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図面 (9)

課題

車両が加速する際、オーバーシュートの発生を抑制することが可能な速度制御装置を提供する。

解決手段

速度制御装置は、実速度取得部と、実位置取得部と、実位置を含む道路区間に設定されている目標速度に実速度が追従するように、車両の加減速度を制御する加減速度制御部と、車両が走行する際の走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、を備え、実位置が第1道路区間から第2道路区間に移動することに伴い目標速度が第1目標速度から第2目標速度に増大する場合、第2道路区間の開始位置から終了位置までの間において実速度が第1目標速度から第2目標速度に1次遅れで増大するように、第2道路区間における目標速度は設定され、第2道路区間における目標速度は、前記車両の走行時間に対する前記1次遅れで増大する速度の変化量を、前記走行抵抗算出部により算出された前記走行抵抗が大きくなるほど減少させるように設定される。

概要

背景

近年、自動車交通の諸問題に対する解決策として、自動車交通の情報化知能化に関連して、自動運転システム研究開発が進められている。自動運転システムとは例えば、複数の道路区間から構成される目標走行経路と、各道路区間に対して予め設定されている目標速度(「規制速度」とも言う)とが事前に提供されて、停発進を含む車両の自律的な走行制御を行うシステムである。車両には、当該車両の実際の速度(実速度)が、車両の実際の位置(実位置)を含む道路区間に設定されている目標速度に追従するように、当該車両のアクセル操作量とブレーキ操作量とを制御する速度制御装置が搭載される。

特許文献1には、自動運転に関する技術として、自動運転許可スイッチによる許可に基づいて、走行路面上に敷設された誘導線に沿って車両の自動運転を開始させる技術が開示されている。

概要

車両が加速する際、オーバーシュートの発生を抑制することが可能な速度制御装置を提供する。速度制御装置は、実速度取得部と、実位置取得部と、実位置を含む道路区間に設定されている目標速度に実速度が追従するように、車両の加減速度を制御する加減速度制御部と、車両が走行する際の走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、を備え、実位置が第1道路区間から第2道路区間に移動することに伴い目標速度が第1目標速度から第2目標速度に増大する場合、第2道路区間の開始位置から終了位置までの間において実速度が第1目標速度から第2目標速度に1次遅れで増大するように、第2道路区間における目標速度は設定され、第2道路区間における目標速度は、前記車両の走行時間に対する前記1次遅れで増大する速度の変化量を、前記走行抵抗算出部により算出された前記走行抵抗が大きくなるほど減少させるように設定される。

目的

本発明の目的は、車両が加速する際、オーバーシュートの発生を抑制することが可能な速度制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の道路区間から構成され、各道路区間に対して目標速度が設定された走行経路に沿って走行する車両の速度を制御する速度制御装置であって、前記車両の実際の速度である実速度を取得する実速度取得部と、前記車両の実際の位置である実位置を取得する実位置取得部と、前記実位置を含む前記道路区間に設定されている前記目標速度に前記実速度が追従するように、前記車両の加減速度を制御する加減速度制御部と、前記車両が走行する際の走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、を備え、前記実位置が第1道路区間から第2道路区間に移動することに伴い前記目標速度が第1目標速度から第2目標速度に増大する場合、前記第2道路区間の開始位置から終了位置までの間において前記実速度が前記第1目標速度から前記第2目標速度に1次遅れで増大するように、前記第2道路区間における前記目標速度は設定され、前記第2道路区間における前記目標速度は、前記車両の走行時間に対する前記1次遅れで増大する速度の変化量を、前記走行抵抗算出部により算出された前記走行抵抗が大きくなるほど減少させるように設定される、速度制御装置。

請求項2

前記加減速度制御部は、前記目標速度に前記実速度が追従するように前記車両の加減速度を制御し、前記実速度が前記第1目標速度から前記第2目標速度に増大する際、前記目標速度に前記実速度が達したタイミングで前記実速度と前記目標速度との偏差積分値制御ゲイン乗算した値を0に変更する、請求項1に記載の速度制御装置。

請求項3

前記1次遅れの時定数は、前記第2目標速度から前記第1目標速度を減算した値を前記車両の最大加速度除算することによって算出される、請求項1または請求項2に記載の速度制御装置。

請求項4

前記走行抵抗は、前記車両の走行時における空気抵抗と、前記車両の走行時におけるころがり抵抗と、前記車両が走行する道路勾配抵抗と和によって算出される、請求項1〜3の何れか1項に記載の速度制御装置。

技術分野

0001

本発明は、速度制御装置に関する。

背景技術

0002

近年、自動車交通の諸問題に対する解決策として、自動車交通の情報化知能化に関連して、自動運転システム研究開発が進められている。自動運転システムとは例えば、複数の道路区間から構成される目標走行経路と、各道路区間に対して予め設定されている目標速度(「規制速度」とも言う)とが事前に提供されて、停発進を含む車両の自律的な走行制御を行うシステムである。車両には、当該車両の実際の速度(実速度)が、車両の実際の位置(実位置)を含む道路区間に設定されている目標速度に追従するように、当該車両のアクセル操作量とブレーキ操作量とを制御する速度制御装置が搭載される。

0003

特許文献1には、自動運転に関する技術として、自動運転許可スイッチによる許可に基づいて、走行路面上に敷設された誘導線に沿って車両の自動運転を開始させる技術が開示されている。

先行技術

0004

特開平3−142507号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、上記自動運転システムにおいて、目標速度がステップ状に増大する場合(すなわち、車両が加速する場合)、車両の実速度が急激に増大し、当該実速度が目標速度を超過するオーバーシュートが発生してしまう場合があるという問題があった。また、例えば車両が勾配の急な坂道等を登るときのように車両が走行する際の走行抵抗が大きくなると、加速の初期段階において車両が加速しにくく、十分に加速するのに時間がかかってしまう。そのため、車両の実速度が目標速度に近づいた段階になって十分に加速されてしまうことで、実速度が急激に増大し、ひいてはオーバーシュートが発生しやすくなるという問題があった。

0006

本発明の目的は、車両が加速する際、オーバーシュートの発生を抑制することが可能な速度制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る速度制御装置は、
複数の道路区間から構成され、各道路区間に対して目標速度が設定された走行経路に沿って走行する車両の速度を制御する速度制御装置であって、
前記車両の実際の速度である実速度を取得する実速度取得部と、
前記車両の実際の位置である実位置を取得する実位置取得部と、
前記実位置を含む前記道路区間に設定されている前記目標速度に前記実速度が追従するように、前記車両の加減速度を制御する加減速度制御部と、
前記車両が走行する際の走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、
を備え、
前記実位置が第1道路区間から第2道路区間に移動することに伴い前記目標速度が第1目標速度から第2目標速度に増大する場合、前記第2道路区間の開始位置から終了位置までの間において前記実速度が前記第1目標速度から前記第2目標速度に1次遅れで増大するように、前記第2道路区間における前記目標速度は設定され、
前記第2道路区間における前記目標速度は、前記車両の走行時間に対する前記1次遅れで増大する速度の変化量を、前記走行抵抗算出部により算出された前記走行抵抗が大きくなるほど減少させるように設定される。

発明の効果

0008

本発明によれば、目標速度がステップ状に変化するのではなく、当該目標速度の変化の傾きが徐々に小さくなるように設定されるため、車両が第1目標速度から第2目標速度に加速する際、実速度が目標速度(第2目標速度)を超過するオーバーシュートの発生を抑制することができる。また、車両が走行する際の走行抵抗に応じて前記1次遅れで増大する速度の変化量を減少させるので、車両が加速するのに十分な時間に確保してオーバーシュートの発生をさらに抑制することができる。

図面の簡単な説明

0009

本実施の形態における車両の構成を示す機能ブロック図である。
オーバーシュートの発生を説明する図である。
1次遅れで増大する目標速度を説明する図である。
1次遅れで増大する目標速度の生成方法を説明する図である。
1次遅れで増大する目標速度の変化に従って加減速度の制御を行った場合における車両の実速度の変化を示した図である。
目標速度に実速度が達したタイミングにおいてPI制御積分項を0に変更した場合における車両の実速度の変化を示した図である。
走行時間に対する走行速度およびPI制御の積分項を示す図である。
走行時間に対する走行速度およびPI制御の積分項を示す図である。

実施例

0010

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態における車両100の構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態では、車両100は、自動運転システムの対象となる、ディーゼルエンジン内燃機関)を搭載したトラックなどの大型車両である。すなわち、車両100は、複数の道路区間から構成され、車両100がこれから走行する走行経路(例えば、高速道路)と、各道路区間に対して予め設定されている目標速度とが事前に提供されて、停発進を含む車両100の自律的な走行制御を行うための構成を備えている。

0011

図1に示すように、車両100は、地図情報記憶部120、走行経路情報記憶部140、実位置検出部160、実速度検出部180および速度制御装置200を備える。

0012

地図情報記憶部120は、地図情報を記憶している。地図情報には、地図上の道路を表す道路情報であって地図表示経路探索等に使用する道路情報の他に、道路に隣接する各種施設を表す施設情報が含まれている。道路情報は、道路や車線を細かく分割して表したリンク(以下、「道路区間」と言う)に関する道路区間情報(例えば、道路幅道路長、勾配、タイヤと路面との摩擦係数等)と、各道路区間の両端の点(交差点分岐など複数の道路が交わる点を含む)に相当するノードに関するノード情報とから成る。なお、道路区間がカーブを有する場合には、道路区間情報は、そのカーブの半径および曲率等に関する情報を含む。

0013

走行経路情報記憶部140は、複数の道路区間から構成される走行経路に関する走行経路情報を記憶する。走行経路情報は、走行経路を構成する複数の道路区間に対して設定された目標速度を含む。目標速度とは、車両100が道路区間を走行する際、車両100の実際の速度(以下、「実速度」と言う)が追従するように予め設定された速度である。

0014

実位置検出部160は、車両100に搭載された自律航法センサー(図示せず)やGPS受信機(図示せず)により取得された車両100の経度緯度を示す情報と、地図情報記憶部120に記憶されている地図情報とに基づいて、地図上における車両100の実際の位置である実位置(現在位置)を検出する。そして、実位置検出部160は、検出した実位置を速度制御装置200に出力する。

0015

実速度検出部180は、例えば車速センサーであり、車両100の実速度(走行速度)を検出する。そして、実速度検出部180は、検出した実速度を速度制御装置200に出力する。

0016

速度制御装置200は、走行経路情報記憶部140に記憶されている走行経路情報に示される走行経路に沿って走行する車両100の速度を制御する。図1に示すように、速度制御装置200は、実位置取得部220、実速度取得部240、目標加減速度算出部260、加減速度制御部280および走行抵抗算出部300を備える。なお、目標加減速度算出部260および加減速度制御部280は、本発明の「加減速度制御部」に相当する。

0017

実位置取得部220は、実位置検出部160から出力された実位置を取得して目標加減速度算出部260に出力する。

0018

実速度取得部240は、実速度検出部180から出力された実速度を取得して目標加減速度算出部260に出力する。

0019

目標加減速度算出部260は、地図情報記憶部120に記憶されている地図情報と、走行経路情報記憶部140に記憶されている走行経路情報とに基づいて、実位置取得部220から出力された実位置を含む道路区間に設定されている目標速度に、実速度取得部240から出力された実速度を追従させるための目標加減速度を算出する。

0020

具体的には、目標加減速度算出部260は、目標速度と実速度との速度偏差に対するPI(比例・積分)フィードバック制御の方法によって目標加減速度を算出する。

0021

加減速度制御部280は、目標加減速度算出部260により算出された目標加減速度が正の値である場合(すなわち、車両100を加速させる必要がある場合)、目標加減速度算出部260により算出された目標加減速度に応じてアクセルマップを参照してアクセル開度(車両100のアクセル操作量)を決定し、決定したアクセル開度に応じて、エンジン制御を行う車両用電子制御装置(ECM)を制御する。なお、加減速度制御部280は、目標加減速度算出部260により算出された目標加減速度が正の値である場合、車両100のアクセル操作量以外を制御しても良い(例えば燃料噴射量の制御)。

0022

また、加減速度制御部280は、目標加減速度算出部260により算出された目標加減速度が負の値である場合(すなわち、車両100を減速させる必要がある場合)、目標加減速度算出部260により算出された目標加減速度に応じて制動力ゲインを参照して制動力(車両100のブレーキ操作量)を決定し、決定した制動力に応じて、制動力を発生させるEBS電子制御ブレーキシステム)を制御する。なお、加減速度制御部280は、目標加減速度算出部260により算出された目標加減速度が負の値である場合、車両100のブレーキ操作量以外を制御しても良い。

0023

走行抵抗算出部300は、車両100の走行抵抗(N)を算出して、算出した走行抵抗の情報を目標加減速度算出部260に出力する。走行抵抗の詳細については後述する。

0024

ところで、車両100が走行経路に沿って走行する際、目標速度がステップ状に増大する(すなわち、車両100が加速する)と、車両100の実速度が急激に増大し、当該実速度が目標速度を超過するオーバーシュートが発生してしまう場合があった。図2は、オーバーシュートの発生を説明する図である。図2において、実線L1は、実位置が第1道路区間から第2道路区間に移動することに伴い目標速度が第1目標速度(例えば、70[km/h])から第2目標速度(例えば、90[km/h])に増大することを示している。一点鎖線L2は、実線L1に示される目標速度の変化に従って加減速度の制御を行った場合における車両100の実速度の変化を示す。図2に示すように、目標速度が第1目標速度から第2目標速度にステップ状に増大すると、車両100の実速度が目標速度(第2目標速度)を超過するオーバーシュートが発生してしまう。

0025

そこで本実施の形態では、走行経路情報記憶部140に記憶される走行経路情報において、図3の実線L3に示すように、第2道路区間の開始位置から終了位置までの間において車両100の実速度が第1目標速度から第2目標速度に1次遅れで増大するように、第2道路区間における目標速度は予め設定されている。すなわち、目標速度は、ステップ状に変化するのではなく、当該目標速度の変化の傾きが徐々に小さくなるように設定される。具体的には、第2道路区間における目標速度は、以下の式(1)に示す時間関数で徐々に時間変化するように設定される。
目標速度=第1目標速度+(第2目標速度−第1目標速度)×(1−exp(−t/T))・・・(1)
ここで、t:実位置が第1道路区間から第2道路区間に移動した後の経過時間、T:1
次遅れの時定数応答速度の目安)である。

0026

1次遅れの時定数Tは、以下の式(2)に示すように、第2目標速度から第1目標速度を減算した値を車両100の最大加速度除算することによって算出される。車両100の最大加速度は、例えば、後述する式(6)によって決定される。
1次遅れの時定数T=(第2目標速度−第1目標速度)/車両100の最大加速度・・・(2)

0027

上述したように、1次遅れの目標速度は上式(1)によって生成されるが、第2目標速度まで加速させようとしても、第2目標速度までに加速するのにかかる加速時間(t)は無限大になるため、完全に第2目標速度まで加速させることができない。そこで、本実施の形態では、以下のように1次遅れの目標速度を生成する。すなわち、図4に示すように、速度変化幅(ΔV)の95[%](以下、「比率」と言う)まで加速する1次遅れの目標速度の曲線図4中の一点鎖線L3’)を生成する。次に、生成された曲線に係数(比率が95[%]の場合、1/0.95)を乗算して当該曲線を第2目標速度まで伸ばす(図4中の実線L3を参照)。なお、比率は、車両100の加速能力の違いに応じて、例えば65〜99[%]の範囲で調整しても良い。

0028

図5は、点線L3に示すように1次遅れで増大する目標速度の変化に従って加減速度の制御を行った場合における車両100の実速度の変化を1点鎖線L4で示した図である。図5に示すように、車両100の実速度が目標速度(第2目標速度)を超過するオーバーシュートが発生しているものの、目標速度がステップ状に増大する場合(図2を参照)と比べてオーバーシュート量が減少していることがわかる。

0029

さらに、本実施の形態では、目標加減速度算出部260は、実速度が第1目標速度から第2目標速度に増大する際、目標速度に実速度が達したタイミング(図5の点P2を参照)において、PI制御の積分項、つまり、実速度と目標速度の偏差積分値制御ゲインを乗算した値が正であれば当該積分項を0に変更する(リセットする)。目標速度に実速度が達した後において、正の積分項が残り、必要以上の加速要求が車両用電子制御装置(ECM)に行われてしまうことを防止するためである。

0030

図6は、目標速度に実速度が達したタイミングでPI制御の積分項を0に変更した場合における車両100の実速度の変化を実線L5で示した図である。図6に示すように、目標速度に実速度が達したタイミング以降、当該実速度が当該目標速度に追従し、オーバーシュートの発生なく、第2目標速度に増大していることがわかる。

0031

ところで、一般的に実速度を第1目標速度から第2目標速度に増大させる際、例えば、車両100が勾配の急な坂道を登るときのように車両100が走行する際の走行抵抗が大きくなると、実速度が目標速度に達するタイミングが遅くなる場合がある。図7は、走行時間に対する走行速度およびPI制御の積分項を示す図である。図7における一点鎖線L6は、第1目標速度から第2目標速度に増大させる際のPI制御の積分項を示す。図7における実線L7は、車両100の実速度の変化を示す。また、図7の場合、第1目標速度は60km/hを示し、第2目標速度は80km/hを示す。

0032

図7に示すように、第1目標速度から第2目標速度に増大する際、一点鎖線L6に示すようにPI制御の積分項は走行時間が経過するにつれ固定値である最大加速度となる2.5m/s2まで増加していく。しかし、車両100が走行する際の走行抵抗が大きい場合、車両100が想定通りに加速されにくくなる。この場合、目標速度である破線L3と実速度である実線L7との間で速度偏差が大きくなってしまい、目標速度に対して実速度の追従が遅れてしまうので、車両100の実速度が目標速度に到達するタイミングが遅れてしまう。目標速度に車両100の実速度が到達するタイミングが遅れるほど、その分、PI制御の積分項をリセットするタイミングが遅れてしまう。例えば、目標速度が第2目標速度に極めて近い速度のときに実速度が目標速度に到達する(走行時間t1)場合、つまり、車両100の実速度が第2目標速度に到達するときにPI制御の積分項において正となる部分が若干残り、オーバーシュートが発生する可能性がある。なお、図7では、オーバーシュートの発生(走行時間t1以降)を誇張して図示している。

0033

そこで、本実施の形態では、目標加減速度算出部260が、走行抵抗算出部300により算出された走行抵抗に応じて車両100の最大加速度を変更する。これにより、式(2)における1次遅れの時定数が変更されて、ひいては車両100の走行時間に対する1次遅れで増大する速度の変化量が減少する。走行抵抗が大きくなるほど車両100の走行時間に対する1次遅れで増大する速度の変化量が減少することで、実速度が目標速度に達するタイミングを早くなり、その結果、PI制御の積分項のリセットのタイミングが遅れなくなり、オーバーシュートが発生することを抑制する。以下、車両100の走行抵抗および目標加減速度算出部260の制御の詳細について述べる。

0034

車両100の走行抵抗は、車両100の走行時における空気抵抗と、車両100の走行時におけるころがり抵抗と、車両100が走行する道路の勾配抵抗との和によって算出される。

0035

車両100の走行時における空気抵抗は、車両100の表面の空気との摩擦により発生する抵抗をいう。走行抵抗算出部300は、例えば、図示しない計測部等から車両100の走行速度(km/h)および空気抵抗係数を取得することで空気抵抗を算出する。空気抵抗は、車両100の走行速度をV、空気抵抗係数をλ、車両100の前面の投影面積をS、重力加速度をgとして以下の式(3)により算出される。
空気抵抗=λ×S×V2×g・・・(3)

0036

車両100の走行時におけるころがり抵抗は、車輪が転がる際の車輪の軸受け部摩擦抵抗と、路面とタイヤ間のエネルギー損失により発生する抵抗をいう。走行抵抗算出部300は、例えば、図示しない計測部等からころがり抵抗係数の情報を取得することで、ころがり抵抗を算出する。ころがり抵抗は、ころがり抵抗係数をμ、車重をW、重力加速度をgとして式(4)により算出される。
ころがり抵抗=μ×W×g・・・(4)

0037

車両100が走行する道路の勾配抵抗は、坂道を登る際に発生する抵抗である。走行抵抗算出部300は、例えば、地図情報記憶部120等から道路勾配(本明細書では角度)の情報を取得することで勾配抵抗を算出する。勾配抵抗は、道路勾配をθ、車重をW、重力加速度をgとして式(5)により算出される。
勾配抵抗=W×sinθ×g・・・(5)

0038

目標加減速度算出部260が上述した式(2)において用いる最大加速度を、車両100の走行抵抗を用いて変動させることで、1次遅れの目標速度、つまり、第2道路区間における目標速度が、車両100の走行時間に対する1次遅れで増大する速度の変化量が変更されるように設定される。目標加減速度算出部260は、車両100の最大加速度を式(6)のようにして変動させる。
車両100の最大加速度=(車両100の最大駆動力−車両100の走行抵抗)/車両100の車重・・・(6)

0039

式(6)を用いて最大加速度が変更されることで、最大加速度は、走行抵抗が大きくなるほど小さくなるように変更される。つまり、1次遅れの目標速度は、車両100の走行時間に対する1次遅れで増大する速度の変化量を、走行抵抗が大きくなるほど減少させるように設定される。これにより、第1目標速度から第2目標速度に到達するまでの設定時間が、走行抵抗が大きくなるほど長くなるので、車両100が加速するのに十分な時間を確保することができる。そのため、設定時間に対する加速の初期段階において実速度を目標速度に達することが可能となる。

0040

なお、車両100の最大駆動力は、車両100に搭載されるエンジンにおいて発生可能な最大トルクから算出される。

0041

以上のように構成された車両100の作用効果について説明する。図8は、車両100が勾配の急な坂道を登る際の走行時間に対する走行速度およびPI制御の積分項を示す図である。一点鎖線L8は、第1目標速度から第2目標速度に増大させる際のPI制御の積分項を示す。実線L9は、車両100の実速度の変化を示す。

0042

図8に示すように、車両100が例えば勾配の急な坂道等を登る際に、第1目標速度から第2目標速度に増大する場合(実線L1参照)、走行抵抗算出部300により走行抵抗が算出され、1次遅れの目標速度(破線L3)の設定時間が、図7における1次遅れの目標速度の設定時間(18s)よりも長い41sになるように設定される。PI制御の積分項(一点鎖線L8)の上昇に伴い、実速度(実線L9)が徐々に目標速度(破線L3)に追いついてきて、走行時間t2(加速開始から約10s)の時点で実速度が目標速度に到達する。つまり、第2目標速度に目標速度がまだ到達しないような時間である加速の初期段階で実速度を目標速度まで到達させることができる。これにより、加速の初期段階でPI制御の積分項をリセットさせることができるので、実速度が正の積分項に起因して第2目標速度を超過するオーバーシュートが発生することを抑制することができる。

0043

また、走行時間t2のような1次遅れの目標速度が第2目標速度に対して増速していない位置でPI制御の積分項がリセットされてしまうので、実速度が走行抵抗に起因して目標速度に対して低下する場合がある。その場合、再度PI制御の積分項が増大されることで実速度が増速される。実速度が増速されて再度目標速度に到達すると(走行時間t3)、PI制御の積分項がリセットされる。走行時間t3後も、実速度が目標速度に対して低下した場合、同様に再度加速されて実速度が目標速度に到達する度にPI制御の積分項がリセットされる(走行時間t4、t5)。このように繰り返しPI制御の積分項のリセットが行われることで、実速度が目標速度を超過しにくくすることができる。すなわち、車両100の実速度が第2目標速度に近づいた段階で急激に増大することが抑制されるので、オーバーシュートが発生することをさらに抑制することができる。

0044

また、目標速度がステップ状に変化するのではなく、当該目標速度の変化の傾きが徐々に小さくなるように設定されるため、車両100が第1目標速度から第2目標速度に加速する際、実速度が目標速度(第2目標速度)を超過するオーバーシュートの発生を抑制することができる。

0045

また、車両100の走行時間に対する1次遅れで増大する速度の変化量を走行抵抗が大きくなるほど減少させるので、車両100が加速するのに十分な時間を確保することができる。そのため、1次遅れの目標速度の設定時間に対する加速の初期段階において実速度を目標速度に到達させることができ、ひいてはオーバーシュートの発生をさらに抑制することができる。

0046

なお、上記実施の形態では、1次遅れで増大する速度の変化量を走行抵抗が大きくなるほど減少させるように目標速度を設定していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、1次遅れで増大する速度の変化量を変更せずに、走行抵抗の大きさに応じて目標速度に到達する前のタイミングでPI制御の積分項をリセットさせても良い。このようにすることで、リセット後に残った正の積分値により実速度が多少増加するので、実速度を目標速度の値まで増加させることができる。

0047

また、上記実施の形態では、実速度が第1目標速度から第2目標速度に増大する際、目標速度に実速度が達したタイミングにおいてPI制御の積分項を0に変更する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、目標速度に実速度が達する前、または、目標速度に実速度が達した後のタイミングにおいてPI制御の積分項を0に変更しても良い。要は、オーバーシュートの発生がより抑制されるようなタイミングでPI制御の積分項を0に変更すれば良い。

0048

また、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

0049

本発明は、車両が加速する際、オーバーシュートの発生を抑制することが可能な速度制御装置として有用である。

0050

100 車両
120地図情報記憶部
140走行経路情報記憶部
160 実位置検出部
180 実速度検出部
200速度制御装置
220 実位置取得部
240 実速度取得部
260目標加減速度算出部
280加減速度制御部
300走行抵抗算出部

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