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技術 希土類磁石粉末の製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 佐久間紀次加藤晃矢野正雄伊東正朗
出願日 2016年5月27日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-106366
公開日 2017年11月30日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-212396
状態 特許登録済
技術分野 硬質磁性材料 コア、コイル、磁石の製造 粉末冶金
主要キーワード 撹拌ドラム 電熱コイル 母材合金 電熱加熱 合金溶融 成形固化 ナノ粉末 コアサイズ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

優れた保磁力を有する希土類磁石を安定して得ることができる、希土類磁石粉末の製造方法を提供する。

解決手段

製造方法は、R1−M合金50を溶融すること及びR1−M合金50の溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末60を接触させて、R1−M合金50の溶融液中のR1を磁性粉末60に拡散させること、を含む。R1は、希土類元素であり、かつ、Mは、R1−M合金50の融点をR1の融点よりも低くする金属元素であり、かつ、溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に、磁性粉末60を接触させる。

概要

背景

希土類磁石は、希土類焼結磁石希土類ボンド磁石に大別される。希土類焼結磁石は、希土類磁石粉末焼結して得られ、希土類ボンド磁石は、希土類磁石粉末を樹脂等のバインダーと混ぜ合わせ、それを成形固化して得られる。以下、特に断りのない限り、「希土類磁石」は、希土類焼結磁石と希土類ボンド磁石の総称を意味する。

希土類磁石は、ハードディスクMRI(Magnetic Resonance Imaging)等を構成するモータのほか、ハイブリッド車電気自動車等の駆動用モータに用いられている。

これらのモータに用いる希土類磁石は、永久磁石として用いられることから、保磁力に優れることが好ましい。希土類磁石の保磁力を向上させるための取り組みとしては、いくつかの方法が挙げられる。

例えば、希土類磁石中の希土類元素の一部又は全部を、保磁力向上に優れた作用を及ぼす希土類元素にすることが挙げられる。そして、このような希土類元素としては、テリビウム(Tb)及びジスプロシウム(Dy)等の重希土類元素が挙げられる。

しかし、このような重希土類元素は、重希土類元素以外の希土類元素と比較して高価であるため、重希土類元素の使用量を低減しても、希土類磁石の保磁力が低下しない方策が望まれている。また、近年では、希土類磁石に使用される代表的な希土類元素であるネオジム(Nd)も、価格が高騰している。そのため、希土類磁石中のネオジム(Nd)の一部又は全部を、セリウム(Ce)及び/又はランタン(La)等で置換しても、希土類磁石の保磁力が低下しない方策が望まれている。重希土類元素の使用量を低減する、あるいは、ネオジムの一部又は全部を、セリウム(Ce)及び/又はランタン(La)等で置換しても、保磁力が低下しない方策として、希土類磁石又は希土類磁石粉末に、さらに、希土類元素を拡散させることが挙げられる。

その一例として、特許文献1には、主相とその主相を包囲する粒界相を有する希土類磁石であって、その主相が、Ce2Fe14Bのコアと(Nd0.5Ce0.5)Fe14Bのシェルとを有する希土類磁石が開示されている。そして、特許文献1には、この希土類磁石の製造方法として、Ce−Fe−B系希土類磁石粉末圧粉体又は焼結体と、Nd−Cu合金とを接触させ、このCe−Fe−B系希土類磁石粉末中に、Nd−Cu合金の溶融液中のNdを拡散させる方法が開示されている。

また、特許文献1には、Nd−Cu合金の溶融液に、Fe粉末又はFe3N粉末等を接触させて希土類磁石粉末を製造し、その希土類磁石粉末を用いて希土類磁石を製造する方法が開示されている。

概要

優れた保磁力を有する希土類磁石を安定して得ることができる、希土類磁石粉末の製造方法を提供する。製造方法は、R1−M合金50を溶融すること及びR1−M合金50の溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末60を接触させて、R1−M合金50の溶融液中のR1を磁性粉末60に拡散させること、を含む。R1は、希土類元素であり、かつ、Mは、R1−M合金50の融点をR1の融点よりも低くする金属元素であり、かつ、溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に、磁性粉末60を接触させる。

目的

しかし、このような重希土類元素は、重希土類元素以外の希土類元素と比較して高価であるため、重希土類元素の使用量を低減しても、希土類磁石の保磁力が低下しない方策が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

R1−M合金溶融すること、及び前記R1−M合金の溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させて、前記R1−M合金の溶融液中のR1を前記磁性粉末に拡散させること、を含み、前記R1は、希土類元素であり、かつ、前記Mは、R1−M合金の融点を前記R1の融点よりも低くする金属元素であり、かつ前記溶融液を撹拌しながら、前記溶融液に、前記磁性粉末を接触させる、希土類磁石粉末の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、希土類磁石粉末の製造方法に関する。本発明は、特に、希土類焼結磁石又は希土類ボンド磁石原材料粉末として用いる希土類磁石粉末の製造方法に関する。

背景技術

0002

希土類磁石は、希土類焼結磁石と希土類ボンド磁石に大別される。希土類焼結磁石は、希土類磁石粉末を焼結して得られ、希土類ボンド磁石は、希土類磁石粉末を樹脂等のバインダーと混ぜ合わせ、それを成形固化して得られる。以下、特に断りのない限り、「希土類磁石」は、希土類焼結磁石と希土類ボンド磁石の総称を意味する。

0003

希土類磁石は、ハードディスクMRI(Magnetic Resonance Imaging)等を構成するモータのほか、ハイブリッド車電気自動車等の駆動用モータに用いられている。

0004

これらのモータに用いる希土類磁石は、永久磁石として用いられることから、保磁力に優れることが好ましい。希土類磁石の保磁力を向上させるための取り組みとしては、いくつかの方法が挙げられる。

0005

例えば、希土類磁石中の希土類元素の一部又は全部を、保磁力向上に優れた作用を及ぼす希土類元素にすることが挙げられる。そして、このような希土類元素としては、テリビウム(Tb)及びジスプロシウム(Dy)等の重希土類元素が挙げられる。

0006

しかし、このような重希土類元素は、重希土類元素以外の希土類元素と比較して高価であるため、重希土類元素の使用量を低減しても、希土類磁石の保磁力が低下しない方策が望まれている。また、近年では、希土類磁石に使用される代表的な希土類元素であるネオジム(Nd)も、価格が高騰している。そのため、希土類磁石中のネオジム(Nd)の一部又は全部を、セリウム(Ce)及び/又はランタン(La)等で置換しても、希土類磁石の保磁力が低下しない方策が望まれている。重希土類元素の使用量を低減する、あるいは、ネオジムの一部又は全部を、セリウム(Ce)及び/又はランタン(La)等で置換しても、保磁力が低下しない方策として、希土類磁石又は希土類磁石粉末に、さらに、希土類元素を拡散させることが挙げられる。

0007

その一例として、特許文献1には、主相とその主相を包囲する粒界相を有する希土類磁石であって、その主相が、Ce2Fe14Bのコアと(Nd0.5Ce0.5)Fe14Bのシェルとを有する希土類磁石が開示されている。そして、特許文献1には、この希土類磁石の製造方法として、Ce−Fe−B系希土類磁石粉末圧粉体又は焼結体と、Nd−Cu合金とを接触させ、このCe−Fe−B系希土類磁石粉末中に、Nd−Cu合金の溶融液中のNdを拡散させる方法が開示されている。

0008

また、特許文献1には、Nd−Cu合金の溶融液に、Fe粉末又はFe3N粉末等を接触させて希土類磁石粉末を製造し、その希土類磁石粉末を用いて希土類磁石を製造する方法が開示されている。

先行技術

0009

国際公開第2014/196605号

発明が解決しようとする課題

0010

特許文献1に開示された製造方法で得られた希土類磁石には、次のような課題があることを、本発明者らは見出した。

0011

すなわち、Nd−Cu合金の溶融液に、Ce−Fe−B系希土類磁石粉末の圧粉体又は焼結体を接触させて得られた希土類磁石のM−H曲線磁化と磁場の関係を表した曲線)は角形性に劣り、保磁力の向上が充分ではない、という課題を本発明者らは見出した。

0012

また、Nd−Cu合金の溶融液に、Fe粉末又はFe3N粉末等を接触させて希土類磁石粉末を製造し、その粉末を用いて希土類磁石を製造すると、その保磁力の向上には、ばらつきがあることを見出した。

0013

本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、希土類磁石粉末を原材料として用いて希土類磁石を製造するに際し、優れた保磁力を有する希土類磁石を安定して得ることができる、希土類磁石粉末の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。その要旨は、次のとおりである。
〈1〉R1−M合金溶融すること、及び
前記R1−M合金の溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させて、前記R1−M合金の溶融液中のR1を前記磁性粉末に拡散させること、
を含み、
前記R1は、希土類元素であり、かつ、前記Mは、R1−M合金の融点を前記R1の融点よりも低くする金属元素であり、かつ
前記溶融液を撹拌しながら、前記溶融液に、前記磁性粉末を接触させる、
希土類磁石粉末の製造方法。

発明の効果

0015

本発明によれば、R1−M合金の溶融液を撹拌しながら、この溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させることにより、磁性粉末に、R1−M合金の溶融液中のR1を均一に拡散させることができる。その結果、本発明によれば、優れた保磁力を有する希土類磁石を安定して得られる、希土類磁石粉末の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明に係る希土類磁石の製造方法において、R1−M溶液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させる際、R1−M合金を溶融して、R1−M合金の溶融液を撹拌する状態の一例を示す模式図である。
R1−M合金と、R2−Fe−B系希土類磁石粉末とを混合したとき、R1−M合金が溶融する前の状態を示す模式図である。
図2の状態で加熱して、R1−M合金の溶融液に、R2−Fe−B系希土類磁石粉末を接触させるに際し、R1−M合金の溶融液を撹拌して得られた希土類磁石粉末の状態を示す模式図である。
図2の状態で加熱して、R1−M合金の溶融液に、R2−Fe−B系希土類磁石粉末を接触させるに際し、R1−M合金の溶融液を撹拌せずに得られた希土類磁石粉末の状態を示す模式図である。
R1−M合金と、Fe粉末とを混合したとき、R1−M合金が溶融する前の状態を示す模式図である。
図5の状態で加熱して、R1−M合金の溶融液を撹拌しながら、R1−M合金の溶融液に、Fe粉末を接触させて、非常に少ないR1をFe粉末に拡散して得られた希土類磁石粉末の状態を示す模式図である。
図5の状態で加熱して、R1−M合金の溶融液を撹拌しながら、R1−M合金の溶融液に、Fe粉末を接触させて、少ないR1をFe粉末に拡散して得られた希土類磁石粉末の状態を示す模式図である。
図5の状態で加熱して、R1−M合金の溶融液を撹拌しながら、R1−M合金の溶融液に、Fe粉末を接触させて、多くのR1をFe粉末に拡散して得られた希土類磁石粉末の状態を示す模式図である。
図5の状態で加熱して、R1−M合金の溶融液を撹拌しながら、R1−M合金の溶融液に、Fe粉末を接触させて、非常に多くのR1をFe粉末に拡散して得られた希土類磁石粉末の状態を示す模式図である。
図5の状態で加熱して、R1−M合金の溶融液を撹拌せずに、Fe粉末を接触させ、非常に多くのR1を拡散して得られた希土類磁石粉末の状態を示す模式図である。
実施例1と比較例1の試料について、M−H曲線を示すグラフである。

0017

以下、本発明に係る希土類磁石粉末の製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を限定するものではない。

0018

本発明者らは、遷移金属元素を含有する磁性粉末に、均一に希土類元素を拡散させ、その磁性粉末を用いて希土類磁石を製造すると、その希土類磁石の保磁力は向上し、かつ、その保磁力向上効果のばらつきを低減できる、という知見を得た。

0019

また、本発明者らは、磁性粉末に、均一に希土類元素を拡散させるには、R1−M溶液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させる際、R1−M溶液を撹拌することがよい、という知見を得た。

0020

これらの知見に基づく、本発明に係る希土類磁石粉末の製造方法の構成を、次に説明する。

0021

(R1−M合金の溶融工程)
R1−M合金を溶融する。R1は、希土類元素であり、かつ、MはR1−M合金の融点をR1の融点よりも低くする金属元素である。

0022

希土類元素は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)の17元素である。

0023

R1−M合金は、R1として、これらの希土類元素から1種以上を選択し、Mとして、R1−M合金の融点をR1の融点よりも低くする金属元素から1種以上を選択した合金である。

0024

R1とMは、前述した融点の関係を満たせば、R1とMに特に制限はないが、R1としては、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、及びサマリウム(Sm)から1種以上を選択することが好ましい。ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、及びサマリウム(Sm)は、ジスプロシウム(Dy)及びテルビウム(Tb)等の重希土類元素と比べて高価ではなく、ランタン(La)及びセリウム(Ce)よりも、磁気特性向上効果が高い。Mとしては、Cu、Au、Mn、In、Zn、Al、Ag、Ga、及びFe等の遷移金属元素又は典型金属元素から1種を選択することが好ましい。これらの元素は、希土類磁石中に残留しても、磁気特性に悪影響を与えることが少ない。また、Mを1種とすることで、希土類磁石中に、有害な金属間化合物が残留することを低減できる。

0025

R1−M合金としては、Nd−Cu合金(共晶点520℃)、Pr−Cu合金(共晶点480℃)、Nd−Al合金(共晶点650℃)、Pr−Al合金(共晶点650℃)、Sm−Cu合金、Sm−Fe合金、Nd−Pr−Cu合金、及びNd−Pr−Al合金等を挙げることができる。

0026

後述するように、R1−M合金を溶融して、その溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させる。その際、磁性粉末が過熱されることによって、磁性粉末が変質することを回避するため、R1−M合金の溶融液は500〜900℃であることが好ましく、500〜800℃であることがより好ましく、500〜700℃であることがより一層好ましい。

0027

R1−M合金が上述の温度範囲溶融状態になるように、R1−M合金の組成を調整する。すなわち、R1−M合金は低融点合金であることが好ましい。例えば、Nd−Cu合金の場合、Ndは、40モル%以上、50モル%以上、又は55モル%以上であってよく、90モル%以下、80モル%以下、又は75モル%以下であってよい。Nd−Fe合金の場合、Ndは、60モル%以上又は65モル%以上であってよく、80モル%以下又は75モル%以下であってよい。Sm−Cu合金の場合、Smは、40モル%以上、50モル%以上、又は55モル%以上であってよく、90モル%以下、80モル%以下、又は75モル%以下であってよい。Pr−Cu合金の場合、Prは、40モル%以上、50モル%以上、又は55モル%以上であってよく、90モル%以下、80モル%以下、又は75モル%以下であってよい。

0028

R1−M合金の溶融方法は特に限定されない。R1−M合金を溶融する前から、R1−M合金に、遷移金属元素を含有する磁性粉末(以下、単に「磁性粉末」ということがある。)を接触させておき、R1−M合金と磁性粉末を同時に加熱し、R1−M合金を溶融してもよい。あるいは、R1−M合金を溶融した後で、そのR1−M合金溶融液に、磁性粉末を接触させてもよい。R1−M合金の溶融液に、磁性粉末を接触させる工程については、次に詳述する。

0029

(R1−M合金の溶融液に磁性粉末を接触させる工程)
R1−M合金の溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させる。その際、R1−M合金の溶融液を撹拌しながら、R1−M合金の溶融液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させる。

0030

図1は、本発明に係る希土類磁石の製造方法において、R1−M溶液に、遷移金属元素を含有する磁性粉末を接触させる際、R1−M合金を溶融して、R1−M合金の溶融液を撹拌する状態の一例を示す模式図である。図1(a)は、R1−M合金が溶融する前の状態を示す図であり、図1(b)は、R1−M合金が溶融した後の状態を示す図である。

0031

撹拌ドラム10は、材料格納部20と回転軸30を有する。材料格納部20は、筒状になっている。材料格納部20の一端は、底板22で塞がれている。材料格納部20は、底板22の反対側に開口部24を有する。底板22には回転軸30が連結されている。回転軸30の底板22の反対側には、回転手段(図示しない)が連結されている。回転手段としては、例えば、電動機等が挙げられる。回転手段によって、回転軸30を介して材料格納部20を回転する。

0032

材料格納部20に、R1−M合金50と、遷移金属元素を含有する磁性粉末60を装入する。R1−M合金50は、粉末状にしておくことが好ましい。このようにすることで、R1−M合金50が溶融する前から、R1−M合金50と、遷移金属元素を含有する磁性粉末60がよく混合し、R1−M合金50が溶融したとき、磁性粉末に、R1が均一に拡散しやすい。図1(a)に示したように、R1−M合金50が溶融する前から、材料格納部20を回転させておいてもよい。このようにすることで、R1−M合金50が溶融する前から、R1−M合金50と、遷移金属元素を含有する磁性粉末60が一層よく混合し、R1−M合金50が溶融したとき、磁性粉末に、R1がより均一に拡散しやすい。

0033

材料格納部20に、R1−M合金50と磁性粉末60を装入した後、材料格納部20を加熱してR1−M合金の溶融液70を得て、溶融液70に磁性粉末60を接触させる。その際、図1(b)に示したように、材料格納部20を回転して、溶融液70を撹拌する。材料格納部20の回転は、回転手段(図示しない)によって、回転軸30を介して行う。

0034

材料格納部20の回転速度については、回転速度が速すぎると、溶融液70中の磁性粉末60が材料格納部20の内壁押し付けられることにより、撹拌効果が低下し、一方、回転速度が遅すぎると、溶融液70中で磁性粉末60が沈降して、撹拌効果が低下する。したがって、溶融液70中の磁性粉末60に作用する重力の大きさが、溶融液70中の磁性粉末60に作用する遠心力よりも大きくなるように、材料格納部20の回転速度を適宜決定すればよい。このようにすることで、溶融液70中で、磁性粉末60が効率よく移動できる。

0035

R1−M合金50を溶融することができ、かつ、溶融液70を溶融状態で保持することができれば、材料格納部20の加熱方法は、特に限定されない。例えば、材料格納部20の外周部に、誘導加熱コイル(図示しない)又は電熱コイル(図示しない)を配置して、誘導加熱又は電熱加熱することが挙げられる。

0036

図1(b)に示した実施形態では、撹拌効率を向上させるため、材料格納部20を鉛直方向に対して傾けて、材料格納部20を回転しているが、これに限られない。例えば、材料格納部20を水平にして、これを回転してもよい。

0037

また、図1(b)に示した実施形態では、材料格納部20を回転することによって、溶融液70を撹拌するが、これに限られない。例えば、溶融液70の中に、撹拌子回転子)を挿入して、溶融液70を撹拌してもよい。

0038

図1(a)及び図1(b)に示した実施形態では、材料格納部20に、R1−M合金50と磁性粉末60を装入した後、R1−M合金50を加熱して溶融液70を得ているが、これに限られない。例えば、材料格納部20に、磁性粉末60を装入した後、材料格納部20以外でR1−M合金50を溶融して、その溶融液70を材料格納部20に装入してもよい。溶融液70を材料格納部20に装入開始したときから、あるいは、溶融液70を材料格納部20に装入完了した直後から、溶融液70を撹拌することは言うまでもない。

0039

次に、溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に磁性粉末60を接触させる効果について、磁性粉末60がR2−Fe−B系希土類磁石粉末80である場合と、磁性粉末60がFe粉末90である場合とに分けて、図面を用いて説明する。

0040

図2は、R1−M合金50と、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80とを混合したとき、R1−M合金50が溶融する前の状態を示す模式図である。図3は、図2の状態で加熱して、R1−M合金50の溶融液に、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80を接触させるに際し、R1−M合金50を撹拌して得られた希土類磁石粉末81の状態を示す模式図である。図4は、図2の状態で加熱して、R1−M合金50の溶融液に、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80を接触させるに際し、R1−M合金50を撹拌せずに得られた希土類磁石粉末181の状態を示す模式図である。なお、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80のR2は希土類元素を示す。R2−Fe−B系希土類磁石粉末80については、後ほど詳述する。

0041

図2に示したように、R1−M合金50が溶融する前のR2−Fe−B系希土類磁石粉末80は、通常のR2−Fe−B系希土類磁石と同様の組織を有する。すなわち、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80は、主相であるR2−Fe−B相82と、粒界相であるR2リッチ相84を有する。R2リッチ相84は、R2−Fe−B相82を包囲している。

0042

R1−M合金50とR2−Fe−B系希土類磁石粉末80とを加熱する前は、R1−M合金50とR2−Fe−B系希土類磁石粉末80(磁性粉末60)のいずれも、固相である(図1(a)、参照)。これらを加熱して、R1−M合金50が溶融すると、R1−M合金50の溶融液(図1(b)の溶融液70、参照)中のR1が、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80に拡散する。

0043

R1−M合金50の溶融液中のR1が、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80に拡散すると、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80は、図3に示したように、(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末81になる。(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末81は、コア/シェル相83と(R1,R2)リッチ相85を有する。(R1,R2)リッチ相85は、コア/シェル相83を包囲している。コア/シェル相83は、コアであるR2−Fe−B相83aとシェルである(R1,R2)−Fe−B相83bを有する。

0044

図3における、コア/シェル相83及び(R1,R2)リッチ相85は、それぞれ、図2における、R2−Fe−B相82及びR2リッチ相84に由来する。図2において、R1−M合金50が溶融すると、R1が、R2−Fe−B系希土類磁石粉末80に拡散する。そのとき、R2−Fe−B相82では、その表層部にR1が拡散して、シェルとして(R1,R2)−Fe−B相83bを形成する。一方、R1が拡散しなかった部分は、コアとしてR2−Fe−B相83aが残存する。したがって、図3のR2−Fe−B相83aは、図2のR2−Fe−B相82よりも小さい。また、図2において、R1−M合金50が溶融して、R1がR2−Fe−B系希土類磁石粉末80に拡散すると、R2リッチ相84にR1が拡散して、(R1,R2)リッチ相85を形成する。

0045

図3に示したように、(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末81において、その1つの粒子内で、(R1,R2)−Fe−B相83bそれぞれのシェル厚さは同程度である。そして、(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末81の粒子それぞれについても、(R1,R2)−Fe−B相83それぞれのシェル厚さは同程度である。このようにシェルが形成されているため、図3のR2−Fe−B相83aそれぞれのコアサイズは、同程度である。これは、図1(b)に示したように、R1−M合金50の溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に、磁性粉末60(R2−Fe−B系希土類磁石粉末80)を接触させたことにより、磁性粉末60に、R1が均一に拡散したためである。

0046

図3に示したような組織が得られることにより、図3の(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末81は、優れた保磁力を有する。そして、(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末81を用いて製造した希土類磁石も、優れた保磁力を有する。

0047

一方、R1−M合金50の溶融液70を撹拌せずに、溶融液70に、磁性粉末60(R2−Fe−B系希土類磁石粉末80)を接触させると、磁性粉末60に、R1が均一に拡散しない。それにより、図4に示したような、(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末181が得られる。図4の(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末181は、図3の(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末81に相当する。図4における、コア/シェル相183及び(R1,R2)リッチ相185は、それぞれ、図3における、コア/シェル相83及び(R1,R2)リッチ相85に相当する。また、コアについては、図4のR2−Fe−B相183aは、図3のR2−Fe−B相83aに相当する。そして、シェルについては、図4の(R1、R2)−Fe−B相183bは、図3の(R1、R2)−Fe−B相83bに相当する。

0048

図4に示したように、(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末181において、その1つの粒子内で、(R1,R2)−Fe−B相183bそれぞれのシェル厚さは著しく異なる。そして、(R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末181の粒子それぞれについても、(R1、R2)−Fe−B相183bそれぞれのシェル厚さは著しく異なる。このように、それぞれのシェルの厚さが著しく異なるため、図4のR2−Fe−B相183aそれぞれのコアサイズも著しく異なる。これは、R1−M合金50の溶融液70を撹拌せずに、溶融液70に、磁性粉末60(R2−Fe−B系希土類磁石粉末80)を接触させることによって、磁性粉末60に、R1が均一に拡散しないためである。

0049

次に、溶融液70を撹拌しながら、磁性粉末60を接触させる効果に関し、磁性粉末60がFe粉末90である場合について説明する。

0050

図5は、R1−M合金50と、Fe粉末90とを混合したとき、R1−M合金50が溶融する前の状態を示す模式図である。図6図9は、図5の状態で加熱して、R1−M合金50の溶融液に、Fe粉末90を接触させるに際し、R1−M合金50を撹拌して得られた希土類磁石粉末94a〜94dの状態を示す模式図である。なお、図6図9は、上述の接触の際、Fe粉末90に対するR1−M合金50の割合と、Fe粉末90にR1−M合金50を接触させる時間(拡散時間)とで、Fe粉末90へのR1の拡散量を変化させたときの結果を示している。図6は、R1の拡散量が非常に少ない場合、図7は、R1の拡散量が少ない場合、図8は、R1の拡散量が多い場合、そして、図9は、R1の拡散量が非常に多い場合を示している。

0051

一方、図10は、図5の状態で加熱して、R1−M合金50の溶融液に、Fe粉末90を接触させるに際し、R1−M合金50を撹拌せずに得られた希土類磁石粉末94a〜94dの状態を示す模式図である。なお、図10は、上述の接触の際、Fe粉末90に対するR1−M合金50の割合を、図9の場合と同等にしたときの結果を示している。

0052

R1−M合金50が溶融する前は、図5に示したように、R1−M合金50とFe粉末90とが、相互に混合している。すなわち、R1−M合金50とFe粉末90とを加熱する前は、R1−M合金50とFe粉末90のいずれも、固相である(図1(a)、参照)。これらを加熱して、R1−M合金50が溶融すると、R1−M合金50の溶融液(図1(b)の溶融液70)中のR1が、Fe粉末90に拡散する。

0053

R1−M合金50を撹拌した場合、R1−M合金50の溶融液中のR1が、Fe粉末90に拡散すると、Fe粉末90は、Fe粉末90へのR1の拡散量に応じて、図6図9に示したように、R1−Fe系希土類磁石粉末94a〜94dになる。

0054

Fe粉末90へのR1の拡散量が非常に少ない場合、図5に示したFe粉末90は、図6に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94aになる。R1−Fe系希土類磁石粉末94aは、コアであるFe相90a、シェルであるR1−Fe相92a、及びR1−M相51aを有する。R1−M相51aは、R1−Fe相92aの外周を覆っている。

0055

図5において、R1−M合金50が溶融したとき、Fe粉末90へのR1の拡散量が非常に少ないと、Fe粉末90の表層部にR1が拡散して、R1−Fe相92aであるシェルを形成し、R1が拡散しなかった部分はコアとしてFe相90aが残存する。そして、Fe粉末90へのR1の拡散量が非常に少ないため、R1−M合金のうち、余剰のR1は、R1−M相51aとして、R1−Fe相92aの外周を覆って残存する。図5のFe粉末90aの表層部にR1が拡散したため、R1−Fe相92aであるシェルを形成した厚さ分だけ、図6のFe相90aは、図5のFe粉末90よりも小さい。

0056

図6に示したように、R1−Fe系希土類磁石粉末94aについて、R1−Fe相92aのシェル厚さは、それぞれの粒子で同程度である。そのため、Fe相90aのコアサイズは、それぞれの粒子で同程度である。R1−M相51aの厚さについても同様である。これは、図1(b)に示したように、R1−M合金50の溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に、磁性粉末60(Fe粉末90)を接触させたことにより、それぞれの磁性粉末60に、R1が均一に拡散したためである。

0057

Fe粉末90へのR1の拡散量が少ない場合、図5に示したFe粉末90は、図7に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94bになる。R1−Fe系希土類磁石粉末94bは、コアであるFe相90bと、シェルであるR1−Fe相92bを有する。図6に示した場合と比べて、図7に示した場合は、Fe粉末90へのR1の拡散量が多いため、余剰のR1が生じることはなく、その結果、図6に示したようなR1−M相51aが生じることもない。

0058

図5において、R1−M合金50が溶融したとき、Fe粉末90へのR1の拡散量が少ないと、Fe粉末90の表層部にR1が拡散して、R1−Fe相92aであるシェルを形成し、R1が拡散しなかった部分は、コアとしてFe相90aが残存する。図5のFe粉末90aの表層部に、R1が拡散したため、図7のFe相90aは、図5のFe粉末90よりも小さい。

0059

図7に示したように、R1−Fe系希土類磁石粉末94aについて、R1−Fe相92bのシェル厚さは、それぞれの粒子で同程度である。そのため、Fe相90aのコアサイズは、それぞれの粒子で同程度である。これは、図1(b)に示したように、R1−M合金50の溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に、それぞれの磁性粉末60(Fe粉末90)を接触させたことにより、それぞれの磁性粉末60に、R1が均一に拡散したためである。

0060

Fe粉末90へのR1の拡散量が多い場合、図5に示したFe粉末90は、図8に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94cになる。R1−Fe系希土類磁石粉末94cは、磁磁性体として機能する部分については、コア/シェル構造を有さず、R1−Fe相92cのみである。このR1−Fe相92cの外周を、磁性体として機能しないR1−M相51cが覆っている。

0061

図5において、R1−M合金50が溶融したとき、Fe粉末90へのR1の拡散量が多いと、Fe粉末90の中心部までR1が拡散して、R1−Fe相92cを形成する。しかし、R1−Fe相92c中のR1の濃度は飽和するほどではないため、R1−M合金のうち、余剰のR1は、R1−M相51cとして、R1−Fe相92cの外周を覆って残存する。

0062

図8に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94cにおいては、R1−Fe相92c中のR1濃度は、それぞれの粒子で同程度である。それにより、余剰となるR1の量は、それぞれの粒子で同程度であるため、R1−M相51cの厚さも、それぞれの粒子で同程度である。これは、図1(b)に示したように、R1−M合金50の溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に、磁性粉末60(Fe粉末90)を接触させたことにより、それぞれの磁性粉末60に、R1が均一に拡散したためである。

0063

Fe粉末90へのR1の拡散量が非常に多い場合、図5に示したFe粉末90は、図9に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94dになる。R1−Fe系希土類磁石粉末94dは、R1−Fe相92dを有するが、図8で示したようなR1−M相51cがR1−Fe相92dの外周を覆っていない。

0064

図5において、R1−M合金50が溶融したとき、Fe粉末90へのR1の拡散量が非常に多いと、R1−Fe相92d中のR1濃度が飽和するまで、R1が拡散する。図9に示した場合は、図8に示した場合よりも、Fe粉末90へのR1の拡散量が多いため、R1−M合金のうち、余剰のR1が生じることはなく、その結果、図8のようなR1−M相51cが形成されることはない。

0065

図9に示したように、R1−Fe系希土類磁石粉末94aについて、R1濃度は、それぞれの粒子で同程度である。これは、図1(b)に示したように、R1−M合金50の溶融液70を撹拌しながら、溶融液70に、磁性粉末60(Fe粉末90)を接触させたことにより、それぞれの磁性粉末60に、R1が均一に拡散したためである。

0066

これまで説明した図6図9それぞれの場合においては、R1−M合金50の添加量、及び、R1−M合金50とFe粉末90との接触時間(拡散時間)等によって、Fe粉末90へのR1の拡散量を変化させている。そのため、得られるR1−Fe系希土類磁石粉末は、図6図9それぞれで、異なる。しかし、R1−M合金50の溶融液70(図1(b)、参照)を撹拌しながら、溶融液70に、磁性粉末60(Fe粉末90)を接触させたため、図6図9それぞれで示されたR1−Fe系希土類磁石粉末が、混在することはない。すなわち、溶融液70を撹拌する場合には、例えば、図6に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94aと、図7に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94bとが混在して生成されることはない。

0067

一方、R1−M合金50の溶融液70を撹拌せずに、溶融液70に、磁性粉末60(Fe粉末90)を接触させると、磁性粉末60のそれぞれの粒子に、R1が均一に拡散しない。溶融液70を撹拌しない場合には、図10に示すように、非常に少ないR1が拡散した粒子については、図6のR1−Fe系希土類磁石粉末94aが生成され、多くのR1が拡散した粒子については、図8のR1−Fe系希土類磁石粉末94cが生成される。すなわち、溶融液70を撹拌しない場合には、図6図9で示したR1−Fe系希土類磁石粉末94a〜94dが混在して生成される。これにより、得られるR1−Fe系希土類磁石粉末の保磁力は安定しない。

0068

図6図9に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94a〜94dのうち、保磁力に優れる磁性粉末は、図6に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94aと、図7に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94bである。R1−Fe系希土類磁石粉末94aとR1−Fe系希土類磁石粉末94bは、いずれも、磁性体として機能する部分に、コア/シェル構造を有する。この構造により、R1−Fe系希土類磁石粉末94a同士、あるいは、R1−Fe系希土類磁石粉末94b同士で磁化反転が起こらないため、保磁力を向上させることができる。

0069

図6に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94aと、図7に示したR1−Fe系希土類磁石粉末94bを得るには、上述したように、R1−M合金50の添加量、及び/又は、R1−M合金50とFe粉末90との接触時間(拡散時間)等を適宜決定すればよい。これらを適宜決定すれば、R1−M合金50の溶融液70を撹拌することによって、コア/シェル構造を有する、図6のR1−Fe系希土類磁石粉末94a又は図7のR1−Fe系希土類磁石粉末94bを安定して得ることができる。その結果、優れた保磁力を有する希土類磁石粉末を、安定して得ることができる。

0070

(遷移金属元素を含有する磁性粉末)
次に、出発原料である、遷移金属元素を含有する磁性粉末について説明する。遷移金属元素を含有する磁性粉末としては、R2−Fe−B系希土類磁石粉末、Feナノ粉末、Fe粉末、Fe3N粉末、Fe4N粉末、Co粉末、及びFe100−xBx(5≦x≦40)粉末等が挙げられる。また、Feナノ粉末、Fe粉末、Fe3N粉末、Fe4N粉末、及びCo粉末については、粒径が、それぞれ、100nm程度、50μm程度、3μm程度、3μm程度、及び50μm程度であってよい。なお、本明細書においては、粒径は、特に断りがない限り、平均粒径を意味する。そして、平均粒径は、体積分布メディアン径(d(50))に従い、平均粒径の測定は、レーザー回折式粒度分布測定法によって行われる。

0071

上述した、Feナノ粉末、Fe粉末、Fe3N粉末、Fe4N粉末、Co粉末、及びFe100−xBx(5≦x≦40)粉末については、周知の方法で化学合成された粉末を用いることができる。

0072

次に、R2−Fe−B系希土類磁石粉末について説明する。R2は希土類元素である。希土類元素は、上述した17元素である。R1−M合金のR1と、R2−Fe−B系希土類磁石粉末のR2とは、同種であってもよいし、異種であってもよい。R1としてネオジム(Nd)、プラセジオム(Pr)、又はサマリウム(Sm)を選択し、R2としてランタン(La)又はセリウム(Ce)を選択することが好ましい。このような選択することによって、比較的高価なネオジム(Nd)、プラセジオム(Pr)、又はサマリウム(Sm)の使用量を低減しつつ、優れた保磁力を有する希土類磁石粉末を得ることができる。

0073

R2−Fe−B系希土類磁石粉末は、R2、Fe、及びBを含有していればよく、これらの元素の割合は、特に制限はない。R2−Fe−B系希土類磁石粉末については、Feの一部がCoで置換されていてもよい。また、R2−Fe−B系希土類磁石粉末については、R2、Fe、及びBの他に、磁気特性を損なわない範囲で、Ga、Al、Cu、Au、Ag、Zn、In、及びMnから選ばれる1種以上及び不可避的不純物を含有していてもよい。R2−Fe−B系希土類磁石粉末としては、主相としてR22Fe14B相を有し、粒界相としてR2リッチ相を有する粉末が代表的である。

0074

R2−Fe−B系希土類磁石粉末については、周知の方法で合成された粉末を用いることができる。例えば、R2、Fe、及びBを含む溶湯急冷凝固して得た薄片粉砕する方法、又は、HDDR(Hydrogen Disproportionation Desorption Recombination)法を用いて所望の粉末を得ること等が挙げれる。

0075

以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。

0076

液体急冷法によるR2−Fe−B系希土類磁石粉末の作製)
表1に示す組成を有する母材合金を溶解し、これを急冷凝固して、急冷薄片を得た。冷却ロール周速は20m/s、溶湯温度は1400℃、そして、急冷薄片の厚さは20〜30μmであった。

0077

この急冷薄片を、カッターミルを用いて粉砕して、急冷凝固R2−Fe−B系希土類磁石粉末を得た。この粉末の粒度は、75〜300μmであった。

0078

(HDDR法によるR2−Fe−B系希土類磁石粉末の作製)
表1に示す組成を有する母材合金を、アルゴンガス雰囲気で、1200℃で4時間にわたり、均質化熱処理した。

0079

均質化熱処理した母材合金を、カッターミルを用いて粉砕して、粉砕粉末を得た。この粉末の粒度は、30μm以下であった。

0080

この粉砕粉末を、HD(Hydrogen Disproportionation)処理した。HD処理は、0.3気圧水素ガス雰囲気で、750℃で1時間にわたり行った。

0081

HD処理して得た粉末を、DR(Desorption Recombination)処理して、HDDR法によるR2−Fe−B系希土類磁石粉末を得た。DR処理は、真空中で、750℃で1時間にわたり行った。

0082

(試料の作製)
上述したように作製した、液体急冷法によるR2−Fe−B系希土類磁石粉末又はHDDR法によるR2−Fe−B系希土類磁石粉末と、R1−M合金とを、図1の材料格納部20に装入し、材料格納部20を加熱しながら回転した。表1に、R1−M合金の組成及び添加量、R1の拡散温度、及び材料格納部20の回転速度を示す。

0083

(磁気特性の測定)
作製した試料について、磁気特性の測定を行った。測定は、Lake Shore社製の振動試料型磁力計VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用い、常温で行った。

0084

測定結果を表1に示す。また、これまで述べてきた試料作製条件等も表1に併記する。さらに、実施例1と比較例1の試料については、図11にM−H曲線を示す。図1で、実線は実施例1(材料格納部20の回転速度:10rpm)の試料の測定結果を、破線は比較例1(材料格納部20回転せず(0rpm))の試料の測定結果を示す。

0085

0086

表1から明らかなように、R1−M合金の添加量が同じであれば、R1−M合金の溶融液を撹拌することなく作製した試料(比較例)よりも、R1−M合金の溶融液を撹拌して作製した試料(実施例)の保磁力の方が大きいことを確認できた。また、表1及び図11より、R1−M合金の溶融液を撹拌して作製した、すべての試料(実施例)について、クニック点がないことを確認した。さらに、R1−M合金の添加量が少ないほど、R1−M合金の溶融液を撹拌することによって得られる保磁力向上の効果が大きいことを確認できた。

実施例

0087

以上の結果から、本発明の効果を確認できた。

0088

10撹拌ドラム
20 材料格納部
22底板
24 開口部
30回転軸
50 R1−M合金
51a、51c R1−M相
60磁性粉末
70溶融液
80 R2−Fe−B系希土類磁石粉末
81、181 (R1,R2)−Fe−B系希土類磁石粉末
82 R2−Fe−B相
83、183コア/シェル相
83a、183a R2−Fe−B相(コア)
83b、183b (R1,R2)−Fe−B相(シェル)
84 R2リッチ相
85、185 (R1,R2)リッチ相
90Fe粉末
90a、90bFe相
92a、92b、92c、92d R1-Fe相
94a、94b、94c、94d R1−Fe系希土類磁石粉末

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