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技術 防振装置

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 佐藤俊介
出願日 2016年5月20日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-101350
公開日 2017年11月24日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-207176
状態 特許登録済
技術分野 ダンパーとばねの組合せ装置
主要キーワード 外側対向面 内側対向面 各対向壁 内側取付部材 外側取付部材 横断面視 中心軸線周り 楕円筒状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

液体粘性を高くしても、微小振動に対する動的ばね定数の上昇を抑制できる防振装置を提供する。

解決手段

防振装置1は、筒状の外側取付部材2と、外側取付部材の内側に配設された内側取付部材3と、弾性体4と、液室5と、環状のフランジ部材6と、を有する。弾性体は、外側取付部材と内側取付部材とを連結する。液室は弾性体を壁面の一部として外側取付部材の内側に形成され、液体が封入される。フランジ部材は液室内に配設され、内側に内側取付部材が挿通される。フランジ部材は、内側取付部材に対して変位可能に配設される。フランジ部材の内周面には、内側取付部材の外周面に形成された被係合部3bと係合して、フランジ部材の内側取付部材に対する一定以上の変位を規制する係合部6aが形成されている。

概要

背景

従来から、筒状の外側取付部材と、内側取付部材と、弾性体と、フランジ部と、を備えた防振装置が知られている。
例えば下記特許文献1に記載の構成では、外側取付け部材振動発生部および振動受部のうちの一方に連結されている。内側取付部材は、振動発生部および振動受部のうちの他方に連結されるとともに、外側取付部材の内側に配設されている。弾性体は、外側取付部材と内側取付部材とを連結している。外側取付部材の内側には、弾性体を壁面の一部とした液室が形成されている。液室には、液体封入されている。フランジ部は、液室内において内側取付部材の外周面に固定され、内側取付部材から外側取付部材に向かって延びている。
上記の構成によれば、防振装置に振動が入力されると、フランジ部の液室内での移動に伴う抵抗が発生することにより、この振動を減衰させることができる。一方で、フランジ部が外側取付部材に当接することで、内側取付部材の外側取付部材に対する過度変位を抑制することができる。

概要

液体の粘性を高くしても、微小振動に対する動的ばね定数の上昇を抑制できる防振装置を提供する。防振装置1は、筒状の外側取付部材2と、外側取付部材の内側に配設された内側取付部材3と、弾性体4と、液室5と、環状のフランジ部材6と、を有する。弾性体は、外側取付部材と内側取付部材とを連結する。液室は弾性体を壁面の一部として外側取付部材の内側に形成され、液体が封入される。フランジ部材は液室内に配設され、内側に内側取付部材が挿通される。フランジ部材は、内側取付部材に対して変位可能に配設される。フランジ部材の内周面には、内側取付部材の外周面に形成された被係合部3bと係合して、フランジ部材の内側取付部材に対する一定以上の変位を規制する係合部6aが形成されている。

目的

本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、液体の粘性を高くしても、微小振動に対する動的ばね定数の上昇を抑制できる防振装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の外側取付部材、および他方に連結されるとともに、前記外側取付部材の内側に配設された内側取付部材と、前記外側取付部材と前記内側取付部材とを連結する弾性体と、前記弾性体を壁面の一部として前記外側取付部材の内側に形成されるとともに、液体封入される液室と、前記液室内に配設され、内側に前記内側取付部材が挿通された環状のフランジ部材と、を有し、前記フランジ部材は、前記内側取付部材に対して変位可能に配設され、前記フランジ部材の内周面には、前記内側取付部材の外周面に形成された被係合部と係合して、前記フランジ部材の前記内側取付部材に対する一定以上の変位を規制する係合部が形成されていることを特徴とする防振装置

請求項2

前記係合部と前記被係合部との間において、少なくとも一方向における隙間が全域にわたって同等であることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。

請求項3

前記一方向は、前記外側取付部材の中心軸線に沿う軸方向に直交する方向であり、前記フランジ部材は、前記内側取付部材の外周面のうち前記被係合部を回避した内側対向面に対向する外側対向面を有し、前記内側対向面と前記外側対向面との間の前記一方向における隙間が全域にわたって、前記係合部と前記被係合部との間の前記一方向における隙間と同等であることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。

請求項4

前記内側取付部材と前記フランジ部材との間の、前記外側取付部材の中心軸線に沿う軸方向に直交する方向における隙間が、前記フランジ部材の前記軸方向における全長にわたって同等であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置。

請求項5

前記フランジ部材は、前記外側取付部材の中心軸線周りに沿う周方向に分割された複数の分割体からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の防振装置。

請求項6

前記係合部は、前記外側取付部材の中心軸線周りに沿う周方向に延びる凸部または凹部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の防振装置。

請求項7

前記フランジ部材および前記内側取付部材のうちの少なくとも一方には、前記フランジ部材の前記内側取付部材に対する前記外側取付部材の中心軸線周りに沿う周方向の回転を規制する回転規制部が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の防振装置。

技術分野

0001

本発明は、防振装置に関するものである。

背景技術

0002

従来から、筒状の外側取付部材と、内側取付部材と、弾性体と、フランジ部と、を備えた防振装置が知られている。
例えば下記特許文献1に記載の構成では、外側取付け部材振動発生部および振動受部のうちの一方に連結されている。内側取付部材は、振動発生部および振動受部のうちの他方に連結されるとともに、外側取付部材の内側に配設されている。弾性体は、外側取付部材と内側取付部材とを連結している。外側取付部材の内側には、弾性体を壁面の一部とした液室が形成されている。液室には、液体封入されている。フランジ部は、液室内において内側取付部材の外周面に固定され、内側取付部材から外側取付部材に向かって延びている。
上記の構成によれば、防振装置に振動が入力されると、フランジ部の液室内での移動に伴う抵抗が発生することにより、この振動を減衰させることができる。一方で、フランジ部が外側取付部材に当接することで、内側取付部材の外側取付部材に対する過度変位を抑制することができる。

先行技術

0003

特開平7−269641号公報

発明が解決しようとする課題

0004

例えば自動車シェイク振動など、比較的振幅が大きく周波数が小さい振動の減衰効果を高めるために、粘性が高い液体を用いる場合がある。液体の粘性を高くすると、例えばアイドル振動など、比較的振幅が小さく周波数が大きい振動(以下、微小振動という)に対して、防振装置全体の動的ばね定数が上がって防振効果が低下する場合がある。

0005

本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、液体の粘性を高くしても、微小振動に対する動的ばね定数の上昇を抑制できる防振装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明の防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の外側取付部材、および他方に連結されるとともに、前記外側取付部材の内側に配設された内側取付部材と、前記外側取付部材と前記内側取付部材とを連結する弾性体と、前記弾性体を壁面の一部として前記外側取付部材の内側に形成されるとともに、液体が封入される液室と、前記液室内に配設され、内側に前記内側取付部材が挿通された環状のフランジ部材と、を有し、前記フランジ部材は、前記内側取付部材に対して変位可能に配設され、前記フランジ部材の内周面には、前記内側取付部材の外周面に形成された被係合部と係合して、前記フランジ部材の前記内側取付部材に対する一定以上の変位を規制する係合部が形成されていることを特徴とする。

0007

本発明の防振装置によれば、フランジ部材が内側取付部材に対して変位可能であるため、防振装置に微小振動が入力された場合には、フランジ部材が内側取付部材の変位に追従せずに、液室内でフランジ部材が微小振動するのが抑制される。これにより、粘性の高い液体が封入された液室内でフランジ部材が微小振動することによる、動的ばね定数の上昇を抑制することができる。
一方で、係合部と被係合部とが互いに係合して、フランジ部材の内側取付部材に対する一定以上の変位を規制するため、入力振動の振幅が大きい場合は、フランジ部材が内側取付部材に追従して一体に変位する。これにより、振幅が大きい振動に対しては、粘度の高い液体内でフランジ部材が変位して抵抗を発生させることによる振動の減衰効果を得ることができる。さらに、内側取付部材が大きく変位した際に、内側に内側取付部材が挿通された環状のフランジ部材が、外側取付部材や弾性体などの他の部分に当接することで、内側取付部材の過剰な変位を防止することができる。

0008

ここで、前記係合部と前記被係合部との間において、少なくとも一方向における隙間が全域にわたって同等であってもよい。

0009

この場合、係合部と被係合部との間の隙間が全域にわたって同等であるため、この隙間が同等となる方向の振動が入力された場合に係合部と被係合部とが互いに接触する部分の面積が大きくなり、局所的に過度な応力が集中する箇所が生ずるのを抑止することができる。

0010

また、前記一方向は、前記外側取付部材の中心軸線に沿う軸方向に直交する方向であり、前記フランジ部材は、前記内側取付部材の外周面のうち前記被係合部を回避した内側対向面に対向する外側対向面を有し、前記内側対向面と前記外側対向面との間の前記一方向における隙間が全域にわたって、前記係合部と前記被係合部との間の前記一方向における隙間と同等であってもよい。

0011

この場合、径方向において、フランジ部材の外側対向面と内側取付部材の内側対向面との間の隙間が、係合部と被係合部との間の隙間と同等であるため、フランジ部材が内側取付部材に対して径方向に変位した際に、係合部および被係合部に加えて外側対向面および内側対向面が互いに接触する。これにより、フランジ部材と内側取付部材とが互いに接触する部分の面積がさらに大きくなり、応力が集中する箇所が生じるのを確実に抑えることができる。

0012

また、前記内側取付部材と前記フランジ部材との間の、前記外側取付部材の中心軸線に沿う軸方向に直交する方向における隙間が、前記フランジ部材の前記軸方向における全長にわたって同等であってもよい。

0013

この場合、内側取付部材とフランジ部材との間の径方向における隙間が、フランジ部材の軸方向における全長にわたって同等であるため、フランジ部材が径方向に変位する際のフランジ部材と内側取付部材との間の接触面積をより一層大きくして、応力が集中する箇所が生じるのをより確実に抑えることができる。

0014

また、前記フランジ部材は、前記外側取付部材の中心軸線周りに沿う周方向に分割された複数の分割体からなっていてもよい。

0015

この場合、フランジ部材が周方向に分割されているため、内側取付部材を径方向に挟むようにして、フランジ部材を内側取付部材に対して取り付けることができる。これにより、フランジ部材を内側取付部材に対して変位可能に配設し、かつ一定以上の変位を規制する構造を容易に構成することができる。

0016

また、前記係合部は、前記外側取付部材の中心軸線周りに沿う周方向に延びる凸部または凹部であってもよい。

0017

この場合、係合部と被係合部との係合を凹部および凸部により実現することが可能となり、フランジ部材を内側取付部材に対して変位可能に配設し、かつ一定以上の変位を規制する構造を容易に構成することができる。

0018

また、前記フランジ部材および前記内側取付部材のうちの少なくとも一方には、前記フランジ部材の前記内側取付部材に対する前記外側取付部材の中心軸線周りに沿う周方向の回転を規制する回転規制部が形成されていてもよい。

0019

この場合、フランジ部材の内側取付部材に対する中心軸線周りの相対的な回転を規制することができるため、例えば係合部または被係合部が周方向の一部にのみ形成されている場合に、これらを確実に係合させることができる。

発明の効果

0020

本発明によれば、液体の粘性を高くしても、微小振動に対する動的ばね定数の上昇を抑制できる防振装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

本実施形態の防振装置の断面図である。
図1の防振装置の拡大図である。
図2の防振装置のA−A断面矢視図である。

実施例

0022

以下、本実施形態に係る防振装置1の構成を、図1図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材の形状を認識可能とするために縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、防振装置1は円筒状の外側取付部材2と、円筒状の内側取付部材3と、一対の弾性体4と、外側取付部材2内の液室5に配設されたフランジ部材6と、を有する。一例として、内側取付部材3は自動車エンジンなどの振動発生部へ、外側取付部材2は車体などの振動受部へそれぞれ連結される。

0023

ここで本実施形態では、外側取付部材2の中心軸線Oに沿った方向を軸方向といい、軸方向から見た側面視において、中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O周り周回する方向を周方向という。

0024

一対の弾性体4はそれぞれ、ゴム材料などにより形成されている。一対の弾性体4はそれぞれ、外側取付部材2と内側取付部材3とを連結している。一対の弾性体4は、中心軸線Oと同軸に配設され、表裏面が軸方向を向く環状に形成されている。一対の弾性体4の内周面はそれぞれ、内側取付部材3の外周面3aに連なっている。一対の弾性体4は、軸方向に互いに間隔をあけて配設されている。一対の弾性体4の表裏面のうち、防振装置1の内側を向く一対の壁面4aと、外側取付部材2の内周面2aと、内側取付部材3の外周面3aと、により先述の液室5が画成されている。液室5には、シリコンオイルなどの粘性の高い液体が封入されている。

0025

内側取付部材3は中心軸線Oと同軸上に配設されている。内側取付部材3の外周面3aには、周方向に延びる被係合部3bが形成されている。本実施形態における被係合部3bは、外周面3aから径方向の外側に向けて突出する凸部であるが、径方向の内側に向けて窪む凹部であってもよい。
図2に示すように、内側取付部材3がフランジ部材6に径方向に対向する部分のうち、被係合部3bを回避した部分(以下、内側対向面3cという)は、フランジ部材6の後述する外側対向面6bと径方向に対向している。

0026

図3に示すように、被係合部3bは一対の面取り部3d(回転規制部)を有する環状に形成されている。一対の面取り部3dは、互いに平行であり、中心軸線Oから各面取り部3dまでの距離が同等に配設されている。一対の面取り部3dは、それぞれ内側取付部材3の外周面3aに外接している。
図3に示すように、内側取付部材3の内周面は長丸穴状に形成されている。一対の面取り部3dはそれぞれ、この長丸穴の長手方向に沿って延在している。

0027

図1に示すように、フランジ部材6は環状に形成され、内側に内側取付部材3が挿通されている。フランジ部材6の外周面と外側取付部材2の内周面2aとの間には隙間W4が形成されている。フランジ部材6は、内側取付部材3に対して軸方向および径方向に変位可能に配設されている。フランジ部材6の内周面には、周方向に延びる係合部6aが形成されている。本実施形態における係合部6aは、フランジ部材6の内周面から径方向の外側に向けて窪む凹部であるが、径方向の外側に向けて突出する凸部であってもよい。
図2に示すように、フランジ部材6の内周面のうち、係合部6aを回避した部分は外側対向面6bとされている。外側対向面6bと、内側取付部材3の内側対向面3cと、は径方向に隙間W3をあけて互いに対向している。

0028

図2に示すように、内側取付部材3の被係合部3bは、フランジ部材6の係合部6a内に進入している。これにより、被係合部3bと係合部6aとは、軸方向の隙間W1および径方向の隙間W2をあけて互いに対向している。被係合部3bと係合部6aとの間の軸方向における隙間W1は、全域にわたって同等である。また、被係合部3bと係合部6aとの間の径方向における隙間W2は、全域にわたって同等である。
本実施形態では、外側対向面6bと内側対向面3cとの間の径方向における隙間W3が全域にわたって、被係合部3bと係合部6aとの間の径方向における隙間W2と同等である。これにより、内側取付部材3とフランジ部材6との間の径方向における隙間W2、W3が、フランジ部材6の軸方向における全長にわたって同等となっている。

0029

図3に示すように、フランジ部材6は、周方向に分割された2つの分割体7、8からなる。分割体7,8は互いに同等の形状となっている。これにより、例えば同一の射出成形型鋳型などを用いて分割体7,8を成形することができる。
フランジ部材6を組み立てる際には、内側取付部材3を径方向に挟むように分割体7,8を組み合わせる。なお、フランジ部材6は3つ以上の分割体からなっていてもよい。

0030

フランジ部材6は、内側取付部材3の一対の面取り部3dと各別に対向する一対の対向壁6c(回転規制部)を有する。一対の対向壁6cは、互いに平行であり、中心軸線Oから各対向壁6cまでの距離が同等に配設されている。
中心軸線O方向に直交する横断面視において、分割体7,8が互いに当接する分割面6d、6eはそれぞれ、一対の対向壁6cにおける端部に連なっている。また、横断面視において、分割面6d、6eに直交する方向における分割面6dおよび分割面6eの位置は、互いに異なっている。

0031

次に、以上のように構成された防振装置1の作用について説明する。

0032

例えば自動車エンジンのアイドル振動などの微小振動が防振装置1に入力されると、内側取付部材3が外側取付部材2に対して微小振動する。この微小振動の振幅が、内側取付部材3とフランジ部材6との間に形成された隙間W1〜W3以下である場合には、フランジ部材6は内側取付部材3に追従して変位しない。このため、フランジ部材6が液室5内で微小振動せずに、動的ばね定数の上昇を抑制することができる。その一方で、内側取付部材3が外側取付部材2に対して微小振動することで弾性体4を弾性変形させて、弾性体4の内部摩擦によって微小振動を減衰させることができる。

0033

一方、自動車エンジンのシェイク振動など、比較的振幅が大きく周波数が小さい振動が防振装置1に入力されると、フランジ部材6は内側取付部材3に追従して変位する。より詳しくは、軸方向において係合部6aと被係合部3bとの間の隙間W1よりも振幅が大きい振動が入力された場合には、被係合部3bと係合部6aとが軸方向に接触する。これにより、フランジ部材6の内側取付部材3に対する隙間W1を超えた軸方向における変位が規制される。その結果、内側取付部材3の軸方向の変位に追従して、フランジ部材6が液室5内で軸方向に変位する。液室5内には高粘度の液体が封入されているため、フランジ部材6が液室5内で変位すると抵抗が生じる。この抵抗と、弾性体4の内部摩擦とにより、振幅の大きい振動を減衰させることができる。

0034

なお、フランジ部材6と外側取付部材2との間には隙間W4が形成されているため、フランジ部材6の変位に伴って、液体はこの隙間W4を通して流動することができる。これにより、フランジ部材6が液室5内で変位する際の抵抗が過剰に大きくなるのを防止することができる。また、内側取付部材3が外側取付部材2に対して、軸方向に大きく変位した場合、フランジ部材6が弾性体4に接触する。これにより、内側取付部材3が外側取付部材2に対して軸方向に過剰に変位するのを抑止することができる。
なお、フランジ部材6と外側取付部材2との間の隙間W4をオリフィスとして機能させてもよい。

0035

径方向においてフランジ部材6と内側取付部材3との間の隙間W2、W3よりも振幅が大きい振動が入力された場合には、係合部6aおよび被係合部3bと、外側対向面6bおよび内側対向面3cと、が径方向に接触する。これにより、フランジ部材6の内側取付部材3に対する隙間W2、W3を超えた径方向における変位が規制される。その結果、内側取付部材3の径方向の変位に追従して、フランジ部材6が液室5内で径方向に変位する。内側取付部材3が径方向に大きく変位した場合、フランジ部材6の外周縁が外側取付部材2の内周面2aに接触する。これにより、内側取付部材3が外側取付部材2に対して径方向に過剰に変位するのを抑止することができる。

0036

以上説明したように、本実施形態の防振装置1によれば、フランジ部材6が内側取付部材3に対して変位可能であるため、防振装置1に微小振動が入力された場合には、フランジ部材6が内側取付部材3の変位に追従せずに、液室5内でフランジ部材6が微小振動するのが抑制される。これにより、粘性の高い液体が封入された液室5内でフランジ部材6が微小振動することによる、動的ばね定数の上昇を抑制することができる。
一方で、係合部6aと被係合部3bとが互いに係合して、フランジ部材6の内側取付部材3に対する一定以上の変位を規制するため、入力振動の振幅が大きい場合は、フランジ部材6が内側取付部材3に追従して一体に変位する。これにより、振幅が大きい振動に対しては、粘度の高い液体内でフランジ部材6が変位して抵抗を発生させることによる振動の減衰効果を得ることができる。さらに、内側取付部材3が大きく変位した際に、内側に内側取付部材3が挿通された環状のフランジ部材6が、外側取付部材2や弾性体4などの他の部分に当接することで、内側取付部材3の過剰な変位を防止することができる。

0037

また、係合部6aと被係合部3bとの間において、軸方向における隙間W1が全域にわたって同等であるため、軸方向の振動が入力された場合に係合部6aと被係合部3bとが互いに接触する部分の面積が大きくなり、局所的に過度な応力が集中する箇所が生ずるのを抑止することができる。同様に、係合部6aと被係合部3bとの間において、径方向における隙間W2が全域にわたって同等であるため、径方向の振動が入力された場合に係合部6aと被係合部3bとが互いに接触する部分の面積が大きくなり、局所的に過度な応力が集中する箇所が生ずるのを抑止することができる。

0038

また、径方向においてフランジ部材6の外側対向面6bと内側取付部材3の内側対向面3cとの間の隙間W3が、係合部6aと被係合部3bとの間の隙間W2と同等であるため、フランジ部材6が内側取付部材3に対して径方向に変位した際に、係合部6aおよび被係合部3bに加えて外側対向面6bおよび内側対向面3cが互いに接触する。これにより、フランジ部材6と内側取付部材3とが互いに接触する部分の面積がさらに大きくなり、応力が集中する箇所が生じるのを確実に抑えることができる。

0039

また、内側取付部材3とフランジ部材6との間の径方向における隙間W2、W3が、フランジ部材6の軸方向における全長にわたって同等であるため、フランジ部材6が径方向に変位する際の、フランジ部材6と内側取付部材3との間の接触面積をより一層大きくして、応力が集中する箇所が生じるのをより確実に抑えることができる。

0040

また、係合部6aと被係合部3bとの係合を凹部および凸部により実現しているため、フランジ部材6を内側取付部材3に対して変位可能に配設し、かつ一定以上の変位を規制する構造を容易に構成することができる。

0041

また、フランジ部材6の内側取付部材3に対する中心軸O周りの回転が、内側取付部材3の面取り部3dおよびフランジ部材6の対向壁6cにより規制されるため、例えば係合部6aまたは被係合部3bが周方向の一部にのみ形成されている場合であっても、これらを確実に係合させることができる。

0042

なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

0043

例えば、前記実施形態では、内側取付部材3とフランジ部材6との間の径方向における隙間W2、W3が、フランジ部材6の軸方向における全長にわたって同等に形成されていたが、隙間W2、W3のうち軸方向における一部分が同等に形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、外側取付部材2および内側取付部材3は円筒状に形成されていたが、これに限られず、例えば楕円筒状に形成された外側取付部材2および内側取付部材3を用いてもよい。同様に、フランジ部材6を楕円形の環状に形成してもよい。

0044

また、前記実施形態では、回転規制部として一対の面取り部3dおよび一対の対向壁6cを内側取付部材3およびフランジ部材6に各別に形成したが、回転規制部の形態はこれに限られない。例えば、面取り部3dや対向壁6cは、それぞれ1つずつ形成されていてもよい。また、凹凸形状によってフランジ部材6の相対的な回転を規制してもよい。また、フランジ部材6の相対的な回転を規制できれば、回転規制部はフランジ部材6または内側取付部材3のいずれか一方のみに形成されていてもよい。また、係合部6aおよび被係合部3bの周方向の位置を合せる必要が無い場合などには、このような回転規制部を設けなくてもよい。

0045

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。

0046

1…防振装置、2…外側取付部材、3…内側取付部材、3a…外周面、3b…被係合部、3c…内側対向面、3d…面取り部(回転規制部)、4…弾性体、5…液室、6…フランジ部材、6a…係合部、6b…外側対向面、7…分割体、8…分割体、O…中心軸線

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