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技術 魚卵入りソース

出願人 日清フーズ株式会社
発明者 吉田あや鈴川縁
出願日 2016年6月22日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2016-123168
公開日 2017年12月28日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2017-225386
状態 未査定
技術分野 種実、スープ、その他の食品 肉類、卵、魚製品
主要キーワード 略粒状 低評価 常温保管 水分活性測定装置 通常範囲 パスタ料理 有機酸カルシウム塩 有効水分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月28日)のものです。
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課題

食塩代替品として塩化カリウムを含むことで低塩分を可能にしつつも、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味がなく、塩味魚卵風味ソース全体のバランスが良好な魚卵入りソースを提供すること。

解決手段

本発明は、ソースに魚卵が配合された魚卵入りソースであり、魚卵の配合量が30〜80質量%であり、塩化カリウム0.1質量%以上と、グリシンアラニンプロリンセリンヒスチジン及びトリプトファンから選択される1種以上とが配合されている。

概要

背景

塩化ナトリウム即ち食塩は、塩味の最も基本となる調味料であり、ほとんどすべての食品に本来的に含まれるか又は意図的に添加されている。特に食塩は旧来から保存食品用に用いられてきており、食塩を多めに配合することで、腐敗防止に活用されてきたという歴史がある。そのため、塩漬塩蔵といった塩辛い保存食品が現在でも多く流通している。近年、ナトリウム高血圧との関連が明らかになり、高血圧症心臓病腎臓病心配から、食塩の摂取量基準を定め、過剰な食塩の摂取を控える傾向が強くなっている。しかしながら、塩化ナトリウムの含有量を少なくした料理では、保存性が低下し、また当然のごとく塩味のバランスが変わってくるため、塩化ナトリウム以外の調味料で塩味を補うことが行われている。特に調理済みで流通する食品では、保存性を維持することが重要であるが、保存料を使用することは好まれないため、塩化ナトリウムによる保存性の向上は重要である。

塩化カリウムは、食塩と似た塩味を有する物質であり、これを食塩の代わりに飲食品に用いることで、食塩の使用量を少なくしながら保存性を保つ試みが行われている。飲食品において食塩の使用量を抑えることで、飲食品の塩辛さを和らげ、低塩分を実現することができる。しかし、塩化カリウムは特有苦味異味があるため、使用量が多くなると飲食品の味に悪影響を及ぼす場合があり、完全に食塩に代替するものではない。また、飲食品に含まれる食塩の全部ではなく一部を塩化カリウムに置き換えた場合であっても、塩味のバランスを保つことは容易ではなく、また塩化カリウム特有苦み、異味を呈するために敬遠される傾向にある。そこで、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味マスキングする技術が種々提案されている。

特許文献1には、塩化カリウムに、グリシン、L−アラニン、5−イノシン酸ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウムグリチルリチン、及びグリチルリチン酸ナトリウムの1種以上を添加した調味料が記載されている。特許文献2には、塩化カリウムと、有機酸カルシウム塩と、グルタミン酸塩及び/又は核酸呈味物質とを含有する調味料が記載されている。特許文献3には、塩化カリウムと、硫酸マグネシウムと、クエン酸ナトリウムと、食塩とを含有する調味料が記載されている。これら調味料における塩化カリウム以外の成分は、基本的に、塩化カリウムに起因する呈味のマスキング用成分であり、これらの他にも多種多様な成分が同目的で使用されている。

一方で、食品に塩味を付与する場合、その食品が有する風味との兼合いも重要になってくる。例えば、特許文献4には、しょう油、つゆ、たれ等の液体調味料において食塩の代わりに塩化カリウムを用いる際に、グルタミン酸アスパラギン酸等の酸性アミノ酸及び/又はリジンアルギニン等の塩基性アミノ酸、並びにエタノールを添加すると、風味バランスが良好になることが記載されている。特許文献5には、醤油、みりん等の調味料及び該調味料を使用した半調理食品菓子類米飯食品等の各種食品において塩化カリウムを含有させる際に、ヒスチジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸及び/又はアンセリンカルノシン等の塩基性ペプチド呈味改善剤として添加すると、塩化カリウムの苦味やエグ味が抑制されることが記載されている。

概要

食塩代替品として塩化カリウムを含むことで低塩分を可能にしつつも、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味がなく、塩味、魚卵の風味とソース全体のバランスが良好な魚卵入りソースを提供すること。本発明は、ソースに魚卵が配合された魚卵入りソースであり、魚卵の配合量が30〜80質量%であり、塩化カリウム0.1質量%以上と、グリシン、アラニン、プロリンセリン、ヒスチジン及びトリプトファンから選択される1種以上とが配合されている。なし

目的

本発明の課題は、食塩代替品として塩化カリウムを含むことで低塩分を可能にしつつも、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味がなく、塩味、魚卵の風味とソース全体のバランスが良好な魚卵入りソースを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ソース魚卵が配合された魚卵入りソースにおいて、魚卵の配合量が30〜80質量%であり、塩化カリウム0.1質量%以上と、グリシンアラニンプロリンセリンヒスチジン及びトリプトファンから選択される1種以上とが配合されたことを特徴とする魚卵入りソース。

請求項2

前記グリシン、アラニン、プロリン、セリン、ヒスチジン及びトリプトファンから選択される1種以上が0.2〜2.0質量%配合された請求項1に記載の魚卵入りソース。

請求項3

さらにキサンタンガムが0.01〜0.5質量%配合された請求項1又は2に記載の魚卵入りソース。

請求項4

前記魚卵は、完全には熱変性されていない請求項1〜3のいずれか1項に記載の魚卵入りソース。

請求項5

前記ソースの水分活性が0.75〜0.90である請求項1〜4のいずれか1項に記載の魚卵入りソース。

技術分野

0001

本発明は、魚卵を多く含み、魚卵の塩味旨味が十分にありながらも低塩分とすることが可能であり、しかも魚卵の食感ソース風味とが良好にマッチした魚卵入りソースに関する。

背景技術

0002

塩化ナトリウム即ち食塩は、塩味の最も基本となる調味料であり、ほとんどすべての食品に本来的に含まれるか又は意図的に添加されている。特に食塩は旧来から保存食品用に用いられてきており、食塩を多めに配合することで、腐敗防止に活用されてきたという歴史がある。そのため、塩漬塩蔵といった塩辛い保存食品が現在でも多く流通している。近年、ナトリウム高血圧との関連が明らかになり、高血圧症心臓病腎臓病心配から、食塩の摂取量基準を定め、過剰な食塩の摂取を控える傾向が強くなっている。しかしながら、塩化ナトリウムの含有量を少なくした料理では、保存性が低下し、また当然のごとく塩味のバランスが変わってくるため、塩化ナトリウム以外の調味料で塩味を補うことが行われている。特に調理済みで流通する食品では、保存性を維持することが重要であるが、保存料を使用することは好まれないため、塩化ナトリウムによる保存性の向上は重要である。

0003

塩化カリウムは、食塩と似た塩味を有する物質であり、これを食塩の代わりに飲食品に用いることで、食塩の使用量を少なくしながら保存性を保つ試みが行われている。飲食品において食塩の使用量を抑えることで、飲食品の塩辛さを和らげ、低塩分を実現することができる。しかし、塩化カリウムは特有苦味異味があるため、使用量が多くなると飲食品の味に悪影響を及ぼす場合があり、完全に食塩に代替するものではない。また、飲食品に含まれる食塩の全部ではなく一部を塩化カリウムに置き換えた場合であっても、塩味のバランスを保つことは容易ではなく、また塩化カリウム特有苦み、異味を呈するために敬遠される傾向にある。そこで、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味マスキングする技術が種々提案されている。

0004

特許文献1には、塩化カリウムに、グリシン、L−アラニン、5−イノシン酸ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウムグリチルリチン、及びグリチルリチン酸ナトリウムの1種以上を添加した調味料が記載されている。特許文献2には、塩化カリウムと、有機酸カルシウム塩と、グルタミン酸塩及び/又は核酸呈味物質とを含有する調味料が記載されている。特許文献3には、塩化カリウムと、硫酸マグネシウムと、クエン酸ナトリウムと、食塩とを含有する調味料が記載されている。これら調味料における塩化カリウム以外の成分は、基本的に、塩化カリウムに起因する呈味のマスキング用成分であり、これらの他にも多種多様な成分が同目的で使用されている。

0005

一方で、食品に塩味を付与する場合、その食品が有する風味との兼合いも重要になってくる。例えば、特許文献4には、しょう油、つゆ、たれ等の液体調味料において食塩の代わりに塩化カリウムを用いる際に、グルタミン酸アスパラギン酸等の酸性アミノ酸及び/又はリジンアルギニン等の塩基性アミノ酸、並びにエタノールを添加すると、風味バランスが良好になることが記載されている。特許文献5には、醤油、みりん等の調味料及び該調味料を使用した半調理食品菓子類米飯食品等の各種食品において塩化カリウムを含有させる際に、ヒスチジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸及び/又はアンセリンカルノシン等の塩基性ペプチド呈味改善剤として添加すると、塩化カリウムの苦味やエグ味が抑制されることが記載されている。

先行技術

0006

特開昭57—138359号公報
特開昭59—187761号公報
特開平10—4917号公報
特開2007—289083号公報
国際公開第2006/114918号公報

発明が解決しようとする課題

0007

タラコ明太子等の魚卵が配合された魚卵入りソースは、魚卵の粒状感独特の風味で人気があり、パスタソースなどに使用されている。魚卵入りソースにおいても、近年の減塩指向に対応したものが要望されているが、食塩使用量が低減されつつも、塩味、魚卵の風味とソース全体のバランスが取れており、しかも従来と同様の保存性を有する魚卵入りソースは未だ提供されていない。

0008

特に魚卵入りソースは、本来的に食塩使用量の多い魚卵を多く含むという特殊性故に、魚卵を含まない他の飲食品に比べて、食塩使用量の低減と呈味とのバランスをとることは容易ではない。即ち、魚卵入りソースに用いられる魚卵は、流通時の保存性や風味の観点から加熱殺菌されていない塩漬品である場合が多く、魚卵そのものの塩味が比較的強いものである。ここで、減塩等の観点から、魚卵が配合されるソース自体の食塩使用量を少なくすると、ソースと魚卵との風味のバランスが崩れる、魚卵の塩分がソースに移行することに起因して魚卵の食感が悪くなる、ソースの保存性が低下する、等の不都合が生じるおそれがある。また、本発明者らの知見によれば、魚卵入りソースにおいて、単に、食塩代替品として塩化カリウムを使用しただけでは、保存性の問題はある程度の解決を見るものの、上記その他の点では問題を解決することは困難であった。

0009

従って本発明の課題は、食塩代替品として塩化カリウムを含むことで低塩分を可能にしつつも、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味がなく、塩味、魚卵の風味とソース全体のバランスが良好な魚卵入りソースを提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、ソースに魚卵が配合された魚卵入りソースにおいて、魚卵の配合量が30〜80質量%であり、塩化カリウム0.1質量%以上と、グリシン、アラニン、プロリンセリン、ヒスチジン及びトリプトファンから選択される1種以上とが配合されたことを特徴とする魚卵入りソースである。

発明の効果

0011

本発明によれば、食塩代替品として塩化カリウムを含むことで低塩分を可能にしつつも、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味がなく、塩味、魚卵の風味とソース全体のバランスが良好な魚卵入りソースが提供される。本発明の魚卵入りソースは、近年の減塩指向に合わせてソースにおける食塩使用量を低減してもなお、好ましい塩味と十分な保存性とを併せ持ち、魚卵の持つ粒状感があって食感、風味に優れ、また、パスタソースに用いた場合には、麺と魚卵との絡みが良好で且つソースの風味が麺と調和した美味しいパスタ料理が得られる。

0012

本発明の魚卵入りソースは、ソースに魚卵が配合されたものである。本発明の魚卵入りソースにおけるソースは、常温(25℃)で流動性を有している部分であり、通常、水分及び/又は油分を含む液状物ないし流動物である。本発明の魚卵入りソースから魚卵等の固形物を取り除くとソースが残る。本発明の魚卵入りソースにおけるソースは、魚卵入りソースの製造過程で魚卵から放出され得る成分と、必要に応じ添加される各種成分との混合物である。

0013

本発明の魚卵入りソースにおける魚卵の配合量は、魚卵入りソースの全質量に対して30〜80質量%である。魚卵の配合量が30質量%未満であると、魚卵特有の粒粒とした食感が感じられなくなるおそれがあり、魚卵の配合量が80質量%を超えると、相対的にソースの配合量が少なくなるため、魚卵の風味が強くなりすぎてソース全体の風味が感じられなくなるおそれがある。以上を考慮すると、魚卵入りソースにおける魚卵の配合量は、好ましくは35〜75質量%、さらに好ましくは40〜70質量%である。

0014

本発明で用いる魚卵としては、魚卵が略粒状にばらけるものであればその種類を問わず、具体的には例えば、タラ、マダラ、スケトウダラニシン、飛シシャモ等の腹子、又は加工した、タラコ、明太子、トビッコ、数の子等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0015

本発明で用いる魚卵は、生即ち未加工魚でも良く、生の魚卵に各種加工処理を施してなる加工魚卵でも良い。加工処理としては、例えば、食塩その他の調味料を生の魚卵に振り掛けて付着させる処理、該調味料を含む調味液に生の魚卵を浸漬する処理、生の魚卵を加熱する処理、生の魚卵を冷凍する処理等が挙げられ、これらの処理の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。加工魚卵の中でも特に、生の魚卵を塩漬処理(塩蔵)してなる塩漬魚卵、及び生の魚卵を調味液に浸漬処理してなる調味液含有魚卵は、魚卵が部分的に脱水されていることに起因して風味や締りが良好であり、これを含む魚卵入りソースにおいて魚卵のしっかりとした食感が得られることから、本発明で好ましく用いられる。

0016

本発明で用いる魚卵には、加熱処理された魚卵も含まれる。一般に、加熱処理された魚卵は、そこに含まれる蛋白質熱変性によって表面が硬くなるところ、この熱変性による表面硬化現象は、粒状感が向上するという点では好ましいが、熱変性の程度によっては食感が硬すぎる場合があり、ソースの風味が損なわれるおそれがある。以上を考慮すると、本発明で用いる魚卵、即ちソースの原材料としての魚卵は、完全には熱変性されていないものが好ましく、より具体的には、魚卵自体の温度(品温)が50℃以上に一度もなっていない、即ち50℃以上で加熱処理されていない魚卵が好ましい。また、本発明の魚卵入りソースに含まれる魚卵、即ち調理済みの魚卵についても、完全には熱変性されていないものが好ましく、これを実現するためには、魚卵入りソースの製造において、魚卵を90℃以上には加熱しないことが好ましい。

0017

本発明の魚卵入りソースには、食塩の代替品として、塩化カリウムが配合される。本発明で用いる塩化カリウムとしては、食用に供することができるものであれば良く、岩塩等から精製されたものでも、化学的に製造されたものでも構わない。

0018

本発明の魚卵入りソースにおける塩化カリウムの配合量は、魚卵入りソースの全質量に対して0.1質量%以上である。塩化カリウムには、食塩と同様に、食品の腐敗防止効果があるところ、塩化カリウムの配合量が0.1質量%未満であると、魚卵入りソースの保存性を得るために食塩の配合量を増やさざるを得なくなり、塩辛い味となったり低塩分が実現できなくなるおそれがある。一方、塩化カリウムの配合量の上限は特に制限されず、好みの塩味に応じて適宜設定することができる。魚卵入りソースにおける塩化カリウムの配合量は、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。尚、本明細書でいう「塩化カリウムの配合量」における「塩化カリウム」は、魚卵入りソースを製造する際に塩味料として意図的に添加される塩化カリウムを意味し、魚卵などの他の原材料に本来的に含まれている塩化カリウムは含まない。

0019

本発明の魚卵入りソースには、塩化カリウムに加えて、食塩即ち塩化ナトリウムを含む形態が含まれる。塩化カリウム及び食塩の双方を含むことで、魚卵入りソースの風味及び保存性がより一層向上し得る。塩化カリウムを含まない通常の魚卵入りソースにおいて、必要な保存性を確保する観点から食塩の配合量を設定すると、その配合量は比較的多くならざるを得ず、塩辛いソースとなるおそれがあるが、本発明の魚卵入りソースにおいては塩化カリウムの配合量が0.1質量%以上であるので、食塩を配合するとしてもその量は少量で済む。

0020

本発明の魚卵入りソースにおいて塩化カリウムに加えて食塩を配合する場合、両者の配合質量比は、塩化カリウム:食塩として、好ましくは3:97〜20:80程度である。また、塩化カリウムと食塩との合計配合量は、魚卵入りソースの全質量に対して、好ましくは0.5〜14質量%、さらに好ましくは1.5〜12質量%である。尚、本明細書でいう「食塩の配合量」における「食塩」は、魚卵入りソースを製造する際に塩味料として意図的に添加される食塩を意味し、魚卵などの他の原材料に本来的に含まれている食塩は含まない。

0021

本発明の魚卵入りソースにおける塩化カリウム及び食塩の総含有量は、好ましくは7〜14質量%、さらに好ましくは8〜12質量%である。ここでいう「塩化カリウム及び食塩の総含有量」は、魚卵入りソースを製造する際に塩味料として意図的に添加される塩化カリウム及び食塩の総量即ち配合量の合計と、魚卵を初めとする各種原材料に本来的に含まれている塩化カリウム及び食塩の総量との合計を意味する。尚、魚卵の種類にもよるが、塩蔵品生タラコのような、塩漬魚卵における食塩の含有量は、通常3〜15質量%である。

0022

本発明の魚卵入りソースの主たる特徴の1つとして、塩化カリウムに加えてさらに、グリシン、アラニン、プロリン、セリン、ヒスチジン及びトリプトファンから選択される1種以上(以下、「特定アミノ酸」とも言う)が配合されている点が挙げられる。塩化カリウムと共に前記特定アミノ酸を併用することで、塩化カリウムに起因する不快な苦味や異味が低減され、ソースの風味が向上する。また、そのような魚卵入りソースを、パスタソースなどの、麺にかけるソースとして用いた場合には、麺と魚卵との絡みが良好で且つソースの風味が麺と調和した美味しい麺料理が得られる。

0023

本発明で用いる前記特定アミノ酸に関し、アラニン、トリプトファンについては、D体、L体、DL体のいずれでも良いが、L体又はDL体が特に効果的であり好ましい。また、プロリン、セリン、ヒスチジンについては、D体、L体、DL体のいずれでも良いが、L体が特に効果的であり好ましい。また、前記特定アミノ酸のうちの1種が単独で配合されていても良いが、2種以上、特に2種が配合されていると、効果的であり好ましい。

0024

本発明の魚卵入りソースにおける前記特定アミノ酸の配合量は、魚卵入りソースの全質量に対して、好ましくは0.2〜2.0質量%、さらに好ましくは0.4〜1.8質量%、より好ましくは0.6〜1.6質量%である。ここでいう配合量は、2種以上の前記特定アミノ酸を配合する場合はそれらの合計量を意味する。前記特定アミノ酸の配合量が少なすぎたり多すぎたりして適切な範囲に無いと、塩化カリウムに起因する苦味、異味、アミノ酸に起因する異味が魚卵入りソースの風味と調和せず、風味の劣る魚卵入りソースとなるおそれがある。

0025

本発明の魚卵入りソースには、キサンタンガムを配合することができる。キサンタンガムを配合することで、魚卵とソースの風味とがより一層調和し、より高品質の魚卵入りソースが得られる。本発明の魚卵入りソースにおけるキサンタンガムの配合量は、魚卵入りソースの全質量に対して、好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに好ましくは0.03〜0.3質量%である。キサンタンガムの配合量が少なすぎると所定の効果が得られにくく、キサンタンガムの配合量が多すぎると、ソースの物性が重たくなりすぎるため好ましくない。

0026

本発明の魚卵入りソースには、前述した成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、この種のソースに通常用いられている各種原料を適宜選択し配合することができる。例えば、ローカストビーンガムグアーガムカラギーナンペクチン等の増粘剤又は増粘安定剤;牛乳バターチーズ等の乳製品食酢クエン酸乳酸レモン果汁等の酸味材;グルタミン酸ナトリウム、砂糖、醤油等の各種調味料;油脂類動植物エキス類胡椒唐辛子等の香辛料;各種蛋白質やこれらの分解物等;ひらたけ、椎茸エリンギ、しめじ、マッシュルーム玉葱ニンニクトマトオリーブ魚肉類等の具材等が挙げられる。

0027

本発明の魚卵入りソースは、この種のソースと同様の方法で製造することができ、例えば、魚卵、塩化カリウム及び前記特定アミノ酸の主原料を混合し、さらに必要に応じてキサンタンガム、食塩等の副原料を配合し、常法に則り製造することができる。本発明の魚卵入りソースは、魚卵などの原材料の加熱処理を伴って製造されても良く、また、製造後に殺菌などの目的で加熱処理されても良い。魚卵入りソースの加熱処理は、殺菌を効率良く行う観点からは、ソースの品温が90℃以上となるような条件で実施されることが好ましいが、そのような高温での加熱処理は魚卵の食感と風味の低下に繋がるおそれがあるため、少なくともソース中に魚卵が含有された状態では、該ソースの品温が90℃以上とならない条件で実施されることが好ましい。

0028

本発明の魚卵入りソースの好ましい製造方法の一例として、非加熱の魚卵即ち熱変性が全くされていない魚卵を用い、該魚卵を90℃以上には加熱しない製造方法が挙げられる。

0029

本発明の魚卵入りソースの水分活性は、好ましくは0.75〜0.90、さらに好ましくは0.78〜0.85である。水分活性は、食品中の有効水分の含有量を示すもので、水分活性が高すぎると食品における微生物制御が難しくなる。即ち、本発明の魚卵入りソースの水分活性が高すぎると、該ソースの常温保管中に微生物の増殖を抑えることができなくなるおそれがあり、また、それを懸念して殺菌処理工程を増やした場合には、魚卵の変性による魚卵の食感等の低下が生じやすくなる。一方、魚卵入りソースの水分活性が低すぎると、水分活性を調整するための添加剤の使用量が多くなることに起因して、ソースの風味に悪影響が生じやすくなる。尚、本明細書における水分活性は、水分活性測定装置AQUALAB Series-4TE(米国DECAGON社製)により求めたものを指す。

0030

水分活性の調整は、この種のソースにおいて水分活性の調整に従来使用されている各種の添加剤を使用することができ、例えば、グルタミン酸ナトリウム等の塩類、砂糖、ソルビトール等の糖類、その他水溶性成分を含む原材料等を適宜組み合わせ、添加量を適宜調整することによって行うことが好ましい。

0031

本発明の魚卵入りソースは、そのまま単独で喫食しても良く、パスタピザパンサラダ、ご飯などの主食物にかける、和える、塗る、混ぜる等して喫食しても良い。

0032

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0033

〔実施例1〜9及び比較例1〜3並びに参考例〕
下記表1に示す魚卵入りソースの原材料の混合物を、該混合物の品温が40℃となる条件で5分間加熱調理して、魚卵入りソース(タラコソース)を製造した。使用した魚卵(タラコ)は、非加熱の塩漬魚卵、即ち熱変性が全くされていない塩漬魚卵であり、また、魚卵入りソースの製造においては該魚卵を40℃で加熱しているので、製造された魚卵入りソース中の該魚卵は、完全には熱変性されていない。

0034

評価試験
10名のパネラーに、各実施例及び比較例の魚卵入りソースと、該ソース中の魚卵(タラコ)のみとをそれぞれ食してもらい、下記の基準により評価を行った。
また、茹であげたスパゲティに各実施例及び比較例の魚卵入りソースを絡ませて魚卵入りスパゲティ(タラコスパゲティ)を製造し、これを10名のパネラーに食してもらい、下記の基準により評価を行った。
以上の結果(10名のパネラーの平均点)を下記表1に示す。

0035

<魚卵入りソースの評価基準
5点:ソースの塩味・風味が極めてよく、苦味や異味は全くない。
4点:ソースの塩味・風味もよく、苦味や異味は全くない。
3点:ソースの塩味・風味もよいが、苦味や異味がややある。
2点:ソースがやや塩辛いか又は風味にやや物足りず、苦味や異味がある。
1点:ソースが塩辛いか又は風味が弱く、苦味や異味が強い。
<ソース中の魚卵のみの評価基準>
5点:魚卵の粒子が明確に感じられ、苦味や異味は全くない。
4点:魚卵の粒子感があり、苦味や異味は全くない。
3点:魚卵の粒子感があり、苦味や異味がややある。
2点:魚卵の粒子感がわずかにあり、苦味や異味がある。
1点:魚卵の粒子感がほとんどなく、苦味や異味が強い。
<魚卵入りスパゲティの評価基準>
5点:麺と魚卵の絡みが非常によく、ソースの塩味・風味が麺とよく調和して非常に良好な食感。
4点:麺と魚卵の絡みがよく、ソースの塩味・風味が麺と調和していて良好な食感。
3点:魚卵が麺からやや流れやすく、ソースの塩味・風味と麺のバランス感があり、普通の食感。
2点:魚卵の粒子が少なくて麺から流れやすく、ソースの塩味・風味と麺のバランスが悪く、やや不良な食感。
1点:魚卵の粒子がほとんどなく、ソースの塩味・風味と麺のバランスも悪く、不良な食感。

0036

0037

表1に示す通り、塩化カリウムと共に前記特定アミノ酸(グリシン、アラニン、プロリン、セリン、ヒスチジン、トリプトファン)が配合された各実施例は、前記特定アミノ酸が配合されていない各比較例に比して、魚卵入りソース全体、ソース中の魚卵のみ及び魚卵入りスパゲティのいずれにおいても高評価であった。
また各実施例は、塩化カリウムが配合されておらず食塩使用量が通常範囲にある参考例と比較しても高評価であることから、魚卵入りソースに前記特定アミノ酸を配合することで、低塩分を実現しつつも風味、食味に優れ、パスタソースとしても有用な魚卵入りソースが得られることがわかる。
特に、前記特定アミノ酸のうちの2種を併用した実施例3、5及び7は、他の実施例に比して高評価であったことから、前記特定アミノ酸のうちの複数種を併用するとより効果的であることがわかる。
比較例1及び2は、前記特定アミノ酸以外のアミノ酸を配合したものであるが、各実施例に比して低評価となったことから、アミノ酸であれば種類を問わずに、塩化カリウムに起因する好ましくない呈味を抑制し得るというわけではなく、塩化カリウムが配合された魚卵入りソースに有効なアミノ酸は、特定のものに限られることがわかる。

0038

〔実施例10〜15及び比較例4〜5〕
原材料の配合を下記表2に示すものに変更した以外は、前記〔実施例1〜9及び比較例1〜3並びに参考例〕と同様にして魚卵入りソース(タラコソース)を製造した。そして、製造した魚卵入りソースについて、前記〔評価試験〕に従って評価を行った。その結果を下記表2に示す。尚、表2には実施例1の結果を再掲した。

0039

0040

表2に示す結果から、魚卵入りソースにおける魚卵の配合量は30〜80質量%が好ましいことがわかる。

0041

〔製造例1〜10〕
原材料の配合を下記表3に示すものに変更した以外は、前記〔実施例1〜9及び比較例1〜3並びに参考例〕と同様にして魚卵入りソース(タラコソース)を製造した。そして、製造した魚卵入りソースについて、前記〔評価試験〕に従って評価を行った。その結果を下記表3に示す。

0042

0043

表3に示す結果から、魚卵入りソースにおける前記特定アミノ酸の配合量は0.2〜2.0質量%が好ましく、特に0.4〜1.8質量%、とりわけ0.6〜1.6質量%が好ましいことがわかる。

0044

〔製造例11〜19〕
原材料の配合を下記表4に示すものに変更した以外は、前記〔実施例1〜9及び比較例1〜3並びに参考例〕と同様にして魚卵入りソース(タラコソース)を製造した。そして、製造した魚卵入りソースについて、前記〔評価試験〕に従って評価を行った。その結果を下記表4に示す。尚、表4には製造例6の結果を再掲した。

0045

実施例

0046

表4に示す通り、魚卵入りソースにキサンタンガムを0.01〜0.5質量%の範囲で配合することで、ソースの風味が特に際立ち、また、魚卵の粒子感、麺との調和なども一層向上することがわかる。

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