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技術 編み手袋および該編み手袋に含まれる編地の製造方法

出願人 ショーワグローブ株式会社
発明者 鈴木亘
出願日 2016年6月21日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-122612
公開日 2017年12月28日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-226930
状態 特許登録済
技術分野 編地 糸;糸またはロープの機械的な仕上げ 手袋
主要キーワード 卓上形 垂下方向 ゴム被膜 ステンレスワイヤ 編成パターン 弾性複合糸 ステンレス鋼繊維 メタアラミド繊維
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

比較的、耐切創性に優れ、柔軟性に優れ、かつ着用中の着け心地に優れた編み手袋を提供する。

解決手段

編地を備える編み手袋であって、該編地は、複数の第1ループと該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、前記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループを有し、該複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、前記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、前記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有していて、一の前記第1コースの隣り合う第1ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、前記第1渡り部が該ループを跨ぐように編成されている。

概要

背景

従来、複数の第1ループと該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、上記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループと該第2ループ同士を繋ぐ第2渡り部とを有し、上記複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、一の上記第1コースの隣り合う第1ループの間に、他の段の第2コースの第2ループが配置され、一の上記第2コースの隣り合う第2ループの間に、他の段の第1コースの第1ループが配置され、上記第1渡り部が前記第2ループを跨ぎ、上記第2渡り部が前記第1ループを跨ぐように編成されている編地を含む編み手袋が知られている(特許文献1)。

上記の編地は、第1コースの第1渡り部が第2コースの第2ループを跨ぎ、第2コースの第2渡り部が第1コースの第1ループを跨ぐように編成されるため、単なる平編みの編地に比べて厚手である。そのため、上記編地を含む編み手袋は、単なる平編みの編地を含む編み手袋に比べて、耐切創性が高いものとなる。

また、上記のような編地を含む編み手袋において、編地の耐切創性をさらに高めるために、第1ループを編成する第1編糸と、第2ループを編成する第2編糸とに、耐切創性に優れた金属複合糸を用いることも知られている(特許文献2)。

概要

比較的、耐切創性に優れ、柔軟性に優れ、かつ着用中の着け心地に優れた編み手袋を提供する。編地を備える編み手袋であって、該編地は、複数の第1ループと該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、前記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループを有し、該複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、前記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、前記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有していて、一の前記第1コースの隣り合う第1ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、前記第1渡り部が該ループを跨ぐように編成されている。

目的

本発明は、比較的、耐切創性に優れ、柔軟性に優れ、かつ着用中の着け心地に優れた編み手袋、および該編み手袋に含まれる編地の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

編地を備える編み手袋であって、該編地は、複数の第1ループと該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、前記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループを有し、該複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、前記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、前記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有していて、一の前記第1コースの隣り合う第1ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、前記第1渡り部が該ループを跨ぐように編成されている、編み手袋。

請求項2

前記第2コースは、さらに前記第2ループ同士を繋ぐ第2渡り部を有し、一の前記第2コースの隣り合う第2ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、前記第2渡り部が該ループを跨ぐように編成されている、請求項1に記載の編み手袋。

請求項3

前記第1編糸は、弾性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維巻き付けてなる被覆層と、を有する複合糸を含む、請求項1または2に記載の編み手袋。

請求項4

前記第2編糸は、耐切創性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維を巻き付けてなる被覆層と、を有する複合糸を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の編み手袋。

請求項5

第1編糸を用いて、第1渡り部で繋がれるように複数の第1ループをコース方向に配列して第1コースを編成する複数の第1コース編成工程と、第2編糸を用いて、複数の第2ループをコース方向に配列して第2コースを編成する複数の第2コース編成工程と、を有し、複数の第1コース編成工程の内の少なくとも一つは、第1渡り部が他の段のコースのループを跨ぐように、第1コースを編成する工程であり、前記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、前記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有している、編み手袋に含まれる編地の製造方法。

請求項6

編地のコースが延びる方向に編針が並設された針床と、第1編糸を編針に供給する第1給糸部と、第2編糸を編針に供給する第2給糸部と、を備えた横編機を用いて、編み手袋に含まれる編地を製造する方法であって、前記第1コース編成工程の少なくとも一つは、該第1コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針を使用せずに、前記第1給糸部から、前記針床の編針に第1編糸を供給することにより、前記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、前記第1コース編成工程に使用されない前記編針で形成されたループを跨ぐように、第1渡り部を形成する、請求項5に記載の編み手袋に含まれる編地の製造方法。

請求項7

前記第2コース編成工程の少なくとも一つは、該第2コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針を使用せずに、前記第2給糸部から、前記針床の編針に第2編糸を供給することにより、前記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、前記第2コース編成工程に使用されない前記編針で形成されたループを跨ぐように、第2渡り部を形成する、請求項6に記載の編み手袋に含まれる編地の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、編み手袋および該編み手袋に含まれる編地の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、複数の第1ループと該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、上記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループと該第2ループ同士を繋ぐ第2渡り部とを有し、上記複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、一の上記第1コースの隣り合う第1ループの間に、他の段の第2コースの第2ループが配置され、一の上記第2コースの隣り合う第2ループの間に、他の段の第1コースの第1ループが配置され、上記第1渡り部が前記第2ループを跨ぎ、上記第2渡り部が前記第1ループを跨ぐように編成されている編地を含む編み手袋が知られている(特許文献1)。

0003

上記の編地は、第1コースの第1渡り部が第2コースの第2ループを跨ぎ、第2コースの第2渡り部が第1コースの第1ループを跨ぐように編成されるため、単なる平編みの編地に比べて厚手である。そのため、上記編地を含む編み手袋は、単なる平編みの編地を含む編み手袋に比べて、耐切創性が高いものとなる。

0004

また、上記のような編地を含む編み手袋において、編地の耐切創性をさらに高めるために、第1ループを編成する第1編糸と、第2ループを編成する第2編糸とに、耐切創性に優れた金属複合糸を用いることも知られている(特許文献2)。

先行技術

0005

特表2002−534615号公報
欧州特許出願公開第2155942号明細書

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、耐切創性が高められた編み手袋においては、柔軟性に劣り、着用中の着け心地に劣る(締付けが緩過ぎず、かつ強過ぎない程よい締付けを得ることができない)という問題があった。柔軟性に劣り、かつ着用中の着け心地に劣ると、着用者が長時間作業したときに着用者の手が疲れ易くなる。その結果、作業効率が低下する。

0007

このような問題点に鑑み、本発明は、比較的、耐切創性に優れ、柔軟性に優れ、かつ着用中の着け心地に優れた編み手袋、および該編み手袋に含まれる編地の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明にかかる編み手袋は、編地を備える編み手袋であって、該編地は、複数の第1ループと該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、上記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループを有し、該複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、上記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、上記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有していて、一の上記第1コースの隣り合う第1ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、上記第1渡り部が該ループを跨ぐように編成されている。

0009

かかる編み手袋によれば、第1コースを構成する第1編糸が伸縮性を有するようになるため、着用者の手の動き追従して、編地を伸長収縮させることができる。これにより、本発明にかかる編み手袋は、比較的、柔軟性に優れ、かつ着用中の着け心地に優れたものとなる。
また、第1編糸の収縮により手袋の厚みが増し、それにより第2コースを構成する耐切創性繊維を含む第2編糸からなる編地の厚みも増すことで耐切創性が向上するため、本発明にかかる編み手袋は、比較的、耐切創性に優れたものとなる。

0010

また、上記編み手袋においては、上記第2コースは、さらに上記第2ループ同士を繋ぐ第2渡り部を有し、一の上記第2コースの隣り合う第2ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、上記第2渡り部が該ループを跨ぐように編成されていてもよい。

0011

かかる構成によれば、第2渡り部も他の段のループを跨ぐようになるため、編地をより厚くすることができる。また、第2渡り部が介在することによって、第2ループ間の間隔が広くなるため、糸にゆとりが生じ、編地の柔軟性が高まる。これにより、上記編み手袋は、より耐切創性と柔軟性とに優れたものとなる。

0012

また、上記編み手袋においては、上記第1編糸は、弾性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維巻付けられた被覆層と、を有する複合糸を含んでもよい。

0013

かかる構成によれば、引張強さが小さく耐切創性に劣る弾性繊維を含む芯材の外周を被覆層で保護することができるため、第1編糸を切れにくくすることができる。つまり、第1編糸の耐切創性を高めることができる。これにより、上記編み手袋は、より耐切創性に優れたものとなる。

0014

また、上記編み手袋においては、上記第2編糸は、耐切創性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維を巻き付けてなる被覆層と、を有する複合糸を含んでもよい。

0015

かかる構成によれば、耐切創性繊維の芯材の外周を被覆層で保護することができるため、第2編糸を切れにくくすることができる。つまり、第2編糸の耐切創性を高めることができる。これにより、上記編み手袋は、より耐切創性に優れたものとなる。

0016

本発明にかかる編み手袋に含まれる編地の製造方法は、第1編糸を用いて、第1渡り部で繋がれるように複数の第1ループをコース方向に配列して第1コースを編成する複数の第1コース編成工程と、第2編糸を用いて、複数の第2ループをコース方向に配列して第2コースを編成する複数の第2コース編成工程と、を有し、複数の第1コース編成工程の内の少なくとも一つは、第1渡り部が他の段のコースのループを跨ぐように、第1コースを編成する工程であり、上記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、上記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有している。

0017

かかる製造方法で製造された編地を含む編み手袋は、比較的、柔軟性に優れ、着用中の着け心地に優れ、かつ耐切創性に優れるものとなる。

0018

また、上記編み手袋に含まれる編地の製造方法においては、編地のコースが延びる方向に編針が並設された針床と、第1編糸を編針に供給する第1給糸部と、第2編糸を編針に供給する第2給糸部と、を備えた横編機を用いて、編み手袋に含まれる編地を製造する方法であって、上記第1コース編成工程の少なくとも一つは、該第1コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針を使用せずに、上記第1給糸部から、上記針床の編針に第1編糸を供給することにより、上記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、上記第1コース編成工程で使用されない上記編針で形成されたループを跨ぐように、第1渡り部を形成してもよい。

0019

かかる製造方法で製造された編地を含む編み手袋は、比較的、柔軟性に優れ、着用中の着け心地に優れ、かつ耐切創性に優れるものとなる。また、既存の横編機を用いて、製造することができる。

0020

また、上記編み手袋に含まれる編地の製造方法においては、上記第2コース編成工程の少なくとも一つは、該第2コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針を使用せずに、上記第2給糸部から、上記針床の編針に第2編糸を供給することにより、上記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、上記第2コース編成工程で使用されない上記編針で形成されたループを跨ぐように、第2渡り部を形成してもよい。

0021

かかる製造方法で製造された編地を含む編み手袋においては、一の段の第2渡り部も他の段のコースのループを跨ぐようになるため、編地の厚さがより厚くなる。また、第2渡り部が介在することによって、第2ループ間の間隔が広くなるため、糸にゆとりが生じ、編地の柔軟性が高まる。これにより、上記編み手袋は、より耐切創性と柔軟性とに優れたものとなる。

発明の効果

0022

以上のように、本発明によれば、比較的、耐切創性に優れ、柔軟性に優れ、かつ着用中の着け心地に優れた編み手袋、および該編み手袋に含まれる編地の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の第一実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地を示す図。
本発明の第二実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地を示す図。
本発明の第三実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地を示す図。
本発明の第四実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地を示す図。
本発明の実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地の製造に用いる横編み機の一例の概略図。
本発明の第一実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地の製造方法を説明するための図。(a)は、針床における編針の配置を示す図。(b)は、編地の製造に用いる編成図。
本発明の第二実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地の製造方法を説明するための図。(a)は、針床における編針の配置を示す図。(b)は、編地の製造に用いる編成図。
本発明の第三実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地の製造方法を説明するための図。(a)は、針床における編針の配置を示す図。(b)は、編地の製造に用いる編成図。
本発明の第四実施形態にかかる編み手袋に含まれる編地の製造方法を説明するための図。(a)は、針床における編針の配置を示す図。(b)は、編地の製造に用いる編成図。

0024

本発明にかかる編み手袋は、編地を備える編み手袋であって、該編地は、複数の第1ループと、該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、上記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、上記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、上記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有していて、一の上記第1コースの隣り合う第1ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、上記第1渡り部が該ループを跨ぐように編成されている。

0025

本明細書において、伸長率とは、垂下させた糸に所定の荷重をかけたときに測定される糸の伸びの程度を意味する。
詳しくは、(1)長さ50cmの糸の一端部をクランプで挟持し、該糸を垂下させた状態で、30gの荷重をかけ、(2)10秒後に、上記糸の一端部から垂下方向に40cmの位置(L2)に目印を付けた後、上記糸から30gの荷重を取り除き、2分間保持し、(3)上記糸を垂下させた状態で、0.25gの荷重をかけ、10秒後に、上記糸の一端部から前記目印までの長さ(L1)を測定し、(4)L1およびL2の値を用いて、式(L2−L1)/L1×100により、小数点以下1桁に四捨五入して伸長率を算出し、(5)(1)〜(4)を20回実行し、求めた各伸長率の値を算術平均した値を意味する。
ここで、糸が2本以上の糸を組み合わせたものである場合は、伸長率は、2本の糸を組み合わせた状態で測定される糸の伸びの程度を意味する。
詳しくは、(1’)長さ50cmの各糸の一端部をクランプで挟持し、各糸を垂下させた状態で各糸に30gの荷重をかけ、(2’)10秒後に、各糸の一端部から垂下方向に40cmの位置(L2)に目印を付け、該目印の位置で各糸を束ねた後、各糸から30gの荷重を取り除き、2分間保持し、(3’)次に束ねた状態の各糸を垂下させた状態で、0.25gの荷重をかけ、10秒後に、各糸の一端部から前記目印までの長さ(L1)を測定した後、上記の(4)および(5)を行うことにより算出された値を意味する。
また、耐切創性繊維とは、JIS L 1013化学フィラメント糸試験方法の8.5.1法に従って測定された引張強さが、1000N/mm2以上の繊維を意味する。

0026

また、上記編み手袋においては、上記第2コースは、さらに上記第2ループ同士を繋ぐ第2渡り部を有し、一の上記第2コースの隣り合う第2ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、上記第2渡り部が該ループを跨ぐように編成されていてもよい。

0027

上記第1コースを編成する第1編糸としては、伸長率が12.5%以上となるように調整された各種の糸を用いることができる。例えば、弾性繊維を含み、かつ上記伸長率以上となるように調整された糸を用いることができる。弾性繊維としては、ポリウレタン弾性繊維を用いることができる。また、第1編糸としては、弾性の高いウーリーナイロン糸などの捲縮加工糸を用いることもできる。
本明細書において、弾性繊維とは、上記方法に従って測定された伸長率が50%以上の繊維を意味する。

0028

第1編糸は、弾性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維が巻付けられてなる被覆層と、を有する複合糸であってもよい。芯材としては、ポリウレタン弾性繊維を用いることができる。被覆繊維としては、ポリエチレン繊維ナイロン繊維ポリエステル繊維アラミド繊維超高分子量ポリエチレン繊維アクリル繊維、綿、およびウールなど既存の繊維を用いることができる。
被覆層の少なくとも最外層を形成する繊維として、有機繊維長繊維を用いることにより、第1編糸を嵩高くすることができるため、手袋内面触感が向上されるようになる。これにより、上記編み手袋は、着用中の着け心地に優れたものとなる。

0029

上記複合糸は、芯材の外周に1本の被覆繊維が一方向に巻付けられてなるシングルカバードヤーンであってもよいし、芯材の外周に2本の被覆繊維が互いに逆方向に巻き付けられてなるダブルカバードヤーンであってもよい。シングルカバードヤーンは、被覆繊維の巻付け方向が一方向のため、撚れ(ねじれ)が生じ易く縮れ易い。これに対して、ダブルカバードヤーンは、被覆繊維の巻付け方向が互いに逆方向のため、撚れが生じにくく縮れが生じにくい。そのため、上記複合糸としては、ダブルカバードヤーンを用いることが好ましい。
また、芯材を引っ張りながら、芯材の外周に該被覆繊維を巻き付けることにより、複合糸に弾性を持たせてもよい。ドラフトは1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。これにより、第1編糸はより高い伸縮性を有するようになるため、第1渡り部が収縮することにより編み手袋の厚さが増し、該編み手袋は耐切創性が向上されたものとなる。また、第1編糸がより高い伸縮性を有することにより、上記編み手袋は柔軟性が向上されたものとなる。

0030

第1編糸は、弾性繊維を含む糸と該糸よりも伸長率が劣る糸とを組み合わせた糸であって、全体として、伸長率が12.5%以上なるように調整された糸であってもよい。編み手袋の柔軟性、着け心地、耐切創性を高める点から、第1編糸の伸長率は、15%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。弾性繊維を含む糸よりも伸長率が劣る糸としては、例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または耐切創性繊維を含む糸を用いることができる。ナイロン繊維およびポリエステル繊維は、捲縮加工されたものであってもよい。耐切創性繊維としては、銅繊維鉄繊維アルミニウム繊維、およびステンレス鋼繊維などの金属繊維ガラス繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などを用いることができる。

0031

このように組み合わされた糸を第1編糸として用いる場合、プレーティングされた状態または引き揃えられた状態で第1ループが形成されてもよい。弾性繊維を含む糸を手袋の内側に露出させ、該弾性繊維を含む糸よりも伸縮性が劣る糸を手袋の外側に露出させることができるため、プレーティングされた状態で第1ループを形成することが好ましい。

0032

前記第2コースを編成する第2編糸としては、耐切創性繊維を含む糸を用いることができる。耐切創性繊維としては、ステンレス繊維(引張強さ約2600N/mm2)などの金属繊維、引張強さが1800〜4000N/mm2のガラス繊維、アラミド繊維(例えば、デュポン社製のケブラー登録商標)(引張強さ約2900N/mm2))、超高分子量ポリエチレン繊維(例えば、東洋紡製のツヌーガ(登録商標)(引張強さ約2000N/mm2)、東洋紡製のダイニーマ(登録商標)(引張強さ約4200N/mm2))、およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(例えば、東洋紡製のザイロン(登録商標)(引張強さ約5800N/mm2))などを用いることができる。第2編糸は、引張強さ1600N/mm2以上の耐切創性繊維を含むことがより好ましい。上記の各種耐切創性繊維は、単繊維トウスライバー、または複合糸の形態で使用することができる。また、要求される耐切創性能に応じて、糸の種類と量とを調整することができる。

0033

第2編糸は、耐切創性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維が巻き付けられてなる被覆層と、を有する複合糸であってもよい。特に、金属繊維やガラス繊維を用いる場合、これらの繊維が複合糸から露出することを抑制するために、この形態を取ることが好ましい。芯材としては、金属繊維のフィラメントを用いることができる。被覆繊維としては、第1編糸で説明したのと同様の繊維を用いることができる。
被覆層の少なくとも最外層を形成する繊維として、有機繊維の長繊維を用いることにより、耐切創性繊維が手に直に触れたときに、着用者が感じる手袋内面の触感の悪化を抑制することができる。これにより、上記編み手袋は、着用中の着け心地に優れたものとなる。
上記芯材に添糸を組み合わせてもよい。添糸を用いることにより、芯材の外周に被覆繊維を巻き付けるときに、芯材が切断されることを抑制することができる。添糸としては、例えば、超高分子量ポリエチレン繊維、液晶ポリエステル繊維、および高強力ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、およびポリアリレート繊維のフィラメントを用いることができる。これらの中でも、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、およびアラミド繊維を用いることが好ましい。これらの繊維としては、長繊維のものを用いることが好ましい。

0034

上記複合糸は、シングルカバードヤーンであってもよいし、ダブルカバードヤーンであってもよい。撚れ(ねじれ)が生じにくく縮れが生じにくい点から、上記複合糸としては、ダブルカバードヤーンを用いることが好ましい。

0035

第2編糸の耐切創性を維持できるのであれば、耐切創性繊維を含む糸にどのような糸を組み合わせてもよい。例えば、触感を向上させるために、耐切創性繊維よりも触感が柔らかい繊維を含む糸を組み合わせてもよい。耐切創性繊維よりも触感が柔らかい繊維を含む糸としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、綿または弾性繊維を含む糸を用いることができる。ナイロン繊維およびポリエステル繊維は、捲縮加工されたものであってもよい。 上記の場合、第2編糸の耐切創性は耐切創性繊維の種類と使用量に依存する傾向がある。耐切創性繊維の種類と使用量は、目的に応じて適宜決定される。

0036

このように組み合わされた糸を第2編糸として用いる場合、プレーティングされた状態または引き揃えられた状態で、第2ループが形成されてもよい。耐切創性繊維を含む糸を手袋の外側に露出させ、該糸よりも引張強さに劣る糸を手袋の内側に露出させることができるため、プレーティングされた状態で第2ループを形成することが好ましい。

0037

上記編地は、編み手袋の少なくとも一部に含まれている。詳しくは、小指指袋薬指指袋、中指指袋、人差指指袋、親指指袋、三本胴部、四本胴部、五本胴部、および手首部の少なくとも一部に含まれている。本発明の効果を編み手袋の全体に奏させる点から、上記編地は、上記各指袋、上記各胴部、および手首部の全部に含まれていることが好ましく、上記各指袋、上記各胴部、および手首部の全部が上記編地で形成されていることがより好ましい。

0038

本発明の編み手袋に含まれる編地の具体例について、以下、図1図4を参照しながら説明する。なお、図1図4においては、編地100の一部の構成のみを示している。なお、図1図4において、Xはコース方向、Yはウェール方向を意味している。

0039

(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態にかかる編地100においては、実線で示された複数段の第1コース31の各第1ループ11同士がウェール方向(Y)に連設され、破線で示された複数段の第2コース32の各第2ループ12同士がウェール方向(Y)に連設されている。

0040

該編地においては、各段の第1コース31の隣り合う第1ループ11同士が第1渡り部21でそれぞれ繋がれ、各段の第2コース32の隣り合う第2ループ12同士が第2渡り部22でそれぞれ繋がれている。
また、N(Nは1以上の整数。以下同じ。)段目の第1コース31の隣り合う第1ループ11の間の全てに、N+1段目の第2コース32の第2ループ12がそれぞれ1個ずつ配され、N+1段目の第2コース32の隣り合う第2ループ12の間の全てに、N+2段目の第1コース31の第1ループ11がそれぞれ1個ずつ配され、N+2段目の第1コースの隣り合う第1ループ11の間の全てに、N+3段目の第2コース32の第2ループ12がそれぞれ1個ずつ配されている。
そして、N+1段目の第2コース32の第2渡り部22が、N段目の第1コース31の1個の第1ループ11を跨ぎ、N+2段目の第1コース31の第1渡り部21が、N+1段目の第2コース32の1個の第2ループ12を跨ぎ、N+3段目の第2コース32の第2渡り部22が、N+2段目の第1コース31の第1ループ11を跨いでいる。

0041

本実施形態の編地100においては、第1渡り部21がコース方向に伸長収縮するため、厚みを増すことができ、すなわち、耐切創性を増すことができ、かつコース方向の柔軟性を増すことができる。また、第1ループ11がコース方向およびウェール方向に伸長収縮するため、コース方向およびウェール方向の柔軟性を増すことができる。また、第1渡り部21がコース方向に伸長収縮し、第1ループ11がコース方向およびウェール方向に伸長収縮することにより、着用時の着け心地が向上される。さらに、第2ループ12および第2渡り部22が耐切創性繊維を含む糸から形成されるため、耐切創性を増すことができる。
これにより、本実施形態の編地100は、比較的、耐切創性、柔軟性、および着用中の着け心地に優れたものとなる。

0042

(第二実施形態)
図2に示すように、本発明の第二実施形態にかかる編地100は、N段目の第1コース31の隣り合う第1ループ11の間の全てに、N+1段目の第2コース32の第2ループ12がそれぞれ2個ずつ配され、N+2段目の第1コース31の第1ループ11の間の全てに、N+3段目の第2コース32の第2ループ12がそれぞれ2個ずつ配されている点で、第一実施形態にかかる編地100と異なる。

0043

また、N+2段目の第1コース31の第1渡り部21が、N+1段目の第2コース32の2個の第2ループ12を跨ぐ点でも、第一実施形態にかかる編地100と異なる。
本実施形態においては、第1渡り部21が2個の第2ループ12を跨ぐようにされているため、本実施形態の第1渡り部21の長さは、第一実施形態の第1渡り部21の長さよりも長くなっている。

0044

本実施形態の編地100においては、第一実施形態の第1渡り部21の長さよりも、第1渡り部21の長さが長くなっているため、第一実施形態の編地100と比べて、第1渡り部21が収縮できる距離が長くなる。そのため、編地100の厚さが増すようになる。これにより、本実施形態の編地100は、第一実施形態の編地100と比べて、耐切創性がより向上されたものとなる。
また、第1渡り部21が収縮できる距離が長くなるため、第一実施形態の編地100と比べて、周方向の柔軟性が向上されたものとなる。

0045

(第三実施形態)
図3に示すように、本発明の第三実施形態にかかる編地100は、N段目の第1コース31の隣り合う第1ループ11の間の全てに、N+1段目およびN+2段目の第2ループ12がそれぞれ1個ずつ配され、N+1段目の第2コース32の第2ループ12の間に、N+2段目の第2ループ12およびN+3段目の第1コース31の第1ループ11が配され、N+2段目の第2コース32の第2ループ12の間に、N+3段目の第1コース31の第1ループ11およびN+4段目の第2コース32の第2ループ12が配され、N+3段目の第1コース31の第1ループ11の間に、N+4段目およびN+5段目の第2コース32の第2ループ12が配されている点で、第二実施形態にかかる編地100と異なる。

0046

また、N+2段目の第2コース32の第2渡り部22が、N段目の第1コース31の第1ループ11およびN+1段目の第2コース32の第2ループ12をそれぞれ1個ずつ跨ぎ、N+3段目の第1コース31の第1渡り部21が、N+1段目の第2コース32の第2ループ12およびN+2段目の第2コース32の第2ループ12をそれぞれ1個ずつ跨ぎ、N+4段目の第2コース32の第2渡り部22が、N+2段目の第2コース32の第2ループ12およびN+3段目の第1コース31の第1ループ11を跨ぎ、N+5段目の第2コース32の第2渡り部22が、N+3段目の第1コース31の第1ループ11およびN+4段目の第2コース32の第2ループ12をそれぞれ1個ずつ跨ぐ点でも、第二実施形態にかかる編地100と異なる。

0047

本実施形態の編地100においては、第一実施形態の第1渡り部21の長さよりも、第1渡り部21の長さが長くなっているため、第一実施形態の編地100と比べて、第1渡り部21が収縮できる距離が長くなる。そのため、編地100の厚さが増すようになる。これにより、本実施形態の編地100は、第一実施形態の編地100と比べて、耐切創性がより向上されたものとなる。
また、第1渡り部21が収縮できる距離が長くなるため、第一実施形態の編地100と比べて、掌の周方向の柔軟性が向上されたものとなる。
さらに、第二実施形態の編地100と比べて、第2渡り部22がループを跨ぐ頻度が高くなるため、耐切創性がより向上されたものとなる。

0048

(第四実施形態)
図4に示すように、本発明の第四実施形態にかかる編地100は、ウェール方向(Y)において、第1コース31の第1ループ11と第2コース32の第2ループ12とが交互に連設されている点で、本発明の第一実施形態にかかる編地100と異なる。

0049

詳しくは、ウェール方向(Y)において、N段目の第1コース31の第1ループ11、N+2段目の第2コース32の第2ループ12、…の順にループ同士が連設され、N+1段目の第2コース32の第2ループ12、N+3段目の第1コース31の第1ループ11、…の順にループ同士が連設されている点で、第一実施形態にかかる編地100と異なる。

0050

また、N+1段目の第2コース32の第2渡り部22が、N段目の第1コース31の第1ループ11を跨ぎ、N+2段目の第2コース32の第2渡り部22が、N+1段目の第2コース32の第2ループ12を跨ぎ、N+3段目の第1コース31の第1渡り部21が、N+2段目の第2コース32の第2ループ12を跨ぐ点でも、第一実施形態にかかる編地100と異なる。

0051

第一実施形態の編地100では、ウェール方向に連設されてなるループの段において、第1渡り部21が存在する段と、第1渡り部21が存在しない段とが交互に配置されていた。これに対し、本実施形態の編地100では、第1ループ11と第2ループ12とがウェール方向に交互に連設されているため、ウェール方向に連設されてなるループの段の全てにおいて、第1渡り部21が存在する。これにより、全ての段において第1渡り部21が収縮するようになるため、第一実施形態の編地100よりも、編地100の厚さが増すようになる。これにより、本実施形態の編地100は、第一実施形態の編地100と比べて、耐切創性がより向上されたものとなる。

0052

次に、本発明の編み手袋に含まれる編地100の製造方法について説明する。

0053

本発明の編み手袋に含まれる編地100の製造方法は、第1編糸を用いて、第1渡り部で繋がれるように複数の第1ループをコース方向に配列して第1コースを編成する複数の第1コース編成工程と、第2編糸を用いて、複数の第2ループをコース方向に配列して第2コースを編成する複数の第2コース編成工程と、を有し、複数の第1コース編成工程の内の少なくとも一つは、第1渡り部が他の段のコースのループを跨ぐように、第1コースを編成する工程であり、上記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、前記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有している。

0054

また、上記編地の製造方法は、編地のコースが延びる方向に編針が並設された針床と、第1編糸を編針に供給する第1給糸部と、第2編糸を編針に供給する第2給糸部と、を備えた横編機を用いて、編み手袋に含まれる編地を製造する方法であって、上記第1コース編成工程の少なくとも一つは、該第1コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針を使用せずに、上記第1給糸部から、上記針床の編針に第1編糸を供給することにより、上記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、上記第1コース編成工程に使用されない上記編針で形成されたループを跨ぐように、第1渡り部を形成してもよい。
なお、上記態様において、第1コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針は、上記第1コース編成工程において全て不使用とする必要はない。少なくとも部分的に使用していなければよい。8割以上使用していないことが好ましく、9割以上使用していないことがより好ましく、全て不使用とすることがさらに好ましい。

0055

また、上記編地の製造方法は、上記第2コース編成工程の少なくとも一つは、該第2コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針を使用せずに、上記第2給糸部から、上記針床の編針に第2編糸を供給することにより、上記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、前記第2コース編成工程に使用されない上記編針で形成されたループを跨ぐように、第2渡り部を形成してもよい。
なお、上記態様において、第2コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針は、全て不使用とする必要はない。少なくとも部分的に使用していなければよい。8割以上使用していないことが好ましく、9割以上使用していないことがより好ましく、全て不使用とすることがさらに好ましい。

0056

上記編地の製造方法において、第1編糸に、50mNのテンション掛けられた状態で、第1コース編成工程が実行されてもよい。

0057

以下では、図5に示した一例にかかる横編機200を用いて、上記の第一〜第四実施形態にかかる編地100を製造する方法について説明する。

0058

図5に示す横編機200は、編針1、2が並設された一対の針床F、Bと、編針1または2に第1編糸10Aを供給する第1給糸部40Aと、編針1または2に第2編糸10Bを供給する第2給糸部40Bと、を備える。
より詳細には、横編機200においては、例えば、図6(a)に示すように、針床F、Bの両方において、編針1(針床Fにおいては1f、針床Bにおいては1b)と編針2(針床Fにおいては2f、針床Bにおいては2b)が交互に並設されている。

0059

編針1、2は、昇降自在に移動するように、針床F、B上に配されている。編針1を用いて第1ループを形成する場合には、編針1が、所定位置まで上昇したときに、第1給糸部40Aから編針1に第1編糸10Aが供給され、第1編糸10Aが供給された編針1が下降することにより、第1ループが形成される。また、編針2を用いて第2ループを形成する場合には、第2給糸部40Bから編針2に第2編糸10Bを供給する以外は、編針1の場合と同様にして、第2ループが形成される。
上述のように形成された第1ループおよび第2ループをコース方向およびウェール方向に連設させることにより、編地100が製造される。

0060

(第一実施形態)
第一実施形態にかかる編地100の製造方法について、図6を参照しながら説明する。図6において、Fは前針床を示し、Bは後針床を示している。以下の図7〜9においても同様である。

0061

図6(a)において、1f(図中の太線)は、前針床Fに備えられ、かつ第1編糸10Aが供給される編針を示し、2f(図中の細線)は、前針床Fに備えられ、かつ第2編糸10Bが供給される編針を示している。
また、1b(図中の太線)は、後針床Bに備えられ、かつ第1編糸10Aが供給される編針を示し、2b(図中の細線)は、後針床Bに備えられ、かつ第2編糸10Bが供給される編針を示している。
図6(a)に示すように、本実施形態では、編針1fおよび編針1bは、一針飛ばしに配され、編針1fの間に一本の編針2fが配され、編針1bの間に一本の編針2bが配されている。
なお、図6(a)では、説明の便宜上、実際の各針床F、Bに備えられる編針の数よりも少ない数の編針を示している。

0062

図6(b)において、編成順序は、コース方向にループを形成する順序を示し、編み方向は、コース方向において、第1編糸10Aまたは第2編糸10Bを供給する方向、すなわち、第1給糸部40Aまたは第2給糸部40Bを移動させる方向を示し、針床は、各編成順序において使用する針床を示し、編成パターンは、各編成順序においてどのループを形成するかを示し、給糸部は、各編成順序において使用する給糸部を示し、段数は、ウェール方向に連設されるループの段を示している。
また、図6(b)中の編成パターンにおいて、1’および51’は、編成順序において第1ループを形成することを意味し、2’および52’は、編成順序において第2ループを形成することを意味している。以下の図7(b)、図8(b)および図9(b)においても同様である。
本実施形態では、1’での第1ループの形成に編針1fを使用し、51’での第1ループの形成に編針2fを使用し、2’での第2ループの形成に編針1bを使用し、52’での第2ループの形成に編針2bを使用する。

0063

本実施形態においては、以下のようにして、編地100を製造する。
(1)第1編糸10Aを保持した第1給糸部40Aから、編針1、2が並設された一方向(図6(a)の左方向)に向かって、編針1fのみに第1編糸10Aを供給して、すなわち、並設された編針1、2に一針飛ばしで第1編糸10Aを供給して、編針1fの位置で第1ループを形成し、編針1fの間に第1渡り部を形成、すなわち、編針一本分に相当する領域を占める第1渡り部を形成する。次に、第1給糸部40Aから、編針1、2が並設された他方向(図6(a)の右方向)に向かって、編針1bのみに第1編糸10Aを供給して、すなわち、一針飛ばしで編針1bに第1編糸10Aを供給して、編針1bの位置で第1ループを形成し、編針1bの間に第1渡り部を形成、すなわち、編針一本分に相当する領域を占める第1渡り部を形成する。これにより、第1ループと、第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有するN段目の第1コースを編成する(N段目の第1コース編成工程)。
(2)次に、第2編糸10Bを保持した第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された一方向に向かって、N段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、N段目の第1コース編成工程で飛ばされた編針2fのみに第2編糸10Bを供給して、編針2fの位置で第2ループを形成し、編針2fの間に第2渡り部を形成する。次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された他方向に向かって、N段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、N段目の第1コース編成工程で飛ばされた編針2bのみに第2編糸10Bを供給して、編針2bの位置で第2ループを形成し、編針2bの間に第2渡り部を形成する。これにより、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN段目の第1ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+1段目の第2コースを編成する(N+1段目の第2コース編成工程)。
(3)次に、第1給糸部40Aから、編針1、2が並設された一方向に向かって、N+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、編針1fに第1編糸10Aを供給して、編針1fの位置でN段目の第1ループに連設された第1ループを形成し、編針1fの間に第1渡り部を形成する。次に、第1給糸部40Aから、編針1、2が並設された他方向に向かって、N+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、編針1bに第1編糸10Aを供給して、編針1bの位置でN段目の第1ループに連設された第1ループを形成し、編針1bの間に第1渡り部を形成する。これにより、第1ループと、第1ループ同士を繋ぎ、かつN+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐ第1渡り部と、を有するN+2段目の第1コースを編成する(N+2段目の第1コース編成工程)。
(4)次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された一方向に向かって、N+2段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、編針2fに第2編糸10Bを供給して、編針2fの位置でN+1段目の第2ループに連設された第2ループを形成し、編針2fの間に第2渡り部を形成する。次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された他方向に向かって、N+2段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、編針2bに第2編糸10Bを供給して、編針2bの位置でN+1段目の第2ループに連設された第2ループを形成し、編針2bの間に第2渡り部を形成する。これにより、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN+2段目の第1コースの第1ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+3段目の第2コースを編成する(N+3段目の第2コース編成工程)。
(5)上記(3)および(4)を交互に繰り返して、ウェール方向にループを連設させる。
以上により、第一実施形態にかかる編地100を製造する。

0064

(第二実施形態)
次に、第二実施形態にかかる編地100の製造方法について、図7を参照しながら説明する。
図7(a)に示すように、本実施形態では、編針1fおよび編針1bは、二針飛ばしに配されていて、編針1fの間に二本の編針2fが配され、編針1bの間に二本の編針2bが配されている。
また、本実施形態においても、図7(b)の編成パターンに示す、1’、2’、51’および52’でのループの形成に、第一実施形態にかかる編地の製造方法の場合と同様の編針を使用する。
なお、図7(a)においても、実際の各針床F、Bに備えられる編針の数よりも少ない数の編針を示している。

0065

本実施形態においては、以下のように、編地100を製造する。
(1)二針飛ばしで編針1f、1bに第1編糸10Aを供給する以外は、第一実施形態の(1)と同様にして、第1ループと、編針二本分に相当する領域を占める第1渡り部とを有する、N段目の第1コースを編成する(N段目の第1コース編成工程)。
(2)次に、第2編糸10Bを保持した第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された一方向(図7(a)の左方向)に向かって、N段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、N段目の第1コース編成工程で飛ばされた2本の編針2fのみに第2編糸10Bを供給して、各編針2fの位置で第2ループを形成し、編針一本分の長さに相当する間隔が空けられた編針2fの間に第2渡り部を形成する。次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された他方向(図7(a)の右方向)に向かって、N段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、上記工程で飛ばされた2本の編針2bのみに第2編糸10Bを供給して、各編針2bの位置で第2ループを形成し、編針一本分の長さに相当する間隔が空けられた編針2bの間に第2渡り部を形成する。これにより、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN段目の第1ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+1段目の第2コースを編成する(N+1段目の第2コース編成工程)。
(3)二針飛ばしで編針1f、1bに第1編糸10Aを供給する以外は、第一実施形態の(3)と同様にして、第1ループと、第1ループ同士を繋ぎ、かつN+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐ第1渡り部と、を有するN+2段目の第1コースを編成する(N+2段目の第1コース編成工程)。
(4)編針1f、2f、1b、2bの配設位置およびそれにより形成されるループや渡り部の位置、渡り部の長さが異なる以外は、第一実施形態の(4)と同様にして、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN+2段目の第1コースの第1ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+3段目の第2コースを編成する(N+3段目の第2コース編成工程)。
(5)上記(3)および(4)を交互に繰り返して、ウェール方向にループを連設させる。
以上により、第二実施形態にかかる編地100を製造する。

0066

(第三実施形態)
次に、第三実施形態にかかる編地100の製造方法について、図8を参照しながら説明する。
本実施形態においては、第二実施形態において同一の第2コースに形成された2個のループが、別の第2コースにそれぞれ1個ずつ形成されるように、編地100を製造する。
また、本実施形態においても、図8(b)の編成パターンに示す、1’、2’、51’および52’でのループの形成に、第一実施形態にかかる編地の製造方法と同様の編針を使用する。
なお、図8(a)においても、実際の各針床F、Bに備えられる編針の数よりも少ない数の編針を示している。

0067

本実施形態においては、以下のように編地100を製造する。
(1)第二実施形態の(1)と同様にして、N段目の第1コースを編成する(N段目の第1コース編成工程)。
(2)次に、第2編糸10Bを保持した第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された一方向(図8(a)の左方向)に向かって、N段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、編針1fに隣接する一方の編針2fのみに第2編糸10Bを供給して、一方の編針2fの位置で第2ループを形成し、一方の編針2fの間に第2渡り部を形成する。次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された他方向(図8(a)の右方向)に向かって、N段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、編針1bに隣接する一方の編針2bのみに第2編糸10Bを供給して、一方の編針2bの位置で第2ループを形成し、一方の編針2bの間に第2渡り部を形成する。これにより、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN段目の第1ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+1段目の第2コースを編成する(N+1段目の第2コース編成工程)。
(3)次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された一方向に向かって、N段目の第1コースの第1ループおよびN+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、他方の編針2fのみに第2編糸10Bを供給して、他方の編針2fの位置で第2ループを形成し、他方の編針2fの間に第2渡り部を形成する。次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された他方向に向かって、N段目の第1コースの第1ループおよびN+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、他方の編針2bのみに第2編糸10Bを供給して、他方の編針2bの位置で第2ループを形成し、他方の編針2bの間に第2渡り部を形成する。これにより、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN段目の第1コースの第1ループおよびN+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+2段目の第2コースを編成する(N+2段目の第2コース編成工程)。
(4)次に、第1給糸部40Aから、編針1、2が並設された一方向に向かって、N+1段目およびN+2段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、編針1fに第1編糸10Aを供給して、編針1fの位置でN段目の第1ループに連設された第1ループを形成し、編針1fの間に第1渡り部を形成する。次に、第1給糸部40Aから、編針1、2が並設された他方向に向かって、N+1段目およびN+2段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、編針1bに第1編糸10Aを供給して、編針1bの位置でN段目の第1コースに連設された第1ループを形成し、編針1bの間に第1渡り部を形成する。これにより、第1ループと、第1ループ同士を繋ぎ、かつN+1段目およびN+2段目の第2コースの第2ループを跨ぐ第1渡り部と、を有するN+3段目の第1コースを編成する(N+3段目の第1コース編成工程)。
(5)次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された一方向に向かって、N+2段目の第2コースの第2ループおよびN+3段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、一方の編針2fに第2編糸10Bを供給して、一方の編針2fの位置でN+1段目の第2ループに連設された第2ループを形成し、一方の編針2fの間に第2渡り部を形成する。次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された他方向に向かって、N+2段目の第2コースの第2ループおよびN+3段目の第1コースの第1ループを跨ぐように、一方の編針2bに第2編糸10Bを供給して、一方の編針2bの位置でN+1段目の第2ループに連設された第2ループを形成し、一方の編針2bの間に第2渡り部を形成する。これにより、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN+2段目の第2コースの第2ループおよびN+3段目の第1コースの第1ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+4段目の第2コースを編成する(N+4段目の第2コース編成工程)。
(6)次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された一方向に向かって、N+3段目の第1コースの第1ループおよびN+4段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、他方の編針2fに第2編糸10Bを供給して、他方の編針2fの位置でN+2段目の第2ループに連設された第2ループを形成し、他方の編針2fの間に第2渡り部を形成する。次に、第2給糸部40Bから、編針1、2が並設された他方向に向かって、N+3段目の第1コースの第1ループおよびN+4段目の第2コースの第2ループを跨ぐように、他方の編針2bに第2編糸10Bを供給して、他方の編針2bの位置でN+2段目の第2ループに連設された第2ループを形成し、他方の編針2bの間に第2渡り部を形成する。これにより、第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN+3段目の第1コースの第1ループおよびN+4段目の第2コースの第2ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+5段目の第2コースを編成する(N+5段目の第2コース編成工程)。
(7)上記(4)〜(6)を繰り返して、ウェール方向にループを連設させる。
以上により、第三実施形態にかかる編地100を製造する。

0068

(第四実施形態)
次に、第四実施形態にかかる編地100の製造方法について、図9を参照しながら説明する。
本実施形態においては、N+2段目以降のコースを編成するときに、第1編糸10Aと第2編糸10Bとを交互に変えて、編地100を製造する。詳しくは、N段目のコースを第1編糸10Aで編成した場合、N+2段目のコースを第2編糸10Bで編成し、N+1段目のコースを第2編糸10Bで編成した場合、N+3段目のコースを第1編糸10Aで編成している。
本実施形態においては、1’での第1ループの形成に編針1fまたは2fを使用し、51’での第1ループの形成に編針1bまたは2bを使用する。また、2’での第2ループの形成に編針1fまたは2fを使用し、52’での第2ループの形成に編針1bまたは2bを使用する。
なお、図9(a)においても、実際の各針床F、Bに備えられる編針の数よりも少ない数の編針を示している。

0069

本実施形態においては、以下のように、編地100を製造する。
(1)第一実施形態の(1)と同様にして、第1ループと、第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有する第1コースを編成する(N段目の第1コース編成工程)。
(2)第一実施形態の(2)と同様にして、第2ループと、第2ループ同士を繋ぐ第2渡り部とを有するN+1段目の第2コースを編成する(N+1段目の第2コース編成工程)。
(3)次に、N段目の第1コースの編成に使用した編針1f、1bにおいて、直前に編針1f、1bで編んだ編糸とは別の編糸(N+2段目の場合は第2編糸10B)を使用する以外は、第一実施形態の(3)と同様にしてループおよび渡り部を形成する。これにより、N+2段目において、第2編糸10Bによって形成される第2ループと、第2ループ同士を繋ぎ、かつN+1段目の第2コースの第2ループを跨ぐ第2渡り部と、を有するN+2段目の第2コースを編成する(N+2段目の第2コース編成工程)。
(4)次に、N+1段目の第2コースの編成に使用した編針2f、2bにおいて、直前に編針2f、2bで編んだ編糸とは別の編糸(N+3段目の場合は第1編糸10A)を使用する以外は、第一実施形態の(4)と同様にしてループおよび渡り部を形成する。これにより、N+3段目において、第1編糸10Aによって形成される第1ループと、第1ループ同士を繋ぎ、かつN+2段目の第2コースの第2ループを跨ぐ第1渡り部と、を有するN+3段目の第1コースを編成する(N+3段目の第1コース編成工程)。
(5)上記(1)〜(4)を交互に繰り返して、ウェール方向にループを連設させる。
以上により、第四実施形態にかかる編地100を製造する。

0070

以上、本発明の編み手袋は、編地を備える編み手袋であって、該編地は、複数の第1ループと、該第1ループ同士を繋ぐ第1渡り部とを有し、上記複数の第1ループがコース方向に配列された複数段の第1コースと、複数の第2ループがコース方向に配列された複数段の第2コースと、を備え、上記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、上記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有していて、一の前記第1コースの隣り合う第1ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、上記第1渡り部が該ループを跨ぐように編成されている。

0071

かかる構成の編み手袋によれば、第1コースを構成する第1編糸が伸縮性を有するようになるため、着用者の手の動きに追従して、編地を伸長収縮させることができる。これにより、本発明にかかる編み手袋は、比較的、柔軟性に優れ、かつ着用中の着け心地に優れたものとなる。また、第1編糸の収縮により手袋の厚みが増し、さらに第2コースを構成する第2編糸が耐切創性を有するようになるため、本発明にかかる編み手袋は、比較的、耐切創性に優れたものとなる。

0072

上記編み手袋においては、上記第2コースは、さらに上記第2ループ同士を繋ぐ第2渡り部を有し、一の上記第2コースの隣り合う第2ループ間の少なくとも一部には、他の段のコースのループが配され、上記第2渡り部が該ループを跨ぐように編成されていてもよい。

0073

かかる構成によれば、第2渡り部も他の段のループを跨ぐようになるため、編地をより厚くすることができる。また、第2渡り部が介在することによって、第2ループ間の間隔が広くなるため、糸にゆとりが生じ、編地の柔軟性が高まる。これにより、上記編み手袋は、より耐切創性に優れたものとなる。

0074

上記編み手袋においては、上記第1編糸は、弾性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維が巻付けられた被覆層と、を有する複合糸を含んでもよい。

0075

かかる構成によれば、引張強さが小さく耐切創性に劣る弾性繊維を含む芯材の外周を被覆層で保護することができるため、第1編糸を切れにくくすることができる。つまり、第1編糸の耐切創性を高めることができる。これにより、上記編み手袋は、より耐切創性に優れたものとなる。

0076

上記編み手袋においては、第2編糸は、耐切創性繊維を含む芯材と、該芯材の外周に被覆繊維を巻き付けてなる被覆層と、を有する複合糸を含んでもよい。

0077

かかる構成によれば、耐切創性繊維の芯材の外周を被覆層で保護することができるため、第2編糸を切れにくくすることができる。つまり、第2編糸の耐切創性を高めることができる。これにより、上記編み手袋は、より耐切創性に優れたものとなる。

0078

本発明の編み手袋に含まれる編地の製造方法は、第1編糸を用いて、第1渡り部で繋がれるように複数の第1ループをコース方向に配列して第1コースを編成する複数の第1コース編成工程と、第2編糸を用いて、複数の第2ループをコース方向に配列して第2コースを編成する複数の第2コース編成工程と、を有し、複数の第1コース編成工程の内の少なくとも一つは、第1渡り部が他の段のコースのループを跨ぐように、第1コースを編成する工程であり、上記第1コースを構成する第1編糸は、伸長率が12.5%以上であり、上記第2コースを構成する第2編糸は、耐切創性繊維を含む糸を有している。

0079

かかる製造方法で製造された編地を含む編み手袋は、比較的、柔軟性に優れ、着用中の着け心地に優れ、かつ耐切創性に優れるものとなる。

0080

上記編み手袋に含まれる編地の製造方法においては、編地のコースが延びる方向に編針が並設された針床と、第1編糸を編針に供給する第1給糸部と、第2編糸を編針に供給する第2給糸部と、を備えた横編機を用いて、編み手袋に含まれる編地を製造する方法であって、上記第1コース編成工程の少なくとも一つは、該第1コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針の少なくとも一つを使用せず、上記第1供給部から、上記針床の編針に第1編糸を供給することにより、上記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、使用されなかった上記編針で形成されたループを跨ぐように、第1渡り部を形成してもよい。

0081

かかる製造方法で製造された編地を含む編み手袋は、比較的、柔軟性に優れ、着用中の着け心地に優れ、かつ耐切創性に優れるものとなる。また、既存の横編機を用いて、製造することができる。

0082

上記編み手袋に含まれる編地の製造方法においては、上記第2コース編成工程の少なくとも一つは、該第2コース編成工程よりも一つ前のコース編成工程で用いた編針の少なくとも一つを使用せず、上記第2給糸部から、上記針床の編針に第2編糸を供給することにより、上記一つ前のコース編成工程で編成されたコースのループの内、使用されなかった上記編針で形成されたループを跨ぐように、第2渡り部を形成してもよい。

0083

かかる製造方法で製造された編地を含む編み手袋においては、一の段の第2渡り部も他の段のコースのループを跨ぐようになるため、編地の厚さがより厚くなる。また、第2渡り部が介在することによって、第2ループ間の間隔が広くなるため、糸にゆとりが生じ、編地の柔軟性が高まる。これにより、該編み手袋は、より耐切創性と柔軟性とに優れたものとなる。

0084

なお、本発明の編み手袋および該編み手袋に含まれる編地の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

0085

上記各実施形態において、第1編糸で編成される第1コースと、第2編糸で編成される第2コースとを入れ替えてもよい。このように編地を編成したとしても、一の段の第1コースの第1渡り部が、他の段の第1コースの第1ループまたは他の段の第2コースの第2ループを跨ぐことになるため、第1渡り部は伸長収縮することができる。そのため、上記編地を含む編み手袋であっても、本発明の効果を奏することができる。

0086

上記実施形態では、第1編糸および第2編糸で編成された編地を含む編み手袋について説明したが、該編地は、第1編糸および第2編糸に加えて、これら以外の第3編糸を用いて編成されてもよい。第3編糸としては、例えば、耐熱機能を付与するためのメタアラミド繊維を含む糸や防寒機能を付与するためのアクリル繊維を含む糸が挙げられる。
このように編地を編成したとしても、第1編糸で編成された一の段の第1コースの第1渡り部が、他の段の第1コースの第1ループ、他の段の第2コースの第2ループ、または他の段の第3コースの第3ループの少なくとも何れか一つを跨ぐことになるため、第1渡り部は伸長収縮することができる。そのため、上記編地を含む編み手袋であっても、本発明の効果を奏することができる。

0087

また、上記編み手袋を手袋基体として、該手袋基体の少なくとも一部を覆うように、樹脂被膜またはゴム被膜を設けてもよい。

0088

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。

0089

(実施例1)
第1編糸に弾性複合糸を用い、第2編糸に金属複合糸と弾性複合糸とを組み合わせた糸を用いて、横編機によって編み手袋を製造した。
弾性複合糸は、以下のように作製した。すなわち、78dtexのスパンデックスを芯材として用い、該芯材の外周にドラフト3.0となるように、被覆繊維としての78dtexウーリーナイロン双糸を300TPM(twist per meter)で一方向に巻き付けた後、78dtexウーリーナイロンの双糸を300TPMで先程と逆方向に巻き付けて作製した。
金属複合糸は以下のように作製した。すなわち、直径30μmのステンレスワイヤを芯材とし、添糸として、167dtexのポリエステルフィラメント糸を組み合わせたものを用い、これらの外周に被覆繊維としての83dtexウーリーポリエステルの双糸を634TPMで一方向に巻き付けた後、同じく83dtexウーリーポリエステルの双糸を634TPMで先程と逆方向に巻き付けて作製した。
第2編糸においては、弾性複合糸が手袋の内側に配され、金属複合糸が手袋の外側に配されるようにプレーティングされた状態で第2ループを形成した。
下記の方法に従って測定した、第1編糸の伸長率の値は、128.6%であった。
また、第2編糸のうち、下記の方法に従って測定した、直径30μmのステンレスワイヤの引張強さの値は、2700N/mm2であった。
また、横編機としては、SWG061N2(株式会社島精機製作所製)を用いた。編成パターンは、図6に示すパターンとし、度目値は45とした。

<伸長率の測定方法>
(1)長さ50cmの第1編糸の一端部をクランプで挟持し、該第1編糸を垂下させた状態で30gの荷重をかける。
(2)10秒後に、上記第1編糸の一端部から垂下方向に40cmの位置(L2)に目印を付けた後、上記第1編糸から30gの荷重を取り除き、2分間保持する。
(3)次に、上記第1編糸を垂下させた状態で、0.25gの荷重をかけ、10秒後に、上記第1編糸の一端部から前記目印までの長さ(L1)を測定する。
(4)L1およびL2の値を用いて、式(L2−L1)/L1×100により、小数点以下1桁に四捨五入して伸長率を算出する。
(5)(1)〜(4)を20回実行し、求めた伸長率の値を算術平均する。

<引張強さの測定方法>
JIS L 1013化学繊維フィラメント糸試験方法の8.5.1法に従って測定した。

0090

(実施例2)
第1編糸に金属複合糸と弾性複合糸とを組み合わせた糸を用い、第2編糸に金属複合糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、編み手袋を作製した。
本実施例においては、第1編糸は2本以上の糸を組み合わせたものであったため、第1編糸は、以下の方法に従って測定した。また、第2編糸の引張強さは、実施例1と同様の方法で測定した。
下記方法に従って測定した、第1編糸の伸長率の値は、122.2%であった。

<伸長率の測定方法>
(1’)長さ50cmの、第1編糸を構成する各糸の一端部をクランプで挟持し、各糸を垂下させた状態で各糸に30gの荷重をかける。
(2’)10秒後に、各糸の一端部から垂下方向に40cmの位置(L2)に目印を付け、該目印の位置で各糸を束ねた後、各糸から30gの荷重を取り除き、2分間保持する。
(3’)次に束ねた状態の各糸を垂下させた状態で、0.25gの荷重をかけ、10秒後に、各糸の一端部から前記目印までの長さ(L1)を測定する。
(4’)(1’)〜(3’)を行った後、実施例1に記載した(4)および(5)を行う。

0091

(実施例3)
第2編糸に金属複合糸を用いた以外は、実施例1と同様にして編み手袋を作製した。
第1編糸について、実施例1に記載の方法に従って測定した伸長率の値は、128.6%であった。

0092

(実施例4)
第1編糸に金属複合糸以外の耐切創性を有する複合糸と弾性複合糸とを組み合わせた糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、編み手袋を作製した。
金属複合糸以外の耐切創性を有する複合糸は以下のように作製した。すなわち、440dtexのポリパラフェニレンテレフタルアミドのフィラメント糸を組み合わせたものを芯材とし、該芯材の外周に被覆繊維としての83dtexのウーリーポリエステルの双糸を634TPMで一方向に巻き付けた後、同じく83dtexのウーリーポリエステルの双糸を634TPMで先程と逆方向に巻き付けて作製した。
第1編糸においては、弾性複合糸が手袋の内側に配され、金属複合糸以外の耐切創性を有する複合糸が手袋の外側に配されるようにプレーティングされた状態で第1ループを形成した。
第1編糸について、実施例2に記載の方法に従って測定した伸長率の値は、116.2%であった。

0093

(比較例1)
第1編糸および第2編糸に、金属複合糸を用いた以外は、実施例1と同様にして編み手袋を作製した。
第1編糸について、実施例1に記載の方法に従って測定した伸長率の値は、0.8%であった。

0094

(比較例2)
第2編糸に弾性複合糸を用いた以外は、実施例1と同様にして編み手袋を作製した。
第1編糸について、実施例1に記載の方法に従って測定した伸長率の値は、128.6%であり、第2編糸のうち、実施例1の方法にしたがって測定した、スパンデックスの引張強さの値は、115.7N/mm2であり、ウーリーナイロン双糸の引張強さの値は、468.0N/mm2であった。

0095

上記各例にかかる編み手袋について、手袋の厚み、耐切創性、および柔軟性を測定した結果、並びに手袋の内面触感を評価した結果を表1に示した。手袋の厚み、耐切創性および柔軟性は以下の方法で測定した。また、手袋の内面触感は以下の官能試験により評価した。
なお、表1において、DCYは弾性複合糸を示し、M−DCYは金属複合糸を示し、NMCR−DCYは金属複合糸以外の耐切創性を有する複合糸を示している。また、M−DCY/DCYとは、M−DCYとDCYとを用いてプレーティング編みしていることを意味し、NMCR−DCY/DCYとは、NMCR−DCYとDCYとを用いてプレーティング編みしていることを意味する。

<手袋の厚み>
ECLCKCORPORATION製の厚み計PG−15を用いて、JIS L 1096に準じて測定した。測定子としては、手袋と当接される面の面積が1cm2のものを用い、測定時に加える圧力は240gf/cm2とした。

<耐切創性>
ISO13997−1999に従って測定した。

<柔軟性>
各例にかかる編み手袋の四本胴部の甲側から幅40mm×長さ60mmで切り出したものを供試体とした。切り出しにおいて、供試体の長さ方向と、編み手袋の指の長さ方向とを一致させた。試験機として卓上形精密万能試験機島津製作所製、型式:AGS−J)を用いて、チャック間を40mmにし、引張速度50mm/minで引っ張ったときに、供試体をチャック間が80mmになるまで伸長させたときにかかる力の指示値を記録した。チャック間を80mmに伸長させたときの指示値が小さいほど、柔軟性に優れると判断した。

<手袋の内面触感>
5人のパネラーに各例にかかる編み手袋を着用させて、編み手袋を着用したときに感じられる感覚を、以下の段階尺度の中から、各パネラーに選ばせた。

1.極めてザラついていて、着用中に極めて不快に感じる。
2.ザラツキを感じ、着用中に不快に感じる。
3.ザラツキを感じるが、着用中に不快には感じない。
4.ザラツキを殆ど感じず、快適に着用できる。

0096

0097

実施例1〜4にかかる編み手袋は、第1編糸および第2編糸の両方に金属複合糸のみを用いた比較例1にかかる編み手袋と比べて、厚みが厚く、耐切創性、柔軟性および内面触感のいずれも優れていた。
また、実施例1および2にかかる編み手袋は、第1編糸および第2編糸の両方に弾性複合糸を用いた比較例2にかかる編み手袋と比べて、厚みが厚く、耐切創性、および柔軟性に優れていた。
また、実施例3にかかる編み手袋は、比較例2にかかる編み手袋と比べて、厚みは同等であったが、耐切創性、および柔軟性に優れていた。
また、実施例4にかかる編み手袋は、比較例2にかかる編み手袋と比べて、柔軟性は劣るものの、厚みが厚く、耐切創性に優れていた。

実施例

0098

上述の実施形態および実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。

0099

1、2編針、10A 第1編糸、10B 第2編糸、11 第1ループ、12 第2ループ、21 第1渡り部、22 第2渡り部、31 第1コース、32 第2コース、40A 第1給糸部、40B 第2給糸部、F 前針床、B 後針床、100編地、200 横編機

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