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技術 熱音響エンジン、及び、熱音響エンジンの設計方法

出願人 中央精機株式会社
発明者 深谷典之伊藤剛
出願日 2016年6月9日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2016-114913
公開日 2017年12月14日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-219273
状態 特許登録済
技術分野 低沸騰点冷媒を用いた圧縮式冷凍機械
主要キーワード 環状配管 各蓄熱器 空間面積 各加熱器 円柱状空間 円筒内壁 熱音響エンジン 温度比
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が高い熱音響エンジン、及び、その熱音響エンジンの設計方法を提供すること。

解決手段

熱音響エンジン110の稼動時の蓄熱器111の平均温度をTs、稼動時の加熱器112の温度をTh、稼動時の冷却器113の温度をTc、蓄熱器111の断面における流路面積の総和をSs、加熱器112の断面における作動気体が存在する内部空間面積の総和をSh、冷却器113の断面における作動気体が存在する内部空間面積の総和をSc、蓄熱器111の長さをLsとしたとき、加熱器112の長さLh=Ls×(Th/Ts)×(Ss/Sh)となるように、冷却器113の長さLc=Ls×(Tc/Ts)×(Ss/Sc)となるように設計する。加熱器112の長さLhが、蓄熱器111の長さLsより大きく、且つ、冷却器113の長さLcより大きい。

概要

背景

従来より、種々の産業分野にて、エネルギーの有効利用の推進が要求されている。例えば、工場等の設備、及び、車両等から排出されて棄却される排熱の量が未だ多いことに鑑み、熱エネルギーを高い効率で回収する技術が望まれている。本発明者は、この技術について鋭意検討した結果、作動気体自励振動させることができる熱音響エンジンを利用することに着目した。この熱音響エンジンを用いて発電を行うシステム(以下、「熱音響発電システム」ともいう)の一例が、下記特許文献1に開示されている。

この熱音響発電システムで用いられている熱音響エンジンは、作動気体が封入された熱音響用配管に組み込まれる。この熱音響エンジンは、蓄熱器と、加熱器と、冷却器とを備える。蓄熱器は、熱音響用配管の長手方向に貫通する複数の流路を有する。加熱器は、蓄熱器の前記長手方向の一端部に連結される。加熱器は、前記複数の流路と連通すると共に前記長手方向に貫通する加熱用内部空間を有し、加熱用内部空間内の作動気体を上述した排熱等を利用して加熱する。冷却器は、蓄熱器の前記長手方向の他端部に連結される。冷却器は、前記複数の流路と連通すると共に前記長手方向に貫通する冷却用内部空間を有し、冷却用内部空間内の作動気体を冷却する。

この熱音響エンジンによれば、蓄熱器の前記長手方向の両端部間に発生する温度勾配によって作動気体が前記長手方向に沿って自励振動することによって、縦波による振動波音波)が発生する。この結果、熱音響用配管内にて音響エネルギー振動エネルギー)が発生する。この熱音響発電システムでは、環状配管である熱音響用配管から分岐した分岐配管に発電機が備えられている。この発電機を熱音響エンジンによって発生した音響エネルギーによって駆動することによって発電が行われ、この結果、上述した排熱等の熱エネルギーを高い効率で回収することができる。

概要

熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が高い熱音響エンジン、及び、その熱音響エンジンの設計方法を提供すること。熱音響エンジン110の稼動時の蓄熱器111の平均温度をTs、稼動時の加熱器112の温度をTh、稼動時の冷却器113の温度をTc、蓄熱器111の断面における流路面積の総和をSs、加熱器112の断面における作動気体が存在する内部空間面積の総和をSh、冷却器113の断面における作動気体が存在する内部空間面積の総和をSc、蓄熱器111の長さをLsとしたとき、加熱器112の長さLh=Ls×(Th/Ts)×(Ss/Sh)となるように、冷却器113の長さLc=Ls×(Tc/Ts)×(Ss/Sc)となるように設計する。加熱器112の長さLhが、蓄熱器111の長さLsより大きく、且つ、冷却器113の長さLcより大きい。

目的

例えば、工場等の設備、及び、車両等から排出されて棄却される排熱の量が未だ多いことに鑑み、熱エネルギーを高い効率で回収する技術が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

作動気体封入された熱音響配管に組み込まれる熱音響エンジンであって、前記熱音響用配管の長手方向に貫通する複数の流路を有する蓄熱器と、前記蓄熱器の前記長手方向の一端部に連結される加熱器であって、前記複数の流路と連通すると共に前記長手方向に貫通する加熱用内部空間を有し、前記加熱用内部空間内の前記作動気体を加熱する加熱器と、前記蓄熱器の前記長手方向の他端部に連結される冷却器であって、前記複数の流路と連通すると共に前記長手方向に貫通する冷却用内部空間を有し、前記冷却用内部空間内の前記作動気体を冷却する冷却器と、を備え、前記加熱器の前記長手方向の長さが、前記蓄熱器の前記長手方向の長さより大きく、且つ、前記冷却器の前記長手方向の長さより大きい、熱音響エンジン。

請求項2

請求項1に記載の熱音響エンジンにおいて、前記加熱器の断面における前記作動気体が存在する前記加熱用内部空間の面積の総和が、前記蓄熱器の断面における前記複数の流路の面積の総和より小さく、且つ、前記冷却器の断面における前記作動気体が存在する前記冷却用内部空間の面積の総和と等しい、熱音響エンジン。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の熱音響エンジンの設計方法であって、前記熱音響エンジンの稼動時における前記蓄熱器の平均温度をTs、前記稼動時における前記加熱器の温度をTh、前記稼動時における前記冷却器の温度をTc、前記蓄熱器の断面における前記複数の流路の面積の総和をSs、前記加熱器の断面における前記作動気体が存在する前記加熱用内部空間の面積の総和をSh、前記冷却器の断面における前記作動気体が存在する前記冷却用内部空間の面積の総和をSc、前記蓄熱器の前記長手方向の長さをLsとしたとき、前記加熱器の前記長手方向の長さLhを、Ls×(Th/Ts)×(Ss/Sh)となるように設計し、前記冷却器の前記長手方向の長さLcを、Ls×(Tc/Ts)×(Ss/Sc)となるように設計する、熱音響エンジンの設計方法。

技術分野

0001

本発明は、作動気体自励振動させる熱音響エンジン、及び、熱音響エンジンの設計方法に関する。

背景技術

0002

従来より、種々の産業分野にて、エネルギーの有効利用の推進が要求されている。例えば、工場等の設備、及び、車両等から排出されて棄却される排熱の量が未だ多いことに鑑み、熱エネルギーを高い効率で回収する技術が望まれている。本発明者は、この技術について鋭意検討した結果、作動気体を自励振動させることができる熱音響エンジンを利用することに着目した。この熱音響エンジンを用いて発電を行うシステム(以下、「熱音響発電システム」ともいう)の一例が、下記特許文献1に開示されている。

0003

この熱音響発電システムで用いられている熱音響エンジンは、作動気体が封入された熱音響用配管に組み込まれる。この熱音響エンジンは、蓄熱器と、加熱器と、冷却器とを備える。蓄熱器は、熱音響用配管の長手方向に貫通する複数の流路を有する。加熱器は、蓄熱器の前記長手方向の一端部に連結される。加熱器は、前記複数の流路と連通すると共に前記長手方向に貫通する加熱用内部空間を有し、加熱用内部空間内の作動気体を上述した排熱等を利用して加熱する。冷却器は、蓄熱器の前記長手方向の他端部に連結される。冷却器は、前記複数の流路と連通すると共に前記長手方向に貫通する冷却用内部空間を有し、冷却用内部空間内の作動気体を冷却する。

0004

この熱音響エンジンによれば、蓄熱器の前記長手方向の両端部間に発生する温度勾配によって作動気体が前記長手方向に沿って自励振動することによって、縦波による振動波音波)が発生する。この結果、熱音響用配管内にて音響エネルギー振動エネルギー)が発生する。この熱音響発電システムでは、環状配管である熱音響用配管から分岐した分岐配管に発電機が備えられている。この発電機を熱音響エンジンによって発生した音響エネルギーによって駆動することによって発電が行われ、この結果、上述した排熱等の熱エネルギーを高い効率で回収することができる。

先行技術

0005

WO2013/084830号公報

0006

ところで、上述した熱音響エンジンを利用して排熱等の熱エネルギーをより一層高い効率で回収するためには、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率をより一層高めることが非常に重要である。

0007

本発明者は、熱音響エンジンを設計する際、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率を高めるために、熱音響エンジンを構成する蓄熱器、加熱器、及び、冷却器のそれぞれの長手方向の長さに着目した。そして、本発明者は、鋭意検討した結果、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率を高めるために、蓄熱器、加熱器、及び、冷却器のそれぞれの長手方向の長さに関して必要となる関係、及び、これらの長さの設計方法を見出した。

0008

本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が高い熱音響エンジン、及び、その熱音響エンジンの設計方法を提供することである。

0009

本発明に係る熱音響エンジンは、上述と同様の蓄熱器、加熱器、及び、冷却器を備える。本発明に係る熱音響エンジンの特徴は、前記加熱器の前記長手方向の長さ(加熱器長さ)が、前記蓄熱器の前記長手方向の長さ(蓄熱器長さ)より大きく、且つ、前記冷却器の前記長手方向の長さ(冷却器長さ)より大きいことにある。以下、説明の便宜上、上述した作動気体の自励振動に起因する縦波の前記長手方向に関する振幅を「変位振幅」と呼ぶ。

0010

熱音響エンジンを設計する際、通常、蓄熱器内の作動気体の変位振幅が蓄熱器長さに近づく(一致する)ように、蓄熱器長さが設計される。加えて、加熱器の断面における作動気体が存在する加熱用内部空間の面積の総和(加熱器総面積)が、蓄熱器の断面における複数の流路の面積の総和(蓄熱器総面積)より小さく、且つ、冷却器の断面における作動気体が存在する冷却用内部空間の面積の総和(冷却器総面積)と略等しくなるように設計される場合が多い。

0011

蓄熱器内の作動気体が加熱器内に移動すると、加熱器総面積が蓄熱器総面積より小さいことに起因して、(作動気体の体積が一定であるものとすると)加熱器内の作動気体の変位振幅が、蓄熱器内の作動気体の変位振幅より大きくなる。加えて、加熱器の温度が蓄熱器の平均温度より高いことに起因して作動気体が熱を受けて膨張する。この膨張にも起因して、加熱器内の作動気体の変位振幅が、蓄熱器内の作動気体の変位振幅より大きくなる。以上より、加熱器内の作動気体の変位振幅は、蓄熱器内の作動気体の変位振幅より大きくなる、といえる。

0012

また、上記と同様の考え方に基づけば、加熱器総面積が冷却器総面積と略等しいこと、及び、加熱器の温度が冷却器の温度より高いことに起因して、加熱器内の作動気体の変位振幅は、冷却器内の作動気体の変位振幅より大きくなる、といえる。

0013

熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率を高くするためには、蓄熱器の両端部間に発生する温度勾配を大きくすることが必要である。そのためには、加熱器及び冷却器と作動気体との間の熱交換効率を高めることが必要である。そのためには、加熱器内の作動気体の変位振幅が加熱器長さに近づく(一致する)ように、且つ、冷却器内の作動気体の変位振幅が冷却器長さに近づく(一致する)ように、加熱器長さ及び冷却器長さを設計することが重要である、と考えられる。

0014

以上のことから、加熱器長さが、蓄熱器長さより大きく、且つ、冷却器長さより大きくなるように、蓄熱器長さ、加熱器長さ、及び、冷却器長さを設計すれば、加熱器及び冷却器と作動気体との間の熱交換効率が高くなり、その結果、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が高くなる、と考えられる。上述した本発明に係る熱音響エンジンの特徴は、このような知見に基づく。

0015

また、本発明に係る熱音響エンジンの設計方法は、このような知見に基づいて、既設定済の蓄熱器長さに対して、加熱器長さ、及び冷却器長さを設計する設計方法に関する。本発明に係る熱音響エンジンの設計方法の詳細については、後に詳述する。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本発明にかかる熱音響エンジンを含む熱音響発電システムの概略構成を模式的に示す図である。
図2は、図1に示した熱音響エンジンの構成を模式的に示す図である。
図3は、図2に示した蓄熱器の端面(複数の流路)の一例を示す図である。
図4は、図2に示した加熱器の構成を模式的に示す図である。
図5は、図2に示した熱音響エンジンの各諸元を説明するための図である。

実施例

0017

以下、本発明に係る熱音響エンジンの実施形態について図面を参照しながら説明する。

0018

(構成)
図1に示すように、熱音響発電システム100は、金属製の配管からなる配管構成部101を備えている。配管構成部101は、環状(ループ状)の配管部分である環状配管102と、環状配管102から分岐し且つその管内空間が環状配管102の管内空間と連通する分岐配管103と、を含む。この環状配管102が本発明の「熱音響用配管」に相当する。

0019

分岐配管103は、環状配管102から分岐する分岐点を一方端103aとし、この一方端103aから他方端103bまで長尺状に延びる配管部分である。分岐配管103が他方端103bにてエネルギー取り出し部160によって封止されている。環状配管102及び分岐配管103の双方に所定の作動気体(本実施形態では、ヘリウム)が所定圧力下で封入されている。尚、作動気体としては、ヘリウムに代えて或いは加えて、窒素アルゴン、ヘリウム及びアルゴンの混合気体、空気等が採用され得る。

0020

環状配管102には、直列に接続された3つの熱音響エンジン(「原動機」ともいう)110が設けられている。これら3つの熱音響エンジン110によって、所謂「多段型の熱音響エンジン」が構成されている。各熱音響エンジン110は、環状配管102の管内に組み込まれた蓄熱器111と、蓄熱器111の高温部である一端部111aに対向して配置された加熱器112と、蓄熱器111の常温部(或いは低温部)である他端部111bに対向して配置された冷却器113と、を備えている。なお、熱音響エンジン110の設置数は、3つに限定されるものではなく、必要に応じてその他の設置数が選択され得る。

0021

図2、及び、図3に示すように、各蓄熱器111は、環状配管102の配管長手方向(配管の延在方向、x軸方向)に垂直な方向の断面の形状が円形となる円柱状の構造体である。各蓄熱器111の配管長手方向の両端面は、配管長手方向(x軸方向)と垂直な平面である。各蓄熱器111は、一端部111aと他端部111bとの間で配管長手方向(x軸方向)に沿って互いに平行に延びる貫通した複数の流路111cを有する。この複数の流路111c内にて作動気体が振動するようになっている。

0022

図3に示す例では、複数の流路111cは、蓄熱器111の内部を縦横仕切る多数の壁によってマトリクス状区画・形成されている。なお、蓄熱器111の内部にて配管長手方向に延びる貫通した複数の流路が形成されている限りにおいて、蓄熱器111の内部は、ハニカム状等を含みどのように仕切られていてもよい。

0023

蓄熱器111としては、例えば、典型的にはセラミック製の構造体や、ステンレス鋼によるメッシュ薄板の複数を微小ピッチで平行に積層した構造体、金属繊維からなる不織布状物などを用いることができる。尚、蓄熱器111として横断面が円形のもの代えて、横断面が楕円形多角形等のものを採用することもできる。

0024

蓄熱器111において、一端部111aと他端部111bとの間に所定の温度勾配が生じると、環状配管102内の作動気体が不安定になって配管長手方向に沿って自励振動する。この結果、配管長手方向に沿って振動する縦波による振動波(「音波」、「振動流」或いは「仕事流」ともいう)が形成され、この振動波が環状配管102の管内から分岐配管103の管内へと伝わるようになっている。

0025

図2に示すように、各加熱器112は、加熱源120に接続されている。加熱源120は、温風温水等の加熱用流体を各加熱器112に供給する機能を果たす。図2、及び、図4に示すように、各加熱器112は、蓄熱器111の一端部111aに組み付けられるブロック112aと、ブロック112aに組み付けられる複数の管112b、とを備える。ブロック112aには、配管長手方向(x軸方向)に沿って貫通する円柱状の加熱用内部空間112cが形成されている。加熱用内部空間112cは、蓄熱器111の複数の流路111cと連通しており、加熱用内部空間112c内にて作動気体が振動するようになっている。

0026

ブロック112aの側面には、配管長手方向(x軸方向)に延びる長穴状の複数の同形貫通穴112aaが、配管長手方向と垂直な第1方向(z軸方向)に沿って、且つ、配管長手方向及び第1方向と垂直な第2方向(y軸方向)にて所定の間隔をもって形成されている。各管112bの断面は、同形であり、貫通穴112aaに対応する長穴状の扁平形状を有している。なお、各管112bの断面が長穴状の扁平形状を有しているのは、管内を流れる加熱用流体の流路面積を十分に確保するためである。

0027

複数の管112bは、対応する貫通穴112aaにそれぞれ挿入・固定されることによって、加熱用内部空間112cを互いに離間して第1方向(z軸方向)に横断するように、ブロック112aに組み付けられている。この結果、各管112bの前記扁平形状の延在方向が配管長手方向(x軸方向)と一致するように、複数の管112bが整列している。貫通穴112aaと管112bとの接触部には、内部に封入された作動気体が外部に漏れ出ないように所定のシール処理が施されている。

0028

複数の管112bは、加熱源120と接続されている。加熱源120から供給される加熱用流体を複数の管112bに流すことによって、複数の管112b内の加熱用流体と、ブロック112aの加熱用内部空間112c内の作動気体との間で熱交換が行われる。この結果、蓄熱器111の一端部111a周辺の作動気体が加熱されるようになっている。熱交換後の温度が低下した加熱用流体は、加熱源120に戻されて再び加熱されるようになっている。

0029

各冷却器113も、上述した加熱器112と同様の構成を有している。即ち、図2に示すように、各冷却器113は、冷却源130に接続されている。冷却源130は、冷風冷水等の冷却用流体を各冷却器113に供給する機能を果たす。各冷却器113は、蓄熱器111の他端部111bに組み付けられるブロック113aと、ブロック113aに組み付けられる複数の管113b、とを備える。ブロック113aには、配管長手方向(x軸方向)に沿って貫通する円柱状の冷却用内部空間113c(後述する図5を参照)が形成されている。冷却用内部空間113cは、蓄熱器111の複数の流路111cと連通しており、冷却用内部空間113c内にて作動気体が振動するようになっている。断面が扁平形状の複数の管113bは、冷却用内部空間113cを互いに離間して第1方向(z軸方向)に横断するように、ブロック113aに組み付けられている。

0030

複数の管113bは、冷却源130と接続されている。冷却源130から供給される冷却用流体を複数の管113bに流すことによって、複数の管113b内の冷却用流体と、ブロック113aの冷却用内部空間113c内の作動気体との間で熱交換が行われる。この結果、蓄熱器111の他端部111b周辺の作動気体が冷却されるようになっている。熱交換後の温度が上昇した冷却用流体は、冷却源130に戻されて再び冷却されるようになっている。

0031

上述した加熱器112による加熱作用と冷却器113による冷却作用との協働によって、各蓄熱器111において一端部111aと他端部111bとの間に所定の温度勾配が生じる。即ち、加熱器112及び冷却器113は、配管構成部101に封入された作動気体を自励振動させるために各蓄熱器111の複数の流路111cの両端部間に温度勾配が生じるように作動気体との間で熱交換を行う熱交換器を構成している。

0032

図1戻り、分岐配管103は、環状配管102とタービン140との間に直線状に延在する第1配管部104と、タービン140を挟んで環状配管102とは反対側に直線状に延在する第2配管部105と、第1配管部104と第2配管部105を連結するようにクランク状に屈曲したクランク配管部106と、を備えている。

0033

タービン140は、分岐配管103の管内に連通するように構成され、分岐配管103の管内に存在する作動気体の振動波による音響エネルギー(「振動エネルギー」ともいう)を機械的な回転エネルギーに変換する機能を果たす。即ち、このタービン140は、分岐配管103に設けられ熱音響エンジン110における作動気体の自励振動によって生じた音響エネルギーを受けて回転する。タービン140には、このタービン140の回転による運動エネルギー(回転エネルギー)を電力に変換するための発電機150が接続されている。

0034

分岐配管103の他方端103b、即ち、第2配管105の両側の管端部のうちタービン140とは反対側の管端部には、作動気体の音響エネルギーを分岐配管103から管外に取り出すためのエネルギー取り出し部160が設けられている。このエネルギー取り出し部160は、典型的には圧力振動を受けて電気エネルギー(電力)を出力することが可能な公知のリニア発電機スピーカー型発電機等によって構成される。

0035

(作動)
以下、上記のように構成された熱音響発電システム100の作動について、前述の内容に沿って簡単に説明する。図1に示すように、各熱音響エンジン110において、蓄熱器111の一端部111aが加熱器112によって加熱され、且つ蓄熱器111の他端部111bが冷却器113によって冷却されると、蓄熱器111の一端部111aと他端部111bとの間に温度勾配が生じる。この温度勾配によって、各蓄熱器111では主として作動気体の自励振動による振動波が形成される。この振動波(音波)による音響エネルギー(振動エネルギー)は、配管構成部101の環状配管102から分岐配管103を通じてタービン140に伝達され、更にはエネルギー取り出し部160に伝達される。この場合、分岐配管103は、熱音響エンジン110において発生した作動気体の音響エネルギーを導くための共鳴管導波管)として構成される。音響エネルギーの一部は、エネルギー取り出し手段であるタービン140によって取り出され当該タービン140に接続された発電機150によって電気エネルギー(電力)に変換され、またエネルギー取り出し部160によって取り出されて所定のエネルギー(例えば、振動エネルギーや電気エネルギー等)に変換される。

0036

(蓄熱器長さ、加熱器長さ、及び、冷却器長さの設計、並びに、作用・効果)
熱音響エンジン110を利用して排熱等の熱エネルギーをより一層高い効率で回収するためには、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率をより一層高めることが重要である。本発明者は、熱音響エンジンを設計する際、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率を高めるために、熱音響エンジン110を構成する蓄熱器111、加熱器112、及び、冷却器113のそれぞれの配管長手方向の長さ(蓄熱器長さ、加熱器長さ、冷却器長さ)に着目した。

0037

本発明者は、鋭意検討した結果、既設定済の蓄熱器長さに対して、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率を高くするために必要な加熱器長さ、及び冷却器長さを設計する設計方法を見出した。

0038

以下、説明の便宜上、図5に示すように、蓄熱器長さをLs、加熱器長さをLh、冷却器長さをLcと定義する。また、熱音響エンジン110の稼動時(定常運転時)における蓄熱器111の平均温度(蓄熱器温度)をTs、稼動時(定常運転時)における加熱器112の温度(加熱器温度)をTh、稼動時(定常運転時)における冷却器113の温度(冷却器温度)をTcと定義する。なお、「温度」とは絶対温度を指す。

0039

更に、蓄熱器111の断面における複数の流路111cの面積の総和(蓄熱器総面積)をSs、加熱器112の断面における作動気体が存在する加熱用内部空間112cの面積の総和(加熱器総面積)をSh、冷却器113の断面における作動気体が存在する冷却用内部空間113cの面積の総和(冷却器総面積)をScと定義する。なお、「断面」とは、配管長手方向に直交する断面を指す。また、上述した作動気体の自励振動に起因する縦波の配管長手方向に関する振幅を「変位振幅」と呼ぶ。

0040

熱音響エンジン110を設計する際、通常、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅が蓄熱器長さLsに近づく(一致する)ように、蓄熱器長さLsが設計・設定される。加えて、加熱器総面積Shは、蓄熱器総面積Ssより小さく、且つ、冷却器総面積Scと略等しくなるように設計されることが多い。なお、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅は、加熱器温度Thと冷却器温度Tcとの温度比(Th/Tc)、及び、蓄熱器総面積Ss等のパラメータを調整することによって任意に調整することができる。

0041

熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率を高くするためには、蓄熱器111の両端部間に発生する温度勾配を大きくすることが必要である。そのためには、加熱器112及び冷却器113と作動気体との間の熱交換効率を高めることが必要である。そのためには、加熱器112内の作動気体の変位振幅が加熱器長さLhに近づく(一致する)ように、且つ、冷却器113内の作動気体の変位振幅が冷却器長さLcに近づく(一致する)ように、加熱器長さLh及び冷却器長さLcを設計することが重要である、と考えられる。

0042

蓄熱器111内の作動気体が加熱器112内に移動すると、加熱器総面積Shが蓄熱器総面積Ssより小さいことに起因して、(作動気体の体積が一定であるものとすると)加熱器112内の作動気体の変位振幅が、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅より大きくなる。この点に関して、「蓄熱器111内の作動気体の変位振幅」に対する「加熱器112内の作動気体の変位振幅」の変化率増加率)は、「加熱器総面積Sh」に対する「蓄熱器総面積Ss」の比率(Ss/Sh)と等しくなる。

0043

また、蓄熱器111内の作動気体が加熱器112内に移動すると、加熱器温度Thが蓄熱器温度Tsより高いことに起因して作動気体が熱を受けて膨張する。この膨張にも起因して、加熱器112内の作動気体の変位振幅が、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅より大きくなる。この点に関して、「蓄熱器111内の作動気体の変位振幅」に対する「加熱器112内の作動気体の変位振幅」の変化率(増加率)は、「蓄熱器温度Ts」に対する「加熱器温度Th」の比率(Th/Ts)と等しくなる。

0044

以上のことから、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅が蓄熱器長さLsに近づく(一致する)ように蓄熱器長さLsが既設定済である条件下において、加熱器長さLhを加熱器112内の作動気体の変位振幅に近づける(一致させる)ために必要な加熱器長さLhは、以下の(1)式で表すことができる。
Lh=Ls×(Th/Ts)×(Ss/Sh)…(1)

0045

同様に、蓄熱器111内の作動気体が冷却器113内に移動すると、冷却器総面積Scが蓄熱器総面積Ssより小さいことに起因して、(作動気体の体積が一定であるものとすると)冷却器113内の作動気体の変位振幅が、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅より大きくなる。この点に関して、「蓄熱器111内の作動気体の変位振幅」に対する「冷却器113内の作動気体の変位振幅」の変化率(増加率)は、「冷却器総面積Sc」に対する「蓄熱器総面積Ss」の比率(Ss/Sc)と等しくなる。

0046

また、蓄熱器111内の作動気体が冷却器113内に移動すると、冷却器温度Tcが蓄熱器温度Tsより低いことに起因して作動気体が熱を放出して収縮する。この収縮に起因して、冷却器113内の作動気体の変位振幅が、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅より小さくなる。この点に関して、「蓄熱器111内の作動気体の変位振幅」に対する「冷却器113内の作動気体の変位振幅」の変化率(増加率)は、「蓄熱器温度Ts」に対する「冷却器温度Tc」の比率(Tc/Ts)と等しくなる。

0047

以上のことから、蓄熱器111内の作動気体の変位振幅が蓄熱器長さLsに近づく(一致する)ように蓄熱器長さLsが既設定済である条件下において、冷却器長さLcを冷却器113内の作動気体の変位振幅に近づける(一致させる)ために必要な冷却器長さLcは、以下の(2)式で表すことができる。
Lc=Ls×(Tc/Ts)×(Ss/Sc)…(2)

0048

このように、蓄熱器長さLsが既設定済である条件下において、加熱器長さLh及び冷却器長さLcをそれぞれ上記(1)式及び上記(2)式で表される値に設定することで、加熱器112及び冷却器113と作動気体との間の熱交換効率が高くなり、その結果、熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が高い熱音響エンジン110を設計することができる。

0049

上述のように、熱音響エンジン110では、加熱器総面積Shは、蓄熱器総面積Ssより小さく、且つ、冷却器総面積Scと略等しくなるように設計されている。また、加熱器温度Thは、蓄熱器温度Tsより高く、且つ、冷却器温度Tcより高い。

0050

従って、上記(1)式において、値(Th/Ts)、及び、値(Ss/Sh)が共に「1」より大きい。この結果、上記(1)式において、加熱器長さLhは、一律に、蓄熱器長さLsより大きくなる。

0051

一方、上記(2)式において、値(Tc/Ts)は「1」より小さく、値(Ss/Sc)は「1」より大きい。この結果、上記(2)式において、冷却器長さLcと蓄熱器長さLsとの大小関係は一律には決定されない。しかしながら、加熱器総面積Shが冷却器総面積Scと略等しいこと、並びに、加熱器温度Thが冷却器温度Tcより高いことから、上記(1)式及び上記(2)式を比較すると、加熱器長さLhは、一律に、冷却器長さLcより大きくなる。

0052

以上、加熱器長さLhが、蓄熱器長さLsより大きく、且つ、冷却器長さLcより大きくなるように、蓄熱器長さLs、加熱器長さLh、及び、冷却器長さLcを設計すれば、これらの条件が満足されない場合と比べて、加熱器112及び冷却器113と作動気体との間の熱交換効率が高くなり、その結果、熱音響エンジン110において熱エネルギーから音響エネルギーへの変換効率を高くすることができる。

0053

本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。

0054

上記実施形態では、上記(1)式及び上記(2)式におけるパラメータとして、蓄熱器総面積Ss、加熱器総面積Sh、及び、冷却器総面積Scを採用しているが、蓄熱器111内部の円筒内壁画定される円柱状空間(複数の流路111cを区画する壁がない場合の空間)の断面積、加熱器112(ブロック112a)内部の円筒内壁で画定される円柱状空間(管112bがない場合の空間)の断面積、及び、冷却器113(ブロック113a)内部の円筒内壁で画定される円柱状空間(管113bがない場合の空間)の断面積が全て等しい場合(以下、「管断面積Sa」と呼ぶ)においては、下記(3)式及び(4)式に示すように、蓄熱器総面積Ss、加熱器総面積Sh、及び、冷却器総面積Scに代えて、蓄熱器開口率Rs、加熱器開口率Rh、及び、冷却器開口率Rcが採用され得る。
Lh=Ls×(Th/Ts)×(Rs/Rh)…(3)
Lc=Ls×(Tc/Ts)×(Rs/Rc)…(4)

0055

ここで、蓄熱器開口率Rsとは、(蓄熱器総面積Ss)/(管断面積Sa)と定義され、加熱器開口率Rhとは、(加熱器総面積Sh)/(管断面積Sa)と定義され、冷却器開口率Rcとは、(冷却器総面積Sc)/(管断面積Sa)と定義される。

0056

100…熱音響発電システム、110…熱音響エンジン、111…蓄熱器、111a…一端部、111b…他端部、111c…複数の流路、112…加熱器、112a…ブロック、112c…加熱用内部空間、113…冷却器、113a…ブロック、113c…冷却用内部空間、120…加熱源、130…冷却源

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