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技術 低温冷凍機の寒剤ガス液化装置における液化率向上のためのシステムおよび方法

出願人 ユニバーシティオブサラゴサコンセホスペリオールデインベスティガシオネスシエンティフィカス
発明者 コンラドリージョミリャンハビエルセセモンクルス
出願日 2017年6月23日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2017-123078
公開日 2017年12月28日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-227432
状態 特許登録済
技術分野 低沸騰点冷媒を用いた圧縮式冷凍機械
主要キーワード ガス注入弁 ガス循環回路 クローズド位置 液化領域 科学装置 二相液体 戻り圧力 ヘリウム液化装置
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図面 (8)

課題

ガス状元素熱力学的特性を用いて低温冷凍機から高い冷却力を引き出す低温冷凍機のガス液化システムを提供する。

解決手段

寒剤ガス液化システム1は、液体貯蔵部3とネック部4とを含み、かつ浴7の上方に液化領域8を含む貯蔵容器2と、ネック部に配置されかつ1段以上の冷却段10,11を含むコールドヘッド9と、貯蔵容器の液化領域内の寒剤ガス圧力を制御するための圧力制御機構13からなる。コールドヘッドは、更に、コールドヘッド内に気相寒剤を分配するための冷却圧縮機17と、コールドヘッド内のガス循環回路と冷却段の外部領域とを連通する取り出し開口部と、ガス注入弁20によって冷却圧縮機のガス循環回路に接続され、取り出すガスの量と取り出し開口部によって液化するガスの量とを補正するため、ガスの総量を一定に維持するガス注入源19とを含む。

概要

背景

ヘリウムは、地上では希少元素であり、科学上および産業上の膨大な用途によって、需要は増え続けている。例えば、気相ヘリウムの一般的な用途には、溶接浮揚気球)、及び半導体または光ファイバーの製造がある。液相での一般的な用途には、特定の医療装置および科学装置の冷却、燃料タンクパージならびに固体物理学、磁気およびさまざまな他の研究トピックにおける基礎研究が含まれる。ヘリウムはその広範な有用性と限られた入手可能性とによって、高コスト再生不可能な資源であると考えられている。したがって、ヘリウムおよび他の同様な貴ガスの再利用への関心が増している。

特に、液体ヘリウムは、20Kより低い温度に達することが必要な多くの用途で、冷却剤として用いられている。このような用途は、超伝導体の使用、特に、デュワーまたはクライオスタットと呼ばれる真空断熱容器または真空フラスコ内で作動する低温物理学研究装置における超伝導体の使用に関係している。このようなクライオスタットは、気相および液相の両方の混合物を含み、蒸発によって、その気相は、ほとんど大気中に放出されてしまう。したがって、クライオスタット中の装置の作動を継続するには、多くの場合、外部供給源からヘリウムを追加して購入しなければならない。

液体ヘリウムの最も重要な用途の1つに、磁気共鳴画像MRI:magnetic resonance imaging)装置に用いられる強磁場超伝導コイルを冷却することがある。MRIは、体内の画像を非侵襲的に作製することによって、ヒトのさまざまな健康状態診断するための重要な診断法である。

液体ヘリウムの最大ユーザは、大規模国際科学研究施設または設備、例えばCERN(Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire:欧州原子核研究機構)国際研究所における大型ハドロン衝突加速器(Large Hadron Collider)である。CERNなどの研究所では、大規模(クラスL)工業的液化プラントによって、回収されるガスの回収、精製および再液化を行っており、このプラントでは、通常、100リットル/時間超を製造し、100kW超の入力電力を必要とする。中規模の消費量の研究所では、約15リットル/時間を製造するための中規模(クラスM)液化プラントが利用される。これら大規模および中規模液化プラントでは、液体窒素でガスを予冷する場合、約0.5〜1リットル/時間/kW(12〜24リットル/日/kW)の能力Rが達成され、予冷無しでは、約0.25〜0.5リットル/時間/kW(6〜12リットル/日/kW)の能力Rが達成される。

小規模用途のため、今では小規模冷却装置が市販されており、これらは種々のガスを液化するための、特に、ヘリウムを4.2Kより低い極低温で液化するための十分な低温を実現することができる。業界において、これら小規模冷却装置は、通常、閉サイクル低温冷凍機と呼ばれる。これらの低温冷凍機は、3つのコンポーネント、即ち、その一部が「コールドフィンガ」と呼ばれ、一般的には1段または2段の冷却段を有し、コールドフィンガの最低温端部がヘリウムガスの繰り返しの圧縮および膨張によって非常に低い温度を実現するコールドヘッドと、コールドヘッドに高圧ヘリウムガスを供給しかつコールドヘッドから低圧ヘリウムガスを受け取るヘリウム圧縮機と、コールドヘッドとヘリウム圧縮機とを接続する高圧および低圧接続ホースとを有している。コールドフィンガの1段以上の冷却段のそれぞれは、様々な温度のヘリウム流体の特性の変化に対応すべく異なる直径を有している。コールドフィンガの各段は、内部熱交換器および内部膨張容積を含み、各段の最低温端部で冷却が行われる。

これら低温冷凍機の開発の結果として、ここ数年、例えば、特許文献1に開示されたシステム、または特許文献2に開示されたシステムなどの種々の小規模(「クラスS」)液化システムが市販されている。これらの液化装置では、液化されるガスは、低温冷凍機の低温の段や、低温冷凍機の低温の段に装着された熱交換器による熱交換によって、冷却される。これらの小規模液化装置では、低温冷凍機コールドヘッドは、液化されるガスのみを含みかつ容器の外部から内部への熱流を最小限にするための断熱された二重壁容器(デュワー)のネックで、作動する。ガスが凝縮した後、得られた液体は、デュワーの内部タンク内貯蔵される。

図1は、先行技術(例えば、特許文献1、非特許文献1の論文を参照)に基づいて異なる液化軌跡が示されるヘリウムの一般状態図である。室温(300K)および圧力100kPa〜250kPaの市販ガスまたは回収ガスから出発して、定圧でこのガスが冷却されると、最初のガス圧力に応じて、AV、BVまたはCVなどの単一相He蒸気点を通過する。示された軌跡に従ってこの蒸気が更に冷却されることによって、この液化装置は、4.2Kおよび1バール(100kPa)付近で、例えばMRI装置に容易に移すことのできる液体である二相液体ポイントZ1)を製造することができる。この液化装置が液体で一杯になりかつ液体が直ちに必要とされない場合、二相液体よりもより効率的に装置に移すことができる単一相の過冷却された液体(例えば、ポイントAL)を製造することが有利である。図1の液化曲線に関して、CVCLBLAALは、高い能力を示す可能性のある軌跡を表す。最適液化圧力は、一般的には、臨界圧Z2であり、即ち、ヘリウムの場合、液化率が65リットル/日以上(4.2Kで30リットル/日超に相当、効率は4リットル/日/kWに近い)になる圧力、2.1バール付近である。

理想的には、低温冷凍機の小規模液化装置は、大規模液化装置および中規模液化装置と比較して、同等な効率が得られる。しかしながら、実際に達成される液化能力(リットル/日/kWで)は、大規模なクラスMおよびクラスLの液化プラントで得られる能力(6〜12リットル/日/kW超)よりも、これら小規模液化装置によって得られる能力(4リットル/日/kW未満)では著しく劣っている。過去25年間での先行技術の能力向上は、非特許文献2に解説されている。したがって、小規模液化装置のさらなる能力向上を可能にする新規解決法が必要である。本発明は、そうした必要性に対する解決法を提案するものである。

概要

ガス状元素熱力学的特性を用いて低温冷凍機から高い冷却力を引き出す低温冷凍機のガス液化システムを提供する。寒剤ガス液化システム1は、液体貯蔵部3とネック部4とを含み、かつ浴7の上方に液化領域8を含む貯蔵容器2と、ネック部に配置されかつ1段以上の冷却段10,11を含むコールドヘッド9と、貯蔵容器の液化領域内の寒剤ガス圧力を制御するための圧力制御機構13からなる。コールドヘッドは、更に、コールドヘッド内に気相寒剤を分配するための冷却圧縮機17と、コールドヘッド内のガス循環回路と冷却段の外部領域とを連通する取り出し開口部と、ガス注入弁20によって冷却圧縮機のガス循環回路に接続され、取り出すガスの量と取り出し開口部によって液化するガスの量とを補正するため、ガスの総量を一定に維持するガス注入源19とを含む。a

目的

より優れた効率を得るための初めての試みにおいて、特許文献1および非特許文献1に記載の従来技術のガス液化システムを、上記の引用文献に記載されているように、そのシステムの液化領域内の圧力を制御する手段で、高い圧力が高い液化温度を提供する

効果

実績

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請求項1

寒剤ガス液化システム(1)であって、液体貯蔵部(3)と前記液体貯蔵部(3)から延びているネック部(4)とを含む貯蔵容器(2)であって、前記液体貯蔵部(3)は貯蔵容器(2)の底部に液化ガス浴(7)を含みかつ前記液化ガス浴(7)の上方に液化領域(8)を含むように構成され、液化されるガスが前記液化システム(1)と熱交換を行う貯蔵容器(2)と、前記ネック部(4)に配置され、1段以上の冷却段(10,11)を含むコールドヘッド(9)と、前記貯蔵容器(2)の液化領域(8)内の寒剤ガス圧力を制御するための圧力制御機構(13)とを含む前記液化システム(1)において、前記コールドヘッド(9)が、更に、圧縮された気相寒剤を前記コールドヘッド(9)内に分配するための冷却圧縮機(17)であって、前記寒剤ガスが前記コールドヘッド(9)に供給されると共に前記コールドヘッド(9)から戻され、前記コールドヘッド(9)の1段以上の冷却段(10,11)の温度を低下させる冷却手段として機能する冷却圧縮機(17)と、前記冷却段(10,11)の外部領域と前記コールドヘッド(9)内のガス循環回路とを連通する1以上の取り出し開口部(22)であって、前記コールドヘッド(9)内のガスを前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)に流出可能にするパススルーポート(23)として機能する取り出し開口部(22)と、ガス注入弁(20)によって前記冷却圧縮機(17)のガス循環回路に接続され、前記ガス注入弁(20)が前記コールドヘッド(9)内の圧力を制御するために用いられるガス注入源(19)とを含む、液化システム(1)。

請求項2

請求項1に記載の液化システム(1)は、更に、前記貯蔵容器(2)の液化領域(8)内に導入するためのある量の気相寒剤を含むガス源モジュール(110)を含む、液化システム(1)。

請求項3

請求項1または2に記載の液化システム(1)は、更に、前記貯蔵容器(2)内の液体容積を測定するためのレベルメータ(100)を含む、液化システム(1)。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、前記貯蔵容器(2)は、更に、前記液体貯蔵部(3)から前記貯蔵容器(2)の外表面に延びているトランスファーポート(12)を含む、液化システム(1)。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、前記圧力制御機構(13)は、前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内の圧力値を測定するための圧力センサ(14)を含む、液化システム(1)。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、前記圧力制御機構(13)は、前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内の入力ガス流および圧力、または入力ガス流もしくは圧力を動的に制御すべく構成されたPLC(18)に接続されている、液化システム(1)。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、前記取り出し開口部(22)が直径0.5〜5.0mmを有する、液化システム(1)。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、前記取り出し開口部(22)は、前記コールドヘッド(9)の1段以上の冷却段(10,11)上で機能し、任意選択で、固定手段(24)を通じた望ましくないガス流を防ぐための絶縁シール(25)と組み合わせて、前記パススルーポート(23)に含まれる前記固定手段(24)によって取り付けられる、液化システム(1)。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、1以上のパススルーポート(23)が配置可能な極低温フローバルブ(21)を含む、液化システム(1)。

請求項10

請求項9に記載の液化システム(1)において、前記極低温用フローバルブ(21)のクローズドオープン配置が、牽引手段(27)および圧縮手段(28)、または牽引手段(27)もしくは圧縮手段(28)によって作動される、液化システム(1)。

請求項11

請求項11〜12のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、前記パススルーポート(23)および前記極低温用フローバルブ(21)がキャピラリーチューブ(29)によって接続される、液化システム(1)。

請求項12

請求項1〜11のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、前記貯蔵容器(2)内および前記冷却圧縮機(17)内、または前記貯蔵容器(2)内もしくは前記冷却圧縮機(17)内の寒剤ガスがヘリウムである、液化システム(1)。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1項に記載の液化システム(1)において、ガス取り入れモジュール(12)に含まれるガスおよび前記ガス注入源(19)に含まれるガスがいずれも、ヘリウム使用装置から回収され精製された高純度ヘリウムガスである、液化システム(1)。

請求項14

請求項1〜13のいずれか1項に記載の液化システム(1)で使用される寒剤のガス液化方法であって、(i)少なくとも、液化領域(8)を有し、貯蔵部(3)と前記貯蔵部(3)から延びているネック部(4)とによって定義される貯蔵容器(2)と、前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内の圧力を制御するための圧力制御機構(13)と、少なくとも部分的に前記ネック部(4)内に配置され、前記液化領域(8)に含まれる寒剤を気相から液相に凝縮するように構成された低温冷凍機のコールドヘッド(9)と、ある量の気相寒剤を含むガス注入源(19)とを提供し、前記低温冷凍機のコールドヘッド(9)は、低温の圧縮された気相寒剤を前記コールドヘッド(9)内に分配するための冷却圧縮機(17)であって、前記寒剤が前記コールドヘッド(9)に供給されると共に前記コールドヘッド(9)から戻され、前記コールドヘッド(9)の1段以上の冷却段(10,11)の温度を低下させる冷却手段として機能する冷却圧縮機(17)と、前記冷却段(10,11)の前記外部領域と前記コールドヘッド(9)内のガス循環回路とを連通する1以上の取り出し開口部(22)であって、前記コールドヘッド(9)内のガスを前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)に流出可能にするパススルーポート(23)として機能する取り出し開口部(22)と、前記コールドヘッド(9)内の圧力をそれに接続されたPLC(18)により制御するために、前記ガス注入源(19)と前記冷却圧縮機(17)の前記ガス循環回路とを接続するガス注入弁(20)とを含み、(ii)前記圧力制御機構(13)および前記PLC(18)によって、前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内の蒸気圧を測定及び制御し、前記ガス注入弁(20)およびPLC(18)によって前記コールドヘッド(9)内の内圧を測定及び制御し、(iii)前記圧力制御機構(13)によって前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)の蒸気圧を維持し、前記ガス注入源(19)および前記ガス注入弁(20)によって前記コールドヘッド(9)内の内圧を動作範囲内に維持する、液化方法

請求項15

請求項14に記載の液化方法は、更に、行程(iii)の間に前記蒸気圧を維持するため、前記圧力制御機構(13)と共に、ガス源モジュール(110)により前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内にガスを注入することを含む、液化方法。

技術分野

0001

本発明は、一般に、ガス液化のためのシステムおよび方法に関し、より具体的には、液化および能力効率が向上するように構成されたシステムおよび方法に関する。本発明の主な応用分野は、閉サイクル低温冷凍機液化率が100リットル/日未満の小規模液化装置などのヘリウム液化技術である。

背景技術

0002

ヘリウムは、地上では希少元素であり、科学上および産業上の膨大な用途によって、需要は増え続けている。例えば、気相ヘリウムの一般的な用途には、溶接浮揚気球)、及び半導体または光ファイバーの製造がある。液相での一般的な用途には、特定の医療装置および科学装置の冷却、燃料タンクパージならびに固体物理学、磁気およびさまざまな他の研究トピックにおける基礎研究が含まれる。ヘリウムはその広範な有用性と限られた入手可能性とによって、高コスト再生不可能な資源であると考えられている。したがって、ヘリウムおよび他の同様な貴ガスの再利用への関心が増している。

0003

特に、液体ヘリウムは、20Kより低い温度に達することが必要な多くの用途で、冷却剤として用いられている。このような用途は、超伝導体の使用、特に、デュワーまたはクライオスタットと呼ばれる真空断熱容器または真空フラスコ内で作動する低温物理学研究装置における超伝導体の使用に関係している。このようなクライオスタットは、気相および液相の両方の混合物を含み、蒸発によって、その気相は、ほとんど大気中に放出されてしまう。したがって、クライオスタット中の装置の作動を継続するには、多くの場合、外部供給源からヘリウムを追加して購入しなければならない。

0004

液体ヘリウムの最も重要な用途の1つに、磁気共鳴画像MRI:magnetic resonance imaging)装置に用いられる強磁場超伝導コイルを冷却することがある。MRIは、体内の画像を非侵襲的に作製することによって、ヒトのさまざまな健康状態診断するための重要な診断法である。

0005

液体ヘリウムの最大ユーザは、大規模国際科学研究施設または設備、例えばCERN(Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire:欧州原子核研究機構)国際研究所における大型ハドロン衝突加速器(Large Hadron Collider)である。CERNなどの研究所では、大規模(クラスL)工業的液化プラントによって、回収されるガスの回収、精製および再液化を行っており、このプラントでは、通常、100リットル/時間超を製造し、100kW超の入力電力を必要とする。中規模の消費量の研究所では、約15リットル/時間を製造するための中規模(クラスM)液化プラントが利用される。これら大規模および中規模液化プラントでは、液体窒素でガスを予冷する場合、約0.5〜1リットル/時間/kW(12〜24リットル/日/kW)の能力Rが達成され、予冷無しでは、約0.25〜0.5リットル/時間/kW(6〜12リットル/日/kW)の能力Rが達成される。

0006

小規模用途のため、今では小規模冷却装置が市販されており、これらは種々のガスを液化するための、特に、ヘリウムを4.2Kより低い極低温で液化するための十分な低温を実現することができる。業界において、これら小規模冷却装置は、通常、閉サイクル低温冷凍機と呼ばれる。これらの低温冷凍機は、3つのコンポーネント、即ち、その一部が「コールドフィンガ」と呼ばれ、一般的には1段または2段の冷却段を有し、コールドフィンガの最低温端部がヘリウムガスの繰り返しの圧縮および膨張によって非常に低い温度を実現するコールドヘッドと、コールドヘッドに高圧ヘリウムガスを供給しかつコールドヘッドから低圧ヘリウムガスを受け取るヘリウム圧縮機と、コールドヘッドとヘリウム圧縮機とを接続する高圧および低圧接続ホースとを有している。コールドフィンガの1段以上の冷却段のそれぞれは、様々な温度のヘリウム流体の特性の変化に対応すべく異なる直径を有している。コールドフィンガの各段は、内部熱交換器および内部膨張容積を含み、各段の最低温端部で冷却が行われる。

0007

これら低温冷凍機の開発の結果として、ここ数年、例えば、特許文献1に開示されたシステム、または特許文献2に開示されたシステムなどの種々の小規模(「クラスS」)液化システムが市販されている。これらの液化装置では、液化されるガスは、低温冷凍機の低温の段や、低温冷凍機の低温の段に装着された熱交換器による熱交換によって、冷却される。これらの小規模液化装置では、低温冷凍機コールドヘッドは、液化されるガスのみを含みかつ容器の外部から内部への熱流を最小限にするための断熱された二重壁容器(デュワー)のネックで、作動する。ガスが凝縮した後、得られた液体は、デュワーの内部タンク内貯蔵される。

0008

図1は、先行技術(例えば、特許文献1、非特許文献1の論文を参照)に基づいて異なる液化軌跡が示されるヘリウムの一般状態図である。室温(300K)および圧力100kPa〜250kPaの市販ガスまたは回収ガスから出発して、定圧でこのガスが冷却されると、最初のガス圧力に応じて、AV、BVまたはCVなどの単一相He蒸気点を通過する。示された軌跡に従ってこの蒸気が更に冷却されることによって、この液化装置は、4.2Kおよび1バール(100kPa)付近で、例えばMRI装置に容易に移すことのできる液体である二相液体ポイントZ1)を製造することができる。この液化装置が液体で一杯になりかつ液体が直ちに必要とされない場合、二相液体よりもより効率的に装置に移すことができる単一相の過冷却された液体(例えば、ポイントAL)を製造することが有利である。図1の液化曲線に関して、CVCLBLAALは、高い能力を示す可能性のある軌跡を表す。最適液化圧力は、一般的には、臨界圧Z2であり、即ち、ヘリウムの場合、液化率が65リットル/日以上(4.2Kで30リットル/日超に相当、効率は4リットル/日/kWに近い)になる圧力、2.1バール付近である。

0009

理想的には、低温冷凍機の小規模液化装置は、大規模液化装置および中規模液化装置と比較して、同等な効率が得られる。しかしながら、実際に達成される液化能力(リットル/日/kWで)は、大規模なクラスMおよびクラスLの液化プラントで得られる能力(6〜12リットル/日/kW超)よりも、これら小規模液化装置によって得られる能力(4リットル/日/kW未満)では著しく劣っている。過去25年間での先行技術の能力向上は、非特許文献2に解説されている。したがって、小規模液化装置のさらなる能力向上を可能にする新規解決法が必要である。本発明は、そうした必要性に対する解決法を提案するものである。

0010

国際公開第2011/139989号
米国特許第8671698号明細書

先行技術

0011

「Enhancement of the Liquefaction Rate in Small−Scale Helium Liquefiers Working Near and Above the Critical Point」、Physical Review Applied、第3巻、051001(2015年)
Rillo(リロ)ら、「European Superconductivity News Forum」、IEEE/CSC&ESAS、第33巻(2015年7月)

発明が解決しようとする課題

0012

日当たり100リットル未満の液化寒剤を製造するための現在入手可能な小規模液化プラント、すなわち「クラスS」液化装置は、さらに大規模な液化プラントによって得られる能力と比較して実質的に非効率的である。加えて、中規模および大規模プラントは、実質的な複雑さを伴い、大規模なメンテナンスを必要とするが、それらの15リットル/時間超(すなわち360リットル/日超)という液化率は、多くのユーザの要求をはるかに上回っている。

0013

より優れた効率を得るための初めての試みにおいて、特許文献1および非特許文献1に記載の従来技術のガス液化システムを、上記の引用文献に記載されているように、そのシステムの液化領域内の圧力を制御する手段で、高い圧力が高い液化温度を提供するように改造した。そのシステムに流入するガスを正確に制御することによって、内部液化圧力を高い閾値に維持することができた。最適能力のための臨界圧付近の高い圧力においてコールドヘッドの高い冷却力を利用したところ、従来技術と比較して100%超高い4リットル/日/kWの前例のない液化率の値が得られた(Rillo(リロ)ら、「European Superconductivity News Forum」、IEEE/CSC&ESAS、第33巻(2015年7月)、および、Chialvo(チャルヴォ)ら、「Proceedings of the 18th International Cryocooler Conference」、p.551−556(2014年))。

課題を解決するための手段

0014

したがって、本発明の目的は、既知のシステムの液化率および能力を向上するために、ガス状元素熱力学的特性を用いて低温冷凍機から高い冷却力を引き出すように構成された低温冷凍機のガス液化システムおよび方法を提供することにある。

0015

本明細書において、液化領域は、システムに流入するガスが最初に冷却される低温冷凍機の第1段に隣接した第1冷却領域、冷却されたガスがさらに冷却されて液相に凝縮される低温冷凍機の第2段またはその後の段に隣接した第2凝縮領域を含むデュワー内容積として定義される。したがって、本発明の目的のため、液化領域は、デュワーのネック部を含み、液化寒剤が貯蔵される貯蔵部に延びている。本発明の種々の実施形態において、システムは、更に、液化領域内の圧力が液化プロセスの間に正確に維持されるように、液化領域に流入する入力ガス流を制御するように構成された単一の圧力制御モジュールを含むことができる、デュワー内の圧力を制御するための手段を含む。あるいは、個別に列挙されたコンポーネントの集合的なグループ化が、システムの液化領域に流入する入力ガスの制御を提供するように構成されるように、電磁弁質量流量計圧力制御装置および他の圧力調節器から選択される一連圧力制御コンポーネントを、システムのいくつかの位置に個別に配置してもよい。

0016

さらに、ガスと液化システムの種々の冷却素子との間の熱交換をさらに最適化するため、提案された本発明は、その機能を変えることなく、コールドヘッドの最低温部から小容積の前記ガスを取り出すことによって、低温冷凍機のコールドヘッド内を循環する既に冷却されたガスを利用している。すでに液化したガスが、貯蔵容器の液化領域に加えられる。その結果、貯蔵容器内の温度および圧力が制御機構によって一定に保たれる一方で、システムの平均液化率は上昇する。

0017

前述の液化の向上は、ガスを液化するためのガス液化システムであって、
液体貯蔵部と前記液体貯蔵部から延びているネック部とを含む貯蔵容器であって、前記液体貯蔵部は貯蔵容器の底部に液化ガス浴を含みかつ前記浴の上方に液化領域を含むように構成され、液化されるガスが前記液化システムと熱交換を行う貯蔵容器と、
前記ネック部に配置され、1段以上の冷却段を含むコールドヘッドと、
前記貯蔵容器内の液化領域内の寒剤ガス圧力を制御するための圧力制御機構
を含むガス液化システムによって達成される。

0018

有利には、前記システムの低温冷凍機のコールドヘッドは、更に、
圧縮された気相寒剤を前記コールドヘッド内に分配するための冷却圧縮機であって、前記寒剤ガスが前記コールドヘッドに供給されると共に前記コールドヘッドから戻され、前記コールドヘッドの1段以上の冷却段の温度を低下させる冷却手段として機能する冷却圧縮機と、
前記冷却段の外部領域と前記コールドヘッド内のガス循環回路とを連通する1以上の取り出し開口部であって、前記コールドヘッド内のガスを前記貯蔵容器の液化領域に流出可能にするパススルーポートとして機能する取り出し開口部と、
ガス注入弁によって前記冷却圧縮機のガス循環回路に接続され、前記ガス注入弁が前記コールドヘッド内の圧力を制御するために用いられるガス注入源とを含む。

0019

本発明に記載のシステムは、容器内の蒸気圧の正確な制御を維持するように構成されることで、温度の正確な制御、ひいては、凝縮が行われる低温冷凍機の能力の正確な制御を維持するように構成されている。その結果、このシステムは、1以上の段の温度によって決定される低温冷凍機の動作点の制御を可能にすることで、室温から動作点までの予冷ならびに凝縮および液化の両方に関し、液化されるガスによって取り出される熱量を制御することができる。

0020

本発明の好ましい実施形態において、貯蔵容器はシェルによって断熱され、貯蔵部の外側のシェル内の容積は、実質的に空気が抜かれている。
本発明のさらに他の好ましい実施形態において、貯蔵容器は、更に、液体貯蔵部から貯蔵容器の外表面に延びているトランスファーポートを含む。

0021

本発明のさらに他の好ましい実施形態において、システムは、更に、貯蔵容器の液化領域内に導入するためのある量の気相寒剤を含むガス源モジュールを含む。
本発明のさらに他の好ましい実施形態において、システムは、更に、貯蔵容器内の液体の容積を測定するためのレベルメータを含む。

0022

本発明のさらに他の好ましい実施形態において、圧力制御機構は、以下のコンポーネントであって、
貯蔵容器の液化領域内の圧力値を測定するための圧力センサと、
貯蔵容器の液化領域に流入するガスの圧力を制御するための圧力制御装置と、
質量流量計と、
液化領域に流入する入力ガス流を制御するための1以上の弁の1以上を含む。

0023

本発明のさらに他の好ましい実施形態において、圧力制御機構は、貯蔵容器の液化領域内の入力ガス流および圧力、または入力ガス流もしくは圧力を動的に制御するためのコンピュータにさらに接続されている。

0024

本発明のさらに他の好ましい実施形態において、取り出し開口部は直径0.5〜5.0mmを有する。
本発明のさらに他の好ましい実施形態において、取り出し開口部は、コールドヘッドの1段以上の冷却段上で機能しかつパススルーポートに含まれる固定手段によってそれに取り付けられる。より好ましくは、パススルーポートは、前記固定手段を通じた望ましくないガス流を防ぐための絶縁シールを含む。

0025

本発明のさらに他の好ましい実施形態において、1以上のパススルーポートは、構成可能な極低温用フローバルブを含む。好ましくは、前記極低温弁のクローズドオープン配置は、牽引手段および圧縮手段または牽引手段もしくは圧縮手段によって作動され、より好ましくは、パススルーポートおよび極低温弁は、任意選択キャピラリーチューブによって接続されることができる。

0026

本発明のさらに他の好ましい実施形態において、寒剤ガスは、ヘリウム、窒素酸素水素ネオンのいずれかである。より好ましくは、ガス取り入れモジュールに含まれるガスおよびガス注入源に含まれるガスは、ともに、ヘリウム使用装置から回収され精製された高純度ヘリウムガスである。

0027

本発明の他の態様は、
(i)少なくとも、
液化領域を有し、貯蔵部と前記貯蔵部から延びているネック部とによって定義される貯蔵容器と、
貯蔵容器の液化領域内の圧力を制御するための圧力制御機構と、
少なくとも部分的にネック部(4)内に配置され、液化領域に含まれる寒剤を気相から液相に凝縮するように構成された前記低温冷凍機のコールドヘッドと、
を提供し、低温冷凍機のコールドヘッドは、
低温の圧縮された気相寒剤を前記コールドヘッド内に分配するための冷却圧縮機であって、前記寒剤が前記コールドヘッドに供給されると共に前記コールドヘッドから戻され、前記コールドヘッドの1段以上の冷却段の温度を低下させるための冷却手段として機能する冷却圧縮機と、
前記冷却段の外部領域と前記コールドヘッド内のガス循環回路とを連通する1以上の取り出し開口部であって、前記コールドヘッド内のガスを前記貯蔵容器の液化領域に流出可能にするパススルーポートとして機能する取り出し開口部と、
前記圧縮機のガス循環回路に接続されるガス注入源であって、コールドヘッド内の圧力をそれに接続されたPLC(programmable logic controller:プログラマブルロジックコントローラ)によって前記ガス注入源が制御するためのガス注入弁を用いて圧力制御機構に接続されているガス注入源とを含み、
(ii)圧力制御機構およびPLCによって前記貯蔵容器内の液化領域の蒸気圧を測定及び制御し、ガス注入弁(20)およびPLCによってコールドヘッド内の内圧を測定及び制御し、
(iii)圧力コントローラによって前記貯蔵容器内の液化領域の蒸気圧を維持し、前記ガス注入源および前記注入弁によってコールドヘッド内の内圧を動作範囲内に維持する、本願に開示のガス液化システムを使用するガス液化方法に関する。

0028

本発明の好ましい実施形態において、提案されたガス液化方法は、更に、行程(iii)中に蒸気圧を維持するため、貯蔵容器の圧力コントローラと共に、ガス源によって貯蔵容器の液化領域内にガスを注入する行程を含む。

0029

要約すれば、本発明によって提案されたガス液化システムおよび方法は、コールドヘッドから小容積のガスを取り出して貯蔵容器の液化領域に注入することや、前記ガスと液化システムの種々の冷却素子との間の改善された熱交換手段を提供することによって、低温冷凍機の既存の液化装置よりも、はるかに高い効率を達成することができる。液化領域に流入する室温ガスの圧力を正確に制御し、このシステムの液化領域の凝縮ガスの圧力を正確に制御することで、このシステムの液化効率はさらに上昇し、安定になる。

0030

本発明の特徴と利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことによってさらに明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0031

先行技術によるヘリウム状態図および先行技術の液化P−T軌跡を示す図。
既知の先行技術のヘリウム液化システムの概略図。
本発明による液化システムの好ましい実施形態の1つの概略図。
本発明による液化システムの好ましい実施形態の1つの概略図。
図3a図3bの図による液化システムに適用されるオープン位置でのコールドヘッドからのガス取り出しを実行する極低温エレメントの一例を示す概略図。
図3a図3bの図による液化システムに適用されるクローズド位置でのコールドヘッドからのガス取り出しを実行する極低温エレメントの一例を示す概略図。
160リットル貯蔵容器の場合の図3a図4bの好ましい実施形態によるシステムを用いて実施した液化試験と先行技術との比較図。

実施例

0032

以下の説明において、本発明の十分な理解を得るために詳細を述べるが、これらは説明を目的とし、限定するものではない。しかしながら、本発明の思想と範囲とから逸脱することなく、これらの詳細および説明から外れた他の実施形態において本発明を実施してよいことは当業者には明らかであろう。以下において、図面を参照していくつかの実施形態を説明するが、例示した形状構成は参照番号によって示される。

0033

図2に記載の一般的な実施形態において、本明細書においてはクライオスタットとも呼ぶ既知の液化システム(1)は、液体貯蔵部(3)と前記液体貯蔵部(3)から延びているネック部(4)とを含みかつ周囲温度である外部容器(5)に接続されている隔離された貯蔵容器(2)すなわちデュワーを含む。貯蔵容器(2)はシェル(6)によって断熱され、貯蔵部(3)外側のシェル(6)内の容積は、実質的に空気が抜かれている。また、貯蔵容器(2)内の液体の容積を測定するために、このシステムは、任意選択で、レベルメータ(100)を含むことができる。

0034

貯蔵部(3)は、貯蔵容器(2)の底部に液化ガス浴(7)を含み、かつ前記浴(7)の上方に液化領域(8)を含むように構成され、ここで、液化されるガスが液化システム(1)と熱交換する。そうするために、ネック部(4)は、少なくとも部分的に低温冷凍機コールドヘッド(9)を収容するように構成されている。コールドヘッド(9)は、好ましくは、それぞれが異なる断面を有する1段以上の冷却段(10,11)を含んでもよい。貯蔵容器(2)のネック部(4)は、任意選択で、低温冷凍機コールドヘッド(9)の1段以上の冷却段(10,11)に、段階的に、幾何学的に一致するように構成してもよい。貯蔵容器(2)は、更に、液体貯蔵部(3)から貯蔵容器(2)の外表面に延びているトランスファーポート(12)を含む。さらに、質量流量計および比例弁を組み込んでいる二次側圧力制御機構(FPC:forward pressure control)(13)が、ガス流の制御、かつそれによる貯蔵容器(2)の液化領域(8)内の圧力の制御のために提供される。二次側圧力制御機構(13)は、一般に、貯蔵容器(2)の液化領域(8)に流入するガスの圧力を制御するための圧力制御装置または他の手段を含む。また、制御機構(13)は、貯蔵容器(2)の液化領域(8)内の圧力を検出するために、外面圧力センサ(14)を用いるか、それを組み込んでいる。この点において、制御機構(13)は、最大効率を得るため、入力ガス流、ひいては貯蔵容器(2)の液化領域(8)内の圧力を動的に制御するために、コンピュータプログラマブルロジックコントローラ(PLC)(18)(または同等の、任意の適切な演算手段もしくは処理手段)にさらに接続されている。

0035

本明細書では、いくつかの説明的実施形態において、明確なユニットとして描かれているが、圧力制御機構(13)のコンポーネントが、他のシステムコンポーネントの近くに個別に位置し、同様な液化プロセスを実施するように構成されることを認識すべきである。したがって、圧力制御機構(13)は、入力ガス流、ひいては貯蔵容器(2)の液化領域(8)内の圧力を動的に制御するために、システム(1)内に直接に取り付けられるか別の形で集められて提供される一群のコンポーネントを含むものとする。

0036

前のセクションで言及したように、図2に記載の既知の液化システムにおいて、1以上の段(10,11)を含むコールドヘッド(9)は、貯蔵容器(2)またはデュワーのネック部(4)において作動する。第1段(10)は、最も高温で、他の段(11)よりも液化領域(8)から離れたネック部(4)において作動する。したがって、ガスは、ネック部(4)の高温の端部に導入され、コールドヘッド(9)の第1段(10)の壁部によって予冷され、第1段(10)の最低温端部によって予冷され、より低温の段(11)の壁部によってさらに予冷され、ついでコールドヘッド(9)の最低温段(11)の最低温端部で凝縮される。1段コールドヘッド(9)の実施形態に関し、凝縮は、第1段(10)の最低温端部で行われる。一度凝縮されれば、液化したガスは、液化領域(8)から重力によって、貯蔵容器(2)の内部の貯蔵部(3)の底部にある浴(7)に落下する。閉サイクル低温冷凍機の各段(10,11)によって発生される冷却力は、主にその温度によって決定されるが、前の段(10,11)の温度にも二次的に依存する。この情報は、一般に、第1段と第2段(10,11)の温度に対する第1段(10)と第2段(11)の出力の依存性プロットする二次元ロードマップとして低温冷凍機の製造業者によって提供される。

0037

第1段(10)および第2段(11)において発生される冷却力に加えて、コールドヘッド(9)は、その全長に沿って、特に、第1段(10)の室温端部と最低温端部との間の円柱形のコールドフィンガの表面に沿ってかつ段(10,11)間の円柱形のコールドフィンガの全長に沿って、冷却力を発生する。

0038

また、図2に記載の液化システム(1)は、コールドヘッド(9)内の低温の圧縮されたガスを分配するための冷却圧縮機(17)を含み、前記ガスは、圧力(15)を加え圧力(16)を戻すための圧縮機ホース(15,16)を介して、コールドヘッド(9)に供給されると共に前記コールドヘッドから戻され、冷却段(10,11)の温度を低下させる冷却手段として機能する。既知の小規模ヘリウム液化装置において、供給圧力は、一般的に、1.5〜2.5MPaであり、戻り圧力は、一般的に、0.3〜1MPaである。圧縮機(17)内に分配されるガスは、好ましくは、液化されるガスと同じタイプのガス(例えば、ヘリウム)である。

0039

図2のシステム(1)には、主として、ガス源モジュール(110)からのガス、好ましくは、寒剤使用装置の液体からの回収ガスが供給される。ガス源モジュール(110)は、貯蔵容器(2)に接続され、圧力制御機構(13)によって制御される。貯蔵容器(2)に液体として集められる低温蒸気凝縮プロセスは、定圧プロセスに相当し、その間の圧力の乱れは液化率の低下をもたらす。したがって、最適効率でガス液化システム(1)を働かせるために、内部の圧力条件を正確に制御し、全プロセスを通じてそれを維持することが必要である。

0040

本技術分野における既知の液化システム(1)(図2)を改善することを目的として、低温冷凍機コールドヘッド(9)によって得られる液化率向上ためのさらなる補助手段を得ることに加え、ガスと液化システム(1)の種々の冷却素子との間の熱交換を最適化することが、本発明の目的である。その目的を実行するため、図3aおよび図3bに、本発明の2つの好ましい実施形態による液化システム(1)を例示する。前のセクションで説明したように、本発明の提案された液化システム(1)は、その機能を変えることなく、コールドヘッド(9)の最低温部から小容積のガスを取り出すことによって、低温冷凍機内を循環する既に冷却されたガスを利用している。すでに液化したガスが、貯蔵容器(2)の液化領域(8)に加えられる。その結果、圧力制御機構(13)、圧力センサ(14)および/またはPLC(18)によって、貯蔵容器(2)内の圧力が一定に保たれる一方で、システム(1)の平均液化率は上昇する。その機能を変えずにコールドヘッド(9)から「小容量」のガスを取り出す場合、本発明の範囲内では、このことは、コールドヘッド(9)段(10,11)に関する圧縮機(17)の冷却操作または能力を変えないで、コールドヘッド(9)の最低温段(11)の温度を安定して維持する、好ましくは、実質的に4.2Kの一定値(ヘリウム液化用途の場合)に維持する容積として解釈すべきである。

0041

図3a図3bに示すように、コールドヘッド(9)からのガスの取り出しは、好ましくは、コールドヘッド(9)内のガス循環回路と冷却段(10,11)の外部領域とを連通する1以上の取り出し開口部(22)を含むコールドヘッドガス取り出し極低温用フローバルブ(21)サブシステム(図4a及び図4bにその細部を示す)によって行われる。従って、取り出し開口部(22)は、コールドヘッド(9)内のガスを貯蔵容器(2)の液化領域(8)に流出可能にするパススルーポート(23)として機能する。より好ましくは、小型の低温冷凍機コールドヘッド(9)のため、取り出し開口部(22)は、一般には、0.5〜5.0mmの直径を有している。

0042

パススルー取り出し開口部(22)は、ねじ、リベットまたは類似した固定手段(24)によってコールドヘッド(9)の1段以上の冷却段(10,11)上で機能することができ、また、固定手段(24)を通じた望ましくないガス流を防ぐため、絶縁シール(25)を含むこともできる。

0043

取り出し開口部(22)を通して流れるガスの量を制御するために、各パススルーポート(23)は、好ましくは、構成可能な極低温用フローバルブ(21)を含む。本発明の異なる実施形態において、前記極低温用フローバルブ(21)のクローズド/オープン配置は、牽引手段(例えば1以上のボーデンケーブル(26)による)、圧縮手段(例えば1以上のばね(27)による)などの機械的手段によって作動される。パススルーポート(23)と極低温用フローバルブ(21)は、任意選択で、キャピラリーチューブ(28)によって接続される。

0044

本発明の好ましい実施形態において、圧縮機(17)内のガス圧力を一定値に保つために、本発明のシステム(1)は、ガス注入弁(20)によって圧縮機(17)のガス循環回路に接続されるガス注入源(19)も含む。より好ましくは、ガス注入源(19)は、圧縮機の回路戻り段(16)に接続されている。ガス注入源(19)の使用によって、圧縮機(17)のガス量を一定に保ち、その結果、その内圧を安定化することができる。コールドヘッド(9)内の圧力条件のモニタリングは、ガス注入弁(20)の制御を行うために必要なデータを受け取るシステム(1)のプログラマブルロジックコントローラ(18)によって行うことができる。すべての機能および手順は、プログラマブルデバイス、例えばパーソナルコンピュータやプログラマブルロジックコントローラを用いて、特定の制御ソフトウェアを用いて、またはこのようなソフトウェアが格納されてリモートアクセスされるデジタルストレージハードウェアに接続して、in situで遠隔操作することができる。

0045

他の一般的な実施形態において、本発明の説明された液化システム(1)と併せてガスの液化方法が提供される。本方法は、好ましくは、
(i)少なくとも、
液化領域(8)を有し、貯蔵部(3)と前記貯蔵部(3)から延びているネック部(4)とによって定義される貯蔵容器(2)と、
前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内の圧力を制御するための圧力制御機構(13)と、
少なくとも部分的にネック部(4)内に配置され、前記液化領域(8)に含まれる寒剤を気相から液相に凝縮するように構成された低温冷凍機のコールドヘッド(9)と、
任意選択で、ある量の気相寒剤を含むガス源モジュール(110)と、
を提供し、前記低温冷凍機のコールドヘッド(9)は、
低温の圧縮された気相寒剤を前記コールドヘッド(9)内に分配するための冷却圧縮機(17)であって、前記寒剤が前記コールドヘッド(9)に供給されると共に前記コールドヘッドから戻され、前記コールドヘッド(9)の1段以上の冷却段(10,11)の温度を低下させる冷却手段として機能する冷却圧縮機(17)と、
前記冷却段(10,11)の外部領域と前記コールドヘッド(9)内のガス循環回路とを連通する1以上の取り出し開口部(22)であって、前記コールドヘッド(9)内のガスを前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)に流出可能にするパススルーポート(23)として機能する取り出し開口部(22)と、
前記コールドヘッド(9)内の圧力を制御するために、PLC(18)に接続されるガス注入弁(20)によって前記圧縮機(17)のガス循環回路に接続されるガス注入源(19)とを含み、
(ii)前記圧力制御機構(13)によって、前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内の蒸気圧を測定及び制御し、前記ガス注入弁(20)によって前記コールドヘッド(9)内の内圧を測定及び制御し、
(iii)前記圧力コントローラ(13)によって前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)の蒸気圧を維持し、前記ガス注入源(19)から前記注入弁(20)によって前記コールドヘッド(9)内の内圧を動作範囲内に維持し、
(iv)任意選択で、行程(iii)の間に前記蒸気圧を維持するため、前記圧力コントローラ(13)と共に、ガス源モジュール(110)によって前記貯蔵容器(2)の前記液化領域(8)内にガスを注入することを含む。

0046

原則として、本発明は、任意の多段低温冷凍機コールドヘッド(9)の使用を可能とするが、以下の説明は2段の冷却段(10,11)を有するコールドヘッドを含む実施形態に関する。それにもかかわらず、(1段、2段または3段以上の冷却段(10,11)を備えた)他の種類のコールドヘッド(9)への適用は、液化率の等価な上昇を伴って同様に達成することができることは、当業者には明らかである。

0047

本発明によって達成される効率向上を例示するために、図5は、第2冷却段(11)に実施した3mmの開口部1つを備えた160リットル貯蔵容器(2)の場合の図3bに記載のシステム(1)を用いて実施した液化試験を示す。容器(2)に貯蔵されるガスおよび圧縮機(17)回路を流れるガスはヘリウムである。この図は、取り出し極低温用フローバルブ(21)がクローズドのままであり、それによって、圧縮機(17)回路から貯蔵容器(2)へのガス注入が可能ではない、先行技術の2つの運転モードを示す。得られた液化率は19〜20リットル/日である。低速モード間では、極低温用フローバルブ(21)が開かれ、前記コールドヘッド(9)内からの予冷したヘリウムが貯蔵容器(2)の液化領域(8)に注入される「注入モード」の運転も示す。ガス源(19)からの冷却媒体のこのさらなる供給によって、液化率は大きく上昇した。図5提示したデータは、液化率の実質的増加を示しており、液化率は20リットル/日(3リットル/日/kW)未満から45リットル/日(7リットル/日/kW)超に上昇しており、従って、工業的液化プラントと同等の能力Rが達成される。圧縮機(17)の内圧値は、PLC(18)で設定される所望の値に、注入弁(20)によって全液化プロセスを通じて制御される。この運転モードでは、必要に応じて、ガス源モジュール(110)から貯蔵容器(2)にヘリウムをさらに供給することによって、貯蔵容器内の一定の液化圧力が維持される。全試験中、貯蔵容器内の圧力は107kPa、すなわち、およそ大気圧に維持された。

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