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図面 (6)

課題

エンジン過熱放置することなく冷却して、エンジンの不具合を防止することができる車両用エンジン制御装置を提供する。

解決手段

エンジン10の稼働を制御するコントロールユニット50と、冷却水循環させる冷却水ポンプ30と、冷却水が流れるラジエタ32に送風する冷却ファン33と、シリンダヘッド12の温度を検出する温度センサ40と、を有し、コントロールユニット50は、温度センサ40で検出されるシリンダヘッド12の温度が所定の基準温度T1以下になるまで冷却水ポンプ30及び冷却ファン33を作動させる。これにより、エンジン10を適切に冷却し、過熱によるエンジン10の損傷等を防止することができる。また、エンジン10の冷やし過ぎを防止することができる。

概要

背景

一般に、車両のエンジンを停止させると、エンジンの駆動力によって稼働する冷却装置も同時に停止する。停止直後のエンジンは高温であり、部分的には稼働時よりも温度が高くなる箇所もある。そのため、高速走行登坂走行等、エンジン負荷が高い状態で走行した直後にエンジンを停止すると、過熱によりエンジンに不具合が生ずる恐れがある。

即ち、高温状態でエンジンの稼働が停止されることにより、高温の部分から低温の部分に熱が移動し、稼働中は冷却水燃料オイル等の流れによって冷却されていた低温の部分の温度が異常上昇する。これにより、熱による部品等の変形や、冷却水の蒸発、燃料やエンジンオイルの蒸発、炭化等が起こる。その結果、例えば、シリンダヘッドシリンダブロック等に異常な歪みが起こり、シリンダヘッドとシリンダブロックとの密着不良が生じる。これにより、ガスケットに隙間が生じ、若しくはガスケットが破損し、冷却水及び高圧燃焼ガス漏れ等が生ずる。

また、エンジンの温度が異常上昇することにより、例えば、過給機燃料噴射ノズル等の焼き付きが起こる。燃料噴射ノズルに焼き付きや詰まり、変形等が生じると、燃焼室内への燃料の垂れ流しや異常噴射等が起こる。また、例えば、ピストンシリンダライナ内にて膨張してピストンリングを介してシリンダライナ張り付くことによって、またはピストンがシリンダライナに張り付いた直後の再稼働によって、ピストンの焼き付きや、ピストン頭部の疲労破壊、ピストンリングの破損等が生ずる。また、例えば、サーモスタットが固着することにより、エンジンの継続的な冷却不良が起こる。このように、エンジンの温度の異常上昇により、種々の不具合が生ずる。

従来、このような稼働停止後の過熱によるエンジンの損傷を防ぐために、イグンッションスイッチがオフにされた後、タイマ手段によってエンジンの停止を遅延させ、一定時間アイドリングを行ってエンジンを冷却することが知られている。

例えば、特許文献1には、イグニッションスイッチオン、オフを検出するための電子制御装置と、時間を計測するカウントダウン仕様タイマ回路と、を有するターボタイマ装置が開示されている。イグニッションスイッチがオフにされると、電子制御装置は、エンジン駆動装置への電圧の供給の指示を行い、これにより、エンジンのアイドリングが行われる。そして、タイマ回路にて設定された時間が経過すると、エンジン駆動装置への電圧供給が止まり、エンジンが停止し、アイドリングが終了する。

概要

エンジンの過熱を放置することなく冷却して、エンジンの不具合を防止することができる車両用エンジン制御装置を提供する。エンジン10の稼働を制御するコントロールユニット50と、冷却水を循環させる冷却水ポンプ30と、冷却水が流れるラジエタ32に送風する冷却ファン33と、シリンダヘッド12の温度を検出する温度センサ40と、を有し、コントロールユニット50は、温度センサ40で検出されるシリンダヘッド12の温度が所定の基準温度T1以下になるまで冷却水ポンプ30及び冷却ファン33を作動させる。これにより、エンジン10を適切に冷却し、過熱によるエンジン10の損傷等を防止することができる。また、エンジン10の冷やし過ぎを防止することができる。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

エンジン稼働を制御するコントロールユニットと、前記エンジンを冷却する冷却水循環させる冷却水ポンプと、前記冷却水が流れるラジエタ送風する冷却ファンと、前記エンジンのシリンダヘッドの温度を検出する温度センサと、を有し、前記コントロールユニットは、前記温度センサで検出される前記シリンダヘッドの温度に基づいて、所定の基準温度に対応し、前記冷却水ポンプ及び前記冷却ファンを夫々作動または停止させることを特徴とする車両用エンジン制御装置

請求項2

前記エンジンの起動及び停止の指示を入力するイグニッションスイッチを有し、前記コントロールユニットは、前記イグニッションスイッチから前記エンジンを停止させる信号が入力された後、前記温度センサで検出される前記シリンダヘッドの温度が所定の基準温度以下になるまで前記冷却水ポンプ及び前記冷却ファンを作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジン制御装置。

請求項3

前記コントロールユニットは、前記イグニッションスイッチから前記エンジンを停止させる信号が入力された後、前記シリンダヘッドの温度が前記基準温度以下になるまで前記エンジンの稼働を継続させることを特徴とする請求項2に記載の車両用エンジン制御装置。

請求項4

前記コントロールユニットは、前記シリンダヘッドの温度が前記基準温度よりも高い第2の基準温度以下である場合、前記エンジン、前記冷却水ポンプ及び前記冷却ファンを夫々所定の基準回転数で稼働し、前記シリンダヘッドの温度が前記第2の基準温度よりも高い場合、前記エンジン、前記冷却水ポンプ若しくは前記冷却ファンを夫々の前記基準回転数よりも高い回転数で作動させること特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両用エンジン制御装置。

請求項5

前記冷却水ポンプは、電動式ポンプであり、前記冷却ファンは、電動式ファンであることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車両用エンジン制御装置。

請求項6

前記温度センサは、前記シリンダヘッドの点火プラグ取付部若しくは燃料噴射ノズル取付部に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の車両用エンジン制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両のエンジンを制御する車両用エンジン制御装置に関し、特に、エンジンの冷却を制御する車両用エンジン制御装置に関する。

背景技術

0002

一般に、車両のエンジンを停止させると、エンジンの駆動力によって稼働する冷却装置も同時に停止する。停止直後のエンジンは高温であり、部分的には稼働時よりも温度が高くなる箇所もある。そのため、高速走行登坂走行等、エンジン負荷が高い状態で走行した直後にエンジンを停止すると、過熱によりエンジンに不具合が生ずる恐れがある。

0003

即ち、高温状態でエンジンの稼働が停止されることにより、高温の部分から低温の部分に熱が移動し、稼働中は冷却水燃料オイル等の流れによって冷却されていた低温の部分の温度が異常上昇する。これにより、熱による部品等の変形や、冷却水の蒸発、燃料やエンジンオイルの蒸発、炭化等が起こる。その結果、例えば、シリンダヘッドシリンダブロック等に異常な歪みが起こり、シリンダヘッドとシリンダブロックとの密着不良が生じる。これにより、ガスケットに隙間が生じ、若しくはガスケットが破損し、冷却水及び高圧燃焼ガス漏れ等が生ずる。

0004

また、エンジンの温度が異常上昇することにより、例えば、過給機燃料噴射ノズル等の焼き付きが起こる。燃料噴射ノズルに焼き付きや詰まり、変形等が生じると、燃焼室内への燃料の垂れ流しや異常噴射等が起こる。また、例えば、ピストンシリンダライナ内にて膨張してピストンリングを介してシリンダライナ張り付くことによって、またはピストンがシリンダライナに張り付いた直後の再稼働によって、ピストンの焼き付きや、ピストン頭部の疲労破壊、ピストンリングの破損等が生ずる。また、例えば、サーモスタットが固着することにより、エンジンの継続的な冷却不良が起こる。このように、エンジンの温度の異常上昇により、種々の不具合が生ずる。

0005

従来、このような稼働停止後の過熱によるエンジンの損傷を防ぐために、イグンッションスイッチがオフにされた後、タイマ手段によってエンジンの停止を遅延させ、一定時間アイドリングを行ってエンジンを冷却することが知られている。

0006

例えば、特許文献1には、イグニッションスイッチオン、オフを検出するための電子制御装置と、時間を計測するカウントダウン仕様タイマ回路と、を有するターボタイマ装置が開示されている。イグニッションスイッチがオフにされると、電子制御装置は、エンジン駆動装置への電圧の供給の指示を行い、これにより、エンジンのアイドリングが行われる。そして、タイマ回路にて設定された時間が経過すると、エンジン駆動装置への電圧供給が止まり、エンジンが停止し、アイドリングが終了する。

先行技術

0007

特開平7−279682号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記した従来技術のように、予め設定された時間に基づきエンジンの停止を遅延させる方法では、冷却が不十分で高温のままエンジンが停止される恐れがある。具体的には、高負荷で走行された直後等、エンジンの温度が高い場合、エンジンを冷却するために必要な時間は長くなる。そのため、予め設定されていた時間だけ行われるアイドリングでは、エンジンの冷却が不十分な場合もある。

0009

また逆に、例えば、稼働停止前のエンジンの温度が低い場合、即ちエンジンの冷却に必要な時間が短い場合、タイマ手段による停止遅延では、エンジンの温度が十分に低くなっているにも拘らず、不必要にエンジンのアイドリングが行われるという問題点もある。

0010

また、エンジンの停止時だけでなく、エンジンの稼働時においても、エンジン負荷が高い場合には、エンジンの冷却が不十分になることがある。また逆に、エンジン負荷が低い場合には、エンジンの冷やし過ぎになることもある。

0011

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの過熱を放置することなく冷却して、エンジンの不具合を防止することができる車両用エンジン制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明の車両用エンジン制御装置は、エンジンの稼働を制御するコントロールユニットと、前記エンジンを冷却する冷却水を循環させる冷却水ポンプと、前記冷却水が流れるラジエタ送風する冷却ファンと、前記エンジンのシリンダヘッドの温度を検出する温度センサと、を有し、前記コントロールユニットは、前記温度センサで検出される前記シリンダヘッドの温度に基づいて、所定の基準温度に対応し、前記冷却水ポンプ及び前記冷却ファンを夫々作動または停止させることを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明の車両用エンジン制御装置によれば、エンジンの稼働を制御するコントロールユニットと、前記エンジンを冷却する冷却水を循環させる冷却水ポンプと、前記冷却水が流れるラジエタに送風する冷却ファンと、前記エンジンのシリンダヘッドの温度を検出する温度センサと、を有し、前記コントロールユニットは、前記温度センサで検出される前記シリンダヘッドの温度に基づいて、所定の基準温度に対応して、前記冷却水ポンプ及び前記冷却ファンを夫々作動または停止させる。これにより、エンジンの冷却不足及び冷やし過ぎを抑制することができ、エンジンの温度を好適に保つことができる。

0014

また、本発明によれば、前記エンジンの起動及び停止の指示を入力するイグニッションスイッチを有し、前記コントロールユニットは、前記イグニッションスイッチから前記エンジンを停止させる信号が入力された後、前記温度センサで検出される前記シリンダヘッドの温度が所定の基準温度以下になるまで前記冷却水ポンプ及び前記冷却ファンを作動させる。これにより、エンジンを停止する際に、エンジンを適切な温度に冷却することができ、高温のままエンジンが停止されて停止後に過熱状態になることによる不具合を回避できる。

0015

特に、温度センサで検出されるシリンダヘッドの温度が所定の基準温度以下になるまでエンジンの冷却が行われることになるので、停止時のエンジンの温度を高精度に制御することができる。そのため、高負荷で走行された直後の停止時等、エンジンの温度が高い場合であっても、冷却不足にならずに、エンジンを適切な温度に冷却することができる。他方、停止前のエンジンの温度が低い場合には、不必要な冷却を行うことなく、エンジンの冷やし過ぎ等も回避できる。このように、エンジンの冷却を適切に行うことができる。

0016

また、本発明によれば、前記コントロールユニットは、前記イグニッションスイッチから前記エンジンを停止させる信号が入力された後、前記シリンダヘッドの温度が前記基準温度以下になるまで前記エンジンの稼働を継続させても良い。これにより、シリンダ内の燃焼室に供給される燃料の流入によって、燃料噴射ノズル及びその近傍を冷却することができる。また、エンジンによって駆動されるオイルポンプがエンジンオイルを循環させるので、そのエンジンオイルの循環によってエンジンの冷却作用が更に高められる。

0017

また、エンジン駆動式の冷却水ポンプを備えている場合には、エンジンの稼働が継続されることにより、冷却水ポンプの稼働が継続され、エンジンが効率良く冷却される。また、エンジン駆動式の冷却ファンを備えている場合には、エンジンが稼働されることにより、冷却ファンの稼働も継続され、エンジンの冷却を更に効率良く行うことができる。

0018

また、本発明によれば、前記コントロールユニットは、前記シリンダヘッドの温度が前記基準温度よりも高い第2の基準温度以下である場合、前記エンジンを所定の基準回転数で稼働し、前記シリンダヘッドの温度が前記第2の基準温度よりも高い場合、前記エンジンを前記基準回転数よりも高い回転数で作動させても良い。これにより、シリンダヘッドの温度が高い場合に、エンジンオイルの循環量や燃料噴射ノズルを流れる燃料の量を増やしてエンジンの冷却効果を高めることができる。

0019

また、前記コントロールユニットは、前記シリンダヘッドの温度が前記基準温度よりも高い第2の基準温度以下である場合、前記冷却水ポンプを所定の基準回転数で稼働し、前記シリンダヘッドの温度が前記第2の基準温度よりも高い場合、前記冷却水ポンプを前記基準回転数よりも高い回転数で作動させても良い。これにより、シリンダヘッドの温度が高い場合に冷却水循環経路内を流れる冷却水の循環量を増やすことができ、エンジンを効率良く冷却することができる。

0020

また、前記コントロールユニットは、前記シリンダヘッドの温度が前記基準温度よりも高い第2の基準温度以下である場合、前記冷却ファンを所定の基準回転数で稼働し、前記シリンダヘッドの温度が前記第2の基準温度よりも高い場合、前記冷却ファンを前記基準回転数よりも高い回転数で作動させても良い。これにより、シリンダヘッドの温度が高い場合に、ラジエタへの送風量を増やすことができ、冷却水と外気との熱交換量を増やすことができる。そのため、冷却水を効率良く冷却することができ、その結果、エンジンを効率良く冷却することができる。

0021

また、本発明によれば、前記冷却水ポンプは、電動式ポンプであっても良い。また、前記冷却ファンは、電動式ファンであっても良い。このように、電動式ポンプ及び電動式ファンを用いることにより、エンジンの稼働及び停止によらず、冷却水ポンプ及び冷却ファンを独立して稼働及び停止させることができる。そのため、冷却水ポンプ及び冷却ファンによって、エンジンを適切に冷却してその温度を好適に維持することができる。

0022

また、本発明によれば、前記温度センサは、前記シリンダヘッドの点火プラグ取付部若しくは燃料噴射ノズル取付部に設けられても良い。これにより、温度センサは、シリンダの内部となる燃焼室の温度を、シリンダヘッドを形成する金属の熱伝導を利用して高精度に検出することができる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の実施形態に係る車両用エンジン制御装置の概略を示すシステム系統図である。
同車両用エンジン制御装置の(A)温度センサの取り付け位置の例、(B)温度センサの他の取り付け位置の例、を示すエンジンの断面図である。
同車両用エンジン制御装置の制御動作の例を示すフローチャートである。
同車両用エンジン制御装置の制御におけるシリンダヘッドの温度に対する(A)エンジンの回転数、(B)冷却水ポンプの回転数、(C)冷却ファンの回転数、の設定値を示すグラフである。
同車両用エンジン制御装置の制御動作の他の例を示すフローチャートである。

実施例

0024

以下、本発明の実施形態に係る車両用エンジン制御装置を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用エンジン制御装置2の概略を示すブロック図である。なお、図1に示す矢印は、冷却水循環経路31内の冷却水が流れる方向を示している。

0025

図1に示すように、車両1は、動力源となるエンジン10と、エンジン10を冷却する冷却水が流れる冷却水循環経路31と、冷却水循環経路31に介装されて冷却水からの放熱を行うラジエタ32と、を有する。冷却水循環経路31を流れる冷却水は、エンジン10内において、エンジン10と熱交換して、エンジン10を冷却する。そして、冷却水は、ラジエタ32において、外部の空気と熱交換する。これにより、エンジン10から奪った熱が放出される。

0026

車両用エンジン制御装置2は、車両1に搭載され、エンジン10の稼働を制御する装置である。車両用エンジン制御装置2は、冷却水を循環させる冷却水ポンプ30と、冷却水の放熱を行うラジエタ32に送風する冷却ファン33と、エンジン10の起動及び停止の指示を入力するイグニッションスイッチ60と、エンジン10の温度を検出する温度センサ40と、エンジン10等の制御を行うECU50と、を有する。

0027

冷却水ポンプ30は、例えば、モータ等により駆動される電動式ポンプ等であり、冷却水循環経路31に設けられる。冷却水ポンプ30が稼働することにより、冷却水循環経路31内に冷却水が流れる。

0028

また、冷却水ポンプ30は、ECU50に接続され、ECU50によって稼働及び停止等の制御が行われる。冷却水ポンプ30は、回転数を調節可能なポンプであり、ECU50からの指示に基づき冷却水ポンプ30の回転数が制御され、冷却水循環経路31内を流れる冷却水の流量が調節される。これにより、冷却水循環経路31にサーモスタット等を設けることなく冷却水の循環量を流量が0となる最小流量から最大流量まで好適に調節することができる。換言すれば、車両用エンジン制御装置2はサーモスタットの機能を兼ね備えるので、冷却水循環経路31にサーモスタット等は不要である。また、サーモスタット等を設ける必要がないため、サーモスタット等の破損による不具合が生じない。また、冷却水循環経路31に設けられる部品数が少なくなり、これにより、冷却水の流動抵抗が小さくなり、冷却水の循環効率が高められる。

0029

なお、冷却水ポンプ30として、ベルト等の動力伝達機構によってエンジンに連結されてエンジンによって駆動されるエンジン駆動式のポンプを用いても良い。冷却水ポンプ30がエンジン駆動式のポンプである場合、冷却水ポンプ30は、エンジン10の稼働及び停止に伴って作動する。そのため、ECU50は、エンジン10の制御を行うことにより、冷却水ポンプ30の制御を間接的に行うことができる。

0030

冷却ファン33は、ラジエタ32に冷却用の空気を供給するものであり、例えば、モータ等によって駆動される電動式の冷却ファン等である。冷却ファン33が稼働することにより、ラジエタ32に空気が送風され、冷却水と空気との熱交換が効率良く行われる。

0031

冷却ファン33は、ECU50に接続され、ECU50によって稼働及び停止等の制御が行われる。冷却ファン33は、回転数を調節可能なファンであり、ECU50からの指示によって冷却ファン33の回転数が制御される。これにより、ラジエタ32に送風される空気の量は、風量が0となる最小風量から最大風量まで好適に調節される。

0032

なお、冷却ファン33は、ベルト等の動力伝達機構によってエンジンに連結されてエンジンにより駆動されるエンジン駆動式の冷却ファンであっても良い。冷却ファン33がエンジン駆動式の冷却ファンである場合、冷却ファン33は、エンジン10の稼働及び停止に伴って作動する。そのため、ECU50は、エンジン10の制御を行うことにより、冷却ファン33を間接的に制御することができる。

0033

また、前述のように、電動式の冷却水ポンプ30及び電動式の冷却ファン33を用いることにより、エンジン10の稼働及び停止やイグニッションスイッチ60のON、OFFによらず、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33を独立して稼働及び停止させることができる。

0034

そのため、例えば、エンジン10の負荷が高く且つ回転数が低く冷却の必要性が高い場合、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33は高い回転数に設定されて冷却能力が高められ、エンジン10の冷却不足が抑制される。他方、エンジン10の負荷が低く且つ回転数が高く冷却が必要でない場合、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33は停止または低い回転数にされる。これにより、冷却能力が抑制され、エンジン10の冷やし過ぎが抑制される。

0035

このように、エンジン10が過酷な条件で稼働中であっても、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33によって、エンジン10を適切に冷却してその温度を好適に維持することができる。

0036

また、車両用エンジン制御装置2は、例えば、外気温度を検出する図示しない外気温度センサ等を備えても良く、ECU50は、前記外気温度センサ等によって検出される外気温度等に基づいて冷却水ポンプ30及び冷却ファン33を制御しても良い。これにより、車両1の外部環境の変化に対応してエンジン10を好適に冷却することができる。

0037

イグニッションスイッチ60は、車両1の乗員がエンジン10の起動及び停止の指示を入力するためのスイッチであり、ECU50に接続される。車両1の乗員がイグニッションスイッチ60を操作することにより、ECU50にエンジン10の起動及び停止の指示が入力される。

0038

温度センサ40は、エンジン10の後述するシリンダヘッド12(図2参照)に取り付けられて、シリンダヘッド12の温度を検出する。温度センサ40は、ECU50に接続され、温度センサ40で検出されたシリンダヘッド12の温度情報は、ECU50に送られる。

0039

ECU50は、車両1のコントロールユニットであり、例えば、各種の演算を行う演算装置や車両の各装置の制御を行う制御装置等を有する。ECU50は、イグニッションスイッチ60及び温度センサ40等からの信号及び検出結果等を基に各種演算を実行し、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33等の制御を行い、エンジン10の冷却運転を行う。

0040

なお、例えば、ECU50には、多機能ディスプレイ等の図示しない報知装置等が接続されても良い。このような報知装置等を用いて、温度センサ40等からの検出結果や冷却水ポンプ30等の稼働状況等を表示させることにより、車両1の乗員に現在のエンジン10の状態を知らせることができる。

0041

図2(A)は、エンジン10のシリンダヘッド12に設けられる温度センサ40の取り付け位置の例を示すエンジン10の断面図であり、図2(B)は、温度センサ40の取り付け位置の他の例を示すエンジン10の断面図である。

0042

図2(A)に示すように、エンジン10は、燃焼室21を構成する略筒状のシリンダが形成されるシリンダブロック13を有する。シリンダブロック13の上方には、シリンダを覆うようにシリンダヘッド12がガスケット14を介して取り付けられる。また、シリンダブロック13のシリンダ内面には、図示しない略筒状のシリンダライナが嵌装され、その内部には、ピストン22が上下方向に往復動可能に配設される。そして、シリンダブロック13、シリンダヘッド12及びピストン22により、燃焼室21が形成される。

0043

また、シリンダブロック13及びシリンダヘッド12には、燃焼室21の周囲近傍に、冷却水が流れる冷却水循環経路31が形成される。これにより、燃焼室21の近傍を流れる冷却水によって、シリンダブロック13及びシリンダヘッド12が冷却される。

0044

シリンダヘッド12には、シリンダヘッド12の外部側から燃焼室21向かって挿通される燃料噴射ノズル23が設けられる。燃料噴射ノズル23は、燃料の供給を行うための装置であり、例えば、ガソリン軽油等の燃料を燃焼室21内に噴射する。

0045

なお、燃料噴射ノズル23を流れる燃料は、燃焼温度に比べて低いので、燃料噴射ノズル23及びその近傍は、燃料噴射ノズル23を流れる燃料によって冷却されることになる。そのため、高温になったエンジン10を停止する際に、ECU50(図1参照)によってエンジン10を稼働させることにより、燃料噴射ノズル23を流れる燃料によって、燃料噴射ノズル23とその近傍を冷却することができる。

0046

シリンダヘッド12には、燃料噴射ノズル23用の取付孔が形成されており、その取付孔は、シリンダヘッド12の外部側から燃焼室21まで貫通している。燃料噴射ノズル23は、シリンダヘッド12に形成される燃料噴射ノズル23用の取付孔に挿入されることにより、シリンダヘッド12の上部、即ち燃焼室21の上方に固定される。

0047

ここで、シリンダヘッド12の温度を検出する温度センサ40aは、シリンダヘッド12の燃料噴射ノズル取付部17に設けられても良い。詳しくは、温度センサ40aは、燃料噴射ノズル23用の取付孔の周囲であって、シリンダヘッド12を形成する金属がシリンダヘッド12の外部側から燃焼室21側に連続している部分及びその近傍に設けられても良い。また、温度センサ40aは、燃料噴射ノズル取付部17の燃焼室21側、即ち外部と燃焼室21との中間部よりも燃焼室21の近くに設けられることが好ましい。

0048

上記のように、温度センサ40aが燃料噴射ノズル取付部17に設けられることにより、温度センサ40aによって燃焼室21の温度を高精度に測定することができる。具体的には、燃料噴射ノズル取付部17は、シリンダヘッド12を形成する金属部分が燃焼室21から外部側に連続しているため、熱伝導によって、燃焼室21の熱が伝わり易い。そのため、燃料噴射ノズル取付部17を介する熱伝導を利用して、燃焼室21の温度を高精度に検出することができる。また、温度センサ40aが燃料噴射ノズル取付部17の燃焼室21側に設けられることにより、燃料噴射ノズル23の高温に曝される部分、即ち燃料噴射ノズル23のニードル弁近傍の温度を検出し易くなる。

0049

また、温度センサ40aが燃料噴射ノズル取付部17に設けられることにより、温度センサ40aの配線取り出しも容易になる。即ち、温度センサ40aからの配線を、ヘッドカバー内を通さずに、燃料噴射ノズル23の配管等に沿わせてエンジン10の外部に取り出すことができる。

0050

図2(B)に示すように、シリンダヘッド12の上部には、シリンダヘッド12の外部側から燃焼室21に挿通される点火プラグ24が設けられる。点火プラグ24は、燃焼室21に噴射された燃料に点火をするものである。

0051

シリンダヘッド12には、点火プラグ24用の取付孔が形成されており、点火プラグ24用の取付孔は、シリンダヘッド12の外部側から燃焼室21まで貫通している。点火プラグ24は、シリンダヘッド12に形成される点火プラグ24用の取付孔に挿入されることにより、シリンダヘッド12の上部、即ち燃焼室21の上方に固定される。

0052

また、温度センサ40bは、点下プラグ取付部18に設けられても良い。詳しくは、温度センサ40bは、シリンダヘッド12の点火プラグ24用の取付孔の周囲であって、シリンダヘッド12を形成する金属がシリンダヘッド12の外部側から燃焼室21側に連続している部分及びその近傍に設けられても良い。また、温度センサ40bは、点火プラグ取付部18の燃焼室21側、即ち外部と燃焼室21との中間部よりも燃焼室21の近くに設けられることが好ましい。

0053

上記のように、温度センサ40bが点火プラグ取付部18に設けられることにより、点火プラグ取付部18を介する熱伝導を利用して、温度センサ40bは、燃焼室21の温度を高精度に検出することができる。また、温度センサ40bからの配線を、ヘッドカバー内を通さずに、点火プラグ24の配線等に沿わせてエンジン10の外部に取り出すことができるので、温度センサ40bの配線取り出しが容易になる。

0054

なお、温度センサ40の取り付け位置は、前述の燃料噴射ノズル取付部17若しくは点火プラグ取付部18に限定されるものではなく、シリンダヘッド12の外部から燃焼室21につながる図示しないその他の貫通部等及びその近傍等に設けられても良い。

0055

また、エンジン10は、複数のシリンダ、燃焼室21及びピストン22を有する多気筒エンジンであり、図2(A)または(B)に示す温度センサ40は、エンジン10の各シリンダに対応して複数設けられても良い。これにより、各燃焼室21に対応するシリンダヘッド12の温度を検出することができる。

0056

次に、図3ないし図5を参照して、図1及び図2に示す車両用エンジン制御装置2の制御動作について詳細に説明する。
図3は、車両用エンジン制御装置2の制御動作の例を示すフローチャートである。図3に示すように、ステップS10において、車両1の乗員がイグニッションスイッチ60を操作することにより、エンジン10を停止させる指示がECU50(図1参照)に入力される。

0057

次に、ステップS20において、ECU50は、温度センサ40(図2参照)によって検出されるシリンダヘッド12の現在の温度Teを読み込む。
ここで、温度センサ40が複数設けられている場合には、ECU50は、何れかの温度センサ40で検出される値または各温度センサ40で検出される値の平均値を以降の制御に用いるシリンダヘッド12の温度Teとする。

0058

また、上記のように複数の温度センサ40を備える場合、ECU50は、何れかの温度センサ40で検出される値の偏差が所定の基準値を超える場合、その温度センサ40で検出される値を除外して以降の制御に用いるシリンダヘッド12の温度Teを決定する。即ち、何れかの温度センサ40で検出される値と各温度センサ40で検出される値の平均値との差が所定の基準値を超える場合、ECU50は、その温度センサ40で検出される値を無視し、以降の制御に利用しない。これにより、例えば、複数の温度センサ40のうち何れかの温度センサ40が故障した場合、若しくは燃料噴射ノズル23(図2参照)等が故障した場合等において、その故障した温度センサ40等の影響を除外して、適切な温度制御を行うことができる。

0059

また、上記のように何れかの温度センサ40で検出される値の偏差が所定の基準値を超える場合、ECU50は、図示しない多機能ディスプレイ等の報知装置等にその旨を表示等しても良い。これにより、乗員は、異常等の発生を早期に知ることができ、点検修理等の適切な処置をとることができる。

0060

次に、ステップS30において、ECU50は、温度センサ40によって検出されたシリンダヘッド12の温度Teが、予め設定されていた基準温度T1以下であるか否かを判定する。即ち、ECU50は、シリンダヘッド12の現在の温度Teと基準温度T1とを比較することにより、エンジン10の冷却が必要であるか否かを判定する。

0061

ステップS30において、シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1よりも高くエンジン10の冷却が必要である場合、即ちステップS30においてNOの場合、ECU50は、次のステップS40、ステップS50及びステップS60を実行し、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33に運転継続の指示を行う。

0062

即ち、ステップS40では、冷却時の基準回転数となる回転数A1でエンジン10の運転が継続される。回転数A1は、例えば、通常のアイドリング回転数等である。これにより、エンジン10の燃焼室21(図2参照)内に供給される燃料の流入によって、燃料噴射ノズル23及びその近傍が効率的に冷やされる。また、エンジンオイルが循環することにより、エンジン10が効率的に冷却される。

0063

また、ステップS50では、冷却時の基準回転数となる回転数B1で冷却水ポンプ30の運転が継続される。これにより、冷却水循環経路31内の冷却水が循環され、エンジン10の冷却が行われる。なお、冷却水ポンプ30がエンジン駆動式の場合、冷却水ポンプ30は、エンジン10の稼働及び回転数に合わせて作動されるため、ステップS40におけるエンジン10の運転継続に伴って冷却水ポンプ30の運転が継続される。

0064

また、ステップS60では、冷却時の基準の回転数となる回転数C1で冷却ファン33の運転が継続される。これにより、ラジエタ32(図1参照)に外気が送風され、冷却水が冷却され、エンジン10が効率良く冷却される。なお、冷却ファン33がエンジン駆動式の場合、冷却ファン33は、エンジン10の稼働及び回転数に合わせて作動されるため、ステップS40のエンジン10の運転継続に伴って冷却ファン33の運転が継続される。そして、ECU50は、ステップS20へと戻り前述の制御動作を繰り返し実行する。

0065

また、ステップS30において、シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1以下であり、エンジン10の冷却が必要でないと判断される場合、即ちステップS30の判定がYESの場合、ECU50は、次のステップS70の動作に進み、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33に停止のための指示を送る。そして、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の稼働が停止され、エンジン10の冷却が終了する。

0066

前述のステップS20からステップS70までの制御は、シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1以下になるまでエンジン10の冷却を行い、基準温度T1以下になったら冷却を終了させるというものである。このような制御により、温度が高い状態でエンジン10が停止されて停止後に過熱状態になることによる不具合を回避できる。

0067

また、シリンダヘッド12の温度Teを測定して、その温度Teが基準温度T1以下のときは、エンジン10は直ちに停止されるので、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の不必要な運転が行われることを回避できる。その結果、車両1の燃料の消費を抑えることができる。

0068

次に、図4を参照して、冷却運転時におけるエンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の夫々の回転数について詳細に説明する。
図4(A)は、車両用エンジン制御装置2の冷却運転時の制御におけるシリンダヘッド12の温度Teに対するエンジン10の回転数の設定値を示すグラフであり、図4(B)は、シリンダヘッド12の温度Teに対する冷却水ポンプ30の回転数の設定値を示すグラフであり、図4(C)は、シリンダヘッド12の温度Teに対する冷却ファン33の回転数の設定値を示すグラフである。

0069

図4(A)ないし(C)に示すように、温度センサ40(図2参照)によって検出されるシリンダヘッド12の温度Teに応じてエンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の夫々の回転数を変化させても良い。これにより、シリンダヘッド12の温度Teが高い場合に、冷却効果を高めて、エンジン10をより効果的に冷却することができる。

0070

例えば、図4(A)に示すように、シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1以下の場合、エンジン10の回転数は0になる。即ち、エンジン10は停止される。温度Teが基準温度T1よりも高く第2の基準温度T2以下である場合、エンジン10は、冷却時の基準回転数である回転数A1で運転される。また、温度Teが第2の基準温度T2よりも高い場合、エンジン10は、回転数A1よりも高い回転数A2で運転される。

0071

このように、シリンダヘッド12の温度Teが高い場合に、エンジン10を高い回転数A2で稼働させることにより、エンジンオイルの循環量や燃料噴射ノズル23(図2参照)を流れる燃料の量が多くなり、エンジン10の冷却効果が高められる。

0072

ここで、基準温度T1は、冷却水の沸点または燃料の沸点の何れか低い方の沸点を基準にして決定され、該沸点よりも低い温度である。基準温度T1は、好ましくは、冷却水の沸点または燃料の沸点の何れか低い方の沸点よりも5℃から15℃低い温度であり、より好ましくは、8℃から12℃低い温度である。

0073

また、第2の基準温度T2は、例えば、回転数A1による通常のアイドリングによってエンジン10を十分に冷却できるか否かを判定するための基準であり、基準温度T1よりも高い温度である。具体的には、第2の基準温度T2は、回転数A1による通常のアイドリングで燃焼室21(図2参照)からの熱伝導によって燃料噴射ノズル23内の燃料が気化してしまう温度またはシリンダヘッド12内の冷却水が蒸発してしまう温度の何れか低い方よりも10℃から20℃低い温度である。第2の基準温度T2は、エンジン10の冷却時間等を考慮して所定の値に設定される。

0074

また例えば、図4(B)に示すように、冷却水ポンプ30は、シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1以下の場合に停止され、温度Teが基準温度T1よりも高く第2の基準温度T2以下である場合には、冷却時の基準回転数である回転数B1で運転され、温度Teが第2の基準温度T2よりも高い場合には、回転数B1よりも高い回転数B2で運転されても良い。

0075

このように、シリンダヘッド12の温度Teが高い場合に、冷却水ポンプ30を高い回転数B2で作動させることにより、冷却水の循環量を増やしてエンジン10を効率的に冷却することができる。

0076

また例えば、図4(C)に示すように、冷却ファン33は、シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1以下の場合に停止され、温度Teが基準温度T1よりも高く第2の基準温度T2以下である場合には、冷却時の基準回転数である回転数C1で運転され、温度Teが第2の基準温度T2よりも高い場合には、回転数C1よりも高い回転数C2で運転されても良い。

0077

このように、シリンダヘッド12の温度Teが高い場合に、冷却ファン33を高い回転数C2で作動させることにより、ラジエタ32(図1参照)に供給される空気の量を増やして、冷却水を効率的に冷やすことができる。

0078

次に、図4及び図5を参照して、前述のようにシリンダヘッド12の温度Teに応じてエンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の夫々の回転数を変化させる場合の車両用エンジン制御装置2の制御動作について詳細に説明する。

0079

図5は、車両用エンジン制御装置2の制御動作の他の例を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS110において、車両1の乗員がイグニッションスイッチ60を操作することにより、ECU50(図1参照)にエンジン10を停止させる信号が送られる。

0080

次に、ステップS120において、ECU50は、温度センサ40(図2参照)によって検出されるシリンダヘッド12の現在の温度Teを読み込む。
そして、ステップS130において、ECU50は、シリンダヘッド12の温度Teが、予め設定されていた第2の基準温度T2以下であるか否かを判定する。前述のとおり、第2の基準温度T2は、第1の基準温度T1よりも高い温度である。

0081

ステップS130において、温度Teが第2の基準温度T2よりも高い場合、即ちステップS130においてNOの場合、ECU50は、次のステップS140、ステップS150及びステップS160の動作を実行し、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33に運転継続の指示を行う。

0082

即ち、ステップS140では、冷却時の基準回転数となる回転数A1よりも高い回転数A2、即ち通常のアイドリングよりも高い回転数でエンジン10の運転が継続される。これにより、エンジン10を効率良く冷却することができる。

0083

ここで、回転数A2は、燃料噴射ノズル23(図2参照)内において燃料となるガソリンや軽油等を燃焼室21(図2参照)からの熱伝導によって気化させない回転数であり、また、燃焼室21から熱伝導によって冷却水を沸騰させない回転数である。また、エンジン10を回転数A2で回転させることにより、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33を稼働させるために必要な発電を行うことができる。

0084

なお、エンジン10に過給機が取り付けられる場合、過給機には、軸受用オイルが用いられる。第2の基準温度T2に基づいてエンジン10の回転数を高めることにより過給機の軸受用オイルの気化も抑止することができる。

0085

また、次のステップS150では、基準回転数となる回転数B1よりも高い回転数B2で冷却水ポンプ30の運転が継続される。これにより、通常の冷却時よりも冷却水循環経路31(図1参照)内を流れる冷却水の循環量を増やすことができ、エンジン10を素早く冷却することができる。

0086

なお、冷却水ポンプ30がエンジン駆動式の場合、ステップS140において、高い回転数A2でエンジン10が稼働されることに伴って、冷却水ポンプ30も高い回転数で作動される。このように、エンジン駆動式のポンプであっても、冷却水の循環量を増やすことができる。

0087

また、ステップS160では、基準回転数となる回転数C1よりも高い回転数C2で冷却ファン33の運転が継続される。これにより、ラジエタ32(図1参照)への送風量が増加し、ラジエタ32における放熱量を増やすことができる。そのため、冷却水を効率良く冷却することができる。

0088

なお、冷却ファン33がエンジン駆動式の場合、ステップS140において、エンジン10が高い回転数A2で稼働されることに伴って、冷却ファン33も高い回転数で作動される。このように、エンジン駆動式の冷却ファンであっても、ラジエタ32への送風量を増やすことができる。

0089

そして、ステップS160の後は、ECU50は、ステップS120へと戻り前述の制御動作を繰り返し実行する。前述のステップS140ないしステップS160の制御により、エンジン10は、第2の基準温度T2よりも温度が高い状態から、第2の基準温度T2以下の温度にまで素早く冷却される。そのため、高温によるエンジン10の損傷を防ぐことができる。

0090

また、ステップS130において、シリンダヘッド12の温度Teが第2の基準温度T2以下である場合、即ちステップS130の判定がYESの場合、ECU50は、ステップS170の動作に進む。

0091

ステップS170において、ECU50は、ステップS120と同様に、温度センサ40によって検出されるシリンダヘッド12の現在の温度Teを読み込む。
そして、ステップS180において、ECU50は、温度センサ40によって検出されるシリンダヘッド12の温度Teが、予め設定されていた基準温度T1以下であるか否かを判定する。

0092

シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1よりも高い場合、ECU50は、次のステップS190、ステップS200及びステップS210の動作を実行する。ステップS190、ステップS200及びステップS210の動作は、図3を参照して既に説明したステップS40、ステップS50及びステップS60の動作と同様である。

0093

即ち、ステップS190では、ECU50は、冷却時の基準回転数となる回転数A1でエンジン10の運転を行う。また、ステップS200では、ECU50は、冷却時の基準回転数となる回転数B1で冷却水ポンプ30の運転を行う。また、ステップS210では、ECU50は、冷却時の基準の回転数となる回転数C1で冷却ファン33の運転を行う。これにより、エンジン10が冷却される。そして、ステップS210の後は、ECU50は、ステップS170へと戻り前述の制御動作を繰り返し実行する。

0094

他方、ステップS180において、シリンダヘッド12の温度Teが基準温度T1以下でありエンジン10の冷却が必要でない場合、即ちステップS180の判定がYESの場合、ECU50は、ステップS220の動作に進み、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33を停止させる。これにより、エンジン10の冷却が終了する。

0095

前述のステップS120からステップS220までの制御を行うことにより、エンジン10の温度に基づき、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の回転数を好適に調整することができる。これにより、エンジン10の冷却の強弱を適切に切り替え、効率良くエンジン10の冷却を行うことができる。

0096

なお、車両用エンジン制御装置2及びその制御動作は、上記の各例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
例えば、シリンダヘッド12の温度Teと、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の夫々の回転数との関係は上記の例に限定されるものではない。上記の例では、2つの基準温度、即ち基準温度T1及び第2の基準温度T2により、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の回転数を夫々変化させているが、更に多くの基準温度及びそれらに対応する回転数の設定値が設けられても良い。これにより、エンジン10の多様な使用条件に対応させて好適な冷却が可能となる。

0097

また例えば、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33を夫々異なる基準温度に基づいて夫々の回転数を変化させても良い。これにより、エンジン10の温度に応じて、更に適切にエンジン10の冷却を行うことができる。

0098

また例えば、外気温度等のその他の温度等を検出して、その検出されたその他の温度等に基づく制御と、前述のシリンダヘッド12の温度Teに基づく制御とを組み合わせて、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の制御を行っても良い。

0099

また例えば、エンジン10、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の何れか1つ若しくは2つの回転数を一定にし、他の回転数を変化させても良い。具体的には、エンジン10を基準回転数である回転数A1で稼働し、冷却水ポンプ30及び冷却ファン33の回転数を高めても良い。これにより、エンジン10の発熱による温度上昇を抑えて、効率的にエンジン10を冷却することができる。

0100

また例えば、エンジン10を停止させ、電動式の冷却水ポンプ30及び電動式の冷却ファン33のみ作動が継続されても良い。これにより、燃料の燃焼による発熱をなくして、冷却水のみによって効率的にエンジン10を冷却することができる。

0101

また例えば、車両用エンジン制御装置2によるエンジン10の冷却運転は、イグニッションスイッチ60が操作されてエンジン10を停止させる信号が入力された場合に限定されるものではない。エンジン10の通常の稼働状態において、即ち車両1の走行時等においても同様に、シリンダヘッド12の温度Teを検出し、その検出された温度Teに基づいて電動式の冷却水ポンプ30及び電動式の冷却ファン33の制御が行われても良い。これにより、エンジン10の温度を好適に保つことができる。また、この場合、サーモスタット等が不要になるという利点もある。

0102

1 車両
2車両用エンジン制御装置
10エンジン
12シリンダヘッド
13シリンダブロック
14ガスケット
17燃料噴射ノズル取付部
18点火プラグ取付部
21燃焼室
22ピストン
23 燃料噴射ノズル
24 点火プラグ
30冷却水ポンプ
31冷却水循環経路
32ラジエタ
33冷却ファン
40、40a、40b温度センサ
50 ECU
60 イグニッションスイッチ

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