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技術 ポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子コンポジットフィラメントおよびその製造方法

出願人 ゼロックスコーポレイション
発明者 ヴァレリー・エム・ファルジアバーケフ・コシュケリアンマイケル・エヌ・クレティアン
出願日 2017年3月24日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2017-058476
公開日 2017年11月24日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2017-206800
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし) 合成繊維
主要キーワード 熱溶解積層法 コンポジット製品 金属コンポジット 物品層 メッシュ状構造 積層製造 PEコア ナノテンプレート
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

熱溶解積層法FDM)に使用するためのコンポジットフィラメント、特に、ポリマーコーティングされたコンポジットのフィラメントの提供。

解決手段

スルホン酸化ポリエステルマトリックス及びマトリックスの中に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子と、コア粒子の周囲に配置されたポリスチレンからなるシェルポリマーと、を含み、銀ナノ粒子がコンポジットフィラメント中に約0.5〜約50000ppmで存在し、コンポジットフィラメントの直径が0.5〜5mmであるコンポジットフィラメント。有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱し、更に銀(I)イオン溶液を加え、この混合物還元剤溶液を加えて銀を還元して、銀ナノ粒子をスルホン酸化ポリエステルマトリックスに配置してコア粒子のエマルジョンを作製し、スチレンモノマー開始剤を加えて、重合させ、シェルポリマを形成し、コンポジット構造を作する方法。

概要

背景

種々の用途のための三次元3D印刷に対する医学界信頼は、迅速に高まりつつあり、組織および臓器の製造、特別注文が可能なデバイス(例えば、人工装具マウスガード矯正装具補聴器およびインプラント)、制御された薬物送達および個人に合わせた薬物製造に関連する医薬の探求のような領域を包含する。これら医学用途の多くは、細菌、微生物ウイルスまたは真菌成長阻害することができるコンポジット材料を必要とする。台所用品、おもちゃ、教育用材料および数え切れない家庭用品のような3D印刷のための他の製品も、細菌の成長に望ましい環境を与えるため、これらの製品と組み合わせて使用するための抗菌性コンポジット材料も望ましい。3D印刷した材料の層状構造に起因して、特に、特定の細菌株が、これらの材料の細かい構造構成品の中で実際に繁殖し得るため、細菌成長の可能性が非常に高くなる場合がある。洗浄だけでは、これらの製品の表面および裂け目が完全に滅菌されない。

従って、3D印刷のための抗菌特性を有する新規材料の必要性が存在する。3D印刷方法の1つはFDMであり、FDMは、一般的な積層造形(3D印刷)技術である。FDMは、コンピュータ支援設計CADモデルから物理的な3D物体を製造するための積層製造技術である。FDM技術は、一般的な3D印刷材料、例えば、ポリ乳酸PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)および高密度ポリエチレン(HDPE)を処理することができる。FDMは、原材料を加熱し、その後に、典型的には、パターン形成され、積み重ねられた一連の層として押出成型し、それによって固体を作成するという原理で動く。FDMプロセスは、3D物品を製造するために、溶融したプラスチックの押出成型によって、構築材料として、溶融した熱可塑性ポリマーを使用する。このモデリングプロセスは、コンピュータ支援設計が与えられ、医薬用途の場合には、このモデルが、超音波コンピュータ断層撮影または磁気共鳴画像から得られる多工程の手法である。次いで、このデザインを、望ましい構築パラメータを設定するソフトウェアによって処理する。このファイルデータをFDM装置に使用し、物品を構築する。1回分フィラメント材料を加熱した押出成型ヘッドに供給し、この押出成型ヘッドが、層ごとの態様で構築フラットフォームに半液体の材料を運ぶ。モデルが構築されると、構築チャンバの温度差に起因して、堆積すると層が固化する。ある場合には、このヘッドは、冷却するにつれて、所定位置物品層を保持する足場として作用する除去可能な支持材料も押出成型することができる。このような支持材料を、後で加熱、破壊または洗浄(超音波振動タンクにおいて)によって除去することができる。モデルを構築するための材料を堆積する層ごとの方法は、米国特許第5,121,329号に記載される。流動可能なモデリング材料の層を堆積させることによって三次元モデルを製造するための装置および方法の例は、米国特許第4,749,347号、米国特許第5,121,329号、米国特許第5,303,141号、米国特許第5,340,433号、米国特許第5,402,351号、米国特許第5,503,785号、米国特許第5,587,913号、米国特許第5,738,817号、米国特許第5,764,521号および米国特許第5,939,008号に記載される。押出成型ヘッドは、加熱した流動可能なモデリング材料をノズルから基材に押出成型する。基材は、モデリングプラットフォームに除去可能に固定されるモデリング物質を含む。押出成型ヘッドおよび基材が、x−y−zガントリーステムによって三次元に互いに移動するにつれて、押出成型された材料は、CADモデルから定義された領域に、層ごとに堆積する。堆積した後に材料が固化し、三次元モデルが生成する。熱可塑性材料をモデリング材料として使用してもよく、堆積した後、冷却によってこの材料が固化してもよいことが開示される。

概要

熱溶解積層法(FDM)に使用するためのコンポジットフィラメント、特に、ポリマーコーティングされたコンポジットのフィラメントの提供。スルホン酸化ポリエステルマトリックス及びマトリックスの中に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子と、コア粒子の周囲に配置されたポリスチレンからなるシェルポリマーと、を含み、銀ナノ粒子がコンポジットフィラメント中に約0.5〜約50000ppmで存在し、コンポジットフィラメントの直径が0.5〜5mmであるコンポジットフィラメント。有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱し、更に銀(I)イオン溶液を加え、この混合物還元剤溶液を加えて銀を還元して、銀ナノ粒子をスルホン酸化ポリエステルマトリックスに配置してコア粒子のエマルジョンを作製し、スチレンモノマー開始剤を加えて、重合させ、シェルポリマを形成し、コンポジット構造を作する方法。なし

目的

本開示は、熱溶解積層法(FDM)用途に使用するための、コンポジットフィラメント、さらに特定的には、銀ナノ粒子(AgNP)を含有するポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステルポリマーコンポジットのフィラメントを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コンポジットフィラメントであって、スルホン酸化ポリエステルマトリックス;および前記マトリックスの中に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子と;前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含み、前記銀ナノ粒子が、コンポジットフィラメント中に約0.5ppm〜約50,000ppmの範囲で存在し;さらに、前記コンポジットフィラメントは、直径が約0.5mm〜約5mmである、コンポジットフィラメント。

請求項2

前記スルホン酸化ポリエステルは、ガラス転移(Tg)温度が約45℃〜約95℃である、請求項1に記載のコンポジットフィラメント。

請求項3

前記スルホン酸化ポリエステルマトリックスが、分岐したポリマーを含む、請求項1に記載のコンポジットフィラメント。

請求項4

前記スルホン酸化ポリエステルマトリックスが、直鎖ポリマーを含む、請求項1に記載のコンポジットフィラメント。

請求項5

コンポジットフィラメントを製造する方法であって、有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱することと;前記有機物を含まない溶媒中、前記加熱した樹脂に銀(I)イオン溶液を加え、混合物を作成することと;前記混合物に還元剤溶液を加えることによって、スルホン酸化ポリエステルマトリックスと前記スルホン酸化ポリエステルマトリックスの中に配置された複数の銀ナノ粒子とを含むコア粒子のエマルションを作成することと;前記コア粒子のエマルションにスチレンモノマーおよび開始剤を加え、前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーを作成し、それによって、コンポジット構造を作成することと;コンポジット粒子のエマルションを凝集させ、凝集した粒子を作成することと;前記凝集した粒子を融着させ、融着した粒子を作成することと;前記融着した粒子を洗浄することによって、コンポジット粉末を作成することと;前記コンポジット粉末を押出成型し、コンポジットフィラメントを製造することとを含む、方法。

請求項6

前記スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱することが、約65℃〜約90℃の温度で行われる、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記凝集させることが、約30℃〜約80℃の温度で行われる、請求項5に記載の方法。

請求項8

前記融着させることが、約30℃〜約95℃の温度で行われる、請求項5に記載の方法。

請求項9

スルホン酸化ポリエステルマトリックス;および前記マトリックスの中に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子と;前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含む、コンポジットフィラメントを含み、前記銀ナノ粒子が、コンポジットフィラメント中に約0.5ppm〜約50,000ppmの範囲で存在し;さらに、前記コンポジット粉末は、粒径が約10ミクロン〜約300ミクロンである、物品

請求項10

前記物品が、生化学センサ光学検出器抗菌剤繊維製品化粧品電子部品、繊維および低温超伝導材料からなる群から選択される、請求項9に記載の物品。

技術分野

0001

本開示は、熱溶解積層法FDM)に使用するための、コンポジットフィラメント、特に、コンポジットマトリックス全体に分散した金属ナノ粒子を含む、ポリマーコーティングされたコンポジットのフィラメントに関する。

背景技術

0002

種々の用途のための三次元3D印刷に対する医学界信頼は、迅速に高まりつつあり、組織および臓器の製造、特別注文が可能なデバイス(例えば、人工装具マウスガード矯正装具補聴器およびインプラント)、制御された薬物送達および個人に合わせた薬物製造に関連する医薬の探求のような領域を包含する。これら医学用途の多くは、細菌、微生物ウイルスまたは真菌成長阻害することができるコンポジット材料を必要とする。台所用品、おもちゃ、教育用材料および数え切れない家庭用品のような3D印刷のための他の製品も、細菌の成長に望ましい環境を与えるため、これらの製品と組み合わせて使用するための抗菌性コンポジット材料も望ましい。3D印刷した材料の層状構造に起因して、特に、特定の細菌株が、これらの材料の細かい構造構成品の中で実際に繁殖し得るため、細菌成長の可能性が非常に高くなる場合がある。洗浄だけでは、これらの製品の表面および裂け目が完全に滅菌されない。

0003

従って、3D印刷のための抗菌特性を有する新規材料の必要性が存在する。3D印刷方法の1つはFDMであり、FDMは、一般的な積層造形(3D印刷)技術である。FDMは、コンピュータ支援設計CADモデルから物理的な3D物体を製造するための積層製造技術である。FDM技術は、一般的な3D印刷材料、例えば、ポリ乳酸PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)および高密度ポリエチレン(HDPE)を処理することができる。FDMは、原材料を加熱し、その後に、典型的には、パターン形成され、積み重ねられた一連の層として押出成型し、それによって固体を作成するという原理で動く。FDMプロセスは、3D物品を製造するために、溶融したプラスチックの押出成型によって、構築材料として、溶融した熱可塑性ポリマーを使用する。このモデリングプロセスは、コンピュータ支援設計が与えられ、医薬用途の場合には、このモデルが、超音波コンピュータ断層撮影または磁気共鳴画像から得られる多工程の手法である。次いで、このデザインを、望ましい構築パラメータを設定するソフトウェアによって処理する。このファイルデータをFDM装置に使用し、物品を構築する。1回分フィラメント材料を加熱した押出成型ヘッドに供給し、この押出成型ヘッドが、層ごとの態様で構築フラットフォームに半液体の材料を運ぶ。モデルが構築されると、構築チャンバの温度差に起因して、堆積すると層が固化する。ある場合には、このヘッドは、冷却するにつれて、所定位置物品層を保持する足場として作用する除去可能な支持材料も押出成型することができる。このような支持材料を、後で加熱、破壊または洗浄(超音波振動タンクにおいて)によって除去することができる。モデルを構築するための材料を堆積する層ごとの方法は、米国特許第5,121,329号に記載される。流動可能なモデリング材料の層を堆積させることによって三次元モデルを製造するための装置および方法の例は、米国特許第4,749,347号、米国特許第5,121,329号、米国特許第5,303,141号、米国特許第5,340,433号、米国特許第5,402,351号、米国特許第5,503,785号、米国特許第5,587,913号、米国特許第5,738,817号、米国特許第5,764,521号および米国特許第5,939,008号に記載される。押出成型ヘッドは、加熱した流動可能なモデリング材料をノズルから基材に押出成型する。基材は、モデリングプラットフォームに除去可能に固定されるモデリング物質を含む。押出成型ヘッドおよび基材が、x−y−zガントリーステムによって三次元に互いに移動するにつれて、押出成型された材料は、CADモデルから定義された領域に、層ごとに堆積する。堆積した後に材料が固化し、三次元モデルが生成する。熱可塑性材料をモデリング材料として使用してもよく、堆積した後、冷却によってこの材料が固化してもよいことが開示される。

課題を解決するための手段

0004

ある態様において、本発明の実施形態は、コア粒子と、前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含むコンポジットフィラメントに関し、このコア粒子は、スルホン酸化ポリエステルマトリックスと、前記マトリックスの中に分散した複数の銀ナノ粒子とを含み、前記銀ナノ粒子が、コンポジットフィラメント中に約0.5ppm〜約50,000ppmの範囲で存在し;さらに、前記コンポジットフィラメントは、直径が約0.5mm〜約5mmである。

0005

ある態様において、本発明の実施形態は、コンポジットフィラメントを製造する方法であって、有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱することと;前記有機物を含まない溶媒中、前記加熱した樹脂に銀(I)イオン溶液を加え、混合物を作成することと;前記混合物に還元剤溶液を加えることによって、スルホン酸化ポリエステルマトリックスと前記スルホン酸化ポリエステルマトリックスの中に配置された複数の銀ナノ粒子とを含むコア粒子のエマルションを作成することと;前記コア粒子のエマルションにスチレンモノマーおよび開始剤を加え、前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーを作成し、それによって、コンポジット構造を作成することと;コンポジット粒子のエマルションを凝集させ、凝集した粒子を作成することと;前記凝集した粒子を融着させ、融着した粒子を作成することと;前記融着した粒子を洗浄することによって、コンポジット粉末を作成することと;前記コンポジット粉末を押出成型し、コンポジットフィラメントを製造することとを含む、方法に関する。

0006

ある態様において、本発明の実施形態は、コア粒子と、前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含むコンポジットフィラメントを含む物品に関し、コア粒子は、スルホン酸化ポリエステルマトリックスと、前記マトリックスの中に分散した複数の銀ナノ粒子とを含み、前記銀ナノ粒子が、コンポジットフィラメント中に約0.5ppm〜約50,000ppmの範囲で存在し;さらに、前記コンポジット粉末は、粒径が約10ミクロン〜約300ミクロンである。

0007

図面を参照しつつ、本開示の種々の実施形態を本明細書で以下に記載する。

図面の簡単な説明

0008

図1Aは、本明細書に記載する実施形態による、水性媒体中のスルホン酸化ポリエステル銀ナノ粒子(AgNP)のスチレン化の可能な機構の模式図を示す。
図1Bは、本明細書に記載する実施形態による、水性媒体中のスルホン酸化ポリエステル銀ナノ粒子(AgNP)のスチレン化の可能な機構の模式図を示す。
図2Aは、フィラメント製造のための乾燥粒子の調製の可能な機構の模式図を示す。
図2Bは、フィラメント製造のための乾燥粒子の調製の可能な機構の模式図を示す。
図3は、スチレンコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−AgNPコンポジット構造を含む例示的なコンポジット構造(実施例4)の透過型電子顕微鏡TEM)画像を示す。暗色領域はAgNPである。

0009

本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つ」および「1つ以上」は、相互に置き換え可能に使用される。従って、例えば、「1つの(an)」添加剤を含むコーティング組成物は、コーティング組成物が「1つ以上」の添加剤を含むことを意味すると解釈することができる。

0010

また、本明細書では、数値範囲引用は、広い範囲の中に含まれる全ての部分範囲の開示を含む(例えば、1〜5は、1〜4、1〜3、1〜2、2〜4、2〜3などを開示する)。

0011

本開示は、熱溶解積層法(FDM)用途に使用するための、コンポジットフィラメント、さらに特定的には、銀ナノ粒子(AgNP)を含有するポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステルポリマーコンポジットのフィラメントを提供する。

0012

この種類のAgNPポリマーコンポジットは、銀塩は銀の放出が速すぎて制御することができない場合があり、一方、塊状の銀は、活性銀種を放出するのに非常に効率が悪いため、イオン性の銀および塊状の銀と比較して、抗菌剤用途に適している。AgNPは、その抗菌特性について知られているが、AgNPを用いた抗菌活性の実際の機構はあまり理解されていない。AgNPは、細菌の細胞壁相互作用し、その結果、血漿膜電位不安定化し、細胞アデノシン三リン酸ATP)のレベル下げ、細菌の細胞死を引き起こす場合がある。または、AgNPは、AgNP存在下で細菌細胞細胞毒性の原因となる反応性酸素種(ROS)の生成に、ある役割を果たし得る。「Potential Theranostics Application of Bio−Synthesized Silver Nanoparticles(4−in−1 System)」Theranostics 2014;4(3):316−335。さらに、AgNPは、電子供与体電子受容体の間の電子移動を容易にすることによって、化学的酸化還元反応触媒として関与することが報告されている。「Micelle bound redox dye marker for nanogram level arsenic detection promoted by nanoparticles」、New J. Chem.、2002、26、1081−1084。

0013

本開示のFDMコンポジットフィラメントは、スルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子(SPE−AgNP、ここで、SPE−AgNPは、凝集してナノサイズからミクロンサイズになり、その後、押出成型されてフィラメントになる)から合成されてもよい。さらに特定的には、まず、水中でスルホン酸化ポリエステル樹脂粒子自己集合する間に還元剤を使用して、または還元剤を使用せずに硝酸銀から同時に生成する銀ナノ粒子(AgNP)が埋め込まれた自己集合性スルホン酸化ポリエステル(SPE)の凝集から、乾燥コンポジット粉末を作成する。その後、乾燥コンポジット粉末を粉末形態からフィラメントへと加工し、この粉末形態は、場合により、添加剤および/またはフィラーを含んでいてもよい。本開示は、スルホン酸化ポリエステルマトリックスと複数の銀ナノ粒子とを含むポリマーフィラメントに関し、これは、米国特許第6,866,807号、米国特許第5,121,329号、米国特許第6,730,252号、米国特許第3,046,178号、米国特許第6,923,634号、米国特許第2,285,552号、米国特許第4,012,557号、米国特許第4,913,864号、米国特許出願公開第2004/0222561号および米国特許出願公開第2015/0084222号に開示される手順に従って調製されてもよい。

0014

(ポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子SPE−AgNP)
本発明の特定の実施形態は、ソジオスルホン酸化ポリエステル樹脂粒子を水中で自己集合させる間に、同時に銀(I)イオン還元することによる、銀ナノ粒子(AgNP)を合成する方法を提供する。バルク溶媒として水を使用するこの方法は、環境に優しく、有機溶媒を含まない(すなわち、有機物を含まない溶媒)。この方法は、ポリマー金属ナノコンポジットを調製するのに最低限しか時間を必要とせず、効率的である。理論に束縛されることを望まないが、同時にAgNPに還元しつつ、ソジオスルホン酸化ポリエステルの自己集合中に、ポリマーマトリックス内に銀イオン捕捉されると考えられる。スルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子(SPE−AgNP)は、自己集合中または図1に示されるようにポリマーを水に分散させている間に、同時に合成される。従って、ソジオスルホン酸化ポリエステルは、銀イオンの担体としても、銀ナノコンポジットの系中での合成のための有機マトリックスとしても働く。硝酸銀から銀ナノ粒子(AgNP)へと還元するために、ソジオスルホン酸化ポリエステルの自己集合中に任意要素の還元剤を加え、十分に分散した粒子を得る。ポリエステルマトリックスは、AgNPの凝集を抑制すると考えられるため、重要な役割を果たす。一方、スルホン酸化ポリエステルの多孔性によって、銀イオンがポリマーマトリックス全体に拡散し、および/または吸収され、ポリエステルのスルホネート官能基との遮られていない相互作用が可能になる。銀イオンの還元に使用される還元剤も、ポリエステルマトリックス全体に自由に拡散し、ポリエステル粒子の表面および内部に十分に分散したAgNPの生成を促進する。有利なことに、このプロセスは、あらかじめ作成しておいたナノ粒子を用いる従来の方法では起こってしまうナノ粒子の凝集を最低限にする。スルホン酸化ポリマーマトリックスは、AgNPの分散を維持し、コンポジットの全体的な化学安定性および機械定性を維持するのに重要な役割を有する。次いで、ポリスチレンシェルをSPE−AgNPの上に作成してもよい。疎水性モノマー(例えば、スチレン)が加えられる場合、SPEナノ球疎水性PEコアの周囲で重合し、SPE−AgNPの表面にポリスチレンシェルが生成する。スチレンモノマーは、多孔性SPEコアの中に拡散してもよい。スルホン酸化ポリエステルは、系中で合成されるAgNPのための安定化剤として重要な役割を果たし、さらに、界面活性剤を使用することなく水中でスチレンを重合させるための望ましい環境を与えるナノテンプレートとして重要な役割を果たす。

0015

銀は、抗菌特性、抗微生物特性抗真菌特性、抗ウイルス特性を含め、多くの有用な特性を有する。本明細書に開示される銀ナノコンポジットのこれらの新規な特性によって、銀ナノコンポジットは、本明細書に記載される医療用途および他の用途で有用である。

0016

本明細書に開示されるスルホン酸化ポリエステル樹脂は、鎖に沿って接続した親水性スルホネート基が存在しつつ、疎水性骨格を有するように選択されている。理論に束縛されないが、水に入れられ、加熱されると、この疎水性部分が互いに相互作用して疎水性コアを生成する場合があり、この親水性スルホネート基は、周囲の水に面しており、スルホン酸化ポリエステルがさらに高次元に自己集合し、さらなる試薬を必要とすることなく、球状のナノ粒子になる。従って、親水性ポリエステルが関与する高次元が存在し、その中では、水に不溶性の疎水性骨格と、水溶性の親水性スルホネート基は、マクロ界面活性剤として作用する。これにより、水性媒体中で自己会合性、自己集合性、自己分散性のナノ粒子が得られ、ミセル状凝集物が得られる。このミセルの内部および周囲での銀ナノ粒子の生成は、硝酸銀と還元剤を添加すると二次的に起こる。

0017

いくつかの実施形態において、スルホン酸化ポリエステルマトリックスと、前記マトリックスの中に分散した複数の銀ナノ粒子とを含むコンポジットが提供される。

0018

いくつかの実施形態において、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、分岐したポリマー(BSPE)である。いくつかの実施形態において、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、直鎖ポリマーである。分岐したポリマーまたは直鎖ポリマーの選択は、特に、下流でのコンポジット製品の適用に依存して変わってもよい。直鎖ポリマーを使用し、繊維の束を作成することができ、または強いメッシュ状構造を作成することができる。分岐したポリマーは、得られるコンポジット材料に熱可塑性を付与するのに有用な場合がある。

0019

いくつかの実施形態において、本開示のスルホン酸化ポリエステルは、1種類のエステルモノマーホモポリマー、または2種類以上のエステルモノマーのコポリマーであってもよい。適切なスルホン酸化ポリエステルの例としては、米国特許第5,348,832号、第5,593,807号、第5,604,076号、第5,648,193号、第5,658,704号、第5,660,965号、第5,840,462号、第5,853,944号、第5,916,725号、第5,919,595号、第5,945,245号、第6,054,240号、第6,017,671号、第6,020,101号、第6,140,003号、第6,210,853号および第6,143,457号に開示されるものが挙げられる。

0020

いくつかの実施形態において、本開示のスルホン酸化ポリエステルは、ランダムスルホン酸化ポリエステルの水素または塩であってもよく、ポリ(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ジエチレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−テレフタレートフタレート)、コポリ(1,2−プロピレン−ジエチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−ジエチレン−テレフタレートフタレート)、コポリ(エチレン−ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(エチレン−ネオペンチレン−テレフタレート−フタレート)、コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA)−コポリ−(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホイソフタレート)、コポリ(エチレン−テレフタレート)−コポリ−(エチレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ(プロピレン−テレフタレート)−コポリ−(プロピレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(ジエチレン−テレフタレート)−コポリ−(ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ジエチレン−テレフタレート)−コポリ−(プロピレン−ジエチレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ(プロピレン−ブチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ブチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(エトキシル化ビスフェノールA−フマレート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(エトキシル化ビスフェノールA−マレエート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ジエチレンテレフタレート)−コポリ(プロピレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ(ネオペンチル−テレフタレート)−コポリ−(ネオペンチル−5−スルホイソフタレート)の塩(例えば、アルミニウム塩を含む金属塩ナトリウムリチウムおよびカリウムのようなアルカリ金属の塩、ベリリウムマグネシウムカルシウムおよびバリウムのようなアルカリ土類金属の塩、バナジウム、鉄、コバルト、銅のような遷移金属の金属塩など、およびこれらの混合物)、およびこれらの混合物を含む。

0021

一般的に、スルホン酸化ポリエステルは、以下の一般的な構造を有していてもよく、つまり、nおよびpのセグメントが分離したランダムコポリマーであってもよく、

0022

0023

Rは、例えば、2〜約25個の炭素原子アルキレン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、オキシアルキレンエチレンオキシドなどであり;R’は、例えば、約6〜約36個の炭素原子のアリーレン、例えば、ベンジレン、ビスフェニレン、ビス(アルキルオキシビスフェノレンなどであり;pおよびnは、ランダムに繰り返すセグメントの数、例えば、約10〜約100,000を表す。

0024

スルホン酸化ポリエステルの例としては、さらに、米国特許第7,312,011号に開示されるものが挙げられる。アモルファスアルカリスルホン酸化ポリエステル系樹脂の具体例としては、限定されないが、コポリ(エチレン−テレフタレート)−コポリ−(エチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ブチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ブチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロポキシル化ビスフェノール−A−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−フマレート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタレート)、およびコポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−マレエート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタレート)が挙げられ、アルカリ金属は、例えば、ナトリウムイオンリチウムイオンまたはカリウムイオンである。結晶性アルカリスルホン酸化ポリエステル系樹脂の例としては、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コ−ポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、およびアルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コ−ポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル−コポリ(ブチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)コポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)が挙げられ、アルカリは、ナトリウム、リチウムまたはカリウムのような金属である。いくつかの実施形態において、アルカリ金属は、ナトリウムである。

0025

本開示で使用するのに適したスルホン酸化ポリエステルは、示差走査熱量測定によって測定される場合、ガラス転移(Tg)温度が約45℃〜約95℃、または約52℃〜約70℃であってもよい。スルホン酸化ポリエステルは、数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される場合、約2,000g/mole〜約150,000g/mole、約3,000g/mole〜約50,000g/mole、または約6,000g/mole〜約15,000g/moleであってもよい。スルホン酸化ポリエステルは、重量平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される場合、約3,000g/mole〜約300,000g/mole、約8,000g/mole〜約90,000g/mole、または約10,000g/mole〜約60,000g/moleであってもよい。スルホン酸化ポリエステルは、多分散性が、数平均分子量に対する重量平均分子量の比率によって計算される場合、約1.6〜約100、約2.0〜約50、または約5.0〜約30であってもよい。

0026

直鎖アモルファスポリエステル樹脂は、一般的に、有機ジオールと二酸またはジエステル(少なくとも1つがスルホン酸化されているか、またはスルホン酸化二官能モノマーが反応に含まれる)、重縮合触媒重縮合によって調製される。分岐したアモルファススルホン酸化ポリエステル樹脂の場合、同じ材料を使用してもよく、多価ポリ酸またはポリオールのような分岐剤をさらに含む。

0027

アモルファスポリエステルを調製するために選択される二酸またはジエステルの例としては、テレフタル酸フタル酸イソフタル酸フマル酸マレイン酸イタコン酸コハク酸無水コハク酸ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸ドデカン二酸テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルイソフタル酸ジメチルイソフタル酸ジエチルフタル酸ジメチル無水フタル酸フタル酸ジエチルコハク酸ジメチルフマル酸ジメチルマレイン酸ジメチルグルタル酸ジメチルアジピン酸ジメチル、ドデシルコハク酸ジメチル、およびこれらの混合物からなる群から選択されるジカルボン酸またはジエステルが挙げられる。有機二酸またはジエステルは、例えば、樹脂の約45〜約52モル%選択される。アモルファスポリエステルを作成するために利用されるジオールの例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオールヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオールドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノールシクロヘキサンジオールジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキシドジプロピレングリコールジブチレン、およびこれらの混合物が挙げられる。選択される有機ジオールの量はさまざまであってもよく、さらに特定的には、例えば、樹脂の約45〜約52モル%である。

0028

アルカリが、リチウム、ナトリウムまたはカリウムであるアルカリスルホン酸化二官能モノマーの例としては、ジメチル−5−スルホ−イソフタレート、ジアルキル−5−スルホ−イソフタレート−4−スルホ−1,8−無水ナフタル酸、4−スルホ−フタル酸、4−スルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、6−スルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、スルホ−テレフタル酸、ジメチル−スルホ−テレフタレート、ジアルキル−スルホ−テレフタレート、スルホ−エタンジオール、2−スルホ−プロパンジオール、2−スルホ−ブタンジオール、3−スルホ−ペンタンジオール、2−スルホ−ヘキサンジオール、3−スルホ−2−メチルペンタンジオール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホネート、2−スルホ−3,3−ジメチルペンタンジオール、スルホ−p−ヒドロキシ安息香酸、これらの混合物などが挙げられる。有効な二官能モノマーの量、例えば、樹脂の約0.1〜約2重量%を選択することができる。

0029

分岐したアモルファススルホン酸化ポリエステルを作成するときに使用するための分岐剤としては、例えば、多価ポリ酸、例えば、1,2,4−ベンゼン−トリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシルプロパンテトラ(メチレン−カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらの酸無水物、1〜約6個の炭素原子のこれらの低級アルキルエステル;多価ポリオール、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタンペンタエリスリトールジペンタエリスリトールトリペンタエリスリトールスクロース、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオールグリセロール2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタントリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、これらの混合物などが挙げられる。選択される分岐剤の量は、例えば、樹脂の約0.1〜約5モル%である。

0030

アモルファスポリエステルのための重縮合触媒の例としては、チタン酸テトラアルキルジアルキルスズオキシド、例えば、ジブチルスズオキシドテトラアルキルスズ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジアルキルスズオキシド水酸化物、例えば、ブチルスズオキシド水酸化物、アルミニウムアルコキシドアルキル亜鉛ジアルキル亜鉛酸化亜鉛酸化第一スズ、またはこれらの混合物が挙げられ、触媒は、ポリエステル樹脂を作成するために使用される出発物質の二酸またはジエステルを基準として、例えば、0.01モル%〜5モル%の量で選択される。

0031

特定の実施形態において、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、トリメチロールプロパン、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリオールモノマー単位を含む。

0032

特定の実施形態において、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、テレフタル酸、スルホン酸化イソフタル酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される二酸モノマー単位を含む。

0033

いくつかの実施形態において、スルホン酸化ポリエステル−銀コアナノ粒子は、粒径が約5nm〜約500nm、または約10〜約200nm、または約20〜約100nmの範囲であってもよい。コアの粒径が100nm未満であれば、透明性および他のコーティングの特性を妨害することなく、ポリマーマトリックスの強化に有用であろう。Tsavalas、J.G.等、J.Appl.Polym.Sci.、87:1825−1836(2003)。本明細書で使用される場合、「粒径」との言及は、一般的に、D50質量メジアン径(MMD)またはlog正規分布質量メジアン径を指す。MMDは、質量による平均粒子直径であると考える。

0034

いくつかの実施形態において、銀ナノ粒子は、単に銀元素を含んでいてもよく、または他の金属とのコンポジットを含む銀コンポジットであってもよい。このような金属−銀コンポジットは、(i)1つ以上の他の金属および(ii)1つ以上の非金属のいずれかまたは両方を含んでいてもよい。適切な他の金属としては、例えば、Al、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、InおよびNi、特に、遷移金属、例えば、Au、Pt、Pd、Cu、Cr、Ni、およびこれらの混合物が挙げられる。例示的な金属コンポジットは、Au−Ag、Ag−Cu、Au−Ag−CuおよびAu−Ag−Pdである。金属コンポジットに適切な非金属としては、例えば、Si、CおよびGeが挙げられる。銀コンポジットの種々の要素は、例えば、約0.01重量%〜約99.9重量%、特に、約10重量%〜約90重量%の範囲の量で存在していてもよい。いくつかの実施形態において、銀コンポジットは、銀と、1種類、2種類以上の他の金属とで構成される金属アロイであり、銀は、例えば、ナノ粒子の少なくとも約20重量%、特に、ナノ粒子の約50重量%より多く含まれる。特に示されない限り、銀を含有するナノ粒子の要素について本明細書で引用される重量パーセントは、安定化剤を含まない。

0035

銀コンポジットで構成される銀ナノ粒子は、例えば、還元工程中、(i)銀化合物(または複数の化合物、特に、銀(I)イオンを含有する化合物)および(ii)別の金属塩(または複数の塩)または別の非金属(または複数の非金属)の混合物を用いることによって作ることができる。

0036

いくつかの実施形態において、銀ナノ粒子は、粒径が約2〜約50nm、または約10〜約50nm、または約20〜約50nmの範囲である。銀ナノ粒子の直径が100nm未満であると、主に、500nm未満の光を吸収する。この特性は、ほとんどのフルオロフォアが、500nmを超える波長で光を発するので、シグナル消光が最低限になるため、AgNPを蛍光発光検出と組み合わせて使用することができるため、有用である。

0037

いくつかの実施形態において、スルホン酸化ポリエステル−銀コアナノ粒子は、さらに、ナノ構造材料、例えば、限定されないが、カーボンナノチューブ(CNT単層二重層および多層を含む)、グラフェンシートナノリボンナノオニオン中空ナノシェル金属、ナノワイヤなどを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、CNTを、導電性および熱伝導性を高める量で加えてもよい。

0038

シェルポリマーは、スルホン酸化ポリエステル−銀コアナノ粒子の上に配置され、極端な環境でのスルホン酸化ポリエステル−銀コア/AgNPコンポジットの硬度、強度、耐化学薬品性および熱安定性という観点で、さらに強化してもよい。

0039

いくつかの実施形態において、スルホン酸化ポリエステル−銀コアナノ粒子の周囲に配置されるシェルポリマーは、スチレンモノマーを含み、置換または非置換のスチレンを含む。いくつかの実施形態において、シェルポリマーは、さらに、アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチルアクリル酸イソブチルアクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸 2−エチルヘキシル、アクリル酸 2−クロロエチルアクリル酸フェニル、アクリル酸 β−カルボキシエチル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸ブチル、ブタジエンイソプレンメタアクリロニトリル、アクリロニトリル、メチルビニルエーテルビニルイソブチルエーテルビニルエチルエーテル酢酸ビニルプロピオン酸ビニル安息香酸ビニルブタン酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンおよびメチルイソプロペニルケトン塩化ビニリデンビニリデンクロロフロリド、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドメタクリルアミドビニルピリジンビニルピロリドン、ビニル N−メチルピリジニウムクロリドビニルナフタレン、p−クロロスチレン塩化ビニル、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1つのビニルモノマーを含む。

0040

いくつかの実施形態において、シェルポリマーは、厚みが約0.5nm〜約100nm、または約1.0nm〜約50nm、または約1.5nm〜約20nmである。

0041

いくつかの実施形態において、シェルポリマーは、耐メタノール性耐熱分解性および耐酸塩基性のような1つ以上の特性をスルホン酸化ポリエステル−銀コアナノ粒子に与える。

0042

耐メタノール性に関し、ポリマーシェルが、コアスルホン酸化ポリエステル/AgNPコンポジットがゲル化するのを保護すると考えられる。いくつかの実施形態では、例えば、スチレンシェルを使用するときに、約10%以下の材料が溶解する。

0043

耐熱分解性に関し、ポリマーシェルで保護されたコンポジットは、400℃で約50%しか分解を示さず、一方、コーティングされていないSPE−AgNPコンポジットは、400℃で約80%の分解を示す。特に、スチレンコーティングされたコンポジットの熱安定性は、ポリスチレン単独の熱安定性よりももっと複雑なようである。

0044

耐酸/塩基性に関し、コアコンポジットに対してポリマーシェル(例えば、スチレン)を付加すると、塩基性条件で20〜30%向上するだろう。最後に、SPE/AgNpコアの周囲のポリマーシェル(例えば、ポリスチレン)は、実質的に、有機/無機ハイブリッドコンポジットコア材料の剛性および強度を高める。

0045

ポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子SPE−AgNPから合成されたコンポジットフィラメント
まず、本明細書に記載されるコンポジット粉末を、ポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子(SPE−AgNP)から調製し、次いで、フィラメント製造によって、コンポジット粉末をコンポジットフィラメントに変換する。

0046

コンポジット粉末は、従来の手段(粉砕および分級)または化学的手段(乳化凝集)によって調製されてもよい。米国特許第5,111,998号、第5,147,753号、第5,272,034号および第5,393,630号。

0047

コンポジット粉末は、乳化凝集手段によって調製されてもよい。制限なく、乳化凝集コンポジット粒子を作成する際に、任意の適切な乳化凝集手順を使用してもよい。図3は、本開示の特定の実施形態による熱溶解積層法(FDM)のための乾燥粒子を調製するための乳化業種プロセスを示す。これらの手順は、典型的には、粒子(例えば、本開示に記載されるもの)、ポリマーコーティングされたコア粒子(コア粒子が、スルホン酸化ポリエステルマトリックスとスルホン酸化ポリエステルマトリックスの中に配置された複数の銀ナノ粒子を含む)、1つ以上のさらなる任意要素の添加剤のエマルションを凝集させ、凝集した粒子を作成し、その後、凝集した粒子を融着させ、次いで、得られた乳化凝集粒子回収し、場合により、洗浄し、場合により乾燥させる処理工程を含む。しかし、いくつかの実施形態において、このプロセスは、融着の前の融着剤(または融着助剤)の添加によって改変される。融着剤の添加によって、改良された晶粒が生成するトナー粒子を与え、または低い処理温度で短い時間で融着を行うことができ、またはこの両方が可能になる。いくつかの実施形態において、凝集工程の前に、SPE−AgNPに水を加えてスラリーを作成する。いくつかの実施形態において、水の添加によって、スラリーの合計重量を基準とした合計固形含有量を、約1%〜約40%、約5%〜約20%または約10%〜約50%にすることができる。凝集工程は、スラリーを約30℃〜約80℃、約40℃〜約70℃または約50℃〜約68℃の温度まで加熱することを含む。凝集工程の持続時間は、約1分〜約8時間、約30分〜約6時間または約60分〜約4時間であってもよい。融着工程は、凝集した粒子を約30℃〜約95℃、約40℃〜約95℃または約60℃〜約90℃の温度まで加熱することを含む。融着工程の持続時間は、約1分〜約6時間、約30分〜約4時間または約60分〜約3時間であってもよい。

0048

適切な融着剤の例としては、限定されないが、安息香酸アルキルエステル、エステルアルコールグリコールエーテル型溶媒、長鎖脂肪族アルコール芳香族アルコール、これらの混合物などが挙げられる。安息香酸アルキルエステルの例としては、アルキル基(直鎖または分枝鎖、置換または非置換であってもよい)が約2〜約30個の炭素原子を含む安息香酸アルキルエステル、例えば、安息香酸デシルまたは安息香酸イソデシル、安息香酸ノニルまたは安息香酸イソノニル、安息香酸オクチルまたは安息香酸イソオクチル、安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸トリデシルまたは安息香酸イソトリデシル、安息香酸3,7−ジメチルオクチル、安息香酸3,5,5−トリメチルヘキシル、これらの混合物などが挙げられる。このような安息香酸アルキルエステルの具体的な市販例としては、Vlesicol Chemical Corporationから入手可能なVELTA(登録商標)262(安息香酸イソデシル)およびVELTA(登録商標)368(安息香酸2−エチルヘキシル)が挙げられる。エステルアルコールの例としては、アルキル基(直鎖または分枝鎖、置換または非置換であってもよい)が独立して約2〜約30個の炭素原子を含むアルカン酸ヒドロキシアルキルエステル、例えば、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチレートが挙げられる。このようなエステルアルコールの具体的な市販例としては、Eastman Chemical Companyから入手可能なTEXANOL(登録商標)(2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチレート)が挙げられる。グリコール−エーテル型の溶媒の例としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートブチルカルビトールアセテート(BCA)などが挙げられる。長鎖脂肪族アルコールの例としては、アルキル基が約5〜約20個の炭素原子を含むもの、例えば、エチルヘキサノールオクタノールドデカノールなどが挙げられる。芳香族アルコールの例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。

0049

いくつかの実施形態において、融着剤(または融着助剤)は、乳化凝集プロセスの後の段階または融着中(例えば、一般的に、スルホン酸化ポリエステル樹脂のガラス転移温度付近またはこの温度よりも上である加熱工程中)に蒸発する。従って、最終的なコンポジット粉末は、残留する融着剤を含まないか、または本質的に含まないか、または実質的に含まない。残留する融着剤が、最終的な粉末コンポジットに存在してもよい程度まで、残留する融着剤の量は、コンポジット粉末の任意の特性または性能に影響を与えない量である。

0050

融着前に、融着剤を任意の望ましい量または適切な量で添加してもよい。例えば、融着剤を、反応媒体中の固体含有量を基準として、約0.01〜約10重量%の量で添加してもよい。例えば、融着剤を、反応媒体中の固体含有量を基準として、約0.05重量%または約20.0重量%、約0.1重量%から約10.0重量%まで、または約0.5重量%〜約5.0重量%の量で添加してもよい。いくつかの実施形態において、融着剤を、凝集と融着の間の任意の時間に、または加熱前に前もって添加してもよい。

0051

任意要素の添加剤、例えば、ワックス顔料セラミック炭素繊維またはナノチューブおよびフィラーが、コンポジット粉末に含まれていてもよい。凝集工程前または凝集工程中に、または加熱前に前もって、これらの添加剤を加えてもよい。コンポジット粉末中に存在する添加剤の量は、コンポジット粉末の合計重量の約0重量%〜約30重量%、約0重量%〜約20重量%、または約0重量%〜約10重量%であってもよい。

0052

製造方法
本開示は、本明細書に記載するコンポジット粉末を製造するための方法も提供する。ポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子SPE−AgNPから微粒子を調製するための方法は、トナー粒子を作成するために知られているプロセス(乳化凝集、すなわちEA)と同様である。凝集剤(例えば、酢酸亜鉛塩化マグネシウム塩、硫酸アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウム(PAC))の助けを借りて、狭い粒度分布を有し、制御可能な粒径を有する粒子を得ることができる。粒子の形状は、温度、時間および攪拌によって制御され、不規則な形状または不完全な球形から、ほぼ球形または完璧な球形までの範囲の粒子を与えることができる。

0053

この方法は、有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱することと、前記有機物を含まない溶媒中、前記加熱した樹脂に銀(I)イオン溶液を加え、混合物を作成することと、前記混合物に還元剤溶液を加えることによって、スルホン酸化ポリエステルマトリックスと前記スルホン酸化ポリエステルマトリックスの中に配置された複数の銀ナノ粒子とを含むコア粒子のエマルションを作成することと、前記コア粒子のエマルションにスチレンモノマーおよび開始剤を加え、前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーを作成し、それによって、コンポジット構造を作成することと;コンポジット粒子のエマルションを凝集させ、凝集した粒子を作成することと;前記凝集した粒子を融着させ、融着した粒子を作成することと;前記融着した粒子を洗浄することによって、コンポジット粉末を作成することとを含む。「有機物を含まない溶媒」という用語は、任意の有機溶媒を含有しない媒体、有機物を含まない溶媒であると考えられる水性媒体(例えば、水)を指す。

0054

いくつかの実施形態において、加熱は、約65℃〜約90℃の温度で行われる。ポリマー樹脂初期の溶解と、銀イオン存在下でのその後の還元の両方に、この範囲の温度が適している。

0055

いくつかの実施形態において、銀(I)イオン源は、硝酸銀、スルホン酸銀、フッ化銀過塩素酸銀乳酸銀テトラフルオロホウ酸銀酸化銀酢酸銀から選択されてもよい。硝酸銀は、AgNPを合成するための一般的な銀イオン前駆体である。

0056

いくつかの実施形態において、還元剤は、アスコルビン酸クエン酸三ナトリウムグルコースガラクトースマルトースラクトース没食子酸ロスマリン酸カフェイン酸タンニン酸ジヒドロカフェイン酸、ケルセチン水素化ホウ素ナトリウム水素化ホウ素カリウムヒドラジン水和物次亜リン酸ナトリウム塩酸ヒドロキシルアミンから選択される。いくつかの実施形態において、AgNPを合成するための還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムを含んでいてもよい。適切な還元剤の選択によって、望ましいナノ粒子形状に近づくだろう。例えば、アスコルビン酸は、ビタミンC錠剤定量化に関する試験中、銀ナノ平板形態を与えることが観察された。Rashid et al.J.Pharm.Sci.12(1):29−33(2013)。

0057

いくつかの実施形態において、この方法は、スチレンモノマーを加える工程の間に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸 2−エチルヘキシル、アクリル酸 2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸 β−カルボキシエチル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、ブタジエン、イソプレン、メタアクリロニトリル、アクリロニトリル、メチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエチルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、ブタン酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンおよびメチルイソプロペニルケトン、塩化ビニリデン、ビニリデンクロロフロリド、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル N−メチルピリジニウムクロリド、ビニルナフタレン、p−クロロスチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1つのビニルモノマーを添加する工程も含んでいてもよい。

0058

いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、固体含有量が比較的低い状態でコンポジットを製造するのに特に良く適しているだろう。このような条件下、銀イオンと還元剤は、ポリマーマトリックス全体に容易に拡散するだろう。銀イオンの場合、このような容易な拡散によって、マトリックス全体の銀の分布均一性が高まるだろう。次いで、コンポジット粉末をフィラメントへと加工してもよい。本開示のコンポジットフィラメントは、押出成型プロセスを用いて製造されてもよい。まず、コンポジット粉末をメルトフローインデックスMFI)装置(押出式可塑度計とも呼ばれる)に入れ、約60℃〜約250℃、約60℃〜約190℃、または約80℃〜約150℃の温度で所定時間、例えば、約1〜約90分、約1〜約60分、約5〜約45分かけて平衡状態にしてもよい。平衡状態にした後、得られた材料を、直径0.5〜5mmのダイによって、約1kg〜約30kg、約1kg〜約20kgまたは約2kg〜約10kgの範囲の重量で押出成型し、FDMフィラメントを製造してもよい。いくつかの実施形態において、コンポジットフィラメントは、直径が例えば約0.5mm〜約5.0mm、約1.5mm〜約3.0mm、約1.75mm〜約3.0mmの円柱形の形態である。コンポジットフィラメントの長さは、任意の長さであってもよく、例えば、試験目的のために、約2フィート〜約100フィート、約2フィート〜約50フィート、約5フィート〜約20フィート、商業目的のために、約50フィート〜2000フィート、約300フィート〜約1500フィート、または約400フィート〜約1300フィートであってもよい。

0059

フィラメントの製造プロセスは、単に、コンポジットの物理的な外観を変え、コンポジットの材料または内容物を変えない。従って、本開示のフィラメントは、本明細書に記載するのと同じスルホン酸化ポリエステルマトリックスと銀ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、フィラメントは、本明細書に記載するのと同じスルホン酸化ポリエステル−銀コアナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、フィラメントは、本明細書に記載するのと同じシェルポリマーが上に配置されたスルホン酸化ポリエステル−銀コアナノ粒子を含む。

0060

いくつかの実施形態において、銀ナノ粒子の保持量は、コンポジットフィラメント中に、約0.5ppm〜約50,000ppm、約5ppm〜約5,000ppm、約10ppm〜約2,500ppmまたは約50ppm〜約1,000ppmの範囲で存在する。抗菌用途のために、この範囲内の保持濃度の銀を使用してもよい。これより低い銀濃度は、触媒用途には十分な場合があり、1ppm程度の低いAgNP濃度が使用されている。Ghosh、S.K.et al.Langmuir.18(23):8756−8760 (2002)。

0061

いくつかの実施形態において、本明細書に記載される複数のコンポジットフィラメントを含む物品が提供され、このコンポジットフィラメントは、スルホン酸化ポリエステルマトリックスおよび前記マトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子と、前記コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含んでいてもよい。

0062

本発明のコンポジット粉末の特性によって、本発明のコンポジット粉末は、限定されないが、電子部品光学検出器化学センサおよび生化学センサおよびデバイスを含む種々の用途に有用である。これら任意の材料を小型化する能力は、本発明のナノスケールのコンポジット構造を使用する主要な利点である。本発明のコンポジット粉末を使用する他の関心の高い分野としては、限定されないが、抗菌用途、光学的な二安定性、繊維製品光応答性、環境、生体、医薬(膜および分離デバイス)、機能的に優れたコーティング、燃料および太陽電池、触媒としての使用が挙げられる。

0063

以下の実施例は、本開示の実施形態を示すために提出される。これらの実施例は、単なる実例であることを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。また、部および百分率は、特に指示のない限り、重量基準である。本明細書で使用する場合、「室温」は、約20℃〜約25℃の温度を指す。

0064

一般的なプロセス:コンポジット調製は、分岐したソジオスルホン酸化ポリエステル(BSPE)を約90℃で水に分散させ、その後、硝酸銀溶液を添加し、最後に、クエン酸三ナトリウム、アスコルビン酸のような穏やかな還元剤を添加することを含む。Ag(I)からAg(0)への還元は、BSPEにAg(I)塩を添加した後に起こり、還元剤によって促進される。クエン酸三ナトリウム還元剤経路によって合成されるAgNP−BSPE系は、バイオセンサのようなさらなる用途のためにクエン酸キャップを利用することもでき、ここで、クエン酸リガンドは、サンプル中の分析物の濃度の定量分析または定性分析のための分析物の結合に使用される。最後に、ポリマーモノマー(例えば、スチレンモノマー)は、開始剤(例えば、過硫酸アンモニウム)と共に加えられ、コア粒子の周囲にポリマーシェルを生成する。

0065

実施例1
この実施例は、本開示の実施形態の分岐したソジオスルホン酸化アモルファスポリエステル(BSPE)の調製を記載する。

0066

0.425モル当量のテレフタレート、0.080モル当量の5−スルホイソフタル酸ナトリウム、0.4501モル当量の1,2−プロパンジオール、0.050モル当量のジエチレングリコールで構成される、分岐したアモルファススルホン酸化ポリエステル樹脂を以下のように調製した。加熱した底部ドレイン弁、高粘度ダブルタービンアジテーターおよび冷水凝縮器を有する蒸留受け器を取り付けた1リットルParr反応器に、388gのテレフタル酸ジメチル、104.6gのナトリウム 5−スルホイソフタル酸、322.6gの1,2−プロパンジオール(1モル過剰のグリコール)、48.98gのジエチレングリコール(1モル過剰のグリコール)、トリメチロールプロパン(5g)および触媒として0.8gの酸化ブチルスズ水酸化物を投入した。反応器を攪拌しつつ、3時間かけて165℃まで加熱し、次いで、1時間かけて190℃まで加熱し、その後、圧力を1時間かけて大気圧から約260Torrまでゆっくりと下げ、次いで、2時間かけて5Torrまで下げた。次いで、圧力を30分かけて約1Torrまで下げ、ポリマーを、底部ドレインから、ドライアイスで冷却した容器に取り出し、460gのスルホン酸化ポリエステル樹脂を得た。分岐したスルホン酸化ポリエステル樹脂は、測定したガラス転移温度が54.5℃(開始)、軟化点が154℃であった。

0067

実施例2
この比較例は、銀もスチレンシェルも含まないBSPEコア粒子の調製を示す。

0068

オーバーヘッドスターラー環流凝縮器熱電対ホットプレートおよび窒素投入口を取り付けた3ッ口の500mL丸底フラスコで反応を行った(凝縮器は、窒素出口として作用した)。125mLの脱イオン水(DIW)を、このフラスコRT(約22℃)で投入した。窒素をこの溶液に流しつつ、攪拌しながらDIWを90℃まで加熱した。(RPM=330)。このDIWに、実施例1で得られた、細かく粉砕した固体BSPE50.0gを加えた(RPM=400)。この溶液を90℃で2時間攪拌した(RPM=400)。BSPEエマルションを得て、攪拌しながら室温まで冷却した(RPM=400)。BSPEエマルションの最終的な外観は、白色不透明溶液であった。

0069

実施例3
この比較例は、BSPEコア粒子の周囲にスチレンシェルを作成し、コア粒子の中に銀が分散していないものを示す。

0070

オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素投入口を取り付けた3ッ口の500mL丸底フラスコで反応を行った(凝縮器は、窒素出口として作用した)。約240mLの脱イオン水を、このフラスコにRT(約22℃)で投入した。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素をこの系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定化したら、このフラスコに、実施例1で得られた、細かく粉砕した固体BSPE50.0gを加えた(RPM=300)。得られた溶液は、半透明であり、わずかに青色であり、これを2時間攪拌し続けた。次いで、上の設定温度を75℃に下げた。温度が安定化したら、3.6gのスチレン(全モノマーの9%)を加え、その後、過硫酸アンモニウム溶液(10mLの脱イオン水に0.08gの過硫酸アンモニウムが溶解したもの)を滴下し、これが開始剤として作用する。過硫酸アンモニウムを加えると、温度がわずかに上昇する(発熱)。温度が75℃で安定化した後、この混合物に36.40gのスチレンモノマーを15分かけて滴下した。得られた溶液は、モノマーの添加が終了した後、白色不透明であった。反応物を75℃で2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。最終的な外観は、白色不透明溶液であった。

0071

実施例4
この実施例は、還元剤が存在しない状態で調製されたBSPE/AgNPコアコンポジットの周囲のスチレンシェルの作成を示す。

0072

オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素投入口を取り付けた3ッ口の500mL丸底フラスコで反応を行った(凝縮器は、窒素出口として作用した)。約235mLの脱イオン水を、このフラスコにRT(約22℃)で投入した。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素をこの系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定化したら、このフラスコに、実施例1で得られた、細かく粉砕した固体BSPE50.0gを加えた(RPM=330)。得られた溶液は、半透明であり、わずかに青色であり、これを2時間攪拌し続けた。0.12gのAgNO3を10mLの脱イオン水に溶解し、上述の溶液に滴下した(1滴/秒)。わずかに黄色から暗褐色への色変化が観察された。AgNO3の添加が終了した後、上の設定温度を75℃に下げた。温度が安定化したら、3.6gのスチレン(全モノマーの9%)を加え、その後、過硫酸アンモニウム溶液(5mLの脱イオン水に0.08gの過硫酸アンモニウムが溶解したもの)を滴下し、これが開始剤として作用する。過硫酸アンモニウムを加えると、温度がわずかに上昇する(発熱)。温度が75℃で安定化した後、この混合物に36.40gのスチレンモノマーを40分かけて滴下した。得られた溶液は、モノマーの添加が終了した後、淡い色であり、不透明であった。反応物を75℃で2時間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。最終的な外観は、淡い桃色の不透明溶液であった。

0073

実施例5
この実施例は、還元剤であるオレイン酸存在下で調製されたBSPE/AgNPコア粒子の周囲のスチレンシェルの作成を示す。

0074

オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素投入口を取り付けた3ッ口の500mL丸底フラスコで反応を行った(凝縮器は、窒素出口として作用した)。約118mLの脱イオン水と0.25gのオレイン酸を、このフラスコに室温(約22℃)で投入した。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素をこの系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定化したら、このフラスコに、実施例1で得られた、細かく粉砕した固体BSPE25.0gを加えた(RPM=250)。得られた溶液は、半透明であり、紫色/褐色であった。この混合物を2時間攪拌し続けた。0.12gのAgNO3を5mLの脱イオン水に溶解し、上述の溶液に滴下した(1滴/秒)。暗褐色への色変化が観察された。AgNO3の添加が終了した後、上の設定温度を75℃に下げた(RPM=330)。温度が安定化したら、20.0gのスチレンを加え、その後、過硫酸アンモニウム溶液(2mLの脱イオン水に0.05gの過硫酸アンモニウムが溶解したもの)を滴下し、これが開始剤として作用する。反応を75℃で4時間行い、次いで、60℃でさらに16.5時間行った(RPM=330)。次いで、得られた溶液を室温まで冷却した。最終的な外観は、褐色不透明溶液であった。

0075

実施例6
この実施例は、還元剤であるグルタチオン存在下で調製されたBSPE/AgNPコア粒子の周囲のスチレンシェルの作成を示す。

0076

オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素投入口を取り付けた3ッ口の500mL丸底フラスコで反応を行った(凝縮器は、窒素出口として作用した)。約240mLの脱イオン水を、このフラスコに室温(約22℃)で投入した。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素をこの系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定化したら、このフラスコに、実施例1で得られた、細かく粉砕した固体BSPE35.0gを加えた。得られた溶液は、半透明であり、白色であり、わずかに青色がかっていた。BSPEを1時間混合して分散させた。0.12gのAgNO3を5mLの脱イオン水に溶解し、上述の溶液に滴下した(1滴/秒)。褐色への色変化が観察された。AgNO3の添加が終了した後、上の設定温度を75℃に下げた。温度が安定化したら、0.0353gのグルタチオン(還元剤/安定化剤)を加えた。溶液は暗褐色になった。その後、この暗褐色溶液に3.27gのスチレン(全モノマーの8%)を加え(RPM=390)、その後、過硫酸アンモニウム溶液(5mLの脱イオン水に0.1gの過硫酸アンモニウムが溶解したもの)を滴下し、これが開始剤として作用する。紫色への色変化が観察された。5分後、36.73gのスチレンモノマーを40分かけて滴下した。溶液は、モノマーの添加が終了した後、淡い紫色であった。反応物を75℃で4時間攪拌した(RPM=390)。次いで、得られた溶液を室温まで冷却した。最終的な外観は、灰色の不透明溶液であった。

0077

実施例7
この実施例は、還元剤存在下で調製されたBSPE/AgNPコア粒子の周囲のスチレンシェルの作成を示す。

0078

オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素投入口を取り付けた3ッ口の500mL丸底フラスコで反応を行った(凝縮器は、窒素出口として作用した)。248mLの脱イオン水を、このフラスコに室温(約22℃)で投入した。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素をこの系に流した(RPM=300)。温度が安定化したら、この系に、細かく粉砕した状態の固体BSPE−1を21.61g加えた(RPM=300)。溶液は濁り、淡く青色がかっていた。0.5時間後、0.1184gのAgNO3を2mLのDIWに溶解し、約1滴/秒の速度で上述の溶液に滴下した(RPM=300)。溶液は灰色/褐色になった。0.5時間後、5mLの1%(w/w%)のクエン酸三ナトリウム溶液(還元剤)をこの系に約1滴/秒の速度で滴下した。滴下が終了したら、溶液を90℃で2時間攪拌した(RPM=300)。この溶液を室温まで冷却した(RPM=300)。最終的な外観は、褐色の不透明溶液であった。

0079

表1は、銀ナノ粒子を含むか、または含まず、スルホン酸化ポリエステル銀ナノ粒子を含む、コーティングされたコア粒子およびコーティングされていないコア粒子の粒子特性決定を示す。全てのサンプルの粒径およびゼータ電位は、一対のはずれ値(例えば、実施例5のゼータ電位および実施例6の粒径)を除き、同等である。実施例5は、ナノ粒子の負の表面電荷をわずかに増加させるオレイン酸からのカルボキシル基の寄与に起因して、他のサンプルと比較して、高いゼータ電位を有する。実施例6は、他のサンプルと比較して、スチレンとグルタチオンの保持量が多く、これは、粒径が大きいことが寄与している。

0080

0081

実施例8
この実施例は、スチレン化BSPE/AgNP粉末(すなわち、スチレンシェル/BSPE/AgNP粉末)の調製を示す。

0082

2Lガラス反応器中、200gの実施例5から得られたスチレン/BSPE−AgNPコンポジットと、200gの脱イオン水とを含むラテックスエマルションを前もって混合しておき、合計固形分13.3%を得て、0.3M硝酸を用い、pHを約5.0〜3.0に調節する。次いで、このスラリーを、約3,000〜4,000RPMで操作するIKA ULTRA TURRAX T50ホモジナイザを用いて均質化する。均質化している間に、約2.8gのポリ塩化アルミニウム混合物および約25.2gの0.02M硝酸を含む約28gのフロック形成混合物を上のスラリーに加える。その後、この2Lガラス反応器を加熱マントルに移し、RPMを230に設定し、約50℃まで加熱し、サンプルを採取し、平均トナー粒径を決定した。Coulter Counterを用いて測定した場合、スラリーの粒径が約15ミクロンになったら、反応器のRPMを75まで下げつつ、4%NaOH溶液を用いてスラリーのpHを4.5〜5.0に調節しつつ、凍結を開始する。反応器の温度を96℃まで上げる。融着温度になったら、Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置によって測定したときに粒子の真円度が0.975〜0.980になるまでスラリーを約3時間融着させる。次いで、スラリーを冷却する。スラリーの最終粒径は約15.5ミクロンであり、GSDvが1.25、GSDnが1.25、真円度が0.981である。次いで、スラリーを反応器から取り出し、粒子を母液から濾過し、脱イオン水(DIW)で2回洗浄する。最終的なスラリーを200mLの脱イオン水に再び分散させ、シェルフリーザーによって凍結させ、乾燥器に3日間置き、FDM積層造形に使用される乾燥粒子を得る。

0083

実施例9
この実施例は、フィラメントの製造を示す。

0084

実施例8から得られた乾燥した粒子をメルトフローインデックス(MFI)装置(押出式可塑度計)に供給し、90℃で6分間かけて平衡状態にした。次いで、この材料を17kgで直径2mmのダイによって押出成型し、抗菌試験のためのFDMフィラメントを製造した。

0085

実施例10
この実施例は、実施例3〜7から得られたハイブリッドコンポジット(スチレンシェル/BSPE/AgNP)の頑丈さを試験する。

0086

(A)耐溶媒性
耐溶媒性試験は、コンポジットが、他の方法ではこのポリマーを分解する化学薬品または溶媒に耐える能力を試験する。

0087

手動プレスを用い、約0.50gのサンプルを5トンの圧力で5分間圧縮することによって、ペレットを製造した。ペレットの初期重量を測定した。バイアルに10mLの溶媒を加えた。24時間後、溶液を5回反転させた。48時間後、ペレットを秤量皿に置いた。ペレットを風乾させた。ペレットの最終的な質量を測定し、一定重量になったとき(±0.0001g)に記録した。

0088

BSPEのみでは、高い誘電定数/高い極性を有する溶媒(すなわち、メタノール)を用いた処理に十分に耐えることができない。48時間後に完全には溶解しなかったが、物理特性は、粘質ゼラチン状小塊まで顕著に変化した。

0089

純粋なポリ(スチレン)のペレットは、ペレットとしての形態を維持しており、ほぼ完全に溶解していなかった。実施例4は、他のハイブリッドナノコンポジットと比較して、良好な耐メタノール性を有していた。このサンプルは、図2からわかるように、有機マトリックス内に十分に分散したAgNPを含んでいた。

0090

全体として、スルホン酸化ポリエステルAgNPをスチレン化すると、耐メタノール性が向上した。全てのBSPE/スチレンAgNPハイブリッドが、メタノール中で別個のペレットとして残っており、ペレットの85〜90%が48時間後に未溶解であった。サンプルのほとんどが溶解した耐性試験のために、極性の低い(誘電定数が低い)溶媒を使用した。

0091

表2は、100%のBSPEまたはポリスチレンと比較して、BSPE/スチレン化AgNPの耐溶媒性の結果を示す。

0092

0093

(B)耐熱分解性
表3に示されるように、ポリマーシェルで保護された(例えば、実施例6から得たスチレン/BSPE/AgNP)は、熱重量分析(TGA)によって、400℃でわずか約50%の分解を示し、一方、コーティングされていないBSPE−AgNPコンポジットBSPEのみは、400℃で80%分解する。スチレンコーティングされたBSPE/AgNPの熱安定性は、ポリスチレンのみの熱安定性より複雑なようである。このハイブリッドコンポジットの第1の大きな質量損失は、ほぼ300℃で始まる(30.86%)が、コーティングされていないサンプルおよびポリスチレンコントロールよりも安定であり、かなり遅く分解する。

0094

0095

(C)耐酸/塩基性
耐酸/塩基性試験は、他の方法ではコンポジットを分解する酸および塩基にコンポジットが耐える能力を試験する。

0096

手動のプレスを用い、約0.50gのサンプルを5トンの圧力で5分間圧縮することによって、ペレットを製造した。ペレットの初期重量を測定した。バイアルに10mLの酸/塩基(10%硝酸、10%NaOHまたは30%の硫酸)を加えた。96時間後、ペレットを秤量皿に置いた。ペレットを3日間風乾させた。ペレットの最終的な質量を測定し、記録した。Industrial and Engineering Chemistry.Church、J.M et al.Ind.Eng.Chem.、47(12):2456−2462(1955)に公開された文献から、この手順を応用した。

0097

表4は、100%BSPEまたはポリスチレンと比較したBSPE/スチレン化AgNPの耐酸/塩基性の結果を示す。実施例3からのサンプルについて、溶解した%値を、測定中の5%サンプル損失になるように補正した。

0098

この浸漬試験の結果は、コンポジットが、塩基触媒による分解をかなり受けやすいことを示す。BSPEサンプルのみは、10%NaOHの溶解液に溶解した初期質量の量が最も高かった。対照的に、スチレンのみは、溶解しなかった。BSPE−スチレン(実施例3)およびBSPE−スチレン−銀サンプル(実施例5および6)は、スチレン化しなかったサンプルよりもアルカリ環境での分解を受けにくかった。サンプルは、酸性環境では適切に溶解しなかった。実施例6について、酸に溶解した物質の量が多いのは、酸におけるグルタチオンの加水分解の結果であると思われる。Olson、C.K.et al.J.Biol.Chem.、186:731−735(1950)。

0099

まとめると、BSPE/AgNPにスチレンシェルを添加すると、塩基性条件下で20%〜30%向上する。酸性環境では顕著な向上はない。ある場合に、AgNPが埋め込まれたBSPEは、エステル結合が加水分解によって酸とアルコールに分かれるとき、依然としてアルカリ環境に弱いだろう。さらに、加水分解は、酸触媒または塩基触媒によるものであってもよい(例えば、塩基性または酸性洗浄製品または酸性雨にさらされたポリマーコーティングされた材料)。ポリスチレンのシェルをBSPE/AgNPの周囲で重合させると、有機/無機ハイブリッドコンポジットコア材料の剛性および強度がかなり向上した。

0100

0101

実施例11
この実施例は、フィラメントの抗菌試験を示す。

実施例

0102

200mmのPyrex(登録商標)ガラス管をBacto(商標)Tryptic Soy Brothで満たし、実施例8からのフィラメントをこのガラス管に入れる。ガラス管をゴムストッパー密封し、37℃、湿度90%で14日間インキュベーションした。AgNPを含まないBSPEフィラメントのコントロールサンプル(実施例3)も同じインキュベーション手順で処理する。インキュベーション時間の後、管を濁度について視覚的に分析した。フィラメントのインキュベーションの前に、ソイブロスまたはTSBは透明である。TSBが細菌または真菌にさらされると、細菌の複製/増殖に起因して、有機体が液体を濁らせる。細菌成長の別の指標は、試験管の底部に沈降する沈殿蓄積である。実施例4のBSPE−AgNPを用いて製造したフィラメントは、細菌汚染徴候を示さず、一方、AgNPを含有しないBSPEは、濁度および沈殿の両方を示し、抗菌活性がないことを示している。

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