図面 (/)

技術 ボイラプラント及びボイラプラント運転方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 中村龍太
出願日 2017年9月28日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2017-187649
公開日 2017年12月21日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-223440
状態 特許登録済
技術分野 蒸気発生用の給水の予熱と供給
主要キーワード 入口水温度 弁開度制御装置 舶用ボイラ 硫酸腐食 エコノマイザ内 給水出口 復水昇圧ポンプ 重油燃料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

重油燃料ガス燃料切り替えて用いるボイラで生成された燃焼ガス熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止する、ことを目的とする。

解決手段

ボイラプラント10は、舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスとの熱交換によって、脱気器24からの給水を加熱して舶用ボイラ12へ供給する第1エコノマイザ26と、舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスとの熱交換によって、脱気器24からの給水を加熱して脱気器24へ戻すデュアルエコノマイザ28と、を備える。そして、ボイラプラント10は、舶用ボイラ12で用いられる燃料の種類に応じた目標温度となるように、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を調整する際に、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する。

概要

背景

ボイラプラントとして、燃焼ガスと給水とを熱交換することで、給水を加熱してボイラへ供給するエコノマイザと共に、脱気器からの給水をボイラの燃焼ガスで加熱して脱気器へ戻すエコノマイザ(以下「デュアルエコノマイザ」という。)を備えたものが開発されている(特許文献1,特許文献2)。デュアルエコノマイザは、例えば、エコノマイザの配置位置よりも、燃焼ガスの下流側に設けられている。デュアルエコノマイザによる給水の循環加熱によって、ボイラから排出される排熱がより多く回収される。
なお、脱気器の器内圧力は一定であるため、脱気器とデュアルエコノマイザとを循環する給水の温度は一定、すなわち器内圧力の飽和温度となる。

また、硫黄分を含む重油燃料と硫黄分を含まないガス燃料とを切り替えて用いるボイラも開発されている。このようなボイラは、燃料中の硫黄分による硫酸腐食を防止するために、重油燃料の使用に対応させて酸露点温度に基づいた設計が行われる。すなわち、デュアルエコノマイザを備えたボイラは、デュアルエコノマイザの出口ガス温度が酸露点温度を超えるように設計される。
このような重油燃料の使用に対応させたボイラの設計では、硫黄分を含まないガス燃料を使用しても、デュアルエコノマイザの出口ガス温度を酸露点温度以下とできないため、回収可能な熱に制限が設けられていた。

なお、特許文献2には、デュアルエコノマイザを備えないものの、硫黄分を含まない燃料を燃焼した後の排ガスを導入して蒸気を発生させる際に、排熱回収ボイラ本体出口の排ガスの温度を低下させて、排熱回収ボイラ本体による熱効率を高める排熱回収ボイラが開示されている。

概要

重油燃料とガス燃料を切り替えて用いるボイラで生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止する、ことを目的とする。ボイラプラント10は、舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスとの熱交換によって、脱気器24からの給水を加熱して舶用ボイラ12へ供給する第1エコノマイザ26と、舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスとの熱交換によって、脱気器24からの給水を加熱して脱気器24へ戻すデュアルエコノマイザ28と、を備える。そして、ボイラプラント10は、舶用ボイラ12で用いられる燃料の種類に応じた目標温度となるように、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を調整する際に、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、重油燃料とガス燃料を切り替えて用いるボイラで生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止できる、ボイラプラント及びボイラプラント運転方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ガス燃料重油燃料とを切り替え燃焼させ、生成した燃焼ガスにより給水を加熱するボイラと、前記ボイラで生成された前記燃焼ガスとの熱交換によって前記給水を加熱するエコノマイザと、前記ボイラで燃焼される燃料の種類に応じた目標温度となるように、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を調整する給水温度調整部と、を備え、前記給水温度調整部は、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整するボイラプラント

請求項2

前記エコノマイザ内に付着した粉体を吹き飛ばして除去する除煤装置を備え、前記給水温度調整部は、前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わり、前記除煤装置が所定時間駆動した後に、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度をガス燃料に応じた目標温度に調整する請求項1記載のボイラプラント。

請求項3

前記除煤装置が駆動する前記所定時間において、前記ボイラに供給される燃焼用空気供給量が増加される請求項2記載のボイラプラント。

請求項4

前記給水温度調整部は、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合、重油燃料からガス燃料に切り替わる場合に比べて、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を早い速度で調整する請求項1から請求項3の何れか1項記載のボイラプラント。

請求項5

前記エコノマイザを通過した前記燃焼ガスの温度が酸露点温度を超えるように前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を調整する請求項4記載のボイラプラント。

請求項6

ガス燃料と重油燃料とを切り替えて燃焼させ、生成した燃焼ガスにより給水を加熱する燃焼ガス生成工程と、前記燃焼ガス生成工程によって生成された前記燃焼ガスとの熱交換によって前記給水を加熱する給水加熱工程と、前記燃焼ガス生成工程で用いられる燃料の種類に応じた目標温度となるように、前記給水の温度を調整すると共に、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、前記給水の温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する給水温度調整工程と、を備えるボイラプラント運転方法

技術分野

0001

本発明は、ボイラプラント及びボイラプラント運転方法に関するものである。

背景技術

0002

ボイラプラントとして、燃焼ガスと給水とを熱交換することで、給水を加熱してボイラへ供給するエコノマイザと共に、脱気器からの給水をボイラの燃焼ガスで加熱して脱気器へ戻すエコノマイザ(以下「デュアルエコノマイザ」という。)を備えたものが開発されている(特許文献1,特許文献2)。デュアルエコノマイザは、例えば、エコノマイザの配置位置よりも、燃焼ガスの下流側に設けられている。デュアルエコノマイザによる給水の循環加熱によって、ボイラから排出される排熱がより多く回収される。
なお、脱気器の器内圧力は一定であるため、脱気器とデュアルエコノマイザとを循環する給水の温度は一定、すなわち器内圧力の飽和温度となる。

0003

また、硫黄分を含む重油燃料と硫黄分を含まないガス燃料とを切り替えて用いるボイラも開発されている。このようなボイラは、燃料中の硫黄分による硫酸腐食を防止するために、重油燃料の使用に対応させて酸露点温度に基づいた設計が行われる。すなわち、デュアルエコノマイザを備えたボイラは、デュアルエコノマイザの出口ガス温度が酸露点温度を超えるように設計される。
このような重油燃料の使用に対応させたボイラの設計では、硫黄分を含まないガス燃料を使用しても、デュアルエコノマイザの出口ガス温度を酸露点温度以下とできないため、回収可能な熱に制限が設けられていた。

0004

なお、特許文献2には、デュアルエコノマイザを備えないものの、硫黄分を含まない燃料を燃焼した後の排ガスを導入して蒸気を発生させる際に、排熱回収ボイラ本体出口の排ガスの温度を低下させて、排熱回収ボイラ本体による熱効率を高める排熱回収ボイラが開示されている。

先行技術

0005

特開2012−177519号公報
特開平9−33004号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献2に開示されているように、排熱回収ボイラ本体出口の排ガスの温度を低下させると、硫黄分を含む燃料を燃焼させる切り替えのタイミングによっては、この燃料の硫黄分による硫酸腐食が発生する可能性がある。

0007

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、重油燃料とガス燃料を切り替えて用いるボイラで生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止できる、ボイラプラント及びボイラプラント運転方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明のボイラプラント及びボイラプラント運転方法は以下の手段を採用する。

0009

本発明の第一態様に係るボイラプラントは、ガス燃料と重油燃料とを切り替えて燃焼させ、生成した燃焼ガスにより給水を加熱するボイラと、前記ボイラで生成された前記燃焼ガスとの熱交換によって前記給水を加熱するエコノマイザと、前記ボイラで燃焼される燃料の種類に応じた目標温度となるように、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を調整する給水温度調整部と、を備え、前記給水温度調整部が、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する。

0010

本発明に係るボイラプラントは、ガス燃料と重油燃料とを切り替えて燃焼させ、生成した燃焼ガスによりボイラで給水を加熱する。

0011

また、エコノマイザは、ボイラで生成された燃焼ガスとの熱交換によって、ボイラへ供給する。

0012

そして、エコノマイザへ送出する給水の温度は、ボイラで燃焼される燃料の種類に応じた目標温度となるように給水温度調整部によって調整される。例えば、重油燃料の場合、エコノマイザの出口ガス温度が酸露点温度を超えるように、給水の温度は高くされる。一方、ガス燃料の場合、エコノマイザでより熱回収が行われるように、エコノマイザへ送られる給水の温度は低くされる。

0013

そして、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、エコノマイザへ送出する給水の温度は、給水温度調整部によって、異なるタイミング又は異なる変化速度で調整される。
燃料がガス燃料から重油燃料、又は重油燃料からガス燃料に切り替わる場合、給水の温度調整によって、エコノマイザの出口ガス温度が、酸露点温度以下の温度から酸露点温度を超える温度の間で過度的に変化する。このため、給水の温度調整によるエコノマイザの出口温度の変化によって、エコノマイザに硫酸腐食が発生しないように、燃料の切り替えに応じて、異なるタイミング又は異なる変化速度で調整される。
従って、本構成は、重油燃料とガス燃料を切り替えて用いるボイラで生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止できる。

0014

上記第一態様では、前記エコノマイザ内に付着した粉体を吹き飛ばして除去する除煤装置を備え、前記給水温度調整部が、前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わり、前記除煤装置が所定時間駆動した後に、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度をガス燃料に応じた目標温度に調整することが好ましい。

0015

燃料として重油燃料が用いられる状態では、硫黄分を含んだ等の粉体がエコノマイザ内に付着している。そのような状態で重油燃料からガス燃料に切り替わり、エコノマイザへ送出する前記給水の温度が低下し、エコノマイザの出口ガス温度が酸露点温度以下となると、硫黄分を含んだ煤等の粉体による硫酸腐食が生じる可能性がある。
そこで、本構成によれば、重油燃料からガス燃料に切り替わっても、除煤装置を所定時間駆動させた状態で、エコノマイザへ送出する給水の温度を重油燃料に応じた目標温度のままとする。そして、所定時間経過後に、エコノマイザへ送出する給水の温度が、ガス燃料に応じた目標温度に調整される。
従って、本構成は、エコノマイザへ送出する給水の温度を下げ、エコノマイザの出口ガス温度が低下しても、硫酸腐食の原因となる煤等を含んだ粉体が除去されているので、硫酸腐食の発生が抑制される。

0016

上記第一態様では、前記除煤装置が駆動する前記所定時間において、前記ボイラに供給される燃焼用空気供給量が増加されることが好ましい。

0017

本構成によれば、燃焼用空気の増加によって燃焼ガスの温度が上昇するので、煤等の粉体中の水分が蒸発して付着個所から剥がれやすくなる。
従って、本構成は、より除煤装置による粉体の除去効果を高めることができる。

0018

上記第一態様では、前記給水温度調整部が、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合、重油燃料からガス燃料に切り替わる場合に比べて、前記エコノマイザへ送出する前記給水の温度を早い速度で調整することが好ましい。

0019

本構成によれば、燃料が重油燃料となると硫黄分を含む煤等が発生するので、重油燃料からガス燃料に切り替わる場合に比べて、エコノマイザへ送出する給水の温度が早い速度で調整されることで、硫酸腐食の発生が抑制される。

0020

上記第一態様では、前記エコノマイザを通過した前記燃焼ガスの温度が酸露点温度を超えるように前記エコノマイザへ送出する給水の温度を調整することが好ましい。

0021

本構成によれば、より確実に硫酸腐食の発生が抑制される。

0022

本発明の第二態様に係るボイラプラント運転方法は、ガス燃料と重油燃料とを切り替えて燃焼させ、生成した燃焼ガスにより給水を加熱する燃焼ガス生成工程と、前記燃焼ガス生成工程によって生成された前記燃焼ガスとの熱交換によって前記給水を加熱する給水加熱工程と、前記燃焼ガス生成工程で用いられる燃料の種類に応じた目標温度となるように、前記給水の温度を調整すると共に、前記燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と前記燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、前記給水の温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する給水温度調整工程と、を備える。

発明の効果

0023

本発明によれば、重油燃料とガス燃料を切り替えて用いるボイラで生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止できる、という優れた効果を有する。

図面の簡単な説明

0024

本発明の実施形態に係るボイラプラントの構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態に係る弁開度制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
本発明の実施形態に係るデュアルエコノマイザへ送出する給水の温度調整の例を示した模式図である。
本発明の実施形態に係るガス燃料切替処理の流れを示すフローチャートである。

実施例

0025

以下に、本発明の実施形態に係るボイラプラント10について、図1を参照して説明する。なお、ボイラプラント10は、推進用であってもよいし、発電用であってもよい。
図1は、本実施形態にかかるボイラプラント10の構成を示すブロック図である。ボイラプラント10は、一例としてLNG船に搭載され、燃料として重油又はガスを用いる。

0026

ボイラプラント10は、舶用ボイラ12、舶用ボイラ12で生成された蒸気を利用して回転駆動する蒸気タービン14、及び給水が流れる給水系統16を備える。
蒸気タービン14は、一例として、高圧タービン14A、中圧タービン14B、及び低圧タービン14Cを有している。なお、蒸気タービン14は、蒸気を利用するものとして例示したものであり、これに限定されるものではなく、また、蒸気タービン14は、後進用タービンを有してもよい。このように、蒸気タービン14は、推進用である。
さらに、蒸気タービン14へ供給される蒸気の一部は、発電用タービン18へ供給され、発電に用いられる。

0027

舶用ボイラ12には、図示しないバーナを備える。バーナは、空気配管を介して導入される燃焼用空気を用いて燃料を燃焼させ、高温の燃焼ガスを生成する。なお、燃料は、LNG等のガス燃料と重油燃料とが適宜切り替えられて用いられる。
燃焼ガスは下流の熱交換器内を流れる給水と熱交換し、給水を加熱して蒸気とする。蒸気は、蒸気タービン14に供給され、蒸気タービン14に回転動力を与える。一方、給水との熱交換を終えた燃焼ガスは、燃焼ガス流路20を通って系外へ排気される。

0028

給水系統16には、メインコンデンサ22、脱気器24、第1エコノマイザ26、及びデュアルエコノマイザ28が備えられる。

0029

メインコンデンサ22は、蒸気タービン14の排気蒸気を冷却して復水凝縮)する。

0030

脱気器24は、蒸気タービン14から復水された給水中溶存ガス(空気、特に酸素)を物理的に分離除去する。

0031

第1エコノマイザ26は、送液ポンプ30によって脱気器24からの給水が送られ、燃焼ガス流路20を通る燃焼ガスとの熱交換によって給水を加熱させ、舶用ボイラ12へ供給する。

0032

デュアルエコノマイザ28は、第1エコノマイザ26の配置位置に対して燃焼ガス流路20の下流側に配置され、脱気器24とは循環流路32によって接続される。
デュアルエコノマイザ28は、循環ポンプ34によって脱気器24からの給水が送られ、燃焼ガス流路20を通る燃焼ガスとの熱交換によって給水を加熱させ、脱気器24へ戻す。デュアルエコノマイザ28は、温水液体)と燃焼ガス(気体)との熱交換となるので、高い熱貫流率が得られるため、構造が簡単で、小型化することができる。
なお、燃焼ガス流路20には、デュアルエコノマイザ28を通過した後の、燃焼ガスの温度(以下「ガス出口温度」)を測定する温度センサ36が備えられる。

0033

これらメインコンデンサ22、脱気器24、第1エコノマイザ26、及びデュアルエコノマイザ28等は、給水系統16により接続されている。

0034

また、メインコンデンサ22の給水出口の下流には、メインコンデンサ22からの復水を必要な圧力まで昇圧する復水昇圧ポンプ38が備えられる。

0035

復水昇圧ポンプ38の下流には、グランドコンデンサ40、スピルスチームコンデンサ42、及び低圧給水加熱器44が備えられる。
スピルスチームコンデンサ42は、蒸気タービン14からの漏れ蒸気グランドパッキンレシーバ46を経て供給され、この漏れ蒸気を復水する。
低圧給水加熱器44は、蒸気タービン14の例えば低圧タービン14Cから抽気された蒸気で給水を加熱する。なお、低圧給水加熱器44は、別途、生成された清水(純水)を加熱する機能も有する。

0036

また、蒸気タービン14の例えば中圧タービン14Bから抽気された蒸気は、脱気器24及び燃焼用空気を加熱して昇温させる空気加熱器48に供給される。空気加熱器48に供給された蒸気は、低圧給水加熱器44に送られ、熱交換に用いられる。
なお、低圧給水加熱器44に送られ、熱交換に用いられた蒸気は、ドレインタンクへ送られる。

0037

さらに、給水系統16には、デュアルエコノマイザ28へ送出する給水の温度(以下「入口水温度」という。)を、舶用ボイラ12で燃焼される燃料の種類に応じた目標温度に調整する給水温度調整部50が設けられる。

0038

給水温度調整部50は、脱気器24に供給される給水の一部を加熱して戻す加熱器52、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を測定する温度センサ54、及び温度センサ54の測定温度と目標温度とに基づいて、加熱器52へ供給する給水の流量を調整する流量調整弁56を備える。また、給水温度調整部50は、低圧給水加熱器44から脱気器24へ送出される給水の流量を調整する流量調整弁57を備える。

0039

このため、脱気器24の上流側には、給水系統16を流れる給水の一部を分流した後に、加熱器52によって加熱して給水系統16へ戻す循環流路58が備えられる。すなわち、加熱器52は、デュアルエコノマイザ28へ送出する給水と循環流路58を流れる給水とを熱交換させる熱交換器である。
なお、温度センサ54は、加熱器52を通過した後の給水の温度を測定することとなる。

0040

そして、流量調整弁56及び流量調整弁57は、温度センサ54の測定温度に応じて、開度が決定される。なお、流量調整弁57は、流量調整弁56とは逆の動作を行う。具体的には、流量調整弁56の開度が100%の場合、流量調整弁57の開度は0%とされ、流量調整弁56の開度が0%の場合、流量調整弁57の開度は100%とされる。

0041

図2は、流量調整弁56の開度を制御する弁開度制御装置60の構成を示す機能ブロック図である。
弁開度制御装置60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。

0042

弁開度制御装置60は、一例として、ボイラプラント10の全体の制御を司るボイラプラント制御装置62に備えられる。ボイラプラント制御装置62は、燃料切替指示部64及びスーツブロア制御部66等、他の制御機能も有している。

0043

燃料切替指示部64は、ボイラプラント10の運転者による燃料の切替指示に基づいて、燃料切替指令を生成する。燃料切替指令は、舶用ボイラ12で用いられる燃料をガス燃料から重油燃料へ切り替える指令、又は重油燃料からガス燃料へ切り替える指令の何れかを示す。燃料切替指示が出力されると、舶用ボイラ12へ供給される燃料が切り替えられる。

0044

スーツブロア制御部66は、スーツブロア68を制御するための制御指令を生成し、スーツブロア68へ出力する。スーツブロア68は、デュアルエコノマイザ28内に付着した煤等の粉体を、例えば圧縮空気や蒸気によって吹き飛ばして除去する除煤装置である。
なお、スーツブロア制御部66には、燃料切替指示部64からの燃料切替指令が入力される。

0045

弁開度制御装置60は、給水温度設定部70及び弁開度演算部72を備える。
給水温度設定部70は、燃料切替指示部64からの燃料切替指令が入力されると、舶用ボイラ12で用いられる燃料に応じた目標温度を流量調整弁56へ出力する。この目標温度は、デュアルエコノマイザ28の入口水温度の目標温度であり、給水温度設定部70に予め記憶されている。
弁開度演算部72は、温度センサ54による測定温度が入力され、目標温度と測定温度との差分に応じた弁開度指令値を演算し、流量調整弁56へ出力する。
なお、弁開度演算部72は、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整するように弁開度指令値を演算する。

0046

以下、このように構成された本実施形態にかかるボイラプラント10の動作について説明する。

0047

蒸気タービン14の排気は、メインコンデンサ22で冷却されて復水される。復水された水は、グランドコンデンサ40、スピルチームコンデンサ42、及び低圧給水加熱器44において、例えば、約90℃の温水とされる。この温水が、脱気器24で、蒸気タービン14から抽気された蒸気によって加熱され、更に高温の温水とされて舶用ボイラ12に供給される。この温水は、さらに、第1エコノマイザ26によって燃焼ガス流路20を通る燃焼ガスによって加熱されて、舶用ボイラ12に供給される。

0048

これと共に、循環ポンプ34が作動し、脱気器24内の温水(給水)は、デュアルエコノマイザ28が設けられる循環流路32に導入され、循環流路32を循環する。循環する温水は、デュアルエコノマイザ28を通る際、燃焼ガス流路20を通る燃焼ガスと熱交換され、脱気器24へ戻る。
このようなデュアルエコノマイザ28による給水の循環加熱によって、舶用ボイラ12から排出される排熱がより多く回収されることになる。

0049

そして、デュアルエコノマイザ28の入口水温度は、舶用ボイラ12で用いられる燃料の種類に応じた目標温度に給水温度調整部50によって調整される。例えば、重油燃料の場合、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が酸露点温度を超えるように、給水の温度は高くされる。一方、ガス燃料の場合、デュアルエコノマイザ28でより多くの熱回収が行われるように、給水の温度は低くされる。

0050

図3は、デュアルエコノマイザ28の入口水温度の温度調整の例を示した模式図である。図3二重線で示される矢印は給水の流れ方向を示し、デュアルエコノマイザ28を通過する一点鎖線は燃焼ガスの流れ方向を示す。そして、各温度のうち上段は燃料が重油燃料の場合であり、括弧書きで示される下段は燃料がガス燃料の場合である。なお、図3に示される温度は一例であり、一定値ではなく、ある程度の幅を持たせてもよい。

0051

脱気器24及び加熱器52に供給される給水の温度、脱気器24と加熱器52とを循環する給水の温度、デュアルエコノマイザ28から脱気器24へ戻る給水の温度は、燃料の種類にかかわらず同じである。また、デュアルエコノマイザ28の入口における燃焼ガスの温度も燃料の種類にかかわらず同じである。
一方、加熱器52からデュアルエコノマイザ28へ送出する給水の温度は、重油燃料とガス燃料とで異なる。

0052

ここで、燃料が重油燃料の場合、弁開度制御装置60は、加熱器52を通過した後の給水の目標温度を、例えば130℃とする。一方、燃料がガス燃料の場合、弁開度制御装置60は、加熱器52を通過した後の給水の目標温度を、例えば110℃とする。
弁開度制御装置60は、加熱器52を通過した後の給水の温度が目標温度となるように、弁開度指令値を生成して流量調整弁56及び流量調整弁57へ出力する。流量調整弁56及び流量調整弁57は、弁開度指令値に応じて弁の開度を開閉し、給水の流量を調整する。なお、燃料がガス燃料の場合には、重油燃料の場合に比べて流量調整弁56の開度は大きくされ、より多くの給水が加熱器52へ流される。

0053

この結果、加熱器52を通過した後の給水の温度は、重油燃料の場合では130℃となり、ガス燃料の場合では110℃となる。
そして、デュアルエコノマイザ28での熱交換により、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度は、重油燃料の場合では140℃となり、ガス燃料の場合では120℃となる。
このように、燃料が重油燃料の場合、出口ガス温度が酸露点温度以上である140℃となるので、デュアルエコノマイザ28での硫酸腐食が防止される。また、燃料がガス燃料の場合、出口ガス温度がより低い120℃となるので、デュアルエコノマイザ28でより多くの熱回収が行われる。

0054

さらに、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、デュアルエコノマイザ28の入口水温度は、異なるタイミング又は異なる変化速度で調整される。
燃料がガス燃料から重油燃料、又は重油燃料からガス燃料に切り替わる場合、給水の温度調整によって、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が、上述のように、酸露点温度以下の温度から酸露点温度を超える温度の間で過度的に変化する。このため、給水の温度調整によるデュアルエコノマイザ28の出口温度の変化によって、デュアルエコノマイザ28に硫酸腐食が発生しないように、燃料の切り替えに応じて、異なるタイミング又は異なる変化速度で調整されることとなる。

0055

以下では、燃料を重油燃料からガス燃料へ切り替える場合について説明する。

0056

燃料として重油燃料が用いられる状態では、硫黄分を含んだ煤等の粉体がデュアルエコノマイザ28内、給水が流れる伝熱管外表面等に付着している。そのような状態で重油燃料からガス燃料に切り替わり、デュアルエコノマイザ28の入口水温度が低下し、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が酸露点温度以下となると、硫黄分を含んだ煤等の粉体による硫酸腐食が生じる可能性がある。

0057

そこで、燃料を重油燃料からガス燃料へ切り替える場合に、ボイラプラント制御装置62によって図4に示されるガス燃料切替処理が実行される。

0058

まず、ステップ100では、燃料切替指示部64によって燃料を重油燃料からガス燃料へ切り替えることを示す燃料切替指令値が生成され、燃料切替指令値が弁開度制御装置60及びスーツブロア制御部66へ入力される。

0059

次のステップ102では、スーツブロア制御部66がスーツブロア68を駆動させるための制御信号をスーツブロア68へ出力する。これによりスーツブロア68の駆動が開始される。

0060

次のステップ104では、スーツブロア68の駆動が所定時間経過したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ106へ移行し、否定判定の場合は所定時間が経過するまで、スーツブロア68の駆動を継続する。上記所定時間は、スーツブロア68によって煤がデュアルエコノマイザ28内から除去される時間であり、予め設定されている。

0061

ステップ106では、弁開度制御装置60がガス燃料に応じた給水の温度調整を開始する。すなわち、給水温度調整部50が、ガス燃料時の目標温度110℃に応じて、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を130℃から110℃へ低下させる。
また、温度センサ36の測定温度であるデュアルエコノマイザ28の出口ガス温度に基づいて、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が下がり過ぎないように、デュアルエコノマイザ28の入口水温度は調整される。

0062

このように、本実施形態に係るボイラプラント10は、重油燃料からガス燃料に切り替わっても、スーツブロア68を所定時間駆動させた状態で、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を重油燃料に応じた目標温度のままとする。スーツブロア68を所定時間駆動させることによって、煤等を含む粉体は舶用ボイラ12から除去されることとなる。
そして、所定時間経過後に、デュアルエコノマイザ28の入口水温度が、ガス燃料に応じた目標温度に調整される。

0063

これにより、本実施形態に係るボイラプラント10は、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を下げ、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が低下しても、硫酸腐食の原因となる煤等を含んだ粉体が除去されているので、デュアルエコノマイザ28の硫酸腐食の発生が抑制される。

0064

また、本実施形態に係るボイラプラント10は、スーツブロア68が駆動する上記所定時間において、舶用ボイラ12に供給される燃焼用空気の供給量を増加させる。
燃焼用空気の増加によって燃焼ガスの温度が上昇することにより、煤等の粉体中の水分が蒸発して付着個所から剥がれやすくなる。従って、本実施形態に係るボイラプラント10は、よりスーツブロア68による粉体の除去効果を高めることができる。

0065

次に、燃料をガス燃料から重油燃料へ切り替える場合について説明する。

0066

燃料としてガス燃料を用いても舶用ボイラ12に煤等の付着は無い。一方で、燃料として重油燃料を用いると、硫黄分を含んだ煤等が発生しはじめ、硫酸腐食の原因となる。

0067

そこで、本実施形態に係る給水温度調整部50は、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合、重油燃料からガス燃料に切り替わる場合に比べて、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を早い速度で調整する。すなわち、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を110℃から130℃へ急速に上昇させる。
これにより、燃料が重油燃料となると硫黄分を含む煤等の発生が抑制され、その結果、デュアルエコノマイザ28の硫酸腐食の発生が抑制される。

0068

また、給水温度調整部50は、温度センサ36による測定温度が酸露点温度を超えるようにデュアルエコノマイザ28の入口水温度を調整する。
これにより、デュアルエコノマイザ28の出口ガス温度が酸露点温度を超えるので、より確実に硫酸腐食の発生が抑制される。

0069

以上説明したように、本実施形態に係るボイラプラント10は、舶用ボイラ12からの燃焼ガスとの熱交換によって、脱気器24からの給水を加熱して脱気器24へ戻すデュアルエコノマイザ28を備える。そして、ボイラプラント10は、舶用ボイラ12で用いられる燃料の種類に応じた目標温度となるように、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を調整する際に、燃料がガス燃料から重油燃料に切り替わる場合と燃料が重油燃料からガス燃料に切り替わる場合とで、デュアルエコノマイザ28の入口水温度を異なるタイミング又は異なる変化速度で調整する。
従って、本実施形態に係るボイラプラント10は、重油燃料とガス燃料を切り替えて用いる舶用ボイラ12で生成された燃焼ガスの熱回収を向上させると共に、より確実に硫酸腐食を防止できる。

0070

以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、複数の上記実施形態を組み合わせてもよい。

0071

10ボイラプラント
12舶用ボイラ(ボイラ)
26 第1エコノマイザ(エコノマイザ)
28デュアルエコノマイザ(エコノマイザ)
50給水温度調整部
68スーツブロア(除煤装置)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 中国電力株式会社の「 復水処理装置」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】 ボイラの稼働中に復水中の鉄分を除去して、パウダースケールを低減することができる復水処理装置を提供する。【解決手段】 ボイラ111に向けて循環される復水を加熱する低圧ヒータ系統161の後段... 詳細

  • 東芝プラントシステム株式会社の「 ドレン回収システムおよびドレン回収方法」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】空気予熱器から排出されるドレンの回収先を脱気器から他の回収先へ切り替えることで生じるウォータハンマ現象を防止しドレン配管やその周囲の機器に対するメンテナンス周期を長くする。【解決手段】実施形態... 詳細

  • 株式会社ビクター特販の「 熱回収システム」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】高い熱回収率を確保しながら、温水に錆が含まれることを防止できる熱回収システムを提供する。【解決手段】熱回収システムは、第1熱回収装置10と、第2熱回収装置20と、ボイラ51と、蒸気利用設備機器... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ