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技術 標識抗体、その製造方法及び免疫学的測定法

出願人 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
発明者 榎本靖松村康史
出願日 2016年6月17日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-120536
公開日 2017年12月21日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-223604
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 発色レベル 磁製るつぼ 高感度領域 固形分残渣 内包金属 面積平均径 濃度調整前 mL投入
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重要な関連分野

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図面 (2)

課題

樹脂金属複合体によって標識され、高感度免疫学的測定が可能な標識抗体を提供する。

解決手段

抗体及びpH2〜9の結合用緩衝液の混合物に、樹脂粒子10に有機色素又は金属粒子20が固定化された構造を有する樹脂複合体粒子100を混合することによって標識抗体を製造する。標識抗体を、pH2〜9のブロック用緩衝液中に分散させる工程をさらに含んでもよい。樹脂複合体粒子100における金属粒子20は、樹脂粒子10外に露出した部位を有する第1の粒子と、全体が樹脂粒子10に内包されている第2の粒子と、を含んでいてもよく、第1の粒子及び第2の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が、樹脂粒子10の表層部において三次元的に分布していることが好ましい。

概要

背景

生体内には、無数化学物質が存在することから、生体内の特定の微量成分を定性的、定量的に分析することは、極めて重要である。医療製薬、健康食品バイオテクノロジー、環境等の分野において、生体内の特定の箇所(化学物質)にのみ作用する薬品及び食品、生体の僅かな変化を検出する分析装置及び診断薬等は、上記技術とともに発展してきた。

上記分析技術の一つに、イムノアッセイがある。これは、免疫学的測定法とも呼ばれ、免疫反応の一つである、抗原−抗体間における特異的な反応を利用し、微量成分を定性的、定量的に分析する方法である。抗原−抗体間反応は感度や反応の選択性が高いため、上記分野で広く用いられている。イムノアッセイは、その測定原理により、様々な測定法がある。例えば、酵素免疫測定法EIA)、放射性免疫測定法RIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、ラテックス等の凝集法(LIA、PA)、イムノクロマトグラフィー法ICA)、赤血球凝集法(HA)、赤血球凝集抑制法(HI)等が挙げられる。

イムノアッセイは、抗原及び抗体が反応し複合体を形成した際の変化(抗原、抗体または複合体の濃度変化)から、抗原または抗体を定性的または定量的に検出する。これらを検出する際に、抗体、抗原または複合体に標識物質を結合させることで、検出感度が増大する。そのため、標識物質の標識能力は、イムノアッセイにおける検出能力を左右する重要な要素であるといえる。上記に例示したイムノアッセイにおいても、標識物質として、赤血球(HAの場合)、ラテックス粒子(LIAの場合)、蛍光色素(FIAの場合)、放射性元素(RIAの場合)、酵素(EIAの場合)、化学発光物質(CLIAの場合)等が用いられている。

ところで、標識物質として着色した微粒子を用いた場合、特別な分析装置を用いることなく目視により検出を確認することができるため、より簡便な測定ができることが期待される。このような着色した微粒子として、例えば、特許文献1では、ポリマー系ラテックス粒子の表面に結合した金ナノ粒子からなる着色ラテックスが提案されている。ポリマー系ラテックス粒子の表面に金ナノ粒子を結合させることにより、該金ナノ粒子自身が着色剤として目視判定性や検出感度の向上に役立つ一方、金ナノ粒子自身が抗原又は抗体に対する結合性にも優れることから、充分な濃色となる程度にまで金ナノ粒子を結合させても充分な量の抗原又は抗体を結合させ得るとされている。

上記着色ラテックスは、スチレンアクリル酸共重合体ラテックス及び金ナノ粒子の前駆体であるHAuClの分散液にガンマ線照射することで、上記ラテックスの表面に金ナノ粒子を結合させたものである。しかし、上記着色ラテックスは、金ナノ粒子がラテックスの表面のみに結合されることから、表面プラズモン吸収発現する金ナノ粒子の担持量に制限があるうえに、金ナノ粒子が脱離しやすい。その結果、免疫学的測定試薬としての視認性や感度が十分でない恐れがある。また、ガンマ線等の電磁放射線を照射するため、ラテックスにダメージを与える恐れがある。さらに、特許文献1の明細書中には、上記ラテックス径や金ナノ粒子径の好ましい範囲を開示しているが、実施例においてこれらの好ましい範囲についての検証が不十分であり、好ましい範囲の規定の根拠がない。

また、特許文献2では、金属金被覆されたポリマーラテックス粒子が開示され、顕微鏡検査法及びイムノアッセイ法利用可能な試薬への適用が示唆されている。しかし、上記金属金で被覆されたポリマーラテックス粒子は、ポリマーラテックス粒子の材質粒径の開示がない。さらに、イムノアッセイ法に利用可能な試薬としての効果について検証がない。そのため、金属金及びポリマーラテックス粒子における試薬としての効果は不明である。

このような背景から、本発明者らは、先に、高感度免疫学的測定を可能にする標識物質として、特定の構造の樹脂金属複合体を提案した(特許文献3及び4)。

ところで、ラテックス粒子と結合させた抗体には、凝集が生じやすいという欠点がある。そのため、例えば特許文献5では、標識としてラテックス粒子を用いる免疫測定用組成物において、抗体と結合したラテックス粒子の自然凝集を防止するため、pHを9.0〜9.8に調整することが提案されている。

概要

樹脂−金属複合体によって標識され、高感度な免疫学的測定が可能な標識抗体を提供する。 抗体及びpH2〜9の結合用緩衝液の混合物に、樹脂粒子10に有機色素又は金属粒子20が固定化された構造を有する樹脂複合体粒子100を混合することによって標識抗体を製造する。標識抗体を、pH2〜9のブロック用緩衝液中に分散させる工程をさらに含んでもよい。樹脂複合体粒子100における金属粒子20は、樹脂粒子10外に露出した部位を有する第1の粒子と、全体が樹脂粒子10に内包されている第2の粒子と、を含んでいてもよく、第1の粒子及び第2の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が、樹脂粒子10の表層部において三次元的に分布していることが好ましい。

目的

本発明は、樹脂複合体粒子によって標識され、高感度な免疫学的測定が可能な標識抗体を提供する

効果

実績

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請求項1

標識された抗体を製造する標識抗体の製造方法であって、前記抗体及びpH2〜9の結合用緩衝液の混合物に、樹脂粒子有機色素又は金属粒子固定化された構造を有する樹脂複合体粒子を、混合する工程を含むことを特徴とする、標識抗体の製造方法。

請求項2

前記標識抗体を、pH2〜9のブロック用緩衝液中に分散させる工程をさらに含む請求項1に記載の標識抗体の製造方法。

請求項3

前記金属粒子が、銀、ニッケル、銅、金、白金パラジウム又はそれらのうちのいずれかを含む合金である、請求項1又は2に記載の標識抗体の製造方法。

請求項4

前記樹脂複合体粒子における前記金属粒子は、前記樹脂粒子外に露出した部位を有する第1の粒子と、全体が前記樹脂粒子に内包されている第2の粒子と、を含んでおり、前記第1の粒子及び前記第2の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が、前記樹脂粒子の表層部において三次元的に分布しているものである、請求項1から3のいずれか1項に記載の標識抗体の製造方法。

請求項5

前記樹脂粒子が、金属イオン吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子である、請求項1から4のいずれか1項に記載の標識抗体の製造方法。

請求項6

前記金属粒子の平均粒子径が1〜80nmの範囲内である、請求項1から5のいずれか1項に記載の標識抗体の製造方法。

請求項7

前記樹脂複合体粒子の平均粒子径が100〜1000nmの範囲内である、請求項1から6のいずれか1項に記載の標識抗体の製造方法。

請求項8

前記抗体が、抗インフルエンザウィルス抗体である、請求項1から7のいずれか1項に記載の標識抗体の製造方法。

請求項9

請求項1から8のいずれか1項に記載の標識抗体の製造方法によって製造された標識抗体。

請求項10

請求項9に記載の標識抗体を用いることを特徴とする、免疫学的測定法

技術分野

0001

本発明は、例えば免疫学的測定使用可能な標識抗体、その製造方法及び免疫学的測定法に関する。

背景技術

0002

生体内には、無数化学物質が存在することから、生体内の特定の微量成分を定性的、定量的に分析することは、極めて重要である。医療製薬、健康食品バイオテクノロジー、環境等の分野において、生体内の特定の箇所(化学物質)にのみ作用する薬品及び食品、生体の僅かな変化を検出する分析装置及び診断薬等は、上記技術とともに発展してきた。

0003

上記分析技術の一つに、イムノアッセイがある。これは、免疫学的測定法とも呼ばれ、免疫反応の一つである、抗原−抗体間における特異的な反応を利用し、微量成分を定性的、定量的に分析する方法である。抗原−抗体間反応は感度や反応の選択性が高いため、上記分野で広く用いられている。イムノアッセイは、その測定原理により、様々な測定法がある。例えば、酵素免疫測定法EIA)、放射性免疫測定法RIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、ラテックス等の凝集法(LIA、PA)、イムノクロマトグラフィー法ICA)、赤血球凝集法(HA)、赤血球凝集抑制法(HI)等が挙げられる。

0004

イムノアッセイは、抗原及び抗体が反応し複合体を形成した際の変化(抗原、抗体または複合体の濃度変化)から、抗原または抗体を定性的または定量的に検出する。これらを検出する際に、抗体、抗原または複合体に標識物質を結合させることで、検出感度が増大する。そのため、標識物質の標識能力は、イムノアッセイにおける検出能力を左右する重要な要素であるといえる。上記に例示したイムノアッセイにおいても、標識物質として、赤血球(HAの場合)、ラテックス粒子(LIAの場合)、蛍光色素(FIAの場合)、放射性元素(RIAの場合)、酵素(EIAの場合)、化学発光物質(CLIAの場合)等が用いられている。

0005

ところで、標識物質として着色した微粒子を用いた場合、特別な分析装置を用いることなく目視により検出を確認することができるため、より簡便な測定ができることが期待される。このような着色した微粒子として、例えば、特許文献1では、ポリマー系ラテックス粒子の表面に結合した金ナノ粒子からなる着色ラテックスが提案されている。ポリマー系ラテックス粒子の表面に金ナノ粒子を結合させることにより、該金ナノ粒子自身が着色剤として目視判定性や検出感度の向上に役立つ一方、金ナノ粒子自身が抗原又は抗体に対する結合性にも優れることから、充分な濃色となる程度にまで金ナノ粒子を結合させても充分な量の抗原又は抗体を結合させ得るとされている。

0006

上記着色ラテックスは、スチレンアクリル酸共重合体ラテックス及び金ナノ粒子の前駆体であるHAuClの分散液にガンマ線照射することで、上記ラテックスの表面に金ナノ粒子を結合させたものである。しかし、上記着色ラテックスは、金ナノ粒子がラテックスの表面のみに結合されることから、表面プラズモン吸収発現する金ナノ粒子の担持量に制限があるうえに、金ナノ粒子が脱離しやすい。その結果、免疫学的測定試薬としての視認性や感度が十分でない恐れがある。また、ガンマ線等の電磁放射線を照射するため、ラテックスにダメージを与える恐れがある。さらに、特許文献1の明細書中には、上記ラテックス径や金ナノ粒子径の好ましい範囲を開示しているが、実施例においてこれらの好ましい範囲についての検証が不十分であり、好ましい範囲の規定の根拠がない。

0007

また、特許文献2では、金属金被覆されたポリマーラテックス粒子が開示され、顕微鏡検査法及びイムノアッセイ法利用可能な試薬への適用が示唆されている。しかし、上記金属金で被覆されたポリマーラテックス粒子は、ポリマーラテックス粒子の材質粒径の開示がない。さらに、イムノアッセイ法に利用可能な試薬としての効果について検証がない。そのため、金属金及びポリマーラテックス粒子における試薬としての効果は不明である。

0008

このような背景から、本発明者らは、先に、高感度な免疫学的測定を可能にする標識物質として、特定の構造の樹脂金属複合体を提案した(特許文献3及び4)。

0009

ところで、ラテックス粒子と結合させた抗体には、凝集が生じやすいという欠点がある。そのため、例えば特許文献5では、標識としてラテックス粒子を用いる免疫測定用組成物において、抗体と結合したラテックス粒子の自然凝集を防止するため、pHを9.0〜9.8に調整することが提案されている。

先行技術

0010

特開2009−168495号公報
特開平3−206959号公報
WO2016/002742
WO2016/002743
特開2007−315883号公報

発明が解決しようとする課題

0011

前記樹脂−金属複合体等の、樹脂粒子有機色素又は金属粒子固定化された構造を有する樹脂複合体粒子を、免疫学的測定法における標識物質として使用するためには、抗体などのリガンドに安定的に結合させることが必要である。しかし、リガンドを樹脂複合体粒子によって標識する場合、安定的な結合状態を形成できたとしても、必ずしも優れた検出感度が得られるとは限らない。特に、樹脂複合体粒子の有機色素の分子構造又は金属粒子を構成する金属種によっては、凝集の発生等により、検出感度が大きく低下する場合がある。

0012

従って、本発明は、樹脂複合体粒子によって標識され、高感度な免疫学的測定が可能な標識抗体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有する樹脂複合体粒子を特定の条件で抗体と結合させることによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。

0014

すなわち、本発明は、標識された抗体を製造する標識抗体の製造方法であって、
前記抗体及びpH2〜9の結合用緩衝液の混合物に、樹脂粒子に有機色素又は金属粒子が固定化された構造を有する樹脂複合体粒子を、混合する工程を含むことを特徴とする。

0015

本発明の標識抗体の製造方法は、前記標識抗体を、pH2〜9のブロック用緩衝液中に分散させる工程、
をさらに含んでいてもよい。

0016

本発明の標識抗体の製造方法は、前記金属粒子が、銀、ニッケル、銅、金、白金パラジウム又はそれらのうちのいずれかを含む合金であってもよい。

0017

本発明の標識抗体の製造方法は、前記樹脂複合体粒子における前記金属粒子が、
前記樹脂粒子外に露出した部位を有する第1の粒子と、
全体が前記樹脂粒子に内包されている第2の粒子と、
を含んでいてもよく、
前記第1の粒子及び前記第2の粒子のうち、少なくとも一部の粒子が、前記樹脂粒子の表層部において三次元的に分布しているものであってもよい。

0018

本発明の標識抗体の製造方法は、前記樹脂粒子が、金属イオン吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子であってもよい。

0019

本発明の標識抗体の製造方法は、前記金属粒子の平均粒子径が1〜80nmの範囲内であってもよい。

0020

本発明の標識抗体の製造方法は、前記樹脂複合体粒子の平均粒子径が100〜1000nmの範囲内であってもよい。

0021

本発明の標識抗体の製造方法は、前記抗体が、抗インフルエンザウィルス抗体であってもよい。

0022

本発明の標識抗体は、上記いずれかに記載の標識抗体の製造方法によって製造されたものである。

0023

本発明の免疫学的測定法は、上記標識抗体を用いることを特徴とする。

発明の効果

0024

本発明の標識抗体の製造方法によれば、抗体及び結合用緩衝液の混合物に、樹脂複合体粒子を混合することによって、標識抗体の凝集が抑制されて、高感度な免疫学的測定が可能な標識抗体を製造できる。本発明により得られる標識抗体は、耐久性、視認性、目視判定性、検出感度に優れた材料として、例えば、EIA、RIA、CLIA、FIA、LIA、PA、ICA、HA、HI等の免疫学的測定において有利に利用できる。

図面の簡単な説明

0025

本発明の一実施の形態に用いる樹脂複合体粒子の断面の構造を示す模式図である。

0026

以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[標識抗体の製造]
本実施の形態の標識抗体の製造方法は、樹脂複合体粒子で標識された抗体を製造するものである。ここで、「抗体」としては、特に制限はなく、例えば、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体遺伝子組み換えにより得られた抗体のほか、抗原と結合能を有する抗体断片[例えば、H鎖L鎖Fab、F(ab’)2等]などを用いることができる。また、免疫グロブリンとして、IgGIgMIgAIgEIgDのいずれでもよい。抗体の産生動物種としては、ヒトをはじめ、ヒト以外の動物(例えばマウスラットウサギヤギウマ等)でもよい。抗体の具体例としては、抗PSA抗体、抗AFP抗体、抗CEA抗体、抗アデノウイルス抗体、抗インフルエンザウィルス抗体、抗HCV抗体、抗IgG抗体抗ヒトIgE抗体等が挙げられる。

0027

また、本実施の形態の標識抗体の製造方法において、標識として使用される樹脂複合体粒子は、樹脂粒子に有機色素又は金属粒子が固定化された構造を有するものである。この樹脂複合体粒子の詳細については後述する。

0028

本実施の形態の標識抗体の製造方法は、少なくとも、次の工程A;
工程A)抗体及びpH2〜9の結合用緩衝液の混合物に、樹脂複合体粒子を混合する工程
を含み、好ましくは、さらに工程B;
工程B)標識抗体をpH2〜9のブロック用緩衝液中に分散させる工程
を含むことができる。

0029

<工程A>
工程Aでは、抗体及びpH2〜9の結合用緩衝液(Binding Buffer)の混合物に、樹脂複合体粒子を混合して標識抗体を得る。予め抗体及びpH2〜9の結合用緩衝液の混合物を調製し、この混合物中に樹脂複合体粒子を混合させることで、樹脂複合体粒子表面に抗体が結合し、抗体が、樹脂複合体粒子の凝集を抑える保護基として作用するため、標識抗体の製造工程における樹脂複合体粒子の凝集が抑えられる。一方、予め抗体及びpH2〜9の結合緩衝液の混合物を調製しない場合、例えば、結合用緩衝液に樹脂複合体粒子を混合して混合液を調製し、該混合液に抗体を混合させた場合は、樹脂複合体粒子が凝集し、感度が低下する傾向にある。特に、pH7を超える結合用緩衝液を使用した際に、感度の低下が顕著である。つまり、標識抗体の製造において前記工程Aを含むことで、広範な種類の結合用緩衝溶液が適用できる。しかも、広範な種類の樹脂粒子、有機色素及び金属粒子が適用できる。その結果、高感度な免疫学的測定が可能な標識抗体を製造できる。本工程Aでは、標識抗体の分散および結合に適したpH3〜9の結合用緩衝液を用いることが好ましく、より好ましくはpH6〜9である。pH2未満では強酸性により抗体が変質失活する場合があり、pH9を超えると樹脂複合体粒子と抗体を混合した際に凝集し分散が困難となる。ただし、強酸性により抗体が失活しない場合はpH2未満においても処理が可能である。また、pH6〜9では、有機色素の種類や樹脂複合体粒子中の金属粒子の金属種にかかわらず、凝集抑制効果により優れた検出感度が得られる。

0030

工程Aでは、上記pHに調整した結合用緩衝液に所定量の抗体を混合し、十分に混和する。結合用緩衝液としては、例えば、所定濃度に調整したホウ酸溶液などを用いることができる。結合用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。

0031

次に、得られた結合用緩衝液−抗体混合液に、所定量の樹脂複合体粒子を添加し、十分に撹拌、混合することによって、標準抗体分散液を得ることができる。このようにして得られた標準抗体分散液は、例えば遠心分離などの固液分離手段により、固形部分として標識抗体のみを分取できる。

0032

<工程B>
工程Bでは、工程Aで得られた標識抗体をpH2〜9のブロック用緩衝液(Blocking Buffer)中に分散させることによって、標識抗体への非特異的な吸着を抑制するブロッキングを行う。この場合、固液分離手段によって分取しておいた標識抗体を、pH2〜9の範囲内の条件で液相中に分散させる。このブロッキングの条件は、抗体の活性を保ちかつ標識抗体の凝集を抑制する観点から、好ましくはpH4〜9の範囲内であり、標識抗体の非特異的な吸着を抑制する観点から、pH5〜9の範囲内が好ましい。ブロッキングの条件が、pH2未満では強酸性により抗体が変質し失活する場合があり、pH9を超えると標識抗体が凝集してしまい分散が困難となる場合がある。

0033

工程Bは、例えば、工程Aで得られた所定量の標識抗体に上記pHに調整したブロック用緩衝液を添加し、ブロック用緩衝液中で標識抗体を均一に分散させる。ブロック用緩衝液としては、例えば、被検出物と結合しない蛋白質溶液を用いることがこのましい。ブロック用緩衝液に使用可能な蛋白質としては、例えば牛血清アルブミン卵白アルブミンカゼインゼラチンなどを挙げることができる。より具体的には、所定濃度に調整した牛血清アルブミン溶液などを用いることが好ましい。ブロック用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体の分散には、公知の方法が使用できるが、例えば超音波処理ローテーターによる撹拌などの分散手段を用いることが好ましい。このようにして標識抗体が均一分散した分散液が得られる。

0034

以上のようにして、標識抗体の分散液が得られる。この分散液から、例えば遠心分離などの固液分離手段により、固形部分として標識抗体のみを分取できる。また、必要に応じて、洗浄処理保存処理など任意の工程を実施することができる。以下、洗浄処理、保存処理について説明する。

0035

(洗浄処理)
洗浄処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体に洗浄用緩衝液を添加し、洗浄用緩衝液中で標識抗体を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。洗浄用緩衝液としては、特に限定されるものではないが、例えばpH8〜9の範囲内に調整した所定濃度の、トリス(Tris)緩衝液(トリスヒドロキシメチルアミノメタン緩衝液)、グリシンアミド緩衝液、アルギニン緩衝液などを用いることができる。洗浄用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体の洗浄処理は、必要に応じて複数回を繰り返し行うことができる。

0036

(保存処理)
保存処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体に保存用緩衝液を添加し、保存用緩衝液中で標識抗体を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。保存用緩衝液としては、例えば、上記洗浄用緩衝液に、所定濃度の凝集防止剤及び/又は安定剤を添加した溶液を用いることができる。凝集防止剤としては、例えば、スクロースマルトースラクトーストレハロースに代表される糖類や、グリセリンポリビニルアルコールに代表される多価アルコールなどを用いることができる。安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば牛血清アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質を用いることができる。このようにして標識抗体の保存処理を行うことができる。

0037

以上の各工程では、さらに必要に応じて、界面活性剤や、アジ化ナトリウムパラオキシ安息香酸エステルなどの防腐剤を用いることができる。

0038

<標識抗体>
以上のようにして標識抗体が製造することができる。本実施の形態の標識抗体は、従来の標識抗体と同様に、各種の免疫学的測定に利用できる。例えば、アナライトを含む試料と標識抗体とを混合し、反応させ、それによって生じる発色を、肉眼的に、あるいは分析機器を用いて測定することによって免疫学的測定が可能になる。従って、本実施の形態の標識抗体は、フロースルー式測定、ラテラルフロー式測定(イムノクロマトグラフィー)等の免疫学的測定において、標識抗体として好ましく使用することができる。

0039

<樹脂複合体粒子>
次に、本実施の形態の標識抗体の製造方法において標識として使用される樹脂複合体粒子について詳細に説明する。
樹脂複合体粒子は、樹脂粒子に有機色素又は金属粒子が固定化された構造を有する。前記有機色素又は金属粒子の構造は限定しないが、樹脂粒子に固定化されることで、樹脂複合体粒子が着色されるものであれば、イムノクロマトグラフィー等の免疫学的測定用途として、目視判定が容易になるので好ましい。

0040

以下に、樹脂粒子に金属粒子が固定化された樹脂複合体粒子の例について説明する。
図1は、本実施の形態において標識として好ましく使用可能な、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する樹脂複合体粒子(以下、「樹脂−金属複合体」という。)の断面模式図である。樹脂−金属複合体100は、樹脂粒子10と、金属粒子20と、を備えている。

0041

樹脂−金属複合体100は、樹脂粒子10に金属粒子20が分散または固定化されている。また、樹脂−金属複合体100は、金属粒子20の一部が樹脂粒子10の表層部60において三次元的に分布し、かつ前記三次元的に分布した金属粒子20の一部が部分的に樹脂粒子10外に露出しており、残りの一部が樹脂粒子10に内包されている。

0042

ここで、金属粒子20には、樹脂粒子10に完全に内包された金属粒子(以下、「内包金属粒子30」ともいう。)、樹脂粒子10内に埋包された部位及び樹脂粒子10外に露出した部位を有する金属粒子(以下、「一部露出金属粒子40」ともいう。)及び樹脂粒子10の表面に吸着している金属粒子(以下、「表面吸着金属粒子50」ともいう。)が存在する。一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50は、本発明における「第1の粒子」に該当し、内包金属粒子30は、本発明における「第2の粒子」に該当する。

0043

例えば、樹脂−金属複合体100を免疫学的測定に使用する場合、一部露出金属粒子40または表面吸着金属粒子50上に、抗体を固定化して使用する。その際、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50には、前記抗体が固定化される一方で、内包金属粒子30には、固定化されない。しかし、内包金属粒子30を含む金属粒子20の全てが局在型表面プラズモン吸収を発現することから、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50のみならず、内包金属粒子30も、免疫学的測定用標識としての視認性向上に寄与する。さらに、一部露出金属粒子40及び内包金属粒子30は、表面吸着金属粒子50と比較して樹脂粒子10との接触面積が大きいことに加え、埋包状態によるアンカー効果等の物理的吸着力が強く、樹脂粒子10から脱離しにくい。そのため、樹脂−金属複合体100を使用した免疫学的測定用標識としての耐久性、安定性を優れたものにすることができる。

0044

内包金属粒子30は、その表面の全てが、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。また、一部露出金属粒子40は、その表面積の5%以上100%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。上記各用途の耐久性の観点から、その下限は、表面積の20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。また、表面吸着金属粒子50は、その表面積の0%を超えて5%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。

0045

また、樹脂−金属複合体100への金属粒子20(内包金属粒子30、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50の合計)の担持量は、樹脂−金属複合体100の重量に対して、5wt%〜70wt%であることが好ましい。この範囲であれば、樹脂−金属複合体100は、標識物質としての視認性、目視判定性及び検出感度に優れる。金属粒子20の担持量が5wt%未満では、抗体の固定化量が少なくなり、検出感度が低下する傾向がある。金属粒子20の担持量は、より好ましくは、15wt%〜70wt%である。

0046

また、金属粒子20の10wt%〜90wt%が、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50であることが好ましい。この範囲であれば、金属粒子20上への抗体の固定化量が充分確保できるため、標識物質としての感度が高い。金属粒子20の20wt%〜80wt%が一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50であることがより好ましく、耐久性の観点から、表面吸着金属粒子50が20wt%以下であることがさらに好ましい。

0047

また、金属粒子20の60wt%〜100wt%が、表層部60に存在し、表層部60に存在する金属粒子20の5wt%〜90wt%が、一部露出金属粒子40または表面吸着金属粒子50であることが、金属粒子20上への抗体の固定化量が充分確保できるため、標識物質としての感度が高くなり好ましい。換言すれば、表層部60に存在する金属粒子20の10wt%〜95wt%が内包金属粒子30であることがよい。

0048

ここで、前記「表層部」とは、樹脂粒子10の表面から、深さ方向に粒子半径の50%の範囲を意味する。また、前記「三次元的に分布」とは、金属粒子20が、樹脂粒子10の面方向だけでなく、深さ方向にも分散されていることを意味する。

0049

樹脂粒子10は、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子であることが好ましい。特に、含窒素ポリマー粒子であることが好ましい。含窒素ポリマー中の窒素原子は、視認性に優れ、抗体の固定化が容易な銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムなどの金属粒子の前駆体であるアニオン性金属イオンを化学吸着しやすいため、好ましい。本実施の形態では、含窒素ポリマー中に吸着した金属イオンを還元し、金属ナノ粒子を形成する為、生成した金属粒子20の一部は、内包金属粒子30または一部露出金属粒子40となる。また、アクリル酸重合体のように、カルボン酸等はカチオン性金属イオンを吸着することができるため、銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムなどの金属粒子の前駆体であるカチオン性金属イオンを吸着しやすく、銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムなどの金属粒子20を形成することが可能であり、上記のいずれかの金属との合金を作ることも可能である。
一方、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有する含窒素ポリマー以外の樹脂粒子、例えばポリスチレン等の場合、前記金属イオンを樹脂内部に吸着しにくい。その結果、生成した金属粒子20の大部分は、表面吸着金属粒子50となる。上記のとおり、表面吸着金属粒子50は、樹脂粒子10との接触面積が小さいため、樹脂と金属の接着力が小さく、樹脂粒子10から金属粒子20が脱離する影響が大きい傾向にある。
上記含窒素ポリマーは、主鎖または側鎖に窒素原子を有する樹脂であり、例えば、ポリアミンポリアミドポリペプチドポリウレタンポリ尿素ポリイミドポリイミダゾールポリオキサゾールポリピロールポリアニリン等がある。好ましくは、ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−3−ビニルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン等のポリアミンである。また、側鎖に窒素原子を有する場合は、例えば、アクリル樹脂フェノール樹脂エポキシ樹脂幅広く利用することが可能である。

0050

金属粒子20の材質としては、例えば、銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムが適用できる。これらの金属は、単体もしくは合金等の複合体で使用することが可能である。好ましくは、視認性に優れ、抗体の固定化が容易な金、白金、パラジウムである。これらは、局在型表面プラズモン共鳴由来する吸収を発現するため、好ましい。より好ましくは、保存安定性がよい金及び白金である。また、樹脂−金属複合体100をpH2〜9の範囲内の条件で抗体と結合させた場合に、優れた発色性が得られるという観点でも、金属粒子20の材質として金、白金、金合金又は白金合金が最も好ましい金属種である。ここで金合金とは、例えば金と金以外の金属種からなり、金を10重量%以上含有する合金を意味する。また、白金合金とは、例えば白金と白金以外の金属種からなり、白金を10重量%以上含有する合金を意味する。

0051

また、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測長される金属粒子20の平均粒子径は、例えば1〜80nmであることが好ましい。金属粒子20の平均粒子径が、1nm未満の場合や80nmを超える場合は、局在型表面プラズモンが発現しにくくなるため感度が低下する傾向がある。金属粒子20の平均粒子径は、好ましくは、1nm以上70nm未満であり、より好ましくは、1nm以上50nm未満である。

0052

また、樹脂−金属複合体100の平均粒子径は、例えば100〜1000nmである。平均粒子径が100nm未満では、例えば、金属粒子20として金粒子又は白金粒子を使用する場合に、金属粒子の担持量が少なくなる傾向がある為、同サイズの金粒子より着色が弱くなる傾向にあり、1000nmを超えると、標識物質又は試薬とした際に、メンブランフィルター等のクロマトグラフ媒体の細孔内に詰まりやすい傾向や、分散性が低下する傾向がある。樹脂−金属複合体100の平均粒子径は、好ましくは、100nm以上700nm未満であり、より好ましくは、100nm以上650nm未満である。ここで、樹脂−金属複合体100の粒子径は、樹脂粒子10の粒子径に、一部露出金属粒子40又は表面吸着金属粒子50の突出部位の長さを加えた値を意味し、レーザー回折散乱法、動的光散乱法、または遠心沈降法により測定することができる。

0053

樹脂−金属複合体100の製造方法は、特に限定されない。例えば、乳化重合法により製造した樹脂粒子10の分散液に、金属イオンを含有する溶液を加えて、金属イオンを樹脂粒子10に吸着させる(以下、「金属イオン吸着樹脂粒子」という。)。さらに、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液中に加えることで、金属イオンを還元して金属粒子20を生成させ、樹脂−金属複合体100を得る。

0054

また、例えば、金属粒子20として、金粒子を使用する場合、金属イオンを含有する溶液としては、塩化金酸(HAuCl4)水溶液等が挙げられる。また、白金粒子を使用する場合、塩化白金酸(H2PtCl6)水溶液等が挙げられる。また、金属イオンの代わりに金属錯体を用いても良い。
また、金属イオンを含有する溶液の溶媒として、水の代わりに、メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等の含水アルコール又はアルコール、塩酸、硫酸硝酸等の酸等を用いても良い。
また、前記溶液に、必要に応じて、例えば、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物、界面活性剤、アルコール類テトラヒドロフランジエチルエーテルジイソプロピルエーテル等のエーテル類アルキレングリコールポリアルキレングリコール、これらのモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、グリセリン等のポリオール類アセトンメチルエチルケトン等のケトン類等の各種水混和性有機溶媒等の添加剤を添加してもよい。このような添加剤は、金属イオンの還元反応速度を促進し、また生成される金属粒子20の大きさを制御するのに有効となる。

0055

また、還元剤は、公知の物を用いることができる。例えば、水素化ホウ素ナトリウムジメチルアミンボランクエン酸次亜リン酸ナトリウム抱水ヒドラジン塩酸ヒドラジン硫酸ヒドラジンホルムアルデヒドショ糖ブドウ糖アスコルビン酸ホスフィン酸ナトリウムハイドロキノン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ロッシェル塩等が挙げられる。このうち、水素化ホウ素ナトリウム又は、ジメチルアミンボラン、クエン酸が好ましい。還元剤溶液には、必要に応じて界面活性剤を添加したり、溶液のpHを調整したりすることが出来る。pH調整にはホウ酸リン酸等の緩衝剤、塩酸や硫酸などの酸、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリにより調整することが出来る。
さらに還元剤溶液の温度により、金属イオンの還元速度を調整することで、形成する金属粒子の粒径をコントロールすることが出来る。

0056

また、前記金属イオン吸着樹脂粒子中の金属イオンを還元して金属粒子20を生成させる際、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液に添加しても良いし、還元剤を前記金属イオン吸着樹脂粒子に添加しても良いが、内包金属粒子30及び一部露出金属粒子40の生成しやすさの観点から、前者が好ましい。

0057

次に、樹脂粒子に有機色素が固定化された樹脂複合体粒子の例について説明する。本実施の形態において有機色素としては、公知の染料が用いられる。例えば、樹脂粒子への固定化能力や、発色性に優れる、反応染料直接染料含金染料酸性染料塩基性染料分散染料硫化染料植物染料、ナフ卜ール染料、蛍光染料が挙げられる。具体的には、アントラキノンナフトキノン、2,5−ジメトキシ−4−([4−ニトロフェニル]アゾ)ベンゼンジアゾニウムクロライドソルベントレッド27、ソルベントレッド111、ソルベントブルー111が挙げられる。
前記有機色素を樹脂粒子に固定化させる方法としては、例えば、樹脂粒子を合成した後に、有機色素を吸着させる方法、有機色素を分散又は溶解させたモノマー溶液重合する方法が挙げられる。
有機色素を用いる場合、樹脂粒子は公知の樹脂を用いることができる。例えば、セルロース、上記含窒素ポリマー、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体塩化ビニルアクリル酸エステル共重合体酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。これらの樹脂は、架橋構造を形成するために、更に公知のビニル系モノマーを共重合させたものであっても良い。

0058

また、樹脂複合体粒子の、水への分散性を保持するために、例えば、クエン酸、ポリ−L−リシンポリビニルピロリドンポリビニルピリジン、ポリビニルアルコール、DISPERBYK194、DISPERBYK180、DISPERBYK184(ビッグケミージャパン社製)等の分散剤を添加してもよい。さらにホウ酸やリン酸等の緩衝剤、塩酸や硫酸などの酸、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリによりpHを調整し、分散性を保持することが出来る。

0059

以上の構成を有する樹脂複合体粒子は、特に、樹脂粒子、金属粒子又は有機色素の表面に抗体を吸着させることにより、EIA、RIA、CLIA、FIA、LIA、PA、ICA、HA、HI等の免疫学的測定法に好ましく適用できる。また、特に、低濃度域高感度領域)での目視判定性に優れた免疫学的測定用標識物質又は免疫学的測定用試薬の材料として好ましく適用できる。また、免疫学的測定用標識物質又は免疫学的測定用試薬の形態に特に限定はないが、例えば、樹脂複合体粒子を水もしくは、pHを調整した緩衝液中に分散させた分散液として使用できる。

0060

次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例、比較例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。

0061

<樹脂複合体粒子の吸光度測定
樹脂複合体粒子の吸光度は、光学用白板ガラスセル光路長10mm)に0.01wt%に調製した樹脂複合体粒子分散液分散媒:水)を入れ、瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、MCPD−3700)を用いて、金の場合570nm、白金の場合400nmの吸光度を測定した。

0062

固形分濃度測定及び金属担持量の測定>
磁製るつぼ濃度調整前の分散液1gを入れ、70℃、3時間熱処理を行った。熱処理前後の重量を測定し、下記式により固形分濃度を算出した。

0063

固形分濃度(wt%)=[乾燥後の重量(g)/ 乾燥前の重量(g)]× 100

0064

また、上記熱処理後のサンプルを、さらに500℃、5時間加熱処理を行い、加熱処理前後の重量を測定し、下記式より金属担持量を算出した。
金属担持量(wt%)=
[500℃加熱処理後の重量(g)/500℃加熱処理前の重量(g)]×100

0065

<樹脂複合体粒子の平均粒子径の測定>
ディスク遠心式粒度分布測定装置(CPSDisc Centrifuge DC24000 UHR、CPS instruments, Inc.社製)を用いて測定した。測定は、樹脂複合体粒子を水に分散させた状態で行った。

0066

<金属粒子の平均粒子径の測定>
樹脂複合体粒子分散液をカーボン支持膜付き金属性メッシュ滴下して作成した基板を、電界放出走査電子顕微鏡(FE−SEM;日立ハイテクノロジーズ社製、SU−9000)により観測した画像から、任意の100個の金属粒子の面積平均径を測定した。

0067

イムノクロマト法による評価>
各実施例で作製した樹脂複合体粒子標識抗体分散液を用いて、下記に示すイムノクロマト法での測定を行い、樹脂複合体粒子分散液の性能を評価した。
評価方法
評価は、インフルエンザA型評価用モノクロスクリーンアドテック社製)を用い、5分後、10分後、15分後の発色レベルを比較した。性能評価において、抗原はインフルエンザA型陽性コントロール(APC)の2倍希釈列(1倍〜1024倍)を用いた(APC希釈前のウィルスの濃度は5000FFU/ml)。
評価手順
96ウェルプレートの各ウェルに、樹脂複合体粒子標識抗体分散液を3μlずつ入れ、APCの2倍希釈列(1倍〜1024倍)及び陰性コントロールを、それぞれ100μl混和した。次に、インフルエンザA型評価用モノクロスクリーンに、この混和した分散液を50μl添加し、5分後、10分後、15分後の発色レベルを評価した。15分後の発色レベルが0.5以上のものを「良好」と判定した。発色レベルは、金コロイド判定用色見本(アドテック社製)を用いて判定した。

0068

[作製例1]
<樹脂粒子の合成>
トリオクチルアンモニウムクロリド(1.20g)及びポリエチレングリコールメチルエチルエーテルメタクリレート(10.00g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(48.00g)及びジビニルベンゼン(2.00g)を加え、窒素気流下において150rpm、30℃で50分、次いで60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン二塩酸塩(0.250g)を約2分かけて滴下し、150rpm、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径377nmの樹脂粒子A−1を得た。遠心分離(9000rpm、40分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる操作を3回行った後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B−1を得た。
<樹脂複合体粒子の合成>
作製例1で作製した10wt%樹脂粒子分散液B−1(92.0g)に純水255gを加えた後、400mM塩化金酸水溶液(147g)を加え、室温で3時間撹拌した。この混合液を24時間静置した後、遠心分離(3000rpm、30分)により樹脂粒子A−1を沈殿させ、上澄みを除去する作業を3回繰り返すことで余分な塩化金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、2.5wt%金イオン吸着樹脂粒子分散液C−1を調製した。

0069

次に、純水1580gに前記2.5wt%金イオン吸着樹脂粒子分散液C−1(43.3g)を加え、150rpm、3℃で撹拌しながら、528mMのジメチルアミンボラン水溶液(10.0g)を2分かけて滴下した後、3℃で3時間、室温で2時間撹拌することで、平均粒子径399nmの樹脂複合体粒子D−1を得た。樹脂複合体粒子D−1を遠心分離(3000rpm、30分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、1620gの純水に再度分散させる作業を3回繰り返した後、透析処理により精製し、濃度調整することで1wt%の樹脂複合体粒子分散液E−1を得た。樹脂複合体粒子分散液E−1中の樹脂複合体粒子F−1の吸光度は上記方法に従って測定した結果、0.96であった。また、樹脂複合体粒子F−1における金粒子の平均粒子径は25.5nm、金の担持量は53.3wt%であった。

0070

[作製例2]
<樹脂粒子の合成>
トリオクチルアンモニウムクロリド(1.00g)及びポリエチレングリコールメチルエチルエーテルメタクリレート(10.00g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(48.00g)及びジビニルベンゼン(2.00g)を加え、窒素気流下において150rpm、30℃で50分、次いで60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.50g)を約2分かけて滴下し、150rpm、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径433nmの樹脂粒子A−2を得た。遠心分離(9000rpm、40分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させる操作を3回行った後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B−2を得た。

0071

<樹脂複合体粒子の合成>
樹脂粒子分散液B−1の代わりに樹脂粒子分散液B−2を用いる以外は、作製例1と同様にして、金イオン吸着樹脂粒子分散液C−2、樹脂複合体粒子D−2、樹脂複合体粒子分散液E−2および樹脂複合体粒子F−2を作製した。

0072

樹脂複合体粒子D−2の平均粒子径438nmであり、樹脂複合体粒子F−2の吸光度は0.99であった。また、樹脂複合体粒子F−2における金粒子の平均粒子径は24.0nm、金の担持量は51.1wt%であった。

0073

[作製例3]
<樹脂複合体粒子の合成>
作製例1で作製した10wt%樹脂粒子分散液B−1(18.2g)に純水54gを加えた後、400mM塩化白金酸水溶液(20g)を加え、30℃で3時間撹拌した。この混合液を24時間静置した後、遠心分離(3000rpm、30分)により樹脂粒子A−1を沈殿させ、上澄みを除去する作業を3回繰り返すことで余分な塩化白金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、5wt%白金イオン吸着樹脂粒子分散液C−3を調製した。

0074

次に、純水1392gに5wt%白金イオン吸着樹脂粒子分散液C−3(20.6g)を加え、150rpm、3℃で撹拌しながら、132mMのジメチルアミンボラン水溶液(40g)を20分かけて滴下した後、3℃で3時間、室温で2時間撹拌することで、平均粒子径408nmの樹脂複合体粒子D−3を得た。樹脂複合体粒子D−3を遠心分離(3000rpm、10分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、1400gの純水に再度分散させる作業を3回繰り返した後、透析処理により精製し、濃度調整することで1wt%の樹脂複合体粒子分散液E−3を得た。樹脂複合体粒子分散液E−3中の樹脂複合体粒子F−3の吸光度は上記方法に従って測定した結果、1.61であった。また、樹脂複合体粒子F−3における白金粒子の平均粒子径は5.0nm未満、白金の担持量は37.4wt%であった。

0075

[作製例4]
<樹脂複合体粒子の合成>
樹脂粒子分散液B−1の代わりに樹脂粒子分散液B−2を用いる以外は、作製例3と同様にして、白金イオン吸着樹脂粒子分散液C−4、樹脂複合体粒子D−4、樹脂複合体粒子分散液E−4および樹脂複合体粒子F−4を作製した。

0076

樹脂複合体粒子D−4の平均粒子径459nmであり、樹脂複合体粒子F−4の吸光度は1.66であった。また、樹脂複合体粒子F−4における白金粒子の平均粒子径は5nm未満、白金の担持量は37.8wt%であった。

0077

[試薬等]
実施例、比較例では以下の試薬等を使用した。
抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(7.15mg/mL/PBS):アドテック株式会社製
結合用緩衝液a:100mMホウ酸溶液をHClでpH≒3に調整した。
結合用緩衝液b:100mM ホウ酸溶液をNaOHでpH≒8.5に調整した。
ブロック用緩衝液a:1重量%牛血清アルブミン溶液をHClでpH≒5に調整した。
ブロック用緩衝液b:1重量%牛血清アルブミン溶液をHClでpH≒8.5に調整した。
洗浄用緩衝液:5mMトリス溶液をHClでpH≒8.5に調整した。
保存用緩衝液:洗浄用緩衝液に、スクロースを10重量%濃度になるように添加した。
インフルエンザA型陽性コントロール(APC):インフルエンザA型ウィルス不活化抗原(アドテック株式会社製)を、検体処理液(アドテック株式会社製)を用いて100倍希釈して調製した。APCの抗原濃度は、5000FFU/mlに相当する。
陰性コントロール:検体処理液(アドテック株式会社製)

0078

[実施例1]
(結合工程)
マイクロチューブアイビス登録商標;アズワン社製)2mL;以下同様である]に、抗インフルエンザA型モノクローナル抗体100μgを投入し、結合用緩衝液aを0.9mL添加した。転倒混和によって十分に混合した後、樹脂複合体粒子分散液E−1を0.1mL添加し、室温で3時間かけて転倒撹拌を行い、樹脂複合体粒子で標識した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を含む標準抗体分散液G−1を得た。

0079

(ブロック工程)
次に、標準抗体分散液G−1を氷冷後、12000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣にブロック用緩衝液aを1mL添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行い、さらに、室温で2時間かけて転倒撹拌を行い、標準抗体分散液H−1を得た。

0080

(洗浄処理)
次に、標準抗体分散液H−1を氷冷後、12000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣に洗浄用緩衝液1mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行った。この操作を3回繰り返し、洗浄処理とした。

0081

(保存処理)
次に、氷冷後、12000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣に保存用緩衝液1mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行うことによって、標準抗体分散液I−1を得た。

0082

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−1を用いて、イムノクロマト法での測定を行い、性能を評価した。その結果を表1に示した。

0083

0084

上記表1から、標識抗体分散液I−1は、512倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0085

[実施例2]
結合工程において樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに樹脂複合体粒子分散液E−2を用いる以外は、実施例1と同様にして、標準抗体分散液G−2,H−2、I−2を得た。

0086

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−2を用いて、イムノクロマト法での測定を行い、性能を評価した。その結果を表2に示した。

0087

0088

上記表2から、標識抗体分散液I−2は、512倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0089

[実施例3]
結合工程において結合用緩衝液aの代わりに結合用緩衝液bを用い、ブロック工程においてブロック用緩衝液aの代わりにブロック用緩衝液bを用いる以外は、実施例1と同様にして、標準抗体分散液G−3,H−3、I−3を得た。

0090

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−3を用いて、イムノクロマト法での測定を行い、性能を評価した。その結果を表3に示した。

0091

0092

上記表3から、標識抗体分散液I−3は、1024倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0093

[実施例4]
結合工程において樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに樹脂複合体粒子分散液E−2を用い、結合用緩衝液aの代わりに結合用緩衝液bを用い、ブロック工程においてブロック用緩衝液aの代わりにブロック用緩衝液bを用いる以外は、実施例1と同様にして、標準抗体分散液G−4,H−4、I−4を得た。

0094

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−4を用いて、イムノクロマト法での測定を行い、性能を評価した。その結果を表4に示した。

0095

0096

上記表4から、標識抗体分散液I−4は、1024倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0097

[比較例1]
(結合工程)
マイクロチューブに、樹脂複合体粒子分散液E−1を0.1mL投入し、結合用緩衝液aを0.9mL添加した。転倒混和によって十分に混合した後、抗インフルエンザA型モノクローナル抗体100μgを添加し、室温で3時間かけて転倒撹拌を行い、樹脂複合体粒子で標識した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を含む標準抗体分散液G−5を得た。

0098

(ブロック工程)
次に、標準抗体分散液G−5を氷冷後、12000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣にブロック用緩衝液aを1mL添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行い、さらに、室温で2時間かけて転倒撹拌を行い、標準抗体分散液H−5を得た。

0099

(洗浄処理)
次に、標準抗体分散液H−5を氷冷後、12000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣に洗浄用緩衝液1mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行った。この操作を3回繰り返し、洗浄処理とした。

0100

(保存処理)
次に、氷冷後、12000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、固形分残渣に保存用緩衝液1mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行うことによって、標準抗体分散液I−5を得た。

0101

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−5を用いて、イムノクロマト法での測定を行い、性能を評価した。その結果を表5に示した。

0102

0103

上記表5から、標識抗体分散液I−5は、256倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0104

[比較例2]
結合工程において樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに樹脂複合体粒子分散液E−2を用いる以外は、比較例1と同様にして、標準抗体分散液G−6,H−6、I−6を得た。

0105

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−6を用いて、イムノクロマト法での測定を行い性能を評価した。その結果を表6に示した。

0106

0107

上記表6から、標識抗体分散液I−6は、256倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0108

[比較例3]
結合工程において結合用緩衝液aの代わりに結合用緩衝液bを用いる以外は、比較例1と同様にして、標準抗体分散液を作製しようとしたところ、結合工程において樹脂複合体粒子が凝集してしまい、標準抗体分散液を得ることが困難であった。

0109

[比較例4]
結合工程において樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに樹脂複合体粒子分散液E−2を用い、結合用緩衝液aの代わりに結合用緩衝液bを用いる以外は、比較例1と同様にして、標準抗体分散液を作製しようとしたところ、結合工程において樹脂複合体粒子が凝集してしまうため、標準抗体分散液を得ることが困難であった。

0110

[実施例5]
結合工程において樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに樹脂複合体粒子分散液E−3を用い、結合用緩衝液aの代わりに結合用緩衝液bを用い、ブロック工程においてブロック用緩衝液aの代わりにブロック用緩衝液bを用いる以外は、実施例1と同様にして、標準抗体分散液G−7,H−7、I−7を得た。

0111

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−7を用いて、イムノクロマト法での測定を行い、性能を評価した。その結果を表7に示した。

0112

0113

上記表7から、標識抗体分散液I−7は、1024倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0114

[実施例6]
結合工程において樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに樹脂複合体粒子分散液E−4を用い、結合用緩衝液aの代わりに結合用緩衝液bを用い、ブロック工程においてブロック用緩衝液aの代わりにブロック用緩衝液bを用いる以外は、実施例1と同様にして、標準抗体分散液G−8,H−8、I−8を得た。

0115

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−8を用いて、イムノクロマト法での測定を行い、性能を評価した。その結果を表8に示した。

0116

0117

上記表8から、標識抗体分散液I−8は、1024倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

0118

[比較例5]
結合工程において樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに樹脂複合体粒子分散液E−3を用い、結合用緩衝液aの代わりに結合用緩衝液bを用い、ブロック工程においてブロック用緩衝液aの代わりにブロック用緩衝液bを用いる以外は、比較例1と同様にして、標準抗体分散液G−9,H−9、I−9を得た。

0119

(イムノクロマト法による評価)
作製した標識抗体分散液I−9を用いて、イムノクロマト法での測定を行い性能を評価した。その結果を表9に示した。

0120

0121

上記表9から、標識抗体分散液I−9は、512倍希釈の抗原に対して、15分後の発色レベルが0.5以上となり、良好な発色を示すことが確認された。

実施例

0122

以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。

0123

10…樹脂粒子、20…金属粒子、30…内包金属粒子、40…一部露出金属粒子、50…表面吸着金属粒子、60…表層部、100…樹脂複合体粒子

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