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技術 ビーコン装置、該ビーコン装置を用いた方向推定方法、位置推定方法及び通信端末装置

出願人 国立大学法人岩手大学株式会社イーアールアイ
発明者 本間尚樹石井知貴田澤遼太三浦淳南澤博仁水野節郎
出願日 2016年5月31日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2016-108704
公開日 2017年12月7日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2017-216567
状態 特許登録済
技術分野 可変指向性アンテナ、アンテナ配列 方向探知 無線による位置決定 導波管型の結合装置
主要キーワード 通り方向 出発方向 累積確率分布 各減衰器 推定角度 伝搬チャンネル 入力態様 対角項
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図面 (6)

課題

通信端末装置の方向や位置を高い精度で容易に推定することを可能にするビーコン装置を提供することである。

解決手段

所定の無線通信によりビーコン信号発信するビーコン装置であって、180度ハイブリッドユニット11と、90度ハイブリッドユニット12と、前記180度ハイブリッドユニットの2つの入力端子に第1信号及び第2信号を供給する信号供給部13a、13bと、前記90度ハイブリッドユニットの2つの入力端子に第3信号及び第4信号を供給する信号供給部13c、13dと、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cと、前記180度ハイブリッドユニットの2つの出力端子を前記第1アンテナ及び第2アンテナに結合する結合部及15a、14と、前記90度ハイブリッドユニットの2つの出力端子を前記第2アンテナ及び第3アンテナに結合する結合部14、15bと有する構成となる。

概要

背景

無線信号を用いた位置検出方法として、GPSに代表されるGNSS全地球航法衛星システム)が広く利用されているが、この方法によると、衛星からの信号を受信できない屋内では位置検出を行うことができない。屋内における無線信号による位置検出システムとして、無線ビーコン信号送信装置を多数配置した位置検出方法が検討されている。例えば、非特許文献1には、受信信号強度RSSI)を用いた方法について述べられている。この方法は、3か所以上のビーコン信号送信装置から発せられた信号のRSSIが観測され、強度のみに基づいて位置推定が行われる。しかし、実際の屋内環境ではマルチパス波が存在するため、信号強度は必ずしも距離に従って減衰するとは限らない。そのため、RSSIのみに基づいて位置推定を行う場合は推定精度が大きく劣化するという問題が発生する。

RSSIに依らない第一の位置推定方法として、広帯域の信号を利用する方法が知られている。これは、ビーコンから広帯域の信号を送信し、その到達時間を観測することで各ビーコンからの伝搬距離を計算する。全ビーコンの位置が既知であれば受信機は自らの位置を計算することが可能である。しかし、屋内等の短距離かつマルチパス環境では正確な伝搬距離を求めることが困難であり、またパルス幅を短くする必要があるため広い周波数帯域が必要になる。

RSSIに依らない第二の位置推定方法として、電波伝搬方向情報を利用する方法が知られている。受信機はビーコンから発せられる信号の到来方向推定する。複数のビーコンの位置が既知であれば、三角法によってビーコンとの相対位置を計算できる。ここで、受信機において到来方向推定を行うためには、受信機は、アレーアンテナを用いて観測された信号から到来波の方向を解析する必要がある。そのような信号の到来方向を求めるアルゴリズムとして、非特許文献2にて開示されているMUSIC(MUltiple SIgnal Classification) 法と呼ばれる方法が用いられる。

概要

通信端末装置の方向や位置を高い精度で容易に推定することを可能にするビーコン装置を提供することである。所定の無線通信によりビーコン信号発信するビーコン装置であって、180度ハイブリッドユニット11と、90度ハイブリッドユニット12と、前記180度ハイブリッドユニットの2つの入力端子に第1信号及び第2信号を供給する信号供給部13a、13bと、前記90度ハイブリッドユニットの2つの入力端子に第3信号及び第4信号を供給する信号供給部13c、13dと、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cと、前記180度ハイブリッドユニットの2つの出力端子を前記第1アンテナ及び第2アンテナに結合する結合部及15a、14と、前記90度ハイブリッドユニットの2つの出力端子を前記第2アンテナ及び第3アンテナに結合する結合部14、15bと有する構成となる。

目的

本発明は、上述したことに鑑みてなされたものであり、通信端末装置(受信機)の方向や位置を高い精度で容易に推定することを可能にするビーコン装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

所定の無線通信によりビーコン信号発信するビーコン装置であって、第1入力端子及び第2入力端子と、第1出力端子及び第2出力端子とを有し、前記第1入寮端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた同じ位相の2つの信号を前記第1出力端子及び前記第2出力端子から出力し、前記第2入力端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた互いに位相が180度異なる2つの信号を前記第1出力端子及び前記第2出力端子から出力する180度ハイブリッドユニットと、第1入力端子及び第2入力端子と、第1出力端子及び第2出力端子とを有し、前記第1入力端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた信号を前記第1出力端子から出力するとともに、前記第1出力端子から出力される信号に対して90度位相の異なる信号を前記第2出力端子から出力し、前記第2入力端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた信号を前記第2出力端子から出力するとともに、前記第2出力端子から出力される信号に対して90度位相の異なる信号を前記第1出力端子から出力する90度ハイブリッドユニットと、前記180度ハイブリッドユニットの前記第1入力端子に第1信号を供給する第1信号供給部と、前記180度ハイブリッドユニットの前記第2入力端子に第2信号を供給する第2信号供給部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第1入力端子に第3信号を供給する第3信号供給部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第2入力端子に第4信号を供給する第4信号供給部と、第1アンテナ、第2アンテナ及び第3アンテナと、前記180度ハイブリッドユニットの前記第1出力端子を前記第1アンテナに結合する第1結合部と、前記180度ハイブリッドユニットの前記第2出力端子を前記第2アンテナに結合する第2結合部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第1出力端子を前記第2アンテナに結合する第3結合部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第2出力端子を前記第3アンテナに結合する第4結合部とを有し、前記第1信号供給部が前記第1信号を供給しているときに、当該第1信号に基づいた信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナから前記ビーコン信号として発信し、前記第2信号供給部が前記第2信号を供給しているときに、当該第2信号に基づいた信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナから前記ビーコン信号として発信し、前記第3信号供給部が前記第3信号を供給しているときに、当該第3信号に基づいた信号を前記第2アンテナ及び前記第3アンテナから前記ビーコン信号として発信し、前記第4信号供給部が前記第4信号を供給しているときに、当該第4信号に基づいた信号を前記第2アンテナ及び前記第3アンテナから前記ビーコン信号として発信するビーコン装置。

請求項2

前記第1結合部及び前記第4結合部のそれぞれは、減衰器で構成され、前記第2結合部及び前記第3結合部は、共通の合成器で構成される請求項1記載のビーコン装置。

請求項3

前記第1結合部は、第1終端器と前記180度ハイブリッドの前記第2出力端子とを前記第1アンテナに結合させる第1合成器で構成され、前記第2結合部及び前記第3結合部は、共通の第2合成器で構成され、前記第4結合部は、第2終端器と前記90度ハイブリッドの前記第1出力端子とを前記第3アンテナに結合させる第3合成器で構成される請求項1記載のビーコン装置。

請求項4

前記第1アンテナ、前記第2アンテナ及び前記第3アンテナは、直線状に等間隔に配置されたリニアアレーアンテナを構成する請求項1乃至3のいずれかに記載のビーコン装置。

請求項5

前記第1信号供給部、前記第2信号供給部、前記第3信号供給部及び前記第4信号供給部は、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号を所定の時間間隔切換え出力する信号発生部と、前記信号発生部から切換え出力される前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号を前記180度ハイブリッドユニットの前記第1入力端子、前記第2入力端子、前記90度ハイブリッドユニットの前記第1入力端子及び前記第2入力端子に振り分けるスイッチ部とによって構成される請求項1乃至4のいずれかに記載のビーコン装置。

請求項6

請求項1乃至5のいずれかに記載のビーコン装置から発信される前記ビーコン信号を前記無線通信により受信する通信端末装置の前記ビーコン装置から見た方向を推定する方向推定方法であって、前記ビーコン装置の第1アンテナ、第2アンテナ及び第3アンテナのそれぞれから発信され、前記通信端末装置にて受信されるビーコン信号から、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号それぞれの受信強度を取得するステップと、前記ビーコン装置の前記第1アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第2アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第3アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネルにて記述される3×3の相関行列を、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号の受信強度に基づいて計算するステップと、得られた相関行列に基づいて前記ビーコン装置から見た前記通信端末装置の方向を推定方向として演算するステップとを有する方向推定方法。

請求項7

請求項1乃至5のいずれかに記載の複数のビーコン装置のそれぞれから発信される前記ビーコン信号を前記所定の無線通信により受信する通信端末装置の位置を推定する位置推定方法であって、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向を請求項6に記載の方向推定方法に従って得るステップと、前記複数のビーコン装置それぞれの位置を取得するステップと、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向と、前記複数のビーコン装置それぞれの位置とに基づいて前記通信端末の位置を演算するステップとを有する位置推定方法。

請求項8

請求項1乃至5のいずれかに記載のビーコン装置から発信される前記ビーコン信号を前記無線通信により受信する通信端末装置であって、前記ビーコン装置の第1アンテナ、第2アンテナ及び第3アンテナのそれぞれから発信され、前記通信端末装置にて受信されるビーコン信号から、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号それぞれの受信強度を取得する手段と、前記ビーコン装置の前記第1アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第2アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第3アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネルにて記述される3×3の相関行列を、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号の受信強度に基づいて計算する手段と、得られた相関行列に基づいて前記ビーコン装置から見た前記通信端末装置の方向を推定方向として演算する手段とを有する通信端末装置。

請求項9

請求項1乃至5のいずれかに記載の複数のビーコン装置のそれぞれから発信される前記ビーコン信号を前記所定の無線通信により受信する通信端末装置であって、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向を請求項6に記載の方向推定方法に従って得る手段と、前記複数のビーコン装置それぞれの位置を取得する手段と、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向と、前記複数のビーコン装置それぞれの位置とに基づいて前記通信端末の位置を演算する手段とを有する通信端末装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば、ブルートゥース登録商標:以下同様)・ロー・エナジーの規格に従った近距離無線通信等の所定の無線通信によりビーコン信号発信するビーコン装置、前記ビーコン信号を受信する通信端末装置の前記ビーコン装置から見た方向を推定する方向推定方法、前記受信装置の位置を推定する位置推定方法、及び前記ビーコン装置と無線通信を行って前記方向推定方法に従って前記ビーコン装置から見た方向を推定する通信端末装置及び前記ビーコン装置と無線通信を行って前記位置推定方法に従って位置を推定する通信端末装置に関する。

背景技術

0002

無線信号を用いた位置検出方法として、GPSに代表されるGNSS全地球航法衛星システム)が広く利用されているが、この方法によると、衛星からの信号を受信できない屋内では位置検出を行うことができない。屋内における無線信号による位置検出システムとして、無線ビーコン信号送信装置を多数配置した位置検出方法が検討されている。例えば、非特許文献1には、受信信号強度RSSI)を用いた方法について述べられている。この方法は、3か所以上のビーコン信号送信装置から発せられた信号のRSSIが観測され、強度のみに基づいて位置推定が行われる。しかし、実際の屋内環境ではマルチパス波が存在するため、信号強度は必ずしも距離に従って減衰するとは限らない。そのため、RSSIのみに基づいて位置推定を行う場合は推定精度が大きく劣化するという問題が発生する。

0003

RSSIに依らない第一の位置推定方法として、広帯域の信号を利用する方法が知られている。これは、ビーコンから広帯域の信号を送信し、その到達時間を観測することで各ビーコンからの伝搬距離を計算する。全ビーコンの位置が既知であれば受信機は自らの位置を計算することが可能である。しかし、屋内等の短距離かつマルチパス環境では正確な伝搬距離を求めることが困難であり、またパルス幅を短くする必要があるため広い周波数帯域が必要になる。

0004

RSSIに依らない第二の位置推定方法として、電波伝搬方向情報を利用する方法が知られている。受信機はビーコンから発せられる信号の到来方向を推定する。複数のビーコンの位置が既知であれば、三角法によってビーコンとの相対位置を計算できる。ここで、受信機において到来方向推定を行うためには、受信機は、アレーアンテナを用いて観測された信号から到来波の方向を解析する必要がある。そのような信号の到来方向を求めるアルゴリズムとして、非特許文献2にて開示されているMUSIC(MUltiple SIgnal Classification) 法と呼ばれる方法が用いられる。

先行技術

0005

S. Maddio, A.Cidronal, and G. Manes, "RSSI/DOA based positioning systems for wireless sensor network," in New Approach of Indoor and Outdoor Localization Systems, 2012
R. Schmidt, "Multiple emitter location and signal parameter estimation,"IEEE Transactions on Antennas and Propagation, Vol. 34, Issue 3, pp. 276 - 280, Mar. 1986.

発明が解決しようとする課題

0006

上述したRSSIに依らない第一の位置推定方法では、距離を高精度に測定する必要があり、高精度な距離測定のためには広い周波数帯域の使用が必要になるという問題が生じる。また、上述した第二の位置推定方法では、受信機はアレーアンテナを具備する必要があるため、受信機が移動端末の場合は端末の形状が大型化するという問題がある。また、全ての受信アンテナで観測される信号の位相情報が必要になるため、受信機は位相情報を観測可能なものとしなければならない。

0007

そこで、本発明は、上述したことに鑑みてなされたものであり、通信端末装置(受信機)の方向や位置を高い精度で容易に推定することを可能にするビーコン装置を提供するものである。また、本発明は、そのようなビーコン装置を用いた前記通信端末装置の方向推定方法及び前記通信端末装置の位置推定方法、更に、前記方向推定方法に従って方向の推定を行う、また、前記位置推定方法に従って位置の推定を行う、通信端末装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係るビーコン装置は、所定の無線通信によりビーコン信号を発信するビーコン装置であって、第1入力端子及び第2入力端子と、第1出力端子及び第2出力端子とを有し、前記第1入寮端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた同じ位相の2つの信号を前記第1出力端子及び前記第2出力端子から出力し、前記第2入力端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた互いに位相が180度異なる2つの信号を前記第1出力端子及び前記第2出力端子から出力する180度ハイブリッドユニットと、第1入力端子及び第2入力端子と、第1出力端子及び第2出力端子とを有し、前記第1入力端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた信号を前記第1出力端子から出力するとともに、前記第1出力端子から出力される信号に対して90度位相の異なる信号を前記第2出力端子から出力し、前記第2入力端子に信号が入力したときに、該信号に基づいた信号を前記第2出力端子から出力するとともに、前記第2出力端子から出力される信号に対して90度位相の異なる信号を前記第1出力端子から出力する90度ハイブリッドユニットと、前記180度ハイブリッドユニットの前記第1入力端子に第1信号を供給する第1信号供給部と、前記180度ハイブリッドユニットの前記第2入力端子に第2信号を供給する第2信号供給部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第1入力端子に第3信号を供給する第3信号供給部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第2入力端子に第4信号を供給する第4信号供給部と、第1アンテナ、第2アンテナ及び第3アンテナと、前記180度ハイブリッドユニットの前記第1出力端子を前記第1アンテナに結合する第1結合部と、前記180度ハイブリッドユニットの前記第2出力端子を前記第2アンテナに結合する第2結合部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第1出力端子を前記第2アンテナに結合する第3結合部と、前記90度ハイブリッドユニットの前記第2出力端子を前記第3アンテナに結合する第4結合部とを有し、前記第1信号供給部が前記第1信号を供給しているときに、当該第1信号に基づいた信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナから前記ビーコン信号として発信し、前記第2信号供給部が前記第2信号を供給しているときに、当該第2信号に基づいた信号を前記第1アンテナ及び前記第2アンテナから前記ビーコン信号として発信し、前記第3信号供給部が前記第3信号を供給しているときに、当該第3信号に基づいた信号を前記第2アンテナ及び前記第3アンテナから前記ビーコン信号として発信し、前記第4信号供給部が前記第4信号を供給しているときに、当該第4信号に基づいた信号を前記第2アンテナ及び前記第3アンテナから前記ビーコン信号として発信する構成となる。

0009

本発明に係る方向推定方法は、前記ビーコン装置から発信される前記ビーコン信号を前記無線通信により受信する通信端末装置の前記ビーコン装置から見た方向を推定する方向推定方法であって、前記ビーコン装置の第1アンテナ、第2アンテナ及び第3アンテナのそれぞれから発信され、前記通信端末装置にて受信されるビーコン信号から、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号それぞれの受信強度を取得するステップと、前記ビーコン装置の前記第1アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第2アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第3アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネルにて記述される3×3の相関行列を、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号の受信強度に基づいて計算するステップと、得られた相関行列に基づいて前記ビーコン装置から見た前記通信端末装置の方向を推定方向として演算するステップとを有する構成となる。

0010

また、本発明に係る位置推定方法は、複数の前記ビーコン装置のそれぞれから発信される前記ビーコン信号を前記所定の無線通信により受信する通信端末装置の位置を推定する位置推定方法であって、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向を前述した方向推定方法に従って得るステップと、前記複数のビーコン装置それぞれの位置を取得するステップと、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向と、前記複数のビーコン装置それぞれの位置とに基づいて前記通信端末の位置を演算するステップとを有する構成となる。

0011

また、本発明に係る通信端末装置は、前記ビーコン装置から発信される前記ビーコン信号を前記無線通信により受信する通信端末装置であって、前記ビーコン装置の第1アンテナ、第2アンテナ及び第3アンテナのそれぞれから発信され、前記通信端末装置にて受信されるビーコン信号から、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号それぞれの受信強度を取得する手段と、前記ビーコン装置の前記第1アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第2アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネル、前記ビーコン装置の前記第3アンテナと前記通信端末装置の受信アンテナとの間の複素伝搬チャンネルにて記述される3×3の相関行列を、前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号の受信強度に基づいて計算する手段と、得られた相関行列に基づいて前記ビーコン装置から見た前記通信端末装置の方向を推定方向として演算する手段とを有する構成となる。

0012

更に、本発明に係る通信端末装置は、複数の前記ビーコン装置のそれぞれから発信される前記ビーコン信号を前記所定の無線通信により受信する通信端末装置であって、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向を前記方向推定方法に従って得る手段と、前記複数のビーコン装置それぞれの位置を取得する手段と、前記複数のビーコン装置それぞれから見た前記通信端末の方向と、前記複数のビーコン装置それぞれの位置とに基づいて前記通信端末の位置を演算する手段とを有する構成となる。

発明の効果

0013

以上説明したように本発明によれば、3つのアンテナを用いたビーコン装置を利用することによって、通信端末装置(受信機)の方向や位置を高い精度で容易に推定することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の第1の実施形態に係るビーコン装置を含むシステムの基本的な構成を示す図である。
図1に示すシステムを利用した方向推定実験環境を示す平面図である。
方向推定実験の結果を示す累積確率分布を表すグラフ図である。
本発明の第2の実施形態に係るビーコン装置の構成を示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態に係るビーコン装置の構成を示すブロック図である。

実施例

0015

以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。

0016

図1は、本発明の実施の一形態に係るビーコン装置を含む基本的なシステムの構成を示す。

0017

図1において、このシステムは、基本的に、ビーコン装置10と、ビーコン装置10から発信されるビーコン信号を受信することのできる携帯通信端末装置20(例えば、スマートフォン)とから構成されている。ビーコン装置10は、ブルートゥース・ロー・エナジー(以下、適宜BLEという)の規格に従った近距離無線通信により後述するようなビーコン信号を発信(放送)する。このビーコン装置10は、ペリフェラル側機器スレーブ側機器)として機能し、アドバタイジングにおいてビーコン信号を発信する。携帯通信端末装置20は、BLE通信ユニットを備えており、このBLE通信ユニットは、BLEで規定されるセントラル側機器マスター側機器)として機能し、ビーコン装置10から前記アドバタイジングにおいて放送されるビーコン信号を受信することができる。

0018

ビーコン装置10は、180度ハイブリッド素子(180度ハブリッドユニット)11、90度ハイブリッド素子(90度ハイブリッドユニット)12、第1信号発生部13a、第2信号発生部13b、第3信号発生部13c、第4信号発生部13d、合成器14、第1減衰器15a、第2減衰器15b、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cを有している。180度ハイブリッド素子11は、第1入力端子NI1及び第2入力端子IN2と、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2とを有している。この180度ハイブリッド素子11は、第1入力端子IN1に信号が入力したときに、該信号に基づいた同じ位相の2つの信号を第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2から出力し、第2入力端子IN2に信号が入力したときに、該信号に基づいた互いに位相が180度異なる2つの信号を第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2から出力する。90度ハイブリッド素子12は、第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2と、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2とを有している。この90度ハイブリッド素子12は、第1入力端子IN1に信号が入力したときに、該信号に基づいた信号を第1出力端子OUT1から出力するとともに、前記信号に基づいた第1出力端子OUT1の出力信号に対して90度位相の遅れた(異なる)信号を第2出力端子OUT2から出力する。また、この90度ハイブリッド素子12は、第2入力端子IN2に信号が入力したときに、該信号に基づいた信号を第2出力端子OUT2から出力するとともに、前記信号に基づいた第2出力端子OUT2の出力信号に対して90度位相の遅れた(異なる)信号を第1出力端子OUT1から出力する。

0019

第1信号発生器13a(第1信号供給部)は、180度ハイブリッド素子11の第1入力端子IN1に接続され、所定の情報(例えば、識別情報)を含む第1信号S1を出力する。第2信号発生器13b(第2信号供給部)は、180度ハイブリッド素子11の第2入力端子IN2に接続され、所定の情報(例えば、識別情報)を含む第2信号S2を出力する。第3信号発生器13c(第3信号供給部)は、90度ハイブリッド素子12の第1入力端子IN1に接続され、所定の情報(例えば、識別情報)を含む第3信号S3を出力する。第4信号発生器13d(第4信号供給部)は、90度ハイブリッド素子12の第2入力端子IN2に接続され、所定の情報(例えば、識別情報)を含む第4信号S4を出力する。180度ハイブリッド素子11の第1出力端子OUT1は、第1減衰器15a(第1結合部)を介して第1アンテナ16aに接続されている。180度ハイブリッド素子11の第2出力端子OUT2及び90度ハイブリッド素子12の第1出力端子OUT1は、合成器14(第2結合部、第3結合部)の入力端子に接続され、その合成器14の出力端子が第2アンテナ16bに接続されている。また、90度ハイブリッド素子12の第2出力端子OUT2は、第2減衰器15b(第4結合部)を介して第3アンテナ16cに接続されている。第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cは、送信される電波の0.5波長程度の等間隔dで直線状に配列されたリニアアレイアンテナを構成している。

0020

合成器14として、2つの信号を、例えば、3dBの挿入損をもって等振幅で合成可能なものが考えられ、例えば、ウィルキンソンカプラハイブリッドカプラを用いることができる。更に、各減衰器15a、15bの減衰量は、合成器14の挿入損に対応した量に設定される。なお、合成器14は非対称不等合成を行うものであってもよい。その場合、180度ハイブリッド11の第1出力端子OUT1からの信号及び第2出力端子OUT2からの信号が第1アンテナ16a及び第2アンテナ16bに等しい電力で供給されるように第1減衰器15aが調整される。また、同時に、90度ハイブリッド12の第1出力端子OUT1からの信号及び第2出力信号OUT2からの信号が第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cに等しい電力で供給されるように第2減衰器15bが調整される。

0021

第1信号発生器13a、第2信号発生器13b、第3信号発生器13c及び第4信号発生器13dは、制御部(図示略)による制御のもと、所定の時間間隔で、第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4を順次サイクリック切換え出力する。第1信号発生器13aが第1信号S1を出力している期間(第1信号S1が180度ハイブリッド素子11の第1入力端子IN1に供給される期間)では、180度ハイブリッド素子11の第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2から第1信号S1に基づいた同じ位相の信号(S1)が出力される。そして、180度ハイブリッド素子11の第1出力端子OUT1から出力される信号(S1)が第1減衰器15aを介して第1アンテナ16aに供給されるとともに、180度ハイブリッド素子11の第2出力端子OUT2から出力される信号(S1)が合成器14を介して第2アンテナ16bに供給される。その結果、第1アンテナ16a及び第2アンテナ16bから第1信号S1に基づいた同じ位相の信号(S1)がビーコン信号として発信される。

0022

第2信号発生器13bが第2信号S2を出力している期間(第2信号S2が180度ハイブリッド素子11の第2入力端子IN2に供給される期間)では、180度ハイブリッド素子11の第1出力端子OUT1と第2出力端子OUT2から第2信号S2に基づいた互いに位相が180度異なる信号(S2)、(−S2)が出力される。そして、180度ハイブリッド素子11の第1出力端子OUT1から出力される信号(例えば、S2)が第1減衰器15aを介して第1アンテナ16aに供給されるとともに、180度ハイブリッド素子11の第2出力端子OUT2から出力される信号(例えば、−S2)が合成器14を介して第2アンテナ16bに供給される。その結果、第1アンテナ16a及び第2アンテナ16bから第2信号S2に基づいた相互に位相が180度異なる信号(S2)、(−S2)がビーコン信号として発信される。

0023

第3信号発生器13cが第3信号S3を出力している期間(第3信号S3が90度ハイブリッド素子12の第1入力端子IN1に供給される期間)では、90度ハイブリッド素子12の第1出力端子OUT1から第3信号S3に基づいた信号(S3)が出力されるとともに、90度ハイブリッド素子12の第2出力端子OUT2から前記信号(S3)に対して位相が90度遅れた信号(jS3)が出力される。そして、90度ハイブリッド素子12の第1出力端子OUT1から出力される信号(S3)が合成器14を介して第2アンテナ16bに供給されるとともに、90度ハイブリッド素子12の第2出力端子OUT2から出力される信号(jS3)が第2減衰器15bを介して第3アンテナ16cに供給される。その結果、第2アンテナ16bから第3信号S3に基づいた信号(S3)がビーコン信号として発信されるとともに、第3アンテナ16cから前記信号(S3)に対して位相が90度遅れた信号(jS3)がビーコン信号として発信される。

0024

第4信号発生器13dが第4信号S4を出力している期間(第4信号S4が90度ハイブリッド素子12の第2入力端子IN2に供給される期間)では、90度ハイブリッド素子12の第2出力端子OUT2から第4信号S4に基づいた信号(S4)が出力されるとともに、90度ハイブリッド素子12の第1出力端子OUT1から前記信号(S4)に対して位相が90度遅れた信号(jS4)が出力される。そして、90度ハイブリッド素子12の第1出力端子OUT1から出力される信号(jS4)が合成器14を介して第2アンテナ16に供給されるとともに、90度ハイブリッド素子12の第2出力端子OUT2から出力される信号(S4)が第2減衰器15bを介して第3アンテナ16cに供給される。その結果、第3アンテナ16cから第4信号S4に基づいた信号(S4)がビーコン信号として発信されるとともに、第2アンテナ16bから前記信号(S4)に対して位相が90度遅れた信号(jS4)がビーコン信号として発信される。

0025

携帯通信端末装置20は、ビーコン装置10からビーコン信号として発信される第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4のそれぞれに基づいた信号を受信する。そして、携帯通信端末装置20は、受信したビーコン信号から第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4についての受信強度情報(RSSI:Received Signal Strength Indication)を独立に測定する機能を備えている。携帯通信端末装置20は、ビーコン装置10から十分に離れた位置に存在しており、ビーコン装置10の3つのアンテナ16a、16b、16cから見て略同じ方向に位置しているとみなせるものとする。

0026

上述したようなシステムにおいて、前記ビーコン信号を受信する携帯通信端末装置20は、ビーコン装置10から見た携帯通信端末装置20の方向θを推定することができる。この方向θの推定に係る処理について以下説明する。

0027

第1アンテナ16aと携帯通信端末装置20の受信アンテナとの間の複素伝搬チャネルをh1、第2アンテナ16bと携帯通信端末装置20の受信アンテナとの間の複素伝搬チャネルをh2、第3アンテナ16cと携帯通信端末装置20の受信アンテナとの間の複素伝搬チャネルをh3とし、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cで構成されるアレーアンテナのブロードサイド方向を基準として角度θの位置に携帯通信端末装置20が存在するものとする。

0028

前記伝搬チャネルはまとめて、



表記することができる。この伝搬チャネルを用いて相関行列、



を計算することがきる。ここで、記号Hは複素共役転置、記号*は複素共役、この相関行列の対角項実数、非対角項は通常は複素数となる。相関行列が分かればビーコン装置10に対する携帯通信端末装置20の方向を推定することができる。この方向推定アルゴリズムについては後述する。しかし、携帯通信端末装置20(受信機)では、RSSIのみを観測するため、(1)式の伝搬チャネルを直接観測することはない。そこで近似的に(2)式の相関行列を推定する方法について述べる。

0029

(1)式の伝搬チャネルを用いると、携帯通信端末装置20で測定される各信号S1、S2、S3、S4の振幅|y1|、|y2|、|y3|、|y4|は、












と書くことができる。ここで、jは虚数単位、||は絶対値を表す。以下説明を簡単にするため、



とし、見かけの伝搬チャネルの振幅を、












と定義する。すると、












と書くことができる。ここで*は複素共役を表す。

0030

次に(11)式と(12)式の差を考えると、



と計算することができる。ここで、



は複素数xの実部を意味し、αは複素数



偏角である。

0031

(11)式と(12)式の和を考えると、



関係式が得られる。これは相加相乗平均の関係式と呼ばれ、等号成立するのは



の場合である。

0032

ここで、






の関係について考えると、図1に示す通り3つの送信アンテナ16a、16b、16cから見て携帯通信端末装置20の受信アンテナは十分遠方に存在し、チャネルの振幅は等しいものと仮定することができる。その場合、(16)式の等号が成立するため、(15)式に代入すると、



のように求めることができる。つまり、




となる。ここで、



である。なお、(18)式はαの符号が不定であるため2通りの解を導く。

0033

次に、(13)式と(14)式の差を考えると、



と計算することができる。ここで、



は複素数xの虚部を意味し、βは複素数



の偏角である。

0034

(13)式と(14)式の和を考えると、(16)式と同様に、



の関係式が得られる。







もほぼ等しいと考えられるので、等号が成立すると考えられる。その場合、(20)式の等号が成立するため、(19)式に代入すると、



のように2通りの解が求められる。つまり、βを用いて、



と書くことができる。ここで、



である。β が2通りの解を有することから(22)式も2通りの結果を与える。ここで、βの2つの解と(18)式のαの2つの解とを比較し、αとβの差が最も小さい解の組み合わせを選択する。この理由は次のようになる。

0035

理想的にはh1、h2、h3の振幅は全て等しい値になる。これは、3つの送信アンテナ16a、16b、16cと携帯通信端末装置20の受信アンテナは十分に離れており、伝搬損は等しいとみなすことができるからである。同様に、送信アンテナ16a、16b、16cから見た携帯通信端末装置20の受信アンテナの方向は全て等しくθである。アンテナ16a、16b、16cは等間隔dに整列しているため、h1とh2との間の位相遅延の差と、h2とh3との間の位相遅延の差とは等しくなる。(18)式に着目すると、αはh1とh2の位相遅延の差を表していることが分かり、(22)式のβもh2とh3の位相遅延の差を表していることが分かる。つまり、αとβは理想的には一致していなければならない。実際には多重波雑音によって観測したRSSIに誤差が生じαとβに差異が発生するが、最も近いαとβの組み合わせを選択すればよい。

0036

以上に述べた計算手順により得られた情報をもとに、(2)式に示す相関行列の推定について説明する。

0037

(2)式において、対角項について考えると、これまでに用いたh1≒h2≒h3という近似を再度利用すると、






となり、|h2|は|h1|か|h2|のどちらかの値を選択すればよい。あるいはh1〜h3の多少のばらつきを考慮するなら、



となるよう平均値を用いてもよい。

0038

次に非対角項について考えると、



未知数として残っている。これは、



によって計算することができる。(2)式の相関行列は対称であるため、以上の手順によって、全ての要素が求められたことになる。

0039

相関行列を用いた方向推定には様々なアルゴリズムが存在するが、ここでは一例としてMUSIC(Multiple Signal Classification)法を用いた方向推定アルゴリズムについて述べる。

0040

相関行列は、固有値分解によって、



であり、ここで、






であり、diag [ ]は対角行列を表し、



は、それぞれ第1、第2、第3固有ベクトル



は、それぞれ第1、第2、第3固有値であり、



であるものとする。図1に示すシステムのように1波のみが到来する状況では、λ1は信号を含んだ電力、λ2、λ3は、雑音電力に対応する。MUSIC法では、このような固有ベクトルを用いて、評価式



によって推定する。ここで、



ステアリングベクトルと呼ばれ、dはアンテナの間隔、λは波長である。(30)式を用い、θ0に様々な値を代入しPmusicが最大になる方向が信号の出発方向であると判断する。つまり、この場合はθ0=θのときにPmusicが最大になる。ここで述べた方法に基づく出発角推定は全て、携帯通信端末装置20(受信機)にて処理を行うものである。携帯通信端末装置20は、ビーコン信号を受信可能とするハードウェア以外は特段のハードウェアを用いることなく自らの方向を推定できる。

0041

(18)式が得られた状態で次の相関行列



を用いて出発角の推定を行うことができる。推定アルゴリズムは例えば前述のMUSICアルゴリズムを用いることができる。この状態角度を推定すると、αが2通り存在するため推定角度も2通り存在し、これらをθA1、θA2とする。

0042

次に、(22)式で得られる相関行列



から、方向推定を行い、この場合も解が2通り存在し、推定した方向をθB1、θB2とする。正しい出発角は一つであるから、(32)式から求めた結果と、(33)式から求めた結果で近い値となった角度を正しい出発角として選択する。しかし、実際には選択した2つの解は完全に一致しないため、どちらか一方の解を選択するか、これらの解の平均値を出発角として算出してもよい。 ここで述べた方法に基づく出発角推定も全て、携帯通信端末装置20(受信機)にて処理を行うものである。携帯通信端末装置20は、ビーコン信号を受信可能とするハードウェア以外は特段のハードウェアを用いることなく自らの方向を推定できる。

0043

図2は、図1に示すシステムを適用して、屋内環境にて推定実験を行ったその環境を示している。ここで、実験は、周波数2.47GHzにて行われており、アンテナ素子間隔dは0.5波長、ビーコンアンテナ16は、3素子(第1アンテナ16a、第2アンテナ16b、第3アンテナ16b)のパッチアンテナである。ビーコンアンテナ16は部屋中央方向を向くように床面から高さ1mの位置に置かれている。また、〇印で示された場所の何れかに端末アンテナ20a(携帯通信端末装置20)を配置して方向推定実験を行った。端末アンテナ20aの床面からの高さは1mである。また、送信電力は0dBmとした。

0044

図3は、上述したような計算方法を用いて出発角θを推定し、その角度誤差の累積確率分布を計算した結果を示している。ここで、角度誤差とは、実際に端末の受信アンテナ(端末アンテナ20a)が存在する方向角と推定した出発角の差異である。また、前述の通り方向推定にはMUSIC法を用いている。本願発明者等が既に提案している手法(特願2015−165225)で得られた累積確率分布Q1では、累積確率分布値が50%となる角度誤差が5.66度であったのに対して、上述した本願発明に係る手法にて得られた累積確率分布Q2では、累積確率分布値が50%となる角度誤差が3.96度であり、推定誤差角度を30%(1.70度)改善することが分かった。

0045

本発明の第2の実施の形態に係るビーコン装置は、図4に示すように構成される。

0046

図4において、このビーコン装置10は、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様に、180度ハイブリッド素子11、90度ハイブリッド素子12、第1信号発生部13a、第2信号発生部13b、第3信号発生部13c、第4信号発生部13d及び第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16c(3つのアンテナ)を有している。第1信号発生部13a、第2信号発生部13b、第3信号発生部13c及び第4信号発生部13dは、第1の実施の形態(図1参照)と同様に、制御部(図示略)による制御のもと、所定の時間間隔で、第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4を順次サイクリックに切換え出力する。また、このビーコン装置10は、第1合成器14a、第2合成器14b及び第3合成器14cの3つの合成器と、第1終端器17a及び第2終端器17bの2つの終端器とを有している点で、前述した第1の実施の形態(図1参照)に係るビーコン装置とは異なる。

0047

図4において、前述したビーコン装置(第1の実施の形態に係るビーコン装置:図1参照)と同様に、第1信号S1を出力する第1信号発生器13a及び第2信号S2を出力する第2信号発生器13bは、それぞれ、180度ハイブリッド素子11の第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2に接続され、第3信号S3を出力する第3信号発生器13c及び第4信号S4を出力する第4信号発生器13dは、それぞれ、90度ハイブリッド素子12の第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2に接続されている。また、前述したビーコン装置(図1参照)と同様に、180度ハイブリッド素子11の第2出力端子OUT2及び90度ハイブリッド素子12の第1出力端子OUT1は、第2合成器14bの入力端子に接続され、第2合成器14b(第2結合器、第3結合器)の出力端子が第2アンテナ16bに接続されている。

0048

このビーコン装置10では、特に、第1終端器17a及び180度ハイブリッド素子11の第1出力端子OUT1が、第1合成器14a(第1結合器)の入力端子に接続され、第1合成器14aの出力端子が第1アンテナ16aに接続されている。また、第2終端器17b及び90度ハイブリッド12の第2出力端子OUT2が、第3合成器14c(第4結合器)の入力端子に接続され、第3合成器14cの出力端子が第3アンテナ16cに接続されている。

0049

このような構成では、第1終端器17aが接続される第1合成器14aの出力信号は、180度ハイブリッド素子11の第1出力端子OUT1から出力される信号と実質的に同じである。また、第2終端器17bが接続される第3合成器14cの出力信号は、90度ハイブリッド素子12の第2出力端子OUT2から出力される信号と実質的に同じである。従って、第1信号発生器13aが第1信号S1を出力している期間、第2信号発生器13bが第2信号S2を出力している期間、第3信号発生器13cが第3信号S3を出力している期間、及び第4信号発生器13dが第4信号S4を出力している期間のそれぞれの期間において、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cから、第1の実施の形態(図1参照)の場合と同様の、第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4のそれぞれに基づいたビーコン信号が発信される。

0050

このように、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cから第1の実施の形態(図1参照)の場合と同様のビーコン信号が発信されることから、前述したのと同様の手法により、ビーコン信号を受信する携帯通信端末装置20は、当該携帯通信端末装置20のビーコン装置10から見た方向(出発角θ)を推定することがきる。

0051

特に、本発明の第2の実施の形態に係るビーコン装置10では、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cのそれぞれの直下に特性の等しい第1合成器14a、第2合成器14b及び第3合成器14cの3つの合成器を配置することによって、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cから放射されるビーコン信号の振幅や位相に誤差が生じにくいという利点が得られる。また、前述した第1の実施の形態の場合(図1参照)、合成器14の挿入損と各減衰器15a、15bの減衰量を正確に合わせる必要がった。しかし、第2の実施の形態の場合(図4参照)、特性の揃った第1合成器14a、第2合成器14b及び第3合成器14cの3つの合成器を用いることで、設計、製造時に位相や振幅の調整が不要となり、扱い易いビーコン装置を実現させることができる。

0052

また、第1の実施の形態に係るビーコン装置(図1参照)では、第1減衰器15a、第2減衰器15bの2つの減衰器が用いられていた。各減衰器15a、15bが位相遅延を有する場合には、第2アンテナ16bからのビーコン信号の位相を遅らせる手段を追加する必要がるなど、設計が煩雑になる可能性があるが、上述した第2の実施の形態に係るビーコン装置10では、そのような不都合はない。

0053

本発明の第3の実施の形態に係るビーコン装置は、図5に示すように構成される。

0054

図5において、このビーコン装置10は、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様に、180度ハイブリッド素子11、90度ハイブリッド素子12、合成器14、第1減衰器15a、第2減衰器15bの2つの減衰器及び第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cの3つのアンテナを有している。そして、これら180度ハイブリッド素子11、90度ハイブリッド素子12、合成器14、2つの減衰器15a、15b及び3つのアンテナ16a、16b、16cは、第1の実施の形態の場合(図1参照)と同様に接続されている。

0055

このビーコン装置10は、4つの個別の信号発生器(13a、13b、13c、13d)に代えて、例えば、識別子によって区別される第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4を所定時間間隔で順次サイクリックに切換え出力する単一の信号発生器18と、信号発生器18からの信号Sを入力し、信号発生器18の信号Sの切り換えに同期して、当該入力信号Sを4つの出力端子の1つ1つに順番振り分けるSP4Tスイッチ19(スイッチ部)とを有している。具体的には、信号発生器18が第1信号S1を出力する期間では、SP4Tスイッチ19は、その第1信号S1を180度ハイブリッド素子11の第1入力端子IN1に振り分け、信号発生器18が第2信号S2を出力する期間では、SP4Tスイッチ19は、その第2信号S2を180度ハイブリッド素子11の第2入力端子IN2に振り分ける。また、信号発生器18が第3信号S3を出力する期間では、SP4Tスイッチ19は、その第3信号S3を90度ハイブリッド素子12の第1入力端子IN1に振り分け、信号発生器18が第4信号S4を出力する期間では、SP4Tスイッチ19は、その第4信号S4を90度ハイブリッド素子12の第2入力端子IN2に振り分ける。このように、信号発生部18とSP4Tスイッチ19により、第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4を供給する第1信号供給部、第2信号供給部、第3信号供給部及び第4信号供給部が構成される。

0056

このような構成のビーコン装置10では、信号発生器18が第1信号S1を出力する期間では、その第1信号S1がSP4Tスイッチ19を介して180度ハイブリッド素子11の第1入力端子IN1に入力し、信号発生器18が第2信号S2を出力する期間では、その第2信号S2がSP4Tスイッチ19を介して180度ハイブリッド素子11の第2入力端子IN2に入力し、信号発生器18が第3信号S3を出力する期間では、その第3信号S3がSP4Tスイッチ19を介して90度ハイブリッド素子12の第1入力端子IN1に入力し、そして、信号発生器18が第4信号S4を出力する期間では、その第4信号S4がSP4Tスイッチ19を介して90度ハイブリッド素子12の第2入力端子IN2に入力する。このように、180度ハイブリッド素子11の2つの入力端子IN1、IN2及び90度ハイブリッド素子12の2つの入力端子IN1、IN2への信号の入力態様は、前述した第1の実施の形態の場合(図1参照)と同じであるので、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cからは、第1の実施の形態(図1参照)の場合と同様に、第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4のそれぞれに基づいたビーコン信号が発信される。

0057

この第3の実施の形態に係るビーコン装置10では、信号発生器18の出力信号の切り換えに同期して、第1アンテナ16a、第2アンテナ16b及び第3アンテナ16cから第1の実施の形態(図1参照)と同様に切換るビーコン信号が発信される。従って、このようなビーコン信号を受信する携帯通信端末装置20は、前述したのと同様の手法により、当該携帯通信端末装置20のビーコン装置10から見た方向(出発角θ)を推定することがきる。

0058

特に、本発明の第3の実施の形態に係るビーコン装置10では、単一の信号発生器18で済むためビーコン装置10を安価に構成することが可能になる。また、単一の信号発生器19であるため、信号発生器どうしの信号が干渉受信不可能になることが避けられるという利点も得られる。更に、信号発生器の個体差により入力端子に入力される信号電力ばらつくことを避けられるという利点も得られる。

0059

それぞれが図1図4及び図5のいずれかに示す構成となる複数のビーコン装置10から、前述したように第1信号S1、第2信号S2、第3信号S3及び第4信号S4に基づいたビーコン信号を受信する携帯通信端末装置20は、前述した方法に従って推定した各ビーコン装置10から見た方向(出発角)θと、各ビーコン装置10の位置とを用いた既知の推定演算手法により、自機(携帯通信端末装置20)の推定位置を得ることができる。この場合、携帯通信端末装置20は、各ビーコン装置10の位置を、ビーコン信号に含められた位置情報により、予め記憶部に格納しておくことにより、インターネット等のネットワークを介した他の機器からの配信により、あるいは、操作者による入力操作により、得ることができる。

0060

以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。

0061

10ビーコン装置
11 180度ハイブリッド素子
12 90度ハイブリッド素子
13a 第1信号発生器
13b 第2信号発生器
13c 第3信号発生器
13d 第4信号発生器
14合成器
14a 第1合成器
14b 第2合成器
14c 第3合成器
15a 第1減衰器
15b 第2減衰器
16a 第1アンテナ
16b 第2アンテナ
16c 第3アンテナ
17a 第1終端器
17b 第2終端器
18 信号発生器
19 SP4Tスイッチ
20 携帯通信端末装置

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