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技術 移動ロボットの移動経路計画方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 村瀬和都
出願日 2016年6月20日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-121600
公開日 2017年12月28日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-227955
状態 特許登録済
技術分野 移動体の位置、進路、高度又は姿勢の制御 マニプレータ
主要キーワード 接触区間 姿勢変化後 接触地点 判定円 外形認識 基準円 微小区間 把持制御
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

移動ロボット障害物と接触しない移動経路を探索して自律移動するための移動経路を迅速に計画したい。

解決手段

移動ロボットが、把持部により搬送物把持して目標地点までの移動経路を計画する移動経路計画方法は、搬送物を把持した場合に把持部または搬送物が基準円からはみ出すか否かを判定し、はみ出す場合には、はみ出した把持部または搬送物を含む移動ロボットの射影外接する判定円を作成するステップと、判定円を経路に沿って掃引した場合に、判定円が障害物に接触する接触地点の有無を判定し、接触地点を同定するステップと、接触地点が存在した場合に、把持部の姿勢および移動ロボットの姿勢の少なくともいずれかを変化させることにより障害物を回避する回避動作を策定するステップとを含む。

概要

背景

目標地点まで自律的に移動する移動ロボットが知られている。移動ロボットは、環境地図を用いて目標地点までの経路を決定し、その経路に沿って移動する。例えば、特許文献1は、移動経路において障害物衝突する可能性を評価する技術を開示する。

概要

移動ロボットが障害物と接触しない移動経路を探索して自律移動するための移動経路を迅速に計画したい。移動ロボットが、把持部により搬送物把持して目標地点までの移動経路を計画する移動経路計画方法は、搬送物を把持した場合に把持部または搬送物が基準円からはみ出すか否かを判定し、はみ出す場合には、はみ出した把持部または搬送物を含む移動ロボットの射影外接する判定円を作成するステップと、判定円を経路に沿って掃引した場合に、判定円が障害物に接触する接触地点の有無を判定し、接触地点を同定するステップと、接触地点が存在した場合に、把持部の姿勢および移動ロボットの姿勢の少なくともいずれかを変化させることにより障害物を回避する回避動作を策定するステップとを含む。

目的

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、演算量を抑制しつつ、障害物と接触しない移動経路を探索して、自律移動のための移動経路を計画する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

可動する把持部と、環境地図を記憶した記憶部と、を有する移動ロボットであり、前記環境地図上を、前記搬送物把持しない状態の前記移動ロボットの射影外接する基準円掃引することにより、前記環境地図上の目標地点までの経路を探索するステップを備え、前記把持部により搬送物を把持して前記目標地点までの移動経路計画する移動経路計画方法であって、前記搬送物を把持した場合に前記把持部または前記搬送物が前記基準円からはみ出すか否かを判定し、はみ出す場合には、はみ出した前記把持部または前記搬送物を含む前記移動ロボットの射影に外接する判定円を作成するステップと、前記判定円を前記経路に沿って掃引した場合に、前記判定円が障害物に接触する接触地点の有無を判定し、前記接触地点を同定するステップと、前記接触地点が存在した場合に、前記把持部の姿勢および前記移動ロボットの姿勢の少なくともいずれかを変化させることにより前記障害物を回避する回避動作を策定するステップとを含む移動経路計画方法。

技術分野

0001

本発明は、移動ロボット移動経路計画方法に関する。

背景技術

0002

目標地点まで自律的に移動する移動ロボットが知られている。移動ロボットは、環境地図を用いて目標地点までの経路を決定し、その経路に沿って移動する。例えば、特許文献1は、移動経路において障害物衝突する可能性を評価する技術を開示する。

先行技術

0003

特開2009−291540号公報

発明が解決しようとする課題

0004

移動ロボットが搬送物把持して目標地点まで移動しようとする場合に、搬送物も含めた外形形状を厳密に認識した上で障害物と接触しない移動経路を決定する手法は、膨大な演算を要し、円滑な移動を妨げる原因となっている。一方で、搬送物を把持した状態の移動ロボットの射影外接する円を環境地図上で掃引して、障害物と接触しない移動経路を決定する手法は、演算量は少ないものの、障害物が多い環境下ではそもそも移動経路を見つけられないことがあった。

0005

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、演算量を抑制しつつ、障害物と接触しない移動経路を探索して、自律移動のための移動経路を計画する技術を提供するものである。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一態様における移動経路計画方法は、可動する把持部と、環境地図を記憶した記憶部と、を有する移動ロボットであり、環境地図上を、搬送物を把持しない状態の移動ロボットの射影に外接する基準円を掃引することにより、環境地図上の目標地点までの経路を探索するステップを備え、把持部により搬送物を把持して目標地点までの移動経路を計画する移動経路計画方法であって、搬送物を把持した場合に把持部または搬送物が基準円からはみ出すか否かを判定し、はみ出す場合には、はみ出した把持部または搬送物を含む移動ロボットの射影に外接する判定円を作成するステップと、判定円を経路に沿って掃引した場合に、判定円が障害物に接触する接触地点の有無を判定し、接触地点を同定するステップと、接触地点が存在した場合に、把持部の姿勢および移動ロボットの姿勢の少なくともいずれかを変化させることにより障害物を回避する回避動作を策定するステップとを含む。
この構成により基準円または判定円で移動経路を確定できるのであれば、経路探索のための演算量も少なく、円滑な自律移動を実現できる。この場合は、移動中の姿勢変化も考慮しなくて良いので、走行制御も容易である。一方、判定円の掃引によっても移動経路を確定できない場合は、経路上の接触地点を同定し、搬送物を把持しつつ姿勢を変化させることで障害物との接触を回避するので、狭い幅の経路も通過させることができる。また、接触地点における姿勢変化は、移動ロボットの外形の実際的形状を用いて演算するので演算量は増大するが、実際的形状を用いて移動経路の全体を演算するよりは演算量が少なくすることができる。

発明の効果

0007

本発明により、移動ロボットは、障害物の多い環境下であっても、障害物と接触しない移動経路を短時間で探索し、円滑に自律移動することができる。

図面の簡単な説明

0008

本実施形態にかかる移動ロボットの外観斜視図である。
移動ロボットの制御ブロック図である。
搬送物を把持しない場合における基準円を説明する図である。
搬送物を把持した場合の基準円との関係を説明する図である。
搬送物を把持した場合における判定円を説明する図である。
保持する環境地図の例を示す図である。
基準円に対する経路探索を説明する図である。
判定円に対する経路探索を説明する図である。
判定円に対する経路を生成できない環境を説明する図である。
姿勢変化を伴う移動経路の探索を説明する図である。
姿勢変化により障害物を回避する動作を説明する図である。
姿勢変化後接触判定を説明する図である。
移動ロボットの処理手順を示すフロー図である。

実施例

0009

以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。

0010

図1は、本実施形態にかかる移動ロボット100の外観斜視図である。移動ロボット100は、大きく分けて台車部110と把持部120によって構成される。

0011

台車部110は、主に、ベース111と、ベース111に取り付けられた2つの駆動輪112と1つのキャスター113とから構成される。2つの駆動輪112は、ベース111の対向する側方のそれぞれに、回転軸芯が一致するように配設されている。それぞれの駆動輪112は、不図示のモータによって独立して回転駆動される。キャスター113は、従動輪であり、ベース111から鉛直方向に延びる旋回軸車輪回転軸から離れて車輪を軸支するように設けられており、台車部110の移動方向に倣うように追従する。移動ロボット100は、例えば、2つの駆動輪112が同じ方向に同じ回転速度で回転されれば直進し、逆方向に同じ回転速度で回転されれば重心を通る鉛直軸周り旋回する。すなわち、移動ロボット100は、2つの駆動輪112の回転方向、回転速度がそれぞれ制御されることにより、前進後進、旋回することができる。

0012

台車部110は、障害物検知周辺環境認識のための各種センサが設けられている。カメラ114は、そのセンサ類の一つであり、ベース111の四隅に配置されている。カメラ114は、例えばCMOSイメージセンサを含み、撮影した画像信号を後述の制御部へ送信する。隣接する2つのカメラ114が同一の被写体を捉えれば視差画像を取得でき、当該被写体までの距離を算出することもできる。

0013

把持部120は、主に、複数のアーム121、122、123と、ハンド124とから構成される。アーム121は、鉛直軸周りに回転自在に、一端がベース111に軸支されている。アーム122は、水平軸周りに回転自在に、一端がアーム121の他端に軸支されている。アーム123は、アーム122の他端で放射方向に回転自在に、一端がアーム122の他端に軸支されている。ハンド124は、アーム123の伸延方向と平行な中心軸周りに回転自在に、アーム123の他端に軸支されている。また、ハンド124は、搬送物を把持できるように、把持機構を備える。アーム121、122、123とハンド124は、不図示のモータを介して駆動され、所定の姿勢をとったり、搬送物を把持したりする。

0014

図2は、移動ロボット100の制御ブロック図である。制御部200は、例えばCPUであり、台車部110に設けられている。駆動輪ユニット210は、駆動輪112を駆動するための駆動回路やモータを含み、台車部110に設けられている。制御部200は、駆動輪ユニット210へ駆動信号を送ることにより、駆動輪112の回転制御を実行する。

0015

アームユニット220は、アーム121、122、123およびハンド124を駆動するための駆動回路やモータを含み、把持部120に設けられている。制御部200は、アームユニット220へ駆動信号を送ることにより、把持部120の姿勢制御把持制御を実行する。

0016

センサユニット230は、周辺環境を探索したり把持部120の姿勢を監視したりする各種センサを含み、台車部110および把持部120に分散して配置されている。制御部200は、センサユニット230に制御信号を送ることにより、各種センサを駆動してその出力を取得する。カメラ114は、センサユニット230に含まれ、制御信号に従って撮影動作を実行する。

0017

メモリ240は、不揮発性記憶媒体であり、例えばソリッドステートドライブが用いられる。メモリ240は、移動ロボット100を制御するための制御プログラムの他にも、制御に用いられる様々なパラメータ値関数ルックアップテーブル等を記憶している。メモリ240は、移動ロボット100が自律走行する環境を表現する環境地図を格納した環境地図DB241を含む。

0018

制御部200は、駆動輪ユニット210、アームユニット220、センサユニット230およびメモリ240との間で情報を送受信することにより、制御に関わる様々な演算を実行する機能演算部としての役割も担う。接触判定部201は、環境地図DB241から読み込んだ環境地図を用いて、移動ロボット100が自律走行した場合に障害物と接触するかを判定する。経路計画部202は、環境地図DB241から読み込んだ環境地図を用いて、移動ロボット100が自律走行するための経路を計画する。搬送物認識部203は、ハンド124が把持した搬送物をカメラ114で撮影し、その画像データを用いて搬送物の大きさや位置を認識する。姿勢計画部204は、移動経路の特定の箇所において、台車部110の向きや把持部120の姿勢をどのように変化させて走行させるかを計画する。それぞれの具体的な演算内容については、順に詳述する。

0019

図3は、搬送物を把持しない場合における基準円501を説明する図である。基準円501は、図で網状に示した領域を取り囲む円である。具体的には、基準円501は、搬送物を把持しない状態の移動ロボット100の射影(鉛直方向から走行面に投射した影)に外接する円である。把持部120が射影の一部を形成する場合は、把持部120は、射影の全体ができる限り小さくなるような姿勢を取る。このように定義される基準円501の直径をR0と定める。R0は、移動ロボット100の構造によって定まる定数であるので、その値は予めメモリ240に記憶されている。

0020

図4は、搬送物301を把持した場合の基準円501との関係を説明する図である。移動ロボット100が搬送する対象である搬送物301が比較的小さな場合は、把持部120の姿勢を工夫することにより、搬送物301を把持した状態でも、その射影は基準円501に収まる。このように、搬送物301を把持した状態の移動ロボット100の射影が基準円501に収まるのであれば、経路計画部202は、幅R0を基準に移動経路を探索できる。

0021

搬送物301を把持した状態の移動ロボット100の射影が基準円501に収まるか否かは、搬送物認識部203が搬送物の大きさや位置を認識した上で制御部200が判断する。搬送物認識部203が、ある把持状態の搬送物301について、その先端が基準円501によって形成される仮想的な円筒の内部に存在すると認識すれば、基準円501に収まると判断する。仮想的な円筒からはみ出ると認識した場合であっても、把持部120の姿勢を変化させて搬送物301の把持状態を変えれば円筒の内部に存在させることができるかを演算する。具体的には、搬送物301を円筒の内部の様々な位置に様々な姿勢で仮想的に配置し、その位置および姿勢の搬送物301を把持する把持部120の姿勢に解が存在するか逆運動学を用いて演算する。解が存在すれば、制御部200は、把持部120をその解に従った姿勢に変更する。

0022

図5は、搬送物303を把持した場合における判定円502を説明する図である。搬送する対象物である搬送物303が比較的大きい場合は、把持部120の姿勢を工夫しても、搬送物303を把持した状態の射影は基準円501に収まらなくなる。この場合は、搬送物303を把持した状態における、搬送物303を含む移動ロボット100の射影に外接する判定円502を定義する。このとき、把持部120は、射影の全体ができる限り小さくなるような姿勢を取ることが好ましい。例えば、制御部200は、把持部120の姿勢を様々に変化させ、搬送物認識部203により搬送物303の先端位置を認識することにより、射影の全体ができる限り小さくなるような姿勢を見つけ出す。このように定義される判定円502の直径をR1と定める。R1は、搬送物認識部203の処理を経て決定される値である。経路計画部202は、幅R1を基準に移動経路を探索する。

0023

次に、移動経路の探索について説明する。図6は、保持する環境地図の一例を示す図である。図示する環境地図601は、環境地図DB241に格納された環境地図の一つである。環境地図601は、実環境を所定の縮尺で平面に投影するように生成された地図であり、具体的には主に固定物の大きさや位置が把握できるように記述されている。図の例は、略正方形の部屋を表し、その周囲は壁621で囲まれている。入り口付近には解放された扉622が存在し、部屋の中央には624が配置されている。また、机624を挟むように、ソファー625とテレビ台626が配置されている。このような環境において、制御部200は、入り口付近の始動地点611と、自律走行によって到達すべき目標地点612を定める。

0024

図7は、基準円501に対する経路探索を説明する図である。図4を用いて説明したように、搬送物を把持しても射影が基準円501に収まると判断された場合には、経路計画部202は、幅R0を以て始動地点611から目標地点612まで移動経路を確立できるかを探索する。具体的には、環境地図601上で、始動地点611から目標地点612まで、直径R0の円を掃引することができるかを試みる。環境地図601の環境では、経路計画部202は、図7(a)に示すように、右側と奥側の2つの壁に沿う第1経路631と、図7(b)に示すように、机624とテレビ台626の間を通過して左側の壁に沿う第2経路632との2つの移動経路を見出すことができる。このように複数の移動経路を見出すことができた場合には、経路計画部202は、予め定められた評価基準に沿って一つを選択し、移動ロボット100の移動経路として決定する。評価基準は、経路と障害物との距離が遠いか、目標地点612までの走行距離が短いか、などが採用され得る。

0025

図8は、判定円502に対する経路探索を説明する図である。図5を用いて説明したように、搬送物を把持した場合の射影が基準円501には収まらず、基準円501より大きな判定円502であれば収まると判断された場合には、経路計画部202は、幅R1を以て始動地点611から目標地点612まで移動経路を確立できるかを探索する。具体的には、環境地図601上で、始動地点611から目標地点612まで、直径R1の円を掃引することができるかを試みる。環境地図601の環境では、経路計画部202は、図示すように、右側と奥側の2つの壁に沿う第1経路641の移動経路を見出すことができる。経路計画部202は、第1経路641を移動ロボット100の移動経路として決定する。なお、複数の移動経路を見出すことができた場合は、図7の例と同様に、予め定められた評価基準に沿って一つを選択すれば良い。

0026

図9は、判定円502に対する経路を生成できない環境を説明する図である。図9で示す環境は、机624の側方に壁621から張り出す柱627が存在する点で図6の例と異なる。机624と柱627との間の距離はR’であり、R1より小さく、更にはR0よりも小さい。この環境を示す環境地図602においては、始動地点611から目標地点612まで、直径R1の円を掃引することができない。すなわち、図8における第1経路641を確立できない。このような環境において、搬送物を把持した場合の射影が基準円501には収まらず、基準円501より大きな判定円502であれば収まると判断された移動ロボット100が、始動地点611から目標地点612まで走行する場合について説明する。

0027

図10は、姿勢変化を伴う移動経路の探索を説明する図である。図示される環境は、図9の環境と同じであり、環境地図602で表されている。環境地図602においては、基準円501で掃引された図7(b)で示した第2経路632であれば、始動地点611から目標地点612までの経路を確立することができる。しかし、第2経路632の幅はR0であるので、この経路に沿って直径がR1である判定円502を掃引すると、いずれかの地点において障害物と接触することになる。接触判定部201は、判定円502を第2経路632に沿って掃引した場合に、判定円502が障害物に接触する接触地点を同定する。図の例においては、判定円502は、地点PSで机624と接触する。したがって、接触判定部201は、最初の接触地点として地点PSを同定する。

0028

また、接触判定部201は、判定円502を第2経路632に沿って掃引した場合に、判定円502が障害物と接触しなくなる離脱地点を同定する。図の例においては、判定円502は、地点PEまで机624と接触する。したがって、接触判定部201は、離脱地点として地点PEを同定する。すると、接触判定部201は、接触地点PSと離脱地点PEに挟まれた区間D1を、接触区間と同定できる。接触区間が同定されると、まず、接触区間以外の区間において、搬送物303を把持した移動ロボット100が障害物に接触することなく走行できることが保証される。

0029

姿勢計画部204は、接触判定部201から接触区間D1の情報を引き継ぎ、移動ロボット100が、この区間を、台車部110の向きや把持部120の姿勢を変化させれば通過できるか否かを演算する。なお、以下の説明においては、台車部110の向きや把持部120の姿勢を変化させることを、単に姿勢変化という場合がある。

0030

図11は、姿勢変化により障害物を回避する動作を説明する図である。図11(a)に示すように、搬送物304が進行方向に直交する向きに突き出ているために基準円501に収まらない状況である場合、移動ロボット100がそのまま直進すると、搬送物304は机624に接触する。姿勢計画部204は、この状況を把握し、姿勢変化により机624との接触を回避できないかを演算する。上述のように、姿勢計画部204は、障害物を回避する姿勢変化として、台車部110の向きの変化、把持部120の姿勢の変化を検討する。図11(a)の状況においては、台車部110の向きを変化させると、走行方向と台車部110の向きが一致しなくなるので、走行制御の観点から不利である。そこで、姿勢計画部204は、台車部110の向きを変化させるより、把持部120の姿勢を変化させることを優先する。

0031

図11(a)の状況において、姿勢計画部204は、搬送物304が机624と接触しない把持部120の姿勢変化を見つけ出す。その解の一つが、図11(b)への姿勢変化である。図11(b)で示すように、搬送物304が進行方向の後方に位置するように把持部120の姿勢を変化させれば、移動ロボット100が接触地点PSから微小区間進んでも机624と接触しないことが演算により導ける。ここで、移動ロボット100を微小区間進めた場合に障害物と接触するか否かの接触判定は、図12で示す包摂外形510を移動させたときに、環境地図602に記述された障害物と重なり合うかを、幾何学的に判定する。

0032

図12は、姿勢変化後の接触判定を説明する図である。図示する包摂外形510は、直径R0の基準円501に、直径R0から突出する部分の射影の輪郭を加えたものである。すなわち、突出する部分を実際の幾何形状で表現することにより、障害物との相対位置を厳密に判定できるようにしている。

0033

姿勢計画部204は、接触区間D1を微小区間ごとに区切って、その区間ごとに包摂外形510が障害物と接触しないかを判定する。ある区間で接触すると判定した場合は、その微小区間の開始地点で再度姿勢変化を行えばその障害物を回避できるかを試みる。この演算を繰り返し、姿勢変化を伴えば接触区間D1を通過できるか否かを判定する。

0034

そして、通過できると判定したら、いずれの地点でどのような姿勢変化を実行させるかを確定させ、これを台車の走行制御に伴う、障害物を回避する回避動作として策定する。接触区間においてこのような回避動作が策定できれば、制御部200は、姿勢変化を行わない接触区間以外の区間の走行計画と合わせて、移動ロボット100を目標地点612に到達させることができると判断できる。なお、上記の例では、始動地点611から目標地点612までの経路上に一つの接触区間D1が存在する例を示したが、2つ以上の接触区間が存在しても良い。その場合は、それぞれの区間ごとに回避動作を策定できるかを試みる。

0035

また、上記の例では、接触区間の例として直線区間紹介したが、接触区間は、もちろん右折箇所、左折箇所、曲線区間などを含んでも良い。進行方向が変化する場合は、把持部120の姿勢を変化させるよりも、台車部110の向きを変化させることにより障害物との接触を避けやすい場合もあり得る。姿勢計画部204は、走行制御を考慮して回避動作を策定しても良い。

0036

次に、移動ロボット100の移動計画の生成から実行に至る処理について説明する。図13は、移動ロボット100の処理手順を示すフロー図である。フローは、移動ロボット100が、始動地点に停止している状態から開始する。

0037

経路計画部202は、ステップS101において、環境地図DB241から環境地図を読み込み、メモリ240から基準円の径R0を読み込んで、幅R0を基準として目標地点に到達する移動経路を確立できるかを探索する。移動経路が確立できないと判断したら、そもそも搬送物を把持していないとしても目標地点に到達できないので、ステップS102へ進み、到達不能である旨の告知を行う。到達不能告知は、例えば、音声で告知したり、ユーザが所持する端末に画像を表示したりする。移動ロボット100は、到達不能告知を行ったら、移動を開始することなく一連の処理を終了させる。

0038

ステップS101で移動経路を確立できると判断したら、ステップS103へ進み、制御部200は、アームユニット220を介して、搬送物を把持する。そして、搬送物認識部203は、センサユニット230を介して、搬送物の大きさや位置といった外形認識を実行する。

0039

ステップS104へ進み、制御部200は、把持部120が搬送物を把持した状態で、その射影が基準円の半径R0内に収まるか否かを判断する。収まると判断した場合は、ステップS105へ進み、幅R0による移動経路を決定する。なお、上述のように、幅R0の移動経路が複数見出された場合は、評価基準に従って一つの経路が決定される。移動経路が決定されたら、ステップS106へ進み、その経路に沿って移動し、目標地点に到達したら一連の処理を終了する。

0040

ステップS104で半径R0内に収まらないと判断した場合は、ステップS107で、搬送物認識部203は、把持部120の姿勢を変化させつつ判定円とその直径R1を決定する。なお、この処理は、ステップS103の段階で纏めて行っても良い。

0041

ステップS108へ進み、経路計画部202は、環境地図を参照し、幅R1を基準として目標地点に到達する移動経路を確立できるかを探索する。移動経路を確立できたら、ステップS109へ進み、幅R1による移動経路を決定する。なお、幅R1の移動経路が複数見出された場合は、評価基準に従って一つの経路が決定される。移動経路が決定されたら、ステップS106へ進み、その経路に沿って移動し、目標地点に到達したら一連の処理を終了する。

0042

ステップS108において、幅R1を基準とした移動経路を確立できなかったら、ステップS110へ進み、接触判定部201は、経路計画部202がステップS101で探索した幅R0を基準とした移動経路の一つを検証対象として選択する。一つしか存在しない場合は、その移動経路を検証対象とする。そして、ステップS111において、図10を用いて説明したように、直径R1の判定円を検証対象となる移動経路に沿って掃引させて障害物との接触地点および接触区間を同定する。接触判定部201は、ステップS112へ進み、接触地点、および接触区間を微小区間ごとに区切った各々の地点に対して、姿勢変化によって障害物との衝突を回避できるかを試みる。回避できないと判定したら、ステップS113へ進み、接触判定部201は、経路計画部202がステップS101で探索した幅R0を基準とした移動経路の全てを検証したかを確認する。まだ全てを検証していない場合は、ステップS110へ戻り、ステップS110からS112を繰り返す。一方、全てを検証し終わった場合は、ステップS102へ進み、上記の通り到達不能である旨の告知を行って、一連の処理を終了する。

0043

ステップS112で障害物との接触を回避できると判定したら、ステップS114へ進み、いずれの地点でどのような姿勢変化を実行させるかを確定させ、障害物を回避する回避動作として策定する。そして、ステップS115へ進み、制御部200は、接触区間では策定した回避動作に従って姿勢変化を実行しつつ、移動経路に沿って移動し、目標地点に到達したら一連の処理を終了する。

0044

以上説明したように、移動ロボット100が自律移動して搬送物を目標地点まで運ぶ場合に、移動ロボット100の射影から形成される基準円または判定円で移動経路を確定できるのであれば、経路探索のための演算量も少なく、円滑な自律移動を実現できる。この場合は、移動中の姿勢変化も考慮しなくて良いので、走行制御も容易である。一方、判定円の掃引によっても移動経路を確定できない場合は、経路上の接触地点を同定し、搬送物を把持しつつ姿勢を変化させることで障害物との接触を回避するので、狭い幅の経路も通過させることができる。すなわち、円の掃引では移動経路を探索できない場合でも、目標地点までの経路を確保することができる。また、接触地点における姿勢変化は、移動ロボット100の外形の実際的形状を用いて演算するので演算量は増大するが、実際的形状を用いて移動経路の全体を演算するよりは演算量が少なくなる。演算量を少なくできると、特に連続的に目標地点を設定して長い距離を移動するような場合に、演算のための移動停止を抑制できたり、移動速度を向上できたりする。

0045

以上説明した実施形態において示した装置、システムプログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得る。便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。

0046

100移動ロボット、110台車部、111ベース、112駆動輪、113キャスター、114カメラ、120把持部、121、122、123アーム、124ハンド、200 制御部、201接触判定部、202経路計画部、203搬送物認識部、204姿勢計画部、210駆動輪ユニット、220アームユニット、230センサユニット、240メモリ、241環境地図DB、301 搬送物、303 搬送物、501基準円、502判定円、510包摂外形、601、602 環境地図、611始動地点、612目標地点、621 壁、622 扉、623 床面、624机、625ソファー、626テレビ台、627 柱、631 第1経路、632 第2経路、641 第1経路

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