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技術 車両用減衰力制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 妻野光宏
出願日 2016年5月19日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-100744
公開日 2017年11月24日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-206161
状態 特許登録済
技術分野 車体懸架装置
主要キーワード 駆動操作量 制御段 目標制御 相対速 非転舵輪 乗り心地制御 加減速操作量 上下速度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

悪路にて操舵操作が行われるような状況において、車両の良好な乗り心地性を確保しつつ、車体の姿勢変化を抑制しようとする。

解決手段

車輪の位置における車体の上下加速度Zddiに基づく第一の上下速度Z1diを推定し(S20)、運転者運転操作量に基づいて運転操作に起因するば車体の第二の上下速度Z2diを推定し(S30〜50)、乗り心地制御減衰係数Cco及び第一の上下速度の積Cco・Z1diと、姿勢制御の減衰係数Catと第二の上下速度との積(Cat・Z2di)と、の和から乗り心地制御の減衰係数Ccoと第二の上下速度との積(Cco・Z2di)を減算した値を目標減衰力Ftiとして演算し(S60)、目標減衰力に基づいてショックアブソーバの減衰係数Ciを制御する(S100〜120)。

概要

背景

自動車などの車両における減衰力の制御には、路面からの入力に起因する車体の上下振動制振して車両の乗り心地性を向上させる乗り心地制御と、運転者による運転操作操舵及び加減速)に起因して生じる車体の姿勢変化を抑制する操縦定性制御とがある。何れの減衰力の制御も、各車輪に対応してばね上とばね下との間に配設されたショックアブソーバ減衰係数目標の減衰係数に制御されることによって達成される。

しかし、乗り心地制御及び操縦安定性制御により制振すべき車体の上下振動の周波数域及び振幅が異なるため、乗り心地制御及び操縦安定性制御の目標減衰係数は異なる。そのため、通常時には乗り心地制御による減衰力制御が行われ、運転者による運転操作に起因して車体の姿勢が変化する状況においては操縦安定性制御による減衰力制御が行われる必要がある。

例えば、運転者による運転操作に起因して車体の姿勢が変化する状況において、以下のような制御を行うことが考えられる。なお、下記(2)の制御は、例えば下記の特許文献1に記載されている。
(1)乗り心地制御による減衰力制御に代えて操縦安定性制御による減衰力制御を行う。
(2)乗り心地制御による減衰力制御の目標減衰係数と、操縦安定性制御による減衰力制御の目標減衰係数との和を、減衰力制御の最終の目標減衰係数とする。
(3)乗り心地制御による減衰力と操縦安定性を向上させるためのフィードフォワード制御の減衰力との和を、減衰力制御の最終の目標減衰力とする。

概要

悪路にて操舵操作が行われるような状況において、車両の良好な乗り心地性を確保しつつ、車体の姿勢変化を抑制しようとする。各車輪の位置における車体の上下加速度Zddiに基づく第一の上下速度Z1diを推定し(S20)、運転者の運転操作量に基づいて運転操作に起因するば車体の第二の上下速度Z2diを推定し(S30〜50)、乗り心地制御の減衰係数Cco及び第一の上下速度の積Cco・Z1diと、姿勢制御の減衰係数Catと第二の上下速度との積(Cat・Z2di)と、の和から乗り心地制御の減衰係数Ccoと第二の上下速度との積(Cco・Z2di)を減算した値を目標減衰力Ftiとして演算し(S60)、目標減衰力に基づいてショックアブソーバの減衰係数Ciを制御する(S100〜120)。

目的

本発明の主要な課題は、余分な減衰力に起因する弊害を発生することなく、車両の良好な乗り心地性を確保し車体の姿勢変化を抑制することができるよう改良された車両用減衰力制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車輪に対応してばね上とばね下との間に配設された減衰力可変式のショックアブソーバを制御する車両用減衰力制御装置において、各車輪の位置における前記ばね上の上下振動状態量を検出する第一の検出装置と、運転者運転操作量を検出する第二の検出装置と、前記ショックアブソーバの減衰係数を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記ばね上の上下振動状態量に基づいて各車輪の位置における前記ばね上の第一の上下速度推定し、運転者の運転操作量に基づいて運転者の運転操作に起因して生じる各車輪の位置における前記ばね上の第二の上下速度を推定し、乗り心地制御の減衰係数及び前記第一の上下速度の積と、姿勢制御の減衰係数及び前記第二の上下速度の積と、の和から、前記乗り心地制御の減衰係数及び前記第二の上下速度の積を減算した値を目標減衰力として演算し、前記目標減衰力に基づいて前記ショックアブソーバの減衰係数を制御するよう構成された車両用減衰力制御装置。

請求項2

請求項1に記載の車両用減衰力制御装置において、前記制御手段は、乗り心地制御の減衰係数及び前記第一の上下速度の積と、姿勢制御の減衰係数から前記乗り心地制御の減衰係数を減算した値と前記第二の上下速度との積と、の和を目標減衰力として演算するよう構成された車両用減衰力制御装置。

請求項3

請求項1又は2に記載の車両用減衰力制御装置において、前記制御手段は、運転者の操舵操作量に基づいて運転者の操舵操作に起因して生じる車両の横加速度を推定し、前記車両の横加速度に基づいて各車輪の位置における前記第二の上下速度を推定するよう構成された車両用減衰力制御装置。

請求項4

請求項11又は2に記載の車両用減衰力制御装置において、前記制御手段は、運転者の加減速操作量に基づいて運転者の加減速操作に起因して生じる車両の前後加速度を推定し、前記車両の前後加速度に基づいて各車輪の位置における前記第二の上下速度を推定するよう構成された車両用減衰力制御装置。

請求項5

請求項11又は2に記載の車両用減衰力制御装置において、前記制御手段は、運転者の操舵操作量に基づいて運転者の操舵操作に起因して生じる車両の横加速度を推定し、運転者の加減速操作量に基づいて車両の運転者の加減速操作に起因して生じる車両の前後加速度を推定し、前記車両の横加速度及び前記車両の前後加速度に基づいて各車輪の位置における前記第二の上下速度を推定するよう構成された車両用減衰力制御装置。

請求項6

請求項1乃至5の何れか一つに記載の車両用減衰力制御装置において、前記減衰力制御装置は各車輪の位置における前記ばね上及び前記ばね下の上下相対速度を検出する第三の検出装置を有し、前記制御手段は、前記目標減衰力及び前記上下相対速度に基づいて前記ショックアブソーバの目標減衰係数を演算し、前記目標減衰係数に基づいて前記ショックアブソーバの減衰係数を制御するよう構成された車両用減衰力制御装置。

技術分野

0001

本発明は、自動車などの車両のための減衰力制御装置に係る。

背景技術

0002

自動車などの車両における減衰力の制御には、路面からの入力に起因する車体の上下振動制振して車両の乗り心地性を向上させる乗り心地制御と、運転者による運転操作操舵及び加減速)に起因して生じる車体の姿勢変化を抑制する操縦定性制御とがある。何れの減衰力の制御も、各車輪に対応してばね上とばね下との間に配設されたショックアブソーバ減衰係数目標の減衰係数に制御されることによって達成される。

0003

しかし、乗り心地制御及び操縦安定性制御により制振すべき車体の上下振動の周波数域及び振幅が異なるため、乗り心地制御及び操縦安定性制御の目標減衰係数は異なる。そのため、通常時には乗り心地制御による減衰力制御が行われ、運転者による運転操作に起因して車体の姿勢が変化する状況においては操縦安定性制御による減衰力制御が行われる必要がある。

0004

例えば、運転者による運転操作に起因して車体の姿勢が変化する状況において、以下のような制御を行うことが考えられる。なお、下記(2)の制御は、例えば下記の特許文献1に記載されている。
(1)乗り心地制御による減衰力制御に代えて操縦安定性制御による減衰力制御を行う。
(2)乗り心地制御による減衰力制御の目標減衰係数と、操縦安定性制御による減衰力制御の目標減衰係数との和を、減衰力制御の最終の目標減衰係数とする。
(3)乗り心地制御による減衰力と操縦安定性を向上させるためのフィードフォワード制御の減衰力との和を、減衰力制御の最終の目標減衰力とする。

先行技術

0005

特開平06−219130号公報

0006

〔発明が解決しようとする課題〕
上記(1)においては、乗り心地制御による減衰力制御及び操縦安定性制御による減衰力制御が択一的に行われるため、例えば悪路にて操舵操作が行われるような状況において、車両の良好な乗り心地性を確保しつつ、車体の姿勢変化を抑制することができない。

0007

上記(2)及び(3)においては、後に詳細に説明するように、減衰力の制御量に余分な減衰力が含まれるため、余分な減衰力に起因して車体の高周波振動が発生するなどの弊害が生じることが避けられない。

0008

本発明の主要な課題は、余分な減衰力に起因する弊害を発生することなく、車両の良好な乗り心地性を確保し車体の姿勢変化を抑制することができるよう改良された車両用減衰力制御装置を提供することである。

0009

〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、各車輪(14FL〜14RR)に対応してばね上(12)とばね下(14FL〜14RR)との間に配設された減衰力可変式のショックアブソーバ(18FL〜18RR)を制御する車両用減衰力制御装置(10)であって、各車輪(14FL〜14RR)の位置におけるばね上(12)の上下振動状態量(Zddi)を検出する第一の検出装置(54FL〜54RR)と、運転者の運転操作量(θ、V、Acc、Pm)を検出する第二の検出装置(52、50、46、40)と、ショックアブソーバ(18FL〜18RR)の減衰係数(Ci)を制御する制御手段(20)と、を有する車両用減衰力制御装置(10)が提供される。

0010

制御手段(20)は、ばね上(12)の上下振動状態量(Zddi)に基づいて各車輪(14FL〜14RR)の位置におけるばね上(12)の第一の上下速度(Z1di)を推定し、運転者の運転操作量(θ、V、Acc、Pm)に基づいて運転者の運転操作に起因して生じる各車輪(14FL〜14RR)の位置におけるばね上(12)の第二の上下速度(Z2di)を推定し、乗り心地制御の減衰係数(Cco)及び第一の上下速度(Z1di)の積(Cco・Z1di)と、姿勢制御の減衰係数(Cat)及び第二の上下速度(Z2di)の積(Cat・Z2di)と、の和から、乗り心地制御の減衰係数(Cco)及び第二の上下速度(Z2di)の積(Cco・Z2di)を減算した値(Cco・Z1di+Cat・Z2di−Cco・Z2di)を目標減衰力(Fti)として演算し、目標減衰力に基づいてショックアブソーバ(18FL〜18RR)の減衰係数(Ci)を制御するよう構成される。

0011

上記の構成によれば、ばね上の上下振動状態量に基づいて各車輪の位置におけるばね上の第一の上下速度が推定され、運転者の運転操作量に基づいて運転者の運転操作に起因して生じる各車輪の位置におけるばね上の第二の上下速度が推定される。更に、乗り心地制御の減衰係数及び第一の上下速度の積と、姿勢制御の減衰係数及び第二の上下速度との積から、乗り心地制御の減衰係数及び第二の上下速度との積を減算した値が目標減衰力として演算され、目標減衰力に基づいてショックアブソーバの減衰係数が制御される。

0012

後に詳細に説明するように、第一の上下速度は、路面からの入力に起因するばね上の上下速度(以下「第三の上下速度」という)と運転者による運転操作に起因して生じるばね上の上下速度との和である。換言すれば、ばね上の第三の上下速度は、ばね上の第一の上下速度からばね上の第二の上下速度を減算した値である。よって、上記目標減衰力は、乗り心地制御の減衰係数及びばね上の第三の上下速度の積と、姿勢制御の減衰係数及び運転者の運転操作に起因して生じるばね上の第二の上下速度の積と、の和と等価な値として演算される。換言すれば、上記目標減衰力は、乗り心地制御の減衰係数と第三の上下速度との積及び姿勢制御の減衰係数と第二の上下速度の積以外の余分な減衰力を含んでいない。従って、余分な減衰力に起因する車体の高周波の振動などの弊害を発生することなく、車両の良好な乗り心地性を確保すると共に、運転者の運転操作に起因する車体の姿勢変化を抑制することができる。

0013

更に、第三の上下速度を求めるためには、例えばばね下からばね上への上下加速度伝達関数を予め求めておき、ばね下の上下加速度を検出し、検出されたばね下の上下加速度及び伝達関数に基づいて路面からの入力に起因するばね上の上下加速度を演算し、該上下加速度を積分する必要がある。

0014

上記の構成によれば、第一及び第二の上下速度を使用して目標減衰力を演算することができるので、第三の上下速度を求める必要がない。従って、ばね下の上下加速度を検出する加速度センサのような特別な検出装置及びその検出結果に基づいて路面からの入力に起因するばね上の上下速度を演算することは不要である。

0015

〔発明の態様〕
本発明の一つの態様においては、制御手段(20)は、乗り心地制御の減衰係数(Cco)及び第一の上下速度(Z1di)の積(Cco・Z1di)と、姿勢制御の減衰係数(Cat)から乗り心地制御の減衰係数(Cco)を減算した値(Cat−Cco)と第二の上下速度(Z2di)との積((Cat−Cco)Z2di)と、の和(Cco・Z1di+(Cat−Cco)Z2di)を目標減衰力(Fti)として演算するよう構成される。

0016

上記態様によれば、乗り心地制御の減衰係数及び第一の上下速度の積と、姿勢制御の減衰係数から乗り心地制御の減衰係数を減算した値と第二の上下速度との積と、の和が目標減衰力として演算される。よって、姿勢制御の減衰係数から乗り心地制御の減衰係数を減算した値を予め求めておくことにより、二つの積の和として目標減衰力を演算することができる。

0017

本発明の他の一つの態様においては、制御手段(20)は、運転者の操舵操作量(θ、V)に基づいて運転者の操舵操作に起因して生じる車両の横加速度(Gyh)を推定し、車両の横加速度に基づいて各車輪(14FL〜14RR)の位置における第二の上下速度(Z2di)を推定するよう構成される。

0018

上記態様によれば、運転者の操舵操作量に基づいて運転者の操舵操作に起因して生じる車両の横加速度が推定され、車両の横加速度に基づいて各車輪の位置における第二の上下速度が推定される。よって、運転者の操舵操作に起因して車両がローリングすることによる各車輪の位置における上下速度を、運転者の操舵操作量に基づいて第二の上下速度として推定することができる。

0019

特に、運転者の操舵操作量に基づいて推定される車両の横加速度は、例えば横加速度センサにより検出される車両の実際の横加速度に比して位相が進んでいる。よって、車両の実際の横加速度に基づいて第二の上下速度が推定される場合に比して、第二の上下速度の推定が遅れる虞を低減することができる。

0020

更に、本発明の他の一つの態様においては、制御手段(20)は、運転者の加減速操作量(Acc、Pm)に基づいて車両の運転者の加減速操作に起因して生じる車両の前後加速度(Gxh)を推定し、車両の前後加速度に基づいて各車輪(14FL〜14RR)の位置における第二の上下速度(Z2di)を推定するよう構成される。

0021

上記態様によれば、運転者の加減速操作量に基づいて車両の運転者の加減速操作に起因して生じる車両の前後加速度が推定され、車両の前後加速度に基づいて各車輪の位置における第二の上下速度が推定される。よって、運転者の加減速操作に起因して車両がピッチングすることによる各車輪の位置における上下速度を、運転者の加減速操作量に基づいて第二の上下速度として推定することができる。

0022

特に、運転者の加減速操作量に基づいて推定される車両の前後加速度は、例えば前後加速度センサにより検出される車両の実際の前後加速度に比して位相が進んでいる。よって、車両の実際の前後加速度に基づいて第二の上下速度が推定される場合に比して、第二の上下速度の推定が遅れる虞を低減することができる。

0023

更に、本発明の他の一つの態様においては、制御手段(20)は、運転者の操舵操作量(θ、V)に基づいて運転者の操舵操作に起因して生じる車両の横加速度(Gyh)を推定し、運転者の加減速操作量(Acc、Pm)に基づいて運転者の加減速操作に起因して生じる車両の前後加速度(Gxh)を推定し、車両の横加速度及び車両の前後加速度に基づいて各車輪(14FL〜14RR)の位置における第二の上下速度(Z2di)を推定するよう構成される。

0024

上記態様によれば、運転者の操舵操作量及び加減速操作量に基づいてそれぞれ運転者の操舵操作及び加減速操作に起因して生じる車両の横加速度及び前後加速度が推定され、車両の横加速度及び前後加速度に基づいて各車輪の位置における前記第二の上下速度が推定される。よって、運転者により操舵操作及び加減速操作の両方が行われ、車両がローリング及びピッチングする場合にも、各車輪の位置における上下速度を第二の上下速度として推定することができる。

0025

更に、それぞれ運転者の操舵操作量及び加減速操作量に基づいて推定される車両の横加速度及び前後加速度は、それぞれ車両の実際の横加速度及び前後加速度に比して位相が進んでいる。よって、車両の実際の横加速度及び前後加速度に基づいて第二の上下速度が推定される場合に比して、第二の上下速度の推定が遅れる虞を低減することができる。

0026

更に、本発明の他の一つの態様においては、減衰力制御装置(10)は各車輪(14FL〜14RR)の位置におけるばね上(12)及びばね下(14FL〜14RR)の上下相対速度(Vrei)を検出する第三の検出装置(56FL〜56RR、20)を有し、制御手段(20)は、目標減衰力(Fti)及び上下相対速度(Vrei)に基づいてショックアブソーバ(18FL〜18RR)の目標減衰係数(Cti)を演算し、目標減衰係数に基づいてショックアブソーバの減衰係数(Ci)を制御するよう構成される。

0027

上記態様によれば、第三の検出装置により各車輪の位置におけるばね上及びばね下の上下相対速度が検出される。更に、目標減衰力及び上下相対速度に基づいてショックアブソーバの目標減衰係数が演算され、目標減衰係数に基づいてショックアブソーバの減衰係数が制御される。よって、各ショックアブソーバの減衰力を、目標減衰係数及び上下相対速度の積、即ち目標減衰力になるように制御することができる。

0028

上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかし、本発明の各構成要素は、括弧書きで添えた名称及び/又は符号に対応する実施形態の構成要素に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0029

本発明による車両用減衰力制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
第一の実施形態における減衰力制御ルーチンを示すフローチャートである。
本発明による車両用減衰力制御装置の第二の実施形態における減衰力制御ルーチンを示すフローチャートである。
本発明による車両用減衰力制御装置の第三の実施形態における減衰力制御ルーチンを示すフローチャートである。
本発明による車両用減衰力制御装置の第四の実施形態における減衰力制御ルーチンを示すフローチャートである。
車体及び車輪の上下方向の相対速度Vreiと目標減衰力Ftiとショックアブソーバの制御段Sとの関係を示すマップである。

実施例

0030

[実施形態において採用されている本発明の原理
本発明の理解が容易になるよう、実施形態の説明に先立ち、本発明における減衰力制御の原理について説明する。

0031

上記「背景技術」の欄において説明した(2)及び(3)の減衰力制御においては、前述のように、減衰力の制御量に余分な減衰力が含まれるため、余分な減衰力に起因して車体の高周波の振動が発生するなどの弊害が生じることが避けられない。まず、この問題について更に説明する。

0032

ばね上としての車体の上下速度(第一の上下速度)をZbdとし、運転者の運転操作に起因して生じる車体の上下速度(第二の上下速度)をZsdとし、路面からの入力に起因する車体の上下速度(第三の上下速度)をZrdとする。更に、路面からの入力に起因して生じる車体の上下振動を減衰させて車両の乗り心地性を向上させるための減衰係数をCcoとし、運転者の運転操作に起因して生じる車体の姿勢変化を低減するための減衰係数をCatとする。

0033

車両の乗り心地性を向上させるための減衰力Fcoは、下記の式(1)により表され、車体の上下速度Zbdは、下記の式(2)により表される。
Fco=Cco・Zbd …(1)
Zbd=Zrd+Zsd …(2)

0034

<(2)の減衰力制御>
上記(2)の減衰力制御においては、乗り心地制御による減衰力制御の目標減衰係数と、操縦安定性制御による減衰力制御の目標減衰係数と、の和が、減衰力制御の最終的な目標減衰係数とされる。よって、この制御の減衰力Fcoatは、下記の式(3)により表される。
Fcoat=(Cco+Cat)Zbd …(3)

0035

上記式(2)及び(3)から、減衰力Fcoatを下記の式(4)により表すことができる。
Fcoat=(Cco+Cat)(Zrd+Zsd)
=Cco・Zrd+Cat・Zsd+Cco・Zsd+Cat・Zrd …(4)

0036

よって、減衰力Fcoatは、車両の乗り心地性を向上させる減衰力Cco・Zrd及び車体の姿勢変化を抑制する減衰力Cat・Zsdの他に、余分な減衰力Cco・Zsd及びCat・Zrdを含んでいる。そのため、余分な減衰力に起因して車体の高周波の振動が発生するなどの弊害が生じることが避けられない。

0037

<(3)の減衰力制御>
上記(3)の減衰力制御においては、乗り心地制御による減衰力と、操縦安定性を向上させるためのフィードフォワードの減衰力と、の和が、減衰力制御の最終的な目標減衰力とされる。よって、この制御の減衰力Fcoatは、下記の式(5)により表される。
Fcoat=Cco・Zbd+Cat・Zsd …(5)

0038

上記式(5)及び(3)から、減衰力Fcoatを下記の式(6)により表すことができる。
Fcoat=Cco(Zrd+Zsd)+Cat・Zsd
=Cco・Zrd+Cat・Zsd+Cco・Zsd …(6)

0039

よって、減衰力Fcoatは、車両の乗り心地性を向上させる減衰力Cco・Zrd及び車体の姿勢変化を抑制する減衰力Cat・Zsdの他に、余分な減衰力Cco・Zsdを含んでいる。そのため、この減衰力制御においても、余分な減衰力に起因して車体の高周波の振動が発生するなどの弊害が生じることが避けられない。

0040

<本発明の減衰力制御>
余分な減衰力を発生させることなく、車両の乗り心地性を向上させ、車体の姿勢変化を抑制するためには、減衰力Fcoatを下記の式(7)に従って演算することが好ましい。
Fcoat=Cco・Zrd+Cat・Zsd …(7)

0041

上記式(7)に従って減衰力Fcoatを演算するためには、路面からの入力に起因する車体の第三の上下速度Zrd、及び運転者の運転操作に起因して生じる車体の第二の上下速度Zsdを推定する必要がある。車体の第二の上下速度Zsdについては、例えば運転者の運転操作量に基づいて車体の横加速度及び前後加速度を推定し、これらの加速度を積分することにより、正確な推定を容易に行うことができる。

0042

しかし、車体の第三の上下速度Zrdを正確に推定することは容易ではない。車体の第三の上下速度Zrdを推定するためには、例えば車輪から車体への上下加速度の伝達関数を予め求めておき、車輪の上下加速度を検出し、検出された車輪の上下加速度及び伝達関数に基づいて路面からの入力に起因する車体の上下加速度Zrddを演算し、該上下加速度を積分する必要がある。更に、車輪から車体への上下加速度の伝達関数は、車両の走行状況、特にショックアブソーバの減衰係数によって変化するため、ショックアブソーバの減衰係数の関数になる。

0043

よって、本発明の減衰力制御の第一の態様においては、上記式(7)が下記の式(8)の通り等式変形される。
Fcoat=Cco・Zrd+Cat・Zsd
=Cco(Zrd+Zsd)+Cat・Zsd−Cco・Zsd
=Cco・Zbd+Cat・Zsd−Cco・Zsd …(8)

0044

上記式(8)には車体の第三の上下速度Zrdは含まれていない。車体の第一の上下速度Zbdは、例えば加速度センサにより検出された車体の上下加速度Zbddを積分することにより、容易に且つ正確に求められる。運転者の運転操作に起因して生じる車体の第二の上下速度Zsdも、上述の通り容易に且つ正確に求められる。

0045

よって、本発明の減衰力制御の第一の態様においては、車体の第一の上下速度Zbd及び車体の第二の上下速度Zsdに基づいて、上記式(8)に従って減衰力Fcoatが演算され、ショックアブソーバの減衰力が減衰力Fcoatになるよう、ショックアブソーバの減衰係数が制御される。

0046

本発明の減衰力制御の第二の態様においては、下記の式(9)の通り、減衰係数Catから減衰係数Ccoを減算した値を減衰係数Catcoとして、上記式(8)が下記の式(10)の通り等式変形される。
Cat−Cco=Catco …(9)
Fcoat=Cco・Zbd+Cat・Zsd−Cco・Zsd
=Cco・Zbd+(Cat−Cco)Zsd
=Cco・Zbd+Catco・Zsd …(10)

0047

上記式(8)と同様に、上記式(10)にも車体の第三の上下速度Zrdは含まれておらず、上記式(10)に含まれる変数は、上述の通り容易に且つ正確に求めることができる車体の第一の上下速度Zbd及び車体の第二の上下速度Zsdである。

0048

よって、本発明の減衰力制御の第二の態様においては、車体の第一の上下速度Zbd及び車体の第二の上下速度Zsdに基づいて、上記式(10)に従って減衰力Fcoatが演算され、ショックアブソーバの減衰力が減衰力Fcoatになるよう、ショックアブソーバの減衰係数が制御される。この場合、減衰係数Catcoは、上記式(9)に従って予め求められた値であってよい。

0049

次に、添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。

0050

[第一の実施形態]
図1に示された第一の実施形態にかかる車両用減衰力制御装置10は、ばね上としての車体12及びばね下としての車輪14FL、14FR、14RL及び14RRを有する車両16に適用されている。車体12と車輪14FL、14FR、14RL及び14RRとの間には、それぞれショックアブソーバ18FL、18FR、18RL及び18RRが配設されている。減衰力制御装置10は、ショックアブソーバ18FL、18FR、18RL及び18RRの減衰係数CFL、CFR、CRL及びCRRを制御する減衰力制御用電子制御装置20を含んでいる。

0051

ショックアブソーバ18FL、18FR、18RL及び18RRは、複数の制御段Sを有する減衰力可変式のショックアブソーバである。制御段Sは、減衰係数Ci(i=FL、FR、RL及びRR)が最も小さい制御段S1(ソフト)から減衰係数Ciが最も大きい制御段Sn(ハード)まで、n(正の整数)段階に切り替わる。ショックアブソーバ18FL〜18RRは、減衰係数Ci(i=FL、FR、RL及びRR」)と、相対速度Vrei(i=FL、FR、RL及びRR)」と、の積Ci・Vreiにて表される減衰力を発生する。相対速度Vrei(i=FL、FR、RL及びRR)は、車体12と車輪14FL、14FR、14RL及び14RRのそれぞれとの上下方向の相対速度である。

0052

左右の前輪14FL及び14FRは転舵輪であり、左右の後輪14RL及び14RRは非転舵輪である。前輪14FL及び14FRは、運転者によるステアリングホイール22の操作に応答して駆動される電動パワーステアリング装置24によりラックバー26及びタイロッド28L及び28Rを介して転舵される。なお、左右の後輪14RL及び14RRも後輪操舵装置によって補助的に操舵されるようになっていてもよい。

0053

車両16は、車輪14FL〜14RRに制動力を付与する制動装置30を有している。制動装置30は、油圧回路32と、車輪14FL〜14RRに設けられたホイールシリンダ34FR、34FL、34RR及び34RLと、運転者によるブレーキペダル36の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ38とを含んでいる。図1には詳細に示されていないが、油圧回路32は、リザーバオイルポンプ、種々の弁装置などを含み、ブレーキアクチュエータとして機能する。

0054

制動装置30は、それぞれホイールシリンダ34FL〜34RRの圧力に比例する制動力を車輪14FL〜14RRに付与する。ホイールシリンダ34FL〜34RRの圧力は、通常時には運転者によるブレーキペダル36の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ38内の圧力(マスタシリンダ圧力Pm)に応じて制御される。即ち、マスタシリンダ圧力Pmが圧力センサ40によって検出され、制動制御用電子制御装置42により各ホイールシリンダ34FL〜34RRの圧力がマスタシリンダ圧力Pmに基づいて制御される。更に、各ホイールシリンダ34FL〜34RRの圧力は、必要に応じてオイルポンプ及び種々の弁装置が制動制御用電子制御装置42によって制御されることにより、運転者によるブレーキペダル36の踏み込み量に関係なく制御される。

0055

図1には示されていないが、車両16は、車輪14FL〜14RRのうちの駆動輪駆動力を付与する駆動装置としてのエンジンを有している。運転者によるアクセルペダル44の踏み込み量が、アクセル開度センサ46によりアクセル開度Accとして検出される。エンジンの出力は、エンジン制御装置48により通常時にはアクセル開度Accに基づいて制御され、必要に応じてアクセル開度Accとは無関係に制御される。なお、駆動装置は駆動輪に駆動力を付与することができる任意の装置であってよく、例えば電動機、ハイブリッドシステムなどであってもよい。駆動輪は、前輪14FL及び14FR又は後輪14RL及び14RRであってよく、更には四輪14FL〜14RRであってもよい。

0056

減衰力制御用電子制御装置20、制動制御用電子制御装置42及びエンジン制御装置48は、必要に応じて相互に必要な信号の授受を行う。マスタシリンダ圧力Pmを示す信号は、運転者の制動操作量を示す信号として、制動制御用電子制御装置42から減衰力制御用電子制御装置20へ入力される。なお、運転者の制動操作量を示す値は、ブレーキペダル36に対する踏力であってもよい。同様に、アクセル開度Accを示す信号は、運転者の駆動操作量を示す信号として、エンジン制御装置48から減衰力制御用電子制御装置20へ入力される。電子制御装置20には、車速センサ50により検出された車速Vを示す信号及び操舵角センサ52により検出された操舵角θを示す信号も入力される。

0057

車両16は、車輪14FL〜14RRに対応する位置にそれぞれ上下加速度センサ54FL〜54RR及びストロークセンサ56FL〜56RRを有している。上下加速度センサ54FL〜54RRはそれぞれ車輪14FL〜14RRに対応する位置における車体12の上下加速度Zddi(i=FL、FR、RL及びRR)を検出する。なお、三つの上下加速度センサが設けられ、上下加速度センサが設けられていない位置における車体12の上下加速度は、三つの上下加速度センサにより検出された三つの上下加速度に基づいて推定されてもよい。

0058

ストロークセンサ56FL〜56RRは、それぞれ車体12から車輪14FL〜14RRを懸架するサスペンションストロークSi(i=FL、FR、RL及びRR)を検出する。なお、ストロークセンサ56FL〜56RRは、車輪14FL〜14RRがバウンドリバウンドもしていない中立位置にあるときを0とし、バウンドストロークを正とし、リバウンドストロークを負としてストロークSiを検出する。

0059

電子制御装置20には、上下加速度センサ54FL〜54RRから車体12の上下加速度Zddiを示す信号が入力され、ストロークセンサ56FL〜56RRからストロークSiを示す信号が入力される。上下加速度センサ54FL〜54RRは、車輪14FL〜14RRの位置における車体12の上下振動状態量として上下加速度Zddiを検出する第一の検出装置として機能する。圧力センサ40、アクセル開度センサ46、車速センサ50及び操舵角センサ52は、運転者の運転操作量を検出する第二の検出装置として機能する。

0060

減衰力制御用電子制御装置20は、上述のように入力される信号の情報に基づいて、図2に示されたフローチャートに対応する制御プログラムに従って、ショックアブソーバ18FL〜18RRの減衰係数Ciを制御する制御手段として機能する。なお、減衰力制御用電子制御装置20は、制動制御用電子制御装置42及びエンジン制御装置50と同様に、例えばCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有し、これらが双方向性コモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータであってよい。

0061

第一の実施形態は、上記本発明の第一の態様に従って減衰係数Ciを制御するよう構成されている。減衰係数Ciを制御する減衰力制御プログラムは、減衰力制御用電子制御装置20のROMに格納されており、減衰係数Ciの制御は同制御プログラムに従ってCPUにより実行される。減衰力制御用電子制御装置20のROMには、図6に示されたマップ、即ち車体12及び車輪14FL〜14RRの上下方向の相対速度Vreiと目標減衰力Ftiと制御段Sとの関係のマップが格納されている。

0062

次に、図2に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態における減衰力制御ルーチンについて説明する。なお、図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチオンであるときに、所定の時間毎に例えば左前輪右前輪左後輪及び右後輪の順に繰返し実行される。以下の説明においては、図2に示されたフローチャートによる減衰力制御を単に「制御」と指称する。

0063

まず、ステップ10においては、上下加速度センサ54FL〜54RRにより検出された車体12の上下加速度Zddiを示す信号などの読み込みが行われる。ステップ20においては、上下加速度Zddiが積分されることにより、車輪14FL〜14RRの位置における車体12の第一の上下速度Z1di(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。

0064

ステップ30においては、車速センサ50により検出された車速V及び操舵角センサ52により検出された操舵角θに基づいて、当技術分野において公知の要領にて車両の推定横加速度Gyhが演算される。

0065

ステップ40においては、圧力センサ40により検出されたマスタシリンダ圧力Pm及びアクセル開度センサ46により検出されたアクセル開度Accに基づいて、当技術分野において公知の要領にて車両の推定前後加速度Gxhが演算される。

0066

ステップ50においては、車両の推定横加速度Gyh及び車両の推定前後加速度Gxhに基づいて、当技術分野において公知の要領にて車輪14FL〜14RRの位置における車体12の推定上下加速度Z2ddi(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。更に、推定上下加速度Z2ddiが積分されることにより、運転者の運転操作に起因して生じる車輪14FL〜14RRの位置における車体12の第二の上下速度Z2di(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。

0067

ステップ60においては、上記式(8)に対応する下記の式(11)に従って、ショックアブソーバ18FL〜18RRの目標減衰力Fti(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。なお、上記式(8)の場合と同様に、下記の式(11)におけるCcoは、路面からの入力に起因して生じる車体12の上下振動を低減するための減衰係数(予め設定された正の定数)である。Catは、運転者の運転操作に起因して生じる車体12の姿勢変化を抑制するための減衰係数(予め設定された正の定数)である。
Fti=Cco・Z1di+Cat・Z2di−Cco・Z2di …(11)

0068

ステップ100においては、ストロークセンサ56FL〜56RRにより検出されたサスペンションのストロークSiが微分されることにより、車輪14FL〜14RRの位置における車体12と車輪との間の上下相対速度Vrei(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。このステップ100は、ストロークセンサ56FL〜56RRと共働して、車輪14FL〜14RRの位置における車体12と車輪との間の上下相対速度Vreiを検出する第三の検出装置として機能する。

0069

ステップ110においては、ステップ60において演算された目標減衰力Fti及びステップ100において演算された上下相対速度Vreiに基づいて、図6に示されたマップが参照されることにより、ショックアブソーバ18FL〜18RRの目標制御段Sが決定される。よって、結果的に目標制御段Sに対応する目標減衰係数Ctiが演算される。

0070

ステップ120においては、ショックアブソーバ18FL〜18RRの制御段がステップ110において演算された目標制御段Sになるよう、制御段が制御されることにより、減衰力の制御が実行される。よって、ショックアブソーバ18FL〜18RRの減衰係数Siは目標減衰係数Ctiに制御され、これによりショックアブソーバ18FL〜18RRの減衰力は目標減衰力Ftiに制御される。

0071

以上の説明から解るように、ステップ20において、車輪14FL〜14RRの位置における車体12の第一の上下速度Z1diが演算され、ステップ30〜50において、運転者の運転操作に起因して生じる車輪14FL〜14RRの位置における第二の上下速度Z2diが演算される。更に、ステップ60において、上記式(11)に従って、ショックアブソーバ18FL〜18RRの目標減衰力Ftiが演算され、ステップ100〜120において、ショックアブソーバ18FL〜18RRの減衰力が目標減衰力Ftiになるよう制御される。

0072

第一の上下速度Z1diから第二の上下速度Z2diを減算した値Z1di−Z2diは、路面からの入力に起因する車体の第三の上下速度Zrdiと等しいので、上記式(11)は、上記式(7)に対応する下記の式(12)と等価である。即ち、路面からの入力に起因する車体12の上下振動を減衰させて車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)と、運転者の運転操作に起因して生じる車体12の姿勢変化を抑制するための減衰力(Cat・Z2di)と、の和として目標減衰力Ftiを演算することができる。更に、目標減衰力Ftiは、車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)及び車体12の姿勢変化を抑制するための減衰力(Cat・Z2di)以外の余分な減衰力を含んでいない。
Fti=Cco・Zrdi+Cat・Z2di …(12)

0073

従って、第一の実施形態によれば、余分な減衰力に起因する車体12の高周波の振動などの弊害を発生することなく、車両16の良好な乗り心地性を確保すると共に、運転者の運転操作に起因する車体12の姿勢変化を抑制することができる。

0074

[第二の実施形態]
第二の実施形態は第一の実施形態の修正例として構成されており、第二の実施形態における減衰力制御は、図3に示されたフローチャートに従って行われる。なお、図3において、図2に示されたステップと同一のステップには、図2において付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。このことは後述の他の実施形態についても同様である。

0075

第二の実施形態は、第一の実施形態の修正例として構成されており、ステップ10〜30及びステップ100〜120は第一の実施形態の場合と同様に実行される。第一の実施形態におけるステップ40は実行されず、ステップ30が完了すると、ステップ50において、車両の推定横加速度Gyhに基づいて、当技術分野において公知の要領にて車輪14FL〜14RRの位置における車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算される。更に、推定上下加速度Z2ddiが積分されることにより、運転者の操舵操作に起因して生じる車輪14FL〜14RRの位置における車体12の第二の上下速度Z2diが演算される。

0076

ステップ50が完了すると、第一の実施形態におけるステップ60に代えてステップ65が実行される。ステップ65においては、上記式(8)に対応する下記の式(13)に従って、ショックアブソーバ18FL〜18RRの目標減衰力Fti(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。なお、下記の式(13)におけるCrは、運転者の操舵操作に起因して生じる車体12のローリングを抑制するための減衰係数(予め設定された正の定数)である。
Fti=Cco・Z1di+Cr・Z2di−Cco・Z2di …(13)

0077

上述のように、第一の上下速度Z1diから第二の上下速度Z2diを減算した値Z1di−Z2diは、路面からの入力に起因する車体の第三の上下速度Zrdiと等しいので、上記式(13)は、上記式(7)に対応する下記の式(14)と等価である。即ち、路面からの入力に起因する車体12の上下振動を減衰させて車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)と、運転者の操舵操作に起因して生じる車体12のローリングを抑制するための減衰力(Cr・Z2di)と、の和として目標減衰力Ftiを演算することができる。更に、目標減衰力Ftiは、車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)及び車体12のローリングを抑制するための減衰力(Cr・Z2di)以外の余分な減衰力を含んでいない。
Fti=Cco・Zrdi+Cr・Z2di …(14)

0078

従って、第二の実施形態によれば、余分な減衰力に起因する車体12の高周波の振動などの弊害を発生することなく、車両16の良好な乗り心地性を確保すると共に、運転者の操舵操作に起因する車体12のローリングを抑制することができる。

0079

[第三の実施形態]
第三の実施形態も第一の実施形態の修正例として構成されており、第三の実施形態における減衰力制御は、図4に示されたフローチャートに従って行われる。

0080

ステップ10、20、40及び100〜120は、第一の実施形態の場合と同様に実行される。第一の実施形態におけるステップ30は実行されず、ステップ40が完了すると、ステップ50において、車両の推定前後加速度Gxhに基づいて、当技術分野において公知の要領にて車輪14FL〜14RRの位置における車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算される。更に、推定上下加速度Z2ddiが積分されることにより、運転者の加減速操作に起因して生じる車輪14FL〜14RRの位置における車体12の第二の上下速度Z2diが演算される。

0081

ステップ50が完了すると、第一の実施形態におけるステップ60に代えてステップ70が実行される。ステップ70においては、上記式(8)に対応する下記の式(15)に従って、ショックアブソーバ18FL〜18RRの目標減衰力Fti(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。なお、下記の式(15)及び後述の式(19)におけるCpは、運転者の加減速操作に起因して生じる車体12のピッチングを抑制するための減衰係数である。
Fti=Cco・Z1di+Cp・Z2di−Cco・Z2di …(15)

0082

上述のように、第一の上下速度Z1diから第二の上下速度Z2diを減算した値Z1di−Z2diは、路面からの入力に起因する車体の第三の上下速度Zrdiと等しいので、上記式(15)は、上記式(7)に対応する下記の式(16)と等価である。即ち、路面からの入力に起因する車体12の上下振動を減衰させて車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)と、運転者の加減速操作に起因して生じる車体12のピッチングを抑制するための減衰力(Cp・Z2di)と、の和として目標減衰力Ftiを演算することができる。更に、目標減衰力Ftiは、車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)及び車体12のピッチングを抑制するための減衰力(Cp・Z2di)以外の余分な減衰力を含んでいない。
Fti=Cco・Zrdi+Cr・Z2di …(16)

0083

従って、第三の実施形態によれば、余分な減衰力に起因する車体12の高周波の振動などの弊害を発生することなく、車両16の良好な乗り心地性を確保すると共に、運転者の加減速操作に起因する車体12のピッチングを抑制することができる。

0084

[第四の実施形態]
第四の実施形態は、上記本発明の第二の態様に従って減衰係数Ciを制御するよう構成されている。第四の実施形態における減衰力制御は、図5に示されたフローチャートに従って行われる。

0085

第四の実施形態においては、ステップ10〜50及びステップ100〜120は第一の実施形態の場合と同様に実行される。ステップ50が完了すると、第一の実施形態におけるステップ60に代えてステップ80が実行される。ステップ80においては、上記式(10)に対応する下記の式(17)に従って、ショックアブソーバ18FL〜18RRの目標減衰力Fti(i=FL、FR、RL及びRR)が演算される。なお、減衰係数Catcoは、上記式(9)により示されている通り、減衰係数Catから減衰係数Ccoを減算した値として予め求められ、減衰力制御用電子制御装置20のROMに格納されている。
Fti=Cco・Z1di+Catco・Z2di …(17)

0086

減衰係数Catcoは減衰係数Catから減衰係数Ccoを減算した値であるので、上記式(17)は、上記式(7)に対応する上記式(12)と等価である。即ち、路面からの入力に起因する車体12の上下振動を減衰させて車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)と、運転者の運転操作に起因して生じる車体12の姿勢変化を抑制するための減衰力(Cat・Z2di)と、の和として目標減衰力Ftiを演算することができる。更に、目標減衰力Ftiは、車両の乗り心地性を向上させるための減衰力(Cco・Zrdi)及び車体12の姿勢変化を抑制するための減衰力(Cat・Z2di)以外の余分な減衰力を含んでいない。

0087

従って、第四の実施形態によれば、第一の実施形態の場合と同様に、余分な減衰力に起因する車体12の高周波の振動などの弊害を発生することなく、車両16の良好な乗り心地性を確保すると共に、運転者の運転操作に起因する車体12の姿勢変化を抑制することができる。更に、目標減衰力FtiはCco・Z1di及びCatco・Z2diの二つの積の和であるので、目標減衰力Ftiが三つの積の和として演算される第一乃至第三の実施形態の場合に比して、目標減衰力Ftiを効率的に演算することができる。

0088

なお、第四の実施形態においては、目標減衰力Ftiは上記式(17)に従って演算されるが、上記式(10)の途中の式に対応する下記の式(18)に従って演算されるよう修正されてもよい。
Fti=Cco・Z1di+(Cat−Cco)Z2di …(18)

0089

更に、上記第一及び第三の実施形態と同様に、上記式(18)における減衰係数Catがローリングを低減するための減衰係数Cr及びピッチングを低減するための減衰係数Cpに置き換えられてもよい。即ち、目標減衰力Ftiが下記の式(19)又は(20)に従って演算されるよう修正されてもよい。
Fti=Cco・Z1di+(Cr−Cco)Z2di …(19)
Fti=Cco・Z1di+(Cp−Cco)Z2di …(20)

0090

上記式(12)、(14)及び(16)のように、目標減衰力Ftiを演算するための式が路面からの入力に起因する車体の第三の上下速度Zrdiを含んでいる場合には、第三の上下速度Zrdiを推定する必要がある。例えば、車輪14FL〜14RRから車体12への上下加速度の伝達関数を予め求めておき、車輪の上下加速度を検出し、検出された車輪の上下加速度及び伝達関数に基づいて路面からの入力に起因する車体の第三の上下加速度Zrddiを演算し、該第三の上下加速度を積分する必要がある。そのため、車輪の上下加速度を検出する上下加速度センサのような特別な検出装置及びその検出結果に基づく演算が必要である。

0091

上述の各実施形態によれば、目標減衰力Ftiを演算するための上記式(11)、(13)、(15)及び(17)は、容易に且つ正確に推定可能な車体12の第一の上下速度Z1di及び第二の上下速度Z2diを含んでいるが、路面からの入力に起因する車体の第三の上下速度Zrdiを含んでいない。従って、車輪の上下加速度を検出する加速度センサのような特別な検出装置及びその検出結果に基づいて路面からの入力に起因するばね上の上下速度を演算することは不要である。

0092

特に、上述の第一、第二及び第四の実施形態においては、車速V及び操舵角θに基づいて車両の推定横加速度Gyhが演算され、少なくとも推定横加速度Gyhに基づいて車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算される。更に、推定上下加速度Z2ddiが積分されることにより、運転者の運転操作に起因して生じる車体12の第二の上下速度Z2diが演算される。推定横加速度Gyhは車両の実際の横加速度よりも位相が進んでいる。よって、第二の上下速度Z2diが車両の実際の横加速度に基づいて演算される場合に比して、第二の上下速度Z2diが車体の実際の上下速度に比して遅れる虞を低減することができる。

0093

同様に、上述の第一、第三及び第四の実施形態においては、マスタシリンダ圧力Pm及びアクセル開度Accに基づいて車両の推定前後加速度Gxhが演算され、少なくとも推定前後加速度Gxhに基づいて車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算される。更に、推定上下加速度Z2ddiが積分されることにより、運転者の運転操作に起因して生じる車体12の第二の上下速度Z2diが演算される。推定前後加速度Gxhは車両の実際の前後加速度よりも位相が進んでいる。よって、第二の上下速度Z2diが車両の実際の前後加速度に基づいて演算される場合に比して、第二の上下速度Z2diが車体の実際の上下速度に比して遅れる虞を低減することができる。

0094

更に、上述の第二の実施形態によれば、運転者の操舵操作に起因して生じる車体12のローリングを抑制するための減衰係数Crが使用される。よって、減衰係数が、第一及び第四の実施形態の場合と同様に、運転者の運転操作に起因して生じる車体12の姿勢変化、即ちローリング及びピッチングの両方を抑制するための減衰係数Catが使用される場合に比して、運転者の操舵操作に起因して生じる車体12のローリングを適切に且つ効果的に抑制することができる。

0095

同様に、上述の第三の実施形態によれば、運転者の加減速操作に起因して生じる車体12のピッチングを抑制するための減衰係数Cpが使用される。よって、減衰係数が、第一及び第四の実施形態の場合と同様に、運転者の運転操作に起因して生じる車体12の姿勢変化、即ちローリング及びピッチングの両方を抑制するための減衰係数Catが使用される場合に比して、運転者の加減速操作に起因して生じる車体12のピッチングを適切に且つ効果的に抑制することができる。

0096

以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。

0097

例えば、上述の第一、第二及び第四の実施形態においては、車速V及び操舵角θに基づいて車両の推定横加速度Gyhが演算され、少なくとも推定横加速度Gyhに基づいて各車輪の位置における車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算される。しかし、車両の実際の横加速度Gyが検出され、少なくとも横加速度Gyに基づいて各車輪の位置における車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算されるよう修正されてもよい。

0098

同様に、上述の第一、第三及び第四の実施形態によれば、マスタシリンダ圧力Pm及びアクセル開度Accに基づいて車両の推定前後加速度Gxhが演算され、少なくとも推定前後加速度Gxhに基づいて各車輪の位置における車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算される。しかし、車両の実際の前後加速度Gxが検出され、少なくとも前後加速度Gxに基づいて各車輪の位置における車体12の推定上下加速度Z2ddiが演算されるよう修正されてもよい。

0099

また、上述の各実施形態においては、サスペンションのストロークSiが微分されることにより、各車輪の位置における車体12と車輪との間の上下相対速度Vreiが演算されるようになっている。しかし、車体12の上下加速度Zbdi及びばね下の上下加速度Zwdiが検出され、これらの上下加速度の差Zbdi−Zwdiの積分値が演算されることにより上下相対速度Vreiが演算されるよう修正されてもよい。更に、上下加速度センサ54FL〜54RRが省略され、車両モデルを使用して、車体12の上下加速度Zbdiに基づいて上下相対速度Vreiが推定されてもよい。

0100

また、上述の各実施形態においては、目標減衰力Ftiは、各フローチャートによる制御のサイクル毎に車両の推定横加速度Gyh及び/又は車両の推定前後加速度Gxhに基づいて演算された車体12の推定上下加速度Z2ddiを使用して演算される。しかし、目標減衰力Ftiの演算に使用される車体12の第一の上下速度Z1diの位相に比して推定上下加速度Z2ddiの位相が早すぎる場合には、所定のサイクル前に演算された推定上下加速度Z2ddiが使用されるよう修正されてもよい。

0101

10…車両用減衰力制御装置、12…車体、14FL〜14RR…車輪、16…車両、18FL〜18RR…ショックアブソーバ、20…減衰力制御用電子制御装置、42…制動制御用電子制御装置、46…アクセル開度センサ、48…エンジン制御装置、50…車速センサ、52…操舵角センサ、54FL〜54RR…上下加速度センサ、56FL〜56RR…ストロークセンサ

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