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技術 回転同期位相検出装置及び磁気軸受装置

出願人 株式会社明電舎
発明者 越智隼人
出願日 2016年6月7日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2016-113134
公開日 2017年12月14日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2017-219098
状態 特許登録済
技術分野 その他の軸受(磁気軸受、静圧軸受等)
主要キーワード 幾何学的中心点 変位座標 検出回転速度 第二速 位相検出装置 ゼロクロス周期 トラッキングフィルタ 軸変位
関連する未来課題
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図面 (12)

課題

磁気軸受装置回転体回転同期位相を低廉且つ安定的に精度よく測定する。

解決手段

回転同期位相検出装置4において、速度決定部43は、第一の回転速度v1が加速中の場合、第一の回転速度v1と最大の第二の回転速度v2_maxとの差に基づき位相演算部44に供する回転速度vとして第一の回転速度v1と第二の回転速度v2のいずれかを選択する。一方、第一の回転速度v1が減速中の場合、第一の回転速度v1と最小の第二の回転速度v2_minとの差に基づき位相演算部44に供する回転速度vとして第一の回転速度v1と第二の回転速度v2のいずれかを選択する。尚、第一の回転速度v1は、回転体2のx軸変位とy軸変位のゼロクロス周期に基づき検出されたものである。第二の回転速度v2は、回転体2のx軸変位とy軸変位とに基づくdq座標変換により得られたq軸変位が0となるときのd軸変位に基づき検出されたものである。

概要

背景

磁気軸受装置は、磁性体である回転体磁気浮上により支持する装置であって、回転体の振れ回りの変位信号に基づき当該回転体を浮上させる電磁石に供給する励磁電流フィードバック制御することにより、回転体の浮上位置を制御する(例えば、特許文献1)。

図9に示したように、特許文献1の磁気軸受装置9において、電流制御部3は、電磁石1x,1yにより浮上させた回転体2を回転制御する。回転体2が回転すると回転体2の重心と幾何学的中心不一致により、回転体2の振り回りが発生する。この振れ回りの変位信号(X,Y)は図示省略の変位センサにより検出される。同図に記載のXはX軸方向(回転体2の一方の径方向)の振れ回りの変位信号を示し、YはY軸方向(当該一方の径方向と直交する他方の径方向)の振れ回りの変位信号を示す。また、同時に回転同期位相θが図示省略のロータリーエンコーダ若しくはレゾルバにより検出される。この検出された回転同期位相θは電流制御部3のトラッキングフィルタ機能により変位信号の回転同期成分が除去される。電流制御部3は、この回転同期成分が除去された変位信号に基づく電流指令値を算出し、この電流指令値に基づく励磁電流Ix、Iyを電磁石1x,1yの励磁コイルに各々供給する。以上のように、変位信号から回転同期成分が除去されることにより、変位座標軸の原点回転子運動することになる。

変位信号は正弦波近似した波形を成している。変位信号から正弦波の位相への近似法としては、以下の2つの手法が知られている。手法[1]は、変位信号のゼロクロス周期に基づき算出された速度の積分により正弦波の位相を算出する。手法[2]は、変位信号のq軸信号に対してPLL(Phase Locked Loop)を適用して速度を求め、これを積分して正弦波の位相を算出する。

手法[1]について図10を参照しながら具体的に説明する。変位座標軸の原点(回転子の幾何学的中心点若しくは二対のセンサの直交点)から観て変位信号がゼロクロスした間隔の逆数周波数fとして、式(1)に示すモータの速度を算出できる。この速度に対して式(2)を適用することにより回転同期位相θが算出される。図示のブロック構成は、x軸方向の変位信号のゼロクロスに基づき周波数を算出する構成例である。尚、y軸方向の変位信号のゼロクロス、または、x軸方向、y軸方向の両方の変位信号のゼロクロスに基づいても同様の方法により周波数を算出できる。

手法[2]について図11を参照しながら具体的に説明する。x軸及びy軸の変位信号に対して回転同期位相θによる2相dq変換を行い、d軸変位信号(回転体2の磁束方向変位の信号)とq軸変位信号(当該磁束方向と直交する方向の変位の信号)を算出する。回転に振れ回りがない場合、変位信号は回転に同期した成分であるd軸変位信号のみになるので、d軸変位信号に直角な成分であるq軸変位信号は0となる。これを利用し、q軸変位信号にローパスフィルタLPF)により直流成分のみを取り出し、これが0となるようにフィードバック制御を行う。q軸変位信号の直流成分をPI制御により回転速度vと一致するように調整し、この回転速度vを積分することにより、変位信号の回転同期位相θを算出する。このようにロータリーエンコーダやレゾルバを用いずに回転体の振れ回りの変位信号から回転同期位相を算出できる。

概要

磁気軸受装置の回転体の回転同期位相を低廉且つ安定的に精度よく測定する。回転同期位相検出装置4において、速度決定部43は、第一の回転速度v1が加速中の場合、第一の回転速度v1と最大の第二の回転速度v2_maxとの差に基づき位相演算部44に供する回転速度vとして第一の回転速度v1と第二の回転速度v2のいずれかを選択する。一方、第一の回転速度v1が減速中の場合、第一の回転速度v1と最小の第二の回転速度v2_minとの差に基づき位相演算部44に供する回転速度vとして第一の回転速度v1と第二の回転速度v2のいずれかを選択する。尚、第一の回転速度v1は、回転体2のx軸変位とy軸変位のゼロクロス周期に基づき検出されたものである。第二の回転速度v2は、回転体2のx軸変位とy軸変位とに基づくdq座標変換により得られたq軸変位が0となるときのd軸変位に基づき検出されたものである。

目的

本発明は、上記の事情に鑑み、磁気軸受装置の回転体の回転同期位相を低廉且つ安定的に精度よく測定することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

磁気浮上する回転体の一方の径方向変位と当該一方の径方向と直交する他方の径方向の変位のゼロクロス周期に基づき当該回転体の第一の回転速度を検出する第一速度検出部と、前記一方の径方向の変位と前記他方の径方向の変位とに基づく座標変換により得られた前記回転体の磁束方向と直交する方向の変位が0となるときの当該磁束方向の変位に基づき当該回転体の第二の回転速度を検出する第二速度検出部と、前記第一の回転速度と前記第二の回転速度のいずれかに基づき前記回転体の回転同期位相を算出する位相演算部とを備えた回転同期位相検出装置

請求項2

前記第一の回転速度が加速中である場合に当該第一の回転速度と最大の前記第二の回転速度との差に基づき前記位相演算部に供する回転速度として当該第一の回転速度と当該第二の回転速度のいずれかを選択する一方で、前記第一の回転速度が減速中である場合に当該第一の回転速度と最小の前記第二の回転速度との差に基づき前記位相演算部に供する回転速度として当該第一の回転速度と当該第二の回転速度のいずれかを選択する速度決定部をさらに備えた請求項1に記載の回転同期位相検出装置。

請求項3

前記位相演算部に供される回転速度の変化率を制限する変化率制限処理部をさらに備えた請求項1または2に記載の回転同期位相検出装置。

請求項4

電磁石により磁気浮上する回転体の一方の径方向の変位と当該一方の径方向と直交する他方の径方向の変位とに基づき当該回転体の回転同期位相を検出する請求項1から3のいずれか1項に記載の回転同期位相検出装置と、前記一方の径方向の変位と前記他方の径方向の変位と前記検出された回転同期位相とに基づき前記電磁石に供する励磁電流を制御する電流制御部とを備えた磁気軸受装置

技術分野

0001

本発明は磁気軸受ベアリングレスモータに例示される磁気軸受装置回転体変位信号に基づき回転体の回転速度を検出する技術に関する。

背景技術

0002

磁気軸受装置は、磁性体である回転体を磁気浮上により支持する装置であって、回転体の振れ回りの変位信号に基づき当該回転体を浮上させる電磁石に供給する励磁電流フィードバック制御することにより、回転体の浮上位置を制御する(例えば、特許文献1)。

0003

図9に示したように、特許文献1の磁気軸受装置9において、電流制御部3は、電磁石1x,1yにより浮上させた回転体2を回転制御する。回転体2が回転すると回転体2の重心と幾何学的中心不一致により、回転体2の振り回りが発生する。この振れ回りの変位信号(X,Y)は図示省略の変位センサにより検出される。同図に記載のXはX軸方向(回転体2の一方の径方向)の振れ回りの変位信号を示し、YはY軸方向(当該一方の径方向と直交する他方の径方向)の振れ回りの変位信号を示す。また、同時に回転同期位相θが図示省略のロータリーエンコーダ若しくはレゾルバにより検出される。この検出された回転同期位相θは電流制御部3のトラッキングフィルタ機能により変位信号の回転同期成分が除去される。電流制御部3は、この回転同期成分が除去された変位信号に基づく電流指令値を算出し、この電流指令値に基づく励磁電流Ix、Iyを電磁石1x,1yの励磁コイルに各々供給する。以上のように、変位信号から回転同期成分が除去されることにより、変位座標軸の原点回転子運動することになる。

0004

変位信号は正弦波近似した波形を成している。変位信号から正弦波の位相への近似法としては、以下の2つの手法が知られている。手法[1]は、変位信号のゼロクロス周期に基づき算出された速度の積分により正弦波の位相を算出する。手法[2]は、変位信号のq軸信号に対してPLL(Phase Locked Loop)を適用して速度を求め、これを積分して正弦波の位相を算出する。

0005

手法[1]について図10を参照しながら具体的に説明する。変位座標軸の原点(回転子の幾何学的中心点若しくは二対のセンサの直交点)から観て変位信号がゼロクロスした間隔の逆数周波数fとして、式(1)に示すモータの速度を算出できる。この速度に対して式(2)を適用することにより回転同期位相θが算出される。図示のブロック構成は、x軸方向の変位信号のゼロクロスに基づき周波数を算出する構成例である。尚、y軸方向の変位信号のゼロクロス、または、x軸方向、y軸方向の両方の変位信号のゼロクロスに基づいても同様の方法により周波数を算出できる。

0006

0007

手法[2]について図11を参照しながら具体的に説明する。x軸及びy軸の変位信号に対して回転同期位相θによる2相dq変換を行い、d軸変位信号(回転体2の磁束方向変位の信号)とq軸変位信号(当該磁束方向と直交する方向の変位の信号)を算出する。回転に振れ回りがない場合、変位信号は回転に同期した成分であるd軸変位信号のみになるので、d軸変位信号に直角な成分であるq軸変位信号は0となる。これを利用し、q軸変位信号にローパスフィルタLPF)により直流成分のみを取り出し、これが0となるようにフィードバック制御を行う。q軸変位信号の直流成分をPI制御により回転速度vと一致するように調整し、この回転速度vを積分することにより、変位信号の回転同期位相θを算出する。このようにロータリーエンコーダやレゾルバを用いずに回転体の振れ回りの変位信号から回転同期位相を算出できる。

先行技術

0008

特開平8−28562号公報
特開2012−110166号公報

発明が解決しようとする課題

0009

従来(特許文献1)の回転同期位相の検出法において、回転体の振れ回り変位抑制に適用されているクロックパルス検出は回転体に付帯されるロータリーエンコーダにより行われている。ロータリーエンコーダは高価であるので、回転同期位相の検出コストが高くなる。また、ロータリーエンコーダは回転軸に取り付けられるので高速回転に適さない。仮に、ロータリーエンコーダの代わりにレゾルバを適用しようとしても高コストとなる。

0010

特許文献1には、ロータリーエンコーダやレゾルバを要することなく変位信号から速度を検出する手法の記載があるが、この手法は1回転当たり数回の検出しか行えず、さらに、ノイズにより検出するタイミングが変化するので、検出精度が低くなる。

0011

これに対して、手法[1]は、ゼロクロスする点を検出するので、検出値は回転速度の急激な変化の影響を受けにくい特徴をもつ。また、他の変位信号から速度を検出する手法として、前述の手法[2]が存在するが、この手法は変位信号をそのまま検出値に変換しているので、検出のタイミングは変位信号と同じであり高精度な検出が可能となる。

0012

しかしながら、上記のいずれの手法も、回転速度指令モータ負荷などの急変により回転速度が急激に変化すると変位信号が大きく変化するので安定性に問題がある。

0013

本発明は、上記の事情に鑑み、磁気軸受装置の回転体の回転同期位相を低廉且つ安定的に精度よく測定することを課題とする。

課題を解決するための手段

0014

そこで、本発明の回転同期位相検出装置は、磁気浮上する回転体の一方の径方向の変位と当該一方の径方向と直交する他方の径方向の変位のゼロクロス周期に基づき当該回転体の第一の回転速度を検出する第一速度検出部と、前記一方の径方向の変位と前記他方の径方向の変位とに基づく座標変換により得られた前記回転体の磁束方向と直交する方向の変位が0となるときの当該磁束方向の変位に基づき当該回転体の第二の回転速度を検出する第二速度検出部と、前記第一の回転速度と前記第二の回転速度のいずれかに基づき前記回転体の回転同期位相を算出する位相演算部とを備える。

0015

前記回転同期位相検出装置の一態様は、前記第一の回転速度が加速中である場合に当該第一の回転速度と最大の前記第二の回転速度との差に基づき前記位相演算部に供する回転速度として当該第一の回転速度と当該第二の回転速度のいずれかを選択する一方で、前記第一の回転速度が減速中である場合に当該第一の回転速度と最小の前記第二の回転速度との差に基づき前記位相演算部に供する回転速度として当該第一の回転速度と当該第二の回転速度のいずれかを選択する速度決定部をさらに備える。

0016

前記回転同期位相検出装置の一態様は、前記位相演算部に供される回転速度の変化率を制限する変化率制限処理部をさらに備える。

0017

本発明の磁気軸受装置の一態様は、電磁石により磁気浮上する回転体の一方の径方向の変位と当該一方の径方向と直交する他方の径方向の変位とに基づき当該回転体の回転同期位相を検出する上記の回転同期位相検出装置と、前記一方の径方向の変位と前記他方の径方向の変位と前記検出された回転同期位相とに基づき前記電磁石に供する励磁電流を制御する電流制御部とを備える。

発明の効果

0018

以上の本発明によれば磁気軸受装置の回転体の回転同期位相を低廉且つ安定的に精度よく測定できる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態における磁気軸受装置のブロック構成図。
同実施形態における回転同期位相検出装置のブロック構成図。
同実施形態における回転同期位相の検出のフローチャート
手法[1]による回転速度の経時的変化
手法[2]による回転速度の経時的変化。
回転体の加速時における実際の回転体の回転速度、手法[2]により検出した回転速度及び最大検出回転速度の経時的変化。
回転体の加速時における実際の回転体の回転速度、手法[1]により検出した回転速度、手法[2]により検出した回転速度及び同実施形態により決定された回転速度の経時的変化。
本発明の他の実施形態における回転同期位相検出装置のブロック構成図。
従来の磁気軸受装置のブロック構成図。
手法[1]に基づく回転同期位相検出方式のブロック構成図。
手法[2]に基づく回転同期位相検出方式のブロック構成図。

実施例

0020

以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。

0021

[第一実施形態]
図1に例示された磁気軸受装置10は、電磁石1x,1yと回転体2と電流制御部3と回転同期位相検出装置4を備える。電磁石1x,1yは回転体2を磁気浮上させる。電流制御部3は回転体2のx軸変位(一方の径方向の変位)とy軸変位(当該一方の径方向と直交する他方の径方向の変位)と回転同期位相θとに基づき電磁石1x,1yに供する励磁電流Ix,Iyを算出する。回転同期位相検出装置4は電流制御部3に供する回転体2の回転同期位相θを検出する。

0022

電磁石1x,1yは、図1に示したように、回転体2を介して対向して一対に配置されている。回転体2のx軸変位は、この一対の電磁石1xにより磁気浮上した回転体2のx軸方向の振れ回りが図示省略された周知の変位センサにより検出されたものである。一方、回転体2のy軸変位は、この一対の電磁石1yにより磁気浮上した回転体2のy軸方向の振れ回りが図示省略された周知の変位センサにより検出されたものである。

0023

回転同期位相検出装置4は、図2に示したように、第一速度検出部41と第二速度検出部42と速度決定部43と位相演算部44を備える。

0024

第一速度検出部41は、回転体2のx軸変位とy軸変位のゼロクロス周期に基づき回転体2の第一の回転速度v1を検出する。

0025

第二速度検出部42は、回転体2のx軸変位とy軸変位とに基づくdq座標変換により得られたq軸変位(回転体2の磁束方向と直交する方向の変位)が0となるときのd軸変位(当該磁束方向の変位)に基づき回転体2の第二の回転速度v2を検出する。

0026

速度決定部43は、第一の回転速度v1が加速中である場合、第一の回転速度v1と最大の第二の回転速度v2_maxとの差に基づき位相演算部44に供する回転速度vとして第一の回転速度v1と第二の回転速度v2のいずれかを選択する。一方、第一の回転速度v1が減速中である場合、第一の回転速度v1と最小の第二の回転速度v2_minとの差に基づき位相演算部44に供する回転速度vとして第一の回転速度v1と第二の回転速度v2のいずれかを選択する。

0027

位相演算部44は、速度決定部43から回転速度vとして供された第一の回転速度v1,第二の回転速度v2のいずれかを前述の式(2)に基づく演算に供して回転体2の回転同期位相θを算出する。

0028

図3のフローチャートを参照しながら本実施形態の回転体2の回転同期位相θが検出される過程について説明する。

0029

S1:第一速度検出部41は、前記変位センサにより検出された回転体2のx軸変位とy軸変位のゼロクロス周期に基づき回転体2の第一の回転速度v1を検出する(以下、手法[1])。一方、前記変位センサにより検出された回転体2のx軸変位とy軸変位のdq変換により得られたd軸変位とq軸変位のうちのq軸変位が0となるときのd軸変位に基づき回転体2の第二の回転速度v2を検出する(以下、手法[2])。

0030

S2:速度決定部43は、第一の回転速度v1が加速中であるか減速中であるかの判定を行う。

0031

そして、第一の回転速度v1の値が増加して回転体2が加速中であると判定した場合、速度決定部43は第一の回転速度v1と最大の第二の回転速度v2_maxとの差の絶対値が閾値以上であるか否かの判断を行う(図3のS2)。尚、最大の第二の回転速度v2_maxは、所定時間内でサンプリングされた第二の回転速度v2の最大値を意味する。

0032

一方、第一の回転速度v1の値が減少して回転体2が減速中であると判定した場合、速度決定部43は第一の回転速度v1と最小の第二の回転速度v2_minとの差の絶対値が閾値以上であるか否かの判断を行う。尚、最小の第二の回転速度v2_minは、所定時間内でサンプリングされた第二の回転速度v2の最小値を意味する。

0033

S3:前記絶対値が閾値以上である場合、速度決定部43は第一の回転速度v1を選択する。

0034

S4:前記絶対値が閾値未満である場合、速度決定部43は第二の回転速度v2を選択する。

0035

S5:速度決定部43は、S3で選択した第一の回転速度v1またはS4で選択した第二の回転速度v2を位相演算部44での演算に供する回転速度vとして決定する。

0036

S6:位相演算部44は、S5で決定された回転速度vを式(2)に基づく演算に供して回転体2の回転同期位相θを算出する。この回転同期位相θは電流制御部3に供される。

0037

そして、電流制御部3は回転体2のx軸変位並びにy軸変位と回転同期位相検出装置4から供された回転体2の回転同期位相θとに基づき電磁石1x,1yに供する励磁電流Ix,Iyを算出する。

0038

以上のように本実施形態の磁気軸受装置10によれば、回転体2の第一の回転速度v1が加速中であるか減速中であるかの判断が行われる。そして、第一の回転速度v1が加速中である場合に第一の回転速度v1と最大の第二の回転速度v2_maxとの差の絶対値と閾値との比較が行われる。一方、第一の回転速度v1が減速中である場合に第一の回転速度v1と最小の第二の回転速度v2_minとの差の絶対値と閾値との比較が行われる。

0039

図4,5の特性図において実線は、各々、手法[1],手法[2]により検出された回転速度である一方、点線は実際の回転体2の回転速度である。したがって、実線と点線との速度差が小さいほど速度検出誤差が小さい。図4に示されたように、回転体2の回転速度が増加している場合、手法[1]により検出される回転体2の回転速度は低精度であるが、実際の回転体2の回転速度と同様に変化する。一方、図5に示されたように、手法[2]により検出される回転体2の回転速度の値は速度が0から変化する際に回転体2の変位に応じて振動する。しかし、PI制御により前記振動は徐々に小さくなるため、手法[2]による回転速度(実線)は実際の回転速度(点線)との差は小さくなる。すなわち、手法[1]と手法[2]の回転速度の差は小さくなる。

0040

ここで、一定の速度を検出手法切り替え判定値とした場合、手法[2]による回転速度の変動が図5に示したような振動した状態の場合、検出の手法が頻繁に切り替わることになり、回転速度の検出値が不安定となる。また、手法[1]と手法[2]の速度差を判定値にした場合、当該速度差が0になる毎に検出の手法が切り替わり、やはり、検出値が不安定となる。

0041

そこで、本実施形態においては、回転体2の加速時に第二の回転速度v2の代わりに最大の第二の回転速度v2_maxが第一の回転速度v1との差の演算に供される。そして、この差の絶対値に基づき、第一の回転速度v1、第二の回転速度v2のいずれかが、位相演算部44での回転同期位相θの演算に供される回転速度vとして、選択される。これにより、頻繁な検出手法の切り替えが回避される。一方、回転体2の減速時には、回転速度が増加している場合と逆のことが起こるため、最小の第二の回転速度v2_minが選択される。

0042

図6に回転体2の加速時における実際の回転体2の回転速度、手法[2]により検出した回転体2の回転速度及び最大検出回転速度の経時的変化を示した。図3のフローチャートに従って位相演算部44での演算に供される回転速度vが例えば以下の値で選択される。
0<時間<t1:v=v2
t1<時間<t2:v=v1
t2<時間:v=v2
図7に回転体2の加速時における実際の回転体2の回転速度、手法[1]により検出した回転速度、手法[2]により検出した回転速度及び本発明の速度決定部43により決定された回転速度の経時的変化を示した。全時間にわたって、実際の回転体2の回転速度と本実施形態により決定された回転速度と略同じ値となり、回転体2の回転速度vの高精度な検出が可能となっている。そして、この回転体2の回転速度vが位相演算部44に供されることにより回転体2の回転同期位相θが精度よく安定的に検出される。

0043

従来の回転同期位相を検出するシステム(例えば特許文献1)においてはロータリーエンコーダやレゾルバが適用されているが、このロータリーエンコーダやレゾルバは回転軸に備え付ける必要があるため、高速回転の検出手段としては最適な手段とはいえない。

0044

これに対して、本実施形態の回転同期位相検出装置4は、ロータリーエンコーダやレゾルバを用いることなく、変位センサのみから、安定性の高い、すなわち、回転速度の検出値の振動的な変動が抑制された高精度な回転同期位相θを取得できる。したがって、従来よりも省スペース且つ低廉及び安定的に高精度な磁気軸受装置10が実現する。

0045

[第二実施形態]
図8に示された回転同期位相検出装置4は、位相演算部44に供される第一の回転速度v1または第二の回転速度v2の変化率を制限する変化率制限処理部45を備える。

0046

本実施形態においては、図3のS5で決定された回転速度vが位相演算部44に供される前に回転速度vの変化率が制限処理される。この制限処理には周知の変化率制限法を適用すればよい。周知の変化率制限法としては、例えば、特許文献2に開示の変化率制限法が挙げられる。この制限法が適用された本実施形態の制御処理では、例えば、外乱オブザーバ優先した変化率の制限により回転速度vがトルクリミッタ規定範囲に制御される。

0047

以上の第二実施形態の回転同期位相検出装置4によれば、回転体2の回転速度vが速度決定部43から位相演算部44に供される過程で変化率制限処理部45により変化率の制限処理が行われる。したがって、手法[1],手法[2]により検出された第一の回転速度v1,第二の回転速度v2が切り替わる際の回転速度vの値の変化が緩やかとなり、当該切り替わる際に瞬間的に発生する回転速度vの検出値の脈動が抑制される。よって、第一実施形態の作用効果に加えて、さらに安定度の高い回転速度vの検出が可能となり、回転体2の回転同期位相θをより精度よく安定的に検出できる。

0048

1x,1y…電磁石
2…回転体
3…電流制御部
4…回転同期位相検出装置
41…第一速度検出部、42…第二速度検出部、43…速度決定部、44…位相演算部
45…変化率制限処理部
10…磁気軸受装置

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    【課題】発熱量を低減させつつ、安定に回転する磁気軸受装置およびそれを備える低温液化ガス送液ポンプを提供する。【解決手段】回転軸を支持する磁気軸受装置300は、第1電磁石M1および第2電磁石M2と、変位... 詳細

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