固体懸濁液」は、コロイド分散液スラリー、及び上澄みから分離する十分に高密度の任意のフラクションも意味する。本発明による方法の1つの実施態様において、段階(i)の終わりにおいて存在する固体懸濁液は、したがって限外ろ過段階(ii)の前に水性混合物から分離される。

0028

この分離フェーズにおいて、塩形成段階(i)由来の水性混合物は、沈降、遠心分離、ろ過、マイクロろ過、他の好適な固液分離技術及びこれらの組合せから選択される1つ又はそれより多くの処理に供することができる。例えば、固体懸濁液を分離する段階は、水性混合物を供給しつつ、遠心分離及びマイクロろ過の組み合わされた使用を与えてよく、そこでは水性懸濁液は、遠心分離機に存在し、その後遠心分離の後に分離された上澄みをマイクロろ過する。装置の種類、その組み合わせ及び操作の方法の選択は、分離されるべき固体懸濁液の量及び性質に主に依存する。

0029

本方法において、水性混合物の限外ろ過の段階は、長鎖ジカルボン酸からモノカルボン酸を分離することを可能にする。本開示では任意の特定の理論にとらわれることなく、実際に、長鎖モノカルボン酸は、限外ろ過段階中に残余液中に残っている水性混合物形態のコロイド凝集物中に、塩形態で存在すると考えられる。塩形態での前記モノカルボン酸の両染性のために、これらの凝集物はミセル性質であると思われた。知られているように、ミセルの形成は、多くの要因に依存する現象であり、そのうちの主要なものは、両染性構造を有する化合物の濃度及びメディアの温度である。

0030

本発明による方法において、水性混合物中のモノ及びジカルボン酸の初期濃度に応じて、存在する水の一部を除去するために、限外ろ過段階の前に、水性混合物又は種々の中間フラクションの蒸発の1つ又はそれより多くの段階を与えることも可能であり、したがって、装置の体積を最小化することを助けるのみならず、より効率的な限外ろ過段階を与える。

0031

本方法における限外ろ過段階は、15〜70℃の広範な温度範囲に亘って実施されてよい。知られているように、温度は、酸の酸解離定数に対する影響も有し、したがってこの限外ろ過段階は、概して有利には、25℃以上、好ましくは30℃以上、及びより好ましくは35〜55℃の範囲内の温度にて実施される。本発明による方法の好ましい実施態様において、限外ろ過段階(ii)は、塩形成段階(i)と同一の温度にて実施される。

0032

例えばチューブ状である半透過性メンブレン、「プレート及びフレーム」型のらせん中空糸を備える任意のろ過ユニットを使用し、メンブレンの表面に対して接線方向又は垂直方向である流れを用いて作動する任意の限外ろ過技術は、本方法における限外ろ過段階に使用されてよい。限外ろ過段階に用いられるであろうろ過メンブレンに関して、任意のセルロースアセテート透過性メンブレン、セルロースアセトブチレート等のセルロースアセテートの誘導体、及び例えばポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドPVDFポリビニリデン(vinyledene)フッ化物)、PAN(ポリアクリロニトリル)、PESポリエーテルスルホン)等の合成ポリマー及びセラミックを用いてよい。好ましくは、セルロースアセテート又はポリエーテルスルホンの半透過性メンブレンが用いられる。メンブレンの多孔性は、限外ろ過の性能及び分離の効率に効果がある。概して、残余液中に14以下の炭素原子を有する主鎖を有するモノカルボン酸を残すために、5kDa以下の多孔性を有するメンブレンを用いることが好ましく、一方で主鎖に14を超える炭素原子を有するモノカルボン酸に関しては、10kDa以上の多孔性を有するメンブレンを用いてよい。

0033

限外ろ過段階が実施される温度、膜間圧、及び他の動作条件の選択は、主にそれに供給される水性混合物の粘度、及び用いられるメンブレンの種類及び多孔性により決定される。概して、水性混合物の粘度は、低温にて働く際により高く、より高い供給圧力が同じメンブレンに関して使用されなければならない。

0034

限外ろ過段階が進行するにつれて、水性混合物の粘度と膜間圧は自然に増大する傾向があり、分離効率は減少する傾向がある。これは、次第により大きい圧力を使用することを必要とさせ、それが高くなり過ぎた場合、フィルターユニットを損傷させ、プロセスの効率を損なう場合がある。過剰に高い圧力の使用を防止するために、メンブレンを透過した水性混合物の一部を相殺する、追加溶液の1つ又はそれより多くのアリコートを供給するいわゆる透析ろ過の使用が可能である。

0035

透析ろ過は、連続的又は不連続的に実施されてよい。不連続のシステムにおいて、メンブレンの上流の水性混合物は、メンブレンを透過する生成物の効果により次第に濃縮される。透過した溶液を相殺するために、追加溶液の1つ又はそれより多くのアリコートが、残余液中に残っている水性混合物に添加され、さらに限外ろ過が次いで実施される。好ましくは、本発明による方法において、6以下の追加溶液のアリコートが添加され、長鎖ジカルボン酸を含む透過液の過剰な希釈を防止する。

0036

透析ろ過は、連続的に実施されてもよい。この場合において、フィルターメンブレンの上流の混合物の過剰な濃縮と、限外ろ過を実施するために必要な圧力の結果としての増加とを防止するように、追加溶液が残余液に連続的に添加される。

0037

追加溶液は、水性混合物のpHと同一のpHを有する溶液により典型的に表され、それはしたがってそこに存在するモノ及びジカルボン酸中で形成する塩の程度を変更しない。

0038

ジカルボン酸が回収される段階の前に、長鎖ジカルボン酸を含む透過液は、有利には酸性化される。酸性化は、未解離の形態に長鎖ジカルボン酸を戻し、透過液の残りからのその回収を補助することを含む。この酸性化は、有利には、例えばHCl又はH2SO4又はこれらの混合物等の強酸を用いることにより実施される。有利には、透過液の過剰な希釈を防止するように十分に濃縮されるのがよい前記強酸の水溶液は、次いで酸性化にも使用することができる。実際、これはより面倒な長鎖ジカルボン酸の後回収を与える。

0039

酸性化は、典型的に撹拌しつつ実施され、したがって強酸と透過液の成分との迅速かつ均一な混合を助ける。有利には、酸の添加が完了すると、透過液は、一定温度にて5〜10分の時間の間撹拌を続けられる。

0040

長鎖ジカルボン酸の回収の段階は、有利には、1つ又はそれより多くの分離処理、例えば蒸留、液体/液体抽出、吸着、沈殿、結晶化又はこれらの組合せにより実施される。当業者は、溶出液中に存在するジカルボン酸の濃度及び種類に応じて適切な回収方法を選択することができるであろう。

0041

複数種の長鎖ジカルボン酸を含む透過液の場合において、当業者は、個々の酸を別々に回収することができ、上記の分離処理に基づいて、化学的及び物理的特性を適切に使用する。例えば、前記酸の揮発性特性に応じて、より高揮発性の酸は、蒸留塔の異なる高さにおいて、次第により大きい揮発性の酸から分離することができることがよく知られている。

0042

好ましくは、本発明による方法における回収段階は、方法における限外ろ過段階で得られる透過液からジカルボン酸を沈殿させる処理により実施される。この沈殿処理は、有利には、(iii‐a)当業者に知られる任意の方法にしたがってジカルボン酸の沈殿を生じさせることと、その後に、(iii‐b)残っている透過液から沈殿したジカルボン酸を分離することにより実施される。ジカルボン酸の沈殿は、例えば透過液中の水の蒸発により酸を徐々に濃縮すること、又は例えば透過液の温度を低下させてその溶解度を低下させることにより達成してよい。沈殿の幾つかの方法を組み合わせることも可能であり、例えば始めに透過液から水を蒸発させることにより酸を濃縮し、その後透過液の温度を低下させることにより溶解度を低下させる。

0043

得られた沈殿物は、次いで当業者に知られる任意の方法、例えばろ過又は遠心分離、又はこれらの方法の任意の組合せにより残っている透過液から分離される。

0044

複数種の長鎖ジカルボン酸を含む透過液の場合において、当業者は、例えば前記酸の溶解度特性に基づいて個々のジカルボン酸を別々に回収するように、より小さい溶解度の酸を沈殿させ、分離し、徐々により大きい溶解度の酸に関して処理を繰り返す沈殿処理を実施することができる。

0045

本発明による方法の好ましい実施態様において、長鎖ジカルボン酸は、予め酸性化された限外ろ過段階由来の透過液からの沈殿処理により回収される。透過液中のその濃度と水中のその溶解度に応じて、塩形態から未解離の形態へ移行する長鎖ジカルボン酸は、実際、酸性化中でさえ沈殿が始まり、したがって、後の沈殿による回収の段階を加速し、助ける。

0046

本発明による方法の特に好ましい実施態様において、本方法における限外ろ過段階由来の透過液は、2〜3、好ましくは2〜2.2のpHに酸性化され、その後長鎖ジカルボン酸が沈殿するように、約2時間の間(例えば4℃に)冷却される。

0047

透過液から回収された長鎖ジカルボン酸は、ついでその後精製されることができる(段階(iv))。この精製段階は、乾燥、凍結乾燥、蒸留、液体/液体抽出及び吸着結晶化から選択される1つ又はそれより多くの処理により実施されてよい。長鎖ジカルボン酸の混合物の場合において、当業者は、個々のジカルボン酸を別々に回収するために、上述の分離処理に基づいて、その物理的及び化学的特性を適切に使用して、段階(iv)を実施することができる。

0048

本発明は、幾つかの例により記載されるが、それは実際は説明の意図であり、その範囲を制限しない。

0049


例1
カンジダ種イーストを用いたオレイン酸を含む培地の発酵に由来する、約9リットルの殺菌された発酵もろみ液を60分間50℃にてサーモスタットバスにおいて培養した。1.5g/Lの残留オレイン酸及び37.5g/lのシス9‐オクトデセン二酸を含む水性混合物を含む発酵もろみ液は、次いで約50℃の温度において250rpmにて撹拌され、8NのNaOH水溶液が、次いでpH12に到達するまでこれに加えられた。そのようにして得られたもろみ液は、30分間50℃において250rpmにて撹拌を続けられた。その後、このように塩基性にされたもろみ液は、20分間約23℃において8000rpmにて遠心分離された。上澄みが分離され、Sartopore2フィルターでマイクロろ過に供された。マイクロろ過が完了すると、塩基性のマイクロろ過されたもろみ液の全体積は約9リットルであった。

0050

塩基性のマイクロろ過されたもろみ液は、次いで10kDaの多孔性及び0.33m3の全ろ過面積を有するPESミリポアメンブレンを備えたMod.Cogent M1フィルターユニットを用いて、以下の条件下で動作させる接線限外ろ過に供された:
供給圧力2.6〜3.0bar
残余液圧0.6bar
残余液流2.0L/分
膜間圧2.3bar
温度25℃

0051

限外ろ過プロセスは、不連続な透析ろ過を用いて実施され、10mNのNaOH水溶液が追加溶液として用いられた。残余液が、その当初の体積の約25〜20%(約2リットル)に到達したときに、約2リットルの追加溶液が添加された。追加溶液の添加は、残余液の体積が再び当初の体積の25〜20%(約2リットル)に到達したとき毎に添加を繰り返してさらに4回繰り返された(全部で、2リットルの追加溶液の5つのアリコートが添加された)。種々の透過フラクションが溜められ、約18リットルの体積を得て、また、分析されて以下の条件下でガスクロマトグラフィーによりオレイン酸とシス9‐オクタデセン二酸含有量を決定した:
ガスクロマトグラフ:Thermo Finnigan FocusGC
検出器:FID(T340℃において);
カラム:ZEBRON ZB‐5Msi(15m×ID0.25mm×膜厚0.25μm);
当初T:90℃アイクラティック(2分間);
温度上昇:12℃/分;
最終T:320℃アイソクラティック(5分間);
注入T:300℃;
注入型スプリットレス
注入された体積:1μl;
キャリアガス:N2;
キャリアガスフロー:1.2ml/分。

0052

同一の分析が残余液(約1.8リットル)で実施された。結果は表1に示される。

0053

0054

次いで、250rpmにて継続して撹拌しつつ、約2のpHに到達するまで8NのHClを透過液に添加し、したがってシス9‐オクタデセン二酸の沈殿を引き起こした。酸性化された透過液は、次いで約10分間撹拌され、4℃にて12時間維持された。シス9‐オクタデセン二酸は、次いでろ紙でのろ過により透過液の残りから分離された。

0055

ろ過物は、次いで50mMのHClで洗浄することにより再び精製され、発酵もろみ液中に存在する量と比較して約90%の全収率のシス9‐オクタデセン二酸を得た。

0056

例2
以下のモノ及びジカルボン酸を含む4種の水性混合物が調製された:
水性混合物1:40mlの水中の250mgのオレイン酸及び250mgのシス9‐オクタデセン二酸;
水性混合物2:40mlの水中の250mgのパルミチン酸及び250mgのヘキサデカン二酸;
水性混合物3:40mlの水中の250mgのミリスチン酸及び250mgのテトラデカン二酸;
水性混合物4:40mlの水中の250mgのトリデカン酸、250mgのブラシル酸。

0057

4種の水性混合物の調製に関して、モノ及びジカルボン酸を、水中に分散させ、前記酸の溶解プロセスを加速させるために、混合物が透明になるまで、全体を撹拌しつつ約50℃に加熱した。次いで、再び撹拌しつつ、8NのKOHの水溶液を添加することにより、水性混合物のpHを12.3の値に上昇させた。その後、混合物を50℃にて約20分間撹拌し続けた。

0058

次いで、各混合物の3mlは、HEAEUS Sepatech MEGAFUGE1.0R遠心分離機、及び異なる特性を有する好適な限外ろ過フィルター(Sartoriusにより製造された5、10、30、及び50kDaのPESVivaspin限外ろ過フィルター及びAmiconにより製造された3kDaの再生セルロー限外ろ過フィルター)を用いて4000rpmの遠心分離速度にて作動させつつT=25℃にて遠心限外ろ過試験を受けた。

0059

透過液を例1と同様の条件下におけるガスクロマトグラフィーにより分析し、存在するモノ及びジカルボン酸の量を決定した。表2〜5は、開始水性混合物中に存在する量と比較した、そのように得られた透過液中のモノ及びジカルボン酸の質量パーセントを示す。

0060

0061

0062

0063

0064

例3
限外ろ過中のpH値と温度の影響を調べるために、以下の10個の限外ろ過試験を以下の条件で準備した。

0065

0066

10mg/mlのオレイン酸と10mg/mlのシス9‐オクタデセン二酸を含み、pHが異なる10種の水性混合物を、以下の手順にしたがって調製された母液から開始して調製した:20gのシス9‐オクタデセン二酸を量し、1400mlの水性NaOH0.5Nに、50℃にて撹拌し、水性NaOH8Nを滴下することにより、pHをモニターし、12.0〜12.5の範囲に維持しつつ溶解させた。シス9‐オクタデセン二酸の溶解が完了したとき、20gのオレイン酸が添加され、次いで溶液を50℃にて15分間の撹拌し、かつ水性NaOH8Nの滴下により12.0〜12.5の範囲にpHを維持したままにした。溶液は、次いで12.15のpHを維持するために、水及び水性NaOH0.5Nを添加することで、約1800mlの全体積にされ、母液のアリコートが取得され、異なる量の水性HCl1Nの添加により100mlに希釈されて所望の値にpHが調節された。各水性混合物は、ついで限外ろ過に望まれる温度にされ、撹拌下で10分間その温度にて維持された。

0067

水溶液は、非常に低い程度の濁度を表し、HERAEUS Sepatech MEGAFUGE1.0R遠心分離機、及びMillipore(ろ過面積50cm2)により製造された10kDaの再生セルロースFFPXC010C50限外ろ過フィルターを用いて4000rpmの遠心分離速度にて作動させる限外ろ過工程に供給された。限外ろ過プロセスは、不連続な透析ろ過により50mlの水溶液で実施され、10mlの10mNのNaOH水溶液が追加溶液として用いられ、残余液がその当初の体積の約25〜20%に到達したときに添加された。追加溶液の添加は、残余液の体積が再び当初の体積の25〜20%に到達したとき毎に添加を繰り返してさらに4回繰り返された(全部で、50mlの追加溶液の5つのアリコートが添加された)。種々の透過フラクションが溜められ、分析されて例1と同様の条件下で、ガスクロマトグラフィーによりオレイン酸とシス9‐オクタデセン二酸含有量が決定された。表6〜7は、開始水性混合物中に存在する量と比較した、そのように得られた透過液中のモノ及びジカルボン酸の質量パーセントを示す。

0068

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