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技術 パルスレーダ

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 森田忠士田中広志
出願日 2016年5月31日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-109245
公開日 2017年12月7日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-215208
状態 未査定
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 周波数特性値 修正パルス 遅延ゼロ センシング性能 パルス計測 Golay符号 補正フィルタ係数 パルスレーダシステム
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

RF誤差による復号受信パルス信号波形劣化を抑制し、センシング性能の劣化を抑制する簡易な構成を備えるパルスレーダを提供する。

解決手段

パルスレーダは、送信パルス信号を生成するパルス生成部と、送信パルス信号を高周波信号に変換し、送信アンテナに出力する送信RF部と、受信アンテナが受信した高周波信号を入力し、受信パルス信号に変換する受信RF部と、受信パルス信号から主パルスおよび主パルス以降に存在する少なくとも1つの誤差パルスを検出する検出部と、パルス生成部および送信RF部の間または受信RF部および検出部の間に設けられ、送信パルス信号または受信パルス信号を補正する少なくとも1つの補正フィルタと、主パルスに対する少なくとも1つの誤差パルスの遅延量および位相差を算出し、算出した遅延量および位相差に基づき、少なくとも1つの補正フィルタを更新する補正フィルタ係数算出部と、を備える。

概要

背景

高精度なレーダシステムを実現する上で、非常に高い周波数の信号を取り扱うため、高周波デバイスが用いられている。そのような高周波デバイスは高周波になればなるほど、周波数偏差が大きくなること、温度変動経年変化が大きくなること、個体バラつきなどで大きく特性が変化すること等が知られている。

概要

RF誤差による復号受信パルス信号波形劣化を抑制し、センシング性能の劣化を抑制する簡易な構成を備えるパルスレーダを提供する。パルスレーダは、送信パルス信号を生成するパルス生成部と、送信パルス信号を高周波信号に変換し、送信アンテナに出力する送信RF部と、受信アンテナが受信した高周波信号を入力し、受信パルス信号に変換する受信RF部と、受信パルス信号から主パルスおよび主パルス以降に存在する少なくとも1つの誤差パルスを検出する検出部と、パルス生成部および送信RF部の間または受信RF部および検出部の間に設けられ、送信パルス信号または受信パルス信号を補正する少なくとも1つの補正フィルタと、主パルスに対する少なくとも1つの誤差パルスの遅延量および位相差を算出し、算出した遅延量および位相差に基づき、少なくとも1つの補正フィルタを更新する補正フィルタ係数算出部と、を備える。

目的

本開示の目的は、RF誤差による復号済受信パルス信号の波形の劣化を抑制し、センシング性能の劣化を抑制する簡易な構成を備えるパルスレーダを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

送信パルス信号を生成するパルス生成部と、前記送信パルス信号を高周波信号に変換し、送信アンテナに出力する送信RF部と、受信アンテナが受信した高周波信号を入力し、受信パルス信号に変換する受信RF部と、前記受信パルス信号から主パルスおよび前記主パルス以降に存在する少なくとも1つの誤差パルスを検出する検出部と、前記パルス生成部および前記送信RF部の間または前記受信RF部および前記検出部の間に設けられ、前記送信パルス信号または前記受信パルス信号を補正する少なくとも1つの補正フィルタと、前記主パルスに対する前記少なくとも1つの誤差パルスの遅延量および位相差を算出し、算出した前記遅延量および前記位相差に基づき、前記少なくとも1つの補正フィルタを更新する補正フィルタ係数算出部と、を備えるパルスレーダ

請求項2

前記少なくとも1つの補正フィルタは、前記パルス生成部および前記送信RF部の間に設けられ、前記送信パルス信号を補正する補正フィルタである、請求項1に記載のパルスレーダ。

請求項3

前記少なくとも1つの補正フィルタは、前記受信RF部および前記検出部の間に設けられ、前記受信パルス信号を補正する補正フィルタである、請求項1に記載のパルスレーダ。

請求項4

前記少なくとも1つの補正フィルタは、多段のTAPを有するFIRフィルタを備え、前記補正フィルタ係数算出部は、前記遅延量に対応するTAPの利得係数を、前記位相差を180°回転した値に設定することにより、前記少なくとも1つの補正フィルタを更新する、請求項2または3に記載のパルスレーダ。

請求項5

前記主パルスは、パルスレーダの前に置かれた被測定物体までの距離に相当するタイミングで受信したパルスである、請求項1から4に記載のパルスレーダ。

請求項6

前記少なくとも1つの誤差パルスは、前記主パルス以降に現れるパルスのうち、最大の電力レベルを有するパルスである、請求項5に記載のパルスレーダ。

請求項7

前記少なくとも1つの誤差パルスは、前記主パルス以降に現れる所定の数のパルスである、請求項5に記載のパルスレーダ。

請求項8

前記少なくとも1つの誤差パルスは、前記主パルス以降に現れるパルスのうち、最大の電力レベルを有するパルスの近傍において、電力レベルが所定の閾値を超えているパルスである、請求項5に記載のパルスレーダ。

請求項9

所定の符号化系列を用いて符号化した送信パルス信号を生成するパルス生成部と、前記送信パルス信号を高周波信号に変換し、送信アンテナに出力する送信RF部と、受信アンテナが受信した高周波信号を入力し、受信パルス信号に変換する受信RF部と、前記受信パルス信号から主パルスおよび前記主パルス以降に存在する少なくとも1つの誤差パルスを検出する検出部と、前記主パルスに対する前記誤差パルスの遅延量および位相差を算出し、算出した前記遅延量、前記位相差に基づいて前記符号化系列を修正し、修正された符号化系列と前記受信パルス信号との相関をとって相関信号を出力する相関部と、を備えるパルスレーダ。

技術分野

0001

本開示は、パルスレーダに関する。

背景技術

0002

高精度なレーダシステムを実現する上で、非常に高い周波数の信号を取り扱うため、高周波デバイスが用いられている。そのような高周波デバイスは高周波になればなるほど、周波数偏差が大きくなること、温度変動経年変化が大きくなること、個体バラつきなどで大きく特性が変化すること等が知られている。

先行技術

0003

特開2001−016145号公報

発明が解決しようとする課題

0004

図1は、従来技術に係るパルスレーダ100を示す。パルスレーダ100は、送信部として、パルス生成部110と、送信RF部120と、送信アンテナ130と、を備える。また、パルスレーダ100は、受信部として、受信アンテナ140と、受信RF部150と、相関部160と、コヒレント加算部170と、信号処理部180と、を備える。

0005

パルス生成部110は、送信パルス信号を生成する。次いで、パルス生成部110は、送信パルス信号を、例えばGolay符号のようなパルス符号系列を用いて符号化することにより、符号化済送信パルス信号を生成する。送信RF部120は、符号化済み送信パルス信号をアップコンバートし、高周波信号を生成する。送信アンテナ130は、高周波信号を被測定物体に対して送信する。

0006

送信された高周波信号は、その一部が被測定物体(コーナーリフレクタ190)によって反射される。そして、受信アンテナ140は、被測定物体によって反射された反射波信号を受信する。受信RF部150は、受信信号ダウンコンバートし、受信パルス信号を生成する。相関部160は、受信パルス信号と符号化に用いられたパルス符号系列との相関(相互相関)をとって相関信号を生成する。

0007

このような送信パルス信号の生成から相関信号の生成までの処理が、繰り返し行われる。コヒレント加算部170は、繰り返し生成された相関信号をコヒレント加算することにより、SNR(信号ノイズ比)が改善された復号済受信パルス信号を生成する。信号処理部180は、復号済受信パルス信号に基づいて、被測定物体までの距離の算出などの処理を行う。

0008

次に、図2Aおよび図2Bを参照して、図1に示される従来技術における課題を説明する。図2Aは、送信RF部120の通過特性において周波数偏差がない場合の送信パルス信号と復号済受信パルス信号とを示す。図2Bは、送信RF部120の通過特性において周波数偏差がある場合の送信パルス信号と復号済受信パルス信号とを示す。いずれの図においても、横軸時間軸を示し、縦軸電力レベルを示す。

0009

図2Aに示されるように、送信RF部120の通過特性に周波数偏差がない場合、単一パルスP0からなる送信パルス信号に対して、復号済受信パルス信号は単一の主パルスP0’となる。一方、図2Bに示されるように、送信RF部120の通過特性に周波数偏差がある場合、単一パルスP0からなる送信パルス信号に対して、復号済受信パルス信号には、主パルスP0’’以外に、例えばパルスP1のような他の信号成分が発生する。

0010

上述のように、送信RF部120において、周波数偏差等のRF誤差がある場合、復号済受信パルス信号の波形劣化し、それによりパルスレーダ100のセンシング性能が劣化する問題がある。また、受信RF部150の通過特性に周波数偏差がある場合も、同様の問題がある。特許文献1には、送信出力波において2つの異なる周波数の信号検出を行い、その検出値に基づいて直線周波数特性補正を行うことが記載されている。しかしながら、パルスレーダにおいては、用いられるミリ波広帯域であるため、より高精度な周波数特性補正を行う必要がある。周波数をスイープさせてRF部の広帯域に亘る周波数特性値を取得し、取得した周波数特性値に基づいて周波数特性補正を行うことも提案されているが、FFT解析回路が必要となり、回路規模が増大する等の問題がある。

0011

本開示の目的は、RF誤差による復号済受信パルス信号の波形の劣化を抑制し、センシング性能の劣化を抑制する簡易な構成を備えるパルスレーダを提供することである。

課題を解決するための手段

0012

本開示の一態様に係るパルスレーダは、送信パルス信号を生成するパルス生成部と、前記送信パルス信号を高周波信号に変換し、送信アンテナに出力する送信RF部と、受信アンテナが受信した高周波信号を入力し、受信パルス信号に変換する受信RF部と、前記受信パルス信号から主パルスおよび前記主パルス以降に存在する少なくとも1つの誤差パルスを検出する検出部と、前記パルス生成部および前記送信RF部の間または前記受信RF部および前記検出部の間に設けられ、前記送信パルス信号または前記受信パルス信号を補正する少なくとも1つの補正フィルタと、前記主パルスに対する前記少なくとも1つの誤差パルスの遅延量および位相差を算出し、算出した前記遅延量および前記位相差に基づき、前記少なくとも1つの補正フィルタを更新する補正フィルタ係数算出部と、を備える構成を採る。

発明の効果

0013

本開示によれば、RF誤差による復号済受信パルス信号の波形の劣化を抑制し、センシング性能の劣化を抑制する簡易な構成を備えるパルスレーダを提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

従来技術に係るパルスレーダを示す。
送信RF部の通過特性において周波数偏差がない場合の、送信パルス信号と復号済受信パルス信号とを示す。
送信RF部の通過特性において周波数偏差がある場合の、送信パルス信号と復号済受信パルス信号とを示す。
第1の実施の形態に係るパルスレーダの構成図である。
第1の実施の形態に係る補正フィルタが補正を行わない場合の、受信パルス信号および復号済受信パルス信号の周波数偏差による変化を示す。
補正フィルタの更新の手順を説明するフローチャートである。
相関信号のコヒレント加算の説明図である。
第1の実施の形態に係る補正フィルタが補正を行わない場合の、復号済受信パルス信号の一例を示す。
第2の実施の形態における誤差パルス群の説明図である。
第3の実施の形態に係るパルスレーダの構成図である。
第5の実施の形態に係るパルスレーダの構成図である。

実施例

0015

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、全図を通じて、同一の符号を有する構成要素は、同一または同様の構成要素を表す。

0016

(第1の実施の形態)
図3は、第1の実施の形態に係るパルスレーダ200の構成の説明図である。パルスレーダ200は、送信部として、パルス生成部110と、補正フィルタ230と、送信RF部120と、送信アンテナ130と、を備える。また、パルスレーダ200は、受信部として、受信アンテナ140と、受信RF部150と、相関部160と、コヒレント加算部170と、信号処理部180と、誤差パルス計測部210と、補正フィルタ係数算出部220とを備える。パルスレーダ200は、図1に示したパルスレーダ100の構成に加えて、補正フィルタ230と、誤差パルス計測部210と、補正フィルタ係数算出部220とを備える。

0017

補正フィルタ230は、入力した符号化済送信パルス信号を補正する。一例において、補正フィルタ230は、多段のTAPから構成されるFIRフィルタであり、多段のTAPを構成する各TAPの利得係数は更新可能である。TAPの段数は、相関部160が出力する主パルス以外の補正対象となる信号成分の主パルスに対する遅延量に応じて決まる。補正フィルタ230は、入力した利得係数更新信号に応じて、各TAPの利得係数を更新する。補正フィルタ230は、送信RF部120および受信RF部150の両方の周波数偏差によって生じる復号済受信パルス信号の誤差を、送信部側で補正するために設けられる。

0018

誤差パルス計測部210は、コヒレント加算部170が生成した復号済受信パルス信号から、補正対象となる信号成分の主パルスに対する遅延量および位相差を計測する。遅延量および位相差の計測の内容については、図5を参照して後述する。

0019

補正フィルタ係数算出部220は、誤差パルス計測部210が計測した遅延量および位相差の情報から、補正フィルタ230で使用する利得係数を算出し、利得係数に応じた利得係数更新信号を補正フィルタ230に出力することにより、補正フィルタ230を更新する。補正フィルタ230で使用する係数の内容についても、図5を参照して後述する。

0020

パルス波形の劣化>
図4は、第1の実施の形態に係る補正フィルタ230が補正を行わない場合の受信パルス信号および復号済受信パルス信号の周波数偏差による変化を示す。

0021

図4に示されるように、送信パルス生成部110は、単一パルスP0からなる送信パルス信号をパルス符号系列により符号化して、符号化済送信パルス信号c0を生成する。送信RF部120および受信RF部150のいずれの通過特性にも周波数偏差がない場合、受信パルス信号には、周波数偏差に起因する誤差は混入せず、コヒレント加算部170が生成する復号済受信パルス信号は、単一の主パルスP0’となる。このように、周波数偏差がない場合、パルス波形の劣化は発生しない。

0022

一方、送信RF部120および受信RF部150の少なくとも1つの通過特性に周波数偏差がある場合、受信パルス信号c1には誤差が混入しており、コヒレント加算部170が生成する復号済受信パルス信号には、主パルスP0’’以外に、例えばパルスP1のような他の信号成分(誤差パルス)が混入する。このように、周波数偏差がある場合、パルス波形の劣化が発生する。

0023

<補正フィルタ230の更新の手順>
図5は、補正フィルタ230の更新の手順を説明するフローチャートである。

0024

まず、ステップS1010において、コーナーリフレクタ(CR)190を配置する。第1の実施の形態においては、パルスレーダ200の前方の既知の距離にCR190を設置する必要がある。そのため、補正フィルタ230の更新は、工場出荷時や電源立ち上げ時などに行われる。また、補正フィルタ230の更新を実施する際に、パルスレーダ200の前方に他の反射物などが置かれていたり、電波を反射する壁などがあったりすると、CR190による反射波を精度良く計測できない。したがって、補正フィルタ230の更新を実施する際は、パルスレーダ200が精度よく観測できる専用のCR190だけを設置する環境を構築しておく。例えば、補正フィルタ230の更新を実施する際には、パルスレーダ200の前、例えば5m先にCR190を配置し、他の反射体をその近傍に置かないようにする。

0025

次いで、ステップS1020において、補正フィルタ230の補正をオフにする。すなわち、補正フィルタ230が入力した信号に対して何の操作も行わず、入力した信号をそのまま出力するようにする。例えば、補正フィルタ230がFIRフィルタである場合、遅延ゼロのTAP係数を1倍にし、他のTAP係数はゼロにする。

0026

次いで、ステップS1030において、パルス生成部110はパルス符号系列を生成する。生成するパルス符号系列には特に制限はなく、例えばパルスレーダ200が被測定物体の検知に用いるパルス符号系列を流用してもよい。

0027

次いで、ステップS1040において、送信RF部120はパルス符号系列を高周波信号に変換し、送信アンテナ130が高周波信号を送信する。次いで、ステップS1050において、受信アンテナ140はCR190により反射された信号である反射波信号を受信し、受信RF部150が受信パルス信号を生成する。

0028

次いで、ステップS1060において、相関部160が符号化で用いられたパルス符号系列と受信パルス信号との相関をとって相関信号を生成する。次いで、ステップS1070において、ステップS1030〜S1060の処理を指定回数繰り返したか否かを判定する。指定回数の値については特に制限はないが、指定回数が多い程、次のステップS1080におけるコヒレント加算部170の出力信号のSNRがより改善される。ステップS1030〜S1060の処理を指定回数繰り返していないと判定した場合(S1070:NO)、ステップS1030に戻る。

0029

ステップS1070において、ステップS1030〜S1060の処理を指定回数繰り返したと判定した場合(S1070:YES)、ステップS1080に進み、コヒレント加算部170が相関信号をコヒレント加算して、復号済受信パルス信号を生成する。

0030

コヒレント加算について、図6を参照して説明する。図6は、相関信号のコヒレント加算の説明図である。ここで、受信パルス信号c1は、RF部の周波数偏差の影響により変形している。相関部160は、受信パルス信号c1と、符号化に用いられたパルス符号系列との相関をとって相関信号を生成する。

0031

生成された相関信号においては、主パルスP0’の他に、RF部の周波数偏差の影響により、誤差パルスP1が発生している。ここで、受信RF部150に起因する熱雑音などの雑音の影響を取り除くために、相関信号に対して高い閾値Vthを設定すると、相関信号における誤差パルスP1の電力レベルが、閾値Vthより低くなってしまうことがある。その結果、観測したい誤差パルスP1が雑音に埋もれてしまい、誤差パルスP1を観測できないことがある。

0032

一方、コヒレント加算を行うと、信号成分は増幅される一方で、雑音成分はそれらの位相成分が異なるため互いに打ち消しあうので抑圧される。その結果、復号済受信パルス信号において、観測したい主パルスP0’’および誤差パルスP1’の双方の電力レベルが、ともに閾値Vthより高くなり、双方とも観測できるようになる。このように、コヒレント加算によって、相関部160が出力する相関信号のSNRを改善することができる。

0033

再度、図5を参照する。ステップS1090において、コヒレント加算部170の出力した復号済受信パルス信号に基づき、誤差パルス計測部210が主パルスに対する誤差パルスの遅延量および位相差を計測する。図7は第1の実施の形態に係る補正フィルタ230が補正を行わない場合の、復号済受信パルス信号の一例を示す。このように一般には、復号済受信パルス信号に複数の誤差パルスが発生する。

0034

誤差パルス計測部210は、複数の誤差パルスのうち、最も電力レベルが大きい誤差パルス(第1の誤差パルスP1)を検出する。次いで、誤差パルス計測部210は、主パルス(第1のパルスP0’)に対する、第1の誤差パルスP1の遅延量および位相差の計測を行う。

0035

具体的には、まず、誤差パルス計測部210は、第1のパルスP0’を特定する。このパルスが出力されるタイミングは、パルスレーダ200の前に設置したCR190の位置に依存する。例えばCR190をパルスレーダ200の5m先に設置した場合、その5mの距離に相当するタイミングで主パルスとして第1のパルスP0’を観測することができる。

0036

次いで、誤差パルス計測部210は、第1の誤差パルスP1を特定する。第1のパルスP0’以降に存在し、かつ第1のパルスP0’を除いた信号成分(P1,P2,P3)の中で最大のもの(P1)を第1の誤差パルスとして選び出す。

0037

次いで、誤差パルス計測部210は、第1のパルスP0’に対する、第1の誤差パルスP1の遅延量dおよび位相差phを算出する。具体的には、第1のパルスP0’の計測値を(t0,v0)とし、第1の誤差パルスP1の計測値を(t1,v1)とする。ここで、tnはパルスが観測された時刻、vn=(in,qn)はその時刻におけるパルスのIQ成分である。この場合、遅延量dは、d=t1−t0として算出される。また、位相差phは、ph=v1/v0として算出される。

0038

ステップS1100において、補正フィルタ計数算出部220は補正フィルタ230の利得係数を算出し、補正フィルタ230の利得係数を設定する。具体的には、誤差パルス計測部210が計測した遅延量dに基づき、補正フィルタ計数算出部220は利得係数を設定するTAP系列kを、k=d/sとして算出する。ここで、sは、補正フィルタ230が用いるサンプリングレートを表す。次いで、補正フィルタ計数算出部220は、TAP系列kの利得を、位相差phを180°回転したもの、すなわち−phに設定する。

0039

このように、相関部160と、コヒレント加算部170と、誤差パルス計測部210とは、受信パルス信号から主パルスおよび主パルス以降に存在する少なくとも1つの誤差パルスを検出する検出部として機能する。

0040

ステップS1010〜S1100の手順の後に、送信RF部120および受信RF部150で発生する周波数偏差に対して、補正フィルタ230で符号化済送信パルス信号の補正を無線送信の前に行うことにより、コヒレント加算部170が生成する復号済受信パルス信号における第1の誤差パルスを相殺することができる。

0041

このように、パルスレーダシステムにおいて、ミリ波やマイクロ波のような高周波デバイスを使用する場合に、それらの高周波デバイスの特性の周波数偏差に起因するパルスレーダのセンシング性能の劣化を回避することができる。したがって、高周波デバイスに温度や経年変化や個体バラつきがある場合でも、簡易な構成により高精度なレーダシステムを実現する事ができる。

0042

(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態における誤差パルス群の説明図である。第1の実施の形態は、誤差パルスの範囲が単一のサンプリング期間程度である場合を想定している。これに対して、第2の実施の形態は、誤差パルスの範囲が複数のサンプリング期間に跨がる場合を想定している。本明細書においては、電力レベルが大きい誤差パルスの範囲が複数のサンプリング期間に跨がる場合について述べる。

0043

図8においては、時刻t0の主パルス(第1のパルスP0’)に対して、電力レベルが大きい誤差パルス(誤差パルスP4〜P6)が、t4からt6までの3つのサンプリング期間に跨がっている。この場合、3つの誤差パルスP4〜P6が補正対象となる。

0044

具体的には、誤差パルス計測部210は、まず、電力レベルが最大の誤差パルスP5を特定する。次いで、誤差パルスP5の近傍において、電力レベルが閾値Vthを超えている誤差パルスP4〜P6を特定し、補正対象とする誤差パルスP4〜P6のサンプリング期間の範囲t4〜t6を決定する。ここで、閾値Vthとしてはどのような値を用いてもよい。例えば、第1の実施の形態において第1のパルス(主パルス)の電力レベルと第1の誤差パルスの電力レベルとの比が1:pである場合、第1の誤差パルスの電力とVthとの比が1:pとなるように、閾値Vthを決めてもよい。

0045

次いで、誤差パルス計測部210は、補正対象の誤差パルスのサンプリング期間の範囲t4〜t6に対して、第1の実施の形態と同様にして、第1のパルスP0’の計測値(t0,v0)および誤差パルスP4〜P6の計測値(t4,v4)〜(t6,v6)を計測する。次いで、誤差パルス計測部210は、誤差パルスP4〜P6の遅延量d4〜d6を、dk=tk−t0(k=4,5,6)として算出し、誤差パルスP4〜P6の位相差ph4〜ph6を、phk=vk/v0(k=4,5,6)として算出する。

0046

次いで、補正フィルタ計数算出部220が補正フィルタ230の利得係数を算出し、補正フィルタ230の利得係数を設定する。第1の実施の形態と同様にして、利得係数を設定するTAP系列k4〜k6は、km=dm/s(m=4,5,6、sはサンプリングレート)として特定される。さらに、第1の実施の形態と同様にして、TAP系列k4〜k6の利得係数は、それぞれ−ph4〜−ph6に設定される。このように、第2の実施の形態においては、3つのTAPに相当する誤差パルスP4〜P6が相殺される。

0047

なお、第2の実施の形態において、Vth=0として、補正フィルタ230が備える全てのTAP系列に対応する所定の数の誤差パルスを相殺してもよい。この場合は、電力レベルが最大の誤差パルスを特定する必要はない。

0048

(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態に係るパルスレーダ300の構成図である。パルスレーダ300は、送信部として、パルス生成部110と、送信RF部120と、送信アンテナ130と、を備える。パルスレーダ300は、受信部として、受信アンテナ140と、受信RF部150と、補正フィルタ230’と、相関部160と、コヒレント加算部170と、信号処理部180と、誤差パルス計測部210と、補正フィルタ係数算出部220とを備える。

0049

パルスレーダ300を第1の実施の形態に係るパルスレーダ200と比較すると、補正フィルタの接続位置が異なる。パルスレーダ200の補正フィルタ230は、パルス生成部110および送信RF部120の間に接続されるのに対し、パルスレーダ300の補正フィルタ230’は、受信RF部120および相関部160の間に接続される。

0050

補正フィルタ230’は、補正フィルタ230と同一の機能を備える。第1の実施の形態が、周波数偏差による波形変化に対して、符号化済送信パルス信号を無線送信の前に補正するのに対し、第3の実施の形態は、受信パルス信号を無線受信の後に補正するものである。補正フィルタの位置が異なる点を除き、第3の実施の形態の処理内容は、第1の実施の形態の処理内容と同一である。また、第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様、複数のTAPに相当する複数の誤差パルスを相殺する構成も考えられる。

0051

(第4の実施の形態)
第1の実施の形態においては、補正フィルタ230は、パルス生成部110と送信RF部120との間に接続され、第2の実施の形態においては、補正フィルタ230’は、受信RF部120と相関部160との間に接続される。これらを組み合わせて、例えば、パルス生成部110と送信RF部120との間に接続された補正フィルタ230と、受信RF部120と相関部160との間に接続された補正フィルタ230’との2つの補正フィルタを備える構成も考えられる。さらに一般化して、パルス生成部110および送信RF部120の間と、受信RF部120および相関部160の間とに少なくとも1つの補正フィルタを備える構成も考えられる。

0052

この場合、遅延量dおよび位相差phを有する誤差パルスに対して、利得係数を設定するTAP系列k=d/s(sはサンプリングレート)が特定され、複数の補正フィルタのTAP系列kの利得係数は、それらの合計が−phとなるように設定される。また、第4の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様、複数のTAPに相当する複数の誤差パルスを相殺する構成も考えられる。

0053

(第5の実施の形態)
図10は、第5の実施の形態に係るパルスレーダ400の構成図である。パルスレーダ400は、送信部として、パルス生成部110と、送信RF部120と、送信アンテナ130と、を備える。パルスレーダ400は、受信部として、受信アンテナ140と、受信RF部150と、相関部160’と、コヒレント加算部170と、信号処理部180と、誤差パルス計測部210と、補正フィルタ係数算出部220と、補正係数算出部240とを備える。パルスレーダ400を第3の実施の形態に係るパルスレーダ300と比較すると、パルスレーダ400は、相関部160および補正フィルタ230’に代えて、相関部160’および相関係数算出部240を備える。

0054

相関部160’は、FIRフィルタを用いて相関部160の機能を実現する限り、特にその構成に制限はない。第5の実施の形態においては、第3の実施の形態に係る補正フィルタ230’のFIRフィルタが行う処理と相関部160が行う処理とを、相関部160’において単一のFIRフィルタが行う。

0055

相関係数算出部240は、補正フィルタ係数算出部220が算出した遅延量dおよび位相差phを有する誤差パルスに対して、符号化に用いられたパルス符号系列から当該パルス符号系列に遅延量dおよび位相差phを作用させたものを減じた修正パルス符号系列を算出する。相関部160’は、符号化に用いられたパルス符号系列に代えて、補正係数算出部240が算出した修正パルス符号系列と、入力パルス信号との相関をとって相関信号を生成する。

0056

こうすると、相関部160とは別にFIRフィルタを有する補正部を設ける必要がなくなり、FIRフィルタを有する補正部を別体として設ける構成と比較して、より簡易な構成が実現できる。

0057

(第6の実施の形態)
第1の実施の形態から第5の実施の形態までは、少なくとも1つの補正フィルタの更新または相関係数の算出をそれぞれ1度ずつ行っている。これに代えて、少なくとも1つの補正フィルタの更新または相関係数の算出を、利得係数または相関係数が収束するまで繰り返すことで、誤差パルスの補正の精度を向上させる。

0058

(その他の実施形態)
図5に示されたフローチャートにおいては、相関信号の生成を指定回数だけ繰り返してから、コヒレント加算部170が相関信号をコヒレント加算している。このフローチャートは一例に過ぎず、これに代えて、相関信号の生成およびコヒレント加算の双方をまとめて指定回数だけ繰り返す実施形態も考えられる。フローチャートに記載されたステップは必ずしも記載された順序で実行される必要がなく、ステップの順序を入れ替えた実施形態またはいくつかのステップを省略した実施形態も考えられる。

0059

本発明に係るパルスレーダは、周波数偏差に起因するセンシング性能の劣化を回避するのに好適である。

0060

100パルスレーダ
110パルス生成部
120 送信RF部
130送信アンテナ
140受信アンテナ
150 受信RF部
160相関部
160’ 相関部
170コヒレント加算部
180信号処理部
190コーナーリフレクタ
200 パルスレーダ
210誤差パルス計測部
220補正フィルタ係数算出部
230補正フィルタ
230’ 補正フィルタ
240補正係数算出部
300 パルスレーダ
400 パルスレーダ

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