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技術 電子写真感光体及びその製造方法、プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置

出願人 京セラドキュメントソリューションズ株式会社
発明者 大坪淳一郎清水智文
出願日 2016年5月26日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-105187
公開日 2017年11月30日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2017-211537
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 高温乾燥機 アルミニウム原子濃度 付着成分 設計画像 酸素原子濃度 芳香族単環炭化水素 表面電位プローブ X線分光装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月30日)のものです。
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図面 (5)

課題

画像における黒点の発生を抑制し、トナー像転写性の低下を抑制する電子写真感光体を提供する。

解決手段

電子写真感光体は導電性基体感光層とを備える。導電性基体は酸化膜を有する。酸化膜の膜厚は、1μm以上25μm以下である。感光層は、単層型感光層である。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、テトラカルボン酸二無水物と、バインダー樹脂とを含む。テトラカルボン酸二無水物の含有量は、0.02質量部以上7.00質量部以下である。

概要

背景

電子写真感光体は、電子写真方式画像形成装置において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。感光層は、例えば、電荷発生剤電荷輸送剤(より具体的には、正孔輸送剤又は電子輸送剤等)、及びこれらを結着させる樹脂バインダー樹脂)を含有する。感光層は、電荷発生剤と電荷輸送剤とを同一の層に含有し、電荷発生電荷輸送との両方の機能を同一の層に備えてもよい。このような電子写真感光体は、単層型電子写真感光体と呼ばれる。

特許文献1には、有機光電変換膜が記載されている。有機光電変換膜は、例えば、光センサー又は太陽電池に使用される。有機光電変換膜は、p型物質層と、n型物質層とを備える。n型物質層は1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から形成される。

概要

画像における黒点の発生を抑制し、トナー像転写性の低下を抑制する電子写真感光体を提供する。電子写真感光体は導電性基体と感光層とを備える。導電性基体は酸化膜を有する。酸化膜の膜厚は、1μm以上25μm以下である。感光層は、単層型感光層である。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、テトラカルボン酸二無水物と、バインダー樹脂とを含む。テトラカルボン酸二無水物の含有量は、0.02質量部以上7.00質量部以下である。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制する電子写真感光体及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導電性基体と、前記導電性基体上に直接設けられた感光層とを備える電子写真感光体であって、前記導電性基体は、酸化膜を有し、前記酸化膜の膜厚は、1μm以上15μm以下であり、前記感光層は、単層型感光層であり、前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、テトラカルボン酸二無水物と、バインダー樹脂とを含み、前記テトラカルボン酸二無水物は、一般式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物であり、前記テトラカルボン酸二無水物の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.02質量部以上7.00質量部以下である、電子写真感光体。前記一般式(1)、(2)、及び(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、各々独立に、水素原子ハロゲン原子炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、前記アルコキシ基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよく、前記アルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよく、前記アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。

請求項2

前記酸化膜における酸素原子存在比率Rは、20%以上50%以下であり、前記存在比率Rは数式(1)から算出される、請求項1に記載の電子写真感光体。R=[AO/(AO+AAl)]×100・・・数式(1)前記数式(1)中、AOは、エネルギー分散型X線分光法を用いて前記酸化膜を測定することにより得られる酸素原子濃度であり、AAlは、エネルギー分散型X線分光法を用いて前記酸化膜を測定することにより得られるアルミニウム原子濃度である。

請求項3

前記一般式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、前記一般式(2)中、R5及びR6は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、前記一般式(3)中、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表す、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。

請求項4

前記感光層は、電子輸送剤として一般式(4)、(5)、(6)、(7)、又は(8)で表される化合物を更に含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。前記一般式(4)中、R15、R16、R17、R18、及びR19は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、前記アルコキシ基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよく、前記アルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよく、前記アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよく、R20及びR21は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。前記一般式(5)、(6)、(7)、及び(8)中、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、前記アルコキシ基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよく、前記アルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよく、前記アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。

請求項5

前記一般式(4)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、及びR21は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、前記一般式(5)、(6)、(7)、及び(8)中、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立に、1又は複数のハロゲン原子を有するフェニル基、又は炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表す、請求項4に記載の電子写真感光体。

請求項6

前記電荷発生剤は、X型無金属フタロシアニンを含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真感光体。

請求項7

前記正孔輸送剤は、一般式(9)又は(10)で表される化合物を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。前記一般式(9)中、R35は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、tは、0以上2以下の整数を表し、uは、1又は2を表し、前記一般式(10)中、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、r、s、v、及びwは、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、x及びyは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。

請求項8

請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体の製造方法であって、基体を前記水に浸漬し、前記水から取り出し加熱して前記基体の表面に前記酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、前記導電性基体上に感光層形成用塗布液を塗布し、塗布した前記感光層形成用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して前記感光層を形成する感光層形成工程とを含み、前記基体は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含み、前記感光層形成用塗布液は、前記電荷発生剤と、前記正孔輸送剤と、前記テトラカルボン酸二無水物と、前記バインダー樹脂と、前記溶剤とを含み、前記水の体積抵抗率は、1.0×106Ω・cm以上であり、前記水の温度は、75℃以上95℃以下であり、前記基体を前記水へ浸漬する時間は、110秒以上700秒以下であり、前記加熱は、加熱温度100℃以上180℃以下で行われる、電子写真感光体の製造方法。

請求項9

請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ

請求項10

像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、前記トナー像を前記像担持体から転写体転写する転写部とを備える画像形成装置であって、前記帯電部の帯電極性は、正極性であり、前記像担持体は、請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体である、画像形成装置。

請求項11

前記現像部は、前記像担持体と接触しながら前記静電潜像を前記トナー像として現像する、請求項10に記載の画像形成装置。

請求項12

前記現像部は、前記像担持体の前記表面を清掃する、請求項10又は11に記載の画像形成装置。

請求項13

前記転写体は、記録媒体である、請求項10〜12の何れか一項に記載の画像形成装置。

請求項14

前記帯電部は、帯電ローラーである、請求項10〜13の何れか一項に記載の画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体及びその製造方法、プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置に関する。

背景技術

0002

電子写真感光体は、電子写真方式の画像形成装置において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。感光層は、例えば、電荷発生剤電荷輸送剤(より具体的には、正孔輸送剤又は電子輸送剤等)、及びこれらを結着させる樹脂バインダー樹脂)を含有する。感光層は、電荷発生剤と電荷輸送剤とを同一の層に含有し、電荷発生電荷輸送との両方の機能を同一の層に備えてもよい。このような電子写真感光体は、単層型電子写真感光体と呼ばれる。

0003

特許文献1には、有機光電変換膜が記載されている。有機光電変換膜は、例えば、光センサー又は太陽電池に使用される。有機光電変換膜は、p型物質層と、n型物質層とを備える。n型物質層は1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から形成される。

先行技術

0004

特開2009−290190号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1に記載の技術では、画像における黒点の発生及びトナー像転写性の低下を十分に抑制させることはできなかった。

0006

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制する電子写真感光体及びその製造方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、画像不良(例えば、画像における黒点の発生及びトナー像の転写性の低下に起因する画像不良)を抑制するプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に直接設けられた感光層とを備える。前記導電性基体は、酸化膜を有する。前記酸化膜の膜厚は、1μm以上25μm以下である。前記感光層は、単層型感光層である。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、テトラカルボン酸二無水物と、バインダー樹脂とを含む。前記テトラカルボン酸二無水物は、一般式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。前記テトラカルボン酸二無水物の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.02質量部以上7.00質量部以下である。

0008

0009

0010

0011

前記一般式(1)、(2)、及び(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13及びR14は、各々独立に、水素原子ハロゲン原子炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。前記アルコキシ基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。前記アルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。前記アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。

0012

本発明の電子写真感光体の製造方法は、上述の電子写真感光体を製造する方法である。電子写真感光体の製造方法は、感光層形成工程と、酸化膜形成工程とを含む。前記酸化膜形成工程は、基体を前記水に浸漬し、前記水から取り出し加熱して前記基体の表面に前記酸化膜を形成する。前記基体は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む。感光層形成工程は、前記導電性基体上に感光層形成用塗布液を塗布し、塗布した前記感光層形成用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して前記感光層を形成する。前記感光層形成用塗布液は、前記電荷発生剤と、前記正孔輸送剤と、前記テトラカルボン酸二無水物と、前記バインダー樹脂と、前記溶剤とを含む。前記水の体積抵抗率は、1.0×106Ω・cm以上である。前記水の温度は、70℃以上80℃未満である。前記基体を前記水へ浸漬する時間は、60秒以上90秒以下である。前記加熱は、加熱温度110℃以上150℃以下で行われる。

0013

本発明のプロセスカートリッジは、上述した電子写真感光体を備える。

0014

本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記帯電部は、前記像担持体の表面を帯電する。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を前記像担持体から転写体に転写する。前記帯電部の帯電極性は、正極性である。前記像担持体は、上述の電子写真感光体である。

発明の効果

0015

本発明の電子写真感光体によれば、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制することができる。また、本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制する電子写真感光体を製造することができる。また、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置によれば、画像不良を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0016

(a)、(b)、及び(c)は、第一実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。
画像不良が発生した画像を示す模式図である。
第三実施形態に係る画像形成装置の一態様の構成を示す概略図である。
評価用画像を示す模式図である。

0017

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。

0018

以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。

0019

以下、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及び炭素原子数6以上14以下のアリール基は、何ら規定していなければ、各々次の意味である。

0020

ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子塩素原子臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。

0021

炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分岐状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基イソペンチル基、ネオペンチル基、又はn−ヘキシル基が挙げられる。

0022

炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、tert−ペントキシ基、又はn−ヘキソキシ基が挙げられる。

0023

炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基ナフチル基アントリル基又はフェナントリル基が挙げられる。

0024

<第一実施形態:電子写真感光体>
第一実施形態は、電子写真感光体(以下、「感光体」と記載することがある)に関する。第一実施形態に係る感光体は、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制する。その理由は以下のように推測される。

0025

まず、便宜上、トナー像の転写性の低下について説明する。電子写真方式の画像形成装置は、例えば、像担持体(感光体)と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。転写部は、トナー像を感光体から転写体へ転写する。この転写部によって実行される転写工程において、感光体が単層型感光層を備え感光体の帯電極性が正極性である場合、感光体の露光領域の表面電位が低下し0V未満となることがある。このように感光体の露光領域の表面電位が0V未満となると、感光体から転写体へのトナー像の転写性が低下し易くなる。このようなトナー像の転写性の低下は、特に高湿環境(例えば、相対湿度80%RH)下で発生し易い。

0026

第一実施形態に係る感光体では、導電性基体は酸化膜を有し、酸化膜の膜厚は1μm以上25μm以下である。そして、感光層はテトラカルボン酸二無水物を含み、テトラカルボン酸二無水物は、一般式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。テトラカルボン酸二無水物の含有量は、感光層においてバインダー樹脂100質量部に対して0.02質量部以上7.00質量部以下である。このような構成を有する感光体は適度な電気抵抗を有する傾向にある。その結果、第一実施形態に係る感光体では、感光体の表面電位が安定的に保持され、表面電位の帯電極性がトナーの帯電極性と逆極性になりにくいと考えられる。よって、第一実施形態に係る感光体は、トナー像の転写性の低下を抑制すると考えられる。また、第一実施形態に係る感光体では、感光体が適度な電気抵抗を均質に有する傾向にある。その結果、感光体の表面において局所的に電気抵抗が低下しにくいため、黒点の発生を抑制することができると考えられる。以上から、第一実施形態に係る感光体は、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制する。

0027

図1を参照して、感光体について説明する。図1は、感光体1の構造を示す概略断面図である。感光体1は、正帯電単層型の感光体である。感光体1は、導電性基体2と感光層3とを備える。図1(a)に示すように、感光層3は単層型感光層であり、感光層3は導電性基体2上に直接設けられる。また、図1(a)に示すように、感光層3が最外層として露出してもよい。図1(b)に示すように、感光層3上に保護層5が備えられてもよい。以下、導電性基体及び感光層を説明する。

0028

[1.導電性基体]
導電性基体は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む。アルミニウム合金は、アルミニウムとアルミニウム以外の元素との合金である。アルミニウム以外の元素としては、例えば、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又は亜鉛(Zn)が挙げられる。アルミニウム合金は、アルミニウム以外の元素として、これらの元素のうち1種を単独で含んでもよく、2種以上含んでもよい。アルミニウム合金としては、例えば、Al−Mn系合金(JIS3000番系)、Al−Mg系合金(JIS5000番系)、又はAl−Mg−Si系合金(JIS6000番系)が挙げられる。

0029

導電性基体は、酸化膜を有する。酸化膜は、アルミニウムの酸化膜又はアルミニウム合金の酸化膜である。アルミニウムの酸化膜又はアルミニウム合金の酸化膜は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む基体の表面を酸化処理することにより形成される。酸化膜の形成方法は、感光体の製造方法で後述する。

0030

酸化膜における酸素原子存在比率Rは、20%以上50%以下であることが好ましい。酸素原子の存在比率Rは、数式(1)を用いて算出することができる。
R=[AO/(AO+AAl)]×100・・・数式(1)
数式(1)中、AOは、酸素原子濃度であり、エネルギー分散型X線分光法(EDX)を用いて酸化膜を測定することにより得られる。AAlは、アルミニウム原子濃度であり、エネルギー分散型X線分光法を用いて酸化膜を測定することにより得られる。

0031

酸素原子濃度及びアルミニウム原子濃度は、エネルギー分散X線分光装置日本電子(JEOL)株式会社製「JSM−6380LV」)を用いて測定する。酸素原子濃度及びアルミニウム原子濃度の測定方法は、実施例で詳細に後述する。

0032

酸素原子の存在比率Rが20%以上であると、導電性基体の酸化膜が適度な電気抵抗を有するため、導電性基体から感光層への電荷注入電子注入)を抑制することができる。酸素原子の存在比率Rが50%以下であると、導電性基体の酸化膜が適度な電気抵抗を有するため、感光層から導電性基体への正孔の輸送を阻害しにくい。

0033

酸化膜の膜厚は、1μm以上15μm以下であり、3μm以上10μm以下であることが好ましい。酸化膜の膜厚が1μm以上15μm以下であると、感光体が適度な電気抵抗を有する。その結果、導電性基体から感光層への電荷注入(電子注入)を抑制することができる。感光層から導電性基体への正孔の輸送を阻害しにくい。酸化膜の膜厚は、反射透過式薄膜測定器(株式会社東京インスルツメンツ社製「NANOCALC−VIS」)を用いて測定する。酸化膜の膜厚の測定方法は、実施例で詳細に後述する。

0034

導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。例えば、シート状の導電性基体、又はドラム状の導電性基体を使用することができる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。

0035

[2.感光層]
既に述べたように、感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、テトラカルボン酸二無水物と、バインダー樹脂とを含む。感光層は、必要に応じて、電子輸送剤又は添加剤を含んでもよい。以下、テトラカルボン酸二無水物、電荷発生剤、電子輸送剤、正孔輸送剤、バインダー樹脂、及び添加剤を説明する。

0036

(2−1.テトラカルボン酸二無水物)
テトラカルボン酸二無水物は、一般式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。一般式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物を以下それぞれテトラカルボン酸二無水物(1)、(2)、及び(3)と記載することがある。テトラカルボン酸二無水物は、テトラカルボン酸二無水物(1)、(2)、及び(3)の何れか1種であってもよいし、テトラカルボン酸二無水物(1)、(2)、及び(3)の何れか2種以上であってもよい。

0037

0038

0039

0040

一般式(1)、(2)、及び(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、及びR14(以下、R1〜R14と記載することがある)は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。アルコキシ基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。アルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。

0041

一般式(1)〜(3)中、R1〜R14が表すハロゲン原子としては、臭素原子が好ましい。

0042

一般式(1)〜(3)中、R1〜R14が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0043

一般式(1)〜(3)中、R1〜R14が表す炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基がより好ましい。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0044

一般式(1)〜(3)中、R1〜R14が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基は、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、1又は複数の置換基を有してもよい。1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0045

一般式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましい。一般式(2)中、R5及びR6は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましい。一般式(3)中、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましい。

0046

テトラカルボン酸二無水物(1)の具体例としては、化学式(ADD1−1)〜(ADD1−3)で表される化合物(以下、化合物(ADD1−1)〜(ADD1−3)と記載することがある)が挙げられる。

0047

0048

0049

0050

テトラカルボン酸二無水物(2)の具体例としては、化学式(ADD2−1)〜(ADD2−3)で表される化合物(以下、化合物(ADD2−1)〜(ADD2−3)と記載することがある)が挙げられる。

0051

0052

0053

0054

テトラカルボン酸二無水物(3)の具体例としては、化学式(ADD3−1)〜(ADD3−3)で表される化合物(以下、化合物(ADD3−1)〜(ADD3−3)と記載することがある)が挙げられる。

0055

0056

0057

0058

テトラカルボン酸二無水物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.07質量部以上7.00質量部以下であり、0.50質量部以上5.00質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下であることがより好ましい。

0059

(2−2.電荷発生剤)
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料ペリレン顔料ビスアゾ顔料ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(より具体的には、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素硫化カドミウム、又はアモルファスシリコン等)の粉末ピリリウム塩アンサンスロン系顔料トリフェニルメタン系顔料スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0060

フタロシアニン系顔料としては、例えば、化学式(CGM−1)で表される無金属フタロシアニン、又は金属フタロシアニンが挙げられる。無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニン、又は酸化チタン以外の金属が配位したフタロシアニン(より具体的には、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型結晶、β型結晶、又はY型結晶が挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。導電性基体が上述の酸化膜を有し感光層がテトラカルボン酸二無水物を含む場合、黒点の発生を更に抑制し転写性を更に向上させるためには、これらの電荷発生剤のうち、無金属フタロシアニンが好ましく、X型無金属フタロシアニンがより好ましい。

0061

0062

0063

所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、デジタル光学式の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。デジタル光学式の画像形成装置としては、例えば、半導体レーザーのような光源を使用した画像形成装置(より具体的には、レーザービームプリンター又はファクシミリ等)が挙げられる。そのため、例えば、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましい。

0064

短波長レーザーを用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料又はペリレン系顔料が好適に用いられる。短波長レーザーの波長としては、例えば、350nm以上550nm以下程度の波長が挙げられる。

0065

電荷発生剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。

0066

(2−3.電子輸送剤)
電子輸送剤は、感光体に適用できる限り、特に限定されない。電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントンジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸無水マレイン酸、又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物ナフトキノン系化合物、ニトロアトラキノン系化合物、又はジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの電子輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0067

これらの電子輸送剤のうち、一般式(4)、(5)、(6)、(7)、又は(8)で表される化合物が好ましく、(4)がより好ましい。電子輸送剤は、一般式(4)、(5)、(6)、(7)、及び(8)で表される化合物のうちの1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。以下、一般式(4)、(5)、(6)、(7)、及び(8)で表される化合物をそれぞれ電子輸送剤(4)、(5)、(6)、(7)、及び(8)と記載することがある。

0068

0069

一般式(4)中、R15、R16、R17、R18、及びR19(以下、R15〜R19と記載することがある)は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。アルコキシ基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。アルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。R20及びR21は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。

0070

一般式(4)中、R15〜R21が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。R15〜R19が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0071

一般式(4)中、R15〜R21が表す炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基がより好ましい。R15〜R19が表す炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0072

一般式(4)中、R15〜R19が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R15〜R19が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0073

一般式(4)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、及びR25は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましく、水素原子、メチル基、又はエチル基を表すことがより好ましい。

0074

電子輸送剤(4)の具体例としては、化学式(ETM4−1)〜(ETM4−2)で表される化合物(以下、化合物(ETM4−1)〜(ETM4−2)と記載することがある)が挙げられる。

0075

0076

0077

0078

0079

0080

0081

一般式(5)、(6)、(7)、及び(8)中、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、及びR34(以下、R22〜R34と記載することがある)は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。アルコキシ基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。アルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。

0082

一般式(5)〜(8)中、R22〜R34が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、又は2−メチル−2−ブチル基がより好ましい。R22〜R34が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0083

一般式(5)〜(8)中、R22〜R34が表す炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基がより好ましい。R22〜R34が表す炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。

0084

一般式(5)〜(8)中、R22〜R34が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。R22〜R34が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような1又は複数の置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基である。1又は複数の置換基を有する炭素原子数6以上10以下のアリール基は、1又は複数のハロゲン原子を有するフェニル基が好ましく、ジクロロフェニル基がより好ましい。

0085

一般式(5)〜(8)中、R22〜R34は、各々独立に、1又は複数のハロゲン原子を有するフェニル基、又は炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表すことが好ましく、ジクロロフェニル基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基を表すことがより好ましい。

0086

電子輸送剤(5)の具体例としては、化学式(ETM5−1)〜(ETM5−2)で表される化合物(以下、化合物(ETM5−1)〜(ETM5−2)と記載することがある)が挙げられる。

0087

0088

0089

電子輸送剤(6)の具体例としては、化学式(ETM6−1)〜(ETM6−2)で表される化合物(以下、化合物(ETM6−1)〜(ETM6−2)と記載することがある)が挙げられる。

0090

0091

0092

電子輸送剤(7)の具体例としては、化学式(ETM7−1)〜(ETM7−2)で表される化合物(以下、化合物(ETM7−1)〜(ETM7−2)と記載することがある)が挙げられる。

0093

0094

0095

電子輸送剤(8)の具体例としては、化学式(ETM8−1)〜(ETM8−2)で表される化合物(以下、化合物(ETM8−1)〜(ETM8−2)と記載することがある)が挙げられる。

0096

0097

0098

電子輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。

0099

(2−4.正孔輸送剤)
正孔輸送剤は、感光体に適用できる限り、特に限定されない。正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体ジアミン誘導体(より具体的には、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はジ(アミノフェニルエテニルベンゼン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等);オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等);スチリル系化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリルアントラセン等);カルバゾール系化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物オキサゾール系化合物イソオキサゾール系化合物チアゾール系化合物チアジアゾール系化合物イミダゾール系化合物ピラゾール系化合物;又はトリアゾール系化合物が挙げられる。これらの正孔輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0100

これらの正孔輸送剤のうち、一般式(9)又は(10)で表される化合物が好ましい。

0101

0102

一般式(9)中、R35は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。tは、0以上2以下の整数を表す。uは、1又は2を表す。

0103

0104

一般式(10)中、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。r、s、v、及びwは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。x及びyは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。

0105

一般式(9)中、R35が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、又はn−ブチル基がより好ましい。炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される1又は複数の置換基を有してもよい。R35が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基が置換する位置は、窒素原子との結合に対してフェニル基のオルト位(o位)、メタ位(m位)、又はパラ位(p位)が挙げられ、オルト位又はパラ位が好ましい。

0106

一般式(9)で表される化合物の具体例としては、化学式(HTM9−1)〜(HTM9−2)で表される化合物(以下、それぞれ化合物(HTM9−1)〜(HTM9−2)と記載することがある)が挙げられる。

0107

0108

0109

一般式(10)中、R36、R37、R38、R39、R40、及びR41の表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される置換基を有してもよい。r、s、v、及びwは、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。x及びyは、0を表すことが好ましい。

0110

一般式(10)で表される化合物の具体例としては、化学式(HTM10−1)〜(HTM10−2)で表される化合物(以下、それぞれ化合物(HTM10−1)〜(HTM10−2)と記載することがある)が挙げられる。

0111

0112

0113

正孔輸送剤の合計含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。

0114

(2−5.バインダー樹脂)
感光層は、バインダー樹脂を含むことができる。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂ポリカーボネート樹脂スチレン系樹脂スチレンブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体アクリル共重合体ポリエチレン樹脂エチレン酢酸ビニル共重合体塩素化ポリエチレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリプロピレン樹脂アイオノマー塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂ポリアミド樹脂ウレタン樹脂ポリアリレート樹脂ポリスルホン樹脂ジアリルフタレート樹脂ケトン樹脂ポリビニルブチラール樹脂、又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂の例としては、シリコーン樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂尿素樹脂メラミン樹脂、又はその他の架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂の例としては、エポキシアクリル酸樹脂、又はウレタン−アクリル酸共重合体が挙げられる。これらの別の樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0115

これらのバインダー樹脂の中では、ポリカーボネート樹脂が好ましい。バインダー樹脂がポリカーボネート樹脂であると、加工性機械的特性光学的特性、及び耐摩耗性バランスに優れた感光層が得られ易い。感光体によるトナー像の転写性を向上させ易いことから、ポリカーボネート樹脂のなかでは、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂が好ましく、下記化学式(Z)で表される樹脂がより好ましい。化学式(Z)中、繰り返し単位添え字は、樹脂中のすべての繰り返し単位のモル数の和に対する、添え字が付された繰り返し単位のモル数の比率モル比率)を示す。

0116

0117

バインダー樹脂の分子量は、粘度平均分子量で40,000以上であることが好ましく、40,000以上52,500以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が40,000以上であると、感光体の耐摩耗性を向上させ易い。また、別のバインダー樹脂の分子量が52,500以下であると、感光層の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、感光層形成用塗布液の粘度が高くなり過ぎない。その結果、感光層を形成し易くなる。

0118

(2−6.添加剤)
添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤ラジカル捕捉剤消光剤、又は紫外線吸収剤等)、軟化剤表面改質剤増量剤増粘剤、分散安定剤、ワックスアクセプタードナー界面活性剤可塑剤増感剤、又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノールヒンダードアミンパラフェニレンジアミンアリールアルカンハイドロキノンスピロクロマン、スピロインダノン若しくはこれらの誘導体、有機硫黄化合物、又は有機燐化合物が挙げられる。

0119

以上、第一実施形態に係る感光体を説明した。第一実施形態に係る感光体によれば、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制することができる。

0120

<第二実施形態:感光体の製造方法>
第二実施形態は、感光体の製造方法に関する。図1を参照して、感光体1の製造方法について説明する。感光体1の製造方法は、酸化膜形成工程と感光層形成工程とを含む。以下、酸化膜形成工程及び感光層形成工程を説明する。

0121

[1.酸化膜形成工程]
酸化膜形成工程では、基体を水に浸漬し、水から取り出し加熱して基体の表面に酸化膜を形成する。その結果、導電性基体2を得る。基体は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む。
ム又はアルミニウム合金を含む。

0122

水の体積抵抗率は1.0×106Ω・cm以上である。水の温度は、75℃以上95℃以下であり、80℃以上93℃以下であることが好ましい。

0123

基体を水へ浸漬する時間は、110秒以上700秒以下であり、120秒以上600秒以下であることが好ましく、200秒以上550秒以下であることがより好ましい。

0124

加熱温度は100℃以上180℃以下であり、110℃以上160℃以下であることが好ましく、120℃以上155℃以下であることが更に好ましい。水から取り出した後の加熱では、例えば、オーブンを使用することができる。

0125

水の体積抵抗率、水の温度、水への浸漬時間、及び加熱温度をそれぞれ上記範囲とすることで、適度な電気抵抗を有する導電性基体2が得られる。また、水の体積抵抗率、水の温度、水への浸漬時間、及び加熱温度をそれぞれ上記範囲とすることで、酸化膜における酸素原子の比率を所望の範囲(20%より大きく50%以下)に調整し易く、酸化膜の膜厚を所望の範囲(1μm以上15μm以下)に調整し易い。

0126

[2.感光層形成工程]
感光層形成工程では、導電性基体2上に感光層形成用塗布液(以下、塗布液と記載することがある)を塗布して、塗布した塗布液の溶媒の少なくとも一部を除去して、感光層3を形成する。感光層形成工程は、例えば、塗布液調製工程と、塗布工程と、乾燥工程とを含む。以下、塗布液調製工程、塗布工程、及び乾燥工程を説明する。

0127

(2−1.塗布液調製工程)
塗布液調製工程では、塗布液を調製する。塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、テトラカルボン酸二無水物と、バインダー樹脂と、溶剤とを少なくとも含む。塗布液は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。塗布液は、例えば、電荷発生剤、正孔輸送剤、テトラカルボン酸二無水物、バインダー樹脂、及び任意成分(より具体的には、添加剤等)を、溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。

0128

塗布液に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール類(より具体的には、メタノールエタノールイソプロパノール、又はブタノール等)、脂肪族系炭化水素(より具体的には、n−ヘキサンオクタン、又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼントルエン、又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタンジクロロエタン四塩化炭素、又はクロロベンゼン等)、エーテル類(より具体的には、ジメチルエーテルジエチルエーテルテトラヒドロフランエチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン類(より具体的には、アセトンメチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、エステル類(より具体的には、酢酸エチル、又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン溶剤が好ましい。

0129

塗布液は、各成分を混合し、溶剤に溶解又は分散することにより調製される。混合、溶解又は分散には、例えば、ビーズミルロールミルボールミルアトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。

0130

塗布液は、各成分の分散性、又は形成される感光層の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。

0131

(2−2.塗布工程)
塗布工程では、塗布液を導電性基体2上に塗布する。塗布液を塗布する方法としては、例えば、導電性基体2上に均一に塗布液を塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法スプレーコート法スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。

0132

感光層3の厚さを所望の値に調整し易いことから、塗布液を塗布する方法としては、ディップコート法が好ましい。塗布工程がディップコート法によって行われる場合、塗布工程では、導電性基体2を、塗布液に浸漬する。続いて、浸漬した導電性基体2を塗布液から引き上げる。これにより、導電性基体2に塗布液が塗布される。

0133

(2−3.乾燥工程)
乾燥工程では、導電性基体2上に塗布した塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する。塗布液に含まれる溶剤を除去する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に制限されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間であることが好ましい。

0134

なお、感光体1の製造方法は、必要に応じて、保護層5を形成する工程の一方又は両方を更に含んでいてもよい。保護層5を形成する工程では、公知の方法が適宜選択される。

0135

以上、図1を参照して、第二実施形態に係る感光体1の製造方法を説明した。第二実施形態に係る感光体1の製造方法によれば、画像における黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性の低下を抑制する感光体の製造方法を提供することができる。

0136

<第三実施形態:画像形成装置>
第三実施形態は、画像形成装置に関する。第三実施形態に係る画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。帯電部は、像担持体の表面を帯電する。露光部は、帯電された像担持体の表面を露光して、像担持体の表面に静電潜像を形成する。現像部は、静電潜像をトナー像として現像する。転写部は、トナー像を像担持体から転写体に転写する。帯電部の帯電極性は、正極性である。像担持体は、第一実施形態に係る感光体である。

0137

第三実施形態に係る画像形成装置は、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、トナー像の転写性の低下を抑制し、黒点の発生を抑制することができる。よって、第三実施形態に係る画像形成装置は、画像不良の発生を抑制することができる。画像不良は、例えば、画像における黒点の発生及びトナー像の転写性の低下に起因する画像不良が挙げられる。画像不良の一例として、トナー像の転写性の低下に起因する画像不良について説明する。

0138

上述のようにトナー像の転写性の低下が発生すると、転写体に転写しきれなかったトナーが像担持体上に残留する。残留したトナーは、像担持体の次周回で形成される画像に転写されることがある。このような像担持体の前周回の画像を反映した画像が形成される画像不良が、トナー像の転写性の低下に起因する画像不良である。

0139

図2を参照して、画像不良が発生した画像を更に説明する。図2は、画像不良が発生した画像を示す模式図である。この画像不良は、トナー像の転写性の低下に起因して発生した画像不良である。画像100は、領域102、領域104、及び領域106を有する。領域102、領域104、及び領域106は、それぞれ像担持体の方向a(搬送方向a)1周分に相当する領域である。方向aは、記録媒体が搬送される方向である。領域102は、画像108を含む。画像108は長方形ソリッド画像画像濃度100%)である。領域102における画像108以外の画像は、白紙画像(画像濃度0%)である。領域104及び領域106は、それぞれ設計画像上全面白紙画像(画像濃度0%)を含む。方向aに沿って、はじめに領域102の画像108及び白紙画像を形成し、その後、領域104の白紙画像を形成し、最後に領域106の白紙画像を形成する。領域104の白紙画像は、像担持体の次周回1周分に相当する画像であり、画像108を形成する像担持体の1周目を基準として2周目の像担持体の1周分に相当する画像である。領域106の白紙画像は、像担持体の次々周回1周分に相当する画像であり、画像108を形成する像担持体の1周目を基準として3周目の像担持体1の1周分に相当する画像である。

0140

領域104の領域110の白紙画像は、像担持体の2周目における画像108に対応する画像である。領域106の領域112の白紙画像は、像担持体の3周目における画像108に対応する画像である。この場合において、画像108を反映した画像が、画像不良として領域110及び/又は領域112に形成される。このようにトナー像の転写性の低下に起因する画像不良は、像担持体1の周長を単位とする周期で発生する。画像108を反映した画像は、記録媒体の両端部に形成され易い。これは、記録媒体の両端部への押圧力が比較的強いことが理由と考えられる。ここで、記録媒体の両端部とは、例えば、記録媒体の領域110における垂直方向bの両端部(領域110L及び領域110R)であり、領域112における垂直方向bの両端部(領域112L及び領域112R)である。

0141

以下、図3を参照して、第三実施形態に係る画像形成装置10について説明する。図3は第三実施形態に係る画像形成装置10の構成の一例を示す。

0142

画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置である限り、特に限定されない。画像形成装置10は、例えば、モノクロ画像形成装置であってもよいし、カラー画像形成装置であってもよい。画像形成装置10がカラー画像形成装置である場合、画像形成装置10は、例えば、タンデム方式を採用する。以下、タンデム方式の画像形成装置10を例に挙げて説明する。

0143

画像形成装置10は、画像形成ユニット40a、40b、40c、及び40dと、転写ベルト50と、定着部52とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c、及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。

0144

画像形成ユニット40は、像担持体1と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。画像形成ユニット40の中央位置に、像担持体1が設けられる。像担持体1は、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。像担持体1の周囲には、帯電部42を基準として像担持体1の回転方向上流側から順に、帯電部42、露光部44、現像部46、及び転写部48が設けられる。なお、画像形成ユニット40には、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。

0145

帯電部42は、像担持体1の表面を帯電する。帯電部の帯電極性は正極性である。帯電部42は、非接触方式又は接触方式の帯電部である。非接触方式の帯電部42としては、例えば、コロトロン帯電器又はスコロトロン帯電器が挙げられる。接触方式の帯電部42としては、例えば、帯電ローラー又は帯電ブラシが挙げられる。

0146

画像形成装置10は、帯電部42として帯電ローラーを備えることができる。像担持体1の表面を帯電するときに、帯電ローラーは像担持体1の表面と接触する。像担持体1の表面に微小成分が付着している場合には、接触した帯電ローラーによって微小成分が像担持体1の表面に押圧される。これにより、像担持体1の表面に微小成分が固着し易い。このため、通常、帯電ローラーを備える画像形成装置では、画像に対して黒点が発生し易い。しかし、画像形成装置10は、像担持体1として第一実施形態に係る感光体1を備える。第一実施形態に係る感光体1は、画像に対する黒点の発生を抑制することができる。よって、第三実施形態に係る画像形成装置は、帯電部42として帯電ローラーを備える場合であっても、黒点の発生を抑制し、画像に対する黒点の発生に起因する画像不良の発生を抑制することができる。

0147

露光部44は、帯電された像担持体1の表面を露光する。これにより、像担持体1の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、画像形成装置10に入力された画像データに基づいて形成される。

0148

現像部46は、像担持体1の表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。

0149

現像部46は、像担持体1の表面を清掃することができる。すなわち、画像形成装置10は、いわゆるブレードクリーナーレス方式を採用することができる。現像部46は、像担持体1の表面に残留する成分(以下、残留成分と記載することがある)を除去することができる。残留成分の一例は、トナー成分であり、より具体的には、トナー又は遊離した外添剤である。残留成分の別の例は、非トナー成分(微小成分)であり、より具体的には紙粉である。ブレードクリーナーレス方式を採用する画像形成装置10では、クリーニング部としてクリーニングブレードを有しないため、像担持体1の表面の残留成分が十分に掻き取られない。そのため、ブレードクリーナーレス方式を採用する画像形成装置10では、通常、像担持体1の表面に残留成分が残り易く、残留成分により画像に対して黒点が発生し易い。しかし、像担持体1は画像に対する黒点の発生を抑制し易いため、このような像担持体1を備える画像形成装置10は、ブレードクリーナーレス方式を採用し像担持体1の表面に微小成分が残留したとしても、画像に対する黒点の発生に起因する画像不良の発生を抑制できる。

0150

現像部46が像担持体1の表面を効率的に清掃するためには、以下に示す条件(a)及び条件(b)を満たすことが好ましい。
条件(a):接触現像方式を採用し、像担持体1と現像部46との間に周速(回転速度)差が設けられる。
条件(b):像担持体1の表面電位と、現像バイアス電位とが以下の数式(b−1)及び数式(b−2)を満たす。
0(V)<現像バイアスの電位(V)<像担持体1の未露光領域の表面電位(V)・・・(b−1)
現像バイアスの電位(V)>像担持体1の露光領域の表面電位(V)>0(V)・・・(b−2)

0151

条件(a)に示す接触現像方式を採用し、像担持体1と現像部46との間に周速差が設けられていると、像担持体1の表面は現像部46と接触し、像担持体1の表面の付着成分が現像部46との摩擦により除去される。現像部46の周速は、像担持体1の周速よりも速いことが好ましい。

0152

条件(b)では、トナーの帯電極性、像担持体1の未露光領域の表面電位、像担持体1の露光領域の表面電位、及び現像バイアスの電位は、何れも正極性である場合を想定している。つまり、現像方式反転現像方式である場合を想定している。なお、像担持体1の未露光領域の表面電位及び露光領域の表面電位が測定されるタイミングは、転写部48がトナー像を像担持体1から記録媒体Pへ転写した後であって、帯電部42が次周回の像担持体1の表面を帯電する前である。

0153

条件(b)の数式(b−1)を満たすと、像担持体1に残留したトナー(以下、残留トナーと記載することがある)と像担持体1の未露光領域との間に作用する静電斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ大きくなる。このため、像担持体1の未露光領域の残留トナーは、像担持体1の表面から現像部46へと移動し、回収される。

0154

条件(b)の数式(b−2)を満たすと、残留トナーと像担持体1の露光領域との間に作用する静電的斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ小さくなる。このため、像担持体1の露光領域の残留トナーは、像担持体1の表面に保持される。像担持体1の露光領域に保持されたトナーは、そのまま画像形成に使用される。

0155

転写ベルト50は、像担持体1と転写部48との間に記録媒体Pを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。

0156

転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、像担持体1の表面から転写体(記録媒体P)へ転写する。像担持体1から記録媒体Pにトナー像が転写されるときに、像担持体1は記録媒体Pと接触している。すなわち、画像形成装置10は、いわゆる直接転写方式を採用する。通常、直接転写方式を採用する画像形成装置は、感光体と記録媒体とが接触してトナー像が転写されるため、記録媒体P上の微小成分が感光体の表面に付着する傾向にある。このため、通常、直接転写方式を採用する画像形成装置は、画像不良が発生し易い。しかし、第三実施形態に係る画像形成装置は、第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、画像に対する黒点の発生を抑制し、トナー像の転写性を抑制する。よって、第三実施形態に係る画像形成装置は、画像不良を抑制することができる。転写部48としては、例えば、転写ローラーが挙げられる。直接転写方式では、転写体は記録媒体Pに相当する。なお、画像形成装置は、いわゆる中間転写方式を採用することもできる。中間転写方式を採用する画像形成装置では、転写体は、中間転写体(例えば、中間転写ベルト)に相当する。

0157

画像形成ユニット40a〜40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体Pに、複数色(例えば、ブラックシアンマゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。なお、画像形成装置10がモノクロ画像形成装置である場合には、画像形成装置10は、画像形成ユニット40aを備え、画像形成ユニット40b〜40dは省略される。

0158

定着部52は、転写部48によって記録媒体Pに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部52は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Pにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。

0159

以上、第三実施形態に係る画像形成装置を説明した。第三実施形態に係る画像形成装置は、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、画像不良(特に、黒点の発生及びトナー像の転写性の低下に起因する画像不良)の発生を抑制することができる。

0160

<第四実施形態:プロセスカートリッジ>
第四実施形態はプロセスカートリッジに関する。第四実施形態に係るプロセスカートリッジは、第一実施形態に係る感光体を備える。引き続き図3を参照して、第四実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。プロセスカートリッジは、ユニット化された像担持体1を備える。プロセスカートリッジは、像担持体1に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46、及び転写部48からなる群より選択される少なくとも1つをユニット化した構成を採用することができる。プロセスカートリッジは、例えば、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジには、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジは、画像形成装置10に対して着脱自在に設計される。そのため、プロセスカートリッジは取り扱いが容易であり、像担持体1の感度特性等が劣化した場合に、像担持体1を含めて容易かつ迅速に交換することができる。

0161

以上、第四実施形態に係るプロセスカートリッジを説明した。第四実施形態に係るプロセスカートリッジは、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、画像不良(特に、画像に対する黒点の発生及びトナー像の転写性の低下に起因する画像不良)の発生を抑制することができる。

0162

以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。

0163

[1.感光体の材料]
感光体の感光層を形成するための材料として、以下のテトラカルボン酸二無水物、電子輸送剤、正孔輸送剤、電荷発生剤、及びバインダー樹脂を準備した。

0164

第一実施形態で説明したテトラカルボン酸二無水物(ADD1−1)〜(ADD1−4)、(ADD2−1)〜(ADD2−4)、及び(ADD3−1)〜(ADD3−4)を準備した。

0165

電子輸送剤として、第一実施形態で説明した化合物(ETM4−1)〜(ETM4−3)、(ETM5−1)〜(ETM5−3)、(ETM6−1)〜(ETM6−3)、(ETM7−1)〜(ETM7−3)、及び(ETM8−1)〜(ETM8−3)を準備した。

0166

正孔輸送剤として、第一実施形態で説明した化合物(HTM9−1)〜(HTM9−2)及び(HTM10−1)〜(HTM10−2)を準備した。

0167

電荷発生剤として、化合物(CGM−1X)を準備した。化合物(CGM−1X)は、第一実施形態で説明した化学式(CGM−1)で表される無金属フタロシアニンであった。更に化合物(CGM−1X)の結晶構造はX型であった。

0168

バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(Za)(粘度平均分子量5000)を準備した。ポリカーボネート樹脂(Za)は、第一実施形態で説明した化学式(Z)で表されるポリカーボネート樹脂であった。

0169

[2.感光体の製造]
準備した感光体の感光層を形成するための材料を用いて、感光体(E−1)〜(E−34)及び感光体(F−1)〜(F−14)を製造した。

0170

(2−1.酸化膜形成工程)
(2−1−1.導電性基体(A−1)の製造)
まず、酸化膜形成工程を実行した。直径160mm、長さ365mm、厚さ2mmのアルミニウム製の基体を準備した。この基体を90℃の水に200秒間浸漬した。そして、水から基体を取出した。オーブンを用いて大気雰囲気下130℃でこの基体を加熱した。水の体積抵抗率は、2.5×106Ω・cmであった。その結果、導電性基体(A−1)を得た。

0171

(2−1−2.導電性基体(A−2)〜(A−15)及び(B−1)〜(B−7)の製造)
表1に示す酸化膜形成工程の条件(水の温度、浸漬時間、及び加熱温度)に変更した以外は、導電性基体(A−1)の製造と同様にして導電性基体(A−2)〜(A−15)及び(B−1)〜(B−7)を製造した。

0172

(2−2.感光層形成工程)
(2−2−1.感光体(E−1)の製造)
次に、感光層形成工程を実行した。まず、塗布液を調製した。テトラカルボン酸二無水物1.00質量部と、電荷発生剤としての化合物(CGM−1X)2質量部と、正孔輸送剤としての化合物(HTM9−1)60質量部と、電子輸送剤としての化合物(ETM4−1)35質量部と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Za)100質量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン800質量部とを容器内に投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて50時間混合して分散し、塗布液を得た。

0173

次に、ディップコート法を用いて、酸化膜形成工程で得られた導電性基体(A−1)上に塗布液を塗布し、導電性基体(A−1)上に塗布膜を形成した。詳しくは、導電性基体(A−1)を、塗布液に浸漬させた。次いで、浸漬した導電性基体(A−1)を塗布液から引き上げた。これにより、導電性基体(A−1)に塗布液を塗布した。

0174

次に、塗布液を塗布した導電性基体(A−1)を、100℃で40分間、熱風により乾燥させた。これにより、導電性基体(A−1)に塗布された塗布液に含有される溶剤(テトラヒドロフラン)を除去した。その結果、導電性基体(A−1)上に、感光層(C−1)が形成された。これにより、感光体(E−1)が得られた。

0175

(2−2−2.感光体(E−2)〜(E−34)及び感光体(F−1)〜(F−14)の製造)
以下の点を変更した以外は、感光体(E−1)の製造と同様の方法で、感光体(E−2)〜(E−34)及び感光体(F−1)〜(F−14)を製造した。感光体(E−1)の製造において導電性基体(A−1)を導電性基体(A−2)〜(A−15)及び(B−1)〜(B−7)の何れかに変更した。そして感光層形成工程における塗布液の調整に使用したテトラカルボン酸二無水物としての化合物(ADD1−1)、電子輸送剤としての化合物(ETM4−1)、及び正孔輸送剤としての化合物(HTM9−1)を、それぞれ表2又は表3に示す種類のテトラカルボン酸二無水物、電子輸送剤、及び正孔輸送剤に変更した。更に、バインダー樹脂100質量部に対するテトラカルボン酸二無水物の含有量1.00質量部を表3に示す含有量に変更した。導電性基体と感光層との関係を表4及び表5に示す。

0176

[3.測定方法]
(3−1.酸化膜の測定)
酸化膜の厚さは、反射・透過式薄膜測定器(株式会社東京インスルツメンツ社製「NANOCALC−VIS」)を用いて測定した。

0177

[4.評価方法
(4−1.感光体の表面電位の測定)
表面電位計(Monroe Electronics社製「MODEL244」)を用いて、感光体の露光領域の表面電位を測定した。この表面電位は、感光体の表面から記録媒体へトナー像が転写された後であって、帯電部が次周回の感光体の表面を帯電する前における感光体の露光領域の表面電位であった。詳しくは、転写後の露光領域の位置に、表面電位プローブ(Monroe Electronics社製「MODEL1017AS」)を設置し、表面電位を測定した。この測定は、温度23℃、相対湿度50%RH、ドラム線速165mm/秒、帯電電圧+600V、流れ込み電流300μA、露光波長780nm、及び露光量1.2μJ/cm2の条件で行われた。

0178

測定した表面電位から下記基準に基づいて表面電位を用いた転写性を評価した。測定した表面電位及び評価結果を表6及び表7に示す。
(表面電位を用いた転写性の評価基準
○(良い):測定された表面電位が0V以上であった。
×(悪い):測定された表面電位が0V未満であった。

0179

(4−2.感光体によるトナー像の転写性評価
感光体を評価機に搭載した。評価機として、プリンター京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−1300D」、半導体レーザーによる乾式電子写真方式のプリンター)を使用した。評価機は、帯電ローラーを帯電部として備えていた。帯電ローラーには直流電圧印加されていた。評価機は、直接転写方式の転写部(転写ローラー)を備えていた。評価機は、接触現像方式の現像部を備えていた。転写性評価には、用紙として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社販売「京セラドキュメントソリューションズブランド紙VM−A4(A4サイズ)」を使用した。転写性評価には、トナーとして、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TK−131」を使用した。転写性評価の測定は、高温高湿(温度:32.5℃、湿度:80%RH)環境下で行われた。

0180

感光体を搭載した評価機とトナーとを用いて、用紙に評価用画像を形成した。評価用画像の詳細は、図4を参照して後述する。画像形成条件を、線速165mm/秒に設定した。転写ローラーが感光体に印加する電流を、−25μAに設定した。

0181

次いで、得られた画像を目視で確認し、トナー像の転写性の低下に起因する画像不良の有無を確認した。得られた目視による観察結果から、下記の基準に従い感光体によるトナー像の転写性を評価した。◎(非常に良い)及び○(良い)を合格とした。評価結果を表6及び表7に示す。

0182

図4を参照して、評価用画像を説明する。図4は、評価用画像を示す模式図である。評価用画像200は、領域202、領域204、及び領域206を含む。領域202は、像担持体1周分に相当する領域である。領域202は白色画像(画像濃度0%)と画像208としてのソリッド画像(画像濃度100%)とから構成される。このソリッド画像は、長方形の形状を有していた。

0183

領域204及び領域206は、それぞれ像担持体1周分に相当する領域であり、いずれも白紙画像(画像濃度0%)を含む。搬送方向aに沿ってはじめに領域202の画像208及び白紙画像を形成し、その後、領域204及び領域206の白紙画像を形成した。領域204の白紙画像は、画像208を形成した感光体の周を基準(1周目)として2周目に形成された画像である。

0184

領域210は、領域204における画像208に対応する領域である。領域206の白紙画像は、画像208を形成した感光体の周を基準(1周目)として3周目に形成された画像である。領域212は、領域206における画像208に対応する領域である。

0185

評価画像を用いた転写性の評価基準)
◎(非常に良い):画像208に対応した画像が領域210及び領域212に確認されなかった。
○(良い):画像208に対応した画像が領域210の垂直方向bの両端部にわずかに確認された。画像208に対応した画像が領域212に確認されなかった。
△(悪い):画像208に対応した画像が領域210の垂直方向bの両端部に明確に確認された。画像208に対応した画像が領域212に確認されなかった。
×(非常に悪い):画像208に対応した画像が領域210及び領域212の垂直方向bの両端部に明確に確認された。

0186

(4−3.黒点に関する画像評価
評価機として、プリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−1300D」、半導体レーザーによる乾式電子写真方式のプリンター)を使用した。評価機は、帯電ローラーを帯電部として備えていた。帯電部の帯電極性は、正極性であった。評価機は、直接転写方式の転写部(転写ローラー)を備えていた。評価機の現像部は、感光体のクリーニング機能を有していた。評価には、用紙として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「京セラドキュメントソリューションズブランド紙VM−A4(A4サイズ)」を使用した。各評価には、トナーとして、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「非磁性成分用トナー」を使用した。各評価の測定環境は、高温高湿環境(温度:32.5℃湿度:80%RH)であった。感光体を評価機に搭載した。画像形成条件を、線速168mm/秒に設定した。評価機の感光体の動作を安定化させるために、アルファベットの画像を1000枚印刷した。続いて、画像Dを1枚印刷し、黒点の評価用サンプルとした。画像Dは、全面白紙画像であった。得られた評価用サンプルを目視で観察し、黒点の有無を観察した。観察結果に基づき、下記の評価基準に従って、黒点に関する画像評価を行った。
(黒点に関する画像評価の評価基準)
○(良い):黒点の個数は、1個以下であった。
×(悪い):黒点の個数は、1個を超えていた。

0187

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0193

0194

表1〜5に示すように、感光体(E−1)〜(E−48)では、酸化膜の膜厚は、1.5μm以上14.5μm以下であった。そして、感光層は、テトラカルボン酸二無水物を含んでいた。テトラカルボン酸二無水物は、一般式(1)、(2)、又は(3)で表される化合物であった。テトラカルボン酸二無水物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.50質量部以上5.00質量部以下であった。

0195

表6〜7に示すように、感光体(E−1)〜(E−48)では、黒点の発生の評価結果がすべて○(良い)であり、トナー像の転写性の評価結果がすべて○(良い)であった。

0196

表1、3、及び5に示すように、感光体(F−1)では、酸化膜が存在しなかった。感光体(F−2)〜(F−7)では、酸化膜の膜厚は0.9μm以下又は16.1μm以上であった。感光体(F−8)〜(F−11)では、テトラカルボン酸二無水物の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部以下又は10.0質量部以上であった。なお、表7中、感光体(F−10)では、転写性の評価結果「−」は感光層に結晶化が発生し測定できなかったことを示す。

0197

表7に示すように、感光体(F−1)〜(F−11)では、黒点の発生の評価結果及びトナー像の転写性の評価結果の少なくとも一方が×であった。

実施例

0198

以上から、感光体(E−1)〜(E−48)は、感光体(F−1)〜(F−11)に比べ、感光体によるトナー像の転写性の低下を抑制し、黒点の発生を抑制することが明らかである。

0199

本発明に係る感光体は、電子写真方式の画像形成装置において好適に使用できる。

0200

1感光体(電子写真感光体)
2導電性基体
3感光層
10画像形成装置
42帯電部
44露光部
46現像部
48転写部

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