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技術 道路又は鉄道の防護工用部材、及びその製造方法

出願人 太平洋セメント株式会社
発明者 河野克哉森香奈子曽根涼太多田克彦
出願日 2016年6月20日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-121327
公開日 2017年12月28日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-226547
状態 特許登録済
技術分野 道路防護装置、防音壁 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード 脆性破損 組立設置 すりへり 高温高圧容器 研磨処理装置 スラブ部材 アーチ部材 高温加熱後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月28日)のものです。
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図面 (2)

課題

強度と靱性が向上して、耐久性耐衝撃性を高めた防護工ロックシェッドやノーシェッド)を構築できる、道路又は鉄道の防護工用部材等の提供。

解決手段

道路又は鉄道の防護工用部材は、下記(a)〜(d)の特性及び含有率を有するセメントシリカフューム無機粉末、及び骨材Aと、高性能減水剤消泡剤、及び水を、少なくとも含むセメント組成物硬化体。(a)セメント:55〜65体積%(b)BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム:5〜25体積%(c)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%(d)最大粒径が1.2mm以下の骨材A(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%)

概要

背景

ロックシェッドスノーシェッド等の防護工用部材は、落石雪崩等から通行車両、乗員、及び通行者守り道路機能を保全するために、山間地や山間積雪地切り立った崖地に面する道路や鉄道に設置される。そのため、防護工用部材は、落石や雪崩による衝撃抵抗が求められ、主に鋼製コンクリート製の2種類がある。ここで、鋼製防護工用部材は、構築時の作業性に優れ、脆性破損が起き難いが、腐食防止用塗装を定期的に行う必要があり維持コストがかかる。一方、コンクリート製防護工用部材は衝撃抵抗が高く、また塗装は不要であるため維持コストは低いが、基礎工(部材の施工現場への搬入組立設置等の作業)の負担が大きく、また、設置場所制約のためにコンクリート製防護工用部材を採用できない場合がある。そこで、コンクリートの強度と靱性をさらに高くできれば、部材の厚さを薄くでき、その分、基礎工の負担が減少する。
そこで、本願の出願人は、先に、セメントポゾラン質微粉末粒径2mm以下の骨材、水、及び減水剤を含む配合物からなるロックシェッド及びスノーシェッドを提案した(特許文献1)。これらのロックシェッド等は、従来のコンクリートと比べ格段に高い強度と靱性を有するため、部材の厚さを大幅に薄くして軽量化でき、基礎工の手間が軽減する。

概要

強度と靱性が向上して、耐久性耐衝撃性を高めた防護工(ロックシェッドやノーシェッド)を構築できる、道路又は鉄道の防護工用部材等の提供。道路又は鉄道の防護工用部材は、下記(a)〜(d)の特性及び含有率を有するセメント、シリカフューム無機粉末、及び骨材Aと、高性能減水剤消泡剤、及び水を、少なくとも含むセメント組成物硬化体。(a)セメント:55〜65体積%(b)BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム:5〜25体積%(c)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%(d)最大粒径が1.2mm以下の骨材A(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%)なし

目的

本発明は、前記ロックシェッド等の利点を有し、さらに強度と靱性が向上して耐久性や耐衝撃性を高めた防護工(ロックシェッドやノーシェッド)を構築できる、道路又は鉄道の防護工用部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記(a)〜(d)の特性及び含有率を有するセメントシリカフューム無機粉末、及び骨材Aと、高性能減水剤消泡剤、及び水を、少なくとも含むセメント組成物硬化体からなる、道路又は鉄道防護工用部材。(a)セメント:55〜65体積%(b)BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム:5〜25体積%(c)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%(d)最大粒径が1.2mm以下の骨材A(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%である。)

請求項2

前記セメント組成物中のセメントが、中庸熱ポルトランドセメント粒子、又は低熱ポルトランドセメント粒子を研磨処理して、該セメント粒子の角張った表面部分を丸みを帯びた形状に整形してなる、粒径が20μm以上の粗粒子と、該研磨処理により生じた粒径が20μm未満の微粒子とを含み、かつ、該セメントの50%体積累積粒径が10〜18μm、及びブレーン比表面積が2100〜2900cm2/gである、請求項1に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。

請求項3

前記セメント組成物が、さらに、金属繊維有機繊維、及び炭素繊維から選ばれる1種以上を3体積%以下含む、請求項1又は2に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。

請求項4

前記セメント組成物中の硬化体の圧縮強度が330N/mm2以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。

請求項5

さらに、前記セメント組成物が、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。

請求項6

前記セメント組成物の硬化体の圧縮強度が300N/mm2以上である、請求項5に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。

請求項7

下記(A)成形工程、(B)常温養生工程、(C)加熱養生工程、及び(D)高温加熱工程を、少なくとも含む、道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。(A)下記(a)〜(d)の特性及び含有率を有するセメント、シリカフューム、無機粉末、及び骨材Aと、高性能減水剤、消泡剤、及び水を、少なくとも含むセメント組成物を混練した後、型枠内打設して、未硬化成形体を得る成形工程(B)該未硬化の成形体を10〜40℃で24時間以上、封緘養生又は気中養生した後、前記型枠から脱型し、養生した成形体を得る常温養生工程(C)該養生した成形体を、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行って加熱養生した成形体を得る加熱養生工程(D)前記加熱養生後の成形体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、硬化体を得る高温加熱工程(a)セメント:55〜65体積%(b)BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム:5〜25体積%(c)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%(d)最大粒径が1.2mm以下の骨材A(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%である。)

請求項8

前記セメント組成物が、さらに、金属繊維、有機繊維、及び炭素繊維から選ばれる1種以上を3体積%以下含む、請求項7に記載の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。

請求項9

前記セメント組成物が、さらに、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含む、請求項7又は8に記載の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。

請求項10

前記(B)常温養生工程と前記(C)加熱養生工程の間に、前記養生した成形体に吸水させる吸水工程を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は道路又は鉄道防護工用部材(特に、ロックシェッドスノーシェッド)と、その製造方法に関する。

背景技術

0002

ロックシェッドやスノーシェッド等の防護工用部材は、落石雪崩等から通行車両、乗員、及び通行者守り、道路機能を保全するために、山間地や山間積雪地切り立った崖地に面する道路や鉄道に設置される。そのため、防護工用部材は、落石や雪崩による衝撃抵抗が求められ、主に鋼製コンクリート製の2種類がある。ここで、鋼製防護工用部材は、構築時の作業性に優れ、脆性破損が起き難いが、腐食防止用塗装を定期的に行う必要があり維持コストがかかる。一方、コンクリート製防護工用部材は衝撃抵抗が高く、また塗装は不要であるため維持コストは低いが、基礎工(部材の施工現場への搬入組立設置等の作業)の負担が大きく、また、設置場所制約のためにコンクリート製防護工用部材を採用できない場合がある。そこで、コンクリートの強度と靱性をさらに高くできれば、部材の厚さを薄くでき、その分、基礎工の負担が減少する。
そこで、本願の出願人は、先に、セメントポゾラン質微粉末粒径2mm以下の骨材、水、及び減水剤を含む配合物からなるロックシェッド及びスノーシェッドを提案した(特許文献1)。これらのロックシェッド等は、従来のコンクリートと比べ格段に高い強度と靱性を有するため、部材の厚さを大幅に薄くして軽量化でき、基礎工の手間が軽減する。

先行技術

0003

特開2001−226916号公報

発明が解決しようとする課題

0004

そして、本発明は、前記ロックシェッド等の利点を有し、さらに強度と靱性が向上して耐久性耐衝撃性を高めた防護工(ロックシェッドやノーシェッド)を構築できる、道路又は鉄道の防護工用部材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント、特定のBET比表面積を有するシリカフューム、特定の粒度分布を有する無機粉末、及び、特定の大きさの骨材等を特定の割合で含む道路又は鉄道の防護工用部材は、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の構成を有する道路又は鉄道の防護工用部材である。

0006

[1]下記(a)〜(d)の特性及び含有率を有するセメント、シリカフューム、無機粉末、及び骨材Aと、高性能減水剤消泡剤、及び水を、少なくとも含むセメント組成物硬化体からなる、道路又は鉄道の防護工用部材。
(a)セメント:55〜65体積
(b)BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム:5〜25体積%
(c)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%
(d)最大粒径が1.2mm以下の骨材A
(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%である。)
[2]前記セメント組成物中のセメントが、中庸熱ポルトランドセメント粒子、又は低熱ポルトランドセメント粒子を研磨処理して、該セメント粒子の角張った表面部分を丸みを帯びた形状に整形してなる、粒径が20μm以上の粗粒子と、
該研磨処理により生じた粒径が20μm未満の微粒子とを含み、かつ、
該セメントの50%体積累積粒径が10〜18μm、及びブレーン比表面積が2100〜2900cm2/gである、
前記[1]に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。
[3]前記セメント組成物が、さらに、金属繊維有機繊維、及び炭素繊維から選ばれる1種以上を3体積%以下含む、前記[1]又は[2]に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。
[4]前記セメント組成物の硬化体の圧縮強度が330N/mm2以上である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の道路又は鉄道の防護工用部材。
[5]さらに、前記セメント組成物が、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の道路又は鉄道の防護工用部材。
[6]前記セメント組成物の硬化体の圧縮強度が300N/mm2以上である、前記[5]に記載の道路又は鉄道の防護工用部材。

0007

[7]下記(A)成形工程、(B)常温養生工程、(C)加熱養生工程、及び(D)高温加熱工程を、少なくとも含む、道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。
(A)下記(a)〜(d)の特性及び含有率を有するセメント、シリカフューム、無機粉末、及び骨材Aと、高性能減水剤、消泡剤、及び水を、少なくとも含むセメント組成物を混練した後、型枠内打設して、未硬化成形体を得る成形工程
(B)該未硬化の成形体を10〜40℃で24時間以上、封緘養生又は気中養生した後、前記型枠から脱型し、養生した成形体を得る常温養生工程
(C)該養生した成形体を、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行って加熱養生した成形体を得る加熱養生工程
(D)前記加熱養生後の成形体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、硬化体を得る高温加熱工程
(a)セメント:55〜65体積%
(b)BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム:5〜25体積%
(c)50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末:15〜35体積%
(d)最大粒径が1.2mm以下の骨材A
(ただし、セメント、シリカフューム、及び無機粉末の含有率の合計は100体積%である。)
[8]前記セメント組成物が、さらに、金属繊維、有機繊維、及び炭素繊維から選ばれる1種以上を3体積%以下含む、前記[7]に記載の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。
[9]前記セメント組成物が、さらに、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含む、前記[7]又は[8]に記載の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。
[10]前記(B)常温養生工程と前記(C)加熱養生工程の間に、前記養生した成形体に吸水させる吸水工程を含む、前記[7]〜[9]のいずれかに記載の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法。

発明の効果

0008

本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、高い圧縮強度(例えば、300N/mm2以上)を有するため、部材の縮小や軽量化を図ることができるので、部材の施工現場への搬入、設置作業や組立設置等の基礎工の作業負担を著しく軽減することができる。

図面の簡単な説明

0009

ローター回転軸に対して垂直の方向に切断した断面を部分的に含む、高速気流撹拌装置の正面図(一例)である。
耐衝撃試験に用いた平板供試体の模式図である。

0010

本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、前記の特性及び含有率を有するセメント、シリカフューム、無機粉末(以下、セメント、シリカフューム、及び無機粉末を合わせた全体を「粉体原料」という。)、及び骨材Aと、高性能減水剤、消泡剤、及び水を、少なくとも含むセメント組成物の硬化体からなる部材等である。
また、本発明の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法は、前記の成形工程、常温養生工程、加熱養生工程、及び高温加熱工程を、少なくとも含む製造方法等である。
以下、本発明について、道路又は鉄道の防護工用部材の前記構成材料、および該部材の製造方法に含まれる前記工程の順に、詳細に説明する。

0011

(a)セメント
該セメントの種類は、特に限定されず、例えば、普通ポルトランドセメント早強ポルトランドセメント超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントから選ばれる1種以上が使用できる。
これらの中でも、セメント組成物の流動性が向上するため、好ましくは、中庸熱ポルトランドセメント及び低熱ポルトランドセメントから選ばれる1種以上である。

0012

また、セメント組成物の流動性と、該組成物が硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度を高めるため、前記セメントは、好ましくは、中庸熱ポルトランドセメント、又は低熱ポルトランドセメントを研磨処理して、該セメント粒子の角張った表面部分を、丸みを帯びた形状に整形してなるセメントである。そして、該セメントは、粒径が20μm以上の粗粒子と、該研磨処理により生じた粒径が20μm未満の微粒子とを含むセメント研磨処理物であって、該セメント研磨処理物の50%体積累積粒径が10〜18μm、及びブレーン比表面積が2100〜2900cm2/gのセメント研磨処理物である。

0013

前記粗粒子の粒径の上限は、特に限定されず、研磨処理するセメントの一般的な粒径を考慮すると通常200μm以下であり、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、好ましくは100μm以下である。
前記微粒子の粒径の下限は、特に限定されず、セメント組成物の流動性の向上、及び、道路又は鉄道の防護工用部材を製造する際の作業性の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上である。

0014

セメント研磨処理物の50%体積累積粒径は、好ましくは10〜18μm、より好ましくは12〜16μmであり、ブレーン比表面積は、好ましくは2100〜2900cm2/g、より好ましくは2200〜2700cm2/gである。
前記50%体積累積粒径が10μm以上でセメント組成物の流動性が向上し、18μm以下でセメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
また、前記ブレーン比表面積が2100cm2/g以上でセメント質硬化体の圧縮強度がより高くなり、2900cm2/g以下でセメント組成物の流動性が向上する。

0015

前記研磨処理には、セメント粒子を研磨処理できる公知の研磨処理装置を用いる。研磨処理装置は、市販の高速気流撹拌装置(例えば、奈良機械製作所社製、商品名「ハイブリタイザーNHS−3型」)等が挙げられる。
以下、高速気流撹拌装置について、図1に基づき詳しく説明する。
原料であるセメントは、高速気流撹拌装置10の上部の投入口14から、開閉弁18を開いた状態で投入され、投入した後は開閉弁18を閉じる。
投入されたセメントは、循環回路13の途中に設けられた循環回路の入口13aから循環回路13内に入り、その後、循環回路の出口13bから、被処理物を収容する空間である衝突室17内に入る。
セメントを投入した後、固定体であるステーター16の内部に配設されているローター(回転体)11を高速回転させて、ローター11及びローター11に固着されたブレード12により高速気流が発生し、衝突室17内のセメントが撹拌される。撹拌中、セメント粒子は、衝突室17内に設けられた、循環回路の入口13aから、循環回路13内に入り、衝突室17の中央部分に設けられた循環回路の出口13bから、再び衝突室17内に投入されて循環する。
なお、図1中、点線で示す矢印は、粒子(セメント粒子、並びに、研磨処理によって生じた粗粒子、及び微粒子を含む。)の流れを示す。

0016

撹拌によって、セメント粒子が衝突室17の内壁面、ローター11及びブレード12と衝突すること、並びに、セメント粒子同士が衝突することにより、セメント粒子が研磨処理されて、該粒子表面の角張った部分が丸みを帯びた形状に変化した粗粒子(粒径が20μm以上である粒子)、及び、微粒子(粒径が20μm未満である粒子)が生じる。

0017

ローター11の回転速度は、好ましくは3000〜4200rpm、より好ましくは3500〜4000rpmである。該回転速度が3000rpm以上でセメント組成物の流動性は向上し、4200rpmを超えるとセメント組成物の流動性の向上効果飽和する。また、高速気流撹拌装置の性能上、回転速度が4200rpmを超えるのは困難である。
研磨処理の時間は、好ましくは10〜60分間、より好ましくは20〜50分間、さらに好ましくは20〜40分間、特に好ましくは20〜30分間である。該時間が10分間以上でセメント組成物の流動性は向上し、60分間を超えるとセメント組成物の流動性の向上効果は飽和する。
得られたセメント研磨処理物(粗粒子と微粒子の混合物)は、排出弁19を開くことにより、排出口15から排出される。

0018

(b)シリカフューム
該シリカフュームのBET比表面積は、15〜25m2/g、好ましくは17〜23m2/g、より好ましくは18〜22m2/gである。該比表面積が15m2/g未満ではセメント質硬化体の圧縮強度が低下し、25m2/gを超えるとセメント組成物の流動性が低下する。

0019

(c)無機粉末
50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末は、例えば、石英粉末珪石粉末)、火山灰フライアッシュ分級又は粉砕したもの)、スラグ粉末石灰石粉末長石粉末ムライト類粉末、アルミナ粉末シリカゾル炭化物粉末、及び窒化物粉末から選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中でも、石英粉末又はフライアッシュが、セメント組成物の流動性を向上させ、セメント質硬化体の圧縮強度を高くするため好ましい。
なお、本明細書中、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末はセメントを含まない。

0020

無機粉末の50%体積累積粒径は、0.8〜5μm、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1.1〜3.5μm、さらに好ましくは1.2μm以上3μm未満である。該粒径が0.8μm未満ではセメント組成物の流動性が低下し、5μmを超えるとセメント質硬化体の圧縮強度が低下する。
無機粉末の50%体積累積粒径は、市販の粒度分布測定装置(例えば、日機装社製、製品名「マイクロトラックHRAモデル9320−X100」)を用いて求めることができる。
具体的には、粒度分布測定装置を用いて、累積粒度曲線を作成し、該累積粒度曲線から50%体積累積粒径を求めることができる。この際、試料を分散させる溶媒であるエタノール20cm3に対して、試料0.06gを添加し、90秒間、超音波分散装置(例えば、日本精機製作所社製、製品名「US300」)を用いて超音波分散した試料を測定する。

0021

無機粉末の最大粒径は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは14μm以下、さらに好ましくは13μm以下である。また、無機粉末の95%体積累積粒径は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは8μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは6μm以下である。

0022

無機粉末はSiO2を主成分とするもの(例えば、石英粉末)が好ましい。無機粉末中のSiO2の含有率は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くするためには、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。

0023

前記セメント組成物において、粉体原料100体積%中、セメントの含有率は55〜65体積%、好ましくは57〜63体積%である。該含有率が55体積%未満ではセメント質硬化体の圧縮強度が低下し、65体積%を超えるとセメント組成物の流動性が低下する。
また、粉体原料100体積%中、シリカフュームの含有率は5〜25体積%、好ましくは7〜23体積%である。該含有率が5体積%未満ではセメント質硬化体の圧縮強度が低下し、25体積%を超えるとセメント組成物の流動性が低下する。
粉体原料100体積%中、無機粉末の含有率は15〜35体積%、好ましくは17〜33体積%である。該含有率が15体積%未満では、セメント質硬化体の圧縮強度が低下し、35体積%を超えるとセメント組成物の流動性が低下する。

0024

(d)骨材A
該骨材Aは、川砂砂、海砂砕砂珪砂天然エメリー砂、人工細骨材(例えば、スラグ細骨材、フライアッシュ等を焼成してなる焼成細骨材人工エメリー砂、アルミナ又は炭化物(例えば、炭化ケイ素炭化ホウ素等)の粗砕物等)、再生細骨材、又はこれらの混合物等が挙げられる。
骨材Aの最大粒径は、1.2mm以下、好ましくは1.1mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。該最大粒径が1.2mm以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度は高い。
骨材Aの粒度分布は、セメント組成物の流動性とセメント質硬化体の圧縮強度が向上するため、0.6mm以下の粒径の骨材の含有率が95質量%以上、0.3mm以下の粒径の骨材の含有率が40〜50質量%、及び、0.15mm以下の粒径の骨材の含有率は6質量%以下が好ましい。
セメント組成物中の骨材Aの含有率は、好ましくは20〜40体積%、より好ましくは22〜38体積%、さらに好ましくは30〜37体積%、特に好ましくは32〜36体積%である。該含有率が20体積%以上でセメント組成物の発熱量とセメント質硬化体の収縮量は小さくなり、40体積%以下でセメント質硬化体の圧縮強度はより高くなる。

0025

(e)高性能減水剤
該高性能減水剤は、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の高性能減水剤が使用できる。これらの中でも、セメント組成物の流動性とセメント質硬化体の圧縮強度が向上することから、好ましくはポリカルボン酸系の高性能減水剤である。
高性能減水剤の配合量は、粉体原料100質量部に対して、固形分換算で、好ましくは0.2〜1.5質量部、より好ましくは0.4〜1.2質量部である。該量が0.2質量部以上で減水性能が向上してセメント組成物の流動性が高くなり、1.5質量部以下でセメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。

0026

(f)消泡剤
該消泡剤は市販品が使用できる。消泡剤の配合量は、粉体原料100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.07質量部、さらに好ましくは0.01〜0.05質量部である。該量が0.001質量部以上でセメント組成物の強度発現性は向上し、0.1質量部を超えると強度発現性の向上効果が頭打ちとなる。

0027

(g)水
該水は水道水等が使用できる。水の配合量は、粉体原料100質量部に対して、好ましくは10〜20質量部、より好ましくは11〜18質量部、さらに好ましくは14〜16質量部である。該量が10質量部以上でセメント組成物の流動性が向上し、20質量部以下でセメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。

0028

(h)繊維
セメント組成物は、セメント質硬化体の曲げ強度破壊エネルギー等を向上させる観点から、金属繊維、有機繊維、及び炭素繊維から選ばれる1種以上を含んでもよい。セメント組成物中の繊維の含有率は、好ましくは3体積%以下、より好ましくは0.3〜2.5体積%、さらに好ましくは0.5〜2.3体積%である。該含有率が3体積%以下であれば、セメント組成物の流動性や作業性が低下することなく、セメント質硬化体の曲げ強度や破壊エネルギー等が向上する。

0029

(h-1)金属繊維
該金属繊維は、鋼繊維ステンレス繊維、及びアモルファス繊維から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、鋼繊維は、強度に優れコストや入手のし易さから好適である。
金属繊維の寸法は、セメント組成物中における金属繊維の材料分離の防止や、セメント質硬化体の曲げ強度の向上の観点から、好ましくは直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mm、より好ましくは直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmである。また、金属繊維のアスペクト比繊維長繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
さらに、金属繊維の形状は、直線状よりも、何らかの物理的付着力を付与する形状(例えば、螺旋状や波形)であることが好ましい。螺旋状等の形状であれば、金属繊維とマトリックスとが、引き抜けながら応力担保するため、セメント質硬化体の曲げ強度が向上する。

0030

(h-2)有機繊維と炭素繊維
該有機繊維は、後述する本発明の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法における加熱に耐えうるものであればよく、例えば、アラミド繊維ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維ポリエチレン繊維ポリアリート繊維、ポリプロピレン繊維等が挙げられる。
また、炭素繊維はPAN系炭素繊維ピッチ系炭素繊維が挙げられる。
有機繊維及び炭素繊維の寸法は、セメント組成物中における繊維の材料分離の防止や、セメント質硬化体の破壊エネルギーの向上の観点から、好ましくは直径が0.005〜1.0mm、長さが2〜30mm、より好ましくは直径が0.01〜0.5mm、長さが5〜25mmである。また、有機繊維及び炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。

0031

(i)セメント組成物
該セメント組成物からなるモルタル(後述する骨材Bを含まないもの)の硬化前のフロー値は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した値(以下、「0打ちフロー値」ともいう。)として、好ましくは200mm以上、より好ましくは220mm以上である。該フロー値が200mm以上であれば、道路又は鉄道の防護工用部材を製造する際の作業性が向上する。
また、前記セメント組成物からなるモルタル(後述する骨材Bを含まないもの)の圧縮強度は、好ましくは330N/mm2以上、より好ましくは350N/mm2以上、さらに好ましくは370N/mm2以上、特に好ましくは400N/mm2以上である。
なお、前記骨材Aとして、修正モース硬度が9以上の骨材(例えば、天然または人工(人造)のエメリー砂、アルミナや炭化物の粗砕物等)を使用したセメント組成物からなるモルタル(後述する骨材Bを含まない。)の圧縮強度は、450N/mm2以上(特に、エメリー砂を用いると500N/mm2以上)になる。なお、修正モース硬度は、好ましくは9〜14、より好ましくは9〜13、さらに好ましくは10〜13、特に好ましくは11〜13である。

0032

(k)骨材B
本発明に用いるセメント組成物は、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含むことができる。
骨材Bは、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、天然エメリー砂、人工細骨材(例えば、スラグ細骨材、フライアッシュ等を焼成してなる焼成細骨材、及び人工エメリー砂)、再生細骨材、川砂利山砂利、陸砂利砕石人工粗骨材(例えば、スラグ粗骨材、フライアッシュ等を焼成してなる焼成粗骨材)、再生粗骨材、又はこれらの混合物等が挙げられる。
骨材Bの最大粒径は、好ましくは13mm以下、より好ましくは12mm以下、さらに好ましくは11mm以下、特に好ましくは10以下mmである。該最大粒径が13mm以下であれば、セメント組成物の強度発現性が向上し、例えば、300N/mm2以上の圧縮強度を発現できる。
また、骨材Bの最大粒径は、コストの低減等の観点から、1.2mmを超える値であり、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは7mm以上である。
なお、本明細書中、骨材Bの最大粒径が5mm以上の場合における「最大粒径」とは、骨材B全体の90質量%以上が通るふるいのうち、最小寸法のふるいの呼び寸法で示される骨材Bの粒径(一般に、粗骨材の最大粒径の定義として知られている)をいう。

0033

骨材Bの最小粒径は、好ましくは骨材Aの最大粒径を超える値であり、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上、特に好ましくは5mm以上(この場合、粗骨材に該当する。)である。
なお、本明細書中、骨材Bの最小粒径とは、骨材Bの中の最も粒径が小さいものから粒径が大きなものに向かって累積した場合において、骨材B全体の15質量%に達したときの骨材Bの粒径をいう。

0034

本発明において、セメント組成物中の骨材Aと骨材Bの合計量の含有率は、好ましくは25〜40体積%、より好ましくは28〜38体積%、さらに好ましくは30〜36体積%である。該含有率が25体積%以上でセメント組成物の発熱量とセメント質硬化体の収縮量が小さくなる。また、該含有率が40体積%以下でセメント組成物の強度発現性が向上する。
骨材Aと骨材Bの合計100体積%に対する骨材Bの含有率は、好ましくは40体積%以下、より好ましくは30体積%以下、さら好ましくは25体積%以下である。該含有率が40体積%以下で、セメント組成物の強度発現性(例えば、圧縮強度)が向上する。
骨材Bを含むセメント組成物の硬化体(例えば、コンクリート)の圧縮強度は、好ましくは300N/mm2以上、より好ましくは320N/mm2以上、さらに好ましくは340N/mm2以上、特に好ましくは360N/mm2以上である。

0035

以下、前記セメント組成物の硬化体からなる道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法について詳しく説明する。
本発明の道路又は鉄道の防護工用部材の製造方法は、前記セメント組成物を混練した後、型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る成形工程と、未硬化の成形体を、10〜40℃で24時間以上、封緘養生又は気中養生した後、型枠から脱型し、養生した成形体を得る常温養生工程と、養生した成形体を、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行い、加熱養生した成形体を得る加熱養生工程と、加熱養生後の成形体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、道路又は鉄道の防護工用部材(前記セメント組成物の硬化体)を得る高温加熱工程を含む。

0036

(A)成形工程
本工程は、前記セメント組成物を混練した後、型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る工程である。
打設を行う前に、セメント組成物を混練する方法は、特に限定されない。また、混練に用いる装置も特に限定されず、オムニミキサパン型ミキサ二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用できる。さらに、打設(成形)方法も特に限定されない。
また、本工程における未硬化の成形体は、セメント組成物中の気泡を低減又は除去したセメント組成物からなるものでもよい。セメント組成物中の気泡を低減又は除去することにより、セメント組成物の強度発現性はより向上する。
セメント組成物中の気泡を低減又は除去する方法は、(1)セメント組成物の混練を減圧下で行う方法、(2)混練後のセメント組成物を、型枠内に打設する前に減圧して脱泡する方法、又は(3)セメント組成物を型枠内に打設した後、減圧して脱泡する方法等が挙げられる。

0037

(B)常温養生工程
本工程は、未硬化の成形体を、10〜40℃(好ましくは15〜30℃)で24時間以上(好ましくは24〜96時間、より好ましくは24〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間)、封緘養生又は気中養生した後、型枠から脱型し、養生した成形体を得る工程である。
養生温度が10℃以上で養生時間をより短くでき、40℃以下でセメント質硬化体(道路又は鉄道の防護工用部材)の圧縮強度をより高くできる。
養生時間が24時間以上で、脱型の際に、硬化体に欠け割れ等の欠陥が生じにくくなる。
また、本工程において、養生した成形体が、好ましくは20〜100N/mm2、より好ましくは30〜80N/mm2の圧縮強度を発現したときに、硬化体を型枠から脱型するのが好ましい。該圧縮強度が20N/mm2以上で、脱型の際に、硬化体に欠けや割れ等の欠陥が生じ難く、100N/mm2以下で、後述する吸水工程において、少ない労力で硬化体に吸水させることができる。

0038

(C)加熱養生工程
本工程は、前工程で得られた養生した成形体を、70℃以上100℃未満(好ましくは75〜95℃、より好ましくは80〜92℃)で6時間以上の蒸気養生又は温水養生と、100〜200℃(好ましくは160〜190℃)で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方又は両方を行い、加熱養生した成形体を得る工程である。
本工程において、蒸気養生又は温水養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは24時間以上、より好ましくは24〜96時間、特に好ましくは36〜72時間である。オートクレーブ養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは8〜60時間、より好ましくは12〜48時間である。蒸気養生又は温水養生とオートクレーブ養生の両方を行う場合(例えば、蒸気養生又は温水養生を行った後、さらにオートクレーブ養生を行う場合)、蒸気養生又は温水養生における養生時間は、好ましくは6〜72時間、より好ましくは12〜48時間であり、オートクレーブ養生における養生時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは4〜18時間である。
本工程において、養生温度が前記範囲内であれば、養生時間を短縮でき、また、セメント質硬化体の圧縮強度が向上し、さらに養生時間が前記範囲内であれば、セメント質硬化体の圧縮強度が向上する。

0039

(D)高温加熱工程
本工程は、加熱養生した成形体を、150〜200℃(好ましくは170〜190℃)で24時間以上(好ましくは24〜72時間、より好ましくは36〜48時間)、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、道路又は鉄道の防護工用部材(前記セメント組成物の硬化体)を得る工程である。
本工程における加熱は、通常、乾燥雰囲気下(換言すると、水や水蒸気を人為的に供給しない状態)で行われる。
加熱温度が150℃以上で加熱時間をより短くでき、200℃以下でセメント質硬化体の圧縮強度がより向上する。また、加熱時間が24時間以上でセメント質硬化体の圧縮強度がより向上する。

0040

(E)吸水工程
常温養生工程と加熱養生工程の間に、常温養生工程で養生した成形体に吸水させる吸水工程を含んでもよい。
常温養生した成形体に吸水させる方法は、該成形体を水中に浸漬する方法が挙げられる。また、該成形体を水中に浸漬する方法において、短時間で吸水量を増やし、セメント質硬化体の圧縮強度を高くするためには、(1)該成形体を、減圧下の水中に浸漬する方法、(2)該成形体を、沸騰している水中に浸漬した後、該成形体を浸漬したまま、水温を40℃以下に低下させる方法、(3)該成形体を、沸騰している水の中に浸漬した後、該成形体を沸騰している水から取り出して、次いで、40℃以下の水に浸漬する方法、(4)該成形体を、加圧下の水中に浸漬する方法、又は(5)該成形体への水の浸透性が向上する薬剤が溶解した水溶液の中に、該成形体を浸漬する方法が好ましい。

0041

前記成形体を、減圧下の水の中に浸漬する方法は、真空ポンプや大型の減圧容器等の設備を利用する方法が挙げられる。
前記成形体を、沸騰している水の中に浸漬する方法は、高温高圧容器熱温水水槽等の設備を利用する方法が挙げられる。
前記養生した成形体を、減圧下の水又は沸騰している水中に浸漬させる時間は、吸水率を高くするため、好ましくは3分間以上、より好ましくは8分間以上、さらに好ましくは20分間以上である。該時間の上限は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くするため、好ましくは60分間、より好ましくは45分間である。

0042

吸水工程における吸水率は、セメント組成物が粗骨材を含まない場合(セメント組成物が骨材Bを含まない、又は、セメント組成物中の骨材Bが粗骨材(最小粒径が5mm以上)に該当しない場合)、φ50×100mmの硬化体100体積%に対する水の含有率は、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは0.3〜2.0体積%、さらに好ましくは0.35〜1.7体積%である。
また、セメント組成物が粗骨材を含む場合(セメント組成物中の骨材Bが粗骨材に該当する場合)、φ100×200mmの硬化体100体積%に対する水の含有率は、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは0.3〜2.0体積%、さらに好ましくは0.35〜1.7体積%である。これらの吸水率が0.2体積%以上でセメント質硬化体の圧縮強度をより高くできる。

0043

本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、高い圧縮強度を有するセメント質硬化体からなるため、ひび割れ等が発生しにくく、道路又は鉄道の防護工用部材の厚さを薄くでき、その結果、道路又は鉄道の防護工用部材を軽量化して、工賃を低減できる。
また、本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、耐摩耗性に優れている。例えば、「ASTMC779」に準拠して測定した60分経過後の前記セメント質硬化体のすりへり深さは、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。

0044

また、本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、遮水性、凍結融解抵抗性、及び遮煙性(例えば、道路又は鉄道の防護工用部材に塩化物イオン硫酸イオン浸透しにくい)に優れている。
また、本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、寸法安定性に優れている。例えば、「JIS A 1129−2:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法)」に準拠して測定した、40×40×160mmの供試体を6カ月間保存した後の前記セメント質硬化体の収縮ひずみは、好ましくは10×10−6以下、より好ましくは8×10−6以下、さらに好ましくは6×10−6以下である。
さらに、本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、高い曲げ強度を有する。例えば、前記セメント質硬化体が繊維を含む場合、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度及び曲げタフネス試験方法)」に準拠して測定した、前記セメント質硬化体の曲げ強度は、好ましくは20N/mm2以上、より好ましくは30N/mm2以上、さらに好ましくは35N/mm2以上である。

0045

本発明において防護工は、ロックシェッドやスノーシェッドが挙げられる。防護工は、従来から用いられている形状のものでよく、例えば、(1)スラブ部材屋根の部分)と柱部材からなるロックシェッドやスノーシェッド、(2)アーチ部材からなるスノーシェッドが挙げられる。
本発明の防護工用部材を用いて、前記(1)ロックシェッドやスノーシェッドを構築する場合は、該部材の使用箇所はスラブ部材(屋根の部分)と柱部材が挙げられ、該部材を用いてスラブ部材のみ、又はスラブ部材及び柱部材を製造してもよい。また、(2)スノーシェッドを構築する場合は、該部材の使用箇所はアーチ部材が挙げられる。

0046

本発明の防護工用部材が、ロックシェッド構築用のスラブ部材の場合、その厚さは、強度や耐衝撃性の観点から、好ましくは6cm以上、より好ましくは8cm以上、さらに好ましくは10cm以上であり、製造の容易性や軽量化による作業性の向上の観点から、好ましくは30cm以下、より好ましくは25cm以下、さらに好ましくは20cm以下である。また、縦と横の長さは、取り扱い易さの観点から、好ましくは3m以下、より好ましくは2.5m以下、さらに好ましくは2m以下であり、作業の効率の観点からは、好ましくは1m以上、より好ましくは1.5m以上、さらに好ましくは2m以上である。
なお、ロックシェッドのスラブ(屋根)の厚さが30cm以上であれば、スラブ部材を重ねてスラブ(屋根)を構築するとよい。

0047

本発明の防護工用部材が、ロックシェッドやスノーシェッド構築用の柱部材の場合、強度や耐衝撃性の観点から、1辺が10〜50cmの角柱又は直径が10〜50cmの円柱とすることが好ましい。なお、当該柱部材の高さは、構築するロックシェッドやスノーシェッドの高さに応じて定めることができるが、概ね4〜7mが好ましい。

0048

本発明の防護工用部材が、スノーシェッド構築用のスラブ部材やアーチ部材の場合、その厚さは、強度や耐衝撃性の観点から、好ましくは4cm以上、より好ましくは6cm以上、さらに好ましくは8cm以上であり、製造の容易性や軽量化による作業性の向上の観点から、好ましくは25cm以下、より好ましくは20cm以下、さらに好ましくは15cm以下である。また、縦と横の長さは、取り扱い易さの観点から、好ましくは3m以下、より好ましくは2.5m以下、さらに好ましくは2m以下であり、作業の効率の観点から、好ましくは1m以上、より好ましくは1.5m以上、さらに好ましくは2m以上である。

0049

本発明の防護工用部材が、ロックシェッド構築用のスラブ部材の場合、当該部材の引張強度せん断強度の向上の観点から、当該部材にプレストレスを導入することが好ましい。プレストレスを導入する方法は、従来から行われているプレテンション方式ポストテンション方式のいずれを用いてもよいが、製造の容易性等の観点から、高温加熱後のスラブ部材にプレストレスを導入するポストテンション方式が好ましい。

0050

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
使用材料
実施例1〜17及び比較例1で使用した材料を以下に示す。
(1)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)シリカフュームA:BET比表面積20m2/g
(3)シリカフュームB:BET比表面積17m2/g
(4)無機粉末A:珪石粉末、50%体積累積粒径2μm、最大粒径12μm、95%体積累積粒径5.8μm
(5)無機粉末B:珪石粉末、50%体積累積粒径7μm、最大粒径67μm、95%体積累積粒径27μm
(6)骨材A1(細骨材):珪砂
最大粒径1.0mmで、0.6mm以下が98質量%、0.3mm以下が45質量%、0.15mm以下が3質量%に粒度分布を調整した。
(7)骨材A2(細骨材):人工エメリー砂(宇治電化学工業社製、修正モース硬度:12)
最大粒径1.0mmで、粒径0.6mm以下が96質量%、粒径0.3mm以下が46質量%、粒径0.15mm以下が1質量%に粒度分布を調整した。
(8)ポリカルボン酸系高性能減水剤:固形分量27.4質量%、フローリック社製、商品名「フローリックSF500U」[登録商標
(9)消泡剤:BASFジャパン社製、商品名「マスターエア404」[登録商標]
(10)水:水道水
(11)金属繊維:鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(12)骨材B(粗骨材):硬質砂岩砕石1005(粒径:5〜10mm)

0051

[実施例1]
粉体原料100体積%中、セメント等の含有率が表2の実施例1に示す量となるように混合してなる混合物と、セメント組成物中の骨材A1の含有率が表2に示す量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次に、表2に示す量の水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、オムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。そして、混練後のセメント組成物の0打ちフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。

0052

得られた混練物を、φ50×100mmの円筒形の型枠に打設した後、20℃で48時間、封緘養生を行い、次いで、脱型して成形体を得た。なお、脱型時の圧縮強度は50N/mm2であった。
この成形体を、表3に示す時間、減圧したデシケーター内で水に浸漬した(表3中、「減圧下」と示す。)。なお、減圧は、アズワン社製の「アスピレーター(AS−01)」を使用した。浸漬前後の成形体の質量を測定し、得られた測定値から、吸水率を算出した。
浸漬後、この成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃まで降温した後、180℃で48時間加熱を行った。
セメント質硬化体()の圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。
また、該セメント質硬化体と同様にして、30×30×6cmの供試体を製造し、「ASTMC779」に準拠して、60分経過後のすりへり深さを測定した。
0打ちフロー値、吸水率、圧縮強度、及びすへり深さの各値を表3に示す。なお、後述の実施例、比較例における0打ちフロー値、吸水率、圧縮強度、及びすりへり深さ等の各値も表3に示す。

0053

[実施例2]
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mm2であった。

0054

[実施例3]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、沸騰水に、表3に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。

0055

[実施例4]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例2と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。

0056

[実施例5]
シリカフュームAの含有率を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの含有率を30体積%から20体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は50N/mm2であった。

0057

また、前記セメント質硬化体と同様にして、40×40×160mmの供試体を製造し、「JIS A 1129−2:2010モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法」に準拠して、6か月保存した場合における収縮ひずみを測定した。
また、得られたセメント質硬化体の透水係数を、「地盤工学会基準JGS 0311−2009(土の透水試験方法)」の変水位透水試験方法に準じて測定した。その結果、水の浸透は認められず、透水係数は「0」であった。
また、得られたセメント質硬化体を人工海水に6カ月間浸漬した。なお、人工海水は表1に示す各試薬を、表1に示す量で蒸留水に溶解することで調製した。
浸漬後、セメント質硬化体中の塩化物イオンの濃度を、EPMA(日本電子社製)を用いて測定し、塩化物イオンの拡散係数(表3中、「拡散係数」で示す。)を算出した。
さらに、得られたセメント質硬化体に対して、「JIS A 1148(コンクリートの凍結溶解試験方法)」に準拠して測定した値を用いて、「ASTMC666 75」の耐久性指数(300サイクル)を算出した。なお、耐久性指数は、最大値が100であり、最大値に近いほど凍結融解抵抗性に優れている。

0058

0059

[実施例6]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例5と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。

0060

[実施例7]
シリカフュームAの含有率を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの含有率を30体積%から20体積%に変更した以外は、実施例2と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mm2であった。

0061

[実施例8]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様にして沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例7と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度及びすりへり深さの測定を行った。
また、実施例5と同様にして、収縮ひずみ及び透水係数の測定、並びに、塩化物イオンの拡散係数及び耐久性指数の算出を行った。

0062

[実施例9]
前記粉体原料の合計100体積%中、セメント等の各含有率が表2に示す量となるように混合した。得られた混合物と、セメント組成物中の骨材A1の含有率が表2に示す量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練を行った後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。その後、セメント組成物中の金属繊維の含有率が表2に示す量の金属繊維を、オムニミキサに投入して、さらに2分間混練を行った。
得られたセメント組成物について、実施例1と同様にして、0打ちフロー値を測定した。
また、得られたセメント組成物を用いて、実施例1と同様の方法で、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体について、実施例1と同様にして、吸水率及び圧縮強度を測定した。
さらに、得られたセメント質硬化体の曲げ強度を、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度及び曲げタフネス試験方法)」に準じて測定した。

0063

[実施例10]
金属繊維の含有率を2.2体積%から2.0体積%に変更し、かつ、脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例9と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
セメント組成物及びセメント質硬化体について、実施例9と同様にして、各種物性を測定した。
また、実施例5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数、及び耐久性指数を算出した。
さらに、前記セメント質硬化体と同様にして、縦550mm×横100mm×厚さ25mmの平板供試体を製造し、該平板供試体の中央部に、図2に示すように鋼製重錘(質量20kg、先端直径200mm)を1回目が10cm、2回目が20cm、3回目が30cmと、落下高さを変えて(高くして)自由落下させて繰返し載荷を加え、何回目の落下で平板が破断するかで耐衝撃性を評価した。その結果、5回目(落下高さは50cm)の落下で平板供試体は破断した。

0064

[実施例11]
金属繊維の含有率を2.0体積%から1.0体積%に変更した以外は実施例10のセメント組成物と同様の配合で、セメント組成物を製造した。
セメント組成物及びセメント質硬化体について、実施例9と同様にして、各種物性を測定した。
さらに、実施例11のセメント組成物を用いて、実施例10と同様にして、平板供試体を製造し、耐衝撃性を評価した。その結果、3回目(落下高さは30cm)の落下で平板供試体は破断した。

0065

[実施例12]
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から11質量部に変更し、骨材A1の配合量を35.5体積%から30.0体積%に変更し、高性能減水剤の配合量を0.69質量部から0.76質量部に変更し、かつ、成形体を水に浸漬しなかった以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は54N/mm2であった。

0066

[実施例13]
脱型後の成形体を沸騰水に、表3に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した以外は、実施例12と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度等の測定を行った。
また、実施例5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数、及び耐久性指数の算出等を行った。

0067

[実施例14]
骨材A1の配合量を、30.0体積%から24.0体積%に変更し、セメント組成物中の骨材Bの含有率が6.0体積%となる量の骨材Bを使用した以外は実施例12のセメント組成物と同様の配合で、セメント組成物を製造した。
セメント組成物の製造は、実施例1と同様にして、各材料(粉体原料、骨材A1、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤)を混練した後、さらに骨材Bをオムニミキサに投入して、1分間混練することにより行った。
得られたセメント組成物(混練物)を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設し、かつ、成形体を水に浸漬しなかった以外は実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント質硬化体の圧縮強度等を測定した。なお、脱型時の圧縮強度は43N/mm2であった。

0068

[実施例15]
骨材A1の含有率を、35.5体積%から28.5体積%に変更し、セメント組成物中の骨材Bの含有率が7.0体積%となる量の骨材Bを使用した以外は実施例8のセメント組成物と同様の配合で、セメント組成物を製造した。
セメント組成物の製造は、実施例1と同様にして、各材料(粉体原料、骨材A1、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤)を混練した後、さらに、骨材Bをオムニミキサに投入して、1分間混練することで行った。
得られたセメント組成物(混練物)を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設する以外は実施例8と同様にして、セメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出及びセメント質硬化体の圧縮強度等の測定を行った。なお、脱型時の圧縮強度は37N/mm2であった。
また、実施例5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数、及び耐久性指数等の算出を行った。

0069

[実施例16]
骨材A1の代わりに骨材A2を使用した以外は、実施例4と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値及び圧縮強度の測定を行った。なお、脱型時の圧縮強度は47N/mm2であった。

0070

[実施例17]
骨材A1の代わりに骨材A2を使用した以外は、実施例12と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値及び圧縮強度の測定を行った。なお、脱型時の圧縮強度は55N/mm2であった。

0071

[比較例1]
粉体原料100体積%中、セメント等の含有率が表2の比較例1に示す量となるように混合してなる混合物と、セメント組成物中の骨材A1の含有率が表2に示す量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。得られた混練物を用いて、実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
そして、セメント組成物及びセメント質硬化体について、実施例1と同様にして、前記各物性を測定又は算出した。
さらに、比較例1のセメント組成物を用いて、実施例10と同様にして、平板供試体を製造し、耐衝撃性を評価した。その結果、1回目(落下高さは10cm)の落下で平板供試体は破断した。

0072

0073

実施例

0074

試験結果の評価]
(1)強度について
表3から、骨材A1、A2を含むが骨材B(粗骨材)は含まない実施例1〜13、16、17のセメント質硬化体の圧縮強度は350N/mm2以上と高い。特に、実施例9、10(セメント組成物が金属繊維を含むもの)は、得られたセメント質硬化体の圧縮強度が445N/mm2以上で、著しく高く、かつ、曲げ強度が41N/mm2以上である。
また、骨材Bを含む場合(実施例14、15)であっても、セメント質硬化体の圧縮強度は333N/mm2以上と高い。
(2)耐摩耗性、収縮ひずみ、透水係数等について
実施例1、2、5、8、10、13、15のセメント質硬化体のすりへり深さは0.37mm以下と小さい。また、実施例5、8のセメント質硬化体の収縮ひずみは5×10−6以下と小さい。さらに、実施例5、8、10、13、15のセメント質硬化体の透水係数、塩化物イオンの拡散係数、耐久性指数から、得られたセメント質硬化体が遮水性、遮塩性、及び凍結融解抵抗性に優れていることがわかる。
(3)耐衝撃性について
金属繊維を含む実施例10、11のセメント質硬化体は、それぞれ5回目と3回目の落下で破断し、下記比較例1と比べ耐衝撃性は高い。
一方、比較例1のセメント質硬化体の圧縮強度は290N/mm2であり、実施例1〜17と比べて低い。また、比較例1のセメント質硬化体のすりへり深さは0.57mmで、実施例と比べて大きい。また、比較例1のセメント質硬化体の耐衝撃性は1回目の落下で破断したため、耐衝撃性は低い。
これらの結果から、本発明の道路又は鉄道の防護工用部材は、高い強度と耐衝撃性を有し、耐摩耗性、寸法安定性、遮水性、凍結融解抵抗性、及び遮塩性等の耐久性に優れていることがわかる。

0075

10高速気流撹拌装置
11ローター
12ブレード
13循環回路
13a 循環回路の入口
13b 循環回路の出口
14投入口
15 排出口
16ステーター
17衝突室
18開閉弁
19 排出弁

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