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課題・解決手段

(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、を含有する組成物。(A)(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、(iii)水と、を含有する水硬性セメント組成物を形成すること、及び、(B)坑井中に水硬性組成物を導入すること、を含む、坑井中のセメンチング方法。

概要

背景

坑井における一次セメンチング工程では、水硬性セメント坑井孔の壁とケーシングとの間の環状空間にポンプ注入される。凝結セメントシースはケーシングを支持し、坑井孔と結合する。凝結セメントシースは、ケーシングの外側の流体及び気体が坑井の表面へ移動するのを防ぐ。

効果的に層分離できるようにするためには、凝結セメントシースが高い静水圧に耐え得る必要がある。シースは、ケーシング内部の高い液圧または高い温度によって誘発される応力によって壊れる場合がある。高い内部圧力がケーシングを膨張させ、その結果シースにひび割れが生ずる可能性がある。同様に、凝結セメントシースが応力を受け、地下層周囲のクリープの結果として壊れる場合がある。

応力に誘発されるセメント破損を克服する目的で、弾性を向上させるためにセメント組成物中エラストマー粒子が入れられてきた。これらの材料は固体粒子であり、水硬性セメント、シリカ、及び他のセメント添加剤よりも大きい粒径を有していることから、これらはスラリー粘度を上昇させる。

一般的に、いくつかのフィールド位置及び海上フィールドでは液体添加剤が好ましい。液体形態スチレンブタジエンコポリマー(スチレン−ブタジエンラテックス)は、凝結セメントの弾性をある程度向上させることが知られているセメント用添加剤である。しかしながら、スチレン−ブタジエンラテックスによって得ることのできる弾性よりも大きい弾性が望まれている。したがって、凝結した水硬性セメント組成物により大きな弾性を付与することのできる液体組成物を特定することが求められている。

概要

(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、を含有する組成物。(A)(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、(iii)水と、を含有する水硬性セメント組成物を形成すること、及び、(B)坑井中に水硬性組成物を導入すること、を含む、坑井中のセメンチング方法。

目的

しかしながら、スチレン−ブタジエンラテックスによって得ることのできる弾性よりも大きい弾性が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、を含有する組成物

請求項2

前記ポリマーが少なくとも1種のモノビニルモノマーと少なくとも1種のジ−ビニルモノマーとを含む、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記モノ−ビニルモノマーが、アクリル酸メタクリル酸アクリル酸エステルメタクリル酸エステル、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンスチレンアクリロニトリルアルキルビニルエーテル、及びアルコキシビニルエーテルからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。

請求項4

前記ジ−ビニルモノマーが、アルカンジオールジアクリレートアルカンジオールジメタクリレートアルケングリコールジアクリレート、アルケングリコールジメタクリレートアルカンジオールジビニルエーテル、アルケングリコールジビニルエーテル、ジビニルベンゼンアリルメタクリレート、及びアリルアクリレートからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。

請求項5

前記ポリマーがスチレン、アクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、及び2−イソプロペニル−2−オキサゾリンのモノマーを含む、請求項1に記載の組成物。

請求項6

前記ポリマー中の前記モノマーのモル比が、スチレン約10%〜約35%、アクリル酸ブチル約25%〜約60%、ジビニルベンゼン約2%〜約15%、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン約10〜約40%の範囲である、請求項5に記載の組成物。

請求項7

前記ポリマーがラテックスの形態である、請求項1に記載の組成物。

請求項8

前記水硬性セメントがポルトランドセメントを含む、請求項1に記載の組成物。

請求項9

前記水硬性セメント組成物が水を含み、スラリーの形態である、請求項4に記載の組成物。

請求項10

シリカ微粒子遅延剤分散剤無機塩、安定剤、消泡剤フライアッシュ、及び加重剤からなる群から選択される1つ以上の添加剤を更に含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の水硬性セメント組成物。

請求項11

(A)(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、(iii)水と、を含有する水硬性セメント組成物を形成すること、及び、(B)坑井中に前記水硬性セメント組成物を導入すること、を含む、坑井中のセメンチング方法。

請求項12

前記ポリマーが少なくとも1種のモノ−ビニルモノマーと少なくとも1種のジ−ビニルモノマーとを含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記モノ−ビニルモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、スチレン、アクリロニトリル、アルキルビニルエーテル、及びアルコキシビニルエーテルからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記ジ−ビニルモノマーが、アルカンジオールジアクリレート、アルカンジオールジメタクリレート、アルケングリコールジアクリレート、アルケングリコールジメタクリレート、アルカンジオールジビニルエーテル、アルケングリコールジビニルエーテル、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、及びアリルアクリレートからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。

請求項15

前記ポリマーがスチレン、アクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、及び2−イソプロペニル−2−オキサゾリンのモノマーを含む、請求項11に記載の方法。

請求項16

前記ポリマー中の前記モノマーのモル比が、スチレン約10%〜約35%、アクリル酸ブチル約25%〜約60%、ジビニルベンゼン約2%〜約15%、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン約10〜約40%の範囲である、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記ポリマーがラテックスの形態である、請求項11に記載の方法。

請求項18

前記水硬性セメントがポルトランドセメントを含む、請求項11に記載の方法。

請求項19

前記水硬性セメント組成物が水を含み、スラリーの形態である、請求項11に記載の方法。

請求項20

前記水硬性セメント組成物が、シリカ微粒子、遅延剤、分散剤、無機塩、安定剤、消泡剤、フライアッシュ、及び加重剤からなる群から選択される1つ以上の添加剤を更に含有する、請求項11〜19のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

本開示は、地下層からの原油または天然ガス産出の分野に存する。より詳しくは、本開示は、概して、坑井中でセメンチングするための組成物及び方法に関する。

背景技術

0002

坑井における一次セメンチング工程では、水硬性セメント坑井孔の壁とケーシングとの間の環状空間にポンプ注入される。凝結セメントシースはケーシングを支持し、坑井孔と結合する。凝結セメントシースは、ケーシングの外側の流体及び気体が坑井の表面へ移動するのを防ぐ。

0003

効果的に層分離できるようにするためには、凝結セメントシースが高い静水圧に耐え得る必要がある。シースは、ケーシング内部の高い液圧または高い温度によって誘発される応力によって壊れる場合がある。高い内部圧力がケーシングを膨張させ、その結果シースにひび割れが生ずる可能性がある。同様に、凝結セメントシースが応力を受け、地下層周囲のクリープの結果として壊れる場合がある。

0004

応力に誘発されるセメント破損を克服する目的で、弾性を向上させるためにセメント組成物中エラストマー粒子が入れられてきた。これらの材料は固体粒子であり、水硬性セメント、シリカ、及び他のセメント添加剤よりも大きい粒径を有していることから、これらはスラリー粘度を上昇させる。

0005

一般的に、いくつかのフィールド位置及び海上フィールドでは液体添加剤が好ましい。液体形態スチレンブタジエンコポリマー(スチレン−ブタジエンラテックス)は、凝結セメントの弾性をある程度向上させることが知られているセメント用添加剤である。しかしながら、スチレン−ブタジエンラテックスによって得ることのできる弾性よりも大きい弾性が望まれている。したがって、凝結した水硬性セメント組成物により大きな弾性を付与することのできる液体組成物を特定することが求められている。

0006

(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、を含有する組成物が開示される。

0007

(A)(i)水硬性セメントと、(ii)オキサゾリン基を有する少なくとも1種のモノマーを含むポリマーと、(iii)水と、を含有する水硬性セメント組成物を形成すること、及び、(B)坑井中に水硬性セメント組成物を導入すること、を含む、坑井中のセメンチング方法が開示される。

0008

様々な実施形態において、ポリマーは液体または固体の形態である。例えば、水に不溶性の場合、液体形態のこのようなポリマーの微粒子は水に分散されていてもよく、これはラテックスを形成していてもよい。

0009

様々な実施形態において、ポリマーは少なくとも1種のモノビニルモノマー及び少なくとも1種のジ−ビニルモノマーを含む。例えば、モノ−ビニルモノマーは、アクリル酸メタクリル酸アクリル酸エステルメタクリル酸エステル、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、スチレン、アクリロニトリルアルキルビニルエーテル、及びアルコキシビニルエーテルからなる群から選択することができる。ジ−ビニルモノマーは、アルカンジオールジアクリレートアルカンジオールジメタクリレートアルケングリコールジアクリレート、アルケングリコールジメタクリレートアルカンジオールジビニルエーテル、アルケングリコールジビニルエーテル、ジビニルベンゼンアリルメタクリレート、及びアリルアクリレートからなる群から選択することができる。

0010

様々な実施形態において、ポリマーはスチレンと、アクリル酸ブチルと、ジビニルベンゼンと、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとの架橋コポリマーの固体粒子の形態である(「SBDI」)。様々な実施形態において、コポリマー中のモノマーのモル比は、スチレン約10%〜約35%、アクリル酸ブチル約25%〜約60%、ジビニルベンゼン約2%〜約15%、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン約10〜約40%の範囲である。このようなポリマーは、水硬性セメント組成物のポンプ移送中の液体損失を抑制し、水硬性セメント組成物の凝結後に水硬性セメント組成物に対してより大きい弾性を付与することができる。

0011

いくつかの実施形態では、このようなSBDIポリマーを含む水硬性セメント組成物が提供される。更に、いくつかの実施形態では、このような水硬性セメント組成物を用いた坑井中のセメンチング方法が提供される。

0012

液体制御及び機械特性に関して、セメントスラリー中のSBDIラテックスが試験された。実験及び結果は下で論じられている。このようなSBDIラテックスは、水硬性セメント組成物に対して次の利点、すなわち、(a)坑井へのポンプ注入中の液体損失の抑制、及び(b)凝結セメントに対しての、スチレン−ブタジエンラテックスよりも大きな弾性の付与、のうちの1つ以上を与えることができる。

0013

必ずしも特定の理論に限定される訳ではないが、オキサゾリン基を有するモノマーを含む高分子材料は、セメント組成物中で使用された場合に、そのような利点のうちの1つ以上を付与することができると現在考えられている。
添付の図面は、本開示の現在の好ましい実施形態にかかる実施例の説明を補助するために明細書に包含される。

図面の簡単な説明

0014

スチレン−ブタジエンラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計F)についてのシックニングタイムチャートである。
SBDIラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計G)についてのシックニングタイムチャートである。
スチレン−ブタジエンラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計H)についてのシックニングタイムチャートである。
SBDIラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計I)についてのシックニングタイムチャートである。
スチレン−ブタジエンラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計H)の圧縮強度のUCAチャートである。
SBDIラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計I)の圧縮強度のUCAチャートである。
スチレン−ブタジエンラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計H)の軸方向及び径方向のひずみ分析である。
SBDIラテックスを含有する水硬性セメント組成物(スラリー設計I)の軸方向及び径方向のひずみ分析である。

0015

定義及び使用方法
一般的解釈
本明細書で使用される単語または用語は、本開示において明示的に及び明確に定義される場合を除いては、あるいは具体的な文脈で異なる意味に解釈すべき必要がない限り、本開示の分野での単純な、通常の意味を有する。

0016

単語「備える、含む、含有する、有する(comprising、containing、including、having)」及びこれらの全ての文法的なバリエーションは、開放的な、非限定的な意味を有することが意図されている。例えば、ある成分を含むある組成物はこれが追加的な成分を有することを除外せず、ある部品を含むある装置はこれが追加的な部品を有することを除外せず、また、ある工程を有するある方法はこれが追加的な工程を有することを除外しない。このような用語が使用される場合、特定の成分、部品、及び工程「から本質的になる」、あるいは「からなる」、組成物、装置、及び方法は、明確に包含されており、また開示されている。本明細書において、単語「から本質的になる」及びその全ての文法的なバリエーションは、請求項の範囲を、特定の材料または工程、及び請求項にかかる発明の基本的かつ新規な特性(群)に実質的に影響を与えないもの、に限定することが意図されている。

0017

不定詞「a」または「an」は、その冠詞が導く1つ以上の成分、部品、または工程を意味する。

0018

数値は、用語「約」によって修飾されたものとして一旦解釈し(既に明示的にそのように修飾されていない場合)、その後、文脈中で特段の指示がない場合には、そのように修飾されていないものとして再度解釈すべきである。

0019

下限及び上限を有する程度または測定の数値範囲が開示されている場合には、その範囲内に入る任意の数字及び任意の範囲も明確に開示されていることが意図されている。例えば、値の全ての範囲(「aからb」、または「約aから約b」、または「約aからb」、「おおよそaからb」、及びあらゆる同様な表現、ここで「a」及び「b」は程度または測定の数値を表す)は、値のより広い範囲に包含される全ての数字及び範囲を示すと理解されるべきである。

0020

石油及びガス貯留層
坑井からの産出との関係において、「石油」及び「ガス」はそれぞれ原油及び天然ガスをいうことが理解される。石油及びガスは特定の地下層中で天然に存在する炭化水素である。

0021

「地下層」とは、十分識別できる特徴を有し、かつ地質学者がそれを説明し、地図を作り、命名するのに十分に連続的である岩体である。

0022

流体の貯蔵及び透過に十分な孔隙及び透過性を有する地下層は、「貯留層」と呼ばれる場合がある。

0023

石油またはガスを含む地下層は、陸地の下、または海底の下に位置する場合がある。石油またはガスの貯留層は、典型的には、陸地または海底の表面から数百フィート浅部貯留層)〜数万フィート(超深度貯留層)下の範囲に位置している。

0024

坑井サービス及び流体
貯留層から石油またはガスを産出するために、地下層に坑井孔が掘削される。これは貯留層であっても貯留層に隣接していてもよい。典型的には、坑井の坑井孔は、炭化水素含有層に到達させるために、地面に数百〜数千フィート掘削されなければならない。

0025

一般的には、坑井サービスには、掘削、セメンチング、仕上、及びインターべーションなどの、油井ガス井地熱井、及び井戸の中で行われうる幅広い作業が含まれる。坑井サービスは、地下層からまたは地下層を通しての石油やガスなどの目的とする流体の産出を促進または強化するために設計される。坑井サービスには、通常、坑井への流体の導入が含まれる。

0026

掘削は、坑井孔を掘削する工程である。坑井孔の一部が掘削された後、ケーシングと呼ばれる、掘削孔の直径よりもわずかに小さい鋼管材が、坑井孔の少なくとも最上部に配置される。ケーシングは、新たに掘削された掘削孔に構造的完全性を付与する。

0027

セメンチングは一般的な坑井作業である。例えば、ケーシングまたはライナーなどのパイプストリングが坑井孔中でセメント固定されるセメンチング作業で、水硬性セメント組成物を使用することができる。セメントは、パイプを坑井孔に固定し、坑井孔に沿った層から層への、坑井孔とケーシングまたはライナーの外側との間のアニュラスに沿った望ましくない流体の移動を防ぐ。坑井孔が地下層の炭化水素含有層に貫入する場合、その層と坑井孔との間を流体が連絡できるように後にケーシングに穴を開けることができる。セメントで固定されたケーシングは、パッカープラグなどのダウンホール工具を用いることによって、あるいはサンドプラグの形成または穿孔におけるセメントの打設などの他の技術を使用することによって、坑井孔の1つ以上の産出層の、その後のあるいは補修的な分離または隔離をすることもできる。水硬性セメント組成物は、過剰な水を生成する場合のある高透過性層または層の割れ目を塞ぐこと、パイプストリングのひび割れまたは穴を塞ぐこと、などのインターべーション作業で利用することもできる。

0028

仕上は、産出または圧入の準備が整った坑井を作る工程である。これは主に、坑井孔の層を必要とされる仕様に整えること、生産用チュービング及び関連するダウンホール装置の中を通すこと、並びに必要に応じて穿孔及び刺激を行うことを含む。

0029

インターベーションは、その生産寿命中または生産寿命終了時に坑井に対して行われる、坑井の状態または坑井の構造を変える任意の作業であり、坑井を診断し、または坑井の産出を管理する。

0030

坑井
「坑井」は、坑口と、坑口から地面に貫入する少なくとも1つの坑井孔とを含む。「坑井口」は坑井孔の表面端であり、この表面は陸地にあっても海底にあってもよい。

0031

坑井現場”とは、坑井の坑口の地理的な位置である。これにはタンク基地セパレーターコンプレッサーステーション加熱装置または他の装置、及び流体ピットなどの関連施設を含めることができる。海上の場合、坑井現場はプラットフォームを含んでいてもよい。

0032

「坑井孔」とは、任意のケーシングされたかまたはケーシングされていない坑井の部位を含む、あるいは坑井中の任意の他の管を含む、掘削した穴のことをいう。「掘削孔」とは、通常、坑井孔内壁のことをいう。すなわち、掘削した穴と境を接する岩表面または岩壁である。坑井孔は、垂直、水平、またはその間の任意である部位を有していてもよく、またこれは直線状、曲線状、または分岐状の部位を有していてもよい。本明細書において、「アップホール」、「ダウンホール」及び類似した用語は、坑井孔の部位が垂直であるか水平であるかに関わらず、坑口の方向に関する。

0033

本明細書において、「坑井の中に」導入するとは、坑口の中に、及び坑口を通じて、導入することを意味する。当該技術分野で公知の様々な技術に従って、管、装置、工具、または流体を、坑口から坑井孔の任意の目的の部位の中へ向かわせることができる。

0034

本明細書において、「管」という言葉は、チューブ状の一般的形態である任意の種類の構造体を意味する。管は任意の好適な本体材料からできていてもよいが、油田では、これらは最も一般的には鋼製である。油井での管の例としては、ドリルパイプ、ケーシング、チュービングストリングラインパイプ輸送管が挙げられるが、これらに限定されない。

0035

本明細書において、用語「アニュラス」は、1つの中に他方が重ね入れられた、概して円筒状の2つの物体の間の空間を意味する。これら物体は同心円でも離心円であってもよい。これに限定するものではないが、物体のうちの一方は管であってもよく、他方は封入された導管であってもよい。封入された導管は、坑井孔または掘削孔であってもよく、あるいはこれはもう1つの管であってもよい。下に示すのは、アニュラスが存在しうる複数の状況を説明する複数の非限定的な実施例である。開放孔の坑井にある油井、ガス井、または井戸に関しては、チュービングストリングの外側と、坑井孔の掘削孔との間の空間はアニュラスである。ケーシングされた穴では、ケーシングの外側と掘削孔との間の空間はアニュラスである。さらに、ケーシングされた孔では、生産チュービングストリングなどの管の外側円筒部と、ケーシングの内側円筒部との間にアニュラスが存在する場合がある。アニュラスは、流体が流通可能な空間であってもよく、あるいはこれは、充填要素などの流体の流れを遮る材料または物体で満たされていてもよい。文脈から明確でない限り、本明細書において、「アニュラス」は流体が流通可能な空間である。

0036

流体は、例えば掘削流体、水硬性セメント組成物などの凝結性組成物処理流体、またはスペーサー流体であってもよい。

0037

坑井または坑井孔との関連において、「部位」または「区間」とは、坑井孔の長さ方向に沿った任意の掘削孔部位または区間のことをいう。

0038

「層」とは、炭化水素含量に基づいて、または、透過性、組成、穿孔、若しくは、坑井孔や欠陥や割れ目との他の流体の連通などの他の特徴に基づいて、アップホール層及びダウンホール層と区別される、坑井孔に沿った岩の区間のことをいう。炭化水素を産出することができる炭化水素含有層を貫通する坑井孔の層を「産出層」という。「処理層」は、坑井孔からその中へ流体が流れるように導かれる層のことをいう。本明細書において、「処理層の中へ」とは、坑口の中及び坑口を通って、そして更に坑井孔を通って、処理層の中へ行くことを意味する。

0039

本明細書において、「ダウンホール」流体は、坑井の中のin−situ流体であり、これは導入された時と同じ流体であっても、別の流体ダウンホールと混合された流体であっても、あるいはダウンホールin−situで化学反応が生じているか若しくは生じた流体であってもよい。

0040

流体損失とは、ある層(この層は処理層であっても処理層でなくてもよい)の透過性マトリックスの中への、任意の種類の流体の流体相の望ましくない漏出のことをいう。

0041

一般的に、地層がより深いほど地層の静温及び静圧はより高い。初めは、静圧は産出前の地層の初期圧力と等しい。産出開始後、静圧は平均貯留層圧力に近づく。

0042

「設計」とは、坑井サービスまたは処理の、特定の流体または段階のために計画されるかまたは見込まれる1つ以上のパラメーター推定値または実測値のことをいう。例えば、見込まれるダウンホール条件下で少なくとも規定時間、最小密度または粘度を与える成分を流体が有するように流体を設計することができる。坑井サービスには、ポンプ移送される流体の体積、処理に必要なポンプ移送時間、またはポンプ移送の剪断条件などの、設計パラメーターが含まれていてもよい。

0043

用語「設計温度」は、処理時間中のダウンホール環境での実際の温度の推定値または実測値のことをいう。例えば、坑井処理のための設計温度は、底静温(「BHST」)だけでなく、処理中のBHSTにおける流体の温度の影響も考慮に入れる。流体の設計温度は、坑底循環温度(「BHCT」)と呼ばれる場合もある。流体はBHSTよりもかなり冷たい場合があることから、2つの温度の差が非常に大きい場合がある。平静な状態に置かれた場合、最終的には地下層はBHSTに戻るであろう。

0044

相、物理的状態、及び材料
本明細書において、「相」は、異なる化学組成または異なる物理的状態を有する物質隣接相と区別できる、ある化学組成及び物理的状態を有する物質のことをいうために使用される。

0045

「材料」という語は、物理的実体または物体の、1つ以上の相から構成される物質のことをいう。岩、水、空気、金属、セメントスラリー、砂、及び木は全て材料の例である。「材料」という語は、文脈次第でバルクスケール粒子より大きい)の物質の単一相のことをいう場合もあれば、相の混合物のバルクスケールのことをいう場合もある。

0046

本明細書において、特段の記載がない限り、物質(または物質の混合物)の物理的状態または相、及び他の物理的特性は、剪断力を加えることなしに77°F(25℃)の温度、1気圧標準実験室条件)の圧力で測定される。
粒子及び微粒子

0047

本明細書において、「粒子」とは、有限質量を有し、1つのまとまりとしてみなせるほどに十分凝集しているが、比較的小さい寸法を有する物体のことをいう。粒子は文脈に応じて、分子スケールから巨視的スケールまでの範囲の任意のサイズであってもよい。

0048

粒子は任意の物理的状態であってよい。例えば、固体状態の物質の粒子は、ナノメートルスケールの数分子程度に小さくても、砂の大きい粒などの数ミリメートルスケールの大きい粒子であってもよい。同様に、液体状態の物質の粒子は、ナノメートルスケールの数分子程度に小さくても、数ミリメートルスケールの大きな液滴であってもよい。気体状態の物質の粒子は、分子間引力がそれぞれの運動に対して比較的少ない影響しか与えないように他の原子または分子と離れている、単一原子または単一分子である。

0049

本明細書において、微粒子または微粒子状材料とは、固体状態または液体状態で明確な粒子状の物理的形態にあるもののことをいう(これは数原子または数分子の会合を意味する)。本明細書において、微粒子とは、類似した化学組成を有し、約0.5マイクロメートル(500nm)(例えば微細粘土粒子)から約3ミリメートル(例えば砂の大きな粒)までのいずれかの範囲の粒径である、粒子の一群である。

0050

微粒子は固体粒子であっても液体粒子であってもよい。しかし、本明細書においては、文脈において別に解釈すべき場合を除き、微粒子は固体微粒子のことをいう。当然、固体粒子は固体物理的状態にある粒子の微粒子である。すなわち、構成原子イオン、または分子は、その相対的運動が十分に制限されており、その結果各粒子が一定の形状になっている。

0051

ポリマー及びラテックス
本明細書においては、文脈において別に解釈すべき場合を除き、「ポリマー」または「ポリマー材料」にはホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等が含まれる。また、本明細書において、用語「コポリマー」は、2種のモノマー単位を有するポリマーの組み合わせに限定されず、モノマー単位の任意の組み合わせ(例えばターポリマーやテトラポリマーなど)も含まれる。

0052

当然、ポリマーは1種以上のモノマーの化学反応によって形成されることが理解されるべきである。1種以上のモノマーを有するあるいは含むポリマーは、1種以上のモノマーから形成されることをいうことが理解される。

0053

ラテックスは、水性媒体中ポリマーマイクロ粒子が分散された安定分散物エマルション)である。ラテックスは天然品であっても合成品であってもよい。ラテックスは、例えば界面活性剤乳化させたスチレンなどのモノマーを重合させることによって、人工的に製造することができる。

0054

分散物
分散物は、1つの化学組成及び物理的状態の物質の粒子が、異なる化学組成または物理的状態のもう1つの物質の中に分散されている系である。また、相は入れ子状であってもよい。物質が2つ以上の相を有する場合、異なる内部相の数または入れ子状の相の数に関わらず、最も外部にある相が物質全体としての連続相とみなされる。

0055

流体
流体は均一であっても不均一であってもよい。一般に、流体はそれが入っている容器の形に従って流れ、形を変える性質を持つ、約1マイクロメートル未満の粒子の連続相であるか、または、該連続相を有する、非晶質の物質である。

0056

全ての流体は本質的に少なくとも連続相を有する。流体は、2つ以上の相を有していてもよい。例えば、流体は懸濁液またはスラリー(液相に分散された固体粒子)の形態であっても、エマルション(別の液相に分散された液体粒子)の形態であっても、あるいは泡(液相に分散された気相)の形態であってもよい。

0057

一般的な測定用語
別段の規定がある場合あるいは文脈上明確に他の意味に解釈すべき場合を除き、いずれの比率またはパーセンテージ重量基準を意味する。

0058

別段の規定がある場合あるいは文脈上明確に他の意味に解釈すべき場合を除き、「セメント重量基準」という表現は水硬性セメント重量基準を意味する。

0059

米国単位(U.S. unit)と帝国単位(Imperial unit)との間で相違が存在する場合には、米国単位が意図される。例えば、「ppg」は米ガロン当たりのポンドを意味する。

0060

本明細書において、「サック」(「sk」)とは、94ポンドの重さの量(94lb/sk)である。

0061

本明細書において、ガロン毎サック(gal/sk)とセメント重量基準のパーセント(%bwoc)との間の換算は、1gal/sk=3.96%bwocである。
セメンチング及び水硬性セメント組成物

0062

セメンチング作業では、水硬性セメント、水、及び他の任意の成分が混合されて流体状の水硬性セメント組成物が作られる。水硬性セメント組成物は、流体(典型的には懸濁液またはスラリーの形態)として坑井孔の目的の場所へポンプ移送される。

0063

例えば、ケーシングまたはライナーのセメンチングでは、水硬性セメント組成物がパイプストリングの外表面と掘削孔(すなわち、坑井孔の壁)との間の環状空間にポンプ注入される。水硬性セメント組成物は、坑井孔中に組成物をポンプ注入することができるように、及び坑井中の望ましい坑底の位置に配置することができるように、凝結前に十分な時間、流体である必要がある。セメント組成物は、環状空間で凝結するための時間が与えられ、それにより、硬化した、実質的に不透過性のセメントの環状シースが形成される。硬化したセメントは坑井孔中のパイプストリングを支持し、かつ位置づけるとともに、パイプストリングの外表面と坑井孔の掘削孔との間の環状空間を満たす。その結果、石油またはガスの流れをケーシングを通って坑口へ向かわせることによって、石油またはガスを制御された状態で産出することができる。

0064

セメント組成物は、例えば坑井を塞ぐ作業またはグラベルパッキング作業で使用することもできる。セメント組成物は、流体損失または層中の移動を抑制するために使用することもできる。

0065

セメント及びセメント組成物
単語の最も一般的な意味では、「セメント」は、バインダー、すなわち凝結して他の材料を一体化することができる物質である。本明細書において、「セメント」は、水と混合されると凝結が始まり、固まってコンクリート材になる無機セメントのことをいう。

0066

本明細書において、「セメント組成物」とは、少なくとも1種の無機セメントを含む材料である。セメント組成物は添加剤を含んでいてもよい。いくつかのセメント組成物は、水を含んでいてもよいし、水と混合されてもよい。セメントの種類、薬品の割合にもよるが、セメント組成物は水と混合されると凝結し始め固体材料を形成することができる。

0067

セメントは非水硬性または水硬性として特徴付けることができる。

0068

非水硬性セメント(例えば石膏、ソレルセメント)は、その強度を維持するために乾燥状態に保たれなければならない。非水硬性セメントは、耐水性ではない水和物を生成する。非水硬性セメントに対する水の比率が高すぎる場合、セメント組成物は硬化材料へと凝結しない。

0069

水硬性セメント(例えばポルトランドセメント)は、混合物の含水量に関係なく生ずる、水和、化学反応により硬化する。これらは、水中でも、あるいは絶えず雨天にさらされても硬化することができる。乾燥セメント粉末が水と混合される際に生じる化学反応によって、水に非常に溶けにくい水和物が生成する。

0070

より具体的には、ポルトランドセメントは、欧州規格EN197−1に従うクリンカーなどのクリンカーから作ることができる:「ポルトランドセメントクリンカーは、少なくとも3分の2の質量がケイ酸カルシウム(3CaO・SiO2及び2CaO・SiO2)からなり、残部がアルミニウム含有クリンカー相鉄含有クリンカー相、及び他の化合物からなる、水硬性材料である。SiO2に対するCaOの比率は少なくとも2.0とする。酸化マグネシウム含量(MgO)は5.0質量%を超えないものとする。」。米国材料試験協会(「ASTM」)規格「C150」は、ポルトランドセメントを「本質的に水硬性ケイ酸カルシウムからなり、通常1以上の形態の硫酸カルシウム混合粉砕添加物として含むクリンカーを粉砕することによって製造される水硬性セメント(水と反応することによって硬化するだけでなく、耐水性生成物も形成するセメント)」として定義している。また、典型的には、ポルトランドセメントのSiO2に対するCaO比率は4.0未満である。

0071

米国材料試験協会(「ASTM」)は、ポルトランドセメントのための、ASTMセメントとみなされるために満たすべき一連の規格を設けている。これらの規格には、タイプI、II、III、IV、及びVが含まれる。

0072

米国石油協会(API)は、APIセメントとみなされるためにポルトランドセメントが満たさなければならない一連の規格を設けている。この規格には、クラスA、B、C、D、F、F、G、H、I、及びJが含まれる。

0073

スラグセメント高炉水砕スラグまたは「GGBFS」としても知られる)は、低CaOセメントである。本明細書において、スラグセメントの、SiO2に対するCaO比率は1.0未満である。

0074

混合セメントは、ポルトランドセメントクリンカーと他の材料との混合粉砕、ポルトランドセメントと他の材料との混合、または混合粉砕と混合との組み合わせ、によって製造される水硬性セメントである。

0075

セメント添加剤
一般的な添加剤はシリカ(二酸化ケイ素)である。シリカは通常凝結セメントの強度安定剤として添加される。SSA−1TM試剤シリカフラワーとも呼ばれる)は、高温条件下で油井セメントが低浸透率及び高圧縮強度を維持することを助ける、粉末状の砂である。SSA−1TM試剤は、静温が230°Fを超える坑井のセメンチングにおける使用が推奨される。この温度より上では、ほとんどのセメント組成物は初期凝結後に十分な圧縮強度を示すものの、連続的に高温にさらされると急速に強度を失うであろう。SSA−1TM試剤は、高温でセメントと化学的に反応することによって、この問題を回避する助けをする。SSA−1TM試剤は、耐火型セメントとの併用で、熱回収坑井で広く使用されてきた。SSA−1TM試剤は採掘され、次の2つの形態で行われる:(a)標準重量セメント濃度で最大の反応性にするための、マイナス200メッシュ粉末、(b)より重い重量及び最大の反応性が必要とされる高密度セメント用に選択された粒度設計、に加工される。

0076

フライアッシュは、燃焼した石炭からできており、セメント組成物中の一般的な添加剤である。POZMIXTMポゾランセメント添加剤は、燃焼した石炭からできているフライアッシュである。この添加剤は、スラリーを軽くし、そのポンプ移送特性を向上させるのに役立つ。この添加剤は、80°F〜550°F(27℃〜288℃)の坑底温度(BHT)で使用することができる。POZMIXTM添加剤を含む典型的な水硬性セメントスラリーは、POZMIXTM添加剤と水硬性セメントとの50/50ブレンド物である。POZMIXTM添加剤は、全てのクラスの水硬性セメントと混合可能である。これは石灰とも反応してセメント様材料を生成する。MICRFLY ASHTMポゾランセメント添加剤は、3〜9マイクロメートルの粒径を有するフライアッシュである。MICRO FLY ASHTMポゾランセメント添加剤は、Oklahoma、DuncanにあるHalliburton Energy Services,Incから市販されている。

0077

セメント組成物は、樹脂、ラテックス、安定剤、ミクロスフェア水性超吸収体増粘剤懸濁剤分散剤、塩、促進剤、界面活性剤、遅延剤消泡剤、高密度材料低密度材料、流体損失抑制剤エラストマーガラス頁岩ガス移動抑制剤、地層調整剤、他の添加剤もしくは改質剤、またはこれらの組み合わせを含む(ただしこれらに限定されない)、他の添加剤を含んでいてもよい。

0078

添加剤の1つの例は高密度添加剤である。本明細書において、「高密度」添加剤は、3g/cm3よりも大きい密度を有する添加剤である。高密度添加剤としていくつかの金属酸化物を使用してもよい。本明細書において、「金属酸化物」は、酸素アニオンと一体になった金属カチオンまたは遷移金属カチオンである。金属酸化物の例としては、酸化鉄(Fe2O3)及び酸化マグネシウム(Mn3O4)が挙げられるが、これらに限定されない。酸化鉄高密度添加剤の市販品の例はHI−DENSETMであり、市販の酸化マグネシウムの例はMICROMAXTMである。これらは共にOklahoma、DuncanにあるHalliburton Energy Services,Incから入手可能である。

0079

例えば、MICROMAXTM加重剤は、平均粒径ミクロンに粉砕されたハウスマン鉱と共にスラリー密度を増加させる。ほとんどの加重剤とは異なり、MICROMAXTM加重剤は、混合水直接添加される場合には懸濁液中に残存する。MICROMAXTM加重剤は、80°F〜550°F(27℃〜260℃)の坑底循環温度で使用することができる。高温高圧の深い坑井中では、MICROMAXTM加重剤は、層圧を抑え、泥水置換を改善するのに役立つ。添加剤の濃度は、各坑井のために設計されたスラリー重量に依存する。MICROMAXTM加重剤中の微粉砕された鉱石のため、他の種類の加重剤によって得られるシックニングタイムを得るためには、より高い濃度の遅延剤が必要とされる場合がある。MICROMAXTM加重剤を含有するセメント組成物のスラリーは、分散剤の添加も必要とされる場合がある。MICROMAXTM加重剤は、Oklahoma、DuncanにあるHalliburton Energy Services,Incから市販されている。

0080

当然、添加剤は流体の目的を妨げないように選択されるべきである。

0081

ポンプ移送時間及びシックニングタイム
セメント組成物を配置する際、地下層または坑井の中に導入する際中、及びセメント組成物がセメントで固める地下層または坑井の部分に配置されるまで、セメント組成物がポンプ移送可能なままでいることが必要とされる。セメント組成物が坑井のセメントで固めるべき部分に到達した後、セメント組成物は最終的に凝結する。ポンプ移送中に早く増粘し過ぎるセメント組成物はポンプ装置ブロックチュービング若しくはパイプにダメージを与える場合があり、また凝結が遅すぎるセメント組成物はセメント組成物が凝結するのを待つ間の時間と費用がかかる場合がある。

0082

本明細書において、「ポンプ移送時間」は、セメンチング作業で水硬性セメント組成物を坑井の望ましい位置または層にポンプ移送するために必要とされる総時間プラス安全係数である。

0083

本明細書において、「シックニングタイム」とは、セメント組成物が特定の温度及び特定の圧力でポンプ移送できなくなるまでにかかる時間である。セメント組成物のポンプ移送性は組成物のコンシステンシーと関係がある。セメント組成物のコンシステンシーは、Bearden単位のコンシステンシー(Bc)(より一般的な粘度単位への直接的な換算係数をもたない無次元単位)で測定される。本明細書においては、流体が30,000mPa・s(cP)の見かけ粘度ゲル特性と無関係である)または70Bc未満のコンシステンシーを有する限り、凝結流体は「ポンプ移送可能である」とみなされる。組成物のコンシステンシーが少なくとも70Bcに到達すると、凝結流体は「ポンプ移送不可能」になる。

0084

本明細書において、セメント組成物のコンシステンシーは次のようにANSI/API推奨基準10B−2に従って測定される。セメント組成物を混合し、その後、高温高圧(HTHP)のコンシステンシー測定器FANNTM 275型またはCHANDLERTM 8240型など)の試験セルの中に入れる。セメント組成物を、特定温度及び圧力で、HTHPコンシステンシー測定器で試験する。コンシステンシー測定は、セメント組成物のコンシステンシーが70Bcを超えるまで連続的に行われる。

0085

当然、シックニングタイムはセメンチング工程のポンプ移送時間よりも長い必要がある。

0086

凝結及び圧縮強度
本明細書において、用語「凝結」は硬化によって固体になり硬くなる過程を意味する。

0087

組成及び条件によるが、いくつかのセメント組成物については、初期凝結にわずか数分から最大72時間またはそれ以上要する場合がある。少なくとも初期凝結したセメント組成物試料は、破壊圧縮強度試験に好適である。

0088

圧縮強度は、軸方向の押圧力に耐える材料の能力として定義される。凝結組成物が得る圧縮強度は、特に硬化時間と温度の両方の関数である。

0089

セメント組成物の圧縮強度は、セメント組成物が凝結したか否かを示すために使用することができる。本明細書においては、セメント組成物が非破壊圧縮強度法を用いて50psi(345kPa)の圧縮強度を発現した場合に、セメント組成物が「初期凝結した」とみなされる。本明細書において、「初期凝結時間」とは、セメントが水と混合された時とセメント組成物が初期凝結した時との時間差である。いくつかのセメント組成物は、数日間にわたって50psi(345kPa)より大きい圧縮強度に増加し続けることができる。ある種類のセメント組成物の圧縮強度は、10,000psi(70,000kPa)より大きい値に到達することができる。

0090

圧縮強度は、典型的には、セメント組成物が混合された後の既定の時間に、特定の温度及び圧力条件で測定される。特段の言及がない限り、凝結及び初期凝結時間は212°F(100℃)の温度及び3,000psi(20,700kPa)の大気圧で測定される。圧縮強度は、セメント組成物が混合された後の特定の時間及び温度(例えば212°F(100℃)の温度及び3,000psi(20,700kPa)である設計温度及び圧力で、例えば約24時間〜約72時間の範囲)で、測定することもできる。ANSI/API推奨基準10B−2によれば、圧縮強度は破壊的方法でも非破壊的方法でも測定することができる。

0091

破壊的方法は、圧縮試験機中で試料を破砕することによってセメント組成物試料の様々な時点の強度を機械的に試験する。破壊的方法は次のように行われる。セメント組成物を混合し、その後硬化する。硬化したセメント組成物試料を圧縮強度試験装置(米国、Pennsylvania、HorshamのTinius Olsenから入手可能なSuper L万能試験機602型など)の中に置く。破壊的方法によれば、圧縮強度は、試料の破壊に必要とされる力を圧縮装置耐荷重プレートと接触する最小断面積で割ることによって算出される。実測の圧縮強度は、重量ポンド平方インチ(psi)またはメガパスカル(MPa)などの圧力単位報告される。

0092

非破壊的方法は、TX、HoustonのFann Instrumentsから入手可能なUltrasonic Cement Analyzer(UCA)などの非破壊音波装置を利用することによって、セメント組成物試料の相関圧縮強度を試験時間中連続的に測定する。本明細書において、セメント組成物の「圧縮強度」は、次のようにUltrasonic Cement Analyzerを用いて測定される。セメント組成物を混合する。セメント組成物をUltrasonic Cement Analyzerの中に置く。セメント組成物はこの中で所定の温度に加熱され、所定の圧力に加圧される。UCAは、試料を通過する音響信号伝搬時間を連続的に測定する。UCA装置は、試料を通過する伝搬時間と圧縮強度とを関係付ける、予め設定されたアルゴリズムを含んでいる。UCAによって、psiまたはメガパスカル(MPa)などの圧力単位のセメント組成物の圧縮強度が報告される。

0093

セメント試験条件
本明細書において、何れかの試験(例えばシックニングタイムまたは圧縮強度)が凝結組成物、セメント組成物などの混合工程を必要とする場合、混合工程は次のようにANSI/API推奨基準10B−2に従って行われる。乾燥微粒子状物質である成分の何れかを予めブレンドしておく。液体を混合容器に入れ、その後容器をミキサー台に置く。例えばミキサーはLightning Mixerとすることができる。台のモーター電源を入れ、約4,000回転毎分(rpm)に維持する。予めブレンドした乾燥成分を、15秒(s)以内に一定の速度で容器に添加する。全ての乾燥成分を容器中の液体成分に添加した後、容器に蓋をし、組成物を12,000rpm(+/−500rpm)で35秒(+/−1秒)混合する。組成物は標準実験室条件下(約77°F、約1大気圧)で混合されることが理解されるべきである。

0094

何れかの試験(例えばシックニングタイムまたは圧縮強度)として、所定の温度及び場合により所定の圧力で行う試験が指定される場合、セメント組成物の温度及び圧力は、周囲温度及び周囲圧力で混合された後に所定の温度及び圧力まで上げられることも理解されるべきである。例えば、セメント組成物を77°F(25℃)で混合し、その後、試験装置の中に置き、セメント組成物の温度を所定の温度まで上げることができる。本明細書においては、温度を上昇させる速度は約3°F/分〜約5°F/分の範囲である。セメント組成物が所定の温度まで及び場合により圧力まで上昇した後、セメント組成物は試験の間その温度及び圧力に維持される。

0095

本明細書においては、試験(例えば圧縮強度)に「セメント組成物の硬化」などの工程が必要とされる場合、硬化工程は次のようにANSI/API推奨基準10B−2に従って行われる。セメント組成物を混合した後、これを硬化用モールドの中に流し込む。硬化用モールドを加圧した硬化用チャンバーの中に置き、硬化用チャンバーを温度212°F(100℃)、圧力3,000psi(20,700kPa)に維持する。セメント組成物を、組成物が凝結するのに必要な時間硬化させる。組成物が凝結した後、硬化用モールドはセメント組成物試料が試験されるまで水冷浴の中におかれる。

0096

セメント遅延剤及び促進剤
坑井の中の望ましい場所に配置するまでセメントをポンプ移送可能なスラリー状態に維持することは重要である。この目的のため、セメントスラリー中に凝結遅延剤を使用することができる。これは、凝結の進行を遅らせ、セメントスラリーを配置するための十分なポンプ移送時間を与える。代わりに、またはこれに加えて、凝結促進剤を使用することができる。これは凝結の進行を早める。遅延剤または促進剤の使用は、シックニングタイムまたはセメント組成物の凝結の制御を助けるために使用することができる。

0097

いかなる理論にも限定されるものではないが、遅延剤はキレート化吸着、または析出原理のうちの1つ以上によって機能すると考えられる。

0098

遅延剤の選択は坑井温度に依存する。更に、セメント組成物中の遅延剤の濃度を変化させることによって、特定の温度でシックニングタイムを様々に遅らせることができる。低温範囲で機能する遅延剤もあれば、高温範囲で機能するものもある。

0099

本明細書において、「遅延剤」とは、セメント組成物のシックニングタイムを増加させるために使用される薬剤である。セメントで固められる層が深くなるのに伴って、セメンチング作業を完結するためにより時間が必要とされることから、またセメント凝結時の高い温度の影響から、セメント組成物のシックニングタイムを遅らせる必要性が増す傾向にある。設計温度でのシックニングタイムが長くなるほど、必要とされ得るポンプ移送時間をより長くすることができる。

0100

坑井中のセメンチング方法
本開示の別の実施形態によれば、坑井の処理方法が提供され、該方法は、本開示にかかる水硬性セメント組成物を形成する(スラリーとして)工程と、坑井中に該組成物を導入する工程とを含む。
流体の形成

0101

流体は、現場で調製してもよいし、使用前に工場設備で調製してもよいし、あるいは、流体のいくつかの成分を使用前に予め混合し、その後現場に輸送してもよい。流体のいくつかの成分は、坑井中に流体を導入する前または導入時に流体または他の成分と混ぜ合わされる「ドライミックス」として供給されてもよい。

0102

ある実施形態では、流体の調製は、「オンザフライ」で行われることを特徴とする方法で、現場で行うことができる。本明細書では、用語「オンザフライ」には、2つ以上の成分を合わせる方法であって、継続的処理の一部として、単一の流れとして流れ続けながらも1つの要素の流れがもう1つ要素の流れに連続的に導入されて2つの流れが混ぜ合わせられる方法、が含まれる。このような混合は「リアルタイム」混合とも呼ばれる。

0103

坑井または層への導入
坑井の中へ流体を移送する工程は、多くの場合、流体を形成した後比較的短期間、例えば30分から1時間未満のうちに行われる。より好ましくは、流体を移送する工程は、流体形成工程後すぐであり、これは「オンザフライ」である。

0104

坑井の中へ流体を移送する工程には、有利には1つ以上の流体ポンプの使用が含まれていてもよいことが理解されるべきである。

0105

破壊圧力未満での導入
様々な実施形態では、導入工程は処理層の破壊圧力未満の速度及び圧力である。

0106

坑井中での凝固のための放置時間
坑井または層にセメント組成物を導入する工程の後、セメント組成物の凝結のための時間が与えられる。これは、好ましくは地下流体の層の条件下で経時的に生じる。

0107

地下層からの炭化水素の産出
好ましくは、本開示にかかる流体のこのような使用の後の、坑井または特定の層から炭化水素を産出する工程が、望ましい目的である。

0108

本開示を更に理解しやすくするために、複数の実施形態の特定の態様である以下の実施例が示されている。以下の実施例は、本開示の範囲全体を限定または定義するものとして解釈すべきではない。

0109

SBDIラテックス
SBDIラテックスを含む実施例では、スチレン−ブチルアクリレート−ジビニルベンゼン−2−イソプロペニルオキサゾリンラテックスは以下の特性を有していた。外観乳白色エマルションであり、固体含量は39.8%であり、比重は1.05であり、pHは8.2であり、ガラス転移温度は−58°F(−50℃)であった。

0110

セメントスラリー設計
表1にまとめられているように、スチレンブタジエンラテックスまたはSBDIラテックスと、他の添加剤とを含む、密度約16.8ppg(2.01kg/l)の水硬性セメントスラリーA〜Eを調製した。スチレン−ブタジエンラテックスを含有する水硬性セメントスラリーは、SBDIラテックスを含むスラリーとの比較のために調製した。
表 1. 密度 16.8 ppg (2.01kg/l)のスラリー設計

0111

また、表2にまとめられているように、スチレンブタジエンラテックスまたはSBDIラテックスと、他の添加剤とを含む、密度約16.8ppg(2.01kg/l)の水硬性セメントスラリーF〜Iを調製した。スチレン−ブタジエンラテックスを含有する水硬性セメントスラリーは、SBDIラテックスを含むスラリーとの比較のために調製した。
表2. 密度 16.8 ppg (2.01kg/l)のスラリーの組成物

0112

クラスHセメントは水硬性セメントの分類である。他のクラスの水硬性セメントを使用してもよい。

0113

好ましくは、結晶性シリカ微粒子が坑井のセメンチング用の水硬性セメント組成物中に入れられる。これは、約5%bwoc〜約50%bwocの範囲で入れることができ、通常は約10%bwoc〜約35%bwocの範囲で入れることができる。

0114

セメント遅延剤は、坑井用に使用される水硬性セメントスラリー中で、シックニングタイムを延ばすために任意選択的にかつ一般的に使用される。セメント遅延剤の例は、リグノスルホン酸塩有機酸との混合物である。セメント遅延剤の他の例としては、これらに限定するものではないが、有機酸、リグノスルホン酸塩、リン酸塩ホスホン酸塩、糖、カルボン酸ポリマー、及びホウ酸塩が挙げられる。セメント遅延剤の濃度は必要とされるシックニングタイムにより決定される。例えば、セメント遅延剤は、約0.05%bwoc〜約5%bwocの範囲で含まれていてもよい。通常、セメント遅延剤は約0.1%bwoc〜約3%bwocの範囲で使用することができる。

0115

分散剤は、坑井用に使用される水硬性セメントスラリー中で任意選択的にかつ一般的に使用される。本実施例における分散剤は有機硫黄製品である。分散剤の他の例としては、これらに限定するものではないが、ポリカルボン酸エーテル及びスルホン化ポリマーが挙げられる。例えば、分散剤は、約0.01ガロン毎セメントサック(「gal/sk」)〜約0.1gal/skの範囲で含まれていてもよい。

0116

消泡剤は、坑井用に使用される水硬性セメントスラリー中で任意選択的にかつ一般的に使用される。本実施例における消泡剤はシロキサン系製品である。消泡剤の他の例としてはグリコールが挙げられる。例えば、消泡剤は、セメントに対して約0.02gal/sk〜約0.1gal/skの範囲で含まれていてもよい。

0117

無機塩は添加剤として含まれていてもよく、あるいは食塩水などのように、水がその中に塩を有していてもよい。無機塩添加剤の目的の1つは、セメント組成物の密度を増加させることであってもよい。好適な無機塩の例としては、これらに限定するものではないが、塩化ナトリウム塩化カリウム、及び他の塩が挙げられる。

0118

添加剤として、安定剤(界面活性剤)が含まれていてもよい。安定剤の目的の1つは、組成物の水中のラテックスの脱乳化を防止することである。

0119

レオロジー及び流体損失
セメントスラリーのレオロジーが測定された。FANNTM35型が流体のレオロジー特性を測定するために使用される標準的な装置である。測定は、API 10B−2/ISO10426−2のとおりに行われた。この粘度計はクエット構造を有する回転粘度計である。

0120

流体損失は次の通りに測定した。固体材料を量し、次いで混合流体にこれらを添加する前に十分に混ぜた。必要質量の混合水と液体添加剤が入った混合容器をミキサー台に置いた。4,000rpmで混ぜながら、固体材料のブレンド物を一定の速度で15分以内に添加した。混合水に全ての固体材料を添加した後、12,000rpmで35秒混合を行った。混合後、スラリーを1分以内に大気圧コンシステンシー測定器の容器の中に入れ、20分間、試験温度に条件を整えた。流体損失セルを取り付け、試験温度に予熱した。スラリーをセルの中に入れ、セルの上部バルブ圧力ラインと連結した。1,000psi(6,895kPa)の圧力をかけ、ろ液を流体損失セルの底部バルブから集めた。30分後に濾液の量を測定し、値を倍にした。

0121

セメントスラリー組成物A〜Eのレオロジー分析及び流体損失分析が行われ、その結果が表3にまとめられている。この結果は、SBDIラテックスの性能がスチレン−ブタジエンラテックスと少なくとも同等であることを示している。
表 3.スラリーのレオロジー及び流体損失

0122

沈降
沈降試験は次のように行った。確実に漏れを防止するために、また試験管にダメージを与えることなく凝結セメントを凝結後に取り出すことができるように、沈降試験管の内側及び全てのジョイントに薄くグリースを塗った。管はセメントに対して不活性であり、試験中に変形しない。試料スラリー沈降管流し込んだ。管を、蓋をしてオートクレーブセルの中に置き、その後3,000psi(20,700kPa)の圧力を加えた。スラリーを試験温度で24時間硬化させた。硬化後、オートクレーブチャンバーを約120°F(49℃)まで冷却し、その後圧力を逃がした。セルから管を取り出し、水浴に入れることによって80°F(27℃)まで冷却した。凝結セメントを管から取り出し、上部、中間部、下部に印をつけた。セメントを各部分同じ大きさで3片にスライスした。各部分の重量を空気中及び水中で測定した。アルキメデスの原理を用いることによって、各部分の相対密度を計算した。

0123

沈降試験の結果は表4にまとめられている。これらの結果は、凝結セメントの密度の差異許容範囲内であること、すなわち0.3ppg(0.036kg/l)以内であることを示している。
表 4. 220 °F (104°C)での沈降試験

0124

シックニングタイム、圧縮強度、及び破壊強度
スチレン−ブタジエンラテックスまたはSBDIラテックスを含有するセメントスラリーのシックニングタイムは、180°F(82℃)、10,500psi(72,400kPa)で測定した。

0125

圧縮強度の発現は、180°F(82℃)でUltrasonic Cement Analyzerを用いて測定した。スラリー試料をUltrasonic Cement Analyzerのセルの中に流し込んだ。3,000psi(20,700kPa)の圧力をかけ、機械で温度スケジュールプログラムした。養生期間は、伝搬時間の記録と、温度及び圧力をかけることから始まり、試験が終了するまで続く。伝搬時間は、超音波シグナルが装置のトランスデューサー間を伝搬する時間である。伝搬時間は、セメントスラリー中よりも固体凝結セメント中の方が短い。試験中の伝搬時間の変化は内蔵の装置によって圧縮強度に変換された。

0126

破壊強度は次のように測定した。スラリーを2.0インチ(5.1cm)×2.0インチ(5.1cm)のサイズのモールドに流し込んだ。モールドをオートクレーブのセルの中に置き、3,000psi(20,700kPa)の圧力をかけた。機械で温度スケジュールをプログラムした。スラリーを180°F(82℃)で96時間硬化した後、加熱チャンバーを120°F(49℃)まで冷まし、その後圧力を逃がした。硬化したセメント試料をモールドから取り出し、80°F(27℃)になるまで冷却した。硬化試料油圧プレスを使用して破砕し、室温で破壊強度を測定した。

0127

シックニングタイム、圧縮強度、及び破壊強度の結果は表5にまとめられている(図1〜6参照)。
表 5.試料の圧縮強度及び破壊強度

*3測定の平均値

0128

表5の結果は、SBDIラテックススラリーのシックニングタイムがスチレン−ブタジエンラテックススラリーのシックニングタイムと同等であることを示している。SBDIラテックスは、スチレン−ブタジエンラテックスと比べて早期に50psi(345kPa)の圧縮強度を発現させる。SBDIラテックススラリーの48時間時点の終局強度は、スチレン−ブタジエンラテックススラリーの約半分であった。ラテックススラリーの圧縮強度の値を調べるためには、破壊強度を調べることが望ましい。そのため、180°F(82℃)で96時間、スラリーを硬化することによって破壊強度を測定した。結果は、SBDIラテックスを含有するセメントの破壊強度がスチレン−ブタジエンラテックスのものよりもわずかに低いことを示している。これは、SBDIラテックスによって凝結セメントに付与される弾性によるものであろう。

0129

機械特性−ヤング率及び破断ひずみ
凝結セメント試料の機械特性を、伸び計を備えた油圧プレス(万能試験機)を用いて測定した。軸方向ひずみ及び径方向ひずみの両方について、内臓ソフトウェアから応力−ひずみデータを得た。ヤング率は軸応力軸ひずみ曲線の直線部の傾きである。

0130

測定はASTM7012−10に従って行った。(1)セメント試料をL/D比が2の円柱状に硬化した。(2)円柱の表面を薄く切って平らな表面を得た。(3)これらの試料に印をつけて伸び計と位置合わせをする。軸方向の伸び計は中心から等距離に置いた。(4)試料を一軸圧縮強度について試験し、軸方向ひずみのデータを取得した。(5)このデータを応力対ひずみとしてプロットした。曲線の直線部の傾きがヤング率を与える。(6)上の実験は破断ひずみも与える。これは、試料が破断する時点のひずみである。

0131

スチレン−ブタジエンラテックスまたはSBDIラテックスを含有するセメントスラリーを調製し、180°F(82℃)、3,000psi(2,700kPa)で96時間硬化した。

0132

硬化セメント円柱体の寸法は、直径2インチ(5.1cm)、長さ5インチ(12.7cm)であった。試料を、伸び計を備えた油圧プレスで破砕した。結果を分析してヤング率(1Mpsiは百万psiである)、破断ひずみ、及び圧縮強度を得た。結果は表6にまとめられている(図7〜8参照)。これらの結果は、SBDIラテックスを含有するセメントはスチレン−ブタジエンラテックスのセメントよりもより優れた弾性を示すということを示している。
表 6. 試料のヤング率

0133

結論
以上から、本開示は、言及した目的及び利点、並びにこれらに内在する目的及び利点を得るのに非常に適している。

0134

本明細書で開示した例示的な流体は、直接的または間接的に、1つ以上の成分に、または開示した流体の調製、移送、回収リサイクル、再使用、または廃棄に関係する装置の1つ1つに、影響を与える場合がある。例えば、開示した流体は、直接的または間接的に、例示した流体の生成、貯蔵、観察、調整、または再生に使用される、1つ以上のミキサー、関連する混合装置泥溜め貯蔵設備若しくはユニット流体分離装置熱交換器センサーゲージ、ポンプ、コンプレッサーなどに影響を与える場合がある。開示した流体は、直接的または間接的に、例えば流体を1つの場所から他の場所へ流体状で動かすために使用される任意の輸送容器、導管、パイプライントラック、管、またはパイプなどの、坑井現場へもしくは坑底へ流体を運ぶために使用される任意の輸送装置または移送装置、流体を動かすために使用される任意のポンプ、コンプレッサー、もしくはモーター(例えば上部または坑底)、流体の圧力もしくは流速を制御するために使用される任意のバルブもしくは関連するジョイント、任意のセンサー(すなわち圧力及び温度)、ゲージ、またはこれらの組み合わせなどに影響を与える場合もある。開示した流体は、直接的または間接的に、ドリルストリングコイルドチュービング、ドリルパイプ、ドリルカラーマッドモーター、ダウンホールモーター、またはポンプなど(ただしこれらに限定されない)の、薬品/流体と接触する可能性がある様々なダウンホール設備及び工具、フロート、MWD/LWDツール、及び関連する遠隔装置ドリルビットローラーコーン、PDC、天然ダイヤモンド開孔具リーマーコアリングビットを含む)、センサー若しくは分散型センサー、ダウンホール熱交換器、バルブ及び関連する作動装置、工具シール、パッカー、及び他の坑井孔分離装置または構成要素などに影響を与える場合もある。

0135

本開示は、本明細書の教示の利益を有する当業者にとって明白な、異なるが均等な方法に修正または実施でき、上に開示した具体的な実施形態は例示的なものに過ぎない。したがって、上に開示した具体的な例示実施形態は変更または修正可能であり、全てのそのようなバリエーションが本開示の範囲に含まれると考えられることは明白である。

0136

開示した要素または工程にかかる様々な要素または工程は、本開示から得られる効果及び利益を増やすために、工程の要素または手順の様々な組み合わせまたは部分的組み合わせで有利に組み合わせたり、同時に実施したりすることができる。

0137

明示的に特段の記載がない限り、1つ以上の上述の実施形態は、1つ以上の他の実施形態と組み合わせてもよいことが理解されるであろう。

0138

例示した開示は、具体的に開示されていないまたは請求項に記載されていない任意の要素または工程を欠いて実施することができる。

実施例

0139

更に、請求項に記載以外の、本明細書に示されている構成、組成、設計、または工程の詳細に限定することは意図されていない。

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