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技術 チャック装置

出願人 光洋技研株式会社
発明者 藤井武司
出願日 2016年6月23日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-124608
公開日 2017年12月28日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-226050
状態 特許登録済
技術分野 主軸への把持
主要キーワード 貫通孔位置 固定用器具 係合対象 取付用溝 台形状断面 一体化状態 字形断面形状 組合せ状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月28日)のものです。
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図面 (9)

課題

生爪取付けに係る機構を最適化して、被加工物の保持面として加工可能な領域を最大限確保できるチャック装置を提供する。

解決手段

生爪20とチャック本体10との連結固定に、第一係合部33のある第一連結部31と第二係合部34のある第二連結部32とを組み合わせた連結具30を採用し、生爪20のチャック本体10に対向する側にT字状断面形状の溝21を設けて、この溝21に対し連結具30の第二係合部34を係合させると共に、第一係合部33をチャック本体10の爪取付用溝11に係合させ、その上で連結具30の調整部を調整して各保持部同士の間隔を縮めると、生爪20がチャック本体10に押し付けられて固定されることから、生爪固定用に生爪表面側から取付ける器具やこうした器具用の生爪の加工を要さず、被加工物の保持面形成に係る生爪表面の加工代をできるだけ大きくして、生爪を効率的に使用できる。

概要

背景

旋盤等の工作機械では、回転駆動される主軸被加工物(ワーク)を固定して、被加工物を主軸と共に回転させて切削などの加工に供することが一般的である。こうした主軸への被加工物の固定のために、チャック装置が主軸に取付けられる。チャック装置は、主軸に固定されて一体に回転する略円形チャック本体に、その径方向に移動可能として複数の爪(ジョー)が設けられる構造であり、複数の爪を用いて被加工物を把持するようにして、被加工物を主軸と一体に固定できる仕組みである。

チャック装置における爪は、チャック本体に設けられた溝に係合させたT字状断面形状の取付用部材(Tナット)に対し、爪の貫通孔に通したボルト螺合させることで、Tナット及びチャック本体に対して爪を取付ける構成が一般的である。

このチャック本体に取付けた複数の爪で被加工物を把持して加工する際に、爪が被加工物より硬いと被加工物に傷が付くことがある。このため、被加工物に傷を付けずに把持したい場合、爪としては焼き入れしていない生爪を使用する。
こうした従来のチャック装置の一例として、特許第5301744号公報に開示されるものがある。

概要

生爪の取付けに係る機構を最適化して、被加工物の保持面として加工可能な領域を最大限確保できるチャック装置を提供する。 生爪20とチャック本体10との連結固定に、第一係合部33のある第一連結部31と第二係合部34のある第二連結部32とを組み合わせた連結具30を採用し、生爪20のチャック本体10に対向する側にT字状断面形状の溝21を設けて、この溝21に対し連結具30の第二係合部34を係合させると共に、第一係合部33をチャック本体10の爪取付用溝11に係合させ、その上で連結具30の調整部を調整して各保持部同士の間隔を縮めると、生爪20がチャック本体10に押し付けられて固定されることから、生爪固定用に生爪表面側から取付ける器具やこうした器具用の生爪の加工を要さず、被加工物の保持面形成に係る生爪表面の加工代をできるだけ大きくして、生爪を効率的に使用できる。

目的

本発明は前記課題を解消するためになされたもので、生爪の取付けに係る機構を最適化して、生爪表面側に取付用の器具そのものや取付用器具適用のための加工部を配置する必要が無く、被加工物の保持面として加工可能な領域を最大限確保できるチャック装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

所定の駆動手段による駆動で回転可能として設けられる略円形チャック本体と、当該チャック本体の複数箇所にそれぞれチャック本体の径方向に連続させて設けられる爪取付用溝に対し、当該溝位置正面側着脱可能にそれぞれ固定される複数の生爪と、前記爪取付用溝に係合して前記生爪をチャック本体に連結する連結具とを有する、被加工物チャック装置において、前記爪取付用溝が、溝開口部における溝幅より溝底部における溝幅を大きくされた略T字形断面形状の溝とされ、前記生爪が、前記チャック本体と対向する面に溝開口部が位置すると共に、当該溝開口部における溝幅より溝底部における溝幅を大きくされた、略T字形断面形状の溝を穿設され、前記連結具が、連続する略板状の第一係合部を形成される第一連結部と、連続する略板状の第二係合部を形成される第二連結部との組合せ構造とされ、前記第一連結部と第二連結部の組合せ状態で、平行配置となる第一係合部及び第二係合部を当該各係合部と直交する配置の中間部で連結した略H字形断面形状とされて、前記第一係合部を前記爪取付用溝に係合すると共に第二係合部を前記生爪の溝に係合して生爪をチャック本体に連結するものであり、前記第一連結部が、前記第一係合部を、前記爪取付用溝における溝底部側の溝幅が大きい部分に、溝連続方向の端部から挿入して係合可能とされ、前記第二連結部が、前記第二係合部を、前記生爪の溝における溝底部側の溝幅が大きい部分に、溝連続方向の端部から挿入して係合可能とされ、前記第一連結部と第二連結部が、前記各係合部の連続方向に対して傾いた向きに連続する一又は複数の摺接面をそれぞれ有し、前記連結具としての組合せ状態で前記摺接面同士を当接させつつ摺接面の連続方向に互いに相対移動可能とされてなり、前記連結具における、前記第一連結部と第二連結部の前記摺接面の連続方向における相対位置関係を調整する所定の調整部が、連結具に組み込まれて配設され、前記調整部の一部が、前記連結具の前記各係合部を前記爪取付用溝と生爪の溝とにそれぞれ係合させた状態で、爪取付用溝及び生爪の溝の連続方向端部から外側に露出する連結具の一端部に、調整操作可能として配置され、前記連結具が、前記生爪をチャック本体に連結する状態で、前記調整部で第一連結部と第二連結部の前記相対位置関係を調整すると、合わせて第一係合部と第二係合部の間隔を変化させて、生爪をチャック本体側へ押し付け拘束する拘束力を調整可能とされることを特徴とするチャック装置。

請求項2

前記請求項1に記載のチャック装置において、前記連結具をなす第一連結部及び第二連結部が、連結具としての組合せ状態で当接し合う前記各摺接面の形状を、当接し合う摺接面の一方が凹部を連続させた溝形状とされると共に、摺接面の他方が前記溝形状に合致する凸部を連続させた条形状とされて、前記溝形状と条形状との当接で摺接面連続方向以外の動きを拘束可能な面形状として形成されることを特徴とするチャック装置。

請求項3

前記請求項1又は2に記載のチャック装置において、前記調整部が、前記連結具における摺接面の連続方向に平行な向きとして配設されて、前記第一連結部を貫通して前記第二連結部と螺合する、又は、第二連結部を貫通して第一連結部と螺合するねじとされ、当該ねじが、前記連結具が前記生爪をチャック本体に一体に連結する状態で、ねじ頭部をチャック本体外周側に露出させる配置とされて設けられ、前記ねじが、前記第一連結部と第二連結部を一体に締結して、第一連結部と第二連結部を組合せ状態の連結具としつつ、螺合による締付け度合いの変化で第一連結部と第二連結部の前記相対位置関係を調整可能とすることを特徴とするチャック装置。

請求項4

前記請求項3に記載のチャック装置において、前記調整機構としてのねじが、螺合する前記第二連結部又は第一連結部に対しねじ頭部が近付く向きに螺動させると、第一連結部と第二連結部とを前記第一係合部と第二係合部とが近付くように相対移動させる配置とされ、前記第一連結部と第二連結部とを前記第一係合部と第二係合部とが離れる向きに相対移動させるように付勢するばねが、前記連結具に組み込まれて配設されることを特徴とするチャック装置。

技術分野

0001

本発明は、旋盤等の工作機械被加工物を加工のために把持固定するチャック装置に関する。

背景技術

0002

旋盤等の工作機械では、回転駆動される主軸に被加工物(ワーク)を固定して、被加工物を主軸と共に回転させて切削などの加工に供することが一般的である。こうした主軸への被加工物の固定のために、チャック装置が主軸に取付けられる。チャック装置は、主軸に固定されて一体に回転する略円形チャック本体に、その径方向に移動可能として複数の爪(ジョー)が設けられる構造であり、複数の爪を用いて被加工物を把持するようにして、被加工物を主軸と一体に固定できる仕組みである。

0003

チャック装置における爪は、チャック本体に設けられた溝に係合させたT字状断面形状の取付用部材(Tナット)に対し、爪の貫通孔に通したボルト螺合させることで、Tナット及びチャック本体に対して爪を取付ける構成が一般的である。

0004

このチャック本体に取付けた複数の爪で被加工物を把持して加工する際に、爪が被加工物より硬いと被加工物に傷が付くことがある。このため、被加工物に傷を付けずに把持したい場合、爪としては焼き入れしていない生爪を使用する。
こうした従来のチャック装置の一例として、特許第5301744号公報に開示されるものがある。

先行技術

0005

特許第5301744号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従来のチャック装置は前記特許文献に示される構成となっており、生爪を使用する場合、生爪をチャック本体に取付けた後、被加工物に合わせて加工を施すこととなる。

0007

生爪は、被加工物が変わるごとに、その保持面を新たに加工される。また、同じ被加工物に対する加工であっても、いったん被加工物を把持状態から取り外した後新たに付け直す(段取り替えが行われる)ごとに、十分な加工精度を確保するために、生爪の被加工物保持面を加工する場合もある。

0008

このため、生爪における被加工物の保持面の位置は加工ごとに少しずつ移動していくが、生爪のうち、ボルト止めのための貫通孔位置などは加工できないため、生爪の保持面として使用できる箇所には限界があり、この限界に達すると生爪はそれ以上使用できず消耗品となり、新たな生爪に取り替える必要がある。
このように、従来の生爪は取付用孔部による使用の制約を受けて、交換頻度を高くせざるを得ないなど、無駄が多いという課題を有していた。

0009

本発明は前記課題を解消するためになされたもので、生爪の取付けに係る機構を最適化して、生爪表面側に取付用器具そのものや取付用器具適用のための加工部を配置する必要が無く、被加工物の保持面として加工可能な領域を最大限確保できるチャック装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係るチャック装置は、所定の駆動手段による駆動で回転可能として設けられる略円形のチャック本体と、当該チャック本体の複数箇所にそれぞれチャック本体の径方向に連続させて設けられる爪取付用溝に対し、当該溝位置正面側着脱可能にそれぞれ固定される複数の生爪と、前記爪取付用溝に係合して前記生爪をチャック本体に連結する連結具とを有する、被加工物のチャック装置において、前記爪取付用溝が、溝開口部における溝幅より溝底部における溝幅を大きくされた略T字形断面形状の溝とされ、前記生爪が、前記チャック本体と対向する面に溝開口部が位置すると共に、当該溝開口部における溝幅より溝底部における溝幅を大きくされた、略T字形断面形状の溝を穿設され、前記連結具が、連続する略板状の第一係合部を形成される第一連結部と、連続する略板状の第二係合部を形成される第二連結部との組合せ構造とされ、前記第一連結部と第二連結部の組合せ状態で、平行配置となる第一係合部及び第二係合部を当該各係合部と直交する配置の中間部で連結した略H字形断面形状とされて、前記第一係合部を前記爪取付用溝に係合すると共に第二係合部を前記生爪の溝に係合して生爪をチャック本体に連結するものであり、前記第一連結部が、前記第一係合部を、前記爪取付用溝における溝底部側の溝幅が大きい部分に、溝連続方向の端部から挿入して係合可能とされ、前記第二連結部が、前記第二係合部を、前記生爪の溝における溝底部側の溝幅が大きい部分に、溝連続方向の端部から挿入して係合可能とされ、前記第一連結部と第二連結部が、前記各係合部の連続方向に対して傾いた向きに連続する一又は複数の摺接面をそれぞれ有し、前記連結具としての組合せ状態で前記摺接面同士を当接させつつ摺接面の連続方向に互いに相対移動可能とされてなり、前記連結具における、前記第一連結部と第二連結部の前記摺接面の連続方向における相対位置関係を調整する所定の調整部が、連結具に組み込まれて配設され、前記調整部の一部が、前記連結具の前記各係合部を前記爪取付用溝と生爪の溝とにそれぞれ係合させた状態で、爪取付用溝及び生爪の溝の連続方向端部から外側に露出する連結具の一端部に、調整操作可能として配置され、前記連結具が、前記生爪をチャック本体に連結する状態で、前記調整部で第一連結部と第二連結部の前記相対位置関係を調整すると、合わせて第一係合部と第二係合部の間隔を変化させて、生爪をチャック本体側へ押し付け拘束する拘束力を調整可能とされるものである。

0011

このように本発明によれば、生爪とチャック本体との連結固定に、第一係合部のある第一連結部と第二係合部のある第二連結部とを組み合わせた構造の連結具を採用し、生爪のチャック本体に対向する側にT字状断面形状の溝を設けて、この溝に対し連結具の第二係合部を係合させると共に、連結具の第一係合部をチャック本体の爪取付用溝に係合させ、その上で連結具の調整部を調整して各保持部同士の間隔を縮めるようにすると、生爪がチャック本体に押し付けられてチャック本体に固定されることにより、生爪をチャック本体に固定するために生爪表面側から取付けるタイプの固定用の器具を不要とすることができ、生爪の表面側にこうした固定用器具取付けのための貫通孔等の加工部位を設けずに済み、生爪における被加工物の保持面形成に係る表面側の加工代をできるだけ大きいものとして、生爪の効率的な使用が可能となり、生爪の使用に係るコストを抑えられる。

0012

また、本発明に係るチャック装置は必要に応じて、前記連結具をなす第一連結部及び第二連結部が、連結具としての組合せ状態で当接し合う前記各摺接面の形状を、当接し合う摺接面の一方が凹部を連続させた溝形状とされると共に、摺接面の他方が前記溝形状に合致する凸部を連続させた条形状とされて、前記溝形状と条形状との当接で摺接面連続方向以外の動きを拘束可能な面形状として形成されるものである。

0013

このように本発明によれば、連結具をなす第一連結部と第二連結部とが、凹状の溝形状と凸状の条形状をなす各摺接面で当接し、凹凸係合関係に基づいて摺接面連続方向以外の動きを拘束され、連結具として一体に組み合わされた状態を維持しつつ、各係合部の間隔を調整可能とされることにより、調整部の調整で第一連結部と第二連結部を摺接面連続方向に相対移動させても、第一連結部と第二連結部が容易に分離することなく各係合部間の間隔を変化させて、連結具としての一体化状態を確実に維持でき、連結具としての取扱い性に優れると共に、各連結部の連結を維持する手段を別途設けなくても、連結部相互の係合によって連結具としての一定の機械的強度を得ることができ、部品点数を減らして連結具全体のコストを抑制できる。

0014

また、本発明に係るチャック装置は必要に応じて、前記調整部が、前記連結具における摺接面の連続方向に平行な向きとして配設されて、前記第一連結部を貫通して前記第二連結部と螺合する、又は、第二連結部を貫通して第一連結部と螺合するねじとされ、当該ねじが、前記連結具が前記生爪をチャック本体に一体に連結する状態で、ねじ頭部をチャック本体外周側に露出させる配置とされて設けられ、前記ねじが、前記第一連結部と第二連結部を一体に締結して、第一連結部と第二連結部を組合せ状態の連結具としつつ、螺合による締付け度合いの変化で第一連結部と第二連結部の前記相対位置関係を調整可能とするものである。

0015

このように本発明によれば、連結具をなす第一連結部と第二連結部の一方を貫通して他方に螺合するねじを調整部とし、各保持部間の間隔変化をもたらす第一連結部と第二連結部の相互の相対移動を、ねじを回して螺合状態を変えることで生じさせることにより、連結具の各係合部同士の間隔を変えることで実現する生爪のチャック本体に対する固定強度の調整がねじ操作により容易に行え、調整作業性に優れる。また、ねじが第一連結部と第二連結部を締結する構造とされて、ねじも連結具としての機械的強度の一部を担うことで、連結具をなす各連結部同士を相対移動可能としつつ、連結具として必要な強度を適切に確保できる。

0016

また、本発明に係るチャック装置は必要に応じて、前記調整機構としてのねじが、螺合する前記第二連結部又は第一連結部に対しねじ頭部が近付く向きに螺動させると、第一連結部と第二連結部とを前記第一係合部と第二係合部とが近付くように相対移動させる配置とされ、前記第一連結部と第二連結部とを前記第一係合部と第二係合部とが離れる向きに相対移動させるように付勢するばねが、前記連結具に組み込まれて配設されるものである。

0017

このように本発明によれば、ねじと第一連結部及び第二連結部とを、ねじを締めると第一係合部と第二係合部が互いに近付くような配置関係にすると共に、第一連結部と第二連結部とを第一係合部と第二係合部とが離れる向きに相対移動させるように付勢するばねを配設して、連結具をねじの締め付け力とばねの付勢力が互いに逆向きに加わる構造とすることにより、ねじを緩める向きに螺動させる場合に、ばねの付勢力で各連結部をねじの緩み側への螺動に対応した分だけ相対移動させることができ、第一係合部と第二係合部の間隔変化とそれに伴う生爪のチャック本体への拘束状態調整がスムーズに行える。また、連結具において、ばねの付勢力が、ねじで締結した第一連結部と第二連結部を摺動面の連続方向について互いに遠ざけるように常に加わることで、ねじとこれを螺合させたいずれかの連結部に不要な力が加わりにくく、ねじが緩んで生爪のチャック本体への拘束に悪影響が生じるような事態には至らない。

図面の簡単な説明

0018

本発明の一実施形態に係るチャック装置の概略正面図である。
本発明の一実施形態に係るチャック装置の要部拡大断面図である。
本発明の一実施形態に係るチャック装置における生爪の底面図である。
本発明の一実施形態に係るチャック装置における生爪の背面図である。
本発明の一実施形態に係るチャック装置における連結具の側面図である。
本発明の一実施形態に係るチャック装置における連結具の背面図である。
本発明の一実施形態に係るチャック装置の連結具における第一連結部の側面図及びA矢視図である。
本発明の一実施形態に係るチャック装置におけるチャック本体と生爪の連結状態説明図である。

実施例

0019

以下、本発明の一実施形態に係るチャック装置を前記図1ないし図8に基づいて説明する。本実施形態においては、被加工物を把持する旋盤用のチャック装置の例について説明する。

0020

前記各図において本実施形態に係るチャック装置1は、所定の駆動手段による駆動で回転可能として設けられる略円形のチャック本体10と、このチャック本体10の複数の所定箇所正面側に着脱可能にそれぞれ固定される複数の生爪20と、この生爪20をチャック本体10に一体に連結する連結具30とを備える構成である。

0021

前記チャック本体10は、工作機械で被加工物の把持に用いられる公知の機構であり、詳細な説明を省略する。このチャック本体10の複数箇所に、それぞれチャック本体10の径方向に連続する爪取付用溝11が設けられる。

0022

前記爪取付用溝11は、溝開口部における溝幅より溝底部における溝幅を大きくされた略T字形断面形状の溝として設けられる構成である。この爪取付用溝11は、チャック本体10の外周面まで連続して、溝端部は開放状態とされる。そして、チャック本体10における爪取付用溝11の溝開口部の周囲部分には、生爪20をずれにくくするためのセレーション部12が形成される。

0023

なお、チャック本体10は、その爪取付用溝11を取り囲む溝周囲部分及びセレーション部12をその他の部分とは別の部材とするなどした、複数部材組合せて形成される構成としてもかまわない。

0024

前記生爪20は、未焼き入れの鋼材で形成され、チャック本体10の複数箇所に設けられる爪取付用溝11に対し、この溝位置の正面側に着脱可能にそれぞれ取付けられて複数配設される構成である。この生爪20における、被加工物を把持する爪(ジョー)としての構造自体は公知の生爪と同様であり、詳細な説明を省略する。

0025

この生爪20は、チャック本体10と対向する面に溝開口部が位置すると共に、この溝開口部における溝幅より溝底部における溝幅を大きくされた、略T字形断面形状の溝21を穿設される構成である。この溝21は、生爪20の被加工物に接する保持面を加工される側とは反対側となる端面まで連続させて穿設され、溝端部は開放状態とされる。

0026

この他、生爪20のチャック本体10と対向する面における溝開口部の周囲部分には、セレーション部22が形成され、同様に形成されるチャック本体10のセレーション部12と噛み合うことで、チャック本体10に対し生爪20がずれないようにする仕組みである。

0027

前記連結具30は、十分な強度を有する鋼材等の金属材からなり、連続する略板状の第一係合部33を形成される第一連結部31と、連続する略板状の第二係合部34を形成される第二連結部32との組合せ構造とされ、第一連結部31と第二連結部32の組合せ状態で、平行配置となる第一係合部33及び第二係合部34をこれら各係合部と直交する配置の中間部35で連結した略H字形断面形状とされる構成である。

0028

この連結具30は、第一係合部33をチャック本体10の爪取付用溝11に係合すると共に、第二係合部34を生爪20の溝21に係合して、生爪20をチャック本体10に連結するものである。詳細には、連結具30の第一連結部31が、その第一係合部33を、爪取付用溝11における溝底部側の溝幅が大きい部分に、溝連続方向の端部(具体的には、チャック本体10外周側の溝端部)から挿入して係合可能とされる。一方、第二連結部32は、その第二係合部34を、生爪20の溝21における溝底部側の溝幅が大きい部分に、溝連続方向の端部から挿入して係合可能とされる。

0029

なお、連結具30のうち第二連結部32の端部には、生爪20の溝21に第二係合部34が深く入り過ぎるのを抑える、溝断面より大きい板状のストッパーを取付けるようにすることもできる。

0030

連結具30をなす第一連結部31と第二連結部32は、各係合部33、34の連続方向に対して傾いた向きに連続する複数の摺接面を有し、連結具としての組合せ状態で摺接面同士を当接させつつ摺接面の連続方向に互いに相対移動可能とされてなる。

0031

詳細には、第一連結部31及び第二連結部32は、その摺接面として、凹部を連続させた溝形状の溝状摺接面36と、この溝形状に合致する凸部を連続させた条形状の条状摺接面37の二つをそれぞれ有する構成である。そして、第一連結部31の溝状摺接面36が第二連結部32の条状摺接面37と接し、第一連結部31の条状摺接面37が第二連結部32の溝状摺接面36と接することで、第一連結部31及び第二連結部32は、摺接面連続方向以外の動きを拘束される仕組みである。

0032

そして、前記溝状摺接面36は、台形状断面の溝形状(蟻溝状)となっており、これと当接する条状摺接面37は前記溝形状に合う台形状断面の条形状であることから、第一連結部31と第二連結部32はこれら摺接面部分で互いに係合して容易に分離しにくく、連結具30として一体化した構造をなし、後述するねじ40と共に連結具としての機械的強度を確保して、生爪20のチャック本体10への固定を維持することができる。

0033

また、連結具30には、その第一連結部31と第二連結部32の前記摺接面の連続方向における相対位置関係を調整する調整部としてのねじ40が組み込まれて配設される。加えて、連結具30には、第一連結部31と第二連結部32とを第一係合部33と第二係合部34とが離れる向きに相対移動させるように付勢するばね50も組み込まれて配設される。

0034

前記ねじ40は、連結具30における摺接面の連続方向に平行な向きとして配設されて、第二連結部32を貫通して第一連結部31と螺合すると共に、この螺合する第一連結部31に対しねじ頭部41が近付く向きに螺動させると、第一連結部31と第二連結部32を第一係合部33と第二係合部34とが近付くように相対移動させる配置とされる構成である。このねじ40が、第一連結部31と第二連結部32を一体に締結して、第一連結部31と第二連結部32を組合せ状態の連結具30とする。

0035

ねじ40が螺合又は貫通する形で第一連結部31と第二連結部32の内部を通る構造であることから、このねじ40の太さは、第一連結部31と第二連結部32を締結一体化するねじ自体の強度と、ねじ40が螺合又は貫通する第一連結部31と第二連結部32の各強度とを総合的に考慮した強度、つまり、連結具全体としての強度が最大となるように設定されるのが望ましい。

0036

ねじ40の頭部41は、連結具30の各係合部33、34を爪取付用溝11と生爪20の溝21とにそれぞれ係合させて、連結具30が生爪20をチャック本体10に一体に連結する状態で、爪取付用溝11及び生爪20の溝21の連続方向端部から外側に露出する連結具30の一端部に、調整操作可能として配置される。すなわち、ねじ40はその頭部41をチャック本体10外周側に操作可能に露出させる配置とされて設けられる。

0037

連結具30が生爪20をチャック本体10に一体に連結する状態で、ねじ40の螺合による締付けの度合いを変えて、第一連結部31と第二連結部32の相対位置関係を調整すると、合わせて第一係合部33と第二係合部34の間隔が変化して、生爪20をチャック本体10側へ押し付けて拘束する締結力を調整可能となる仕組みである。

0038

前記ばね50は、コイルばねとされ、第一連結部31と第二連結部32がねじ40により締結されて組合せ状態の連結具30をなす状態で、第二連結部32のねじ貫通部分と第一連結部31のねじ螺合部分との間の空隙部に、あらかじめ圧縮変形させつつ、ねじ40の周囲を取り巻く配置とされて設けられる構成である。これにより、ばね50は、第一連結部31と第二連結部32とを各摺接面の連続方向について互いに離れる向きに付勢する、すなわち、第一連結部31の第一係合部33と第二連結部32の第二係合部34とが離れる向きに相対移動するように付勢することとなる。

0039

なお、本実施形態における第一連結部31と第二連結部32は、第一連結部31がねじ40と螺合するねじ孔を穿設され、第二連結部32がねじ40を螺合させることなく通す貫通孔を穿設されるという点と、生爪20の溝21に対する第二係合部34のストッパー38が第二連結部32の端部に取付けられる点との二つの差異を除き、共に略板状の係合部を有し、且つ溝状摺接面36と条状摺接面37の二つの摺接面を有する、同じ形状の部品とされる構成である。これにより、二つの連結部31、32を、差異部分を除いて同様の加工で形成することができ、加工工程を共通化して製造コスト低減が図れる。

0040

次に、前記構成に基づくチャック装置における生爪の取付過程について説明する。前提として、初期状態でチャック本体10から生爪20は取り外されており、連結具30もチャック本体10の爪取付用溝11に係合せず取り外されているものとする。

0041

最初に、連結具をなす第一連結部31と第二連結部32とを、ばね50を組み込みつつ組合せ、ねじ40で一体に締結して連結具30として組み立てた状態としておく。この連結具30において、ねじ40の螺合による第一連結部31と第二連結部32の締付けの度合いをあらかじめ緩くして、第一係合部33と第二係合部34との間隔を十分広げた状態で、連結具30の第一係合部33を爪取付用溝11にその端部から挿入して係合させると共に、第二係合部34を生爪20の溝21にその端部から挿入するようにして係合させて、生爪20をチャック本体10に連結した状態とする。

0042

連結具30におけるねじ40の締付け度合いが緩く、連結具30の第一係合部33と第二係合部34との間隔が十分大きい状態では、チャック本体10のセレーション部12と生爪20のセレーション部22とを噛み合わせずに、生爪20及び連結具30を爪取付用溝11に沿って移動させることができ、生爪20の位置を被加工物に応じて調整できる。

0043

生爪20の位置が決まったら、チャック本体10外周側で露出状態にある連結具端部のねじ頭部41を締まる向きに回してねじ40を螺動させると、連結具30の第一連結部31と第二連結部32とがばね50の付勢力に抗って各摺接面の連続方向について互いに近付いていき、同時に第一係合部33と第二係合部34も近付けてその間隔を小さくしていく。

0044

連結具30で各係合部33、34間の間隔が小さくなることで、生爪20はチャック本体10側に近付くこととなる。そして、十分にねじ40を締めた状態では、チャック本体10のセレーション部12と生爪20のセレーション部22とが噛み合いつつ、生爪20がチャック本体10に押し付けられて拘束される。生爪20は、チャック本体10に対しセレーション部同士の噛み合いでずれなく固定される。

0045

生爪20をチャック本体10に連結固定する連結具30や、生爪20における固定のための加工済部分(溝21)が、生爪20表面の、生爪20の被加工物に接する保持面として加工具で加工可能な範囲にあらわれないことで、生爪20では保持面形成のための加工代を最大限確保でき、生爪20を効率よく使用できる。

0046

一旦チャック本体10に固定した生爪20について、チャック本体径方向に位置調整を行う場合には、チャック本体10外周側で露出状態にあるねじ頭部41を緩む向きに回してねじ40を螺動させると、連結具30の第一連結部31と第二連結部32とが、ばね50の付勢力により各摺接面の連続方向について互いに離れていき、同時に第一係合部33と第二係合部34も遠ざかるように動いてその間隔を大きくしていく。

0047

こうして、連結具30の各係合部33、34間の間隔を大きくすることで、生爪20はチャック本体10から離れ、チャック本体10のセレーション部12と生爪20のセレーション部22との噛み合いが解け、生爪20及び連結具30をチャック本体10に対しその径方向に位置調整可能となる。そして、位置決め後は、前記同様、チャック本体10外周側のねじ頭部41を締まる向きに回して、ねじ40で第一連結部31と第二連結部32を締付けるようにすればよい。

0048

このように、本実施形態に係るチャック装置においては、生爪20とチャック本体10との連結固定に、第一係合部33のある第一連結部31と第二係合部34のある第二連結部32とを組み合わせた構造の連結具30を採用し、生爪20のチャック本体10に対向する側にT字状断面形状の溝21を設けて、この溝21に対し連結具30の第二係合部34を係合させると共に、この連結具30の第一係合部33をチャック本体10の爪取付用溝11に係合させ、その上で連結具30に対しねじ40を締め付けて各保持部33、34同士の間隔を縮めるようにすると、生爪20がチャック本体10に押し付けられてチャック本体10に固定されることから、生爪20をチャック本体10に固定するために生爪20表面側から取付けるタイプの固定用の器具を不要とすることができ、生爪20の表面側にこうした固定用器具取付けのための貫通孔等の加工部位を設けずに済み、生爪20の被加工物の保持面としての表面側の加工代をできるだけ大きいものとして、生爪20の効率的な使用が可能となり、生爪20の使用に係るコストを抑えられる。

0049

なお、前記実施形態に係るチャック装置は、旋盤において被加工物を把持する用途で設けられる例として示しているが、この他、チャック装置を旋盤以外の工作機械に適用したり、被加工物ではなく工具を把持する用途で設けるようにすることもできる。

0050

また、前記実施形態に係るチャック装置においては、連結具30における第一連結部31の第一係合部33をチャック本体10の爪取付用溝11に係合すると共に、第二連結部32の第二係合部34を生爪20の溝21に係合して、生爪20をチャック本体10に連結するものとされ、この連結具30に対し、ねじ40が第二連結部32を貫通して第一連結部31と螺合する構成としているが、これに限らず、各係合部の係合対象や各連結部に対するねじの配置を異ならせる構成とすることもでき、例えば、ねじが第一連結部を貫通して第二連結部と螺合する構成としてもかまわない。

0051

1チャック装置
10チャック本体
11 爪取付用溝
12セレーション部
20生爪
21 溝
22 セレーション部
30連結具
31 第一連結部
32 第二連結部
33 第一係合部
34 第二係合部
35 中間部
36 溝状摺接面
37条状摺接面
40 ねじ
41 頭部
50 ばね

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