図面 (/)

技術 遊技機

出願人 株式会社三洋物産
発明者 早川勝貴
出願日 2017年9月21日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2017-180804
公開日 2017年12月14日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2017-217528
状態 特許登録済
技術分野 弾球遊技機(パチンコ等)
主要キーワード 介設部材 突設先端 縦長平板状 ボールプランジャ機構 正面部材 外縁部材 突設部材 両アーム体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

遊技機の進行が妨げられることを抑制できる遊技機を提供すること。

解決手段

第2可変入賞装置66の最前面変位部材664が配設され、閉塞位置および開放位置に配置された回転体663が正面視において視認不能とされる。よって、第2特定入賞口66aが所定時間、所定回数解放される特別遊技状態が形成された場合に、回転体663の開閉動作遊技者から視認不能に遮蔽することができる。その結果、打ち出しの停止のタイミングを把握し難くして、球の打ち出しが停止されることにより遊技が一時的に止まることを抑制することができる。

概要

背景

パチンコ機等の遊技機において、入賞口と、その入賞口への入賞を許容する開放位置および入賞口への入賞を規制する閉塞位置の間で変位される開閉部材とを備えた遊技機が知られている(特許文献1)。

概要

遊技機の進行が妨げられることを抑制できる遊技機を提供すること。第2可変入賞装置66の最前面変位部材664が配設され、閉塞位置および開放位置に配置された回転体663が正面視において視認不能とされる。よって、第2特定入賞口66aが所定時間、所定回数解放される特別遊技状態が形成された場合に、回転体663の開閉動作遊技者から視認不能に遮蔽することができる。その結果、打ち出しの停止のタイミングを把握し難くして、球の打ち出しが停止されることにより遊技が一時的に止まることを抑制することができる。

目的

本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の進行が妨げられることを抑制できる遊技機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

前面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に設けられる入賞口と、その入賞口への入賞を許容する開放位置および前記入賞口への入賞を規制する閉塞位置の間で変位される開閉部材と、を備えた遊技機において、前記開閉部材の前面側に配設され前記開閉部材の少なくとも一部と正面視において重なる正面部材を備えることを特徴とした遊技機。

請求項2

前記正面部材は、変位可能に形成され、その正面部材の変位位置が、前記開閉部材の開閉動作が行われる状態と行われない状態とで異なる変位位置とされることを特徴とする請求項1記載の遊技機。

請求項3

少なくとも前記開閉部材の開閉動作が行われる状態では、前記正面部材が前記開閉部材の変位軌跡全体と正面視において重なることを特徴とする請求項2記載の遊技機。

技術分野

0001

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。

背景技術

0002

パチンコ機等の遊技機において、入賞口と、その入賞口への入賞を許容する開放位置および入賞口への入賞を規制する閉塞位置の間で変位される開閉部材とを備えた遊技機が知られている(特許文献1)。

先行技術

0003

特開2010−131375号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の打ち出しの停止(止め打ち)により、遊技の進行が妨げられるという問題点があった。

0005

本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の進行が妨げられることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、前面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に設けられる入賞口と、その入賞口への入賞を許容する開放位置および前記入賞口への入賞を規制する閉塞位置の間で変位される開閉部材と、を備えたものであり、前記開閉部材の前面側に配設され前記開閉部材の少なくとも一部と正面視において重なる正面部材を備える。

0007

請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記正面部材は、変位可能に形成され、その正面部材の変位位置が、前記開閉部材の開閉動作が行われる状態と行われない状態とで異なる変位位置とされる。

0008

請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、少なくとも前記開閉部材の開閉動作が行われる状態では、前記正面部材が前記開閉部材の変位軌跡全体と正面視において重なる。

発明の効果

0009

請求項1記載の遊技機によれば、遊技の進行が妨げられることを抑制することができる。

0010

請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技の興趣を確保することができる。

0011

請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技の進行が妨げられることを抑制することができる。

図面の簡単な説明

0012

第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
第2可変入賞装置の正面斜視分解図である。
(a)は、回転体が閉塞位置に配置された状態における第2可変入賞装置の部分拡大断面図であり、(b)は、回転体が開放位置に配置された状態における第2可変入賞装置の部分拡大断面図である。
(a)は、変位部材基準位置に配置された状態における第2可変入賞装置の部分拡大正面図であり、(b)は、変位部材が遮蔽位置に配置された状態における第2可変入賞装置の部分拡大正面図である。
図5(b)のVI−VI線における第2可変入賞装置の断面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
動作ユニットの正面斜視図である。
分解した動作ユニットを正面視した動作ユニットの分解正面斜視図である。
上下スライドユニットの正面図である。
上下スライドユニットの背面図である。
分解した上下スライドユニットを正面視した上下スライドユニットの分解正面斜視図である。
分解した上下スライドユニットを背面視した上下スライドユニットの分解背面斜視図である。
(a)は、変位部材の正面図であり、(b)は、変位部材の背面図である。
(a)は、図15(b)のXVIa−XVIa線における変位部材の部分拡大断面図であり、(b)は、図15(b)のXVIb−XVIb線における変位部材の部分拡大断面図である。
分解した変位部材を正面視した変位部材の分解正面斜視図である。
分解した変位部材を背面視した変位部材の分解背面斜視図である。
分解した上下スライドユニットを正面視した上下スライドユニットの分解正面斜視図である。
分解した上下スライドユニットを背面視した上下スライドユニットの分解背面斜視図である。
背面ベース中間ベース及び正面ベースの正面斜視図である。
背面ベース、中間ベース及び正面ベースの背面斜視図である。
(a)は、組立状態における伝達機構を正面視した伝達機構の正面斜視図であり、(b)は、組立状態における伝達機構を背面視した伝達機構の背面斜視図である。
(a)は、分解状態におけるクランク歯車および第2ラックの正面斜視図であり、(b)は、分解状態におけるクランク歯車および第2ラックの背面斜視図である。
(a)は、変位部材が上昇位置に配置された状態における上下スライドユニットの正面図であり、(b)は、変位部材が上昇位置および下降位置の間に配置された状態における上下スライドユニットの正面図であり、(c)は、変位部材が下降位置に配置された状態における上下スライドユニットの正面図である。
図19の矢印XXVI方向視における伝達機構および背面ベースの正面図である。
図20の矢印XXVII方向視における伝達機構および中間ベースの背面図である。
図26から伝達機構が遷移した状態における伝達機構および背面ベースの正面図である。
図27から伝達機構が遷移した状態における伝達機構および中間ベースの背面図である。
(a)から(c)は、第2ラックおよび第2ピニオンの部分拡大正面図である。
(a)から(c)は、上下スライドユニットの部分拡大正面図である。
分解した他側部材を背面視した他側部材の分解背面斜視図である。
円環形ユニットの正面図である。
円環形成ユニットの背面図である。
他側円環ユニットの正面図である。
他側円環ユニットの背面図である。
分解した他側円環ユニットを正面視した他側円環ユニットの分解正面斜視図である。
分解した他側円環ユニットを背面視した他側円環ユニットの分解背面斜視図である。
背面ベースの正面斜視図である。
(a)は、円環分割体退避位置に配置する姿勢が形成された状態における駆動機構の正面図であり、(b)は、円環分割体を円環形成位置に配置する姿勢が形成された状態における駆動機構の正面図である。
姿勢規定部材の正面斜視図である。
(a)は、図33の矢印XLIIa方向視における円環分割体の部分拡大側面図であり、(b)は、図33の矢印XLIIb方向視における円環分割体の部分拡大側面図であり、(c)は、図42(a)のXLIIc−XLIIc線における円環分割体の部分拡大断面図であり、(d)は、図42(b)のXLIId−XLIId線における円環分割体の部分拡大断面図である。
(a)及び(b)は、円環分割体が退避位置に配置された状態における円環形成ユニットの正面図および背面図であり、(a)及び(b)は、円環分割体が退避位置および円環形成位置の間に配置された状態における円環形成ユニットの正面図および背面図であり、(a)及び(b)は、円環分割体が円環形成位置に配置された状態における円環形成ユニットの正面図および背面図である。
(a)及び(b)は、円環分割体が退避位置および円環形成位置の間に配置された状態における円環形成ユニットの正面図および背面図である。
(a)及び(b)は、円環分割体が円環形成位置に配置された状態における円環形成ユニットの正面図および背面図である。
(a)及び(b)は、第2実施形態における変位部材の部分拡大断面図であり、(c)及び(d)は、ボールジョイント機構による相対変位が形成された状態における変位部材の部分拡大断面図である。
(a)及び(b)は、第3実施形態における変位部材の部分拡大断面図であり、(c)及び(d)は、ゴム状弾性体弾性変形された状態における変位部材の部分拡大断面図である。
(a)は、第4実施形態における変位部材の背面図であり、(b)は、(a)のXLVIIIb−XLVIIIb線における変位部材の部分拡大断面図である。
(a)は、第5実施形態における変位部材の背面図であり、(b)は、図49(a)のXLIXb−XLIXb線における変位部材の部分拡大断面図であり、(c)は、図49(a)のXLIXc−XLIXc線における変位部材の部分拡大断面図である。
(a)及び(b)は、第6実施形態における変位部材の正面図である。
第7実施形態における上下スライドユニットの正面図である。
上下スライドユニットの正面図である。
第8実施形態における上下スライドユニットの正面図である。
上下スライドユニットの正面図である。
第9実施形態における伝達機構および背面ベースの正面図である。
伝達機構および背面ベースの正面図である。
第10実施形態における他側部材の分解背面斜視図である。
(a)及び(b)は、他側部材の背面斜視図である。
第11実施形態における上下スライドユニットの背面図である。
第12実施形態における上下スライドユニットの背面図である。
上下スライドユニットの背面図である。
(a)は、第13実施形態における他側部材の背面図斜視図であり、(b)及び(c)は、付勢ばね姿勢変化の態様を模式的に図示する他側部材の背面模式図である。
(a)は、第14実施形態における上下スライドユニットの背面図であり、(b)は、上下スライドユニットの部分拡大背面図である。
第15実施形態における伝達機構および背面ベースの正面図である。
第16実施形態における伝達機構および背面ベースの正面図である。
伝達機構および背面ベースの正面図である。
(a)は、第17実施形態における円環分割体の部分拡大側面図であり、(b)は、第7実施形態における円環分割体の部分拡大側面図であり、(c)は、図67(a)のLXVIIc−LXVIIc線における円環分割体の部分拡大断面図であり、(d)は、図67(b)のLXVIId−LXVIId線における円環分割体の部分拡大断面図である。
第18実施形態における上下スライドユニット及び円環形成ユニットの正面図である。
上下スライドユニット及び円環形成ユニットの部分断面背面図である。
第19実施形態における上下スライドユニット及び円環形成ユニットの正面図である。

実施例

0013

以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図45を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。

0014

図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。

0015

内枠12には、多数のや入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。

0016

内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。

0017

前面枠14は、装飾用樹脂部品電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側視認可能となっている。

0018

前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図8参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出ステージを変更したり、スーパーリーチ演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。

0019

前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。

0020

また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。

0021

窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣カード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。

0022

上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。

0023

操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回り回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。

0024

下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。

0025

図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。

0026

遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。

0027

遊技盤13の前面には、帯状金属板略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。

0028

2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。

0029

遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図8参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。

0030

また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数エラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態示唆することができる。

0031

尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。

0032

ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。

0033

また、「高確率状態」とは、大当たり終了後付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。

0034

確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。

0035

なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。

0036

遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。

0037

また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、後述する突出動作ユニット400や複合動作ユニット500が動作されると、それらの相対変位部材450や従動部材560の少なくとも一部がセンターフレーム86の開口部内に張り出し、開口部を介して視認可能とされる。例えば、突出動作ユニット400は、第1動作により回転位置に配置されると(図18(a)参照)、相対変位部材450の先端部分がセンターフレーム86の開口部を介して視認可能とされ、第2動作により張出位置に配置されると(図19(b)参照)、相対変位部材450の略全体がセンターフレーム86の開口部を介して視認可能とされる。

0038

第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図8参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図8参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。

0039

第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。

0040

パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。

0041

第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。

0042

なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。

0043

スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。

0044

球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。

0045

なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。

0046

可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図8参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。

0047

一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図8参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。

0048

また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。

0049

第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。

0050

上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。

0051

ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。

0052

よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。

0053

一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。

0054

このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。

0055

第1入賞口64の上方右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。

0056

この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。

0057

可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。

0058

可変入賞装置65の上方には第2可変入賞装置66が配設され、その第2可変入賞装置66には第2特定入賞口66aが設けられている。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間解放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として、第2可変入賞装置66に設けられた回転体663が回転(開閉動作)し、その回転体663の開閉動作により第2特定入賞口66aが所定時間、所定回数解放される特別遊技状態が形成される。ここで、図3から図6を参照して、第2可変入賞装置66の詳細構成について説明する。

0059

図3は、第2可変入賞装置66の正面斜視分解図である。図4は、第2可変入賞装置66の部分拡大断面図であり、図4(a)では回転体663が閉塞位置に配置された状態が、図4(b)では回転体663が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図5は、第2可変入賞装置66の部分拡大正面図であり、図5(a)では変位部材664が基準位置に配置された状態が、図5(b)では変位部材664が遮蔽位置に配置された状態が、それぞれ図示される。

0060

図3から図5に示すように、第2可変入賞装置66は、センターフレーム86の右側外縁に連設される基板部材860と、その基板部材860の正面側に配設される入賞経路カバー661及び正面カバー662と、前記正面カバー662及び基板部材860の対向間に回転可能に配設される回転体663と、正面カバー662の正面側に回転可能に配設される変位部材664と、回転体663及び変位部材664に駆動力を付与するソレノイドユニット665と、を主に備える。

0061

入賞経路カバー661及び正面カバー662は、それぞれ基板部材860の正面との間に所定間隔を隔てて配設される板状の部材であり、それら両カバー661,662の背面と基板部材860の正面との対向間を球が流下可能とされる。なお、入賞経路カバー661は基板部材860の正面における左側領域に、正面カバー662は基板部材860の正面における右側領域に、それぞれ配設される。また、正面カバー662は、光透過性の樹脂材料から形成され、背面を流下する球を遊技者が視認可能とされる。

0062

入賞経路カバー661には、その背面から通路形成壁661aが立設される。通路形成壁661aは、入賞経路カバー661の背面と基板部材860の正面との間に球の通路を形成するための壁部であり、その通路形成壁661aの上端の側方(図4上方の右側)には、球が通過可能な大きさの開口661bが開口形成される。また、通路形成壁661aは、その下端図4下側)が第2特定入賞口66aを越える(通路内に含む)位置まで延設される。

0063

よって、開口661bから入球した球は、通路形成壁661aにより形成された通路に沿って案内され、第2特定入賞口66aに入賞される。なお、第2特定入賞口66aへの入賞は、通路の途中に配設されるセンサ装置861により検出される。

0064

正面カバー662には、その背面から区画壁662aが立設される。区画壁662aは、正面カバー662の背面と基板部材860の正面との間に球の流下領域を区画するための壁部であり、入賞経路カバー661の通路形成壁661a及び回転体663の右側に球の流下領域を区画する。区画壁662aの下方(図4下側)には、球が通過可能な大きさの開口662bが開口形成される。

0065

よって、第2可変入賞装置66へ流入し、上述した開口661b(通路形成壁661aにより形成された通路)に入球しなかった球は、区画壁662aにより区画された流下領域を流下し、開口662bを通過して第2可変入賞装置66へ流出される。

0066

回転体663は、通路形成壁661aにより形成された通路の開口661bを開閉するための部材であり、長手方向一端から他端へ向かうに従って幅が細くなる先細形状長尺体として形成される。回転体663の長手方向一端には軸穴穿設され、その軸穴にはソレノイドユニット665の第1軸665aが嵌合される。なお、ソレノイドユニット665は、第1軸665aを駆動するソレノイド(図示せず)が主制御装置110により制御される。

0067

回転体663は、初期状態では、図4(a)に示すように、開口662bに沿った縦姿勢とされることで、開口662bを閉塞して球の入球を規制する位置(閉塞位置)に配置される一方、ソレノイドユニット665の駆動により第1軸665aが回転され、図4(b)に示すように、開口662bから離間する方向に傾倒した姿勢とされることで、開口662bを開放して球の入球を許容する位置(開放位置)に配置される。

0068

変位部材664は、正面カバー662の正面に略平行に対向配置される板状の部材であり、下方外縁部分に形成された軸穴に、ソレノイドユニット665の第2軸665bが嵌合される。なお、変位部材664は、その正面に塗料メッキなどによる装飾が施され、変位部材664の背面側に位置する回転体663を遊技者が変位部材664を介して視認する(透視する)ことが不能とされる。また、ソレノイドユニット665は、第2軸665bを駆動するソレノイド(図示せず)が、主制御装置110により制御される他の制御装置により制御される。

0069

変位部材664は、初期状態では、図5(a)に示すように、正面カバー662側へ傾倒した姿勢(基準位置)に配置され、閉塞位置に配置された回転体663を覆う(正面視において重なり視認不能とする)。一方、第2特定入賞口66aが所定時間、所定回数解放される特別遊技状態となった場合には、ソレノイドユニット665の駆動により第2軸665bが回転されることで、変位部材664は、図5(b)に示すように、入賞経路カバー661から離間する方向へ傾倒した姿勢(遮蔽位置)に配置される。

0070

遮蔽位置に配置された変位部材664は、閉塞位置に配置された回転体663および開放位置に配置された回転体663の両者を覆う(但し、図5(b)では開放位置に配置された回転体663のみが図示される)。即ち、変位部材664が遮蔽位置に配置されると、閉塞位置から開放位置までの回転体663の移動軌跡全体に対し、変位部材664が正面視において重なり、回転体663の開閉動作を遊技者から視認不能に遮蔽することができる。

0071

ここで、特定入賞口(例えば、本実施形態では、第2特定入賞口66a)への球の入賞が可能な状態および入賞が不可能な状態を、役物の開閉動作(例えば、本実施形態では、回転体663の開口661bに対する変位)により切り替える遊技機が従来から知られているが、かかる遊技機では、遊技者が役物の開閉状態目視して、閉状態とされたタイミングに合わせて球の打ち出しを停止することが可能であった。その結果、遊技が一時的に止まり遊技の進行の妨げになっていた。

0072

これに対し、本実施形態によれば、第2可変入賞装置66の最前面に変位部材664が配設され、その変位部材664が遮蔽位置に配置されることで、上述したように、閉塞位置および開放位置に配置された回転体663を変位部材664によって覆う(正面視において重ねて視認不能とする)ことができる。即ち、第2特定入賞口66aが所定時間、所定回数解放される特別遊技状態が形成された場合に、回転体663の開閉動作を遊技者から視認不能に遮蔽することができる。その結果、打ち出しの停止のタイミングを把握し難くして、球の打ち出しが停止されることにより遊技が一時的に止まることを抑制することができる。

0073

この場合、変位部材664は、回転体663の開閉動作が行われるか否か(即ち、特別遊技状態であるか否か)に応じて、その変位位置を基準位置または遮蔽位置に異ならせるので、変位部材664により遮蔽され、回転体663の開閉動作が行われているか否かを視認できない場合でも、変位部材664の変位位置に基づいて、回転体663の開閉動作が行われている状態(即ち、特別遊技状態)か否かを遊技者に認識させることができる。その結果、回転体663の開閉動作を遊技者に視認させ難くして、止め打ちの抑制を可能としつつ、回転体663の開閉動作が行われる状態(特別遊技状態)であるか否かを認識可能として、遊技の興趣を確保することができる。

0074

また、変位部材664が配設されない場合には、外形が小さな回転体663が視認され、開口661bへ球が入球し難い(第2特定入賞口66aへ入賞され難い)印象を遊技者が持ちやすいところ、上述のように、特別遊技状態では、回転体663よりも外形の大きい変位部材664が遮蔽位置に配置され、その変位部材664の背面側へ球が流入することで、第2特定入賞口66aへの入賞が形成されるので、変位部材664が配設されない場合と比較して、多くの球が入賞している感覚や球が入賞しやすい状態であるとの期待感を遊技者に持たせ、興趣を向上させることができる。

0075

即ち、主制御装置110により制御される回転体663は、軽量化して動作精度を高めるために、小型となるため、従来品では、特別遊技状態が形成され、回転体663が開放位置に配置されても、入球し難い印象を遊技者に与えていたところ、外形が大きな変位部材664に対して球を入球させるので、球が入球しやすい印象を遊技者に与えることができる。

0076

なお、本実施形態では、第2特定入賞口66aが所定時間、所定回数解放される特別遊技状態となった場合に、変位部材664が遮蔽位置に配置されるが、これに加えて、特別遊技状態となっていない場合(即ち、回転体663が閉塞位置に配置されその閉塞位置に維持されている場合)に、変位部材664を遮蔽位置に配置しても良い。回転体663が閉塞位置に配置された状態(即ち、第2特定入賞口66aへ入賞されない状態)であっても、変位部材664が遮蔽位置に配置されていることで、第2可変入賞装置66へ球が流入することに対して、入賞に準じた興趣を遊技者に持たせることができる。

0077

本実施形態では、回転体663は、光透過性の樹脂材料であって、正面カバー662と同一の樹脂材料から形成される。そのため、正面カバー662を介して回転体663を透視する遊技者に対し、回転体663を正面カバー662に溶け込ませて、回転体663の視認性を低下させることができる。

0078

よって、例えば、回転体663と変位部材664との変位のタイミングにずれが生じた場合や、変位部材664の背面側(回転体663)を斜めから遊技者に覗き込まれる場合であっても、回転体663を視認し難くできる。その結果、打ち出しの停止のタイミングを把握し難くでき、球の打ち出しが停止されて遊技が一時的に止まることを抑制することができる。

0079

なお、この場合、回転体663を無色(透明)である光透過性の樹脂材料から形成する一方、正面カバー662を有色(半透明)である光透過性の樹脂材料から形成しても良い。これにより、正面カバー661の背面を流下する球を遊技者に視認可能とする一方で、回転体663を正面カバー661に溶け込ませやすくできるので、回転体663の視認性をより低下させることができる。その結果、打ち出しの停止のタイミングを把握し難くして、球の打ち出しが停止されて遊技が一時的に止まることを抑制することができる。

0080

ここで、変位部材664の配設空間について説明する。なお、この説明においては、図3から図5に加え、図6を適宜参照する。図6は、図5(b)のVI−VI線における第2可変入賞装置66の断面図である。なお、図6では、ソレノイドユニット665が断面視されない状態が図示される。

0081

正面カバー662には、外縁部662c(正面視において正面カバー662の上側および右側の外縁部分を形成する部位)から背面側へ向けて凹状に窪む窪み部662dが形成される。また、入賞経路カバー661は、その正面が正面カバー662の窪み部662dの正面と面一となる位置まで背面側へ後退して配設される。これにより、正面カバー662の窪み部662d及び入賞経路カバー661とガラスユニット16との間に配設空間を確保でき、その配設空間を利用して変位部材664を変位(回転)可能に配設することができる。

0082

一方で、このように正面カバー662及び入賞経路カバー661の正面に変位部材664の配設空間を確保すると、その分、正面カバー662及び入賞経路カバー661が背面側へ後退して、両カバー661,662と基板部材860との対向間隔が狭くなるため、球が流下するための空間を確保できなくなる。

0083

これに対し、本実施形態によれば、基板部材860には、外縁部860c(正面視において基板部材860の上側、下側および右側の外縁部分を形成する部位)から背面側へ向けて凹状に窪む窪み部860dが形成され、この窪み部860dが、正面カバー662の窪み部662d及び入賞経路カバー661(詳細には、正面カバー662の区画壁662aに区画された流下領域および入賞経路カバー661の通路形成壁661aにより形成された通路に対応する領域)に対面される。これにより、正面カバー662の窪み部662d及び入賞経路カバー661と基板部材860の窪み部86cとの間に空間を確保することができ、その空間を利用して球を流下させることができる。

0084

特に、本実施形態では、正面カバー662及び基板部材860の全体を背面側へ後退させるのではなく、その一部(窪み部662d,860d)のみを部分的に後退させるので、図6に示すように、外縁部662c,860c及び窪み部662d,860dによる段差を第2可変入賞装置66の上端側に形成することができる。よって、第2可変入賞装置66に球が流入されると、段差によって球に背面側への変位を付与して、球の流下速度を低下させることができる。これにより、回転体663が開放位置に配置された状態において(図4(b)参照)、第2可変入賞装置66に流入され回転体663に衝突した球を通路形成壁661aの開口661bへ安定して入球させることができる。

0085

ここで、基板部材860の外縁部860cのうちの正面視において基板部材860の上側の外縁部分を形成する部位には、その正面に凹凸部860c1が形成される。凹凸部860c1は、山(凸条)と谷(凹溝)とが交互に配設されることで断面鋸刃状に形成される部位であり、凸条および凹溝の延設方向が、下方(図4下側)へ向かうに従って通路形成壁661aの開口661b側(図4左側)へ近接する方向に傾斜される。

0086

よって、第2可変入賞装置66に複数の球が流入された場合でも、それら複数の球が段差を通過する前に、凹凸部860c1における凸条または凹溝の側面との当接により、各球の流下方向をそれぞれ同方向へ整流することができる。特に、本実施形態では、凸条または凹溝の延設方向が、通路形成壁661aの開口661bへ向けて傾斜されるので、各球を通路形成壁661aの開口661bへ向かう方向へ整流することができる。これにより、複数の球が通路形成壁661aの開口661bへ入球される場合でも、球詰まりさせることなく、通路形成壁661aにより形成される通路に沿って球を流下させることができる。

0087

図2に戻って説明する。可変入賞装置65の下方であって、遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。

0088

遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,66a,640,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。

0089

遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。

0090

図7はパチンコ機10の背面図である。図7に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板払出制御装置111)と発射制御基板発射制御装置112)と電源基板電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。

0091

裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。

0092

なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。

0093

また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。

0094

払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホール島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。

0095

また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイド発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。

0096

次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。

0097

主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラム固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路タイマ回路データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。

0098

なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。

0099

RAM203は、各種エリアカウンタフラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。

0100

停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。

0101

主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。

0102

また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。

0103

払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。

0104

払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。

0105

払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。

0106

発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。

0107

音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。

0108

音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータ420,530,630が含まれる。

0109

音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。

0110

また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。

0111

表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。

0112

電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図7参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルト電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。

0113

停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。

0114

RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図7参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。

0115

次いで、図9及び図10を参照して、動作ユニット200について説明する。図9は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図10は、分解した動作ユニット200を正面視した動作ユニット200の分解正面斜視図である。

0116

図9及び図10に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース210を備え、その背面ケース210の内部空間に、上下スライドユニット300及び円環形成ユニット400が順に重ね合わされた積層状態で収納されると共に、最前面に装飾カバー500が覆設される。

0117

背面ケース210は、底壁部211及びその底壁部211の外縁から立設される外壁部212を備え、これら各壁部211,212により一面側(図10紙面左手前側)が開放された箱状に形成される。背面ケース210の底壁部211には、その中央に矩形状の開口211aが開口形成され、背面ケース210が正面視矩形の枠状に形成される。なお、開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。

0118

上下スライドユニット300は、長尺状の変位部材310と、所定間隔を隔てて配設され変位部材310の長手方向一側および他側をそれぞれ案内可能に支持する一側部材320L及び他側部材320Rと、それら一側部材320L及び他側部材320Rの下端間に介設される介設部材370とを主に備え、一側部材320L及び他側部材320Rと介設部材370とが背面ケース210の底壁部211にそれぞれ配設される。変位部材310は、介設部材370と平行な姿勢を維持しつつ、上下方向(一側部材320L及び他側部材320Rの長手方向)に沿って変位される。

0119

円環形成ユニット400は、一側円環ユニット410L及び他側円環ユニット410Rからなり、これら一側円環ユニット410L及び他側円環ユニット410Rが、上下スライドユニット300の一側部材320L及び他側部材320Rの正面(前面)側にそれぞれ配設される。各円環ユニット410L,410Rには、上下一対の円環分割体440L1〜440R2がそれぞれ変位可能に配設される。円環分割体440L1〜440R2は、円環形状を周方向四分割した形状に形成され、これら各円環分割体440L1〜440R2が中央位置まで変位されると、互いの分割面どうしが当接され、円環形状が形成される(図45参照)。

0120

装飾カバー500は、背面ケース210における外壁部212の立設端面に取り付けられ、円環形成ユニット400の正面(前面)側に配設される。即ち、装飾カバー500は、背面ケース210の外壁部212に沿う部分のみに部分的に覆設され、上下スライドユニット300及び円環形成ユニット400を遊技者から遮蔽する一方、開口211a(即ち、第3図柄表示装置81)を遊技者に視認可能に露出させる。

0121

このように構成される動作ユニット200のうちの上下スライドユニット300及び円環形成ユニット400の詳細構成について、以下に説明する。まず、図11から図32を参照して、上下スライドユニット300の詳細構成について説明する。

0122

図11は、上下スライドユニット300の正面図であり、図12は、上下スライドユニット300の背面図である。また、図13は、分解した上下スライドユニット300を正面視した上下スライドユニット300の分解正面斜視図であり、図14は、分解した上下スライドユニット300を背面視した上下スライドユニット300の分解背面斜視図である。

0123

図11から図14に示すように、上下スライドユニット300は、変位部材310の長手方向一側および他側に第1ラック315が互いに平行な姿勢で配設され、組み立て状態では、これら各第1ラック315が、一側部材320L及び他側部材320Rにそれぞれ配設される各第1ピニオン351に歯合される。また、変位部材310は、その長手方向一側および他側が案内棒Pに摺動可能に連結され、組み立て状態では、案内棒Pが、その軸心方向を一側部材320L及び他側部材320Rの長手方向に一致させた姿勢で一側部材320L及び他側部材320Rに配設(固定)される。

0124

よって、上下スライドユニット300は、駆動モータ341の駆動力により第1ピニオン351が回転され、その回転により第1ラック315が直線運動されると、その直線運動に伴って、変位部材310が、案内棒Pに案内されつつ、一側部材320L及び他側部材320Rの長手方向に沿って変位される(図25参照)。ここで、変位部材310の詳細構成について、図15から図18を参照して説明する。

0125

図15(a)は、変位部材310の正面図であり、図15(b)は、変位部材310の背面図である。図16(a)は、図15(b)のXVIa−XVIa線における変位部材310の部分拡大断面図であり、図16(b)は、図15(b)のXVIb−XVIb線における変位部材310の部分拡大断面図である。また、図17は、分解した変位部材310を正面視した変位部材310の分解正面斜視図であり、図18は、分解した変位部材310を背面視した変位部材310の分解背面斜視図である。

0126

図15から図18に示すように、変位部材310は、正面視横長矩形の長尺状に形成される本体部311と、その本体部311の長手方向中央において正面へ向けて突設される円筒状の回転ベース312と、その回転ベース312に回転可能かつ同心に支持される正面視円形の回転体313と、本体部311の長手方向一側および他側にそれぞれ変位可能に連結される端側部314と、その端側部314の背面に締結固定される第1ラック315とを主に備える。

0127

本体部311には、その長手方向一側および他側における背面から上下一対の突設ピン311aがそれぞれ突設される。突設ピン311aは、本体部311に端側部314を変位可能に連結するための部位であり、断面円形円柱状に形成され、端側部314の長穴314aに挿通される。

0128

上下一対の突設ピン311aは、本体部311の長手方向に直交する方向(図15(b)上下方向)に沿って配置され、本体部311の長手方向一側における突設ピン311aと長手方向他側における突設ピン311aとは、体部311の長手方向(図15(b)左右方向)に沿って配置される。

0129

また、本体部311には、その長手方向一側および他側における端面(図15(a)左側面および右側面)にストッパ面311bが形成される。ストッパ面311bは、本体部311と端側部314との間の相対変位を規定の範囲内に規制するための部位であり、本体部311の長手方向に垂直な平坦面として形成される。

0130

回転ベース312の内部には、駆動モータ及び歯車機構(いずれも図示せず)が配設され、駆動モータの回転駆動力が歯車機構により回転体313へ伝達されることで、回転体313が回転ベース312(本体部311)に対して相対的に回転される。なお、回転ベース312は、本体部311に固着される。よって、後述するように、回転ベース312が他の部材により保持されることで、端側部314に対する本体部311の変位を規制できる(例えば、図69参照)。

0131

端側部314には、長穴314aと、ストッパ面314bと、スライダ保持部314cとが形成される。長穴314aは、本体部311の各突設ピン311aを受け入れるための上下一対の貫通穴であり、正面視長円形状の穴として形成される。長穴314aは、その長円形状の長径方向を、端側部314が案内棒Pに沿って摺動する方向に直交する方向(即ち、変位部材310の長手方向であって、一側部材320L及び他側部材320Rを結ぶ方向、図15(b)左右方向)に沿わせる姿勢で形成される。

0132

この場合、本体部311の突設ピン311aと端側部314の長穴314aとの間には、円筒状の筒部およびその筒部の外周面から径方向外方フランジ状張り出すフランジ部とからなるカラーCが介設される。カラーCは、筒部の内径が本体部311の突設ピン311aの外径と同等または若干大きな寸法に設定され、筒部の外径が端側部314の長穴314aにおける短径と同等または若干小さな寸法に設定されると共に、フランジ部の外径が端側部314の長穴314aにおける長径よりも大きな寸法に設定される(図16参照)。

0133

これにより、後述するように、本体部311の突設ピン311aが、カラーCを介して、端側部314の長穴314a内でその長穴314aの長径方向(図16(a)左右方向)に沿って変位可能とされる。即ち、本体部311を端側部314に対して相対変位させることができる(図31参照)。なお、このように、カラーCを介設することで、突設ピン311aと長穴314aとの間でカラーCが転動するので、相対変位をスムーズに行わせることができると共に、摩耗を抑制して耐久性の向上を図ることができる。

0134

ストッパ面314bは、本体部311と端側部314との間の相対変位を規定の範囲内に規制するための部位であり、平坦面として形成されると共に、組み立て状態(本体部311及び端側部314が連結された状態)において、本体部311のストッパ面311bに所定間隔を隔てて対向する位置に形成される。

0135

なお、本体部311及び端側部314のストッパ面311b,314bは、本体部311の各突設ピン311aが端側部314の各長穴314aにおける長径方向の中央に位置する場合(即ち、図15(a)に示すように、左右の端側部314に対して本体部311が傾斜せず平行な姿勢にある場合)に、互いに平行な姿勢で対向する。

0136

また、この平行な姿勢を維持しつつ、各突設ピン311a(カラーC)が各長穴314aにおける長径方向一側(図15(a)左側)の終端または長径方向他側(図15(a)右側)の終端まで変位した場合には、本体部311の長手方向一側および他側の両者において、ストッパ面311b,314bが所定の間隔を隔てて対向する(ストッパ面311b,314bどうしの間に隙間が形成される)。

0137

第1ラック315には、ラック部315aと、スライダ保持部315cとが形成される。ラック部315aは、平板状の部材の側面に歯切りがされたラックとして形成され、一側部材320L及び他側部材320Rの第1ピニオン351(図13参照)に歯合される部位であり、組み立て状態では、歯面を案内棒Pの軸心に平行とする姿勢で配設される。

0138

スライダ保持部315cは、端側部314のスライダ保持部314cとの間でスライダSを保持するための部位である。これら端側部314のスライダ保持部314c及び第1ラック315のスライダ保持部314cは、円筒を縦に二分割した形状にそれぞれ形成され、組み立て状態(端側部314に第1ラックが締結固定された状態)において、その対向間(円筒の内周面間)にスライダSを保持する。

0139

スライダSは、案内棒Pに外嵌されてその案内棒Pの軸方向に沿って摺動する円筒状の部材であり、その外径が、スライダ保持部314c,315cの内径に対応する寸法に設定される。スライダ保持部314c,315cの内周面からは、上下一対の係止壁内方へ向けて張り出されており、組み立て状態では、それら上下一対の係止壁がスライダSの軸方向端面に当接して、スライダSの軸方向への抜け止めとされる。

0140

このように、端側部314及び第1ラック315と案内棒Pとの間にスライダSを介設する構造とすることで、スライダSを、真鍮製の案内棒Pに対して摺動性耐摩耗性に優れる素材から形成できる一方、端側部314及び第1ラック315の素材を真鍮製の案内棒Pとは無関係に設定することができる。即ち、端側部314は、本体部311の相対変位をストッパ面314cにより規制する部材であるため、その規制の際の剛性を確保できる素材が選択できることが有効となる。一方、第1ラック315は、第1ピニオン351に歯合されその回転駆動力を受けて直線運動される部材であるため、歯合状態を維持するための剛性を確保できる素材が選択できることが有効となる。

0141

図11から図14に戻って説明する。上下スライドユニット300は、上述したように、一側部材320L及び他側部材320Rに配設される第1ピニオン351がそれぞれ回転されることで、変位部材310の長手方向一側および他側に配設される第1ラック315がそれぞれ直線運動され、これにより、変位部材310が、一側部材320L及び他側部材320Rにそれぞれ固定される案内棒Pに沿って案内されつつ、上下方向にスライド変位される。ここで、一側部材320L及び他側部材320Rの詳細構成について、図19から図24を参照して説明する。

0142

図19は、分解した上下スライドユニット300を正面視した上下スライドユニット300の分解正面斜視図であり、図20は、分解した上下スライドユニット300を背面視した上下スライドユニット300の分解背面斜視図である。

0143

なお、一側部材320L及び他側部材320Rは、若干の形状の相違を有するが、技術的機能を発揮する部分については、左右対称(互いの対向間中央に位置する仮想平面に対して面対称)に形成され、その構成は実質同一であるので、以下においては、他側部材320Rを代表例として説明し、一側部材320Lについての説明は省略する。

0144

図19及び図20に示すように、他側部材320Rは、背面ベース331と、その背面ベース331の正面(前面)側に覆設される中間ベース332と、その中間ベース332の正面(前面)側に覆設される正面ベース333と、中間ベース332に取着される駆動モータ341と、その駆動モータ334の駆動力により回転される第1ピニオン351と、その第1ピニオン351へ駆動モータ334の駆動力を伝達するための伝達機構とを主に備えて形成される。ここで、背面ベース331、中間ベース332及び正面ベース333の詳細構成について、図21及び図22を参照して説明する。

0145

図21は、背面ベース331、中間ベース332及び正面ベース333の正面斜視図であり、図22は、背面ベース331、中間ベース332及び正面ベース333の背面斜視図である。

0146

図21及び図22に示すように、背面ベース331は、縦長の長尺状に形成される本体部分とその本体部分の下端から側方へ張り出す張出部分とから正面視略L字状に形成され、駆動モータ341の駆動力を第1ピニオンへ伝達するための伝達機構(図19及び図20参照)を中間ベース部材332との間に収容する。

0147

背面ベース331には、その本体部分の正面(中間ベース332との対向面)からピニオン軸331a及びラック軸331bが突設されると共に、本体部分および張出部分に第1開口331c及び第2開口331dがそれぞれ開口形成される。

0148

ピニオン軸331aは、第1ピニオン351(図23参照)を回転可能に軸支するための断面円形の軸状体であり、ラック軸331bは、第2ラック364の案内溝364a(図23参照)に挿通され第2ラック364の姿勢を規制するための断面円形の軸状体である。なお、ピニオン軸331aの端面にはねじが締結され、そのねじの頭部が第1ピニオン351の抜け止めとされる。また、ラック軸331bの直径は、第2ラック364の案内溝364aの溝幅と同等または若干小さい寸法に設定され、第2ラック364がラック軸331bを中心として回転可能とされる。

0149

また、ラック軸331bは、背面ベース331と中間ベース332との組み立て状態において、中間ベース332のギヤ軸332iに対面する位置に配設される。詳細には、ラック軸331bの配設位置は、そのラック軸331bの軸心とギヤ軸332iの軸心とを結ぶ方向が、第2ラック364の直線運動の方向と直交する位置に設定される。これにより、後述するように、ラック軸331bに案内溝364aが案内される第2ラック364を、ギヤ軸332iに軸支される第2ピニオン365aの歯面に沿って変位可能な状態とできる(図30参照)。

0150

第1開口331c及び第2開口331dは、それぞれ直線状に延設される開口であり、屈曲した姿勢で配設される付勢ばね366(図26参照)に対応する領域(正面視において付勢ばね366に重なる領域)に形成される。よって、付勢ばね366を装着する際には、付勢ばね366を背面ベース331及び中間ベース332の間に収容した後に、第1開口331c又は第2開口331dを介して、付勢ばね366の端部を相手部材係止させる作業を行うことができるので、付勢ばね366が弾かれる(自身の弾性回復力で飛び跳ねる)ことを抑制しつつ、屈曲した姿勢での装着を実施できる。付勢ばね366の装着作業については後述する(図32参照)。

0151

なお、付勢ばね366はコイルスプリングであり、外周面が円弧状に湾曲されるので、第1開口331c及び第2開口331dの開口幅は、付勢ばね366の直径よりも小さい寸法とすることが好ましい。端部の係止および摺動抵抗の抑制を可能としつつ、背面ベース331の剛性の低下を抑制できるからである。

0152

中間ベース332は、背面ベース331に対応した形状に形成される。即ち、中間ベース332は、縦長の長尺状に形成される本体部分とその本体部分の下端から側方へ張り出す張出部分とから正面視略L字状に形成され、中間ベース部材332の正面(前面)側に覆設されることで、互いの対向間に形成される空間内に伝達機構を収容する。

0153

中間ベース332には、その本体部分に第1ピニオン挿通窓332a及びモータ軸挿通窓332bが開口形成されると共に、本体部分の背面(背面ベース331との対向面)から複数のギヤ軸332c〜332i及びローラー軸332rが突設される。第1ピニオン挿通窓332aは、背面ベース331のピニオン軸331aに軸支された第1ピニオン351を、中間ベース332の正面(前面)側に露出させるための開口であり、これにより、第1ピニオン351を変位部材310の第1ラック315に歯合させることができる(図25参照)。

0154

モータ軸挿通窓332bは、中間ベース332の正面(前面)に取着された駆動モータ341の駆動軸を、背面ベース331及び中間ベース332の対向間に収容された伝達機構の歯車361に連結させるための開口である。また、複数のギヤ軸332c〜332iは、伝達機構の歯車362a〜362e、クランク歯車363及び伝達歯車365をそれぞれ回転可能に軸支するための断面円形の軸状体である。なお、ギヤ軸332c〜332iの端面にはねじが締結され、そのねじの頭部が伝達機構の歯車362a〜362e、クランク歯車363及び伝達歯車365の抜け止めとされる。

0155

ローラー軸332rは、伝達機構のローラー367(図23参照)を回転可能に軸支するための断面円形の筒状体である。なお、ローラー軸332rに軸支されたローラー367は、背面ベース331及び中間ベース332の対向面により保持される(対向面が抜け止めとされる)。

0156

また、中間ベース332には、その本体部分の背面(背面ベース331との対向面)に左右一対規制壁332tが突設されると共に、本体部分の正面(正面ベース333との対向面)に上下一対の保持凹部332j,332kが形成され、張出部分の正面(正面ベース333との対向面)に連結軸332mが突設される。

0157

規制壁332tは、第2ラック364の姿勢を規制するための部位であり、所定間隔を隔てて一対が形成される。一対の規制壁332tの対向間隔は、第2ラック364の幅寸法よりも大きくされており、第2ラック364の側面との間に隙間を有するように形成される。よって、その隙間の分、第2ラック364を、ラック軸331bを中心として回転させることができる(図30参照)。

0158

保持凹部332j,332kは、案内棒Pの上端側および下端側をそれぞれ保持するための部位であり、案内棒Pの長さ寸法と同等の距離だけ上下方向(図21上下方向)に離間して位置すると共に、正面ベース333側が開放した凹部として形成される。かかる凹部の深さ及び幅は、案内棒Pの直径と同等または若干大きな寸法に設定される。よって、保持凹部332j,332kに案内棒Pを嵌め入れ、正面ベース333を中間ベース332に覆設(締結固定)することで、正面ベース333の背面と保持凹部332j,332kとの間で案内棒Pを挟み込み、案内棒Pを強固に保持することができる。

0159

これにより、正面ベース333を除く状態で他側部材320Rを組み立てると共に、案内棒Pを変位部材310に保持させ、その変位部材310が保持する案内棒Pを保持凹部332j,332kに嵌め入れて、正面ベース333を装着(締結固定)することで、他側部材320Rと変位部材310との連結を行うことができる。よって、上下スライドユニット300の組み立て作業を効率化できる。

0160

連結軸332mは、介設部材370との連結部分となる断面円形の軸状体であり、介設部材370の連結板371における連結穴に回転可能に挿通されることで、他側部材320Rに介設部材370が連結される。即ち、他側部材320Rと介設部材370とは相対位置を調整可能な状態で連結される。これにより、後述するように、上下スライドユニット300を背面ケース210に取り付ける際には、取付位置を調整しつつ取り付け作業を行うことができるので、その作業性の向上を図ることができる。

0161

次いで、図23を参照して、伝達機構および第1ピニオン351の詳細構成について説明する。図23(a)は、組立状態における伝達機構を正面視した伝達機構の正面斜視図であり、図23(b)は、組立状態における伝達機構を背面視した伝達機構の背面斜視図である。

0162

図23(a)及び図23(b)に示すように、伝達機構は、駆動モータ341の駆動軸に接続される歯車361と、その歯車361に先頭の歯車(歯車362a)が歯合される歯車列としての歯車362a〜362eと、その歯車列の後尾の歯車362eに歯合されるクランク歯車363と、そのクランク歯車363のクランク機構により駆動される第2ラック364と、その第2ラック364に歯合される伝達歯車365と、第2ラック364に付勢力を付与するための付勢ばね366と、その付勢ばね366を屈曲した姿勢とするためのローラー367とを備えて形成される。

0163

ここで、クランク歯車363及び第2ラック364の詳細構成について、図24を参照して説明する。図24(a)は、分解状態におけるクランク歯車363及び第2ラック364の正面斜視図であり、図24(b)は、分解状態におけるクランク歯車363及び第2ラック364の背面斜視図である。

0164

図24(a)及び図24(b)に示すように、クランク歯車363には、回転中心から偏心した位置に偏心ピン363aが突設されると共に、その偏心ピン363aが突設される側とは反対側から被検出部363bが突設される。偏心ピン363aは、断面円形の円柱状に形成され、組立状態において、第2ラック364のラック溝364bに挿通される。被検出部363bは、センサ装置(図示せず)により検出される部位であり、センサ装置は、その検出部による被検出部363bの検出/非検出に応じて、クランク歯車363の回転位置(位相)を検出する。この検出結果により、変位部材310が上昇位置(図25(a)参照)又は下降位置(図25(c)参照)に配置されたことを主制御装置110に認識させることができる。

0165

第2ラック364には、案内溝364aとラック溝364bとが形成される。案内溝364aは、背面ベース331のラック軸331b(図21参照)が挿通される開口であり、ラックの歯面と平行な方向(図24(a)及び図24(b)上下方向)へ直線状に延設される。

0166

ラック溝364bは、クランク歯車363の偏心ピン363aが挿通される凹溝であり、ラックの歯面と垂直な方向へ直線状に延設される。なお、ラック溝364bの溝幅は、偏心ピン363aの直径と同等または若干大きな寸法に設定され、クランク歯車363の回転に伴って、偏心ピン363aがラック溝364bに沿って摺動可能とされる。

0167

ラック溝364bは、ラックの歯面と垂直な方向(即ち、第2ラック364の直線運動方向に直交する方向)に直線状に延設されるので、後述するように、クランク歯車363の偏心ピン363aから第2ラック364のラック溝364bに作用される力成分に第2ラック364の直線運動方向以外の成分が発生することを抑制でき、その分、第2ラック364を直線運動させる際の抵抗を抑制できる。

0168

図23(a)及び図23(b)に戻って説明する。伝達歯車365は、第2ラック364のラックに歯合される第2ピニオン365aと、第1ピニオン351に歯合される増速部365bとを備え、これら第2ピニオン365a及び増速部365bが同心状態で一体化して形成される。

0169

付勢ばね366は、金属製のコイルスプリングであり、一端が第2ラック364の下端に、他端が中間ベース332の張出部分の端部に、それぞれ係止される。付勢ばね366は、第2ラック364が可動範囲の下端に位置する状態において、弾性的に引張変形された状態とされ、その弾性回復力を付勢力として第2ラック364に付与すると共に、第2ラック364が可動範囲の下端から上端へ向けて変位されると、その変位に伴い更に引張変形されることで、第2ラックへ付与する付勢力を徐々に増加させ、第2ラック364が可動範囲の上端に達すると、最も引張変形された状態となり、最大の付勢力を第2ラック364へ付与する。

0170

付勢ばね366は、後述するように、第2ラック364にその第2ラック364の直線運動の方向と非平行となる方向(傾斜方向)へ付勢力を付与するところ(図26から図29参照)、かかる付勢ばね366をコイルスプリングから形成することで、付勢力の付与方向を第2ラック364の直線運動の方向と非平行とする構造を簡素化できる。また、第2ラック364の変位に応じた付勢力を連続的に付与できるので、第2ラック364を安定して付勢することができる。

0171

ローラー367は、中間ベース332のローラー軸332r(図22参照)に回転可能に軸支される円筒状の円筒部367aと、その円筒部367aの外周面から径方向外方へフランジ状に張り出すフランジ部367bとを備え、円筒部367aの外周面を、付勢ばね366の一端と他端との間に当接させることで、かかる付勢ばね366の屈曲した姿勢を形成する。

0172

図11から図14に戻って説明する。介設部材370は、正面視横長の長尺状に形成され、上述したように、一側部材320L及び他側部材320Rの下端間に介設される。詳細には、介設部材370には、その下面(図11下側面)から平板状の連結板671が一対垂下されると共に、各連結板671には、正面視円形の連結穴がそれぞれ1ずつ貫通形成され、中間ベース332の張出部分から突設される連結軸332mを連結板671の連結穴に挿通させることで、介設部材370が一側部材320L及び他側部材320Rの間に介設される。

0173

なお、連結軸332mの端面にはねじが締結され、そのねじの頭部が連結板671の抜け止めとされる。この場合、連結板671における連結穴の内径は、連結軸332mの直径と同等または若干大きな寸法に設定されると共に、連結板671の板厚は、連結軸332mの突設高さよりも若干小さな寸法に設定される。よって、介設部材370と一側部材320L及び他側部材320Rとの連結部分は、連結板671が連結軸332mに回転可能に軸支された状態とされる。

0174

以上のように、上下スライドユニット300は、一側部材320L及び他側部材320Rの長手方向(図11上下方向)に沿って変位部材310が変位可能に形成される。即ち、変位部材310は、その長手方向一側(図11左側)及び他側(図11右側)が一側部材320L及び他側部材320Rにそれぞれ案内可能に形成され、駆動モータ341の駆動力が付与されることで、一側部材320L及び他側部材320Rの長手方向に沿って変位される。

0175

従来、このようなユニット(即ち、一側部材320L及び他側部材320Rの間に変位部材310が架設された構造体)では、ユニット全体としての剛性が低く、破損を招きやすかった。即ち、変位部材310に対して、一側部材320L及び他側部材320Rが変形しやすいため(例えば、正面視において、互いに平行な姿勢にあるべき一側部材320L及び他側部材320Rが、「ハの字」状または「逆ハの字」状に変形される、或いは、側面視において、互いに平行な姿勢にあるべき一側部材320L及び他側部材320Rが「V字」状に変形される)、一側部材320L及び他側部材320Rと変位部材310との連結部分に荷重が集中して破損しやすい。そのため、例えば、かかるユニットを搬送する搬送工程や相手部材へユニットを取り付ける取付工程において、一側部材320L及び他側部材320Rが変位部材310に対して「ハの字」状や「V字」状に変形しないように取り扱うことが必要となり、作業性の悪化を招いていた。

0176

これに対し、本実施形態における上下スライドユニット300によれば、一側部材320L及び他側部材320Rの間に介設される介設部材320を備えるので、ユニット全体を枠状として、その剛性の向上を図ることができる。即ち、一側部材320L及び他側部材320Rが変位部材310に対して「ハの字」状や「V字」状に変形することを抑制できる。よって、ユニット状態における取り扱いを容易とすることができ、搬送工程や取付工程における作業性の向上を図ることができる。

0177

一側部材320L及び他側部材320Rには、それぞれ真鍮製の案内棒Pが固着されると共に、その案内棒Pに変位部材310の両端部(第1ラック315及び端側部314のスライダ保持部314c)が連結されるので、案内棒Pを介して変位部材310と一側部材320L及び他側部材320Rとを連結させることができ、これにより、変位部材310と一側部材320L及び他側部材320Rと介設部材370との閉じた連結ループを形成できる。

0178

即ち、従来品(即ち、本実施形態に対し案内棒Pを有さない形態)では、変位部材310の第1ラック315と一側部材320L及び他側部材320Rの第1ピニオン351との間で連結ループが分断され、変位部材310と一側部材320L及び他側部材320Rとが非連結とされる。これに対し、本実施形態によれば、変位部材310と一側部材320L及び他側部材320Rとを案内棒Pを介して連結させる(閉じた連結ループを形成する)ことができる。よって、上下スライドユニット300全体としての剛性を高めることができる。また、案内棒Pが一側部材320L及び他側部材320Rに固着されることで、その分、一側部材320L及び他側部材320Rの剛性が向上される。この点も上下スライドユニット300全体としての剛性を高めることに寄与する。

0179

変位部材310は、本体部311と端側部314(及び第1ラック315)とが相対変位可能に連結されることで、後述するように、一側部材320Lによる案内と他側部材320Rによる案内との間にずれ(即ち、一側部材320Lの第1ピニオン351に駆動される第1ラック315の直線運動の進度と、他側部材320Rの第1ピニオン320Rの第1ピニオン351に駆動される第1ラック315の直線運動の進度との間にずれ)が生じた場合でも、そのずれを上記相対変位により吸収して、変位部材310を安定して変位させるように形成される(図31参照)。

0180

この場合、本実施形態によれば、端側部314及び第1ラック315は、スライダSを介して(即ち、案内棒Pの周囲を取り囲む形態で)案内棒Pに連結され、案内棒Pの軸直角方向(径方向)のうちのいずれの方向へもその変位が規制されるので、変位部材310がスライド変位される際の端側部314及び第1ラック315の姿勢を安定化できる。これにより、変位部材310一側部材320Lによる案内と他側部材320Rによる案内との間にずれが生じた場合には、本体部311と端側部314及び第1ラック315との間で相対変位を生じやすくでき、かかる相対変位によるずれ吸収の機能を確実に発揮させることができる。

0181

ここで、介設部材370は、上述したように、連結板371の連結孔に連結軸332mが回転可能な状態で挿通されることで、一側部材320L及び他側部材320Rのそれぞれに対して変位(相対回転)可能な状態で連結される。よって、一側部材320L及び他側部材320Rと介設部材370との相対位置を調整することができるので、上下スライドユニット300を背面ケース210へ取り付ける際の作業性の向上を図ることができる。例えば、一側部材320Lを背面ケース210の底壁部211の所定位置に取り付けた後、他側部材320Rが背面ケース210の底壁部211の所定位置に対して位置ずれしている場合でも、その他側部材320Rの位置を所定位置に対して調整することができ、その結果、作業性の向上を図ることができる。

0182

本実施形態では、変位部材310において、本体部311と端側部314及び第1ラック315とが相対変位可能に形成され、かかる相対変位が左右方向(変位部材310の長手方向)を長径方向とする長穴314aを利用する形態であるので、介設部材370と一側部材320L及び他側部材320Rとの間が相対回転可能とされる形態が、上下スライドユニット300全体としての剛性の確保と、取付位置を調整可能とする機能の確保との両立において、特に有効となる。

0183

次いで、図25から図31を参照して、上下スライドユニット300の動作について説明する。なお、上述した通り、以下においては、他側部材320Rを代表例として説明し、一側部材320Lについての説明は省略する。

0184

図25(a)は、変位部材310が上昇位置に配置された状態における上下スライドユニット300の正面図であり、図25(b)は、変位部材310が上昇位置および下降位置の間に配置された状態における上下スライドユニット300の正面図であり、図25(c)は、変位部材310が下降位置に配置された状態における上下スライドユニット300の正面図である。なお、図25(a)から図25(c)では、第1ピニオン351及び第1ラック315を視認可能とするために、正面ベース333が取り外された状態が図示される。

0185

図26は、図19の矢印XXVI方向視における伝達機構および背面ベース331の正面図であり、図27は、図20の矢印XXVII方向視における伝達機構および中間ベース332の背面図である。図28は、図26から伝達機構が遷移した状態における伝達機構および背面ベース331の正面図であり、図29は、図27から伝達機構が遷移した状態における伝達機構および中間ベース332の背面図である。

0186

なお、図26及び図27は、図25(a)に示す変位部材310が上昇位置に配置された状態に対応し、図28及び図29は、図25(c)に示す変位部材310が下降位置に配置された状態に対応する。また、図26及び図28では、第1ピニオン351の図示が省略される。また、伝達歯車365の増速部365bが省略された状態(伝達歯車365が切断され第2ピニオン365aのみが部分的に図示された状態)が図示される。但し、第2ピニオン365aの切断面へのハッチングの付与を省略する。

0187

図25(a)、図26及び図27に示すように、変位部材310が下降位置に配置された状態では、伝達機構は、第2ラック364が可動範囲のうちの最下方(図26及び図27下側)に配置されると共に、付勢ばね366が最も縮んだ状態とされる。かかる状態から、駆動モータ341の駆動力により歯車361が正方向(図26時計回り(右回り))へ回転されると、その歯車361の回転が歯車列(歯車362a〜362e)によりクランク歯車363へ伝達され、クランク歯車363が図26時計回り(右回り)に回転される。

0188

クランク歯車363が図26時計回り(右回り)に回転されると、そのクランク歯車363の偏心ピン363aが第2ラック364のラック溝364bに沿って摺動されることで、第2ラック364が上方(図26上方)へ向けて変位(上昇)され、第2ピニオン365aが図26時計回り(右回り)に回転される。即ち、伝達歯車365が図27反時計回り左回り)に回転される。その結果、伝達歯車365の回転が、増速部365bを介して、第1ピニオン351へ伝達され、第1ピニオン351が正方向(図27時計回り(右回り))に回転される。

0189

この第1ピニオン351の図27時計回り(右回り)の回転は、他側部材320Rにおいて図25(a)反時計回り(左回り)の回転であるので、かかる第1ピニオン351の図25(a)反時計回り(左回り)の回転により、変位部材310の第1ラック315が下方(図25(a)下側)へ向けて変位(下降)される。これにより、図25(b)に示すように変位部材310が下降され、その後、図25(c)に示す下降位置に変位部材310が配置される。

0190

図25(c)に示す下降位置に変位部材310が配置された状態では、図28及び図29に示すように、伝達機構は、第2ラック364が可動範囲のうちの最上方(図28及び図29上側)に配置されると共に、付勢ばね366が最も伸長された状態とされる。かかる状態から、駆動モータ341の駆動力により歯車361が逆方向(図28反時計回り(左回り))へ回転されると、その歯車361の回転が、伝達機構を介して、上述した作用とは逆の作用により、第1ピニオン351に伝達され、第1ピニオン351が逆方向(図27反時計回り(左回り))に回転される。その結果、図25(b)に示すように変位部材310が上昇され、その後、図25(a)に示す上昇位置に変位部材310が配置される。

0191

ここで、本実施形態では、第2ラック364の直線運動を伝達歯車365及び第1ピニオン351へ伝達して回転運動に変換した後、その回転運動を第1ピニオン351から第1ラック315に伝達して直線運動に変換するという2段ラック構造を採用することで、変位部材310(第1ラック315)のストローク量を確保する。このような2段ラック構造では、第2ラック364を直線運動させる構成として、駆動モータ341により回転駆動される第3ピニオンを採用すると、第2ラック364に、第2ピニオン365a用の歯面と第3ピニオン用の歯面とのそれぞれを確保することが必要となり、その分、第2ラック364の長手方向(図26上下方向)寸法の増加を招く。

0192

これに対し、本実施形態では、第2ラック364を直線運動させる構成が、第3ピニオンではなく、クランク機構(クランク歯車363の偏心ピン363a及び第2ラック364のラック溝364b)により形成されるので、第3ピニオン用の歯面を第2ラック364に設けることを不要とでき、その分、第2ラック364の長手方向寸法を抑制することができる。

0193

この場合、ラック溝364bは、第2ラック364の歯面と垂直な方向(即ち、第2ラック364の直線運動方向に直交する方向、図26左右方向)に直線状に延設されるので、クランク歯車363が回転されて偏心ピン363aがラック溝364bを摺動する際に、偏心ピン363aからラック溝364bに作用される力成分に第2ラック364の直線運動方向以外の成分が発生することを抑制でき、その分、抵抗を低減できる。その結果、第2ラック364を直線運動に要するエネルギー消費を抑制できる。

0194

変位部材310が図25(a)に示す上昇位置または図25(c)に示す下降位置に配置されたことの検出は、上述したように、クランク歯車363の被検出部363bをセンサ装置により検出することで行われる。この場合、例えば、第1ラック315や第2ラック364の可動範囲における始端および終端にそれぞれセンサ装置を配設し、それら各センサ装置の検出結果により、変位部材310が上昇位置または下降位置に配置されたことを検出する構造では、第1ラック315や第2ラック364の直線運動における始端と終端という離れた位置にセンサ装置をそれぞれ配設する必要があり、その分、配線が長くなる。配線が長くなると、材料コストが嵩むだけでなく、他の部材との干渉を避けた状態で配線を取り回すことが必要となり、設計の自由度が悪化すると共に、他の部材の動作に巻き込まれることでの断線リスクが高くなる。特に、本実施形態のように、背面ベース331及び中間ベース332の対向間に伝達機構を収容する構造では、他の部材(伝達機構)との干渉を避けながら配線を取り回すことが困難となる。

0195

これに対し、本実施形態ではクランク歯車363に被検出部363bを設け、その被検出部363の回転位置(位相)をセンサ装置により検出することで、変位部材310が上昇位置または下降位置に配置されたことを検出する構造なので、各センサ装置を近接して配設することができる。よって、配線を短くすることができるので、材料コストの削減を図ることができるだけでなく、設計の自由度の向上と断線の発生の抑制とを図ることができる。

0196

ここで、変位部材310を昇降させる構造では、変位部材310に作用する重力の影響により、変位部材310の上昇時に下降時よりも大きな駆動力が必要となる。この場合、本実施形態では、変位部材310が図25(c)に示す下降位置に配置されると、図28及び図29に示すように、付勢ばね366が最も伸長された状態となる。よって、変位部材310を上昇位置へ上昇させる際には、付勢ばね366の付勢力を、変位部材310を上昇させる(即ち、第2ラック364を下方(図28及び図29下側)へ変位させる)ための力として利用できる。即ち、付勢ばね366の付勢力により駆動モータ341の駆動力を補助することができる。

0197

しかしながら、このように、第2ラック364に付勢ばね366の付勢力を付与する構造では、第2ラック364及び第2ピニオン365aの間での駆動力の伝達が不安定になりやすい。即ち、第2ラック364の直線運動を案内する案内機構には、所定の公差が設けられており、その公差の分、案内機構と第2ラック364との間には隙間が存在し、第2ラック364はがたつきを有する。よって、第2ラック364が直線運動する際には、完全に一直線上を変位することはできず、上記公差(隙間)の分、第2ラック364の姿勢に暴れ(第2ピニオン365aへ近接離間する方向へのがたつき)が発生する。そのため、第2ラック364と第2ピニオン365aとの噛み合い(歯合)が安定せず、駆動力の伝達が不安定となる。この場合に、第2ラック364に付勢ばね366から付与される構造において、その付勢力の方向が、第2ラック364の直進運動の方向と一致される場合には、かかる付勢ばね366の付勢力が、第2ラック364の姿勢の暴れを助長させる力として作用される。

0198

これに対し、本実施形態では、図26から図29に示すように、付勢ばね366から第2ラック364に付与される付勢力の方向が、第2ラック364の直線運動の方向に対して非平行とされる(傾斜される)ので、第2ラック364をその第2ラック364を案内する案内機構の一側へ押し付ける方向の力として、付勢ばね366の付勢力を第2ラック364に作用させることができる。その結果、第2ラック364をがたつき難くして、その姿勢の暴れが発生することを抑制できる。

0199

更に、付勢ばね366から第2ラック364に付与される付勢力の方向が、第2ラック364の直線運動の方向に対して非平行とされる(傾斜される)ことで、第2ラック364の姿勢の暴れが一端発生しても、その姿勢の暴れを収束させる方向の力として、付勢ばね366の付勢力を第2ラック364に作用させることができる。よって、第2ラック364及び第2ピニオン365aの噛み合い(歯合)を安定させることができ、その駆動力の伝達を安定化させることができる。

0200

本実施形態では、付勢ばね366の付勢力の付与方向が、第2ラック364の下端側を第2ピニオン365aと反対側(例えば、図26左側)へ向けて付勢する方向へ傾斜される。即ち、付勢力の付与方向が、第2ラック364の歯面を第2ピニオン365aの歯面に近接させる力成分を発生させる方向であるので、これら両歯面の間の隙間を抑制できる。よって、歯面間の隙間によって、第2ラック364から第2ピニオン365aへ駆動力を伝達する際にタイムラグが発生することを抑制でき、応答性の向上を図ることができる。また、停止状態からの駆動力を伝達する直後(噛み合い初期)における歯面どうしの衝突により歯面の摩耗が促進されることや歯面が破損することを抑制できる。更に、歯面が摩耗した際でも、歯面の隙間を詰めることができるので、第2ラック364と第2ピニオン365aとの噛み合い(歯合)状態を一定に維持しやすくできる。

0201

ここで、上述したように、付勢ばね366の付勢力により駆動モータ341の駆動力を補助する構造では、かかる付勢ばね366を配設するためのスペースの確保が困難であった。そのため、付勢ばね366の長さ寸法を所望の付勢力を発揮可能とするための長さ寸法とすることが困難であった。これに対し、本実施形態では、図26から図29に示すように、付勢ばね366を屈曲した姿勢で配設するので、他の部材の干渉を回避しつつ、その長さ寸法を確保することができる。

0202

即ち、本実施形態では、背面ベース331及び中間ベース332を、上述したように、本体部分とその本体部分から張り出す張出部分とから正面視略L字状に形成することで、張出部分を付勢ばね366の配設スペースとして利用して、付勢ばね366の屈曲した姿勢での配設が可能となるだけでなく、背面ベース331及び中間ベース332からなる構造体の剛性を高くすることができるので、変位部材310の変位を安定化できる。更に、張出部分は、背面ベース331及び中間ベース332の下端側から内方へ向けて張り出されるので、介設部材370の下方に形成されるデッドスペースを張出部分の配設スペースとして有効に利用できる。また、かかる張出部分(中間ベース332)の正面に連結軸332mを形成することで、介設部材370との連結作業を容易とでき、作業性の向上を図ることができると共に、介設部材370を介設したことによる上下スライドユニット300全体としての剛性の向上効果を高めることができる。

0203

次いで、図30を参照して、第2ラック364及び第2ピニオン365aの噛み合い(歯合)状態について説明する。

0204

図30(a)から図30(c)は、第2ラック364及び第2ピニオン365aの部分拡大正面図であり、図26に対応する。なお、図30(b)では、図30(a)の状態に対して第2ラック364がラック軸331bを中心として右回りに回転された状態が、図30(c)では、図30(a)の状態に対して第2ラック364がラック軸331bを中心として左回りに回転された状態が、それぞれ図示される。また、図30では、伝達歯車365の増速部365bが省略された状態(伝達歯車365が切断され第2ピニオン365aのみが部分的に図示された状態)が図示される。但し、第2ピニオン365aの切断面へのハッチングの付与を省略する。

0205

上述したように、第2ラック364が直線運動する際には、完全に一直線上を変位することはできず、上記案内機構の公差(隙間)の分、第2ラック364の姿勢に暴れ(第2ピニオン365aへ近接離間する方向(図30(a)左右方向)へのがたつき)が発生する。そのため、第2ラック364と第2ピニオン365aとの噛み合い(歯合)が安定せず、駆動力の伝達が不安定となる。

0206

これに対し、本実施形態では、背面ベース331のラック軸331bは、第2ピニオン365aに対向して配設され、そのラック軸331bが第2ラック364の案内溝364aに回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、第2ラック364が直線運動する際には、図29及び図30に示すように、ラック軸331bを中心として第2ピニオン365aを回転させることができ、かかる第2ラック364の歯面を第2ピニオン365aの歯面に沿って変位させることができる。

0207

即ち、第2ラック364の姿勢が暴れる場合に、その暴れを、第2ピニオン365aへ近接離間する方向(図30(a)左右方向)へのがたつきではなく、第2ピニオン365aの歯面に沿った回転(ラック軸331bを中心とする回転)に規制することができる。これにより、第2ラック364と第2ピニオン365aとの噛み合い(歯合)状態を一定に維持しやすくして、駆動力の伝達を安定化させることができる。

0208

この場合、案内溝364aが第2ラック364の板面内に形成されると共に、ラック軸331bが背面ベース331の第2ラック364に対面する領域に形成されるので、これら案内溝364a及びラック軸331bを第2ラック364の直線運動における軌跡上に配置できる。即ち、第2ラック364を第2ピニオン365aの歯面に沿って変位可能とするための部位(案内溝364a、ラック軸331b)を、第2ラック364の外形の外に形成する必要がなく、第2ラック364の移動のためのスペースであって他の部材を配設できないデッドスペースに配設することができるので、その分、スペース効率の向上を図ることができる。

0209

次いで、図31を参照して、変位部材310の可動機構(本体部311に対して端側部314及び第1ラック315が相対変位可能とされる構造)の動作について説明する。

0210

図31(a)から図31(c)は、上下スライドユニット300の部分拡大正面図である。なお、図31(a)では、左右の端側部314でスライド変位の進度が互いに一致している状態が、図31(b)では、左右の端側部314でスライド変位の進度にずれが生じている状態が、図31(c)では、スライド変位の進度のずれが所定量を越えたことで、ストッパ面311b,314bによるストッパ機能が発揮された状態が、それぞれ図示される。

0211

上述したように、他側部材320Rにおいて、駆動モータ341が回転駆動されると、その駆動モータ341の駆動力が伝達機構(図26図29参照)を介して第1ピニオン351に伝達され、第1ピニオン351が回転される。他側部材320Rにおける第1ピニオン351には、変位部材310の長手方向他側(図25右側)における第1ラック315が歯合されており、その第1ラック315が第1ピニオン351の回転に伴い直線運動(上昇または下降)される。これと同時に、一側部材320Lにおいて、駆動モータ341が回転駆動されると、その駆動モータ341の駆動力が伝達機構を介して第1ピニオン351に伝達され、第1ピニオン351が回転される。一側部材320Lにおける第1ピニオン351には、変位部材310の長手方向一側における第1ラック315が歯合されており、その第1ラック315が第1ピニオン351の回転に伴い直線運動(上昇または下降)される。その結果、変位部材310が上下方向(一側部材320L及び他側部材320Rの長手方向)に沿って変位される(図25参照)。

0212

しかしながら、このように、変位部材310の長手方向一側が一側部材320Lによって、長手方向他側が他側部材320Rによって、それぞれ別々に案内および駆動される構造では、一側部材320による案内および駆動と、他側部材320Rによる案内および駆動との間にずれが生じやすい。そのため、変位部材310を安定して変位させることが困難である。一側部材320による案内および駆動と、他側部材320Rによる案内および駆動との間に大きなずれが生じると、各駆動モータ341の負荷が過大になるばかりか、変位部材310の停止を招くおそれもある。

0213

これに対し、本実施形態では、本体部311の突設ピン311aが端側部314の長穴314aに挿通されることで(図16参照)、本体部311に対して端側部314及び第1ラック315が相対変位可能に形成される。そのため、例えば、変位部材310が上昇される場合に、一側部材320Lによる案内または駆動が、他側部材320Rによる案内または駆動に対して相違するものとなった場合(例えば、一側および他側のスライダSにおいて摺動抵抗に差が生じた場合や一側および他側の駆動モータ341において駆動力のばらつきが発生した場合)でも、図31(b)に示すように、一側部材320Lにより案内および駆動される第1ラック315(図31(b)左側)の直線運動を、他側部材320Rにより案内および駆動される第1ラック315(図31(b)右側)の直線運動よりも先行させる(図31(b)上側へ位置させる)ことができる。

0214

即ち、一側部材320Lによる案内または駆動と、他側部材320Rによる案内または駆動との間にずれが生じた場合には、そのずれを、図31(b)に示すように、変位部材310の可動機構(本体部311に対して端側部314及び第1ラック315が相対変位可能とされる構造)によって吸収することができる。その結果、変位部材310を安定して変位させることを可能として、各駆動モータ341の負荷が過大になることや、変位部材310が停止することを抑制できる。

0215

本実施形態では、可動機構を構成する長穴314aが、上述したように、端側部314が案内棒Pに沿って摺動する方向に直交する方向(即ち、変位部材310の長手方向であって、一側部材320L及び他側部材320Rを結ぶ方向、図31(a)左右方向)に長い長穴形状に形成される(図17参照)。よって、一側部材320Lによる案内または駆動が、他側部材320Rによる案内または駆動に対して相違するものとなった場合(ずれが生じた場合)には、その相違に伴って、本体部311の突設ピン311aの端側部314の長穴314aに沿った変位(摺動)を生じさせやすく、これにより、一方の端側部314が他方の端側部314よりも案内棒Pに沿った変位を先行させる図31(b)に示す形態への移行を確実に行わせることができる。

0216

各端側部314には、それぞれ2本の長穴314aが平行に形成され、本体部311の長手方向一側および他側には、それぞれ2本ずつ突設ピン311aが突設されるので、本体部311と端側部314との連結強度を確保して、変位部材310が上下方向へのスライド変位される際の本体部311のがたつきやぐらつきを抑制できる。

0217

本体部311及び端側部314には、ストッパ面311b,314bがそれぞれ形成され、組立状態では、それらストッパ面311b,314bどうしが所定間隔を隔てつつ対向配置されるので(図16参照)、図31(b)に示すように、一方の端側部314における変位が他方の端側部314における変位よりも先行される場合には、その変位差が規定量を越えることを、図31(c)に示すように、ストッパ面311b,314bどうしを当接させることで規制することができる。これにより、突設ピン311aが折損することを抑制できる。

0218

本実施形態では、一側部材320L及び他側部材320Rのそれぞれに駆動モータ341が配設され、変位部材310の長手方向一側および他側の両側が駆動される構造(両側駆動)なので、1の駆動モータ341により駆動される構造(片側駆動)の場合と比較して、駆動モータ341の分担荷重を低減でき、その分、変位部材310の大型化あるいは変位部材310の変位速度高速化を図ることができる。

0219

一方で、このように両側駆動の構造では、一側部材320L側での駆動と、他側部材320R側での駆動とを完全に同期させることは不可能であり、ずれが生じやすい。これに対し、本実施形態では、可動機構(本体部311に対して端側部314及び第1ラック315が相対変位可能とされる構造)が、本体部311の長手方向一側および他側の2か所に形成される。よって、一側部材320L側での駆動と、他側部材320R側での駆動とにずれが生じた場合でも、2か所に形成される可動機構のうちの一側部材320L側に位置する可動機構が一側部材320Lの案内または駆動の状態に応じて、他側部材320R側に位置する可動機構が他側部材320Lの案内または駆動の状態に応じて、それぞれ異なる形態で変形(突設ピン311aが長穴314a内で変位)することができる。

0220

従って、一側および他側におけるずれを、一側および他側の両可動機構の連動により効果的に吸収することができる。その結果、変位部材310を安定して変位させることを可能として、各駆動モータ341の負荷が過大になることや、変位部材310が停止することを抑制できる。

0221

次いで、図32を参照して、背面ベース331及び中間ベース332への伝達機構の組み付け方法について説明する。図32は、分解した他側部材320Lを背面視した他側部材320Lの分解背面斜視図である。なお、図32では、正面ベース333及び第1ピニオン351の図示が省略される。

0222

図32に示すように、背面ベース331及び中間ベース332への伝達機構の組み付けは、中間ベース332の正面に駆動モータ341を装着すると共に、中間ベース332の背面において、各ギヤ軸332c〜332gに歯車362a〜362eを、ギヤ軸332hにクランク歯車363を、ギヤ軸332iに伝達歯車365を、それぞれ装着した後(ギヤ軸332c〜332iについては図22参照)、第2ラック364を、そのラック溝364bにクランク歯車363の偏心ピン363aを挿通させると共に伝達歯車365の第2ピニオン365aに歯合させた状態で、配設する。

0223

次いで、中間ベース322の背面にフランジ部367aを当接させる向きでローラー367を載置した後、付勢ばね366を載置する。付勢ばね366は、その他端を、中間ベース332の張出部分の張出先端に形成された係止部に係止させつつ、屈曲した姿勢で載置する。この段階では、付勢ばね366は、その一端が、第2ラック364の係止部に係止されておらず、ローラー367と歯車列の一部(歯車362a,362b)との間に保持される。

0224

この場合、付勢ばね366は、無負荷状態自由長さを維持した状態)となるので、屈曲した姿勢で安定して保持可能となる。なお、この場合、歯車列の一部(歯車362a,362b)を、付勢ばね366を屈曲した姿勢で保持するための部位として兼用するので、付勢ばね366を保持するための壁部などを設けることを不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができる。

0225

このように、中間ベース332に伝達機構を装着した状態(図32に示す状態)を形成した後は、中間ベース332の背面に背面ベース331の正面を向い合せて、両者を締結固定する。最後に、背面ベース331の第1開口331cを介して、付勢ばね366の一端を第2ラック364の係止部に係止する。これにより、背面ベース331及び中間ベース332への伝達機構の組み付けが完了する。

0226

なお、付勢ばね366の一端を第2ラック364の係止部に係止させる作業は、例えば、爪形状が先端に形成された治具を用いる。詳細には、背面ベース331の第1開口331cから挿入した治具の先端で付勢ばね366の一端を係止(保持)し、付勢ばね366を弾性変形(伸長)させつつ、第2ラック364の係止部に係止させる。

0227

ここで、本実施形態のように、付勢ばね366を屈曲した姿勢で配置する場合には、配設スペースを確保しやすくできる一方で、その付勢ばね366の屈曲した姿勢を維持させることが困難であり、組み付け工程において、付勢ばね366が弾かれる(自身の弾性回復力で飛び跳ねる)現象が発生する。即ち、図32に示す状態において(即ち、中間ベース332の背面側に背面ベース331を覆設する前に)、付勢ばね366の一端を第2ラック364の係止部に係止した場合には、付勢ばね366が屈曲した姿勢を維持し且つ第2ラック364が脱落しないように一方の手で付勢ばね366及び第2ラック364を押さえ付けつつ、他方の手で背面ベース331を中間ベース332へ覆設する作業を行う必要があり、煩雑となる。

0228

これに対し、本実施形態によれば、背面ベース331の一部(付勢ばね366の一端を含む領域)に第1開口331cが開口形成されるので、中間ベース332の背面に背面ベース331を覆設した後に、第1開口部331cを介して、付勢ばね366の一端を第2ラック364の係止部に係止させることができる。即ち、背面ベース331が先に覆設されることで、その背面ベース331を付勢ばね366及び第2ラック364に対向配置しておき(即ち、背面ベース331で付勢ばね366及び第2ラック364を押さえ付けておくことができ)、付勢ばね366が弾かれることや第2ラック364が脱落することを抑制できる。その結果、付勢ばね366の一端を第2ラック364に接続する作業を行いやすくでき、組み立て作業の能率化を図ることができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社大一商会の「 遊技機」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】遊技者の興趣の低下を抑制する。【解決手段】遊技機は、遊技媒体が遊技領域にある所定の通過口を通過することに基づいて抽選情報を取得し、抽選情報に基づいて当りであるかを判定し、開始条件の成立に基づい... 詳細

  • 株式会社大一商会の「 遊技機」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】 従来に比べて不具合の発生を抑制することができる遊技機を提供する。【解決手段】 枠本体の後側に設けられると共に、遊技機外部から遊技球を受け入れて下流側に誘導する遊技球供給部を備える遊技機で... 詳細

  • 株式会社大一商会の「 遊技機」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】 従来に比べて不具合の発生を抑制することができる遊技機を提供する。【解決手段】 枠本体の後側に設けられると共に、遊技機外部から遊技球を受け入れて下流側に誘導する遊技球供給部を備える遊技機で... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ