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技術 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 伊藤崇則
出願日 2016年5月24日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-103216
公開日 2017年11月30日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-210518
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 熱効果発生材料
主要キーワード 熱伝達材料 熱境界 有機マンガン化合物 熱放散部材 内添離型剤 白金族金属元素 ディスペンス装置 縮合反応硬化型
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重要な関連分野

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図面 (4)

課題

熱伝導性及び耐水性に優れ、かつ実装時の密着性も良好な放熱部材として用いられる熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物を提供する。

解決手段

オルガノポリシロキサンベースポリマーとし、熱伝導性充填材を含有してなる熱伝導性シリコーン組成物において、熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウムと平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナとを含み、破砕状アルミナを窒化アルミニウムと破砕状アルミナとの合計量中15〜55質量%含有すると共に、窒化アルミニウムと破砕状アルミナとを合計で熱伝導性シリコーン組成物中60〜95質量%含有することを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。

概要

背景

パーソナルコンピューター携帯電話等の電子機器に使用されるCPU、ドライバICやメモリー等のLSIチップは、高性能化・高速化・小型化・高集積化に伴い、それ自身が大量の熱を発生するようになり、その熱によるチップ温度上昇はチップの動作不良、破壊を引き起こす。そのため、動作中のチップの温度上昇を抑制するための多くの熱放散方法及びそれに使用する熱放散部材が提案されている。

従来、電子機器等においては、動作中のチップの温度上昇を抑えるために、アルミニウムや銅等、熱伝導率の高い金属板を用いたヒートシンクが使用されている。このヒートシンクは、そのチップが発生する熱を伝導し、その熱を外気との温度差によって表面から放出する。

チップから発生する熱をヒートシンクに効率良く伝えるために、ヒートシンクをチップに密着させる必要があるが、各チップの高さの違いや組み付け加工による公差があるため、柔軟性を有するシートや、グリースをチップとヒートシンクとの間に介装させ、このシート又はグリースを介してチップからヒートシンクへの熱伝導を実現している。

グリース状放熱材料は、薄膜化による低熱抵抗が実現されるが、管理が難しいという点がある。また、塗布工程には、手作業スクリーンプリント又はシリンジからの押し出しを行う場合と、ディスペンス装置を用いて自動で行う場合とがあるが、多くの時間を要し、取扱いも容易でない点から、製品の組み立て工程の律速となるケースがある。

熱伝導性シリコーンゴム等で形成された熱伝導シートは、グリースに比べ、取扱い性に優れており、様々な分野に用いられている。

特に低硬度熱伝導性シートは、その形状柔軟性からCPUなどの素子間の凹凸にうまく追従することが可能であり、携帯用ノート型のパーソナルコンピューター等の機器の小型化を阻害せず、効率的な放熱を可能とする利点をもつ。

また近年、発熱素子の高集積化に伴い、その発熱量が増大する傾向にあることから、低応力かつ高熱伝導放熱シートが求められている。一般に高熱伝導化のためには、熱伝導性充填材シリコーン樹脂に多く充填する必要があるが、反対に圧縮性信頼性が低下してしまう。そのため、より低充填量で高熱伝導率化するために、絶縁用途としては窒化ホウ素窒化アルミニウム等の高熱伝導性フィラーを用いる例が報告されている。しかし、窒化ホウ素によってはその形状が鱗片状であるため、シリコーン樹脂に充填した際には粒子が寝た状態で充填されてしまい、a軸方向の高熱伝導性をうまく発現することは難しい。そのため、窒化ホウ素粒子を立てた状態で充填させる特別な処理が必要となる。

そこで、高熱伝導性フィラーとして窒化アルミニウムを選択した放熱材料が種々報告されている(特許文献1(特開平3−14873号公報)、特許文献2(特開平3−295863号公報)、特許文献3(特開平6−164174号公報)、特許文献4(特開平11−49958号公報))。
しかしながら、窒化アルミニウムは、水分との加水分解反応によって水酸化アルミニウムアンモニアガスを発生することが知られている。水酸化アルミニウムは熱伝導率が窒化アルミニウム粉よりも大幅に小さく、またアンモニアガスは気泡として放熱部材に残存してしまうため、放熱部材の放熱特性が低下してしまう原因となる。

そのため、耐加水分解性の高い平均粒径100μm前後の大粒径窒化アルミニウムを使う方法が提案されているが、特に薄型化した際には粗い粒子により表面に凹凸が生じるため、実装時の密着性が低下して熱抵抗が増大する点で難があった。

そこで、基盤との密着性の観点から、平均粒径50μm以下の粉砕物を用いて解決する方法(特許文献5:特開平6−209057号公報)や、窒化アルミニウム焼結体から得られた平均粒径30〜50μm以下の粉砕物と、平均粒子径0.1〜5μmの未焼結窒化アルミニウムを併用する方法(特許文献6:特開平6−24715号公報)が開示されているが、前者では粒子径が小さくなることで、後者では微粉の配合量が多くなることによって、熱伝導率を十分に向上させることは難しかった。

そして、特許文献7(特許第4357064号公報)では、窒化アルミニウムの粒度構成を最適化することで、熱伝導率と耐加水分解性に優れた放熱部材が開示されており、平均粒径1〜3μmの窒化アルミニウムを併用することで高熱伝導と密着性を高めている点が特徴である。しかし、平均粒径1〜3μmの窒化アルミニウムは、材料が高粘度化してしまい、成型性が低下する懸念があり、また微粉として窒化アルミニウムを選択することはコストの増大にも繋がる。

一方、特許文献8(特開2004−91743号公報)では、平均粒径0.2〜1.0μmの球状アルミナと平均粒径1〜3μm、最大粒径2〜10μmの窒化アルミニウムを含むことで粘度上昇を抑制し、薄膜化を可能とした熱伝導性グリースが開示されている。しかし、窒化アルミニウムの粒子径が小さいため、高熱伝導化は難しいという課題があった。

窒化アルミニウムを使用したシリコーン系放熱部材においては、高熱伝導かつ耐水性に優れる放熱部材を提供することが課題となる。大粒径窒化アルミニウムの配合によっては、耐水性と熱伝導率が向上するが、表面の凹凸も生じやすくなり熱抵抗が大きくなる問題があった。そこで、窒化アルミニウム等の微粉を配合して密着性を高める方法が考えられるが、微粉の増大は高熱伝導化の妨げになるため、熱伝導率の低下を抑制し、かつ密着性を高められるように配合する必要があり、更に低コスト化の観点ではより安価な微粉を使用する必要もあった。

概要

熱伝導性及び耐水性に優れ、かつ実装時の密着性も良好な放熱部材として用いられる熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物を提供する。オルガノポリシロキサンベースポリマーとし、熱伝導性充填材を含有してなる熱伝導性シリコーン組成物において、熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウムと平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナとを含み、破砕状アルミナを窒化アルミニウムと破砕状アルミナとの合計量中15〜55質量%含有すると共に、窒化アルミニウムと破砕状アルミナとを合計で熱伝導性シリコーン組成物中60〜95質量%含有することを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。

目的

窒化アルミニウムを使用したシリコーン系放熱部材においては、高熱伝導かつ耐水性に優れる放熱部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

オルガノポリシロキサンベースポリマーとし、熱伝導性充填材を含有してなる熱伝導性シリコーン組成物において、熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウムと平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナとを含み、破砕状アルミナを窒化アルミニウムと破砕状アルミナとの合計量中15〜55質量%含有すると共に、窒化アルミニウムと破砕状アルミナとを合計で熱伝導性シリコーン組成物中60〜95質量%含有することを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。

請求項2

(A−1)25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウム及び平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ:1,000〜4,000質量部、(C−1)ケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(A−1)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1〜8倍量となる量、(D)白金族金属系硬化触媒:(A−1)成分に対して白金族金属元素質量換算で0.1〜2,000ppm、を含み、前記(B)成分中の破砕状アルミナが(B)成分の総質量に対して、15質量%以上55質量%以下の割合で含まれる請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。

請求項3

(A−2)下記一般式(1)(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数6〜8のアリール基である。aはこの式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の動粘度を下記値とする数である。)で示され、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sである両末端水酸基封鎖されたオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウム及び平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ:1,000〜4,000質量部、(C−2)下記一般式(2)R2b−SiX(4-b)(2)(式中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素原子数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、bは0又は1である。)で示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上:1〜40質量部、(F)縮合反応硬化触媒として、アルキルエステル化合物チタン酸エステルチタンキレート化合物有機亜鉛化合物有機鉄化合物有機コバルト化合物有機マンガン化合物有機アルミニウム化合物ヘキシルアミンリン酸ドデシルアミン、第4級アンモニウム塩アルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン、ならびにグアニジル基を含有するシラン及びシロキサンから選ばれる縮合触媒:0.01〜20質量部を含み、前記(B)成分中の破砕状アルミナが(B)成分の総質量に対して、15質量%以上55質量%以下の割合で含まれる請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。

請求項4

(A−3)25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウム及び平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ:1,000〜4,000質量部、(G)有機過酸化物:0.01〜10質量部を含み、前記(B)成分中の破砕状アルミナが(B)成分の総質量に対して、15質量%以上55質量%以下の割合で含まれる請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。

請求項5

熱伝導性充填材中の窒化アルミニウムが、破砕状及び/又は球状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。

請求項6

熱伝導性充填材中の平均粒径10〜100μmの破砕状窒化アルミニウムが、熱伝導性充填材の総質量に対して、10質量%以上50質量%以下の割合で含むことを特徴とする請求項5記載の熱伝導性シリコーン組成物。

請求項7

さらに、(H)成分として、(H−1)下記一般式(3)R3cR4dSi(OR5)4-c-d(3)(式中、R3は独立に炭素原子数6〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数、dは0、1又は2であり、但しc+dは1〜3の整数である。)で表されるアルコキシシラン化合物、及び(H−2)下記一般式(4)(式中、R6は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、eは5〜100の整数である。)で表される分子鎖片末端トリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分100質量部に対して10〜200質量部含有する請求項2〜6のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。

請求項8

さらに、(I)成分として、下記一般式(5):R73SiO−(R72SiO)f−SiR73(5)(式中、R7は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、fは5〜2,000の整数である。)で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分100質量部に対して1〜40質量部含有することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。

請求項9

熱伝導率が5W/mK以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物

技術分野

0001

本発明は、広くは、熱伝導による電子部品の冷却のために、発熱性電子部品熱境界面とヒートシンク又は回路基板などの発熱散部材との界面に介在し得る熱伝達材料に関し、例えば、電子機器内の発熱部品放熱部品の間に設置され、放熱に用いられる熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物に関する。

背景技術

0002

パーソナルコンピューター携帯電話等の電子機器に使用されるCPU、ドライバICやメモリー等のLSIチップは、高性能化・高速化・小型化・高集積化に伴い、それ自身が大量の熱を発生するようになり、その熱によるチップ温度上昇はチップの動作不良、破壊を引き起こす。そのため、動作中のチップの温度上昇を抑制するための多くの熱放散方法及びそれに使用する熱放散部材が提案されている。

0003

従来、電子機器等においては、動作中のチップの温度上昇を抑えるために、アルミニウムや銅等、熱伝導率の高い金属板を用いたヒートシンクが使用されている。このヒートシンクは、そのチップが発生する熱を伝導し、その熱を外気との温度差によって表面から放出する。

0004

チップから発生する熱をヒートシンクに効率良く伝えるために、ヒートシンクをチップに密着させる必要があるが、各チップの高さの違いや組み付け加工による公差があるため、柔軟性を有するシートや、グリースをチップとヒートシンクとの間に介装させ、このシート又はグリースを介してチップからヒートシンクへの熱伝導を実現している。

0005

グリース状放熱材料は、薄膜化による低熱抵抗が実現されるが、管理が難しいという点がある。また、塗布工程には、手作業スクリーンプリント又はシリンジからの押し出しを行う場合と、ディスペンス装置を用いて自動で行う場合とがあるが、多くの時間を要し、取扱いも容易でない点から、製品の組み立て工程の律速となるケースがある。

0006

熱伝導性シリコーンゴム等で形成された熱伝導シートは、グリースに比べ、取扱い性に優れており、様々な分野に用いられている。

0007

特に低硬度熱伝導性シートは、その形状柔軟性からCPUなどの素子間の凹凸にうまく追従することが可能であり、携帯用ノート型のパーソナルコンピューター等の機器の小型化を阻害せず、効率的な放熱を可能とする利点をもつ。

0008

また近年、発熱素子の高集積化に伴い、その発熱量が増大する傾向にあることから、低応力かつ高熱伝導放熱シートが求められている。一般に高熱伝導化のためには、熱伝導性充填材シリコーン樹脂に多く充填する必要があるが、反対に圧縮性信頼性が低下してしまう。そのため、より低充填量で高熱伝導率化するために、絶縁用途としては窒化ホウ素窒化アルミニウム等の高熱伝導性フィラーを用いる例が報告されている。しかし、窒化ホウ素によってはその形状が鱗片状であるため、シリコーン樹脂に充填した際には粒子が寝た状態で充填されてしまい、a軸方向の高熱伝導性をうまく発現することは難しい。そのため、窒化ホウ素粒子を立てた状態で充填させる特別な処理が必要となる。

0009

そこで、高熱伝導性フィラーとして窒化アルミニウムを選択した放熱材料が種々報告されている(特許文献1(特開平3−14873号公報)、特許文献2(特開平3−295863号公報)、特許文献3(特開平6−164174号公報)、特許文献4(特開平11−49958号公報))。
しかしながら、窒化アルミニウムは、水分との加水分解反応によって水酸化アルミニウムアンモニアガスを発生することが知られている。水酸化アルミニウムは熱伝導率が窒化アルミニウム粉よりも大幅に小さく、またアンモニアガスは気泡として放熱部材に残存してしまうため、放熱部材の放熱特性が低下してしまう原因となる。

0010

そのため、耐加水分解性の高い平均粒径100μm前後の大粒径窒化アルミニウムを使う方法が提案されているが、特に薄型化した際には粗い粒子により表面に凹凸が生じるため、実装時の密着性が低下して熱抵抗が増大する点で難があった。

0011

そこで、基盤との密着性の観点から、平均粒径50μm以下の粉砕物を用いて解決する方法(特許文献5:特開平6−209057号公報)や、窒化アルミニウム焼結体から得られた平均粒径30〜50μm以下の粉砕物と、平均粒子径0.1〜5μmの未焼結窒化アルミニウムを併用する方法(特許文献6:特開平6−24715号公報)が開示されているが、前者では粒子径が小さくなることで、後者では微粉の配合量が多くなることによって、熱伝導率を十分に向上させることは難しかった。

0012

そして、特許文献7(特許第4357064号公報)では、窒化アルミニウムの粒度構成を最適化することで、熱伝導率と耐加水分解性に優れた放熱部材が開示されており、平均粒径1〜3μmの窒化アルミニウムを併用することで高熱伝導と密着性を高めている点が特徴である。しかし、平均粒径1〜3μmの窒化アルミニウムは、材料が高粘度化してしまい、成型性が低下する懸念があり、また微粉として窒化アルミニウムを選択することはコストの増大にも繋がる。

0013

一方、特許文献8(特開2004−91743号公報)では、平均粒径0.2〜1.0μmの球状アルミナと平均粒径1〜3μm、最大粒径2〜10μmの窒化アルミニウムを含むことで粘度上昇を抑制し、薄膜化を可能とした熱伝導性グリースが開示されている。しかし、窒化アルミニウムの粒子径が小さいため、高熱伝導化は難しいという課題があった。

0014

窒化アルミニウムを使用したシリコーン系放熱部材においては、高熱伝導かつ耐水性に優れる放熱部材を提供することが課題となる。大粒径窒化アルミニウムの配合によっては、耐水性と熱伝導率が向上するが、表面の凹凸も生じやすくなり熱抵抗が大きくなる問題があった。そこで、窒化アルミニウム等の微粉を配合して密着性を高める方法が考えられるが、微粉の増大は高熱伝導化の妨げになるため、熱伝導率の低下を抑制し、かつ密着性を高められるように配合する必要があり、更に低コスト化の観点ではより安価な微粉を使用する必要もあった。

先行技術

0015

特開平3−14873号公報
特開平3−295863号公報
特開平6−164174号公報
特開平11−49958号公報
特開平6−209057号公報
特開平6−24715号公報
特許第4357064号公報
特開2004−91743号公報

発明が解決しようとする課題

0016

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱伝導性及び耐水性に優れ、かつ実装時の密着性も良好な放熱部材として用いられる熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、オルガノポリシロキサンベースポリマーとし、熱伝導性充填材を含有してなる熱伝導性シリコーン組成物において、熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウムと平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナとを特定割合配合比率特定量用いることで、耐水性及び熱伝導性に優れ、かつ実装時の密着性も良好な熱伝導性シリコーン組成物をより低コストで提供できることを見出し、本発明をなすに至った。

0018

従って、本発明は、下記の熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物を提供する。
〔1〕
オルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、熱伝導性充填材を含有してなる熱伝導性シリコーン組成物において、熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウムと平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナとを含み、破砕状アルミナを窒化アルミニウムと破砕状アルミナとの合計量中15〜55質量%含有すると共に、窒化アルミニウムと破砕状アルミナとを合計で熱伝導性シリコーン組成物中60〜95質量%含有することを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
〔2〕
(A−1)25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウム及び平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ:1,000〜4,000質量部、
(C−1)ケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(A−1)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1〜8倍量となる量、
(D)白金族金属系硬化触媒:(A−1)成分に対して白金族金属元素質量換算で0.1〜2,000ppm、
を含み、前記(B)成分中の破砕状アルミナが(B)成分の総質量に対して、15質量%以上55質量%以下の割合で含まれる〔1〕に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
〔3〕
(A−2)下記一般式(1)



(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数6〜8のアリール基である。aはこの式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の動粘度を下記値とする数である。)
で示され、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sである両末端水酸基封鎖されたオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウム及び平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ:1,000〜4,000質量部、
(C−2)下記一般式(2)
R2b−SiX(4-b) (2)
(式中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素原子数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、bは0又は1である。)
で示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上:1〜40質量部、
(F)縮合反応硬化触媒として、アルキルエステル化合物チタン酸エステルチタンキレート化合物有機亜鉛化合物有機鉄化合物有機コバルト化合物有機マンガン化合物有機アルミニウム化合物ヘキシルアミンリン酸ドデシルアミン、第4級アンモニウム塩アルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン、ならびにグアニジル基を含有するシラン及びシロキサンから選ばれる縮合触媒:0.01〜20質量部
を含み、前記(B)成分中の破砕状アルミナが(B)成分の総質量に対して、15質量%以上55質量%以下の割合で含まれる〔1〕に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
〔4〕
(A−3)25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウム及び平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ:1,000〜4,000質量部、
(G)有機過酸化物:0.01〜10質量部
を含み、前記(B)成分中の破砕状アルミナが(B)成分の総質量に対して、15質量%以上55質量%以下の割合で含まれる〔1〕に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
〔5〕
熱伝導性充填材中の窒化アルミニウムが、破砕状及び/又は球状である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
〔6〕
熱伝導性充填材中の平均粒径10〜100μmの破砕状窒化アルミニウムが、熱伝導性充填材の総質量に対して、10質量%以上50質量%以下の割合で含むことを特徴とする〔5〕記載の熱伝導性シリコーン組成物。
〔7〕
更に、(H)成分として、
(H−1)下記一般式(3)
R3cR4dSi(OR5)4-c-d (3)
(式中、R3は独立に炭素原子数6〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数、dは0、1又は2であり、但しc+dは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物、及び
(H−2)下記一般式(4)



(式中、R6は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、eは5〜100の整数である。)
で表される分子鎖片末端トリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分100質量部に対して10〜200質量部含有する〔2〕〜〔6〕のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
〔8〕
更に、(I)成分として、下記一般式(5):
R73SiO−(R72SiO)f−SiR73 (5)
(式中、R7は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、fは5〜2,000の整数である。)
で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分100質量部に対して1〜40質量部含有することを特徴とする〔2〕〜〔7〕のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
〔9〕
熱伝導率が5W/mK以上である〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物。

発明の効果

0019

本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、平均粒径10〜100μmの球状及び/又は破砕状窒化アルミニウムと平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナを適切な配合比で用いることで、組成物の成型性に優れ、高熱伝導かつ低熱抵抗であり、耐水性にも優れた硬化物を提供することができる。

図面の簡単な説明

0020

実施例で用いた球状窒化アルミニウム(FAN−f−80、古河電子製、80μm)のSEM画像である。
実施例で用いた破砕状窒化アルミニウム(TFG−N40P、東洋アルミ製、40μm)のSEM画像である。
実施例で用いた破砕状アルミナ(AL−47−1、昭和電工製、1μm)のSEM画像である。

0021

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、オルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、熱伝導性充填材を含有してなる熱伝導性シリコーン組成物において、熱伝導性充填材として、平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウムと平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナとを含み、破砕状アルミナを窒化アルミニウムと破砕状アルミナとの合計量中15〜55質量%含有すると共に、窒化アルミニウムと破砕状アルミナとを合計で熱伝導性シリコーン組成物中60〜95質量%含有することを特徴とするものである。

0022

[熱伝導性充填材]
熱伝導性充填材は、窒化アルミニウム及びアルミナが選択され、その構成としては、平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ及び平均粒径10〜100μmの窒化アルミニウムを含み、全熱伝導性充填材中に占める破砕状アルミナの割合が、15質量%以上55質量%以下のものである。

0023

破砕状アルミナは、平均粒径が0.1〜5μmであり、好ましくは0.5〜5μmであり、より好ましくは1〜3μmである。平均粒径が0.1μm未満では、組成物の最密充填性が低下して粘度が上昇して成型が困難となり、5μmを超える破砕状アルミナを用いた場合には、硬化物の表面に凹凸が生じ密着性が悪くなり、熱抵抗が上昇してしまう。なお、平均粒径0.1〜5μmの破砕状窒化アルミニウムを使用した場合には、同粒径の破砕状アルミナを用いた場合より組成物の粘度が上昇しやすく、またコストも増大してしまうという点で難がある。

0024

また、窒化アルミニウムは、破砕状及び/又は球状のものを使用することができる。該窒化アルミニウムの平均粒径は10〜100μmであり、好ましくは15〜90μmであり、より好ましくは30〜80μmである。平均粒径が10μm未満では、熱伝導率が低下してしまい、100μmを超えると、混練設備摩耗してしまう。

0025

ここでの平均粒径とは、マイクロトラックレーザー回折錯乱法)により粒体体積分布を測定した際、この平均粒径を境に2つに分けた時、大きい側と小さい側が等量になる径を指す。なお、以下の本文中で記載される平均粒径は、すべてこの内容で定義される。

0026

本発明においては、全熱伝導性充填材中に占める破砕状アルミナの割合が、15質量%以上55質量%以下、好ましくは25質量%以上45質量%以下のものである。破砕状アルミナの割合が55質量%を超える場合には、得られる硬化物の熱伝導率が大きく低下してしまう。一方、15質量%未満の時は、HAST(不飽和プレッシャークッカー試験)条件での信頼性が低下する。例えば、成型物を85℃/85%RHでエージングした際に、成型物の硬化が著しく進んでしまい、成型物の熱抵抗が大きく上昇する。

0027

また、本発明においては、上述したように窒化アルミニウム成分として、破砕状窒化アルミニウムを用いることができる。その際には、平均粒径10〜100μmの破砕状窒化アルミニウムが熱伝導性充填材の総質量に対して、10質量%以上50質量%以下の割合で含まれることが好ましく、更に好ましくは20質量%以上40質量%以下である。破砕状窒化アルミニウムは、アスペクト比がある構造から、適切に配合した場合に樹脂中で厚み方向における熱伝導のパスを効率的に形成すると考えられる。破砕状窒化アルミニウムが10質量%を下回る場合には、組成物の熱伝導率の低下が生じてしまうおそれがある。一方、50質量%を超える場合には、シリコーン組成物の粘度が増大してしまい、成型性が低下してしまうおそれがある。

0028

熱伝導性充填材(窒化アルミニウムと破砕状アルミナとの合計)の配合量は、熱伝導性シリコーン組成物中60〜95質量%、好ましくは65〜95質量%であり、より好ましくは70〜95質量%含有するものである。熱伝導性充填材の配合量が少なすぎると組成物の熱伝導率が低下し、多すぎると組成物の粘度が上昇してしまい成型が困難である。

0029

[ベースポリマーのオルガノポリシロキサン]
本発明に用いられるベースポリマーのオルガノポリシロキサンは、このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度が、10〜100,000mm2/sであることが好ましく、より好ましくは500〜50,000mm2/sである。前記動粘度が低すぎると、得られる組成物の保存安定性が悪くなる場合があり、また高すぎると得られる組成物の伸展性が悪くなる場合がある。なお、本発明において、動粘度は、オストワルド粘度計により測定することができる(以下、同じ)。

0030

このベースポリマーのオルガノポリシロキサンの種類は特に限定されないが、通常は、主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなるものが一般的であり、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよく、また環状体であってもよいが、硬化物の機械的強度等、物性の点から直鎖状ジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、オルガノポリシロキサンの末端は、トリオルガノシリル基で封鎖されていても、ジオルガノヒドロキシシリル基で封鎖されていてもよい。

0031

また、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合する有機基としては、酸素原子を介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基が例示でき、具体的には、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ノニル基、デシル基ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基プロペニル基イソプロペニル基ブテニル基ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基キシリル基ナフチル基ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基フェニルエチル基フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、ならびにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素塩素臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基クロロフェニル基、フルオロフェニル基シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基等のアルコキシ基などが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、ビニル基、アリル基等の低級アルケニル基、及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、ケイ素原子に結合した有機基は全てが同一であることを限定するものではない。

0032

このオルガノポリシロキサンは、1種単独でも、動粘度が異なる2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0033

上記のように、本発明に用いられるベースポリマーであるオルガノポリシロキサンの種類は特に限定されないが、硬化性熱伝導性シリコーン組成物とする際には、以下の3形態が挙げられ、ベースポリマーであるオルガノポリシロキサン(A)として、それぞれ後述する(A−1)〜(A−3)成分のオルガノポリシロキサンを用い、上述した熱伝導性充填材(B)を配合したものとすることができる。
[1]付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物
[2]縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物
[3]有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物

0034

以下に、それぞれの組成物について具体的に示す。

0035

[1]付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物
先ず、組成物がヒドロシリル化反応により硬化する付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物である場合には、上記ベースポリマーであるオルガノポリシロキサン(A)として下記に示す(A−1)成分を用い、上記熱伝導性充填材(B)を配合し、更に下記に示す成分を含有するものであることが好ましい。
(A−1)25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)上記熱伝導性充填材、
(C−1)架橋剤として、ケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)白金族金属系硬化触媒、
好ましくは更に
(E)付加反応制御剤

0036

[(A−1)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
(A−1)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に2個以上、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個有するオルガノポリシロキサンであり、通常は、主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなるものが一般的であり、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよく、また環状体であってもよいが、硬化物の機械的強度等、物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。

0037

ケイ素原子に結合したアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の通常、炭素原子数2〜8程度のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましく、特にはビニル基が好ましい。
このケイ素原子に結合したアルケニル基は、(A−1)成分のオルガノポリシロキサンの分子中において、分子鎖末端及び分子鎖非末端(即ち、分子鎖側鎖)のいずれかに存在しても、あるいはこれらの両方に存在してもよいが、少なくとも分子鎖両末端に存在することが好ましい。

0038

また、アルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、酸素原子を介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、ならびにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基などが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、フェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基、及びメトキシ基等のアルコキシ基である。また、ケイ素原子に結合したアルケニル基以外の官能基は全てが同一であることを限定するものではない。

0039

このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は、10〜100,000mm2/sであり、好ましくは50〜50,000mm2/sであり、より好ましくは100〜20,000mm2/sである。動粘度が低すぎると、熱伝導性充填材の充填が困難であり、高すぎると、組成物の粘度が上昇してしまい成型が困難である。

0040

[(B)熱伝導性充填材]
付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物に用いる(B)成分は、上述した熱伝導性充填材(B)である。(B)成分の配合量は、(A−1)成分100質量部に対して1,000〜4,000質量部であり、好ましくは1,500〜3,500質量部であり、より好ましくは2,000〜3,000質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎると組成物の熱伝導率が低下してしまい、多すぎると組成物の成型性が著しく低下する。

0041

[(C−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物に用いる(C−1)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中に平均で2個以上、好ましくは2〜100個のケイ素原子に直接結合する水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、(A−1)成分の架橋剤として作用する成分である。即ち、(C−1)成分中のSi−H基と(A−1)成分中のアルケニル基との後述する(D)成分の白金族金属系硬化触媒により促進されるヒドロシリル化反応により付加して、架橋構造を有する3次元網目構造を与える。また、Si−H基の数が2個未満の場合、硬化しないおそれがある。

0042

(C−1)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記一般式(6)で表されるものが好ましい。



(式中、R8は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基あるいは水素原子であり、但し、少なくとも2個は水素原子である。gは1以上の整数、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは2〜50の整数である。)

0043

上記式(6)中、R8の水素原子以外の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、ならびにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基、及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基である。また、R8は水素原子以外の全てが同一であることを限定するものではない。

0044

R8は、少なくとも2個、好ましくは2〜100個、より好ましくは2〜50個は水素原子であり、該水素原子は分子鎖末端及び分子鎖非末端(即ち、分子鎖側鎖)のいずれかに存在しても、あるいはこれらの両方に存在してもよい。

0045

これら(C−1)成分の添加量は、(C−1)成分由来のSi−H基が(A−1)成分由来のアルケニル基1モルに対して0.1〜8モルとなる量、好ましくは0.5〜5モルとなる量、更に好ましくは1〜4モルとなる量である。(C−1)成分由来のSi−H基量が(A−1)成分由来のアルケニル基1モルに対して0.1モル未満であると硬化しない、又は硬化物の強度が不十分で成型物としての形状を保持できず取扱いづらくなる。また8モルを超えると硬化物の柔軟性がなくなり、熱抵抗が著しく上昇してしまう。

0046

[(D)白金族金属系硬化触媒]
(D)成分の白金族金属系硬化触媒は、(A−1)成分由来のアルケニル基と、(C−1)成分由来のSi−H基の付加反応を促進するための付加反応触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金白金黒を含む)、ロジウムパラジウム等の白金族金属単体、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KaHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカカーボン等の担体担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリストリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。

0047

(D)成分の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、(A−1)成分に対する白金族金属元素質量換算で0.1〜2,000ppm程度がよい。

0048

[(E)付加反応制御剤]
付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物には、必要に応じて(E)付加反応制御剤を用いることができる。付加反応制御剤は、通常の付加反応硬化型シリコーン組成物に用いられる公知の付加反応制御剤を全て用いることができる。例えば、1−エチニル1−ヘキサノール、3−ブチン−1−オールなどのアセチレン化合物や各種窒素化合物有機リン化合物オキシム化合物有機クロロ化合物等が挙げられる。付加反応制御剤の使用量としては、(A−1)成分100質量部に対して0.01〜1質量部程度が望ましい。

0049

[2]縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物
また、本組成物が縮合反応により硬化する縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物である場合には、上記ベースポリマーであるオルガノポリシロキサン(A)として下記に示す(A−2)成分を用い、上記熱伝導性充填材(B)を配合し、更に下記に示す成分を含有するものであることが好ましい。
(A−2)下記一般式(1)



(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数6〜8のアリール基である。aはこの式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の動粘度を下記値とする数である。)
で示され、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sである両末端が水酸基で封鎖されたオルガノポリシロキサン、
(B)上記熱伝導性充填材、
(C−2)下記一般式(2)
R2b−SiX(4-b) (2)
(式中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素原子数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、bは0又は1である。)
で示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上、
(F)縮合反応用硬化触媒として、アルキル錫エステル化合物、チタン酸エステル、チタンキレート化合物、有機亜鉛化合物、有機鉄化合物、有機コバルト化合物、有機マンガン化合物、有機アルミニウム化合物、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン、第4級アンモニウム塩、アルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン、ならびにグアニジル基を含有するシラン及びシロキサンから選ばれる縮合触媒。

0050

[(A−2)両末端水酸基封鎖オルガノポリシロキサン]
(A−2)成分は、本発明のシリコーン組成物を縮合硬化物とする際の、ベースポリマーとして使用され、下記一般式(1)で示され、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sである両末端が水酸基で封鎖されたオルガノポリシロキサンである。



(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数6〜8のアリール基である。aはこの式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の動粘度を上述した値とする数である。)

0051

上記式(1)中、R1として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等の炭素原子数1〜5のアルキル基、フェニル基、トリル基等の炭素原子数6〜8のアリール基、これらアルキル基又はアリール基の水素原子の一部又は全部が塩素原子フッ素原子臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基で置換されたクロロメチル基、3−クロロプロピル基、トリフルオロメチル基、シアノエチル基等のハロゲン原子置換アルキル基又はアリール基、シアノ基置換アルキル基又はアリール基が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。

0052

aはこの式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の動粘度を下記値とする数である。
このオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は、10〜100,000mm2/sであり、好ましくは50〜50,000mm2/sであり、より好ましくは100〜25,000mm2/sである。動粘度が低すぎると、熱伝導性充填材が充填できず、高すぎると、組成物の粘度が上昇して成型性が低下してしまう。

0053

[(B)熱伝導性充填材]
付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物に用いる(B)成分は、上述した熱伝導性充填材(B)である。(B)成分の配合量は、(A−2)成分100質量部に対して1,000〜4,000質量部であり、好ましくは1,500〜3,000質量部であり、より好ましくは2,000〜3,000質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎると組成物の熱伝導率が低下してしまい、多すぎると組成物の粘度が上昇して成型が困難である。

0054

[(C−2)有機ケイ素化合物
(C−2)成分は、下記一般式(2)
R2b−SiX(4-b) (2)
(式中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素原子数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、bは0又は1である。)
で示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(C−2)成分は、本組成物を縮合反応にて硬化する際に架橋剤として作用する。

0055

上記式(2)中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素原子数1〜3のメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基又はフェニル基である。

0056

Xは加水分解性基であり、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基アルケニルオキシ基ケトオキシム基、アシロキシ基アミノ基、アミド基アミノキシ基等が例示される。アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基としては、ハロゲン原子置換のものであってもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、β−クロロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、δ−クロロブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。アルケニルオキシ基としては、例えば、イソプロペノキシ基等が挙げられる。ケトオキシム基としては、例えば、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等が挙げられる。アシロキシ基としては、例えば、アセトキシ基プロピオニルオキシ基等が挙げられる。アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基ジエチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等が挙げられる。アミド基としては、例えば、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−ブチルアセトアミド基、N−シクロヘキシルアセトアミド基等が挙げられる。アミノキシ基としては、例えば、N,N−ジメチルアミノキシ基、N,N−ジエチルアミノキシ基等が挙げられる。Xとしては、特にアルケニルオキシ基が好ましい。bは0又は1である。

0057

これらシラン化合物、その(部分)加水分解物あるいは(部分)加水分解縮合物の具体例としては、テトラメトキシシランテトラエトキシシランメチルトリメトキシシランエチルトリメトキシシランビニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシランテトライソプロポキシシランテトラブトキシシランフェニルトリメトキシシラン、テトラ(β−クロロエトキシ)シラン、テトラ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、プロピルトリス(δ−クロロブトキシ)シラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシラン類エチルポリシリケート、ジメチルテトラメトキシジシロキサン等のアルコキシシロキサン類、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(ジエチルケトオキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラン類、メチルトリス(シクロヘキシルアミノ)シラン、ビニルトリス(n−ブチルアミノ)シラン等のアミノシラン類、メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−ブチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−シクロヘキシルアセトアミド)シラン等のアミドシラン類、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン等のアミノキシシラン類メチルトリ(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリ(イソプロペノキシ)シラン、フェニルトリ(イソプロペノキシ)シラン等のアルケニルオキシシラン類、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアシロキシシラン類等、これらシラン類の(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物が挙げられる。

0058

(C−2)成分の配合量は、(A−2)成分100質量部に対して1〜40質量部であり、2〜30質量部が好ましい。配合量が1質量部よりも少ないと硬化せず、40質量部より多くても硬化し難い。

0059

[(F)縮合反応用硬化触媒]
(F)成分は、アルキル錫エステル化合物、チタン酸エステル、チタンキレート化合物、有機亜鉛化合物、有機鉄化合物、有機コバルト化合物、有機マンガン化合物、有機アルミニウム化合物、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン、第4級アンモニウム塩、アルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン、ならびにグアニジル基を含有するシラン及びシロキサンから選ばれる縮合反応用硬化触媒であり、本発明のシリコーン組成物を硬化させるための縮合触媒である。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。

0060

具体的には、ジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジラウレートジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物;テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタンテトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビスアセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル;ジイソプロポキシビスエチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(メチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジブトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン、ジメトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン等のチタンキレート化合物;ナフテン酸亜鉛ステアリン酸亜鉛亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエートコバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルトアルコキシアルミニウム化合物等の有機金属(亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、アルミニウム)化合物;3−アミノプロピルトリエトキシシラン;ヘキシルアミン;リン酸ドデシルアミン;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩;酢酸カリウム酢酸ナトリウム蓚酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミンジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が例示される。中でも、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が好適に用いられる。

0061

(F)成分の配合量は、(A−2)成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜5質量部が好ましい。配合量が0.01質量部未満であると硬化し難くなり、20質量部を超える量であると不経済であり、また組成物の保存安定性を低下させる。

0062

[3]有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物
また、本組成物が有機過酸化物によるフリーラジカル反応により硬化する有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物である場合には、上記ベースポリマーであるオルガノポリシロキサン(A)として下記に示す(A−3)を用い、上記熱伝導性充填材(B)を配合し、更に下記に示す成分を含有するものであることが好ましい。
(A−3)25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)上記熱伝導性充填材、
(G)有機過酸化物。

0063

[(A−3)オルガノポリシロキサン]
(A−3)成分のオルガノポリシロキサンは、25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sであり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に限定されないが、前記(A−1)成分の一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと同様のものを用いることが好ましい。

0064

[(B)熱伝導性充填材]
付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物に用いる(B)成分は、上述した熱伝導性充填材(B)である。(B)成分の配合量は、(A−3)成分100質量部に対して1,000〜4,000質量部であり、好ましくは1,500〜3,000質量部であり、より好ましくは2,000〜3,000質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎると組成物の熱伝導率が低下してしまい、多すぎると組成物の粘度が上昇してしまい、成型性が低下する。

0065

[(G)有機過酸化物]
(G)成分である有機過酸化物は、特定の条件下で分解して遊離ラジカルを生じる有機過酸化物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
具体的には、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール、p−メンタンハイドロパーオキサイドジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイドジベンゾイルパーオキサイド、ジスクシン酸パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステルジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネートが好適に用いられる。特には、分解温度が比較的高いパーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステルの使用が、取扱い性や保存安定性の観点から好ましい。また、これらの有機過酸化物は、任意の有機溶剤炭化水素流動パラフィン不活性固体等で希釈されたものを用いてもよい。

0066

(G)成分の配合量は、(A−3)成分100質量部に対して0.01〜10質量部であり、0.1〜5質量部であることが好ましい。配合量が、0.01質量部未満であると成型物の硬化が満足に進行せず、また10質量部を超える量であると、成型物が脆弱になって取扱い性が低下するとともに、多量に発生した分解残渣によって信頼性が低下する。

0067

本発明の熱伝導性シリコーン組成物には、更に、下記に示す(H)、(I)成分を配合することができる。

0068

[(H)表面処理剤
(H)成分である表面処理剤は、組成物調製の際に、(B)成分である熱伝導性充填材を(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分であるベースポリマーからなるマトリックス中に均一に分散させることを目的として、配合することができる。
(H)成分としては、下記の(H−1)成分及び/又は(H−2)成分が用いられる。

0069

(H−1)下記一般式(3)で表されるアルコキシシラン化合物
R3cR4dSi(OR5)4-c-d (3)
(式中、R3は独立に炭素原子数6〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数、dは0、1又は2であり、但しc+dは1〜3の整数である。)

0070

上記式(3)中、R3の炭素原子数6〜15、好ましくは8〜12のアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。
また、R4の非置換又は置換の炭素原子数1〜8、好ましくは1〜6の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(ノナフルオロブチル)エチル基、2−(へプタデカフルオロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基等が挙げられ、これらの中でもメチル基及びエチル基が好ましい。
更に、R5の炭素原子数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、これらの中でもメチル基及びエチル基が好ましい。

0071

上記(H−1)成分の好適な具体例としては、下記のものを挙げることができる。
C6H13Si(OCH3)3
C10H21Si(OCH3)3
C12H25Si(OCH3)3
C12H25Si(OC2H5)3
C10H21Si(CH3)(OCH3)2
C10H21Si(C6H5)(OCH3)2
C10H21Si(CH3)(OC2H5)2
C10H21Si(CH=CH2)(OCH3)2
C10H21Si(CH2CH2CF3)(OCH3)2

0072

上記(H−1)成分は、1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0073

(H−2)下記一般式(4)で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン



(式中、R6は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、上記式(3)中のR5で表されるアルキル基と同様のものを例示することができる。また、eは5〜100の整数、好ましくは10〜50の整数である。)

0074

(H−2)成分は、(CH3)2SiO−(D単位)とトリメトキシ基を一つの構造に含むことにより、(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分と(C−2)成分に対して熱伝導性充填材の充填性を向上させる効果がある。
上記(H−2)成分の好適な具体例としては、下記のものを挙げることができる。

0075

なお、(H−2)成分は、(CH3)2SiO−(D単位)を有するものであり、上記(C−2)成分中の(部分)加水分解縮合物は、D単位を含有しないものである点でそれぞれ相違するものである。
(H−2)成分は、1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0076

(H−1)成分と(H−2)成分は、いずれか一方を用いても両者を組み合わせて用いても差し支えない。
(H)成分を組成物調製時に配合する場合、ベースポリマー、即ち(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分100質量部に対して10〜200質量部、特に50〜150質量部であることが好ましい。本成分の割合が多くなるとオイル分離を誘発する可能性がある。割合が少ない場合、ポリオルガノシロキサンと熱伝導性充填材の濡れ性が低下し、組成物を形成できないおそれがある。

0077

[(I)オルガノポリシロキサン]
(I)成分であるオルガノポリシロキサンは、熱伝導性シリコーン組成物の粘度調整剤可塑剤等の特性付与を目的として添加することができる。(I)成分を添加配合することにより組成物に柔軟性をもたせることができる。(I)成分は、下記一般式(5)で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンである。
R73SiO−(R72SiO)f−SiR73 (5)
(式中、R7は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、fは5〜2,000の整数である。)

0078

上記式(5)中、R7は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜8の1価炭化水素基である。R7としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、ならびにこれらの基に炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に代表的なものは炭素原子数が1〜6のものであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の炭素原子数1〜3の非置換又は置換のアルキル基及びフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基等の非置換又は置換のフェニル基が挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。

0079

上記fは要求される動粘度の観点から、好ましくは5〜2,000の整数で、特に好ましくは10〜1,000の整数である。

0080

また、25℃における動粘度は、好ましくは10〜100,000mm2/sであり、特に好ましくは100〜10,000mm2/sである。該動粘度が10mm2/sより低いと、得られる組成物の硬化物がオイルブリードを発生しやすくなる。該動粘度が100,000mm2/sよりも大きいと、得られる熱伝導性組成物の柔軟性が乏しくなりやすい。

0081

(I)成分は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(I)成分を本発明の組成物に添加するときは、その添加量は限定されず、所望の効果が得られる量であればよいが、ベースポリマー、即ち(A−1)、(A−2)又は(A−3)成分100質量部に対して好ましくは1〜40質量部、より好ましくは10〜20質量部である。該添加量がこの範囲にあると、硬化前の熱伝導性組成物が良好な流動性、作業性を維持しやすく、また熱伝導性充填材を該組成物に充填するのが容易である。

0082

本発明の熱伝導性シリコーン組成物には、更に、内添離型剤着色材酸化防止剤等のその他の成分を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、上記各成分の所定量を均一に混合することにより調製できる。

0083

また、上述した硬化性シリコーン組成物とした場合、その硬化条件としては、付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物の場合、100〜140℃、特に110〜130℃で5〜30分間、特に10〜20分間とすることができる。また、縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物の場合、40℃以下、特に0〜40℃にて0.5〜30日間、特に1〜15日間とすることができる。更に、有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物の場合、110〜190℃、特に120〜170℃で5〜30分間、特に10〜20分間とすることができる。

0084

このようにして得られた本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物は、本発明の特定の熱伝導性充填材を用いることから、熱伝導率を5W/mK以上、特に5〜15W/mKとすることができる。

0085

本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、成型性に優れ、高熱伝導かつ低熱抵抗であり、耐水性にも優れ、かつ実装時の密着性も良好な硬化物が得られ、更に低コストで提供できる。

0086

以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。

0087

下記実施例及び比較例の組成物に用いられる(A)〜(I)成分を下記に示す。
(A)成分:ベースポリマー
(A−1)成分:25℃における動粘度が600mm2/sのオルガノポリシロキサン



(Viはビニル基であり、hは動粘度が600mm2/sとなる数である。)

0088

(A−2)成分:25℃における動粘度が700mm2/sであり、両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン

0089

(B)成分:熱伝導性充填材
(B−1)成分:平均粒径1μmの破砕状アルミナ(AL−47−1、昭和電工製)
(B−2)成分:平均粒径20μmの破砕状アルミナ(AA−18、住友化学製)
(B−3)成分:平均粒径1μmの破砕状窒化アルミニウム(H−01、トクヤマ製)
(B−4)成分:平均粒径30μmの球状窒化アルミニウム(FAN−f−30、古河電子製)
(B−5)成分:平均粒径40μmの破砕状窒化アルミニウム(TFG−N40P、東洋アルミ製)
(B−6)成分:平均粒径50μmの球状窒化アルミニウム(FAN−f−50、古河電子製)
(B−7)成分:平均粒径80μmの球状窒化アルミニウム(FAN−f−80、古河電子製)

0090

(C)成分:架橋剤
(C−1)成分:下記式で示される平均重合度が下記の通りであるメチルハイドロジェンポリシロキサン



(平均重合度:o=28、p=2)

0091

(C−2)成分:下記式で示されるフェニルトリ(イソプロペノキシ)シラン

0092

(D)成分:白金族金属系硬化触媒
5質量%塩化白金酸2−エチルヘキサノール溶液

0093

(E)成分:付加反応制御剤
エチニルメチリデンカルビノール

0094

(F)成分:縮合反応用硬化触媒
下記式で示されるテトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン

0095

(G)成分:有機過酸化物
下記式で示される1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン

0096

(H)成分:表面処理剤
(H−2)成分:下記式で示される平均重合度が30である片末端がトリメトキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン

0097

(I)成分:可塑剤
下記式で示される25℃における動粘度が800mm2/sのジメチルポリシロキサン

0098

[実施例1〜7、比較例1〜7]
上記成分を用い、下記に示す方法で組成物を調製し、該組成物を用いて熱伝導性成型物を得た。これらを用いて下記に示す方法により評価した。結果を表1、2に示す。

0099

[付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物の調製]
(A−1)、(B)、(H)成分を下記実施例1〜3及び比較例1〜3に示す所定の量を加え、プラネタリーミキサーで60分間混練した。
そこに(D)成分、(E)成分、(I)成分を下記実施例1〜3及び比較例1〜3の所定の量加え、更にセパレータとの離型を促す内添離型剤(信越化学工業(株)製KF−54)を10質量部加え、更に30分間混練した。
そこに更に(C−1)成分を下記実施例1〜3及び比較例1〜3に示す所定の量を加え、30分間混練し、組成物を得た。

0100

[付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物の成形
得られた組成物を60mm×60mm×6mmの金型及び60mm×60mm×1mmの金型に流し込プレス成形機を用いて120℃、10分間で成形して熱伝導性成型物を得た。

0101

[縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物の調製]
(A−2)、(B)、(H)成分を下記実施例4〜6及び比較例4〜6に示す所定の量を加え、プラネタリーミキサーで60分間混練した。
そこに(C−2)、(F)、(I)成分を下記実施例4〜6及び比較例4〜6の所定の量加え、更にセパレータとの離型を促す内添離型剤(信越化学工業(株)製KF−54)を10質量部加え、更に30分間混練した。

0102

[縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物の成形]
得られた組成物を60mm×60mm×6mmの金型及び60mm×60mm×1mmの金型に流し込み、23±2℃/50±5%RHに7日間放置することで熱伝導性成型物を得た。

0103

[有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物の調製]
(A−1)、(B)、(H)成分を下記実施例7及び比較例7に示す所定の量を加え、プラネタリーミキサーで60分間混練した。
そこに(I)成分を下記実施例7及び比較例7の所定の量加え、更にセパレータとの離型を促す内添離型剤(信越化学工業(株)製KF−54)を10質量部加え、更に30分間混練した。
そこに更に(G)成分を下記実施例7及び比較例7に示す所定の量を加え、30分間混練し、組成物を得た。

0104

[有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物の成形]
得られた組成物を60mm×60mm×6mmの金型及び60mm×60mm×1mmの金型に流し込みプレス成形機を用いて120℃、10分間で成形して熱伝導性成型物を得た。

0105

評価方法
成型性:
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた組成物に関して、組成物を金型に流し込む際に、流動性が保たれ成型できたものを○、流動性が非常に乏しく成型できなかったものを×とした。

0106

熱伝導率:
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた組成物を6mm厚のシート状に硬化させ、そのシートを2枚用いて、熱伝導率計TPA−501、京都電子工業(株)製の商品名)を用いて、該シートの熱伝導率を測定した。

0107

耐HAST性:
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた組成物を1mm厚のシート状に硬化させ、ASTMD5470に基づき、100℃/50psi/30minの条件で熱抵抗の測定を行った。更に85℃/85%RHで500時間エージングし、同条件で熱抵抗を測定した。上記HAST条件のエージングでシートの硬化が進み、エージング前後で熱抵抗が大きく上昇してしまうものは、耐HAST性に乏しいと判断した。

0108

0109

0110

上記表1から明らかなように、実施例1〜7では、熱伝導性充填材の構成要素として、平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナ及び平均粒径10〜100μmの破砕状及び/又は球状窒化アルミニウムを含み、熱伝導性充填材中の破砕状アルミナを15質量%以上55質量%以下とした。更に窒化アルミニウムの構成要素として、平均粒径が10〜100μmの破砕状窒化アルミニウムを使用する際には、熱伝導性充填材の総質量に対して10質量%以上50質量%以下の割合で含むため、組成物の成型性に優れ、高熱伝導かつ低熱抵抗化を実現した硬化物を得ることができた。また、平均粒径10〜100μmの破砕状アルミナを熱伝導性充填材の総質量に対して15質量%以上55質量%以下に配合することで、成型物はHASTエージング後に著しい硬化が進行せず、熱抵抗の上昇がみられなかった。

実施例

0111

また、上記表2から明らかなように、比較例1、6では、平均粒径1μmの破砕状アルミナが熱伝導性充填材の総質量に対して15質量%未満であるため、成型物をHASTエージングした際に熱抵抗が増大してしまった。比較例2、7では、平均粒径1μmの破砕状アルミナが熱伝導性充填材の総質量に対して55質量%を超えるため、硬化物の熱伝導率が低下してしまい、熱抵抗も上昇した。比較例3では、平均粒径1μmの破砕状アルミナが熱伝導性充填材の総質量に対して15質量%未満であって、更に平均粒径が10〜100μmの破砕状窒化アルミニウムを熱伝導性充填材の総質量に対して50質量%を超えて含むため、組成物の粘度が上昇し成型が困難であった。比較例4では、平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナを用いず、平均粒径20μmの破砕状アルミナを用いたため、熱伝導性充填材の表面積が大きくなり、表面処理剤の効果が低下するため、組成物の粘度が上昇し成型性が困難であった。比較例5では、平均粒径0.1〜5μmの破砕状アルミナを用いず、平均粒径1μmの破砕状窒化アルミニウムを用いたため、破砕状アルミナ使用時よりも表面処理剤の効果が比較例4と同様に低下し、成型が同じく困難であった。

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