図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2017年11月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

関節内補充療法のため、特に関節症治療のためのポリマー溶液の提供。

解決手段

関節内補充療法のため、特に関節症の治療のためのポリマー溶液であって、a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性多糖または多糖誘導体、b)ポリスチレンスルホン酸の少なくとも1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩、およびc)水を含有する、ポリマー溶液。更に3−ヒドロキシプロピオン酸及び、消炎剤免疫抑制剤並びに細胞増殖抑制剤とを含有する、ことが好ましい、ポリマー溶液。

概要

背景

関節症(変形関節症)は広範な関節の変性疾患である。それは、軟骨表面に対する損傷(浸食)、軟骨片剥離、および軟骨片によって引き起こされる滑膜の炎症に関連する。軽度および中等度の関節症の場合、患者疼痛状態を改善し、同時に関節症の進行を減少させるためにヒアルロン酸関節内注射(関節内補充療法)を使用する試みが何年間もなされてきた。

ヒアルロン酸は関節内の体液滑液)の天然成分である。ヒアルロン酸は滑液内潤滑剤として作用する。ヒアルロン酸水溶液粘弾性であることが特に有益である。これは非常に良好な潤滑および滑走特性を生じる。

有益な潤滑特性に基づいて、ヒアルロン酸水溶液がほぼ20年にわたって関節内補充療法のために使用されている。この従来技術によれば、発酵によって生成されたヒアルロン酸が使用される。この他に、関節内補充療法のための、カルボキシメチルセルロースおよびメチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体、ならびにヒドロキシエチルデンプンなどのデンプン誘導体の使用が、原則として実施可能であるように見える。

関節内補充療法のために滅菌ヒアルロン酸水溶液を使用することが慣例的である。ヒアルロン酸の水溶液の使用に関連する1つの問題は、それらが、関節空間内への注射後、比較的短時間で固有ヒアルロニダーゼによって酵素的に分解されること、および所望の潤滑効果がこのプロセスに起因して減少することである。したがって、固有のヒアルロニダーゼに対して、より安定である水性ポリマー溶液が望まれる。

概要

関節内補充療法のため、特に関節症の治療のためのポリマー溶液の提供。関節内補充療法のため、特に関節症の治療のためのポリマー溶液であって、a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性多糖または多糖誘導体、b)ポリスチレンスルホン酸の少なくとも1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩、およびc)水を含有する、ポリマー溶液。更に3−ヒドロキシプロピオン酸及び、消炎剤免疫抑制剤並びに細胞増殖抑制剤とを含有する、ことが好ましい、ポリマー溶液。なし

目的

ヒアルロン酸の水溶液の使用に関連する1つの問題は、それらが、関節空間内への注射後、比較的短時間で固有のヒアルロニダーゼによって酵素的に分解されること、および所望の潤滑効果がこのプロセスに起因して減少することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

関節内補充療法のため、特に関節症治療のためのポリマー溶液であって、a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性多糖または多糖誘導体、b)ポリスチレンスルホン酸の少なくとも1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩、およびc)水を含有する、ポリマー溶液。

請求項2

d)3−ヒドロキシプロピオン酸を含有する、請求項1に記載のポリマー溶液。

請求項3

前記溶液目視により透明であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー溶液。

請求項4

多糖もしくは多糖誘導体、または少なくとも2種の多糖の混合物、または少なくとも2種の多糖誘導体の混合物、または少なくとも1種の多糖と少なくとも1種の多糖誘導体の混合物と、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ塩またはアルカリ土類塩の質量比が、1対1から1対0.01の範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー溶液。

請求項5

前記ポリマー溶液のポリマー含有量の合計が0.1から10wt%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー溶液。

請求項6

前記ポリマー溶液が、消炎剤抗生物質免疫抑制剤、および細胞増殖抑制剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー溶液。

請求項7

請求項8

a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖、または少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖誘導体、または少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖と少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖誘導体の混合物と、b)ポリスチレンスルホン酸の少なくとも1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩と、c)水と、d)任意に、3−ヒドロキシプロピオン酸と、e)任意に、少なくとも1種の消炎剤と、f)任意に、少なくとも1種の抗生物質と、g)任意に、少なくとも1種の免疫抑制剤と、h)任意に、少なくとも1種の細胞増殖抑制剤とからなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマー溶液。

請求項9

a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖、または少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖誘導体、または少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖と少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖誘導体の混合物と、b)ポリスチレンスルホン酸の1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩と、c)水とを、少なくとも0.5wt%のβ−プロピオラクトンと混合することを特徴とする、滅菌水性ポリマー溶液を生成する方法であって、このように調製されたポリマー溶液が4から40℃にて少なくとも24時間保存される、方法。

請求項10

0.5から2.0wt%のβ−プロピオラクトンが滅菌の目的のために加えられることを特徴とする、請求項8に記載の方法。

請求項11

関節内補充療法のための手段としての請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー溶液の使用。

請求項12

医薬品のための補助物としての請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー溶液の使用。

技術分野

0001

本発明の主題は、関節内補充療法のため、特に関節症治療のためのポリマー溶液である。

背景技術

0002

関節症(変形関節症)は広範な関節の変性疾患である。それは、軟骨表面に対する損傷(浸食)、軟骨片剥離、および軟骨片によって引き起こされる滑膜の炎症に関連する。軽度および中等度の関節症の場合、患者疼痛状態を改善し、同時に関節症の進行を減少させるためにヒアルロン酸関節内注射(関節内補充療法)を使用する試みが何年間もなされてきた。

0003

ヒアルロン酸は関節内の体液滑液)の天然成分である。ヒアルロン酸は滑液内潤滑剤として作用する。ヒアルロン酸水溶液粘弾性であることが特に有益である。これは非常に良好な潤滑および滑走特性を生じる。

0004

有益な潤滑特性に基づいて、ヒアルロン酸水溶液がほぼ20年にわたって関節内補充療法のために使用されている。この従来技術によれば、発酵によって生成されたヒアルロン酸が使用される。この他に、関節内補充療法のための、カルボキシメチルセルロースおよびメチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体、ならびにヒドロキシエチルデンプンなどのデンプン誘導体の使用が、原則として実施可能であるように見える。

0005

関節内補充療法のために滅菌ヒアルロン酸水溶液を使用することが慣例的である。ヒアルロン酸の水溶液の使用に関連する1つの問題は、それらが、関節空間内への注射後、比較的短時間で固有ヒアルロニダーゼによって酵素的に分解されること、および所望の潤滑効果がこのプロセスに起因して減少することである。したがって、固有のヒアルロニダーゼに対して、より安定である水性ポリマー溶液が望まれる。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、ヒアルロニダーゼによって分解され得ない少なくとも部分的に水溶性ポリマーを含有する水性ポリマー溶液の開発である。開発されるポリマー溶液は、ヒアルロン酸水溶液と比較してヒアルロニダーゼに対して、より安定であるべきである。

0007

本発明の別の目的は、水溶液中で互いに相溶性である少なくとも部分的に水溶性のポリマーの組み合わせを見つけることである。このことは、これらのポリマーの組み合わせが、水溶液中で1つまたは両方のポリマーの凝集を生じてはいけないことを意味する。ポリマーの組み合わせは、目視により透明である水性ポリマー溶液を形成しなければならない。

0008

本発明の別の目的は、開発されたポリマー溶液を滅菌するための方法を開発することである。この方法は、ポリマー溶液を変色させずに滅菌を可能にする。滅菌方法は、2種の少なくとも部分的に水溶性のポリマーが、滅菌プロセスに起因してポリマー溶液から凝集しないこと、およびポリマーが溶液中に存在し続けることを確実にしなければならない。

課題を解決するための手段

0009

本発明の目的は請求項1によって達成される。

0010

本発明は、関節内補充療法のため、特に関節症の治療のためのポリマー溶液である。前記ポリマーは、
a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖もしくは多糖誘導体、または少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖と少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖誘導体の混合物
b)ポリスチレンスルホン酸の少なくとも1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩、および
c)水
を含有する。

0011

驚くべきことに、ヒアルロン酸などの水溶性多糖、ならびにカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性多糖誘導体を含有する水性ポリマー溶液、ならびにポリスチレンスルホン酸のアルカリ塩およびアルカリ土類塩は、目視により透明である非凝集溶液を形成することが見出された。さらに、ヒアルロン酸およびポリスチレンスルホン酸のアルカリ塩またはアルカリ土類塩を含有する水溶液は、ヒアルロニダーゼによる分解に対して安定であることが見出された。

0012

同様に、
a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖、または少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖誘導体、または少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖と少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖誘導体の混合物と、
b)ポリスチレンスルホン酸の少なくとも1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩と、
c)水と、
d)任意に、3−ヒドロキシプロピオン酸と、
e)任意に、少なくとも1種の消炎剤と、
f)任意に、少なくとも1種の抗生物質と、
g)任意に、少なくとも1種の免疫抑制剤と、
h)任意に、少なくとも1種の細胞増殖抑制剤
からなるポリマー溶液もまた、本発明である。

0013

a)少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖または多糖誘導体、
b)ポリスチレンスルホン酸の少なくとも1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩、
c)水、および
d)3−ヒドロキシプロピオン酸
を含有するポリマー溶液もまた、本発明である。

0014

本発明によれば、多糖は天然多糖および多糖誘導体である。本発明によれば、多糖誘導体は、塩、エーテル、酸のエステルまたはエステル、特に多糖のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩であると理解されるものとする。例としては、アルギン酸アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸のナトリウム塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースエーテルデンプンデンプンエーテルグアーキチンキトサンが挙げられる。

0015

好ましくは、多糖または多糖誘導体は、ヒアルロン酸のナトリウム塩、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルデンプンおよびメチルセルロースのナトリウム塩からなる群から選択される。

0016

本発明によれば、多糖および多糖誘導体は、前記多糖の混合物または前記多糖誘導体の混合物または前記多糖の少なくとも1種と前記多糖誘導体の少なくとも1種の混合物であることが好適であり得る。

0017

多糖および多糖塩のモル質量Mnは、好ましくは、20,000から3,000,000ダルトンの範囲である。特に好ましくは、それは50,000から2,000,000ダルトンの範囲である。

0018

ヒアルロン酸塩のモル質量Mnは、好ましくは、100,000から2,000,000ダルトンの範囲である。特に好ましくは、それは500,000から1,500,000ダルトンの範囲である。

0019

本発明によれば、ポリスチレンスルホン酸塩は、以下の構造単位



を有するポリマーの塩である。これに関して、nは繰り返し構造単位の数を表し、M+はアルカリおよびアルカリ土類イオンを示す。ポリスチレンスルホン酸塩は、好ましくは、20,000から3,000,000ダルトンの範囲のモル質量Mnを有する。好ましくは、ポリスチレンスルホン酸塩は、50,000から2,000,000ダルトンの範囲の平均モル質量Mnを有する。

0020

ナトリウム塩、カリウム塩およびマグネシウム塩が、ポリスチレン酸のアルカリ塩およびアルカリ土類塩として好ましい。ナトリウム塩およびカリウム塩が特に好ましい。

0021

ポリマー溶液は、多糖もしくは多糖誘導体または前記混合物と、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ塩またはアルカリ土類塩の質量比が、1.0対1.0から1対0.0001であるという点で特徴付けられる。

0022

好ましくは、ポリマー溶液の全ポリマー含有量は、0.1から10wt%の範囲、特に好ましくは0.25から5wt%の範囲である。

0023

ポリマー溶液は、少なくとも1種の消炎剤、少なくとも1種の抗生物質、少なくとも1種の免疫抑制剤(antisuppressant)、少なくとも1種の細胞増殖抑制剤または前記薬剤の混合物を含有することが有益である。

0024

少なくとも1種の消炎剤は、好ましくは、非ステロイド性消炎剤およびグルココルチコイドからなる群から選択される。適切な例としては、アセチルサリチル酸イブプロフェンジクロフェナクケトプロフェンリン酸デキサメタゾントリアムシノロンプレドニゾンヒドロコルチゾン酢酸ヒドロコルチゾン、およびフルチカゾンが挙げられる。特に好ましくは、少なくとも1種の消炎剤は、リン酸デキサメタゾンおよびトリアムシノロンからなる群から選択される。

0025

ポリマー溶液は、硫酸ゲンタマイシンなどの一般的な抗生物質を含有してもよい。他の例としては、アミノグリコシド系抗生物質およびリンコサミド抗生物質が挙げられる。しかしながら、少なくとも1種の抗生物質は、好ましくは、テトラサイクリン抗生物質からなる群から選択され、特に好ましくは、それは、ドキシサイクリンクロロテトラサイクリンおよびオキシテトラサイクリンからなる群から選択される。

0026

さらに、免疫抑制剤および細胞増殖抑制剤がそれらに含まれてもよい。特に好ましい例としては、ドキソルビシンシクロスポリンメトトレキサートレフルノミドアザチオプリンマイトマイシンCタクロリムスシロリムス、およびエベロリムスが挙げられる。

0027

ポリマー溶液は、リン酸デキサメタゾン、トリアムシノロン、ドキシサイクリン、クロロテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキソルビシン、シクロスポリン、メトトレキサート、レフルノミド、アザチオプリン、マイトマイシンC、タクロリムス、シロリムス、およびエベロリムスからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤を含有することが特に好ましい。

0028

消炎剤、特にリン酸デキサメタゾンおよびトリアムシノロンは、関節内補充療法のためのポリマー溶液の使用の間、損傷した軟骨組織において炎症プロセスに対して有益な効果を有することができる。さらに、マイトマイシンC、タクロリムス、シロリムス、およびエベロリムスなどの免疫抑制剤が、有益には、ポリマー溶液に加えられてもよい。本発明によれば、ドキシサイクリン、クロロテトラサイクリン、オキシテトラサイクリンなどの抗生物質が、好適には、ポリマー溶液に加えられてもよい。

0029

関節内補充療法のために使用されるヒアルロン酸溶液は、これまで主に、ガンマ放射線によって滅菌されてきた。これに関して25kGy以上の線量が慣例的である。滅菌は最終的にパッケージ化されたヒアルロン酸溶液で行われる。しかしながら、ガンマ放射線への曝露は重大な不利益に関連する。ガンマ放射線への曝露は、ポリマー鎖を分解し、モル質量を明確に減少させ、低分子量の分解産物を生成する。さらに、パッケージング手段、通常、プラスチック製の使い捨て注射器は、ガンマ放射線のために脆弱になり得る。さらに、ヒアルロン酸溶液の変色が副反応に起因して起こる場合がある。特に、ポリマーの分解は、大部分、ガンマ放射線の線量に依存する。一般的なガンマ線源は球面放射線場を有する。このことは、入射線量が滅菌される対象の位置に応じて変化し得ることを意味する。この手段によって、ポリマーの分解は決して均一に進行せず、最終的な粘度の不均一性が起こり得る。滅菌したヒアルロン酸溶液の再現可能な最終的な粘度を達成することは困難である。

0030

代替滅菌法はヒアルロン酸水溶液の蒸気滅菌であるが、これはヒアルロン酸およびプラスチックパッケージング手段に対する損傷を引き起こす可能性がある。溶液の比較的高い粘度に起因して、ヒアルロン酸水溶液の濾過滅菌は、基本的に実現可能ではないか、または過度の労力を必要とするだけである。濾過滅菌は特定のサイズからの微生物生命体のみを除去する。ウイルスは濾過滅菌によって除去または不活化できない。

0031

前記物理的滅菌法以外に、医薬品を滅菌するための化学化合物を使用することもまた、慣例的である。それらには、ホルムアルデヒドグルタルジアルデヒド、o−フタジアルデヒドが挙げられる。アルデヒドによる滅菌は、それらが、ヒトでの使用の間に有害な作用を防ぐために、滅菌後に再び除去することを必要とするという点で不都合である。これにより、アルデヒドによる最終的なパッケージ化されたヒアルロン酸水溶液の滅菌は除外される。なぜなら、アルデヒドは最終的なパッケージ化されたヒアルロン酸溶液から再び除去できないからである。

0032

過酸化水素、過ギ酸過酢酸次亜塩素酸(hypochloride)などの酸化剤、およびクロラミンT2またはトリクロロイソシアヌル酸などの次亜塩素酸放出物質が非常に効果的な滅菌手段である。これらの作用物質は、それらが、溶解したヒアルロン酸の顕著な酸化的分解を引き起こすという点で不都合である。さらに、酸化剤の未反応の残留物が、その最終的なパッケージングにおけるヒアルロン酸溶液に残存する場合があり、局所的な毒性作用を有する可能性があり得る。

0033

例えば、ワクチンなどの水性タンパク質溶液は、酸化滅菌剤の作用および種々の物理的滅菌法、例えばガンマ放射線による滅菌に対して非常に感受性があることは医薬業界から知られている。この理由のために、これらの水性タンパク質溶液は最初に濾過滅菌に供され、次いで少量のβ−プロピオラクトンがウイルスを不活化するために加えられる。β−プロピオラクトンは、ウイルスのDNA/RNAまたはタンパク質アミノ基をアシル化する。溶媒として存在する水はβ−プロピオラクトンをゆっくり分解できるので、短期間の後でも水性タンパク質溶液中にもはや活性なβ−プロピオラクトンは存在しない。これまで、気体のβ−プロピオラクトンは芽胞不可逆的に不活性化できることが知られている(R.K.Hoffmann,B.Warshowsky:Beta−Propiolactone Vapor as a Disinfectant.Appl.Microbiol.1958 Sept.;6(5):358−362)。さらに、β−プロピオラクトンは、非水有機モノマーモノマー混合物および有機モノマーを含有するペーストセメント中で芽胞を不活性化することが知られている(欧州特許第2596812B1号)。

0034

しかしながら、栄養型以外に、微生物はまた、芽胞などの生殖形態も有する。微生物のこれらの生殖生存形態は、望ましくない生存条件の間に存続する手段として、グラム陽性細菌、特にバチルス(Bacillus)属およびクロストリジウム(Clostridium)属によって形成される。それらの静止状態において、芽胞は活性代謝を有さず、化学物質の作用および他の環境作用から胞子コアを大部分保護する多層胞子カプセルを保有する。このことは、胞子を、熱および化学物質の作用に対して非常に耐性にする(Borick,P.M.:Chemical sterilizers.Adv.Appl.Microbiol.10(1968)291−312;Gould,G.W.:Recent advances in the understanding of resistance and dormancy in bacterial spores. J. Appl.Bacteriol.42(1977)297−309;Gould,G.W.:Mechanisms of resistance and dormancy.p.173−209.In Hurst,A. and Gould,G. W.(ed.),The bacterial spore. vol.2 Academic Press, Inc.New York,1983)。それらの高い耐性に起因して、芽胞は滅菌プロセスの有効性の検証および制御のための生物学的指標として使用される。このことは、芽胞の不活性化が、全ての栄養型微生物形態が死滅していることを示すという仮定に基づく。グラム陽性細菌の芽胞は国際的耐性クラス(international resistance class)IIIに分類される。耐性クラスIは、無胞子形成細菌および胞子形成細菌の栄養型を含み、耐性クラスIIは105℃の蒸気流において数分間以内に死滅する胞子を含む。DAB2008(Deutsches Arzneimittelbuch)に従って、耐性クラスI〜IIIの全ての微生物は滅菌の過程において不可逆的に殺傷または不活性化されなければならない。

0035

さらに、本発明によるポリマー溶液を滅菌する方法もまた、本発明である。この方法は、少なくとも1種の少なくとも部分的に水溶性の多糖または多糖誘導体、ポリスチレンスルホン酸の1種の水溶性のアルカリ塩またはアルカリ土類塩、水、および少なくとも0.5wt%のβ−プロピオラクトン含有する混合物を調製すること、ならびにポリマー溶液が少なくとも24時間、4〜40℃にて保存されることを特徴とする。驚くべきことに、β−プロピオラクトンでの本発明によるポリマー溶液の滅菌は、付随する望ましくない変色を生じずに成功することが明らかにされた。さらに、驚くべきことに、β−プロピオラクトンによる滅菌は、ポリスチレンスルホン酸と組み合わせたヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースを含有するポリマー溶液中の沈殿に関連しないが、それらは溶解したままであり、目視により透明であることが明らかにされた。

0036

水性ポリマー溶液を滅菌するために0.5〜2.0wt%のβ−プロピオラクトンを使用することが好ましい。芽胞の安全な不活性化がこの濃度範囲で確実にされる。

0037

本発明によるポリマー溶液は、関節内補充療法のための手段、および医薬品のための補助物として提供される。

0038

本発明は以下に提示される実施例によって例示されるが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。

0039

以下の多糖および/または多糖誘導体を本明細書以下の実験において使用した:
NaHya:ヒアルロン酸のナトリウム塩(Mn約90万ダルトン)、
CMC:カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Mn約90,000ダルトン)、
MC:メチルセルロース(SM−4000)、
HEC:ヒドロキシエチルセルロース(60SH−4000)、
SS1:ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩(Mn約70,000ダルトン)、
PSS2:ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩(Mn約1,300,000ダルトン)。

0040

7.4のpH値を有するリン酸緩衝液を調製した。この目的のために、1.65gのリン酸水素カリウムおよび9.71gのリン酸水素二ナトリウム二水和物を1リットル蒸留水に溶解した。

0041

実施例1
合計5.0mlのpH7.4のリン酸緩衝液をビーズ付きの縁のあるバイアル(beaded rim vial)に入れた。合計0.25wt%、0.5wt%、1.0wt%および2.0wt%の多糖/多糖誘導体およびポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩(PSS1およびPSS2)を室温にてそれらの緩衝液中に溶解した。ポリマー溶液を24時間後に視覚的に検査した。

0042

0043

0044

0045

0046

0047

0048

実施例2
さらに抗生物質ドキシサイクリンを含んだことを除いてポリマー溶液を実施例1と同様に調製した。ドキシサイクリン−ヒアレート(doxycycline−hyalate)(ドキシサイクリン塩酸塩ヘミエタノラート半水和物)をこの目的のために使用した。ポリマー溶液を室温で24時間の保存後に視覚的に調べた。

0049

0050

実施例3
さらに抗生物質硫酸ゲンタマイシンを含んだことを除いてポリマー溶液を実施例1と同様に調製した。硫酸ゲンタマイシン(580の活量係数)をこの目的のために使用した。ポリマー溶液を室温で24時間の保存後に視覚的に調べた。

0051

0052

実施例4
さらに消炎剤リン酸デキサメタゾンを含んだことを除いてポリマー溶液を実施例1と同様に調製した。リン酸デキサメタゾンのナトリウム塩(NaDexP)をこの目的のために使用した。ポリマー溶液を室温で24時間の保存後に視覚的に調べた。

0053

0054

実施例5
リン酸緩衝液pH7.4を使用してNaHyaの0.25wt%溶液を調製した。次いで10mg、1.0mg、0.1mg、および0.01mgのPSS1を各々40.0gの溶液に加えた。0.1mgおよび0.01mgのPSS1の添加のために、リン酸緩衝液中の10mgのPSS1の溶液を調製し、この溶液の対応するアリコートをNaHya溶液に加えた。リン酸緩衝液pH7.4中の26.7IU/μlのウシヒアルロニダーゼ(Kraeber、329IU/mg)を含有する溶液を調製した。次いで、このヒアルロニダーゼ溶液の150μlのアリコートを40gのNaHya−PSS1溶液に加えた。次いで溶液をUbbelohde粘度計キャピラリーI)において37℃にて15分間維持した。次いでポリマー溶液の通過時間を決定した。次いでポリマー溶液をUbbelohde粘度計において37℃に維持した。ポリマー溶液の通過時間を連続して1時間間隔で再び測定した。さらに、ヒアルロニダーゼを加えた0.25wt%のNaHya溶液の通過時間を参照として測定した。

0055

0056

ポリマー溶液の通過時間は溶解したポリマーのモル質量に比例する。通過時間の減少はモル質量の減少に関連する。結果は、ヒアルロン酸およびポリスチレンスルホン酸を含有するポリマー溶液が、基本的に5時間の試験時間内にUbbelohde粘度計において通過時間の減少を示さないことを示す。ポリマー溶液に含まれるヒアルロン酸はヒアルロニダーゼによって分解されないことは明白である。

0057

対照のために、ポリスチレンスルホン酸に対するヒアルロニダーゼの影響を別の実験において調べた。実験の設定は以前の実験のものと同じであった。

0058

0059

結果は、ポリスチレンスルホン酸水溶液が37℃にてヒアルロニダーゼによって分解され得ないことを示した。

0060

実施例6
リン酸緩衝液pH7.4を使用してNaHyaの0.25wt%溶液を調製した。次いで10mg、1.0mg、0.1mg、および0.01mgのPSS2を各々40.0gの溶液に加えた。0.1mgおよび0.01mgのPSS2の添加のために、リン酸緩衝液中の10mgのPSS2の溶液を調製し、この溶液の対応するアリコートをNaHya溶液に加えた。リン酸緩衝液pH7.4中の26.7IU/μlのウシヒアルロニダーゼ(Kraeber、329IU/mg)を含有する溶液を調製した。次いで、このヒアルロニダーゼ溶液の150μlのアリコートを40gのNaHya−PSS2溶液に加えた。次いで溶液をUbbelohde粘度計(キャピラリーI)において37℃にて15分間維持した。次いでポリマー溶液の通過時間を決定した。この目的のためにポリマー溶液をUbbelohde粘度計において37℃に維持した。ポリマー溶液の通過時間を連続して1時間間隔で再び測定した。さらに、ヒアルロニダーゼを加えた0.25wt%のNaHya溶液の通過時間を参照として測定した。

0061

0062

ポリマー溶液の通過時間は溶解したポリマーのモル質量に比例する。通過時間の減少はモル質量の減少に関連する。結果は、ヒアルロン酸およびポリスチレンスルホン酸を含有するポリマー溶液が、基本的に5時間の試験時間内にUbbelohde粘度計において通過時間の減少を示さないことを示す。明らかに、ヒアルロン酸/ポリスチレンスルホン酸溶液中のヒアルロン酸はヒアルロニダーゼによって分解されていない。

0063

実施例7
まず、各々30.0mLのリン酸緩衝液(pH値7.4)を使用してポリスチレンスルホン酸を含有する多糖の溶液を調製した。合計106cfuのバチルスアトロフェウス(Bacillus atropheus)の胞子懸濁液を、滅菌25mLプラスチックチューブ中の多糖溶液の各々5mLに加えた。次いで、vortexミキサーを使用して胞子を均質に懸濁した。続いて、0.5wt%、1.0wt%、および2.0wt%のβ−プロピオラクトンを、以前に胞子と混合した各々5.0mLの多糖溶液に加えた。次いで試料をvortexミキサーにおいて再び均質化した。β−プロピオラクトンで処理していない多糖溶液を陽性対照として使用した。室温で48時間の保存後、多糖溶液をDIN EN ISO 11737、パート2に従って滅菌について試験した。アッセイは2連で行った。

0064

実施例

0065

β−プロピオラクトンで滅菌した多糖溶液は何であれ、陽性対照として使用した未処理の多糖溶液と比較して変色を示さなかった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 武田薬品工業株式会社の「 複素環化合物およびその用途」が 公開されました。( 2019/10/03)

    【課題】オレキシン2型受容体作動活性を有する複素環化合物を提供すること。【解決手段】式(I):[式中、各記号は明細書記載のとおりである。]で表される化合物またはその塩は、オレキシン2型受容体作動活性を... 詳細

  • ファイザー・インクの「 ピリドピリミジノンCDK2/4/6阻害剤」が 公開されました。( 2019/10/03)

    【課題・解決手段】本発明は、一般式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩[式中、R1、R2、R2A、R2B、R3、R4、R5A、R5B、R6、R7、R8、R9、p、qおよびrは、本明細書で定義さ... 詳細

  • 不二製油株式会社の「 アスコルビン酸製剤」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】 本発明は、簡易な方法で調製が可能で、異味が少なく、着色も抑制された、アスコルビン酸製剤を提供することを課題とする。【解決手段】 油中水型の乳化物であって、水相のpHが4以上であり、水相の... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ