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技術 粉状スクラップからの金属の回収方法

出願人 JX金属株式会社
発明者 河村寿文
出願日 2017年9月27日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2017-186996
公開日 2017年12月21日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-222933
状態 特許登録済
技術分野 金属の電解製造
主要キーワード 電解溶解 スクラップ粉 アルカリ溶融塩 ガラスコーティング 回収対象 Cr酸化物 腐食作用 電解電極
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月21日)のものです。
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課題

電解電極材の種類の制限が緩和され、且つ、安定的に継続して懸濁電解を行うことが可能な粉状スクラップからの金属の回収方法を提供する。

解決手段

粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物からなるスクラップに対して、アルコールアミンを含有する電解液で懸濁して電気分解を行う工程を含む粉状スクラップからの金属の回収方法。

概要

背景

スクラップからの金属回収は、通常、酸アルカリ等での湿式処理が用いられ、さらに湿式処理の中には懸濁電解を用いる手法がある。当該懸濁電解には、通常、アルカリ溶融塩等が用いられている。このような技術として、例えば、特許文献1に、金属酸化物粉末電解還元による金属の製造方法であって、該金属酸化物粉末を塩化カルシウム等の溶融塩中に懸濁させ陰極表面還元することを特徴とする製造方法が開示されている(特許文献1の請求項1、実施例等)。また、特許文献1に記載されているように、電解還元を行う温度は、500℃以上という非常に特殊な高温での電解条件が採用されている(特許文献1の段落0043等)。

概要

電解電極材の種類の制限が緩和され、且つ、安定的に継続して懸濁電解を行うことが可能な粉状スクラップからの金属の回収方法を提供する。粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物からなるスクラップに対して、アルコールアミンを含有する電解液で懸濁して電気分解を行う工程を含む粉状スクラップからの金属の回収方法。なし

目的

本発明は、電解電極材の種類の制限が緩和され、且つ、安定的に継続して懸濁電解を行うことが可能な粉状スクラップからの金属の回収方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物からなるスクラップに対して、アルコールアミンを含有する電解液で懸濁して電気分解を行う工程を含む粉状スクラップからの金属の回収方法

請求項2

前記アルコールアミンが、モノエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミンである請求項1に記載の粉状スクラップからの金属の回収方法。

請求項3

前記電解液中のアルコールアミンの濃度が1〜40mass%である請求項1又は2に記載の粉状スクラップからの金属の回収方法。

請求項4

前記電解液の温度を50℃以上に調整して電気分解を行う請求項1〜3のいずれかに記載の粉状スクラップからの金属の回収方法。

請求項5

前記電解液のpHが7超である請求項1〜4のいずれかに記載の粉状スクラップからの金属の回収方法。

請求項6

電気分解で用いる電解電極材が、ステンレスで形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の粉状スクラップからの金属の回収方法。

請求項7

前記粉状スクラップが、Li、Ni、Co及びMnからなる群から選択された1種又は2種以上を含むリチウムイオン2次電池用正極材である請求項1〜6のいずれかに記載の粉状スクラップからの金属の回収方法。

技術分野

0001

本発明は、粉状スクラップからの金属の回収方法に関する。

背景技術

0002

スクラップからの金属回収は、通常、酸アルカリ等での湿式処理が用いられ、さらに湿式処理の中には懸濁電解を用いる手法がある。当該懸濁電解には、通常、アルカリ溶融塩等が用いられている。このような技術として、例えば、特許文献1に、金属酸化物粉末電解還元による金属の製造方法であって、該金属酸化物粉末を塩化カルシウム等の溶融塩中に懸濁させ陰極表面還元することを特徴とする製造方法が開示されている(特許文献1の請求項1、実施例等)。また、特許文献1に記載されているように、電解還元を行う温度は、500℃以上という非常に特殊な高温での電解条件が採用されている(特許文献1の段落0043等)。

先行技術

0003

特開2007−16293号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来の粉状スクラップからの金属の回収方法によれば、電解液高温状態で不安定になる、電解電極部材が電解液の作用により腐食する、電解により生成した金属水酸化物金属酸化物が溶解できずに析出してしまい、安定的に継続して電気分解を行うことが困難となるという問題が生じている。

0005

そこで、本発明は、電解電極材の種類の制限が緩和され、且つ、安定的に継続して懸濁電解を行うことが可能な粉状スクラップからの金属の回収方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討し、懸濁電解の電解液として、アルコールアミンに着目した。アルコールアミンは、沸点が高く高温で安定である等の種々の懸濁電解に有用な特性を有している。そのため、アルコールアミンを懸濁電解液として用いることで、上記課題を解決することが可能となる。

0007

以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物からなるスクラップに対して、アルコールアミンを含有する電解液で懸濁して電気分解を行う工程を含む粉状スクラップからの金属の回収方法である。

0008

本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法は一実施形態において、前記アルコールアミンが、モノエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミンである。

0009

本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法は別の一実施形態において、前記電解液中のアルコールアミンの濃度が1〜40mass%である。

0010

本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法は更に別の一実施形態において、前記電解液の温度を50℃以上に調整して電気分解を行う。

0011

本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法は更に別の一実施形態において、前記電解液のpHが7超である。

0012

本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法は更に別の一実施形態において、電気分解で用いる電解電極材が、ステンレスで形成されている。

0013

本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法は更に別の一実施形態において、前記粉状スクラップが、Li、Ni、Co及びMnからなる群から選択された1種又は2種以上を含むリチウムイオン2次電池用正極材である。

発明の効果

0014

本発明では、アルコールアミンを電解液として用いることで粉状スクラップの懸濁電解を行う。アルコールアミンは、沸点が高く高温で安定である。また、電解電極部材に対して腐食作用も無い。さらに、アルコールアミンは、懸濁電解で生成した金属水酸化物や金属酸化物を良好に溶解させて懸濁させることができる。このため、本発明によれば、電解電極材の種類の制限が緩和され、且つ、安定的に継続して懸濁電解を行うことが可能な粉状スクラップからの金属の回収方法を提供することができる。

0015

以下に、本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法の実施形態を詳細に説明する。

0016

本発明において、粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物からなるスクラップは、半導体及び電子部品液晶ディスプレイ工具コーティングガラスコーディング光ディスクハードディスク太陽電池、リチウムイオン2次電池用正極材等に用いるスパッタリングターゲット材粉砕して作製した粉状スクラップが挙げられる。このため、これらの構成材料に含まれている金属(例えば、Ag、Au、Co、Cr、Cu、Ga、Ge、In、Mn、Mo、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Sn、Ta、Ti、W、それらの合金、それらの導電性酸化物等)が、本発明に係る回収対象となる金属である。具体的な金属の種類を、各種用途とともに以下に列挙する:
・半導体及び電子部品:Ag, Al, Au, AuAs, AuSb, AuSi, AuSn, Al2O3, Cr, Cu, CuCr, CrNiAl, CrSi, GeS2, Hf, Ir, Mo, Ni, NiV, OsRu, Pd, Pt, PtNi, Rh, Ru, Si, Ta, TaAl, Ti, WTi, WTiなど
・液晶ディスプレイ:Ag, Ag合金, Al, AlNd, Cr, InSn, ITO, Mo, MoW, Si, SiO2, Ta, Ti, W, ZnAl, ZAO(ZnO+Al2O3)など
・工具コーティング:Cr, CrAl, Ti, TiAlなど
ガラスコーティング:Ag, Ag合金, Al, Bi, Cr, InSn, ITO, Nb, Nb2O5, NiCr, Si, SiO2, Sn, Ta2O5, Ti, W, ZAO(ZnO+Al2O3), Znなど
・光ディスク:Al2O3, C, Co合金, Cr,Fe合金, Ta, Tb合金, Te合金, Pt,Pt合金など
・ハードディスク:Al2O3, C, CoCr, CoCrTa, CoCrPt, Cr,Cr合金,Cr酸化物, MgO, Mo, NiAl, NiSi, SiC, Ta, Ta2O5,Ti酸化物, V, Wなど
・太陽電池:Ag, Al,CIG(Cu+In+Ga), CuGa, ITO, Mo, Ni/NiV, Sn, ZAO(ZnO+Al2O3)など
・リチウムイオン2次電池用正極材:正極材としてLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、Li(CoxNiyMnz)O2 〔x+y+z=1〕など、金属としてNi、Co、Mnなど、合金としてNiCoなど

0017

本発明に係る粉状スクラップからの金属の回収方法は、まず、処理対象となる粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物を含有する原料混合物を準備する。当該原料混合物としては、金属又は導電性金属酸化物のスクラップを粉砕した、いわゆるリサイクル材等が挙げられる。

0018

次に、アノード及びカソード、電解液を備えた電解槽を準備し、電解液に上記粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物を含有する原料混合物を投入して懸濁させて、電解液を攪拌しながら電気分解を行う。電気分解を行うと、電解液中で懸濁している粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物が、カソードから供給された電子により還元されてカソード表面に析出する。次に、カソード表面に析出した金属を回収する。本発明では電解液にアルコールアミンを用いているため、懸濁電解で生成した金属水酸化物や金属酸化物を良好に溶溶解させて懸濁させることができる。このため、安定的に継続して懸濁電解を行うことができる。

0019

本発明で用いる電解液が電解電極部材に対して腐食作用も無いアルコールアミンであるため、電解槽のアノード及びカソードとしては、特に限定されず、ステンレス、Pbアノード、その他、通常の電極材に用いられる材料を用いることができる。

0020

本発明において、電解液としてアルコールアミンを用いる。アルコールアミンとしては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノプロパノールメチルエタノールアミン等が挙げられる。特に、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンは安価である点で好ましい。

0021

電解液中のアルコールアミンの濃度は、1〜40mass%であるのが好ましい。電解液中のアルコールアミンの濃度が1mass%未満であると、導電性が低くなり過ぎて電気分解が不安定になる。電解液中のアルコールアミンの濃度が40mass%超であると、電解液の種類によっては水への溶解度を超えてしまうし、必要以上に濃度が高くなり、コストの面で不利となる。電解液中のアルコールアミンの濃度は、より好ましくは2〜10mass%である。

0022

電気分解の際の電解液の温度は室温でもかまわないが、高温の方が良く、特に50℃以上に調整するのが好ましい。高温である方が電解液の導電性が大きくなるためである。

0023

電解液のpHは、電解液がアルカリ性(pH=7超)となるように調整され、好ましくは9以上、より好ましくは10以上である。pHが9未満であると、生成した金属又は合金に係るイオンが溶解していられなくなり、化合物を形成して析出し、結果として電解溶解阻害してしまう可能性がある。

0024

電解液中に分散させる粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物の粒径は、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。粉状の金属又は粉状の導電性金属酸化物の粒径が0.01μm未満であると体積が大きくなって取り扱いが困難となるおそれがあり、粒径が1000μm超であると電解液に懸濁し難くなるおそれがある。

0025

本発明では、上述のように、アルコールアミンを電解液として用いることで粉状スクラップの懸濁電解を行う。アルコールアミンは、沸点が高く高温で安定である。また、電解電極部材に対して腐食作用も無い。さらに、アルコールアミンは、懸濁電解で生成した金属水酸化物や金属酸化物を良好に溶解させて懸濁させることができる。明確な理由は不明であるが、おそらく溶解した金属がアルコールアミンと配位することで、安定化することが起因していると考えられる。このため、本発明によれば、電解電極材の種類の制限が緩和され、且つ、安定的に継続して懸濁電解を行うことが可能な粉状スクラップからの金属の回収方法を提供することができる。

0026

以下、本発明の実施例を説明するが、実施例は例示目的であって発明が限定されることを意図しない。

0027

(実施例1)
Li、Ni、Co及びMnの酸化物からなるリチウムイオン2次電池用正極材のスクラップ粉をアルコールアミン20mass%のpH12の水溶液に懸濁させた。その懸濁液を電解液として、両極にSUS電極を用いて、設定電圧10V、電流密度を5A/dm2とし、1Aの定電流で60℃で電解を行った。10時間後、カソード側の電極表面に、Ni及びCoの合金が析出し、Li及びMnは電解液に溶解した。電流効率は30%であった。析出した合金を回収して品位を測定したところ、4Nと高かった。

0028

(実施例2)
Li、Ni、Co及びMnの酸化物からなるリチウムイオン2次電池用正極材のスクラップ粉をアルコールアミン5mass%のpH11の水溶液に懸濁させた。その懸濁液を電解液として、両極にSUS電極を用いて、設定電圧10V、電流密度を5A/dm2とし、1Aの定電流で60℃で電解を行った。10時間後、カソード側の電極表面に、Ni及びCoの合金が析出し、Li及びMnは電解液に溶解した。電流効率は25%であった。析出した合金を回収して品位を測定したところ、4Nと高かった。

実施例

0029

(比較例1)
亜硫酸ナトリウム10mass%の水溶液に懸濁させた以外は実施例1と同様の条件にてLi、Ni、Co及びMnの酸化物からなるリチウムイオン2次電池用正極材のスクラップ粉に対して電気分解を行ったが、電解溶解しなかった。

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