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技術 分子動力学法によるシミュレーション方法、プログラム、及びシミュレーション装置

出願人 住友重機械工業株式会社
発明者 廣瀬良太
出願日 2016年6月16日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-119871
公開日 2017年12月21日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-224197
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 解析状態 マクスウェル分布 丸記号 相互作用ポテンシャル 時間刻み幅 代表長さ 周期境界条件 算出単位
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

流れ場が存在する系の分子動力学法によるシミュレーションにおいて、温度制御を行うことが可能なシミュレーション方法を提供する。

解決手段

流れ場を形成する複数の粒子を含む粒子系を分子動力学法によりシミュレーションする際に、粒子ごとに、粒子の速度と、粒子の位置における流れ場の流速との差に基づいて温度制御を行うことにより、粒子系の温度を目標温度に近づける。

概要

背景

分子動力学を用いたシミュレーションが行われている。分子動力学では、シミュレーション対象の系を構成する粒子運動方程式数値的に解かれる。分子動力学を用いたシミュレーションを行う場合、シミュレーション対象の系の温度をある目標温度に設定したい場合がある。

下記の特許文献1に、分子動力学によるシミュレーションにおいて、温度設定を変更した場合に、解析状態が迅速に安定化し、所望の設定温度での状態を正確に得ることができるようにする温度制御方法が開示されている。この方法では、分子動力学法によるシミュレーションの途中段階で求められた各粒子の速度を、現時点の系の温度及び目標温度に基づいて更新する。更新された速度に基づいて、系の温度を更新する。この操作により、系の温度を目標温度に近づける。

概要

流れ場が存在する系の分子動力学法によるシミュレーションにおいて、温度制御を行うことが可能なシミュレーション方法を提供する。流れ場を形成する複数の粒子を含む粒子系を分子動力学法によりシミュレーションする際に、粒子ごとに、粒子の速度と、粒子の位置における流れ場の流速との差に基づいて温度制御を行うことにより、粒子系の温度を目標温度に近づける。

目的

本発明の目的は、流れ場が存在する系の分子動力学法によるシミュレーションにおいて、温度制御を行うことが可能なシミュレーション方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

流れ場を形成する複数の粒子を含む粒子系分子動力学法によりシミュレーションする方法であって、粒子ごとに、粒子の速度と、粒子の位置における流れ場の流速との差に基づいて温度制御を行うことにより、前記粒子系の温度を目標温度に近づけるシミュレーション方法

請求項2

粒子の位置における流れ場の流速は、着目している粒子の速度、及び着目している粒子の周囲に存在する他の複数の粒子の速度を平均することにより求める請求項1に記載のシミュレーション方法。

請求項3

さらに、着目している粒子の速度と流速との差に基づく運動エネルギ、及び着目している粒子の周囲に存在する他の複数の粒子の速度と流速との差に基づく運動エネルギの平均を算出し、算出された平均値に基づいて、粒子の各々の位置における温度を算出する請求項1または2に記載のシミュレーション方法。

請求項4

さらに、シミュレーショによって計算される対象の前記粒子系は、シミュレーションを行う対象である元粒子系に対して繰り込み処理を行って粒子数を減らしたものであり、前記元粒子系の粒子に定義される物理量と、くりこまれた前記粒子系の粒子に定義される物理量とは、前記元粒子系とくりこまれた前記粒子系とでレイノルズ数が同一になるように対応付けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシミュレーション方法。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか1項に記載されたシミュレーション方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム

請求項6

流れ場を形成する複数の粒子を含む粒子系の粒子の各々の位置及び速度を、ある時間刻み幅で分子動力学法により求める際に、粒子ごとに、粒子の速度と、粒子の位置における流れ場の流速との差に基づいて温度制御を行うことにより、複数の粒子の速度の分散に対応する温度を目標温度に近づける手順を実行するシミュレーション装置

技術分野

背景技術

0002

分子動力学を用いたシミュレーションが行われている。分子動力学では、シミュレーション対象の系を構成する粒子運動方程式数値的に解かれる。分子動力学を用いたシミュレーションを行う場合、シミュレーション対象の系の温度をある目標温度に設定したい場合がある。

0003

下記の特許文献1に、分子動力学によるシミュレーションにおいて、温度設定を変更した場合に、解析状態が迅速に安定化し、所望の設定温度での状態を正確に得ることができるようにする温度制御方法が開示されている。この方法では、分子動力学法によるシミュレーションの途中段階で求められた各粒子の速度を、現時点の系の温度及び目標温度に基づいて更新する。更新された速度に基づいて、系の温度を更新する。この操作により、系の温度を目標温度に近づける。

先行技術

0004

特開平10−334076号公報

発明が解決しようとする課題

0005

シミュレーション対象の系に流れ場が存在する場合、従来の温度制御方法では、流れ場の流速温度制御にともなって変化してしまう。このため、流れ場が存在する系のシミュレーション時に従来の温度制御方法を適用すると、シミュレーション結果はシミュレーション対象の系の各粒子の挙動を反映したものにならない。従って、従来の温度制御方法は、流れ場が存在する系のシミュレーションに適用することができない。

0006

本発明の目的は、流れ場が存在する系の分子動力学法によるシミュレーションにおいて、温度制御を行うことが可能なシミュレーション方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一観点によると、
流れ場を形成する複数の粒子を含む粒子系を分子動力学法によりシミュレーションする方法であって、
前記粒子系の粒子の各々の位置及び速度を算出する際に、粒子ごとに、粒子の速度と、粒子の位置における流れ場の流速との差に基づいて温度制御を行うことにより、前記粒子系の温度を目標温度に近づけるシミュレーション方法が提供される。

0008

本発明の他の観点によると、上記シミュレーション方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び上記シミュレーション方法を実行するシミュレーション装置が提供される。

発明の効果

0009

粒子の速度と、粒子の位置における流れ場の流速との差に基づいて温度制御を行うことにより、流れ場の流速が温度制御の影響を受けにくくなる。これにより、シミュレーション対象の粒子系の流れ場の挙動がシミュレーション結果に反映されることとなる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、実施例によるシミュレーション方法のフローチャートである。
図2Aは、シミュレーション対象の粒子系の各粒子の位置及び速度を表した模式図であり、図2Bは、シミュレーション対象の粒子系の各粒子の位置、及び速度と流速との差を表した模式図である。
図3は、シミュレーションモデルを示す図である。
図4A及び図4Bは、温度制御を行わない方法を用いてシミュレーションを行った結果を示す図である。
図5A及び図5Bは、流速を考慮しないで温度制御を行う方法を用いてシミュレーションを行った結果を示す図である。
図6A及び図6Bは、実施例による方法でシミュレーションを行った結果を示す図である。
図7は、実施例によるシミュレーション装置のブロック図である。

実施例

0011

図1図2A〜図2Bを参照して、実施例によるシミュレーション方法について説明する。実施例によるシミュレーションにおいて分子動力学法が適用される。分子動力学法では、シミュレーションの対象となる系を複数の粒子で表し、各粒子の運動方程式を数値的に解くことにより粒子の挙動、例えば位置の変化及び速度が求まる。実施例においては、シミュレーション対象である粒子系の複数の粒子によって流れ場が形成される。

0012

図1に、実施例によるシミュレーション方法のフローチャートを示す。以下に説明するシミュレーションは、コンピュータがシミュレーションプログラムを実行することにより実現される。

0013

テップ10において、シミュレーション対象の粒子系を定義する物理量、各粒子の初期状態拘束条件、及び温度制御の実行間隔を設定する。例えば、オペレータの操作によって初期状態、拘束条件、及び温度制御の実行間隔が入力される。粒子系を定義する物理量には、例えば粒子の質量、粒子のポテンシャル等が含まれる。粒子の初期状態には、例えば粒子の位置、粒子の速度、粒子系の温度等が含まれる。粒子系の温度は、粒子系に含まれる複数の粒子の速度の分散に反映される。拘束条件には、境界条件、流れ場の流速、粒子系の目標温度等が含まれる。流れ場の流速は、粒子系に含まれる粒子の速度の平均値に反映される。分子動力学法を用いた動解析の複数のタイムステップのうち、温度制御の実行間隔の設定値で示されたタイムステップ数ごとに温度制御が実行される。

0014

次に、ステップ11において、現時点で実行するタイムステップが、温度制御を実行するタイムステップに該当するか否かを判定する。例えば、温度制御の実行間隔の設定値で示された回数のタイムステップごとに、温度制御が実行される。

0015

現時点で実行するタイムステップが温度制御を実行するタイムステップに該当しない場合、ステップ12において、通常の1タイムステップの動解析を実行する。現時点で実行するタイムステップが温度制御を実行するタイムステップに該当する場合、ステップ13において、1タイムステップの動解析及び温度制御を実行する。

0016

ステップ12及びステップ13の後、ステップ14においてシミュレーションを終了するか否かを判定する。シミュレーションを終了しない場合、ステップ11に戻ってステップ11からステップ14までの処理を繰り返す。シミュレーションを終了する場合には、ステップ15においてシミュレーション結果を出力する。

0017

次に、ステップ13の処理について詳細に説明する。
まず、分子動力学法を用いて、1タイムステップの動解析を実行する。1タイムステップの時間刻み幅は、予め設定されている。この動解析により、シミュレーション対象の粒子系の各粒子の位置及び速度が更新される。

0018

1タイムステップの動解析を実行した後、すべての粒子について各粒子の位置における流れ場の流速を算出する。流れ場の流速は、着目する粒子、及び着目する粒子の周囲に存在する他の複数の粒子の速度の平均値で表すことができる。流速を算出する基礎となる複数の粒子として、例えば着目する粒子を含む一部の空間(以下、流速算出単位空間という。)の内側に存在する粒子を採用することができる。流速算出単位空間として、例えば、着目する粒子を中心として、平衡状態のときの粒子間の平均距離の3倍〜4倍程度の半径を持つ球体とすることができる。

0019

次に、図2Aを参照して、流れ場の流速を算出する具体例について説明する。
図2Aに、シミュレーション対象の粒子系の各粒子の位置及び速度を表した模式図を示す。図2Aにおいて、各粒子を丸記号で表し、各粒子の速度ベクトルを矢印で表す。各粒子の速度ベクトルは、流れ場の下流側の方(図2Aにおいて右方)を向く傾向を示す。

0020

着目する粒子Piを含む流速算出単位空間30を定義することができる。着目する粒子Piの速度をviと表し、流速算出単位空間30内の他の粒子Pjの速度をvjと表す。流速算出単位空間30内の着目する粒子Pi以外の粒子の個数NNと表す。着目する粒子Piの位置における流れ場の流速Viは、以下の式で表される。

0021

流速Viを算出した後、各粒子Pi、Pjの速度vi、vjと、着目する粒子Piの位置における流れ場の流速Viとの差に基づいて、着目する粒子Piの位置における温度を算出する。

0022

図2Bに、シミュレーション対象の粒子系の各粒子Pi、Pjの位置、及び速度vi、vjと流速Viとの差を表した模式図を示す。各粒子に付された矢印が、その粒子の速度vi、vjと流速Viとの差を表している。粒子の速度vi、vjと流速Viとの差を流速算出単位空間30内の粒子について平均した速度は0になる。

0023

着目する粒子Piの位置における温度をTi、ボルツマン定数をkB、粒子Pi、Pjの質量をそれぞれmi、mjと表すと、以下の式(2)が成り立つ。式(2)を用いて、着目する粒子Piの位置における温度Tiを算出することができる。

0024

式(2)の右辺は、着目している粒子Piの速度viと流速Viとの差に基づく運動エネルギ、及び着目している粒子Piの周囲に存在する他の複数の粒子Pjの速度vjと流速Viとの差に基づく運動エネルギの平均値を表している。この平均値に基づいて、着目する粒子Piの位置における温度Tiが算出される。

0025

温度Tiを算出した後、各粒子の位置における温度が目標温度に近づくように、各粒子の速度を調整する。速度を調整する一手法として、速度スケーリング法を適用することができる。速度スケーリング法においては、着目する粒子Piの速度調整後の速度をvimと表すと、速度vimは、以下の式で表される。




ここで、aはスケーリングの強さを決めるパラメータであり、1以下の正の実数である。siは、スケーリングファクタと呼ばれる。Tcは目標温度である。

0026

粒子の速度を調整することにより、1タイムステップの動解析及び温度制御の処理が終了する。

0027

次に、分子動力学法によるシミュレーションにおいて、流れ場の流速を考慮しないで温度制御を適用する方法と比較して、上記実施例の効果について説明する。流れ場の流速を考慮しないで温度制御を行う場合には、例えば、着目する粒子Piの位置における温度Tiは上述の式(2)に代えて、以下の式(4)を用いて算出される。

0028

さらに、温度制御による速度調整は、式(3)に代えて、以下の式(5)が適用される。

0029

上述の式(4)の速度vi、vjには、図2Aに示したように流れ場の流速Viが含まれている。流速Viを含んだ速度vi、vjに基づいて温度制御が行われるため、温度制御によって流れ場の流速Viが乱されてしまう。上記実施例による方法では、式(3)に示したように、粒子の速度vi、vjと、粒子Piの位置における流れ場の流速Viとの差に基づいて温度制御が行われ、温度制御実施後の速度に流速Viが加算される。このため、温度制御による流速Viの乱れを抑制することができる。

0030

上記実施例の効果を確認するために、同一のシミュレーションモデルを用いて、温度制御を行わない方法、流速を考慮しないで温度制御を行う方法、及び実施例による方法の3通りの方法でシミュレーションを行った。次に、これらのシミュレーション結果について説明する。

0031

図3にシミュレーションモデルを示す。シミュレーションは2次元空間で行った。2次元の正方形の領域内に円形シリンダが配置されている。この空間に流れる流体を構成する粒子の挙動をシミュレーションにより求めた。xy直交座標系を定義し、正方形の領域の1つの頂点原点とし、正方形の各辺を、x軸またはy軸に平行にした。正方形の一辺の長さL1を3922×10−10mとし、シリンダの直径Dを500×10−10mとした。シリンダは、y方向に関して正方形の領域の中心に配置されている。正方形の領域のx方向の負側の辺(x=0)からシリンダの中心までの距離L2をL1/4=980.5×10−10mとした。

0032

流体を構成する粒子の質量を6.63×10−26kgとした。正方形の領域内に配置される粒子の個数は約26万個である。粒子間の相互作用ポテンシャルとして、レナードジョーンズポテンシャルの斥力の項のみを用いた。具体的には、相互作用ポテンシャルφ(r)は、以下の式で定義される。




ここで、ε=1.65×10−21J、σ=3.41×10−10mである。この粒子系の流体の粘度は3.64×10−4Pa・sであり、密度は1.18×103kg/m3である。

0033

さらに、シリンダは、円周上に相互にバネで接続された複数の粒子を配置することにより表現した。シリンダ表面に配置した粒子に対しては、ランジュバン法による温度制御を行った。シリンダの温度は88.85Kとした。

0034

温度制御を行う場合の目標温度Tcとして、温度制御を行わない方法でシミュレーションしたときの定常状態到達時の平均温度である235.15Kを用いた。

0035

次に、境界条件について説明する。右端(x=L1)と左端(x=0)とで特殊な周期境界条件が課されている。具体的には、粒子が右端の境界を通過するとき、x方向の流速600m/sを中心とし、温度を88.85Kとするボルツマン分布に基づいて、ランダムに新しい速度が割り当てられる。この粒子が、左端の境界から正方形の領域内に流入する。下端(y=0)と上端(y=L1)の境界は、x方向の流速が600m/s、温度が88.85Kの熱浴として働く。下端及び上端の境界に到達した粒子は、x方向の流速600m/sだけシフトしたハーフマクスウェル分布に基づいて、ランダムに新しい速度が割り当てられる。

0036

図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、及び図6Bにシミュレーショ結果を示す。図4A及び図4Bは、温度制御を行わない方法を用いてシミュレーションを行った結果を示し、図5A及び図5Bは、流速を考慮しないで温度制御を行う方法を用いてシミュレーションを行った結果を示し、図6A及び図6Bは、実施例による方法でシミュレーションを行った結果を示す。

0037

図4A、図5A、及び図6Aは、流体に生じた渦を可視化した図である。渦を可視化する方法は、例えば特許第5888921号公報に開示されている。図4B、図5B、及び図6Bは、温度分布濃淡で表す図である。色の相対的に濃い領域が相対的に高温であることを表している。図4A〜図6Bまでの各々において、左から右に並ぶ複数の図は、時間の経過に対応している。

0038

図4Aに示されているように、温度制御を行わない場合には、シリンダの後方カルマン渦が発生していることを確認できる。また、図4Bに示されているように、シリンダ近傍を通過する流体の温度が相対的に大きく上昇しおり、顕著な温度分布が発生していることがわかる。定常状態に達した時点における流体の平均温度は235.15Kであった。このように、顕著な温度分布が発生したのは、シミュレーションにおいて温度制御を行っていないためである。

0039

流速を考慮しないで温度制御を行った場合には、図5Bに示されているように、流体の温度は、図4Bの場合に比べて均一になっている。これは、温度制御が行われたことの効果である。ところが、図5Aに示されているように、カルマン渦が確認できない。これでは、流体の挙動が適切にシミュレーションされたとはいえない。これは、温度制御時に流速を考慮していないため、温度制御が流速自体に影響を与えてしまったためである。

0040

図6Aに示されているように、実施例による方法で温度制御を行った場合には、カルマン渦が確認される。さらに、図6Bに示されているように、流体の温度がほぼ均一になっている。実施例による方法を採用することにより、流れ場を大きく乱すことなく、かつ適切な温度制御を行うことが可能であることが確認された。

0041

次に、上記実施例の変形例について説明する。上記実施例では、式(3)を用いて粒子の速度viを調整することにより温度制御を行った。その他に、速度に比例する摩擦力を与えて温度制御を行ってもよいし、Nose−Hoover法を用いて温度制御を行ってもよい。

0042

速度に比例する摩擦力を与えて温度制御を行う場合には、ステップ13(図1)において動解析を行う際に、通常の運動方程式に代えて、以下の式(7)を用いることができる。




ここで、riは着目する粒子Piの位置、fiは粒子Piに作用する力を表す。γはスケーリングの強さを決めるパラメータである。

0043

Nose−Hoover法を用いて温度制御を行う場合には、通常の運動方程式に代えて、以下の式(8)を用いることができる。




ここで、riは粒子Piの位置、Φは粒子間ポテンシャル、gは空間の自由度を表す。Qはスケーリングの強さを決めるパラメータである。

0044

分子動力学法によるシミュレーション方法において、計算対象粒子数を減らすために、種々の方法が提案されている。例えば、流路代表長さを短くする方法、繰り込みの手法を用いて粒子数を減らす方法(例えば、特許第5241468号公報)等により粒子数を減らすことができる。

0045

シミュレーション対象である元粒子系の粒子数を減らすとき、シミュレーション対象である元粒子系と、粒子数を減らした粒子系とで、レイノルズ数が同一になるように粒子に与えられる物理量を対応付けることが好ましい。レイノルズ数を同一にすることにより、元粒子系と粒子数を減らした粒子系との間で、流れの相似性を確保することができる。

0046

レイノルズ数Reは、以下の式(9)で与えられる。




ここで、μは流体の粘度を表し、ρは流体の密度を表し、vは粒子の速度を表し、Lは流路の代表長さを表す。例えば、粒子数を減らすために流路を小さくして代表長さLを1/x倍にした場合、粒子数を減らした粒子系の粒子の速度vをx倍にすればよい。

0047

繰り込みの手法を用いて粒子数を減らす場合には、例えば、繰り込みによって粒子系の密度ρ、代表長さLが変化せず、粘度μがλ倍になる場合がある。ここで、λは繰り込み因子であり、繰り込み回数nを用いてλ=2nと表される。この場合には、レイノルズ数Reを不変とするために、速度vをλ倍にすればよい。

0048

図7に、実施例によるシミュレーション装置のブロック図を示す。このシミュレーション装置として、シミュレーションプログラムを実行するコンピュータを用いることができる。このコンピュータは、中央処理装置(CPU)40、メインメモリ41、補助記憶装置42、入力装置43、及び出力装置44を含む。補助記憶装置42は、シミュレーションプログラムが格納されている記録媒体を含む。この記録媒体は、補助記憶装置に内蔵されたものでもよく、補助記憶装置に対して着脱可能なリムーバブル媒体でもよい。このシミュレーションプログラムがメインメモリ41にロードされ、CPU40によって実行される。

0049

入力装置43からシミュレーションに必要な情報が入力される。例えば、ステップ10(図1)で設定される種々の情報が入力される。シミュレーション結果が出力装置44に出力される。例えば、ステップ15(図1)において、図6Aに示した流体に生じた渦を可視化した画像、図6Bに示した流体の温度分布を示す画像等が出力装置44に表示される。

0050

図7に示したシミュレーション装置により、上記実施例によるシミュレーションを行うことができる。

0051

上述の実施例及び変形例は例示であり、異なる実施例及び変形例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例及び変形例の同様の構成による同様の作用効果については実施例及び変形例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例及び変形例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。

0052

10〜15 ステップ
30流速算出単位空間
40中央処理装置(CPU)
41メインメモリ
42補助記憶装置
43入力装置
44 出力装置

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