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技術 ディスクブレーキおよびピストンブーツ

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社株式会社フコク
発明者 鈴木伸二長島史朗青木俊輔
出願日 2016年5月27日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-106416
公開日 2017年11月30日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-211066
状態 特許登録済
技術分野 ダイアフラム、ベローズ プラスチック等の射出成形 密封装置 ブレーキ装置
主要キーワード 環状壁面 支え面 内側範囲 湾曲凹面 半円筒面 シリンダ開口 軸方向支持 径方向支持
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

コスト増を抑制することができるディスクブレーキおよびピストンブーツを提供する。

解決手段

ピストンブーツ23が、蛇腹部63の一端側に形成され、環状の金属部材67を内包してシリンダ26の段部41に嵌合する環状の嵌合部61を有し、嵌合部61は、段部41の内周面42に当接する外周面部75と、段部41の環状壁面部43に当接する環状の平面部78と、を有し、平面部78には、金属部材67の位置または金属部材67の近傍位置に底面を有する複数の孔101がそれぞれ開口している。

概要

背景

ディスクブレーキにおいて、ピストンシリンダとの間に装着されるピストンブーツとして、環状の金属部材弾性体埋設した構造のピストンブーツを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。

概要

コスト増を抑制することができるディスクブレーキおよびピストンブーツを提供する。ピストンブーツ23が、蛇腹部63の一端側に形成され、環状の金属部材67を内包してシリンダ26の段部41に嵌合する環状の嵌合部61を有し、嵌合部61は、段部41の内周面42に当接する外周面部75と、段部41の環状壁面部43に当接する環状の平面部78と、を有し、平面部78には、金属部材67の位置または金属部材67の近傍位置に底面を有する複数の孔101がそれぞれ開口している。

目的

本発明の目的は、コスト増を抑制することができるディスクブレーキおよびピストンブーツを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ディスクの両面にそれぞれ対向する一対のパッドのうち少なくとも一つを押圧するピストンと、前記ピストンを移動可能に収容し、一端が開口して前記ピストンの先端が突出するボア部を有し、該ボア部の開口側に該ボア部の内径よりも大きな内径を有する段部が形成されるシリンダと、前記ピストンの先端側と前記シリンダの段部との間に配置され、前記ピストンの移動に伴って伸縮可能な蛇腹部を有するピストンブーツと、を備え、前記ピストンブーツは、前記蛇腹部の一端側に形成され、環状の金属部材を内包して前記段部に嵌合する環状の嵌合部を有し、該嵌合部は、前記段部の内周面に当接する外周面部と、前記段部の環状壁面部に当接する環状の平面部と、を有し、該平面部には、前記金属部材の位置または前記金属部材の近傍位置に底面を有する複数の孔がそれぞれ開口している、ディスクブレーキ

請求項2

前記嵌合部は、前記金属部材よりもディスク径方向内側の部位に、ディスク径方向内方に開口し、ディスク軸方向に沿って形成される複数の切欠部を備えている、請求項1に記載のディスクブレーキ。

請求項3

前記切欠部の径方向外方位置は、前記金属部材の内周面の位置、または、前記金属部材の内周面の近傍位置となっている、請求項2に記載のディスクブレーキ。

請求項4

前記複数の孔と前記切欠部とは、前記嵌合部の周方向の異なる位置に形成されている、請求項2又は3に記載のディスクブレーキ。

請求項5

ディスクブレーキのキャリパに設けられるピストンの先端側と、前記キャリパのシリンダ開口に形成される段部との間に配置され、前記ピストンの移動に伴って伸縮可能な蛇腹部を有するピストンブーツであって、前記ピストンブーツは、前記蛇腹部の一端側に形成され、環状の金属部材を内包して前記段部に嵌合する環状の嵌合部を有し、該嵌合部は、前記段部の内周面に当接する外周面部と、前記段部の環状壁面部に当接する環状の平面部と、を有し、該平面部には、前記金属部材の位置または前記金属部材の近傍位置に底面を有する複数の孔がそれぞれ開口している、ピストンブーツ。

請求項6

前記嵌合部は、該嵌合部の内周面と前記金属部材との間に、前記嵌合部の内周面に開口し、径方向外方に向かって凹んで形成される切欠部を備えている請求項5に記載のピストンブーツ。

請求項7

前記切欠部の径方向外方位置は、前記金属部材の内周面の位置、または前記金属部材の内周面の近傍位置となっている、請求項6に記載のピストンブーツ。

請求項8

前記複数の孔と前記切欠部とは、前記嵌合部の周方向の異なる位置に形成されている、請求項6又は7に記載のピストンブーツ。

技術分野

0001

本発明は、ディスクブレーキおよびピストンブーツに関する。

背景技術

0002

ディスクブレーキにおいて、ピストンシリンダとの間に装着されるピストンブーツとして、環状の金属部材弾性体埋設した構造のピストンブーツを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2009−19643号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記構造のピストンブーツは生産性に課題があり、ひいてはディスクブレーキのコスト増の一因となる可能性がある。

0005

本発明の目的は、コスト増を抑制することができるディスクブレーキおよびピストンブーツを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、本発明のディスクブレーキは、ピストンブーツが、蛇腹部の一端側に形成され、環状の金属部材を内包してシリンダの段部に嵌合する環状の嵌合部を有し、該嵌合部は、前記段部の内周面に当接する外周面部と、前記段部の環状壁面部に当接する環状の平面部と、を有し、該平面部には、前記金属部材の位置または前記金属部材の近傍位置に底面を有する複数の孔がそれぞれ開口している。

0007

また、本発明のピストンブーツは、蛇腹部の一端側に形成され、環状の金属部材を内包してシリンダの段部に嵌合する環状の嵌合部を有し、該嵌合部は、前記段部の内周面に当接する外周面部と、前記段部の環状壁面部に当接する環状の平面部と、を有し、該平面部には、前記金属部材の位置または前記金属部材の近傍位置に底面を有する複数の孔がそれぞれ開口している。

発明の効果

0008

本発明によれば、コスト増を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0009

実施形態のディスクブレーキを示す断面図。
実施形態のディスクブレーキを示す部分断面図。
実施形態のピストンブーツを示す背面図。
図3のA−A断面図。
図3のB−B断面図。
実施形態のピストンブーツを示す部分斜視図。
実施形態のピストンブーツの製造に使用する金型の断面図。
実施形態のピストンブーツの製造に使用する金型の要部を示す斜視図。

実施例

0010

実施形態を図面を参照して以下に説明する。
図1は、ディスクブレーキ10を示すものである。このディスクブレーキ10は、自動車等の車両用のもの、具体的には四輪自動車用のものである。ディスクブレーキ10は、図示略の車輪と共に回転するディスク11の回転を止めることで車両を制動する。

0011

ディスクブレーキ10は、支持部材12と、一対のパッド13,14と、キャリパ15とを備えている。支持部材12は、ディスク11の外周側を跨いで配置されて車両の非回転部に固定される。一対のパッド13,14は、支持部材12にディスク11の軸方向に移動可能となるように支持されてディスク11の両面にそれぞれ対向配置される。キャリパ15は、支持部材12にディスク11の軸方向に移動可能となるように支持されており、一対のパッド13,14を挟持してこれらをディスク11の両面に押圧する。

0012

キャリパ15は、キャリパボディ20と、ピストン21と、ピストンシール22と、ピストンブーツ23とを有している。

0013

キャリパボディ20は、シリンダ26と、シリンダ26からディスク11の外周を跨ぐように延出するブリッジ部27と、ブリッジ部27のシリンダ26とは反対側から延出してシリンダ26に対向する爪部28とを有している。

0014

シリンダ26には、爪部28側に一端が開口するボア部30が形成されており、このボア部30は、ピストン21をディスク11の軸方向に移動可能となるように収容する。ボア部30が形成されることにより、シリンダ26は、爪部28とは反対側の底部31と、底部31の外周縁部から筒状をなして爪部28側に延出する筒状部32とを有している。シリンダ26の底部31にはブレーキ液をボア部30内に導入するための貫通孔33が形成されている。

0015

ボア部30は、ピストン21の移動を案内する円筒面であるガイド内周面35を有している。ボア部30は、このガイド内周面35よりも底部31側に、ガイド内周面35よりも径方向外方に凹む円環状の大径溝36を有している。ボア部30は、ガイド内周面35の底部31とは反対側の中間位置に、ガイド内周面35よりも径方向外方に凹む円環状のピストンシール溝37を有している。このピストンシール溝37は、その内径がガイド内周面35の内径よりも大径となっている。

0016

シリンダ26には、ボア部30の開口側である爪部28側に、ボア部30のガイド内周面35よりも径方向外方に凹む円環状の段部41が形成されている。段部41は、爪部28側に抜ける段形状をなしており、シリンダ26の開口位置に形成されている。段部41は、その内径がボア部30のガイド内周面35の内径よりも大径で、ピストンシール溝37および大径溝36の内径よりも大径となっている。つまり、段部41は、その内径がボア部30のいずれの位置の内径よりも大径となっている。

0017

段部41は、ボア部30の中心軸を中心とする円筒状の図2に示す内周面42と、内周面42の軸方向のボア部30側にあってボア部30の中心軸に直交する平面状の環状壁面部43とを有している。段部41には、内周面42の環状壁面部43側の中間位置に、内周面42の円筒面からなる主内周面45よりも径方向外方に凹む円環状の係合溝46が形成されている。段部41の内周面42は、主内周面45と係合溝46の内表面とからなっている。環状壁面部43は、ボア部30の中心軸に直交する平坦面であり、ボア部30の中心軸を中心とする円環状となっている。

0018

図1に示すように、ピストン21は、底部51と筒状部52とを備えている。ピストン21は、筒状部52の底部51と反対側の端部が開口部53とされた有底筒状に形成されている。筒状部52の開口部53側には、筒状部52の円筒面からなる外径面54よりも径方向内方に凹む円環状の係止溝55が形成されている。ピストン21は、底部51がボア部30内で底部31側に位置するようにボア部30に収容されており、この状態で、爪部28側の先端、つまり開口部53側がボア部30よりも爪部28側に突出している。ピストン21には、このようにボア部30よりも突出する先端側に係止溝55が形成されている。つまり、係止溝55は、ボア部30よりも外側に配置されている。

0019

ピストンシール22は、ボア部30のピストンシール溝37に嵌合されており、このピストンシール22の内周側にピストン21が嵌合されている。ピストンシール22は、シリンダ26とピストン21との隙間をシールすると共に、ボア部30のガイド内周面35とでピストン21を軸方向に移動可能に支持する。

0020

ピストンブーツ23は、キャリパ15に設けられたピストン21の先端側の係止溝55と、キャリパ15のシリンダ26の開口位置に形成された段部41との間に配置される。ピストンブーツ23は、これら係止溝55および段部41にそれぞれ係合されている。ピストンブーツ23は、ピストン21の係止溝55よりもボア部30側の部分のシリンダ26から露出する外周部を覆っている。

0021

ピストンブーツ23は、シリンダ26の段部41に嵌合する環状の大径嵌合部61(嵌合部)と、ピストン21の係止溝55に嵌合する環状の小径嵌合部62と、これらの間の伸縮可能な蛇腹部63とを有している。言い換えれば、大径嵌合部61は蛇腹部63の一端側に形成され、小径嵌合部62は蛇腹部63の他端側に形成されている。さらに言い換えれば、ピストンブーツ23には、大径嵌合部61が一端側に形成され、小径嵌合部62が他端側に形成され、蛇腹部63が中間部に形成されている。

0022

大径嵌合部61および小径嵌合部62は、いずれも図3に示すように円環状であり、図2に示すように小径嵌合部62が大径嵌合部61よりも内外径共に小径となっている。小径嵌合部62は、内周部がピストン21の係止溝55に嵌合する。大径嵌合部61は外周部がシリンダ26の段部41に嵌合する。ピストンブーツ23は、大径嵌合部61がシリンダ26に固定される。この固定状態において、小径嵌合部62がピストン21に固定されたピストンブーツ23は、ピストン21のシリンダ26に対する移動に伴って、シリンダ26およびピストン21に対し固定されていない中間の蛇腹部63が伸縮する。

0023

ピストンブーツ23は、ゴム製の環状の弾性部材66の内部に環状の金属部材67が埋設されて構成される。金属部材67は、弾性部材66よりも剛性が高くなっており、かつ、弾性部材66よりも変形しにくくなっている。図4図5に示すように、金属部材67は、径方向の厚さよりも軸方向の長さが長い円筒体であり、上記した大径嵌合部61に内包されている。大径嵌合部61は、金属部材67の全部と弾性部材66の一部である弾性部材構成部71とで円筒状に形成されている。蛇腹部63は弾性部材66のみで蛇腹状に形成されており、小径嵌合部62は弾性部材66のみで円筒状に形成されている。なお、本実施形態で金属部材67は上述の通り円筒体となっているが、多角形筒体でもよい。

0024

大径嵌合部61の弾性部材構成部71は、大径嵌合部61の外側部分を構成しており、円環状をなしている。弾性部材構成部71の径方向の内部、且つ軸方向の内部に金属部材67が配置されている。これら弾性部材構成部71および金属部材67は接着されていないが、両者を接着して一体化してもよい。弾性部材構成部71は、円筒状の金属部材67の内径側および外径側の両側を被覆しており、金属部材67の軸方向の両側をも被覆している。

0025

環状の大径嵌合部61は、外周面部75と、内周面部76と、軸方向一端の平面部77と、軸方向他端の平面部78とを有している。外周面部75および内周面部76は円筒面状であり、同軸状に配置されている。平面部77,78は、いずれも、大径嵌合部61の中心軸に直交する平面となっている。大径嵌合部61の外周面部75、平面部77および平面部78は、いずれも全面が弾性部材構成部71となっている。そして、弾性部材構成部71である内周面部76の平面部77側の端縁部から蛇腹部63の一端側が延出しており、この蛇腹部63の他端側は小径嵌合部62の内周面の軸方向一側の端縁部に繋がっている。ここで、この小径嵌合部62における蛇腹部63の連結側と、大径嵌合部61における蛇腹部63の連結側とは、ピストンブーツ23の軸方向の反対側となっている。

0026

大径嵌合部61の弾性部材構成部71は、基部81と、基部81の軸方向の中央位置から基部81よりも径方向外方に突出する環状の突状部82とを有している。大径嵌合部61の外周面部75は、全面が弾性部材構成部71であり、基部81の円筒面である主外周面83と、突状部82の表面と、基部81の軸方向の平面部78側のテーパ面85とからなっている。

0027

図4に示すように、大径嵌合部61の弾性部材構成部71には、大径嵌合部61の径方向における内周面部76と金属部材の76の内周面93との間で、内周面部76の軸方向の平面部78側の一部と、平面部78の径方向の内周面部76側の一部とを結ぶように切欠部91が形成されている。切欠部91は、内周面部76に開口するとともに、内周面部76の円筒面である主内周面92よりも径方向外方に向かって凹んで形成されている。切欠部91における径方向外方位置は、主内周面92から金属部材67の内周面93の位置または内周面93の近傍位置まで形成されている。切欠部91が、金属部材67の内周面93まで形成されていると、この内周面93を外部に露出させることになり、内周面93の手前まで形成されていると、内周面93との間に薄い弾性部材構成部71の層を設けることになる。

0028

切欠部91は、平面部78に開口して軸方向に向かって凹んでおり、平面部78から金属部材67の平面部78側の端面94を越えて形成されている。大径嵌合部61は、金属部材67よりも大径嵌合部61の径方向における内側の部位に、ディスク径方向内方に開口し、ディクス軸方向に沿って形成される複数の切欠部91を備えている。このような切欠部91が図3に示すように大径嵌合部61の周方向に等間隔で複数形成されている。図4に示すように、大径嵌合部61の内周面部76は、主内周面92と複数の切欠部91の内表面95とからなっている。

0029

切欠部91は、平面部78側に図3図6に示すように半円筒面からなる湾曲凹面97を有しており、湾曲凹面97の平面部78とは反対側に平面からなる図4に示す傾斜面98を有している。湾曲凹面97は、図6に示すように大径嵌合部61の周方向の幅が主内周面92側ほど広くなる形状となっている。傾斜面98は、図4に示すように大径嵌合部61の径方向の深さが平面部78から離れるほど浅くなるように凹んでいる。湾曲凹面97は、平面部78から金属部材67の平面部78側の端面94を越える位置まで形成されている。

0030

図3図6に示すように、大径嵌合部61の弾性部材構成部71には、平面部78の範囲内に、平面部78から大径嵌合部61の軸方向に底面100を有して凹む有底の複数の孔101が形成されている。図3に示すように、複数の孔101と複数の切欠部91とは、大径嵌合部61の周方向の異なる位置に形成されている。具体的に、複数の孔101は、大径嵌合部61の周方向に隣り合う切欠部91間の中央位置に一つずつ配置されるように、大径嵌合部61の周方向に等間隔で配置されている。よって、大径嵌合部61には、その周方向に交互に切欠部91と孔101とが等間隔で配置されている。なお本実施形態では、上述の通り複数の孔101と複数の切欠部91とが大径嵌合部61の周方向の異なる位置に形成された例を示したが、これらは必ずしも異なる位置である必要はなく、これらの周方向位置は一致する位置であっても良い。

0031

これらの孔101は、図6に示すように、円筒面からなる壁面102を有する円形孔であり、図5に示すように、金属部材67の平面部78側の端面94の位置または端面94の近傍位置まで形成されている。孔101が金属部材67の端面94の位置まで形成されると、孔101の底面100は端面94を含むことになり、孔101が端面94を外部に露出させることになる。また、孔101が金属部材67の端面94の近傍位置まで形成されると、孔101の底面100は端面94との間に薄い弾性部材構成部71の層を設けることになる。

0032

金属部材67の周方向において孔101と位置が合う部分の径方向の厚さは、この孔101の直径よりも薄い。また、孔101は、金属部材67の周方向においてこの孔101と位置が合う部分を、金属部材67の径方向に横断するように配置されている。平面部78の範囲内にあることから、複数の孔101は、大径嵌合部61の外周面部75よりも径方向内側にあり、且つ大径嵌合部61の内周面部76の主内周面92よりも径方向外側にある。言い換えれば、大径嵌合部61の平面部78には、金属部材67の端面94の位置または端面94の近傍位置に底面100を有する複数の孔101がそれぞれ開口している。

0033

図2に示すように、ピストンブーツ23は、大径嵌合部61が、その環状の外周面部75を段部41の環状の内周面42に当接させ、環状の平面部78を段部41の環状壁面部43に当接させて、シリンダ26に連結されている。このとき、大径嵌合部61は、突状部82を係合溝46に嵌合させることになり、これによって段部41に対して軸方向に位置決めされ、段部41から外れることが抑制される。このように位置決めされた状態で、大径嵌合部61は、径方向および軸方向の両方向に締め代をもって段部41に嵌合することになり、その結果、外周面部75を段部41の内周面42に密着させ、平面部78を段部41の環状壁面部43に密着させる。その際に、大径嵌合部61は、外周面部75を段部41の内周面42に全周連続するように密着させ、平面部78を環状壁面部43に全周連続するように密着させる。

0034

また、ピストンブーツ23は、小径嵌合部62がピストン21の係止溝55に嵌合される。その際に小径嵌合部62は内周面が係止溝55の底面に全周連続するように密着する。このようにして、ピストンブーツ23は、一端側がシリンダ26に連結され、他端側がピストン21に連結された状態となる。

0035

図1に示すディスクブレーキ10は、キャリパ15のシリンダ26のボア部30内に貫通孔33からブレーキ液が導入されると、ピストン21の底部51にブレーキ圧が作用する。すると、ピストン21がディスク11側に前進し、ピストン21側のパッド13をディスク11に向かって押圧する。これにより、パッド13が移動してディスク11に接触する。また、この押圧の反力で、キャリパ15のキャリパボディ20が移動し、爪部28で爪部28側のパッド14をディスク11に向かって押圧する。これにより、パッド14が、ディスク11に接触する。

0036

以上のようにして、キャリパ15は、ピストン21の作動により、ピストン21と爪部28とで一対のパッド13,14を両側から挟持してディスク11の両面に押圧する。その結果、キャリパ15は、ディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させる。ピストンブーツ23は、ピストン21のボア部30からの突出量の変化に応じて軸方向の距離が変化する大径嵌合部61と小径嵌合部62との距離の変化に蛇腹部63が伸縮することにより追従して、ピストン21の係止溝55よりも底部51側のシリンダ26から露出する外周部への異物の付着と、ピストン21とボア部30との間の隙間への異物の進入とを常時規制する。

0037

上記のピストンブーツ23を製造する際には、図7に示す金型111が用いられる。この金型111は、金属部材67を支持する下型112と、金属部材67を支持した状態の下型112がセットされる中型113と、下型112および中型113とで弾性部材66の形状のキャビティ114を形成する上型115とを有している。上型115には、キャビティ114内に未加硫ゴム材料注入するための複数の注入口116が形成されている。なお、ピストンブーツ23の製造方法は、キャビティ114内に未加硫のゴム材料を注入して加硫成形する方法に限定されず、例えば、キャビティ114内に未加硫のゴム材料を仕込んで加硫成形する方法(コンプレッション成形法)を用いてもよい。

0038

下型112は、図8に示すように円環状をなしている。下型112は、図7に示すように大径嵌合部61の外周面部75のテーパ面85を形成するためのテーパ面からなる形成面121と、大径嵌合部61の内周面部76の主内周面92を形成するための円筒面からなる形成面122と、平面部78を形成するための平面からなる形成面123と、蛇腹部63の一部を形成するための形成面124とを有している。

0039

図8に示すように、形成面123の内側範囲には、形成面123よりも軸方向外方に突出する円柱状の軸方向支持突起部131が形成されている。形成面122と形成面123との境界位置には、形成面122よりも径方向外方に突出し形成面123よりも軸方向外方に突出する半円柱状の径方向支持突起部132が形成されている。軸方向支持突起部131は、下型112の周方向に等間隔で複数形成されており、径方向支持突起部132も、下型112の周方向に等間隔で複数形成されている。複数の軸方向支持突起部131は、下型112の周方向に隣り合う径方向支持突起部132間の中央位置に一つずつ配置され、よって、下型112には、その周方向に交互に軸方向支持突起部131と径方向支持突起部132とが等間隔で配置されている。

0040

径方向支持突起部132は、半円筒面からなる形成面135と、軸心上のある一点を頂点とする円錐面の一部からなる形成面136とを有している。形成面135が全体として形成面123から軸方向支持突起部131を上側に越える位置まで形成されており、形成面136が形成面135の形成面123とは反対側に形成されている。形成面136は形成面123から離れるほど、下型112の径方向における形成面122からの高さが低くなるように傾斜している。

0041

複数の軸方向支持突起部131は、形成面123とは反対側の先端面133が形成面123と平行であり、それぞれの形成面123から先端面133までの高さを合わせている。複数の軸方向支持突起部131は、それぞれの外周面134が円筒面となっている。これら軸方向支持突起部131の先端面133に金属部材67が載置される。これにより、複数の軸方向支持突起部131は、金属部材67をその軸方向に支持して下型112に対して軸方向に位置決めする。複数の径方向支持突起部132は、それぞれの形成面135の形成面123からの最低高さが軸方向支持突起部131よりも高くなっており、複数の軸方向支持突起部131に載置される金属部材67の内側に嵌合して、金属部材67をその径方向に支持して下型112に対して径方向に位置決めする。

0042

ここで、金属部材67が複数の径方向支持突起部132に嵌合される際に、複数の径方向支持突起部132の形成面136が嵌合方向手前側ほど金属部材67との隙間を確保して挿入を容易とし、その後、複数の径方向支持突起部132の形成面135が金属部材67に嵌合して、これを下型112の径方向に位置決めする。このようにして、下型112にセットされた状態で下型112と共に中型113に配置される金属部材67は、その後、中型113にセットされる上型115と、下型112および中型113とで形成されるキャビティ114に対して軸方向および径方向に位置決めされる。

0043

金属部材67がセットされたキャビティ114に、複数の注入口116から未加硫のゴム材料を注入してキャビティ114内を未加硫のゴム材料で満たす。その後、未加硫のゴム材料は、加硫成形されて弾性部材66となり、その結果、金属部材67を弾性部材66の弾性部材構成部71に埋設したピストンブーツ23ができ上がる。その際に、下型112は、形成面121がテーパ面85を、形成面122が主内周面92を、形成面123が平面部78を、軸方向支持突起部131が孔101を、径方向支持突起部132が切欠部91を、それぞれ形成する。

0044

ここで、未加硫のゴム材料のキャビティ114への注入時に、径方向支持突起部132の形成面135と金属部材67の内周面93との間に隙間がなければ、切欠部91は主内周面92から金属部材67の内周面93の位置まで形成されることになる。他方、径方向支持突起部132の形成面135と金属部材67の内周面93との間にゴムの圧力等により隙間が生じれば、切欠部91は主内周面92から金属部材67の内周面93の近傍位置まで形成されることになる。

0045

同様に、未加硫のゴム材料のキャビティ114への注入時に、軸方向支持突起部131の先端面133と金属部材67の端面94との間に隙間がなければ、孔101は、平面部78から金属部材67の端面94の位置まで形成されることになる。他方、軸方向支持突起部131の先端面133と金属部材67の端面94との間にゴムの圧力等により隙間が生じれば、孔101は、平面部78から金属部材67の端面94の近傍位置まで形成されることになる。

0046

ピストンブーツ23の複数の孔101は、複数の軸方向支持突起部131によって形成される部分であり、ピストンブーツ23の複数の切欠部91は、複数の径方向支持突起部132によって形成される部分である。孔101の底面100は軸方向支持突起部131の先端面133によって形成され、壁面102は、軸方向支持突起部131の外周面134によって形成される。切欠部91の湾曲凹面97は径方向支持突起部132の形成面135によって形成され、傾斜面98は形成面136によって形成される。

0047

特許文献1に記載された技術は、ピストンとシリンダとの間に装着されるピストンブーツとして、環状の金属部材を弾性体の環状の端部に埋設した構造のピストンブーツを用いている。このピストンブーツを製造する場合、金型に設けられたL字状の支え部の二カ所の支え面で金属部材を軸方向と径方向とに支持するようになっている。そして、このような支え部の痕として残る切欠部から異物が混入するのを防止するため、ピストンブーツにヒゲ状のリップ部を形成している。しかしながら、リップ部を形成すると、金型の金属部材を軸方向に支える支え面の面積が十分に確保できない。このため、金属部材を、金型へのセットに脱落等を生じることがないように注意してセットする必要があり、作業時間が多くかかって、生産性が低下してしまう可能性がある。よって、ピストンブーツのコストを増大させることになり、ひいてはディスクブレーキのコストを増大させてしまう。

0048

また、ピストンブーツを成形するための金型の支え部がL字状であるため、形状が複雑で、製造コストが嵩んでしまう。よって、ピストンブーツのコストを増大させることになり、ひいてはディスクブレーキのコストを増大させてしまう。

0049

また、ピストンブーツをシリンダへ圧入する際に、最初にシリンダに接触する部分がリップ部となるが、リップ部は変形容易であり、どのように変形するのかその曲がり方向が不安定である。このため、ピストンブーツをシリンダへ圧入固定する際に、リップ部が規定の方向に曲がらずに組み付け不良とならないか確認する必要があって生産性を低下させてしまう。また、圧入時にリップ部がダメージを受ける可能性もあり、リップ部がダメージを受けると組み付けをやり直す必要があって生産性を低下させてしまう。このようにリップ部に起因して生産性を低下させてしまう可能性がある。よって、ディスクブレーキのコストを増大させてしまう。

0050

これに対して、実施形態のピストンブーツ23は、環状の金属部材67を内包する環状の大径嵌合部61が、外周面部75で段部41の内周面42に当接し、環状の平面部78で段部41の環状壁面部43に当接するものであるため、段部41の環状壁面部43に当接するリップ部を持たない形状となる。よって、リップ部に起因した生産性低下を抑制することができる。したがって、ディスクブレーキ10のコスト増を抑制することができる。しかも、大径嵌合部61が、外周面部75で段部41の内周面42に当接し、環状の平面部78で段部41の環状壁面部43に当接することから、シリンダ26への組み付けが安定し、組み付け品質も向上できる。

0051

また、環状の平面部78に、金属部材67の位置または金属部材67の近傍位置に底面100を有する複数の孔101がそれぞれ開口しているため、複数の孔101を痕として残すことになる下型112の軸方向支持突起部131が、金属部材67を支持するための面積を大きくできる。したがって、支持面積不足による生産性低下を抑制することができる。よって、ピストンブーツ23のコスト増を抑制することができ、ひいてはディスクブレーキ10のコスト増を抑制することができる。

0052

また、大径嵌合部61には、金属部材67よりも金属部材67の径方向内側(ディスク径方向内側)の部位に、金属部材67の径方向(ディスク径方向)に切り欠かれた複数の切欠部91が形成されているが、これらの切欠部91は、複数の孔101に対して、大径嵌合部61の周方向の異なる位置に形成されている。このため、下型112において、孔101を痕として残すことになる軸方向支持突起部131と、切欠部91を痕として残すことになる径方向支持突起部132とを周方向の異なる位置に形成することになる。よって、軸方向支持突起部131および径方向支持突起部132の形状が単純となって形成が容易となり、下型112のコスト増を抑制することができる。よって、ピストンブーツ23のコスト増を抑制することができ、ひいてはディスクブレーキ10のコスト増を抑制することができる。

0053

以上に述べた実施形態のディスクブレーキ10は、一対のパッド13,14のうちの一つのパッド13を押圧するピストン21を備えるものであるが、一対のパッド13,14の両方のパッド13,14を押圧するピストンを備えるものであっても良い。つまり、一対のパッドのうちの少なくとも一つのパッドを押圧するピストンを備えていれば良い。

0054

以上に述べた実施形態のディスクブレーキ及びピストンブーツは、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。第1の態様としてのディスクブレーキは、ディスクの両面にそれぞれ対向する一対のパッドのうち少なくとも一つを押圧するピストンと、前記ピストンを移動可能に収容し、一端が開口して前記ピストンの先端が突出するボア部を有し、該ボア部の開口側に該ボア部の内径よりも大きな内径を有する段部が形成されるシリンダと、前記ピストンの先端側と前記シリンダの段部との間に配置され、前記ピストンの移動に伴って伸縮可能な蛇腹部を有するピストンブーツと、を備え、前記ピストンブーツは、前記蛇腹部の一端側に形成され、環状の金属部材を内包して前記段部に嵌合する環状の嵌合部を有し、該嵌合部は、前記段部の内周面に当接する外周面部と、前記段部の環状壁面部に当接する環状の平面部と、を有し、該平面部には、前記金属部材の位置または前記金属部材の近傍位置に底面を有する複数の孔がそれぞれ開口している。また、第2の態様としてのピストンブーツは、ディスクブレーキのキャリパに設けられるピストンの先端側と、前記キャリパのシリンダ開口に形成される段部との間に配置され、前記ピストンの移動に伴って伸縮可能な蛇腹部を有するピストンブーツであって、前記ピストンブーツは、前記蛇腹部の一端側に形成され、環状の金属部材を内包して前記段部に嵌合する環状の嵌合部を有し、該嵌合部は、前記段部の内周面に当接する外周面部と、前記段部の環状壁面部に当接する環状の平面部と、を有し、該平面部には、前記金属部材の位置または前記金属部材の近傍位置に底面を有する複数の孔がそれぞれ開口している。したがって、ピストンブーツは、段部の環状壁面部に当接するリップ部を持たない形状となる。よって、リップ部に起因した生産性低下を抑制することができる。したがって、ディスクブレーキのコスト増を抑制することができる。

0055

また、第3の態様としてのディスクブレーキは、第1の態様において、前記嵌合部が、前記金属部材よりもディスク径方向内側の部位に、ディスク径方向内方に開口し、ディスク軸方向に沿って形成される複数の切欠部を備えている。また、第4の態様としてのディスクブレーキは、第3の態様において、前記切欠部の径方向外方位置が、前記金属部材の内周面の位置、または、前記金属部材の内周面の近傍位置となっている。また、第5の態様としてのディスクブレーキは、第3の態様または第4の態様のいずれかにおいて、前記複数の孔と前記切欠部とが、前記嵌合部の周方向の異なる位置に形成されている。また、第6の態様としてのピストンブーツは、第2の態様において、前記嵌合部が、該嵌合部の内周面と前記金属部材との間に、前記嵌合部の内周面に開口し、径方法外方に向かって凹んで形成される切欠部を備えている。また、第7の態様としてのピストンブーツは、第6の態様において、前記切欠部の径方向外方位置が、前記金属部材の内周面の位置、または、前記金属部材の内周面の近傍位置となっている。また、第8の態様としてのピストンブーツは、第6の態様または第7の態様のいずれかにおいて、前記複数の孔と前記切欠部とが、前記嵌合部の周方向の異なる位置に形成されている。よって、金型の複数の孔を形成する部分の形状および切欠部を形成する部分の形状が単純となって形成が容易となり、金型のコスト増を抑制することができる。よって、ピストンブーツのコスト増を抑制することができ、ひいてはディスクブレーキのコスト増を抑制することができる。
以上に述べた実施形態においては、弾性部材としてゴム材料を使用したものを例示したが、弾性部材として樹脂材料を使用してもよい。

0056

10ディスクブレーキ
11ディスク
13,14パッド
15キャリパ
21ピストン
23ピストンブーツ
26シリンダ
30ボア部
41 段部
42内周面
43環状壁面部
63蛇腹部
67金属部材
61 大径嵌合部(嵌合部)
75外周面部
78平面部
91切欠部
100 底面
101 孔

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