図面 (/)

技術 車両用外装ビーム

出願人 三菱アルミニウム株式会社
発明者 田坂直樹
出願日 2016年6月21日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-122270
公開日 2017年12月28日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-226266
状態 特許登録済
技術分野 車両用バンパ
主要キーワード 締結プレート 構造解析ソフト 変形抑制効果 衝撃解析 衝突面側 部品どうし JIS規格 衝突解析
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

高精度の寸法管理を可能とし、衝突に対する十分な耐荷重性能を維持でき、軽量化を図ることができる車両用外装ビームを提供する。

解決手段

前壁11と後壁12とのそれぞれに取付孔21f,21bが前後の重なる位置に形成され、取付孔21f,21bに隣接してフレーム部材10の長さ方向の途中を曲げた曲げ部22l,22rが形成されており、前壁11と上壁13及び下壁14との連結部には前壁11に向かうにつれて上壁13及び下壁14の厚みを増して形成される前側テーパ部16t,16bが設けられ、後壁12と上壁13及び下壁14との連結部には後壁12に向かうにつれて上壁13及び下壁14の厚みを増して形成される後側テーパ部17t,17bが設けられ、幅W0が60mm以上160mm以下とされ、かつ、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上3.9以下の範囲に設定される。

概要

背景

一般的なトラック等の車高の高い車両には、車高の低い乗用車等が衝突した際の潜り込みを防止するために、車両前後の下方位置に、FUP(Front Under‐run Protector)又はRUP(Rear Under‐run Protector)と称される車両用外装ビームが設けられている。そして、これらの車両用外装ビームは、ほぼ角筒状のフレーム部材により形成されており、衝突時の変形を防止するために、板厚を厚くしたり、内部に補強部材を設けたりするなどして種々の工夫がなされている。しかし、車両用外装ビームの板厚を一律に厚くする等した場合は、重量の増加、および製造コストの増加が問題となる。

そこで、例えば特許文献1〜3に記載されるように、車両用外装ビームの板厚を部分的に増加させることで、軽量化を犠牲にすることなく補強することが行われている。
例えば、特許文献1の車両用外装ビーム(バンパビーム)は、前側フランジ後側フランジとの間を接続するウェブが、前側フランジとの接続部から前側フランジと後側フランジとの中間部まで徐々に板厚が減少して設けられるとともに、中間部から後側フランジ部との接続部まで一定の板厚となるように形成されている。また、前側フランジの板厚が、後側フランジとの接続部におけるウェブの板厚よりも大きく形成されている。特許文献1には、上記の構成とすることで、重量増加を抑えながら、前側フランジ座屈の発生を防ぐことが記載されている。

また、特許文献2には、車両用外装ビーム(自動車用バンパーリーンフォースメント)は、前フランジの下半分側と後フランジの上半分側との肉厚を、前フランジの上半分側と後フランジの下半分側との肉厚よりも部分的に厚くすることで、軽量化を犠牲にせずに曲げに対する断面係数及び塑性断面係数を高めることが記載されている。
さらに、特許文献3には、車両用外装ビーム(アンダーランプロテクタ)は、中空材を構成する略水平面の板厚を中空材の長手方向中心線より車体フレームの反対側の略水平面の板厚よりも厚くすることにより、軽量かつ十分な強度を有することが記載されている。

概要

高精度の寸法管理を可能とし、衝突に対する十分な耐荷重性能を維持でき、軽量化をることができる車両用外装ビームを提供する。前壁11と後壁12とのそれぞれに取付孔21f,21bが前後の重なる位置に形成され、取付孔21f,21bに隣接してフレーム部材10の長さ方向の途中を曲げた曲げ部22l,22rが形成されており、前壁11と上壁13及び下壁14との連結部には前壁11に向かうにつれて上壁13及び下壁14の厚みを増して形成される前側テーパ部16t,16bが設けられ、後壁12と上壁13及び下壁14との連結部には後壁12に向かうにつれて上壁13及び下壁14の厚みを増して形成される後側テーパ部17t,17bが設けられ、幅W0が60mm以上160mm以下とされ、かつ、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上3.9以下の範囲に設定される。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高精度の寸法管理を可能とし、衝突に対する十分な耐荷重性能を維持でき、全体として軽量化を図ることができる車両用外装ビームを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

車両側に配置される後壁と、その前方に配置される前壁と、これらの上方を閉塞する上壁と、下方を閉塞する下壁と、前記後壁と前記前壁の中央を接続する中壁とを有して、前記車両の幅方向に沿って配置される中空形状のフレーム部材からなり、前記前壁と前記後壁とのそれぞれに周辺部品を挿入して設置するための取付孔が前後の重なる位置に形成され、前記前壁と前記後壁とに形成された前記取付孔に隣接して前記フレーム部材の長さ方向の途中を曲げた曲げ部が形成されており、前記前壁と前記上壁及び前記下壁との連結部には、前記前壁に向かうにつれて前記上壁及び前記下壁の厚みを増して形成される前側テーパ部が設けられ、前記後壁と前記上壁及び前記下壁との連結部には、前記後壁に向かうにつれて前記上壁及び前記下壁の厚みを増して形成される後側テーパ部が設けられ、前記上壁及び下壁の前後方向に沿う幅をW0、前記前側テーパ部の前後方向に沿う幅をW1、前記後側テーパ部の前後方向に沿う幅をW2、前記前側テーパ部を除く部分の前記上壁又は前記下壁の内面と前記前側テーパ部の傾斜面とがなす角度をθ1、前記後側テーパ部を除く部分の前記上壁又は前記下壁の内面と前記後側テーパ部の傾斜面とがなす角度をθ2としたときに、前記幅W0が60mm以上160mm以下とされ、かつ、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上3.9以下の範囲に設定されることを特徴とする車両用外装ビーム

請求項2

前記幅W1は前記幅W2よりも大きく設けられるとともに、前記幅W0と前記幅W1との比率(W1/W0)が0.18以上0.5以下とされ、前記幅W0と前記幅W2との比率(W2/W0)が0.1以上0.18以下とされており、前記角度θ1は前記角度θ2よりも大きく設けられるとともに、前記角度θ1が20°以上50°以下とされ、前記角度θ2が5°以上20°以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の車両用外装ビーム。

請求項3

前記上壁は、前記下壁よりも板厚が大きく設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用外装ビーム。

技術分野

0001

本発明は、車両同士が衝突した際の潜り込みを防止するために車両に配置される車両用外装ビームに関する。

背景技術

0002

一般的なトラック等の車高の高い車両には、車高の低い乗用車等が衝突した際の潜り込みを防止するために、車両前後の下方位置に、FUP(Front Under‐run Protector)又はRUP(Rear Under‐run Protector)と称される車両用外装ビームが設けられている。そして、これらの車両用外装ビームは、ほぼ角筒状のフレーム部材により形成されており、衝突時の変形を防止するために、板厚を厚くしたり、内部に補強部材を設けたりするなどして種々の工夫がなされている。しかし、車両用外装ビームの板厚を一律に厚くする等した場合は、重量の増加、および製造コストの増加が問題となる。

0003

そこで、例えば特許文献1〜3に記載されるように、車両用外装ビームの板厚を部分的に増加させることで、軽量化を犠牲にすることなく補強することが行われている。
例えば、特許文献1の車両用外装ビーム(バンパビーム)は、前側フランジ後側フランジとの間を接続するウェブが、前側フランジとの接続部から前側フランジと後側フランジとの中間部まで徐々に板厚が減少して設けられるとともに、中間部から後側フランジ部との接続部まで一定の板厚となるように形成されている。また、前側フランジの板厚が、後側フランジとの接続部におけるウェブの板厚よりも大きく形成されている。特許文献1には、上記の構成とすることで、重量増加を抑えながら、前側フランジ座屈の発生を防ぐことが記載されている。

0004

また、特許文献2には、車両用外装ビーム(自動車用バンパーリーンフォースメント)は、前フランジの下半分側と後フランジの上半分側との肉厚を、前フランジの上半分側と後フランジの下半分側との肉厚よりも部分的に厚くすることで、軽量化を犠牲にせずに曲げに対する断面係数及び塑性断面係数を高めることが記載されている。
さらに、特許文献3には、車両用外装ビーム(アンダーランプロテクタ)は、中空材を構成する略水平面の板厚を中空材の長手方向中心線より車体フレームの反対側の略水平面の板厚よりも厚くすることにより、軽量かつ十分な強度を有することが記載されている。

先行技術

0005

特開2010‐228685号公報
特開2014‐189054号公報
国際公開第2012/081176号

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、車両用外装ビームには、前照灯等の周辺部品取付けられることがあり、その周辺部品の設置面においては、高度の寸法精度が要求される。また、周辺部品を取り付けるために、車両用外装ビームの衝突側前壁車両側後壁とに大規模取付孔を設けた場合には、前壁と後壁の残留肉部が僅かになり、曲げ加工時の変形が生じ易くなるため、寸法精度を維持することが難しくなる。さらに、周辺部品の取付孔が形成されることで、車両用外装ビームの衝突に対する十分な耐荷重性能を維持することが難しくなる。

0007

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高精度の寸法管理を可能とし、衝突に対する十分な耐荷重性能を維持でき、全体として軽量化を図ることができる車両用外装ビームを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の車両用外装ビームは、車両側に配置される後壁と、その前方に配置される前壁と、これらの上方を閉塞する上壁と、下方を閉塞する下壁と、前記後壁と前記前壁の中央を接続する中壁とを有して、前記車両の幅方向に沿って配置される中空形状のフレーム部材からなり、前記前壁と前記後壁とのそれぞれに周辺部品を挿入して設置するための取付孔が前後の重なる位置に形成され、前記前壁と前記後壁とに形成された前記取付孔に隣接して前記フレーム部材の長さ方向の途中を曲げた曲げ部が形成されており、前記前壁と前記上壁及び前記下壁との連結部には、前記前壁に向かうにつれて前記上壁及び前記下壁の厚みを増して形成される前側テーパ部が設けられ、前記後壁と前記上壁及び前記下壁との連結部には、前記後壁に向かうにつれて前記上壁及び前記下壁の厚みを増して形成される後側テーパ部が設けられ、前記上壁及び下壁の前後方向に沿う幅をW0、前記前側テーパ部の前後方向に沿う幅をW1、前記後側テーパ部の前後方向に沿う幅をW2、前記前側テーパ部を除く部分の前記上壁又は前記下壁の内面と前記前側テーパ部の傾斜面とがなす角度をθ1、前記後側テーパ部を除く部分の前記上壁又は前記下壁の内面と前記後側テーパ部の傾斜面とがなす角度をθ2としたときに、前記幅W0が60mm以上160mm以下とされ、かつ、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上3.9以下の範囲に設定される。

0009

前壁と後壁とに周辺部品の取付孔を形成すると、前壁と後壁の取付孔周辺がフレーム部材の曲げ加工時において変形を生じさせ易くなるが、本発明の車両用外装ビームにおいては、前壁と上壁及び下壁との連結部に前側テーパ部を設けるとともに、後壁と上壁及び下壁との連結部に後側テーパ部を設けて、前後の両側の連結部を厚肉にすることで、曲げ加工時に生じる外側(上側又は下側)への変形(膨らみ)を抑制することができる。
車両衝突前の状態で、上壁及び下壁に外側に膨らむような変形があると、車両衝突時に変形を増幅させるおそれがあるが、本発明の車両用外装ビームにおいては、上壁及び下壁の膨らみを抑制できるので、衝突に対する十分な耐荷重性能を確保できる。また、このように上壁及び下壁の膨らみが抑制されることから、高精度の寸法管理を行うことができ、周辺部品の取付けを良好に行うことができる。また、上壁及び下壁の幅方向中央は薄肉に形成することで、重量の増加を抑えて全体として軽量化を図ることができる。
この場合、前側テーパ部と後側テーパ部は、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}を1.3以上、すなわち、衝突面側の前壁との連結部における上壁及び下壁の板厚を、後壁との連結部における上壁及び下壁の板厚よりも厚く形成することで、車両衝突時の変形抑制の効果を高めるとともに、全体の重量増加を抑制できる。そして、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3未満では、曲げ加工時の上壁及び下壁の変形抑制効果が薄れる。また、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が3.9を超えると、必要以上に厚肉となることで、重量が増加する。
なお、上壁及び下壁の幅W0、すなわち車両用外装ビームの幅W0が60mm未満では、断面の曲げ剛性自体が低く、取付孔を設けない状態においても強度が不足する。また、幅W0が160mmを超えると、所定の設置スペースに配置することが難しくなる。

0010

本発明の車両用外装ビームにおいて、前記幅W1は前記幅W2よりも大きく設けられるとともに、前記幅W0と前記幅W1との比率(W1/W0)が0.18を以上0.5以下とされ、前記幅W0と前記幅W2との比率(W2/W0)が0.1以上0.18以下とされており、前記角度θ1は前記角度θ2よりも大きく設けられるとともに、前記角度θ1が20°以上50°以下とされ、前記角度θ2が5°以上20°以下とされているとよい。

0011

幅W1を幅W2よりも大きく形成することで、曲げ加工時の上壁と下壁の変形抑制効果が得られ、且つ、電装部品が設置される上壁の平坦度をより向上させることができる。
比率(W1/W0)が0.18未満では、曲げ加工時の上壁と下壁の変形が大きくなり、寸法精度不良が生じるおそれがある。比率(W1/W0)が0.5を超える場合では、必要以上に厚肉となることで、重量が増加する。比率(W2/W0)が0.1未満では、上壁と下壁の変形が大きくなり、寸法精度不良が生じるおそれがある。比率(W2/W0)が0.18を超える場合では、必要以上に厚肉となることで、重量が増加する。
また、角度θ1を角度θ2よりも大きく形成することで、曲げ加工時の上壁と下壁の中央への移動(寸法精度の悪化)を最小限に抑えることができる。
角度θ1が20°未満では曲げ加工時の上壁と下壁の変形抑制効果が薄く、50°を超える場合では必要以上に厚肉となり重量が増加する。角度θ2が5°未満では曲げ加工時の上壁と下壁の変形抑制効果が薄く、20°を超える場合では必要以上に厚肉となり重量が増加する。

0012

本発明の車両用外装ビームにおいて、前記上壁は、前記下壁よりも板厚が大きく設けられているとよい。
この場合、上壁の上面の平坦度を向上させることができ、周辺部品の取付けを良好に行うことができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、車両用外装ビームの衝突側の前壁と車両側の後壁にと大規模な取付孔を設けた場合であっても、高精度の寸法管理を可能とし、衝突に対する十分な耐荷重性能を確保でき、全体として軽量化を図ることができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施形態の車両用外装ビームを示す斜視図である。
図1に示す車両用外装ビームの要部である。
図1に示す車両用外装ビームの断面図である。
図1に示す車両用外装ビームを車両に取り付けた状態の斜視図である。

0015

以下、本発明の車両用外装ビームの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の車両用外装ビーム100は、図4に示すように、車両(図示略)の前方部又は後方部の下方位置において、車両の幅方向に沿って配置される中空形状のフレーム部材10からなり、この車両用外装ビーム100はステー31を介して車両に取り付けられる。そして、図4荷重Fで示すように、車両がフレーム部材10の前壁(正面)11に衝突して負荷が加えられた際に、車両の潜り込みを防止するものである。

0016

フレーム部材10は、アルミニウム合金押出成形等によって図3に示すように、車両側に配置される後壁12と、その前方に配置される前壁11と、これらの上方を閉塞する上壁13と、下方を閉塞する下壁14と、後壁12と前壁11の中央を接続する中壁15とを有する角筒状に形成されており、フレーム部材10の断面は、日の字型に形成されている。また、フレーム部材10は、取付けられる車両の幅寸法と同程度の長さに形成されており、その幅方向の両側部には、図2及び図4に示すように、前壁11と後壁12とのそれぞれに周辺部品52を挿入して設置するための取付孔21f,21bが前後の重なる位置に形成されている。

0017

また、フレーム部材10には、図4に示すように、その両端部が車両側に向いて曲がった状態となるように長さ方向の途中を曲げた曲げ部22l,22rが形成されている。曲げ部22l,22rは、前壁11と後壁12とに形成された取付孔21f,21bに隣接して形成されている。このフレーム部材10の曲げ部22l,22rは、曲げ加工などによって成形されるが、詳細については後述する。
なお、フレーム部材10の材料としては、例えば6000系合金又は7000系合金のアルミニウムが適している。

0018

フレーム部材10の前壁11と後壁12とは、図3に示すように平行に立設され、上壁13、下壁14及び中壁15は、これら前壁11及び後壁12に直交して配置される。したがって、前壁11と後壁12とは同じ高さH0に形成され、上壁13、下壁14及び中壁15は同じ幅W0に形成されている。
また、図3に示すように、前壁11と上壁13及び下壁14との連結部には、前壁11に向かうにつれて上壁13及び下壁14の厚みを増して形成される前側テーパ部16t,16bが設けられている。また、後壁12と上壁13及び下壁14との連結部には、後壁12に向かうにつれて上壁13及び下壁14の厚みを増して形成される後側テーパ部17t,17bが設けられている。このように、フレーム部材10の外形は略矩形に形成されるが、内側の中空部18t,18bは、前側テーパ部16t,16bと後側テーパ部17t,17bとにより矩形の角部が削られた形状とされる。また、中空部18t,18bを囲むそれぞれの形状の連結部は、丸みを帯びた円弧状に形成され、滑らかに連結されている。

0019

そして、これら前側テーパ部16t,16bと後側テーパ部17t,17bとは、図3に示すように、前壁11及び後壁12の上下方向に沿う高さをH0、上壁13及び下壁14の前後方向に沿う幅をW0、前側テーパ部16t,16bの前後方向に沿う幅をW1、後側テーパ部17t,17bの前後方向に沿う幅をW2、前側テーパ部16t,16bを除く部分の上壁13又は下壁14の内面と前側テーパ部16t,16bの傾斜面とがなす角度をθ1、後側テーパ部17t,17bを除く部分の上壁13又は下壁14の内面と後側テーパ部17t,17bの傾斜面とがなす角度をθ2としたときに、高さH0が100mm以上200mm以下とされ、幅W0が60mm以上160mm以下とされ、かつ、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上3.9以下の範囲に設定される。すなわち、前側テーパ部16t,16bを設けた衝突面側の前壁11との連結部における上壁13及び下壁14の板厚(W1×tanθ1)が、後側テーパ部17t,17bを設けた後壁12との連結部における上壁13及び下壁14の板厚(W2×tanθ2)よりも厚く形成されている。

0020

また、前側テーパ部16t,16bの幅W1は後側テーパ部17t,17bの幅W2よりも大きく設けられるとともに、幅W0と幅W1との比率(W1/W0)が0.18以上0.5以下とされ、幅W0と幅W2との比率(W2/W0)が0.1以上0.18以下とされている。
また、前側テーパ部16t,16bの角度θ1は後側テーパ部17t,17bの角度θ2よりも大きく設けられるとともに、角度θ1が20°以上50°以下とされ、角度θ2が5°以上20°以下とされている。

0021

なお、前壁11と上壁13との連結部に設けられる前側テーパ部16tの角度θ1と、前壁11と下壁14との連結部に設けられる前側テーパ部16bの角度θ1とは、必ずしも同じ大きさとすることに限定されるものではない。すなわち、前壁11の上下で前側テーパ部16t,16bの角度θ1の大きさを異なる角度で形成してもよい。また同様に、後壁12の上下で後側テーパ部17t,17bの角度θ2の大きさを異なる角度で形成してもよい。この場合、上壁13においては、その前側テーパ部16tと後側テーパ部17tとの関係が、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上3.9以下の範囲を満足するように設定される。また、下壁14においても、その前側テーパ部16bと後側テーパ部17bとの関係が、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上3.9以下の範囲を満足するように設定される。

0022

なお、フレーム部材10の外形寸法は、高さH0が前述したように100mm以上200mm以下、幅W0は前述したように60mm以上160mm以下とされている。また、フレーム部材10の各壁において最も薄い部位の板厚は、前壁11の板厚t1が5mm以上7mm以下、後壁12の板厚t2が5mm以上7mm以下とされ、上壁13の板厚t3が3mm以上て5mm以下、下壁14の板厚t4が3mm以上5mm以下、中壁15の板厚t5が3mm以上5mm以下とされ、上壁13の板厚t3は下壁14の板厚t4よりも大きく形成される。
さらに、後壁12の内面に、締結プレート53の幅に合わせた凹溝部19を設け、中空部18t,18b内に締結プレート53の設置面が形成されている。

0023

そして、車両用外装ビーム100は、上記範囲に設定した断面を有する直状のフレーム部材10aを押出成形により形成しておき、直状のフレーム部材10aの前壁11及び後壁12に取付孔21f,21bを形成した後、曲げ型に沿って曲げ加工を施すことにより曲げ部22l,22rを形成する。
フレーム部材10の曲げ加工時においては、前壁11と後壁12とに取付孔21f,21bを形成すると、その前壁11と後壁12の取付孔21f,21b周辺が変形を生じさせ易くなるが、フレーム部材10の前壁11と上壁13及び下壁14との連結部に前側テーパ部16t,16bを設けるとともに、後壁12と上壁13及び下壁14との連結部に後側テーパ部17t,17bを設けて、前後の両側の連結部を厚肉にすることで、曲げ加工時に生じる外側(上側又は下側)への変形(膨らみ)を抑制することができる。

0024

このように、本実施形態の車両用外装ビーム100においては、フレーム部材10の曲げ加工時における上壁13及び下壁14の膨らみが抑制されることから、高精度の寸法管理を行うことができ、図2に示すように、フレーム部材10の表面への周辺部品51の取付けや、取付孔21f,21bへの周辺部品52の取付けを良好に行うことができる。さらに、上壁13及び下壁14の幅方向中央は薄肉に形成することで、重量の増加を抑えて全体として軽量化を図ることができる。また、車両衝突前の状態で、上壁13及び下壁14に外側に膨らむような変形があると、車両衝突時に変形を増幅させるおそれがあるが、本実施形態の車両用外装ビーム100においては、上壁13及び下壁14の膨らみを抑制でき、安定した寸法精度を維持できるので、衝突に対する十分な耐荷重性能(保安基準値の39.2kN以上)を確保できる。
なお、車両用外装ビームの耐荷重は、保安基準値の39.2kNを確保することが必要とされるが、寸法精度は、周辺部品との関係から2.0mm以下に収めることが望ましく、重量は13.6kg以下とすることが望ましい。

0025

また、車両用外装ビーム100では、前側テーパ部16t,16bと後側テーパ部17t,17bは、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3以上、すなわち、衝突面側の前壁11との連結部における上壁13及び下壁14の板厚を、後壁12との連結部における上壁13及び下壁14の板厚よりも厚く形成している。これにより、図4に示す荷重Fのように、前壁11側から負荷が加えられた際の車両衝突時の変形抑制の効果を高めるとともに、全体の重量増加を抑制できる。そして、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が1.3未満では、曲げ加工時の上壁13と下壁14の変形抑制効果が薄れ、十分な耐荷重性能を確保することができない。また、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}が3.9を超える場合では、必要以上に厚肉となることで、重量が増加する。

0026

また、このように形成される車両用外装ビーム100においては、フレーム部材10単体で十分な耐荷重性能を確保でき、車両衝突時においても取付孔21f,21b周辺の外側への変形を抑制できることから、変形が生じた際における周囲に設置された周辺部品との干渉を考慮する必要がない。したがって、変形を防止するための補強部材等の設置が不要となる。
なお、前壁11及び後壁12の高さH0、すなわち車両用外装ビームの高さH0が100mm未満では、道路運送車両保安基準に定める技術基準(100mm以上)を満たすことができない。そして、高さH0が200mmを超える場合では、車両部品レイアウト設計において部品どうしの干渉等が問題となる。また、上壁13及び下壁14の幅W0、すなわち車両用外装ビームの幅W0が60mm未満では、断面の曲げ剛性自体が低く、取付孔21f,21bを設けない状態においても強度が不足する。また、幅W0が160mmを超えると、所定の設置スペースに配置することが難しくなる。

0027

また、幅W1を幅W2よりも大きく形成することで、曲げ加工時の上壁13と下壁14の変形抑制効果が得られ、且つ、電装部品が設置される上壁13をより平坦度を向上させることができる。
比率(W1/W0)が0.18未満では、曲げ加工時の上壁13と下壁14の変形抑制効果が薄れる。また、比率(W1/W0)が0.5を超える場合では、必要以上に厚肉となり、重量が増加する。比率(W2/W0)が0.1未満では曲げ加工時の上壁13と下壁14の変形抑制効果が薄く、0.18を超える場合では必要以上に厚肉となり重量が増加する。
また、角度θ1を角度θ2よりも大きく形成することで、曲げ加工時の上壁13と下壁14の中央への移動(寸法精度の悪化)を最小限に抑えることができる。
角度θ1が20°未満では曲げ加工時の上壁13と下壁14の変形抑制効果が薄く、50°を超える場合では必要以上に厚肉となり、重量が増加する。
角度θ2が5°未満では曲げ加工時の上壁13と下壁14の変形抑制効果が薄く、20°を超える場合では必要以上に厚肉となり重量が増加する。

0028

また、本実施形態の車両用外装ビーム100のように、上壁13の板厚t3を下壁14の板厚t4よりも大きく形成した場合は、上壁13の上面の平坦度を向上させることができるので、図2に示すように、周辺部品51の取付けを良好に行うことができる。このように、フレーム部材10を構成する各壁の板厚を調整することによっても、高精度の寸法管理が可能となる。

0029

次に、本発明の車両用外装ビームに係る実施例について説明する。
図3に示す符号では、高さH0:100mm、前壁11の板厚t1:5.6mm、後壁12の板厚t2:5.6mm、上壁13の板厚t3:4.0mm、下壁14の板厚t4:3.5mm、中壁15の板厚:3.5mm、幅W0,W1,W2及び角度θ1,θ2を表1に示す条件で形成し、前側テーパ部と後側テーパ部とが形成された角筒状の長さ2022mmの試験例のフレーム部材について、前壁11に荷重Fを加える衝突解析を行った。また、前側テーパ部及び後側テーパ部を有する試験例のフレーム部材との比較のため、前側テーパ部及び後側テーパ部を設けずに、試験例のフレーム部材と同じ高さH0、前壁11の板厚t1、後壁12の板厚t2、上壁13の板厚t3、下壁14の板厚t4、中壁15の板厚、幅W0、長さの寸法を有する従来例のフレーム部材についても、前壁11に荷重Fを加える衝撃解析を行った。なお、試験例及び従来例のフレーム部材の材料には、JIS規格における6000系合金のアルミニウムを使用した。

0030

解析用プリポストは、HYPER‐MESH、HYPER‐VIEWを用いた。また、解析プログラムは、株式会社JSOLの衝撃・構造解析ソフトウェアLS‐DYNA 1s971を用いた。
そして、試験例と従来例の各フレーム部材の解析結果の比較を行い、前側テーパ部及び後側テーパ部を設けたことによる「耐荷重」、「寸法精度」、「重量」の変化を比較した。「耐荷重」の評価は、試験例の値が従来例の値に対して10%以上増加した場合を「○」、5%以上10%未満の増加量の場合を「△」、5%未満の増加量の場合を「×」とした。また、「寸法精度」の評価は、試験例の値が、従来例の値に対して10%以上減少した場合を「○」、5%以上10%未満の減少量の場合を「△」、5%未満の減少量の場合を「×」とした。さらに、「重量」の評価は、試験例の値が、従来例の値に対して5%以下の増加量の場合を「○」、5%以上10%未満の増加量の場合を「△」、10%以上の増加量の場合を「×」とした。
結果を表1に示す。

0031

0032

表1からわかるように、フレーム部材に、幅W0を60mm以上100mm以下、比率{(W1×tanθ1)/(W2×tanθ2)}を1.3以上3.9以下とした前側テーパ部及び後側テーパ部を設けることで、重量の増加を抑制しながら、フレーム部材の耐荷重性能を高めることができ、さらに寸法精度を小さくできる。
なお、幅W0が60mm未満の場合は、フレーム部材全体の重量は軽量化できるものの、十分な変形抑制効果が得られず、耐荷重及び寸法精度が低下する結果となった。また、比率{(W1×tanθ1)/(W1×tanθ1)}が1.3未満の場合では、従来例と実施例との間に顕著な差が現れず、前側テーパ部及び後側テーパ部を設けたことによる耐荷重の増加効果を十分に得ることができななった。また、比率{(W1×tanθ1)/(W1×tanθ1)}が3.9を超える場合では、耐荷重や寸法精度の改善の幅に対し、フレーム部材の重量の増加量の幅が大きく、軽量化を図ることができない。
また、幅W1を幅W2よりも大きく形成するとともに、比率(W1/W0)を0.18以上0.5以下とし、比率(W2/W0)を0.1以上0.18以下とすることで、重量増加を抑え、寸法精度を小さくでき、高精度の寸法管理を行うことができる。さらに、また、角度θ1を角度θ2よりも大きく形成するとともに、角度θ1を20°以上50°以下、角度θ2を5°以上20°以下とすることでも、重量増加を抑え、寸法精度を小さくできる。

実施例

0033

なお、本発明は、上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

0034

10フレーム部材
11前壁
12後壁
13上壁
14下壁
15 中壁
16t,16b 前側テーパ部
17t,17b 後側テーパ部
18t,18b中空部
19凹溝部
21f,21b取付孔
22l,22r曲げ部
51,52周辺部品
53締結プレート
100 車両用外装ビーム

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • アイシン精機株式会社の「 車体前部構造」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】著しい重量増を回避しながら、微小ラップ衝突時における衝突エネルギーを有効に吸収することが可能な車体前部構造を提供すること。【解決手段】車体前部構造1は、骨格部材100と、バンパリインフォース2... 詳細

  • トヨタ自動車株式会社の「 車両構造及び車両の製造方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】車両用衝撃吸収部材の補強リブを後加工せずに衝突時の車両用衝撃吸収部材からサイドメンバへの荷重伝達性能を向上させることができる車両構造及び車両の製造方法を得る。【解決手段】車両構造は、サイドメン... 詳細

  • スズキ株式会社の「 車両用リアバンパ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】ライセンスランプからの光をライセンスプレートに確実に照射しつつ、バンパ本体への異物の混入を好適に防ぐことが可能な車両用リアバンパを提供することを目的とする。【解決手段】本発明にかかる車両用リア... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ