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技術 スプリングピン

出願人 ジヤトコ株式会社
発明者 キムジスン
出願日 2016年6月20日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-122043
公開日 2017年12月28日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-227230
状態 特許登録済
技術分野 スナップ・バヨネット・止めピン・止め輪
主要キーワード 中期状態 保持メカニズム 任意部材 挿入移動 最大外径寸法 部品構造 ピン外 挿入速度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題

挿入孔に挿入する際に発生したバリが、挿入孔の外部へ排出されることを防止できるスプリングピンを提供すること。

解決手段

ピン本体2に、軸方向Oに延びるスリット3が形成された断面C字状であって、前記スリット3の幅が拡縮することで径方向寸法が変更可能なスプリングピン1において、前記ピン本体2の外周面2aに前記スリット3と連通しないバリ保持溝15を備える構成とした。

概要

背景

従来、スリット幅を狭めて縮径された状態で任意の挿入孔に挿入され、自身の持つ弾性力によって拡径することで挿入孔内に固定されるスプリングピンが知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

挿入孔に挿入する際に発生したバリが、挿入孔の外部へ排出されることを防止できるスプリングピンを提供すること。ピン本体2に、軸方向Oに延びるスリット3が形成された断面C字状であって、前記スリット3の幅が拡縮することで径方向寸法が変更可能なスプリングピン1において、前記ピン本体2の外周面2aに前記スリット3と連通しないバリ保持溝15を備える構成とした。

目的

本発明は、上記問題に着目してなされたもので、スプリングピンを挿入孔に挿入する際に発生したバリが、挿入孔の外部へ排出されることを防止できるスプリングピンを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ピン本体に、軸方向に延びるスリットが形成された断面C字状であって、前記スリットの幅が拡縮することで径方向寸法が変更可能なスプリングピンにおいて、前記ピン本体の外周面に前記スリットと連通しないバリ保持溝を備えることを特徴とするスプリングピン。

請求項2

請求項1に記載されたスプリングピンにおいて、前記ピン本体は、中央部に前記バリ保持溝を有するバリ保持部が設けられ、前記バリ保持部の軸方向の両端部に前記バリ保持溝を有さない封止部が設けられると共に、前記バリ保持部の軸方向寸法が、前記ピン本体が挿入される挿入孔の軸方向寸法よりも短いことを特徴とするスプリングピン。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載されたスプリングピンにおいて、前記バリ保持溝の延在方向が、前記ピン本体の軸方向に対して角度を有していることを特徴とするスプリングピン。

請求項4

請求項3に記載されたスプリングピンにおいて、前記バリ保持溝の延在方向が、前記ピン本体の軸方向及び周方向に対して角度を有し、前記ピン本体を中心とした螺旋状に延びていることを特徴とするスプリングピン。

請求項5

請求項3に記載されたスプリングピンにおいて、前記バリ保持溝の延在方向が、前記ピン本体の軸方向に対して直交していることを特徴とするスプリングピン。

技術分野

0001

本発明は、ピン本体に軸方向に延びるスリットが形成された断面C字状スプリングピンに関するものである。

背景技術

0002

従来、スリット幅を狭めて縮径された状態で任意の挿入孔に挿入され、自身の持つ弾性力によって拡径することで挿入孔内に固定されるスプリングピンが知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開平07-019216号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、スプリングピンは、自身の弾性力によって挿入孔内に固定するため、孔径最大外径よりも小さい挿入孔に挿入されて使用される。そのため、スプリングピンを挿入孔に挿入する際、ピン外周面と孔内周面とが圧接してバリが発生する。そして、このバリがスプリングピンと挿入孔との間から脱落すると、挿入孔の外部に排出されてしまう。
一方、スプリングピンを、例えば変速機に搭載されるコントロールバルブユニットに用いた場合に、スプリングピンの挿入時に発生したバリが挿入孔の外部に排出されると、排出されたバリによってコントロールバルブスプールの動作が妨げられるおそれがある。そのときには、コントロールバルブユニットにおいて、意図した油圧に制御することができないという問題が生じる。

0005

本発明は、上記問題に着目してなされたもので、スプリングピンを挿入孔に挿入する際に発生したバリが、挿入孔の外部へ排出されることを防止できるスプリングピンを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため、本発明のスプリングピンは、ピン本体に、軸方向に延びるスリットが形成された断面C字状であって、前記スリットの幅が拡縮することで径方向寸法が変更可能である。そして、前記ピン本体の外周面に前記スリットと連通しないバリ保持溝を備えている。

発明の効果

0007

ここで、ピン本体を挿入孔に挿入していくと、ピン外周面と孔内周面との間に生じたバリと、ピン本体との相対的な位置が変化する。すなわち、本願発明では、ピン本体の外周面にバリ保持溝を備えたことで、ピン本体の移動に伴ってバリの位置とピン本体の外周面に形成されたバリ保持溝の位置が一致したとき、このバリ保持溝内へバリが入り込む。一方、ピン本体を挿入孔に挿入すると、バリ保持溝は挿入孔内に入り込み、挿入孔によって蓋をされた状態となる。そのため、バリ保持溝内へと入り込んだバリが外部に排出されることはない。また、バリ保持溝がスリットに対して連通していないので、バリ保持溝内へと入り込んだバリがスリットを介して外部に排出されることもない。
これにより、スプリングピンを挿入孔に挿入する際に発生したバリが、挿入孔の外部へ排出されることを防止できる。

図面の簡単な説明

0008

実施例1のスプリングピンを示す外観斜視図である。
実施例1のスプリングピンを図1のA方向から見たときの側面図である。
実施例1のスプリングピンを図1のB方向から見たときの側面図である。
図1のC-C断面図である。
実施例1のスプリングピンの寸法と挿入孔の寸法との関係を模式的に示す説明図である。
実施例1のスプリングピンを挿入孔に挿入する際の挿入初期状態を示す説明図である。
実施例1のスプリングピンを挿入孔に挿入する際の挿入中期状態を示す説明図である。
実施例1のスプリングピンを挿入孔に挿入する際の挿入完了状態を示す説明図である。
実施例1のスプリングピンにおけるバリ保持メカニズムを示す説明図である。
比較例のスプリングピンの挿入孔への挿入状態を示す模式図である。
比較例のスプリングピンにおける挿入深さと挿入孔に対する接触面積との関係を示すグラフである。
実施例1のスプリングピンの挿入孔への挿入状態を示す模式図である。
実施例1のスプリングピンにおける挿入深さと挿入孔に対する接触面積との関係を示すグラフである。
実施例1のスプリングピンの第1変形例を示す外観斜視図である。
実施例1のスプリングピンの第1変形例を示す側面図である。
実施例1のスプリングピンの第2変形例を示す外観斜視図である。
実施例1のスプリングピンの第2変形例を示す側面図である。

実施例

0009

以下、本発明のスプリングピンを実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。

0010

(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1におけるスプリングピン1は、例えば、車に搭載されたセレクトレバーシャフトグリップの双方に形成された挿入孔に差し込まれ、シャフトに対してグリップを連結する場合に使用されたり、変速機のコントロールバルブユニット内のバルブケース油路内に配置されたセパレータの双方に形成された挿入孔に差し込まれ、セパレータを油路内に固定するために使用されたりするピン部材である。このスプリングピン1は、図1に示すように、軸方向Oに沿って延びるスリット3が形成されたピン本体2を備えており、このピン本体2は、断面C字状を呈している。

0011

前記ピン本体2は、ばね用鋼やばね用ステンレス鋼からなる薄板鋼板円筒状に巻くことで形成され、スリット3の幅が拡縮することで径方向寸法が変更可能となっている。なお、この実施例1のスプリングピン1では、まず、薄板鋼板を剪断加工して所定のサイズにする。次に、剪断した薄板鋼板を、プレス機によってプレス加工し、後述するバリ保持溝15や凹凸部16を構成する複数の凹みを一方の鋼板表面に形成する。そして、バリ保持溝15等が形成された面を外側にして薄板鋼板を円筒状に湾曲させてピン本体2を形成する。なお、薄板鋼板の剪断加工と、バリ保持溝15等を形成するプレス加工とを同時に実施してもよい。
そして、このスプリングピン1では、ピン本体2をスリット3の幅を狭めて縮径させた状態で任意部材に形成された挿入孔S(図5参照)に圧入する。ピン本体2は、挿入孔Sの内部で自身の径方向のばね力によって拡径し、挿入孔S内に固定される。このスプリングピン1のピン本体2は、外周面2aの形状がそれぞれ異なる一対の先端テーパ部11,11と、バリ保持部12と、第1封止部13と、第2封止部14と、を有している。

0012

前記先端テーパ部11は、スプリングピン1の軸端に向かうにつれて次第に外径寸法が小さくなっていく領域である。この先端テーパ部11は、ピン本体2の軸方向Oの両端にそれぞれに設けられている。また、先端テーパ部11では、ピン本体2の外周面2aを削ることで外径寸法を縮小する。これにより、ピン本体2の内径寸法は一定状態が保持される。
なお、この先端テーパ部11におけるピン本体2の外周面2aは、凹凸のない平坦面になっている。

0013

前記バリ保持部12は、ピン本体2の外周面2aにスリット3と連通しないバリ保持溝15が形成された領域である。このバリ保持部12は、ピン本体2の軸方向Oの中央部に設けられている。
前記バリ保持溝15は、底部15aと、底部15aの周縁から立ち上がると共に底部15aの全周を取り囲んだ周壁部15bと、を有している。これにより、このバリ保持溝15は、スプリングピン1を貫通するものではなく、また、スプリングピン1の外方のみに開放し、スリット3との間は周壁部15bで区切られている(図3参照)。また、バリ保持溝15の延在方向αは、図2に示すように、ピン本体2の軸方向O及び周方向Wのいずれに対しても角度を有している。つまり、このバリ保持溝15の延在方向αは、ピン本体2の軸方向Oとは、平行になっておらず、また直交もしていない。そして、このバリ保持溝15は、スリット3によって分断されているものの、ピン本体2の外周面2aを螺旋状に巻回するように延在している。
さらに、バリ保持溝15の周壁部15bの上端縁、つまりバリ保持溝15の開口端部15cは、図4に示すようにR状に湾曲している。

0014

前記第1封止部13は、ピン本体2の外周面2aにバリ保持溝15を有していない一方、凹凸部16が形成された領域である。この第1封止部13は、バリ保持部12と一方の先端テーパ部11との間に設けられている。また、前記第2封止部14は、ピン本体2の外周面2aにバリ保持溝15を有していない一方、凹凸部16が形成された領域である。この第2封止部14は、バリ保持部12と他方の先端テーパ部11との間に設けられている。

0015

すなわち、ピン本体2は、軸方向Oの中央部にバリ保持溝15を有するバリ保持部12が設けられ、このバリ保持部12の軸方向両端部に、外周面2aにバリ保持溝15を有していない第1,第2封止部13,14が設けられている。

0016

また、前記凹凸部16は、バリ保持溝15と比べて幅や深さがごく小さく、ピン本体2の周方向Wに沿った凹みを、ピン本体2の軸方向Oに一定間隔で多数並べることで形成されている。

0017

そして、図5に示すように、ピン本体2の軸方向Oの全長Lは、挿入孔Sの軸方向寸法LSよりも長くなっている。また、バリ保持部12の軸方向寸法LAは、挿入孔Sの軸方向寸法LSよりも短くなっている。つまり、図5に示すように、ピン本体2が挿入孔Sに挿入された際、バリ保持部12は挿入孔S内に完全に収容可能となっている。

0018

さらに、第1封止部13の軸方向寸法LB及び第2封止部14の軸方向寸法LCは、同じ長さであり、いずれもバリ保持部12の軸方向寸法LAよりも短くなっている。また、一対の先端テーパ部11は、軸方向寸法LDが同じ長さであって、第1封止部13の軸方向寸法LB及び第2封止部14の軸方向寸法LCよりもさらに短く設定されている。

0019

一方、ピン本体2におけるバリ保持部12、第1封止部13、第2封止部14のそれぞれの自由状態での外径寸法RA,RB,RC(図2参照)は、同じ大きさであり、いずれも挿入孔Sの内径寸法RSよりも大きくなっている。なお、一対の先端テーパ部11の外径寸法は、上述のようにピン本体2の軸端に向かうにつれて次第に小さくなっており、最大外径寸法は第1,第2封止部13,14の外径寸法RB,RCと同じ大きさであり、最小外径寸法は挿入孔Sの内径寸法RSよりも小さくなっている。

0020

次に、実施例1のスプリングピンにおける作用を、「バリ保持作用」、「その他の特徴的作用」に分けて説明する。

0021

[バリ保持作用]
図6図8は実施例1のスプリングピンを挿入孔に挿入する際の状態を示す説明図であり、図9は、実施例1のスプリングピンにおけるバリ保持メカニズムを示す説明図である。以下、図6図9に基づいて、実施例1のバリ保持作用を説明する。

0022

実施例1のスプリングピン1を使用する場合には、まず、ピン本体2を径方向内側に向かって圧縮し、スリット3の幅を狭めて縮径する。次に、一方の先端テーパ部11を挿入対象となる挿入孔Sの入口βに対向させ、この一方の先端テーパ部11を挿入孔Sに挿入する。

0023

ここで、スプリングピン1は、ピン本体2の一端を挿入孔Sに挿入する際は縮径させるが、ピン本体2の一部が挿入孔S内に挿入されると、スリット3の幅を狭めるための圧縮力を弱めることが一般的である。

0024

つまり、実施例1のスプリングピン1においても、一方の先端テーパ部11及び第1封止部13の一部が挿入孔S内に挿入されたら、縮径させるための圧縮力が弱められ、ピン本体2は拡径しようとする。すなわち、自身の持つ拡径方向のばね力によって、挿入孔Sの内周面に圧接する。

0025

そして、図6に示すように、ピン本体2の一部(一方の先端テーパ部11及び第1封止部13の一部)が挿入孔S内に挿入されて圧接している状態となったら、ピン本体2の他方の先端テーパ部11をハンマーで叩き、ピン本体2を挿入孔S内に挿入していく。このとき、ピン本体2を縮径させる圧縮力は弱められているため、ピン本体2は、径方向に拡大しようとするばね力に抗しながら挿入される。これにより、挿入孔Sの内周面には、ピン本体2のばね力による径方向の力と、ピン本体2を挿入する際に生じる摩擦力による軸方向Oの力が作用し、表面が破壊されてバリが生じる。
なお、挿入孔Sの内周面の破壊は、挿入孔Sの入口βにて発生する。そして、発生したバリは、挿入孔Sの入口β付近に留まり、ピン本体2の挿入移動に伴って増加していく。

0026

一方、スプリングピン1のピン本体2は、挿入孔S内への挿入に伴って、この挿入孔Sとの相対的な軸方向位置が変化する。つまり、図6に示す挿入初期状態では、挿入孔Sの入口βにはピン本体2の第1封止部13が対向し、図7に示す挿入中期状態では、挿入孔Sの入口βにピン本体2のバリ保持部12が対向し、図8に示す挿入完了状態では、挿入孔Sの入口βにピン本体2の第2封止部14が対向する。
また、ピン本体2の中央部に設けられたバリ保持部12は、バリ保持溝15を有している。

0027

すなわち、図9に示すように、ピン本体2の挿入により、挿入孔Sの入口βにて発生したバリBは、入口β付近に留まる一方、ピン本体2の挿入に伴って、バリBに対するバリ保持溝15の位置が相対的に変化する。そして、バリBの位置とバリ保持溝15の位置とが一致すると、バリ保持溝15内へバリBが入り込む。
ここで、このバリ保持溝15は、底部15aと、この底部15aを取り囲む周壁部15bとを有しており、スリット3と連通しておらず、外部空間と遮断されている。しかも、ピン本体2が挿入孔S内に挿入されれば、挿入孔Sの内周面に覆われてしまい、この挿入孔Sによって蓋をされた状態になる。

0028

これにより、バリ保持溝15内へと入り込んだバリBが外部に排出されることはなく、スプリングピン1を挿入孔Sに挿入する際に発生したバリBが、挿入孔Sの外部へ排出されることを防止できる。

0029

なお、バリBの挿入孔S外への排出を防止するため、挿入孔Sの端部を密閉構造とすることが考えられる。また、エア噴射等を行う後工程でバリBを除去することも考えられる。しかしながら、これらの対応では部品構造が複雑になったり、工程が増えたりするため、コストが増加する問題が生じる。
これに対し、この実施例1のスプリングピン1を用いる場合では、挿入孔Sの内側端部を密閉構造とする加工や、エア噴射等によるバリ除去工程等を不要としつつ、バリBの挿入孔S外への排出を防止できるので、コスト増を抑制することができる。

0030

そして、この実施例1では、ピン本体2は、中央部にバリ保持溝15を有するバリ保持部12が設けられ、バリ保持部12の軸方向の両端部にバリ保持溝15を有さない第1,第2封止部13,14が設けられている。さらに、バリ保持部12の軸方向寸法LAが、ピン本体2が挿入される挿入孔Sの軸方向寸法LSよりも短い。

0031

これにより、バリ保持溝15を有するバリ保持部12の全長を挿入孔Sによってすべて覆うことができ、バリ保持溝15の全領域を挿入孔Sによって蓋をした状態とすることができる。このため、バリ保持溝15内に入り込んだバリBが外部に排出されることを防止することができる。また、バリ保持部12の軸方向の両端部にバリ保持溝15を有さない第1,第2封止部13,14を設けたことで、この第1,第2封止部13,14によってバリ保持溝15の軸方向両端部は確実に閉鎖され、バリ保持溝15の軸方向端部からバリBが脱落することを防止できる。しかも、ピン本体2の軸方向位置が挿入孔Sに対して多少ずれた場合であっても、ピン本体2が挿入孔Sから脱落したり、バリ保持溝15が挿入孔Sから露出したりしてしまうことを防止することができる。

0032

[その他の特徴的作用]
実施例1のスプリングピン1では、図2に示すように、バリ保持溝15の延在方向αが、ピン本体2の軸方向O及び周方向Wに対して角度を有し、ピン本体2を中心とした螺旋状に延びている。
すなわち、このバリ保持溝15の延在方向αは、少なくともピン本体2の軸方向Oに対して角度を有している。

0033

そのため、バリ保持溝15がピン本体2の外周面2aを周方向Wに横切ることになり、ピン本体2の挿入の進行に伴って、挿入孔Sがピン本体2の外周面2aとバリ保持溝15とに順次的に接することができる。これにより、挿入孔Sとピン本体2との接触によって発生したバリBがバリ保持溝15内に入り込むことができ、挿入孔Sの外部への排出を防止することができる。

0034

また、バリ保持溝15が形成された位置では、挿入孔Sの内周面に接触しないため、ピン本体2と挿入孔Sと接触面積が少なくなる。つまり、図10Aに示すように、バリ保持溝15の延在方向αが、軸方向Oに対して直交し、ピン本体2の周方向Wと一致している場合には、図10Bに示すように、挿入孔Sの入口βの位置でのピン本体2と挿入孔Sの内周面との接触面積が、バリ保持溝15の有無によって大きく変動してしまう。そのため、ピン本体2の挿入時の負荷がばらついて、一定の速度で挿入することが難しい。その結果、ピン本体2の急激な動きが発生して、挿入孔Sの内周面にダメージを与えることがあり、バリが発生しやすくなる。

0035

しかしながら、図11Aに示すように、バリ保持溝15の延在方向αが、ピン本体2を中心とした螺旋状に延びていることで、ピン本体2を挿入していくときのピン本体2と挿入孔Sの内周面との接触面積の変化を抑制することができる。これにより、ピン本体2の挿入時の接触面積のばらつきが小さくなり(図11B参照)、ピン本体2の挿入速度の変動を抑え、挿入孔Sが受ける衝撃を抑制してバリを発生しにくくすることができる。

0036

また、実施例1のスプリングピン1では、バリ保持溝15を有していない第1,第2封止部13,14に、ピン本体2の周方向Wに沿った凹みによって形成された凹凸部16が形成されている。
ここで、第1,第2封止部13,14の摩擦係数は、凹凸部16が形成されたことで、平坦面とした場合と比べて摩擦係数が低減する。そのため、第1,第2封止部13,14と、挿入孔Sの内周面とが接触するときの摩擦力を低下させ、ピン本体2を挿入する際の負荷を下げることができる。これにより、挿入孔Sの内周面が受ける衝撃を抑えることができ、ピン本体2の挿入時のバリの発生を抑制することができる。

0037

さらに、実施例1のスプリングピン1では、バリ保持溝15の開口端部15cが図4に示すようにR状に湾曲している。そのため、バリ保持溝15の開口端部15cが挿入孔Sの内周面に引っかかりにくくなり、バリの発生をさらに抑えることができる。

0038

次に、効果を説明する。
実施例1のスプリングピンにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。

0039

(1)ピン本体2に、軸方向Oに延びるスリット3が形成された断面C字状であって、前記スリット3の幅が拡縮することで径方向寸法が変更可能なスプリングピン1において、
前記ピン本体2の外周面2aに前記スリット3と連通しないバリ保持溝15を備える構成とした。
これにより、スプリングピン1を挿入孔Sに挿入する際に発生したバリBが、挿入孔Sの外部へ排出されることを防止できる。

0040

(2) 前記ピン本体2は、中央部に前記バリ保持溝15を有するバリ保持部12が設けられ、前記バリ保持部12の軸方向Oの両端部に前記バリ保持溝15を有さない封止部(第1封止部13,第2封止部14)が設けられると共に、前記バリ保持部12の軸方向寸法LAが、前記ピン本体2が挿入される挿入孔Sの軸方向寸法LSよりも短い構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、バリ保持溝15を挿入孔Sによって完全に覆うと共に、バリ保持溝15の軸方向端部を確実に閉鎖することができ、バリBの排出をより防止することができる。

0041

(3) 前記バリ保持溝15の延在方向αが、前記ピン本体2の軸方向Oに対して角度を有している構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、バリ保持溝15がピン本体2を周方向Wに横切ることになり、ピン本体2と挿入孔Sとの間に生じたバリBを確実にバリ保持溝15内に保持することができる。

0042

(4) 前記バリ保持溝15の延在方向αが、前記ピン本体2の軸方向O及び周方向Wに対して角度を有し、前記ピン本体2を中心とした螺旋状に延びている構成とした。
これにより、(3)の効果に加え、ピン本体2を挿入していくときの負荷のばらつきを抑制し、挿入孔Sが受ける衝撃を抑えて、バリを発生しにくくすることができる。

0043

以上、本発明のスプリングピンを実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。

0044

実施例1のスプリングピン1では、バリ保持溝15の延在方向αが、ピン本体2の軸方向O及び周方向Wのいずれに対しても角度を有する例を示したが、これに限らない。少なくともピン本体2の外周面2aにバリ保持溝15を形成し、このバリ保持溝15内にバリBが入り込めば、挿入孔Sの外部へのバリBの排出を防止する可能となる。そのため、図12A,12Bに示すスプリングピン1Aのように、ピン本体2の外周面2aに形成したバリ保持溝15の延在方向αが、ピン本体2の軸方向Oに対して平行になっていてもよい。

0045

さらに、図13A,13Bに示すスプリングピン1Bのように、ピン本体2の外周面2aに形成した複数のバリ保持溝15の延在方向αが、ピン本体2の軸方向Oに対して直交し、周方向Wに対して平行になっていてもよい。このとき、バリ保持溝15の間隔は一定にする。
なお、この図13Aに示すスプリングピン1Bでは、バリ保持溝15の延在方向αがピン本体2の軸方向Oに対しては角度(90°)を有している。そのため、バリ保持溝15がピン本体2を周方向Wに横切ることになり、ピン本体2と挿入孔Sとの間に生じたバリBを確実にバリ保持溝15内に保持することができる。

0046

また、実施例1では、スプリングピン1の長手方向の両端部の構成が対称となるように、第1,第2封止部13,14のいずれにも凹凸部16を形成する例を示したが、これに限らない。第1,第2封止部13,14のうち、挿入孔Sへの挿入時に、先に挿入する端部に設けられた一方にのみ凹凸部16を形成してもよい。

0047

また、凹凸部16は、実施例1において、バリ保持溝15と比べて幅や深さがごく小さく、ピン本体2の周方向Wに沿った凹みを、ピン本体2の軸方向Oに一定間隔で多数並べることで形成されている例を示したが、これに限らない。摩擦係数が減少する加工であれば、例えば多数の細かい円筒状の凹みを形成したり、梨地面加工をしたりしたものであってもよい。

0048

また、実施例1では、バリ保持溝15の開口端部15cがR状に湾曲している例を示したが、これに限らない。バリ保持溝15の開口端部15cが挿入孔Sの内周面に引っかかりにくくなればよいので、面取りをしたものであってもよい。

0049

1スプリングピン
2ピン本体
2a外周面
3スリット
11 先端テーパ部
12バリ保持部
13 第1封止部
14 第2封止部
15 バリ保持溝
16凹凸部

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