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技術 点火制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 中村聡志中野智洋
出願日 2016年5月18日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-099767
公開日 2017年11月24日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-207006
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の点火装置
主要キーワード 略三角波形 製品バラツキ 投入回路 点火用スイッチ 昇圧用スイッチ 放電継続 アース接地 エネルギー制御
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月24日)のものです。
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図面 (6)

課題

点火コイルが備える1次コイル投入される電気エネルギーを最適化する。

解決手段

点火制御装置は、1次コイルと2次コイルとを含む点火コイルと、スイッチング手段のオンオフにより、コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを点火プラグ放電開始後に1次コイルに投入して1次コイルに1次電流を流すエネルギー投入部と、1次電流の通電により2次コイルに流れる2次電流が目標値を維持するように、スイッチング手段のスイッチング周波数を変更して1次コイルに投入する電気エネルギーを制御するエネルギー制御部と、1次コイルに電気エネルギーを投入している期間又はスイッチング手段がオンされている期間における1次電流の変化の傾きを取得する取得部と、を備え、エネルギー制御部は、1次電流の変化の傾きが緩慢なほどスイッチング周波数を増加させ、1次電流の変化の傾きが急峻なほどスイッチング周波数を低下させる。

概要

背景

1次コイルへの通電及び遮断によって点火プラグ火花放電を生じさせた後、エネルギー投入回路から断続的に1次コイルに電気エネルギー投入し、2次コイルを流れる2次電流を所定の目標値に維持する点火装置が提案されている(例えば、特許文献1)。

概要

点火コイルが備える1次コイルへ投入される電気エネルギーを最適化する。点火制御装置は、1次コイルと2次コイルとを含む点火コイルと、スイッチング手段のオンオフにより、コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを点火プラグの放電開始後に1次コイルに投入して1次コイルに1次電流を流すエネルギー投入部と、1次電流の通電により2次コイルに流れる2次電流が目標値を維持するように、スイッチング手段のスイッチング周波数を変更して1次コイルに投入する電気エネルギーを制御するエネルギー制御部と、1次コイルに電気エネルギーを投入している期間又はスイッチング手段がオンされている期間における1次電流の変化の傾きを取得する取得部と、を備え、エネルギー制御部は、1次電流の変化の傾きが緩慢なほどスイッチング周波数を増加させ、1次電流の変化の傾きが急峻なほどスイッチング周波数を低下させる。

目的

そこで、本明細書開示の点火制御装置は、点火コイルが備える1次コイルへ投入される電気エネルギーを最適化することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

1次コイルと2次コイルとを含む点火コイルと、コンデンサスイッチング手段とを含み、前記スイッチング手段のオンオフにより、前記コンデンサに蓄えられた電気エネルギー点火プラグ放電開始後に前記1次コイルに投入して前記1次コイルに1次電流を流すエネルギー投入部と、前記1次コイルに前記1次電流が流れることにより前記2次コイルに流れる2次電流が目標値を維持するように、前記スイッチング手段のスイッチング周波数を変更して前記エネルギー投入部から前記1次コイルに投入する前記電気エネルギーを制御するエネルギー制御部と、前記1次コイルに前記電気エネルギーを投入している期間における前記1次電流の変化の傾き、又は、前記スイッチング手段がオンされている期間における前記1次電流の変化の傾きを取得する取得部と、を備え、前記エネルギー制御部は、前記1次電流の変化の傾きが緩慢なほど前記スイッチング周波数を増加させ、前記1次電流の変化の傾きが急峻なほど前記スイッチング周波数を低下させる、点火制御装置

技術分野

0001

本発明は、点火制御装置に関する。

背景技術

0002

1次コイルへの通電及び遮断によって点火プラグ火花放電を生じさせた後、エネルギー投入回路から断続的に1次コイルに電気エネルギー投入し、2次コイルを流れる2次電流を所定の目標値に維持する点火装置が提案されている(例えば、特許文献1)。

先行技術

0003

特開2015−200255号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記技術において、1次コイルに投入される電気エネルギーは、2次コイルに流れる2次電流の目標値を維持できるように制御される。ところが、個々の点火コイル(1次コイル)の抵抗インダクタンスは、製品バラツキ使用環境、及び経年劣化等に起因してばらつくのが一般的である。そのため、1次コイルの特性(抵抗およびインダクタンス)のばらつきを考慮せずに2次電流の目標値に基づいて一律に1次コイルに投入される電気エネルギーを制御すると、点火プラグへ供給される電流不足して混合気着火できなくなり、排気ガス還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)制御や筒内において理論空燃比よりも高いリーン空燃比で混合気を燃焼させるリーン燃焼の実行を中止せざるをえず、燃費が悪化するおそれがある。あるいは、必要以上の電流が点火プラグに流れ、点火プラグの電極が消耗するおそれがある。

0005

そこで、本明細書開示の点火制御装置は、点火コイルが備える1次コイルへ投入される電気エネルギーを最適化することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

かかる課題を解決するために、本明細書に開示された点火制御装置は、1次コイルと2次コイルとを含む点火コイルと、コンデンサスイッチング手段とを含み、前記スイッチング手段のオンオフにより、前記コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを点火プラグの放電開始後に前記1次コイルに投入して前記1次コイルに1次電流を流すエネルギー投入部と、前記1次コイルに前記1次電流が流れることにより前記2次コイルに流れる2次電流が目標値を維持するように、前記スイッチング手段のスイッチング周波数を変更して前記エネルギー投入部から前記1次コイルに投入する前記電気エネルギーを制御するエネルギー制御部と、前記1次コイルに前記電気エネルギーを投入している期間における前記1次電流の変化の傾き、又は、前記スイッチング手段がオンされている期間における前記1次電流の変化の傾きを取得する取得部と、を備え、前記エネルギー制御部は、前記1次電流の変化の傾きが緩慢なほど前記スイッチング周波数を増加させ、前記1次電流の変化の傾きが急峻なほど前記スイッチング周波数を低下させる。

発明の効果

0007

本明細書開示の点火制御装置によれば、点火コイルが備える1次コイルへ投入する電気エネルギーを最適化することができる。

図面の簡単な説明

0008

図1は、一実施形態に係る点火制御装置が適用された点火システムの構成を示す概略図である。
図2は、点火システムの動作を示すタイムチャートである。
図3は、ECUが実行するスイッチング周波数変更処理の一例を示すフローチャートである。
図4(a)〜図4(d)は、1次電流の変化の傾きと2次電流との関係を説明するための図である。
図5は、スイッチング周波数マップの一例を示す図である。

実施例

0009

以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。

0010

図1は、一実施形態に係る点火制御装置が適用された点火システム1の構成を示す概略図である。本実施形態に係る点火システム1は、車両走行用火花点火エンジンに搭載され、所定の点火時期燃焼室内の混合気に点火する。なお、エンジンの一例は、ガソリン燃料とする希薄燃焼リーンバーン)が可能な直噴式エンジンであり、気筒内にタンブル流スワール流等の混合気の旋回流を生じさせる旋回流コントロール手段を備える。また、本実施形態において点火システム1は、各気筒の点火プラグ2ごとに対応した点火コイル3を用いるDI(ダイレクトイグニッション)タイプである。

0011

点火システム1は、ECU(Electronic Control Unit)4を備える。ECU4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU4は、制御に使用する各種マップ(後述するスイッチング周波数マップを含む)をROMや記憶装置に記憶している。また、ECU4は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより後述するスイッチング周波数変更処理等を実行する。なお、ECU4は、エネルギー制御部及び取得部の一例である。

0012

ECU4には、車両に搭載されてエンジンの運転状態制御状態を示すパラメータ暖機状態エンジン回転速度、エンジン負荷、希薄燃焼の有無、旋回流の程度等)を検出する各種センサから信号が入力される。ECU4は、各種センサから取得したエンジンパラメータに応じた点火信号IGt、放電継続信号IGw、及び目標二次電流信号IGAを生成して出力する。点火信号IGtは、後述する主点回路8において1次コイル5に磁気エネルギーを蓄えさせる期間および点火開始時期指令する信号である。放電継続信号IGwは、継続火花放電(詳細は後述する)を継続する期間を指令する信号である。目標二次電流信号IGAは、2次コイル6に流れる2次電流I2の目標値(以下、維持目標電流値と呼ぶ)を指示する信号である。なお、ECU4は、維持目標電流値をエンジンの負荷及び回転数等から定められる運転領域に応じて放電を良好に維持可能な程度の電流値に設定する。ECU4は、点火信号IGt及び放電継続信号IGwにより1次コイル5の通電を制御して点火コイル3の2次コイル6に生じる電気エネルギーを操作し、点火プラグ2の火花放電を制御する。

0013

また、ECU4は、後述するエネルギー投入回路9に含まれる投入用スイッチング手段24のスイッチング周波数を指示する周波数信号SFを後述する投入用ドライバ回路25に出力する。

0014

また、本実施形態に係る点火システム1は、フルトラに基づき火花放電(以下、主点火と呼ぶ)を発生させる主点火回路8と、主点火として生じた火花放電を電気エネルギーの追加投入により継続火花放電として継続させるエネルギー投入回路9を備える。また、点火システム1は、2次電流I2を検出してエネルギー投入回路9にフィードバックするフィードバック回路10と、1次コイル5に流れる電流(1次電流I1)を測定する1次電流センサ31と、を備える。1次電流センサ31の検出値は、ECU4に入力される。なお、エネルギー投入回路9はエネルギー投入部の一例である。

0015

なお、主点火回路8、エネルギー投入回路9、およびフィードバック回路10は、点火回路ユニットとして1つのケース内収容配置され、点火プラグ2、点火コイル3および点火回路ユニットは、気筒数同数設けられて気筒毎に設置される。

0016

点火プラグ2は、周知構造を有するものであり、2次コイル6の一端に接続される中心電極と、エンジンのシリンダヘッド等を介してアース接地される接地電極とを備え、2次コイル6に生じる電気エネルギーにより中心電極と接地電極との間で火花放電を生じさせる。

0017

点火コイル3は、1次コイル5と2次コイル6とを有し、1次コイル5を流れる電流(1次電流I1)の増減に応じて電磁誘導により2次コイル6に電流(2次電流I2)を発生させる周知構造である。

0018

1次コイル5の一端は車載バッテリ12のプラス電極に接続され、1次コイル5の他端は主点火回路8の点火用スイッチング手段13を介してアース接地される。さらに、1次コイル5の他端には、点火用スイッチング手段13を介してアース接地されるライン並列に、エネルギー投入回路9が接続されている。

0019

2次コイル6の一端は上述したように点火プラグ2の中心電極に接続され、2次コイル6の他端はフィードバック回路10に接続されている。なお、2次コイル6の他端は、2次電流I2の方向を一方向に限定する第1ダイオード14を介してフィードバック回路10に接続されている。

0020

主点火回路8は、1次コイル5の通電状態を断続する点火用スイッチング手段13を備える。主点火回路8は、点火用スイッチング手段13のオンオフにより、1次コイル5にエネルギーを蓄えさせるとともに、1次コイル5に蓄えたエネルギーを利用して2次コイル6に高電圧を発生させ、点火プラグ2に主点火を生じさせる。

0021

より具体的には、主点火回路8は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間に点火用スイッチング手段13をオンすることで、1次コイル5に車載バッテリ12の電圧印加してプラスの1次電流I1を通電し、1次コイル5に磁気エネルギーを蓄えさせる。その後、主点火回路8は、点火用スイッチング手段13のオフにより、電磁誘導によって磁気エネルギーを電気エネルギーに変換して2次コイル6に高電圧を発生させ、主点火を生じさせる。

0022

なお、点火用スイッチング手段13は、パワートランジスタMOS型トランジスタ等である。

0023

エネルギー投入回路9は、昇圧回路15と、投入エネルギー制御手段16とを備える。

0024

昇圧回路15は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間において車載バッテリ12の電圧を昇圧してコンデンサ18に蓄えさせる。

0025

投入エネルギー制御手段16は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーを1次コイル5のマイナス側(接地側)に投入する。

0026

昇圧回路15は、コンデンサ18以外に、チョークコイル19、昇圧用スイッチング手段20、昇圧用ドライバ回路21および第2ダイオード22を備える。なお、昇圧用スイッチング手段20は、例えば、MOS型トランジスタである。

0027

チョークコイル19は一端が車載バッテリ12のプラス電極に接続され、昇圧用スイッチング手段20によりチョークコイル19の通電状態が断続される。また、昇圧用ドライバ回路21は、昇圧用スイッチング手段20に制御信号を与えて昇圧用スイッチング手段20をオンオフさせるものであり、昇圧用スイッチング手段20のオンオフ動作により、チョークコイル19で蓄えた磁気エネルギーはコンデンサ18で電気エネルギーとして充電される。

0028

昇圧用ドライバ回路21は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間において昇圧用スイッチング手段20を所定周期で繰り返してオンオフするように設けられている。

0029

第2ダイオード22は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーがチョークコイル19側へ逆流するのを防ぐ。

0030

投入エネルギー制御手段16は、投入用スイッチング手段24、投入用ドライバ回路25および第3ダイオード26を備える。なお、投入用スイッチング手段24は、例えば、MOS型トランジスタである。投入用スイッチング手段24は、スイッチング手段の一例である。

0031

投入用スイッチング手段24は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーを1次コイル5にマイナス側から投入するのをオンオフする。

0032

投入用ドライバ回路25は、ECU4から入力された周波数信号SFに基づいて、投入用スイッチング手段24に制御信号を与えてオンオフさせる。より具体的には、投入用ドライバ回路25は、ECU4から入力された周波数信号SFに基づいて投入用スイッチング手段24をオンオフさせて、コンデンサ18から1次コイル5に投入する電気エネルギーを制御することで、放電継続信号IGwが与えられる期間において2次コイル6に流れる2次電流I2を維持目標電流値に維持させる。すなわち、放電継続信号IGwは、投入用スイッチング手段24にオンオフを繰り返させて昇圧回路15から1次コイル5に電気エネルギーを投入する期間を指令する信号であるといえる。

0033

第3ダイオード26は、1次コイル5からコンデンサ18への電流の逆流を阻止する。

0034

フィードバック回路10は、2次電流I2を検出してエネルギー投入回路9の投入エネルギー制御手段16にフィードバックする。

0035

フィードバック回路10には、2次電流I2を検出する2次電流検出抵抗28、および、フィードバック信号を合成して出力する電流検出回路29が設けられている。そして、2次電流I2の検出値は、2次電流検出抵抗28により電圧に変換されて電流検出回路29に出力される。また、電流検出回路29では、検出値と、ECU4から入力される維持目標電流値との比較に応じたフィードバック信号が合成されて投入用ドライバ回路25に出力される。

0036

次に、図2を参照して点火システム1の動作を説明する。なお、図2において、「IGt」は点火信号IGtの入力状態ハイ/ローで表すものであり、「IGw」は放電継続信号IGwの入力状態をハイ/ローで表すものである。また、「点火用スイッチング手段13」、「投入用スイッチング手段24」は、それぞれ、点火用スイッチング手段13、投入用スイッチング手段24のオンオフを表し、「I1」は1次電流I1(1次コイル5に流れる電流値)、「I2」は2次電流I2(2次コイル6に流れる電流値)を表す。なお、図2の記載において、1次電流I1及び2次電流I2は、図1に示す矢印方向の電流を正の値とし、矢印と反対方向の電流を負の値とする。

0037

点火信号IGtがローからハイへ切り替わると(時間t1参照)、点火信号IGtがハイの期間において、点火用スイッチング手段13がオン状態を維持してプラスの1次電流I1が流れ、1次コイル5に磁気エネルギーが蓄えられる。また、昇圧用スイッチング手段20がオンオフを繰り返して昇圧動作を行い、昇圧された電気エネルギーがコンデンサ18に蓄えられる。

0038

やがて、点火信号IGtがハイからローへ切り替わると(時間t2参照)、点火用スイッチング手段13がオフされ、1次コイル5の通電状態が突然遮断される。これにより、1次コイル5に蓄えられた磁気エネルギーが電気エネルギーに変換されて2次コイル6に高電圧が発生し、点火プラグ2において主点火が開始される。

0039

点火プラグ2において主点火が開始された後、2次電流I2は略三角波形状で減衰する(I2の破線を参照)。そして、2次電流I2が下限の閾値に到達する前に、放電継続信号IGwがローからハイへ切り替わる(時間t3参照)。

0040

放電継続信号IGwがローからハイへ切り替わると、周波数信号SFで指示されたスイッチング周波数に基づいて投入用スイッチング手段24がオンオフ制御されて、コンデンサ18に蓄えられていた電気エネルギーが、1次コイル5のマイナス側に順次投入され、1次電流I1は、1次コイル5から車載バッテリ12のプラス電極に向かって流れる。より具体的には、投入用スイッチング手段24がオンされる毎に1次コイル5から車載バッテリ12のプラス電極に向かう1次電流I1が追加され、1次電流I1が傾きSLでマイナス側に増加していく(時間t3〜t4参照)。

0041

そして、1次電流I1が追加される毎に、主点火による2次電流I2と同方向の2次電流I2が2次コイル6に順次追加され、2次電流I2は維持目標電流値を含む所定の範囲に維持される。

0042

以上により、投入用スイッチング手段24をオンオフ制御することで、2次電流I2が火花放電を維持可能な程度に継続して流れる。その結果、放電継続信号IGwのオン状態が続くと、継続火花放電が点火プラグ2において維持される。

0043

次に、ECU4が実行するスイッチング周波数変更処理について説明する。図3は、ECU4が実行するスイッチング周波数変更処理の一例を示すフローチャートである。

0044

図3の処理では、まず、ECU4は、1次電流センサ31の出力値に基づいて、継続火花放電期間(図2の時間t3〜t4)中の1次電流I1の変化の傾きSLを取得する(ステップS10)。なお、ECU4は、投入用スイッチング手段24がオンされている期間中の1次電流I1の変化の傾きを取得してもよい。

0045

次に、ECU4は、1次電流I1の変化の傾きSLから、図5に示すスイッチング周波数マップを用いて、継続火花放電期間に投入用スイッチング手段24をオンオフする回数、すなわち、スイッチング周波数を決定する(ステップS15)。

0046

ここで、スイッチング周波数の決定に用いるスイッチング周波数マップについて説明する。

0047

1次電流I1の変化の傾きSLは、1次コイル5の抵抗及びインダクタンスに依存する。より具体的には、1次コイル5の抵抗及びインダクタンスが高いほど1次電流I1の変化の傾きSLは緩慢となり、1次コイル5の抵抗及びインダクタンスが低いほど1次電流I1の変化の傾きSLは急峻となる。

0048

ここで、ECU4が、1次電流I1の変化の傾きSLの違いを考慮せず、例えば、平均的な点火コイルの1次コイルにおける1次電流I1の変化の傾きSLnを用いて投入用スイッチング手段24のスイッチング周波数を決定したとする。このとき、1次コイル5の傾きが、スイッチング周波数の決定に用いた傾きSLnと同一であれば、決定されたスイッチング周波数に基づいて1次コイル5に電気エネルギーを投入すれば、実際に2次コイル6を流れる2次電流I2は維持目標電流値に維持される(図4(b)参照)。

0049

一方、1次コイル5の抵抗及びインダクタンスが低く、1次電流I1の変化の傾きがスイッチング周波数の決定に用いた傾きSLnよりも急峻な傾きSLsであったとする。この場合、ECU4が決定したスイッチング周波数で投入用スイッチング手段24のオンオフを行うと、必要以上の電気エネルギーが1次コイル5に投入され、実際に2次コイル6を流れる電流は維持目標電流値よりも大きくなる(図4(c)参照)。このため、必要以上の電流が点火プラグ2に流れ、点火プラグ2の電極が消耗してしまうおそれがある。

0050

また、1次コイル5の抵抗及びインダクタンスが高く、1次電流I1の変化の傾きがスイッチング周波数の決定に用いた傾きSLnよりも緩慢な傾きSLgであったとする。この場合、ECU4が決定したスイッチング周波数で投入用スイッチング手段24のオンオフを行うと、1次コイル5に投入される電気エネルギーが不足し、実際に2次コイル6を流れる電流は維持目標電流値よりも小さくなってしまう(図4(d)参照)。このとき、実際に2次コイル6を流れる電流が混合気への着火を担保する下限値以下となってしまうと混合気へ着火できないため、例えば、EGR制御リーン制御の実行を中止しなければならず、燃費が悪化するおそれがある。

0051

そこで、本実施形態に係るスイッチング周波数マップでは、図5に示すように、1次電流I1の変化の傾きSLが緩慢なほどスイッチング周波数が高くなり、1次電流I1の変化の傾きが急峻なほどスイッチング周波数が低くなるよう、1次電流I1の変化の傾きとスイッチング周波数との関係が定義されている。

0052

したがって、ECU4は、1次電流I1の変化の傾きSLが急峻なほどスイッチング周波数を低下させ、1次コイル5に必要以上に電気エネルギーが供給されるのを抑制する。これにより、点火プラグ2に必要以上の電流が流れることにより点火プラグ2の電極が消耗するのを抑制することができる。また、ECU4は、1次電流I1の変化の傾きSLが緩慢なほどスイッチング周波数を増加させる。これにより、EGR制御やリーン燃焼の実行に必要な量の電流を点火プラグ2に供給することができるので、EGR制御やリーン燃焼を継続することができ、燃費が向上する。

0053

図3戻り、ECU4は決定したスイッチング周波数を指示する周波数信号SFを投入用ドライバ回路25に出力し(ステップS17)、図3の処理を終了する。投入用ドライバ回路25は、周波数信号SFに基づいて、投入用スイッチング手段24をオンオフし、1次コイル5に電気エネルギーを投入する。

0054

上述の説明から明らかなように、本実施形態に係る点火システム1は、1次コイル5と2次コイル6とを含む点火コイル3と、コンデンサ18と投入用スイッチング手段24を含み、コンデンサ18に蓄えられた電気エネルギーを点火プラグ2の放電開始後に1次コイル5に投入して、1次コイル5に1次電流I1を流すエネルギー投入回路9と、ECU4と、を備える。ECU4は、1次コイル5に流れる1次電流I1によって2次コイル6に流れる2次電流I2が維持目標電流値を維持するように、投入用スイッチング手段24のスイッチング周波数を変更してエネルギー投入回路9から1次コイル5に投入する電気エネルギーを制御する。また、ECU4は、1次コイル5に電気エネルギーを投入している期間における1次電流I1の変化の傾き、又は、投入用スイッチング手段24がオンされている期間における1次電流I1の変化の傾きを取得する。そして、ECU4は、1次電流I1の変化の傾きが緩慢なほどスイッチング周波数を増加させ、1次電流I1の変化の傾きが急峻なほどスイッチング周波数を低下させる。これにより、1次コイル5の特性(抵抗及びインダクタンス)に応じて最適な電気エネルギーを1次コイル5に投入することが出来る。より具体的には、ECU4は、1次コイル5のインダクタンスが低く1次電流I1の変化の傾きが急峻な場合には、スイッチング周波数を低下させ、1次コイル5に必要以上に電気エネルギーが供給されるのを抑制する。これにより、点火プラグ2に必要以上の電流が流れることにより点火プラグ2の電極が消耗するのを抑制することができる。また、ECU4は、1次コイル5のインダクタンスが高く1次電流I1の変化の傾きが緩慢な場合には、スイッチング周波数を増加させることで、必要な電気エネルギーが1次コイル5に投入されるようにする。これにより、EGR制御の実行やリーン燃焼の実行に必要な量の電流を点火プラグ2に供給することができ、EGR制御やリーン燃焼を継続できるため、燃費を向上させることができる。

0055

なお、上記実施形態においては、ECU4が、投入用スイッチング手段24のスイッチング周波数を決定していたが、投入用ドライバ回路25が、投入用スイッチング手段24のスイッチング周波数を決定してもよい。この場合、投入用ドライバ回路25にスイッチング周波数マップを記憶させ、1次電流センサ31の検出値を投入用ドライバ回路25に入力するようにすればよい。この場合、投入用ドライバ回路25が、取得部及びエネルギー制御部の一例となる。

0056

また、上記実施形態において、スイッチング周波数マップ(図5)において、1次電流I1の変化の傾きとスイッチング周波数との関係を示す曲線は直線で表されているがこれに限られるものではなく、1次電流I1の変化の傾きが緩慢になるほどスイッチング周波数が高くなるのであれば、両者の関係を示す曲線はどのような形状をしていてもよい。

0057

上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。

0058

1点火システム(点火制御装置)
3点火コイル
4 ECU(エネルギー制御部、取得部)
5 1次コイル
6 2次コイル
9エネルギー投入回路(エネルギー投入部)
18コンデンサ
24 投入用スイッチング手段(スイッチング手段)

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