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技術 耐腐食性の耐火バインダー組成物、並びに油井仕上げ作業及び生産作業

出願人 ハリバートンエナジーサヴィシーズインコーポレイテッド
発明者 アガピオウキリスアイヴァーソンベンルイスサム
出願日 2013年12月18日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2016-553207
公開日 2017年1月5日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2017-500273
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 電気機械式装置 スライディングスリーブ 環状シース 例示実施 加重材 生産損失 凝結温度 誘導結合器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題・解決手段

耐腐食性耐火バインダー組成物には、高アルミナセメントと、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とが含まれていてもよい。高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の例としては、破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ耐火モルタル耐火粘土ムライト溶融ムライト、及びこれらの組み合わせが挙げられる。バインダー組成物は、スラリーを形成するのに十分な量の水などの流体と混合されてもよく、これは、地下層を貫通する坑井孔に導入されてもよく、バインダー組成物はこの底のある地点凝結してもよい。このような組成物は、凝結すると、向上した耐腐食性及び耐熱性を示すことができる。このような組成物は、凝結した後、更に硬化されてもよい。硬化はより高い温度及び/または圧力で生じる場合があり、また更に、凝結バインダー組成物の耐熱性及び/または強度を高めることができる。加えて、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を添加すると、様々なバッチの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料から処方されたこのようなバインダー組成物に、向上した均質性を付与することができる。

概要

背景

バインダー組成物は様々な地下用途で使用することができる。バインダー組成物を利用する地下用途の例は、地下層を貫通する坑井孔中に、ケーシングライナーなどのパイプストリングセメント固定される、一次セメンチングである。一次セメンチングを行う際、バインダー組成物は坑井孔の壁とその中に配置されたパイプストリングの外表面との間の環状空間にポンプ注入される場合がある。バインダー組成物は環状空間の中で凝結し、それによって、その中に、坑井孔中でパイプストリングを支持し、かつ位置づけると共に、パイプストリングの外表面を坑井孔の壁と結合させる、硬化セメント環状シース(すなわちセメントシース)が形成される。バインダー組成物は、例えばパイプストリングのひび割れまたは穴を塞ぐためや、地下層の高浸透性層または割れ目を塞ぐためなどの補修セメンチング作業でも使用することができる。バインダー組成物は、例えば構造物のセメンチングなどの地上用途でも使用することができる。

坑井孔で用いられるもののようなバインダー組成物は、幅広温度条件及び圧力条件遭遇する場合があり、また、それに加えて二酸化炭素流動酸などの様々な腐食性化学物質に曝される場合もある。例えば、炭酸(H2CO3)が、地下水と二酸化炭素(CO2)との反応によって生成する場合がある。二酸化炭素は天然に存在する、及び/または、坑井中へ圧入される(例えばCO2増進回収作業で)場合がある。炭酸は、いくつかのセメント(例えばポルトランドセメント)中に存在する場合がある水酸化カルシウムと反応すると考えられており、この反応はセメントを腐食させる場合があり、これが凝結セメントの劣化を引き起こす可能性がある。これは凝結セメントの浸透性を増加させ、それによって地下層からセメントを通ってケーシングへと化合物(例えば塩化物イオン及び硫化水素イオン)を浸み出させる恐れがあり、ひいてはケーシングを腐食させ、望ましくない層間の流体の連通を生じてさせてしまう恐れがある。腐食の問題は、高温の坑井(例えば地熱井)などの高温環境下で特に認められる場合があり、これには典型的には高温、高圧、及び高二酸化炭素濃度が含まれる。このような坑井では、セメントは5年足らずで機能不全になり、坑井ケーシング崩壊させる場合がある。これは、ひいては生産損失を生じさせ、費用がかかるケーシングの修理を余儀なくさせる場合がある。

概要

耐腐食性耐火バインダー組成物には、高アルミナセメントと、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とが含まれていてもよい。高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の例としては、破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ耐火モルタル耐火粘土ムライト溶融ムライト、及びこれらの組み合わせが挙げられる。バインダー組成物は、スラリーを形成するのに十分な量の水などの流体と混合されてもよく、これは、地下層を貫通する坑井孔に導入されてもよく、バインダー組成物はこの底のある地点で凝結してもよい。このような組成物は、凝結すると、向上した耐腐食性及び耐熱性を示すことができる。このような組成物は、凝結した後、更に硬化されてもよい。硬化はより高い温度及び/または圧力で生じる場合があり、また更に、凝結バインダー組成物の耐熱性及び/または強度を高めることができる。加えて、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を添加すると、様々なバッチの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料から処方されたこのようなバインダー組成物に、向上した均質性を付与することができる。A

目的

いくつかの実施形態では、本開示は、水及びセメントを含有するバインダー組成物であって、セメントは高アルミナセメントと、シリカに対するアルミナが約0.7より大きい比率でアルミナ及びシリカを含有する高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とを含有する、バインダー組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

水、及び、セメントを含むバインダー組成物であって、前記セメントが、高アルミナセメントと、約0.7より大きいアルミナシリカ比率でアルミナ及びシリカを含む高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とを含むことを特徴とする、バインダー組成物。

請求項2

前記高アルミナセメントが、アルミン酸カルシウムを含む、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項3

前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の50質量%より多い量でムライトを含む、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項4

前記高アルミナアルミノシリケートが、実質的にアモルファス材料を含まない、請求項3に記載のバインダー組成物。

請求項5

前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ耐火モルタル耐火粘土、ムライト、溶融ムライト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項6

前記リン含有材料が、リン酸塩ヘキサメタリン酸塩トリポリリン酸塩オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、前述のいずれか1つのものの塩、及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択される化合物を含む、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項7

前記高アルミナセメントが、前記セメントの質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、前記セメントの質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、そして前記リン含有材料が、前記セメントの質量基準で約1%〜約30%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在する、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項8

前記水が、前記バインダー組成物を含有するポンプ移送可能なスラリーを形成するのに十分な量で前記バインダー組成物中に存在する、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項9

凝結遅延剤を更に含有する、請求項8に記載のバインダー組成物。

請求項10

第一の凝結遅延剤及び第二の凝結遅延剤を更に含有する、請求項8に記載のバインダー組成物。

請求項11

凝結遅延剤、ミクロスフェア粉砕ゴム粒子炭素繊維、促進剤、界面活性剤流体損失抑制剤加重材分散剤気体発生剤逸泥用材、濾過調整剤、消泡剤油膨潤性粒子、水膨潤性粒子チキソトロピー付与剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含有する、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項12

前記バインダー組成物を発泡させるのに十分な量の膨張剤と、発泡剤、泡安定剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物と、を更に含有する、請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項13

バインダー組成物を地下層に導入する工程、及び、前記バインダー組成物を凝結させる工程を含むセメンチング方法であって、前記バインダー組成物が、水と、高アルミナセメントと、約0.7より大きいアルミナ対シリカの比率でアルミナ及びシリカを含む高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とを含むことを特徴とする、方法。

請求項14

前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ、耐火モルタル、耐火粘土、ムライト、溶融ムライト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記高アルミナセメントが、前記高アルミナセメントと前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と前記リン含有材料との合計質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料が、前記高アルミナセメントと前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と前記リン含有材料との合計質量基準で約20%〜約70%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在し、前記リン含有材料が、前記高アルミナセメントと前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と前記リン含有材料との合計質量基準で約1%〜約30%の範囲の量で前記バインダー組成物中に存在する、請求項13に記載の方法。

請求項16

前記バインダー組成物が、30U.S.メッシュ以下のサイズの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を含む、請求項13に記載の方法。

請求項17

前記バインダー組成物を凝結させる工程が、前記バインダー組成物を約200°F以下の温度で凝結させる工程を含む、請求項13に記載の方法。

請求項18

前記バインダー組成物を凝結させる工程に続けて、約400°F以上の温度で前記バインダー組成物を硬化させる工程を更に含む、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記バインダー組成物を硬化させる工程が、前記バインダー組成物を地下層から産出される1種以上の化合物に曝露させる工程を含む、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記バインダー組成物を硬化させる工程が、増進石油回収技術及び廃棄作業のうちの少なくとも1つを行う工程を含む、請求項18に記載の方法。

請求項21

前記高アルミナセメントと、前記高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、前記リン含有材料とのうちの1つ以上を、混合装置を用いて水と混合する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。

請求項22

前記バインダー組成物が、1つ以上のポンプを用いて地下層の中に導入される、請求項13に記載の方法。

技術分野

0001

本開示は、概して、バインダー組成物を使用するセメンチング作業及び他の地下作業に関し、より詳しくは、耐腐食性及び耐熱性が向上したバインダー組成物、並びに当該組成物の形成に関連する使用方法に関する。

背景技術

0002

バインダー組成物は様々な地下用途で使用することができる。バインダー組成物を利用する地下用途の例は、地下層を貫通する坑井孔中に、ケーシングライナーなどのパイプストリングセメント固定される、一次セメンチングである。一次セメンチングを行う際、バインダー組成物は坑井孔の壁とその中に配置されたパイプストリングの外表面との間の環状空間にポンプ注入される場合がある。バインダー組成物は環状空間の中で凝結し、それによって、その中に、坑井孔中でパイプストリングを支持し、かつ位置づけると共に、パイプストリングの外表面を坑井孔の壁と結合させる、硬化セメント環状シース(すなわちセメントシース)が形成される。バインダー組成物は、例えばパイプストリングのひび割れまたは穴を塞ぐためや、地下層の高浸透性層または割れ目を塞ぐためなどの補修セメンチング作業でも使用することができる。バインダー組成物は、例えば構造物のセメンチングなどの地上用途でも使用することができる。

0003

坑井孔で用いられるもののようなバインダー組成物は、幅広温度条件及び圧力条件遭遇する場合があり、また、それに加えて二酸化炭素流動酸などの様々な腐食性化学物質に曝される場合もある。例えば、炭酸(H2CO3)が、地下水と二酸化炭素(CO2)との反応によって生成する場合がある。二酸化炭素は天然に存在する、及び/または、坑井中へ圧入される(例えばCO2増進回収作業で)場合がある。炭酸は、いくつかのセメント(例えばポルトランドセメント)中に存在する場合がある水酸化カルシウムと反応すると考えられており、この反応はセメントを腐食させる場合があり、これが凝結セメントの劣化を引き起こす可能性がある。これは凝結セメントの浸透性を増加させ、それによって地下層からセメントを通ってケーシングへと化合物(例えば塩化物イオン及び硫化水素イオン)を浸み出させる恐れがあり、ひいてはケーシングを腐食させ、望ましくない層間の流体の連通を生じてさせてしまう恐れがある。腐食の問題は、高温の坑井(例えば地熱井)などの高温環境下で特に認められる場合があり、これには典型的には高温、高圧、及び高二酸化炭素濃度が含まれる。このような坑井では、セメントは5年足らずで機能不全になり、坑井ケーシング崩壊させる場合がある。これは、ひいては生産損失を生じさせ、費用がかかるケーシングの修理を余儀なくさせる場合がある。

図面の簡単な説明

0004

本開示の態様に基づく、バインダー組成物の坑井孔への調製及び移送のためのシステムを示す。
図2Aは本開示の態様に基づく、坑井孔へのバインダー組成物の打設のために使用できる抗外設備を示す。
図2Bは本開示の態様に基づく、坑井孔アニュラスへのバインダー組成物の打設を示す。
図3Aは、本開示の態様に従う試料バインダー組成物の、時間の関数としての様々な特性を示すチャートである。
図3Bは、本開示の態様に従う試料バインダー組成物の、時間の関数としての様々な特性を示すチャートである。
図4Aは、本開示の態様に従う試料バインダー組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図4Bは、本開示の態様に従う試料バインダー組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。

0005

本開示の実施形態が描写及び記載されており、例示的な実施形態を参照することによって明確にされているが、このような参照は本開示を限定することを意図するものではなく、そのような限定が推測されるべきではない。開示した主題は、当業者及び本開示の利益を享受する者が想到するであろうような、形態及び機能に関する大幅な修正、変更、及び均等物が可能である。本開示に描写及び記載された実施形態は例示にすぎず、本開示の範囲を網羅するものではない。

0006

本明細書には、本開示の例示的な実施形態が詳細に記載されている。明確にするために、実際に実施される全ての特徴が本明細書に記載されていない場合がある。当然、全てのこのような実際の実施形態の開発においては、特定の実現目標を達成するために様々な実施形態特有の決定がなされる場合があり、これはある実施形態と別の実施形態とでは異なる場合があることが理解されるであろう。更に、このような開発努力は複雑で時間がかかるものではあるが、本開示の利益を享受する当業者にとっては日常的な仕事であろうことが理解されるであろう。

0007

本開示をより理解し易くするために、以降で特定の実施形態の実施例が示されている。以降の実施例は、本発明の範囲を限定または定義するものとして解釈すべきではない。本開示の実施形態は、任意の種類の地下層中の、水平な、垂直な、ずれた、あるいは直線的ではない坑井孔に適用可能である。実施形態は、炭化水素井及び地熱井を含む、圧入井観測井、及び生産井に適用することができる。

0008

本開示は、概して、セメンチング作業及び他のバインダー組成物作業に関し、より詳しくは、耐腐食性及び耐熱性が向上したバインダー組成物、並びに関連する形成方法及び使用方法に関する。

0009

本開示のいくつかの実施形態にかかるバインダー組成物は、(i)高アルミナセメントと、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とを含有するセメント、及び、(ii)ポンプ移送可能なスラリーを形成するのに十分な水、を含有していてもよい。

0010

いくつかの実施形態のバインダー組成物は、一般的には、約5lb/gal〜約25lb/galの範囲の密度を有していてもよい。いくつかの実施形態では、バインダー組成物の密度の下限は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20lb/galのうちのいずれか1つであってもよいし、前記数字の任意の2つの間にある非整数区間であってもよい。いくつかの実施形態のバインダー組成物の密度の上限は、約7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、及び25lb/galのうちのいずれか1つであってもよいし、前記数字の任意の2つの間にある非整数の区間であってもよい。したがって、例えばいくつかの実施形態にかかるバインダー組成物の密度は、約8lb/gal〜約17lb/galであってもよい。別の実施形態では、これは約6lb/gal〜約22lb/gal等であってもよい。ある実施形態では、バインダー組成物はセメント組成物(例えばアルミノリン酸カルシウムセメント(CAPC)など)などの凝結性バインダー組成物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、バインダー組成物はミクロスフェアを含有する発泡セメント組成物またはバインダー組成物などの、低密度凝結性バインダー組成物であってもよいし、あるいはこれらを含んでいてもよい。

0011

前述のように、いくつかの実施形態のバインダー組成物は、高アルミナセメントと、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とを含有するセメントを含んでもよい。ある実施形態では、このセメントは少なくとも部分的に未水和であってもよい。地下用途での使用に好適ないずれの高アルミナセメントも、好適に使用することができる。本明細書において、用語「高アルミナセメント」とは、高アルミナセメントの約40質量%〜約80質量%の範囲のアルミナ濃度を有するセメントを意味すると理解されるであろう。いくつかの実施形態では、好適な高アルミナセメントはアルミン酸カルシウムセメント(CAC)を含んでいてもよい。好適な高アルミナセメントの例としては、KERNEOSTMAluminate Technologiesから市販されている、商品名「SECAR(登録商標) 51」、「SECAR(登録商標) 60」、「SECAR(登録商標) 71」、「SECAR(登録商標) 712」、「SECAR(登録商標) 80」、及び/または「CIMNTFONDU(登録商標)」セメント、並びにALMATISTM Premium Aluminaから市販されているCA−14、及び/またはCA−270として入手可能なものなどの、市販の高アルミナセメントが挙げられるが、これらに限定されない。

0012

ある実施形態では、高アルミナセメントは、セメント質量基準(bwoc)で約20%〜約70%の範囲でバインダー組成物中に存在していてもよい。本明細書において使用される「セメント質量基準」及び「bwoc」とは、未水和セメント(例えば高アルミナセメントと高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料とリン含有材料の総和)の質量パーセンテージのことをいう。いくつかの実施形態で存在する高アルミナセメントの範囲の下限は、約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64及び65%bwocのうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実施形態では、存在する高アルミナセメントの範囲の下限は、直前に述べた数字の任意の2つの間にある任意の10分の1パーセンテージの区間(または他の区間)などの、非整数であってもよい(例えば32.4%bwoc、47.5%bwoc、48.6%bwoc等)。いくつかの実施形態で存在する高アルミナセメントの範囲の上限は、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69及び70%bwocのうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実施形態の高アルミナセメントの範囲の上限も同様に、直前に述べた数字の任意の2つの間にある任意の10分の1パーセンテージの区間(または他の区間)などの、非整数であってもよい(例えば29.15%bwoc、47.5%bwoc、48.6%bwoc、59.68%bwoc等)。したがって、上の記載に基づく好適な典型的範囲には、例えば約45.1%〜48.5%bwoc、約20.15%〜25.20%bwoc、約65.00%〜70.00%bwocなどが含まれていてもよい。

0013

バインダー組成物及び/またはセメントは、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を更に含有していてもよい。本明細書において使用される用語「高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料」は、シリカに対するアルミナの比率(またはA:S)が0.7より大きく、耐火れんがなどの耐火性材料由来である材料を意味する。いくつかの実施形態では、シリカに対するアルミナの比率は1より大きくてもよく、ある実施形態では、少なくとも17ほどに高くてもよい。つまり、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、シリカよりもアルミナを多く含んでいてもよく、いくつかの場合にはシリカよりも大幅に多くアルミナを含んでいてもよい。高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の例としては、特には破砕耐火れんが、耐火れんがグロッグ耐火モルタル耐火粘土ムライト溶融ムライト、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、高アルミナセメントに対する低コスト補完物質として機能する。いくつかの実例では、バインダー組成物中のアルミナ含量が高いほどより耐熱性が優れる場合があり、これは高温用途(例えば約200°F以上の温度などの坑井孔)に有利な場合がある。破砕耐火れんが及び耐火れんがグロッグなどのいくつかの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、いくつかの他のアルミノシリケート材料のアモルファス構造とは対照的に、結晶構造を含んでいる場合がある。更に、破砕耐火れんが及び耐火れんがグロッグなどのいくつかの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、異なる材料源から得られる材料間で、それらの特性に十分な均質性を示すことができる。これは、他のバインダー組成物に添加されるフライアッシュのようなケイ素フィラーなどの他のフィラーに対する複数の利点を与えうる。例えば、異なるバッチの「フライアッシュ」(粉砕石炭または粉末石炭燃焼によって生じ、例えば発電所で発生した燃焼排ガスなどによって運ばれる、微粉末残渣のことをいう)は、フライアッシュの廃棄物という特性のため、大きく異なる性質を示す場合がある。特に、フライアッシュは中でも石灰、セメント、石膏、CaO、及びSiO2のうちの任意の1つ以上で汚染されている場合がある。この不均質性及び他の不均質性のため、異なるバッチのフライアッシュを得てバインダー組成物に添加するたびに、セメント処方の試験及び修正を行うことが必要になることもあり得る。それに対して、耐火グロッグなどの実質的に均質の材料を使用することで、異なるバッチ及び/または異なる材料源の耐火グロッグを使用しても、バインダー組成物の均質性を高めることができる(及びそれによって繰り返し試験及び/または再処方をする必要性が減る)。この利点は、フライアッシュなどのフィラーを含有するセメント材料予測できない結果を生じさせる場合のあるいくつかの低温用途(例えば約200°F未満)で特に際立つ。

0014

いくつかの実施形態において、破砕耐火れんが及び/または耐火れんがグロッグなどの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を添加すると、代わりにフライアッシュ、軽石頁岩などのフィラーを用いたセメントや他のバインダー組成物と比べて、凝結及び/または硬化後により多くのアルミニウム含有種及び/またはアルミナ含有種を含むバインダー組成物とすることができる。同様に、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を添加すると、凝結バインダー組成物(例えば凝結セメント)中に存在するアモルファス材料の量を大幅に減らすか、あるいは実質的になくすことができ、また、凝結セメント中に存在する石英の量が減る可能性があることから、それによって圧縮強度及び/または凝結時間などの特性を高められる。いくつかの実施形態にかかる高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、更に、バインダー組成物に高温安定性及び耐腐食性を付与することができる。これは、いくつかの実例では、いくつかの実施形態にかかる高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料中に存在するムライトやコランダムなどの種によるものである場合がある。破砕耐火れんが及び耐火れんがグロッグなどの高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、本来的に有する耐熱性及び耐薬品性を、このような材料を含有するバインダー組成物に付与することができる。下の表1は、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を含有することによって存在しているいくつかの成分を含む、バインダー組成物中に含まれる場合がある様々な成分のX線回折(「XRD」)組成分析を示す。表1では具体的に、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料(表1では耐火グロッグ「FBG])の組成(質量%)が、セメントキルンダストCKD)、フライアッシュ(フライアッシュF)、軽石、及び頁岩それぞれと比較されている。表2は、他の上述したバインダー組成物と比較した耐火れんがグロッグの全酸化物分析を示す。

0015

表1. 様々なバインダー組成物成分のXRD

0016

表2.バインダー組成物の全酸化物分析

0017

かくして、上の表から明らかなように、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、他のフィラーと比較して、アルミニウムとアルミナのいずれかあるいは両方をより多く含有する場合がある。したがって、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料を含有するバインダー組成物は、このような材料をより多く含有する場合がある。例えば、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物に添加される高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、50質量%より多いムライトを含有していてもよい。ある実施形態では、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、30、35、40、45、50、55、60、65、及び70質量%のうちのいずれかよりも多い量のムライトを含有していてもよい。いくつかの実施形態では、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料はコランダムを含有していてもよい。ある実施形態では、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、10、15、20、25、及び30質量%のいずれかよりも多い量のコランダムを含有していてもよい。同様に、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物に添加される高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料には、実質的にアモルファス(非晶質)材料が含まれていなくてもよい。

0018

高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、いくつかの実施形態のバインダー組成物中に、約20%〜約70%bwocの範囲で存在していてもよい。いくつかの実施形態において存在する高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の範囲の下限は、約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、及び65%bwocのうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実施形態では、存在する高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の範囲の下限は、直前に述べた数字の任意の2つの間にある任意の10分の1パーセンテージの区間(または他の区間)などの、非整数であってもよい(例えば31.3%bwoc、47.5%bwoc、58.6%bwoc等)。いくつかの実施形態において存在する高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の範囲の上限は、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、及び70%bwocのうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実施形態では、存在する高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料の範囲の上限も同様に、直前に述べた数字の任意の2つの間にある任意の10分の1パーセンテージの区間(または他の区間)などの、非整数であってもよい(例えば29.15%bwoc、47.5%bwoc、48.6%bwoc、59.68%bwoc等)。したがって、上の記載に基づく好適な典型的範囲には、例えば約45.1%〜48.5%bwoc、約20.15%〜25.20%bwoc、約65.00%〜70.00%bwocなどが含まれていてもよい。

0019

また、高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料は、いくつかの実施形態のバインダー組成物及び/またはセメントに、粉砕状、粉末状、または他の同様な粒子状の形態で含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、バインダー組成物及び/またはセメントは、U.S.メッシュサイズが4以下の高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子を含有していてもよい。いくつかの実施形態では、高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子のメッシュサイズは10以下のU.S.メッシュサイズであってもよい。様々な実施形態にかかる高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子のU.S.メッシュサイズの上限は、80、70、60、50、40、35、30、25、20、18、16、14、12、10、8、7、6、及び4U.S.メッシュサイズのうちのいずれか1つであってもよい。高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子のサイズに下限がない実施形態もあるが、サイズの下限を有する実施形態がある場合もある。例えば、様々な実施形態にかかる高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子のU.S.メッシュサイズの下限は、400、325、270、230、200、170、140、120、100、80、70、60、50、40、30、25、20、18、16、14、12、10、8、7及び6U.S.メッシュサイズのうちのいずれか1つであってもよい。したがって、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物及び/またはセメントは、次の例示的な範囲:約400〜80U.S.メッシュサイズ、約400〜200U.S.メッシュサイズ、約100〜30U.S.メッシュサイズ、約80〜60U.S.メッシュサイズ、約80〜約18U.S.メッシュサイズ等、のうちの、任意の1つ以上のサイズの高アルミナ耐火性アルミノシリケート粒子を含んでいてもよい。

0020

バインダー組成物及び/またはセメントは、リン含有材料を更に含有していてもよい。リン含有材料には、水溶性リン酸塩を含めることができる。ガラスリン酸ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウムポリリン酸ナトリウムトリポリリン酸ナトリウムオルトリン酸ナトリウムメタリン酸ナトリウムヘキサメタリン酸アンモニウムポリリン酸アンモニウムトリポリリン酸アンモニウムオルトポリリン酸アンモニウム、及びメタリン酸アンモニウムを含む(ただしこれらに限定されない)、いずれの種類の水溶性リン酸塩も使用することができる。他の実施例には、任意のヘキサメタリン酸塩トリポリリン酸塩オルトリン酸塩、メタリン酸塩、及び/または他のポリリン酸塩が含まれる場合がある。別の実施例には、前述したものの任意の塩が含まれる。いくつかの実施形態においては、代わりに、あるいはそれに加えて、前述したものの任意の2つ以上の混合物または組み合わせを用いてもよい。水溶性リン酸塩を添加した場合、特に、水溶性リン酸塩が、高アルミナセメントの中に存在する場合があるアルミン酸カルシウムと結びついて、耐腐食性の場合があるヒドロキシアパタイトの形態のリン酸カルシウムを形成すると考えられている。リン含有材料と、高アルミナセメント及び高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料のうちのいずれか又は両方に含まれるアルミン酸材料と、の間の他の反応によって、混合された際に(これだけで、あるいはいくつかの実施形態では水の存在下で)耐腐食性の製品になる場合がある。いくつかの実例では、腐食は、例えば地下層を貫通する掘削孔中の中で遭遇する化学物質(天然のものと、石油ガスや他の回収作業時及び他の地下作業時に添加されるものの両方)に対するものの場合がある。例えば耐性は特に、流動酸、CO2、H2S、及びこれらの組み合わせのうちの任意の1つ以上に対してのものであってもよい。

0021

リン含有材料は、いくつかの実施形態のバインダー組成物中に、約1%〜約30%bwocの範囲で存在していてもよい。いくつかの実施形態において存在するリン含有材料の範囲の下限は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、及び29%bwocのうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実施形態では、存在するリン含有材料の範囲の下限は、直前に述べた数字の任意の2つの間にある任意の10分の1パーセンテージの区間(または他の区間)などの、非整数であってもよい(例えば1.3%bwoc、7.5%bwoc、8.6%bwoc等)。いくつかの実施形態において存在するリン含有材料の範囲の上限は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30%bwocのうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実施形態では、存在するリン含有材料の範囲の上限も同様に、直前に述べた数字の任意の2つの間にある任意の10分の1パーセンテージの区間(または他の区間)などの、非整数であってもよい(例えば3.15%bwoc、7.5%bwoc、8.6%bwoc、9.68%bwoc等)。したがって、上の記載に基づく好適な典型的範囲には、例えば約4.5%〜8.5%bwoc、約2.15%〜5.20%bwoc、約6.00%〜10.00%bwocなどが含まれていてもよい。

0022

上で述べたように、いくつかの実施形態のバインダー組成物は水を更に含有していてもよい。水は、バインダー組成物中の他の化合物に悪影響を及ぼす化合物が過剰に含まれていない限り、任意のものを供給源としていてもよい。例えば、本開示のバインダー組成物は、真水、塩水(例えば1種以上の塩が溶解した水)、食塩水海水、またはこれらの任意の組み合わせを含有していてもよい。水は、ポンプ移送可能なスラリーを形成するのに十分な量で存在していてもよい。より具体的には、水は、いくつかの実施形態のバインダー組成物中に約25%〜約100%bwocの範囲で存在していてもよい。水は、いくつかの実施形態のバインダー組成物中に約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50など整数値で増加していき最大170%bwocまで、のうちの任意の1つ程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、水は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の非整数の%bwoc程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、水は、約40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50など整数値で増加していき最大200%bwocまで、のうちの任意の1つほどの多い量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、水は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の非整数の%bwocほどの多い量で存在していてもよい。したがって、水は約25〜約50%bwoc、または約30.1〜約55.5%bwoc、または約35〜約45%bwoc、または約30〜約100%bwocなどの範囲の量で存在していてもよい。

0023

いくつかの実施形態のバインダー組成物には、凝結遅延剤、ミクロスフェア、粉砕ゴム粒子炭素繊維、促進剤、界面活性剤流体損失抑制剤加重材分散剤などのうちの任意の1種以上を含む、任意の1種以上の様々な添加剤が添加されてもよい。

0024

例えば、いくつかの実施形態には1種以上の凝結遅延剤が含まれていてもよい。本明細書において、「凝結遅延剤」は、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物の凝結を遅らせる添加剤である。凝結遅延剤には、水溶性カルボン酸(例としてはリンゴ酸乳酸酢酸酒石酸クエン酸、及びギ酸が挙げられるが、これらに限定されない)が含まれていてもよい。いくつかの実施形態の凝結遅延剤は、その代わりに、あるいは追加的に、スルホアルキルリグニンヒドロキシカルボン酸アクリル酸及び/またはマレイン酸を含むコポリマー、並びにこれらの組み合わせの、アンモニウム塩アルカリ金属塩アルカリ土類金属塩金属塩のうちの任意の1種以上を含んでいてもよい。好適なスルホアルキル化リグニンの1つの例にはスルホメチル化リグニンが含まれる。いくつかの実施形態にかかる好適な凝結遅延剤は、Halliburton Energy Services、Inc.から商品名「HR(登録商標)4」、「HR(登録商標)5」、「HR(登録商標)7」、「HR(登録商標)12」、「HR(登録商標)15」、「HR(登録商標)25」、「SCRTM100」、及び「SCRTM500」として市販されている。いくつかの実施形態にかかる1種以上の凝結遅延剤は、バインダー組成物を地下層に打設した後に必要とされる時間まで、バインダー組成物の凝結を遅らせるのに十分な量で添加されていてもよい。より具体的には、凝結遅延剤は、いくつかの実施形態のバインダー組成物の中に約0.1%〜約5.0%bwocの範囲の量で含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、凝結遅延剤(類)はバインダー組成物中に約0.1、0.5、1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5及び4.0%bwocのうちの任意の1つ程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、凝結遅延剤(類)は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の非整数の%bwoc程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、凝結遅延剤は約0.5、1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5及び5.0%bwocのうちの任意の1つほどの多い量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、凝結遅延剤(類)は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の非整数の%bwocほどの多い量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、2種以上の凝結遅延剤が上に記載した量に従う合計量でバインダー組成物中に含まれていてもよい。バインダー組成物の高温での打設などのいくつかの条件下では、遅延剤を組み合わせると、バインダー組成物の凝結時間とポンプ移送時間のうちのいずれかあるいは両方によい影響がある場合がある。

0025

ミクロスフェアは、いくつかの実施形態のセメント組成物に添加するのに好適な添加剤のもう1つの例である。ミクロスフェアは特に、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物の密度を下げることができる。地下用バインダー組成物と適合する任意のミクロスフェア、例えばバインダー組成物に添加された際に長時間化学的に安定であるもの、を使用することができる。好適なミクロスフェアの例は、Tex、HoustonのHalliburton Energy Services,Inc.から商品名SPHERELITE(登録商標)として市販されている。ミクロスフェアは、添加される場合、いくつかの実施形態のバインダー組成物中に、バインダー組成物が望ましい範囲の密度を有するのに十分な量で存在することができる。例えば、ミクロスフェアは約10%〜80%bwocの範囲の量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、ミクロスフェアはバインダー組成物中に約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55及び60%bwocのうちの任意の1つ程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の整数または非整数の%bwoc程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、ミクロスフェアは約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75及び80%bwocのうちの任意の1つほどの多い量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の整数または非整数の%bwocほどの多い量で存在していてもよい。

0026

粉砕ゴム粒子は、いくつかの実施形態にかかるもう1つの例示的添加剤である。粉砕ゴム粒子は、特に、いくつかの実施形態のバインダー組成物に弾性及び/または延性を付与するために添加することができる。このような粒子は、例えばタイヤから製造することができる。いくつかの実施形態にかかる粉砕ゴム粒子は、約1/4”未満の平均長を有していてもよく、これらは約10/20及び20/30のU.S.メッシュサイズのフィルターを通過可能であってもよい。粉砕ゴム粒子は、添加される場合、いくつかの実施形態のバインダー組成物中に、バインダー組成物に望ましい程度の延性を与えるのに十分な量で、例えば約10%〜約30%bwocの範囲の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、粉砕ゴム粒子はバインダー組成物中に約10、15、20、及び25%bwocのうちの任意の1つ程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、粉砕ゴム粒子は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の整数または非整数%bwoc程度の少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、粉砕ゴム粒子は約15、20、25、及び30%bwocのうちの任意の1つほどの多い量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、粉砕ゴム粒子は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の整数または非整数%bwocほどの多い量で存在していてもよい。粉砕ゴム粒子は、ミクロスフェアのように、任意の様々な段階(例えば空練り、未水和セメントと流体との混合の前の流体との混合、及び/または、バインダー組成物が流体と混合されてスラリーになった後のバインダー組成物との混合)でバインダー組成物に添加されてもよい。

0027

炭素繊維は、特にバインダー組成物の引張強度を向上させるためにいくつかの実施形態で添加される場合がある。そのような実施形態での添加に好適な炭素繊維は、高い引張強度及び/または高い引張弾性率を有する場合がある。ある典型的な実施形態では、引張弾性率は約180GPa以上であってもよく、繊維の引張強度は約3000MPa以上であってもよい。繊維は好ましくは約1mm以下の平均長を有する。ある典型的な実施形態では、炭素繊維の平均長は約50〜約500ミクロンであり、他の実施形態では、約100〜200ミクロンである。平均繊維長は、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、250、300、350、400、及び450ミクロンのうちの任意の1つ程度に小さくてもよい。いくつかの実施形態では、炭素繊維は、直前に述べたミクロン長の任意の2つの間にある任意の整数長または非整数長程度に小さい平均長を有していてもよい。平均繊維長は、約55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、250、300、350、400、450、及び500ミクロンのうちの任意の1つ程に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、炭素繊維は、直前に述べたミクロン長の任意の2つの間にある任意の整数長または非整数長程に大きい平均長を有していてもよい。炭素繊維は、N.J.、AsburyにあるAsbury Graphite Mills,Inc.から市販されている「AGM−94」、「AGM−99」、「AGM−95」炭素繊維が例として挙げられる、粉砕炭素繊維であってもよい。「AGM−94」繊維は、例えば約150ミクロンの平均長と約7.2ミクロンの直径を有する。「AGM−99」炭素繊維は、例えば約150ミクロンの平均長と約7.4ミクロンの直径を有する。通常、炭素繊維は、凝結セメントが必要とする引張強度を得られるのに十分な量で存在することができる。炭素繊維は、いくつかの実施形態のバインダー組成物中に、約1%〜約15%bwocの範囲の量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、炭素繊維はバインダー組成物中に約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13及び14%bwocのうちの任意の1つ程度に少ない量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、炭素繊維は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の非整数の%bwoc程度の少ないで存在していてもよい。炭素繊維は、いくつかの実施形態では約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14及び15%bwocのうちの任意の1つほどの多い量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、炭素繊維は、直前に述べたパーセンテージの任意の2つの間にある任意の非整数の%bwocほどの多い量で存在していてもよい。

0028

前述したように、いくつかの実施形態のバインダー組成物への添加に好適な他の添加剤の例としては、促進剤、界面活性剤、流体損失抑制剤、加重材、分散剤、気体発生剤逸泥用材、濾過調整剤、消泡剤油膨潤性粒子、水膨潤性粒子チキソトロピー付与剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な流体損失抑制剤の例は、例えばOkla、DuncanのHalliburton Energy Services,Inc.から販売名「LATEX 3000TM」として市販されている、スチレンブタジエンラテックスである。カチオン化デンプンも好適な流体損失抑制剤である場合がある。添加剤の更に具体的な例としては、結晶質シリカアモルファスシリカフュームドシリカ、塩、繊維、水硬性粘土もみ殻灰、エラストマーエラストマー粒子樹脂ラテックス、これらの組み合わせなどが挙げられる。例えば逸泥用材は、流体循環の地下層への逸失を防止する働きをすることができ、逸泥用材としては杉皮、破砕したサトウキビ鉱物繊維雲母片セロファン炭酸カルシウム、破砕ゴム高分子材料プラスチック片、破砕大理石、木、木の実の殻、フォーマイカトウモロコシ穂軸、及び綿の殻を挙げることができる。別の例として、消泡剤は、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物の、組成物の混合及び/またはポンプ移送時の泡立ち傾向を抑えることができる。好適な消泡剤の例としてはポリオールシリコーン化合物が挙げられるが、これに限定されない。また、チキソトロピー付与剤は、薄いあるいは低粘度の液体としてポンプ移送可能であるが静置された場合には比較的高粘度になるバインダー組成物、を与えることができる。好適なチキソトロピー付与剤の例としては、石膏、水溶性カルボキシアルキルヒドロキシアルキル、混合カルボキシアルキルヒドロキシアルキル、セルロース多価金属塩ヒドロキシエチルセルロースを含む塩化オキシジルコニウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。

0029

添加剤は、任意の適切な手段によって、様々な実施形態のバインダー組成物に添加することができる。例えば、添加剤は水などの流体の添加前に、セメントに添加される流体と混合することによって、または、流体の添加に連続して若しくは後にセメントスラリーと混合することによって、セメントと乾式混合されてもよい。いくつかの実施形態では、添加剤を予め水に懸濁させ、水性スラリーとしてセメント混合流体の中へ、またはセメントスラリーの中へ、入れてもよい。ある実施形態では、液体添加剤(あるいは上述のような懸濁させた添加剤)は水などの流体と混合されてもよく、固体添加剤はセメントと混合されてもよく、その後、流体とセメント(プラスそれに混ぜられたそれぞれの添加剤)が混ぜ合わされてポンプ移送可能なスラリーが形成されてもよい。液体添加剤の例としては、凝結遅延剤、促進剤、界面活性剤、流体損失抑制剤、及び分散剤を挙げることができる。いくつかの実施形態では、これらの液体添加剤の任意の1種以上は、それらの液体形態の代わりに、あるいはそれに加えて、固体の形態で用いられてもよい。固体添加剤の更なる例としては、ゴム粒子、炭素繊維、ミクロスフェア、及び加重材を挙げることができる。

0030

ある実施形態のバインダー組成物は、低密度バインダー組成物であってもよい。例えば、いくつかの実施形態のバインダー組成物は、発泡バインダー組成物を含んでいてもよい。発泡させる場合、バインダー組成物には、バインダー組成物を望ましい密度に発泡させるのに十分な量で膨張剤が含まれていてもよい。バインダー組成物を発泡させる場合、任意選択的には、発泡を促進するためにバインダー組成物に発泡剤及び/または泡安定剤を添加してもよい。いくつかの実施形態では、発泡剤及び/または泡安定剤を含有する界面活性剤がバインダー組成物に添加されてもよい。好適な発泡化及び安定化界面活性剤組成物としては、アルキルエーテル硫酸塩のアンモニウム塩とコカミドプロピルベタイン界面活性剤とコカミドプロピルジメチルアミンオキシド界面活性剤と塩化ナトリウムと水との混合物、アルキルエーテル硫酸塩界面活性剤のアンモニウム塩とコカミドプロピルヒドロキシスルタイン界面活性剤とコカミドプロピルジメチルアミンオキシド界面活性剤と塩化ナトリウムと水との混合物、加水分解ケラチンエトキシ化アルコールエーテル硫酸塩界面活性剤とアルキル若しくはアルケンアミドプロピルベタイン界面活性剤とアルキル若しくはアルケンジメチルアミンオキシド界面活性剤との混合物、アルファオレフィンスルホン酸塩界面活性剤とベタイン界面活性剤との水溶液、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ある1つの実施形態では、発泡化及び安定化界面活性剤組成物は、アルキルエーテル硫酸塩のアンモニウム塩とコカミドプロピルベタイン界面活性剤とコカミドプロピルジメチルアミンオキシド界面活性剤と塩化ナトリウムと水との混合物が含まれていてもよい。このような混合物の好適な例は、Halliburton Energy Services,Incから市販されている発泡剤「ZONESEAL(登録商標) 2000」である。発泡剤及び/または泡安定剤を使用する場合、これは安定な泡を生成するのに十分な量でいくつかの実施形態のバインダー組成物中に存在させることができる。ある典型的な実施形態では、発泡剤及び/または泡安定剤は、組成物中の水の質量基準で約0.5%〜約5%の範囲の量で存在していてもよく、他の実施形態では、水の質量基準で約1%〜約2%の範囲で存在していてもよい。更に、いくつかの実施形態のバインダー組成物を発泡させるために膨張剤を使用してもよい。空気、窒素、またはこれら両方の混合物などの気体を使用してもよい。ある典型的な実施形態では、窒素を使用してもよい。膨張剤を添加する場合、膨張剤はバインダー組成物の密度を望ましい値に調節するのに十分な量でバインダー組成物中に存在させることができる。膨張剤がバインダー組成物に添加されたある典型的な実施形態では、発泡バインダー組成物は約10.5〜約17.5lb/galの範囲の密度を有していてもよく、あるいはいくつかの実施形態では約11.5〜約12.5lb/galの範囲の密度を有していてもよい。

0031

発泡バインダー組成物は、任意の適切な混合技術に従って調製することができる。例えば、大量の水をセメントブレンダーに入れ、次いで高アルミナセメントとリン含有材料と高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料とを含有するセメントを添加してもよい。混合物は、ポンプ移送可能な未発泡スラリーが形成されるのに十分な時間撹拌されてもよい。その後、スラリーは坑井孔にポンプ移送され、発泡剤及び/または泡安定剤、そしてその次の膨張剤は、その場でスラリーに投入されてもよい。得られる発泡バインダー組成物が打設されるべき位置に、スラリーと膨張剤が坑井孔を通って流れていくと、バインダー組成物が発泡し安定化することができる。他の添加剤を使用する場合には、他の添加剤はセメントの成分とそれらが混合される前に水に添加されてもよく、及び/または他の添加剤は混合前にセメントに添加されてもよい。

0032

様々な実施形態にかかるバインダー組成物は、数多くの様々なセメンチング作業に好適な場合があるが、これらは特に地下層でのセメンチング方法に適している場合がある。例えば、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物は、バインダー組成物が地下層に導入されて凝結する、一次及び/または補修セメンチング作業で使用することができる。本明細書においては、バインダー組成物を地下層に導入することには、地下層に掘削された坑井孔、坑井孔周囲の坑井孔近傍領域、またはこれらの両方を含む(ただしこれらに限定されない)、地下層の任意の部分に導入することが含まれる。更に、バインダー組成物を地下層に導入することには、坑井孔が貫通する1つ以上の地下層へのバインダー組成物の導入が包含されることが意図されている。

0033

一次セメンチングの実施形態では、例えば水と高アルミナセメントと高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料とリン含有材料とを含有するバインダー組成物は、坑井孔のアニュラスの中へ導入され、その中で凝結してもよい。アニュラスには、例えば導管(例えばパイプストリング、サーフェイスケーシング、中間ケーシングプロダクションケーシング、ライナーなど)と坑井孔の壁との間の環状空間、または坑井孔中の導管とそれより大きい導管との間の環状空間を含めることができる。凝結したバインダー組成物は、特に、坑井孔中の導管を固定することができる。中でも、バインダー組成物は、坑井孔の中に流体が移動するのを防止する防壁を形成することができる。バインダー組成物は、例えば坑井孔中の導管を支持することもできる。

0034

補修セメンチングの実施形態においては、水と高アルミナセメントと高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料とリン含有材料とを含有するバインダー組成物は、例えばスクイズセメンチング作業またはプラグの設置で使用することができる。例えば、バインダー組成物は、層中、グラベルパック中、導管中、セメントシース中、及び/またはセメントシースと導管との間のマイクロアニュラスにある、隙間やひびなどの開口を塞ぐために坑井孔中に打設することができる。別の実施形態では、バインダー組成物は、例えば坑井孔のシーリングなど、プラグで坑井孔に蓋をするために坑井孔中に打設してもよい。

0035

いくつかの実施形態では、水と高アルミナセメントと高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料とリン含有材料とを含有するバインダー組成物は、比較的低温で、すなわち約200°F、190°F、180°F、170°F、160°F、150°F、140°F、130°F、120°F、110°F、100°F未満、またはそれ以下の温度で凝結及び/または硬化することができる。他の実施形態では、バインダー組成物は約200°Fの温度で凝結及び/または硬化することができる。ある実施形態では、凝結と硬化のいずれも極端な温度で、例えば300°F以上で、あるいはいくつかの実施形態では350°F以上で生じる場合がある。いくつかの実施形態では、凝結及び/または硬化は約400°F、450°F、500°F、550°F、及び600°Fのうちの任意の1つ以上で生じる場合がある。前述した任意の1つ以上の温度での圧力は2,000psi〜35,000psiの範囲であってもよい。圧力の下限にはこの範囲内の任意の整数値または非整数値が含まれていてもよい。同様に、圧力の上限にはこの範囲内の任意の整数値または非整数値が含まれていてもよい。したがって、いくつかの実施形態にかかる圧力設定範囲には、例えば2,000〜3,000psi、2,500〜2,750psi、3,050psi〜5,075psi、7,500psi〜10,000psi、9,000psi〜15,000psi、9,000psi〜25,000psi、10,000psi〜30,000psi、25,000〜30,000psiのいずれかなどが含まれていてもよい。本明細書において使用される「凝結する」または「凝結」は、いくつかの実施形態にかかるバインダー組成物などの材料がスラリー状態から固化した状態に硬化するプロセスのことをいう。例えば、「凝結」は、少なくとも部分的に水の存在下での水和反応によって硬化する材料のことをいう場合がある。いくつかの実施形態では、凝結は特に適切な条件下(例えば適切な温度及び/または圧力)におけるバインダー組成物などの材料の打設であってもよい。この打設は、いくつかの実施形態に従い、底であってもよい。本明細書において使用される「硬化」は、継続的に及び/またはより大きい、温度条件下及び/または圧力条件下におかれた場合に、凝結した材料が受けうる現象のことをいう。したがって、「硬化」には、後に続く処理、及び/または、凝結した材料を特定の条件下(これは材料が最初に凝結する時と同様の条件であってもよく、あるいは、より高い温度及び/または圧力条件の場合などの異なる条件であってもよい)におくことが含まれる。

0036

いくつかの実施形態には、最初の、低い、温度及び/または圧力で凝結し、その後に継続して高い温度及び/または圧力で処理(例えば硬化)することが含まれていてもよい。例えば、バインダー組成物を約200°F以下の温度で最初に凝結させ、引き続いて組成物を更に硬化しうる温度である約400°F以上の高温においてもよい。最初の凝結も、硬化も、様々な実施形態での凝結のための上に挙げた温度以外の任意の他の温度でも生じうる。いくつかの実施形態では、凝結は、例えば水熱処理などの任意の好適な手段によって生じさせることができる。いくつかの実施形態では、凝結は、坑底に打設され、その後に坑底環境中で自然に遭遇する条件(例えば高められた温度及び/または圧力)に曝されることによって生じてもよい。したがって、凝結には、組成物が凝結すべき坑底の位置で、バインダー組成物を温度及び/または圧力条件下におくことが含まれていてもよい。いくつかの実施形態における凝結には、代わりに、あるいはそれに加えて、バインダー組成物に、増進石油回収技術(火攻及び/または蒸気ポンピング作業など)、廃棄作業酸性ガス廃棄作業など)、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを受けさせることが含まれていてもよい。いくつかの実例では、任意のこのような技術及び/または作業が、バインダー組成物が凝結する温度及び/または圧力を上げる場合がある。ある実施形態では、凝結には、代わりに、あるいはそれに加えて、バインダー組成物を産出条件(例えば炭化水素の産出及び/または地下層から産出される他の材料の産出)におくことが含まれていてもよい。同様に硬化には、バインダー組成物に、凝結した後に増進石油回収技術(火攻及び/または蒸気ポンピング作業など)、廃棄作業(酸性ガス廃棄作業など)、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを受けさせることが含まれていてもよい。そして硬化には、バインダー組成物を、凝結した後に、地下層から産出される1種以上の化合物(例えば炭化水素、地下水、または任意の他の産出される化合物)に曝すことも含んでいてもよいし、あるいは代わりにこれを含んでいてもよい。このような曝露には、高温及び/または高圧条件が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、より高い凝結温度及び/または圧力では、凝結時にバインダー組成物が受ける化学的作用が修正される場合がある。例えば、より高い温度では、より低い温度で凝結した場合とは異なる生成物及び/または結晶構造を凝結後に凝結組成物が含むように、反応生成物が変わる場合がある。同様に、高温での硬化によって凝結後のバインダー組成物の化学的性質が修正される場合がある。例えば、極端な温度及び/または圧力で硬化すると、凝結バインダー組成物中に高温結晶相を生じさせる化学的変化が起こる場合がある。いくつかの実例では、このような工程はアニーリングと似ている場合がある。したがって、いくつかの実施形態のバインダー組成物は、極端な温度条件に耐えられるだけではなく、このような条件への更なる曝露への適応も可能な場合がある。したがって、このようなバインダー組成物は、生産注入、増進回収技術、火攻、蒸気ポンピングなどの、極めて高い温度条件でのいずれの作業での使用にも好適な場合がある。

0037

本明細書に開示した例示的なバインダー組成物は、直接的または間接的に、1つ以上の成分に、または開示したバインダー組成物の調製、移送、回収リサイクル、再使用、及び/または廃棄に関係する装置の1つ1つに、影響を与える場合がある。例えば、開示したバインダー組成物は、直接的または間接的に、例示したバインダー組成物の生成、貯蔵、観察、調整、及び/または再生に使用される、1つ以上のミキサー、関連する混合装置泥溜め貯蔵設備若しくはユニット、組成物分離装置熱交換器センサーゲージポンプコンプレッサーなどに影響を与える場合がある。開示したバインダー組成物は、直接的または間接的に、例えばバインダー組成物を1つの場所から他の場所へ組成物状で動かすために使用される任意の輸送容器、導管、パイプライントラック、管、及び/またはパイプなどの、坑井現場へ若しくは坑底へバインダー組成物を運ぶために使用される任意の輸送装置または移送装置、バインダー組成物を動かすために使用される任意のポンプ、コンプレッサー、若しくはモーター(例えば上部または坑底)、バインダー組成物の圧力若しくは流速を制御するために使用される任意のバルブ若しくは関連するジョイント、任意のセンサー(すなわち圧力及び温度)、ゲージ、及び/またはこれらの組み合わせなどに影響を与える場合もある。開示したバインダー組成物は、直接的または間接的に、坑井孔ケーシング、坑井孔ライナー、仕上ストリングインサートストリング、ドリルストリングコイルドチュービングスリクラインワイヤーラインドリルパイプドリルカラーマッドモーター、ダウンホールモーター及び/またはポンプ、セメントポンプ地表設置モーター及び/またはポンプ、セントラライザーターボライザースクラッチャーフロート(例えばシューカラー、バルブ等)、検層工具、及び関連する遠隔装置アクチュエータ(例えば電気機械式装置油圧機械式装置等)、スライディングスリーブ、生産スリーブ、プラグ、スクリーン、フィルター、流量制御装置(例えば流入制御装置、自律流入制御装置、流出制御装置等)、連結器(例えば電気油圧式ウエトコクトドライコネクト誘導結合器等)、制御ライン(例えば電気式光ファイバー式、油圧式等)、監視ラインドリルビット及びリーマー、センサー若しくは分散型センサーダウンホール熱交換器、バルブ若しくは関連する作動装置工具シールパッカーセメントプラグブリッジプラグ、並びに他の坑井孔分離装置または構成要素など(ただしこれらに限定されない)の、セメント組成物/添加剤と接触する可能性がある様々なダウンホール設備及び工具に影響を与える場合もある。

0038

次に図1を参照して、例示実施形態に基づくバインダー組成物の調製を以下に説明する。図1は、ある実施形態に基づくバインダー組成物の調製及び坑井孔への移送のためのシステム2を示している。図示のように、バインダー組成物は、ジェットミキサー再循環ミキサー、またはバッチ式ミキサーなどの混合装置4中で混合されてもよく、例えばその後、ポンピング装置6を介して坑井孔へポンプ移送されてもよい。いくつかの実施形態では、混合装置4及びポンピング装置6は、当業者に明白であろうように、1台以上のセメントトラックの上に設置されていてもよい。いくつかの実施形態では、例えば坑井孔にセメントをポンプ注入しつつセメントを水と連続的に混合するために、ジェットミキサーが使用されてもよい。

0039

次に図2A及び図2Bを参照しつつ、地下層へのバインダー組成物の打設のための例示技術を説明する。図2Aは、ある実施形態に基づくバインダー組成物の打設に使用することができる坑外設備10を示している。図2Aは、概略的に上の作業を描写しているが、当業者であれば本開示の範囲を逸脱することなしに、本明細書に記載の原理浮遊式または海上のプラットフォーム及びリグを用いる海底作業に等しく適用可能であることを容易に認識するであろうことに留意すべきである。図2Aに示されているように、坑外設備10には、セメンチングユニット12(これには1台以上のセメントトラックが含まれていてもよい)が含まれていてもよい。セメンチングユニット12には、当業者に明白であろうように、混合装置4及びポンピング装置6(例えば図1)が含まれていてもよい。セメンチングユニット12は、バインダー組成物14を、供給パイプ16を介して、バインダー組成物14を坑底に運ぶセメンチングヘッド18へ、ポンプ移送することができる。

0040

次に図2Bを見ると、バインダー組成物14は、例示の実施形態に従って地下層20に打設されてもよい。図示のように、坑井孔22は地下層20の中に掘削されていてもよい。地下層20に概して垂直に延在する坑井孔22が示されているが、本明細書に記載の原理は、水平な坑井孔及び傾斜した坑井孔などの、ある角度で地下層20を通って延在する坑井孔にも適用可能である。図示のように、坑井孔22は壁24を含んでいる。図示の実施形態では、サーフェイスケーシング26が坑井孔22の中に挿入されている。サーフェイスケーシング26は、セメントシース28によって坑井孔22の壁24にセメント固定されていてもよい。図示の実施形態では、ケーシング30としてここに示されている1つ以上の追加的な導管(例えば中間ケーシング、生産ケーシング、ライナー等)も、坑井孔22の中に配置されていてもよい。図示のように、ケーシング30と、坑井孔22の壁24及び/またはサーフェイスケーシング26と、の間に形成される坑井孔アニュラス32が存在する。例えば、セメンチング作業の前にあるいは作業中に、坑井孔22の中でケーシング30を中心に位置させるために、ケーシング30に1つ以上のセントラライザー34が取り付けられていてもよい。

0041

引き続き図2Bを参照すると、バインダー組成物14はケーシング30内部にポンプダウンされてもよい。バインダー組成物14はケーシング30の内部を流下してケーシング30の底部でケーシングシュー42を通り、坑井孔アニュラス32へとケーシング周りで上ることができる。バインダー組成物14は、例えばケーシング30を坑井孔22の中で支持し、かつ位置づけるセメントシースを形成するために、坑井孔アニュラス32の中で凝結されてもよい。図示されてはいないが、バインダー組成物14を導入するために他の技術を利用することもできる。例として、ケーシング30を通る代わりに坑井孔アニュラス32によって地下層20の中へバインダー組成物14を導入することが含まれる、逆循環技術を使用してもよい。

0042

バインダー組成物14は、導入されるにつれ、ケーシング30内部及び/または坑井孔アニュラス32に存在する場合がある掘削流体及び/またはスペーサー流体などの他の流体36と置き換わることができる。置換された流体36の少なくとも一部は、フローライン38を経由して坑井孔アニュラス32を出て、例えば図2Aに示されているような1つ以上の貯留ピット40(例えば泥溜め)に溜め置かれる場合がある。再び図2Bを参照すると、例えばセメンチングの前にケーシング30内部にある場合がある流体36からバインダー組成物14を分離するために、バインダー組成物14の前にボトムプラグ44を坑井孔22の中に入れてもよい。ボトムプラグ44がランディングカラー46に到達した後、バインダー組成物14がボトムプラグ44を通過できるように、ダイヤフラムまたは他の好適な装置を破裂させてもよい。図2Bでは、ボトムプラグ44がランディングカラー46の上部に示されている。図示の実施形態では、トッププラグ48がバインダー組成物14の後に坑井孔22の中へ入れられてもよい。トッププラグ48は、バインダー組成物14を置換流体50から分離できると共に、バインダー組成物をボトムプラグ44から押し出すこともできる。

0043

いくつかの実施形態では、本開示は、水及びセメントを含有するバインダー組成物であって、セメントは高アルミナセメントと、シリカに対するアルミナが約0.7より大きい比率でアルミナ及びシリカを含有する高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とを含有する、バインダー組成物を提供することができる。

0044

ある実施形態では、バインダー組成物を地下層に導入することと、バインダー組成物を凝結させることと、を含むセメンチング方法であって、バインダー組成物が、水と、高アルミナセメントと、シリカに対するアルミナが約0.7より大きい比率でアルミナ及びシリカを含有する高アルミナ耐火性アルミノシリケート材料と、リン含有材料とを含むスラリーを含有する、セメンチング方法を提供することができる。

0045

本開示をより理解しやすくするため、複数の典型的な実施形態である以下の実施例が示されている。これら実施例は本開示の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。

0046

実施例1
複数の実施形態にかかる1組の試料バインダー組成物スラリーを、表3に示す組成で調製した。

0047

表3.試料バインダー組成物スラリー

0048

表3において、Secar71は高アルミナセメントであり、SHMPはヘキサメタリン酸ナトリウム(いくつかの実施例にかかるリン含有材料の例)である。FDP−C919−09及びFE−2はそれぞれ凝結遅延剤である。耐火グロッグAには30U.S.メッシュサイズのを通り抜ける大きさの耐火れんが粒子が含まれており、耐火グロッグBには70U.S.メッシュサイズの篩を通り抜ける大きさの耐火れんが粒子が含まれている。

0049

試料I及びIIをそれぞれオートクレーブ中、200°F、約10,000psiで凝結させた。各スラリー試料は、大体3〜4時間(試料Iは3:14:00、試料IIは4:04:30)で約70Bearden係数(Bc)のコンシステンシーに到達した。図3A及び図3Bは、それぞれ、試料I及びIIの各硬化時間の関数としての、各温度、圧力、コンシステンシー、壁温度、及びモーター速度を示すチャートである。温度、圧力、及びコンシステンシーは、スラリー試料のそのような特性のことである。壁温度は、オートクレーブチャンバーの壁(加熱素子が設置されている場所)の温度のことである。モーター速度は、バインダー組成物スラリー試料を試験中に撹拌するミキシングパドルの回転速度のことであり、回転毎分(RPM)で測定される。

0050

実施例2
表3の試料IIの組成物による2つの試料スラリーを調製した。1つのスラリーは、水浴中、190°Fで24時間凝結させた。他方も水浴中、190°Fで24時間同様に凝結させた後、オートクレーブに移して550°Fで7日間更に硬化させた。表4に示される各試料の圧縮強度の結果は、試料IIにかかる組成物が二次硬化プロセス時にオートクレーブ中で高温条件に曝されながらもその強度が上昇し続けたことを示している。

0051

表4.試料IIスラリー硬化後の圧縮強度

0052

XRD回折パターンに基づくXRD組成分析(表5)は、高温(550°F)で硬化すると、190°Fで凝結したバインダー組成物から組成的に変化することを示している。

0053

表5.硬化した試料IIのXRD分析

0054

例えば、表5に示されるように、550°Fで硬化した試料では、190°F凝結と比較して、ムライトが少ない量で存在した。更に、190°Fで凝結した試料中には結晶質シリカ、加石、珪灰石、及び未確認のアモルファス材料が相当量存在したが、引き続き550°Fで硬化した試料には存在しなかった。その一方で、550°F硬化には相当量の六方晶系CaAl2Si2O8(ドミスタインベルグ石)及びAlOOH(ベーマイト)が含まれていた。それぞれ190°F凝結及び550°F硬化の、400x及び500x拡大の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示している図4A及び図4Bから示唆されるように、より高温では、190°F硬化でみられるよりもより大きな度合いの結晶化を試料中の材料に生じさせた可能性があるようである。この結論は、550°F硬化試料中にアモルファスが少ししか示されていないか、または全く示されていないXRD分析によって確認される。

実施例

0055

以上から、本発明は、言及した目的及び利点を実現するためのみならず、これらに内在するものを実現するためにもよく適している。本開示は、本明細書の教示の利益を有する当業者にとって明白な、異なるが均等な方法に修正または実施でき、上に開示した具体的な実施形態は例示的なものに過ぎない。更に、以下の請求項で記載されているもの以外に、本明細書で示した構造または設計の詳細に限定することは意図されていない。したがって、上に開示した具体的な例示実施形態は変更または修正可能であり、全てのそのようなバリエーションが本開示の範囲及び趣旨に含まれると考えられることは明白である。特に、本明細書で開示される値の全ての範囲(「約aから約b」、または等価的な「おおよそaからb」、または等価的な「おおよそa〜b」の形態)は、値のそれぞれの範囲のべき集合(全ての部分集合の集合)のことをいい、また値のより広い範囲に包含される全ての範囲を意味すると理解されるべきである。また、請求項の中の用語は、特許権者によって明示的に及び明確に定義される場合を除いては、単純な、通常の意味を有する。

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