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技術 操舵制御装置

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 板本英則山野尚紀
出願日 2016年6月9日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-115551
公開日 2017年12月14日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-218080
状態 特許登録済
技術分野 電動機の制御一般 走行状態に応じる操向制御
主要キーワード 推定変化量 回復判定 変動上限 逆正接関数 推定角度 トルク上限 不感帯処理 モデル予測制御
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

操舵トルク検出値目標トルクフィードバック制御するために電流フィードバック制御器の入力となる制御角を操作する制御器システマティックエラー発生時であっても、アシスト制御を実行できるようにした操舵制御装置を提供する。

解決手段

更新量算出処理部M54は、操舵トルクTrqsの大きさを閾値TrqLだけ減少補正した操舵トルクTrqs1を目標トルクTrqs*にフィーバック制御するために制御角θcを更新量Δθc2によって操作する。制御角θcは、電流指令値iγ*を固定座標系の値に変換する際などに用いられる。更新量Δθc2は、トルクベースガード処理部M60によって、操舵トルクTrqsに応じてガード処理され、制御角θcの最終的な更新量Δθcとされる。トルクベースガード処理部M60は、操舵トルクTrqsに応じた許容範囲内となるように更新量Δθc2に対してガード処理を施す。

概要

背景

たとえば特許文献1には、操舵トルク検出値目標トルクフィードバック制御するために、同期電動機アシストトルクを生成させるための電流フィードバック制御器の入力となる制御角を操作する制御装置が記載されている。この制御装置は、同期電動機のセンサレス制御として、トルクフィードバック制御をするものであり、制御角によって回転する座標系座標軸をγ軸およびδ軸とし、γ軸の指令電流値をゼロよりも大きい値とする一方、δ軸の指令電流値をゼロとする。これにより、γ軸とd軸とのずれ量に応じて、q軸電流が流れ、q軸電流によって同期電動機のトルクが生成される。ここで、γ軸とd軸とのずれ量は、制御角によって操作することができることから、トルクフィードバック制御によって制御角を操作することにより、γ軸とd軸とのずれ量を操作することができ、ひいては同期電動機のトルクを制御することができる。

概要

操舵トルクの検出値を目標トルクにフィードバック制御するために電流フィードバック制御器の入力となる制御角を操作する制御器システマティックエラー発生時であっても、アシスト制御を実行できるようにした操舵制御装置を提供する。更新量算出処理部M54は、操舵トルクTrqsの大きさを閾値TrqLだけ減少補正した操舵トルクTrqs1を目標トルクTrqs*にフィーバック制御するために制御角θcを更新量Δθc2によって操作する。制御角θcは、電流指令値iγ*を固定座標系の値に変換する際などに用いられる。更新量Δθc2は、トルクベースガード処理部M60によって、操舵トルクTrqsに応じてガード処理され、制御角θcの最終的な更新量Δθcとされる。トルクベースガード処理部M60は、操舵トルクTrqsに応じた許容範囲内となるように更新量Δθc2に対してガード処理を施す。

目的

本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、操舵トルクの検出値を目標トルクにフィードバック制御するために電流フィードバック制御器の入力となる制御角を操作する制御器のシステマティックエラー発生時であっても、アシスト制御を実行できるようにした操舵制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両の操舵アシストする操舵装置制御対象とし、前記操舵装置は、アシストトルクを生成する同期電動機と、前記同期電動機に電圧印加する電力変換回路とを備え、前記同期電動機を流れる電流指令値に制御するために前記電力変換回路が前記同期電動機に印加する電圧を操作する電流制御処理部と、ステアリングに入力されるトルクである操舵トルク検出値目標トルクフィードバック制御するために、前記指令値の位相を定める制御角を操作する制御角操作処理部と、前記制御角操作処理部による前記制御角の更新量を、前記検出値に応じた前記同期電動機の回転方向への前記更新量の大きさの上限ガード値であるトルクベース上限ガード値以下且つ、前記検出値に応じた前記同期電動機の回転方向への前記更新量の大きさの下限ガード値であるトルクベース下限ガード値以上となるようにガード処理を施すトルクベースガード処理部と、を備え、前記トルクベースガード処理部は、前記更新量の大きさが前記トルクベース上限ガード値を上回ること、および前記トルクベース下限ガード値を下回ることの少なくとも一方を条件に、前記トルクベース上限ガード値と前記トルクベース下限ガード値とによって定まる前記更新量の許容範囲を徐々に縮小する縮小処理部を備える操舵制御装置

請求項2

前記縮小処理部が前記許容範囲を徐々に縮小する処理を実行する前における前記トルクベース上限ガード値は、基準上限ガード値とされ、前記実行する前における前記トルクベース下限ガード値は、基準下限ガード値とされ、前記縮小処理部は、基準更新量以上であることを条件に前記トルクベース上限ガード値を前記基準上限ガード値に対して減少させる処理と、前記基準更新量以下であることを条件に前記トルクベース下限ガード値を前記基準下限ガード値に対して増加させる処理との少なくとも一方の処理を実行し、前記基準更新量は、前記基準上限ガード値および前記基準下限ガード値の間の値であって且つ、前記操舵トルクと正または負の相関を有する値に設定されている請求項1記載の操舵制御装置。

請求項3

前記縮小処理部は、前記トルクベース上限ガード値を前記基準上限ガード値に対して減少させる速度の絶対値と、前記トルクベース下限ガード値を前記基準下限ガード値に対して増加させる速度の絶対値とを、互いに異なる値に設定する請求項2記載の操舵制御装置。

請求項4

前記縮小処理部は、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準上限ガード値を上回る状態の継続時間が上限用異常判定時間以上となる場合、前記トルクベース上限ガード値を前記基準上限ガード値に対して減少させ、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準下限ガード値を下回る状態の継続時間が下限用異常判定時間以上となる場合、前記トルクベース下限ガード値を前記基準下限ガード値に対して増加させるものであり、前記下限用異常判定時間と、前記上限用異常判定時間とは、互いに異なる値に設定されている請求項2または3記載の操舵制御装置。

請求項5

前記トルクベースガード処理部は、前記制御角操作処理部による前記制御角の更新量が前記基準上限ガード値と前記基準下限ガード値との間にあって且つ前記トルクベース上限ガード値と前記トルクベース下限ガード値とによって定まる許容範囲が前記基準上限ガード値と前記基準下限ガード値とによって定まる許容範囲よりも狭いことを条件に、前記トルクベース上限ガード値と前記トルクベース下限ガード値との幅を拡大する拡大処理部を備える請求項2〜4のいずれか1項に記載の操舵制御装置。

請求項6

前記拡大処理部は、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準上限ガード値以下であることを条件に、前記基準上限ガード値以下となる範囲で前記トルクベース上限ガード値を増加させ、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準下限ガード値以上であることを条件に、前記基準下限ガード値以上となる範囲で前記トルクベース下限ガード値を減少させるものであり、前記トルクベース上限ガード値を増加させる速度の絶対値と、前記トルクベース下限ガード値を減少させる速度の絶対値とを、互いに異なる値に設定する請求項5記載の操舵制御装置。

請求項7

前記拡大処理部は、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準上限ガード値以下となる状態の継続時間が上限用回復判定時間以上となる場合、前記基準上限ガード値以下となる範囲で前記トルクベース上限ガード値を増加させ、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準下限ガード値以上となる状態の継続時間が下限用回復判定時間以上となる場合、前記基準下限ガード値以上となる範囲で前記トルクベース下限ガード値を減少させるものであり、前記上限用回復判定時間と前記下限用回復判定時間とを、異なる値に設定する請求項6記載の操舵制御装置。

請求項8

前記同期電動機を流れる電流と前記電力変換回路によって前記同期電動機の各端子に印加される電圧とに基づき誘起電圧推定し、該推定される誘起電圧に基づき所定時間当たりの前記同期電動機の回転量である推定変化量を算出する推定処理部と、前記推定変化量に応じた上限ガード値である変化量ベース上限ガード値および前記推定変化量に応じた下限ガード値である変化量ベース下限ガード値によって前記制御角操作処理部による前記制御角の更新量にガード処理を施す変化量ベースガード処理部を備え、前記トルクベースガード処理部によるガード処理の対象となるのは、前記変化量ベースガード処理部によってガード処理が施された前記更新量である請求項1〜7のいずれか1項に記載の操舵制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の操舵アシストする操舵装置制御対象とする操舵制御装置に関する。

背景技術

0002

たとえば特許文献1には、操舵トルク検出値目標トルクフィードバック制御するために、同期電動機アシストトルクを生成させるための電流フィードバック制御器の入力となる制御角を操作する制御装置が記載されている。この制御装置は、同期電動機のセンサレス制御として、トルクフィードバック制御をするものであり、制御角によって回転する座標系座標軸をγ軸およびδ軸とし、γ軸の指令電流値をゼロよりも大きい値とする一方、δ軸の指令電流値をゼロとする。これにより、γ軸とd軸とのずれ量に応じて、q軸電流が流れ、q軸電流によって同期電動機のトルクが生成される。ここで、γ軸とd軸とのずれ量は、制御角によって操作することができることから、トルクフィードバック制御によって制御角を操作することにより、γ軸とd軸とのずれ量を操作することができ、ひいては同期電動機のトルクを制御することができる。

先行技術

0003

特許第5440845号

発明が解決しようとする課題

0004

ただし、たとえば上記トルクフィードバック制御の制御器パラメータの異常やロジック異常等のいわゆるシステマティックエラーが発生した場合には、同期電動機のトルクを適切に制御することができない。

0005

本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、操舵トルクの検出値を目標トルクにフィードバック制御するために電流フィードバック制御器の入力となる制御角を操作する制御器のシステマティックエラー発生時であっても、アシスト制御を実行できるようにした操舵制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.操舵制御装置は、車両の操舵をアシストする操舵装置を制御対象とし、前記操舵装置は、アシストトルクを生成する同期電動機と、前記同期電動機に電圧印加する電力変換回路とを備え、前記同期電動機を流れる電流指令値に制御するために前記電力変換回路が前記同期電動機に印加する電圧を操作する電流制御処理部と、ステアリングに入力されるトルクである操舵トルクの検出値を目標トルクにフィードバック制御するために、前記指令値の位相を定める制御角を操作する制御角操作処理部と、前記制御角操作処理部による前記制御角の更新量を、前記検出値に応じた前記同期電動機の回転方向への前記更新量の大きさの上限ガード値であるトルクベース上限ガード値以下且つ、前記検出値に応じた前記同期電動機の回転方向への前記更新量の大きさの下限ガード値であるトルクベース下限ガード値以上となるようにガード処理を施すトルクベースガード処理部と、を備え、前記トルクベースガード処理部は、前記更新量の大きさが前記トルクベース上限ガード値を上回ること、および前記トルクベース下限ガード値を下回ることの少なくとも一方を条件に、前記トルクベース上限ガード値と前記トルクベース下限ガード値とによって定まる前記更新量の許容範囲を徐々に縮小する縮小処理部を備える。

0007

アシストトルクは、操舵トルクをアシストするものであるため、操舵トルクと相関を有する。また、アシストトルクは、電流の位相に応じて定まるものであり、特に、アシストトルクの符号に応じて、電流の位相が定まる。このため、操舵トルクの検出値に応じて、電流の位相を定める制御角の更新量の符号が定まる。上記構成では、この点に鑑み、操舵トルクの検出値に応じたトルクベース上限ガード値以下且つトルクベース下限ガード値以上となるようにガード処理を施すことにより、制御角操作処理部による更新量が適切な値から大きくずれる場合に、ずれた更新量が実際の制御角の更新に反映されることを抑制する。そしてその後、トルクベース上限ガード値とトルクベース下限ガード値とによって定まる更新量の許容範囲を徐々に縮小することによって、制御角の更新量をアシスト制御を実行する上でより適切な値に制限することができる。このため、操舵トルクの検出値を目標トルクにフィードバック制御するために電流フィードバック制御器の入力となる制御角を操作する制御器のシステマティックエラー発生時であっても、アシスト制御を実行できる。

0008

2.上記1記載の操舵制御装置において、前記縮小処理部が前記許容範囲を徐々に縮小する処理を実行する前における前記トルクベース上限ガード値は、基準上限ガード値とされ、前記実行する前における前記トルクベース下限ガード値は、基準下限ガード値とされ、前記縮小処理部は、基準更新量以上であることを条件に前記トルクベース上限ガード値を前記基準上限ガード値に対して減少させる処理と、前記基準更新量以下であることを条件に前記トルクベース下限ガード値を前記基準下限ガード値に対して増加させる処理との少なくとも一方の処理を実行し、前記基準更新量は、前記基準上限ガード値および前記基準下限ガード値の間の値であって且つ、前記操舵トルクと正または負の相関を有する値に設定されている。

0009

たとえば指令値をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に設定する場合、アシストトルクが大きい場合には小さい場合よりも電流の位相が進角側となる。このため、操舵トルクが大きくアシストトルクを大きくする必要があるときには、電流の位相を進めるべく更新量の大きさ(絶対値)が大きい値となる傾向がある。このように、操舵トルクの検出値の大きさに応じて、更新量の絶対値の適正値をある程度定めることができる。そして、基準更新量として適正値を設定するなら、縮小処理部によって更新量を基準更新量に近づけることにより、更新量をアシスト制御のための適正値に近づけることができる。

0010

3.上記2記載の操舵制御装置において、前記縮小処理部は、前記トルクベース上限ガード値を前記基準上限ガード値に対して減少させる速度の絶対値と、前記トルクベース下限ガード値を前記基準下限ガード値に対して増加させる速度の絶対値とを、互いに異なる値に設定する。

0011

たとえば指令値をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に設定する場合、更新量が基準下限ガード値よりも小さいと、アシストトルクが不十分となる傾向がある。このため、指令値をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に設定する場合、トルクベース下限ガード値の上記増加速度を大きくすることにより、更新量の絶対値を迅速に大きくしてアシストトルクを迅速に大きくすることが望ましい。一方、更新量が基準上限ガード値よりも大きい場合に更新量の減少速度が大きい場合には、アシストトルクが急激に減少してユーザに違和感を与えるおそれがある。このため、トルクベース上限ガード値の減少速度の絶対値を、トルクベース下限ガード値の増加速度の絶対値に等しくなるように設定したのでは、減少速度が適切な値とならないおそれがある。

0012

上記構成では、この点に鑑み、上記減少速度の絶対値と上記増加速度の絶対値とを各別に設定した。
4.上記2または3記載の操舵制御装置において、前記縮小処理部は、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準上限ガード値を上回る状態の継続時間が上限用異常判定時間以上となる場合、前記トルクベース上限ガード値を前記基準上限ガード値に対して減少させ、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準下限ガード値を下回る状態の継続時間が下限用異常判定時間以上となる場合、前記トルクベース下限ガード値を前記基準下限ガード値に対して増加させるものであり、前記下限用異常判定時間と、前記上限用異常判定時間とは、互いに異なる値に設定されている。

0013

たとえば、下限用異常判定時間や上限用異常判定時間を小さい値に設定する場合、SN比が低下する。一方、たとえば指令値をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に設定する場合、下限用異常判定時間を大きい値に設定すると、更新量が基準下限ガード値となる継続時間が長くなり、ひいてはアシストトルクが不十分となる期間が長くなるおそれがある。このように、下限用異常判定時間や上限用異常判定時間は、様々な要求要素を満たすように設定することが望まれることから、下限用異常判定時間と上限用異常判定時間とを同一の値として、それら様々な要求要素を満たすことができるとは限らない。そこで、上記構成では、様々な要求要素に応じることができるように、下限用異常判定時間と上限用異常判定時間とを互いに独立に設定する。

0014

5.上記2〜4のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、前記トルクベースガード処理部は、前記制御角操作処理部による前記制御角の更新量が前記基準上限ガード値と前記基準下限ガード値との間にあって且つ前記トルクベース上限ガード値と前記トルクベース下限ガード値とによって定まる許容範囲が前記基準上限ガード値と前記基準下限ガード値とによって定まる許容範囲よりも狭いことを条件に、前記トルクベース上限ガード値と前記トルクベース下限ガード値との幅を拡大する拡大処理部を備える。

0015

トルクベース上限ガード値やトルクベース下限ガード値によって更新量がガードされているときであって、且つガード前の制御角操作処理部による制御角の更新量が基準上限ガード値と基準下限ガード値との間にある場合、更新量が正常な値に回復していると考えられる。上記構成では、この点に鑑み、拡大処理部を備えることにより、制御角操作処理部による制御角の更新量が正常な値に回復したと考えられるときに、制御角操作処理部による制御角の更新量によって制御角を更新させることができる。

0016

6.上記5記載の操舵制御装置において、前記拡大処理部は、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準上限ガード値以下であることを条件に、前記基準上限ガード値以下となる範囲で前記トルクベース上限ガード値を増加させ、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準下限ガード値以上であることを条件に、前記基準下限ガード値以上となる範囲で前記トルクベース下限ガード値を減少させるものであり、前記トルクベース上限ガード値を増加させる速度の絶対値と、前記トルクベース下限ガード値を減少させる速度の絶対値とを、互いに異なる値に設定する。

0017

たとえば指令値をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に設定する場合、更新量の大きさが小さいと、アシストトルクが不十分となる傾向がある。このため、たとえば指令値をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に設定する場合、上限ガード値の上記増加速度を大きくすることにより、更新量の絶対値を迅速に大きくし、アシストトルクを迅速に大きくすることが望ましい。一方、指令値をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に設定する場合、下限ガード値の減少速度を大きくすると、アシストトルクが急激に減少してユーザに違和感を与えるおそれがある。

0018

上記構成では、この点に鑑み、上記減少速度の絶対値と上記増加速度の絶対値とを互いに独立に設定した。
7.上記6記載の操舵制御装置において、前記拡大処理部は、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準上限ガード値以下となる状態の継続時間が上限用回復判定時間以上となる場合、前記基準上限ガード値以下となる範囲で前記トルクベース上限ガード値を増加させ、前記制御角操作処理部による前記更新量の大きさが前記基準下限ガード値以上となる状態の継続時間が下限用回復判定時間以上となる場合、前記基準下限ガード値以上となる範囲で前記トルクベース下限ガード値を減少させるものであり、前記上限用回復判定時間と前記下限用回復判定時間とを、異なる値に設定する。

0019

たとえば、下限用回復判定時間や上限用回復判定時間を小さい値に設定する場合、SN比が低下する。一方、たとえば、上限用回復判定時間を大きい値に設定すると、制御角操作処理部による制御角の更新量が正常に回復しているにもかかわらず、トルクベースガード処理部のガード処理によって更新量の大きさが小さい値となる継続時間が長くなり、ひいてはアシストトルクが不十分となる期間が長くなるおそれがある。このように、下限用回復判定時間や上限用回復判定時間は、様々な要求要素を満たすように設定することが望まれることから、下限用回復判定時間と上限用回復判定時間とを同一の値として、それら様々な要求要素を満たすことができるとは限らない。そこで、上記構成では、様々な要求要素に応じることができるように、下限用回復判定時間と上限用回復判定時間とを互いに独立に設定する。

0020

8.上記1〜7のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、前記同期電動機を流れる電流と前記電力変換回路によって前記同期電動機の各端子に印加される電圧とに基づき誘起電圧推定し、該推定される誘起電圧に基づき所定時間当たりの前記同期電動機の回転量である推定変化量を算出する推定処理部と、前記推定変化量に応じた上限ガード値である変化量ベース上限ガード値および前記推定変化量に応じた下限ガード値である変化量ベース下限ガード値によって前記制御角操作処理部による前記制御角の更新量にガード処理を施す変化量ベースガード処理部を備え、前記トルクベースガード処理部によるガード処理の対象となるのは、前記変化量ベースガード処理部によってガード処理が施された前記更新量である。

0021

制御角操作処理部による制御角の更新量は、同期電動機の回転速度が高い場合には、適切な値とすることが困難となる傾向がある。この点、上記構成では、変化量ベースガード処理部によってガード処理を施すことにより、同期電動機の回転速度が高い場合においても更新量を適切な値に設定することができる。

0022

しかも、変化量ベースガード処理部の処理自体が異常となるなどのシステマティックエラーが生じた場合、トルクベースガード処理部によって更新量が適切な値から過度にずれることを抑制することができる。ここで、トルクベースガード処理部によるガード処理と、変化量ベースガード処理部によるガード処理とは、異なるロジックのため、たとえば変化量ベースガード処理部のロジック異常が生じた場合であっても、トルクベースガード処理部の信頼性の低下を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0023

第1の実施形態にかかる操舵制御装置を備える操舵システムの構成図。
同実施形態においてCPUによって実現される処理の一部を示すブロック図。
同実施形態にかかる基準上限ガード値および基準下限ガード値を示す図。
同実施形態にかかる異常判定処理の手順を示す流れ図。
同実施形態にかかるトルクベース上限ガード値およびトルクベース下限ガード値の変更処理の手順を示す流れ図。
同実施形態にかかるトルクベース上限ガード値およびトルクベース下限ガード値の変更処理の手順を示すタイムチャート
第2の実施形態にかかるトルクベース上限ガード値およびトルクベース下限ガード値の変更処理の手順を示す流れ図。
第3の実施形態にかかる異常からの回復判定の処理手順を示す流れ図。
同実施形態にかかるトルクベース上限ガード値およびトルクベース下限ガード値の変更処理の手順を示す流れ図。
第4の実施形態にかかるトルクベース上限ガード値およびトルクベース下限ガード値の変更処理の手順を示す流れ図。
第5の実施形態にかかる異常判定処理の手順を示す流れ図。
同実施形態にかかる異常からの回復判定の処理手順を示す流れ図。
同実施形態にかかるトルクベース上限ガード値およびトルクベース下限ガード値の変更処理の手順を示す流れ図。

実施例

0024

<第1の実施形態>
以下、操舵制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる操舵装置10においては、ステアリングホイール(ステアリング12)が、ステアリングシャフト13に固定されており、ステアリングシャフト13の回転に応じてラック軸20が軸方向に往復動する。なお、ステアリングシャフト13は、ステアリング12側から順にコラム軸14、中間軸16、およびピニオン軸18を連結することにより構成されている。

0025

ピニオン軸18は、ラック軸20に動力伝達可能に配置されている。詳しくは、ラック軸20とピニオン軸18とは、所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸20に形成された第1ラック歯20aとピニオン軸18に形成されたピニオン歯18aとが噛合されることで第1ラックアンドピニオン機構22が構成されている。また、ラック軸20の両端には、タイロッド24が連結されており、タイロッド24の先端は転舵輪26が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、ステアリング12の操作に伴うステアリングシャフト13の回転が第1ラックアンドピニオン機構22によりラック軸20の軸方向変位に変換され、この軸方向変位がタイロッド24を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪26の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。

0026

上記ラック軸20は、ピニオン軸28と所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸20に形成された第2ラック歯20bとピニオン軸28に形成されたピニオン歯28aとが噛合されることで第2ラックアンドピニオン機構30が構成されている。ピニオン軸28は、ウォームアンドホイール等の減速機構32を介して、同期電動機34の回転軸34aに接続されている。同期電動機34は、3相表面磁石同期電動機(SPMSM)である。

0027

同期電動機34は、インバータ40を介してバッテリ42に接続されている。インバータ40は、バッテリ42の直流電圧交流電圧に変換して同期電動機34に印加する電力変換回路である。

0028

操舵制御装置(制御装置50)は、中央処理装置(CPU52)およびメモリ54を備えている。制御装置50は、同期電動機34のトルクを制御量とし、インバータ40を操作することによって、ステアリング12の操作をアシストするアシスト制御を実行する。この際、制御装置50は、各種センサの検出値を参照する。これらセンサとしては、たとえば、同期電動機34の回転軸34aの回転角度θp0を検出する回転角度センサ58、ステアリングシャフト13に加わるトルク(操舵トルクTrqs)を検出するトルクセンサ60、車両の走行速度(車速V)を検出する車速センサ62などがある。さらに、制御装置50は、インバータ40と同期電動機34との間の線電流(電流iu,iv,iw)を検出する電流センサ64の検出値を取得する。

0029

図2に、制御装置50が実行する処理の一部を示す。図2は、メモリ54に記憶されたプログラムをCPU52が実行することで実現されるいくつかの処理を、実現される処理の種類毎に記載したものである。

0030

常時処理部M10は、同期電動機34のアシストトルクを制御するためのインバータ40の操作信号MSを生成する。この際、正常時処理部M10は、回転角度センサ58によって検出された回転軸34aの回転角度θp0や、電流センサ64によって検出された電流iu,iv,iw、車速センサ62によって検出される車速V、トルクセンサ60によって検出される操舵トルクTrqsを入力とする。

0031

センサレス処理部M20は、回転角度センサ58に異常が生じた場合に、回転角度センサ58による回転角度θp0を用いることなく、同期電動機34のアシストトルクを制御する。

0032

セレクタM12は、回転角度センサ58の異常の有無に応じて、正常時処理部M10による操作信号MSとセンサレス処理部M20による操作信号MSとのいずれかをインバータ40に選択的に出力する。ただし、実際には、回転角度センサ58に異常が生じる前には、センサレス処理部M20が操作信号MSを算出する処理を実行しておらず、また、回転角度センサ58に異常が生じた後には、正常時処理部M10が操作信号MSを算出する処理を実行しない。なお、回転角度センサ58の異常の有無の判定処理としては、たとえば、操舵トルクTrqsの絶対値が所定値以上となっているにもかかわらず、回転角度センサ58の出力値が固定された状態が所定時間以上継続する場合に異常と判定するものとすればよい。

0033

以下、センサレス処理部M20について、詳述する。
指令電流設定処理部M24は、回転座標系であるγδ座標系におけるγ軸の指令電流iγ*とδ軸の指令電流iδ*とを設定する。特に、本実施形態では、γ軸の指令電流iγ*を正の値として且つ、δ軸の指令電流iδ*をゼロとする。

0034

γδ変換処理部M26は、3相固定座標系の電流iu,iv,iwを、回転座標系であるγδ座標系におけるγ軸の電流iγとδ軸の電流iδとに変換する。ここで、γδ変換処理部M26が座標変換に利用する回転角度は、後述する制御角θcである。

0035

偏差算出処理部M28は、γ軸の指令電流iγ*から電流iγを減算して出力し、偏差算出処理部M30は、δ軸の指令電流iδ*から電流iδを減算して出力する。電流フィードバック処理部M32は、偏差算出処理部M28の出力を取り込み、γ軸の電流iγを指令電流iγ*にフィードバック制御するための操作量として、γ軸上の指令電圧vγ*を出力する。電流フィードバック処理部M34は、偏差算出処理部M30の出力を取り込み、δ軸の電流iδを指令電流iδ*にフィードバック制御するための操作量として、δ軸上の指令電圧vδ*を出力する。電流フィードバック処理部M32,M34は、入力に対する比例要素の出力値および積分要素の出力値の和を操作量として出力するものとすればよい。

0036

αβ変換処理部M36は、γδ軸上の指令電圧vγ*,vδ*を、αβ軸上の指令電圧vα*,vβ*に変換して出力する。なお、αβ変換処理部M36が座標変換に利用する所定の回転角度は、後述する制御角θcである。

0037

uvw変換処理部M38は、αβ軸上の指令電圧vα*,vβ*を、3相固定座標系の指令電圧vu*,vv*,vw*に変換する。操作信号生成処理部M40は、インバータ40の出力線間電圧が指令電圧vu*,vv*,vw*によって定まる相間電圧となるように、インバータ40の操作信号MSを生成して出力する。

0038

αβ変換処理部M44は、電流iu,iv,iwを、αβ座標系の電流iα、iβに変換する。誘起電圧オブザーバM46は、αβ変換処理部M44の出力する電流iα,iβと、指令電圧vα*,vβ*と、後述する推定変化量ω1とに基づき、αβ軸上の誘起電圧eα,eβを推定する。角度算出処理部M48は、推定された誘起電圧eα,eβの比「eβ/eα」を入力とする逆正接関数の出力値として、推定角度θe1を算出する。速度算出処理部M50は、推定角度θe1を入力として、推定変化量ω1を算出する。ここで、推定変化量ω1は、所定時間ΔT当たりの推定角度θe1の変化量を示す。推定角度θe1の変化速度ωe1を用いると、推定変化量ω1は、「ωe1・ΔT」となる。

0039

不感帯処理部M52は、トルクセンサ60によって検出された操舵トルクTrqsの大きさが閾値TrqL以下である場合、「0」となり、閾値TrqLより大きい場合、閾値TrqLだけ減少補正した操舵トルクTrqs1を算出する。

0040

目標トルク設定処理部M53は、目標トルクTrqs*を設定する。本実施形態では、目標トルクTrqs*として「0」を想定する。
更新量算出処理部M54は、操舵トルクTrqs1を目標トルクTrqs*にフィードバック制御するために制御角θcを操作すべく、制御角θcの上記所定時間ΔTにおける更新量Δθcのベースとなる更新量Δθc2を算出して出力する。ここで、本実施形態では、同期電動機34を流れる電流を、回転座標系において、d軸の正側とq軸の正側との間の領域に制御することを想定する。換言すれば、電流の位相を、「0〜−90°」の領域内に制御することを想定する。ここで、d軸の正方向を、磁極の方向とし、q軸の正方向を、d軸に対して同期電動機34の回転している方向に電気角で90°ずらした方向とする。また、上記電流の位相を、電流ベクトルの方向(ここでは、γ軸の正方向)とq軸とのなす角度であって且つ、q軸から回転方向に行く場合に正と定義する。この場合、電流の位相は、制御角θcの更新量Δθcが、所定時間ΔT当たりの同期電動機34の実際の回転量に等しい場合には、一定値となる。これに対し、更新量Δθcが所定時間ΔT当たりの同期電動機34の実際の回転量よりも大きい場合には、電流の位相が電流ベクトルを進角させる側に変化する。また、更新量Δθcが所定時間ΔT当たりの同期電動機34の実際の回転量よりも小さい場合には、電流の位相が電流ベクトルを遅角させる側に変化する。このため、本実施形態では、制御角θcを、電流の位相を定めるパラメータとして、電流の位相を操作するために操作する。

0041

具体的には、偏差算出処理部M54aにおいては、操舵トルクTrqs1から目標トルクTrqs*を減算した値を算出して出力する。フィードバック処理部M54bは、偏差算出処理部M54aの出力値に基づき、操舵トルクTrqs1を目標トルクTrqs*にフィードバック制御するための操作量として更新量Δθc1を算出して出力する。詳しくは、偏差算出処理部M54aの出力値を入力とする比例要素の出力値と積分要素の出力値との和を、更新量Δθc1とする。

0042

変化量ベースガード処理部M54cは、推定変化量ω1に基づき、更新量Δθc1にガード処理を施す。すなわち、所定時間ΔTが経過する間に、同期電動機34は、推定変化量ω1だけ回転する。このため、操舵トルクTrqs1が目標トルクTrqs*よりも大きい場合、同期電動機34のトルクを増加させるうえでは、更新量Δθc2は、推定変化量ω1と同じ符号であって且つ推定変化量ω1よりも大きさ(絶対値)が大きい値とすべきである。このため、変化量ベースガード処理部M54cは、更新量Δθc1を、推定変化量ω1の大きさよりも所定値だけ大きい変化量ベース下限ガード値によってガード処理した値を更新量Δθc2として出力する。一方、操舵トルクTrqs1が目標トルクTrqs*に一致する場合、その状態を維持する上では、更新量Δθcは、推定変化量ω1に一致させるべきである。このため、変化量ベースガード処理部M54cは、更新量Δθc1を、推定変化量ω1に等しい値の変化量ベース上限ガード値および変化量ベース下限ガード値によってガード処理した値を更新量Δθcとして出力する。

0043

トルクベースガード処理部M60は、更新量Δθc2に、後述するガード処理を施した更新量Δθcを出力する。更新処理部M56は、前回制御周期における制御角θcに今回の更新量Δθcを加算することで、制御角θcを更新する。なお、上記所定時間ΔTは、制御周期に一致している。

0044

次に、トルクベースガード処理部M60について説明する。
トルクベースガード処理部M60は、センサレス処理部M20において、制御角θcの更新量Δθcを算出する処理部分にシステマティックエラーが生じた場合であっても、アシスト制御を継続できるようにするためのガード処理を実行する。すなわち、トルクベースガード処理部M60は、αβ変換処理部M44、誘起電圧オブザーバM46、角度算出処理部M48、速度算出処理部M50、不感帯処理部M52、目標トルク設定処理部M53、更新量算出処理部M54にシステマティックエラーが生じた場合に対処する部分である。

0045

図3に、トルクベースガード処理部M60による基準上限ガード値ΔEmaxおよび基準下限ガード値ΔEminを示す。図3においては、操舵トルクTrqsの大きさ(絶対値)と、操舵トルクTrqsに応じた回転軸34aの回転方向への制御角θcの更新量Δθcの大きさ(絶対値)を示している。なお、以下では、トルクベースガード処理部M60の処理を、全て操舵トルクTrqsに応じた回転軸34aの回転方向への更新量Δθcの大きさに関する上限ガード処理および下限ガード処理として記載する。したがって、操舵トルクTrqsが大きいとは、特に断りがない限り、操舵トルクTrqsが右旋回側の値であるか左旋回側の値であるかに関わらず、その大きさ(絶対値)が大きいこととし、更新量Δθcが大きいとは、操舵トルクTrqsに応じた回転軸34aの回転方向への制御角θcの更新量が大きいこととする。ちなみに、図2の更新量算出処理部M54が出力する更新量Δθc2は、回転軸34aの回転方向に応じた符号を有する量である。このため、以下に記載するトルクベースガード処理部M60の処理は、実際には、たとえば、右旋回側の回転に限った処理として且つ左旋回側の処理については、右旋回側の上限ガード値の符号を代えた値を左旋回側の下限ガード値として且つ、右旋回側の下限ガード値の符号を代えた値を左旋回側の上限ガード値とすればよい。

0046

ここで、基準上限ガード値ΔEmaxは、操舵トルクTrqsが第1トルクTrq1以上でゼロよりも大きい値となり、第1トルクTrq1から第2トルクTrq2の間においては、操舵トルクTrqsが大きいほど大きい値となる。また、基準上限ガード値ΔEmaxは、操舵トルクTrqsが第2トルクTrq2以上である場合、最大値ΔEmax0で一定となっている。

0047

一方、基準下限ガード値ΔEminは、操舵トルクTrqsが第3トルクTrq3未満の場合、最小値ΔEmin0であるゼロとされ、第3トルクTrq3以上の場合、操舵トルクTrqsが大きいほど大きい値とされる。

0048

これら基準上限ガード値ΔEmaxおよび基準下限ガード値ΔEminの設定は、上記システマティックエラーが生じていない場合の更新量Δθc2が取りうる値の範囲を規定する。すなわち、システマティックエラーが生じていない場合、操舵トルクTrqsが大きい値であるほど、同期電動機34の電流の位相を進角させて同期電動機34のアシストトルクを増加させるために、更新量Δθc2が大きい値とされる。一方、操舵トルクTrqsが上記閾値TrqL以下である場合、操舵トルクTrqs1はゼロとされ、目標トルクTrqs*と一致するために、更新量Δθcは、推定変化量ω1となる。このため、操舵トルクTrqsの符号によって更新量Δθc2の符号が定まり、また操舵トルクTrqsの大きさによって、基準上限ガード値ΔEmaxおよび基準下限ガード値ΔEminの範囲を定めることができる。

0049

図3に示す基準更新量ΔERFは、操舵トルクTrqsに応じた適切な値と想定される更新量を定めるものである。基準更新量ΔERFは、操舵トルクTrqsが大きいほど大きい値とされる。これは、操舵トルクTrqsが大きい場合には小さい場合と比較して、アシストトルクが不足していることを意味することから、同期電動機34の電流の位相を進角させて同期電動機34のアシストトルクを増加させるために、制御角θcをより進角させる必要があることに鑑みたものである。

0050

図4に、トルクベースガード処理部M60が実行するシステマティックエラーの有無の判定処理の手順を示す。図4に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、以下では、主体をCPU52と記載する。

0051

図4に示す一連の処理において、CPU52は、まず、エラーフラグFが「1」であるか否かを判定する(S10)。エラーフラグFは、「1」である場合にシステマティックエラーが生じていることを示し、「0」である場合にシステマティックエラーが生じていないことを示す。CPU52は、エラーフラグFが「0」であると判定する場合(S10:NO)、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxよりも大きいか否かを判定する(S12)。そして、CPU52は、基準上限ガード値ΔEmax以下であると判定する場合(S12:NO)、基準下限ガード値ΔEminよりも小さいか否かを判定する(S14)。そして、CPU52は、基準上限ガード値ΔEmaxよりも大きいと判定する場合(S12:YES)や、基準下限ガード値ΔEminよりも小さいと判定する場合(S14:YES)、異常カウンタCEをインクリメントする(S16)。そして、CPU52は、異常カウンタCEが異常閾値CEth以上であるか否かを判定し(S18)、異常閾値CEth以上であると判定する場合(S18:YES)、エラーフラグFを「1」とする(S20)。

0052

そして、CPU52は、後述する変動上限ガード値ΔEmax1として上記最大値ΔEmax0を代入し、変動下限ガード値ΔEmin1として上記最小値ΔEmin0を代入する(S22)。一方、CPU52は、基準下限ガード値ΔEmin以上であると判定する場合(S14:NO)、更新量Δθc2が正常な範囲にあるとして、異常カウンタCEを初期化する(S24)。

0053

なお、CPU52は、ステップS22,S24の処理が完了する場合や、エラーフラグFが「1」である場合(S10:YES)、異常カウンタCEが異常閾値CEthよりも小さい場合(S18:NO)には、図4に示す一連の処理を一旦終了する。

0054

図5に、トルクベースガード処理の手順を示す。図5に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、以下では、主体をCPU52として記載する。
図5に示す一連の処理において、まず、CPU52は、エラーフラグFが「1」であるか否かを判定する(S30)。そしてCPU52は、エラーフラグFが「1」であると判定する場合(S30:YES)、変動上限ガード値ΔEmax1を、所定量ΔEだけ減少補正し、これに応じて、更新量Δθc2のガード処理に用いるトルクベース上限ガード値ΔMAXを設定する(S32)。具体的には、CPU52は、変動上限ガード値ΔEmax1および基準更新量ΔERFの最大値と基準上限ガード値ΔEmaxとのうちの小さい方を、トルクベース上限ガード値ΔMAXとする。ここで、基準更新量ΔERFおよび基準上限ガード値ΔEmaxは、いずれも現在の操舵トルクTrqsに応じた値である。

0055

この処理は、基本的には、トルクベース上限ガード値ΔMAXを、基準更新量ΔERF以上であることを条件に、減少補正された変動上限ガード値ΔEmax1とするための処理である。ただし、変動上限ガード値ΔEmax1自体は、操舵トルクTrqsに依存しないものの、図3に示したように、基準上限ガード値ΔEmaxについては、操舵トルクTrqsに依存するため、基準上限ガード値ΔEmaxの方が、変動上限ガード値ΔEmax1および基準更新量ΔERFの最大値よりも小さくなることがある。このため、変動上限ガード値ΔEmax1および基準更新量ΔERFの最大値と基準上限ガード値ΔEmaxとの最小値を、トルクベース上限ガード値ΔMAXとする。

0056

次に、CPU52は、変動下限ガード値ΔEmin1を、所定量ΔEだけ増加補正し、これに応じて、更新量Δθc2のガード処理に用いるトルクベース下限ガード値ΔMINを設定する(S34)。具体的には、CPU52は、変動下限ガード値ΔEmin1および基準更新量ΔERFの最小値と基準下限ガード値ΔEminとのうちの大きい方を、トルクベース下限ガード値ΔMINとする。ここで、基準更新量ΔERFおよび基準下限ガード値ΔEminは、いずれも現在の操舵トルクTrqsに応じた値である。

0057

この処理は、基本的には、トルクベース下限ガード値ΔMINを、基準更新量ΔERF以下であることを条件に、増加補正された変動下限ガード値ΔEmin1とするための処理である。ただし、変動下限ガード値ΔEmin1自体は、操舵トルクTrqsに依存しないものの、図3に示したように、基準下限ガード値ΔEminについては、操舵トルクTrqsに依存するため、基準下限ガード値ΔEminの方が、変動下限ガード値ΔEmin1および基準更新量ΔERFの最小値よりも大きくなることがある。このため、変動下限ガード値ΔEmin1および基準更新量ΔERFの最小値と基準下限ガード値ΔEminとの最大値を、トルクベース下限ガード値ΔMINとする。

0058

一方、CPU52は、エラーフラグFが「0」であると判定する場合(S30:NO)、トルクベース上限ガード値ΔMAXを基準上限ガード値ΔEmaxとし(S36)、トルクベース下限ガード値ΔMINを、基準下限ガード値ΔEminとする(S38)。

0059

CPU52は、ステップS34,S38の処理を完了する場合、更新量Δθc2が、トルクベース上限ガード値ΔMAXよりも大きいか否かを判定する(S40)。そしてCPU52は、トルクベース上限ガード値ΔMAXよりも大きいと判定する場合(S40:YES)、更新量Δθcを、トルクベース上限ガード値ΔMAXとする(S42)。

0060

一方、CPU52は、更新量Δθc2がトルクベース上限ガード値ΔMAX以下であると判定する場合(S40:NO)、更新量Δθc2が、トルクベース下限ガード値ΔMINよりも小さいか否かを判定する(S44)。そしてCPU52は、トルクベース下限ガード値ΔMINよりも小さいと判定する場合(S44:YES)、更新量Δθcを、トルクベース下限ガード値ΔMINとする(S46)。

0061

これに対し、CPU52は、更新量Δθc2がトルクベース下限ガード値ΔMIN以上であると判定する場合(S44:NO)、更新量Δθc2が、トルクベース上限ガード値ΔMAXとトルクベース下限ガード値ΔMINとの間にあることから、更新量Δθc2自体を、制御角θcの更新に用いる更新量Δθcとする(S48)。

0062

なお、CPU52は、ステップS42,S46,S48の処理が完了する場合、図5に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで本実施形態の作用を説明する。

0063

CPU52は、更新量算出処理部M54が出力する更新量Δθc2が、基準上限ガード値ΔEmaxと基準下限ガード値ΔEminとによって定まる更新量Δθc2の許容範囲から外れる場合、システマティックエラーを検知する。そして、CPU52は、図6に示すように、変動上限ガード値ΔEmax1の減少補正および変動下限ガード値ΔEmin1の増加補正によって、トルクベース上限ガード値ΔMAXとトルクベース下限ガード値ΔMINとによって定まる更新量Δθcの許容範囲を縮小していく。これにより、更新量Δθcは、基準更新量ΔERFに収束していく。このため、更新量算出処理部M54が出力する更新量Δθc2に異常が生じている場合であっても、アシスト制御を実行できる。

0064

以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(1)フィードバック処理部M54bによる制御角θcの更新量Δθc1は、同期電動機34の回転速度が高い場合には、適切な値とすることが困難となる傾向がある。この点、本実施形態では、更新量算出処理部M54に、変化量ベースガード処理部M54cを備えることにより、同期電動機34の回転速度が高い場合においても更新量Δθc2を適切な値に設定することができる。

0065

しかも、変化量ベースガード処理部M54cの処理自体が異常となるなどのシステマティックエラーが生じた場合、トルクベースガード処理部M60によって更新量Δθcが適切な値から過度にずれることを抑制することができる。ここで、トルクベースガード処理部M60によるガード処理と、変化量ベースガード処理部M54cによるガード処理とは、異なるロジックのため、たとえば変化量ベースガード処理部M54cのロジック異常が生じた場合であっても、トルクベースガード処理部M60の信頼性の低下を抑制することができる。

0066

<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0067

上記第1の実施形態において、システマティックエラーが生じた際、アシスト制御を早期に適切なものとするうえでは、特に、更新量Δθc2が基準更新量ΔERFよりも小さい場合に、基準更新量ΔERFに向けて更新量Δθcを早期に増加させる必要がある。しかし、上記第1の実施形態では、変動上限ガード値ΔEmax1の減少速度と変動下限ガード値ΔEmin1の増加速度とを同一とした。このため、変動上限ガード値ΔEmax1の減少速度を、更新量Δθc2が基準更新量ΔERFよりも小さい場合に、基準更新量ΔERFに向けて更新量Δθcを早期に増加させる要求によって決定するなら、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxよりも大きい異常が生じている場合には、ユーザに違和感を与えるおそれがある。すなわち、更新量Δθcが急激に減少することにより、アシストトルクが急激に減少し、ユーザがステアリング12が急に切りにくくなったと感じるおそれがある。

0068

そこで本実施形態では、変動上限ガード値ΔEmax1の減少速度と変動下限ガード値ΔEmin1の増加速度とを独立にそれぞれの適正値に設定する。
図7に、本実施形態にかかるトルクベースガード処理の手順を示す。図7に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図7において図5に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。

0069

図7に示す一連の処理において、CPU52は、エラーフラグFが「1」であると判定する場合(S30:YES)、変動上限ガード値ΔEmax1を、低速変更量ΔELだけ減少補正し、減少補正された変動上限ガード値ΔEmax1に基づきトルクベース上限ガード値ΔMAXを設定する(S32a)。次に、CPU52は、変動下限ガード値ΔEmin1を、低速変更量ΔELよりも大きい高速変更量ΔEHだけ増加補正し、増加補正された変動下限ガード値ΔEmin1に基づきトルクベース下限ガード値ΔMINを設定する(S34a)。

0070

<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0071

上記第1の実施形態では、システマティックエラーによって更新量Δθc2に異常が生じると、更新量Δθcを基準更新量ΔERFに応じたものに収束させるものの、その後、更新量Δθc2が正常な値に回復した場合であっても、更新量Δθcは、基準更新量ΔERFとされたままであった。しかし、基準更新量ΔERFは、更新量算出処理部M54等に異常が生じたときにアシスト制御を継続するためのものに過ぎず、より適切なアシスト制御を実現する上では、正常に回復した更新量Δθc2を採用することが望ましい。そこで、本実施形態では、更新量Δθc2に基づく制御角θcの更新処理への回復処理を実行する。

0072

図8に、異常からの回復の判定処理の手順を示す。図8に示す処理は、メモリ54に記憶されたプログラムをCPU52が実行することで、トルクベースガード処理部M60の処理として実現される。なお、図8に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。

0073

図8に示す一連の処理において、CPU52は、まず、エラーフラグFが「1」であるか否かを判定する(S50)。そして、CPU52は、エラーフラグFが「1」であると判定する場合(S50:YES)、更新量算出処理部M54によって算出されトルクベースガード処理部M60に入力された更新量Δθc2が、基準下限ガード値ΔEmin以上であって且つ基準上限ガード値ΔEmax以下であるか否かを判定する(S52)。そして、CPU52は、基準下限ガード値ΔEmin以上であって且つ基準上限ガード値ΔEmax以下であると判定する場合(S52:YES)、回復カウンタCRをインクリメントする(S54)。そしてCPU52は、回復カウンタCRが回復閾値CRth以上であるか否かを判定する(S56)。そしてCPU52は、回復閾値CRth以上であると判定する場合(S56:YES)、回復カウンタCRを初期化し(S58)、エラーフラグFを「0」とする(S60)。

0074

これに対しCPU52は、更新量Δθc2が、基準下限ガード値ΔEminよりも小さいか基準上限ガード値ΔEmaxよりも大きいと判定する場合(S52:NO)、回復カウンタCRを初期化する(S62)。

0075

なお、CPU52は、ステップS60,S62の処理が完了する場合や、ステップS50において否定判定する場合には、図8に示す一連の処理を一旦終了する。
図9に、本実施形態にかかるトルクベースガード処理の手順を示す。図9に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図9において図5に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。

0076

図9に示す一連の処理において、CPU52は、エラーフラグFが「0」であると判定する場合(S30:NO)、変動上限ガード値ΔEmax1が最大値ΔEmax0以上であるか否かを判定する(S70)。そしてCPU52は、変動上限ガード値ΔEmax1の方が小さいと判定する場合(S70:NO)、変動上限ガード値ΔEmax1を、所定量ΔEだけ増加補正し、これに応じて、トルクベース上限ガード値ΔMAXを設定する(S72)。具体的には、CPU52は、変動上限ガード値ΔEmax1および基準更新量ΔERFの最大値と基準上限ガード値ΔEmaxとのうちの小さい方を、トルクベース上限ガード値ΔMAXとする。ここで、基準更新量ΔERFおよび基準上限ガード値ΔEmaxは、いずれも現在の操舵トルクTrqsに応じた値である。

0077

一方、CPU52は、最大値ΔEmax0以上であると判定する場合(S70:YES)、ステップS36に移行する。そして、CPU52は、ステップS72,S36の処理が完了する場合、変動下限ガード値ΔEmin1が最小値ΔEmin0以下であるか否かを判定する(S74)。そして、CPU52は、変動下限ガード値ΔEmin1の方が大きいと判定する場合(S74:NO)、変動下限ガード値ΔEmin1を、所定量ΔEだけ減少補正し、これに応じて、トルクベース下限ガード値ΔMINを設定する(S76)。具体的には、CPU52は、変動下限ガード値ΔEmin1および基準更新量ΔERFの最小値と基準上限ガード値ΔEmaxとのうちの大きい方を、トルクベース下限ガード値ΔMINとする。ここで、基準更新量ΔERFおよび基準下限ガード値ΔEminは、いずれも現在の操舵トルクTrqsに応じた値である。なお、上記ステップS76の処理が完了した場合、ステップS40の処理に移行する。

0078

一方、CPU52は、最小値ΔEmin0以下であると判定する場合(S74:YES)、ステップS38の処理に移行する。
このように、本実施形態によれば、異常状態から回復したと判定する場合、トルクベース上限ガード値ΔMAXおよびトルクベース下限ガード値ΔMINによって定まる更新量Δθcの許容範囲を徐々に拡大する。このため、トルクベース上限ガード値ΔMAXおよびトルクベース下限ガード値ΔMINをステップ状に基準上限ガード値ΔEmaxおよび基準下限ガード値ΔEminに戻す場合と比較すると、更新量Δθcが急変することを抑制することができ、ひいては同期電動機34のトルクが急変することを抑制することができる。

0079

<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0080

上記第3の実施形態において、システマティックエラーから回復する際、更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEminに極めて近い場合、トルクベース下限ガード値ΔMINを早期に基準下限ガード値ΔEminに戻す場合には、ユーザがアシストトルクが急激に減少したと感じるおそれがある。一方、更新量Δθc2が基準更新量ΔERFよりも大きい場合、ユーザの要求に早期に応じる上では、トルクベース上限ガード値ΔMAXを早期に基準上限ガード値ΔEmaxに戻すことが望ましい。しかし、第3の実施形態では、変動上限ガード値ΔEmax1の増加速度と変動下限ガード値ΔEmin1の減少速度とを同一としたため、トルクベース上限ガード値ΔMAXとトルクベース下限ガード値ΔMINとをそれぞれ最適な速度で変更することができない。

0081

そこで本実施形態では、変動上限ガード値ΔEmax1の増加速度と変動下限ガード値ΔEmin1の減少速度とを独立にそれぞれの適正値に設定する。
図10に、本実施形態にかかるトルクベースガード処理の手順を示す。図10に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図10において図7図9に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。

0082

図10に示す一連の処理において、CPU52は、変動上限ガード値ΔEmax1が最大値ΔEmax0よりも小さいと判定する場合(S70:NO)、変動上限ガード値ΔEmax1を、高速変更量ΔEHだけ増加補正し、増加補正された変動上限ガード値ΔEmax1に基づきトルクベース上限ガード値ΔMAXを設定する(S72a)。またCPU52は、変動下限ガード値ΔEmin1が基準下限ガード値ΔEminよりも大きいと判定する場合(S74:NO)、変動下限ガード値ΔEmin1を、低速変更量ΔELだけ減少補正し、減少補正された変動下限ガード値ΔEmin1に基づきトルクベース下限ガード値ΔMINを設定する(S76a)。なお、CPU52は、ステップS76aの処理が完了する場合、ステップS40の処理に移行する。

0083

<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、第4の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。

0084

上記第4の実施形態では、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxを超える異常と基準下限ガード値ΔEmin未満となる異常との双方において、エラーフラグFを「1」とするうえでの異常状態の継続時間を単一の異常閾値CEthにて規定した。換言すれば、異常がある旨の判定を確定するうえでの異常状態の継続時間を同一とした。ここで、異常閾値CEthを大きくすると、SN比を高めることができる一方、アシストトルクを適切な値とするまでに要する時間が長くなる。一方、たとえば更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEminを下回る異常が生じる場合等には、同期電動機34のアシストトルクが不十分となるおそれがあるため、早期に更新量Δθcを基準更新量ΔERFへと誘導することが望ましい。

0085

そこで本実施形態では、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxを超える異常と基準下限ガード値ΔEmin未満となる異常とのそれぞれで、異常がある旨の判定を確定させるまでの異常状態の継続時間を各別に設定する。また、本実施形態では、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxを超える異常が生じる場合には、トルクベース上限ガード値ΔMAXのみを変更し、更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEmin未満となる異常が生じる場合には、トルクベース下限ガード値ΔMINのみを変更する。

0086

図11に、本実施形態にかかるトルクベースガード処理部M60が実行するシステマティックエラーの有無の判定処理の手順を示す。図11に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。

0087

図11に示す一連の処理において、CPU52は、まず、上限用エラーフラグFmaxが「1」であるか否かを判定する(S10a)。上限用エラーフラグFmaxは、「1」である場合に更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxを上回るシステマティックエラーが生じていることを示し、「0」である場合に同システマティックエラーが生じていないことを示す。

0088

CPU52は、上限用エラーフラグFmaxが「0」であると判定する場合(S10a:NO)、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxよりも大きいか否かを判定する(S12)。CPU52は、基準上限ガード値ΔEmaxよりも大きいと判定する場合(S12:YES)、ステップS16〜S20の処理における異常カウンタCEを上限用異常カウンタCEmaxに代え、異常閾値CEthを上限用異常閾値CEmaxthに代え、エラーフラグFを上限用エラーフラグFmaxに代えた処理を実行する(S16a〜S20a)。そして、CPU52は、変動上限ガード値ΔEmax1として上記最大値ΔEmax0を代入する(S22a)。

0089

一方、CPU52は、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmax以下であると判定する場合(S12:NO)、上限用異常カウンタCEmaxを初期化する(S24a)。
そしてCPU52は、下限用エラーフラグFminが「1」であるか否かを判定する(S10b)。下限用エラーフラグFminは、「1」である場合に更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEmin未満となるシステマティックエラーが生じていることを示し、「0」である場合に同システマティックエラーが生じていないことを示す。CPU52は、下限用エラーフラグFminが「0」であると判定する場合(S10b:NO)、更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEminよりも小さいか否かを判定する(S14)。CPU52は、基準下限ガード値ΔEminよりも小さいと判定する場合(S14:YES)、上記ステップS16〜S20における異常カウンタCEを下限用異常カウンタCEminに代え、異常閾値CEthを下限用異常閾値CEminthに代え、エラーフラグFを下限用エラーフラグFminに代えた処理を実行する(S16b〜S20b)。そして、CPU52は、変動下限ガード値ΔEmin1として上記最小値ΔEmin0を代入する(S22b)。

0090

一方、CPU52は、更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEmin以上であると判定する場合(S14:NO)、下限用異常カウンタCEminを初期化する(S24b)。
なお、CPU52は、ステップS22a,S22b,S24bの処理が完了する場合や、ステップS18a,S18b,S10bにおいて否定判定する場合には、図11に示す一連の処理を一旦終了する。

0091

上記下限用異常閾値CEminthは、上限用異常閾値CEmaxthよりも小さい値に設定されている。これは、更新量Δθcを基準更新量ΔERFに早期に近づけることにより、アシストトルクを早期に大きくすることを狙ったものである。

0092

図12に、本実施形態にかかる異常からの回復の判定処理の手順を示す。図12に示す処理は、メモリ54に記憶されたプログラムをCPU52が実行することで、トルクベースガード処理部M60の処理として実現される。なお、図12に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。

0093

図12に示す一連の処理において、CPU52は、まず、上限用エラーフラグFmaxが「1」であるか否かを判定する(S50a)。そして、CPU52は、上限用エラーフラグFmaxが「1」であると判定する場合(S50a:YES)、更新量算出処理部M54によって算出されトルクベースガード処理部M60に入力された更新量Δθc2が、基準上限ガード値ΔEmax以下であるか否かを判定する(S52a)。CPU52は、基準上限ガード値ΔEmax以下であると判定する場合(S52a:YES)、上記ステップS54〜S60における回復カウンタCRを上限用回復カウンタCRmaxに代え、回復閾値CRthを上限用回復閾値CRmaxthに代え、エラーフラグFを上限用エラーフラグFmaxに代えた処理を実行する(S54a〜S60a)。これに対し、CPU52は、基準上限ガード値ΔEmaxよりも大きいと判定する場合(S52a:NO)、上限用回復カウンタCRmaxを初期化する(S62a)。

0094

一方、CPU52は、ステップS50a,S56aにおいて否定判定する場合や、ステップS60a,S62aの処理が完了する場合には、下限用エラーフラグFminが「1」であるか否かを判定する(S50b)。そして、CPU52は、下限用エラーフラグFminが「1」であると判定する場合(S50b:YES)、更新量算出処理部M54によって算出されトルクベースガード処理部M60に入力された更新量Δθc2が、基準下限ガード値ΔEmin以上であるか否かを判定する(S52b)。CPU52は、基準下限ガード値ΔEmin以上であると判定する場合(S52b:YES)、上記ステップS54〜S60における回復カウンタCRを下限用回復カウンタCRminに代え、回復閾値CRthを下限用回復閾値CRminthに代え、エラーフラグFを下限用エラーフラグFminに代えた処理を実行する(S54b〜S60b)。これに対し、CPU52は、基準下限ガード値ΔEminよりも小さいと判定する場合(S52b:NO)、下限用回復カウンタCRminを初期化する(S62b)。

0095

なお、CPU52は、ステップS60b,S62bの処理が完了する場合や、ステップS50b,S56bにおいて否定判定する場合には、図8に示す一連の処理は一旦終了する。

0096

上記上限用回復閾値CRmaxthは、下限用回復閾値CRminthよりも小さい値に設定されている。これは、基準更新量ΔERFに更新量Δθcを制限する処理を早期に終了することにより、ユーザの要求に応じてより大きなアシストトルクを生成可能とすることを狙ったものである。

0097

図13に、本実施形態にかかるトルクベースガード処理の手順を示す。図13に示す処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図13において図10に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。

0098

図13に示す一連の処理において、CPU52は、まず、上限用エラーフラグFmaxが「1」であるか否かを判定する(S30a)。そしてCPU52は、「1」であると判定する場合(S30a:YES)、ステップS32aの処理に移行する一方、「0」であると判定する場合(S30a:NO)、ステップS70の処理に移行する。

0099

また、CPU52は、S32a,S72a,S36の処理が完了する場合、下限用エラーフラグFminが「1」であるか否かを判定する(S30b)。そしてCPU52は、「1」であると判定する場合(S30b:YES)、ステップS34aの処理に移行する一方、「0」であると判定する場合(S30b:NO)、ステップS74の処理に移行する。なお、CPU52は、ステップS34a,S76a,S38の処理が完了する場合、ステップS40の処理に移行する。

0100

対応関係
上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と、実施形態における事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。なお、以下において、「メモリ54に記憶されたプログラムに従って所定の処理を実行するCPU52」のことを、記載を簡素化するために、「所定の処理を実行するCPU52」と記載する。

0101

1.電力変換回路は、インバータ40に対応する。電流制御処理部は、指令電流設定処理部M24、γδ変換処理部M26、偏差算出処理部M28、偏差算出処理部M30、電流フィードバック処理部M32、電流フィードバック処理部M34、αβ変換処理部M36、uvw変換処理部M38、操作信号生成処理部M40に対応する。制御角操作処理部は、不感帯処理部M52、偏差算出処理部M54aおよびフィードバック処理部M54bに対応する。縮小処理部は、図5および図9のステップS32,S34の処理を実行するCPU52や、図7図10および図13のステップS32a,S34aの処理を実行するCPU52に対応する。

0102

2.「基準更新量以上であることを条件にトルク上限ガード値を減少させる処理」は、ステップS32の処理を実行するCPU52や、ステップS32aの処理を実行するCPU52に対応する。「基準更新量以下であることを条件にトルクベース下限ガード値を増加させる処理」は、ステップS34の処理を実行するCPU52や、ステップS34aの処理を実行するCPU52に対応する。

0103

3.図7図10および図13のステップS32a,S34aの処理を実行するCPU52に対応する。
4.上限用異常判定時間は、上限用異常閾値CEmaxthによって定まる時間に対応し、下限用異常判定時間は、下限用異常閾値CEminthによって定まる時間に対応する。

0104

5.拡大処理部は、図9のステップS72,S76の処理を実行するCPU52や、図10および図13のステップS72a,S76aの処理を実行するCPU52に対応する。

0105

6.図13のステップS72a,S76aの処理を実行するCPU52に対応する。
7.上限用回復時間は、上限用回復閾値CRmaxthによって定まる時間に対応し、下限用回復時間は、下限用回復閾値CRminthによって定まる時間に対応する。

0106

8.推定処理部は、αβ変換処理部M44、誘起電圧オブザーバM46、角度算出処理部M48、速度算出処理部M50に対応する。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。

0107

・「基準上限ガード値について」
基準上限ガード値ΔEmaxとしては、図3に例示したものに限らない。たとえば、操舵トルクTrqsが第1トルクTrq1以上となることにより、ステップ状に最大値ΔEmax0となるものであってもよい。またたとえば、操舵トルクTrqsが第2トルクTrq2以上となる場合であっても、操舵トルクTrqsが大きい場合に小さい場合よりも基準上限ガード値ΔEmaxを大きい値に設定してもよい。またたとえば、一律最大値ΔEmax0とするものであってもよい。

0108

なお、「同期電動機34を流れる電流の位相について」の欄に記載したように同期電動機34を流れる電流をq軸の正側とd軸の負側とによって挟まれる領域内に収まるように制御する場合、たとえば、図3に例示したものと狙いを同じとすべく、操舵トルクTrqsが大きい場合に小さい場合よりも小さい値としてもよい。

0109

・「基準下限ガード値について」
基準下限ガード値ΔEminとしては、図3に例示したものに限らない。たとえば、操舵トルクTrqsが第3トルクTrq3となることにより、ステップ状に固定値(>0)に変化するものであってもよい。またたとえば、操舵トルクTrqsが第3トルクTrq3以上であるときの基準下限ガード値ΔEminを一定値としてもよい。またたとえば、操舵トルクTrqsの大きさにかかわらず、一定値とするものであってもよい。

0110

なお、「同期電動機34を流れる電流の位相について」の欄に記載したように同期電動機34を流れる電流をq軸の正側とd軸の負側とによって挟まれる領域内に収まるように制御する場合、たとえば、図3に例示したものと狙いを同じとすべく、操舵トルクTrqsが第1トルクTrq1よりも大きい場合に、負の値としてもよい。

0111

・「トルクベース上限ガード値について」
変動上限ガード値ΔEmax1を、操舵トルクTrqsの大きさにかかわらず一定値として生成されるものに限らない。たとえば同期電動機34を流れる電流をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に収まるように制御する場合、変動上限ガード値ΔEmax1を、操舵トルクTrqsが大きい場合に小さい場合よりも大きい値としてもよい。

0112

・「トルクベース下限ガード値について」
変動下限ガード値ΔEmin1を、操舵トルクTrqsの大きさにかかわらず一定値として生成されるものに限らない。たとえば同期電動機34を流れる電流をd軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に収まるように制御する場合、変動下限ガード値ΔEmin1を、操舵トルクTrqsが大きい場合に小さい場合よりも大きい値としてもよい。

0113

・「トルクベースガード処理部について」
上記第5の実施形態では、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxを超える異常が生じる場合には、トルクベース上限ガード値ΔMAXのみを変更し、更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEmin未満となる異常が生じる場合には、トルクベース下限ガード値ΔMINのみを変更したが、これに限らない。すなわち、上限用エラーフラグFmaxが「1」となることと下限用エラーフラグFminが「1」となることとの論理和が真である場合、ステップS32a,S34aの双方の処理を実行してもよい。

0114

上記第1〜第4の実施形態において、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxを超える状態の継続時間が異常判定閾値以上となることと、更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEminを下回る状態の継続時間が異常判定閾値以上となることとの論理和が真である場合に、エラーフラグFを「1」としてもよい。

0115

上記実施形態では、更新量Δθc2が基準上限ガード値ΔEmaxを超える場合と、更新量Δθc2が基準下限ガード値ΔEminを下回る場合とのいずれの場合であっても、トルクベース上限ガード値ΔMAXとトルクベース下限ガード値ΔMINとを徐々に変更したがこれに限らない。たとえば、更新量Δθcが常時、基準下限ガード値ΔEminとされる場合であっても、同期電動機34のアシストトルクを生成可能と考えられるように基準下限ガード値ΔEminを設定するなら、トルクベース下限ガード値ΔMINについては変更する処理を実行しなくてもよい。ちなみに、同期電動機34のアシストトルクを生成可能と考えられる基準下限ガード値ΔEminの設定は、たとえば基準下限ガード値ΔEminを、基準更新量ΔERFから所定値を減算した値とゼロとの大きい方とすることで実現することができる。

0116

・「異常判定について」
たとえば、図4の処理において、ステップS14において否定判定される場合、異常カウンタを、ゼロ以上であることを条件にデクリメントする処理としてもよい。また、図11の処理において、ステップS12において否定判定される場合、上限用異常カウンタCEmaxを、ゼロ以上であることを条件にデクリメントする処理とし、ステップS14において否定判定される場合、下限用異常カウンタCEminを、ゼロ以上であることを条件にデクリメントする処理としてもよい。

0117

・「上限用異常判定時間および下限用異常判定時間について」
下記の「同期電動機34を流れる電流の位相について」の欄に記載したように同期電動機34を流れる電流をq軸の正側とd軸の負側とによって挟まれる領域内に収まるように制御する場合、上限用異常判定時間を定める上限用異常閾値CEmaxthを、下限用異常判定時間を定める下限用異常閾値CEminthよりも小さくすることが望ましい。

0118

・「回復判定について」
図8のステップS52において否定判定される場合、回復カウンタCRを、ゼロ以上であることを条件にデクリメントする処理としてもよい。また、図12のステップS52aにおいて否定判定される場合、上限用回復カウンタCRmaxを、ゼロ以上であることを条件にデクリメントする処理とし、ステップS52bにおいて否定判定される場合、下限用回復カウンタCRminを、ゼロ以上であることを条件にデクリメントする処理としてもよい。

0119

・「上限用回復判定時間および下限用回復判定時間について」
下記の「同期電動機34を流れる電流の位相について」の欄に記載したように同期電動機34を流れる電流をq軸の正側とd軸の負側とによって挟まれる領域内に収まるように制御する場合、上限用回復判定時間(上限用回復閾値CRmaxth)を、下限用回復判定時間(下限用回復閾値CRminth)よりも大きい値に設定することが望ましい。

0120

・「電流制御処理部について」
上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、モデル予測制御を実行するものであってもよい。具体的には、γδ軸の電流iγ、iδを入力とし、複数のスイッチングモードのそれぞれが仮に選択された場合の未来の電流iγ、iδを予測し、この予測値と指令値との差を小さくするスイッチングモードを実際に採用するものとしてもよい。この場合であっても、γδ座標系と固定座標系との座標変換パラメータとして、制御角θcを用いるなら、上記実施形態の要領で制御角θcを設定することが有効である。

0121

・「制御角操作処理部について」
上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、更新量Δθc1を、目標トルクTrqs*と操舵トルクTrqsとの差を入力とする比例要素のみから算出するものとしてもよく、またたとえば、積分要素のみから算出するものとしてもよく、さらにたとえば、比例要素、積分要素、および微分要素を用いて算出するものとしてもよい。

0122

・「同期電動機34を流れる電流の位相について」
上記実施形態では、同期電動機34を流れる電流が、回転座標系において、d軸の正側とq軸の正側とによって挟まれる領域内に収まることを想定したがこれに限らない。たとえば、q軸の正側とd軸の負側とによって挟まれる領域内に収まるように制御してもよい。この場合、d軸電流が負となるため、弱め界磁制御がなされることから、高回転において同期電動機34のトルクを生成しやすい。

0123

なお、この場合、基準更新量ΔERFを、操舵トルクTrqsが大きいほど小さい値とすることが望ましい。また、ステップS32aの処理において、変動上限ガード値ΔEmax1を、高速変更量ΔEHにて減少補正し、ステップS34aにおいて、変動下限ガード値ΔEmin1を、低速変更量ΔELにて増加補正することが望ましい。また、この場合、ステップS72aの処理において、変動上限ガード値ΔEmax1を、低速変更量ΔELにて増加補正し、変動下限ガード値ΔEmin1を、高速変更量ΔEHにて減少補正することが望ましい。

0124

・「推定処理部について」
上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、誘起電圧オブザーバとして、推定変化量ω1に応じて回転する回転座標系における電流と、同座標系における指令電圧とに基づき、誘起電圧を推定するものであってもよい。

0125

・「操舵制御装置について」
CPU52とメモリ54とを備えて、ソフトウェア処理のみを実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、専用のハードウェアASIC)にて処理してもよい。すなわち、たとえば、上記トルクベースガード処理部M60の処理については、ハードウェア処理とし、更新量ΔθcをハードウェアからCPU52が取得するようにしてもよい。

0126

・「同期電動機について」
SPMSMに限らず、埋込磁石同期電動機であってもよい。
・「操舵装置について」
転舵アクチュエータとして、ラックアンドピニオン型のものを備えるものに限らない。たとえば、ラッククロス型のものや、ラックパラレル型(登録商標)、ラック同軸型のものなどを備えてもよい。

0127

10…操舵装置、12…ステアリング、13…ステアリングシャフト、14…コラム軸、16…中間軸、18…ピニオン軸、18a…ピニオン歯、20…ラック軸、20a…第1ラック歯、20b…第2ラック歯、22…第1ラックアンドピニオン機構、24…タイロッド、26…転舵輪、28…ピニオン軸、28a…ピニオン歯、30…第2ラックアンドピニオン機構、32…減速機構、34…同期電動機、34a…回転軸、40…インバータ、42…バッテリ、50…制御装置、52…CPU、54…メモリ、58…回転角度センサ、60…トルクセンサ、62…車速センサ、64…電流センサ。

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