図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
一般に、インクジェット式プリンタは、往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドに、インクカートリッジからインクを供給し、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを噴射させて記録用紙に付着させることにより、記録媒体の表面に印刷を行なうように構成されている。
ここで、インクカートリッジの装着位置に関して、インクカートリッジがキャリッジ上に装着される所謂オンキャリッジタイプと、インクカートリッジがキャリッジ以外の別の固定位置に装着される所謂オフキャリッジタイプと、二種類のインクジェットプリンタが知られている。
オンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタにおいては、キャリッジ上の搭載スペースの制約から、インクカートリッジのインク容量が比較的少なくなってしまう。このため、インクジェット式プリンタで大量の印刷を行なう場合、インクカートリッジ内のインクが比較的短時間でなくなってしまうため、頻繁にインクカートリッジを交換する必要がある。
従って、インクカートリッジの交換のために、印刷作業を中断する必要があり、中断時間により印刷作業効率が低下してしまうと共に、インクカートリッジの交換作業に人手が必要になるため、結果的にランニングコストも増大してしまうことになる。
これに対して、キャリッジ上のインクカートリッジに対して、大容量の外付けインクタンクを接続することにより、実質的にオフキャリッジタイプのインクジェット式プリンタに改造することも知られている。
このようなオフキャリッジ化の改造が施されたオンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタにおいては、外付けインクタンクからインクカートリッジへインクを供給するためのインク供給チューブがプリンタ筐体の外側から内部へ、そして筐体内で引き回されることになる。
このようなインク供給チューブは、例えば特許文献1によるインク供給装置に開示されている。
特許文献1によるインク供給装置においては、
インク供給チューブは、例えばキャリッジの移動路(往復動軌跡)の下側に沿って配置され、その先端側が上側に折り返されてインクカートリッジに接続されており、キャリッジの往復移動に伴って折り返し位置が追従するように変形することにより、キャリッジの往復移動に対応してインク供給チューブに無理な力が加わらないように構成されている。
概要
インク漏出によりインク供給チューブにインクが付着せず、インク供給チューブがキャリッジの往復移動と干渉しないようにしたインクジェット式プリンタの補助インク供給装置を提供する。筐体11内でキャリッジ14を介して往復移動し且つ少なくとも一つのインクカートリッジ15を搭載したヘッドユニットを備えるオンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタ10に対して、筐体の外側に配置されたインクタンク21と、インクタンクから筐体内に引き込まれ筐体内を引き回されてキャリッジ上に搭載されたインクカートリッジに液密的に接続されるインク供給チューブ22と、を含んでおり、インク供給チューブ22が、筐体内にてキャリッジの移動路の上側に配置され、湾曲した折り返し部分22aを介して当該インクカートリッジ15に接続されるように、インクジェット式プリンタの補助インク供給装置20を構成する。
目的
本発明は、以上の点に鑑み、インク漏出によりインク供給チューブにインクが付着してしまうようなことがなく、またインク供給チューブがキャリッジの往復移動と干渉しないようにしたインクジェット式プリンタの補助インク供給装置を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
筐体内でキャリッジを介して往復移動し且つ少なくとも一つのインクカートリッジを搭載したヘッドユニットを備えるオンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタに対して、前記筐体の外側に配置されたインクタンクと、前記インクタンクから前記筐体内に引き込まれ前記筐体内を引き回されてキャリッジ上に搭載されたインクカートリッジに液密的に接続されるインク供給チューブと、を含んでおり、前記インク供給チューブが、前記筐体内にて、キャリッジの移動路の上側に配置され、湾曲した折り返し部分を介して当該インクカートリッジに接続されることを特徴とする、インクジェット式プリンタの補助インク供給装置。
請求項2
請求項3
前記インク供給チューブの折り返し部分が、水平方向に湾曲していることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット式プリンタの補助インク供給装置。
請求項4
前記インクタンクが、前記筐体の側面に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のインクジェット式プリンタの補助インク供給装置。
請求項5
技術分野
0001
本発明は、外部に設置したインクタンクからインクジェットプリンタ内にインクを供給するインクジェット式プリンタの補助インク供給装置に関するものである。
背景技術
0002
一般に、インクジェット式プリンタは、往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドに、インクカートリッジからインクを供給し、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを噴射させて記録用紙に付着させることにより、記録媒体の表面に印刷を行なうように構成されている。
ここで、インクカートリッジの装着位置に関して、インクカートリッジがキャリッジ上に装着される所謂オンキャリッジタイプと、インクカートリッジがキャリッジ以外の別の固定位置に装着される所謂オフキャリッジタイプと、二種類のインクジェットプリンタが知られている。
0003
オンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタにおいては、キャリッジ上の搭載スペースの制約から、インクカートリッジのインク容量が比較的少なくなってしまう。このため、インクジェット式プリンタで大量の印刷を行なう場合、インクカートリッジ内のインクが比較的短時間でなくなってしまうため、頻繁にインクカートリッジを交換する必要がある。
従って、インクカートリッジの交換のために、印刷作業を中断する必要があり、中断時間により印刷作業効率が低下してしまうと共に、インクカートリッジの交換作業に人手が必要になるため、結果的にランニングコストも増大してしまうことになる。
0004
これに対して、キャリッジ上のインクカートリッジに対して、大容量の外付けインクタンクを接続することにより、実質的にオフキャリッジタイプのインクジェット式プリンタに改造することも知られている。
このようなオフキャリッジ化の改造が施されたオンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタにおいては、外付けインクタンクからインクカートリッジへインクを供給するためのインク供給チューブがプリンタ筐体の外側から内部へ、そして筐体内で引き回されることになる。
0005
このようなインク供給チューブは、例えば特許文献1によるインク供給装置に開示されている。
特許文献1によるインク供給装置においては、
インク供給チューブは、例えばキャリッジの移動路(往復動軌跡)の下側に沿って配置され、その先端側が上側に折り返されてインクカートリッジに接続されており、キャリッジの往復移動に伴って折り返し位置が追従するように変形することにより、キャリッジの往復移動に対応してインク供給チューブに無理な力が加わらないように構成されている。
先行技術
0006
特開2015−147423号公報
発明が解決しようとする課題
0007
しかしながら、このような構成のインク供給装置においては、インク供給チューブの大部分が、キャリッジ上のインクカートリッジより下方に配置されているため、インク供給チューブの先端とインクカートリッジとの接続部分からインクが漏出した場合、インクがインク供給チューブに沿って流下することになり、漏出したインクによってインク供給チューブが劣化するおそれがある。
また、インク供給チューブが、キャリッジの移動路の下方の狭いスペースに配置されていることから、万が一インク供給チューブの固定が外れたり弱くなった場合に、インク供給チューブが浮き上がって上方に移動してしまい、キャリッジの往復移動と干渉してしまうことがある。場合によっては、このような干渉により、インク供給チューブがキャリッジに絡まったり、印刷時のキャリッジの往復移動により引っ張られて破損してしまうこともあり、インクジェット式プリンタの動作信頼性が低くなってしまう。
0008
本発明は、以上の点に鑑み、インク漏出によりインク供給チューブにインクが付着してしまうようなことがなく、またインク供給チューブがキャリッジの往復移動と干渉しないようにしたインクジェット式プリンタの補助インク供給装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段
0009
上記目的は、本発明の構成によれば、筐体内でキャリッジを介して往復移動し且つ少なくとも一つのインクカートリッジを搭載したヘッドユニットを備えるオンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタに対して、筐体の外側に配置されたインクタンクと、インクタンクから筐体内に引き込まれ筐体内を引き回されてキャリッジ上に搭載されたインクカートリッジに液密的に接続されるインク供給チューブと、を含んでおり、インク供給チューブが、筐体内にてキャリッジの移動路の上側に配置され、湾曲した折り返し部分を介して当該インクカートリッジに接続されることを特徴とする、インクジェット式プリンタの補助インク供給装置により、達成される。
0010
上記構成によれば、外部のインクタンクから供給されるインクがプリンタ本体の筐体内にてキャリッジの移動路の上側の比較的広い空間内に配置されているので、印刷動作のためにキャリッジが移動路を往復移動するとき、インク供給チューブがキャリッジの往復移動と干渉するようなことがない。従って、キャリッジの往復移動の際に、キャリッジがインク供給チューブに接触したり引っ掛かるようなことがなく、インク供給チューブの先端がキャリッジ上のインクカートリッジから外れて、インクが漏出するようなこともない。
また、何らかの原因によりインク供給チューブの先端とインクカートリッジの接続部分からインクが漏出したとしても、この接続部分からインク供給チューブが上方に延びているので、インク供給チューブに沿ってインクが流下することがなく、インクの付着によりインク供給チューブが劣化するようなこともない。
0011
本発明によるインクジェット式プリンタの補助インク供給装置は、好ましくは、インク供給チューブの先端が、当該インクカートリッジのインク収容部下端付近に接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、インク供給チューブの先端とインクカートリッジとの接続部分からインク供給チューブが確実に上方に向かって延びることになり、接続部分からインクが漏出したとしても、インクがインク供給チューブに沿って流下するようなことがない。
0012
本発明によるインクジェット式プリンタの補助インク供給装置は、好ましくは、インク供給チューブの折り返し部分が、水平方向に湾曲していることことを特徴とする。
この構成によれば、インク供給チューブの折り返し部分に介して、上下方向の寸法があまり大きくならないので、インク供給チューブによるプリンタ本体の筐体内での上下方向の占有空間が小さくて済むことになる。
0013
本発明によるインクジェット式プリンタの補助インク供給装置は、好ましくは、インクタンクが、前記筐体の側面に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、プリンタ本体の筐体の側方にインクタンクが配置されることになるので、比較的小型のプリンタの場合にも、設置スペースが大幅に拡大してしまうようなことがない。また、インクタンクがプリンタ本体と一体化されていることによって、プリンタ本体を移動する際には、インクタンクも一体に移動可能である。さらに、インクタンクが不要になった場合には、インクタンクをプリンタの筐体から容易に取り外すことが可能である。
0014
本発明によるインクジェット式プリンタの補助インク供給装置は、好ましくは、インク供給チューブが、前記筐体に設けられた既設の開口部または間隙を通って前記筐体内に引き込まれていることを特徴とする。
この構成によれば、インク供給チューブをプリンタ本体の筐体内に引き込むための開口部を新たに形成することなく、インク供給チューブが既設の開口部または間隙を通って筐体内に引き込まれるので、インク供給チューブを引き込むための開口を設ける等のプリンタ本体の筐体を傷つけることなく、インクジェット式プリンタの筐体を貫通するようにインク供給チューブを設置することが可能である。
発明の効果
0015
このようにして、本発明によれば、インク漏出によりインク供給チューブにインクが付着してしまうようなことがなく、またインク供給チューブがキャリッジの往復移動と干渉しないようにした、極めて優れたインクジェット式プリンタの補助インク供給装を提供することができる。
図面の簡単な説明
0016
本発明によるインクジェット式プリンタの補助インク供給装置をインクジェット式プリンタに組み込んだ状態を示す概略正面図である。
図1のインクジェット式プリンタの内部を示す概略正面図である。
図2のインクジェット式プリンタにおけるキャリッジ周辺を示す部分拡大正面図である。
図3のキャリッジ周辺を示す部分拡大平面図である。
図4の状態からキャリッジが右方に移動した状態を示す部分拡大平面図である。
図1のインクジェット式プリンタにおけるインク供給チューブの引き込み部分を拡大して示す部分拡大斜視図である。
実施例
0017
図1は、本発明によるインクジェット式プリンタの補助インク供給装置の一実施形態を組み込んだインクジェット式プリンタの全体構成を示している。
図1において、インクジェット式プリンタ10は、公知の構成であって、ほぼ直方体状の筐体11と、この筐体11の前面右上に設けられた操作パネル12と、から構成されている。
0018
筐体11の内部では、図2に示すように、ガイド部材13に沿って図面にて左右方向に移動可能に支持されたキャリッジ14が設けられており、このキャリッジ14が左右に移動制御されつつ、キャリッジ14に搭載されたヘッドユニット(図示せず)が制御されることにより、インクカートリッジ15から供給されるインクを印刷媒体(図示せず)に対して噴射させることにより、印刷媒体上に所望の印刷が行なわれる。
図示の場合、インクカートリッジ15は、例えばカラー印刷用として、四種、即ちイエロー,マゼンタ,シアン及びブラックのインクカートリッジが搭載されている。
0019
さらに、インクジェット式プリンタ10は、本発明実施形態の補助インク供給装置20が後付けで組み込まれている。
補助インク供給装置20は、インクジェット式プリンタ10の筐体11の右側に配置されたインクタンク21と、インクタンク21から筐体11内に引き込まれ、さらに筐体11内を引き回されてキャリッジ14上のインクカートリッジ15に液密的に接続されるインク供給チューブ22と、から構成されている。
0020
インクタンク21は、図示の場合、ほぼ直方体状に形成されており、インクジェット式プリンタ10の筐体11の右側に配置され、好ましくは、インクジェット式プリンタ10の筐体11の右側面に接するように着脱可能に取り付けられている。
具体的には、インクタンク21は、インクジェット式プリンタ10の筐体11の右側面に対して、面ファスナー(図示せず)を使用して、着脱可能に取り付けられている。
これにより、筐体11に取付穴等を加工することなく、即ち筐体11を傷つけることなく、インクタンク21を筐体11に着脱可能に取り付けることができる。
ここで、インクタンク21は、インクジェット式プリンタ10における各色のインクカートリッジ15にそれぞれ対応して各色のインクを収容するインク収容部(図示せず)を備えている。
0021
インク供給チューブ22は、図示の場合、インクジェット式プリンタ10における各色のインクカートリッジ15及びインクタンク21の各色のインク収容部に対応して、互いに平行にフラットケーブルのように纏められた四本のチューブから構成されている。
インク供給チューブ22の各チューブは、その一端が、それぞれインクタンク21の各色のインク収容部に接続されていると共に、その他端が、それぞれインクジェット式プリンタ10内の各色のインクカートリッジ15のインク収容部に接続されている。
0022
その際、インク供給チューブ22の各チューブは、図2に示すように、インクジェット式プリンタ10の筐体11の右側から筐体11内に引き込まれ、筐体11内で、図2から図4に示すように、ガイド部材13に沿って往復移動する際のキャリッジ14の移動路の上側で、各チューブが上下方向に並んだ状態で左方向に向かって引き回され、折り返し部分22aで水平方向後ろ側にU字状に約180度湾曲し、さらに右方向に向かって延びて固定部22bでキャリッジ14上のインクカートリッジ15の上部に固定保持され、この固定部22bから各チューブ毎に個別にそれぞれ対応する色のインクカートリッジ15のインク収容部の下端付近に接続されている。
これにより、インクタンク21の各色のインクを収容したインク収容部が、それぞれ各チューブを介してそれぞれ同じ色のインクに接続されることになる。
また、図4及び図5に示すように、キャリッジ14の往復移動に伴ってインク供給チューブ22の折り返し部分22aがキャリッジ14の移動方向にずれることにより、キャリッジ14は、インク供給チューブ22が接続されていても円滑に往復移動することができる。
0023
ところで、インク供給チューブ22は、図6に示すように、インクジェット式プリンタ10の筐体11に設けられた既設の開口部16を通って内部に引き込まれる
図示の場合、インクジェット式プリンタ10は、その筐体11の前面右上に設けられた操作パネル12が操作性向上のためやや上向きに傾斜するように、その上縁が筐体11に対して揺動可能に支持されている。
そして、操作パネル12が、図6にて矢印A方向に揺動して、やや上向きに傾斜した状態でインクジェット式プリンタ10が設置されると、操作パネル12は、このやや上向きに傾斜した状態に保持されている。
このとき、操作パネル12の両側及び下縁は、インクジェット式プリンタ10の筐体11の前面から手前に浮き出すことになり、筐体11との間に間隙を生ずる。
これにより、インク供給チューブ22は、この操作パネル12の筐体11との間の間隙を既設の開口部16として利用することにより、筐体11に取付穴を設けることなく、即ち筐体11を傷つけることなく、筐体11内に引き込むことが可能となる。
0024
また、インク供給チューブ22は、筐体11の内部において、キャリッジ14に接続される端部とは反対側でキャリッジ14の往復移動に伴って折り返し部分22aとはならない領域A(図2参照)では、移動する必要がないので、少なくとも一個のクリップ等の公知の固定手段(図示せず)によって、筐体11内で固定保持されている。
0025
本発明によるインクジェット式プリンタの補助インク供給装置20は、以上のように構成されており、以下のようにして既存のインクジェット式プリンタ10に組み込まれる。
まず、インクタンク21がインクジェット式プリンタ10の筐体11の右側面に対向して配置され、筐体11の右側面に面ファスナー等により着脱可能に取り付けられる。
0026
続いて、インク供給チューブ22の各チューブの一端が、それぞれインクタンク21の各色のインク収容部に接続されると共に、その他端が、インクジェット式プリンタ10の筐体11に設けられた開口部16を通して筐体11内に引き込まれ、筐体11内でキャリッジ14の移動路の上方を引き回されて、折り返し部分22aを介してキャリッジ14上のインクカートリッジ15の上部で固定保持され、そこから各チューブ毎に個別にそれぞれ対応する色のインクカートリッジ15のインク収容部の下端付近に接続される。
なお、インク供給チューブ22の各チューブの一端は、前もって、即ち補助インク供給装置20の製造の際または出荷前に、それぞれインクタンク21の各色のインク収容部に接続されていてもよい。
0027
このようにしてインクジェット式プリンタ10に組み込まれた補助インク供給装置20においては、インクジェット式プリンタ10の印刷動作によるキャリッジ14の往復移動に伴って、インク供給チューブ22は、折り返し部分22aが移動することにより、その他端がキャリッジ14の移動に対して円滑に追従する。
これにより、各色のインクカートリッジ15内のインク消費量に対応して、インクタンク21のインク収容部からそれぞれインク供給チューブ22の各チューブを通って、各色のインクカートリッジ15に対してインクが補給される。
0028
従って、インクカートリッジ15のインク収容部のインク量に加えて、外部に設けられたインクタンク21のインク収容部に収容されたインク量が消費されるまで、インクジェット式プリンタ10による印刷作業を中断して、各インクカートリッジを交換したり、インクを補充することなく、印刷作業を連続して行なうことができる。これにより、印刷作業効率が向上し、ランニングコストも低減され得ることになる。
この場合、インク供給チューブ22が、キャリッジ14の移動路の上方に配置されていることから、インク供給チューブ22の周りの空間に余裕があるので、インク供給チューブ22がキャリッジ14の往復移動と緩衝するようなことがなく、インク供給チューブ22がキャリッジ14に絡まったり、キャリッジ14の往復移動によりインク供給チューブ22が引っ張られて破損してしまうようなことがなく、インクジェット式プリンタ10の動作信頼性が向上する。
0029
さらに、インク供給チューブ22の各チューブの他端が、下方に向かって延びてインクカートリッジ15のインク収容部の下端付近に接続されていることから、その接続部分からインクが漏出したとしても、漏出したインクがインク供給チューブ22の各チューブに沿って流下するようなことがなく、付着したインクによるインク供給チューブ22の劣化が発生するようなことはない。
0030
このようにして、本発明によるインクジェット式プリンタ10の補助インク供給装置20によれば、キャリッジ14上に設けられた各インクカートリッジ15の接続部分におけるインク漏出によりインク供給チューブにインクが付着してしまうようなことがなく、またインク供給チューブがキャリッジの往復移動と干渉するようなこともない。
0031
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、インク供給チューブ22は、インクジェット式プリンタ10の操作パネル12の両側または下縁に在る間隙から筐体11内に引き込まれているが、これに限らず、インクジェット式プリンタ10の筐体11に在る他の既設の開口部を介してインク供給チューブ22を筐体11内に引き込むようにしてもよいことは明らかである。
0032
また、上述した実施形態においては、インク供給チューブ22は、インクジェット式プリンタ10におけるインクカートリッジ15の個数に対応して、四本の互いに平行なチューブから構成されているが、これに限らず、例えば一個から三個または五個以上の個数のインクカートリッジ15を備えたインクジェット式プリンタ10の場合には、インクカートリッジ15の個数と同じ本数のチューブから成るインク供給チューブ22が使用されることにより、各色のインクカートリッジ15にそれぞれ同じ色のインクを供給するようにしてもよい。
0033
さらに、上述した実施形態においては、インクタンク22は、インクジェット式プリンタ10の筐体の右側面に対して、面ファスナーにより取り付けられているが、これに限らず、他の固定手段によって筐体11に取り付けられていてもよく、また筐体11の他の部分に対して取り付けられていてもよく、あるいはインクタンク22は、筐体11には取り付けられず、別体として隣接して配設されていてもよい。
0034
以上述べたように、本発明によれば、インク漏出によりインク供給チューブにインクが付着してしまうようなことがなく、またインク供給チューブがキャリッジの往復移動と干渉しないようにした、極めて優れたインクジェット式プリンタの補助インク供給装置が提供される。
0035
10インクジェット式プリンタ
11筐体
12操作パネル
13ガイド部材
14キャリッジ
15インクカートリッジ
16 開口部(間隙)
20補助インク供給装置
21インクタンク
22インク供給チューブ
22a 折り返し部分
22b 固定部