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技術 光送信機

出願人 富士通株式会社
発明者 松下修造斉藤卓小牧浩輔菅本真陸本郷廣信
出願日 2016年5月16日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-097982
公開日 2017年11月24日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-208607
状態 特許登録済
技術分野 光通信システム
主要キーワード 経年変動 フィードバック制御方式 同期検波結果 ABC制御 制御エラー バイアス入力 度位相回転 ABC回路
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図面 (11)

課題

定めた一つの引き込み位相で信号を立ち上げることができること。

解決手段

電気信号光変調して送信する光送信機100は、電気信号を出力する電気信号発生部と、電気信号を光変調する光変調器101と、光変調器101から出力された光信号に、IQバイアス印加するIQバイアス印加部103と、IQバイアスが印加された光信号に、φバイアスを印加するφバイアス印加部104と、φバイアスが印加された光信号を検出する検出部106と、を有する。電気信号発生部で電気信号の出力を止めて、IQバイアス印加部103は、電気信号の出力が止まったあと、IQバイアスを変化させ、φバイアス印加部がIQバイアスを変化したあと、φバイアスを変化させたとき検出部106で検出される光パワーに応じて、φバイアスの電圧を決定する。

概要

背景

基幹光ネットワークにおける通信料トラフィック増大に伴い、光通信システム大容量化が進んでいる。光ネットワーク上に設けられる光送信機として、光を高速変調できるMZ型(Mach−Zehnder)型の光変調器が用いられる。また、MZ型の変調器送信光の特性を最適化するために(例えば、ドリフトによる伝送信号劣化を防ぐ)自動バイアス制御(ABC:Auto Bias Control)回路を有している。ABC回路は、I,Q,φの各バイアス電圧を変調器に印加する。

バイアスは、温度や経年変動でドリフトするため、固定値での運用をすることはできない。そのため信号光品質を保つために、変調器の出力変動を常にフィードバック制御し、バイアスを最適点追従させる必要がある。

ABCのフィードバック制御方式として、光変調器の分岐出力に対して低周波パイロット信号(Pilot Tone)を重畳し、Pilot Toneのモニタ振幅が最小になるようにバイアス電圧を調整する方式が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。

DP−N−QAMのMZ型光変調器(Nはシンボル数)は、例えば、X側のI,Q,φと、Y側のI,Q,φの6箇所をバイアス制御する。I、Q、φのバイアスも同様にPilot Tone重畳方式で制御できる。

図10は、φバイアスの引き込み点を説明する図である。横軸はφバイアス、縦軸はPilot Tone重畳方式の制御エラー量を示す。ABC制御実行時の制御エラー量は、パイロット信号が周波数f0のとき、最適制御時にはABC回路の同期検波時に2f0が検出され、最適点から外れるとf0が検出される。図10に示すように、φバイアスを変えたとき、正しく制御できている位置(エラー量が0)は、90°の点を基準として180度ごとに存在する(270°、450°=90°)。

概要

定めた一つの引き込み位相で信号を立ち上げることができること。電気信号光変調して送信する光送信機100は、電気信号を出力する電気信号発生部と、電気信号を光変調する光変調器101と、光変調器101から出力された光信号に、IQバイアスを印加するIQバイアス印加部103と、IQバイアスが印加された光信号に、φバイアスを印加するφバイアス印加部104と、φバイアスが印加された光信号を検出する検出部106と、を有する。電気信号発生部で電気信号の出力を止めて、IQバイアス印加部103は、電気信号の出力が止まったあと、IQバイアスを変化させ、φバイアス印加部がIQバイアスを変化したあと、φバイアスを変化させたとき検出部106で検出される光パワーに応じて、φバイアスの電圧を決定する。

目的

本発明は、定めた一つの引き込み位相で信号を立ち上げることができることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電気信号光変調して送信する光送信機において、電気信号を出力する信号発生部と、前記電気信号を光変調する光変調部と、前記光変調部から出力された光信号に、第1電圧印加する第1電圧印加部と、前記第1電圧が印加された光信号に、第2電圧を印加する第2電圧印加部と、前記第2電圧が印加された光信号を検出する検出部と、を有し、前記信号発生部は、前記電気信号の出力を止め、前記第1電圧印加部は、前記電気信号の出力が止まったあと、前記第1電圧を変化させ、前記第2電圧印加部は、前記第1電圧を変化したあと、前記第2電圧を変化させたときの前記検出部で検出される光パワーに応じて、前記第2電圧を決定することを特徴とする光送信機。

請求項2

前記第2電圧印加部は、前記光信号の位相を決定し、前記検出した光パワーによりわかる位相が、前記決定した位相と異なる場合には、前記第2電圧を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光送信機。

請求項3

前記第2電圧印加部は、前記光信号の位相を90°に決定し、前記検出した光パワーによりわかる位相が270°であれば、決定した90°となるように前記第2電圧を変化させることを特徴とする請求項2に記載の光送信機。

請求項4

前記第2電圧印加部は、前記第2電圧を変化させたときの光パワーに関する情報が格納されたメモリに基づいて、前記光信号の位相が90°であるか270°であるかを判定することを特徴とする請求項3に記載の光送信機。

請求項5

前記光変調部には、2つの光が入力され、前記第1電圧印加部は、前記2つの光の位相差がなくなるように、前記第1電圧を変化させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光送信機。

請求項6

前記信号発生部が前記電気信号の出力を止めると前記検出部から光が出力されない消光状態となる前記第1電圧及び前記第2電圧を、前記信号発生部が前記電気信号の出力を止める前に検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光送信機。

請求項7

前記信号発生部は、前記電気信号の出力を止めて、前記検出部から光が出力されない消光状態となった後、前記第1電圧印加部は、前記電気信号の出力が止まったあと、前記第1電圧を変化させて前記検出部で検出される光パワーの変化を検出しておき、その後前記第1電圧を変化前の状態に戻すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光送信機。

請求項8

前記電気信号をFSK重畳して前記光変調器に入力させるFSK重畳部をさらに有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の光送信機。

技術分野

0001

本発明は、光伝送によりデータを送信する光送信機に関する。

背景技術

0002

基幹光ネットワークにおける通信料トラフィック増大に伴い、光通信システム大容量化が進んでいる。光ネットワーク上に設けられる光送信機として、光を高速変調できるMZ型(Mach−Zehnder)型の光変調器が用いられる。また、MZ型の変調器送信光の特性を最適化するために(例えば、ドリフトによる伝送信号劣化を防ぐ)自動バイアス制御(ABC:Auto Bias Control)回路を有している。ABC回路は、I,Q,φの各バイアス電圧を変調器に印加する。

0003

バイアスは、温度や経年変動でドリフトするため、固定値での運用をすることはできない。そのため信号光品質を保つために、変調器の出力変動を常にフィードバック制御し、バイアスを最適点追従させる必要がある。

0004

ABCのフィードバック制御方式として、光変調器の分岐出力に対して低周波パイロット信号(Pilot Tone)を重畳し、Pilot Toneのモニタ振幅が最小になるようにバイアス電圧を調整する方式が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。

0005

DP−N−QAMのMZ型光変調器(Nはシンボル数)は、例えば、X側のI,Q,φと、Y側のI,Q,φの6箇所をバイアス制御する。I、Q、φのバイアスも同様にPilot Tone重畳方式で制御できる。

0006

図10は、φバイアスの引き込み点を説明する図である。横軸はφバイアス、縦軸はPilot Tone重畳方式の制御エラー量を示す。ABC制御実行時の制御エラー量は、パイロット信号が周波数f0のとき、最適制御時にはABC回路の同期検波時に2f0が検出され、最適点から外れるとf0が検出される。図10に示すように、φバイアスを変えたとき、正しく制御できている位置(エラー量が0)は、90°の点を基準として180度ごとに存在する(270°、450°=90°)。

先行技術

0007

特開2008−92172号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、従来の技術のABC回路では、データ送信時に信号を立ち上げる都度、φバイアスの引き込み位相が変わり常に同一の引き込み点(例えば90°)にすることができず、90°、270°、450°のいずれかで不定に引き込み、どの位相で引き込んだかも不明であった。これにより、光送信する主信号周波数変調する際の位相を一つに確定させることができず、例えば90°ではなく、270°になってしまった場合、歪補償を正しく行うことができず、受信側装置でデータを正しく復調することができない問題等が生じる。

0009

一つの側面では、本発明は、定めた一つの引き込み位相で信号を立ち上げることができることを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

一つの案では、光送信機は、電気信号光変調して送信する光送信機において、電気信号を出力する信号発生部と、前記電気信号を光変調する光変調部と、前記光変調部から出力された光信号に、第1電圧を印加する第1電圧印加部と、前記第1電圧が印加された光信号に、第2電圧を印加する第2電圧印加部と、前記第2電圧が印加された光信号を検出する検出部と、を有し、前記信号発生部は、前記電気信号の出力を止め、前記第1電圧印加部は、前記電気信号の出力が止まったあと、前記第1電圧を変化させ、前記第2電圧印加部は、前記第1電圧を変化したあと、前記第2電圧を変化させたときの前記検出部で検出される光パワーに応じて、前記第2電圧を決定することを要件とする。

発明の効果

0011

一つの実施形態によれば、定めた一つの引き込み位相で信号を立ち上げることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0012

図1は、実施の形態1にかかる光送信機の構成例を示す図である。
図2は、実施の形態1のABC制御におけるφスキャンの手順を説明する図である。(その1)
図3は、実施の形態1のABC制御におけるφスキャンの手順を説明する図である。(その2)
図4は、実施の形態1のABC制御におけるφスキャンによる引き込み点と光出力の関係を示す図表である。
図5は、実施の形態1のABC制御における位相の引き込みの処理内容を示すフローチャートである。(その1)
図6は、実施の形態1のABC制御における位相の引き込みの処理内容を示すフローチャートである。(その2)
図7は、実施の形態2にかかる光送信機の構成例を示す図である。
図8は、実施の形態2にかかる光送信機の光FSK重畳によるIQコンスタレーションを示す図である。
図9は、実施の形態2のABC制御における位相の引き込みの処理内容を示すフローチャートである。
図10は、φバイアスの引き込み点を説明する図である。

実施例

0013

(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる光送信機の構成例を示す図である。光送信機100は、送信するデータを多値変調するDP−N−QAMのMZ型光変調器(光変調器)101と、ABC回路121と、光源131と、を含む。N=2のべき乗であり、多値変調の数(1シンボルあたりの値の数)である。

0014

レーザダイオード等の光源131から発せられた光(CW光)は、光変調器101に入力され、強度変調される。光変調器(光変調部)101は、入力された光をIQ別に4分岐し、IQマップの4象限XI,XQ,YI,YQに対応する4つの各アーム(主信号変調部)102に導波する。不図示の電気信号発生部(ドライバRV等)は、送信する電気信号のデータをRF入力部(in)111に入力させ、この電気信号は各主信号変調部102の光導波路に平行な電気配線に出力され、主信号変調部102により、データが光信号上に重畳(変調)される。

0015

光信号の経路で見て主信号変調部102の後段には、IQバイアス印加部(第1電圧印加部)103が設けられる。ABC回路121は、ABC制御に基づくIQ調整用のIQバイアス電圧をIQバイアス入力部112に出力する。IQバイアス電圧は、光導波路の各アーム部分に平行な電気配線に出力され、IQバイアス印加部103によりXI,XQ,YI,YQ別のIQバイアス電圧が印加される。

0016

IQバイアス印加部103によって電圧が光信号に印加されることにより、光の屈折率が変化し、光路長が変化する。これにより、IQバイアス印加部103から出力される光信号の位相を変化させることができる。IQバイアス印加部103は、主信号変調部102の2つの出力のうち、少なくとも一方の導波路を通る光に対し、IQバイアス電圧を印加する。2つの導波路を通る光が逆位相となるように、IQバイアス電圧を制御することで、正確に変調をすることができる。

0017

IQバイアス印加部103通過後の光信号は、φバイアス印加部(第2電圧印加部)104に入力される。ABC回路121は、ABC制御に基づくφバイアス調整用のφバイアス電圧をφバイアス入力部113に出力する。φバイアス電圧は、光導波路の各アーム部分に平行な電気配線に出力され、φバイアス印加部104により、一対のIQアームの位相が直交(90°)となるようにφバイアス電圧が印加される。

0018

ここで、IQバイアス印加部103は、主信号変調部102に入力される光信号(図中○印)の位相と、IQバイアス印加部103出力後の光信号(図中○印)の位相が同じになるように位相制御する。同様に、IQバイアス印加部103は、主信号変調部102に入力される光信号(図中×印)の位相と、IQバイアス印加部103出力後の光信号(図中×印)の位相が同じになるように位相制御する。

0019

φバイアス印加部104通過後の一対のIQアームの光信号は、それぞれ合波され光カプラ105を介して光出力される。他方のIQアーム側には、一方のIQアームの光信号の位相に対し直交(90°)する偏光部107が設けられている。

0020

一対の光カプラ105は、それぞれ光信号の一部を分岐し、検出部(受光素子フォトダイオード:PD)106によって受光される。PD106は、光信号の強度を検出し電気信号を出力し、検出信号は、ABC回路121に出力される。

0021

ABC回路121は、アンプ122と、バンドパスフィルタ(BPF)123と、同期検波部124と、発振器125と、制御部(コントローラ、信号発生部)126と、を含む。

0022

制御部126は、発振器125の周波数f0に基づき、主信号に対して低周波数(例えば1kHz)のI、Q、φのバイアス信号(パイロット信号)を生成する。制御部126は、生成したIQバイアス電圧をIQバイアス入力部112に出力し、φバイアス電圧をφバイアス入力部113に出力する。

0023

PD106の検出信号は、アンプ122で増幅された後、BPF123に入力され、BPF123は、I,Q,φのパイロット信号を通過させる。同期検波部124には、発振器125のf0の発振信号が入力され、同期検波部124は、f0の発振信号を用いてフィードバックされたパイロット信号(BPF123の出力)を同期検波する。

0024

制御部126は、同期検波部124の同期検波結果に基づき、I,Q,φの各バイアス電圧を調整するバイアス制御を行う。制御部126は、I,Q,φのバイアスを正しく制御できた場合には2f0の信号が観測されるため、同期検波部124で検波されない。これに対して正しく制御できていない場合にはf0の信号が観測されるため、同期検波部124でf0の成分が検波される。パイロット信号のフィードバックするPilot Tone重畳方式では、主信号に重畳したf0のパイロット信号が同期検波部124で同期検波されない状態となるように、I,Q,φの各バイアス電圧を調整する。

0025

図1に示したABC回路121の制御部126は、例えば、CPUがROM等に格納された制御プログラム読み出して実行し、RAMを作業エリアとして使用することにより、制御部126の機能を実現できる。

0026

図1で示したABC制御に限らず、I、Q、φの各バイアス電圧の最適化する方法は他のやり方でも良い。ただし、φのバイアス電圧については、以下のφスキャン方式を適用する必要がある。

0027

(φスキャンについて)
上述したように、信号を立ち上げる都度、φバイアスの引き込み点(ABC制御で収束したφバイアスの位相)が変わり、引き込み点が90°と270°の2つ存在する。これに対応するため、実施の形態1では、φスキャン方式を用いる。φスキャン方式では、I/Qを発光状態としてφを回転させたときの光信号のDCパワー(主信号のデータを重畳しないCW光のみ)の変化を検出することで立ち上げ時の引き込み点を判断する。

0028

図2図3は、それぞれ実施の形態1のABC制御におけるφスキャンの手順を説明する図である。はじめに、図2を用いて90°で引き込んだ場合のφスキャン方式の手法を説明する。

0029

図2で示している円周上の点は、それぞれφスキャンを行う場合の各バイアスが印加された場合の光の位相の位置を示す。図2(a)の状態では、ABC制御により、図1の光送信機の出力は消光状態となっている。図2(a)の状態から光信号が出力されるように、図2(b)のようにI/Qバイアス電圧を変化させ、光を90°程度位相回転させる。図2(c)と、図2(d)では、それぞれφバイアス電圧を変化させ、光の位相を+90°と−90°に回転させ、そのときの光のパワーを取得する。

0030

図2(c),(d)に示す+90°回転させた場合のパワーは極大となり、−90°回転させた場合は極小となる。

0031

次に、図3を用いて270°で引き込んだ場合のφスキャン方式の手法を説明する。図3(a)の状態は、ABC制御により消光状態となっている。図3(a)の状態から光信号が出力されるように、図3(b)のようにI/Qバイアス電圧を変化させ、光を90°程度位相回転させる。図3(c)と、図3(d)では、それぞれφバイアスを変化させて光の位相を+90°と−90°に回転させそのときのパワーを取得する。

0032

図3(c),(d)に示す光の位相を+90°回転させた場合のパワーは極小となり、−90°回転させた場合は極大となる。

0033

図4は、実施の形態1のABC制御におけるφスキャンによる引き込み点と光出力の関係を示す図表である。φバイアスの変化で光の位相を+90°回転させたとき(図2(c))、光出力(パワー)が極大となり、φバイアスの変化で光の位相を−90°回転させたとき(図2(d))、光出力(パワー)が極小となる変化は、φバイアスの引き込み点が90°のときに生じる。

0034

また、φバイアスの変化で光の位相を+90°回転させたとき(図3(c))、光出力(パワー)が極小となり、φバイアスの変化で光の位相を−90°回転させたとき(図3(d))、光出力(パワー)が極大となる変化は、φバイアスの引き込み点が270°のときに生じる。

0035

図4に示すように、φバイアスの引き込み点が90°のときと、270°のときとでは、φバイアスの変化で光の位相を±で回転させたときの光出力(パワー)の変化が逆に生じる。実施の形態1では、φバイアスの変化で光の位相を回転させたときの光出力(パワー)の変化の特性を利用して、φバイアスの引き込み点が90°であるか270°であるかを判別する。例えば、制御部126は、図4の情報をメモリに格納しておき、図4の情報を参照してφバイアスの変化で光の位相を回転させたときの光出力(パワー)の変化に対応するφバイアスの引き込み点が90°であるか270°であるかを判定できる。

0036

図5図6は、それぞれ実施の形態1のABC制御における位相の引き込みの処理内容を示すフローチャートである。実施の形態1によれば、信号立ち上げ時に任意の位相(φバイアス点)に引き込むことができる。

0037

図5の例では、制御部126のCPUの実行処理により、φバイアスを90°に引き込む処理例を示す。はじめに、CPU126は、信号立ち上げ時に、ABC制御を行い(ステップS501)、ABC制御が収束するまでABC制御を継続して行う(ステップS502:No)。ABC制御が収束すると(ステップS502:Yes)、CPU126は、RF入力部111へのデータの入力(電気信号発生部のドライバ(DRV)振幅)をOFFにして主信号を切る(ステップS503)。

0038

この状態でABC制御により消光状態となり、光信号は出力されないので、CPU126は、IQバイアスの変化で光の位相を+90°回転させて発光状態にする(ステップS504)。このように、CPU126は、信号立ち上げ時に、信号光上に変調光を重畳しない状態で消光点を探す処理を行う。より詳細には、CPU126は、I/Qを発光状態としてφを回転させたときの光信号のDCパワー(主信号のデータを重畳しないCW光のみ)の変化を検出する。

0039

この後、CPU126は、φバイアスの変化で光の位相を+90°に回転させる(図2(c)の状態に相当、ステップS505)。そしてCPU126は、このときの光出力(パワー)P1を測定する(ステップS506)。

0040

次に、CPU126は、φバイアスの変化で光の位相を−90°に回転させる(図2(d)の状態に相当、ステップS507)。そして、CPU126は、このときの光出力(パワー)P2を測定する(ステップS508)。

0041

そして、CPU126は、光パワーがP1>P2であるか判断する(ステップS509)。光パワーがP1≦P2の場合には(ステップS509:No)、CPU126は、φバイアスが270°に収束していると判断する(ステップS510)。この判断は、例えば、CPU126は、図4の特性に相当するデータをメモリから読み出して行う。

0042

そして、CPU126は、φバイアスの変化で光の位相を−180°回転させて+90°にする(ステップS511)、ステップS512に移行する。一方、ステップS509において、光パワーがP1>P2となった場合には(ステップS509:Yes)、ステップS512に移行する。

0043

ステップS512では、CPU126は、ABC制御でのφバイアスが90°に位相が収束していると判断し(ステップS512)、位相を90°で確定できたため、DRV振幅をONにし(ステップS513)、主信号(光信号)を疎通させ、以上の処理を終了する。

0044

次に、図6の例では、制御部126のCPUの実行処理により、φバイアスを270°に引き込む処理例を示す。ステップS601〜ステップS608の処理は、ステップS501〜ステップS508の処理(図5参照)と同様である。

0045

はじめに、CPU126は、信号立ち上げ時に、ABC制御を行い(ステップS601)、ABC制御が収束するまでABC制御を継続して行う(ステップS602:No)。ABC制御が収束すると(ステップS602:Yes)、CPU126は、RF入力部111へのデータの入力(ドライバ振幅)をOFFにして主信号を切る(ステップS603)。

0046

この状態でABC制御により消光状態となり、光信号は出力されないので、CPU126は、IQバイアスの変化で光の位相を+90°回転させて発光状態にする(ステップS604)。このように、CPU126は、信号立ち上げ時に、信号光上に変調光を重畳しない状態で消光点を探す処理を行う。より詳細には、CPU126は、I/Qを発光状態としてφを回転させたときの光信号のDCパワー(主信号のデータを重畳しないCW光のみ)の変化を検出する。

0047

この後、CPU126は、φバイアスの変化で光の位相を+90°に回転させる(図3(c)の状態に相当、ステップS605)。そしてCPU126は、このときの光出力(パワー)P1を測定する(ステップS606)。

0048

次に、CPU126は、φバイアスの変化で光の位相を−90°に回転させる(図3(d)の状態に相当、ステップS607)。そして、CPU126は、このときの光出力(パワー)P2を測定する(ステップS608)。

0049

そして、CPU126は、光パワーがP1<P2であるか判断する(ステップS609)。光パワーがP1≧P2の場合には(ステップS609:No)、CPU126は、φバイアスが90°に収束していると判断する(ステップS610)。この判断は、例えば、CPU126は、図4の特性に相当するデータをメモリから読み出して行う。

0050

そして、CPU126は、φバイアスの変化で光の位相を+180°回転させて+270°にする(ステップS611)、ステップS612に移行する。一方、ステップS609において、光パワーがP1<P2となった場合には(ステップS609:Yes)、ステップS612に移行する。

0051

ステップS612では、CPU126は、ABC制御でのφバイアスが270°に位相が収束していると判断し(ステップS612)、位相を270°で確定できたため、DRV振幅をONにし(ステップS613)、主信号(光信号)を疎通させ、以上の処理を終了する。

0052

図5または図6の処理の後、CPU126は、通常のABC制御を実行する。

0053

以上説明した実施の形態1によれば、信号立ち上げ時に、φバイアスの引き込み点の調整を行う。この調整では、ABC制御により消光状態とした後、光信号を出力しない状態で消光点を探した後、IQを発光状態とし、φを回転させたときの光信号の変化の状態を検出することで立ち上げ時の引き込み点を判断する。

0054

この際、IQバイアスの変化で光の位相を±90°にそれぞれ回転させることで、引き込み点(φバイアス)が90°であるか270°であるかを判定できる。そして、あらかじめ調整時に定めた一つの位相にφバイアスの引き込み点を設定し、φバイアスの変化で光の位相を回転させたときの光信号の変化の状態に基づき、引き込み点が90°であるか270°であるかを判定できる。例えば、引き込み点を90°に設定し、引き込み点が270°の場合には、φバイアスの変化で光の位相を−180°回転させ、φバイアスを90°として信号を立ち上げることができるようになる。

0055

また、変調方式高次QAM(例えば16QAM以上)となるほど、PD106での各光信号の検出感度が低下し、上述したφバイアスの引き込み点は90°や270°で不定となる。このような高次QAMにおいてPD106での各光信号の検出感度が低下する場合でも、実施の形態1で説明したφスキャンにより、φバイアスの引き込み点は90°あるいは270°で固定することができる。

0056

(実施の形態2)
実施の形態2では、周波数偏移変調(FSK:Frequency Shift Keying)方式でデータを送信する光送信機の適用例について説明する。

0057

光ネットワーク内で用いられる伝送装置中継装置の制御には、データ転送とは異なる信号帯域を用いた低速の監視制御用補助チャネル(SAC:Supervisory Auxiliary Channel)が広く用いられている。この監視制御用の補助チャネルSACとして光FSKが注目されている。光FSKは、主信号にある特定の周波数信号を重畳するものである(例えば、「谷、外7名、“適応光ネットワークに向けた周波数変調重畳による制御補助チャネルの実現”、電子情報通信学会論文誌、Vol.J96−B No.3、2013年3月」を参照。)。

0058

図7は、実施の形態2にかかる光送信機の構成例を示す図である。図7において、実施の形態1(図1)と同一の構成部には同一の符号を付している。図7に示すように、光FSKでは、送信するデータをFSK重畳した後の出力がRF入力部(in)111に入力される。光FSK重畳は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)701のFSK重畳部によって機能実現でき、MZドライバを介してデータがRF入力部(in)111に入力される。DSPは、上記の電気信号を発生する電気信号発生部の機能を有する。

0059

図8は、実施の形態2にかかる光送信機の光FSK重畳によるIQコンスタレーションを示す図である。図8(a)は、光FSK重畳なしの場合の16QAMコンスタレーションであり、図8(b)は、光FSK重畳ありの場合の16QAMコンスタレーションである。

0060

図8(b)に示すように、光FSK重畳によりコンスタレーションが図中矢印で示すように回転する。この回転速度が周波数となる。この回転方向は、MZ型光変調器101のφバイアスの引き込み位相別に回転方向が一方aまたは逆の他方bに現れることがあり、この場合、受信側装置では、復調したデータが反転してしまう。受信側装置でデータが反転した場合には、データのまとまりであるフレームの同期がとれず、信号が疎通しなくなる。

0061

これに対して、実施の形態2のように、光FSK重畳においてもφスキャン方式を適用することで、常に任意の状態でφバイアスの引き込み位相を操作できるため、受信側装置でのデータの反転を防ぐことができるようになる。

0062

図9は、実施の形態2のABC制御における位相の引き込みの処理内容を示すフローチャートである。光FSK重畳においても信号立ち上げ時に任意の位相(φバイアス点)に引き込むことができる。

0063

図9の例では、制御部126のCPUの実行処理により、φバイアスを90°に引き込む処理例を示す。はじめに、CPU126は、φバイアスを90°に引き込む(ステップS901)。次に、CPU126は、DSP701に対して送信データに対する光FSK重畳の機能をONにし(ステップS902)、受信用フレーム同期信号(Frame Sync)を付与(ステップS903)した主信号(光信号)を疎通させ、以上の処理を終了する。

0064

以上説明した実施の形態2によれば、実施の形態1同様の効果を得ることができ、信号立ち上げ時に、φバイアスの引き込み点の調整を行い、ABC制御で一つの位相にφバイアスの引き込み点(位相)で信号を立ち上げることができるようになる。また、実施の形態2によれば、光FSK方式でデータ送信する光送信機に適用することができ、φバイアスの引き込み点が異なることにコンスタレーションの回転に基づく復調データの反転を防ぐ。任意の状態でφバイアスの引き込み位相を操作できるため、受信側装置でのデータの反転を防ぐことができる。

0065

以上説明した実施の形態では、φバイアスの引き込み点の調整について、ABC制御の引き込みの後、RFIn(電気信号)をOFFにすることによって消光状態として、φバイアスを変化させて光位相の状態をスキャン(φスキャン)することとした。この場合、実際にはφScanを行う際、消光状態のために光パワーをモニタできない可能性がある。ここでより光の変動をモニタしやすいように、あえて消光状態にあるI,Qバイアスを変化させて光出力の変動を検出した後、消光状態に戻す構成としてもよい。

0066

なお、本実施の形態で説明した光送信にかかる方法は、あらかじめ用意された制御プログラムを対象となる機器(光送信機)のコンピュータ(CPU等のプロセッサ)で実行することにより実現することができる。本制御プログラムは、磁気ディスク光ディスク、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。

0067

また、上記実施の形態では、DP−N−QAMのMZ型光変調器の適用例について説明したが、本発明は、偏波多重を用いないN−QAMのMZ型光変調器にも同様に適用することができる。DP−N−QAMのMZ型光変調器では、RFInにX偏波用のIQ信号と、Y偏波用のIQ信号が入力され、この電気信号に対応するアーム数の光導波路を有する。これに対し、N−QAMのMZ型光変調器は、RFInに1偏波分のIQ信号のみ入力され、対応して光導波路のアーム数が少ない構成であるが、いずれも同様の制御でよく、φバイアスの引き込み位相を定めることができる。

0068

上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。

0069

(付記1)電気信号を光変調して送信する光送信機において、
電気信号を出力する信号発生部と、
前記電気信号を光変調する光変調部と、
前記光変調部から出力された光信号に、第1電圧を印加する第1電圧印加部と、
前記第1電圧が印加された光信号に、第2電圧を印加する第2電圧印加部と、
前記第2電圧が印加された光信号を検出する検出部と、を有し、
前記信号発生部は、前記電気信号の出力を止め、
前記第1電圧印加部は、前記電気信号の出力が止まったあと、前記第1電圧を変化させ、
前記第2電圧印加部は、前記第1電圧を変化したあと、前記第2電圧を変化させたときの前記検出部で検出される光パワーに応じて、前記第2電圧を決定することを特徴とする光送信機。

0070

(付記2)前記第2電圧印加部は、
前記光信号の位相を決定し、前記検出した光パワーによりわかる位相が、前記決定した位相と異なる場合には、前記第2電圧を変化させることを特徴とする付記1に記載の光送信機。

0071

(付記3)前記第2電圧印加部は、
前記光信号の位相を90°に決定し、前記検出した光パワーによりわかる位相が270°であれば、決定した90°となるように前記第2電圧を変化させることを特徴とする付記2に記載の光送信機。

0072

(付記4)前記第2電圧印加部は、
前記第2電圧を変化させたときの光パワーに関する情報が格納されたメモリに基づいて、前記光信号の位相が90°であるか270°であるかを判定することを特徴とする付記3に記載の光送信機。

0073

(付記5)前記光変調部には、2つの光が入力され、
前記第1電圧印加部は、前記2つの光の位相差がなくなるように、前記第1電圧を変化させることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の光送信機。

0074

(付記6)前記信号発生部が前記電気信号の出力を止めると前記検出部から光が出力されない消光状態となる前記第1電圧及び前記第2電圧を、前記信号発生部が前記電気信号の出力を止める前に検出することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の光送信機。

0075

(付記7)前記信号発生部は、前記電気信号の出力を止めて、前記検出部から光が出力されない消光状態となった後、
前記第1電圧印加部は、前記電気信号の出力が止まったあと、前記第1電圧を変化させて前記検出部で検出される光パワーの変化を検出しておき、その後前記第1電圧を変化前の状態に戻すことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の光送信機。

0076

(付記8)前記電気信号をFSK重畳して前記光変調器に入力させるFSK重畳部をさらに有することを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の光送信機。

0077

(付記9)電気信号を出力する信号発生部と、前記電気信号を光変調する光変調部と、前記光変調部から出力された光信号に、第1電圧を印加する第1電圧印加部と、前記第1電圧が印加された光信号に、第2電圧を印加する第2電圧印加部と、前記第2電圧が印加された光信号を検出する検出部と、を有する光送信機の光送信方法において、
前記信号発生部は、前記電気信号の出力を止め、
前記第1電圧印加部は、前記電気信号の出力が止まったあと、前記第1電圧を変化させ、
前記第2電圧印加部は、前記第1電圧を変化したあと、前記第2電圧を変化させたときの前記検出部で検出される光パワーに応じて、前記第2電圧を決定することを特徴とする光送信機の光送信方法。

0078

100光送信機
101光変調器(MZ型光変調器)
102主信号変調部
103IQバイアス印加部
104 φバイアス印加部
105光カプラ
106受光素子(PD)
107偏光部
111RF入力部
112 IQバイアス入力部
113 φバイアス入力部
121ABC回路
124同期検波部
125発振器
126 制御部
131 光源

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