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課題
解決手段
概要
背景
容器本体と、この容器本体内に収納される中容器と、この中容器を覆う蓋体とからなる包装用容器は、一般的には「3点式容器」と称したり、容器本体と中容器からなる「二重容器」と称されているが、包装すべき食品を、容器本体と中容器とで区別しながら包装できるものであり、各食品を区画できるというメリットのために種々な使い方がなされる。また、この種の「3点式容器」は、使い捨て容器とできるように、合成樹脂シートから製造されることが多く、容器本体と中容器とが不用意にずれたり分離しないように何らかの手段でずれ止め固定するのが一般的であり、その固定方法としては、例えば後述する特許文献3のように、容器本体の口縁に中容器を係止する方法等が提案されている。
出願人も、特許文献1等において、目的に応じた「3点式容器」(中容器を有する包装用容器)を種々提案してきており、また、特許文献2や特許文献3にも、種々な目的に応じた「3点式容器」が提案されている。
概要
合成樹脂シートを材料として安価に提供でき、使い捨てもできる「3点式容器」であって、店内にてある程度豪華な食事として楽しむことができる、中容器を備えた包装用容器を提供すること。容器本体10の底面11に、これからそれぞれ独立して盛り上がる複数の上げ底部15とするとともに、中容器20の底面21周縁に沿って下方に膨出した膨出脚部21aとを備えて、中容器20の膨出脚部21aが、容器本体10の各上げ底部15の何れかの外側面に当接し得るようにしたこと。
目的
特開2009−107725号公報、要約
実用新案登録第3031841号公報
実用新案登録第3052893号公報
出願人が特許文献1で提案している「中容器を有する包装用容器」は、「作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止することのできる包装用容器を、簡単な構成によって提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
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請求項1
底面から立ち上がる側面の上端縁にフランジ部を有するとともに、前記側面の上部に段部を形成した容器本体と、前記段部上に係合される係合片を有して、前記容器本体内に全体が収納される中容器と、前記容器本体のフランジ部の外端に係合される係合部を有した蓋体と、からなる包装用容器であって、前記容器本体の底面に、これからそれぞれ独立して盛り上がる複数の上げ底部とするとともに、前記中容器の底面周縁に沿って下方に膨出した膨出脚部とを備えて、前記中容器の膨出脚部が、容器本体の前記各上げ底部の何れかの外側面に当接し得るようにしたことを特徴とする包装用容器。
請求項2
前記中容器の膨出脚部の内側に、前記容器本体側の上げ底部の何れかの外側面に当接し得る膨出突起を備えたことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
請求項3
前記容器本体のフランジ部の一部を下方に湾曲させて臨み窓を備えて、当該容器本体内に前記中容器を収納したとき、前記臨み窓から当該中容器の一部が外方に臨み得るようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装用容器。
技術分野
背景技術
0002
容器本体と、この容器本体内に収納される中容器と、この中容器を覆う蓋体とからなる包装用容器は、一般的には「3点式容器」と称したり、容器本体と中容器からなる「二重容器」と称されているが、包装すべき食品を、容器本体と中容器とで区別しながら包装できるものであり、各食品を区画できるというメリットのために種々な使い方がなされる。また、この種の「3点式容器」は、使い捨て容器とできるように、合成樹脂シートから製造されることが多く、容器本体と中容器とが不用意にずれたり分離しないように何らかの手段でずれ止め固定するのが一般的であり、その固定方法としては、例えば後述する特許文献3のように、容器本体の口縁に中容器を係止する方法等が提案されている。
0003
出願人も、特許文献1等において、目的に応じた「3点式容器」(中容器を有する包装用容器)を種々提案してきており、また、特許文献2や特許文献3にも、種々な目的に応じた「3点式容器」が提案されている。
先行技術
0004
特開2009−107725号公報、要約
実用新案登録第3031841号公報
実用新案登録第3052893号公報
発明が解決しようとする課題
0005
出願人が特許文献1で提案している「中容器を有する包装用容器」は、「作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止することのできる包装用容器を、簡単な構成によって提供する」ことを目的としてなされたもので、図9に示すように、「上方からのものを支持する支持部12を有した容器本体10と、支持部上に係止部によって支持されて、底部に通孔を形成した中容器20と、容器本体または中容器側に係止される蓋体30とを備える」ものであり、要約にも記載されているように、「容器本体の底面21のコーナー部に脚部を膨出形成するとともに、容器本体の底面21の中央部分を僅かに下方へ膨出させた」ものである。この特許文献1で提案した「3点式容器」は、収納物を別々に区画して収納するものではないが、「作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁」を中容器20の下方に落とし込むようにするものである。
0006
特許文献2にて提案されている3点式容器である「麺容器」は、図10にも示すように、「具材を入れるための無発泡の合成樹脂シートから成形した中容器と、調理済麺を入れるための発泡または無発泡の合成樹脂シートから成形した断熱性の高い外容器からなる食品包装用容器において、該中容器の底面の一部がスープ袋を収納できる一段と深い凹部に成形され、該凹部の底面が中容器の他の部分の底面より低くなっていて、麺を温めるために注いだ湯に、該凹部が浸されるようになっていること」を特徴とするものである。
0007
この特許文献2の「麺容器」は、当該文献2の段落0004〜0005に記載されているように、「麺を温める湯でスープを積極的に温める(当該特許文献2がいう従来技術の)麺容器は、中容器の一部を切り取り、この切り取った穴にカップを嵌め、そのカップの中にスープを収納してカップの上縁をフィルム等でシールしておき、そのカップの下方を、麺を温めるために入れた湯の中に浸漬するようにしておいて、この湯の熱により中に収納したスープを温め、次に麺を温めた湯を捨てて、新たに麺の入った外容器に湯を注ぎ、ついで温まったスープを入れる方式である。上記方式の麺容器は、…スープ製造業者においてスープ充填後にシールを行ったり、専用のカップを用いて行わなければならない等、スープを袋に入れて収納する方式と比べて、製作工程が煩瑣になると共に製作コストも上昇することが避けられない。一方、…衛生管理上や衛生観念上好ましくない」といった経緯に基づいてなされたものであり、上記のようにした結果、「特別な設備を追加する必要がなく経済的で、かつ簡便にスープを温めることができ、喫食に際しスープを混合したときの湯の温度低下を効果的に防止する湯かけ麺用の麺容器を提供すること」ができたものである。
0008
また、特許文献3には、図11に示すように、「合成樹脂材料にて成形され、少なくとも下容器、中容器及び蓋を有する包装用容器であって、下容器の口縁に係止部を設け、この係止部に係止可能な凸部を、蓋の口縁に形成した垂下部分に設けており、中容器には、口縁端部を上記蓋の垂下部分に係止可能な構造を設けていることを特徴とする包装用容器」が提案されているのであるが、この「包装用容器」は、「下容器、中容器、蓋からなる包装用容器において、下容器から中容器を取外し易くしており、また、中容器を安定良く支持することができる包装用容器を提供することを目的」として、上記のような構成のものとして提案されたのである。
0009
要するに、従来より特許文献1〜3等において提案されている「3点式容器」は、
・作り立ての収納物(食品)自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止する(特許文献1)
・特別な設備を追加する必要がなく経済的で、かつ簡便にスープを温めることができ、喫食に際しスープを混合したときの湯の温度低下を効果的に防止する(特許文献2)
・下容器(以下で言う容器本体)から中容器を取外し易くしており、また、中容器を安定良く支持することができる(特許文献3)
ことをそれぞれ目指しているのであるが、その基本思想は、やはり、収納空間を容器本体及び中容器によって区画することにより、収納物(食品)を個別に収納することである。
0010
勿論、複数種類の収納物あるいは食品を、容器本体及び中容器によって区画した複数の部分に個別に収納することは、それはそれで意味のあることであるが、この種の「3点式容器」について近年の消費者が望んでいることには次のような変化がある。
0011
近年の消費者の望みは、合成樹脂シートからなる「3点式容器」についても、単なる「使い捨てイメージ」から、「少しでも豪華さを感じさせる食事を楽しみたい」あるいは「この容器は料理全体の豪華さが演出されているな、と感じたい」というように変化してきており、なおかつ、「リーズナブルなコストパフォーマンスがあるネ」という理由も必要としてきているのである。これに対して、上述した従来の「3点式容器」は、消費者が食する種々な食品を、隙間無くギッシリと詰めることができるという効率性はあるものの、豪華さに欠けるという嫌いがあったことは否めない。
0012
換言すれば、消費者にとってみれば、所謂「コンビニ弁当」を買って帰る「中食」よりもやはり「外食」したいという思いがあり、かといって、外食で漆塗りの容器に入った「懐石料理」や「丼物」を食べるという程にお金を掛けたくない。容器の使用自体にお金を掛けるのは無駄であるし、容器自体が安っぽいのものであれば、豪華な食事というわけにはいかないからである。
0013
なお、本発明者等の調査によると、店内で食される食品としては、次の表1に示すように、米飯を使用する「丼物」や「お重物」が好まれるようになってきている。この表1では、店内にて食される米飯商品を、「丼・重」(米飯を使用する丼物やお重物)、「弁当」、及び「その他」として、販売数をカウントして結果を%で表している。
この表1から分かるように、米飯商品である「丼・重」は、2012年秋から2015年秋までの3年間で約9%上昇しており、同時期の「弁当」では、約15%下降していて、近年「丼・重」が店内で食されるものとして人気が高まってきている。
0014
一方で、そのような外食を作り販売する店側にとっては、その製造作業を容易に行うことができなければ、例え使い捨て容器としての「3点式容器」を採用したとしても、料理提供原価の低下をより強力に行うことはできない。食事時ともなれば、外食をしたい消費者が集中するから、短い時間内で料理が出せるようにしておかなければならないからである。
0015
そこで、本発明者等は、合成樹脂シートを材料として成形した「3点式容器」であっても、ある程度豪華な食事として楽しむことができ、食器にはお金は掛かっていないなと消費者がリーズナブル性に納得でき、「中食」にはない良い雰囲気で外食を楽しむことのできる容器とするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
0016
すなわち、本発明の目的とするところは、合成樹脂シートを材料として安価に提供でき、使い捨てもできる「3点式容器」であって、店内にてある程度豪華な食事として楽しむことができる、中容器を備えた包装用容器を提供することにある。
課題を解決するための手段
0017
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「底面11から立ち上がる側面12の上端縁にフランジ部13を有するとともに、側面12の上部に段部14を形成した容器本体10と、段部14上に係合される係合片23aを有して、容器本体10内に全体が収納される中容器20と、容器本体10のフランジ部13の外端12aに係合される係合部31を有した蓋体30と、からなる包装用容器100であって、
容器本体10の底面11に、これからそれぞれ独立して盛り上がる複数の上げ底部15とするとともに、中容器20の底面21周縁に沿って下方に膨出した膨出脚部21aとを備えて、
中容器20の膨出脚部21aが、容器本体10の各上げ底部15の何れかの外側面に当接し得るようにしたことを特徴とする包装用容器100」
である。
0018
本発明に係る包装用容器100は、上述してきたような「3点式容器」であるから、底面11から立ち上がる側面12の上端縁にフランジ部13を有するとともに、側面12の上部に段部14を形成した容器本体10と、段部14上に係合される係合片23aを有して、容器本体10内に全体が収納される中容器20と、容器本体10のフランジ部13の外端12aに係合される係合部31を有した蓋体30と、からなることを基本構成とするものである。
0019
この包装用容器100を構成している3点、すなわち、容器本体10、中容器20、及び蓋体30は、合成樹脂シートに対して「圧空」または「真空」を利用したシート成形される安価なものであり、使い捨てされるものである。なお、この包装用容器100は、店舗のバックヤードにおいて、容器本体10内に収納した中容器20にご飯物を詰めた後、蓋体30が嵌合されるものであるが、これらの作業は「手作業」によってなされる。
0020
容器本体10は、その底面11に、これからそれぞれ独立して盛り上がるべく分割された複数の上げ底部15となっていて、上げ底部15自体の面積が小さく潰れにくくなっているため剛性がある。分割された複数の上げ底部15とは、均等に分割されたものだけではなく、不均等に分割されたものも指している。また、容器本体10の底面は、複数の上げ底部を跨る平坦面となっているため、ラベルを貼るスペースも確保できる。
0021
これらの各上げ底部15は、図2に示すように、当該容器本体10、またはこれに収納されることになる中容器20の中心線に対して線対称位置に形成したものであり、中容器20を当該容器本体10内に収納するにあたって、左右を変更しても、各上げ底部15の上面には、常に中容器20の底面21の大部分が当接して、左右のバランスを崩すこと無く安定した状態で収納されている。
0022
中容器20は、容器本体10の段部14上に係合される係合片23aを有して、容器本体10内に全体が収納されるものである。この中容器20の全体が容器本体10内に収納されるようにしたのは、この中容器20が実質的な「丼物」あるいは「お重」容器となるようにするためであり、容器本体10そのものは、中容器20の中身を豪華に見せるためと、及び中身の保温を行うために使用するのである。この保温は、当該中容器20と容器本体10との間に形成される空気層によってなされる。
0023
換言すれば、この中容器20は、中身を区画するために使用するものではなく、また、中身にあった「漬け物」や「ツマ」、あるいは「調味料」を収納するための小部屋を付けることはあっても、大部分を「ご飯もの」が多く収納できるようにするものである。このようにすることによって、上記表1で示したように、近年「ご飯もの」を外食する要望が増えてきていることに応えようとするものである。
0024
この中容器20においては、図2、図4、図5の(b)、及び図7に示すように、その底面21周縁に沿って下方に膨出した膨出脚部21aを備えていて、この膨出脚部21aは、特に図8に示すように、容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接するため、容器本体10と中容器20とが不用意にずれたり分離することがない。このとき、容器本体10側の各上げ底部15は、図2に示すように、当該容器本体10、またはこれに収納されることになる中容器20の中心線に対して線対称位置に形成したものであるから、中容器20を当該容器本体10内に収納するにあたって、左右を変更しても、各上げ底部15の上面には、常に中容器20の底面21の大部分が当接していて、左右のバランスを崩すこと無く安定した状態で収納されている。
0025
以上の結果、容器本体10内に収納される中容器20は、左右を逆にしても、常に中容器20の底面21の大部分が各上げ底部15の上面に当接している。そして、中容器20側の膨出脚部21aは、容器本体10の各上げ底部15の何れかの外側に当接し、中容器20のフランジ部23に形成してある係合片23aが容器本体10側の段部14に係合するから、当該中容器20は、容器本体10に対して不用意にずれたり分離することなく安定した状態で収納されている。勿論、容器本体10の底面11と、中容器20の底面21との間には、図8に示すように、ある程度の隙間が形成されるから、この隙間内の空気によって当該包装用容器100の保温がなされることになる。
0026
そして、この包装用容器100は、近年人気が高くなってきているご飯物やお重物を、図1に示すように、容器本体10と略同じ容積を有する中容器20に詰めることができ、そのボリューム感を容器本体10で表現できるし、これらの容器本体10及び中容器20を色違いにしたり、容器本体10の側面12に図2及び図3に示すように、模様40を形成すれば、店内にて豪華な食事を楽しむことができるものとなっているのである。
0027
従って、この請求項1の包装用容器100は、合成樹脂シートを材料として安価に提供でき、使い捨てもできる「3点式容器」であって、店内にてある程度豪華な食事を楽しめるものとなっているのである。
0028
また、以上の課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の包装用容器100について、
「中容器20の膨出脚部21aの内側に、容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接し得る膨出突起21bを備えたこと」
である。
0029
この請求項2の包装用容器100では、図2、図5の(b)、及び図7に示すように、中容器20の底面21に膨出突起21bを備えて、この膨出突起21bが容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接し得るようにしたものである。
0030
この膨出突起21bは、後述する実施形態での説明、及び図5の(b)にも示すように、上述した膨出脚部21aの近傍(内接位置)に形成するとよい。何故なら、中容器20の底面21周縁に形成した膨出脚部21aは、容器本体10の各上げ底部15の外側に位置する底面11内面に当接し得るようにしたものであるから、膨出突起21bを膨出脚部21aの近傍に形成すれば、容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接させ易くなるからであり、当該膨出突起21b自体の型成形も容易となるからである。なお、膨出突起21bは、容器本体10の上げ底部15の外側面に備えて、中容器20の膨出脚部21aの内側に当接しても良い。
0031
また、これら各膨出突起21bは、図7にも示すように、中容器20を容器本体10内に収納した場合の、中容器20の容器本体10に対する位置決めを果たすだけでなく、位置決めした結果、容器本体10側の各上げ底部15側面と中容器20側の膨出脚部21aとの間に空間を形成するから、断熱性確保のための空間形成を積極的に行うことになる。
0032
従って、この請求項2に係る包装用容器100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接し得る膨出突起21bを形成した結果、中容器20の容器本体10に対する位置決めをしっかりと行え、断熱効果も確実にし得るものとなっているのである。
0033
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2に記載の包装用容器100について、
「容器本体10のフランジ部13の一部を下方に湾曲させて臨み窓16を備えて、当該容器本体10内に中容器20を収納したとき、臨み窓16から当該中容器20の一部が外方に臨み得るようにしたこと」
である。
0034
この請求項3に係る包装用容器100では、図1、図3、及び図6の(c)に示すように、容器本体10のフランジ部13の一部を下方に湾曲させて臨み窓16を備えたものである。この臨み窓16は、当該容器本体10内に中容器20を収納したとき、図1及び図3にも示すように、中容器20の一部が外方に臨み得るようするものである。
0035
この臨み窓16は、容器本体10とは色違いで成形した中容器20の一部を、当該包装用容器100の外側から見えるようにするものであり、例えば黒色の容器本体10の臨み窓16から、赤色の中容器20の一部を臨ませることにより、包装用容器100全体として豪華な印象を与えるようにするものである。勿論、この臨み窓16から臨む中容器20の一部に模様を付す等しておいても、豪華さを演出することができることになる。
0036
従って、この請求項3に係る包装用容器100は、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮する他、容器本体10の臨み窓16から中容器20の一部を臨ませることにより、当該包装用容器100の豪華さを演出し得るものとなっているのである。
発明の効果
0037
以上、説明した通り、本発明は、
「底面11から立ち上がる側面12の上端縁にフランジ部13を有するとともに、側面12の上部に段部14を形成した容器本体10と、段部14上に係合される係合片23aを有して、容器本体10内に全体が収納される中容器20と、容器本体10のフランジ部13の外端12aに係合される係合部31を有した蓋体30と、からなる包装用容器100であって、
容器本体10の底面11に、これからそれぞれ独立して盛り上がる複数の上げ底部15とするとともに、中容器20の底面21周縁に沿って下方に膨出した膨出脚部21aとを備えて、
中容器20の膨出脚部21aが、容器本体10の各上げ底部15の何れかの外側面に当接し得るようにしたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、合成樹脂シートを材料として安価に提供でき、使い捨てもできる「3点式容器」であって、店内にてある程度豪華な食事として楽しむことができる、中容器20を備えた包装用容器100を提供することができるのである。
図面の簡単な説明
0038
本発明に係る包装用容器100の中容器20にご飯物を詰めて、蓋体30を外した状態の斜視図である。
同包装用容器100を示すもので、実線の容器本体10と、点線の中容器20と、二点鎖線の蓋体30とを組み合わせた状態の平面図である。
同包装用容器100の側面図である。
実線の容器本体10と、点線の中容器20と、二点鎖線の蓋体30とを組み合わせからなる同包装用容器100を示すもので、(a)は長辺側側面図、(b)は短辺側側面図である。
同包装用容器100を構成する各部材を示すもので、(a)は蓋体30の平面図、(b)は中容器20の平面図、(c)は容器本体10の平面図である。
同包装用容器100を構成する各部材を示すもので、(a)は蓋体30の長辺側側面図、(b)は中容器20の長辺側側面図、(c)は容器本体10の長辺側側面図である。
同包装用容器100を構成する容器本体10内に中容器20を収納した状態を示す拡大平面図である。
同包装用容器100を構成する容器本体10内に中容器20を収納した状態を示すもので、(a)は長辺側側面図、(b)は短辺側側面図である。
特許文献1にて提案されている容器を示す側面図である。
特許文献2にて提案されている容器を示す縦断面図である。
特許文献3にて提案されている容器を示す部分縦断面図である。
実施例
0039
次に、以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態である包装用容器100について説明すると、図1には、ご飯物を詰めた中容器20を容器本体10内に収納して、蓋体30を外したときの様子が示してある。つまり、本発明に係る包装用容器100は、容器本体10と、この容器本体10内に収納される中容器20と、容器本体10のフランジ部13の外端13aに係合される蓋体30とからなる、「3点式容器」である。
0040
この包装用容器100の、容器本体10、中容器20、及び蓋体30は、合成樹脂シートに対して「圧空」または「真空」を利用したシート成形される安価なものであり、包装用容器100を使い捨て可能とするものである。この包装用容器100は、容器本体10、中容器20、及び蓋体30のそれぞれを個別かつ多数積み重ねておいて、店舗のバックヤードにおいて、手作業によって、個別にご飯物を詰めた中容器20を容器本体10内に収納した後、蓋体30が嵌合されるものである。
0041
容器本体10は、図5の(c)にも示したように、底面11と、この底面11の周囲から立ち上がる側面12と、この側面12の外周縁に形成したフランジ部13を備えているものであり、側面12の上部には、後述する中容器20側の係合片23aが係合される段部14を形成したものである。
0042
また、この容器本体10の底面11には、図2、及び図5の(c)にも示したように、これからそれぞれ独立して盛り上がる分割された複数の上げ底部15を備えていて、上げ底部15自体の面積が小さく潰れにくくなっているため剛性がある。また、容器本体10の底面は、複数の上げ底部を跨る平坦面となっているため、ラベルを貼るスペースも確保できる。これらの各上げ底部15は、図2に示すように、当該容器本体10、またはこれに収納されることになる中容器20の中心線に対して線対称位置に形成したものであり、中容器20を当該容器本体10内に収納するにあたって、左右を変更しても、各上げ底部15の上面には、常に中容器20の底面21の大部分が当接し得るようにしてあって、左右のバランスを崩すこと無く安定した状態で収納されている。
0043
そして、本実施形態に係る包装用容器100では、図1、図3、及び図6の(c)に示したように、容器本体10のフランジ部13の一部を下方に湾曲させて臨み窓16が形成してある。この臨み窓16は、当該容器本体10内に中容器20を収納したとき、図1及び図3にも示したように、中容器20の一部が外方に臨み得るようするものである。
0044
この臨み窓16は、容器本体10とは色違いで成形した中容器20の一部を、当該包装用容器100の外側から見えるようにするものであり、例えば黒色の容器本体10の臨み窓16から、赤色の中容器20の一部を臨ませることにより、包装用容器100全体として豪華な印象を与えるようにするものである。勿論、この臨み窓16から臨む中容器20の一部に模様を付す等しておいても、豪華さを演出することができることになる。
0045
そして、この容器本体10の底面11には、図1、図3、図4、及び図6の(c)にも示したように、底面11の一部をさらに下方に膨出させることにより、底面11から下方に突出する膨出脚部17が形成してある。この膨出脚部17は、テーブル上に置いた包装用容器100の水平状態を確保するものであることは勿論、当該膨出脚部17以外の部分の底面11が直接テーブルに接触しないようにするものである。これにより、テーブル面と底面11の下面間に空気層を形成して、この空気層による断熱効果を高めるようにしている。
0046
なお、本実施例の包装用容器100においては、例えば図6の(c)に示したように、容器本体10の側面12の一部に模様40を形成して、この模様40によって包装用容器100の豪華さを演出するようにしている。
0047
中容器20は、底面21と、これから立ち上がる側壁22と、この側壁22の周縁に形成したフランジ部23とを備えることは、上記容器本体10と同じような一般的な形状を有するものであるが、このフランジ部23の外端にある係合片23aが、容器本体10の段部14上に係合されて、容器本体10内に全体が収納されるものである。この中容器20の全体が容器本体10内に収納されるようにしたのは、この中容器20が実質的な「丼物」あるいは「お重」容器となるようにするためであり、容器本体10そのものは、中容器20の中身を豪華に見せるためと、及び中身の保温を行うために使用するのである。この保温は、当該中容器20と容器本体10との間に形成される空気層によってなされる。
0048
換言すれば、この中容器20は、中身を区画するために使用するものではなく、また、中身にあった「漬け物」や「ツマ」、あるいは「調味料」を収納するための小部屋を付けることはあっても、大部分を「ご飯もの」が多く収納できるようにするものである。このようにすることによって、上記表1で示したように、近年「ご飯もの」を外食する要望が増えてきていることに応えようとするものである。
0049
この中容器20においては、図2、図4、図5の(b)、及び図7に示したように、その底面21周縁に膨出脚部21aが形成してあり、この膨出脚部21aは、特に図8に示すように、容器本体10の、各上げ底部15の外側に位置する底面11内面に当接する。このとき、容器本体10側の各上げ底部15は、図2に示すように、当該容器本体10、またはこれに収納されることになる中容器20の中心線に対して線対称位置に形成したものであるから、中容器20を当該容器本体10内に収納するにあたって、左右を変更しても、各上げ底部15の上面には、常に中容器20の底面21の大部分が当接している。
0050
以上の結果、容器本体10内に収納される中容器20は、左右を逆にしても、常に中容器20の底面21の大部分が各上げ底部15の上面に当接している。そして、中容器20側の膨出脚部21aは、容器本体10の、各上げ底部15の外側に位置する底面11内面に当接し、中容器20のフランジ部23に形成してある係合片23aが容器本体10側の段部14に係合するから、当該中容器20は、容器本体10に対して不用意にずれたり分離すること無く安定した状態で収納されている。勿論、容器本体10の底面11と、中容器20の底面21との間には、図8に示すように、ある程度の隙間が形成されるから、この隙間内の空気によって当該包装用容器100の保温がなされることになる。
0051
そして、この包装用容器100は、近年人気が高くなってきているご飯物やお重物を、図1に示したように、容器本体10と略同じ容積を有する中容器20に詰めることができ、そのボリュウーム感を容器本体10で表現できるし、これらの容器本体10及び中容器20を色違いにしたり、容器本体10の側面12に図2及び図3に示したように、模様40を形成すれば、店内にて豪華な食事を楽しむことができる。
0052
さらに、本実施形態の包装用容器100において、当該中容器20の底面21に、容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接し得る膨出突起21bが形成してあり、この膨出突起21bが容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接し得るようにしたものである。
0053
この膨出突起21bは、図5の(b)にも示したように、膨出脚部21aの近傍(内接位置)に形成するとよい。何故なら、中容器20の底面21周縁に形成した膨出脚部21aは、容器本体10の各上げ底部15の外側に位置する底面11内面に当接し得るようにしたものであるから、膨出突起21bを膨出脚部21aの近傍に形成すれば、容器本体10側の上げ底部15の何れかの外側面に当接させ易くなるからであり、当該膨出突起21b自体の型成形も容易となるからである。
0054
また、これら各膨出突起21bは、図7にも示したように、中容器20を容器本体10内に収納した場合の、中容器20の容器本体10に対する位置決めを果たすだけでなく、位置決めした結果、容器本体10側の各上げ底部15側面と中容器20側の膨出脚部21aとの間に空間を形成するから、断熱性確保のための空間形成を積極的に行うことになる。
0055
本実施形態に係る蓋体30は、透明な合成樹脂シートからシート成形したものであり、その外周には、容器本体10側のフランジ部13の外端13aに係合することになる係合部31が形成してあり、この係合部31を、中容器20を収納した容器本体10の外端13aに係合させれば、例えば図1に参考として示すように、中容器20内のご飯物を外部から容易に視認することができる。勿論、この蓋体30は、中身を保護するものであることは言うまでも無い。
0056
100包装用容器
10容器本体
11 底面
12 側面
13フランジ部
13a外端
14 段部
15上げ底部
16 臨み窓
17膨出脚部
20 中容器
21 底面
21a 膨出脚部
21b膨出突起
22側壁
23 フランジ部
23a係合片
30蓋体
31係合部
40 模様