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図面 (5)

課題

モリブデン鉱物選別する方法を提供すること。

解決手段

下記アミノ酸配列(1)又は(2)のアミノ酸配列を有するペプチド。(1) (ALRKNMDFCPQSETGWHYIV)−(LIVFA)−(HPWRK)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(FYW)−(LIVFA)−(HPWRK)(2) (LIVFA)−(RHK)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(LIVFA)−(RHK)−(RHK)−(HPW) {ただし、上記式の()中の少なくとも1種のアミノ酸のいずれか1つが選択される}

概要

背景

モリブデン特殊鋼合金成分、石油精製触媒潤滑剤などに用いられる有価元素である。このモリブデンは、斑岩鉱床(ポーフィリー型鉱床)などに輝水鉛鉱などの硫化鉱物として硫化銅鉱石付随して存在する場合が多く、モリブデン精鉱として回収される。斑岩銅鉱床から生産されるモリブデン精鉱は、硫化銅鉱物濃集精製過程における浮遊選鉱(以下浮選という)の副産物として回収されている。輝水鉛鉱は浮上し易い鉱物であり、浮選剤としてケロシン軽油等に起泡剤を添加することによって比較的容易に浮上させることができる。ただし、付随する硫化銅鉱物も浮遊性が高いため、硫化銅鉱物の浮上を抑制するための浮上抑制剤として、シアン化合物水硫化ソーダを添加する必要がある。

しかしながら、シアン化合物利用ではシアン化合物の毒性による環境汚染の危険性があり、水硫化ソーダ利用では鉱石スラリー酸性を示す場合などに硫化水素が発生する危険性があった。

そこで、モリブデン精鉱精製方法として、毒性物質の利用や発生しない方法として、特許文献1に示すようなオゾン酸化を利用する方法や、特許文献2に示すようなプラズマ照射を行う方法が提案されてきた。また、特許文献3に示すように、アミノ酸無機材料担持させてモリブデンを回収する方法も提案されている。

概要

モリブデン鉱物を選別する方法を提供すること。 下記アミノ酸配列(1)又は(2)のアミノ酸配列を有するペプチド。(1) (ALRKNMDFCPQSETGWHYIV)−(LIVFA)−(HPWRK)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(FYW)−(LIVFA)−(HPWRK)(2) (LIVFA)−(RHK)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(LIVFA)−(RHK)−(RHK)−(HPW) {ただし、上記式の()中の少なくとも1種のアミノ酸のいずれか1つが選択される}なし

目的

本発明は、モリブデンを含む物質を分離するための新規な方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記アミノ酸配列(1)及び/又は(2)のアミノ酸配列を有するペプチド。(1)(ALRKNMDFCPQSETGWHYIV)−(LIVFA)−(HPWRK)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(FYW)−(LIVFA)−(HPWRK)(2)(LIVFA)−(RHK)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(LIVFA)−(RHK)−(RHK)−(HPW){ただし、上記式の()中の少なくとも1種のアミノ酸のいずれか1つが選択される}

請求項2

以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチド。(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

請求項3

以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列で表されるペプチド。(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

請求項4

以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一である配列を含むペプチド。(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

請求項5

以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも95%同一である配列を含むペプチド。(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

請求項6

以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも98%同一である配列を含むペプチド。(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

請求項7

以下のいずれか1つのアミノ酸配列において、1〜5個のアミノ酸が欠失置換及び/又は付加された配列を含むペプチド。(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

請求項8

鉱物選別するための組成物であって、請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドを含む、該組成物。

請求項9

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドをコードする核酸

請求項10

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドをコードする核酸の配列と少なくとも90%以上同一の配列を有する核酸。

請求項11

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドをコードする核酸の相補配列ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸。

請求項12

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドを表面に提示した微生物

請求項13

請求項9〜11のいずれか1項に記載の核酸を有する微生物。

請求項14

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドを表面に有する微粒子

請求項15

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドを有する精製カラム

請求項16

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドを有する捕収剤

請求項17

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドを使用する、モリブデンを抽出するための方法。

請求項18

請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチド又は請求項8の組成物を使用する、鉱物を選別するための方法。

請求項19

請求項18に記載の方法であって、前記鉱物が輝水鉛鉱である、該方法。

請求項20

請求項18又は19に記載の方法であって、前記ペプチドを表面に有する微生物を、鉱物粒子が分散した液に添加するステップと、前記鉱物を凝集させ、沈降させるステップと、前記凝集及び沈降した鉱物を回収するステップとを含む方法。

請求項21

請求項18又は19に記載の方法であって、前記ペプチドを担体に固定するステップと、前記担体をカラムに導入するステップと、鉱物粒子が分散した液を前記カラムに通過させるステップとを含む方法。

請求項22

請求項18又は19に記載の方法であって、前記ペプチドを微粒子に固定するステップと、鉱物粒子が分散した液に、前記微粒子を添加するステップとを含む方法。

請求項23

請求項18又は19に記載の方法であって、前記ペプチドを用いた浮遊選鉱を行うステップを含む方法。

請求項24

請求項18〜23いずれか1項に記載の方法であって、鉱物を懸濁させた液のpHが4以上である、該方法。

請求項25

請求項18〜23いずれか1項に記載の方法であって、鉱物を懸濁させた液のpHが7以上である、該方法。

技術分野

0001

本発明は新規ペプチド及びその利用方法に関する。より具体的には特定の元素に特異的に結合する新規ペプチド及びその利用方法に関する。

背景技術

0002

モリブデン特殊鋼合金成分、石油精製触媒潤滑剤などに用いられる有価な元素である。このモリブデンは、斑岩鉱床(ポーフィリー型鉱床)などに輝水鉛鉱などの硫化鉱物として硫化銅鉱石付随して存在する場合が多く、モリブデン精鉱として回収される。斑岩銅鉱床から生産されるモリブデン精鉱は、硫化銅鉱物濃集精製過程における浮遊選鉱(以下浮選という)の副産物として回収されている。輝水鉛鉱は浮上し易い鉱物であり、浮選剤としてケロシン軽油等に起泡剤を添加することによって比較的容易に浮上させることができる。ただし、付随する硫化銅鉱物も浮遊性が高いため、硫化銅鉱物の浮上を抑制するための浮上抑制剤として、シアン化合物水硫化ソーダを添加する必要がある。

0003

しかしながら、シアン化合物利用ではシアン化合物の毒性による環境汚染の危険性があり、水硫化ソーダ利用では鉱石スラリー酸性を示す場合などに硫化水素が発生する危険性があった。

0004

そこで、モリブデン精鉱精製方法として、毒性物質の利用や発生しない方法として、特許文献1に示すようなオゾン酸化を利用する方法や、特許文献2に示すようなプラズマ照射を行う方法が提案されてきた。また、特許文献3に示すように、アミノ酸無機材料担持させてモリブデンを回収する方法も提案されている。

先行技術

0005

特許第3277532号公報
特開2014−188428号公報
特開2015−224225号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上述した文献に記載されている方法では、オゾン利用やプラズマ照射のための特別な装置の導入が必要となり、現実的な方法ではなく、現在までに実用化されていない。

0007

本発明は、モリブデンを含む物質を分離するための新規な方法を提供する事を目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のペプチドおよびペプチドを提示したファージが輝水鉛鉱に選択的に結合することを見出した。また、それらのペプチドが輝水鉛鉱の精製に有効であることを見出した。

0009

上記知見に基づき、本発明は一側面において以下の発明を包含する。

0010

(発明1)
下記アミノ酸配列(1)及び/又は(2)のアミノ酸配列を有するペプチド。
(1) (ALRKNMDFCPQSETGWHYIV)−(LIVFA)−(HPWRK)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(FYW)−(LIVFA)−(HPWRK)
(2) (LIVFA)−(RHK)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(LIVFA)−(RHK)−(RHK)−(HPW)
{ただし、上記式の()中の少なくとも1種のアミノ酸のいずれか1つが選択される}

0011

(発明2)
以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0012

(発明3)
以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列で表されるペプチド。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0013

(発明4)
以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一である配列を含むペプチド。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0014

(発明5)
以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも95%同一である配列を含むペプチド。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0015

(発明6)
以下のうち、いずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも98%同一である配列を含むペプチド。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0016

(発明7)
以下のいずれか1つのアミノ酸配列において、1〜5個のアミノ酸が欠失置換及び/又は付加された配列を含むペプチド。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0017

(発明8)
鉱物を選別するための組成物であって、発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドを含む、該組成物。

0018

(発明9)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドをコードする核酸

0019

(発明10)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドをコードする核酸の配列と少なくとも90%以上同一の配列を有する核酸。

0020

(発明11)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドをコードする核酸の相補配列ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸。

0021

(発明12)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドを表面に提示した微生物

0022

(発明13)
発明9〜11のいずれか1つに記載の核酸を有する微生物。

0023

(発明14)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドを表面に有する微粒子

0024

(発明15)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドを有する精製カラム

0025

(発明16)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドを有する捕収剤

0026

(発明17)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチドを使用する、モリブデンを抽出するための方法。

0027

(発明18)
発明1〜7のいずれか1つに記載のペプチド又は発明8の組成物を使用する、鉱物を選別するための方法。

0028

(発明19)
発明18に記載の方法であって、前記鉱物が輝水鉛鉱である、該方法。

0029

(発明20)
発明18又は19に記載の方法であって、
前記ペプチドを表面に有する微生物を、鉱物粒子が分散した液に添加するステップと、
前記鉱物を凝集させ、沈降させるステップと、
前記凝集及び沈降した鉱物を回収するステップと
を含む方法。

0030

(発明21)
発明18又は19に記載の方法であって、
前記ペプチドを担体に固定するステップと、
前記担体をカラムに導入するステップと、
鉱物粒子が分散した液を前記カラムに通過させるステップと
を含む方法。

0031

(発明22)
発明18又は19に記載の方法であって、
前記ペプチドを微粒子に固定するステップと、
鉱物粒子が分散した液に、前記微粒子を添加するステップと
を含む方法。

0032

(発明23)
発明18又は19に記載の方法であって、
前記ペプチドを用いた浮遊選鉱を行うステップ
を含む方法。

0033

(発明24)
発明18〜23いずれか1つに記載の方法であって、鉱物を懸濁させた液のpHが4以上である、該方法。

0034

(発明25)
発明18〜23いずれか1つに記載の方法であって、鉱物を懸濁させた液のpHが7以上である、該方法。

発明の効果

0035

一側面において、本発明では、ペプチドを活用する。これにより、従来の方法に比べて、大規模設備を要さない。また、シアン化合物や水硫化ソーダなど毒性を有する化合物もしくは毒性化合物を発生する恐れのある化合物を使用する必要がない。従って、安全に分離を行うことができる。

0036

また、本発明で用いるペプチドは、効率的に分離を行うことを可能にする。さらに言えば、目的の鉱物を選択的に分離することができる。更に、一側面において、本発明のペプチドは特定のpH範囲の環境下で使用することができる。これにより、モリブデンを含む鉱物の結合(更には凝集)を更に促すことができる。

図面の簡単な説明

0037

本発明の一実施形態に係るペプチドが、特定の鉱物に選択的に結合することを示すグラフである。各群の5本のバーは、左から順に輝水鉛鉱、硫黄黄銅鉱硫砒銅鉱黄鉄鉱を表す。
本発明の一実施形態に係る50−phage等を用いて輝水鉛鉱を沈降させたときの濁度変化を表すグラフである。
本発明の一実施形態に係る50−phage等を用いて輝水鉛鉱を沈降させたときの粒子径を表す写真である。
本発明の一実施形態に係る50−phage等を用いて輝水鉛鉱を沈降させたときの濁度変化を表すグラフである。
本発明の一実施形態に係る50−phage等を用いて輝水鉛鉱を沈降させたときの最大粒子径の変化とpH依存性を表すグラフである。

0038

以下、本発明の理解を促進するために、具体的な実施形態を挙げて説明する。以下の実施形態の説明は本発明の範囲を限定することを意図したものではない。

0039

1.適用対象の物質
本発明は、一実施形態において、特定の物質を分離する方法に適用することができる。特定の物質として、モリブデンを含む物質が挙げられる。より具体的には、モリブデンを含む鉱物を分離する方法に適用することができる。モリブデンを含む鉱物としては、輝水鉛鉱、モリブデン鉛鉱、パウエライト、鉄水鉛鉱等が挙げられる。実質採掘されているという観点から、典型的なモリブデンを含む鉱物として、輝水鉛鉱が挙げられる。

0040

2.ペプチド
上述した物質を分離するため、本発明は、一実施形態において、ペプチドを用いることができる。より具体的には、少なくとも以下のいずれか1つの配列を含むペプチドを用いることができる。典型的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20のうちから選択される2つの数で規定される範囲(例:1以上10以下、5以上20以下)のアミノ酸をN末端側及び/又はC末端側に付加することができる。

0041

(1) (ALRKNMDFCPQSETGWHYIV)−(LIVFA)−(HPWRK)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(TSNQ)−(TSNQ)−(LIVFA)−(FYW)−(LIVFA)−(HPWRK)
(2) (LIVFA)−(RHK)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(TSNQ)−(LIVFA)−(LIVFA)−(LIVFA)−(RHK)−(RHK)−(HPW)
{ただし、上記式の()中の少なくとも1種のアミノ酸のいずれか1つが選択される}

0042

後述する実施例においては、以下のアミノ酸配列のペプチドを用いて、輝水鉛鉱を分離した例が示されている。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0043

上記(1)及び(2)に記載のアミノ酸配列と、上記(A)及び(B)に記載のアミノ酸配列とを対比させると以下の通りとなる。

0044

0045

表1にあるように、配列(A)1番目グリシンである。グリシンの側鎖は(−H)なので、これ自体で特定の機能に関与する可能性は低いと考えられる。従って、グリシン部分についてはすべての天然アミノ酸に置換しても同様の効果を有すると考えられる。

0046

配列(A)2番目はロイシンである。ロイシンは疎水性アミノ酸である。従って、同様の性質を持つ、イソロイシンバリンフェニルアラニンアラニン等に置換しても同様の効果を有すると考えられる。

0047

配列(A)3番目はヒスチジンである。ヒスチジンは、ヘテロ環構造を側鎖に有する。従って、同様の性質を持つ、トリプトファンプロリンに置換しても同様の効果を得られると考えられる。また、ヒスチジンは、極性電荷塩基性)側鎖を有するアミノ酸である。従って、同様の性質を持つ、アルギニンリジンリシン)に置換しても同様の効果を得られると考えられる。

0048

配列(A)4〜5番目はスレオニントレオニン)及びセリンである。これらは、極性電荷側鎖を有する。従って、同様の性質を持つ、スレオニン(トレオニン)、セリン、アスパラギングルタミンに置換しても、同様の効果を有すると考えられる。
配列(A)の10番目はチロシンである。チロシンは芳香族アミノ酸であるため、同様の性質を有するトリプトファンやフェニルアラニンに置換しても、同様の効果を有すると考えられる。

0049

配列(B)の2番目はアルギニンである。アルギニンは、塩基性の側鎖を有する。従って同様の性質を持つ、リシンやヒスチジンに置換しても同様の効果を有すると考えられる。

0050

以下、他のアミノ酸についても、同様の観点(親水性疎水性、酸性−中性−塩基性、共通の官能基など)に基づいて置換可能と考えられる。

0051

また、本発明は、一実施形態において、以下のアミノ酸配列を含むペプチドを包含する。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp
アミノ酸配列(A)及び(B)のN末端側及び/又はC末端側には、任意の数のアミノ酸が付加されてもよい。典型的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20のうちから選択される2つの数で規定される範囲(例:1以上10以下、5以上20以下)のアミノ酸をN末端側及び/又はC末端側に付加することができる。

0052

また、本発明は、一実施形態において、以下の12個のアミノ酸配列で表されるペプチドを包含する。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0053

上記したアミノ酸配列(A)及び(B)については、軽微改変(例:アミノ酸の挿入、置換、付加)を行ったとしても、アミノ酸配列(A)及び(B)と同様の機能を発揮することができる。例えば、アミノ酸配列(A)及び(B)と66%以上、75%以上、83%以上、90%以上、95%以上、98%以上、又は99%以上同一であるペプチド又は該同一性を有する配列を含むペプチドも同様の機能を発揮することができる。

0054

配列の同一性の数値算出方法については、当分野で公知の手法を用いることができる。例えば、BLAST登録商標)が提供するアミノ酸(又はタンパク質)のホモロジー検索で用いるBlastpなどで判定される数値に基づいてもよい。

0055

また、本発明は、一実施形態において、以下のいずれか1つのアミノ酸配列において、1〜5個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加された配列を含むペプチドを包含する。典型的には、4個以下、3個以下、又は2個以下のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加された配列を含むペプチドを包含する。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp

0056

また、本発明は、一実施形態において、上述したペプチドを含有する組成物を包含する。即ち、上述したペプチドを単独で用いるのみならず、他の成分を含めた組成物でも、同様の機能を発揮することができる。当該組成物は、上述したペプチドの機能を損なわない範囲で任意の成分を含有することができる(緩衝剤塩化ナトリウム、糖類など)。

0057

4.ペプチドをコードする核酸
本発明は、一実施形態において、上述したペプチドをコードする核酸を包含する。核酸は、DNAでもRNAでもよい。また、本発明は、一実施形態において、上述したペプチドをコードする核酸のセンス鎖に対して相補的な配列を有する核酸であってもよい。

0058

更に、本発明は、一実施形態において、上述したペプチドをコードする核酸をコードする核酸配列と、少なくとも80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上同一の配列を有する核酸を包含する。配列の同一性の算出方法については、上述したアミノ酸配列と同様公知技術を用いて算出できる。例えば、BLASTのBlastn等で検索したときに判定される数値に基づいてもよい。

0059

更に、本発明は、一実施形態において、上述したペプチドをコードする核酸のセンス鎖に対して相補的な配列と、ハイブリダイズすることができる核酸を包含する。より具体的には、ストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができる核酸を包含する。ストリンジェントな条件とは、当分野で公知の基準を用いることができる。例えば、特開2015−023831号に記載されているような基準を条件にしてもよい。具体的には、DNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0Mの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline−sodium citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM 塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムである)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できる条件を意味する。

0060

上述したいずれの核酸も、遺伝子工学的な手法を通して、目的とするペプチドを製造するのに有用である。例えば、上述したいずれの核酸を、発現ベクターに組み込んで目的のペプチドを大量に発現させることができる。あるいは後述するファージディスプレイ法を用いて、表面に目的のペプチドを有するファージを製造することができる。

0061

5.ペプチド及び/又は核酸を利用した物
上述したペプチド及び/又は核酸は、様々な形で応用することができる。

0062

5−1.微生物
例えば、遺伝子工学的な手法を用いて(例えば、微生物の遺伝子に上述した核酸を導入して)、微生物に目的のペプチドを大量に生成させることができる。あるいは、微生物の表面に目的のペプチドを発現させて、該微生物を利用して、目的の物質を分離することができる。本明細書で述べる「微生物」には、五界説で述べるところの菌界、モネラ界、又は原生生物界に属する生物が含まれる。また、厳密な意味では生物には該当しないものの、本明細書で述べる「微生物」には、ウイルスも含まれる。典型的には、真菌、細菌、ウイルスを用いる。特に好ましいのは、遺伝子工学的な手法が確立された物である(例:酵母、E.coli、乳酸菌バクテリオファージなど)。本発明は、一実施形態において、このような微生物を包含する。

0063

5−2.微粒子
本発明は、一実施形態において、ペプチドを表面に有する微粒子を包含する。ペプチドは、上述したペプチドを用いることができる。また、微粒子は、ビーズ(例:磁気ビーズガラスビーズ高分子ビーズなど)、担体等が挙げられる。微粒子の大きさについては、特に限定されず、用途に応じて適宜調整すればよい。また、微粒子の表面にペプチドを結合させる手法については、当分野で公知の手法を用いることができる。

0064

本発明では、上述したペプチドを表面に有する微粒子を用いて、目的の物質を分離することができる。例えば、後述する方法を用いて、目的の物質を、ペプチドに結合させて沈降させることにより、分離することができる。

0065

5−3.精製カラム
目的の物質を分離する方法としてカラムクロマトグラフィーが挙げられる。カラムクロマトグラフィーは、カラム(カラム表面の官能基)が特定の物質に選択的に結合することを利用する。本発明の一実施形態では、上述したペプチドを担体に担持させることができる。そして、この担体をカラムに導入することができる。こうしたカラムを使用することにより、目的の物質を分離することができる。

0066

5−4.浮遊選鉱の捕収剤
浮遊選鉱(浮選)は、微粒子を気泡トラップさせることにより分離する方法である。この際に、捕収剤を使用することができる。本発明の一実施形態では、上述したペプチドが気泡にトラップされやすい場合には、ペプチドそのものを捕収剤として用いることができる。もしくは、ペプチドを公知の捕収剤や起泡剤に結合し、気泡にトラップしやすい形態として用いることができる。これにより、目的の物質を気泡にトラップすることができ、結果として分離することができる。

0067

6.応用形態分離方法
上述した応用形態に関する方法を以下具体的に説明する。

0068

6−1.分離対象
上述した応用形態はいずれも所定の物質を分離することに関する。ここで、分離対象の物質はモリブデンである。例えば、上述したモリブデン含有鉱物(例えば、輝水鉛鉱)を分離することができる。

0069

6−2.微生物を用いた分離方法
本発明は、一実施形態において、微生物を用いて、物質(具体的には、モリブデン含有鉱物、より具体的には輝水鉛鉱)を分離することができる。微生物としては、上述した微生物であれば、いずれも用いることができる。典型的にはバクテリオファージが挙げられる。

0070

方法としては、まず、公知の遺伝子工学的な手法により、上述したペプチドをコードする核酸配列を微生物に導入し、微生物の表面に発現させることができる。その後、鉱物粒子が分散した液に、微生物を添加することができる。

0071

微生物の添加量については、溶液中に分散している鉱物粒子の量などの諸条件を考慮しながら適宜決定することができる。ファージを用いた例としては、鉱物粒子の量3g/Lに対し、0.5×108pfu/mL〜5×108pfu/mL、より好ましくは、0.6×108pfu/mL〜1.5×108pfu/mLである。あるいは、鉱物粒子の量10g/Lに対し、0.5×109pfu/mL〜5×109pfu/mL、より好ましくは、0.6×109pfu/mL〜1.5×109pfu/mLであってもよい。

0072

あるいは、ファージ量(pfu/mL)/鉱物量(g/L)の比率が、0.13×108〜5×108、より好ましくは0.33×108〜1×108である。

0073

微生物を添加した後、暫く放置すると、微生物表面にあるペプチドが鉱物粒子と結合し、凝集が起こる。そして、溶液の底に沈降する。その後、底に沈降した鉱物を回収することができる。

0074

6−3.カラムクロマトグラフィーを用いた分離方法
本発明は、一実施形態において、カラムクロマトグラフィーを用いて、物質(具体的には、モリブデン含有鉱物、より具体的には輝水鉛鉱)を分離することができる。方法としては、まず、上述したペプチドを、公知の手法により、担体に固定させることができる。その後、その担体を精製用のカラムに導入することができる。前記カラムが準備できたら、分離対象の物質が分散した液を、前記カラムの中に通す。すると、前記物質は、カラムの中に結合するか、又は溶出遅れる。これにより、特定の物質を分離することができる。

0075

6−4.微粒子を用いた分離方法
本発明は、一実施形態において、微粒子を用いて、物質(具体的には、モリブデン含有鉱物、より具体的には輝水鉛鉱)を分離することができる。まず、上述したペプチドを、公知の手法により、微粒子表面に固定させることができる。その後、鉱物粒子が分散した液に、微粒子を添加することができる。微粒子を添加した後、暫く放置すると、微粒子表面にあるペプチドが鉱物粒子と結合し、凝集が起こる。そして、溶液の底に沈降する。その後、底に沈降した鉱物を回収することができる。あるいは、微粒子として磁気ビーズを用いることができ、沈降することを待つことなく、磁力を用いて、鉱物粒子を回収することができる。

0076

6−5.浮選を用いた分離方法
本発明は、一実施形態において、捕収剤又は起泡剤を用いて、物質(具体的には、モリブデン含有鉱物、より具体的には輝水鉛鉱)を分離することができる。具体的には、捕収剤又は起泡剤を、公知の方法により、上述したペプチドと結合させる。そして、結合させた捕収剤を溶液に導入して撹拌させ(適宜他の薬剤も導入し)、気泡を発生させる。その後、鉱物粒子を導入し、該鉱物粒子を気泡にトラップさせる。これにより、鉱物粒子を回収することができる。あるいは、ペプチドそのものを捕収剤として使用してもよい。

0077

7.鉱物との結合における選択性
上述したペプチドは、特定の鉱物に特に強く結合し、他の鉱物には結合しないという選択性を有する。より具体的には、モリブデンを含む鉱物(例:輝水鉛鉱)には強く結合し、他の鉱物(例えば、硫黄、黄銅鉱、硫砒銅鉱、黄鉄鉱)には、結合しない(又は、モリブデンを含む鉱物の場合と比べて結合度合いが著しく低い)という性質を有する。従って、モリブデンを含む鉱物と他の鉱物との混合物であっても、上述した方法を用いることにより、モリブデンを含む鉱物を分離することができる。

0078

8.pH依存性
上述したペプチドが、モリブデンを含む鉱物(例:輝水鉛鉱)と結合する際には、溶液を特定のpH範囲に調整することにより、結合(更には凝集)を促すことができる。具体的にはpHが増大する程、溶液中の粒度分布における最大粒子径が増大する。例えば、pHが4〜12の範囲、より好ましくはpHが5以上の範囲で、最大粒子径を増大させることができる。

0079

9.ペプチドの作成方法
上述したペプチドは、様々な方法で製造することができる。上述したペプチドをコードするDNAを、発現ベクターに組み込んで、微生物等に導入し、大量にペプチドを発現させて回収することができる。

0080

あるいは、表面に上述したペプチドを提示したファージ(例えばM13ファージ)を製造する場合には、ファージディスプレイ法を用いることができる。目的のペプチドを表面に提示した微生物については、公知の遺伝子工学的手法により製造することが可能である。

0081

以下、実施例により、上述した本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。

0082

(実施例1)ファージディスプレイ法による輝水鉛鉱吸着ファージの選択
輝水鉛鉱に吸着するペプチド分子の選択としては、ファージディスプレイ法を用いた。具体的には、アミノ酸12個がランダムに結合したM13バクテリオファージライブラリーを用い、粒度75μm以下に粉砕した輝水鉛鉱と接触させ、輝水鉛鉱に吸着したバクテリオファージのみを回収し、回収したファージについて大腸菌に感染させ再度増殖後、再び輝水鉛鉱に接触させ、吸着したファージのみを回収した。この吸着・回収操作パニング)を数回繰り返し、選択されたファージのDNA配列解析し、ファージに結合したアミノ酸配列を特定した。

0083

回目の選択では接触させる輝水鉛鉱パルプ濃度を300ppmとしてパニングを5回繰り返した。2回目の選択では輝水鉛鉱パルプ濃度を3000ppmとしてパニングを4回繰り返した。最終的に得られたファージのDNA配列を解析した結果、それぞれ以下(A)および(B)に示すアミノ酸配列を持つペプチドが結合したファージが選択されたことを確認した。
(A)Gly−Leu−His−Thr−Ser−Ala−Thr−Asn−Leu−Tyr−Leu−His
(B)Ile−Arg−Ser−Leu−Ile−Ser−Ile−Val−Leu−Arg−Arg−Trp
以後、(A)に示すペプチドが結合したファージを50−phage、(B)に示すペプチドが結合したファージをM48−phageと呼ぶ。

0084

(実施例2)輝水鉛鉱結合ファージのELISA分析
輝水鉛鉱と実施例1にて選択した50−phage、M48−phageについて、ELISA法(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay、酵素結合免疫吸着法)により、輝水鉛鉱との結合量を測定した。具体的には輝水鉛鉱3000mg/Lを懸濁した液を96穴マイクロプレートの各ウェルに添加し、それぞれのウェルに各ファージを添加後、未結合のファージを洗浄した。さらにこの懸濁液に酵素ペルオキシダーゼ)標識した抗M13ファージ抗体を添加したのち、未結合の抗ファージ抗体を洗浄した。ここに酵素の基質となる2,2’−azino−bis(3−ethylbenzothiazoline−6−sulphonic acid) diammonium salt(ABTS)を添加し、青色の発色をマイクロプレートリーダー波長405nmにて吸光度測定した。更に、これらの手順を、他の鉱物(硫黄、黄銅鉱、硫砒銅鉱、黄鉄鉱)に変更したうえで行った。

0085

ペプチドを提示していないM13ファージ(null−phage)と輝水鉛鉱とを接触させたときのELISA分析での吸光度を100%したときの各鉱物および各ペプチド提示ファージでの吸光度の比率(すなわち、「null−phageの輝水鉛鉱への結合量」に対する「ペプチド提示ファージの各鉱物への結合量の割合」)を図1に示す。図1に示す通り、50−phageの輝水鉛鉱への結合量はnull−phageを輝水鉛鉱に接触させた時の121%、M48−phageの結合量は106%となった。また、他の鉱物(硫黄、黄銅鉱、硫砒銅鉱、黄鉄鉱)に対する50−phageやM48−phage結合量は、輝水鉛鉱に対する結合量に対して極端に低く、null−phage結合量と比較すると有意な増加は見られなかった。従って、両ファージ(より具体的には、両ファージの表面に提示されたペプチド)が輝水鉛鉱に特異的に結合することが示された。

0086

(実施例3)輝水鉛鉱3g/L時の沈降速度測定顕微鏡観察
温度30℃において、粒子径75μm以下の輝水鉛鉱を3g/Lのパルプ濃度となるように水に懸濁した。この懸濁液に、50−phageおよびnull−phageの各ファージを107〜109pfu/mlとなる濃度に添加し、添加後ただちに懸濁液上部における濁度を波長660nmにて分光光度計で添加時から5秒ごとに測定した。図2にその時の濁度の推移を示す(ファージ添加時=0秒を100%とする)。その結果、50−phageを108pfu/ml添加した場合、迅速な濁度の低下すなわち輝水鉛鉱粒子の急速な沈降が確認された。また同条件における輝水鉛鉱粒子を光学顕微鏡にて観察したところ(図3)、50−phageを輝水鉛鉱に添加した場合に、より顕著に輝水鉛鉱粒子が凝集することが確認された。本結果から、50−phageを輝水鉛鉱懸濁液に適切な濃度で添加することで、輝水鉛鉱を選択的に分離回収できる可能性が示された。

0087

(実施例4)50−phage添加時の沈降速度測定と顕微鏡観察
輝水鉛鉱粒子のパルプ濃度を10g/Lとした以外は実施例3と同様の方法にて50−phage添加時の沈降速度を測定した。その結果を図4に示す。輝水鉛鉱10g/L時には、50−phage濃度109pfu/mlにおいて輝水鉛鉱の沈降が顕著に進むことがわかった。

実施例

0088

(実施例5)50−phage添加時の最大粒子径の変化とpH依存性
温度30℃において、粒子径75μm以下の輝水鉛鉱を10g/Lのパルプ濃度となるように水に懸濁した。この懸濁液に、50−phageを109pfu/mlとなる濃度で添加し、添加後、NaOHおよびHClで懸濁液のpHを所定の値に調整した。粒子径をAcoustoSizerIIx(協和界面科学(株)製)で測定した。結果を図5に示す。pHが大きくなるほど、最大粒子径が増加する傾向が見られた。特にpH4以上の場合に、輝水鉛鉱だけと比べて50−phageを添加すると最大粒子径が顕著に増加する傾向が見られた。

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