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技術 ガラス板の製造方法およびガラス板製造装置

出願人 日本電気硝子株式会社
発明者 中塚和人西村康宏
出願日 2016年6月22日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-123866
公開日 2017年12月28日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-226574
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの成形
主要キーワード 円管部材 先上がり 製造状況 拡大角 乾燥ガス雰囲気 先下がり リブ部材 矩形スリット
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

溶融ガラス矩形状のスリットから流出させてガラス板成形する構成によって、脈理のないガラス板を提供する。

解決手段

溶融ガラスYGが供給される流入口20Aと矩形スリット状の流出口20Bを有するノズル20によって、流出口20Bから溶融ガラスYGをリボン状の形態で流出させて、リボン状のガラス板Gを製造する方法であって、ノズル20の流出口20Bの下端位置Sを、ノズル20の流入口20Aの下端位置Rよりも上方に配置して、ノズル20の流入口20Aから供給された溶融ガラスYGを、ノズル20の流出口20Bから溢れ出させる。

概要

背景

従来、ノズルから溶融ガラスを流出させるとともに、水平面を構成する成形型上に展延させて、リボン状にガラス成形する方法が知られており、特許文献1に記載された技術がある。
特許文献1に記載された技術では、円形の開口部を有するオリフィス(ノズル)を下向きに配置して、乾燥ガス雰囲気下でノズルから溶融ガラスを鉛直下向きに流出させて、水平面を構成する成形型(鋳型部)上でリボン状に展延させることによって、ノズルへの溶融ガラスの濡れを防止するとともに、ガラスの変質を防止することを可能にしている。そして、特許文献1に記載された技術では、成形したリボン状のガラスを所定の長さで切断して、脈理のない精密プレス成形用プリフォームを製造することを実現している。

概要

溶融ガラスを矩形状のスリットから流出させてガラス板を成形する構成によって、脈理のないガラス板を提供する。溶融ガラスYGが供給される流入口20Aと矩形スリット状の流出口20Bを有するノズル20によって、流出口20Bから溶融ガラスYGをリボン状の形態で流出させて、リボン状のガラス板Gを製造する方法であって、ノズル20の流出口20Bの下端位置Sを、ノズル20の流入口20Aの下端位置Rよりも上方に配置して、ノズル20の流入口20Aから供給された溶融ガラスYGを、ノズル20の流出口20Bから溢れ出させる。

目的

本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、溶融ガラスを矩形状のスリットから流出させてガラス板を成形する構成によって、脈理のないガラス板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

溶融ガラスが供給される流入口と矩形スリット状の流出口を有するノズルによって、前記流出口から前記溶融ガラスをリボン状の形態で流出させてガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、前記ノズルの流出口の下端位置を、前記ノズルの流入口の下端位置よりも上方に配置して、前記ノズルの流入口から供給された前記溶融ガラスを、前記ノズルの流出口から溢れ出させる、ことを特徴とするガラス板の製造方法。

請求項2

前記ノズルの流出口の下方に、俯角が45°〜90°未満の面を構成するガイド板を配置して、前記流出口から溢れ出た前記溶融ガラスを、前記ガイド板に沿って流出させる、ことを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造方法。

請求項3

前記ノズルの前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の幅を、前記流入口側から前記流出口側に向けて拡大する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス板の製造方法。

請求項4

前記ノズルの前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の高さを、前記流出口の高さに比して大きくする、ことを特徴とする請求項3に記載のガラス板の製造方法。

請求項5

溶融ガラスが供給される流入口と矩形スリット状の流出口を有するノズルを備え、前記ノズルの流出口の下端位置を、前記ノズルの流入口の下端位置よりも上方に配置する、ことを特徴とするガラス板製造装置

請求項6

前記ノズルは、前記流出口の下方に俯角が45°〜90°未満の面を構成するガイド板をさらに備える、ことを特徴とする請求項5に記載のガラス板製造装置。

請求項7

前記ノズルは、前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の幅が、前記流入口側から前記流出口側に向けて拡大される、ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のガラス板製造装置。

請求項8

前記ノズルは、前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の高さが、前記流出口の高さに比して大きい、ことを特徴とする請求項7に記載のガラス板製造装置。

技術分野

0001

本発明は、ガラス板の製造方法およびガラス板製造装置に関する。

背景技術

0002

従来、ノズルから溶融ガラスを流出させるとともに、水平面を構成する成形型上に展延させて、リボン状にガラス成形する方法が知られており、特許文献1に記載された技術がある。
特許文献1に記載された技術では、円形の開口部を有するオリフィス(ノズル)を下向きに配置して、乾燥ガス雰囲気下でノズルから溶融ガラスを鉛直下向きに流出させて、水平面を構成する成形型(鋳型部)上でリボン状に展延させることによって、ノズルへの溶融ガラスの濡れを防止するとともに、ガラスの変質を防止することを可能にしている。そして、特許文献1に記載された技術では、成形したリボン状のガラスを所定の長さで切断して、脈理のない精密プレス成形用プリフォームを製造することを実現している。

先行技術

0003

特開2003−026424号公報

発明が解決しようとする課題

0004

近年、溶融ガラスを、矩形状のスリットを有するノズルからリボン状の形態で流出させて、ガラス板を製造する技術が検討されている。

0005

特許文献1に記載された従来技術では、ノズルから流出させた後、成形型上でさらに幅方向に展延させてリボン状に成形する構成としているため、ノズル幅方向(直径方向)で溶融ガラスの流速分布が異なっていたとしても、そのことが問題となることはなかった。

0006

一方、矩形状のスリットから溶融ガラスを流出させて、そのままリボン状の形態とする構成では、スリットの幅方向で溶融ガラスの流速分布が異なっていると、流速差がある各部位で溶融ガラスの硬化時間差異が生じ、各部位の境界で脈理が生じることとなる。
即ち、矩形状のスリットから溶融ガラスを流出させて、そのままリボン状の形態とする構成では、スリットの幅方向における溶融ガラスの流速分布の差異に起因して、脈理が生じてしまうこととなっていた。

0007

本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、溶融ガラスを矩形状のスリットから流出させてガラス板を成形する構成によって、脈理のないガラス板を提供することを可能にしたガラス板の製造方法およびガラス板製造装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。

0009

即ち、本発明に係るガラス板の製造方法は、溶融ガラスが供給される流入口と矩形スリット状の流出口を有するノズルによって、前記流出口から前記溶融ガラスをリボン状の形態で流出させてガラス板を製造するガラス板の製造方法であって、前記ノズルの流出口の下端位置を、前記ノズルの流入口の下端位置よりも上方に配置して、前記ノズルの流入口から供給された前記溶融ガラスを、前記ノズルの流出口から溢れ出させることを特徴とする。
このような構成のガラス板の製造方法によれば、溶融ガラスがノズルの流出口から溢れ出るまで、流入口側から流出口側に向けてノズル内で徐々に液面の高さが上昇して、ノズル内全体が溶融ガラスで満たされることになるため、溶融ガラスの流速分布を均一化することができる。

0010

また、本発明に係るガラス板の製造方法は、前記ノズルの流出口の下方に、俯角が45°〜90°未満の面を構成するガイド板を配置して、前記流出口から溢れ出た前記溶融ガラスを、前記ガイド板に沿って流出させることを特徴とする。
このような構成のガラス板の製造方法によれば、ノズルから流出させた溶融ガラスを、リボン状の形態に維持し、板状に成形するのに適した温度に調整することができる。

0011

また、本発明に係るガラス板の製造方法は、前記ノズルの前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の幅を、前記流入口側から前記流出口側に向けて拡大することを特徴とする。
このような構成のガラス板の製造方法によれば、所望するガラス板と等しい幅の溶融ガラスを得ることができる。また、流入口側から流出口側に向けて、ノズル内における溶融ガラスの流速を遅くすることができ、溶融ガラスの流速分布が均一化され、流出した溶融ガラスをリボン状に広げる際に発生する脈理を抑制することができる。

0012

また、本発明に係るガラス板の製造方法は、前記ノズルの前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の高さを、前記流出口の高さに比して大きくすることを特徴とする。
このような構成のガラス板の製造方法によれば、ノズル内の幅方向における溶融ガラスの流速差を緩和することができ、溶融ガラスの流速分布をより均一化することができる。

0013

また、本発明に係るガラス板製造装置は、溶融ガラスが供給される流入口と矩形スリット状の流出口を有するノズルを備え、前記ノズルの流出口の下端位置を、前記ノズルの流入口の下端位置よりも上方に配置することを特徴とする。
このような構成のガラス板製造装置によれば、溶融ガラスがノズルの流出口から溢れ出るまで、流入口側から流出口側に向けてノズル内で徐々に液面の高さが上昇することになるため、溶融ガラスの流速分布を均一化することができる。

0014

また、本発明に係るガラス板製造装置は、前記ノズルは、前記流出口の下方に俯角が45°〜90°未満の面を構成するガイド板をさらに備えることを特徴とする。
このような構成のガラス板製造装置によれば、ノズルから流出させた溶融ガラスを、リボン状の形態に維持し、板状に成形するのに適した温度に調整することができる。

0015

また、本発明に係るガラス板製造装置は、前記ノズルは、前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の幅が、前記流入口側から前記流出口側に向けて拡大されることを特徴とする。
このような構成のガラス板製造装置によれば、所望するガラス板と等しい幅の溶融ガラスを得ることができる。また、流入口側から流出口側に向けて、ノズル内における溶融ガラスの流速を遅くすることができ、溶融ガラスの流速分布が均一化され、流出した溶融ガラスをリボン状に広げる際に発生する脈理を抑制することができる。

0016

また、本発明に係るガラス板製造装置は、前記ノズルは、前記流入口と前記流出口を繋ぐ流路の高さが、前記流出口の高さに比して大きいことを特徴とする。
このような構成のガラス板製造装置によれば、ノズル内の幅方向における溶融ガラスの流速差を緩和することができ、溶融ガラスの流速分布をより均一化することができる。

発明の効果

0017

本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。

0018

本発明に係るガラス板の製造方法およびガラス板製造装置によれば、溶融ガラスを矩形スリット状の流出口から流出させてガラス板を成形する構成によって、脈理のないガラス板を製造することができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法によるガラス板の製造状況および本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置を示す模式図。
本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置を構成するノズルを示す平面模式図。
本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置を構成するノズルを示す側面模式図、(A)全体模式図、(B)部分拡大模式図。
本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置を構成するノズルを示す正面模式図。
本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置を構成するノズルを示す斜視模式図。
ノズルにおける溶融ガラスの流れを示す模式図、(A)側面断面模式図、(B)平面断面模式図。
ノズルからの溶融ガラスの流出状況を示す正面模式図。
ノズルからの溶融ガラスの流出状況を示す側面部分拡大断面模式図。

実施例

0020

次に、発明の実施の形態を説明する。
本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法は、例えば、図1に示すようなガラス板製造装置1によって実現することができる。尚、以下の説明では、説明の便宜上、ガラス板製造装置1の周囲に図1図3に示すような3次元座標系を規定しており、ガラス板製造装置1によって製造するガラス板の幅方向に平行な水平軸であるX軸と、X軸に直交する水平軸であるY軸と、X、Y軸に直交する鉛直軸であるZ軸を規定している(以下、その他の各図においても同様とする)。

0021

ここではまず、本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置1について、説明する。
図1に示す如く、ガラス板製造装置1は、溶融ガラスYGをリボン状に成形してガラス板Gを製造する装置であり、Y軸方向の負側から正側に向けて順に、供給部10、ノズル20、成形部30、搬送部40を配置して構成されている。

0022

供給部10は、ノズル20に溶融ガラスYGを供給する部位であり、Y軸方向の正側に向かって先下がりとした第一供給管11と、Y軸方向に平行な第二供給管12と、プレート13を備えている。

0023

第一供給管11は、原料ガラス溶融させて溶融ガラスYGを生成する部位である溶融部(図示せず)に接続される配管部材であり、上流側(Y軸方向の負側)の一端が前記溶融部に接続され、溶融ガラスYGを、前記溶融部から第二供給管12に向けて自然流下させることができるように構成されている。尚、第一供給管11の下流側(Y軸方向の正側)の他端は、第二供給管12の上流側の一端に接続されている。

0024

第二供給管12は、下流側の他端がノズル20に接続される配管部材であり、第一供給管11を自然流下してきた溶融ガラスYGの流れを水平方向に変更しつつ、ノズル20に向けて流すことができるように構成されている。

0025

プレート13は、第一供給管11と第二供給管12の境界部分に設けられており、第一供給管11と第二供給管12の周辺部を効率よく外部加熱するための加熱部位を構成している。尚、本実施形態に示すガラス板製造装置1では、溶融ガラスYGに対する外部加熱の方式として、誘導加熱方式を採用しており、ノズル20の周囲には誘導加熱用コイル(図示せず)が設けられている。加熱方式としては、誘導加熱方式以外にも、間接加熱方式抵抗加熱方式を採用しても良い。

0026

このように供給部10は、第二供給管12がノズル20と接続され、前記溶融部から自然流下してくる溶融ガラスYGを外部加熱しつつ、ノズル20に供給することができるように構成されている。

0027

ノズル20は、溶融ガラスYGをリボン状の形態に成形しながら流出させるための部位であり、図1図5に示す如く、Y軸方向の負側から正側に向けて順に配置される接続部21、変形部22、拡大部23、絞り部24、によって構成されている。尚、ノズル20は、白金を主とした素材を用いて構成することができ、例えば、白金−ロジウム合金によって構成される。

0028

接続部21は、ノズル20を供給部10に接続する部位であり、供給部10の第二供給管12と同径の円管部材によって構成され、軸心方向がY軸方向に向けられている。
そして、ノズル20は、接続部21の上流側(Y軸方向の負側)端部の円形の開口部を、溶融ガラスYGを流入させる流入口20Aとしている。

0029

変形部22は、ノズル20の断面形状を円形から矩形に変更する管状の部位であり、接続部21の上流側(Y軸方向の負側)端部の断面形状を円形とし、拡大部23の下流側(Y軸方向の正側)端部の断面形状を矩形としている。

0030

また、変形部22は、図3(A)に示すように、Z軸方向において、接続部21側の上端位置に比して拡大部23側の上端位置を高くして、かつ、接続部21側の下端位置に比して拡大部23側の下端位置を高くすることによって、Y軸方向の正側に向けて先上がりに傾斜させる構成としている。

0031

図1図5に示す如く、拡大部23は、断面形状が矩形である管状の部位であり、上側面23Aと下側面23Bが互いに平行で、かつ、図2に示すように流入口20A側から流出口20B側方向へ見た左側面23Cと右側面23Dが所定の角度θ1を成す構成としており、変形部22側から絞り部24側に向かうにつれて、幅がW1となるまで漸次拡大されている。尚、角度θ1は、上側面23Aおよび下側面23Bに対して垂直な方向から見た角度である。

0032

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置1のノズル20は、流入口20A側から流出口20B側に向けて、流路20Cの幅が拡大されるものである。
このような構成のガラス板製造装置1によれば、流路20Cで所望するガラス板と等しい幅の溶融ガラスとすることができる。また、流入口20A側から流出口20B側に向けて、流路20Cを流れる溶融ガラスYGの流速を遅くすることができ、溶融ガラスYGの流速分布が均一化され、流出した溶融ガラスをリボン状に広げる際に発生する脈理を抑制することができる。

0033

また、拡大部23は、図3(B)に示すように上側面23Aおよび下側面23Bを、水平面に対して所定の角度θ2(以下、仰角θ2とも呼ぶ)で傾斜させており、Y軸方向の負側から正側に向かうにつれて先上がりとなる構成としている。尚、変形部22の上側面は、拡大部23の上側面23Aと同じ仰角θ2で傾斜されている。

0034

図1図5に示す如く、絞り部24は、溶融ガラスYGを所定の高さに絞って流出させる部位であり、Y軸方向の正側の端部には、溶融ガラスYGをリボン状の形態で流出させる、矩形スリット状の流出口20Bが形成されている。流出口20Bの幅は、流入口20Aの幅に比して大きくしている。

0035

そして、ノズル20では、接続部21、変形部22、拡大部23、絞り部24によって、流入口20Aと流出口20Bを繋ぐ流路20Cを構成している。

0036

絞り部24は、幅(X軸方向の寸法)をW1で維持しつつ、絞り部24の上側面24Aを、拡大部23の上側面23Aと同じ仰角θ2のままで延設し、絞り部24の下側面24Bを、拡大部23の下側面23Bの仰角θ2に比して大きな仰角で傾斜させている。

0037

図3(B)に示す如く、ノズル20は、拡大部23における流路20Cの高さがH1で、絞り部24における流出口20Bの高さがH2であり、H1>H2としている。本実施形態で示すノズル20では、流路20Cの高さH1を4〜6mm程度とし、流出口20Bの高さH2を1〜2mm程度としている。

0038

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置1のノズル20は、流入口20Aと流出口20Bを繋ぐ流路20Cの高さH1が、流出口20Bの高さH2に比して大きいものである。
このような構成のガラス板製造装置1によれば、ノズル20内の幅方向における溶融ガラスYGの流速差を緩和することができ、溶融ガラスYGの流速分布をより均一化することができる。

0039

また、ノズル20は、図3(A)に示すように、Z軸方向において、流入口20Aの上端位置Pに比して流出口20Bの上端位置Qを高くして、かつ、流入口20Aの下端位置Rに比して流出口20Bの下端位置Sを高くすることによって、Y軸方向の正側に向けて先上がりに傾斜させている。このような構成のノズル20では、流入口20Aから流路20Cに流入させた溶融ガラスYGを流路20Cに溜めることができ、溶融ガラスYGの液面位置が流出口20Bの下端位置Sを超える高さまで高くなったときに、溶融ガラスYGを流出口20Bから自然に溢れ出させることができる。

0040

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置1は、溶融ガラスYGが供給される流入口20Aとスリット状の流出口20Bを有するノズル20を備え、ノズル20の流出口20Bの下端位置Sを、ノズル20の流入口20Aの下端位置Rよりも上方に配置するものである。
このような構成のガラス板製造装置1によれば、溶融ガラスYGがノズル20の流出口20Bから溢れ出るまで、流入口20A側から流出口20B側に向けてノズル内の流路20Cで徐々に液面の高さが上昇し、ノズル20内全体が溶融ガラスで満たされることになるため、溶融ガラスの流速分布を均一化することができ、脈理のないガラス板Gを製造することができる。

0041

絞り部24の上側面24Aの先端には、リブ部材25が付設されており、熱膨張および熱収縮によって絞り部24が変形することの無いように補強している。

0042

また、絞り部24の下側面24Bの先端には、Z軸方向(鉛直方向)下向きに延びる板状部材であるガイド板26が付設されている。ガイド板26の取付角度は俯角45°〜90°未満であることが好ましい。45°よりも小さいと、ガイド板上で溶融ガラスが滞留しやすくなる。一方、90°以上になると、溶融ガラスがガイド板を流れにくくなる。

0043

そして、ノズル20では、流出口20Bから流出した溶融ガラスYGを、ガイド板26の面27に沿って(面27を濡らしながら)流下させることができるように構成している。ガイド板26は、流出口20Bから流出した溶融ガラスYGが幅方向に収縮することを抑制し、所望の均一な厚みを得ることに寄与する。尚、ガイド板26の幅寸法W2は、流出口20Bの幅寸法W1の1.1倍以上、1.5倍以下とすることが好ましく、本実施形態で示すノズル20では、流出口20Bの幅寸法W1を120mm、ガイド板26の幅寸法W2を、140mmとしている。

0044

ガラス板製造装置1では、ガイド板26の下端を、成形部30を構成する成形型31の成形面32に接する位置まで延ばしており、面27に沿って流下してきた溶融ガラスYGを、成形面32上で水平向きに方向転換しつつ展延させて、リボン状に成形する構成としている。

0045

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板製造装置1は、面27を構成するガイド板26をさらに備えるものであり、ガイド板26の面27によって、ノズル20の流出口20Bと成形型31が繋がれているものである。
このような構成のガラス板製造装置1によれば、ノズル20から流出させた溶融ガラスYGを、リボン状の形態に維持することができる。

0046

そして、ガラス板製造装置1では、溶融ガラスYGを、成形部30の成形型31によってリボン状に成形するとともに冷却してガラス板Gを生成し、生成されたガラス板Gを搬送部40によってさらに下流側へと搬送する構成としている。

0047

また、このような構成のガラス板製造装置1は、粘性の低い溶融ガラスYGを用いてガラス板Gを製造する場合に、特に適している。
尚、ここで言う「粘性の低い溶融ガラス」とは、850℃におけるガラスの粘度が、100dPa・s以下である溶融ガラスを意味している。

0048

「粘性の低い溶融ガラス」は、大気開放すると揮発しやすく、揮発するとガラスの組成が変化してしまうため、溶融ガラスYGが生成されてから成形部30に至るまでの経路密閉空間とすることが好ましい。このため、ガラス板製造装置1では、ノズル20の流路20Cを、隙間等がない密閉構造としている。

0049

尚、ノズル20における溶融ガラスYGの滞留時間が長くなると、ガラスが変質するため、滞留時間が長くなり過ぎないように、溶融ガラスYGの供給量に応じてノズル20内の容量を設定することが好ましい。一方、ノズル20における溶融ガラスYGの滞留時間を短くし過ぎると、幅方向における溶融ガラスYGの流速分布のばらつきを十分に抑制することができないため、幅方向における溶融ガラスYGの流速分布のばらつきを十分に抑えることができる容量を考慮して、ノズル20内の容量を設定することが好ましい。

0050

ノズル20は、ガラス板製造装置1をコンパクトに構成するために、長さ(Y軸方向における流入口20Aから流出口20Bまでの距離)や、ガイド板26の長さは短い方が好ましい。ノズル20の長さやガイド板26の長さは、拡大部23の拡大角θ1、仰角θ2、流出口20Bの幅W1、溶融ガラスYGの供給量等の複数の要素を総合的に案して定めることができるものである。
本実施形態のガラス板製造装置1では、ノズル20の拡大角θ1を、45度以上90度以下の範囲で設定し、かつ、ノズル20の仰角θ2を、5度以上10度以下の範囲で設定している。
このような構成によって、ガラス板製造装置1をコンパクトに構成しながら、脈理の無いガラス板Gを効率良く製造することを可能にしている。

0051

ここで、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法について、説明する。本実施形態では、ガラス板製造装置1を用いてガラス板Gを製造する場合を例示して説明する。
図6(A)(B)に示す如く、本発明の一実施形態に係るガラス板Gの製造方法では、まず、ガラス板製造装置1の供給部10からノズル20へ溶融ガラスYGを供給する。ここでノズル20に供給する溶融ガラスYGは、温度が650〜850℃程度であり、850℃における粘度が、100dPa・s以下である。

0052

次に、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法では、ノズル20へ流入させた溶融ガラスYGを、接続部21および変形部22を通して拡大部23へ流入させる。

0053

拡大部23は、流出口20Bへ近づくに連れて、流路20Cの断面積が大きくなるように構成しているため、拡大部23へ流入された溶融ガラスYGは、絞り部24に近づくほど流速が遅くなり、流路20Cの内壁面から受ける影響(摩擦力)が小さくなる。
このため、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法では、ノズル20の幅方向の中央寄りを流れる溶融ガラスYGと幅方向の外寄りを流れる溶融ガラスYGの流速差を緩和させることができ、溶融ガラスYGをより均一な流速分布としながら、絞り部24へ流入させる構成としている。

0054

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板Gの製造方法では、流入口20A側から流出口20B側に向けて、ノズル20の流路20Cの幅を拡大しており、流入口20A側から流出口20B側に向けて、ノズル20内における溶融ガラスYGの流速を遅くすることで、溶融ガラスYGの流速分布を均一化している。

0055

そして、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法では、図7に示すように、絞り部24に流入させた溶融ガラスYGを、拡大部23の終端と同じ幅W1で維持する構成としており、幅方向における流速分布を均一に維持したままで、溶融ガラスYGを流路の高さH1から所望の高さH2に絞って流出口20Bから流出させる構成としている。

0056

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板Gの製造方法では、ノズル20の流入口20Aと流出口20Bを繋ぐ流路20Cの高さH1を、流出口20Bの高さH2に比して大きくしており、ノズル20内の幅方向における溶融ガラスYGの流速差を緩和することで、溶融ガラスYGの流速分布をより均一化している。

0057

このように、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造方法では、ノズル20の流出口20Bの下端位置Sを、ノズル20の流入口20Aの下端位置Rよりも上方に配置して、ノズル20の流入口20Aから供給された溶融ガラスYGを、拡大部23で一旦貯溜し、ノズル20の流出口20Bから溢れ出させる構成としており、拡大部23を緩衝部として溶融ガラスYGの流速分布の均一化を図ることで、脈理のないガラス板Gの製造を可能にしている。

0058

ノズル20の流出口20Bから流出した溶融ガラスYGは、ノズル20の幅方向における流速分布が均一に維持されているため、流速分布の差異に起因して生じる脈理が抑制されている。

0059

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板Gの製造方法は、溶融ガラスYGが供給される流入口20Aと矩形スリット状の流出口20Bを有するノズル20によって、流出口20Bから溶融ガラスYGを流出させてリボン状のガラス板Gを製造する方法であって、ノズル20の流出口20Bの下端位置Sを、ノズル20の流入口20Aの下端位置Rよりも上方に配置して、ノズル20の流入口20Aから供給された溶融ガラスYGを、ノズル20の流出口20Bから溢れ出させるものである。

0060

このようなガラス板Gの製造方法によれば、溶融ガラスYGがノズル20の流出口20Bから溢れ出るまで、流入口20A側から流出口20B側に向けてノズル内の流路20Cで徐々に液面の高さが上昇することになるため、溶融ガラスの流速分布を均一化することができ、脈理のないガラス板Gを製造することができる。尚、このようなガラス板Gの製造方法は、粘性の低い溶融ガラスYGを用いてガラス板Gを製造する場合に、特に適している。

0061

次に、本発明の一実施形態に係るガラス板Gの製造方法では、図1図7および図8に示すように、脈理の発生が抑制されている溶融ガラスYGをガイド板26の面27に沿って下方へと流し、成形部30の成形型31でリボン状の溶融ガラスYGを冷却して、ガラス板Gを製造する構成としている。

0062

即ち、本発明の一実施形態に係るガラス板Gの製造方法では、ノズル20の流出口20Bの下方に、面27を構成するガイド板26を配置して、流出口20Bから溢れ出た溶融ガラスYGを、ガイド板26の面27に沿って流出させる構成としており、これにより、ノズル20から流出させたリボン状の溶融ガラスYGについて、幅と厚みを一定に維持することができる。

0063

このようなガラス板Gの製造方法のように、ノズル20を流入口20A側から流出口20B側に向けて先上がりに配置し、溶融ガラスYGを流出口20Bから溢れさせる構成によれば、溶融ガラスYGの流速分布を幅方向で揃えることができ、ノズル20で溶融ガラスYGを直接リボン状に成形してガラス板Gを製造する構成でありながら、脈理を無くすことができ、高品質なガラス板Gを効率良く製造することができる。

0064

1ガラス板製造装置
20ノズル
20A 流入口
20B 流出口
26ガイド板
31成形型
YG溶融ガラス
G ガラス板

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