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技術 ステアリング装置

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 中手敬渡邉和宏
出願日 2016年6月6日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2016-112821
公開日 2017年12月14日 (1年8ヶ月経過) 公開番号 2017-217972
状態 未査定
技術分野 操向伝動装置
主要キーワード 外部開口端 閉塞部側 摺接板 マニュアルタイプ 弾性栓体 水素化アクリロニトリルブタジエンゴム シール部品 予圧ばね
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月14日)のものです。
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図面 (4)

課題

ヨーククリアランス直接測定でき、かつ、部品点数を増加させることなく異音の発生を抑制することができるステアリング装置を提供する。

解決手段

ラックガイド20は、ピニオン軸に噛み合うラック軸が延びるラック軸方向に前記ラック軸を摺動可能に支持している。封止部材40は、ラックガイド20をハウジング8内に封止している。付勢部材30は、封止部材40とラックガイド20との間に設けられ、ラックガイド20を介してラック軸3をピニオン軸5へ向けて付勢している。封止部材40には、開口47が形成されている。ステアリング装置1には、開口47を塞ぐ閉塞部52を有し、弾性変形することによってラックガイド20と封止部材40との間の間隔(ヨーククリアランスC)を維持する弾性栓体50が設けられている。

概要

背景

ステアリングホイール操舵することによってピニオン軸を回転させ、当該回転をピニオンと噛み合うラックの軸方向運動に変換することで車輪転舵させるラックアンドピニオン式ステアリング装置が知られている。
下記特許文献1に記載のステアリング装置には、ラックをピニオンに適切に押し付けるためにラックガイドをラックへ向けて付勢する弾性部材が設けられている。弾性部材は、ラックガイドと、ラックガイドが挿入されたハウジングを塞ぐ蓋部材との間に配置されている。弾性部材の付勢力を適度に調整するためには、蓋部材とラックガイドとの間の隙間(ヨーククリアランス)を直接測定することが好ましい。蓋部材には貫通口が形成されており、この貫通口を介してハウジング内に治具等を挿入することで、ヨーククリアランスを直接測定することができる。貫通口は、ばねシール部品が嵌め込まれることによってシールされている。

ここで、予圧ばねの付勢力に抗してラックからラックガイドに突発的な荷重が入力されることがある。この場合、ラックとピニオンとの間に僅かに隙間ができ、ラックとピニオンとの接触に起因する歯打ち音(異音)が発生するおそれがある。歯打ち音の発生を抑制するためには、弾性部材に加えて、ラックガイドと蓋部材との間に合成樹脂製の緩衝手段等を設ける必要がある(例えば、下記特許文献2)。

概要

ヨーククリアランスを直接測定でき、かつ、部品点数を増加させることなく異音の発生を抑制することができるステアリング装置を提供する。ラックガイド20は、ピニオン軸に噛み合うラック軸が延びるラック軸方向に前記ラック軸を摺動可能に支持している。封止部材40は、ラックガイド20をハウジング8内に封止している。付勢部材30は、封止部材40とラックガイド20との間に設けられ、ラックガイド20を介してラック軸3をピニオン軸5へ向けて付勢している。封止部材40には、開口47が形成されている。ステアリング装置1には、開口47を塞ぐ閉塞部52を有し、弾性変形することによってラックガイド20と封止部材40との間の間隔(ヨーククリアランスC)を維持する弾性栓体50が設けられている。

目的

この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、部品点数を増加させることなく、ヨーククリアランスを直接測定可能で、かつ、異音の発生を抑制できるステアリング装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ピニオン軸に噛み合うラック軸と、前記ラック軸が延びるラック軸方向に前記ラック軸を摺動可能に支持するラックガイドと、前記ラックガイドを収容するハウジングと、前記ラックガイドを前記ハウジング内に封止する封止部材と、前記封止部材と前記ラックガイドとの間に設けられ、前記ラックガイドを介して前記ラック軸を前記ピニオン軸へ向けて付勢する付勢部材とを含むステアリング装置において、前記封止部材には、前記ラックガイドと前記封止部材との間の間隔を測定するために用いられる開口が形成されており、前記開口を塞ぎ、かつ、弾性変形することによって前記ラックガイドと前記封止部材との間の間隔を維持する弾性栓体をさらに含むことを特徴とする、ステアリング装置。

請求項2

前記弾性栓体は、前記開口を塞ぐ閉塞部と、前記閉塞部から延び、弾性変形することによって前記ラックガイドと前記封止部材との間の間隔を維持する弾性変形部とを有することを特徴とする、請求項1に記載のステアリング装置。

請求項3

前記弾性変形部は、前記ラックガイドに当接する第1当接部と、前記第1当接部よりも前記閉塞部側に配置され、前記封止部材に当接する第2当接部とを有し、前記第1当接部の面圧が前記第2当接部の面圧よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載のステアリング装置。

請求項4

前記封止部材と前記ラックガイドとの間に配置され、前記付勢部材の付勢方向に対して直交する方向から前記弾性栓体に対向するように前記弾性栓体を取り囲む筒状部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置。

請求項5

前記弾性栓体は、エチレンプロピレンジエンゴムによって形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のステアリング装置。

技術分野

0001

この発明は、ステアリング装置に関する。

背景技術

0002

ステアリングホイール操舵することによってピニオン軸を回転させ、当該回転をピニオンと噛み合うラックの軸方向運動に変換することで車輪転舵させるラックアンドピニオン式のステアリング装置が知られている。
下記特許文献1に記載のステアリング装置には、ラックをピニオンに適切に押し付けるためにラックガイドをラックへ向けて付勢する弾性部材が設けられている。弾性部材は、ラックガイドと、ラックガイドが挿入されたハウジングを塞ぐ蓋部材との間に配置されている。弾性部材の付勢力を適度に調整するためには、蓋部材とラックガイドとの間の隙間(ヨーククリアランス)を直接測定することが好ましい。蓋部材には貫通口が形成されており、この貫通口を介してハウジング内に治具等を挿入することで、ヨーククリアランスを直接測定することができる。貫通口は、ばねシール部品が嵌め込まれることによってシールされている。

0003

ここで、予圧ばねの付勢力に抗してラックからラックガイドに突発的な荷重が入力されることがある。この場合、ラックとピニオンとの間に僅かに隙間ができ、ラックとピニオンとの接触に起因する歯打ち音(異音)が発生するおそれがある。歯打ち音の発生を抑制するためには、弾性部材に加えて、ラックガイドと蓋部材との間に合成樹脂製の緩衝手段等を設ける必要がある(例えば、下記特許文献2)。

先行技術

0004

特許第5888110号明細書
特開2002−67982号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載のステアリング装置において異音の発生を抑制するために、特許文献2に記載の緩衝手段を設けることが考え得る。この場合、ヨーククリアランスを直接測定でき、かつ、異音の発生を抑制できるが、部品点数が増加し、コストが増大する。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、部品点数を増加させることなく、ヨーククリアランスを直接測定可能で、かつ、異音の発生を抑制できるステアリング装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

請求項1に記載の発明は、ピニオン軸(5)に噛み合うラック軸(3)と、前記ラック軸が延びるラック軸方向(X)に前記ラック軸を摺動可能に支持するラックガイド(20)と、前記ラックガイドを収容するハウジング(8)と、前記ラックガイドを前記ハウジング内に封止する封止部材(40)と、前記封止部材と前記ラックガイドとの間に設けられ、前記ラックガイドを介して前記ラック軸を前記ピニオン軸へ向けて付勢する付勢部材(30)とを含むステアリング装置(1)において、前記封止部材には、前記ラックガイドと前記封止部材との間の間隔(C)を測定するために用いられる開口(47)が形成されており、前記開口を塞ぎ、かつ、弾性変形することによって前記ラックガイドと前記封止部材との間の間隔を維持する弾性栓体(50)をさらに含むことを特徴とする、ステアリング装置である。

0007

請求項2に記載の発明は、前記弾性栓体は、前記開口を塞ぐ閉塞部(52)と、前記閉塞部から延び、弾性変形することによって前記ラックガイドと前記封止部材との間の間隔を維持する弾性変形部(51)とを有することを特徴とする、請求項1に記載のステアリング装置である。
請求項3に記載の発明は、前記弾性変形部は、前記ラックガイドに当接する第1当接部(54)と、前記第1当接部よりも前記閉塞部側(F2)に配置され、前記封止部材に当接する第2当接部(55)とを有し、前記第1当接部の面圧が前記第2当接部の面圧よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載のステアリング装置である。

0008

請求項4に記載の発明は、前記封止部材と前記ラックガイドとの間に配置され、前記付勢部材の付勢方向(F1)に対して直交する方向(R)から前記弾性栓体に対向するように前記弾性栓体を取り囲む筒状部材(60)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置である。
請求項5に記載の発明は、前記弾性栓体は、エチレンプロピレンジエンゴムによって形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のステアリング装置である。

0009

なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。

発明の効果

0010

請求項1に記載の発明によれば、ラックガイドをハウジング内に封止する封止部材に開口が形成されているため、ラックガイドと封止部材との間の間隔(ヨーククリアランス)を直接測定することができる。
付勢部材による付勢に反してラック軸からラックガイドに入力された荷重が大きい場合であっても、開口を塞ぐ弾性栓体が弾性変形することによって、ラックガイドと封止部材との間の間隔が維持される。そのため、異音の発生を抑制できる。

0011

このように、部品点数を増加させることなく、ヨーククリアランスを直接測定でき、かつ、異音の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、開口を塞ぐ閉塞部から延びる弾性変形部が弾性変形することによってヨーククリアランスが維持されるので、付勢部材の付勢に抗してラックガイドに荷重が入力された場合に、閉塞部が当該荷重を受けにくい。したがって、付勢部材の付勢に抗してラックガイドに荷重が入力された場合であっても開口が閉塞部によって塞がれた状態が維持される。

0012

請求項3に記載の発明によれば、ラックガイドに当接する第1当接部の面圧が封止部材に当接する第2当接部の面圧よりも大きい。面圧とは、単位面積当たりの荷重のことである。したがって、付勢部材の付勢に抗してラックガイドに荷重が入力されると、第2当接部よりも閉塞部側とは反対側の第1当接部が第2当接部よりも撓むので、閉塞部は、当該荷重を一層受けにくい。したがって、付勢部材の付勢に抗してラックガイドに荷重が入力された場合であっても開口が閉塞部によって塞がれた状態が確実に維持される。

0013

請求項4に記載の発明によれば、弾性栓体は、封止部材とラックガイドとの間に配置され、付勢部材の付勢方向に対して直交する方向から弾性栓体に対向する筒状部材によって取り囲まれている。そのため、付勢部材の付勢に抗してラックガイドに荷重が入力された際、弾性栓体が付勢方向に対して直交する方向に広がることを抑制できるので、ラックガイドに入力された荷重に対する弾性栓体の反発力が付勢方向に対して直交する方向に分散するのを抑制できる。これにより、異音の発生を一層抑制できる。

0014

請求項5に記載の発明のように、弾性栓体は、エチレンプロピレンジエンゴムによって形成されていてもよい。

図面の簡単な説明

0015

図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置の概略正面図である。
図2は、ラック軸支持装置周辺の断面の模式図である。
図3は、図2において弾性栓体の周辺を拡大した図である。

実施例

0016

以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略正面図である。
ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材4の回転が伝達されるピニオン軸5と、車両の幅方向に延びるラック軸方向Xに移動することで転舵輪2を転舵させるラック軸3とを含む。ラック軸3は、ピニオン軸5と噛み合っており、ピニオン軸5の回転がラック軸3のラック軸方向Xの移動に変換される。ラック軸3は、ピニオン軸5とともに転舵機構6を構成している。

0017

ラック軸3は、ラック軸方向Xに並ぶラック歯3Aが形成されたラック歯形成領域3Rを有している。ピニオン軸5の一端には、インターミディエイトシャフト11およびステアリングシャフト12を介して操舵部材4が連結されている。ピニオン軸5は、ラック歯3Aに噛合可能なピニオン歯5Aを有している。ピニオン歯5Aは、ピニオン軸5の他端近傍の外周面に形成されている。

0018

ステアリング装置1は、ラック軸3およびピニオン軸5を収容するハウジング8をさらに含む。ハウジング8は、ラック軸3が挿通される挿通孔15が形成されたラックハウジング9と、ラックハウジング9に固定され、ピニオン軸5を収容するピニオンハウジング14とを含む。ハウジング8は、単一の部材で一体に形成されていてもよい。
ラック軸方向Xにおけるラック軸3の各端部は、ラックハウジング9の外側へ突出している。ラック軸方向Xにおけるラック軸3の各端部には、それぞれ継手を介してタイロッド10が連結されている。各タイロッド10は、対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪2に連結されている。ピニオン軸5は、他端近傍の部分がラックハウジング9に収容されている。ピニオン軸5は、ラックハウジング9に収容されている部分よりも一端側の部分がピニオンハウジング14に収容されている。ピニオンハウジング14は、例えばボルト18によってラックハウジング9に固定されている(後述する図2参照)。

0019

ラック軸3は、操舵部材4の操舵時にラック軸方向Xに移動される。詳しくは、操舵部材4が操舵されることによって、ステアリングシャフト12およびインターミディエイトシャフト11を介してピニオン軸5に回転が伝達される。ピニオン軸5に伝達された回転は、ピニオン歯5Aとラック歯3Aとの噛み合いによってラック軸3のラック軸方向Xの移動に変換される。これにより、ラック軸3に連結されたタイロッド10等を介して転舵輪2が転舵される。

0020

ステアリング装置1は、ラック軸3とピニオン軸5との間にがたが生じないようにラック軸3を支持するラック軸支持装置13をさらに含む。
図2は、ラック軸支持装置13の周辺の概略断面図である。
図2を参照して、ラック軸支持装置13は、ラック軸方向Xにラック軸3を摺動可能に支持するラックガイド20と、ラックガイド20を収容する前述したラックハウジング9と、ラックガイド20をラックハウジング9内に封止する封止部材40と、封止部材40とラックガイド20との間に設けられ、ラックガイド20を介してラック軸3をピニオン軸5へ向けて付勢する付勢部材30とを含む。付勢部材30がラックガイド20を付勢する方向を付勢方向F1という。付勢方向F1の逆方向を逆方向F2という。

0021

ラックハウジング9は、ラック軸方向Xに対する直交方向Yに延びる円筒状の収容部9Aを有している。ラックガイド20は、略円柱状である。ラックガイド20は、収容部9A内に収容されている。ラックガイド20は、収容部9A内で、直交方向Yに移動可能である。ラックガイド20は、ラック軸3に対してピニオン軸5とは反対側に配置されている。ラックガイド20は、ラック軸3のラック歯3Aの背面3Bを摺動可能に支持している。直交方向Yは、付勢方向F1および逆方向F2と平行な方向である。ラック軸3に対してピニオン軸5とは反対側では、付勢方向F1は、直交方向Yにおけるラック軸3側でもあり、逆方向F2は、直交方向Yにおけるラック軸3側とは反対側でもある。

0022

ラックガイド20の中心軸線20Aを中心とした径方向を径方向Rという。径方向Rは、直交方向Y、付勢方向F1および逆方向F2に対して直交する方向でもある。ラックガイド20は、付勢方向F1側に設けられた第1面21と、逆方向F2側に設けられた第2面22と、円筒面からなる外周面23とを有している。ラックガイド20の第1面21には、ラック軸3の背面3Bの形状に概ね一致する形状の凹面24が形成されている。凹面24に沿うように湾曲状の摺接板25が取り付けられており、摺接板25が、ラック軸3の背面3Bに摺接する。

0023

ラックガイド20の外周面23に設けられた複数の環状の収容溝26のそれぞれには、Oリング27が収容されている。ラックガイド20の外径は、収容部9Aの内径よりも僅かに小さくされている。ラックガイド20が直交方向Yに収容部9A内を移動する際、Oリング27が収容部9Aの内周を摺動する。
封止部材40は、収容部9Aにおいてラック軸3側とは反対側に設けられた外部開口端9Bを封止する。封止部材40は、ヨークプラグともいう。封止部材40は、ラックガイド20の第2面22に対向する対向面41と、円筒面からなる外周面42とを有している。封止部材40の外周面42に設けられた環状の収容溝43には、Oリング45が収容されている。

0024

封止部材40は、ラックハウジング9に固定されている。封止部材40は、収容部9Aにねじ嵌合されることによって固定されている。封止部材40の外周面42において収容溝43よりも外部開口端9B側の部分には、雄ねじ46が形成されている。収容部9Aの外部開口端9Bには、雄ねじ46が螺合される雌ねじ9Cが形成されている。
ラックガイド20の第2面22には、付勢部材30が収容される収容穴28が形成されている。付勢部材30は、直交方向Yに弾性変形可能であり、例えば、コイルばねである。付勢部材30は、直交方向Yに圧縮された状態で収容穴28の底面と封止部材40の対向面41との間に配置されており、ラックガイド20を介してラック軸3をピニオン軸5へ向けて付勢している。

0025

封止部材40には、ヨーククリアランスCの測定に用いられる開口47が形成されている。ヨーククリアランスCとは、ラックガイド20の第2面22と封止部材40の対向面41との間の間隔のことである。ヨーククリアランスCは、例えば、60μm〜100μm程度である。開口47は、封止部材40を直交方向Yに貫通している。開口47は、ラックハウジング9の収容部9Aの内部空間A1と、ラックハウジング9の外部空間A2とを連通させている。

0026

ラック軸支持装置13は、弾性変形することによってヨーククリアランスCを維持し、かつ、開口47を塞ぐ弾性栓体50をさらに有する。弾性栓体50は、耐摩耗性に優れ、収容部9A内に存在するグリース等によって膨潤する材料によって形成されていればよく、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)によって形成されている。弾性栓体50は、EPDM以外の材料によって形成されていてもよく、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)、シリコーンゴム等であってもよい。弾性栓体50は、ラックハウジング9の外部から封止部材40に着脱可能に設けられている。弾性栓体50は、開口47を塞ぐ閉塞部52と、閉塞部52から付勢方向F1に延び、弾性変形することによってヨーククリアランスCを維持する弾性変形部51とを一体に有する。弾性変形部51は、ラック軸3からラックガイド20に入力される入力荷重Gに対する反発力Hを発生させる反発部でもある。反発力Hは、付勢方向F1の荷重であり、入力荷重Gは、逆方向F2の荷重である。

0027

入力荷重Gは、様々な条件によって発生する。具体的には、入力荷重Gは、車両が悪路を走行する際に転舵輪2からラック軸3に振動が伝達されること、すなわち逆入力や、車両を旋回させるために転舵輪2を転舵させる際にラック軸3がラック軸方向Xに移動してラック歯3Aがピニオン歯5Aに当接することによって発生する。
図3は、図2において弾性栓体50の周辺を拡大した図である。

0028

閉塞部52は、直交方向Yに延びる筒状の本体部56と、開口47の内面押圧され、封止部材40と閉塞部52との間をシールするシール部57と、封止部材40に弾性栓体50を取り付ける際に直交方向Yにおける弾性栓体50の位置を規制する規制部58とを一体に有する。シール部57は、本体部56の外面から径方向Rの外方に突出する環状の突起の形態を有している。シール部57は、直交方向Yに複数(本実施形態では2つ)並んで配置されているが、シール部57は、本体部56の外周面に1つだけ設けられていてもよい。規制部58は、本体部56の一端部(付勢方向F1側の端部)とは反対側の他端部(逆方向F2側の端部)から径方向Rの外方に張り出したフランジ状の形態を有している。

0029

弾性変形部51は、閉塞部52の本体部56から付勢方向F1側に延びる筒状の本体部53と、本体部53において閉塞部52とは反対側の端部(付勢方向F1側の端部)に連結され、ラックガイド20に当接する第1当接部54と、本体部53において閉塞部52側の端部(逆方向F2側の端部)に連結され、封止部材40に当接する第2当接部55とを一体に有する。

0030

第1当接部54は、径方向Rにおけるラックガイド20の中央付近(詳しくは、収容穴28の底面においてラックガイド20の中心軸線20Aとの交点付近)に当接している。第1当接部54は、弾性変形した状態、または弾性変形していない状態(いわゆるゼロタッチ)でラックガイド20に当接している。
第1当接部54は、付勢方向F1側に向かって先細り円錐台状である。第1当接部54は、第1当接部54の付勢方向F1側の面であって、ラックガイド20の収容穴28の底面に当接する第1当接面54Bと、収容穴28の底面に(付勢方向F1に)向かうにつれて径方向Rの内方へ向かうように傾斜する第1傾斜面54Aとを有する。第1傾斜面54Aの付勢方向F1側の端部が第1当接面54Bの径方向Rの外方端に連結されている。第1当接部54は、本実施形態とは異なり、第1傾斜面54Aを有しておらず、円柱状の形態を有していてもよい。

0031

第2当接部55は、本体部53において閉塞部52側(逆方向F2側)の端部から径方向Rに広がるフランジ状の形態を有している。第2当接部55は、封止部材40の対向面41において開口47の周縁に位置する部分に当接する第2当接面55Bと、収容穴28の底面に(付勢方向F1に)向かうにつれて径方向Rの内方へ向かうように傾斜する第2傾斜面55Aとを有する。第2当接面55Bは、第2当接部55の逆方向F2側の面であり、第2傾斜面55Aは、第2当接部55の付勢方向F1側の面である。

0032

第2当接部55は、本実施形態とは異なり、第2傾斜面55Aを有していなくても良く、この場合、第2当接部55の付勢方向F1側の面は、直交方向Yに対して直交する面であってもよい。
第2当接部55は、第1当接部54よりも閉塞部52側に配置されている。第2当接部55は、第1当接部54よりも径方向Rの外方に配置されている。第2当接部55の面圧が第1当接部54の面圧よりも小さい。言い換えると、第1当接部54の第1当接面54Bの面積は、第2当接部55の第2当接面55Bの面積よりも小さい。なお、面圧とは、単位面積当たりの荷重のことである。

0033

弾性栓体50には、弾性栓体50の逆方向F2側の端部から付勢方向F1へ延びる空洞59が形成されている。空洞59は、直交方向Yにおいて閉塞部52の本体部56を貫通し、直交方向Yにおける弾性変形部51の略中央まで延びている。
弾性変形部51は、径方向Rにおいて付勢部材30の内方に位置している。ラック軸支持装置13は、封止部材40とラックガイド20との間に配置され、付勢部材30の付勢方向F1に対して直交する方向(径方向R)から弾性栓体50に対向し、弾性栓体50を取り囲む筒状部材60をさらに含む。筒状部材60は、直交方向Yに延びる円筒状の形態を有している。筒状部材60は、付勢部材30から弾性栓体50を離隔している。筒状部材60は、径方向Rの外方から、少なくとも弾性栓体50の弾性変形部51において最も径方向Rの外方に位置する部分(第2当接部55)に対向している。

0034

本実施形態によれば、ラックガイド20をラックハウジング9内に封止する封止部材40に開口47が形成されているため、開口47を介してラックハウジング9の内部空間A1に挿通される治具(図示せず)を用いて、ラックガイド20と封止部材40との間の間隔(ヨーククリアランスC)を、直接測定することができる。したがって、ヨーククリアランスCを精度良く測定でき、付勢部材30の付勢力を精度良く調整することができる。

0035

付勢部材30によるラック軸3の付勢に反してラック軸3からラックガイド20に入力された荷重(入力荷重G)が大きい場合であっても、開口47を塞ぐ弾性栓体50が弾性変形することによって、ヨーククリアランスCが維持される。そのため、異音の発生を抑制できる。
したがって、部品点数を増加させることなく、ヨーククリアランスCを直接測定でき、かつ、異音の発生を抑制することができる。

0036

また、開口47を塞ぐ閉塞部52から延びる弾性変形部51が弾性変形することによってヨーククリアランスCが維持されるので、ラックガイド20に入力荷重Gが入力された場合に、閉塞部52が荷重を受けにくい。したがって、付勢部材30の付勢に抗してラックガイド20に荷重が入力された場合であっても開口47が閉塞部52によって塞がれた状態が維持される。

0037

また、ラックガイド20に当接する第1当接部54の面圧が封止部材40に当接する第2当接部55の面圧よりも大きい。したがって、入力荷重Gが入力されると、第2当接部55よりも閉塞部52側とは反対側(付勢方向F1側)の第1当接部54が第2当接部55よりも撓むので、閉塞部52は、荷重を一層受けにくい。したがって、ラックガイド20に入力荷重Gが入力された場合であっても開口47が閉塞部52によって塞がれた状態が確実に維持される。

0038

また、弾性栓体50には、空洞59が形成されているため、ラックガイド20に入力荷重Gが入力された際に、弾性変形部51の本体部53と閉塞部52の本体部56とが空洞59を狭めるように弾性変形することができる。そのため、第2当接部55およびシール部57の径方向Rの内方への弾性変形を緩和することができる。これにより、第2当接部55と封止部材40との当接が外れたり、シール部57が開口47の内面から外れたりするのを抑制できる。

0039

また、第1当接部54は、径方向Rにおけるラックガイド20の中央付近に当接しているため、ラックガイド20の凹面24が摺接板25を介してラック軸3に均等に押し付けられる。そのため、ラックガイド20および摺接板25の局所的な摩耗を防ぐことができる。
また、第1当接部54の外径と、第2当接部55の内径および外径を調整することによって、ラックガイド20に当接する第1当接部54の面圧が封止部材40に当接する第2当接部55の面圧よりも大きくなるように弾性栓体50を設計できる。

0040

また、弾性栓体50は、封止部材40とラックガイド20との間に配置され、径方向Rから弾性栓体50に対向する筒状部材60によって取り囲まれている。そのため、ラックガイド20に入力荷重Gが入力された際に、弾性栓体50の弾性変形部51が径方向Rに広がることを抑制できるので、弾性栓体50の弾性変形部51の反発力Hが径方向Rに分散するのを抑制できる。これにより、異音の発生を一層抑制できる。

0041

また、弾性栓体50を設けることによって、付勢部材30の付勢力を過度に大きくすることなく異音の発生を抑制できる。そのため、ラックガイド20に入力荷重Gが入力されていない状態で操舵部材4を操舵する際に必要な力を低減でき、操舵フィーリングが改善される。
また、長期の使用によって応力が時間と共に低下する応力緩和、いわゆる「へたり」が弾性栓体50の弾性変形部51に発生した場合であっても、ラックガイド20に塗布されたグリース等によって弾性栓体50の弾性変形部51が膨潤するため、応力緩和の影響を緩和できる。また、弾性変形部51が膨潤した場合であっても、径方向Rへの弾性変形部51の広がりが筒状部材60によって抑制される。径方向Rへの弾性変形部51の広がりが抑制されることによって、弾性変形部51が付勢部材30に接触して損傷することを予防できる。

0042

また、本実施形態とは異なり、開口47を塞ぐ部材とは別に封止部材40とラックガイド20との間にダンパーを配置する場合、封止部材40を収容部9Aに螺合して固定する際に、ダンパーには封止部材40から捩じりトルク負荷され、ダンパーの機能(ヨーククリアランスCを維持する機能)にばらつきが生じるおそれがある。一方、本実施形態では、弾性栓体50を封止部材40に取り付けるよりも先に封止部材40を収容部9Aに螺合するので、弾性栓体50は、封止部材40から捩じりトルクを受けることなく封止部材40に取り付けられる。

0043

また、封止部材40に弾性栓体50を取り付ける際には、弾性栓体50に形成された空洞59を狭めるように径方向Rの内方に弾性栓体50を縮径させることができるので、弾性栓体50の取り付け作業をスムーズに行える。また、第1傾斜面54Aおよび第2傾斜面55Aによって、弾性栓体50が封止部材40に引っ掛かるのを抑制できるため、弾性栓体50の取り付け作業を一層スムーズに行える。

0044

この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、ステアリング装置1は、操舵部材4の操舵が補助されないマニュアルタイプのステアリング装置に限られず、電動モータ動力をステアリングシャフト12に与えて操舵部材4の操舵を補助するコラムタイプの電動パワーステアリング装置であってもよい。また、ステアリング装置1は、電動モータの動力をピニオン軸5に与えて操舵部材4の操舵を補助するピニオンタイプの電動パワーステアリング装置であってもよい。また、ステアリング装置1は、ピニオン軸5とは別の位置でラック軸3と噛み合う別のピニオン軸をさらに含み、電動モータの動力を当該別のピニオン軸に与えて操舵部材4の操舵を補助するデュアルピニオンタイプの電動パワーステアリング装置であってもよい。

0045

その他、本発明は、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。

0046

1…ステアリング装置、3…ラック軸、5…ピニオン軸、8…ハウジング、30…付勢部材、40…封止部材、47…開口、50…弾性栓体、51…弾性変形部、52…閉塞部、54…第1当接部、55…第2当接部、60…筒状部材、C…クリアランス、F1…付勢方向、F2…逆方向、R…径方向、X…ラック軸方向

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